JP2003023222A - プリント回路基板 - Google Patents

プリント回路基板

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JP2003023222A
JP2003023222A JP2001207805A JP2001207805A JP2003023222A JP 2003023222 A JP2003023222 A JP 2003023222A JP 2001207805 A JP2001207805 A JP 2001207805A JP 2001207805 A JP2001207805 A JP 2001207805A JP 2003023222 A JP2003023222 A JP 2003023222A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント回路基板を積層して多層化する際
に、導体回路の接触不良や位置ずれの発生を抑制した多
層化回路基板用の回路基板を提供すること。 【解決手段】 絶縁性基材の少なくと一面に導体回路が
形成されてなる回路基板において、絶縁性基材は、その
芯材をアラミドフィルム等の有機ポリマーで形成し、芯
材に含浸させる樹脂としてエボキシ樹脂を使用し、その
絶縁性基材の線熱膨張係数を+10ppm/℃〜−10
ppm/℃の範囲内とした。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多層化回路基板の
製造に好適なプリント回路基板に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、プリント回路基板に使用される一
般的な絶縁性基材は、ガラス繊維糸を製繊して布状に形
成したガラス布に、例えば、エポキシ樹脂を含浸させ、
乾燥、硬化させて板状に形成したものである。この絶縁
性基材の片面または両面に銅箔を積層した後、銅箔をエ
ッチング処理して所定の配線パターンを有する導体回路
を形成させることによって、プリント回路基板が製造さ
れる。 【0003】このようなプリント回路基板の複数枚を積
層して多層化させるには、互いに隣接するプリント回路
基板間に、例えば、熱硬化性樹脂からなる接着層を設け
たり、半硬化状態としたプリプレグを配置し、加熱・加
圧することによって、接着層あるいはプリプレグを硬化
させて積層を行うことが一般的である。 【0004】また、各層のプリント回路基板を電気的に
接続するには、プリント回路基板の絶縁性基板に、例え
ば、レーザービームを照射してビアホール形成用の開口
を形成した後、この開口内にめっき膜や導電性ペースト
を充填して、隣接するプリント回路基板に形成したパッ
ドに接触させるようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
よれば、上述のようにビアホール形成用開口内に金属メ
ッキを充填する際に、メッキ高さにばらつきが生じる場
合があり、これが積層したプリント回路基板間の電気的
接続の信頼性を低下させるという問題があった。 【0006】その理由としては、レーザービームが絶縁
性基板の樹脂部分に照射されている場合は、樹脂が容易
に蒸発して簡単に穴を空けることができるが、レーザー
ビームがガラス布が存在する部分に照射される場合に
は、樹脂部分に照射される場合と比較して穴あけ速度が
遅くなり、ビアホール内にはガラス繊維糸が残留して孔
内に突出した形状となってしまう。そのため、メッキ金
属が均一に成長できず、メッキ高さにばらつきが生じて
しまう。 【0007】また、上述のように各プリント回路基板を
積層して加熱する際に、各プリント回路基板には加熱・
冷却に伴なう熱膨張・熱収縮が起こることが避けられな
い。そのため、各プリント回路基板間に位置ずれが生じ
て、バイアホールとパッドとの位置がずれてしまい、結
果として、層間の電気的接続が十分でないという問題が
あった。 【0008】このような熱膨張・収縮に起因する位置ず
れは、特に、プリント回路基板を薄型化するほど顕著で
あった。その理由は、基板が薄くなるほど芯材としての
ガラス繊維の割合が減少せざるをえず、プリント回路基
板に占める樹脂の熱膨張による寄与が相対的に大きくな
るためと考えられる。 【0009】本発明は、従来技術が抱える上記問題点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、プリント回路基板を多層化する際に、その基板上に
設けた導体回路の接触不良や位置ずれが生じない積層用
のプリント回路基坂を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記目的を実現するために鋭意研究を重ねた結果、以下の
ような内容を要旨とする本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明のプリント回路基板は、絶縁性基材の少
なくとも一方の面に導体層を形成してなり、前記絶縁性
基材は、有機ポリマーからなる芯材と樹脂層とから横成
され、その線熱膨張係数を+10ppm/℃〜−10p
pm/℃の範囲内にしたことを特徴とする。 【0011】このような構成によれば、絶縁層中の補強
材として、従来のガラス繊維の代わりに有機ポリマーか
らなる芯材を使用するので、絶縁層中の芯材は含浸樹脂
と同様にレーザのエネルギーによって容易に溶融、蒸発
する。そのため、バイアホール開口の形成不良を起こす
ことがなく、その結果、めっき金属を均一に成長させる
ことができ、めっき高さのばらつきを低減することがで
きる。したがって、プリント基板積層時の各導体回路間
の接触不良を減少させることができるのである。 【0012】また、プリント回路基板の絶縁性基材の線
熱膨張係数を+10ppm/℃〜−10ppm/℃の範
囲内としたので、プリント回路基板を積層・加熱プレス
する際の膨張・収縮の影響を受けることがなくなり、そ
の結果、プリント回路基板に設けたパッドと導電物質と
の間の位置ずれが生じることがなくなる。また、絶縁性
基材にレーザ照射によってバイアホール形成用開口を形
成する際にも、所望形状の開口を形成できる。したがっ
て、これらのプリント回路基板を積層・多層化して形成
した多層化回路基板の接続信頼性を著しく向上させるこ
とができるのである。上記線熱膨張係数は、+5ppm
/℃〜−5ppm/℃の範囲であることがより望まし
い。 【0013】上記芯材とそれに含浸させる樹脂との組み
合わせとしては、芯材としてアラミドフィルムを使用
し、それに含浸させる樹脂としてエポキシ樹脂を使用す
ることが最も望ましい。その理由は、これらの樹脂自体
は十分な強度を有していると共に、線膨張係数のコント
ロールがし易いからである。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明のプリント回路基板におい
て用いられる絶縁性基材の特徴は、有機ポリマーからな
る芯材と、その芯材に含浸されてなる樹脂層とからな
り、その絶縁性基材の線熱膨張係数が+10ppm/℃
〜−10ppm/℃の範囲内にあることである。 【0015】上記絶縁性基材は、有機ポリマーからなる
芯材と、その芯材に含浸されてなる樹脂層とからなり、
それらが完全に硬化されてなる硬質の絶縁性基材であ
る。絶縁性基材中の補強材として、従来のガラス繊維の
代わりに有機ポリマーからなる芯材を使用し、その芯材
は含浸樹脂と同様にレーザ照射によって容易に溶融、蒸
発するので、バイアホール開口の形成不良を起こすこと
がない。その結果、開口内にめっき金属を均一に成長さ
せることができるので、めっき高さのばらつきを最大限
に抑制することができ、プリント回路基板積層時の各導
体回路間の接触不良を減少させることができる。 【0016】また、線膨張率が+10ppm/℃〜−1
0ppm/℃の範囲にある硬質材料を用いることによっ
て、熱膨張量を極力小さく抑えることができるので、絶
縁性基材上へ銅箔を加熱プレスによって圧着させる際に
は、プレス圧による絶縁性基材の最終的な厚みの変動
や、バイアホール開口の位置ずれを最小限に抑えること
ができ、バイアホールランド径や配線ピッチを小さくし
て配線密度を向上させることができる。 【0017】さらに、本発明によるプリント回路基板の
複数枚を積層した後、これらを加熱プレスして多層化す
る際にも、加熱プレス時の熱膨張量を小さく抑えること
ができるので、プリント回路基板に設けたバイアホール
ランドと、バイアホール開口内に充填した導電性物質と
の間の相対的な位置ずれの発生を阻止できる。したがっ
て、本発明によるプリント回路基板を積層し、多層化す
ることによって形成した多層化回路基板の接続信頼性を
著しく向上させることができる。 【0018】本発明のプリント回路基板においては、そ
の芯材としてアラミドフィルムやポリイミドフィルム、
ニ軸延伸テフロン(「テフロン」はデュポン社の登録商
標である。)等の有機ポリマーを使用することができ、
繊維糸を製織して布状に形成させたものであっても、ま
た不織布であってもよい。 【0019】また、芯材に含浸させる樹脂としては、芯
材に含浸させた際に、絶縁層の線熱膨張係数が+10p
pm/℃〜―10ppm/℃の範囲内となるものであれ
ば特に制限はなく、例えば、プリント回路基板の絶縁層
材料に通常使用されているエボキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリイミド樹脂の他、シクロオレフィン樹脂、BC
B等を使用することができる。なお、この樹脂には、必
要に応じて硬化促進剤、着色剤、酸化防止剤、柴外線不
透過剤、遷元剤、充填剤等が添加されていてもよく、ま
た、誘電率(ε)や電気的特性(tanδ)ができるだけ
低い樹脂が好ましい。 【0020】上記絶縁性基材は、アラミドフィルムにエ
ポキシ樹脂を含浸させ、完全に熱硬化させて、厚さを5
0〜400μmとしたアラミドフィルムを芯材としたエ
ポキシ基材が用いられるのが最も好ましい。その理由
は、50μm未満の厚さでは、強度が低下して取扱が難
しくなるとともに、電気的絶縁性に対する信頼性が低く
なり、400μmを超える厚さでは、微細なビアホール
の形成が難しくなるとともに、基板そのものが厚くなる
ためである。 【0021】本発明にかかるプリント回路基板を製造す
る際には、まず上記絶縁性基材の一面に銅箔を貼付け、
必要に応じて、その銅箔貼付面と反対側の表面に光透過
性の樹脂フィルムを粘着させ、その後、樹脂フィルム上
からレーザ照射を行って、絶縁性基材の銅箔面に達する
バイアホール形成用開口を形成する。 【0022】上記レーザ照射によって、光透過性樹脂フ
ィルムにも開口が形成され、この開口は、導電性バンプ
を形成する際のめっき充填または導電性ペースト充填に
用いられるマスクとして機能させることができ、絶縁性
基材に導電性バンプを形成した後は、剥離されるような
粘着剤層を有する。 【0023】この樹脂フィルムは、たとえば、粘着剤層
の厚みが1〜20μmであり、フィルム自体の厚みが1
0〜50μmであるPETフィルムから形成されるのが
好ましい。その理由は、PETフィルムの厚さに依存し
て、導電性バンプの絶縁性基材表面からの突出量が決ま
るので、10μm未満の厚さでは突出量が小さすぎて接
続不良になりやすく、逆に50μmを超えた厚さでは、
溶融しためっき金属や導電性ペーストが接続界面におい
て拡がりすぎるので、ファインパターンの形成ができな
いからである。 【0024】上記範囲の厚さを有するアラミド(フィル
ム)エポキシ基材上に形成されるバイアホール用開口
は、パルスエネルギーが0.5〜100mJ、パルス幅
が1〜100μs、パルス間隔が0.5ms以上、ショ
ット数が3〜50の条件で照射される炭酸ガスレーザに
よって形成されることが好ましく、その口径は、50〜
250μmの範囲であることが望ましい。その理由は、
50μm未満では開口内に導電性物質を充填し難くなる
と共に、接続信頼性が低くなるからであり、250μm
を超えると、高密度化が困難になるからである。 【0025】上記バイアホール用開口にめっき充填また
は導電性ペーストを充填する前に、開口の内壁面に残留
する樹脂残滓を取り除くためのデスミア処理を行うこと
が接続信頼性確保の点から望ましく、絶縁性基材上に保
護フィルムが貼付けられた状態で行うため、たとえば、
プラズマ放電やコロナ放電等を用いたドライデスミア処
理によることが望ましい。ドライデスミア処理のうち、
プラズマクリーニング装置を使用したプラズマクリーニ
ングがとくに好ましい。 【0026】上記デスミア処理を行った非貫通孔内に導
電性物質を充填してバイアホールを形成する方法には、
めっき処理によるめっき充填方法や導電性ペーストの充
填による方法がある。特に、めっき充填による場合に
は、絶縁性基材上の銅箔にめっきが析出しないように、
銅箔面に予め保護フィルムを貼付してめっき液との接触
を阻止する措置を取り、その上で非貫通孔内にめっきを
充填してバイアホールとする。 【0027】上記めっき充填は、電解めっき処理または
無電解めっき処理のいずれによっても行うことができる
が、電解めっき処理が望ましい。電解めっきとしては、
銅、スズ、鉛、銀、金、亜鉛、インジウム、ビスマス、
半田またはスズ合金等を使用できるが、特に、電解銅め
っきが最適である。 【0028】電解めっき処理により充填する場合は、絶
縁性基材に形成された銅箔をめっきリードとして電解め
っきを行う。この銅箔(金属層)は、絶縁性基材の一方
の表面の全域に亘って形成されているため、電流密度が
均一となり、非貫通孔を電解めっきにて均一な高さで充
填することができる。ここで、電解めっき処理の前に、
非貫通孔内の金属層の表面を酸などで活性化処理してお
くとよい。 【0029】また、電解めっきした後、孔から盛り上が
った電解めっき(金属)を研磨などで除去して、平坦化
することもできる。研磨は、ベルトサンダーやバフ研磨
等を使用できる。なお、電解めっきを絶縁基板よりも若
干高くなるように残しておくこともできる。 【0030】また、めっき処理による導電性物質の充填
の代わりに、導電性ペーストを充填する方法、あるいは
電解めっき処理又は無電解めっき処理によって非貫通孔
の一部を充填し、残存部分に導電ペーストを充填して行
うこともできる。上記導電性ペーストとしては、銅、ス
ズ、金、銀、ニッケル、各種はんだから選ばれる少なく
とも1種以上の金属粒子からなる導電性ペーストを使用
できる。 【0031】また、上記金属粒子としては、金属粒子の
表面に異種金属をコーティングしたものも使用できる。
具体的には銅粒子の表面に金、銀から選ばれる貴金属を
被覆した金属粒子を使用することができる。なお、導電
性ペーストとしては、金属粒子に、エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹
脂を加えた有機系導電性ペーストが望ましい。 【0032】なお、レーザ加工にて形成された非貫通孔
は、その孔径が20〜150μmの微細径であるため、
導電ペーストを充填する場合には、気泡が残り易いの
で、電解めっきによる充填が実用的である。 【0033】本発明によるプリント回路基板を、絶縁性
基材の片面に導体回路を有するような片面回路基板に適
用する場合には、バイアホール上に導電性バンプを設け
て、他の回路基板との電気的接続を確保する。この導電
性バンプは、レーザ照射によって形成された保護フィル
ムの開口内に、めっき充填または導電性ペーストを充填
することによって形成されることが望ましい。 【0034】上記めっき充填は、電解めっき処理または
無電解めっき処理のいずれによっても行うことができる
が、電解めっき処理が望ましい。電解めっきとしては、
銅、金、ニッケル、スズ、各種半田等の低融点金属を使
用できるが、スズめっき又は半田めっきが最適である。 【0035】上記導電性バンプの高さとしては、3〜6
0μmの範囲が望ましい。この理由は、3μm未満で
は、バンプの変形により、バンプの高さのばらつきを許
容することができず、また、60μmを越えると抵抗値
が高くなる上、バンプを形成した際に横方向に拡がって
ショートの原因となるからである。 【0036】上記導電性バンプを導電性ペーストの充填
によって形成する場合には、バイアホールを形成する電
解めっきの高さのばらつきは、充填される導電性ペース
ト量を調整することにより是正され、多数の導電性バン
プの高さをそろえることができる。 【0037】この導電性ペーストからなるバンプは、半
硬化状態であることが望ましい。導電性ペーストは、半
硬化状態でも硬く、熱プレス時に軟化した有機接着剤層
を貫通させることができるからである。また、熱プレス
時に変形して接触面積が増大し、導通抵抗を低くするこ
とができるだけでなく、バンプの高さのばらつきを是正
することができるからである。 【0038】この他に、例えば、導電性ペーストを所定
位置に開口の設けられたメタルマスクを用いてスクリー
ン印刷する方法、低融点金属であるはんだペーストを印
刷する方法の他、はんだ溶融液に浸漬する方法によって
導電性バンプを形成することができる。上記低融点金属
としては、Pb−Sn系はんだ、Ag−Sn系はんだ、
インジウムはんだ等を使用することができる。 【0039】上記絶縁性樹脂基材の銅箔貼付面に形成さ
れる導体回路は、銅箔面に感光性ドライフィルムを貼付
するか、液状感光性レジストを塗布した後、所定の配線
パターンを有するマスクを載置し、露光・現像処理する
ことによってめっきレジスト層を形成した後、エッチン
グレジスト非形成部分の銅箔をエッチング処理すること
によって形成される。 【0040】上記導体回路の各バイアホールに対応した
表面には、導体回路の一部としてのランド(パッド)が、
その口径が50〜250μmの範囲に形成されるのが好
ましい。上記パターン形成のためのエッチングは、硫酸
−過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第二鉄の水
溶液から選ばれる少なくとも1種により行われる。 【0041】上記導体回路の配線パターン表面には粗化
層が形成され、回路基板相互を接合する接着剤層との密
着性を改善し、剥離(デラミネーション)の発生を防止
することが好ましい。粗化処理方法としては、例えば、
ソフトエッチング処理や、黒化(酸化)一還元処理、銅
−ニッケルーリンからなる針状合金めっき(荏原ユージ
ライト製:商品名インタープレート)の形成、メック社
製の商品名「メックエッチボンド」なるエッチング液に
よる表面粗化がある。 【0042】この実施形態においては、上記粗化層の形
成は、エッチング液を用いて形成されるのが好ましく、
たとえば、導体回路の表面を第二銅錯体と有機酸の混合
水溶液からエッチング液を用いてエッチング処理するこ
とによって形成することができる。かかるエッチング液
は、スプレーやバブリングなどの酸素共存条件下で、銅
導体回路を溶解させることができ、反応は、次のように
進行するものと推定される。 Cu+Cu(II)A →2Cu(I)An/2 2Cu(I)An/2 +n/4O +nAH (エアレーション) →2Cu(II)A +n/2HO 式中、Aは錯化剤(キレート剤として作用)、nは配位
数を示す。 【0043】この式に示されるように、発生した第一銅
錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体
となって、再び銅の酸化に寄与する。本発明で用いられ
る第二銅錯体は、アゾール類の第二銅錯体がよい。この
有機酸−第二銅錯体からなるエッチング液は、アゾール
類の第二銅錯体および有機酸(必要に応じてハロゲンイ
オン)を、水に溶解して調製することができる。このよ
うなエッチング液は、たとえば、イミダゾール銅(II)
錯体 10重量部、グリコール酸 7重量部、塩化カリ
ウム 5重量部を混合した水溶液から形成される。 【0044】また、必要に応じて、粗化層が形成された
配線パターン上にさらに金属層を被覆してもよい。形成
される金属としては、チタン、アルミニウム、亜鉛、
鉄、インジウム、タリウム、コバルト、ニッケル、ス
ズ、鉛、ビスマスの中から選ばれるいずれかの金属で被
覆してもよい。 【0045】上記絶縁性樹脂基材の銅箔貼付面と反対側
の面に形成される接着剤層は、基板表面に樹脂を塗布
し、乾燥させて、未硬化状態としたものである。このよ
うな実施形態では、接着剤層に導通のための孔開けの必
要がない。上記接着剤層は、有機系接着剤から形成する
ことが望ましく、その有機系接着剤としては、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテ
ル(PPE:Polyphenylen ethe
r)、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との複合樹脂、エポ
キシ樹脂とシリコーン樹脂との複合樹脂、BTレジンか
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが望まし
い。ここで、有機系接着剤の溶剤としては、NMP、D
MF、アセトン、エタノールを用いることができる。 【0046】上記有機系接着剤である未硬化樹脂の塗布
方法は、カーテンコータ、スピンコータ、ロールコー
タ、スプレーコータ、スクリーン印刷などを使用でき
る。また、樹脂の塗布後、減圧・脱泡を行って、粗化層
と樹脂との界面の気泡を完全に除去することも可能であ
る。なお、接着剤層の形成は、接着剤シートをラミネー
トすることによって行うこともできる。上記接着剤層の
厚さは、5〜50μmが望ましい。接着剤層は、取扱が
容易になるため、予備硬化(プレキュア)しておくこと
が好ましい。 【0047】次に、本発明によるプリント回路基板を、
絶縁性基材の表裏両面に導体回路を有するような両面回
路基板に適用する場合について説明する。この場合に
は、レーザ照射によって片面銅張積層板に形成された非
貫通孔内をデスミア処理によりクリーニングし、その非
貫通孔内に導電性物質を充填してバイアホールを形成し
た後、バイアホール上に導電性バンプを形成することな
く、絶縁性基材のバイアホール開口を含んだ側の表面
に、接着剤層を介して銅箔を貼付け、加熱プレスするこ
とによって、バイアホールを形成する導電性物質と銅箔
との電気的接続を行い、その後、絶縁性基材の両面に貼
付けられた銅箔をそれぞれエッチング処理することによ
って、導体回路を形成する。 【0048】上述したような片面回路基板と両面回路基
板とを組み合わせて、多層化回路基板を形成する際に
は、例えば、まず両面回路基板をコアとして、そのコア
基板の両面に形成した導体回路に対して、上記片面回路
基板の導電性バンプを対向配置させ、順次、他の片面回
路基板をその導電性バンプが隣接する片面回路基板の導
体回路に接続されるように積層配置し、それらを一括し
て加熱プレスする。 【0049】上記コア基板としての両面回路基板と複数
の片面回路基板との積層一体化は、各回路基板に予め設
けた位置決め用孔をCCDカメラ等で光学的に検出し、
その位置合わせを行いながら進める。すなわち、上記積
層体は、150〜200℃の温度で加熱されながら、
0.5〜5MPaの圧力でプレスされて、すべての回路
基板が1度のプレス成形により一体化される。 【0050】以下、本発明のプリント回路基板の製造方
法の一例について、添付図面を参照にして説明する。 本発明にかかるプリント回路基板を製造するに当たっ
て、絶縁性基材12としては、アラミドフィルムにエポ
キシ樹脂を含浸させ、完全に熱硬化させて、厚さを50
〜400μmとしたアラミドフィルムを芯材としたエポ
キシ基材が用い、その絶縁性基材12の片面に、厚さが
5〜18μmの銅箔14を加熱プレスによって貼付けた
片面銅張積層板10を出発材料として用いる(図1(a)
参照)。 【0051】(2) レーザ加工によって、絶縁性基材1
2の銅箔貼付面と反対側の表面に、その厚さ方向に貫通
して銅箔14に達するビアホール用開口18を形成す
る。この開口形成にあたって、絶縁性基材12の銅箔貼
付面と反対側の表面に、予め光透過性の樹脂フィルム1
6を粘着させ、その樹脂フィルム16上からレーザ照射
を行って形成する(図1(b)参照)。 【0052】(3) 上記開口18に導電性物質を充填し
てバイアホールを形成する前に、非貫通孔の内壁面に残
留する樹脂残滓を取り除くために、プラズマクリーニン
グ装置を使用したプラズマクリーニングを行なう。 【0053】(4) その後、銅箔14の表面に保護膜1
7を貼付けた状態で、開口18内にめっきを充填してバ
イアホール20を形成する(図1(c)参照)。このめっき
充填は、銅箔14をめっきリードとした電解銅めっき処
理によって行なう。両面回路基板を作製する際には、開
口18内への電銅解めっきは、絶縁性基材の表面よりも
若干高くなるように形成し、後述するような片面回路基
板を作製する際には、開口18の上部に若干の隙間を残
して充填される。 【0054】(5) その後、PETフィルム16および
保護膜17をそれぞれ剥離させたのち、絶縁性基材12
の樹脂面からわずかに突出するバイアホールの電解銅め
っき側に半硬化状態の接着剤層、すなわちBステージの
接着剤層(図示を省略)を形成し、この接着剤層を介し
て銅箔24を絶縁性基材12の表面に加熱プレスによっ
て圧着して、接着剤層を硬化させる(図1(e)参照)。 【0055】この接着剤は、たとえば、エポキシ樹脂ワ
ニスが使用され、その層厚は10〜50μmの範囲が望
ましく、銅箔の厚さは、5〜18μmが望ましい。上記
加熱プレスによって、銅箔24は硬化した接着剤層を介
して絶縁性基材12に接着され、バイアホール20と銅
箔24とが電気的に接続される。 【0056】(6) ついで、絶縁性基材12の両面に貼
付けられた銅箔14および24上に、エッチング処理に
よって所定の配線パターンを有する導体回路26および
28(ビアランドを含む)をそれぞれ形成する(図1
(f)参照)。 【0057】この処理工程においては、先ず、銅箔12
および24の表面に感光性ドライフィルムレジストを貼
付した後、所定の回路パターンに沿って露光、現像処理
してエッチングレジストを形成し、エッチングレジスト
非形成部分の金属層をエッチングして、ビアランドを含
んだ導体回路パターン26および28を形成する。 【0058】(7) 次に、前記(7)の工程で形成した導体
回路26および28の表面を、第二銅錯体と有機酸の混
合水溶液からエッチング液を用いてエッチング処理して
(粗化層の表示は省略する)、コア用の両面回路基板A
を形成する。上記(1)〜(7)の工程にしたがって製造され
た両面回路基板は、多層化回路基板を製造する際のコア
用回路基板として好適である。 【0059】次に、上記両面回路基板の表裏面にそれぞ
れ積層される片面回路基板の製造方法の一例について、
図2を参照にして説明する。 【0060】(1) 上記両面回路基板の(1)〜(4)までの
工程にしたがった処理を行なって、開口18内に電解銅
めっきを充填してバイアホール20を形成する。この電
解銅めっきは、開口18の上部に若干の隙間を残して充
填される(図2(a)〜(c)参照)。 【0061】(2) 次いで、電解銅めっきが充填された
バイアホール20の表面に、さらに、はんだめっき処理
を施して、絶縁性基材12の表面から僅かに突出した導
電性バンプ22を形成させる(図2(d)参照)。 【0062】(3) 上記(2)で形成した導電性バンプ22
を覆うように、PETフィルム16上にエッチング保護
フィルム30を貼付けた後、両面回路基板の(6)の処
理工程にしたがって、絶縁性基材12に貼付けられた銅
箔14上に、エッチング処理によって所定の配線パター
ンを有する導体回路32(ビアランドを含む)を形成す
る(図2(e)参照)。 【0063】(4) 次に、絶縁性基材12の樹脂面から
PETフィルム16および保護フィルム30を剥離させ
た後、絶縁性基材12の樹脂面および導電性バンプ22
を覆って接着剤層34を形成することによって、片面回
路基板Bが作製される(図2(f)参照)。 【0064】このように、上記(1)〜(4)の工程にしたが
って製造される片面回路基板は、絶縁性基材12の一方
の表面に導体回路32を有し、他方の表面には導電性バ
ンプ22を有するとともに、導電性バンプ22を含んだ
絶縁性基材表面を覆っている樹脂接着剤層34を有して
おり、これらの複数枚の片面回路基板は、予め作製され
たコア用回路基板Aに積層されて多層化される。 【0065】図3は、コア用両面回路基板Aの両面に、
2枚の片面回路基板Bが積層されてなる3層基板が、加
熱温度150〜200℃、加圧力1〜4MPaの条件下
で、1度のプレス成形により一体化された多層プリント
配線板を示している。 【0066】上述した実施形態では、コア用両面回路基
板と2層の片面回路基板とを用いて3層に多層化した
が、コア用両面回路基板と3層以上の片面回路基板とを
用いて4層以上の多層化回路基板の製造にも適用でき
る。また、両面回路基板を用いないで、片面回路基板だ
けを積層して多層化することもできる。 【0067】 【実施例】(実施例1) (1) 芯材としてのアラミドフィルム(製品名「アラミ
カ」:旭化成社製)を、エポキシ樹脂の入ったワニスタ
ンクで樹脂含浸させた後、熱風式乾燥機で乾燥させて、
厚さ40μmの板状に形成したものを絶縁性基材として
用いる。この絶縁性基材を構成するエポキシ樹脂の含浸
量は、30重量%であり、絶縁性基材12の線熱膨張係
数は、+5ppm/℃であった。この絶縁性基材12の
片面全域に接着剤を塗布した後、この接着剤層を介して
厚さ12μmの銅箔14を加熱プレスによって貼付け
て、片面銅張積層板10を形成した。 【0068】(2) この片面銅張積層板10の絶縁性基
板12の樹脂面に、厚さが22μmのPETフィルム1
6を貼り付けた後、そのPETフィルム上からレーザ照
射を行い、絶縁性基板12の厚さ方向に貫通して銅箔1
2に達するバイアホール形成用開口18を形成した。 【0069】この実施例においては、三菱電機製の高ピ
ーク短パルス発振型炭酸ガスレーザ加工機を使用し、以
下のようなレーザ加工条件のもとで、マスクイメージ法
により、PETフィルム側からレーザビームを照射して
100穴/秒のスピードで、150μmφのビアホール
形成用の開口18を形成した。 【0070】〔レーザ加工条件〕 パルスエネルギー 4.0mJ パルス幅 15μs パルス間隔 2ms以上 ショット数 5 このとき、絶縁性基板12は、有機ポリマーからなるア
ラミドフィルムにエポキシ樹脂が含浸されてなる構成で
あるから、レーザ照射による双方への孔あけ速度はほぼ
同等であり、形成されるバイアホール形成用開口18の
深さや口径のばらつきはほとんど生じなかった。 【0071】(3) 次いで、上記(2)で形成した開口内壁
に残留するエポキシ樹脂を取り除くために、プラズマ装
置を用いたプラズマクリーニング処理を施した。(図1
B)。 【0072】(4) 次に、絶縁性基材12に貼付られた
銅箔14面にPETフィルム17を貼付した状態で、以
下のようなめっき条件で、銅箔14をめっきリードとし
た電解銅めっき処理を施して、バイアホール形成用開口
16内に電解銅めっき膜を充填してバイアホール20を
形成した。 【0073】 〔電解銅めっき水溶液〕 硫酸銅・5水和物 : 60g/l レベリング剤(アトテック製、HL): 40ml/l 硫酸 : 190g/l 光沢剤(アトテック製、UV) : 0.5ml/l 塩素イオン : 40ppm 〔電解めっき条件〕 バブリング : 3.0リットル/分 電流密度 : 0.5A/dm 設定電流値 : 0.18 A めっき時間 : 130分 【0074】ここで、バイアホール形成用開口16は、
上記レーザ加工によって形状が均一化されているため、
電解銅めっき膜を均一に成長させることができ、めっき
高さのばらつきはほとんど生じなかった。また、電解銅
めっきの充填量は、その上面が絶緑性基材12の表面か
ら僅かに突出する程度とした(図1(c)参照)。 【0075】(5) その後、PETフィルム16および
17を絶縁性基材12から剥離させたのち(図1(d)参
照)、エポキシ樹脂ワニスからなる半硬化状態の接着剤
層、すなわちBステージの接着剤層(図示を省略)を形
成し、この接着剤層を介して、厚さ12μmの銅箔24
を絶縁性基材12の表面に加熱プレスによって圧着し
て、接着剤層を硬化させた(図1(e)参照)。 【0076】(6) ついで、絶縁性基材12の両面に貼
付けられた銅箔14および24上に、エッチング処理に
よって所定の配線パターンを有する導体回路26および
28(ビアランドを含む)をそれぞれ形成した(図1
(f)参照)。 【0077】(7)次に、前記(6)の工程で形成した導体回
路26および28の表面に、エッチング液によって粗化
処理を施して粗化面を形成する(粗化層の図示は省略す
る)。 【0078】上記(1)〜(7)の工程にしたがって処理によ
って、絶縁性基材12の両面に導体回路26および28
がそれぞれ形成され、それらの導体回路を電気的接続す
るバイアホール20および導電性バンプ22が絶縁性基
材12に形成され、さらに、導体回路26および28の
表面に粗化層が形成されてなる両面回路基板Aを作製し
た。 【0079】(8) 次いで、上記(1)〜(3)までの工程に
したがった処理を行った後(図2(a)〜(b)参照)、絶縁
性基材12に貼付られた銅箔14面にPETフィルム1
7を貼付した状態で、以下のようなめっき条件で、銅箔
14をめっきリードとした電解銅めっき処理を施して、
バイアホール形成用開口16内に電解銅めっき膜を充填
してバイアホール20を形成した。 【0080】 〔電解銅めっき水溶液〕 硫酸銅・5水和物 : 60g/l レベリング剤(アトテック製、HL): 40ml/l 硫酸 : 190g/l 光沢剤(アトテック製、UV) : 0.5ml/l 塩素イオン : 40ppm 〔電解めっき条件〕 バブリング : 3.0リットル/分 電流密度 : 0.5A/dm 設定電流値 : 0.18 A めっき時間 : 100分 【0081】ここで、バイアホール形成用開口16は、
上記レーザ加工によって形状が均一化されているため、
電解銅めっき膜を均一に成長させることができ、めっき
高さのばらつきはほとんど生じなかった。また、電解銅
めっきの充填量は、その上面が絶緑性基材12の表面か
ら僅かに低い程度とした(図2(c)参照)。 【0082】(10) 上記(9)での無電解銅めっき処理に
引き続いて、以下のようなめっき条件で、電解半田めっ
き処理を施して、バイアホール形成用開口18の上部お
よびPETフィルム16に形成された開口内に、電解半
田めっきを充填して、電解銅めっき上に、絶縁性基材1
2の表面からほぼPETフィルム16の厚み分だけ突出
する導電性バンプ22を形成した(図2(d)参照)。 【0083】(電解半田めっき液) Sn(BF : 25g/l Pb(BF : 12g/l 添加剤 : 5ml/l (電解半田めっき条件) 温度 : 20℃ 電流密度 : 0.4A/dm 【0084】(11) 次に、PETフィルム17を剥離
し、PETフィルム16上にエッチング保護フィルム3
0を貼付けた後、上記(6)と同様に、絶縁性基材12に
貼付けられた銅箔14上に、エッチング処理によって所
定の配線パターンを有する導体回路32(ビアランドを
含む)を形成した(図2(e)参照)。 【0085】(12) さらに、絶縁性基材12の樹脂面か
らPETフィルム16およびエッチング保護フィルム3
0を剥離させた後、エポキシ樹脂接着剤をロールコータ
によって導電性バンプ22側の全面に塗布し、100℃
で30分間の乾燥を行なって、厚さ20μmの接着剤層
34を有する片面回路基板Bを作製した(図2(f)参
照)。 【0086】(13) 上記(8)〜(12)の工程を繰り返し
て、他の片面回路基板Bを製造した。 【0087】(14) 上記コア用両面回路基板Aを挟んで
2枚の片面回路基板Bを積層し、熱温度180℃、加
圧力3MPaの条件下で、1度のプレス成形により一体
化して多層化回路基板を作製した。 【0088】(実施例2)芯材としてのアラミドフィル
ムをエポキシ樹脂の入ったワニスタンクで樹脂含浸させ
た後、熱風式乾燥機で乾燥させて、厚さ40μmの板状
に形成したものを絶縁性基材として用いた他は、実施例
1と同様の工程により、多層化回路基板を作製した。な
お、エポキシ樹脂の含浸量を50重量%とし、この絶縁
性基材の線熱膨張係数は、+8ppm/℃であった。 【0089】(実施例3)芯材としてのポリイミドフィ
ルムをエポキシ樹脂の入ったワニスタンクで樹脂含浸さ
せた後、熱風式乾燥機で乾燥させて、厚さ40μmの板
状に形成したものを絶縁性基材として用いた他は、実施
例1と同様の工程により、多層化回路基板を作製した。
なお、エポキシ樹脂の含浸量を50重量%とし、この絶
縁性基材の線熱膨張係数は、−10ppm/℃であっ
た。 【0090】(実施例4)芯材としてのニ軸延伸テフロ
ン(「テフロン」はデュポン社の登録商標である。)を
エポキシ樹脂の入ったワニスタンクで樹脂含浸させた
後、熱風式乾燥機で乾燥させて、厚さ40μmの板状に
形成したものを絶縁性基材として用いた他は、実施例1
と同様の工程により、多層化回路基板を作製した。な
お、エポキシ樹脂の含浸量を20重量%とし、この絶縁
性基材の線熱膨張係数は、+10ppm/℃であった。 【0091】(比較例1)ガラス繊維糸を製繊して布状
に形成したガラス布に対して、エポキシ樹脂を50重量
%だけ含浸させ、乾燥、硬化させて板状に形成したもの
を絶縁性基材として用いた他は、実施例1と同様の工程
により、多層化回路基板を製造した。この絶縁性基板の
線熱膨張係数は+13ppm/℃であった。 【0092】上記実施例1〜4および比較例1によって
作製された多層化回路基板について、バイアホール用開
口に充填された電解銅めっきの高さのばらつきを測定す
るとともに、加熱・膨張によるバイアホールとパッドと
の位置ずれがどの程度で存在するかをSEM観察によっ
て調べたところ、表1に示すような結果を得た。 【0093】 【表1】【0094】表1から分かるように、実施例1〜4によ
れば、絶縁層中の芯材として従来のガラス繊維に替え
て、アラミドフィルム等の有機ポリマーをそれぞれ使用
したので、レーザによる孔あけ作業時にバイアホール形
成用開口の形成不良を起こすことがなく、めっき金属を
均一に成長させることができるので、めっき高さのばら
つきを0.2%以下に抑えることができ、また、加熱・
膨張によるバイアホールとパッドとの間の位置ずれを5
μm未満に抑えることができた。 【0095】一方、比較例1によれば、めっき高さのば
らつきが12%の範囲であり、また、加熱・膨張による
バイアホールとパッドとの間の位置ずれは、20μmの
範囲であることが確認された。 【0096】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリント
配線板は、絶縁性基材の少なくとも一方の面に導体層を
形成してなり、その絶縁性基材は、有機ポリマーからな
る芯材と、その芯材に含浸されてなる樹脂層とから構成
され、かつその線膨張率を+10ppm/℃〜−10p
pm/℃の範囲としたので、バイアホール開口の形成不
良を起こすことがなく、開口内にめっき金属を均一に成
長させることができるので、めっき高さのばらつきを最
大限に抑制することができ、プリント回路基板の積層時
の各導体回路間の接触不良を大幅に減少させることがで
きる。 【0097】また、加熱・膨張による熱膨張量を極力小
さく抑えることができるので、プレス圧による絶縁性基
材の最終的な厚みの変動や、バイアホール開口の位置ず
れを最小限に抑えることができ、バイアホールランド径
や配線ピッチを小さくして配線密度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】(a)〜(f)は、本発明の一実施形態に係る両面回
路基板の製造工程を示す図である。 【図2】(a)〜(f)は、本発明の一実施形態に係る片面回
路基板の製造工程を示す図である。 【図3】図1に示す両面回路基板をコアとして、図2に
示す片面回路基板を積層して形成した多層化回路基板を
示す図である。 【符号の説明】 10 銅張積層板 12 絶緑性基材 14 銅箔 16 PETフィルム 17 PETフィルム 18 バイアホール形成用開口 20 バイアホール 22 導電性バンプ 24 銅箔 26、28 導体回路 30 エッチング保護フィルム 32 導体回路 34 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 T Fターム(参考) 4F100 AB17 AK01A AK47A AK53A AR00B BA02 BA07 EJ82A GB43 JA02A JG01B JG04A JL02 YY00A 5E346 AA05 AA06 AA12 AA15 AA16 AA22 AA25 AA35 AA43 BB01 CC05 CC08 CC09 CC31 DD02 DD32 EE02 EE06 EE07 EE15 EE42 FF04 FF18 FF35 FF36 GG15 GG16 GG17 GG22 GG28 HH07 HH11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 絶縁性基材の少なくとも一方の面に導体
    層を形成してなるプリント回路基板において、 前記絶縁性基材は、有機ポリマーからなる芯材と、その
    芯材に含浸された樹脂層とから横成され、その線熱膨張
    係数を+10ppm/℃〜−10ppm/℃の範囲内に
    したことを特徴とするプリント回路基板。 【藷求項2】 前記芯材がアラミドフィルムであり、前
    記樹脂層がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項
    1に記載のプリント回路基板。
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