JP2003026726A - ポリビニルラクタム変性物 - Google Patents

ポリビニルラクタム変性物

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JP2003026726A JP2001214311A JP2001214311A JP2003026726A JP 2003026726 A JP2003026726 A JP 2003026726A JP 2001214311 A JP2001214311 A JP 2001214311A JP 2001214311 A JP2001214311 A JP 2001214311A JP 2003026726 A JP2003026726 A JP 2003026726A
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善知 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性が向上し、分散剤、粘接着剤、繊
維処理剤の他、医薬品や化粧品、食品等の添加剤、塗
料、インキ、電子部品等の製造原料として好適に用いる
ことができるポリビニルラクタム変性物を提供する。 【解決手段】 N−ビニルラクタム構造単位を必須とし
て有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を
必須として含む単量体成分から形成される構造(B)と
が結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、該
ポリビニルラクタム変性物は、カルボキシル基の20〜
80%が中和されてなるか、その製造に用いられる開始
剤に対して0.01〜1000mol%の還元剤を含ん
でなるポリビニルラクタム変性物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルラクタ
ム変性物に関する。より詳しくは、好適な形態がカルボ
キシル基を有するグラフト鎖をもつ形態であるポリビニ
ルラクタム変性物に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルラクタム系重合体は、親水性、安
全性、生体適合性等の種々の利点があることから、分散
剤、粘接着剤、繊維処理剤の他、医薬品や化粧品、食品
等の添加剤、塗料、インキ、電子部品等の製造原料とし
て好適に用いることができるものである。このようなビ
ニルラクタム系重合体としては、例えば、ポリビニルピ
ロリドンやビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
これらの重合体を製造する場合、ビニルラクタム系単量
体を必須として重合することによりN−ビニルラクタム
構造単位を必須として有する連鎖を形成することになる
が、カルボキシル基を有する単量体を必須として含む単
量体成分から形成される構造を結合してなるポリビニル
ラクタム変性物が優れた相溶性、密着性等を発揮するこ
とから注目されている。
【0003】Macromolecules,23〔2
0〕(1990)(米)p.4474−4476には、
テンプレート重合による複合化物の合成と分離について
記載され、(1)ポリビニルピロリドンの存在下でアク
リル酸を重合した結果、ポリアクリル酸(PAA)とポ
リビニルピロリドン(PVP)との複合化物ができるこ
と、(2)ジアゾメタンによるメチル化により複合化物
は分離でき、PAA/PVPが水素結合で相互作用して
いたことが確認できること、(3)PAAとPVPをブ
レンドすることでも複合化物ができ、この場合(2)と
同一の分離方法で90〜95%の複合化物の分離が可能
であること、(4)これに対し、テンプレート重合した
複合化物では、20〜50%程度しか分離できず、残り
はグラフト重合したものと考えられることが開示されて
いる。(4)では、重量平均分子量(Mw)の違いによ
り、Mwが1万の場合に51.4%、Mwが8万の場合
に30%、Mwが36万の場合に21.5%が分離さ
れ、グラフト重合して分子量が大きくなるにしたがって
分離される割合が少なくなっている。しかしながら、こ
のような複合化物では、貯蔵中にゲル化しやすいという
問題があり、貯蔵安定性を向上して各種工業用途で使用
しやすいものとするために工夫する余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、貯蔵安定性が向上したポリ
ビニルラクタム変性物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N−ビニ
ルラクタム構造単位を必須として有する連鎖(A)に、
カルボキシル基を有する単量体を必須として含む単量体
成分から形成される構造(B)が結合した構造を有する
ポリビニルラクタム変性物について種々検討するうち、
このようなポリビニルラクタム変性物が有するカルボキ
シル基の特定割合を中和したり、その製造に用いられる
開始剤に対して特定割合の還元剤を含有させたりするこ
とにより、貯蔵中のゲル化を抑制して上記課題をみごと
に解決することができることに想到した。このようなポ
リビニルラクタム変性物は、各種工業用途において好適
に使用しうるものであり、また、連鎖(A)に構造
(B)がグラフトしてなるグラフト重合体は、N−ビニ
ルラクタム構造とカルボキシル基とが発揮する特性を兼
ね備え、特に有用なものである。グラフト重合体では、
ランダム又はブロック重合体とする場合よりも多くの開
始剤を用いることに起因して、従来では貯蔵中のゲル化
を抑制することができず、貯蔵安定性の改善が特に望ま
れていたが、このようなグラフト重合体についても貯蔵
安定性を充分に向上することができることを見いだし
た。また、グラフト重合体を製造する際に、単量体が有
するカルボキシル基を予め中和してグラフト重合を行っ
たり、中和しながらグラフト重合を行ったり、すなわち
塩基の存在下でグラフト重合を行ったりすることによ
り、貯蔵中のゲル化を抑制する効果が充分に発揮される
ことも見いだし、本発明に到達したものである。
【0006】すなわち本発明は、N−ビニルラクタム構
造単位を必須として有する連鎖(A)とカルボキシル基
を有する単量体を必須として含む単量体成分から形成さ
れる構造(B)とが結合してなるポリビニルラクタム変
性物であって、上記ポリビニルラクタム変性物は、カル
ボキシル基の20〜80%が中和されてなるポリビニル
ラクタム変性物である。
【0007】本発明はまた、N−ビニルラクタム構造単
位を必須として有する連鎖(A)とカルボキシル基を有
する単量体を必須として含む単量体成分から形成される
構造(B)とが結合してなるポリビニルラクタム変性物
であって、上記ポリビニルラクタム変性物は、その製造
に用いられる開始剤に対して0.01〜1000mol
%の還元剤を含んでなるポリビニルラクタム変性物でも
ある。以下に、本発明を詳述する。
【0008】本発明のポリビニルラクタム変性物は、N
−ビニルラクタム構造単位を必須として有する連鎖
(A)とカルボキシル基を有する単量体を必須として含
む単量体成分から形成される構造(B)とが結合してな
る。本発明のポリビニルラクタム変性物において、連鎖
(A)と構造(B)との結合形態としては、グラフト、
ブロック、ランダム等の形態があり、特に限定されない
が、グラフト重合体が工業的に特に有用であり、また、
本発明の作用効果が充分に発揮されやすいことから、連
鎖(A)に構造(B)がグラフトした形態であることが
好ましい。また、連鎖(A)と構造(B)とから形成さ
れることが好ましいが、ポリビニルラクタム変性物の特
性が充分に発揮される限り、その他の構造を有していて
もよい。なお、連鎖とは、構造単位が鎖状につながった
構造を意味する。
【0009】上記連鎖(A)は、N−ビニルラクタム構
造単位を必須の構造単位(繰り返し単位)として有し、
他の構造単位を有していてもよく、有していなくてもよ
いが、カルボキシル基を有する単量体から形成される構
造単位を有していないことが好ましい。すなわち連鎖
(A)は、カルボキシル基を有しないことが好ましい。
上記連鎖(A)において、N−ビニルラクタム構造単位
及びその他の構造単位は、それぞれ1種であってもよ
く、2種以上であってもよい。2種以上の構造単位から
形成される場合、連鎖(A)における共重合の形態とし
ては特に限定されず、例えば、ランダム状、ブロック
状、交互状等のいずれであってもよい。
【0010】上記N−ビニルラクタム構造単位は、下記
一般式(1);
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1は、水素原子又はメチル基を
表す。mは、1〜3の整数を表す。)で表される構造単
位である。
【0013】上記連鎖(A)におけるN−ビニルラクタ
ム構造単位の重量割合としては、例えば、連鎖(A)1
00重量%に対して、20重量%以上であることが好ま
しい。20重量%未満であると、ポリビニルラクタム変
性物を調製する際に、連鎖(A)に結合していない構造
(B)を形成するカルボキシル基を有する単量体の割合
が多くなるおそれがある。より好ましくは、30.0重
量%以上であり、更に好ましくは、40.0重量%以上
である。
【0014】上記連鎖(A)としては、具体的には、N
−ビニルラクタム系単量体を必須とする単量体成分を重
合して得られる単独重合体や共重合体が挙げられる。N
−ビニルラクタム系単量体としては、例えば、N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプ
ロラクタム等が挙げられる。このような単量体の単独重
合体としては、例えば、ポリ(N−ビニル−2−ピロリ
ドン)、ポリ(N−ビニル−5−メチル−2−ピロリド
ン)、ポリ(N−ビニル−2−ピペリドン)、ポリ(N
−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン)、ポリ(N−
ビニル−ε−カプロラクタム)、ポリ(N−ビニル−7
−メチル−ε−カプロラクタム)等が挙げられる。ま
た、共重合体としては、N−ビニルラクタム系単量体
を、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、マレイン酸エステル、アクリロニトリル、スチレ
ン、アルキルビニルエーテル、N−ビニルイミダゾー
ル、ビニルピリジン、アリルアルコール、オレフイン類
等と共重合させて得られる共重合体等が挙げられる。ま
た、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸エステル
等のエステルとしては、例えば、炭素数1〜20のアル
キルエステル、ジメチルアミノアルキルエステル及びそ
の四級塩、ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられ
る。これらの中でも、N−ビニルピロリドンやN−ビニ
ルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム系単量体の単
独重合体であることが好ましい。
【0015】上記構造(B)は、カルボキシル基を有す
る単量体を必須として含む単量体成分から形成されるも
のであるが、該単量体成分は、他の単量体を含んでいて
も含んでいなくてもよい。上記カルボキシル基を有する
単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの中でも、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸及びイタコン酸からなる群より選択
される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0016】上記他の単量体としては、カルボキシル基
を有する単量体と共重合可能なものであれば特に限定さ
れず、例えば、(メタ)アクリルアミド、アクリルアミ
ド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、アリルスルホン酸、N−ビニルアセトアミド、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−
ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、ビニ
ルピリジン、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイン酸エステル、アクリロニトリ
ル、スチレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、オレフ
イン類等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと
しては、炭素数1〜20のアルキルエステル、ジメチル
アミノアルキルエステル及びその四級塩、ヒドロキシア
ルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】上記構造(B)の形成において、ポリビニ
ルラクタム変性物におけるカルボキシル基に由来する特
性を充分に発揮させるためには、構造(B)を形成する
単量体成分100重量%とすると、カルボキシル基を有
する単量体の重量割合が25重量%以上であることが好
ましい。より好ましくは、40重量%以上であり、更に
好ましくは、60重量%以上であり、最も好ましくは、
100重量%である。
【0018】上記連鎖(A)と構造(B)との重量割合
としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基とN
−ビニルラクタム構造単位とに由来する特性を充分に発
揮させるためには、連鎖(A)を100重量%とする
と、構造(B)が2重量%以上であることが好ましい。
より好ましくは、2〜100重量%であり、更に好まし
くは、5〜50重量%である。
【0019】本発明のポリビニルラクタム変性物は、構
造(B)を形成する単量体成分を含む不純物の含有量
が、構造(B)を形成する単量体成分100重量%に対
して40重量%以下であることが好ましい。40重量%
を超えると、構造(B)におけるカルボキシル基の割合
が少なくなり、その作用が充分に発揮されなくなるおそ
れがある。
【0020】本発明のポリビニルラクタム変性物は、カ
ルボキシル基の20〜80%が中和されてなる。すなわ
ち化学量論的にポリビニルラクタム変性物中に存在する
カルボキシル基の全部が塩の形態となるときを100%
が中和されているとし、カルボキシル基の20〜80%
が塩の形態となっていることを意味する。これにより、
貯蔵中のゲル化を抑制することが可能となる。中和され
ているカルボキシル基が20%未満であると、製造時に
ゲル化しやすくなり、80%を超えると、ポリビニルラ
クタム変性物を貯蔵するときのゲル化を充分に抑制する
ことができないこととなる。好ましくは、30〜70%
であり、最も好ましくは、40〜60%である。
【0021】上記塩の形態であるカルボキシル基は、通
常では塩基により中和されてなるが、塩基としては特に
限定されず、例えば、ナトリウムやカリウム等のアルカ
リ金属、アンモニア、トリエチルアミン等のアルキルア
ミン類やエタノールアミン類等の有機アミン等が挙げら
れ、1種又は2種以上を用いることができる。これらの
中でも、ナトリウム等のアルカリ金属、アンモニアを用
いることが好ましい。これに対応したポリビニルラクタ
ム変性物における塩の形態としては、アルカリ金属塩、
有機アミン塩等が挙げられ、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩とすることが好ましい。ポリビニルラクタム変性
物がナトリウム塩の形態となる場合には、例えば、顔料
分散性等が向上することとなり、アンモニウム塩の形態
となる場合には、例えば、ポリビニルラクタム変性物が
塗膜を形成する際に、アンモニアが蒸発すると共にカル
ボキシル基が反応して塗膜を硬化させることができるこ
ととなる。
【0022】本発明のポリビニルラクタム変性物を製造
する方法としては、連鎖(A)及び構造(B)が結合し
てなる限り特に限定されず、例えば、上述したようにグ
ラフト重合体が好適であることから、連鎖(A)を調製
し、それにカルボキシル基を有する単量体を必須として
含む単量体成分をグラフト重合させて構造(B)を結合
させる方法が好ましい。このような製造方法において、
本発明ではカルボキシル基の20〜80%が中和される
ことになるが、(1)構造(B)を形成するカルボキシ
ル基を有する単量体をあらかじめ中和しておいて連鎖
(A)にグラフト重合させる方法、及び、(2)構造
(B)を形成するカルボキシル基を有する単量体を中和
しながら連鎖(A)にグラフト重合させる方法のうち、
少なくとも1つの方法を行うことによりポリビニルラク
タム変性物を製造することが好ましい。(2)の方法で
は、塩基の存在下で構造(B)を形成するカルボキシル
基を有する単量体を連鎖(A)にグラフト重合させるこ
とが好適である。これらの方法により、ポリビニルラク
タム変性物の製造中にゲル化が生じることが抑制される
ことになる。
【0023】上記製造方法において、連鎖(A)として
は、例えば、N−ビニルラクタム構造単位を形成する単
量体としてポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を用い
る場合、K値が15〜120のものが工業的に入手可能
であり好ましい。連鎖(A)の重量平均分子量として
は、例えば、1000〜1000000であることが好
ましい。より好ましくは、1000〜100000であ
る。なお、ポリビニルラクタム変性物の製造において、
連鎖(A)は、粉体及び溶液のいずれの状態でも使用可
能であるが、溶剤を使用する場合には、粉体を溶剤に溶
解して反応に供することが好ましい。
【0024】上記製造方法においてグラフト重合させる
場合、連鎖(A)の仕込み方法としては、初期に一括し
て仕込んでもよく、逐次添加してもよいが、生産性等の
点から、初期に一括して仕込むことが好ましい。また、
構造(B)を形成する単量体成分の仕込み方法として
は、初期に一括して仕込んでもよく、逐次添加してもよ
いが、グラフト効率及び反応制御の点から、逐次添加す
ることが好ましい。なお、連鎖(A)や、構造(B)を
形成する単量体成分は、溶媒で適宜希釈して仕込んでも
よい。
【0025】上記製造方法において用いる溶媒として
は、連鎖(A)を溶解させることができるものであれば
特に限定されず、例えば、水;アルコール類;エーテル
類;ケトン類;エステル類;アミド類;スルホキシド
類;炭化水素類等が挙げられ、1種又は2種以上を用い
ることができる。これらの中でも、水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、アセ
トン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トルエン、酢
酸エチル及びこれらの混合溶媒を用いることが好まし
い。より好ましくは、水である。これら溶媒中には、カ
ルボキシル基を有する単量体の中和やpH制御の目的で
塩基等が添加されていてもよい。また、水を含む溶媒に
おいては、アルカリ金属水酸化物を使用することもでき
る。
【0026】上記溶媒の使用量としては、例えば、連鎖
(A)の濃度が10〜50重量%となるようにすること
が好ましい。10重量%未満であると、生産性が充分で
なくなるおそれがあり、50重量%を超えると、重合中
にゲル化するおそれがある。なお、乳化重合や懸濁重合
の場合には、連鎖(A)が溶解している相における該連
鎖(A)の濃度がこの範囲となるように適宜調整するこ
とが好ましい。これにより、グラフト効率が向上し、不
純物となる重合体の副生を抑制することができることと
なる。
【0027】上記製造方法では、連鎖(A)に構造
(B)を形成する単量体成分をグラフト重合させる場
合、通常ではラジカル重合開始剤の存在下で行うことに
なる。このようなラジカル重合開始剤としては、加熱等
によってラジカルが発生し、グラフト重合を行うことが
できるものであれば特に限定されず、例えば、グラフト
効率の点から、過酸化物系開始剤を用いることが好まし
い。また、過酸化物系開始剤と還元剤とを併用するレド
ックス系でグラフト重合を行ってもよい。
【0028】上記過酸化物系開始剤としては特に限定さ
れず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;メチル
エチルケトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−
メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへ
キサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)p−ジイソプロピルヘキシン等のジアルキルパーオ
キサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブ
チルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)へキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート等のパーオキシエステル類;n−ブチル4,4
−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケ
タール類;ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】上記還元剤としては特に限定されず、例え
ば、鉄(II)塩、亜ジチオン酸ナトリウム、亜硫酸水
素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、アス
コルビン酸等が挙げられ、1種又は2種以上を用いるこ
とができる。また本発明においては、アゾ系開始剤を用
いることもできるが、過酸化物系開始剤と比べるとグラ
フト効率が劣ることになるため、過酸化物系開始剤と併
用して用いることが好ましい。
【0030】上記ラジカル重合開始剤の使用量としては
特に限定されず、例えば、構造(B)を形成する単量体
成分100モル%に対して0.1〜100モル%とする
ことが好ましい。より好ましくは、1〜20モル%であ
る。また、ラジカル重合開始剤の添加方法としては特に
限定されず、例えば、初期に一括して仕込んでもよく、
逐次添加してもよいが、残留単量体の低減の点から、逐
次添加することが好ましい。
【0031】上記製造方法における重合形態としては特
に限定されず、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重
合、沈殿重合等により行うことができるが、溶液重合に
より行うことが好ましい。また、反応温度や反応圧力等
の反応条件としては特に限定されず、例えば、グラフト
重合させる場合には、反応温度が0〜200℃であるこ
とが好ましい。より好ましくは、50〜150℃であ
る。反応圧力としては、常圧下、減圧下、加圧下のいず
れでもよいが、常圧下又は減圧下で溶媒を沸騰させなが
ら反応させると、効果的に除熱ができ反応制御が容易と
なるため好ましい。更に、窒素ガス、アルゴンガス、二
酸化炭素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で重合を行うこ
とが好ましい。
【0032】N−ビニルラクタム構造単位を必須として
有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を必
須として含む単量体成分から形成される構造(B)とが
結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、上記
ポリビニルラクタム変性物は、その製造に用いられる開
始剤に対して0.01〜1000mol%の還元剤を含
んでなるポリビニルラクタム変性物も、上述したのと同
様に貯蔵安定性が向上するという作用効果を発揮するこ
とができるものである。このようなポリビニルラクタム
変性物もまた、本発明の1つである。
【0033】上記ポリビニルラクタム変性物において、
上記還元剤の含有量が0.01mol%未満であると、
貯蔵安定性を向上することができず、1000mol%
を超えると、ポリビニルラクタム変性物により形成され
る塗膜物性が低下することとなる。好ましくは、1〜5
00mol%であり、より好ましくは、50〜200m
ol%である。
【0034】上記還元剤の含有量は、ポリビニルラクタ
ム変性物の製造に用いられる開始剤に対する量である
が、ポリビニルラクタム変性物が連鎖(A)に構造
(B)を形成する単量体成分をグラフト重合させて製造
される場合には、グラフト重合に用いる開始剤に対する
量となるように設定されることが好ましい。
【0035】上記還元剤としては、例えば、上述したも
のと同様のものを用いることができる。また還元剤の添
加方法としては特に限定されず、例えば、ポリビニルラ
クタム変性物の重合後に添加することが好ましいが、例
えば、過酸化物系開始剤と還元剤とを併用するレドック
ス系でグラフト重合を行う場合には、重合過程で添加す
る還元剤が酸化されることから、このような還元剤とは
別に重合後に上記の含有量となるように還元剤を添加す
ることが好ましい。
【0036】上記ポリビニルラクタム変性物において
は、上述したのと同様に、カルボキシル基の20〜80
%が中和されてなることが好ましく、また、グラフト重
合体であることが好ましい。中和率の好ましい範囲や、
連鎖(A)及び構造(B)の例示、製造方法等も上述し
たのと同様である。
【0037】本発明のポリビニルラクタム変性物は、製
造時や貯蔵時のゲル化が抑制されて貯蔵安定性が向上し
たものであり、溶液等の形態で安定して貯蔵することが
できるものである。溶液の形態で貯蔵する場合、溶媒と
しては、上述したのと同様のもの等を用いることができ
る。また、溶液の形態で貯蔵する場合、ポリビニルラク
タム変性物の濃度としては特に限定されず、例えば、溶
液全量を100重量%とすると、5〜50重量%とする
ことが好ましい。このようなポリビニルラクタム変性物
は、分散剤、粘接着剤、繊維処理剤の他、医薬品や化粧
品、食品等の添加剤、塗料、インキ、電子部品等の製造
原料として好適に用いることができ、貯蔵後においても
優れた相溶性、密着性等を発揮することができるもので
ある。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0039】原料であるポリビニルピロリドンのK値
は、以下の方法で測定した。すなわち、ポリビニルピロ
リドンを水に1重量%の濃度で溶解させ、その溶液の粘
度を25℃において毛細管粘度計によって測定し、この
測定値を用いて次のフィケンチャー式から計算した。K
値が高いほど、分子量は高いと言える。 (logηrel)/C=〔(75K 2)/(1+
1.5KC)〕+K K=1000K 但し、式中、Cは、溶液100ml中のポリビニルピロ
リドンのg数を示し、η relは、溶媒に対する溶液の
粘度を示す。
【0040】合成例1(PVP/AA=85/15の共
重合体:アクリル酸50%中和) 500mlのセパラフラスコにポリビニルピロリドンK
−30(商品名、和光純薬工業社製試薬)水溶液(ゲル
パーミュレーションクロマトグラフィーによる重量平均
分子量約9.5万、ポリスチレン換算)を182.57
g(樹脂分55.50g)仕込み、カルボキシル基50
mol%がアンモニアで中和されたアクリル酸水溶液3
2.20g(アクリル酸分9.79g、アンモニア分
1.16g)と過硫酸アンモニウム水溶液3.28g
(過硫酸アンモニウム分0.78g )を85℃、1.
5時間で滴下し攪拌しながら反応させ、更にV−50
(2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジハイドロクロライド、和光純薬工業社製試薬)水
溶液4.00g(V−50分0.34g)を添加し、7
7℃で4時間熟成させた。反応終了後、反応液の一部を
採取し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化率
を分析したところ、97.7%であった。このことか
ら、ポリビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ
定量的に反応したことが確認された。また、この溶液を
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子量
を測定したところ重量平均分子量は11.4万であっ
た。
【0041】このようにして得られたポリマー水溶液に
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
【0042】合成例2(PVP/AA=90/10の共
重合体:アクリル酸50%中和) 500mlのセパラフラスコにポリビニルピロリドンK
−30(商品名、和光純薬工業社製試薬)水溶液(ゲル
パーミュレーションクロマトグラフィーによる重量平均
分子量約9.5万、ポリスチレン換算)182.57g
(樹脂分55.50g)を仕込み、カルボキシル基50
mol%がアンモニアで中和されたアクリル酸水溶液2
0.26g(アクリル酸分6.16g、アンモニア分
0.73g)と過硫酸アンモニウム水溶液2.99g
(過硫酸アンモニウム分0.49g)を85℃、1.5
時間で滴下し攪拌しながら反応させ、更にV−50
(2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジハイドロクロライド、和光純薬工業社製試薬)水
溶液4.00g(V−50分0.34g)を添加し、7
7℃で4時間熟成させた。反応終了後、反応液の一部を
採取し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化率
を分析したところ、95.3%であった。このことか
ら、ポリビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ
定量的に反応したことが確認された。また、この溶液を
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子量
を測定したところ重量平均分子量は10.5万であっ
た。
【0043】このようにして得られたポリマー水溶液に
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
【0044】合成例3(PVP/AA=80/20の共
重合体:アクリル酸50%中和) 500mlのセパラフラスコにポリビニルピロリドンK
−30(商品名、和光純薬工業社製試薬)水溶液(ゲル
パーミュレーションクロマトグラフィーによる重量平均
分子量約9.5万、ポリスチレン換算)を182.57
g(樹脂分55.50g)仕込み、カルボキシル基50
mol%がアンモニアで中和されたアクリル酸水溶液4
5.66g(アクリル酸分13.88g、アンモニア分
1.64g)と過硫酸アンモニウム水溶液3.05g
(過硫酸アンモニウム分0.55g)を85℃、1.5
時間で滴下し攪拌しながら反応させ、更にV−50
(2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジハイドロクロライド、和光純薬工業社製試薬)水
溶液4.00g(V−50分0.34g )を添加し、
77℃で4時間熟成させた。反応終了後、反応液の一部
を採取し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化
率を分析したところ、97.7%であった。このことか
ら、ポリビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ
定量的に反応したことが確認された。また、この溶液を
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子量
を測定したところ重量平均分子量は12.3万であっ
た。
【0045】このようにして得られたポリマー水溶液に
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
【0046】合成例4(PVP/AA=80/20の共
重合体:アクリル酸25%中和) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分0.82g:カルボキシル基25%をアンモニアで
中和したもの)を用いた以外は同様の操作を行った。反
応終了後、反応液の一部を採取し、液体クロマトグラフ
ィーでアクリル酸の転化率を分析したところ、99.2
%であった。このことから、ポリビニルピロリドンは添
加したアクリル酸とほぼ定量的に反応したことが確認さ
れた。また、この溶液をゲルパーミュレーションクロマ
トグラフィーにて分子量を測定したところ重量平均分子
量は13.3万であった。
【0047】このようにして得られたポリマー水溶液に
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
【0048】合成例5(PVP/AA=80/20の共
重合体:アクリル酸0%中和) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分0g:カルボキシル基未中和)と過硫酸アンモニウ
ム水溶液3.05g(過硫酸アンモニウム分1.10
g)を用いた以外は同様の操作を行った。反応液は熟成
途中でゲル化を起こし、重合不可能となった。
【0049】合成例6(PVP/AA=80/20の共
重合体:アクリル酸100%中和、開始剤量8.0g重
量%) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分3.28g:カルボキシル基100%をアンモニア
で中和したもの)と過硫酸アンモニウム水溶液3.05
g(過硫酸アンモニウム分1.10g)を用いた以外は
同様の操作を行った。反応終了後、反応液の一部を採取
し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化率を分
析したところ、96.0%であった。このことから、ポ
リビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ定量的
に反応したことが確認された。尚、得られた反応液は不
均一であり、この溶液をゲルパーミュレーションクロマ
トグラフィーにて分子量を測定したところ重量平均分子
量は18.3万であった。
【0050】このようにして得られたポリマー水溶液に
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
【0051】合成例7(PVP/AA=80/20の共
重合体:アクリル酸100%中和、開始剤量4.0g重
量%) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分3.28g:カルボキシル基100%をアンモニア
で中和したもの)を用いた以外は同様の操作を行った。
反応終了後、反応液の一部を採取し、液体クロマトグラ
フィーでアクリル酸の転化率を分析したところ、94.
6%であった。このことから、ポリビニルピロリドンは
添加したアクリル酸とほぼ定量的に反応したことが確認
された。尚、得られた反応液は不均一であり、この溶液
をゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子
量を測定したところ重量平均分子量は15.3万であっ
た。
【0052】このようにして得られたポリマー水溶液に
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
【0053】実施例1〜4、実施例6及び比較例1〜3 上記合成例で製造したポリビニルラクタム変性物(ビニ
ルピロリドン−アクリル酸グラフト重合体)を用いて、
表1に示す組成の水溶液を調製し、表1に示す温度条件
で貯蔵安定性を調べた。結果を表1に示した。
【0054】実施例5 合成例3で製造したポリビニルラクタム変性物(ビニル
ピロリドン−アクリル酸グラフト重合体)を用いて、グ
ラフト重合体の25重量%水溶液を調製し、亜硫酸水素
ナトリウム(NaHSO3)を、グラフト重合に用いた
開始剤量と等量(mol)添加した。このビニルピロリ
ドン−アクリル酸グラフト重合体水溶液について、表1
に示す温度条件で貯蔵安定性を調べた。結果を表1に示
した。
【0055】貯蔵安定性試験方法 上記の方法により調製したビニルピロリドン−アクリル
酸グラフト重合体水溶液を、表1に示す温度にて貯蔵し
た。調製直後(開始)、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月
後、4ヶ月後の水溶液の粘度を測定することにより貯蔵
安定性を評価した。
【0056】粘度測定方法 B型粘度計No.2を使用して粘度(cps)を測定し
た(60rpm:〜50cps、30rpm:〜100
0cps、12rpm:〜2500cps、6rpm:
〜5000cps)。
【0057】
【表1】
【0058】表1について、以下に説明する。組成にお
いて、PVP/AA=85/15(固形分30重量%)
とは、ビニルピロリドン−アクリル酸グラフト重合体
(N−ビニルピロリドン/アクリル酸の重量割合=85
/15)の30重量%水溶液である。PVP/AA=9
0/10(固形分30重量%)とは、ビニルピロリドン
−アクリル酸グラフト重合体(N−ビニルピロリドン/
アクリル酸の重量割合=90/10)の30重量%水溶
液である。PVP/AA=80/20(固形分30重量
%又は固形分25重量%)とは、ビニルピロリドン−ア
クリル酸グラフト重合体(N−ビニルピロリドン/アク
リル酸の重量割合=80/20)の30重量%又は25
重量%水溶液である。開始剤量とは、ビニルピロリドン
−アクリル酸グラフト重合体の合成に用いた開始剤の使
用量である。中和量(%)とは、重合に用いたアクリル
酸(アンモニウム)において、アクリル酸を中和するの
に用いた塩基(アンモニア)の量(アクリル酸100モ
ルに対するモル数)である。反応率とは、仕込んだアク
リル酸(アンモニウム)に対する、反応で消費されたア
クリル酸(アンモニウム)の量である。溶液の状態及び
pHとは、調製直後のビニルピロリドン−アクリル酸グ
ラフト重合体水溶液の状態(目視)及びpH(25℃)
である。また、温度とは、ビニルピロリドン−アクリル
酸グラフト重合体水溶液を貯蔵した温度である。SBS
とは、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)である。
【0059】
【発明の効果】本発明のポリビニルラクタム変性物は、
上述のような構成よりなるため、ゲル化が抑制されて貯
蔵安定性が向上したものであり、N−ビニルラクタム構
造とカルボキシル基とが発揮する特性を有し、貯蔵後に
おいても優れた相溶性、密着性等を発揮して幅広い用途
に適用することが可能となるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西林 秀幸 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4J026 AA61 BA25 BA34 DB02 DB13 DB16 EA10 GA10 4J100 AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK03R AK08R AK19R AK20R AQ06P AQ08P CA04 CA31 GC01 HA31 HB14 HB43 HC43 HC47 JA01 JA03 JA05 JA07 JA11 JA43 JA53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルラクタム構造単位を必須とし
    て有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を
    必須として含む単量体成分から形成される構造(B)と
    が結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、該
    ポリビニルラクタム変性物は、カルボキシル基の20〜
    80%が中和されてなることを特徴とするポリビニルラ
    クタム変性物。
  2. 【請求項2】 N−ビニルラクタム構造単位を必須とし
    て有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を
    必須として含む単量体成分から形成される構造(B)と
    が結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、該
    ポリビニルラクタム変性物は、その製造に用いられる開
    始剤に対して0.01〜1000mol%の還元剤を含
    んでなることを特徴とするポリビニルラクタム変性物。
  3. 【請求項3】 前記構造(B)は、アクリル酸、メタク
    リル酸、マレイン酸及びイタコン酸からなる群より選択
    される少なくとも一種のカルボキシル基を有する単量体
    から形成される構造単位を有することを特徴とする請求
    項1又は2記載のポリビニルラクタム変性物。
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