JP2003019512A - 金属板コイル支持台及び金属板コイル荷扱い方法 - Google Patents

金属板コイル支持台及び金属板コイル荷扱い方法

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JP2003019512A
JP2003019512A JP2001207556A JP2001207556A JP2003019512A JP 2003019512 A JP2003019512 A JP 2003019512A JP 2001207556 A JP2001207556 A JP 2001207556A JP 2001207556 A JP2001207556 A JP 2001207556A JP 2003019512 A JP2003019512 A JP 2003019512A
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metal plate
coil
aluminum plate
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JP2001207556A
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Akira Masuda
明 増田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板コイルに与える損傷が少なく、且つ荷
扱いの容易な金属板コイル支持台及び金属板コイル荷扱
い方法を得る。 【解決手段】 金属板コイル支持台12の支持部材16
の長さL1は、アルミ板コイル82の軸方向の長さに対
し、一定割合以上の範囲でアルミ板コイル82に接触
し、且つ、アルミ板コイル82の軸方向両端近傍には、
アルミ板コイル82と台板14との間に所定の間隙20
が構成されるように、所定の長さとされる。アルミ板コ
イル82に作用する局所的な面圧が一定値以下に制限さ
れるため、アルミ板コイル82を構成するアルミニウム
板の変形や損傷が防止される。間隙20にフォーク等の
持上部材86を挿入してアルミ板コイル82を持ち上げ
ることができるので、アルミ板コイル82の荷扱いが容
易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板コイル支持
台及び金属板コイル荷扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の金属板コイル支持台及び金属板コ
イル荷扱い方法に関し、平版印刷版の支持体(基材)と
されるアルミウエブがコイル状に巻かれたアルミ板コイ
ルを例に挙げて説明する。
【0003】近年の製版法(電子写真製版法を含む)で
は、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や
感熱性印刷版等の平版印刷版が広く用いられている。平
版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミニ
ウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、シ
リケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は
適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層(以
下、これらをまとめて「塗布膜」といい、塗布膜が塗布
された面を「画像形成面」、塗布膜が形成されていない
面を「非画像形成面」という)の塗布、乾燥処理を行っ
た後に所望のサイズに切断されることで製造される。
【0004】この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム
引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、イン
クが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷され
る。
【0005】平版印刷版を製造するときには、上記した
各種の表面処理を施す前段階において、図10に示すよ
うに、円筒状の巻芯124の周囲にアルミウエブをコイ
ル状に巻いたアルミ板コイル122が使用されている。
【0006】また、アルミ板コイル122を保管等する
ときは、同じく図10に示す支持台112が使用される
ことがある。この支持台112は、アルミ板コイル12
2の軸方向長さL5よりも長く形成された支持部材11
6を有しており、支持部材116に形成された略逆三角
形状の凹部118で、アルミ板コイル122を支持でき
る。支持している状態では、アルミ板コイル122の軸
方向の全体に渡って、その外周面122Sに支持部材1
16が接触しているため、支持部材116からアルミ板
コイル122に作用する面圧が分散される。その結果、
アルミ板コイル122に対し局所的に過大な荷重が作用
しなくなるので、アルミ板コイル122の損傷が防止さ
れる。
【0007】しかし、このように、アルミ板コイル12
2の外周面122Sに対し、軸方向全長にわたって支持
部材116が接触していると、アルミ板コイル122を
すくい上げるようにして支持できない。すなわち、巻芯
124にアーム等の挿入部材126を挿入して持ち上げ
るしか方法がなく、荷扱い(運搬や保管等)に制限が生
じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、金属板コイルに与える損傷が少なく、且つ荷扱
いの容易な金属板コイル支持台及び金属板コイル荷扱い
方法を得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、金属板がコイル状に巻かれた金属板コイルを支持す
るための金属板コイル支持台であって、前記金属板コイ
ルの外周面に接触して金属板コイルを支持する支持部
と、前記支持部に金属板コイルが支持された状態で金属
板コイルの外周面の外側に、金属板コイルを持ち上げる
持上部材を挿入可能な挿入領域を構成する間隙部と、を
有することを特徴とする。
【0010】この間隙部を設けることで、支持部に支持
された金属板コイルと、金属板コイル支持台との間に、
金属板コイルを持上げる持上部材を挿入可能な挿入領域
が構成される。従って、この挿入領域に、金属板コイル
を持ち上げるための持上部材(例えばフォークリフトや
ハンドリフトのフォーク等)を差し入れて金属板コイル
を持ち上げ、搬送あるいは移動等させることができるの
で、荷扱いが容易になる。間隙部は、持上部材を上記し
た挿入領域に差し入れることができる程度に設ければよ
いので、金属板コイルに対する支持部の接触面積を不用
意に狭くすることはない。従って、支持部に支持された
金属板コイルに作用する面圧も大きくならず、金属板コ
イルに与える損傷が少なくなる(好ましくは全く生じな
い)。
【0011】請求項1に記載の発明において、支持部と
金属板コイルとの接触部分の範囲は、金属板コイルの損
傷を防止できれば特に限定されないが、請求項2に記載
のように、前記支持部が、前記金属板コイルの軸方向長
さにおいて11%以上の範囲で金属板コイルに接触して
支持可能とされているような構成とすれば、確実に金属
板コイルの損傷を防止可能となる。この構成において
も、支持部に設けられた凹部によって、金属板コイルの
外周面と支持部との間に間隙が構成されているので、こ
の間隙に持上部材を挿入することができる。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記支持部の、少なく
とも前記金属板コイルの荷重を支持する部分に、この荷
重により弾性変形する弾性部材が設けられていることを
特徴とする。
【0013】従って、支持部が金属板コイルを支持して
いる状態で、弾性部材が弾性変形し、金属板コイルに作
用する面圧を分散させている。このため、金属板コイル
の損傷うをさらに効果的に防止できる。
【0014】請求項4に記載の発明では、金属板がコイ
ル状に巻かれた金属板コイルを荷扱いするための金属板
コイル荷扱い方法であって、前記金属板コイルの外周面
に対する面圧が300N/cm2以下となるように金属
板コイルの外周面を支持して荷扱いすることを特徴とす
る。
【0015】このように、金属板コイルを外周面から接
触して持ち上げるので、容易に荷扱いができる。
【0016】また、本発明では、金属板コイルの外周面
を支持した状態で、金属板コイルの外周面に対する面圧
が300N/cm2以下となるように金属板コイルの外
周面を支持して荷扱いしているので、金属板コイルに与
える損傷を少なくすることができる。
【0017】なお、本発明における「荷扱い」とは、金
属板コイル持ち上げて移動あるいは搬送等することはも
ちろん含まれるが、このように金属板コイルを移動させ
ることなく、一定箇所で支持している場合(例えば保管
している場合)等も含まれる。金属板コイルを支持して
保管等する場合には、例えば、請求項1〜請求項3のい
ずれかに記載の金属板コイル支持台を使用することも可
能である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1実施形態
の金属板コイル支持台12によって、金属板コイルの一
例である平版印刷版用のアルミ板コイル82を支持した
状態が示されている。
【0019】アルミ板コイル82は、平版印刷版原版の
支持体として使用されるウエブ状のアルミニウム板が、
コイル状に巻かれて構成されている。なお、ここでいう
アルミニウム板とは、アルミニウム及び/又はアルミニ
ウム合金からなる板状物であり、また、紙やプラスチッ
クの両面にアルミニウムやアルミニウム合金の板状物を
貼り合わせたものが用いられる。好適なアルミニウム板
は、純アルミニウム板若しくはアルミニウムを主成分と
し微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウム
がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルム
でもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケ
イ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜
鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の
異元素の含有量は高々1重量%以下である。本発明に好
適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に
純粋なアルミニウムは精練技術上製造が困難であるの
で、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように
本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定
されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、
例えばJIS A1050、JIS A1100、JIS
A3003、JIS A3103、JIS A3005
などを適用利用することが出来る。本発明に用いられる
アルミニウム板の厚みは、およそ0.1mm〜0.5m
m程度、幅Wは700mm〜1500mm程度であり、
ウエブの長さとしては、1100000mm〜1300
0000mm程度である。このウエブ状のアルミニウム
板が、円筒状の紙管84の周囲にコイル状に巻かれてア
ルミ板コイル82が構成されており、その重量は300
kg〜5000kg程度、外径はφ300mm〜φ16
00mm程度である。もちろん、本発明に適用可能なア
ルミニウム板及びアルミ板コイルは、これに限定されな
い。
【0020】金属板コイル支持台12は、床面等に載置
される台板14を有している。台板14の長手方向(矢
印L方向)略中央には、略長尺状の支持部材16が固定
されている。支持部材16は、その長手方向が、台板1
4の幅方向と一致するように配置されているが、以下に
おいて、支持部材16の長さL1というときは、台板1
4の長手方向と同一方向に測った支持部材16の長さの
ことをいうものとする。
【0021】支持部材16の長手方向略中央には、上面
側から略逆三角形状に切り欠いて、凹部18が形成され
ている。凹部18にアルミ板コイル82を置くことで、
支持部材16がアルミ板コイル82の外周面82Sに接
触する。そして、アルミ板コイル82は、不用意に回転
したり脱落したりすることなく、金属板コイル支持台1
2に支持される。
【0022】支持部材16の長さL1は、アルミ板コイ
ル82の軸方向の長さに対し、一定割合以上の範囲でア
ルミ板コイル82に接触し、且つ、アルミ板コイル82
の軸方向両端近傍には、アルミ板コイル82と台板14
との間に所定の間隙20が構成されるように、所定の長
さとされている。このように、一定割合以上の範囲で支
持部材16がアルミ板コイル82に接触して支持するよ
うにしたことで、アルミ板コイル82に作用する局所的
な面圧が一定値以下に制限されるため、アルミ板コイル
82を構成するアルミニウム板の変形や損傷が防止され
る。
【0023】特に、平版印刷版原版の支持体として使用
されるアルミニウム板では、わずかな損傷や変形があっ
ても、現像や印刷等の工程に影響が生じたり、印刷物の
画質が低下したりすることがある。本実施形態では、ア
ルミニウム板の変形や損傷が防止されているので、この
ような不都合が生じることもない。
【0024】また、アルミ板コイル82と台板14との
間に構成される間隙20は、本発明における挿入領域を
構成している。すなわち、図2及び図3に示すように、
少なくとも、アルミ板コイル82を下方から支持して持
ち上げる持上部材86が挿入可能とされている。この
「持上部材」とはアルミ板コイル82を持ち上げること
が可能な持上装置(例えばフォークリフトやハンドリフ
ト)のフォークを挙げることができるが、これに限定さ
れず、アルミ板コイル82を持ち上げるための部材であ
れば広く含まれる。換言すれば、間隙20は、どのよう
な持上部材を使用するか、ということを想定して、その
持上部材を挿入可能な大きさに設定すればよい。
【0025】そして、従来では、紙管84の内部にアー
ム等の挿入部材を挿入してアルミ板コイル82を持ち上
げていたが、本発明では、これに加えて、間隙20にフ
ォーク等の持上部材86を挿入してアルミ板コイル82
を持ち上げることができるので、アルミ板コイル82の
運搬や搬送、さらには、所定位置へのセット等を容易に
行うことができるようになる。
【0026】なお、持上部材86の幅、すなわち、図2
に示すように、台板14の長手方向(矢印L方向)と同
方向に測った持上部材86全体での長さ(例えば、2本
のフォークでアルミ板コイル82を持ち上げる構成で
は、これら2本のフォークの幅の合計)も、アルミ板コ
イル82を支持した状態で作用する面圧が、アルミニウ
ム板に変形や損傷を与えることのない一定値以下となる
ように、所定の長さ以上とされている。従って、持上部
材86で支持している状態においても、アルミ板コイル
82を構成するアルミニウム板に、平版印刷版原版の品
質や印刷紙面の画質に影響を及ぼすような変形や損傷は
生じない。
【0027】なお、図3から分かるように、持上部材8
6によってアルミ板コイル82を持ち上げた状態をアル
ミ板コイル82の軸方向に沿って見たとき、持上部材8
6の少なくとも2箇所がアルミ板コイル82に接触して
持ち上げるような構成でもよい。図3に示した例では、
持上部材86の底部86Bと側部86Sの双方がアルミ
板コイル82に接触している。このように、複数箇所で
アルミ板コイル82を支持することで、安定して支持で
き、しかも、アルミ板コイル82に作用する面圧が分散
されてより小さくなるので、好ましい。
【0028】図4には、本発明の第2実施形態の金属板
コイル支持台22が示されている。第2実施形態の金属
板コイル支持台22では、第1実施形態の金属板コイル
支持台12と比較して、支持部材の構成のみが異なって
いるので、異なっている部分についてのみ説明し、それ
以外は同一符号を付して説明を省略する。
【0029】第2実施形態の金属板コイル支持台22で
は、2つの支持部材24が第1実施形態と同じ向きで台
板14に固定されている。支持部材24の間には、持上
部材を挿入可能な間隙26が構成されるように、支持部
材24は一定間隔をあけて配置されている。
【0030】それぞれの支持部材24の長さL2’及び
L2”は、2つの支持部材24全体での長さL2(すな
わち、L2’+L2”)が、第1実施形態と同様に、ア
ルミ板コイル82を支持した状態で作用する面圧がアル
ミニウム板に変形や損傷を与えることのない一定値以下
となるように、所定の長さ以上とされている。このよう
な条件を満たしていれば、L2’とL2”とは等しい必
要はない。
【0031】上記以外は、第1実施形態の金属板コイル
支持台12と同一構成とされている。
【0032】従って、第2実施形態の金属板コイル支持
台22においても、アルミ板コイル82を構成するアル
ミニウム板を変形させたり損傷を与えたりすることなく
支持できる。また、間隙26に持上部材86を挿入する
ことで、容易に荷扱い可能となる。
【0033】なお、図4では持上部材86として、1本
のフォークを有する構成のものを挙げているが、持上部
材86の具体的構成は、持上部材86と干渉しなけれ
ば、特に限定されない。このような1本のフォークを有
するものを第1実施形態に適用してもよいし、第1実施
形態の持上部材(2本のフォークのもの)を、第2実施
形態に適用してもよい。
【0034】図5及び図6には、本発明の第3実施形態
の金属板コイル支持台32が示されている。この金属板
コイル支持台32は、第1実施形態の金属板コイル支持
台12と略同一構成とされているが、支持部材16の上
面に沿ってゴム製の弾性板34が取り付けられている点
が、第1実施形態と異なっている。
【0035】従って、第3実施形態の金属板コイル支持
台32も、第1実施形態の金属板コイル支持台12や第
2実施形態の金属板コイル支持台22と同様、間隙20
にフォーク等の持上部材86(図2及び図3参照)を挿
入してアルミ板コイル82を持ち上げることにより、ア
ルミ板コイル82の運搬や搬送、さらには、所定位置へ
のセット等を容易に行うことができる。
【0036】また、第3実施形態の金属板コイル支持台
32では、アルミ板コイル82を支持した状態で、弾性
板34がアルミ板コイル82の外周面に沿って弾性変形
する。これにより、第1実施形態の金属板コイル支持台
12よりも、アルミ板コイル82が支持される面積が広
くなり、アルミ板コイル82に作用する面圧は小さくな
る。このため、アルミ板コイル82を構成するアルミニ
ウム板の変形や損傷をより確実に防止できる。
【0037】図7には、本発明の第4実施形態の金属板
コイル支持台42が示されている。この金属板コイル支
持台42では、第2実施形態の金属板コイル支持台22
と同様に、2つの支持部材16を有しており、さらにこ
れらの支持部材16上に、第3実施形態と同様の弾性板
34が取り付けられている。
【0038】このような構成とされた第4実施形態の金
属板コイル支持台42においても、第1〜第3実施形態
の金属板コイル支持台12、22、32と同様、間隙2
6に持上部材86(図2又は図4参照)を挿入すること
で、容易に荷扱い可能となる。また、第3実施形態の金
属板コイル支持台32と同様に、アルミ板コイル82を
支持した状態で、弾性板34がアルミ板コイル82の外
周面に沿って弾性変形するので、第2実施形態の金属板
コイル支持台12と比較して、アルミ板コイル82を構
成するアルミニウム板の変形や損傷をより確実に防止で
きる。
【0039】なお、図5〜図7に示した弾性板34に代
えて、図8及び図9に示す弾性平板44を使用すること
も可能である。この弾性平板44は、図9(A)に示す
ように平板状に形成されており、アルミ板コイル82を
支持していない状態では、弾性平板44と支持部材16
の凹部18との間に、逆三角形状の空間46が構成され
る。そして、アルミ板コイル82を支持した状態では、
図8及び図9(B)に示すように、弾性平板44がアル
ミ板コイル82の重量によって下方に湾曲し、アルミ板
コイル82の側面に沿うように接触する。従って、この
ような平板状の弾性平板44であっても、アルミ板コイ
ル82が支持される面積が広くなり、作用する面圧は小
さくなるので、アルミ板コイル82を構成するアルミニ
ウム板の変形や損傷をより確実に防止できる。もちろ
ん、本発明の弾性部材としては、これらの形状に限定さ
れるものではなく、少なくとも、金属板コイル支持台に
支持された金属板コイルに接触して弾性変形し、面圧を
分散させる形状であればよい、例えば、ブロック状に形
成されていてもよい。
【0040】なお、図8では、本発明の第3実施形態の
金属板コイル支持台32を例に挙げているが、弾性平板
44を適用可能な金属板コイル支持台としては、第4実
施形態の金属板コイル支持台42であってもよい。
【0041】上記各実施形態において、台板14及び支
持部材16、24の材質としては、金属板コイル(アル
ミ板コイル82)を支持することができる程度の強度を
有していれば、特に限定されない。例えば、金属製、樹
脂製、木製等のものを採用可能である。
【0042】支持部材16、24の数も、上記したもの
より多くてもよい。すなわち、持上部材86を差し入れ
る挿入空間(間隙)が構成されると共に、アルミ板コイ
ル82を構成するアルミニウム板に実用上問題となるよ
うな変形や損傷を与えなければ、その数は特に限定され
ない。支持部材16、24は、台板14と一体的に形成
されていてもよい。
【0043】また、弾性部材(弾性板34及び弾性平板
44)の材質としては、支持部材16よりも弾性のある
もの、すなわち、硬度の低いものであれば、特に限定さ
れない。例えば、ゴム製、樹脂製(特に、ウレタンフォ
ーム等発泡樹脂)、気体や液体を内部に封入した弾性体
の密閉袋状部材等とすることができる。硬度としては、
JIS K 6253に規定される硬度が40度〜80
度の範囲が好ましい。この硬度を、例えば弾性部材の厚
みを増すこと等によって下げることで、さらにアルミニ
ウム板の変形や損傷を防止できるようにすることも可能
である。
【0044】本発明の金属板コイル荷扱い方法として
は、上記したように持上部材86を使用して持上げる場
合だけでなく、例えば、金属板コイル支持台12、2
2、32、43に金属板コイルが支持された状態で、金
属板コイル支持台ごと、持上げて搬送等を行ってもよ
い。
【0045】本発明の金属板コイル支持台12、22、
32、42によって支持される金属板コイルとしても、
アルミ板コイル82に限定されない。
【0046】
【実施例】以下に、本発明を実施例によってさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0047】本実施例では、上記した第2実施形態の金
属板コイル支持台22(実施例1〜実施例5)及び、第
4実施形態の金属板コイル支持台42(実施例6〜実施
例10)を使用し、それぞれ支持部材16の長さを変更
して、アルミ板コイル82を構成するアルミニウム板へ
の傷付き発生枚数と荷扱い性を評価するテストを行っ
た。なお、比較例として、間隙20、26を有さない従
来の金属板コイル支持台112(図10参照)と、この
金属板コイル支持台112に弾性板34を取り付けたも
のも使用し、同様のテストを行った。
【0048】テストの条件は、以下のように設定した。
【0049】 ・アルミ板コイルの重量:300kg〜5000kg ・アルミ板コイルの外径:φ600mm〜φ1600m
m ・アルミニウム板の板厚:0.1mm〜0.5mm ・アルミニウム板の幅:700mm〜1500mm ・支持部材の材質:SS400 ・テスト期間:1日間 実施例6〜実施例10及び比較例2の弾性板34として
は、 ・硬度:70度(JIS K 6253) ・板厚:10mm のゴム板を使用した。
【0050】結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1において、「最大面圧」とは、アルミ
板コイルが金属板コイル支持台に支持された状態で、ア
ルミ板コイルを構成するアルミニウム板に加わる最大荷
重時の面圧をいい、「傷付き発生枚数」は、アルミニウ
ム板への傷付きが、アルミ板コイルの外周面から内側に
向かって何枚目まで発生しているかを、目視にて観察評
価したものである。また、「荷扱い性」は、各実施例及
び各比較例において、アルミ板コイルの荷扱いの容易さ
を相対的に評価したものであり、「○」は荷扱い性が相
対的に優れていることを、「×」は荷扱い性が相対的に
劣っていることを示す。
【0053】表1から分かるように、各実施例のいずれ
も、アルミニウム板の傷付き発生枚数を所定範囲内に留
めることができる。例えば、ゴム板を有さず、支持部材
16の長さが83mm×2箇所の場合(実施例5)であ
っても、傷付き発生枚数は10枚に留まる。特に、ゴム
板を有さない構成の金属板コイル支持台では、支持部材
16の長さを100mm×2箇所とした場合(実施例
4)には、傷付き発生枚数を5枚とすることができ、支
持部材16の長さをこれよりも長くした場合(実施例1
〜実施例3)には、傷付き発生枚数がさらに少なくな
る。
【0054】また、ゴム板を有する構成では、支持部材
16の長さを83mm×2箇所とした場合(実施例1
0)であっても、傷付き発生枚数はわずか2枚に留ま
り、支持部材16の長さをこれよりも長くした場合(実
施例6〜実施例9)には、傷付き発生枚数がさらに少な
くなる。これは、支持された状態でのアルミ板コイルに
作用する面圧が、ゴム板によってより小さくなったため
であると考えられる。なお、上記結果から分かるよう
に、アルミ板コイル82に作用する面圧と傷付き発生枚
数との間には相関があり、面圧が小さくなるほど、傷付
き発生枚数も少なくなる。傷付き発生枚数を実用上問題
がない程度にする(一例として、10枚以下とする)た
めには、300N/cm2以下とすることが好ましい。
【0055】また、この表1から分かるように、アルミ
板コイル86の軸方向の長さに対する支持部材24の長
さの割合が最も小さくなるのは、実施例5(又は実施例
10)の場合である。アルミ板コイル86の長さが15
00mmのとき、この割合は11%となる。すなわち、
アルミ板コイル86の軸方向の長さにおいて11%以上
の範囲で支持部材が接触して支持していれば、アルミ板
コイル86を構成するアルミニウム板の傷付き発生枚数
を所定範囲内に留めることが可能であることが分かる。
【0056】しかも、いずれの実施例であっても、間隙
20又は間隙26がアルミ板コイル82と台板14との
間に構成されるため、フォークリフトやハンドリフトの
フォーク等の持上部材86、これらの間隙によって構成
される挿入領域に挿入して持ち上げることができ、荷扱
い性が相対的に優れている。
【0057】これに対し、比較例1及び比較例2では、
アルミ板コイルの全長(すなわち、アルミニウム板の全
幅)にわたって支持部材が支持しているため、傷付き発
生枚数は、実用上問題がない程度に少なくなっている
が、各実施例のような間隙20又は間隙26が構成され
ないため、荷扱い性は相対的に劣っている。
【0058】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、金属板コ
イルに与える損傷が少なく、且つ荷扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の金属板コイル支持台に
よってアルミ板コイルを支持した状態を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態の金属板コイル支持台に
よって支持されたアルミ板コイルを持上部材で持上げる
過程を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態の金属板コイル支持台に
よって支持されたアルミ板コイルを持上部材で持上げた
状態を示す側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の金属板コイル支持台に
よってアルミ板コイルを支持した状態を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の第3実施形態の金属板コイル支持台に
よってアルミ板コイルを支持した状態を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の第3実施形態の金属板コイル支持台に
よってアルミ板コイルを支持した状態を示す側面図であ
る。
【図7】本発明の第4実施形態の金属板コイル支持台に
よってアルミ板コイルを支持した状態を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明の金属板コイル支持台のさらに別の例に
よってアルミ板コイルを支持した状態を示す斜視図であ
る。
【図9】(A)は図8に示す金属板コイル支持台によっ
てアルミ板コイルを支持する前の状態を、(B)は同じ
く図8に示す金属板コイル支持台によってアルミ板コイ
ルを支持した状態を示す側面図である。
【図10】従来の金属板コイル支持台によってアルミ板
コイルを支持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
12 金属板コイル支持台 16 支持部材(支持部) 20 間隙(間隙部、挿入領域) 22 金属板コイル支持台 24 支持部材(支持部) 32 金属板コイル支持台 34 弾性板(弾性部材) 42 金属板コイル支持台 44 弾性平板(弾性部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板がコイル状に巻かれた金属板コイ
    ルを支持するための金属板コイル支持台であって、 前記金属板コイルの外周面に接触して金属板コイルを支
    持する支持部と、 前記支持部に金属板コイルが支持された状態で金属板コ
    イルの外周面の外側に、金属板コイルを持ち上げる持上
    部材を挿入可能な挿入領域を構成する間隙部と、 を有することを特徴とする金属板コイル支持台。
  2. 【請求項2】 前記支持部が、前記金属板コイルの軸方
    向長さにおいて11%以上の範囲で金属板コイルに接触
    して支持可能とされていることを特徴とする請求項1に
    記載の金属板コイル支持台。
  3. 【請求項3】 前記支持部の、少なくとも前記金属板コ
    イルの荷重を支持する部分に、この荷重により弾性変形
    する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の金属板コイル支持台。
  4. 【請求項4】 金属板がコイル状に巻かれた金属板コイ
    ルを荷扱いするための金属板コイル荷扱い方法であっ
    て、 前記金属板コイルの外周面に対する面圧が300N/c
    2以下となるように金属板コイルの外周面を支持して
    荷扱いすることを特徴とする金属板コイル荷扱い方法。
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