JP2003021219A - ロックアップクラッチ付き流体伝動装置 - Google Patents

ロックアップクラッチ付き流体伝動装置

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JP2003021219A
JP2003021219A JP2001208187A JP2001208187A JP2003021219A JP 2003021219 A JP2003021219 A JP 2003021219A JP 2001208187 A JP2001208187 A JP 2001208187A JP 2001208187 A JP2001208187 A JP 2001208187A JP 2003021219 A JP2003021219 A JP 2003021219A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックアップクラッチ付き流体伝動装置にお
いて,トルクダンパの存在にも拘わらず装置全体の軸方
向幅の短縮化を可能にする。 【解決手段】 ポンプ羽根車2と,それとの間に循環回
路6を画成するタービン羽根車3と,ポンプ羽根車2に
連設され,タービン羽根車3の背面との間にクラッチ室
22を画成するサイドカバー5と,クラッチ室22に配
設され,サイドカバー5及びタービン羽根車3間を直結
し得るロックアップクラッチLと,このロックアップク
ラッチL及びタービン羽根車3間に介装されるトルクダ
ンパDとを備えるものにおいて,クラッチ室22を,タ
ービン羽根車3の側方に位置する幅狭中央部22aと,
タービン羽根車3に半径方向外方に位置する幅広外周部
22bとで構成し,その幅広外周部22bにトルクダン
パDを配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ポンプ羽根車と,
このポンプ羽根車との間に循環回路を画成するタービン
羽根車と,ポンプ羽根車に連設され,タービン羽根車の
背面との間に前記循環回路に連通するクラッチ室を画成
するサイドカバーと,前記クラッチ室に配設され,サイ
ドカバー及びタービン羽根車間を直結し得るロックアッ
プクラッチと,このロックアップクラッチ及びタービン
羽根車間に介装されて,その間の伝達トルクを緩衝する
トルクダンパとを備える,ロックアップクラッチ付き流
体伝動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝるロックアップクラッチ付き流体伝
動装置は,例えば特開平7−77262号公報に開示さ
れているように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のロックアップク
ラッチ付き流体伝動装置では,トルクダンパをタービン
羽根車の軸方向一側に隣接して配置しているので,流体
伝動装置全体の軸方向幅が上記トルクダンパの存在によ
り必然的に大きくなっている。ところが,かゝるロック
アップクラッチ付き流体伝動装置を組み入れる自動車等
の変速装置は,一般に軸方向に大型化する傾向があるの
で,その小型化のために,ロックアップクラッチ付き流
体伝動装置の軸方向寸法の短縮化に強い要請がある。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,トルクダンパの存在にも拘らず装置全体の軸方向
幅の短縮化を可能にした,前記ロックアップクラッチ付
き流体伝動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,ポンプ羽根車と,このポンプ羽根車との
間に循環回路を画成するタービン羽根車と,ポンプ羽根
車に連設され,タービン羽根車の背面との間に前記循環
回路に連通するクラッチ室を画成するサイドカバーと,
前記クラッチ室に配設され,サイドカバー及びタービン
羽根車間を直結し得るロックアップクラッチと,このロ
ックアップクラッチ及びタービン羽根車間に介装され
て,その間の伝達トルクを緩衝するトルクダンパとを備
える,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置におい
て,前記クラッチ室を,タービン羽根車の側方に位置す
る,軸方向幅の狭い幅狭中央部と,タービン羽根車に半
径方向外方に位置する,軸方向幅の広い幅広外周部とで
構成し,その幅広外周部に前記トルクダンパを配設した
ことを第1の特徴とする。
【0006】尚,前記流体伝動装置は,後述する本発明
の実施例におけるトルクコンバータT及び流体継手Fに
対応する。
【0007】この第1の特徴によれば,トルクダンパの
存在にも拘わらずロックアップクラッチ付き流体伝動装
置の軸方向幅を大幅に短縮することができる。
【0008】また本発明は,第1の特徴の何れかに加え
て,ポンプ羽根車及びタービン羽根車により形成される
トーラス部を,半径が軸方向幅より大きい偏平型に形成
したことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,ロックアップク
ラッチ付き流体伝動装置の軸方向幅を更に短縮すること
ができる。
【0010】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加
えて,ロックアップクラッチがタービン羽根車に軸方向
摺動自在に支承されるクラッチピストンを備え,このク
ラッチピストンには,前記クラッチ室の幅広外周部の内
側面に対向するウェブと,このウェブの外周端から前記
幅広外周部の内周面に沿って屈曲するリムとからなる外
周延長部を形成し,この外周延長部と協働して環状のス
プリング収容溝を画成すべくクラッチピストンに固着さ
れるスプリング保持部材と,前記スプリング収容溝に収
容されて環状に配列される複数のダンパスプリングと,
スプリング保持部材に形成されて隣接するダンパスプリ
ング間に挿入される複数の第1伝動爪と,タービン羽根
車に形成されて同じく隣接するダンパスプリング間に挿
入される複数の第2伝動爪とで前記トルクダンパを構成
したことを第3の特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,クラッチピスト
ンがダンパスプリングの収容,保持の一役を担い,スプ
リング保持部材の構造,延いてはトルクダンパの構造の
簡素化に寄与し得る。
【0012】さらにまた本発明は,第3の特徴に加え
て,前記ウェブに,サイドカバーの内側面に摩擦係合し
得る摩擦ライニングを付設したことを第4の特徴とす
る。
【0013】この第4の特徴によれば,クラッチピスト
ンの外周延長部のリムにより,摩擦ライニングを接着し
たウェブの剛性強化を図り,クラッチピストンのサイド
カバーに対する接続作用を確実なものとすることができ
る。しかも摩擦ライニングを接着したウェブは,タービ
ン羽根車より大径であるから,ロックアップクラッチの
トルク容量が増加し,大なるトルク伝達が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0015】図1は本発明の第1実施例に係るロックア
ップクラッチ付きトルクコンバータの縦断側面図,図2
は図1の2−2線断面図,図3は本発明の第2実施例に
係るロックアップクラッチ付き流体継手の縦断側前図の
縦断側面図である。
【0016】先ず,図1において,流体伝動装置として
のトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対
置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置
されるステータ羽根車4とを備え,これら羽根車2,
3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循環回
路6が画成される。またこれら羽根車2,3,4により
形成されるトーラス部19は,その軸方向幅wが半径r
より遙に小さい偏平型に形成される。
【0017】ポンプ羽根車2には,タービン羽根車3の
外側面を覆うサイドカバー5が溶接により一体的に連設
される。サイドカバー5の外周面には,周方向に配列さ
れる複数の連結ボス7が溶接されており,これらに,ク
ランク軸1に結合した駆動板8がボルト9で固着され
る。タービン羽根車3のハブ3bとサイドカバー5との
間にスラストニードルベアリング36が介裝される。
【0018】トルクコンバータTの中心部にクランク軸
1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置され,この出力軸1
0は,タービン羽根車3のハブ3bにスプライン嵌合さ
れると共に,サイドカバー5中心部の支持筒5aに軸受
ブッシュ18を介して回転自在に支承される。出力軸1
0は図示しない多段変速機の主軸となる。
【0019】出力軸10の外周には,ステータ羽根車4
のハブ4bをフリーホイール11を介して支承する円筒
状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及び
ステータ軸12間には,それらの相対回転を許容する軸
受ブッシュ13が介裝される。ステータ軸12の外端部
はミッションケース14に回転不能に支持される。
【0020】フリーホイール11は,ステータ羽根車4
のハブ4bの内周にスプライン嵌合するアウタレース1
5と,ステータ軸12の外周にスプライン嵌合するイン
ナレース16と,これらレース15,16間に介裝され
る環状配列の複数のスプラグ17とからなる従来公知の
もので,ステータ羽根車4のハブ4b及びアウタレース
15の軸方向両側面と,これらに対向するポンプ羽根車
2及びタービン羽根車3の各ハブ2b,3bとの間にス
ラストニードルベアリング37,37′が介裝され,こ
れによりステータ羽根車4及びアウタレース15の軸方
向移動が拘束される。またインナレース16の軸方向両
側面と,これらに対向するポンプ羽根車2及びタービン
羽根車3の各ハブ2b,3bとの間にスラストワッシャ
38,38′が介裝され,これによりインナレース16
の軸方向移動が拘束される。
【0021】またステータ軸12の外周には,ポンプ羽
根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置
され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータ
Tに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動され
るようになっている。
【0022】ポンプ羽根車2のシェルには,その外周か
ら半径方向外方に延出してタービン羽根車3側の軸方向
に屈曲するポンプ延長部2eが形成される。一方,サイ
ドカバー5は,タービン羽根車3の外側面に近接配置さ
れると共に,その外側面形状に倣って形成され,更にそ
の外周側には,タービン羽根車3より半径方向外方へ延
出してポンプ羽根車2側の軸方向に屈曲するカバー延長
部5eが形成される。そして上記ポンプ延長部2e及び
カバー延長部5eが相互に溶接により液密に結合され
る。こうしてステータ羽根車4の周囲には,タービン羽
根車3の側方に位置する,軸方向幅の狭い幅狭中央部2
2aと,タービン羽根車3の半径方向外方に位置する,
軸方向幅の広い幅広外周部22bとからなるクラッチ室
22が画成され,その幅広外周部22bがポンプ羽根車
2及びタービン羽根車3間の循環回路6の外周部に連通
する。
【0023】クラッチ室22には,タービン羽根車3及
びサイドカバー5間を直結し得るロックアップクラッチ
Lが設けられる。即ち,ロックアップクラッチLの主体
をなすクラッチピストン25が,クラッチ室22をター
ビン羽根車3側の内側室23とサイドカバー5側の外側
室24とに区画するようにクラッチ室22に配置され
る。特に,クラッチ室22の幅広外周部22bには,ク
ラッチピストン25の外周に形成された外周延長部25
eが配置される。その外周延長部25eは,カバー延長
部5eの内側面に対向しながらタービン羽根車3の半径
方向外方に延びるウェブ26と,このこのウェブ26の
外周端からカバー延長部5eの内周面に沿って屈曲する
筒状のリム27とから構成され,ウェブ26には,カバ
ー延長部5eの内側面に対向する摩擦ライニング28が
付設される。クラッチピストン25は,この摩擦ライニ
ング28をカバー延長部5eの内側壁に圧接させる接続
位置と,その内壁から離間する非接続位置との間を軸方
向に移動し得るように,タービン羽根車3のハブ3bの
外周面に摺動可能に支承される。
【0024】またクラッチ室22の幅広外周部22bに
は,クラッチピストン25及びタービン羽根車3間を緩
衝的に連結するトルクダンパDが配設される。このトル
クダンパDは,図1及び図2に示すように,クラッチピ
ストン25の外周延長部25eと協働して環状のスプリ
ング収容溝31を画成すべくクラッチピストン25にリ
ベット35で固着される環状のスプリング保持部材30
と,スプリング収容溝31に収容されて環状に配列され
る複数のコイル状ダンパスプリング32と,スプリング
保持部材30に形成されて各隣接するダンパスプリング
32間に挿入される複数の第1伝動爪33と,タービン
羽根車3の外周面に溶接されて同じく各隣接するダンパ
スプリング32間に挿入される複数の第2伝動爪34と
で構成される。環状のスプリング保持部材30は,図示
例では,各第1伝動爪33の中央部で周方向に分割され
た複数の扇形部片30a,30a…で構成される。
【0025】再び図1において,出力軸10の中心部に
は,横孔39及びスラストニードルベアリング36を介
してクラッチ室22の外側室24に連通する第1油路4
0が設けられる。また補機駆動軸20とステータ軸12
との間には,スラストニードルベアリング37,37′
及びフリーホイール11を介して循環回路6の内周部に
連通する第2油路41が画成され,これら第1油路40
及び第2油路41は,ロックアップ制御弁42により,
オイルポンプ21の吐出側とオイル溜め43とに交互に
接続されるようになっている。
【0026】次に,この実施例の作用について説明す
る。
【0027】エンジンのアイドリングないし極低速運転
域では,ロックアップ制御弁42は,図1に示すよう
に,第1油路40をオイルポンプ21の吐出側に接続す
る一方,第2油路41をオイル溜め43に接続するよう
に,図示しない電子制御ユニットにより制御される。し
たがって,エンジンのクランク軸1の出力トルクが駆動
板7,サイドカバー5,ポンプ羽根車2へと伝達して,
それを回転駆動し,更にオイルポンプ21をも駆動する
と,オイルポンプ21の吐出作動オイルがロックアップ
制御弁42から第1油路40,横孔39及びスラストニ
ードルベアリング36,クラッチ室22の外側室24,
内側室23を順次経て循環回路6に流入し,該回路6を
満たした後,スラストニードルベアリング37,37′
及びフリーホイール11を順次経て第2油路41に移
り,ロックアップ制御弁42からオイル溜め43に還流
する。
【0028】而して,クラッチ室22では,上記のよう
な作動オイルの流れにより外側室24の方が内側室23
よりも高圧となり,その圧力差によりクラッチピストン
25がサイドカバー5の内壁から引き離される方向へ押
圧されるので,ロックアップクラッチLは非接続状態と
なっており,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の相
対回転を許容している。したがって,クランク軸1から
ポンプ羽根車2が回転駆動されると,循環回路5を満た
している作動オイルが矢印のように循環回路5を循環す
ることにより,ポンプ羽根車3の回転トルクをタービン
羽根車4に伝達し,出力軸10を駆動する。
【0029】このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽
根車3間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴
う反力がステータ羽根車4に負担され,ステータ羽根車
4は,フリーホイール11のロック作用により固定され
る。
【0030】トルク増幅作用を終えると,ステータ羽根
車4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリー
ホイール11を空転させながらポンプ羽根車2及びター
ビン羽根車3と共に同一方向へ回転するようになる。
【0031】トルクコンバータTがこのようなカップリ
ング状態となったところで,電子制御ユニットによりロ
ックアップ制御弁42を切換える。その結果,オイルポ
ンプ21の吐出作動オイルは,先刻とは反対に,ロック
アップ制御弁42から第2油路41を経て循環回路6に
流入して,該回路6を満たした後,クラッチ室22の内
側室23に移って,該内側室23をも満たす。一方,ク
ラッチ室22の外側室24は,第1油路40及びロック
アップ制御弁42を介してオイル溜め43に開放される
ので,クラッチ室22では,内側室23の方が外側室2
4よりも高圧となり,クラッチピストン25は,その圧
力差によりサイドカバー5側に押圧され,摩擦ライニン
グ28をサイドカバー5の内側壁に圧接させ,ロックア
ップクラッチLは接続状態となる。すると,クランク軸
1からポンプ羽根車2に伝達した回転トルクは,サイド
カバー5からクラッチピストン25,複数の第1伝動爪
33,ダンパスプリング32及び複数の第2伝動爪34
を介してタービン羽根車3に機械的に伝達することにな
るから,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車4は直結の
状態となり,クランク軸1の出力トルクを出力軸10に
効率良く伝達することができ,燃費の低減を図ることが
できる。このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車
3間で急激なトルク変動が生ずると,ダンパスプリング
32が第1及び第2伝動爪33,34間で圧縮され,こ
れに伴いポンプ羽根車2及びタービン羽根車3が相対回
転することでトルクショックが吸収される。
【0032】ところで,このようなロックアップクラッ
チ付きトルクコンバータTにおいて,クラッチピストン
25を収容するクラッチ室22は,タービン羽根車3の
側方に位置する幅狭中央部22aと,タービン羽根車3
に半径方向外方に位置する幅広外周部22bとで構成さ
れ,その幅広外周部22bに,ダンパスプリング32等
からなるトルクダンパDが配設されるので,トルクダン
パDの存在にも拘わらずロックアップクラッチ付きトル
クコンバータTの軸方向幅を大幅に短縮することができ
る。
【0033】またポンプ羽根車2及びタービン羽根車3
により形成されるトーラス部19が,その軸方向幅wが
半径より大きい小さく形成されるので,ロックアップク
ラッチ付きトルクコンバータTの軸方向幅を更に短縮す
ることができる。
【0034】しかも,トルクダンパDの複数のダンパス
プリング32は,クラッチピストン25の外周延長部2
5eと,クラッチピストン25に固着されるスプリング
保持部材30とで画成される環状のスプリング収容溝3
1に収容,保持されるので,クラッチピストン25がダ
ンパスプリング32の収容,保持の一役を担い,スプリ
ング保持部材30の構造,延いてはトルクダンパDの構
造の簡素化に寄与し得る。
【0035】またクラッチピストン25の外周延長部2
5eのリム27は,摩擦ライニング28を接着したウェ
ブ26の剛性強化に貢献し,クラッチピストン25のサ
イドカバー5に対する接続作用を確実なものとすること
ができる。しかも摩擦ライニング28を接着したウェブ
26は,タービン羽根車3より大径であるから,ロック
アップクラッチLのトルク容量が増加し,大なるトルク
伝達が可能となる。
【0036】次に,図3に示す本発明の第2実施例につ
いて説明する。
【0037】この第2実施例は,本発明を,ステータ羽
根車を持たない流体継手Fに適用したものである。即
ち,この流体継手Fは,第1実施例のトルクコンバータ
Tと同様にポンプ羽根車2,タービン羽根車3,サイド
カバー5,ロックアップクラッチL及びトルクコンバー
タダンパDを備えており,サイドカバー6には,クラン
ク軸1の端部に固着された駆動板8が連結される。
【0038】ポンプ羽根車2のハブ2bは,循環回路6
の内周部側でタービン羽根車3のハブ3bを囲繞するよ
うに配置され,これらハブ2b,3b間に第1スラスト
ニードルベアリング45が介裝され,このベアリング4
5を迂回するように油溝46がポンプ羽根車2のハブ2
bの内面に形成される。またタービン羽根車3のハブ3
bとサイドカバー25との間に第2スラストニードルベ
アリング47が介裝され,このベアリング47を迂回す
るように油溝48がタービン羽根車3のハブ3bの側面
に形成される。上記第1及び第2スライドニードルベア
リング45,47によってポンプ羽根車2及びタービン
羽根車3は,互いに軸方向の動きが規制される。
【0039】出力軸10に形成された第1油路40はク
ラッチ室22の外側室24に直接連通し,第2油路41
は,補機駆動軸20と出力軸10との間に画成されると
共に,ボールベアリング45を介して,ポンプ羽根車2
及びタービン羽根車3間の循環回路6に連通される。
【0040】その他の構成は,前実施例と同様であるの
で,図3中,前実施例と対応する部分には同一の参照符
号を付して,その説明を省略する。
【0041】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,ポンプ羽根車と,このポンプ羽根車との間に循環回
路を画成するタービン羽根車と,ポンプ羽根車に連設さ
れ,タービン羽根車の背面との間に前記循環回路に連通
するクラッチ室を画成するサイドカバーと,前記クラッ
チ室に配設され,サイドカバー及びタービン羽根車間を
直結し得るロックアップクラッチと,このロックアップ
クラッチ及びタービン羽根車間に介装されて,その間の
伝達トルクを緩衝するトルクダンパとを備える,ロック
アップクラッチ付き流体伝動装置において,前記クラッ
チ室を,タービン羽根車の側方に位置する,軸方向幅の
狭い幅狭中央部と,タービン羽根車に半径方向外方に位
置する,軸方向幅の広い幅広外周部とで構成し,その幅
広外周部に前記トルクダンパを配設したので,トルクダ
ンパの存在にも拘わらずロックアップクラッチ付き流体
伝動装置の軸方向幅を大幅に短縮することができる。
【0043】また本発明の第2の特徴によれば,ポンプ
羽根車及びタービン羽根車により形成されるトーラス部
を,半径が軸方向幅より大きい偏平型に形成したので,
ロックアップクラッチ付き流体伝動装置の軸方向幅を更
に短縮することができる。
【0044】さらに本発明の第3の特徴によれば,第1
又は第2の特徴に加えて,ロックアップクラッチがター
ビン羽根車に軸方向摺動自在に支承されるクラッチピス
トンを備え,このクラッチピストンには,前記クラッチ
室の幅広外周部の内側面に対向するウェブと,このウェ
ブの外周端から前記幅広外周部の内周面に沿って屈曲す
るリムとからなる外周延長部を形成し,この外周延長部
と協働して環状のスプリング収容溝を画成すべくクラッ
チピストンに固着されるスプリング保持部材と,前記ス
プリング収容溝に収容されて環状に配列される複数のダ
ンパスプリングと,スプリング保持部材に形成されて隣
接するダンパスプリング間に挿入される複数の第1伝動
爪と,タービン羽根車に形成されて同じく隣接するダン
パスプリング間に挿入される複数の第2伝動爪とで前記
トルクダンパを構成したので,クラッチピストンがダン
パスプリングの収容,保持の一役を担い,スプリング保
持部材の構造,延いてはトルクダンパの構造の簡素化に
寄与し得る。
【0045】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
第3の特徴に加えて,前記ウェブに,サイドカバーの内
側面に摩擦係合し得る摩擦ライニングを付設したので,
クラッチピストンの外周延長部のリムにより,摩擦ライ
ニングを接着したウェブの剛性強化を図り,クラッチピ
ストンのサイドカバーに対する接続作用を確実なものと
することができる。しかも摩擦ライニングを接着したウ
ェブは,タービン羽根車より大径であるから,ロックア
ップクラッチのトルク容量が増加し,大なるトルク伝達
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るロックアップクラッ
チ付きトルクコンバータの縦断側面図。
【図2】図1の2−2線断面図。
【図3】本発明の第2実施例に係るロックアップクラッ
チ付き流体継手の縦断側前図の縦断側面図。
【符号の説明】
D・・・・・・トルクダンパ F・・・・・・流体伝動装置(流体継手) L・・・・・・ロックアップクラッチ T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ) r・・・・・・トーラス部の半径 w・・・・・・トーラス部の軸方向幅 2・・・・・・ポンプ羽根車 3・・・・・・タービン羽根車 5・・・・・・サイドカバー 6・・・・・・循環回路 19・・・・・トーラス部 22・・・・・クラッチ室 22a・・・・幅狭中央部 22b・・・・幅広外周部 25・・・・・クラッチピストン 25e・・・・外周延長部 26・・・・・ウェブ 27・・・・・リム 28・・・・・摩擦ライニング 30・・・・・スプリング保持部材 31・・・・・スプリング収容溝 32・・・・・ダンパスプリング 33・・・・・第1伝動爪 34・・・・・第2伝動爪

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ羽根車(2)と,このポンプ羽根
    車(2)との間に循環回路(6)を画成するタービン羽
    根車(3)と,ポンプ羽根車(2)に連設され,タービ
    ン羽根車(3)の背面との間に前記循環回路(6)に連
    通するクラッチ室(22)を画成するサイドカバー
    (5)と,前記クラッチ室(22)に配設され,サイド
    カバー(5)及びタービン羽根車(3)間を直結し得る
    ロックアップクラッチ(L)と,このロックアップクラ
    ッチ(L)及びタービン羽根車(3)間に介装されて,
    その間の伝達トルクを緩衝するトルクダンパ(D)とを
    備える,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置におい
    て,前記クラッチ室(22)を,タービン羽根車(3)
    の側方に位置する,軸方向幅の狭い幅狭中央部(22
    a)と,タービン羽根車(3)に半径方向外方に位置す
    る,軸方向幅の広い幅広外周部(22b)とで構成し,
    その幅広外周部(22b)に前記トルクダンパ(D)を
    配設したことを特徴とする,ロックアップクラッチ付き
    流体伝動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロックアップクラッチ付
    き流体伝動装置において,ポンプ羽根車(2)及びター
    ビン羽根車(3)により形成されるトーラス部(19)
    を,その軸方向幅(w)が半径(r)より小さい偏平型
    に形成したことを特徴とする,ロックアップクラッチ付
    き流体伝動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のロックアップクラ
    ッチ付き流体伝動装置において,ロックアップクラッチ
    (L)がタービン羽根車(3)に軸方向摺動自在に支承
    されるクラッチピストン(25)を備え,このクラッチ
    ピストン(25)には,前記クラッチ室(22)の幅広
    外周部(22b)の内側面に対向するウェブ(26)
    と,このウェブ(26)の外周端から前記幅広外周部
    (22b)の内周面に沿って屈曲するリム(27)とか
    らなる外周延長部(25e)を形成し,この外周延長部
    (25e)と協働して環状のスプリング収容溝(31)
    を画成すべくクラッチピストン(25)に固着されるス
    プリング保持部材(30)と,前記スプリング収容溝
    (31)に収容されて環状に配列される複数のダンパス
    プリング(32)と,スプリング保持部材(30)に形
    成されて隣接するダンパスプリング(32)間に挿入さ
    れる複数の第1伝動爪(33)と,タービン羽根車
    (3)に形成されて同じく隣接するダンパスプリング
    (32)間に挿入される複数の第2伝動爪(34)とで
    前記トルクダンパ(D)を構成したことを特徴とする,
    ロックアップクラッチ付き流体伝動装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のロックアップクラッチ付
    き流体伝動装置において,前記ウェブ(26)に,サイ
    ドカバー(5)の内側面に摩擦係合し得る摩擦ライニン
    グ(28)を付設したことを特徴とする,ロックアップ
    クラッチ付き流体伝動装置。
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