JP2003026726A - ポリビニルラクタム変性物 - Google Patents
ポリビニルラクタム変性物Info
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Abstract
維処理剤の他、医薬品や化粧品、食品等の添加剤、塗
料、インキ、電子部品等の製造原料として好適に用いる
ことができるポリビニルラクタム変性物を提供する。 【解決手段】 N−ビニルラクタム構造単位を必須とし
て有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を
必須として含む単量体成分から形成される構造(B)と
が結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、該
ポリビニルラクタム変性物は、カルボキシル基の20〜
80%が中和されてなるか、その製造に用いられる開始
剤に対して0.01〜1000mol%の還元剤を含ん
でなるポリビニルラクタム変性物。
Description
ム変性物に関する。より詳しくは、好適な形態がカルボ
キシル基を有するグラフト鎖をもつ形態であるポリビニ
ルラクタム変性物に関する。
全性、生体適合性等の種々の利点があることから、分散
剤、粘接着剤、繊維処理剤の他、医薬品や化粧品、食品
等の添加剤、塗料、インキ、電子部品等の製造原料とし
て好適に用いることができるものである。このようなビ
ニルラクタム系重合体としては、例えば、ポリビニルピ
ロリドンやビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
これらの重合体を製造する場合、ビニルラクタム系単量
体を必須として重合することによりN−ビニルラクタム
構造単位を必須として有する連鎖を形成することになる
が、カルボキシル基を有する単量体を必須として含む単
量体成分から形成される構造を結合してなるポリビニル
ラクタム変性物が優れた相溶性、密着性等を発揮するこ
とから注目されている。
0〕(1990)(米)p.4474−4476には、
テンプレート重合による複合化物の合成と分離について
記載され、(1)ポリビニルピロリドンの存在下でアク
リル酸を重合した結果、ポリアクリル酸(PAA)とポ
リビニルピロリドン(PVP)との複合化物ができるこ
と、(2)ジアゾメタンによるメチル化により複合化物
は分離でき、PAA/PVPが水素結合で相互作用して
いたことが確認できること、(3)PAAとPVPをブ
レンドすることでも複合化物ができ、この場合(2)と
同一の分離方法で90〜95%の複合化物の分離が可能
であること、(4)これに対し、テンプレート重合した
複合化物では、20〜50%程度しか分離できず、残り
はグラフト重合したものと考えられることが開示されて
いる。(4)では、重量平均分子量(Mw)の違いによ
り、Mwが1万の場合に51.4%、Mwが8万の場合
に30%、Mwが36万の場合に21.5%が分離さ
れ、グラフト重合して分子量が大きくなるにしたがって
分離される割合が少なくなっている。しかしながら、こ
のような複合化物では、貯蔵中にゲル化しやすいという
問題があり、貯蔵安定性を向上して各種工業用途で使用
しやすいものとするために工夫する余地があった。
鑑みてなされたものであり、貯蔵安定性が向上したポリ
ビニルラクタム変性物を提供することを目的とする。
ルラクタム構造単位を必須として有する連鎖(A)に、
カルボキシル基を有する単量体を必須として含む単量体
成分から形成される構造(B)が結合した構造を有する
ポリビニルラクタム変性物について種々検討するうち、
このようなポリビニルラクタム変性物が有するカルボキ
シル基の特定割合を中和したり、その製造に用いられる
開始剤に対して特定割合の還元剤を含有させたりするこ
とにより、貯蔵中のゲル化を抑制して上記課題をみごと
に解決することができることに想到した。このようなポ
リビニルラクタム変性物は、各種工業用途において好適
に使用しうるものであり、また、連鎖(A)に構造
(B)がグラフトしてなるグラフト重合体は、N−ビニ
ルラクタム構造とカルボキシル基とが発揮する特性を兼
ね備え、特に有用なものである。グラフト重合体では、
ランダム又はブロック重合体とする場合よりも多くの開
始剤を用いることに起因して、従来では貯蔵中のゲル化
を抑制することができず、貯蔵安定性の改善が特に望ま
れていたが、このようなグラフト重合体についても貯蔵
安定性を充分に向上することができることを見いだし
た。また、グラフト重合体を製造する際に、単量体が有
するカルボキシル基を予め中和してグラフト重合を行っ
たり、中和しながらグラフト重合を行ったり、すなわち
塩基の存在下でグラフト重合を行ったりすることによ
り、貯蔵中のゲル化を抑制する効果が充分に発揮される
ことも見いだし、本発明に到達したものである。
造単位を必須として有する連鎖(A)とカルボキシル基
を有する単量体を必須として含む単量体成分から形成さ
れる構造(B)とが結合してなるポリビニルラクタム変
性物であって、上記ポリビニルラクタム変性物は、カル
ボキシル基の20〜80%が中和されてなるポリビニル
ラクタム変性物である。
位を必須として有する連鎖(A)とカルボキシル基を有
する単量体を必須として含む単量体成分から形成される
構造(B)とが結合してなるポリビニルラクタム変性物
であって、上記ポリビニルラクタム変性物は、その製造
に用いられる開始剤に対して0.01〜1000mol
%の還元剤を含んでなるポリビニルラクタム変性物でも
ある。以下に、本発明を詳述する。
−ビニルラクタム構造単位を必須として有する連鎖
(A)とカルボキシル基を有する単量体を必須として含
む単量体成分から形成される構造(B)とが結合してな
る。本発明のポリビニルラクタム変性物において、連鎖
(A)と構造(B)との結合形態としては、グラフト、
ブロック、ランダム等の形態があり、特に限定されない
が、グラフト重合体が工業的に特に有用であり、また、
本発明の作用効果が充分に発揮されやすいことから、連
鎖(A)に構造(B)がグラフトした形態であることが
好ましい。また、連鎖(A)と構造(B)とから形成さ
れることが好ましいが、ポリビニルラクタム変性物の特
性が充分に発揮される限り、その他の構造を有していて
もよい。なお、連鎖とは、構造単位が鎖状につながった
構造を意味する。
造単位を必須の構造単位(繰り返し単位)として有し、
他の構造単位を有していてもよく、有していなくてもよ
いが、カルボキシル基を有する単量体から形成される構
造単位を有していないことが好ましい。すなわち連鎖
(A)は、カルボキシル基を有しないことが好ましい。
上記連鎖(A)において、N−ビニルラクタム構造単位
及びその他の構造単位は、それぞれ1種であってもよ
く、2種以上であってもよい。2種以上の構造単位から
形成される場合、連鎖(A)における共重合の形態とし
ては特に限定されず、例えば、ランダム状、ブロック
状、交互状等のいずれであってもよい。
一般式(1);
表す。mは、1〜3の整数を表す。)で表される構造単
位である。
ム構造単位の重量割合としては、例えば、連鎖(A)1
00重量%に対して、20重量%以上であることが好ま
しい。20重量%未満であると、ポリビニルラクタム変
性物を調製する際に、連鎖(A)に結合していない構造
(B)を形成するカルボキシル基を有する単量体の割合
が多くなるおそれがある。より好ましくは、30.0重
量%以上であり、更に好ましくは、40.0重量%以上
である。
−ビニルラクタム系単量体を必須とする単量体成分を重
合して得られる単独重合体や共重合体が挙げられる。N
−ビニルラクタム系単量体としては、例えば、N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプ
ロラクタム等が挙げられる。このような単量体の単独重
合体としては、例えば、ポリ(N−ビニル−2−ピロリ
ドン)、ポリ(N−ビニル−5−メチル−2−ピロリド
ン)、ポリ(N−ビニル−2−ピペリドン)、ポリ(N
−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン)、ポリ(N−
ビニル−ε−カプロラクタム)、ポリ(N−ビニル−7
−メチル−ε−カプロラクタム)等が挙げられる。ま
た、共重合体としては、N−ビニルラクタム系単量体
を、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、マレイン酸エステル、アクリロニトリル、スチレ
ン、アルキルビニルエーテル、N−ビニルイミダゾー
ル、ビニルピリジン、アリルアルコール、オレフイン類
等と共重合させて得られる共重合体等が挙げられる。ま
た、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸エステル
等のエステルとしては、例えば、炭素数1〜20のアル
キルエステル、ジメチルアミノアルキルエステル及びそ
の四級塩、ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられ
る。これらの中でも、N−ビニルピロリドンやN−ビニ
ルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム系単量体の単
独重合体であることが好ましい。
る単量体を必須として含む単量体成分から形成されるも
のであるが、該単量体成分は、他の単量体を含んでいて
も含んでいなくてもよい。上記カルボキシル基を有する
単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの中でも、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸及びイタコン酸からなる群より選択
される少なくとも一種を用いることが好ましい。
を有する単量体と共重合可能なものであれば特に限定さ
れず、例えば、(メタ)アクリルアミド、アクリルアミ
ド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、アリルスルホン酸、N−ビニルアセトアミド、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−
ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、ビニ
ルピリジン、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリ
ル酸エステル、マレイン酸エステル、アクリロニトリ
ル、スチレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、オレフ
イン類等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと
しては、炭素数1〜20のアルキルエステル、ジメチル
アミノアルキルエステル及びその四級塩、ヒドロキシア
ルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
ルラクタム変性物におけるカルボキシル基に由来する特
性を充分に発揮させるためには、構造(B)を形成する
単量体成分100重量%とすると、カルボキシル基を有
する単量体の重量割合が25重量%以上であることが好
ましい。より好ましくは、40重量%以上であり、更に
好ましくは、60重量%以上であり、最も好ましくは、
100重量%である。
としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基とN
−ビニルラクタム構造単位とに由来する特性を充分に発
揮させるためには、連鎖(A)を100重量%とする
と、構造(B)が2重量%以上であることが好ましい。
より好ましくは、2〜100重量%であり、更に好まし
くは、5〜50重量%である。
造(B)を形成する単量体成分を含む不純物の含有量
が、構造(B)を形成する単量体成分100重量%に対
して40重量%以下であることが好ましい。40重量%
を超えると、構造(B)におけるカルボキシル基の割合
が少なくなり、その作用が充分に発揮されなくなるおそ
れがある。
ルボキシル基の20〜80%が中和されてなる。すなわ
ち化学量論的にポリビニルラクタム変性物中に存在する
カルボキシル基の全部が塩の形態となるときを100%
が中和されているとし、カルボキシル基の20〜80%
が塩の形態となっていることを意味する。これにより、
貯蔵中のゲル化を抑制することが可能となる。中和され
ているカルボキシル基が20%未満であると、製造時に
ゲル化しやすくなり、80%を超えると、ポリビニルラ
クタム変性物を貯蔵するときのゲル化を充分に抑制する
ことができないこととなる。好ましくは、30〜70%
であり、最も好ましくは、40〜60%である。
常では塩基により中和されてなるが、塩基としては特に
限定されず、例えば、ナトリウムやカリウム等のアルカ
リ金属、アンモニア、トリエチルアミン等のアルキルア
ミン類やエタノールアミン類等の有機アミン等が挙げら
れ、1種又は2種以上を用いることができる。これらの
中でも、ナトリウム等のアルカリ金属、アンモニアを用
いることが好ましい。これに対応したポリビニルラクタ
ム変性物における塩の形態としては、アルカリ金属塩、
有機アミン塩等が挙げられ、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩とすることが好ましい。ポリビニルラクタム変性
物がナトリウム塩の形態となる場合には、例えば、顔料
分散性等が向上することとなり、アンモニウム塩の形態
となる場合には、例えば、ポリビニルラクタム変性物が
塗膜を形成する際に、アンモニアが蒸発すると共にカル
ボキシル基が反応して塗膜を硬化させることができるこ
ととなる。
する方法としては、連鎖(A)及び構造(B)が結合し
てなる限り特に限定されず、例えば、上述したようにグ
ラフト重合体が好適であることから、連鎖(A)を調製
し、それにカルボキシル基を有する単量体を必須として
含む単量体成分をグラフト重合させて構造(B)を結合
させる方法が好ましい。このような製造方法において、
本発明ではカルボキシル基の20〜80%が中和される
ことになるが、(1)構造(B)を形成するカルボキシ
ル基を有する単量体をあらかじめ中和しておいて連鎖
(A)にグラフト重合させる方法、及び、(2)構造
(B)を形成するカルボキシル基を有する単量体を中和
しながら連鎖(A)にグラフト重合させる方法のうち、
少なくとも1つの方法を行うことによりポリビニルラク
タム変性物を製造することが好ましい。(2)の方法で
は、塩基の存在下で構造(B)を形成するカルボキシル
基を有する単量体を連鎖(A)にグラフト重合させるこ
とが好適である。これらの方法により、ポリビニルラク
タム変性物の製造中にゲル化が生じることが抑制される
ことになる。
は、例えば、N−ビニルラクタム構造単位を形成する単
量体としてポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を用い
る場合、K値が15〜120のものが工業的に入手可能
であり好ましい。連鎖(A)の重量平均分子量として
は、例えば、1000〜1000000であることが好
ましい。より好ましくは、1000〜100000であ
る。なお、ポリビニルラクタム変性物の製造において、
連鎖(A)は、粉体及び溶液のいずれの状態でも使用可
能であるが、溶剤を使用する場合には、粉体を溶剤に溶
解して反応に供することが好ましい。
場合、連鎖(A)の仕込み方法としては、初期に一括し
て仕込んでもよく、逐次添加してもよいが、生産性等の
点から、初期に一括して仕込むことが好ましい。また、
構造(B)を形成する単量体成分の仕込み方法として
は、初期に一括して仕込んでもよく、逐次添加してもよ
いが、グラフト効率及び反応制御の点から、逐次添加す
ることが好ましい。なお、連鎖(A)や、構造(B)を
形成する単量体成分は、溶媒で適宜希釈して仕込んでも
よい。
は、連鎖(A)を溶解させることができるものであれば
特に限定されず、例えば、水;アルコール類;エーテル
類;ケトン類;エステル類;アミド類;スルホキシド
類;炭化水素類等が挙げられ、1種又は2種以上を用い
ることができる。これらの中でも、水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、アセ
トン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トルエン、酢
酸エチル及びこれらの混合溶媒を用いることが好まし
い。より好ましくは、水である。これら溶媒中には、カ
ルボキシル基を有する単量体の中和やpH制御の目的で
塩基等が添加されていてもよい。また、水を含む溶媒に
おいては、アルカリ金属水酸化物を使用することもでき
る。
(A)の濃度が10〜50重量%となるようにすること
が好ましい。10重量%未満であると、生産性が充分で
なくなるおそれがあり、50重量%を超えると、重合中
にゲル化するおそれがある。なお、乳化重合や懸濁重合
の場合には、連鎖(A)が溶解している相における該連
鎖(A)の濃度がこの範囲となるように適宜調整するこ
とが好ましい。これにより、グラフト効率が向上し、不
純物となる重合体の副生を抑制することができることと
なる。
(B)を形成する単量体成分をグラフト重合させる場
合、通常ではラジカル重合開始剤の存在下で行うことに
なる。このようなラジカル重合開始剤としては、加熱等
によってラジカルが発生し、グラフト重合を行うことが
できるものであれば特に限定されず、例えば、グラフト
効率の点から、過酸化物系開始剤を用いることが好まし
い。また、過酸化物系開始剤と還元剤とを併用するレド
ックス系でグラフト重合を行ってもよい。
れず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;メチル
エチルケトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−
メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへ
キサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)p−ジイソプロピルヘキシン等のジアルキルパーオ
キサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブ
チルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)へキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート等のパーオキシエステル類;n−ブチル4,4
−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケ
タール類;ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
ば、鉄(II)塩、亜ジチオン酸ナトリウム、亜硫酸水
素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、アス
コルビン酸等が挙げられ、1種又は2種以上を用いるこ
とができる。また本発明においては、アゾ系開始剤を用
いることもできるが、過酸化物系開始剤と比べるとグラ
フト効率が劣ることになるため、過酸化物系開始剤と併
用して用いることが好ましい。
特に限定されず、例えば、構造(B)を形成する単量体
成分100モル%に対して0.1〜100モル%とする
ことが好ましい。より好ましくは、1〜20モル%であ
る。また、ラジカル重合開始剤の添加方法としては特に
限定されず、例えば、初期に一括して仕込んでもよく、
逐次添加してもよいが、残留単量体の低減の点から、逐
次添加することが好ましい。
に限定されず、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重
合、沈殿重合等により行うことができるが、溶液重合に
より行うことが好ましい。また、反応温度や反応圧力等
の反応条件としては特に限定されず、例えば、グラフト
重合させる場合には、反応温度が0〜200℃であるこ
とが好ましい。より好ましくは、50〜150℃であ
る。反応圧力としては、常圧下、減圧下、加圧下のいず
れでもよいが、常圧下又は減圧下で溶媒を沸騰させなが
ら反応させると、効果的に除熱ができ反応制御が容易と
なるため好ましい。更に、窒素ガス、アルゴンガス、二
酸化炭素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で重合を行うこ
とが好ましい。
有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を必
須として含む単量体成分から形成される構造(B)とが
結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、上記
ポリビニルラクタム変性物は、その製造に用いられる開
始剤に対して0.01〜1000mol%の還元剤を含
んでなるポリビニルラクタム変性物も、上述したのと同
様に貯蔵安定性が向上するという作用効果を発揮するこ
とができるものである。このようなポリビニルラクタム
変性物もまた、本発明の1つである。
上記還元剤の含有量が0.01mol%未満であると、
貯蔵安定性を向上することができず、1000mol%
を超えると、ポリビニルラクタム変性物により形成され
る塗膜物性が低下することとなる。好ましくは、1〜5
00mol%であり、より好ましくは、50〜200m
ol%である。
ム変性物の製造に用いられる開始剤に対する量である
が、ポリビニルラクタム変性物が連鎖(A)に構造
(B)を形成する単量体成分をグラフト重合させて製造
される場合には、グラフト重合に用いる開始剤に対する
量となるように設定されることが好ましい。
のと同様のものを用いることができる。また還元剤の添
加方法としては特に限定されず、例えば、ポリビニルラ
クタム変性物の重合後に添加することが好ましいが、例
えば、過酸化物系開始剤と還元剤とを併用するレドック
ス系でグラフト重合を行う場合には、重合過程で添加す
る還元剤が酸化されることから、このような還元剤とは
別に重合後に上記の含有量となるように還元剤を添加す
ることが好ましい。
は、上述したのと同様に、カルボキシル基の20〜80
%が中和されてなることが好ましく、また、グラフト重
合体であることが好ましい。中和率の好ましい範囲や、
連鎖(A)及び構造(B)の例示、製造方法等も上述し
たのと同様である。
造時や貯蔵時のゲル化が抑制されて貯蔵安定性が向上し
たものであり、溶液等の形態で安定して貯蔵することが
できるものである。溶液の形態で貯蔵する場合、溶媒と
しては、上述したのと同様のもの等を用いることができ
る。また、溶液の形態で貯蔵する場合、ポリビニルラク
タム変性物の濃度としては特に限定されず、例えば、溶
液全量を100重量%とすると、5〜50重量%とする
ことが好ましい。このようなポリビニルラクタム変性物
は、分散剤、粘接着剤、繊維処理剤の他、医薬品や化粧
品、食品等の添加剤、塗料、インキ、電子部品等の製造
原料として好適に用いることができ、貯蔵後においても
優れた相溶性、密着性等を発揮することができるもので
ある。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
は、以下の方法で測定した。すなわち、ポリビニルピロ
リドンを水に1重量%の濃度で溶解させ、その溶液の粘
度を25℃において毛細管粘度計によって測定し、この
測定値を用いて次のフィケンチャー式から計算した。K
値が高いほど、分子量は高いと言える。 (logηrel)/C=〔(75K0 2)/(1+
1.5K0C)〕+K0 K=1000K0 但し、式中、Cは、溶液100ml中のポリビニルピロ
リドンのg数を示し、η relは、溶媒に対する溶液の
粘度を示す。
重合体:アクリル酸50%中和) 500mlのセパラフラスコにポリビニルピロリドンK
−30(商品名、和光純薬工業社製試薬)水溶液(ゲル
パーミュレーションクロマトグラフィーによる重量平均
分子量約9.5万、ポリスチレン換算)を182.57
g(樹脂分55.50g)仕込み、カルボキシル基50
mol%がアンモニアで中和されたアクリル酸水溶液3
2.20g(アクリル酸分9.79g、アンモニア分
1.16g)と過硫酸アンモニウム水溶液3.28g
(過硫酸アンモニウム分0.78g )を85℃、1.
5時間で滴下し攪拌しながら反応させ、更にV−50
(2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジハイドロクロライド、和光純薬工業社製試薬)水
溶液4.00g(V−50分0.34g)を添加し、7
7℃で4時間熟成させた。反応終了後、反応液の一部を
採取し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化率
を分析したところ、97.7%であった。このことか
ら、ポリビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ
定量的に反応したことが確認された。また、この溶液を
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子量
を測定したところ重量平均分子量は11.4万であっ
た。
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
重合体:アクリル酸50%中和) 500mlのセパラフラスコにポリビニルピロリドンK
−30(商品名、和光純薬工業社製試薬)水溶液(ゲル
パーミュレーションクロマトグラフィーによる重量平均
分子量約9.5万、ポリスチレン換算)182.57g
(樹脂分55.50g)を仕込み、カルボキシル基50
mol%がアンモニアで中和されたアクリル酸水溶液2
0.26g(アクリル酸分6.16g、アンモニア分
0.73g)と過硫酸アンモニウム水溶液2.99g
(過硫酸アンモニウム分0.49g)を85℃、1.5
時間で滴下し攪拌しながら反応させ、更にV−50
(2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジハイドロクロライド、和光純薬工業社製試薬)水
溶液4.00g(V−50分0.34g)を添加し、7
7℃で4時間熟成させた。反応終了後、反応液の一部を
採取し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化率
を分析したところ、95.3%であった。このことか
ら、ポリビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ
定量的に反応したことが確認された。また、この溶液を
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子量
を測定したところ重量平均分子量は10.5万であっ
た。
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
重合体:アクリル酸50%中和) 500mlのセパラフラスコにポリビニルピロリドンK
−30(商品名、和光純薬工業社製試薬)水溶液(ゲル
パーミュレーションクロマトグラフィーによる重量平均
分子量約9.5万、ポリスチレン換算)を182.57
g(樹脂分55.50g)仕込み、カルボキシル基50
mol%がアンモニアで中和されたアクリル酸水溶液4
5.66g(アクリル酸分13.88g、アンモニア分
1.64g)と過硫酸アンモニウム水溶液3.05g
(過硫酸アンモニウム分0.55g)を85℃、1.5
時間で滴下し攪拌しながら反応させ、更にV−50
(2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)ジハイドロクロライド、和光純薬工業社製試薬)水
溶液4.00g(V−50分0.34g )を添加し、
77℃で4時間熟成させた。反応終了後、反応液の一部
を採取し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化
率を分析したところ、97.7%であった。このことか
ら、ポリビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ
定量的に反応したことが確認された。また、この溶液を
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子量
を測定したところ重量平均分子量は12.3万であっ
た。
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
重合体:アクリル酸25%中和) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分0.82g:カルボキシル基25%をアンモニアで
中和したもの)を用いた以外は同様の操作を行った。反
応終了後、反応液の一部を採取し、液体クロマトグラフ
ィーでアクリル酸の転化率を分析したところ、99.2
%であった。このことから、ポリビニルピロリドンは添
加したアクリル酸とほぼ定量的に反応したことが確認さ
れた。また、この溶液をゲルパーミュレーションクロマ
トグラフィーにて分子量を測定したところ重量平均分子
量は13.3万であった。
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
重合体:アクリル酸0%中和) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分0g:カルボキシル基未中和)と過硫酸アンモニウ
ム水溶液3.05g(過硫酸アンモニウム分1.10
g)を用いた以外は同様の操作を行った。反応液は熟成
途中でゲル化を起こし、重合不可能となった。
重合体:アクリル酸100%中和、開始剤量8.0g重
量%) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分3.28g:カルボキシル基100%をアンモニア
で中和したもの)と過硫酸アンモニウム水溶液3.05
g(過硫酸アンモニウム分1.10g)を用いた以外は
同様の操作を行った。反応終了後、反応液の一部を採取
し、液体クロマトグラフィーでアクリル酸の転化率を分
析したところ、96.0%であった。このことから、ポ
リビニルピロリドンは添加したアクリル酸とほぼ定量的
に反応したことが確認された。尚、得られた反応液は不
均一であり、この溶液をゲルパーミュレーションクロマ
トグラフィーにて分子量を測定したところ重量平均分子
量は18.3万であった。
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
重合体:アクリル酸100%中和、開始剤量4.0g重
量%) 合成例3において、アクリル酸(アンモニウム)の水溶
液46.55g(アクリル酸分13.88g、アンモニ
ア分3.28g:カルボキシル基100%をアンモニア
で中和したもの)を用いた以外は同様の操作を行った。
反応終了後、反応液の一部を採取し、液体クロマトグラ
フィーでアクリル酸の転化率を分析したところ、94.
6%であった。このことから、ポリビニルピロリドンは
添加したアクリル酸とほぼ定量的に反応したことが確認
された。尚、得られた反応液は不均一であり、この溶液
をゲルパーミュレーションクロマトグラフィーにて分子
量を測定したところ重量平均分子量は15.3万であっ
た。
ついて、キャピラリー電気泳動分析装置(ミリポア社
製、Waters Quanta4000)を用いて組
成分析を行った。その結果、アクリル酸(アンモニウ
ム)ホモポリマーの量は、固形分に対して0重量%であ
った。
ルピロリドン−アクリル酸グラフト重合体)を用いて、
表1に示す組成の水溶液を調製し、表1に示す温度条件
で貯蔵安定性を調べた。結果を表1に示した。
ピロリドン−アクリル酸グラフト重合体)を用いて、グ
ラフト重合体の25重量%水溶液を調製し、亜硫酸水素
ナトリウム(NaHSO3)を、グラフト重合に用いた
開始剤量と等量(mol)添加した。このビニルピロリ
ドン−アクリル酸グラフト重合体水溶液について、表1
に示す温度条件で貯蔵安定性を調べた。結果を表1に示
した。
酸グラフト重合体水溶液を、表1に示す温度にて貯蔵し
た。調製直後(開始)、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月
後、4ヶ月後の水溶液の粘度を測定することにより貯蔵
安定性を評価した。
た(60rpm:〜50cps、30rpm:〜100
0cps、12rpm:〜2500cps、6rpm:
〜5000cps)。
いて、PVP/AA=85/15(固形分30重量%)
とは、ビニルピロリドン−アクリル酸グラフト重合体
(N−ビニルピロリドン/アクリル酸の重量割合=85
/15)の30重量%水溶液である。PVP/AA=9
0/10(固形分30重量%)とは、ビニルピロリドン
−アクリル酸グラフト重合体(N−ビニルピロリドン/
アクリル酸の重量割合=90/10)の30重量%水溶
液である。PVP/AA=80/20(固形分30重量
%又は固形分25重量%)とは、ビニルピロリドン−ア
クリル酸グラフト重合体(N−ビニルピロリドン/アク
リル酸の重量割合=80/20)の30重量%又は25
重量%水溶液である。開始剤量とは、ビニルピロリドン
−アクリル酸グラフト重合体の合成に用いた開始剤の使
用量である。中和量(%)とは、重合に用いたアクリル
酸(アンモニウム)において、アクリル酸を中和するの
に用いた塩基(アンモニア)の量(アクリル酸100モ
ルに対するモル数)である。反応率とは、仕込んだアク
リル酸(アンモニウム)に対する、反応で消費されたア
クリル酸(アンモニウム)の量である。溶液の状態及び
pHとは、調製直後のビニルピロリドン−アクリル酸グ
ラフト重合体水溶液の状態(目視)及びpH(25℃)
である。また、温度とは、ビニルピロリドン−アクリル
酸グラフト重合体水溶液を貯蔵した温度である。SBS
とは、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)である。
上述のような構成よりなるため、ゲル化が抑制されて貯
蔵安定性が向上したものであり、N−ビニルラクタム構
造とカルボキシル基とが発揮する特性を有し、貯蔵後に
おいても優れた相溶性、密着性等を発揮して幅広い用途
に適用することが可能となるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 N−ビニルラクタム構造単位を必須とし
て有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を
必須として含む単量体成分から形成される構造(B)と
が結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、該
ポリビニルラクタム変性物は、カルボキシル基の20〜
80%が中和されてなることを特徴とするポリビニルラ
クタム変性物。 - 【請求項2】 N−ビニルラクタム構造単位を必須とし
て有する連鎖(A)とカルボキシル基を有する単量体を
必須として含む単量体成分から形成される構造(B)と
が結合してなるポリビニルラクタム変性物であって、該
ポリビニルラクタム変性物は、その製造に用いられる開
始剤に対して0.01〜1000mol%の還元剤を含
んでなることを特徴とするポリビニルラクタム変性物。 - 【請求項3】 前記構造(B)は、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸及びイタコン酸からなる群より選択
される少なくとも一種のカルボキシル基を有する単量体
から形成される構造単位を有することを特徴とする請求
項1又は2記載のポリビニルラクタム変性物。
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JP2001214311A JP4878704B2 (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | ポリビニルラクタム変性物 |
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-
2001
- 2001-07-13 JP JP2001214311A patent/JP4878704B2/ja not_active Expired - Fee Related
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