JP2003021767A - 金属製の末端金具と支持ロッドとの間で案内される光ファイバを有する複合碍子 - Google Patents

金属製の末端金具と支持ロッドとの間で案内される光ファイバを有する複合碍子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術による複合電気碍子にみられる欠
点を解消する。 【解決手段】 複合電気碍子は、一般に複合材料から成
る支持ロッドと、支持ロッドの対応する端部が挿入され
るソケット（６）をそれぞれが形成する２つの金属製の
末端金具（３）と、支持ロッドの外周に設けられた少な
くとも１つの光ファイバ（５）と、支持ロッドを取り囲
み且つ末端金具のソケットの内面に形成された溝（７）
によって末端金具を貫通して碍子の外側に案内される少
なくとも１つの端部（５Ａ）を有する光ファイバを覆う
絶縁外側コーティング（４）とを備え、前記溝は、前記
溝を延ばして末端金具の外側に開口させる管路（８）に
より、支持ロッドの外周に開口されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、変電所または中電
圧送電線や高電圧送電線のための複合電気碍子であっ
て、光ファイバを備えた複合電気碍子に関する。特に、
本発明は、一般に複合材料から成る支持ロッドと、支持
ロッドの対応する端部が挿入されるソケットをそれぞれ
が形成する２つの金属製の末端金具と、支持ロッドの外
周に設けられた少なくとも１つの光ファイバと、支持ロ
ッドを取り囲み且つ末端金具を貫通して碍子の外側に案
内される少なくとも１つの端部を有する光ファイバを覆
う絶縁外側コーティングとを備えた複合電気碍子に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】特許文献ＥＰ−０９２５５１６は、その
ような変電所のための複合電気碍子を開示している。こ
の知られた碍子においては、支持ロッドの外周面に光フ
ァイバが固着され、光ファイバの各端部は、末端金具の
外側環状部によって取り囲まれた末端金具の円筒部分の
外面に形成される環状溝と、環状部を通って末端金具の
外側に通じる管路とにより、末端金具を貫通して碍子の
外側へと案内される。このような構成は、実施するのが
複雑であり、光ファイバに沿って碍子をシールするとい
う問題が生じ、送電線碍子等の小径な碍子に適していな
い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの欠点を解消することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
は、一般に複合材料から成る支持ロッドと、支持ロッド
の対応する端部が挿入されるソケットをそれぞれが形成
する２つの金属製の末端金具と、支持ロッドの外周に設
けられた少なくとも１つの光ファイバと、支持ロッドを
取り囲み且つ末端金具を貫通して碍子の外側に案内され
る少なくとも１つの端部を有する光ファイバを覆う絶縁
外側コーティングとを備えた複合電気碍子であって、前
記光ファイバの端部は、末端金具のソケットの内面に形
成された溝によって、末端金具を貫通して案内され、前
記溝は、前記溝を延ばして末端金具の外側に開口させる
管路により、支持ロッドの外周に開口されることを特徴
とする複合電気碍子を提供する。その結果、本発明の碍
子において、光ファイバは、その一部がロッドと金属製
の末端金具との間で案内され、これにより、外径が小さ
い末端金具を形成することが可能になる。溝および管路
は、機械加工を全く施すことなく、鋳造により非常に低
コストで簡単に形成することができる。碍子は、絶縁ジ
ェルや接着剤を用いて管路を塞ぐことにより、簡単にシ
ールされる。
【０００５】本発明の碍子の特定の実施例において、溝
は、直線状を成しており、末端金具のソケットの長手方
向軸に沿って延びている。したがって、末端金具のソケ
ットは、力学的な圧接によって支持ロッドに固定するこ
とができる。管路は、金属製の末端金具の側面を貫通し
て外側に開口するように湾曲部を形成している。この場
合、管路の曲率半径は、光ファイバの力学的な特性に適
合している。溝は、末端金具のソケットの口部の外縁に
わたって広がっており、これにより、一般に支持ロッド
の周囲に螺旋状に巻回される光ファイバを損傷させるこ
となく溝内に挿入することができる。溝を閉じるため
に、末端金具のソケットの口部の外縁には、支持ロッド
を取り囲む接着剤から成るガスケットが設けられてい
る。その結果、例えば射出成形によって外側コーティン
グを支持ロッドに設けている間に、一般にエラストマー
によって形成される外側コーティングが溝内に侵入しな
い。これにより、光ファイバが損傷する危険性を完全に
排除できる。
【０００６】以下の図面を参照しながら、本発明および
本発明の特徴および利点について、より詳細に説明す
る。
【０００７】
【発明の実施の形態】図１は、電気的絶縁性の複合材
料、一般にはエポキシ樹脂およびガラス繊維の複合体か
ら成る支持ロッド２を備えた本発明の複合電気送電線碍
子１の一部を示している。この場合、長手方向軸ＸＸ’
を有する支持ロッド２は、小径のポールによって形成さ
れているが、本発明は、支持ロッドがチューブの形態を
成す変電所のための複合電気碍子も含んでいる。碍子１
は、金属製の２つの末端金具を有している。各末端金具
は、中に支持ロッド２の対応する端部が挿入されるソケ
ットを形成している。図１は、１つの金属製の末端金具
３を示している。支持ロッド２は、従来の方法でフィン
を形成する絶縁外側コーテイング４によって囲まれてい
る。外側コーティング４は、一般に、支持ロッド上に射
出されるエラストマーによって形成されている。また、
碍子１は、支持ロッド２の外周に配置された少なくとも
１つの光ファイバ５を有している。この光ファイバ５
は、コーティング４によって覆われているとともに、少
なくとも１つの端部５Ａを有している。端部５Ａは、金
属製の末端金具３を貫通して碍子の外側へと案内されて
おり、他の光ファイバ、センサ、または、測定装置に接
続される。図１において、光ファイバ５は、支持ロッド
２の周囲に螺旋状に巻回されるとともに、例えば複合体
を構成するものと同じエポキシ樹脂混合物を使用して、
好ましくは接着剤によって支持ロッドに固定されてい
る。
【０００８】図２において、金属製の末端金具３は、長
手方向軸ＸＸ’を有する円筒状のソケット６を形成して
おり、ソケット６内には、支持ロッド２の対応する端部
が挿入される。光ファイバの端部５Ａは、末端金具のソ
ケット６の内面に形成された浅い溝７により、支持ロッ
ド２と金属製の末端金具３との間で碍子１の外側へと案
内される。この浅い溝７は、支持ロッド２の外周面で開
口している。図２の例において、溝７は、直線状を成し
ているとともに、軸ＸＸ’に沿って、ソケットの口部６
Ａの外縁からソケットの端壁６Ｂに向かって延びてい
る。この場合、溝は、末端金具３内に完全に形成された
管路８まで延びており、この管路８は、湾曲状に、末端
金具３の外側へと開口している。
【０００９】図２に示されるように、光ファイバ５は、
管路８の内側を通って、碍子の外側へと延びている。管
路８は、溝７が形成されている側と正反対の側に位置す
る末端金具３の側面で開口するように湾曲部を形成して
いる。このような構成では、末端金具３の自由端部に、
リング９等のサスペンションシステム（懸垂装置）を設
けることができる。図２に示されるように、管路８は、
ソケット６の内側から末端金具３の外側に向かって先細
に延びるような内径を有しており、末端金具３の側面を
貫通する管路８の開口は光ファイバの端部５Ａが接続さ
れる光コネクタを選択的に受ける。また、溝７は、ソケ
ットの口部６Ａの外縁にわたって広がっており、これに
より、光ファイバを損傷させることなく支持ロッド２上
及び溝７内に配置することが容易になる。
【００１０】本発明の複合碍子を製造するために、末端
金具３等の金具は、例えば力学的な圧接によって支持ロ
ッド２に固定される。その後、光ファイバ５が支持ロッ
ド２の外周に配置され、各末端金具の溝７および管路８
に光ファイバ５の端部が通される。したがって、光ファ
イバは、各末端金具の側面を貫通して延びる。外側コー
ティング４を支持ロッド２上に設ける前に、各末端金具
のソケットの口部６Ａの外縁には、支持ロッド２の周囲
に、接着剤から成るガスケット１０が設けられ、これに
より、末端金具の溝７が封止される。その後、支持ロッ
ド２の周囲に外側コーティング４が設けられる。この場
合、外側コーティング４は、一般的には、末端金具の溝
７内へと侵入する危険性なく、射出成形により設けられ
る。その後、外側コーティング４が加硫される。最終的
に、ジェルや接着剤によって管路８が閉じられ、これに
より、碍子が密閉状態で封止される。
【００１１】前述したように、本発明は、中実もしくは
中空でありうる支持ロッドと、支持ロッドに設けられる
１または複数の光ファイバとを有する変電所もしくは送
電線のための複合碍子に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の複合碍子の実施例の部分図であり、碍
子の内側に設けられた光ファイバを示すために、支持ロ
ッドを取り囲む被覆層の一部が取り除かれた部分図であ
る。
【図２】本発明の碍子における金属製の末端金具の長手
方向断面図である。
【符号の説明】
１ 碍子 ２ 支持ロッド ３ 末端金具 ４ 絶縁外側コーティング ５ 光ファイバ ５Ａ 端部 ６ ソケット ６Ａ ソケットの口部 ６Ｂ ソケットの端壁 ７ 溝 ８ 管路 ９ リング １０ ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリツク・モアル フランス国、03270・サン・ヨール、アブ ニユ・ドウ・テイエール・52 Ｆターム(参考） 2H038 CA66 5G331 AA02 5G367 BA03 BB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 一般に複合材料から成る支持ロッド
    （２）と、支持ロッドの対応する端部が挿入されるソケ
    ット（６）をそれぞれが形成する２つの金属製の末端金
    具（３）と、支持ロッドの外周に設けられた少なくとも
    １つの光ファイバ（５）と、支持ロッドを取り囲み且つ
    末端金具を貫通して碍子の外側に案内される少なくとも
    １つの端部（５Ａ）を有する光ファイバを覆う絶縁外側
    コーティング（４）とを備えた複合電気碍子であり、前
    記光ファイバの端部（５Ａ）は、末端金具（３）のソケ
    ットの内面に形成された溝（７）によって、末端金具
    （３）を貫通して案内され、前記溝は、前記溝を延ばし
    て末端金具の外側に開口させる管路（８）により、支持
    ロッドの外周に開口されることを特徴とする複合電気碍
    子。
  2. 【請求項２】 溝（７）は、直線状を成しているととも
    に、末端金具（３）のソケットの長手方向軸（ＸＸ’）
    に沿って延びている請求項１に記載の碍子。
  3. 【請求項３】 管路（８）は、末端金具（３）の側面を
    貫通して外側に開口するように湾曲部を形成している請
    求項２に記載の碍子。
  4. 【請求項４】 溝（７）は、末端金具のソケットの口部
    （６Ａ）の外縁にわたって広がっている請求項１ないし
    請求項３のいずれか１項に記載の碍子。
  5. 【請求項５】 溝を閉じるように、末端金具のソケット
    の口部の外縁には、支持ロッドを取り囲む接着剤から成
    るガスケット（１０）が設けられている請求項４に記載
    の碍子。
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