JP4366782B2 - ポリエステルフィルムロール及びその梱包体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルフィルムロール及びその梱包体に関し、特にフォトレジスト用ポリエステルフィルムにおいてフォトレジストによるパターン形成時に著しく画像品質を損ねる原因となる、ポリエステルフィルムロールの輸送時及び経時的な皺の発生の抑制に対して有用なポリエステルフィルムロール及びその包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業的生産の場において、一般にポリエステルフィルムは広幅サイズのまま一旦巻き上げ、顧客の要求サイズに応じて小幅サイズに複数本スリットし、巻き取り用の円筒状のコアに再度巻きあげることが行われている。また、用途により、幅、長さ、厚みなど要求されるサイズ多様であるが、なかでも、フォトレジスト用の場合、他の用途と比べ、スリット後のフィルムロールはロール幅が1000〜1700mmと大きく、巻き長も10000m以上と長い。そのため、フィルムロールの重量が300〜800kg/本と非常に重いという特徴がある。さらに、従来のフィルムロールは、梱包方法として、フィルムロール幅より長い、両端が開いた筒状の包装用フィルム内にフィルムロールを収容してカバーし、余った包装用フィルムの両端部をそれぞれコア内に押し込み、フィルム巻き取り部分から突き出したコアの両端部にフィルムロールの端部よりも大きい側板をかませた後、プラスチックキャップ等により側板を固定して、該側板によりフィルムロールの外周面が直接架台に接触せず宙吊り状態となるよう保持していた。
【0003】
上記のような場合、フィルムロールの保持は、コアの両端部の2点のみで行われている。従来から使用されてきた弾性率の低い塩化ビニル樹脂製コアや紙管では、フォトレジスト用ポリエステルのフィルムロールの場合、保管時または輸送時に、ロールフィルムの自重によりコアが撓み、その結果フィルムの一部に加重がかかって変形し、フィルムの平面性が悪化していた。
【0004】
また、フォトレジスト用ポリエステルのフィルムロールの場合、保管時または輸送時におけるフィルムの巻きずれも問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、円筒状のコアを軸として、該コアの外周面にポリエステルフィルムを巻き回してなるフィルムロールにおいて、フィルムロールの保管時及び/又は輸送時におけるコア変形によるフィルムの平面性悪化を防止し、さらにフィルムの巻きずれの発生も防止されたポリエステルフィルムロール、およびその梱包体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円筒状のコアを軸として、該コアの外周面にポリエステルフィルムを巻き回してなる、ロール幅1000〜1700mm、巻き長さ10000m以上のフィルムロールであって、前記コアの軸方向曲げ強度が22kg/mm以上、軸方向曲げ弾性率が1500kg/mm以上であり、かつフィルムロールの巻き密度が1.350〜1.380g/cmであることを特徴とするフォトレジスト用ポリエステルフィルムロールである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルフィルムロール(本明細書においてはフィルムロールと略することもある。)は円筒状のコアを軸として、該コアの外周面にポリエステルフィルムを巻き回して構成されている。
【0008】
本発明に使用される円筒状のコアは、軸方向曲げ強度が22kg/mm2以上で、軸方向曲げ弾性率が1500kg/mm2以上であることが必要である。すなわち、軸方向の曲げ強度が22kg/mm2以上で、軸方向曲げ弾性率が1500kg/mm2以上の高強度・高弾性のコアを使用することにより、フィルム自重や輸送時の上下動によるコアのたわみを抑え、フィルムロールに皺が入るのを抑制することができる。
【0009】
さらに、コアの軸方向曲げ強度は、25〜100kg/mm2であるのが好ましく、30〜100kg/mm2であるのが特に好ましい。コアの軸方向曲げ強度が22kg/mm2未満では、経時的な皺や輸送時での皺が発生しやすくなり、フィルムの平面性が悪化する。また、100kg/mm2を超えると、フィルム平面性の悪化防止効果への影響が小さくなり、コストが上昇しやすい。
【0010】
コアの軸方向曲げ弾性率は、1750〜10000kg/mm2であるのが好ましく、2000〜10000kg/mm2であるのが特に好ましい。コアの軸方向曲げ弾性率が1500kg/mm2未満では、特に経時的な皺が発生しやすくなる。また、10000kg/mm2を超えると、フィルム平面性の悪化防止効果への影響が小さくなり、コストが上昇しやすい。
【0011】
本発明に使用するコアを構成する素材としては、上記の軸方向曲げ強度および軸方向曲げ弾性率を満足すれば特に限定されないが、例えば、無機繊維で強化したプラスチック樹脂(FWP)からなるものが挙げられる。前記無機繊維としては、ガラス繊維やカーボン繊維などの単体、及びこれらの混合物が挙げられる。なかでも、カーボン繊維を使用したものは、プラスチック樹脂の曲げ強度及び曲げ弾性率が大きくなり好適である。またベースとなるプラスチック樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、耐熱エポキシ樹脂などが挙げられる。さらに、コアの表面を熱可塑製樹脂、エポキシ導電樹脂、アクリル系塗料などで被覆するなど、他の構成を組み合わせても良い。
【0012】
本発明において、使用されるポリエステルフィルムは、特に限定されず、通常一般に使用されるポリエステルフィルムであれば、本発明の作用が効果的に発現する。このようなポリエステルフィルムの主材となるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ジカルボン酸類とジオール類とを構成成分とする芳香族線状ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸類とジオール類とを構成成分とする脂肪族線状ポリエステル、およびそれらの共重合体などのポリエステルから主としてなるポリエステル系樹脂が挙げられる。上記ポリエステル系樹脂は単独で使用されていても、2種以上を混合して使用されていてもよい。
【0013】
本発明において、上記ポリエステルフィルムは、製造方法も特に限定されず、通常一般に使用される方法を用いて製造されるものであって良い。また、上記ポリエステルフィルムは、二軸配向されたものである場合に、特に本発明の作用が効果的に発現する。二軸配向方法については、特に限定されず、通常一般に使用される二軸延伸方法等を用いたものであって良い。また、樹脂層など他層を積層した多層フィルムである場合には、未延伸フィルムあるいは一軸延伸フィルムの少なくとも一方の面に、後述のように樹脂層を積層後、更に延伸するなどの方法により配向性を付与したものであっても良い。
【0014】
さらに、本発明において、上記ポリエステルフィルムは、厚みも特に限定されず、ポリエステルフィルムを構成する素材や、ポリエステルフィルムあるいは本発明のフィルムロールの所望の物性等に応じて適宜設定される。
【0015】
上記ポリエステルフィルムは、単層であっても他層を積層した多層フィルムであってもよい。
【0016】
本発明において、上記コアを軸として、該コアの外周面に上記ポリエステルフィルムを巻き回す方法は、フィルムロールが後述のような巻き密度を有することが可能であれば特に限定されず、通常一般の巻き取り方法を使用することができる。
【0017】
本発明のフィルムロールの巻き密度は、1.350〜1.380g/cm3である必要があり、好ましくは1.360〜1.380g/cm3であるのがよく、特に好ましくは1.365〜1.380g/cm3であるのがよい。本発明のフィルムロールは従来のフィルムロール(巻き密度:1.380を超え、1.385g/cm3以下程度)よりも低く、上記範囲の巻き密度とすることにより、輸送時の振動や経時的なフィルムの自重によるコアのたわみに起因するフィルム表面の皺発生を防止することができ、さらに一時的にフィルムが寄って皺状になった場合でも、フィルム間の空気層が厚いことにより、元の平面状態に回復することができる。また、巻き密度が1.350g/cm3以上であることにより、フィルムロールを形成した後、フィルムロールの端面のずれが大きくなり格落ちとなることによる製品収率の低下を防止できる。
【0018】
上記フィルムロールは、輸送や保管のため、さらに梱包体とすることにより、輸送時の振動やフィルムの自重によるコアのたわみに起因する皺が発生してフィルムの平面性が悪化するのを効果的に防止できる。
【0019】
梱包体の構成は特に限定されず、本発明のフィルムロールを、後述のような架台(保持手段)により、ポリエステルフィルムの外周面に架台が接触しないよう、コア両端部の2箇所のみを保持する方法も挙げられるが、好ましくは、フィルムロールの、巻き回したポリエステルフィルムの外周面全面にさらに衝撃吸収用クッション材を少なくとも1重以上に巻き回す方法がよく、さらに好ましくは、後述のような架台(保持手段)により、外周面に衝撃吸収用クッション材を少なくとも1重以上に巻き回したフィルムロールのコア両端部を保持し、かつフィルムロール最下部における前記衝撃吸収用クッション材の外周面の幅方向の一部または全部とが架台に接触するように保持するのがよい。
【0020】
上記衝撃吸収用クッション材とは、フィルムロールの輸送時やフィルムの自重により発生する衝撃・振動を吸収緩和することを目的とするものである。衝撃吸収用クッション材を形成する素材や、その構成は、上記目的の機能を有するものであれば特に限定されず、例えば、発泡ポリエチレンシート、発泡ポリスチレンシート、エアーキャップシート、発泡ポリウレタンシート、ゴムシートなどが挙げられ、これらを組み合わせたものであっても良い。
【0021】
さらに、巻き回したポリエステルフィルムの外周面にさらに衝撃吸収用クッション材を巻き回す方法も特に限定されず、例えば、図1に示される梱包体Aのように、上記フィルムロール(図1中、符号2で示される)を、フィルムロール幅より長い、一般にブルーフィルムと呼ばれる両端が開いた筒状の包装用フィルム(図1中、符号3で示される)内にフィルムロールを収容してカバーし、余った包装用フィルムの両端部をそれぞれフィルムロールのコア(図1中、符号1で示される)内(円筒状空洞部)に押し込み、ポリエステルフィルム(図1中、符号2aで示される)巻き取り部分から突き出したコアの両端部にコアキャップ(図1中、符号4で示される)等を取り付けた上で、さらにその外周面に衝撃吸収用クッション材(図1中、符号5で示される)を全面に一重あるいは多重に巻き回して梱包体とする方法が挙げられる。なお、この際、コア内部にシリカゲルなどの乾燥剤を収容し、粘着テープ等で固定するなどしても良い。
【0022】
上述のように衝撃吸収用クッション材をフィルムロールの外周面全面に巻き回すことにより、輸送時や保管時にはフィルムロールの自重が梱包体の最下部全幅で支持され、フィルムロールの自重や輸送時の振動などによるコアのたわみの発生を抑え、ポリエステルフィルム表面に皺が発生することを防止でき、しかも振動や衝撃などの外部からの力は衝撃吸収用クッション材により緩和されるため、ポリエステルフィルム表面が損傷することも防止できる。
【0023】
さらに、衝撃吸収用クッション材をフィルムロールの外周面全面に巻き回した上で、フィルムロールのコア両端部を保持し、かつフィルムロール最下部における前記衝撃吸収用クッション材の外周面の幅方向の一部または全部と接触してフィルムロールを保持する保持手段を有するのが好ましいが、上記保持手段の構成は特に限定されず、例えば図2、図3に示される梱包体Bのような、架台6が挙げられる。図1に示される梱包体Aを、さらに、フィルム巻き取り部分から突き出したコアの両端部を架台(図2,3中、符号6で示される)両側面のU字部(図2,3中、符号11で示される)により載架し、また、梱包体Aの外周面の衝撃吸収用クッション材を、その最下部の幅方向全部が、架台底部(図2,3中、符号12で示される)の上面と接触とするように載置して、フィルムロールがコア両端部および最下部の幅方向全部によって保持されるようにする方法が挙げられる。
【0024】
上述のようにフィルムロールを保持することにより、フィルムロールの自重が分散され、フィルムロールの自重や輸送時の振動などによるコアのたわみの発生を抑え、ポリエステルフィルム表面への皺発生防止効果がさらに強化される。なお、上記のようなフィルムロールの保持方法においては、衝撃吸収クッション材の下部を架台底部上面と接触させる際に、フィルムロールと架台底部との間の衝撃吸収クッション材が変形し、フィルムロールの自重の一部を支持させることが必要である。このためには、フィルムロールの巻き上がり径に応じて、衝撃吸収クッション材の厚みを設定する、あるいは予め架台底部から架台側面のコア保持部(図3中のU字部など)までの距離を調整可能にし、距離を設定するなどの手段を有することが好ましい。
【0025】
なお、衝撃吸収用クッション材の外周面と接触してフィルムロールを保持する保持手段は、一部が衝撃吸収用クッション材の外周面最下部の幅方向一部と接触する構造であっても良いが、好ましくは上記梱包体Bのように全部と接触する構成であるのがフィルムロールの自重が広範囲に分散されてよい。
【0026】
架台を形成する素材、およびその構成は上記作用が可能であれば特に限定されず、素材としてはスチールなどが挙げられる。
【0027】
本発明のポリエステルフィルムロールおよびポリエステルフィルムロール梱包体は、コアの外周面に巻き回すポリエステルフィルムがフォトレジスト用ポリエステルフィルムである場合に特に好適である。
【0028】
以下に、本発明を試験例および実施例によってさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例
1.試験方法
(1)コアの軸方向曲げ強度
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体において、フィルムロールに使用したコアの軸方向曲げ強度をJIS−K7055に準じて測定した。
【0029】
(2)コアの軸方向弾性率
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体において、フィルムロールに使用したコアの軸方向弾性率をJIS−K7055に準じて測定した。
【0030】
(3)フイルムロールの巻き密度
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体において、巻き取り後のフィルムロールの重量(A、単位:kg)、及び使用したコアの重量(B、単位:kg)より、フィルム自重(C、単位:kg)を下記(I)式より算出した。
C=A−B 式(I)
また、巻き取り後のフィルムロールの外周をメジャーで幅方向に10点測定した平均値(D、単位:mm)、及びフィルムロール幅(E、単位:mm)として、下記(II)式からフィルムロールの体積(F、単位:mm3)を算出した。さらに、同様の手順で、コア外周の平均値(G、単位:mm)、及びコアの幅(H、単位:mm)からコアの体積(J、単位:mm3)を求め、巻き取り後のフィルムロールにおけるフィルム体積(K、単位:mm3)を、下記(III)式から算出した。
F=D2×E/4π 式(II)
K=F−J=(D2×E−G2×H)/4π 式(III)
上記値を用い、フィルムの巻き密度(L、単位:g/cm3)を下記(IV)式より算出した。
L=(C/K)×106 式(IV)
【0031】
(4)フィルムロールの巻きずれ
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体において、フィルムロールのスリット端面のずれ幅を、JIS1級定規を用いて測定し、下記の基準の基づいて評価した。
○: ロール端部が揃っており、端部ずれが3mm以下
×: ロール端部が不揃いで、端部のずれが4mm以上
【0032】
(5)ポリエステルフィルムの平面性
(5−1)経時皺
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体を、屋内倉庫(保存環境:温度35℃以下、湿度95%RH以下)に1ヶ月保管した後、使用されているフィルムロール表層にポリエステルフィルム(フィルム)の変形を伴う皺(経時皺)の発生を下記の基準に基づいて目視にて評価した。前記フィルムの変形とは、フィルムが折れたり、部分的に伸ばされたりしている状態を意味する。○以上であれば、実用上問題はない。
◎:フィルムロール表層にフィルムの変形を伴う皺がない
○:フィルムロール表層にフィルムの変形を伴う浅い皺が数本ある
×:フィルムロール表層にフィルムの変形を伴う深い皺がある
【0033】
(5−2)輸送皺
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体を、トラック進行方向に直角に積み、一般道路を500km輸送した後に、使用されているフィルムロール表層にポリエステルフィルムの変形を伴う皺(輸送皺)の発生を下記の基準に基づいて目視にて評価した。前記フィルムの変形とは、フィルムが折れたり、部分的に伸ばされたりしている状態を意味する。○以上であれば、実用上問題はない。
◎:ロール表層にフィルムの変形を伴う皺がない
○:ロール表層にフィルムの変形を伴う浅い皺が数本ある
×:ロール表層にフィルムの変形を伴う深い皺がある
【0034】
(6)フォトレジスト用としてのポリエステルフィルムの実用特性
(6−1)印刷配線回路基板の回路欠陥
▲1▼フォトレジストフィルムの作製
実施例1、2、比較例1〜5の梱包体から、ポリエステルフィルムを引き出し、フォトレジストフィルムを常法により作製した。すなわち、上記ポリエステルフィルムを基材として、フォトレジスト層を基材の樹脂層形成面と反対側の面にネガ型感光性樹脂からなるフォトレジスト層をコーティング法により形成し、フォトレジストフィルムを作製した。
【0035】
▲2▼回路の欠陥評価
上記▲1▼で作成したフォトレジストフィルムを用いて、印刷配線回路基板を製造し、該印刷配線回路における欠陥を下記の基準に基づいて目視で評価した。
◎:回路の欠陥は見られない。
○:まれに回路の欠陥が見られるが、実用上問題ない。
×: 回路の欠陥発生があり、実用上支障がある。
【0036】
(6−2)フォトレジスト層の解像度
上記(6−1)の▲1▼で作製したフォトレジストフィルムを用いて、印刷配線回路基板を製造し、該印刷配線回路製造時のフォトレジスト層の解像度を下記の基準に基づいて目視で評価した。
◎:解像度が非常に高く、鮮明な回路が得られる
○:解像度がやや劣り、線が多少太くなる等の現象が見られるが、実用上問題ない
×:解像度が劣り、高密度の回路には使用できない
【0037】
2.試験結果
上記試験(1)〜(3)の結果を表1に、(4)〜(6)の結果を表2に示す。
【0038】
【実施例】
実施例1、2、比較例1〜5
(1)ポリエステルフィルムの製造
平均粒径1.5μmの凝集体シリカ粒子をポリエステルに対し80ppm含有するポリエチレンテレフタレートを、常法に従って乾燥、溶融押出し、冷却固化して未延伸フィルムを得た。該未延伸フィルムを周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍延伸して一軸延伸フィルムを得た。さらに、水分散性ポリエステル系樹脂(東洋紡(株)製、バイロナール)100重量部に、平均粒径2.5μmの凝集体シリカ粒子を水分散性ポリエステル系樹脂に対して1重量%、平均粒径0.04μmの乾式法シリカ粒子を水分散性ポリエステル系樹脂に対して8重量%、さらには帯電防止剤としてラウリルジフェニルエーテルジスルホネートを水分散性ポリエステル系樹脂に対して10重量%となるよう配合し、水1200重量部、エチルアルコール800重量部を加えて希釈して、さらに40℃で48時間放置して樹脂層形成用の塗布液を得た。該塗布液を上記一軸延伸フィルムの片面にグラビヤ方式で塗布し、70℃の熱風で乾燥し、次いでテンターにより98℃で横方向に3.5倍延伸した後、更に200〜210℃で熱固定して、樹脂層を有する、厚さ16μmの二軸延伸された広幅のポリエステルフィルムを得た。
【0039】
(2)梱包体の作製
得られた広幅のポリエステルフィルムを製品幅が1570mmとなるよう複数本スリットし、表1に記載の軸方向曲げ強度及び軸方向弾性率を有する幅1642mmのプラスチックコア(FWP製)に、表1に記載の巻き密度となるように巻取り速度パターン、コンタクトロールの面圧、硬度などを調整しながらフィルムを12000m巻き取り、フィルムロールを得た。次いで、得られたフィルムロールを表1に示すように、実施例1、比較例1、2、4、5は、衝撃吸収用クッション材を使用せずに、図3に示される架台6と同様の架台によってフィルムロールのコアの両端部2箇所のみを保持した梱包体とし、実施例2,比較例3は、発泡ポリエチレン(低密度製)からなる衝撃吸収用クッション材((株)JSP製、農業用ミラマット#220)により図1に示されるのと同様にフィルムロールの外周面全体を一重に巻き回し、さらに図3に示される架台6と同様の架台によって図2に示されるのと同様にフィルムロールの最下部全幅及びコアの両端部2箇所を保持した梱包体とした。
【0040】
【表1】
Figure 0004366782
【0041】
【表2】
Figure 0004366782
【0042】
【発明の効果】
本発明のポリエステルフィルムロールおよびその梱包体は、特定の軸方向曲げ強度および軸方向曲げ弾性率を有するコアを用い、かつフィルム巻き密度を特定範囲とすることにより、保管時または輸送時に、ロールフィルムの自重によりコアが撓んでフィルムの一部に加重がかかって変形し、経時的な皺や輸送時の振動による輸送皺が発生してフィルムの平面性が悪化するのを防止でき、フィルムロールの巻きずれも小さい。さらにフィルムロールの自重を分散させる梱包体構成にすることにより、一層フィルムの平面性の悪化を防止できる。そのため、本発明のポリエステルフィルムロール、あるいは梱包体中のフィルムロールのポリエステルフィルムを使用してフォトレジストフィルムを作製し、印刷配線回路基板を製造した場合、解像度の高いフォトレジストフィルムを得ることができ、印刷配線回路基板の回路の欠陥も少なくなる。従って、本発明のポリエステルフィルムロール及びその梱包体は、特にフォトレジスト用ポリエステルフィルムに対し好適であるが、コストダウンのためにフィルムロールの倍長化や広幅化など1本当たりのロール重量が重い場合にも十分対応することができるなど、他の用途にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリエステルフィルムロールの梱包体の実施形態の一例を示す幅方向からの断面図である。
【図2】 本発明のポリエステルフィルムロールの梱包体の実施形態の他の例を示す幅方向からの断面図である。
【図3】 図2の梱包体の側面図(コア端部方向から見た図)である。
【符号の説明】
1 コア
2 ポリエステルフィルムロール
3 ブルーフィルム(包装用フィルム)
4 プラスチックキャップ
5 衝撃吸収用クッション材
6 架台

Claims (3)

  1. 円筒状のコアを軸として、該コアの外周面にポリエステルフィルムを巻き回してなる、ロール幅1000〜1700mm、巻き長さ10000m以上のフィルムロールであって、前記コアの軸方向曲げ強度が22kg/mm以上、軸方向曲げ弾性率が1500kg/mm以上であり、かつフィルムロールの巻き密度が1.350〜1.380g/cmであることを特徴とするフォトレジスト用ポリエステルフィルムロール。
  2. 前記フィルムロールの重量が300〜800kg/本である請求項1記載のフォトレジスト用ポリエステルフィルムロール。
  3. 請求項1記載のポリエステルフィルムロールの外周面全面にさらに衝撃吸収クッション材を少なくとも1重以上に巻き回し、前記ポリエステルフィルムロールのコア両端部を保持し、かつポリエステルフィルムロール最下部における前記衝撃吸収用クッション材の外周面の幅方向の一部または全部と接触してポリエステルフィルムロールを保持する保持手段を有することを特徴とするフォトレジスト用ポリエステルフィルムロール梱包体。
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