JP2003014723A - オゾン検知用材料およびオゾン検知方法 - Google Patents

オゾン検知用材料およびオゾン検知方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し測定あるいは連続測定が可能なオゾ
ン検知用材料とオゾン検知方法、および、オゾン検知記
録を一定期間保持できる1回限りの測定が可能なオゾン
検知用材料とオゾン検知方法を提供する。 【解決手段】 アニリン、2位にハロゲン置換基を有す
るアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、
4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数
1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジン
およびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なく
とも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン
検知用材料。このオゾン検知用材料を、オゾンを含む気
体と接触させ、その際のオゾン検知用材料の光吸収率お
よび/または電気伝導度を測定することを特徴とするオ
ゾン検知方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体中の微量のオ
ゾンの検知用材料およびオゾンの検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気等の気体中に含まれる微量のオゾン
の存在とその濃度を検知することは、産業上、環境上の
問題に関連して重要である。最近、空気等の気体中に含
まれるオゾンの検知用材料と検知方法の開発への要望が
高まっている。なぜなら、オゾンは、自己分解すれば有
害物質を残さないクリーンな酸化剤として、水や空気の
殺菌剤や脱臭剤、また、半導体製造産業におけるクリー
ニング剤として、最近、利用が拡大しているが、自己分
解する前のオゾン自体は、微量でも人体に有害であるか
らである。
【0003】しかしながら、病院等で使用されるような
小型の低濃度オゾン発生装置には、従来、多くの場合、
オゾン濃度モニター等が付属していなかった。その理由
は、従来のオゾン検知装置が大型で高価であったからで
ある。そのため、小型で安価に製造可能なオゾン検知装
置が要望されている。そして、そのようなオゾン検知装
置に応用可能な安価で高感度なオゾン検知用材料と、装
置の小型化が可能で簡便なオゾン検知方法が要望されて
いる。
【0004】従来、空気等の気体中に含まれる微量のオ
ゾンを検知するための材料およびオゾン検知方法として
は、例えば、(1)オゾン固有の紫外波長域での光吸収
を利用して検知する方法、(2)インジゴ色素等の色素
の可視光吸収が、色素とオゾンの反応によって不可逆的
に変化することを利用して検知する方法、(3)化学発
光を利用して検知する方法、(4)加熱状態での酸化イ
ンジウム等の電気伝導度が、オゾンの存在下で可逆的に
変化することを利用して検知する方法等が知られてい
る。
【0005】しかしながら、これらの従来方法において
は、以下のような問題がある。すなわち、(1)の方法
では、オゾンによる非常に微小な光吸収変化を検出する
必要があるため、長い光路長のガスセルと高価な高精度
光検出器および光源を要し、装置が大型で高価なものに
なる。(2)の方法では、オゾンによる色素の光吸収変
化が不可逆であるので、1度限りのオゾン検知にしか利
用できず、連続的なオゾン検知には利用できない。
(3)の方法では、化学発光を生じさせる操作が測定の
度毎に必要であるので、連続的なオゾン検知には利用で
きない。(4)の方法では、オゾン検知用材料である酸
化インジウム等を常時高温に加熱しておく必要があるた
め、作動に要する消費エネルギーが大きく、また、オゾ
ン検知用材料、電極、ヒーター、電圧印加装置、電圧・
電流計、安定化回路等からなる装置は、かなり複雑で高
価なものとなる。
【0006】そのため、構造が簡単で安価に製造可能な
小型オゾン検知装置のためのオゾン検知用材料とオゾン
検知方法が要望されている。検知したオゾン濃度の表示
は概略的な濃度域の表示であっても、例えば、多数のセ
ンサを各小型オゾン発生装置やオゾンパイプラインの各
部に設置しておき、発生装置やパイプラインからの比較
的高濃度のオゾンの漏洩を迅速に検知でき、簡単・安価
に提供可能な、ある程度の繰り返し測定あるいは連続測
定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法、およ
び、オゾン検知記録を一定期間保持できる1回限りの測
定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法が要望さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑み、構造が簡単で安価に製造可能な小型オゾン検知
装置のための、ある程度の繰り返し測定あるいは連続測
定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法、およ
び、オゾン検知記録を一定期間保持できる1回限りの測
定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するためになされたものである。本発明は、下記に
示すとおりのオゾン検知用材料およびオゾン検知方法を
提供するものである。 項1. アニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニ
リン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位に
ハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3
のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよび
ジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1
種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン検知用
材料。 項2. アニリン、2−ブロモアニリン、2−クロロア
ニリン、3−ブロモアニリン、3−クロロアニリン、4
−ブロモアニリン、4−クロロアニリン、N−メチルア
ニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、
o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンおよ
びジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも
1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン検知
用材料。 項3. 透明基板上、導波路上、光ファイバー表面また
は電極上に薄膜状に形成されることを特徴とする項1ま
たは2に記載のオゾン検知用材料。 項4. 項1に記載の重合体と、導電性炭素微粉末、半
導体性金属酸化物および半導体性高分子材料からなる群
より選ばれる少なくとも1種の添加成分とを含有し、重
合体中の単量体単位数と、導電性炭素微粉末における炭
素原子数、半導体性金属酸化物における非酸素原子数お
よび半導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数
との比が、1:0.01〜1:1の範囲にある項1に記
載のオゾン検知用材料。 項5. 添加成分が、導電性炭素微粉末である項4に記
載のオゾン検知用材料。 項6. 半導体性金属酸化物が、酸化スズ、酸化インジ
ウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸
化鉄、酸化ニッケル、酸化銅および酸化タングステンか
らなる群より選ばれる項4に記載のオゾン検知用材料。 項7. 半導体性高分子材料が、ポリピロール、ポリチ
オフェン、ポリパラフェニレン、ポリアルキルピロー
ル、ポリアルキルチオフェン、オリゴピロールおよびオ
リゴチオフェンからなる群より選ばれる項4に記載のオ
ゾン検知用材料。 項8. 項1〜7のいずれかに記載のオゾン検知用材料
を、オゾンを含む気体と接触させ、その際のオゾン検知
用材料の光吸収率を測定することを特徴とするオゾン検
知方法。 項9. 項1〜7のいずれかに記載のオゾン検知用材料
を、オゾンを含む気体と接触させ、その際のオゾン検知
用材料の電気伝導度を測定することを特徴とするオゾン
検知方法。
【0009】本発明のオゾン検知用材料は、安価な原料
から容易かつ簡便に製造することができ、オゾンを含ま
ない空気等の気体中においては、長期安定性、化学的安
定性、機械的強度にも優れるという利点を有している。
【0010】本発明のオゾン検知方法において、オゾン
検知用材料と接触させる気体としては、特に限定され
ず、オゾンが種々の濃度で混和・存在できるような気体
であれば良く、空気、Ar、He、CO2等、およびこ
れらの混合物が例示される。また、これらの気体の湿度
は特に限定されず、乾燥状態の気体から湿潤状態の気体
までいずれの気体にも適用できる。
【0011】また、オゾン検知用材料としては、以下の
ものも挙げられる。 項10. 項1に記載の重合体と、透明な酸化物および
透明な高分子材料からなる群より選ばれる少なくとも1
種の添加成分とを含有し、重合体中の単量体単位数と、
酸化物における非酸素原子数および高分子材料を構成す
る単量体単位数の総数との比が、1:0.01〜1:1
の範囲にある項1に記載のオゾン検知用材料。 項11. 透明な酸化物が、SiO2、Al23および
ZrO2からなる群より選ばれる項10に記載のオゾン
検知用材料。 項12. 透明な高分子材料が、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリビ
ニル系樹脂からなる群より選ばれる項10に記載のオゾ
ン検知用材料。 項13. 項1に記載の重合体が粒径1μm以下の微粒
子であり、透明な酸化物および透明な高分子材料からな
る群より選ばれる少なくとも1種の成分中に分散し、重
合体中の単量体単位数と、酸化物における非酸素原子数
および高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比
が、1:1〜1:100の範囲にある項1に記載のオゾ
ン検知用材料。 項14. 透明な酸化物が、SiO2、Al23および
ZrO2からなる群より選ばれる項13に記載のオゾン
検知用材料。 項15. 透明な酸化物が、SiO2を主成分とする多
孔質ガラスである項13に記載のオゾン検知用材料。 項16. 透明な高分子材料が、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリビ
ニル系樹脂からなる群より選ばれる項13に記載のオゾ
ン検知用材料。 項17. 項1に記載の重合体が粒径1μm以下の微粒
子であり、半導体性金属酸化物および半導体性高分子材
料からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分中に分
散し、重合体中の単量体単位数と、半導体性金属酸化物
における非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成
する単量体単位数の総数との比が、1:1〜1:100
の範囲にある項1に記載のオゾン検知用材料。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においてオゾン検知用材料
として用いる「重合体」の単量体は、アニリンおよびそ
の誘導体であり、アニリン、2位にハロゲン置換基を有
するアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリ
ン、4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭
素数1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイ
ジンおよびジフェニルアミンが挙げられる。具体的に
は、アニリン、2−ブロモアニリン、2−クロロアニリ
ン、3−ブロモアニリン、3−クロロアニリン、4−ブ
ロモアニリン、4−クロロアニリン、N−メチルアニリ
ン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、o−
トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンおよびジ
フェニルアミン等が挙げられる。これらの単量体は、1
種類単独でもまたは2種類以上を組み合わせて使用する
こともできる。
【0013】本発明においてオゾン検知用材料として用
いる「重合体」は、重合体の酸化還元状態およびプロト
ン化の度合いに関して特に制限はなく、例えば、重合体
の酸化還元状態に関しては、還元状態、中間的酸化還元
状態、酸化状態のものがいずれも使用できる。また例え
ば、プロトン化の度合いに関しては、プロトン化状態、
部分的プロトン化状態、脱プロトン化状態のものがいず
れも使用できる。これらの酸化還元状態およびプロトン
化の度合いの任意の組み合わせの状態の重合体がいずれ
も用いられる。好ましい重合体としては、各種の酸化還
元状態およびプロトン化の度合いのポリアニリン、各種
の酸化還元状態およびプロトン化の度合いのポリ(2−
クロロアニリン)、各種の酸化還元状態およびプロトン
化の度合いのポリ(N−メチルアニリン)が挙げられ
る。なお、重合体には、上記のような単一の単量体の重
合体の他に、2種類以上の単量体の共重合による各種の
共重合体も含まれる。また、重合体には、単一の単量体
の重合体または2種類以上の単量体の共重合による共重
合体を、2種類以上混合した混合物も含まれる。
【0014】重合体の平均重合度は、特に制限されない
が、10〜20000が好ましく、20〜20000が
より好ましい。
【0015】本発明では、オゾン検知用材料の形状は特
に限定されず、オゾンの検知方法に応じて、薄膜状、粉
末状、ペレット状等の各種の形状にして使用する。光学
的にオゾンを検知する場合に、例えば、後述する透過法
により光吸収率を測定する方法では、薄膜状とすること
が一般的であり、また、拡散反射法により測定する場合
には、粉末状またはこれを成形したペレット状とするこ
とが一般的である。一方、電気的にオゾンを検知する場
合には、平板状、櫛型、ワイヤー状等の各種の電極形状
に応じて、薄膜状、ペレット状等の各種の形状にして使
用する。
【0016】本発明でオゾン検知用材料の重合体を薄膜
にして使用する場合には、透明基板上、導波路上、光フ
ァイバー表面、あるいは平板状、櫛型、ワイヤー状等の
電極上に上記の重合体の薄膜を形成させて使用する。
【0017】本発明に用いる重合体は、それ自体はオゾ
ン検知機能を発現しないが、該重合体と複合することに
よって該重合体の薄膜等の製造を容易にする働き、該重
合体のオゾン検知機能を改善させる働き、あるいは重合
体薄膜の構造安定性や機械的強度を向上させる働きを有
する成分と複合しても良い。電気的なオゾン検知用材料
として用いる場合には、光学的に透明な成分と光学的に
不透明な成分のいずれとも複合することができ、光学的
なオゾン検知用材料として用いる場合には、光学的に透
明性が高い成分と複合することができる。複合するに
は、該重合体に複合する成分を添加する方法、あるい
は、複合する成分に該重合体を添加する方法、あるい
は、複合する多孔質体等の成分に該重合体を分散する方
法、あるいは、該重合体の薄膜やペレットを複合する成
分の層で被覆する方法等により行えば良い。
【0018】他成分と複合することによって該重合体の
オゾン検知機能を改善させる働きについて、以下に詳細
に説明する。すなわち、一般に該重合体は還元状態、脱
プロトン化状態では電気伝導度が低く絶縁体に近いた
め、電気的なオゾン検知用材料として用いる際に電気抵
抗が高過ぎて測定困難になる場合があるが、このような
重合体に電気伝導度の少し高い成分、例えば導電性炭素
微粉末、導電性(半導体性)金属酸化物、導電性(半導
体性)高分子材料等を添加すれば、オゾンを含まない気
体中における複合体のベースの電気抵抗が低くなって測
定に適した値となるため、電気的なオゾン検知用材料と
しての有用性が向上する。また、このような複合化によ
って重合体の機械的強度の向上を図ることができ、さら
に、添加成分の酸・塩基性や酸化還元性を選ぶことによ
って、複合した重合体の長期安定性の向上を図ることが
できる。このような半導体性金属酸化物としては、例え
ば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化バナ
ジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化
銅、酸化タングステン等が挙げられる。また、半導体性
高分子材料としては、例えば、ポリピロール、ポリチオ
フェン、ポリパラフェニレン、ポリアルキルピロール、
ポリアルキルチオフェン、オリゴピロール、オリゴチオ
フェン等が挙げられる。上記重合体中の単量体単位数
と、添加成分中の導電性炭素微粉末における炭素原子
数、半導体性金属酸化物における非酸素原子数および半
導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比
は、好ましくは1:0.01〜1:1程度である。
【0019】また、上記重合体を粒径1μm以下の微粒
子とし、半導体性金属酸化物や半導体性高分子材料等の
成分中に分散させて複合させてもよい。その場合には、
重合体中の単量体単位数と、半導体性金属酸化物におけ
る非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成する単
量体単位数の総数との比は、好ましくは1:1〜1:1
00程度である。
【0020】また、ポリビニルアルコールやアクリル樹
脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)等の透明な
高分子材料、あるいは透明なガラス等を複合することに
より、重合体単独の場合に比べて、機械的強度の向上を
図ることができ、さらに、光散乱が低減して入射光の損
失を低減できるので、光学的なオゾン検知用材料として
の有用性が向上する。また、多孔質ガラスあるいは多孔
質透明樹脂のような透明な多孔質体の細孔内壁に、上記
重合体を付着させる方法で複合化(分散)すれば、重合
体単独をオゾン検知用材料として用いる場合に比べて重
合体の比表面積が大きくなり、気体中にオゾンを添加し
た場合の重合体とオゾンの接触度合いが大きくなるた
め、オゾンによる重合体の電気的・光学的変化が、複合
しない場合と比べてより高速で大きく生じる効果を生み
出すことができる。このような場合には、上記重合体
は、粒径1μm以下の微粒子であるのが好ましい。この
ように上記重合体と複合させる透明成分としては、特に
限定されないが、SiO2を主成分とするガラス、石
英;Al23からなるサファイア;ZrO2等の透明な
酸化物や、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂等の透明な高分
子材料が例示される。
【0021】上記重合体中の単量体単位数と、複合成分
中の透明な酸化物における非酸素原子数および透明な高
分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好ま
しくは1:0.01〜1:100程度である。複合成分
を添加する場合には、上記重合体中の単量体単位数と、
複合成分中の透明な酸化物における非酸素原子数および
透明な高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比
は、好ましくは1:0.01〜1:1程度である。上記
重合体を粒径1μm以下の微粒子とし、複合成分中に分
散させる場合には、重合体中の単量体単位数と、複合成
分中の透明な酸化物における非酸素原子数および透明な
高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好
ましくは1:1〜1:100程度である。
【0022】また、上記重合体の薄膜やペレットを、オ
ゾン検知の妨害となり得るオゾン以外のガスを遮断、吸
着するような成分の層で被覆することにより、上記重合
体のオゾン検知の選択性を向上させることができる。
【0023】本発明のオゾン検知用材料は、接触する気
体中のオゾン濃度の変化に応じて光吸収率および/また
は電気伝導度が変化する。この特性を用いて光学的にオ
ゾンを検知するには、次のようにする。すなわち、本発
明のオゾン検知方法は、オゾン検知用材料が検知すべき
オゾンを含有する気体と接触する際、該オゾン検知用材
料の光吸収率を測定することにより行う。オゾン検知用
材料の光吸収率を測定するには、公知の方法が適用でき
る。例えば、透明基板上に薄膜状のオゾン検知用材料の
層を形成した材料を用いて、透過光強度から光吸収率を
測定する方法、粉末状のオゾン検知用材料や粉末を固め
て成形したペレット状のオゾン検知用材料等を用いて、
光を照射した際の反射光の強度を拡散反射法で測定して
光吸収率を見積もる方法、光導波路表面や光ファイバー
表面にオゾン検知用材料を付着させてその光吸収率を測
定する方法、光−音響効果を利用して光吸収率を測定す
る方法等、各種の公知の方法が可能である。これによ
り、本発明のオゾン検知用材料を用いると、その光吸収
率を測定することにより、気体中のオゾンを検知し、ま
た測定することができる。光吸収率の測定に用いる測定
光の波長は、特に限定的ではないが、250〜2500
nm程度とすることが好ましい。
【0024】光学的オゾン検知用材料として使用する場
合、上記薄膜が適用される透明基板としては、SiO2
を主成分とするガラス、石英;Al23からなるサファ
イア;ZnO、ZrO2等の透明な酸化物や、アクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリビニル系樹脂等の透明な高分子材料、あるいは
ZnSe等からなる基板が挙げられる。これらの材料
は、通常、平板状の形状である。また、薄膜は導波路表
面に形成して用いることができる。導波路表面に薄膜を
形成して用いる場合、導波路中を伝播する光が薄膜との
間で多重反射し、薄膜中にエバネッセント波が進入し、
光学的オゾン検知感度を増大させることができる。ま
た、クラッド部を薄くするかあるいは除去した光ファイ
バーの表面に薄膜を形成して用いることによっても、導
波路を用いる場合と同様に光学的オゾン検知感度を増大
させることができる。上記薄膜の厚さは、特に限定され
ないが、薄膜が薄過ぎると十分な感度(オゾンによる光
吸収変化)が得られず、薄膜が厚過ぎると光吸収が過大
で透過光が弱過ぎて光吸収変化の検知が困難となる。薄
膜の厚さは、100nm〜10μm程度が好ましい。
【0025】電気的オゾン検知用材料として使用する場
合、上記薄膜あるいはペレット(形状は特に限定されな
い)は、金、白金、銅、アルミニウム等の金属電極や、
酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の透明酸化物電極
等の上に形成して使用することができる。電極の形状は
特に制限されず、平板状の電極や櫛型電極等を使用する
ことができる。上記薄膜の厚さは、特に限定されない
が、薄膜が薄過ぎると十分な感度(オゾンによる電気抵
抗変化)が得られず、薄膜が厚過ぎると電気抵抗が過大
となるかあるいは電流経路と無関係な無駄な部分が多く
なる。薄膜の厚さは、100nm〜10μm程度が好ま
しい。オゾン検知用材料の電気伝導度の測定方法として
は、直流法、交流法等の公知の方法が使用できる。
【0026】本発明においては、オゾン検知用材料の主
成分として、アニリン、2位にハロゲン置換基を有する
アニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4
位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1
〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンお
よびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくと
も1種の単量体を重合してなる重合体を用いる。これら
の重合体は、オゾンの存在下において、光吸収率が変化
する性質、あるいは電気伝導度が変化する性質を有し、
光学的なオゾン検知用材料あるいは電気的なオゾン検知
用材料として使用される。このような性質を有する理由
は明確ではないが、以下のような原理によるものである
と推測される。
【0027】すなわち、これらの重合体は、紫外−可視
−近赤外におよぶ広い波長範囲に連続的な吸収帯を有す
る。このような幅広い吸収スペクトルは、基本的には重
合体が有する半導体的な電子構造に由来している。上記
重合体の電子構造と光吸収の特徴は、ポリアニリンの電
子構造と光吸収の特徴で代表させることができる。ポリ
アニリンは、その酸化還元状態とプロトン化の度合いに
よって、可逆的に相互変換可能な種々の状態をとること
ができ、それらの相互変換可能な種々の状態のポリアニ
リンは、それぞれ固有の特徴的な光吸収特性と電気伝導
性を示す。代表的なポリアニリンの状態としては、例え
ば、灰褐色を呈し導電性の低いロイコエメラルジン(le
ucoemeraldine)塩基、青色を呈し導電性の低いエメラ
ルジン(emeraldine)塩基、紫色を呈し導電性の低いペ
ルニグラニリン(pernigraniline)塩基、緑色を呈し導
電性の高いエメラルジン(emeraldine)塩等が挙げられ
る。このような相互変換可能な状態の1つにあるポリア
ニリンを気体中に保ち、そこにオゾンを添加すると、オ
ゾンは強い酸化力を有するガスであるので、還元状態に
あるポリアニリンを酸化し、酸化状態のポリアニリンへ
変化させる。また、オゾンはプロトン化状態のポリアニ
リンのプロトンと反応し、プロトン化度の変化を引き起
こすのではないかと推測される。このような、オゾンに
よって引き起こされるポリアニリンの酸化および/また
はプロトン化度の変化の程度は、気体中に含まれるオゾ
ンの濃度に依存するので、オゾン濃度に応じたポリアニ
リンの酸化および/またはプロトン化度の変化が起こ
り、その結果、オゾンによるポリアニリンの光吸収変化
と電気伝導度変化が起こるものと推測される。ポリアニ
リンをオゾンを含む気体に接触させた後、オゾンを含ま
ない気体中に保持すると、元の(オゾンに接触させる前
の)ポリアニリンの状態に応じて、光吸収と電気伝導度
がほとんど元に戻らず不可逆な場合、部分的に戻る場
合、ほとんど元に戻り可逆な場合等が起こり、それらの
可逆・不可逆の特性や元に戻る速度の特性を使い分ける
ことによって、オゾンの漏洩を記録するのに適した1回
限りのオゾン検知用材料、オゾンの検知をある程度繰り
返してあるいは連続的に行うことが可能なオゾン検知用
材料を作り分けることができる。また、元の(オゾンに
接触させる前の)ポリアニリンの状態に応じて、オゾン
に接触させた際に生じる光吸収変化と電気伝導度変化の
大きさと濃度依存性が異なり、例えば、低濃度オゾンに
よって大きな光吸収変化と電気伝導度変化を起こし、高
濃度域では光吸収変化と電気伝導度変化が飽和するも
の、また一方、低濃度オゾンでは小さな光吸収変化と電
気伝導度変化しか起こさないが、高濃度域でも光吸収変
化と電気伝導度変化が飽和しないもの等を作り分けるこ
とができる。
【0028】このような現象は、全ての重合体、言い換
えれば全ての高分子材料で現れるものではなく、(1)
紫外−可視−近赤外波長域に及ぶ幅広い光吸収帯とある
程度の(半導体領域前後の)電気伝導性を有すること、
(2)酸化還元が可能であること、(3)プロトン化・
脱プロトン化が可能であることの3条件を満足する重合
体(高分子)でのみ達成されるものと考えられる。上記
したアニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニリ
ン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位にハ
ロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3の
アルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよびジ
フェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種
の単量体を重合してなる重合体は、いずれも上記の3条
件を満足し、優れた光学的オゾン検知特性および/また
は優れた電気的オゾン検知特性を示すものである。
【0029】重合体を薄膜に形成し、光学的オゾン検知
用材料として使用する場合、薄膜は、通常、ガラス、石
英、サファイア、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂等の透明
基板上、導波路表面、光ファイバー表面に形成する。光
ファイバーは、通常、クラッド部を薄くしたもの、また
はクラッド部を部分的にもしくは全て除去したものを用
いる。重合体を薄膜に形成し、電気的オゾン検知用材料
として使用する場合、薄膜は、通常、金、白金、銅、ア
ルミニウム等の金属電極や、酸化スズ、酸化インジウ
ム、ITO等の透明電極の上に形成する。電極の形状は
特に限定されず、平板状電極、櫛型電極、ワイヤー状電
極等を用いることができる。薄膜の形成方法は特に限定
はなく、化学酸化重合法等の化学重合法、電解酸化重合
法等の電気化学的重合法、可溶性重合体の場合には可溶
性重合体の溶液をディップコート法、スピンコート法、
スプレー法、スクリーンプリント法等で基板上に塗布す
る方法、あるいは重合体粉末を溶媒に分散させ、ディッ
プコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン
プリント法等で基板上に塗布・乾燥する方法等、各種の
公知の方法が適用できる。重合体は、光学的・電気的に
応答するオゾン濃度範囲や可逆性・不可逆性の特性を制
御するために、重合後、酸化剤あるいは還元剤で処理し
て酸化還元状態を制御し、また、酸性溶液あるいは塩基
性溶液で処理してプロトン化・脱プロトン化状態を制御
して用いることができる。
【0030】光学的オゾン検知用材料として使用する場
合、薄膜の厚さは、特に限定されないが、薄膜が薄過ぎ
ると十分な感度(オゾンによる光吸収変化)が得られ
ず、薄膜が厚過ぎると光吸収が過大で透過光が弱過ぎて
光吸収変化の検知が困難となる。薄膜の厚さは、100
nm〜10μm程度が好ましい。
【0031】電気的オゾン検知用材料として使用する場
合にも、薄膜の厚さは、特に限定されないが、薄膜が薄
過ぎると十分な感度(オゾンによる電気抵抗変化)が得
られず、薄膜が厚過ぎると電気抵抗が過大となるかある
いは電流経路と無関係な無駄な部分が多くなる。薄膜の
厚さは、100nm〜10μm程度が好ましい。電気的
オゾン検知用材料として使用する場合には、重合体をペ
レットの形状で用いることもできる。重合体を電極表面
に直接重合させてペレット状にする方法、重合体の粉末
やその濃厚溶液、あるいは重合体と溶媒の混合物を用い
て、電極を埋め込んだ形状に成形する方法等を用いるこ
とができる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、空気等の気体中に微量のオゾ
ンが存在した際に、そのような微量のオゾンに対して、
大きな光学的感度(光吸収変化)および/または電気的
感度(電気伝導度変化)を発現するオゾン検知用材料お
よびオゾン検知方法を、アニリン等の安価な原料および
材料の単純な光吸収変化測定法および/または電気伝導
度測定法により提供する。
【0033】本発明のオゾン検知用材料は、その原料・
製造方法・処理方法を適宜選択することによって、鋭敏
な光学的感度および/または電気的感度を発現するオゾ
ン濃度範囲、および、光学的感度および/または電気的
感度の可逆性・不可逆性を制御することができる。
【0034】本発明のオゾン検知用材料は、長期安定
性、化学的安定性、機械的強度にも優れ、簡便・安価に
製造可能である。
【0035】本発明のオゾン検知方法は、繰り返し測
定、連続測定あるいはオゾン検知記録を一定期間保持で
きる1回限りの測定が可能である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0037】実施例1 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調
製したポリアニリン薄膜を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間
的酸化還元状態かつ中間的プロトン化状態の青色を呈す
るポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。
このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000n
m)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空
気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50p
pm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン
濃度が25ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近
赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が
50ppm、100ppmの場合にはポリアニリン薄膜
の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾ
ンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長70
0nm付近で最大(増大)となった。50ppm、10
0ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化
率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まな
い空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸
光度]は、波長650nm付近で最大(増大)(各々
0.100、0.293)となった。図1に、ポリアニ
リン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。
図1において、aはオゾン50ppmの場合であり、b
はオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾン
を含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ
アニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気
中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このよう
に、本ポリアニリン薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検
知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度
20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対
湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記
と同様の効果が得られた。また、ガラス基板上および石
英基板上に化学酸化重合法で作製したポリアニリン薄膜
でも、上記と同様のオゾンによる光吸収変化が得られ
た。
【0038】実施例2 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調
製したポリアニリン薄膜を還元剤で還元し、水酸化ナト
リウム水溶液で洗浄、乾燥し、還元状態かつ脱プロトン
化状態の紫色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500
nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計
膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保
ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、
25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加
したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリアニ
リン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかっ
たが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100p
pmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度
が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン
薄膜の吸光度変化量は、波長500nm付近で最大(増
大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによ
るポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空
気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)
/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長490
nm付近で最大(増大)(各々0.092、0.15
4)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾン
を含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度
は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く
方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄
膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料
となることがわかった。
【0039】実施例3 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調
製したポリアニリン薄膜を還元剤で還元し、蒸留水で洗
浄、乾燥し、還元状態かつ中間的プロトン化状態の緑色
を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製
した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約100
0nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、こ
の空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オ
ゾン濃度が10ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視
−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃
度が25ppm、50ppm、100ppmの場合には
ポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。1
00ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変
化量は、波長750nm付近で最大(増大)となった。
50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン
薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度
−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含ま
ない空気中での吸光度]は、波長620nm付近で最大
(増大)(各々0.287、0.674)となった。雰
囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に
変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触
させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復
した。このように、本ポリアニリン薄膜は、比較的高濃
度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわか
った。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場
合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加し
た場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、化学
酸化重合法でガラス基板上に作製した上記と同様のポリ
アニリン薄膜、および、粉末を固めて成形したポリアニ
リンのペレットに電極を取り付け、100ppmのオゾ
ンによるポリアニリン薄膜の電気伝導度変化を測定した
結果、オゾンによりポリアニリン薄膜の電気伝導度が増
大し、オゾン検知用電気的センサ材料となることがわか
った。
【0040】実施例4 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調
製したポリアニリン薄膜を還元剤で還元し、塩酸で洗
浄、乾燥し、還元状態かつプロトン化状態の緑色を呈す
るポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。
このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000n
m)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空
気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50p
pm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン
濃度が10ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近
赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が
25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ
アニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100
ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量
は、波長750nm付近で最大(増大)となった。25
ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ
アニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中で
の吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾ
ンを含まない空気中での吸光度]は、波長620nm付
近で最大(増大)(各々0.041、0.383、0.
801)となった。図2に、ポリアニリン薄膜の吸光度
変化率と測定光波長との関係を示す。図2において、a
はオゾン25ppmの場合であり、bはオゾン50pp
mの場合であり、cはオゾン100ppmの場合であ
る。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない
空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾン
に接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々
に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、中〜
高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることが
わかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した
場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加
した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0041】実施例5 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調
製したポリアニリン薄膜を酸化剤で酸化し、水酸化ナト
リウム水溶液で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ脱プロトン
化状態の紫色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500
nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計
膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保
ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、
25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加
したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリアニ
リン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかっ
たが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100p
pmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度
が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン
薄膜の吸光度変化量は、波長610nm付近で最大(減
少)となった。25ppm、50ppm、100ppm
のオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オ
ゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中
での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]
は、波長640nm付近で最大(減少)(各々−0.0
47、−0.091、−0.117)となった。図3
に、ポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との
関係を示す。図3において、aはオゾン25ppmの場
合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオ
ゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含
む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニ
リン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中で
の吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、
本ポリアニリン薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光
学的センサ材料となることがわかった。
【0042】実施例6 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調
製したポリアニリン薄膜を酸化剤で酸化し、塩酸で洗
浄、乾燥し、酸化状態かつプロトン化状態の緑色を呈す
るポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。
このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000n
m)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空
気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50p
pm、100ppmのオゾンを添加したところ、この全
ての濃度範囲のオゾンによってポリアニリン薄膜の可視
−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによ
るポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長690nm
付近で最大(増大)となった。2.5ppm、10pp
m、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンに
よるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む
空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光
度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長6
50nm付近で最大(増大)(各々0.012、0.1
02、0.388、0.685、0.965)となっ
た。図4に、ポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光
波長との関係を示す。図4において、aはオゾン2.5
ppmの場合であり、bはオゾン10ppmの場合であ
り、cはオゾン25ppmの場合であり、dはオゾン5
0ppmの場合であり、eはオゾン100ppmの場合
である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含ま
ない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オ
ゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で
徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、
広い濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となること
がわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加し
た場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添
加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0043】実施例7 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜
を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間
的プロトン化状態の緑色を呈するポリ(N−メチルアニ
リン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ
(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約120
0nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、こ
の空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オ
ゾン濃度が25ppm以下ではポリ(N−メチルアニリ
ン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかっ
たが、オゾン濃度が50ppm、100ppmの場合に
はポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光
度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−
メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長850n
m付近で最大(増大)となった。50ppm、100p
pmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の
吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾ
ンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空
気中での吸光度]は、波長850nm付近で最大(増
大)(各々0.010、0.112)となった。雰囲気
を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変え
ると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オ
ゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で
徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニ
リン)薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的セ
ンサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気
中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の
空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果
が得られた。また、ガラス基板上および石英基板上に化
学酸化重合法で作製したポリ(N−メチルアニリン)薄
膜でも、上記と同様のオゾンによる光吸収変化が得られ
た。
【0044】実施例8 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜
を還元剤で還元し、蒸留水で洗浄、乾燥し、還元状態か
つ中間的プロトン化状態の緑色を呈するポリ(N−メチ
ルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。こ
のポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約
1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その
後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25pp
m、50ppm、100ppmのオゾンを添加したとこ
ろ、オゾン濃度が25ppm以下ではポリ(N−メチル
アニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められ
なかったが、オゾン濃度が50ppm、100ppmの
場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤
外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ
(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長8
20nm付近で最大(増大)となった。50ppm、1
00ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)
薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度
−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含ま
ない空気中での吸光度]は、波長780nm付近で最大
(増大)(各々0.068、0.137)となった。雰
囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に
変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度
は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く
方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチ
ルアニリン)薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光
学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%
の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度8
0%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様
の効果が得られた。
【0045】実施例9 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜
を還元剤で還元し、塩酸で洗浄、乾燥し、還元状態かつ
プロトン化状態の緑色を呈するポリ(N−メチルアニリ
ン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ
(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約120
0nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、こ
の空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オ
ゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチルアニリ
ン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかっ
たが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100p
pmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視
−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによ
るポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、
波長850nm付近で最大(増大)となった。25pp
m、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N
−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含
む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光
度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長7
70nm付近で最大(増大)(各々0.015、0.1
04、0.174)となった。図5に、ポリ(N−メチ
ルアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係
を示す。図5において、aはオゾン25ppmの場合で
あり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオゾン
100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空
気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メ
チルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前
の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。こ
のように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、比較
的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となること
がわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加し
た場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添
加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、
化学酸化重合法でガラス基板上に作製した上記と同様の
ポリ(N−メチルアニリン)薄膜、および、粉末を固め
て成形したポリ(N−メチルアニリン)のペレットに電
極を取り付け、100ppmのオゾンによるポリ(N−
メチルアニリン)薄膜の電気伝導度変化を測定した結
果、オゾンによりポリ(N−メチルアニリン)薄膜の電
気伝導度が増大し、オゾン検知用電気的センサ材料とな
ることがわかった。
【0046】実施例10 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜
を酸化剤で酸化し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾
燥し、酸化状態かつ脱プロトン化状態の灰紫色を呈する
ポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)
を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2
枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気
中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10p
pm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾン
を添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポ
リ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は
変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、
50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチル
アニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。10
0ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄
膜の吸光度変化量は、波長850nm付近で最大(増
大)となった。25ppm、50ppm、100ppm
のオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光
度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを
含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中
での吸光度]は、波長850nm付近で最大(増大)
(各々0.035、0.054、0.077)となっ
た。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない
空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸
光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近
付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−
メチルアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用
光学的センサ材料となることがわかった。
【0047】実施例11 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜
を酸化剤で酸化し、蒸留水で洗浄、乾燥し、酸化状態か
つ中間的プロトン化状態の灰緑色を呈するポリ(N−メ
チルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。
このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚
約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、そ
の後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25p
pm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したと
ころ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチ
ルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認めら
れなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、
100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄
膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオ
ゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変
化量は、波長710nm付近で最大(増大)となった。
25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによる
ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オ
ゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中
での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]
は、波長710nm付近で最大(増大)(各々0.04
7、0.089、0.124)となった。図6に、ポリ
(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波
長との関係を示す。図6において、aはオゾン25pp
mの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、
cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾ
ンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポ
リ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接
触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回
復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄
膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料と
なることがわかった。
【0048】実施例12 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜
を酸化剤で酸化し、塩酸で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ
プロトン化状態の灰緑褐色を呈するポリ(N−メチルア
ニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポ
リ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約12
00nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、
この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、
50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、
オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチルアニ
リン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなか
ったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100
ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可
視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンに
よるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量
は、波長750nm付近で最大(増大)となった。25
ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ
(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾン
を含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での
吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波
長720nm付近で最大(増大)(各々0.062、
0.113、0.135)となった。雰囲気を、オゾン
を含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ
(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触
させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復
した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜
は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料とな
ることがわかった。
【0049】実施例13 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間
的プロトン化状態の灰青色を呈するポリ(2−クロロア
ニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約80
0nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、こ
の空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オ
ゾン濃度が10ppm以下ではポリ(2−クロロアニリ
ン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかっ
たが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100p
pmの場合にはポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視
−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによ
るポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、
波長930nm付近で最大(減少)となった。25pp
m、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2
−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含
む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光
度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長9
90nm付近で最大(減少)(各々−0.049、−
0.079、−0.117)となった。図7に、ポリ
(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波
長との関係を示す。図7において、aはオゾン25pp
mの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、
cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾ
ンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接
触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回
復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄
膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料と
なることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾン
を添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオ
ゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られ
た。また、ガラス基板上および石英基板上に化学酸化重
合法で作製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜でも、
上記と同様のオゾンによる光吸収変化が得られた。
【0050】実施例14 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を還元剤で還元し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾
燥し、還元状態かつ脱プロトン化状態の灰青色を呈する
ポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)
を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2
枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中
に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10pp
m、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを
添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ
(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変
化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、5
0ppm、100ppmの場合にはポリ(2−クロロア
ニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100
ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜
の吸光度変化量は、波長780nm付近で最大(増大)
となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾ
ンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中で
の吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、
波長790nm付近で最大(増大)(各々0.026、
0.036)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気か
らオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロ
アニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空
気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このよ
うに、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、比較的高
濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわ
かった。
【0051】実施例15 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を還元剤で還元し、蒸留水で洗浄、乾燥し、還元状態か
つ中間的プロトン化状態の灰青緑色を呈するポリ(2−
クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製し
た。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計
膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、
その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25
ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加した
ところ、この全ての濃度範囲のオゾンによってポリ(2
−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化し
た。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニ
リン)薄膜の吸光度変化量は、波長760nm付近で最
大(増大)となった。2.5ppm、10ppm、25
ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ
(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾン
を含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での
吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波
長760nm付近で最大(増大)(各々0.017、
0.056、0.096、0.121、0.132)と
なった。図8に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸
光度変化率と測定光波長との関係を示す。図8におい
て、aはオゾン2.5ppmの場合であり、bはオゾン
10ppmの場合であり、cはオゾン25ppmの場合
であり、dはオゾン50ppmの場合であり、eはオゾ
ン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む
空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−
クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる
前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。
このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、広
い濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることが
わかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した
場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加
した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、化
学酸化重合法でガラス基板上に作製した上記と同様のポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜、および、粉末を固めて
成形したポリ(2−クロロアニリン)のペレットに電極
を取り付け、100ppmのオゾンによるポリ(2−ク
ロロアニリン)薄膜の電気伝導度変化を測定した結果、
オゾンによりポリ(2−クロロアニリン)薄膜の電気伝
導度が増大し、オゾン検知用電気的センサ材料となるこ
とがわかった。
【0052】実施例16 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を還元剤で還元し、塩酸で洗浄、乾燥し、還元状態かつ
プロトン化状態の灰緑色を呈するポリ(2−クロロアニ
リン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ
(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800
nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この
空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50
ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、この
全ての濃度範囲のオゾンによってポリ(2−クロロアニ
リン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100p
pmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の
吸光度変化量は、波長850nm付近で最大(増大)と
なった。2.5ppm、10ppm、25ppm、50
ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロ
アニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中
での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オ
ゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長850nm
付近で最大(増大)(各々0.013、0.045、
0.157、0.234、0.297)となった。雰囲
気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変
えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、
オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向
で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロア
ニリン)薄膜は、広い濃度域のオゾン検知用光学的セン
サ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中
にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空
気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が
得られた。
【0053】実施例17 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を酸化剤で酸化し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾
燥し、酸化状態かつ脱プロトン化状態の紫色を呈するポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を
調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2
枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中
に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10pp
m、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを
添加したところ、オゾン濃度が2.5ppmではポリ
(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変
化が認められなかったが、オゾン濃度が10ppm、2
5ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ
(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変
化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロ
アニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長580nm付近
で最大(減少)となった。10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロ
ロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気
中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/
オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長630n
m付近で最大(減少)(各々−0.008、−0.03
2、−0.064、−0.089)となった。雰囲気
を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変え
ると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オ
ゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で
徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニ
リン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的セン
サ材料となることがわかった。
【0054】実施例18 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を酸化剤で酸化し、蒸留水で洗浄、乾燥し、酸化状態か
つ中間的プロトン化状態の灰青色を呈するポリ(2−ク
ロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。
このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚
約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その
後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25pp
m、50ppm、100ppmのオゾンを添加したとこ
ろ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(2−クロロ
アニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められ
なかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、1
00ppmの場合にはポリ(2−クロロアニリン)薄膜
の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾ
ンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化
量は、波長900nm付近で最大(減少)となった。2
5ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾ
ンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中で
の吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、
波長1170nm付近で最大(減少)(各々−0.07
7、−0.089、−0.144)となった。雰囲気
を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変え
ると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オ
ゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で
徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニ
リン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的セン
サ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中
にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空
気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が
得られた。
【0055】実施例19 ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法
で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜
を酸化剤で酸化し、塩酸で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ
プロトン化状態の灰青緑色を呈するポリ(2−クロロア
ニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポ
リ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約80
0nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、こ
の空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、こ
の全ての濃度範囲のオゾンによってポリ(2−クロロア
ニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100
ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜
の吸光度変化量は、波長840nm付近で最大(増大)
となった。2.5ppm、10ppm、25ppm、5
0ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロ
ロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気
中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/
オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長840n
m付近で最大(増大)(各々0.040、0.148、
0.264、0.395、0.459)となった。図9
に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と
測定光波長との関係を示す。図9において、aはオゾン
2.5ppmの場合であり、bはオゾン10ppmの場
合であり、cはオゾン25ppmの場合であり、dはオ
ゾン50ppmの場合であり、eはオゾン100ppm
の場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾン
を含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリ
ン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中で
の吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、
本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、広い濃度域のオ
ゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相
対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、およ
び、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合に
も、上記と同様の効果が得られた。
【0056】実施例20 金電極を有する基板上に、ポリアニリン薄膜を電解酸化
重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を蒸留水
で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間的プロト
ン化状態の淡青色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約3
00nm)を調製した。このポリアニリン薄膜を空気中
に保ち、その後、この空気中に100ppmのオゾンを
添加したところ、ポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光
度が変化し、ポリアニリン薄膜の色が濃緑色に変化する
と同時に、ポリアニリン薄膜の電気伝導度が約20倍増
大した。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含ま
ない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度と電気
伝導度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度と
電気伝導度に近付く方向で徐々に回復した。このよう
に、本ポリアニリン薄膜は、オゾン検知用光学的・電気
的センサ材料となることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるポリアニリン薄膜の吸光度変
化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図2】実施例4におけるポリアニリン薄膜の吸光度変
化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図3】実施例5におけるポリアニリン薄膜の吸光度変
化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図4】実施例6におけるポリアニリン薄膜の吸光度変
化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図5】実施例9におけるポリ(N−メチルアニリン)
薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図であ
る。
【図6】実施例11におけるポリ(N−メチルアニリ
ン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図
である。
【図7】実施例13におけるポリ(2−クロロアニリ
ン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図
である。
【図8】実施例15におけるポリ(2−クロロアニリ
ン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図
である。
【図9】実施例19におけるポリ(2−クロロアニリ
ン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 G01N 21/78 G01N 21/78 Z 27/12 27/12 C 31/22 121 31/22 121A (72)発明者 ヴラディーミル エム. ミルスキー ドイツ国 デー−93040 レーゲンスブル ク レーゲンスブルク大学分析化学・化学 センサ・バイオセンサ研究所内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BB10 CA01 CB01 DA03 DA08 DA10 FA04 FA05 FA11 FA13 FA19 FA20 FB05 FC03 HA07 2G046 AA04 BA01 BA09 BB02 BB04 BC01 EA02 EA04 FA01 FB02 FE04 FE11 FE12 FE15 FE21 FE25 FE39 FE44 FE46 2G054 AA01 AB07 CA08 CE01 CE10 EA04 FA16 FB03 GA03 GB01 GE07 4J002 CM011 DA016 DA036 DE097 DE117 DE137 FD116 4J043 QB02 QB03 QB64 RA03 SA05 SB01 UA121 ZB49 ZB60

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニリン、2位にハロゲン置換基を有す
    るアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、
    4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数
    1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジン
    およびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン
    検知用材料。
  2. 【請求項2】 アニリン、2−ブロモアニリン、2−ク
    ロロアニリン、3−ブロモアニリン、3−クロロアニリ
    ン、4−ブロモアニリン、4−クロロアニリン、N−メ
    チルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニ
    リン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジ
    ンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少な
    くとも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾ
    ン検知用材料。
  3. 【請求項3】 透明基板上、導波路上、光ファイバー表
    面または電極上に薄膜状に形成されることを特徴とする
    請求項1または2に記載のオゾン検知用材料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の重合体と、導電性炭素
    微粉末、半導体性金属酸化物および半導体性高分子材料
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加成分とを
    含有し、重合体中の単量体単位数と、導電性炭素微粉末
    における炭素原子数、半導体性金属酸化物における非酸
    素原子数および半導体性高分子材料を構成する単量体単
    位数の総数との比が、1:0.01〜1:1の範囲にあ
    る請求項1に記載のオゾン検知用材料。
  5. 【請求項5】 添加成分が、導電性炭素微粉末である請
    求項4に記載のオゾン検知用材料。
  6. 【請求項6】 半導体性金属酸化物が、酸化スズ、酸化
    インジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガ
    ン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅および酸化タングス
    テンからなる群より選ばれる請求項4に記載のオゾン検
    知用材料。
  7. 【請求項7】 半導体性高分子材料が、ポリピロール、
    ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアルキルピ
    ロール、ポリアルキルチオフェン、オリゴピロールおよ
    びオリゴチオフェンからなる群より選ばれる請求項4に
    記載のオゾン検知用材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のオゾン
    検知用材料を、オゾンを含む気体と接触させ、その際の
    オゾン検知用材料の光吸収率を測定することを特徴とす
    るオゾン検知方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載のオゾン
    検知用材料を、オゾンを含む気体と接触させ、その際の
    オゾン検知用材料の電気伝導度を測定することを特徴と
    するオゾン検知方法。
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