JP3946805B2 - 窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サファイア基板上への窒化ガリウム系化合物半導体(AlyGa1-x-yInxN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)) の結晶成長方法に関し、特にハロゲン化物と窒素の水素化物を用いた気相成長(例えば、ハライド気相成長)法によるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サファイア基板上への窒化ガリウム系化合物半導体層の成長方法としては、例えば、有機金属化合物気相成長法(以下「MOVPE」と記す)やハライド気相成長法(以下「HVPE」と記す)などがある。
MOVPEによる方法では、例えば特開平2−229476号公報に開示されているように、サファイア基板上に窒化アルミニウム(AlN) を成長温度400〜900℃で100〜500Åの膜厚に形成し、このAlN 層上にn型のGaNを成長させる構成としている。
又、HVPEによる方法では、例えば特開昭52─23600号公報に開示されているように、サファイア基板上に成長温度800〜1000℃でGaN層を成長させ、そのGaN層上に1000℃を超える成長温度でGaN層を成長させる構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、MOVPEによる方法では、良質な気相成長膜が得られるが、結晶成長速度が数μm/hと小さいので製造時間が長くなる。又、用いる有機金属ガスが高価であるので、製造コストがかさむという問題がある。
一方、HVPEによる方法では、結晶成長速度が大きく、安価なガスを用いることができるが、MOVPEに比較して同等程度の良質な成長膜が得られていないという問題がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記課題に鑑み、製造時間を短縮すると共に製造コストの低減を図り、サファイア基板上に良質な窒化ガリウム系化合物半導体層を気相成長させることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の手段を採用することができる。この手段によると、ハロゲン化物として GaCl 、窒素の水素化物としてアンモニア (NH 3 ) を用いて気相成長させる。HVPEにより基板温度を、GaN が単結晶化しない800℃未満の温度にして、サファイア基板上に窒化ガリウム (GaN) から成り、アモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した状態の第1の半導体層を成長させる。GaN は800℃を超える温度で成長させると単結晶化するが、800℃未満で成長させることにより、アモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した状態の非晶質構造で結晶成長する。その第1の半導体層である GaN の上に、 GaN が単結晶化する800〜1200℃の温度にして、窒化ガリウム (GaN) から成る第2の半導体層を成長させる。
アモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した状態の非晶質構造のGaN 上に単結晶の GaN を成長させることにより、第2の半導体層である GaN の横方向への単結晶成長が促進され、平坦で均一な結晶表面が得られ、第2の半導体層であるGaN の結晶性を高めることができる。又、HVPEにより結晶成長させることで、MOVPEより大きな結晶成長速度が得られると共に、結晶成長に用いるガスが安価であるので製造コストを低減できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。図1は、本発明を実施するためのHVPE装置10の構成を示した模式的断面図であり、図2は、本発明を実施して得られた素子の模式的断面図である。
HVPE装置10は、石英管11内にサファイア基板1を載置するためのサセプタ14が設けられている。石英管11内には窒素(N) の原料ガスとしてのアンモニア(NH3) 、ガリウム(Ga)の原料ガスとしてのGaClを生成するための塩化水素(HCl) 、及びキャリアガスとしての窒素(N2)が上流側(図中左側)より供給される。サセプタ14の上流には、塩化水素(HCl) と反応してGaClを生成するためのGaを配置したGa溜12が設けられている。又、Ga溜12の上流には、サファイア基板1に供給される上記各ガスの流れを適切な方向に制御するための石英板13が配置されている。石英管11の外周面には、石英管11内及びサファイア基板1の温度を調節するための高周波加熱コイル15が巻回されている。
【0007】
次に、このハライド気相成長装置10を用いたサファイア基板1への窒化ガリウム系化合物半導体層の形成方法について以下に説明する。
c面((0001) 面) を主面とするサファイア基板1を洗浄した後、窒素(N2)ガスを吹き付けてサファイア基板1を乾燥させる。この後、サファイア基板1をHVPE装置10の石英管11内に設けられたサセプタ14上に載置する。 そして、基板温度を600℃にして、N 源としてのNH3 を400 〜800cc/分、Ga源としてのGaClを生成するためのHCl を5 〜20cc/ 分、キャリアガスとしてのN2を2liter/ 分供給する。これにより、HCl とGa溜12上に載置されたGaの反応生成物としてGaClが得られ、このGaClとNH3 とN2とがサファイア基板1上に30分間供給される。このようにして、基板1上にGaN から成るバッファ層(第1の半導体層)2が膜厚約0.2 μmに成長する。GaN は、800℃を超える温度で気相成長されると単結晶化するが、800℃未満で気相成長されると非晶質であるアモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した状態に結晶成長する。本実施例では基板温度600℃でバッファ層2を気相成長させているので、アモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した結晶構造を有したバッファ層2が得られる。
【0008】
バッファ層2の形成の後、HCl の供給を停止し、基板温度を1100℃にする。基板温度が1100℃になった時点で、HCl の供給を開始する。このとき供給するガスの種類とその流量はバッファ層2の形成時と同様であり、30分間供給する。これにより、バッファ層2上に膜厚約2μmのGaN層(第2の半導体層)3が形成される。
【0009】
このようにHVPEによりサファイア基板1上に非晶質であるアモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した結晶構造を有するバッファ層2を形成し、バッファ層2上にGaN層3を気相成長させることで平坦で均一な結晶表面が得られると共に、GaN層3の結晶性を高めることができる。
図3は、本実施例で得られたGaN層3の微分干渉顕微鏡による表面写真図であり、図4は、バッファ層を設けずにGaN層を形成したときの微分干渉顕微鏡による表面写真図である。図4に示されるようにバッファ層を設けずにGaN層を形成した場合には、モザイク状となるが、図3に示されるように本実施例とすることで平坦で均一な結晶表面を有したGaN層3が得られた。
【0010】
又、図5は、本実施例で得られたGaN層3の(002) 反射に対するX線回折曲線を示したものである。比較のためバッファ層を介さずにGaN層を成長させたときのX線回折曲線も示した。図5よりバッファ層を介さない場合の半値幅は約2200秒であった。一方、本実施例で得られたX線回折曲線の半値幅は約700秒であった。この半値幅の値はMOVPEにより得られたGaN膜とほぼ同等の値である。このようにバッファ層2を設けたことで、大幅に半値幅が小さくなり、GaN層3の結晶性を向上させることができた。
【0011】
上記実施例ではバッファ層2の成長温度を600℃としたが、バッファ層2の成長温度が800℃を超えるとバッファ層2が単結晶化し、バッファ層2上に形成されるGaN層3が島状に結晶成長するので、バッファ層2の成長温度は単結晶にはならずアモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した結晶構造が得られる800℃未満であればよい。
又、上記実施例ではGaN層3の成長温度を1100℃としたが、800〜1200℃の範囲であればよく、より望ましくは1000〜1150℃の範囲であればよい。
又、上記実施例ではバッファ層2及び層3の組成をGaN としたが、層2及び3はAlyGa1-x-yInxN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)を満たす組成であればよい。
【0012】
上記に示されるように、本発明によれば、HVPEによりサファイア基板上に成長温度800℃未満で窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層を形成し、バッファ層上に成長温度800〜1200℃で窒化ガリウム系化合物半導体層を形成することにより、平坦で均一な結晶表面が得られ、良質な気相成長膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例で用いられた装置構成を示した模式図。
【図2】本発明の具体的な実施例で形成された素子の断面構成を示した模式図。
【図3】本発明の具体的な実施例で得られた素子の微分干渉顕微鏡による表面写真図。
【図4】サファイア基板上にバッファ層を設けずにGaN層を形成したときの微分干渉顕微鏡による表面写真図。
【図5】本発明の具体的な実施例で得られた素子の特性を示した特性図。
【符号の説明】
1 サファイア基板
2 バッファ層
3 GaN層
10 ハライド気相成長装置
11 石英管
12 Ga溜
14 サセプタ
15 高周波加熱コイル
Claims (1)
- サファイア基板上に、ハロゲン化物と窒素の水素化物を含むガスを用いる気相成長法により窒化ガリウム系化合物半導体を気相成長する方法であって、
前記ハロゲン化物として GaCl 、前記窒素の水素化物としてアンモニア (NH 3 ) を用いて気相成長させる方法であり、
前記基板の温度をGaN が単結晶化しない800℃未満の温度にして、前記基板上に窒化ガリウム (GaN) から成り、アモルファス状又はアモルファスと微結晶とが混在した状態の非晶質構造の第1の半導体層を成長させ、
前記基板の温度を、GaN が単結晶化する800〜1200℃の温度にして、前記第1の半導体層上に窒化ガリウム (GaN) から成る単結晶構造の第2の半導体層を成長させること
を特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法。
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