JP2006264813A - ウエブの表裏反転装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センタリングのための制御装置を必要とせずにローラとターンバーとの組み合せだけのシンプルな構成でウエブの蛇行や片寄りを防止することができる。
【解決手段】表裏反転装置24の入口位置に水平配置された入口ローラ38と、表裏反転装置24の出口位置に水平配置された出口ローラ40と、入口ローラ38に対して45度傾斜するように水平配置され、入口ローラ38からのウエブ32がバー本体42Aの表面に斜めに巻き掛けられることによりウエブを90度捻じって中間ローラ44に送る第1ターンバー42と、第1ターンバー42に対して90度交差するように水平配置され、中間ローラ44からのウエブ32がバー本体46Aの表面に斜めに巻き掛けられることによりウエブを90度捻じって出口ローラ40に送る第2ターンバー46と、を備え、入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力が中間ローラ44のウエブ保持力よりも大きくなるように構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】表裏反転装置24の入口位置に水平配置された入口ローラ38と、表裏反転装置24の出口位置に水平配置された出口ローラ40と、入口ローラ38に対して45度傾斜するように水平配置され、入口ローラ38からのウエブ32がバー本体42Aの表面に斜めに巻き掛けられることによりウエブを90度捻じって中間ローラ44に送る第1ターンバー42と、第1ターンバー42に対して90度交差するように水平配置され、中間ローラ44からのウエブ32がバー本体46Aの表面に斜めに巻き掛けられることによりウエブを90度捻じって出口ローラ40に送る第2ターンバー46と、を備え、入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力が中間ローラ44のウエブ保持力よりも大きくなるように構成される。
【選択図】 図2
Description
本発明はウエブの表裏反転装置に係り、特に平版印刷版の製造ラインにおいて記録層が塗布されたウエブの表面と裏面とをローラに接触させることなく表裏反転するためのウエブの表裏反転装置に関する。
平版印刷版の製造ラインでは、帯状のアルミニウム製の薄板を砂目立てしたウエブ上に、塗布装置で感光層又は感熱層等の記録層を塗設して帯状の平版印刷版原反を製造する。そして、この平版印刷版原反を所定の大きさに裁断することにより平版印刷版を製造する。この平版印刷版の製造ラインでは、ウエブの搬送は多数のパスローラを使用してローラ搬送することが一般的である。この場合、塗布面がパスローラに接触すると塗布面に傷がつくので、塗布面の反対面をパスローラに接触するようにして搬送する。
しかし、上記したように、塗布装置でウエブに塗布する場合には、ウエブ面の下面に記録層が塗布される為、そのまま搬送したのでは塗布面がロールに接触し、接触摩擦やスリップ等により塗布面に傷等の品質故障が起き易い。従って、塗布後はウエブの表裏を反転させて塗布面がロールに接触しないようにする必要があり、通常はパスローラを配置するパスラインを大きく曲げて対応しているが、パスラインを大きく曲げるためには大きなスペースや多数のパスローラを必要とする。このことから、パスラインを大きく曲げることのできるユニット方式のウエブの表裏反転装置が必要になる。また、塗布によるウエブの表裏反転の他にも、製造ラインを短くするためにウエブの表裏反転が必要になる場合も多々ある。
例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、ターンバーを用いることでウエブを浮上搬送させながらウエブの進行方向を非接触で変更する装置が紹介されており、進行方向を変更する際にウエブの表裏が反転する。これらの装置は、搬送されるウエブをターンバーに斜めに巻き掛けてウエブを90度捻じることでウエブの進行方向を変更するものである。しかし、ターンバーを利用したウエブの表裏反転の場合、ウエブはターンバーの表面から浮上した状態であるためにウエブ幅方向の拘束がなく、しかもウエブが捻じるように搬送されることから、ウエブの蛇行や片寄りが発生し易い。
このウエブの蛇行や片寄りに対する対策として、特許文献1では可動式のサイドプレートを設け、サイドプレートがウエブ幅方向の風漏れを抑制することによるセンタリング効果を利用することでウエブの蛇行を抑制している。特許文献2では、ウエブのエッジ検出を行い、ターンバー内部に設けた遮風板を制御する方法で対応している。また、特許文献3では、センタポジション制御装置を用い、ウエブそのものの位置を制御している。
特開平4−55254号公報
特開平9−295732号公報
特開平10−72156号公報
しかしながら、特許文献1〜3の何れの装置も、ウエブの蛇行や片寄りを防止するためにセンタリングのための複雑な制御装置を必要とする。従って、設備コストのアップ、設備の複雑化による保守コストの増大を招くという問題があり、センタリングのための制御装置がなくてもローラとターンバーとの組み合せだけのシンプルな構成でウエブの蛇行や片寄りを防止することが望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ターンバーを用いてウエブを非接触で表裏反転する際に、センタリングのための特別な装置を用いなくてもローラとターンバーとの組み合せだけのシンプルな構成でウエブの蛇行や片寄りを防止することができるウエブの表裏反転装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、搬送されるウエブの表面と裏面とを反転するウエブの表裏反転装置であって、前記表裏反転装置の入口位置に水平配置された入口ローラと、前記表裏反転装置の出口位置に水平配置された出口ローラと、前記ウエブが前記入口ローラから前記出口ローラに至るウエブ搬送途中に前記ウエブの表面と裏面とを反転可能に配置され、バー本体表面の吹出孔から吹き出す気体で搬送されるウエブを浮上搬送させる少なくとも2基のターンバーと、前記ターンバー同士間のウエブ搬送途中に水平配置された中間ローラと、を備え、前記入口及び出口ローラのウエブ保持力が前記中間ローラのウエブ保持力よりも大きいことを特徴とするウエブの表裏反転装置を提供する。
本発明の請求項1によれば、入口及び出口ローラのウエブ保持力が中間ローラのウエブ保持力よりも大きいと共に、ターンバーはエアーによる浮上搬送でウエブ保持力は略ゼロである。これにより、入口ローラから出口ローラに至るウエブの搬送において、ウエブがウエブ幅方向へスリップするのを防止する拘束力は入口ローラと出口ローラとによって支配され、入口ローラから出口ローラに至る途中にはウエブ幅方向の拘束力が殆ど働かない。従って、運転開始前に、入口ローラと出口ローラのセンター位置にウエブを位置合わせしておけば、ターンバーを用いてウエブを浮上搬送させながら非接触でウエブの表裏を反転するようにしても、ウエブの蛇行や片寄りが発生することがない。
このように、ローラとターンバーとを組み合わせた表裏反転装置の装置全体にウエブ搬送のセンタリング効果を持たせることにより、シンプルな構成でウエブの蛇行や片寄りを効果的に防止することができる。
請求項2は請求項1において、前記ターンバーは、前記入口ローラに対して45度傾斜するように水平配置され、前記入口ローラからのウエブが前記バー本体表面に斜めに巻き掛けられることにより前記ウエブを90度捻じって前記中間ローラに送る第1ターンバーと、前記第1ターンバーに対して90度で交差するように水平配置され、前記中間ローラからのウエブが前記バー本体表面に斜めに巻き掛けられることにより前記ウエブをを90度捻じって前記出口ローラに送る第2ターンバーと、から成ることを特徴とする。
請求項2は、少なくとも2基設けられるターンバーの好ましい一例を、入口ローラ、中間ローラ、出口ローラとの関係で示したものである。
請求項3は請求項1又は2において、前記入口ローラと前記出口ローラは、ローラ表面に凹凸パターンが形成された凹凸ローラ、ローラ表面に多数の吸引孔が形成されたサクションローラ、ローラ表面に高摩擦係数を有する素材を使用した高摩擦ローラの何れかであると共に、前記中間ローラはローラ表面が平滑な平滑ローラであることを特徴とする。
請求項3は、入口及び出口ローラのウエブ保持力が中間ローラのウエブ保持力よりも大きくなるための好ましいローラの種類の組み合わせを示したものである。即ち、入口ローラと出口ローラを、ローラ表面に凹凸パターンが形成された凹凸ローラ、サクションローラ、少なくともローラ表面に高摩擦係数を有する素材を使用した高摩擦ローラの何れかで構成し、中間ローラを平滑ローラで構成することにより、入口及び出口ローラのウエブ保持力を中間ローラのウエブ保持力よりも大きくすることができる。尚、凹凸ローラは、例えば表面に多数の窪みが形成されたディンプルローラや溝付きローラを好適に使用することができる。溝付きローラの溝は、ウエブ幅方向への拘束力を大きくするために、ローラ周方向にリング状の溝を多数形成することが好ましい。また、高摩擦ローラのローラ表面の材質としては、例えば軟質ゴム等を使用できる。
請求項4は請求項1又は2において、前記入口ローラと前記出口ローラは、ローラ表面が平滑な平滑ローラであると共に前記中間ローラはターンバーであることを特徴とする。
請求項4は入口及び出口ローラのウエブ保持力が中間ローラのウエブ保持力よりも大きなるための好ましいローラの組み合わせの別態様を示したものである。即ち、入口ローラと出口ローラを平滑ローラで構成しても、中間ローラをウエブ保持力が略ゼロのターンバーで構成すれば、入口及び出口ローラのウエブ保持力を中間ローラのウエブ保持力よりも大きくできる。
以上説明したように本発明に係るウエブの表裏反転装置によれば、ターンバーを用いてウエブを非接触で表裏反転する際に、センタリングのための特別な装置を必要とせずにローラとターンバーとの組み合せだけのシンプルな構成でウエブの蛇行や片寄りを防止することができる。
従って、本発明に係るウエブの表裏反転装置を採用することにより、設備コストを削減でき、設備の複雑化による保守コストの増大も招かない。
以下添付図面に従って、本発明に係るウエブの表裏反転装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明のウエブの表裏反転装置を組み込んだ平版印刷版原反の製造ライン10の一例である。従って、本発明のウエブの表裏反転装置は平版印刷版用原反の製造ライン10に組み込むことに限定するものではない。
図1に示すように、平版印刷版用原反の製造ライン10は、主として、表面処理装置12と、水洗装置14と、第1塗布装置16と、第1乾燥装置18と、第2塗布装置20と、第2乾燥装置22とを備え、第1乾燥装置18と第2塗布装置20との間にウエブの表裏反転装置24が設けられる。尚、図1における符号28、30はダンサーローラ機構である。
ウエブ32(例えば長尺状のアルミニウム)は、送出機34にロール状に巻回された状態でセットされる。この送出機34から連続的に送り出されたウエブ32は、表面処理装置12において表面処理が施される。表面処理が施されたウエブ32は、水洗装置14において洗浄された後、第1塗布装置16に送られてウエブの下面に感光層又は感熱層等の記録層(塗布面)が塗設される。記録層が塗布されたウエブ32は第1乾燥装置18に送られて、記録層が乾燥される。第1乾燥装置18で記録層が乾燥されたウエブ32は、第2塗布装置20で記録層の上に保護層が塗設される。この第1乾燥装置18から第2塗布装置20に搬送される途中で表裏反転装置24によりウエブ32の表裏を反転する。これは、第1塗布装置18で塗布された脆弱な記録層の上に第2塗布装置20で強固な保護層を塗布する前に、記録層をパスローラ等に接触させないためである。従って、第1塗布装置16で塗布されて第1乾燥装置18で乾燥されたウエブ32は第1表裏反転装置24によってウエブ32の表裏を反転し、記録層が上を向くようにして第2塗布装置20に送られる。そして、第2乾燥装置22で保護層が乾燥された後、巻取装置36に巻き取られる。
本発明に用いられるウエブ32は、寸度的に安定なアルミニウム又はその合金(例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルとの合金)を用いることができる。通常は、アルミニウムハンドブック第4版(1990、軽金属協会発行)に記載の従来公知の素材、例えば、JIS A l050材、JIS A ll00材、JIS A 3103材、JIS A 3004材、JIS A 3005材または引っ張り強度を増す目的でこれらに0.1wt%以上のマグネシウムを添加した合金を用いることができる。
表面処理装置12での表面処理としては、例えばウエブ32がアルミニウム板の場合、その表面を目的に応じて各種処理を施すのが通例である。一般的な処理方法としてはアルミニウム板を先ず脱脂または電解研磨処理とデスマット処理によりアルミ表面の清浄化を行う。その後に機械的粗面化処理又は/及び電気化学的粗面化処理を施しアルミニウム板の表面に微細な凹凸を付与する。尚、この時に更に化学的エッチング処理とデスマット処理を加える場合もある。その後、アルミニウム板表面の耐摩耗を高める為に陽極酸化処理が施され、その後アルミニウム表面は必要に応じて親水化処理または/及び封孔処理が行われる。
次に、図2及び図3により、本発明のウエブの表裏反転装置24について説明する。図2及び図3は表裏反転装置24を上から見た図である。また、図2は後記する中間ローラとしてローラ表面が平滑な平滑ローラを用いた場合であり、図3は中間ローラとしてターンバーを用いた場合である。
図2に示すように、表裏反転装置24は、主として、表裏反転装置24の入口位置に水平配置された入口ローラ38と、表裏反転装置24の出口位置に水平配置された出口ローラ40と、入口ローラ38に対して45度傾斜するように水平配置され、入口ローラ38からのウエブ32がバー本体42Aの表面に斜めに巻き掛けられることによりウエブを90度捻じって中間ローラ44に送る第1ターンバー42と、第1ターンバー42に対して90度交差するように水平配置され、中間ローラ44からのウエブ32がバー本体46Aの表面に斜めに巻き掛けられることによりウエブを90度捻じって出口ローラ40に送る第2ターンバー46と、を備え、入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力が中間ローラ44のウエブ保持力よりも大きくなるように構成される。尚、入口ローラ38、出口ローラ40、第1ターンバー42、中間ローラ44、及び第2ターンバー46が配置される水平面は互いに平行な関係を有する。また、ターンバー42、46は回転することはなく固定状態で設けられ、入口ローラ38と出口ローラ40はウエブ32の搬送速度と同速度で回転する。また、中間ローラ44は、中間ローラ44が図3のようにターンバー以外の平滑ローラ等の場合には回転する。
図4はターンバー42、46の一例を示すもので、第1ターンバー42の例で説明する。
第1ターンバー42は、中空の箱体で、長手方向の両端部に設けられた側面42aは半円形状の半円形部42Aと矩形状の矩形部42Bとで構成される。そして、一方の側面42aの周縁部から他方の側面42aの周縁部へU字状に湾曲したU字状板材42C、該U字状板材42Cの開口部を塞ぐ底板42Dが延出している。U字状板材42Cの全表面のうち、斜めに巻き掛けられるウエブ32の幅よりも少し広い表面部分が噴出面42Eとされ、噴出面42Eには噴出口42Hが縦横に所定のピッチで形成される。
また、第1ターンバー42の長手方向の両端部には、第1ターンバー42の中に(図中矢印A方向)に空気を供給するエアダクト42Kが設けられており、エアダクト42Kから供給された空気が噴出口42Hから噴射されることにより、第1ターンバー42に巻き掛けられたウエブ32は浮上されて非接触で搬送される。第1ターンバー42によりウエブ32を安定して浮上搬送させるには、噴出面42Eの開口率(噴出面全体の総面積に対する噴出口42Hの合計面積)を0.2〜1.2%の範囲内に設定することが好ましく、より好ましい範囲は0.3〜1.0%である。また、第1ターンバー42の内部の静圧は6〜30kPasの範囲が好ましく、より好ましい範囲は8〜20kPasの範囲である。更に、噴出面42Eから吹き出す空気量は80〜200m3 /分の範囲が好ましく、より好ましい範囲は100〜150m3 /分の範囲である。尚、第1ターンバー42に空気を供給することで説明したが、空気に限定することはなく、例えば窒素ガス等のような安全なガスであれば使用することができる。
入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力が中間ローラ44のウエブ保持力よりも大きくなるためのローラの種類の組み合わせとしては、次のような組み合わせが好ましい。
即ち、図2のように中間ローラ44として平滑ローラを用いる場合には、入口ローラ38と出口ローラ40とを、ローラ表面に凹凸パターンが形成された凹凸ローラ、ローラ表面に多数の吸引孔が形成されたサクションローラ、ローラ表面に高摩擦係数の素材を使用した高摩擦ローラの何れかで構成する。凹凸ローラは、例えば表面に多数の窪み(凹部)が形成されたディンプルローラや溝付きローラを好適に使用することができる。図5に示すように、溝付きローラ38' 、40' は、ウエブ幅方向への拘束力を大きくするために、ローラの周方向にリング状の溝38' A、40' Aを多数形成することが好ましい。高摩擦ローラとしては軟質ゴム等を使用できる。
また、図3のように、中間ローラ44として上記図4で説明したと同様のターンバーを用いる場合には、入口ローラ38と出口ローラ40をローラ表面が平滑な平滑ローラで構成することができる。但し、中間ローラ44としてターンバーを用いる場合であっても、入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力と、中間ローラ44のウエブ保持力との保持力差を大きくする必要がある場合には、入口及び出口ローラ38、40に凹凸ローラ、サクションローラ、高摩擦ローラを使用することが好ましい。要は、ウエブ32の蛇行や片寄りが発生しないように、入口及び出口ローラ38、40と中間ローラ44との保持力差の関係を設定してやればよい。
ここで、ウエブ32の蛇行や片寄りは、ローラがウエブ32を保持するウエブ保持力が小さいことにより、ウエブ32がローラ表面でウエブ幅方向にスリップすることにより発生する。従って、ローラのウエブ保持力を次のような測定方法で測定し、ローラの種類ごとに定量化しておくと便利である。ウエブ保持力を測定する方法としては、例えば、ローラの回転軸にパウダーブレーキを取り付けておき、そのローラに一定のラップ角度で巻き掛けたウエブ32を一定のテンションで搬送したときのローラの回転トルクを測定する。そして、ローラの種類ごとに測定した回転トルクを摩擦力に換算し、ローラの種類と摩擦力との関係を定量化しておくとよい。
また、入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力と、中間ローラ44のウエブ保持力とのウエブ保持力差をどの程度にするかは、ウエブの材質、ウエブ表面状態、ウエブ幅等のウエブ種類により異なるので、予め試験運転等を実施して、ウエブ種類ごとにウエブの蛇行や片寄りが生じないウエブ保持力差を上記した測定方法で測定しておくと便利である。
次に、上記の如く構成した表裏反転装置24により、ウエブを表裏反転する方法を図2の表裏反転装置を用いて例で説明する。尚、図2においてウエブ32の黒色面が記録層が塗設された表面(塗布面)とし、白色面が裏面として説明する。
先ず、図1に示した第1塗布装置16で記録層が塗布されて第1乾燥装置18で乾燥されたウエブ32は、表裏反転装置24の入口位置に設けられた入口ローラ38に裏面が接触するように巻き掛けられ、ウエブ32の裏面が上になった状態で第1ターンバー42に送られる。尚、ウエブ32は入口ローラ38の上方(図2の表面側)から搬送されてきて、入口ローラ38に巻き掛けられる。
次に、ウエブ32は第1ターンバー42に表面(塗布面)が面するようにして斜めに巻き掛けられて90度捻じられる。これにより、ウエブ32は入口ローラ38から第1ターンバー42へのウエブ搬送方向に対して90度搬送方向を変えると同時に表面(塗布面)と裏面とが反転し、表面(塗布面)が上になった状態で中間ローラ44に送られる。
次に、ウエブ32は中間ローラ44に裏面が接触するように巻き掛けられて第1ターンバー42から中間ローラ44へのウエブ搬送方向に対して180度搬送方向を変えると同時に裏面が上になった状態で第2ターンバー46に送られる。
次に、ウエブ32は第2ターンバー46に表面(塗布面)が面するようにして斜めに巻き掛けられて90度捻じられる。これにより、中間ローラ44から第2ターンバー46へのウエブ搬送方向に対して90度搬送方向を変えると同時に表面(塗布面)と裏面とが反転し、表面(塗布面)が上になった状態で出口ローラ40に送られる。出口ローラ40では、ウエブ32は裏面が接触するように巻き掛けられて、表面(塗布面)が上を向いた状態で第1乾燥装置18に送られる。ウエブ32は出口ローラ40の下方(図2の裏面側)に搬送されていく。
これにより、ウエブ32の表面(塗布面)を、入口、出口、中間の各ローラ38、40、44や第1及び第2のターンバー42、46に接触させることなくウエブ32の表裏を反転させることができる。尚、表裏反転装置24の中間ローラ44がターンバーの場合には、ウエブ32が中間ローラ44に接触せずに浮上搬送される違いがある以外は上記と同様にウエブ32の表裏を反転することができる。
かかるウエブ32の表裏反転において、入口及び出口ローラ38、40のウエブ保持力が中間ローラ44のウエブ保持力よりも大きいと共に、ターンバー42、46はエアーによる浮上搬送でウエブ保持力は略ゼロである。これにより、入口ローラ38から出口ローラ40に至るウエブ32の搬送において、ウエブ32がウエブ幅方向へスリップするのを防止する拘束力は入口ローラ38と出口ローラ40とが支配し、他の中間ローラ44や第1及び第2ターンバー42、46にはウエブ幅方向の拘束力が働かない。従って、入口ローラ38及び出口ローラ40に対するウエブ32の巻き掛け位置をセンタリング位置に位置決めしておけば、ターンバー42、46でウエブ32を表裏反転するためにウエブ32をターンバー42、46に斜めに巻き掛けてウエブ32を捻じるようにしても、ウエブ32の蛇行や片寄りが発生することがない。
尚、本実施の形態では、2基のターンバーを用いた例で説明したが、3基以上のターンバー42、46をウエブの表裏反転が可能なように配置してもよい。3基のターンバーを用いた場合には、ターンバー同士の間の搬送途中に中間ローラ44を配置するので、中間ローラ44は2基になる。
次に、本発明のウエブの表裏反転装置を用いた実施例を説明するが、この実施例に限定するものではない。
ウエブ32としては厚み0.5mm、幅1000mmのアルミニウム製のものを使用した。また、ライン速度(ウエブの搬送速度)は、100m/分とし、ウエブ32の長手方向に1000N/m(ウエブ幅)のテンションをかけてウエブ32を搬送した。かかる条件は、以下の実施例1、実施例2、及び比較例ともに同様である。
(実施例1)
図2で説明した表裏反転装置を用いて、ウエブ32の表裏反転を行った。このときの入口ローラ38と出口ローラ40はディンプルローラを使用し、中間ローラ44はローラ表面にハードクロムメッキした平滑ローラを使用した。
(実施例2)
図3で説明した表裏反転装置を用いて、ウエブ32の表裏反転を行った。このときの入口ローラ38と出口ローラ40はローラ表面にハードクロムメッキした平滑ローラを使用し、中間ローラ44はターンバーを使用した。
(比較例)
入口ローラ38、出口ローラ40、中間ローラ44ともにローラ表面にハードクロムメッキした平滑ローラを使用して、ウエブ32の表裏反転を行った。
(実施例1)
図2で説明した表裏反転装置を用いて、ウエブ32の表裏反転を行った。このときの入口ローラ38と出口ローラ40はディンプルローラを使用し、中間ローラ44はローラ表面にハードクロムメッキした平滑ローラを使用した。
(実施例2)
図3で説明した表裏反転装置を用いて、ウエブ32の表裏反転を行った。このときの入口ローラ38と出口ローラ40はローラ表面にハードクロムメッキした平滑ローラを使用し、中間ローラ44はターンバーを使用した。
(比較例)
入口ローラ38、出口ローラ40、中間ローラ44ともにローラ表面にハードクロムメッキした平滑ローラを使用して、ウエブ32の表裏反転を行った。
その結果、比較例では、ウエブ32の幅方向への蛇行量が5mmであったのに対し、実施例1では蛇行量が1mmに減少し、実施例2では蛇行量は0(ゼロ)であり、全く蛇行しなかった。
10…平版印刷版の製造ライン、12…表面処理装置、14…洗浄装置、16…第1塗布装置、、18…第1乾燥装置、20…第2塗布装置、22…第2乾燥装置、24…表裏反転装置、28、30…ダンサーローラ機構、32…ウエブ、34…送出機、36…巻取機、38…入口ローラ、40…出口ローラ、42…第1ターンバー、44…中間ローラ、46…第2ターンバー
Claims (4)
- 搬送されるウエブの表面と裏面とを反転するウエブの表裏反転装置であって、
前記表裏反転装置の入口位置に水平配置された入口ローラと、
前記表裏反転装置の出口位置に水平配置された出口ローラと、
前記ウエブが前記入口ローラから前記出口ローラに至るウエブ搬送途中に前記ウエブの表面と裏面とを反転可能に配置され、バー本体表面の吹出孔から吹き出す気体で搬送されるウエブを浮上搬送させる少なくとも2基のターンバーと、
前記ターンバー同士間のウエブ搬送途中に水平配置された中間ローラと、を備え、前記入口及び出口のローラのウエブ保持力が前記中間ローラのウエブ保持力よりも大きいことを特徴とするウエブの表裏反転装置。 - 前記ターンバーは、
前記入口ローラに対して45度傾斜するように水平配置され、前記入口ローラからのウエブが前記バー本体表面に斜めに巻き掛けられることにより前記ウエブを90度捻じって前記中間ローラに送る第1ターンバーと、
前記第1ターンバーに対して90度で交差するように水平配置され、前記中間ローラからのウエブが前記バー本体表面に斜めに巻き掛けられることにより前記ウエブをを90度捻じって前記出口ローラに送る第2ターンバーと、から成ることを特徴とする請求項1のウエブの表裏反転装置。 - 前記入口ローラと前記出口ローラは、ローラ表面に凹凸パターンが形成された凹凸ローラ、ローラ表面に多数の吸引孔が形成されたサクションローラ、ローラ表面に高摩擦係数を有する素材を使用した高摩擦ローラの何れかであると共に、前記中間ローラはローラ表面が平滑な平滑ローラであることを特徴とする請求項1又は2のウエブの表裏反転装置。
- 前記入口ローラと前記出口ローラは、ローラ表面が平滑な平滑ローラであると共に前記中間ローラはターンバーであることを特徴とする請求項1又は2のウエブ表裏反転装置。
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