JP2677221B2 - 窒化物系iii−v族化合物半導体結晶の成長方法 - Google Patents
窒化物系iii−v族化合物半導体結晶の成長方法Info
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Description
ドライド気相成長による窒化物系III−V族化合物半
導体結晶の成長方法に関し、特に、発光ダイオードやレ
ーザに用いるための結晶性、光学特性に優れた窒化物系
III−V族化合物半導体結晶の成長方法に関するもの
である。
族化合物半導体は、青色発光素子用材料として注目され
ている。従来、窒化物系III−V族化合物半導体結晶
の成長には、基板として、サファイアが多く用いられて
きた。しかしながら、サファイア基板を用いた場合、通
常の成長温度は900〜1100℃と高温となるため
に、成長装置もこれに対応した設計としなければなら
ず、装置の材質や維持の点で問題があった。また、サフ
ァイアの加工性が悪く、レーザや発光ダイオード用にチ
ップ化することが極めて困難である。さらに、サファイ
アは電気的に絶縁物であり、素子の電極形成のために選
択エッチングなどの複雑なプロセスを必要とした。
基板に対し、GaAs基板は、劈開が容易なためにチッ
プ化が簡単に行え、電極も基板の裏面に形成できるので
プロセスが簡略化できるという利点を持っている。しか
しながら、GaAs基板結晶上に、結晶性に優れた窒化
物系III−V族化合物半導体をエピタキシャル成長さ
せた例はなく、サファイア基板結晶上のような高輝度の
発光ダイオードの作製例もない。これは、GaAsとG
aNとの間に大きな格子不整合(20%)があり、ま
た、両者の化学的性質が異なるために高品質の連続した
膜を成長させることが極めて難しいためである。また、
結晶性を向上させるために、サファイア基板上のように
高温成長を行うと、基板から砒素が蒸発し、今度はかえ
って良質の窒化物を成長させることを困難にする。
ニア(NH3 )を原料とするハイドライド気相成長法を
用いてGaAs(100)基板上700℃でGaNの成
長を行ったところ、GaAs基板とGaN層の界面が凹
凸となり、平坦な表面を有するGaN膜を得ることがで
きなかった。また、得られた結晶のX線回折の結果、多
結晶GaNが成長していることがわかり、発光ダイオー
ドを作製しても強い発光を得ることができなかった。
て、ハイドライド気相成長法により結晶性・光学特性に
優れた窒化物系III−V族化合物半導体結晶を得るた
めの成長方法を提供することにある。
上にハイドライド気相成長法を用いて窒化物系III−
V族化合物半導体結晶を成長させる窒化物系III−V
族化合物半導体結晶の成長方法において、前記GaAs
基板上に第1の窒化物系III−V族化合物半導体結晶
であるGaN単結晶を350℃以上、530℃以下の成
長温度で、1nmから50nmの膜厚で形成した後、前
記第1の窒化物系III−V族化合物半導体結晶上に第
2の窒化物系III−V族化合物半導体結晶を成長させ
ることを特徴としている。
III−V族化合物の成長温度は、その光学的性質を向
上させるためには、700℃以上の高温成長が望まし
い。しかしながら、GaAs基板上に、すぐにこのよう
な高温で成長させようとしても、連続膜を得ることは極
めて困難であることは、すでに述べた通りである。そこ
で、本発明では、第1の窒化物系III−V族化合物半
導体単結晶を比較的低温で成長させて、まず単結晶の連
続膜を形成し、次に単結晶の連続膜上に成長温度を高め
て光学的性質に優れた第2の窒化物系III−V族化合
物半導体の結晶を成長させている。
用いて、GaAs(100)面、および(111)B面
基板上に、510℃の成長温度で、30nmの膜厚で形
成したGaN膜のX線回折パターンを図3に示す。A
は、本発明の方法で成長した場合を示しており、Bは、
700℃の成長温度でGaAs基板に直接成長した場合
を示している。(100)GaAs基板上のGaN膜か
らは、(002)面の回折ピークが現れて、立方晶の単
結晶GaNが成長していることが判明した。GaAs
(111)B面基板上を用いた場合には(0002)面
からの回折ピークが現れ、六方晶の単結晶GaN膜が成
長していた。しかしながら、550℃以上の成長温度で
は多結晶GaN膜となった。
ス状のGaNや窒化アルミニウム(AlN)のバッファ
層を形成し、その上に窒化ガリウム系III−V族化合
物半導体結晶を成長させる方法は、アプライド フィズ
ィックス レターズ(Appl.Phys.Lett.
vol48(1986),p353)などに記載されて
いるが、これらの文献に記載されている低温成長バッフ
ァ層の作用は、次の通りである。
するAlN層は、アモルファス状であり、この層が、例
えばGaNを成長させるために950℃の温度まで昇温
する際、部分的に単結晶化する。この単結晶化した部分
が、950℃でGaNを成長させる際に核となり、そこ
からGaN結晶が成長し、均一なGaN単結晶が成長す
る。バッファ層が無いときは、サファイア基板において
この核になる部分が極めて少なく、均一なGaN層を成
長させることができない。
板としてハイドライドVPE法で530℃以下の温度で
成長した場合と比較すると、以下の点で異なる。まず、
従来例は、用いる基板材料がサファイア基板であるが、
本発明はGaAs基板を用いることを特徴としている。
また、従来例では、最初に成長する膜がアモルファスG
aNあるいはAlN膜であるのに対し、本発明では、ハ
イドライド気相成長により単結晶のGaN膜を基板上に
成長させる点で大きく異なる。これにより、第2の窒化
物層を完全に二次元成長化させることができるために、
より表面性にすぐれて、しかも結晶性に優れた膜を成長
させることができる。
て説明する。
体結晶の成長方法の一実施例を示す工程図である。11
はGaAs基板、12aは第1のGaN層、12bは第
2のGaN層である。
基板としては(100)面、および(111)B面を有
するGaAs11を用いた(図1(a))。このGaA
s基板11を図2のようなハイドライド気相成長装置に
セットし、510℃の温度で30nmの第1のGaN層
12を成長させた(図1(b))。引き続いて、基板温
度を700℃まで昇温し、第2のGaN層12bを成長
させた(図1(b))。
には図2に示したガリウム(Ga)、塩化水素(HC
l)、アンモニア(NH3 )を原料とするハイドライド
気相成長装置を用いた。まず、表面層をケミカルエッチ
ングしたGaAs基板11(図1(a))を基板ホルダ
ー21にのせ、反応管22内の成長領域にセットする。
ガス導入管23からキャリアガスとして水素(H2 )を
毎分当たり2000cc供給しながら、Gaソース24
の入ったソースボート25を800℃、GaAs基板1
1を510℃の温度に昇温する。温度が安定したところ
で、Gaソース24上にガス導入管23よりHClを毎
分当たり1cc供給して、Gaソース24との反応生成
物である塩化ガリウム(GaCl)をGaAs基板11
領域に供給する。NH3 ガスは、ガス導入管26より毎
分当たり600cc供給する。成長領域で、GaClと
NH3 ガスが反応して20分間で約30nmの膜厚が形
成できた(図1(b))。この後、HClの供給を止
め、NH3 ガスだけを供給しながら基板を700℃まで
昇温した。温度が安定したところで、再びGaソース2
4上にガス導入管23よりHClを毎分当たり1cc供
給して第2のGaN層12bを形成した(図1
(c))。このとき30分間の成長で0.6μmの膜厚
が得られた。成長したGaNの表面は、非常に平坦であ
った。
よび(111)B面GaAs基板上のGaN層(図1
(c))について、X線回折によりその結晶性を調べた
結果、(100)面のGaAs基板上で立方晶の結晶
が、(111)B面GaAs基板上で六方晶の単結晶が
得られた。また、X線回折ピークの半値幅は、700℃
の温度でGaAs基板に直接成長したGaN膜の半値幅
が15分であったのに対し、本実施例による方法で形成
したGaN膜では約3分であり、結晶性が大幅に向上し
た。また、発光ダイオードを作製した結果、従来のGa
As上の発光ダイオードに比較して10倍以上の明るさ
が得られた。
族化合物半導体をGaNとしたが、GaNに限らず、I
n X Ga 1-X N(0≦X≦1)でも同様な効果を得るこ
とができる。
基板を用いた例について説明したが、本発明は、GaA
s基板に限定されるものではなく、例えば、InP、G
aP等のIII−V族化合物半導体を用いても同様な効
果を得ることができる。
ライド気相成長法を用いてGaAs基板上に結晶性にす
ぐれ、発光ダイオードやレーザに適用できる高品質窒化
物系III−V族化合物半導体結晶を得ることができ
る。これは、530℃以下の低温成長で、まず平坦性に
優れた単結晶を成長させ、その後昇温して、今度は光学
的に優れた単結晶を成長させるためである。これによ
り、窒化物系III−V族化合物半導体の青色発光ダイ
オードやレーザを実現することができる。
方法の一実施例を示す工程図である。
装置の概略を示す図である。
したGaN結晶のX線回折パターンを示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】GaAs基板上にハイドライド気相成長法
を用いて窒化物系III−V族化合物半導体結晶を成長
させる窒化物系III−V族化合物半導体結晶の成長方
法において、 前記GaAs基板上に第1の窒化物系III−V族化合
物半導体結晶であるGaN単結晶を350℃以上、53
0℃以下の成長温度で、1nmから50nmの膜厚で形
成した後、前記第1の窒化物系III−V族化合物半導
体結晶上に第2の窒化物系III−V族化合物半導体結
晶を成長させることを特徴とする窒化物系III−V族
化合物半導体結晶の成長方法。 - 【請求項2】請求項1記載の窒化物系III−V族化合
物半導体結晶の成長方法において、前記GaAs基板の
(100)面または(111)B面上に前記第1の窒化
物系III−V族化合物半導体結晶であるGaN単結晶
を形成することを特徴とする窒化物系III−V族化合
物半導体結晶の成長方法。 - 【請求項3】請求項1記載の窒化物系III−V族化合
物半導体結晶の成長方法において、前記GaNに代えて
In X Ga 1-X N(0≦X≦1)を用いることを特徴と
する窒化物系III−V族化合物半導体結晶の成長方
法。 - 【請求項4】請求項1記載の窒化物系III−V族化合
物半導体結晶の成長方法において、前記GaAs基板に
代えて、InP基板またはGaP基板を用いることを特
徴とする窒化物系III−V族化合物半導体結晶の成長
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32080494A JP2677221B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 窒化物系iii−v族化合物半導体結晶の成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32080494A JP2677221B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 窒化物系iii−v族化合物半導体結晶の成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08181077A JPH08181077A (ja) | 1996-07-12 |
JP2677221B2 true JP2677221B2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=18125428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32080494A Expired - Lifetime JP2677221B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 窒化物系iii−v族化合物半導体結晶の成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2677221B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08181386A (ja) * | 1994-12-22 | 1996-07-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 半導体光素子 |
JP3899652B2 (ja) * | 1997-03-14 | 2007-03-28 | 住友電気工業株式会社 | エピタキシャルウェハ |
JP2000114594A (ja) * | 1998-10-06 | 2000-04-21 | Toshiba Corp | 半導体発光装置 |
JP4850324B2 (ja) * | 1999-07-16 | 2012-01-11 | アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド | 窒化物半導体素子および窒化物半導体レーザ素子 |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP32080494A patent/JP2677221B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Jpn.J.Appl.Phys.4[33](1994)pp.1747−1752 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08181077A (ja) | 1996-07-12 |
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