JP2005191080A - 積層板とそれを用いた多層配線板およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、金属箔と絶縁樹脂層とのピール強度が高く、十分な接着性を有し、穴周辺の銅箔に剥離が生じにくい積層板を提供することを目的とする。
【解決手段】内層基板と層間絶縁層と厚さ5μm以下の金属箔とからなる積層板であって、前記層間絶縁層は絶縁樹脂層と接着層とからなるよう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】内層基板と層間絶縁層と厚さ5μm以下の金属箔とからなる積層板であって、前記層間絶縁層は絶縁樹脂層と接着層とからなるよう構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、積層板とそれを用いた多層配線板およびそれらの製造方法に関する。
半導体の集積度が向上するに従い、入出力端子数が増加している。従って、多くの入出力端子を有する半導体パッケージが必要になった。このため、比較的大きなピッチで端子配列が可能なため高密度実装に適するBGA(Ball Grid Array)と称する半導体パッケージが開発されている。このような半導体パッケージ用の多層基板にはICチップとマザーボードを電気的に接続するための高密度な外層回路形成及び非貫通バイアホールによる層間接続(インタースティシャルバイアホール、以下IVHと呼ぶ)の必要性が高まっている。
このようなIVHを形成するために、例えば、特許文献1に開示するように、銅箔のIVH形成箇所をエッチングにより除去し、この銅箔をマスクとして、マスク開口より大きな径のレーザ光を照射して穴明け加工するコンフォーマル穴明けや、特許文献2に開示するように、IVH径に絞ったレーザ光を直接銅箔に照射し、銅箔と絶縁樹脂を同時に穴明けするダイレクト穴明けが行われている。
特開平8-279679
特開2001-135911
しかしながら、このようなレーザ穴明けでは、金属箔と層間絶縁樹脂層とのピール強度が低いと穴周辺の金属箔に剥離が生じ、特に、絶縁樹脂層が低誘電材料や高剛性材料の場合には十分な接着力を確保し難いという問題があった。本発明は、金属箔と絶縁樹脂層とのピール強度が高く、十分な接着性を有し、穴周辺の銅箔に剥離が生じにくい積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、5μm以下の厚みの金属箔と絶縁樹脂層との間に接着層を設けることで、金属箔と絶縁樹脂層とのピール強度を確保し、金属箔剥離を抑制できることがわかり、本発明を見出すに至った。また、接着層が10μm以下で、かつ絶縁樹脂層の厚みの1/10以下の厚みの接着層を形成することで、さらなるピール強度を確保すると共に、絶縁樹脂層の低誘電特性や剛性をより生かせることがわかった。
本発明は、内層基板と層間絶縁層と厚さ5μm以下の金属箔とからなる積層板であって、層間絶縁層は絶縁樹脂層と接着層とからなることを特徴とした積層板に関する。金属箔のピール強度が0.5kN/m以上であることが好ましい。また、接着層の厚みが10μm以下で、かつ絶縁樹脂層の厚みの1/10以下であることが好ましい。好ましくは、絶縁樹脂層は低誘電材料である。
また、本発明は、キャリア層で一面を支持した厚さ5μm以下の金属箔の他面に接着層を形成する工程、及び前記接着層が内層基板側になるように前記金属箔を半硬化状の絶縁樹脂層を介して内層基板に積層一体化する工程を含む積層板の製造方法に関する。接着層の厚みが10μm以下で、かつ前記絶縁樹脂層の厚みの1/10以下となるように形成することが好ましい。
本発明は、上記の積層板または上記の製造方法による積層板を用いた多層配線板に関する。さらに、レーザ加工により形成したビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔とを電気的に接続しており、前記金属箔を用いて外層回路を形成した多層配線板に関する。レーザ加工により形成したビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔を電気的に接続しており、前記金属箔をシード層として用いて電気めっきにより外層回路を形成した多層配線板に関する。
さらに、本発明は、上記の積層板または上記の製造方法による積層板を用いた多層配線板の製造方法に関する。多層配線板の製造方法は、上記の積層板または上記の製造方法による積層板を用い、レーザ加工によりビア穴を形成する工程、ビア穴に導体層を形成し必要な箇所の内層基板と金属箔を電気的に接続する工程、金属箔を用いて外層回路を形成する工程、を含んでいてもよい。また、多層配線板の製造方法は、上記の積層板または上記の製造方法による積層板を用い、レーザ加工によりビア穴を形成する工程、前記ビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔を電気的に接続する工程、前記金属箔及び前記導体層をシード層として用いて電気めっきにより外層回路を形成する工程、を含んでいてもよい。さらに、レーザ加工により、金属箔表面にビア径に絞ったレーザ光を直接照射し、金属箔と層間絶縁層に穴明けしてもよい。
本発明によると、金属箔と絶縁樹脂層とのピール強度が高く、十分な接着性を有し、穴周辺の銅箔に剥離が生じにく積層板及び多層配線板を得ることができる。
(絶縁樹脂層)
絶縁樹脂層として、半硬化状の絶縁樹脂を用いる場合、一般的な配線板に用いられる公知の熱硬化性樹脂材料を用いることが出来る。このような熱硬化性樹脂材料としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニル樹脂などが挙げられ、特にエポキシ樹脂は信頼性の観点から好ましく、シアネート樹脂は低誘電率の観点から好ましい。また、低誘電材料の観点からすると、フッ素樹脂及び、ベンゾシクロブテンも好ましい。さらに、誘電特性、耐衝撃性、フィルム加工性などを考慮して、熱可塑性樹脂がブレンドされていても良く、熱可塑性樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエンなどが例示される。熱硬化性樹脂材料を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。また、熱可塑性樹脂材料をブレンドする場合も、1種類を単独で用いても二種類以上を用いてもよい。
絶縁樹脂層として、半硬化状の絶縁樹脂を用いる場合、一般的な配線板に用いられる公知の熱硬化性樹脂材料を用いることが出来る。このような熱硬化性樹脂材料としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニル樹脂などが挙げられ、特にエポキシ樹脂は信頼性の観点から好ましく、シアネート樹脂は低誘電率の観点から好ましい。また、低誘電材料の観点からすると、フッ素樹脂及び、ベンゾシクロブテンも好ましい。さらに、誘電特性、耐衝撃性、フィルム加工性などを考慮して、熱可塑性樹脂がブレンドされていても良く、熱可塑性樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエンなどが例示される。熱硬化性樹脂材料を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。また、熱可塑性樹脂材料をブレンドする場合も、1種類を単独で用いても二種類以上を用いてもよい。
さらに、絶縁樹脂層の剛性を高くするために、樹脂材料に無機フィラーをあらかじめ混合しても良い。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、酸化チタン、マイカ、シリカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー等のクレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。
また、絶縁樹脂層の剛性や信頼性の確保のために、耐熱性合成繊維及びガラス繊維から選ばれる少なくとも一つを用いた繊維シートに樹脂材料を含浸してもよい。耐熱性合成繊維としては、芳香族ポリアミド繊維及びポリイミド繊維から選ばれる少なくとも一つを用いたものであることが好ましい。さらに、繊維シートとしては、織布、不織布いずれを用いても良いが、穴加工性確保のために不織布あるいは高開繊の織布を用いることが好ましい。
(接着層)
接着層としては、一般的に配線板で用いる公知の樹脂材料を用いることができ、半硬化状の絶縁樹脂と同じ樹脂系であれば、接着層と絶縁樹脂層の間の接着強度を確保しやすく好ましい。また、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの熱可塑性樹脂は耐熱性が高く、好ましい。
接着層としては、一般的に配線板で用いる公知の樹脂材料を用いることができ、半硬化状の絶縁樹脂と同じ樹脂系であれば、接着層と絶縁樹脂層の間の接着強度を確保しやすく好ましい。また、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの熱可塑性樹脂は耐熱性が高く、好ましい。
このような、接着層は金属箔に10μm以下でかつ絶縁樹脂層の1/10以下の厚みとなるように形成し用いることが好ましい。10μmより厚い場合や絶縁樹脂層厚みの1/10より厚い場合は、絶縁樹脂層の特性を損なう恐れがあり、特に、絶縁樹脂層に低誘電の絶縁樹脂を用いた場合、1/10より薄いと誘電率への影響が少なく好ましい。このような接着層の形成は、ロールコータ、コンマコータ、スピンコータ、吹きつけなどで金属箔上に塗布し、乾燥して用いることができる。
(金属箔)
金属箔としては、導電性が高い金属であればよく、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミ箔などを用いることができるが、一般的な配線板で用いられる銅箔が好ましい。金属箔の厚みとしては、エッチング量を低減することで微細配線を形成でき、さらにレーザ加工が容易であることから、できるだけ薄いことが好ましく、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。このような金属箔としてはピーラブルタイプまたはエッチャブルタイプを用いることが好ましい。ピーラブルタイプ及びエッチャブルタイプの金属箔とは、キャリアを有する金属箔であり、前者はキャリアが引き剥がし可能な金属箔であり、後者はキャリアがエッチング除去可能な金属箔である。さらに、接着層との接着力を上げるために粗化処理や防錆処理を施すことができる。また、5μmより厚い銅箔を平滑エッチングにより5μm以下の厚みにすることもできる。
金属箔としては、導電性が高い金属であればよく、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミ箔などを用いることができるが、一般的な配線板で用いられる銅箔が好ましい。金属箔の厚みとしては、エッチング量を低減することで微細配線を形成でき、さらにレーザ加工が容易であることから、できるだけ薄いことが好ましく、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。このような金属箔としてはピーラブルタイプまたはエッチャブルタイプを用いることが好ましい。ピーラブルタイプ及びエッチャブルタイプの金属箔とは、キャリアを有する金属箔であり、前者はキャリアが引き剥がし可能な金属箔であり、後者はキャリアがエッチング除去可能な金属箔である。さらに、接着層との接着力を上げるために粗化処理や防錆処理を施すことができる。また、5μmより厚い銅箔を平滑エッチングにより5μm以下の厚みにすることもできる。
金属箔に対する粗化処理としては、電気めっきの条件により粗化形状を形成する方法や電気めっき後にエッチングにより粗化形状を形成する方法がある。粗さとしては、なるべく平滑な方が後工程のエッチング量低減や根残り低減のために好ましく、十点平均粗さ(Rz)として2μm以下が好ましい。
金属箔に対する防錆処理は、ニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルトのいずれか、若しくはそれらの合金を用いて行うことができ、接着層の材質により選択することが好ましい。これらはスパッタや電気めっき、無電解めっきにより金属箔上に薄膜形成を行うものであるが、コストの面から電気めっきが好ましい。具体的にはめっき層にニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルトの内一種類以上の金属塩を含むめっき層を用いてめっきを行う。金属イオンの析出を容易にするためにクエン酸塩、酒石酸塩、スルファミン酸等の錯化剤を必要量添加することも出来る。めっき液は通常酸性領域で用い、室温〜80℃の温度で行う。めっきは通常電流密度0.1〜10A/dm2、通電時間1〜60秒、好ましくは1〜30秒の範囲から適宜選択する。防錆処理金属の量は、金属の種類によって異なるが、合計で10〜2000μg/dm2が好適である。防錆処理が厚すぎるとエッチング阻害と電気特性の低下を引き起こし、薄すぎると樹脂とのピール強度低下の要因となりうる。さらに、長期信頼性試験におけるピール強度の低減抑制や接着力の向上のためにクロメート処理やシランカップリング処理を行うことが好ましい。
(積層板の製造)
以上のような半硬化状の絶縁樹脂と接着層を形成した金属箔及び内層基板を用いて積層板を製造する。積層板とするには、内層基板上に半硬化状の絶縁樹脂を位置させ、その上に接着層が形成された金属箔が、接着層が内層基板側になるように金属箔を位置させ、加熱・加圧による手法を用いることができ、一般的な真空プレス機を用いることが好ましい。加熱・加圧の条件としては、絶縁樹脂層及び接着層の材料特性にあった条件が好ましく、例えば、温度150℃〜250℃、圧力1MPa〜5MPaが好ましい。
以上のような半硬化状の絶縁樹脂と接着層を形成した金属箔及び内層基板を用いて積層板を製造する。積層板とするには、内層基板上に半硬化状の絶縁樹脂を位置させ、その上に接着層が形成された金属箔が、接着層が内層基板側になるように金属箔を位置させ、加熱・加圧による手法を用いることができ、一般的な真空プレス機を用いることが好ましい。加熱・加圧の条件としては、絶縁樹脂層及び接着層の材料特性にあった条件が好ましく、例えば、温度150℃〜250℃、圧力1MPa〜5MPaが好ましい。
金属箔がピーラブルタイプの場合キャリアを引き剥がし、エッチャブルタイプの場合キャリアをエッチングして、金属箔の厚みが5μm以下である積層板とする。ピーラブルタイプの場合、金属箔とキャリアとの間に位置する剥離層が残る場合があるが、剥離層である金属酸化物或いは有機物層をエッチングなどで除去することができる。また、エッチャブルタイプで金属箔を銅箔、キャリアをAl箔とした場合、アルカリ溶液であれば、キャリアのみをエッチングできる。さらに、金属箔は給電層として機能する範囲であれば薄いほど微細配線形成に適するため、エッチングにより厚みを低減してもよい。ピーラブルタイプの場合には、エッチングを離型層の除去と同時に行うと効率的で好ましい。
(レーザ加工)
以上のような積層板にレーザ加工により穴明けを行う。レーザ光源としては、CO2レーザ、UV-YAGレーザ、エキシマレーザなど、公知のレーザ光を用いることができ、CO2レーザは加工速度が速く好ましく、UV-YAGレーザはビア穴の小径化に適しており好ましい。レーザ穴明け方法としては、コンフォーマルマスクを用いる方法やダイレクトレーザ加工などがある。コンフォーマルマスクによる方法は、金属箔のビア穴を形成する場所にエッチングにより開口を形成し、金属箔をマスクとして開口径より大きい径のレーザ光を照射して層間絶縁樹脂層を除去する。ダイレクトレーザ加工は、ビア径に絞ったレーザ光を直接金属箔に照射して穴明けする方法である。ダイレクトレーザ加工の場合、金属箔表面のレーザ吸収率を高くするために、粗化処理や黒化処理を行うことができる。このようなレーザ加工において、金属箔と層間絶縁層とのピール強度が0.5kN/m未満であると、ビア穴周辺の金属箔に剥離が起こりやすく、レーザ条件の設定が困難になる。ピール強度が0.5kN/m以上であると金属箔剥離は発生し難くなり、0.8kN/m以上がより好ましい。このようなビア穴内には、スミアが発生しているため、過マンガン酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸などを用いて除去することが好ましい。ここで、ピール強度とは、速度50mm/分で金属箔を垂直方向に引き剥がすのに要する力で単位幅当たりの加重で表示する(kN/m)。
以上のような積層板にレーザ加工により穴明けを行う。レーザ光源としては、CO2レーザ、UV-YAGレーザ、エキシマレーザなど、公知のレーザ光を用いることができ、CO2レーザは加工速度が速く好ましく、UV-YAGレーザはビア穴の小径化に適しており好ましい。レーザ穴明け方法としては、コンフォーマルマスクを用いる方法やダイレクトレーザ加工などがある。コンフォーマルマスクによる方法は、金属箔のビア穴を形成する場所にエッチングにより開口を形成し、金属箔をマスクとして開口径より大きい径のレーザ光を照射して層間絶縁樹脂層を除去する。ダイレクトレーザ加工は、ビア径に絞ったレーザ光を直接金属箔に照射して穴明けする方法である。ダイレクトレーザ加工の場合、金属箔表面のレーザ吸収率を高くするために、粗化処理や黒化処理を行うことができる。このようなレーザ加工において、金属箔と層間絶縁層とのピール強度が0.5kN/m未満であると、ビア穴周辺の金属箔に剥離が起こりやすく、レーザ条件の設定が困難になる。ピール強度が0.5kN/m以上であると金属箔剥離は発生し難くなり、0.8kN/m以上がより好ましい。このようなビア穴内には、スミアが発生しているため、過マンガン酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸などを用いて除去することが好ましい。ここで、ピール強度とは、速度50mm/分で金属箔を垂直方向に引き剥がすのに要する力で単位幅当たりの加重で表示する(kN/m)。
(外層回路の形成)
以上のように製造したビア穴付きの積層板を用い、金属箔を利用して外層回路を形成して多層配線板を製造する。外層回路を形成する方法としては、パネルめっきを行い、エッチングで回路形成する方法や、パターンめっきにより回路形成する方法がある。例えば、パターンめっきにより回路形成する方法としては、無電解めっきによりビア内に導体層(シード層)を形成し、電気めっきレジストを形成した後、電気めっきにより導体パターンを形成し、最後に不要な個所の金属箔をエッチング除去して外層回路を形成することで多層配線板を製造する。このように製造した多層配線板を内層基板として、さらに多層化することもできる。
以上のように製造したビア穴付きの積層板を用い、金属箔を利用して外層回路を形成して多層配線板を製造する。外層回路を形成する方法としては、パネルめっきを行い、エッチングで回路形成する方法や、パターンめっきにより回路形成する方法がある。例えば、パターンめっきにより回路形成する方法としては、無電解めっきによりビア内に導体層(シード層)を形成し、電気めっきレジストを形成した後、電気めっきにより導体パターンを形成し、最後に不要な個所の金属箔をエッチング除去して外層回路を形成することで多層配線板を製造する。このように製造した多層配線板を内層基板として、さらに多層化することもできる。
無電解めっきは、無電解めっきの核となる触媒を付与し、これに無電解銅めっきを薄付けすることで形成する。触媒としては、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができ、特にパラジウムは樹脂への密着性が高く好ましい。無電解銅めっきとしては、硫酸銅、錯化剤、ホルマリン、水酸化ナトリウムを主成分とする、一般的な配線板で用いる無電解銅めっき液を用いることができる。めっき厚みとしては、シード層として給電可能な程度の厚みがあれば良く、0.1〜1μmの範囲が好ましい。0.1μmより薄いと無電解めっき層にピンホールが発生する恐れがあり、1μmより厚いと微細配線形成が困難になる。
金属箔の外層回路となる以外の個所に電気めっきレジストを形成する。電気めっきレジストの厚さは、その後めっきする導体の厚さと同程度か、より厚い膜厚にするのが好ましい。電気めっきレジストに使用できる樹脂には、液状レジストやドライフィルムレジストがある。
外層回路となる電気銅めっきには、通常配線板で使用される硫酸銅電気めっきやピロリン酸電気めっきが使用できる。電気銅めっきの厚さは、外層回路として使用できればよく、1〜100μmの範囲であることが好ましく、微細回路形成には5〜50μmの範囲であることがより好ましい。また、金属箔を銅箔とした場合、電気銅めっき層形成時の電流密度は銅箔作製時の電流密度よりも小さければよいが、好ましくは0.5〜5A/dm2である。電気銅めっき層形成時の電流密度が銅箔作製時の電流密度よりも高いと後のエッチング工程で過剰に溶解されやすくなってしまい良好な外層回路形成を為すのに支障をきたす。
次にアルカリ性剥離液や硫酸あるいは市販のレジスト剥離液を用いて、電気めっきレジストの剥離を行った後、パターン部以外の金属箔をエッチング除去して外層回路が形成できる。エッチング液として、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄、過硫酸塩類、過酸化水素/硫酸、アルカリ性溶液、硫酸、硝酸、過酸化水素が挙げられる。
例えば、金属箔として銅箔を用いた場合、エッチング液は、ハロゲン以外の酸及び過酸化水素を主成分とし、主成分に加えて溶媒、添加剤からなる溶液であり、溶媒としては、コスト、取り扱い性、安全性の面から水が好ましく用いられ、水にはアルコール等が添加されていても構わない。また、添加剤としては過酸化水素の安定剤等が添加されうる。さらに、ハロゲン以外の酸としては、硫酸、硝酸等が挙げられ、好ましくは、硫酸が用いられる。このようなエッチング液を用いて外層回路部以外の銅箔をエッチング除去し、設計通りの外層回路のトップ幅、ボトム幅を得るためには電気銅めっきのエッチング速度が銅箔のエッチング速度の80%以下であることが好ましい。
また、ハロゲン以外の酸として硫酸を用いる場合、エッチング液の主成分の濃度として、10〜300g/Lの硫酸および10〜200g/Lの過酸化水素水を用いることが好ましい。上記濃度域以下の濃度ではエッチング速度が遅いために作業性が悪く、上記濃度域以上の濃度ではエッチング速度が速いためにエッチング量のコントロールが難しい。また、銅箔のエッチング速度としては1〜15μm/分となるようにコントロールすることが作業性の面から好ましい。また、結晶構造の差異によるエッチング速度の差はエッチング液の温度に依存するため、エッチング除去の際にエッチング液の温度は20〜50℃とすることが好ましく、20〜40℃とすることがより好ましい。さらにエッチング時間としては、所望の回路幅が形成されるような時間を実験により適宜求めればよいが、作業性、エッチングの均一性等のために10秒〜10分の範囲であることが好ましい。
必要な箇所にソルダレジストの形成、外層回路へのめっき処理を行うことができる。このようなソルダレジストとしては、一般的な配線板で用いる液状レジストやフィルム状レジストを用いることができる。また、ワイヤボンド端子やフリップチップ端子に金めっきや錫めっきを施すことが好ましい。金めっきとしては、金の銅配線への拡散を抑えるために、電解Ni/Auめっきや無電解Ni/Pd/Auめっきを用いることができる。
以下に、本発明の実施例を記す。
(実施例1)
図1(a)に示すように、基材厚さ0.4mmのガラス布−エポキシ樹脂基板を使用し、通常のサブトラクティブ法によって回路を形成した内層基板1を得た。
図1(a)に示すように、基材厚さ0.4mmのガラス布−エポキシ樹脂基板を使用し、通常のサブトラクティブ法によって回路を形成した内層基板1を得た。
図1(b)に示すように、ピーラブルタイプのキャリア2に形成した厚さ3μmの銅箔3にポリアミドイミド樹脂からなる接着層4を厚さ2μmになるよう塗工し、乾燥したものを得た。半硬化状の絶縁樹脂5として、高開繊のガラスクロスにエポキシ系の絶縁樹脂を塗工した積層後の厚みが40μmとなるプリプレグGEA-679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を用い、接着層4を形成した金属箔3を真空プレスにより加熱・加圧して内層基板1と一体化した後、図1(c)に示すように、キャリア2を引き剥がし積層板6とした。次に、30g/lの水酸化ナトリウム、60g/lの亜塩素酸ナトリウム、10g/lのりん酸三ナトリウムからなる処理液で酸化処理を行い、図1(d)に示すように、CO2レーザ加工機LC-2F21(日立ビアメカニクス株式会社、商品名)により穴径100μmのビア穴7を形成し、過マンガン酸によりスミアを除去した後、硫酸を含む処理液で酸化処理層を除去した。
次に、パラジウムコロイドを付与し、無電解銅めっき液CUST201(日立化成工業株式会社、商品名)によりシード層を形成した(図示せず)。さらに、図1(e)に示すように、厚さ25μmの電気めっきレジストをラミネートし、I線ステッパー露光による露光、炭酸ナトリウム溶液による現像を行い、レジストパターン8を形成した。
最後に、図1(f)に示すように、硫酸銅めっき液により厚さ20μmの導体パターンを形成した後、アミン系レジスト剥離液でレジストを除去し、不要な部分の金属箔を硫酸と過酸化水素を主成分とするエッチング液で除去して外層回路9を形成した。このようにして、高密度多層配線板を製造した。
所定の回路が形成されたネットワークアナライザーにより配線板の減衰率を測定した。この配線板の5GHzでの減衰率(S21)は-1.3dB/cmであった。
ピール強度は、速度50mm/分で金属箔を垂直方向に引きはがすのに要する力を測定することにより得たところ、1.2kN/mであった。
(実施例2)
絶縁樹脂層として高開繊のガラスクロスに低誘電率のシアネート樹脂を塗工したものを用いた以外は、実施例1と同様に高密度多層配線板を製造した。この配線板の5GHzでの減衰率(S21)は-1.0dB/cmであった。また、ピール強度は0.8kN/mであった。
(比較例1)
銅箔上に接着層を形成しなかった以外は、実施例1と同様に配線板を製造した。しかし、ビア穴周辺の銅箔に剥離が生じ、配線板を製造することができなかった。ピール強度は、0.2kN/mであった。
絶縁樹脂層として高開繊のガラスクロスに低誘電率のシアネート樹脂を塗工したものを用いた以外は、実施例1と同様に高密度多層配線板を製造した。この配線板の5GHzでの減衰率(S21)は-1.0dB/cmであった。また、ピール強度は0.8kN/mであった。
(比較例1)
銅箔上に接着層を形成しなかった以外は、実施例1と同様に配線板を製造した。しかし、ビア穴周辺の銅箔に剥離が生じ、配線板を製造することができなかった。ピール強度は、0.2kN/mであった。
1 内層基板
2 キャリア
3 銅箔
4 接着層
5 半硬化状の絶縁樹脂
6 積層板
7 ビア穴
8 レジストパターン
9 外層回路
2 キャリア
3 銅箔
4 接着層
5 半硬化状の絶縁樹脂
6 積層板
7 ビア穴
8 レジストパターン
9 外層回路
Claims (13)
- 内層基板と層間絶縁層と厚さ5μm以下の金属箔とからなる積層板であって、前記層間絶縁層は絶縁樹脂層と接着層とからなることを特徴とした積層板。
- 前記金属箔のピール強度が0.5kN/m以上であることを特徴とした請求項1に記載の積層板。
- 前記接着層の厚みが10μm以下で、かつ前記絶縁樹脂層の厚みの1/10以下であることを特徴とした請求項1または2に記載の積層板。
- 前記絶縁樹脂層が低誘電材料であることを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の積層板。
- キャリア層で一面を支持した厚さ5μm以下の金属箔の他面に接着層を形成する工程、及び前記接着層が内層基板側になるように半硬化状の絶縁樹脂層を介して前記金属箔を内層基板に積層一体化する工程を含む積層板の製造方法。
- 前記接着層の厚みが10μm以下で、かつ前記絶縁樹脂層の厚みの1/10以下となるように形成することを特徴とした請求項5に記載の積層板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板、または請求項5または6のいずれかに記載の製造方法による積層板を用いた多層配線板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板、または請求項5または6のいずれかに記載の製造方法による積層板を用い、レーザ加工により形成したビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔を電気的に接続しており、前記金属箔を用いて外層回路を形成した請求項7に記載の多層配線板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板、または請求項5または6のいずれかに記載の製造方法による積層板を用い、レーザ加工により形成したビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔を電気的に接続しており、前記金属箔をシード層として用いて電気めっきにより外層回路を形成した請求項7または8のいずれかに記載の多層配線板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板、または請求項5または6のいずれかに記載の製造方法による積層板を用いた多層配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板、または請求項5または6のいずれかに記載の製造方法による積層板を用い、レーザ加工によりビア穴を形成する工程、前記ビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔を電気的に接続する工程、前記金属箔を用いて外層回路を形成する工程、を含むことを特徴とした請求項10に記載の多層配線板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板、または請求項5または6のいずれかに記載の製造方法による積層板を用い、レーザ加工によりビア穴を形成する工程、前記ビア穴に導体層を形成し必要な箇所の前記内層基板と前記金属箔を電気的に接続する工程、前記金属箔及び前記導体層をシード層として用いて電気めっきにより外層回路を形成する工程、を含むことを特徴とした請求項10または11のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
- 前記レーザ加工が、前記金属箔表面にビア径に絞ったレーザ光を直接照射し、前記金属箔と前記層間絶縁層に穴明けすることを特徴とした請求項10〜12のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
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