JP3619871B2 - オゾン検知用材料およびオゾン検知方法 - Google Patents

オゾン検知用材料およびオゾン検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体中の微量のオゾンの検知用材料およびオゾンの検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気等の気体中に含まれる微量のオゾンの存在とその濃度を検知することは、産業上、環境上の問題に関連して重要である。最近、空気等の気体中に含まれるオゾンの検知用材料と検知方法の開発への要望が高まっている。なぜなら、オゾンは、自己分解すれば有害物質を残さないクリーンな酸化剤として、水や空気の殺菌剤や脱臭剤、また、半導体製造産業におけるクリーニング剤として、最近、利用が拡大しているが、自己分解する前のオゾン自体は、微量でも人体に有害であるからである。
【0003】
しかしながら、病院等で使用されるような小型の低濃度オゾン発生装置には、従来、多くの場合、オゾン濃度モニター等が付属していなかった。その理由は、従来のオゾン検知装置が大型で高価であったからである。そのため、小型で安価に製造可能なオゾン検知装置が要望されている。そして、そのようなオゾン検知装置に応用可能な安価で高感度なオゾン検知用材料と、装置の小型化が可能で簡便なオゾン検知方法が要望されている。
【0004】
従来、空気等の気体中に含まれる微量のオゾンを検知するための材料およびオゾン検知方法としては、例えば、(1)オゾン固有の紫外波長域での光吸収を利用して検知する方法、(2)インジゴ色素等の色素の可視光吸収が、色素とオゾンの反応によって不可逆的に変化することを利用して検知する方法、(3)化学発光を利用して検知する方法、(4)加熱状態での酸化インジウム等の電気伝導度が、オゾンの存在下で可逆的に変化することを利用して検知する方法等が知られている。
【0005】
しかしながら、これらの従来方法においては、以下のような問題がある。すなわち、(1)の方法では、オゾンによる非常に微小な光吸収変化を検出する必要があるため、長い光路長のガスセルと高価な高精度光検出器および光源を要し、装置が大型で高価なものになる。(2)の方法では、オゾンによる色素の光吸収変化が不可逆であるので、1度限りのオゾン検知にしか利用できず、連続的なオゾン検知には利用できない。(3)の方法では、化学発光を生じさせる操作が測定の度毎に必要であるので、連続的なオゾン検知には利用できない。(4)の方法では、オゾン検知用材料である酸化インジウム等を常時高温に加熱しておく必要があるため、作動に要する消費エネルギーが大きく、また、オゾン検知用材料、電極、ヒーター、電圧印加装置、電圧・電流計、安定化回路等からなる装置は、かなり複雑で高価なものとなる。
【0006】
そのため、構造が簡単で安価に製造可能な小型オゾン検知装置のためのオゾン検知用材料とオゾン検知方法が要望されている。検知したオゾン濃度の表示は概略的な濃度域の表示であっても、例えば、多数のセンサを各小型オゾン発生装置やオゾンパイプラインの各部に設置しておき、発生装置やパイプラインからの比較的高濃度のオゾンの漏洩を迅速に検知でき、簡単・安価に提供可能な、ある程度の繰り返し測定あるいは連続測定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法、および、オゾン検知記録を一定期間保持できる1回限りの測定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑み、構造が簡単で安価に製造可能な小型オゾン検知装置のための、ある程度の繰り返し測定あるいは連続測定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法、および、オゾン検知記録を一定期間保持できる1回限りの測定が可能なオゾン検知用材料とオゾン検知方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するためになされたものである。本発明は、下記に示すとおりのオゾン検知用材料およびオゾン検知方法を提供するものである。項1. アニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン検知用材料。
項2. アニリン、2−ブロモアニリン、2−クロロアニリン、3−ブロモアニリン、3−クロロアニリン、4−ブロモアニリン、4−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン検知用材料。
項3. 透明基板上、導波路上、光ファイバー表面または電極上に薄膜状に形成されることを特徴とする項1または2に記載のオゾン検知用材料。
項4. 項1に記載の重合体と、導電性炭素微粉末、半導体性金属酸化物および半導体性高分子材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加成分とを含有し、重合体中の単量体単位数と、導電性炭素微粉末における炭素原子数、半導体性金属酸化物における非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比が、1:0.01〜1:1の範囲にある項1に記載のオゾン検知用材料。
項5. 添加成分が、導電性炭素微粉末である項4に記載のオゾン検知用材料。
項6. 半導体性金属酸化物が、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅および酸化タングステンからなる群より選ばれる項4に記載のオゾン検知用材料。
項7. 半導体性高分子材料が、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアルキルピロール、ポリアルキルチオフェン、オリゴピロールおよびオリゴチオフェンからなる群より選ばれる項4に記載のオゾン検知用材料。
項8. 項1〜7のいずれかに記載のオゾン検知用材料を、オゾンを含む気体と接触させ、その際のオゾン検知用材料の光吸収率を測定することを特徴とするオゾン検知方法。
項9. 項1〜7のいずれかに記載のオゾン検知用材料を、オゾンを含む気体と接触させ、その際のオゾン検知用材料の電気伝導度を測定することを特徴とするオゾン検知方法。
【0009】
本発明のオゾン検知用材料は、安価な原料から容易かつ簡便に製造することができ、オゾンを含まない空気等の気体中においては、長期安定性、化学的安定性、機械的強度にも優れるという利点を有している。
【0010】
本発明のオゾン検知方法において、オゾン検知用材料と接触させる気体としては、特に限定されず、オゾンが種々の濃度で混和・存在できるような気体であれば良く、空気、Ar、He、CO等、およびこれらの混合物が例示される。また、これらの気体の湿度は特に限定されず、乾燥状態の気体から湿潤状態の気体までいずれの気体にも適用できる。
【0011】
また、オゾン検知用材料としては、以下のものも挙げられる。
項10. 項1に記載の重合体と、透明な酸化物および透明な高分子材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加成分とを含有し、重合体中の単量体単位数と、酸化物における非酸素原子数および高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比が、1:0.01〜1:1の範囲にある項1に記載のオゾン検知用材料。
項11. 透明な酸化物が、SiO、AlおよびZrOからなる群より選ばれる項10に記載のオゾン検知用材料。
項12. 透明な高分子材料が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリビニル系樹脂からなる群より選ばれる項10に記載のオゾン検知用材料。
項13. 項1に記載の重合体が粒径1μm以下の微粒子であり、透明な酸化物および透明な高分子材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分中に分散し、重合体中の単量体単位数と、酸化物における非酸素原子数および高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比が、1:1〜1:100の範囲にある項1に記載のオゾン検知用材料。
項14. 透明な酸化物が、SiO、AlおよびZrOからなる群より選ばれる項13に記載のオゾン検知用材料。
項15. 透明な酸化物が、SiOを主成分とする多孔質ガラスである項13に記載のオゾン検知用材料。
項16. 透明な高分子材料が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリビニル系樹脂からなる群より選ばれる項13に記載のオゾン検知用材料。
項17. 項1に記載の重合体が粒径1μm以下の微粒子であり、半導体性金属酸化物および半導体性高分子材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分中に分散し、重合体中の単量体単位数と、半導体性金属酸化物における非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比が、1:1〜1:100の範囲にある項1に記載のオゾン検知用材料。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明においてオゾン検知用材料として用いる「重合体」の単量体は、アニリンおよびその誘導体であり、アニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよびジフェニルアミンが挙げられる。具体的には、アニリン、2−ブロモアニリン、2−クロロアニリン、3−ブロモアニリン、3−クロロアニリン、4−ブロモアニリン、4−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンおよびジフェニルアミン等が挙げられる。これらの単量体は、1種類単独でもまたは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
【0013】
本発明においてオゾン検知用材料として用いる「重合体」は、重合体の酸化還元状態およびプロトン化の度合いに関して特に制限はなく、例えば、重合体の酸化還元状態に関しては、還元状態、中間的酸化還元状態、酸化状態のものがいずれも使用できる。また例えば、プロトン化の度合いに関しては、プロトン化状態、部分的プロトン化状態、脱プロトン化状態のものがいずれも使用できる。これらの酸化還元状態およびプロトン化の度合いの任意の組み合わせの状態の重合体がいずれも用いられる。好ましい重合体としては、各種の酸化還元状態およびプロトン化の度合いのポリアニリン、各種の酸化還元状態およびプロトン化の度合いのポリ(2−クロロアニリン)、各種の酸化還元状態およびプロトン化の度合いのポリ(N−メチルアニリン)が挙げられる。なお、重合体には、上記のような単一の単量体の重合体の他に、2種類以上の単量体の共重合による各種の共重合体も含まれる。また、重合体には、単一の単量体の重合体または2種類以上の単量体の共重合による共重合体を、2種類以上混合した混合物も含まれる。
【0014】
重合体の平均重合度は、特に制限されないが、10〜20000が好ましく、20〜20000がより好ましい。
【0015】
本発明では、オゾン検知用材料の形状は特に限定されず、オゾンの検知方法に応じて、薄膜状、粉末状、ペレット状等の各種の形状にして使用する。光学的にオゾンを検知する場合に、例えば、後述する透過法により光吸収率を測定する方法では、薄膜状とすることが一般的であり、また、拡散反射法により測定する場合には、粉末状またはこれを成形したペレット状とすることが一般的である。一方、電気的にオゾンを検知する場合には、平板状、櫛型、ワイヤー状等の各種の電極形状に応じて、薄膜状、ペレット状等の各種の形状にして使用する。
【0016】
本発明でオゾン検知用材料の重合体を薄膜にして使用する場合には、透明基板上、導波路上、光ファイバー表面、あるいは平板状、櫛型、ワイヤー状等の電極上に上記の重合体の薄膜を形成させて使用する。
【0017】
本発明に用いる重合体は、それ自体はオゾン検知機能を発現しないが、該重合体と複合することによって該重合体の薄膜等の製造を容易にする働き、該重合体のオゾン検知機能を改善させる働き、あるいは重合体薄膜の構造安定性や機械的強度を向上させる働きを有する成分と複合しても良い。電気的なオゾン検知用材料として用いる場合には、光学的に透明な成分と光学的に不透明な成分のいずれとも複合することができ、光学的なオゾン検知用材料として用いる場合には、光学的に透明性が高い成分と複合することができる。複合するには、該重合体に複合する成分を添加する方法、あるいは、複合する成分に該重合体を添加する方法、あるいは、複合する多孔質体等の成分に該重合体を分散する方法、あるいは、該重合体の薄膜やペレットを複合する成分の層で被覆する方法等により行えば良い。
【0018】
他成分と複合することによって該重合体のオゾン検知機能を改善させる働きについて、以下に詳細に説明する。すなわち、一般に該重合体は還元状態、脱プロトン化状態では電気伝導度が低く絶縁体に近いため、電気的なオゾン検知用材料として用いる際に電気抵抗が高過ぎて測定困難になる場合があるが、このような重合体に電気伝導度の少し高い成分、例えば導電性炭素微粉末、導電性(半導体性)金属酸化物、導電性(半導体性)高分子材料等を添加すれば、オゾンを含まない気体中における複合体のベースの電気抵抗が低くなって測定に適した値となるため、電気的なオゾン検知用材料としての有用性が向上する。また、このような複合化によって重合体の機械的強度の向上を図ることができ、さらに、添加成分の酸・塩基性や酸化還元性を選ぶことによって、複合した重合体の長期安定性の向上を図ることができる。このような半導体性金属酸化物としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等が挙げられる。また、半導体性高分子材料としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアルキルピロール、ポリアルキルチオフェン、オリゴピロール、オリゴチオフェン等が挙げられる。上記重合体中の単量体単位数と、添加成分中の導電性炭素微粉末における炭素原子数、半導体性金属酸化物における非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好ましくは1:0.01〜1:1程度である。
【0019】
また、上記重合体を粒径1μm以下の微粒子とし、半導体性金属酸化物や半導体性高分子材料等の成分中に分散させて複合させてもよい。その場合には、重合体中の単量体単位数と、半導体性金属酸化物における非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好ましくは1:1〜1:100程度である。
【0020】
また、ポリビニルアルコールやアクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)等の透明な高分子材料、あるいは透明なガラス等を複合することにより、重合体単独の場合に比べて、機械的強度の向上を図ることができ、さらに、光散乱が低減して入射光の損失を低減できるので、光学的なオゾン検知用材料としての有用性が向上する。また、多孔質ガラスあるいは多孔質透明樹脂のような透明な多孔質体の細孔内壁に、上記重合体を付着させる方法で複合化(分散)すれば、重合体単独をオゾン検知用材料として用いる場合に比べて重合体の比表面積が大きくなり、気体中にオゾンを添加した場合の重合体とオゾンの接触度合いが大きくなるため、オゾンによる重合体の電気的・光学的変化が、複合しない場合と比べてより高速で大きく生じる効果を生み出すことができる。このような場合には、上記重合体は、粒径1μm以下の微粒子であるのが好ましい。このように上記重合体と複合させる透明成分としては、特に限定されないが、SiOを主成分とするガラス、石英;Alからなるサファイア;ZrO等の透明な酸化物や、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂等の透明な高分子材料が例示される。
【0021】
上記重合体中の単量体単位数と、複合成分中の透明な酸化物における非酸素原子数および透明な高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好ましくは1:0.01〜1:100程度である。複合成分を添加する場合には、上記重合体中の単量体単位数と、複合成分中の透明な酸化物における非酸素原子数および透明な高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好ましくは1:0.01〜1:1程度である。上記重合体を粒径1μm以下の微粒子とし、複合成分中に分散させる場合には、重合体中の単量体単位数と、複合成分中の透明な酸化物における非酸素原子数および透明な高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比は、好ましくは1:1〜1:100程度である。
【0022】
また、上記重合体の薄膜やペレットを、オゾン検知の妨害となり得るオゾン以外のガスを遮断、吸着するような成分の層で被覆することにより、上記重合体のオゾン検知の選択性を向上させることができる。
【0023】
本発明のオゾン検知用材料は、接触する気体中のオゾン濃度の変化に応じて光吸収率および/または電気伝導度が変化する。この特性を用いて光学的にオゾンを検知するには、次のようにする。すなわち、本発明のオゾン検知方法は、オゾン検知用材料が検知すべきオゾンを含有する気体と接触する際、該オゾン検知用材料の光吸収率を測定することにより行う。オゾン検知用材料の光吸収率を測定するには、公知の方法が適用できる。例えば、透明基板上に薄膜状のオゾン検知用材料の層を形成した材料を用いて、透過光強度から光吸収率を測定する方法、粉末状のオゾン検知用材料や粉末を固めて成形したペレット状のオゾン検知用材料等を用いて、光を照射した際の反射光の強度を拡散反射法で測定して光吸収率を見積もる方法、光導波路表面や光ファイバー表面にオゾン検知用材料を付着させてその光吸収率を測定する方法、光−音響効果を利用して光吸収率を測定する方法等、各種の公知の方法が可能である。これにより、本発明のオゾン検知用材料を用いると、その光吸収率を測定することにより、気体中のオゾンを検知し、また測定することができる。光吸収率の測定に用いる測定光の波長は、特に限定的ではないが、250〜2500nm程度とすることが好ましい。
【0024】
光学的オゾン検知用材料として使用する場合、上記薄膜が適用される透明基板としては、SiOを主成分とするガラス、石英;Alからなるサファイア;ZnO、ZrO等の透明な酸化物や、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂等の透明な高分子材料、あるいはZnSe等からなる基板が挙げられる。これらの材料は、通常、平板状の形状である。また、薄膜は導波路表面に形成して用いることができる。導波路表面に薄膜を形成して用いる場合、導波路中を伝播する光が薄膜との間で多重反射し、薄膜中にエバネッセント波が進入し、光学的オゾン検知感度を増大させることができる。また、クラッド部を薄くするかあるいは除去した光ファイバーの表面に薄膜を形成して用いることによっても、導波路を用いる場合と同様に光学的オゾン検知感度を増大させることができる。上記薄膜の厚さは、特に限定されないが、薄膜が薄過ぎると十分な感度(オゾンによる光吸収変化)が得られず、薄膜が厚過ぎると光吸収が過大で透過光が弱過ぎて光吸収変化の検知が困難となる。薄膜の厚さは、100nm〜10μm程度が好ましい。
【0025】
電気的オゾン検知用材料として使用する場合、上記薄膜あるいはペレット(形状は特に限定されない)は、金、白金、銅、アルミニウム等の金属電極や、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の透明酸化物電極等の上に形成して使用することができる。電極の形状は特に制限されず、平板状の電極や櫛型電極等を使用することができる。上記薄膜の厚さは、特に限定されないが、薄膜が薄過ぎると十分な感度(オゾンによる電気抵抗変化)が得られず、薄膜が厚過ぎると電気抵抗が過大となるかあるいは電流経路と無関係な無駄な部分が多くなる。薄膜の厚さは、100nm〜10μm程度が好ましい。オゾン検知用材料の電気伝導度の測定方法としては、直流法、交流法等の公知の方法が使用できる。
【0026】
本発明においては、オゾン検知用材料の主成分として、アニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を重合してなる重合体を用いる。これらの重合体は、オゾンの存在下において、光吸収率が変化する性質、あるいは電気伝導度が変化する性質を有し、光学的なオゾン検知用材料あるいは電気的なオゾン検知用材料として使用される。このような性質を有する理由は明確ではないが、以下のような原理によるものであると推測される。
【0027】
すなわち、これらの重合体は、紫外−可視−近赤外におよぶ広い波長範囲に連続的な吸収帯を有する。このような幅広い吸収スペクトルは、基本的には重合体が有する半導体的な電子構造に由来している。上記重合体の電子構造と光吸収の特徴は、ポリアニリンの電子構造と光吸収の特徴で代表させることができる。ポリアニリンは、その酸化還元状態とプロトン化の度合いによって、可逆的に相互変換可能な種々の状態をとることができ、それらの相互変換可能な種々の状態のポリアニリンは、それぞれ固有の特徴的な光吸収特性と電気伝導性を示す。代表的なポリアニリンの状態としては、例えば、灰褐色を呈し導電性の低いロイコエメラルジン(leucoemeraldine)塩基、青色を呈し導電性の低いエメラルジン(emeraldine)塩基、紫色を呈し導電性の低いペルニグラニリン(pernigraniline)塩基、緑色を呈し導電性の高いエメラルジン(emeraldine)塩等が挙げられる。このような相互変換可能な状態の1つにあるポリアニリンを気体中に保ち、そこにオゾンを添加すると、オゾンは強い酸化力を有するガスであるので、還元状態にあるポリアニリンを酸化し、酸化状態のポリアニリンへ変化させる。また、オゾンはプロトン化状態のポリアニリンのプロトンと反応し、プロトン化度の変化を引き起こすのではないかと推測される。このような、オゾンによって引き起こされるポリアニリンの酸化および/またはプロトン化度の変化の程度は、気体中に含まれるオゾンの濃度に依存するので、オゾン濃度に応じたポリアニリンの酸化および/またはプロトン化度の変化が起こり、その結果、オゾンによるポリアニリンの光吸収変化と電気伝導度変化が起こるものと推測される。ポリアニリンをオゾンを含む気体に接触させた後、オゾンを含まない気体中に保持すると、元の(オゾンに接触させる前の)ポリアニリンの状態に応じて、光吸収と電気伝導度がほとんど元に戻らず不可逆な場合、部分的に戻る場合、ほとんど元に戻り可逆な場合等が起こり、それらの可逆・不可逆の特性や元に戻る速度の特性を使い分けることによって、オゾンの漏洩を記録するのに適した1回限りのオゾン検知用材料、オゾンの検知をある程度繰り返してあるいは連続的に行うことが可能なオゾン検知用材料を作り分けることができる。また、元の(オゾンに接触させる前の)ポリアニリンの状態に応じて、オゾンに接触させた際に生じる光吸収変化と電気伝導度変化の大きさと濃度依存性が異なり、例えば、低濃度オゾンによって大きな光吸収変化と電気伝導度変化を起こし、高濃度域では光吸収変化と電気伝導度変化が飽和するもの、また一方、低濃度オゾンでは小さな光吸収変化と電気伝導度変化しか起こさないが、高濃度域でも光吸収変化と電気伝導度変化が飽和しないもの等を作り分けることができる。
【0028】
このような現象は、全ての重合体、言い換えれば全ての高分子材料で現れるものではなく、(1)紫外−可視−近赤外波長域に及ぶ幅広い光吸収帯とある程度の(半導体領域前後の)電気伝導性を有すること、(2)酸化還元が可能であること、(3)プロトン化・脱プロトン化が可能であることの3条件を満足する重合体(高分子)でのみ達成されるものと考えられる。上記したアニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を重合してなる重合体は、いずれも上記の3条件を満足し、優れた光学的オゾン検知特性および/または優れた電気的オゾン検知特性を示すものである。
【0029】
重合体を薄膜に形成し、光学的オゾン検知用材料として使用する場合、薄膜は、通常、ガラス、石英、サファイア、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂等の透明基板上、導波路表面、光ファイバー表面に形成する。光ファイバーは、通常、クラッド部を薄くしたもの、またはクラッド部を部分的にもしくは全て除去したものを用いる。重合体を薄膜に形成し、電気的オゾン検知用材料として使用する場合、薄膜は、通常、金、白金、銅、アルミニウム等の金属電極や、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の透明電極の上に形成する。電極の形状は特に限定されず、平板状電極、櫛型電極、ワイヤー状電極等を用いることができる。薄膜の形成方法は特に限定はなく、化学酸化重合法等の化学重合法、電解酸化重合法等の電気化学的重合法、可溶性重合体の場合には可溶性重合体の溶液をディップコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーンプリント法等で基板上に塗布する方法、あるいは重合体粉末を溶媒に分散させ、ディップコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーンプリント法等で基板上に塗布・乾燥する方法等、各種の公知の方法が適用できる。重合体は、光学的・電気的に応答するオゾン濃度範囲や可逆性・不可逆性の特性を制御するために、重合後、酸化剤あるいは還元剤で処理して酸化還元状態を制御し、また、酸性溶液あるいは塩基性溶液で処理してプロトン化・脱プロトン化状態を制御して用いることができる。
【0030】
光学的オゾン検知用材料として使用する場合、薄膜の厚さは、特に限定されないが、薄膜が薄過ぎると十分な感度(オゾンによる光吸収変化)が得られず、薄膜が厚過ぎると光吸収が過大で透過光が弱過ぎて光吸収変化の検知が困難となる。薄膜の厚さは、100nm〜10μm程度が好ましい。
【0031】
電気的オゾン検知用材料として使用する場合にも、薄膜の厚さは、特に限定されないが、薄膜が薄過ぎると十分な感度(オゾンによる電気抵抗変化)が得られず、薄膜が厚過ぎると電気抵抗が過大となるかあるいは電流経路と無関係な無駄な部分が多くなる。薄膜の厚さは、100nm〜10μm程度が好ましい。電気的オゾン検知用材料として使用する場合には、重合体をペレットの形状で用いることもできる。重合体を電極表面に直接重合させてペレット状にする方法、重合体の粉末やその濃厚溶液、あるいは重合体と溶媒の混合物を用いて、電極を埋め込んだ形状に成形する方法等を用いることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、空気等の気体中に微量のオゾンが存在した際に、そのような微量のオゾンに対して、大きな光学的感度(光吸収変化)および/または電気的感度(電気伝導度変化)を発現するオゾン検知用材料およびオゾン検知方法を、アニリン等の安価な原料および材料の単純な光吸収変化測定法および/または電気伝導度測定法により提供する。
【0033】
本発明のオゾン検知用材料は、その原料・製造方法・処理方法を適宜選択することによって、鋭敏な光学的感度および/または電気的感度を発現するオゾン濃度範囲、および、光学的感度および/または電気的感度の可逆性・不可逆性を制御することができる。
【0034】
本発明のオゾン検知用材料は、長期安定性、化学的安定性、機械的強度にも優れ、簡便・安価に製造可能である。
【0035】
本発明のオゾン検知方法は、繰り返し測定、連続測定あるいはオゾン検知記録を一定期間保持できる1回限りの測定が可能である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間的プロトン化状態の青色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が25ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が50ppm、100ppmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長700nm付近で最大(増大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長650nm付近で最大(増大)(各々0.100、0.293)となった。図1に、ポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図1において、aはオゾン50ppmの場合であり、bはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、ガラス基板上および石英基板上に化学酸化重合法で作製したポリアニリン薄膜でも、上記と同様のオゾンによる光吸収変化が得られた。
【0038】
実施例2
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を還元剤で還元し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾燥し、還元状態かつ脱プロトン化状態の紫色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長500nm付近で最大(増大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長490nm付近で最大(増大)(各々0.092、0.154)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0039】
実施例3
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を還元剤で還元し、蒸留水で洗浄、乾燥し、還元状態かつ中間的プロトン化状態の緑色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長750nm付近で最大(増大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長620nm付近で最大(増大)(各々0.287、0.674)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、化学酸化重合法でガラス基板上に作製した上記と同様のポリアニリン薄膜、および、粉末を固めて成形したポリアニリンのペレットに電極を取り付け、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の電気伝導度変化を測定した結果、オゾンによりポリアニリン薄膜の電気伝導度が増大し、オゾン検知用電気的センサ材料となることがわかった。
【0040】
実施例4
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を還元剤で還元し、塩酸で洗浄、乾燥し、還元状態かつプロトン化状態の緑色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長750nm付近で最大(増大)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長620nm付近で最大(増大)(各々0.041、0.383、0.801)となった。図2に、ポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図2において、aはオゾン25ppmの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0041】
実施例5
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を酸化剤で酸化し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ脱プロトン化状態の紫色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長610nm付近で最大(減少)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長640nm付近で最大(減少)(各々−0.047、−0.091、−0.117)となった。図3に、ポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図3において、aはオゾン25ppmの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0042】
実施例6
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリアニリン薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を酸化剤で酸化し、塩酸で洗浄、乾燥し、酸化状態かつプロトン化状態の緑色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約500nm)を調製した。このポリアニリン薄膜(2枚、合計膜厚約1000nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、この全ての濃度範囲のオゾンによってポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化量は、波長690nm付近で最大(増大)となった。2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリアニリン薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長650nm付近で最大(増大)(各々0.012、0.102、0.388、0.685、0.965)となった。図4に、ポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図4において、aはオゾン2.5ppmの場合であり、bはオゾン10ppmの場合であり、cはオゾン25ppmの場合であり、dはオゾン50ppmの場合であり、eはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、広い濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0043】
実施例7
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間的プロトン化状態の緑色を呈するポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が25ppm以下ではポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長850nm付近で最大(増大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長850nm付近で最大(増大)(各々0.010、0.112)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、ガラス基板上および石英基板上に化学酸化重合法で作製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜でも、上記と同様のオゾンによる光吸収変化が得られた。
【0044】
実施例8
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜を還元剤で還元し、蒸留水で洗浄、乾燥し、還元状態かつ中間的プロトン化状態の緑色を呈するポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が25ppm以下ではポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長820nm付近で最大(増大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長780nm付近で最大(増大)(各々0.068、0.137)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0045】
実施例9
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜を還元剤で還元し、塩酸で洗浄、乾燥し、還元状態かつプロトン化状態の緑色を呈するポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長850nm付近で最大(増大)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長770nm付近で最大(増大)(各々0.015、0.104、0.174)となった。図5に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図5において、aはオゾン25ppmの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、化学酸化重合法でガラス基板上に作製した上記と同様のポリ(N−メチルアニリン)薄膜、および、粉末を固めて成形したポリ(N−メチルアニリン)のペレットに電極を取り付け、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の電気伝導度変化を測定した結果、オゾンによりポリ(N−メチルアニリン)薄膜の電気伝導度が増大し、オゾン検知用電気的センサ材料となることがわかった。
【0046】
実施例10
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜を酸化剤で酸化し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ脱プロトン化状態の灰紫色を呈するポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長850nm付近で最大(増大)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長850nm付近で最大(増大)(各々0.035、0.054、0.077)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0047】
実施例11
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜を酸化剤で酸化し、蒸留水で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ中間的プロトン化状態の灰緑色を呈するポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長710nm付近で最大(増大)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長710nm付近で最大(増大)(各々0.047、0.089、0.124)となった。図6に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図6において、aはオゾン25ppmの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0048】
実施例12
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(N−メチルアニリン)薄膜を酸化剤で酸化し、塩酸で洗浄、乾燥し、酸化状態かつプロトン化状態の灰緑褐色を呈するポリ(N−メチルアニリン)薄膜(厚さ約600nm)を調製した。このポリ(N−メチルアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約1200nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(N−メチルアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長750nm付近で最大(増大)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長720nm付近で最大(増大)(各々0.062、0.113、0.135)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(N−メチルアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0049】
実施例13
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間的プロトン化状態の灰青色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長930nm付近で最大(減少)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長990nm付近で最大(減少)(各々−0.049、−0.079、−0.117)となった。図7に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図7において、aはオゾン25ppmの場合であり、bはオゾン50ppmの場合であり、cはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、ガラス基板上および石英基板上に化学酸化重合法で作製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜でも、上記と同様のオゾンによる光吸収変化が得られた。
【0050】
実施例14
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を還元剤で還元し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾燥し、還元状態かつ脱プロトン化状態の灰青色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長780nm付近で最大(増大)となった。50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長790nm付近で最大(増大)(各々0.026、0.036)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、比較的高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0051】
実施例15
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を還元剤で還元し、蒸留水で洗浄、乾燥し、還元状態かつ中間的プロトン化状態の灰青緑色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、この全ての濃度範囲のオゾンによってポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長760nm付近で最大(増大)となった。2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長760nm付近で最大(増大)(各々0.017、0.056、0.096、0.121、0.132)となった。図8に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図8において、aはオゾン2.5ppmの場合であり、bはオゾン10ppmの場合であり、cはオゾン25ppmの場合であり、dはオゾン50ppmの場合であり、eはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、広い濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。また、化学酸化重合法でガラス基板上に作製した上記と同様のポリ(2−クロロアニリン)薄膜、および、粉末を固めて成形したポリ(2−クロロアニリン)のペレットに電極を取り付け、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の電気伝導度変化を測定した結果、オゾンによりポリ(2−クロロアニリン)薄膜の電気伝導度が増大し、オゾン検知用電気的センサ材料となることがわかった。
【0052】
実施例16
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を還元剤で還元し、塩酸で洗浄、乾燥し、還元状態かつプロトン化状態の灰緑色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、この全ての濃度範囲のオゾンによってポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長850nm付近で最大(増大)となった。2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長850nm付近で最大(増大)(各々0.013、0.045、0.157、0.234、0.297)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、広い濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0053】
実施例17
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を酸化剤で酸化し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ脱プロトン化状態の紫色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が2.5ppmではポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が10ppm、25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長580nm付近で最大(減少)となった。10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長630nm付近で最大(減少)(各々−0.008、−0.032、−0.064、−0.089)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。
【0054】
実施例18
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を酸化剤で酸化し、蒸留水で洗浄、乾燥し、酸化状態かつ中間的プロトン化状態の灰青色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、オゾン濃度が10ppm以下ではポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度は変化が認められなかったが、オゾン濃度が25ppm、50ppm、100ppmの場合にはポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長900nm付近で最大(減少)となった。25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長1170nm付近で最大(減少)(各々−0.077、−0.089、−0.144)となった。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、中〜高濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0055】
実施例19
ポリスチレン基板上(ポリスチレン製光学セル内面)に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜を化学酸化重合法で形成した。調製したポリ(2−クロロアニリン)薄膜を酸化剤で酸化し、塩酸で洗浄、乾燥し、酸化状態かつプロトン化状態の灰青緑色を呈するポリ(2−クロロアニリン)薄膜(厚さ約400nm)を調製した。このポリ(2−クロロアニリン)薄膜(2枚、合計膜厚約800nm)を相対湿度50%の空気中に保ち、その後、この空気中に2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンを添加したところ、この全ての濃度範囲のオゾンによってポリ(2−クロロアニリン)薄膜の可視−近赤外吸光度が変化した。100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化量は、波長840nm付近で最大(増大)となった。2.5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppmのオゾンによるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率[(オゾンを含む空気中での吸光度−オゾンを含まない空気中での吸光度)/オゾンを含まない空気中での吸光度]は、波長840nm付近で最大(増大)(各々0.040、0.148、0.264、0.395、0.459)となった。図9に、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す。図9において、aはオゾン2.5ppmの場合であり、bはオゾン10ppmの場合であり、cはオゾン25ppmの場合であり、dはオゾン50ppmの場合であり、eはオゾン100ppmの場合である。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリ(2−クロロアニリン)薄膜は、広い濃度域のオゾン検知用光学的センサ材料となることがわかった。相対湿度20%の空気中にオゾンを添加した場合、および、相対湿度80%の空気中にオゾンを添加した場合にも、上記と同様の効果が得られた。
【0056】
実施例20
金電極を有する基板上に、ポリアニリン薄膜を電解酸化重合法で形成した。調製したポリアニリン薄膜を蒸留水で洗浄、乾燥し、中間的酸化還元状態かつ中間的プロトン化状態の淡青色を呈するポリアニリン薄膜(厚さ約300nm)を調製した。このポリアニリン薄膜を空気中に保ち、その後、この空気中に100ppmのオゾンを添加したところ、ポリアニリン薄膜の可視−近赤外吸光度が変化し、ポリアニリン薄膜の色が濃緑色に変化すると同時に、ポリアニリン薄膜の電気伝導度が約20倍増大した。雰囲気を、オゾンを含む空気からオゾンを含まない空気に変えると、ポリアニリン薄膜の吸光度と電気伝導度は、オゾンに接触させる前の空気中での吸光度と電気伝導度に近付く方向で徐々に回復した。このように、本ポリアニリン薄膜は、オゾン検知用光学的・電気的センサ材料となることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図2】実施例4におけるポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図3】実施例5におけるポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図4】実施例6におけるポリアニリン薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図5】実施例9におけるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図6】実施例11におけるポリ(N−メチルアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図7】実施例13におけるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図8】実施例15におけるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。
【図9】実施例19におけるポリ(2−クロロアニリン)薄膜の吸光度変化率と測定光波長との関係を示す図である。

Claims (9)

  1. アニリン、2位にハロゲン置換基を有するアニリン、3位にハロゲン置換基を有するアニリン、4位にハロゲン置換基を有するアニリン、N位に炭素数1〜3のアルキル置換基を有するアニリン、トルイジンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン検知用材料。
  2. アニリン、2−ブロモアニリン、2−クロロアニリン、3−ブロモアニリン、3−クロロアニリン、4−ブロモアニリン、4−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンおよびジフェニルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を重合してなる重合体からなるオゾン検知用材料。
  3. 透明基板上、導波路上、光ファイバー表面または電極上に薄膜状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン検知用材料。
  4. 請求項1に記載の重合体と、導電性炭素微粉末、半導体性金属酸化物および半導体性高分子材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加成分とを含有し、重合体中の単量体単位数と、導電性炭素微粉末における炭素原子数、半導体性金属酸化物における非酸素原子数および半導体性高分子材料を構成する単量体単位数の総数との比が、1:0.01〜1:1の範囲にある請求項1に記載のオゾン検知用材料。
  5. 添加成分が、導電性炭素微粉末である請求項4に記載のオゾン検知用材料。
  6. 半導体性金属酸化物が、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅および酸化タングステンからなる群より選ばれる請求項4に記載のオゾン検知用材料。
  7. 半導体性高分子材料が、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアルキルピロール、ポリアルキルチオフェン、オリゴピロールおよびオリゴチオフェンからなる群より選ばれる請求項4に記載のオゾン検知用材料。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のオゾン検知用材料を、オゾンを含む気体と接触させ、その際のオゾン検知用材料の光吸収率を測定することを特徴とするオゾン検知方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のオゾン検知用材料を、オゾンを含む気体と接触させ、その際のオゾン検知用材料の電気伝導度を測定することを特徴とするオゾン検知方法。
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