JP6220995B2 - ポリビニルアルコール系重合体フィルムの包装体の保管方法および輸送方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系重合体フィルムの包装体の保管方法および輸送方法 Download PDF

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Description

本発明は、円筒状のコアにポリビニルアルコール系重合体フィルムが巻き取られてなるロールを包装材料で包装してなる包装体、および、当該包装体の保管または輸送方法に関する。
プラスチックフィルムは、通常、円筒状のコアに巻き取って形成したロールを包装材料で包装してなる包装体の形態で保管または輸送される。包装体とすることにより、ロール表面への水の付着による外観の悪化を防止したり、吸湿によるフィルム物性への悪影響を防止したりすることができる。特に、偏光フィルムの原料となるポリビニルアルコール系重合体(以下、「ポリビニルアルコール系重合体」を「PVA」と略記することがある)フィルムのように吸湿性の高いプラスチックフィルムでは、包装体内部への水分の浸入によってフィルムの含水率の上昇による物性変化や水分斑の発生といった品質低下が起こり、偏光フィルム等の二次製品に加工する際の加工性が安定せず生産性が落ちるといった問題が生じる。そのため、吸湿による品質低下が懸念されるプラスチックフィルムなどにおいては、結露や湿気に起因する水分からの保護性を高めることが、その保管または輸送において重要となる。
プラスチックフィルムのロールを防湿性の包装材料で包装する包装方法が、これまでにいくつか知られている。
例えば、特定のコアにPVAフィルムを巻き付けてフィルムロールとし、これを透湿度が10g/m/日以下の包装用フィルムで包装して保管または輸送する方法が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、包装方法に関し、フィルムロールを包装用フィルムで二重巻きにし、幅方向に余った部分をコアに押し込む方法が記載されている。
また、芯材に吸湿性フィルムを巻き取り、これを特定のフィルムを含む包装材料で包装することが知られている(特許文献2参照)。特許文献2には、包装方法に関し、包装用フィルム(包装材料)の幅方向の端部を管状の芯材の中空部に押し込んだ後、宙吊り用キャップを芯材の中空部に貫入させる方法が記載されている。
さらに、コアの周りに該コアの両端部を残して長尺のフィルム部材が巻回されてなるフィルムロールと、フィルムロールを覆う包装シートと、フィルムロールを包む包装シートの両側縁部をコアの両端部に固定する特定の包装用ゴムバンドとを有するフィルムロール包装体(特許文献3参照)が知られている。特許文献3において両側縁部(両端部)とは包装シートを巨視的に見たときの部分を指し、包装用ゴムバンドがコアの長さ方向に移動
しても包装シートが十分に固定されるように包装用ゴムバンドは包装シートの端から離れた部分に配置される。そのため、特許文献3において包装シートの端はコアの両端部に固定されずに自由端になっている。
特開2001−315885号公報 特開2002−308343号公報 特開2010−179922号公報
最近、液晶ディスプレイ用の偏光フィルムの原料となるPVAフィルムにおいて、液晶ディスプレイの大型化に伴い、より広幅のPVAフィルムが求められると共に、偏光フィルムへの加工性・生産性を向上させるため、巻き長の長いPVAフィルムも求められている。このようなPVAフィルムの広幅化、長巻化に伴い、ロールの重量が増したことで、架台や加工装置へのロールの積降や移動の際に、コア内部に支持棒を入れてハンドリングする方法が多用されるようになってきた。そのためコア内部への支持棒の挿入が容易になるように、円筒状のコアの両端をキャップ等で塞ぐことなく開放し、コア内部が外気に晒された状態でロールが輸送または保管される機会が増えてきた。また、円筒状のコアの材質についても、強度(曲げ剛性など)の高い金属や炭素繊維強化プラスチック、あるいはこれらの複合材料が用いられるようになってきた。
ところで、冬季の寒冷地などにおいて、空調されていない保管場所から空調された加工場へ包装体を搬入すると、包装体の表面に結露が発生することがある。特に最近では上述のようにロールの重量が増してきたことから、ロールの熱容量の増加とそれに伴うロール全体の温度変化速度の低下に起因して、結露がより発生しやすくなってきている。加えて、上述のようにロールの重量増加に伴い金属製のコアや炭素繊維強化プラスチック製のコアが用いられるようになってきているが、金属製やプラスチック製のコアは紙製のコアなどに比べて結露が発生しやすい。このような結露は、PVAフィルムの温度の影響を受けやすい円筒状のコアの内周面において特に発生しやすい。そのため、特許文献1に記載されたような、包装材料の幅方向に余った部分をコアに押し込む方法を採用した場合には、円筒状のコアの内周面など、包装体の表面に結露が発生すると、結露に由来する水が、押し込まれた包装材料とコアの内周面との間から包装体内部に浸入する問題が生じる。一方、特許文献2に記載されているように宙吊り用キャップを芯材の中空部に貫入させる方法においては、宙吊り用キャップが装着されている間はコアの内周面での結露が防止され、また、コアの内周面以外で発生した結露に由来する水も包装体内部へ浸入しにくいが、コアの内部へ支持棒を挿入するために宙吊り用キャップを外した際には、コアの内周面で結露が発生したり、また、コアの内周面以外で発生した結露に由来する水が包装材料の表面を移動したりして、水が包装材料とコアの内周面との間から包装体内部に浸入するという問題が依然として生じる。
そこで本発明は、円筒状のコアの内周面など、包装体の表面で結露が発生した場合であっても、結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくい包装体、および、当該包装体を用いた包装体の保管または輸送方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ロールを包装材料で包装する際、包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定することにより水が包装体内部に浸入するのが効果的に防止され、上記目的が達成されることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]円筒状のコアにPVAフィルムが巻き取られてなるロールを包装材料で包装してなる包装体の保管方法であって
前記PVAフィルムの幅が2.1m以上であり、
前記コアの表面の少なくとも一部の材質が金属および/またはプラスチックであり、
前記ロールの質量が0.5t以上であり、
前記コアの両端部がロール端面から突出する突出部を形成しており、前記包装材料の端の少なくとも一部が前記突出部の外周面上で固定されており、
両方の前記突出部のそれぞれにおいて、粘着テープの粘着面が包装材料と突出部の外周面の両方に接するように、粘着テープが突出部の外周に沿って巻き付けられており、
両方の前記突出部のそれぞれにおいて、突出部が締め付け部材により、端の少なくとも一部が突出部の外周面上で固定されている前記包装材料を介して突出部の外周に沿って締め付けられており、かつ
前記コアの内周面が外気に晒されている包装体を10℃以下で保管する、包装体の保管方法
[2]両方の前記突出部のそれぞれにおいて、突出部の外周面上で固定された前記包装材料の端が突出部の外周を略連続的に周回している、上記[1]保管方法
[3]前記包装材料が、水蒸気透過度5g/m/24h以下のフィルムである、上記[1]または[2]保管方法
[4]上記[1]〜[3]のいずれか1つの保管方法で保管された包装体の前記コア内部に支持棒を入れた状態で包装体を輸送する、包装体の輸送方法、
に関する。
本発明の包装体によれば、円筒状のコアの内周面など、包装体の表面で結露が発生した場合であっても、結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくい。
本発明において使用されるロールの一例を示す概略図である。 ロールをシート状の包装材料で包装する際の包装方法の一例を示す概略図である。 包装材料の端が粘着テープにより突出部の外周面上で固定されている包装体の突出部付近の断面の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において使用されるロールは円筒状のコアにPVAフィルムが巻き取られてなる。そして、当該コアの両端部は、ロール端面から突出する突出部を形成している。図1は本発明において使用されるロールの一例を示す概略図である。図1において、ロール1は、円筒状のコア2にPVAフィルム3が巻き取られてなる。円筒状のコア2の両方の端部4のそれぞれは、ロール端面5からコアの長さ方向に外側に突出する突出部6を形成している。
上記の円筒状のコアの種類に特に制限はなく、例えば、金属製のもの、プラスチック製のもの、紙製のもの、木製のものなどが挙げられる。また、金属とプラスチックの両方が使用されたもの、金属と紙の両方が使用されたもの、プラスチックと紙の両方が使用されたものなど、複合体の形態のコアも使用することができる。これらの中でも、強度が高く、また本発明の効果がより顕著に奏されることから、金属および/またはプラスチック製のコアが好ましく、繰り返し使用しても摩耗等の影響を受けにくいことから金属製のコアがより好ましい。円筒状のコアの全質量に対して金属およびプラスチックの質量の占める割合は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
上記の金属としては、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなどが挙げられ、これらのうちの1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、強度、軽量性、価格などの観点からアルミニウムが好ましい。
また、上記のプラスチックとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、シリコーン樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、ポリ塩化ビニルが好ましい。当該プラスチックは、強度などの観点から炭素繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチック(FRP)であることも好ましい。
本発明においては、円筒状のコアの表面の少なくとも一部の材質が金属および/またはプラスチックであるような、結露が発生しやすいコアを用いた場合であっても、結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくい。そのため、このようなコアを用いた場合に本発明の効果がより顕著に奏される。本発明の効果がより顕著に奏されることから、円筒状のコアは、その内周面の少なくとも一部(好ましくは内周面の面積の50%以上、より好ましくは内周面の面積の80%以上)の材質が金属および/またはプラスチックであることが好ましく、その内周面の全部の材質が金属および/またはプラスチックであることがより好ましく、円筒状のコアの全表面の材質が金属および/またはプラスチックであることがさらに好ましい。
円筒状のコアの両端部がロール端面から突出する突出部を形成することができるように、円筒状のコアの長さはPVAフィルムの幅よりも長くなる。円筒状のコアの長さは、取り扱い性などの観点から、後述するPVAフィルムの幅よりも5〜100cmの範囲内でさらに長いことが好ましく、10〜45cmの範囲内でさらに長いことがより好ましく、15〜30cmの範囲内でさらに長いことがさらに好ましい。
円筒状のコアの径は特に限定されないが、強度、取り扱い性などの観点から、その外径が50〜800mmの範囲内であることが好ましく、80〜500mmの範囲内であることがより好ましく、100〜300mmの範囲内であることがさらに好ましく、150〜250mmの範囲内であることが特に好ましい。
また、円筒状のコアの肉厚は、強度、取り扱い性などの観点から、2〜50mmの範囲内であることが好ましく、3〜20mmの範囲内であることがより好ましく、4〜10mmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明において使用されるロールは、円筒状のコアにPVAフィルムが巻き取られてなるものである。PVAフィルムは吸湿による品質低下が大きいことから本発明の効果が顕著に奏される。
PVAフィルムを構成するPVAとしては、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化することにより製造されたものを使用することができる。ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニルなどを挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルが好ましい。
PVAフィルムを構成するPVAの重合度は、PVAフィルムの用途などにもよるが、500〜9000の範囲内であることが好ましく、1500〜7000の範囲内であることがより好ましく、1800〜5000の範囲内であることがさらに好ましく、2000〜3000の範囲内であることが特に好ましい。なお、本明細書でいうPVAの重合度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定した平均重合度を意味する。
また、PVAフィルムを構成するPVAのけん化度は、PVAフィルムの用途などにもよるが、75モル%以上であることが好ましく、85モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが特に好ましい。なお、本明細書におけるPVAのけん化度とは、PVAが有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。けん化度はJIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。
PVAフィルムには、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させてもよい。PVAフィルムの製造方法に特に制限はなく、溶液製膜法、溶融製膜法など、公知の方法によって製膜されたPVAフィルムを好ましく使用することができる。
PVAフィルムの厚みは特に限定されないが、5〜500μmの範囲内であることが好ましく、15〜300μmの範囲内であることがより好ましく、20〜100μmの範囲内であることがさらに好ましい。
PVAフィルムの幅は特に限定されないが、2.1m以上であることが好ましく、2.3m以上であることがより好ましく、2.6m以上であることがさらに好ましく、3m以上であることが特に好ましく、3.3m以上であることが最も好ましい。このような幅を有するPVAフィルムを使用する場合には、円筒状のコアの長さがPVAフィルムの幅よりもさらに長くなって結露に由来する水がより多量に発生しやすいが、本発明においては、結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくいことから、上記のような幅を有するPVAフィルムを使用する場合において、本発明の効果がより顕著に奏される。また、フィルム幅が2.1m未満である場合、PVAフィルムの二次加工の際にフィルム幅に対してトリムの幅の割合が大きくなって生産性の低下を招く場合もある。ここでトリムとは加工時にPVAフィルムの両端部などを一定幅カットした、製品として使用できない部分のことである。
一方、PVAフィルムの幅があまりに広すぎると取り扱い性が低下する場合があることから、PVAフィルムの幅は8m以下であることが好ましい。
円筒状のコアに巻き取られるPVAフィルムの長さは特に限定されないが、1000m以上であることが好ましく、2000m以上であることがより好ましく、3000m以上であることがさらに好ましい。1000m未満の場合、ロールの巻き始め/巻き終わりの部分で発生するロスの全体に対する割合が大きくなるなどの理由から経済的でない場合がある。一方、PVAフィルムの長さの上限については特に限定されないが、あまりに長すぎるとロールの質量や直径が過大となり、架台や加工装置への積降や移動の際にその取り扱いが難しくなる傾向があることから、PVAフィルムの長さは10000m以下であることが好ましい。
本発明において使用されるロールの質量は、0.5t以上であることが好ましく、1.5t以上であることがより好ましく、2.5t以上であることがさらに好ましい。本発明においては、その質量がより大きくて結露が発生しやすいロールであっても、結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくい。そのため、上記のようなロールを用いた場合に本発明の効果がより顕著に奏される。但し、ロールの質量があまりに大きすぎると取り扱い性などが低下する場合があることから、ロールの質量は5t以下であることが好ましい。
本発明の包装体は、上記のロールを包装材料で包装してなる。当該包装材料の種類に特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートにアルミニウムを蒸着させた積層フィルム、ポリエステルとアルミニウム箔とポリエチレンの積層フィルム、アルミニウム蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、アルミナ蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、ガラス蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレンとポリエチレンの積層フィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムなどが挙げられる。これらの包装材料は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもどちらでもよいが、異なる機能を有する2種以上の包装材料を併用することが好ましい。2種以上を併用する場合の態様としては、例えば、ロールを1つの包装材料で包装した後、その上から別の包装材料でさらに包装する態様が挙げられる。この場合、ロール表面と接触しない包装材料としては、機械的強度が優れたものが好ましく使用され、具体的には、汚れや擦れに強い高密度ポリエチレンフィルムを好ましく使用することができる。ロール表面と接触しない包装材料の厚みは、取り扱い性などの観点から20〜60μmの範囲内であることが好ましい。
一方、1種の包装材料を単独で使用する場合における包装材料、または、2種以上の包装材料を併用する場合におけるロール表面と接触する包装材料としては、ポリエチレンテレフタレートにアルミニウムを蒸着させた積層フィルム、ポリエステルとアルミニウム箔とポリエチレンの積層フィルム、アルミニウム蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、アルミナ蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、ガラス蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルムが、防湿性に優れていることから好ましい。ロール表面と接触する包装材料の厚みは、取り扱い性などの観点から、5〜60μmの範囲内であることが好ましく、10〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
包装材料、好ましくはロール表面と接触する包装材料は、PVAフィルムの水に対する影響をより効果的に防止することができることから、水蒸気透過度が5g/m/24h以下のフィルムであることが好ましく、3g/m/24h以下のフィルムであることがより好ましく、1.5g/m/24h以下のフィルムであることがさらに好ましい。なお、本明細書において水蒸気透過度とは、JIS K7129:2008に記載された赤外線センサ法(40℃、90%RH)に準じて測定される水蒸気透過度を意味する。
ロールを包装材料で包装する際の包装方法に特に制限はなく、例えば、立体的に加工されていないシート状(例えば長方形状)の包装材料をロールの外周に沿って巻き付けた後、ロール端面からコアの長さ方向に外側にはみ出した包装材料を絞り、次いで絞った包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定する方法;筒状に立体的に加工された包装材料中にロールを挿入した後、ロール端面からコアの長さ方向に外側にはみ出した包装材料を絞り、次いで絞った包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定する方法などが挙げられる。これらの方法において、はみ出した包装材料を絞った後、絞った包装材料の端部を切り取り、新たに生じた包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定することが、突出部の外周面上の所望の位置で包装材料の端を固定しやすいことから好ましいが、はみ出した包装材料を絞った後、端部を切り取らずにそのまま絞った包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定してもよい。なお、2種以上の包装材料を併用する場合には、1種目の包装材料のはみ出した部分を絞り、次いで絞った1種目の包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定した後、2種目の包装材料のはみ出した部分を絞り、次いで絞った2種目の包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定してもよいし、あるいは、複数種の包装材料のはみ出した部分をまとめて絞り、次いで絞った包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定してもよい。
上記の包装方法のうちでも、作業性などの観点から、シート状の包装材料をロールの外周に沿って巻き付けた後、ロール端面からコアの長さ方向に外側にはみ出した包装材料を絞り、次いで絞った包装材料の端をコアの突出部の外周面上で固定する方法が好ましい。この場合、各包装材料の巻き数に特に制限はなく、一重巻きであっても、二重巻き等の多重巻きであってもどちらでもよいが、多重巻きであることが、スクラッチ等によって包装材料が損傷してもその影響を小さくすることができ好ましい。また、シート状の包装材料を外周に沿って巻き付けた後に、コアの長さ方向に略平行な端部をプラスチックテープ、布テープ、紙テープ等の粘着テープや接着剤などを利用して固定し、包装材料を全体として筒状にすれば、包装体内部に水が浸入するのをより効果的に防止することができること
から好ましい。
図2に、ロールをシート状の包装材料で包装する際の包装方法の一例の概略図を示す。図2の例では、まず、図2の(1)〜(2)に示すように、ロールの外周に沿ってシート状の包装材料11を巻き付け、さらにコアの長さ方向に略平行な端部14を図示しない粘着テープや接着剤などによって固定して筒状にする。次いで、図2の(2)〜(3)に示すように、包装材料のロール端面12からコアの長さ方向に外側にはみ出した部分15を絞って、包装材料をコアの両端部の突出部13の外周面に接触させて、後述のように包装材料11の端を突出部13の外周面上で固定する。なお、包装材料11を絞った際のたるみ部分を折り曲げるなどして、その端も突出部の外周面上で固定すれば、包装体内部への水の浸入をより効果的に防止することができ、好ましい。
ロールを包装材料で包装するに際しては、PVAフィルムを傷や衝撃から保護するために、包装体内部であってロール端面に隣接する位置にワッシャーを配置することが好ましい。当該ワッシャーとしては、例えば、ポリスチレンワッシャー、ウレタンワッシャーなどを使用することができる。
また、包装体を輸送用の架台等に積載する際にロール端面付近の包装材料に傷が付かないようにするために、包装体外部であってロール端面に隣接する位置にワッシャーを配置することが好ましい。当該ワッシャーとしては、例えば、木製ワッシャー、ダンボールワッシャーなどを使用することができる。
本発明の包装体においては、円筒状のコアの内周面が外気に晒された状態にあることが、架台や加工装置への包装体の積降や包装体の移動の際に、コア内部に支持棒を入れてハンドリングをすることができることから好ましく、コア内部に支持棒を貫通させることができることから、包装体において、円筒状のコアの長さ方向に貫通していることがより好ましいが、円筒状のコアの内周面が外気に晒された状態になくてもよい。
本発明においては、包装材料の端の少なくとも一部が上記突出部の外周面上で固定されていることが重要である。特許文献3に記載された包装用ゴムバンドで固定する方法のように、包装材料の端が固定されずに自由端になっている場合には、水が包装材料の端付近に長時間留まり、毛細管現象により包装材料と突出部の間から包装体内部に浸入しやすい。本発明においては、包装材料の端が突出部の外周面上で固定されることにより、コアの内周面で発生した結露に由来する水が突出部の外周面に移動してきた場合であっても、包装材料の端付近に長時間留まることなく流れ落ちるなどして、速やかに包装体から離れることができ、水が包装体内部に浸入するのを効果的に防止することができる。
突出部の外周面上で固定された包装材料の端(以下、「外周面上固定端」という場合がある)は、突出部の外周面と直接接触して固定されていてもよいが、直接接触せずに固定されていてもよい。直接接触せずに固定されている態様の例としては、例えば、後述する接着剤を介して固定されている態様や、包装材料のたるみ部分の端を突出部の外周面上で固定する場合のように、包装材料を介して固定されている態様などが挙げられる。
外周面上固定端は、突出部の外周の一部のみに存在していたとしても、当該外周面上固定端を下側に向けて包装体を配置するなどすることにより、コアの内周面で発生した結露に由来する水が包装体内部に浸入するのを抑制することができる。しかしながら、両方の突出部のそれぞれにおいて、外周面上固定端が、各突出部の外周を略連続的に周回するように固定されていると、包装体の向きを考慮する必要がなく、また、包装体内部への水の浸入をより効果的に防止することができることから好ましい。ここで略連続的に周回するとは、外周を実質的に連続的に周回していることを意味し、例えば、包装材料のたるみ部分などにおいて外周面上固定端が連続していない部分がわずかに存在していてもよい。外周面上固定端が略連続的に周回している突出部の外周において、外周の長さに対する外周面上固定端が存在していない部分の外周に沿った長さ(複数箇所存在する場合にはそれらの合計の長さ)の占める割合は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。
突出部の外周面上における外周面上固定端の固定の態様に特に制限はなく、例えば、粘着テープにより固定されている態様;接着剤により固定されている態様;包装材料の融着により固定されている態様;ゴムバンド等の締め付け部材により固定されている態様;端部の径が端部以外の径よりも小さくなるようにテーパーをつけたコアを用いた場合において、テーパー部とワッシャーの間に外周面上固定端が挟まれている態様などが挙げられるが、包装体内部への水の浸入がより効果的に防止されることから、粘着テープにより固定されている態様および/または接着剤により固定されている態様が好ましく、操作性や経済性の観点から粘着テープにより固定されている態様がより好ましい。粘着テープにより固定されている態様の具体例としては、例えば、両方の突出部のそれぞれにおいて、粘着テープの粘着面が包装材料と突出部の外周面の両方に接するように、当該粘着テープが突出部の外周に沿って巻き付けられている態様が挙げられる。この場合、粘着テープは突出部の外周に沿って1周以上巻き付けられていることが好ましい。
前記の粘着テープとしては、柔軟性、伸縮性に富み、包装材料の端付近を突出部の外周面上に密着させて固定できるものが好ましい。粘着テープとしては、紙粘着テープ類、布粘着テープ類、フィルム粘着テープ類、特殊粘着テープ類などが挙げられ、具体的には、セロハンテープ、クラフト粘着テープ、布粘着テープ、OPP粘着テープ、アルミテープ、ビニールテープ、ポリエステルテープ、ポリエチレンテープ、ポリプロピレンテープ、ポリイミドテープ、ガムテープ、またはこれらを2種類以上組み合わせて加工した複合テープなどを例示することができる。これらのうち、ポリエチレンおよびポリプロピレンの多層構造を有した粘着テープが防水性および耐久性に優れることから特に好ましい。また、粘着テープは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
粘着テープの幅に特に制限はないが、取り扱い性などの観点から、2〜15cmの範囲内であることが好ましく、5〜10cmの範囲内であることがより好ましい。
本発明の包装体は、両方の突出部のそれぞれにおいて、突出部が締め付け部材により、端の少なくとも一部が突出部の外周面上で固定されている上記の包装材料を介して突出部の外周に沿って締め付けられていることが好ましい。締め付け部材により締め付けられることによって、外周面上で包装材料の端がより強固に固定されるとともに、仮に包装材料の端と突出部の外周面の間から水が浸入してきたとしても、ロールに接触するのを抑制することができる。また、包装材料の端を突出部の外周面上で固定する前、さらには絞った包装材料の端部を切り取る前に、締め付け部材による締め付けを予め行っておけば、これらの固定や切り取りの操作が容易になる。各突出部において、締め付け部材は1つのみ使用されていてもよいし、2つ以上使用されていてもよい。
上記の締め付け部材の種類に特に制限はなく結束具と称されるものを使用することができ、例えば、金属またはプラスチック製の結束バンドや、伸縮性バンドが挙げられる。これらのうち、リング状の伸縮性バンドが作業性の観点から好適である。
伸縮性バンドの材質に特に制限はなくゴムの性質を示すものが挙げられ、具体的には、天然ゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。伸縮性バンドの内径は特に限定されないが、締め付けた時の内径が通常時(締め付けていない時)の内径(円形にしたときの内径)と比較して、1.5倍以上であることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、2.5倍以上であることがさらに好ましい。締め付けた時の内径が通常時の内径と比較して1.5倍未満となると、締め付ける力が弱くなる傾向がある。一方、締め付けた時の内径が伸縮性バンドの伸張限界径の95%を超えると、締め付ける力に斑ができたり、わずかな衝撃などで破断したりする傾向があることから、締め付けた時の内径は伸縮性バンドの伸張限界径の95%以下であることが好ましい。
伸縮性バンドの厚みは特に限定されないが、0.5〜3mmの範囲内であることが好ましく、0.7〜2mmの範囲内であることがより好ましく、1〜1.5mmの範囲内であることがさらに好ましい。当該厚みが0.5mm未満であると伸張時にわずかな衝撃などで破断する傾向があり、厚みが3mmを超えると経済性が悪くなる傾向がある。
伸縮性バンドの幅は特に限定されないが、10〜30mmの範囲内であることが好ましく、15〜20mmの範囲内であることがより好ましい。幅が10mm未満であると、伸張時にわずかな衝撃などで破断する傾向があり、幅が30mmを超えると経済性が悪くなる傾向がある。
図3は、包装材料の端が粘着テープにより突出部の外周面上で固定されている包装体の突出部付近の断面の一例を示す概略図である。図3において、円筒状のコア21の突出部の外周面22上で二重巻きにされた包装材料25aおよび25bの端が、粘着テープ26により固定されている。なお、図3では、包装材料を絞った際のたるみ部分(25’aおよび25’b)の端も同じ粘着テープ26により突出部の外周面22上で固定されている。粘着テープ26の粘着面27は包装材料(25bおよび25’b)と、円筒状のコア21の突出部の外周面22の両方に接しているとともに、円筒状のコア21の突出部の外周に沿って巻き付けられている。粘着テープ26は多重巻きにすることができ、図3においては、粘着テープ(一重目)26aと粘着テープ(二重目)26bとが重なった二重巻きの部分を有している。また、図3においては、円筒状のコア21の突出部が締め付け部材28によって、端が突出部の外周面上で固定されている包装材料25aおよび25bを介して突出部の外周に沿って締め付けられている。なお、図3においては、包装体内部であってロール端面に隣接する位置にウレタンワッシャー29が配置されるとともに、包装体外部であってロール端面に隣接する位置にダンボールワッシャー30が配置されている。図3は、1つの包装材料を単独で使用した包装体の例であるが、上述のように2種以上の包装材料を併用してもよい。
本発明の包装体を保管する際の保管条件に特に制限はないが、保管温度としては、−20〜50℃の範囲内であることが好ましく、−10〜40℃の範囲内であることがより好ましく、−5〜30℃の範囲内であることがさらに好ましい。なお、本発明の包装体は、10℃以下(例えば、5℃以下、さらには0℃以下)の低温下に保管された場合であっても、保管後、加工場などに搬入した際に発生することのある結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくいことから、このような低温下で保管される場合において本発明の効果がより顕著に奏される。
保管湿度としては、80%RH以下であることが好ましく、50%RH以下であることがより好ましい。
包装体を保管する際の保管期間にも特に制限はなく、例えば、1日〜1年の範囲内であることが好ましく、2日〜6ヶ月の範囲内であることがより好ましい。
本発明の包装体は、そのコア内部に支持棒を入れた状態で輸送することが好ましい。本発明においては、コア内部に支持棒を入れることができるように、コアの内周面が外気に晒された状態にあったとしても、コアの内周面で発生した結露に由来する水が包装体内部に浸入するのを抑制することができる。
コアの内部に支持棒を入れた状態で包装体を輸送する際には、ホイストクレーン等の輸送機械などによって当該支持棒を持ち上げることにより包装体を輸送することが好ましい。支持棒を持ち上げることで、支持棒の強度によりコアの撓みが発生しにくくなり、コアの撓みによるPVAフィルムの損傷を防止することができるとともに、ハンドリング性も向上する。
以下に本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において採用された、コアの内周面での結露、ロールの外観、および、平均水分率の変化量の各評価または測定方法
を以下に示す。
コアの内周面での結露
コアの内周面での結露を、以下の基準で評価した。
○:結露(水滴)は認められない。
×:結露(水滴)が認められる。
ロールの外観
ロールの外周面を以下の基準で評価した。
◎:吸湿跡が認められない。
○:局所的(ロール外周面の半分未満)に吸湿跡があるが、実用上問題のないレベル。
×:ロール外周面の半分以上に吸湿跡がある。
平均水分率の変化量
測定対象のロールの表層フィルムより、10×10cm四方(1層)のサンプルを幅方向に連続して切り出した。得られたサンプルをそれぞれ125℃の乾燥機に8時間放置して乾燥し、乾燥前後の質量差を乾燥前のサンプルの質量で除すことにより各サンプルの水分率を算出した。次に、得られたサンプルの水分率を平均してロールの平均水分率とした。上記と同様の操作を包装前のロールについても予め行い、測定対象のロールの平均水分率から包装前のロールの平均水分率を差し引くことで平均水分率の変化量を求めた。
[実施例1]
フィルム幅2.8m、厚み75μm、長さ4000mのPVAフィルム(PVAの重合度2400、PVAのけん化度99.9モル%)を、アルミニウム製で、長さ3.1m、外径153mm、肉厚7mmの円筒状のコアの中央部に巻き取ってロールとした。このロールの質量は1.2tであった。
次いで、ポリエチレンテレフタレートにアルミニウムを蒸着させた積層フィルム(厚み12μm、水蒸気透過度1.5g/m/24h。以下、「蒸着フィルム」と略称することがある。)をロールの外周に沿って二重巻きにし、コアの長さ方向に略平行な端部を紙テープで固定して筒状にした。さらにその上から、高密度ポリエチレンフィルム(厚み20μm)をロールの外周に沿って二重巻きにし、コアの長さ方向に略平行な端部を紙テープで固定して筒状にした。次に、各ロール端面に隣接するように1組のウレタンワッシャーを配置し、その後、両方のロール端面からコアの長さ方向に外側にはみ出した蒸着フィルムおよび高密度ポリエチレンフィルムをまとめて絞り、生じたたるみ部分の端が各突出部の外周に沿うように折り曲げ、さらに、コアの各突出部をリング状のゴムバンド(通常時の内径76mm、厚み1.1mm、幅18mm)により蒸着フィルムおよび高密度ポリエチレンフィルムを介して突出部の外周に沿って締め付けた。その後、たるみ部分の端も含めて蒸着フィルムおよび高密度ポリエチレンフィルムの端を粘着テープ(ポリエチレンおよびポリプロピレンの多層構造を有した粘着テープ;幅5cm)により各突出部の外周面上で固定し、PVAフィルムを密封した。この際に、粘着テープの接着面が高密度ポリエチレンフィルムと突出部の外周面の両方に接するように、粘着テープを各突出部の外周に沿って巻き付けた。さらに、各ロール端面に隣接する位置に高密度ポリエチレンフィルムの上から1組のダンボールワッシャーを配置し、包装体とした。
上記のようにして得られた包装体を−5℃、10%RHの雰囲気下で3日間保管した後、20℃、40%RHの雰囲気下に移動し、3時間放置後、上記の方法により、コアの内周面での結露評価を行った。
次に、大量の結露が発生した場合を想定し、円筒状のコアの内部に100mlの水を流し、輸送時の揺れを想定した揺れを与えた。そして、開封時に水がPVAフィルムに接触しないようにコアの端部付近の水を拭き取った後、包装体を開封し、上記の方法により、ロールの外観評価および平均水分率の変化量測定を行った。結果を表1に示した。
比較例3
実施例1において、ゴムバンドによる締め付けを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして包装体を得た。
この包装体について、実施例1と同様にして、コアの内周面での結露、ロールの外観、および、平均水分率の変化量の各評価または測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、包装材料の端を粘着テープで固定しなかったこと以外は実施例1と同様にして包装体を得た。
この包装体について、実施例1と同様にして、コアの内周面での結露、ロールの外観、および、平均水分率の変化量の各評価または測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1において、包装材料の端を粘着テープで固定することも、ゴムバンドによる締め付けを行うこともせずに、幅方向に余った包装材料をコア内部に押し込んだこと以外は実施例1と同様にして包装体を得た。
この包装体について、実施例1と同様にして、コアの内周面での結露、ロールの外観、および、平均水分率の変化量の各評価または測定を行った。結果を表1に示した。
Figure 0006220995
本発明によれば、円筒状のコアの内周面など、包装体の表面で結露が発生した場合であっても、結露に由来する水が包装体内部に浸入しにくいため、結露が発生しやすいような環境下、例えば、温度変化の激しい航空機や船舶等での輸送条件下や、低温に晒される倉庫に保管後の使用環境下などにおいても、PVAフィルムの品質を維持することができる。
1 ロール
2、21 円筒状のコア
3、24 PVAフィルム
4 コアの端部
5、12 ロール端面
6、13 突出部
7、22 突出部の外周面
8、23 突出部の内周面
11 シート状の包装材料
14 コアの長さ方向に略平行な端部
15 はみ出した部分
25a 包装材料(一重目)
25b 包装材料(二重目)
25’a 包装材料(一重目)のたるみ部分
25’b 包装材料(二重目)のたるみ部分
26 粘着テープ
26a 粘着テープ(一重目)
26b 粘着テープ(二重目)
27 粘着テープの粘着面
28 締め付け部材
29 ウレタンワッシャー
30 ダンボールワッシャー

Claims (4)

  1. 円筒状のコアにポリビニルアルコール系重合体フィルムが巻き取られてなるロールを包装材料で包装してなる包装体の保管方法であって
    前記ポリビニルアルコール系重合体フィルムの幅が2.1m以上であり、
    前記コアの表面の少なくとも一部の材質が金属および/またはプラスチックであり、
    前記ロールの質量が0.5t以上であり、
    前記コアの両端部がロール端面から突出する突出部を形成しており、前記包装材料の端の少なくとも一部が前記突出部の外周面上で固定されており、
    両方の前記突出部のそれぞれにおいて、粘着テープの粘着面が包装材料と突出部の外周面の両方に接するように、粘着テープが突出部の外周に沿って巻き付けられており、
    両方の前記突出部のそれぞれにおいて、突出部が締め付け部材により、端の少なくとも一部が突出部の外周面上で固定されている前記包装材料を介して突出部の外周に沿って締め付けられており、かつ
    前記コアの内周面が外気に晒されている包装体を10℃以下で保管する、包装体の保管方法
  2. 両方の前記突出部のそれぞれにおいて、突出部の外周面上で固定された前記包装材料の端が突出部の外周を略連続的に周回している、請求項に記載の保管方法
  3. 前記包装材料が、水蒸気透過度5g/m/24h以下のフィルムである、請求項1または2に記載の保管方法
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の保管方法で保管された包装体の前記コア内部に支持棒を入れた状態で包装体を輸送する、包装体の輸送方法。
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