JP2003011434A - 印字装置及びテープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】テープ印字装置及びテープカセットに関し、テ
ープの収容量によって形状の異なる多色印字用の複数の
テープカセットを共用可能とする。 【解決手段】カセット装着部６には、多色印字のときに
テープを巻き戻すために、内底部分に若干突出して小型
テープカセット７０に対応してテープ巻戻し軸１３が設
けられ、大型テープカセット８０に対応してテープ巻戻
し軸１４が設けられる。一方で、前記小型・大型テープ
カセット７０、８０には、対応関係にあるテープ巻戻し
軸１３、１４と係合する係合部７１ｂ、８１ｂがスプー
ル７１、８１の端部に形成され、対応関係にないテープ
巻戻し軸１３、１４との当接を回避するための凹部７
４，８４が形成される。これにより、対応関係にないテ
ープ巻戻し軸によって干渉されることがないため、カセ
ット装着部６に形状の異なる２つのテープカセットを交
換可能に装着できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープの収容量が
異なることにより外形形状が異なるテープカセットを交
換可能に装着し、それらのテープカセットに収容された
テープに多色のインクで印字を行う印字装置及びその印
字装置と組み合わせて使用するテープカセットに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、長さ方向に複数の色のインクが繰
り返し配列された多色のインクリボンを用い、インクリ
ボンの複数色のインクをテープ上の同一印字領域に重ね
て転写してラベルなどを作成するテープ印字装置が提供
されている。

【０００３】このテープ印字装置は、発熱駆動されるこ
とによりインクリボンの多色のインクを１色づつテープ
に転写してテープ上に文字や画像を形成するサーマルヘ
ッド、回転駆動されることによりインクリボン及びテー
プを一方向に送るプラテンを備え、更に、テープ上の同
一印字領域に多色のインクを重ね転写するために、１色
のインクの転写が終了する毎に印字領域の印字開始位置
を前記サーマルヘッドに対応させるべく、前記プラテン
による送り方向とは反対方向にテープを逆送りする手段
を備えている。

【０００４】また、前記テープ及びインクリボンはスプ
ールに巻回されて１個のテープカセットに収容されてお
り、前記テープ印字装置は、前記テープカセットが装填
されるカセット装着部を備え、テープ及びインクリボン
をテープカセットから引き出して前記サーマルヘッドに
供給するように構成している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記テープ印字装置は
各種の用途で使用されているが、従来のテープ印字装置
に使用されるテープカセットのテープの収容量は個人が
家庭で時たま使用するには十分であっても、業務などの
用途で大量のラベルを印字する場合には、テープの収容
量が不足してテープカセットの交換が頻繁に必要になる
ことがある。

【０００６】そこで、従来よりカセットケースの外形形
状（平面形状）を大型形状化してテープ及びインクリボ
ンの収容量を多くした大量消費に対応できるテープカセ
ットの供給が望まれる。

【０００７】もっとも、テープカセットには、需要者の
用途に応じて適宜選択できるように、幅の異なるテープ
を収容した複数種類のものが用意されているが、使用頻
度の高いテープの幅は需要者の事情に応じて種々異な
り、使用頻度の高い幅のテープについては、テープの収
容量を増大した大型のテープカセットは便利であるが、
使用頻度の低い幅のテープについては、そのようなテー
プカセットを必要とせず従来のテープカセットでも不自
由することはない。

【０００８】従って、前記大型形状のテープカセットも
便利であるが、それよりテープ収容量の少ない従来のテ
ープカセットもまた需要が多いため、これら形状の異な
る２種類の多色印字用のテープカセットを使用できるテ
ープ印字装置の実現が望まれる。

【０００９】ところで、多色印字機能を有するテープ印
字装置では、テープを巻き戻すための手段を備えてい
る。このテープ巻戻し手段は、カセット装着部に設けら
れてテープカセットのテープ供給スプールに係合しテー
プの巻戻し方向に回転駆動されるテープ巻戻し軸を備え
て構成される。

【００１０】このテープ巻戻し軸は、テープカセットが
装着される装置本体のカセット装着部に突出して設けら
れるものであるが、テープ収容量を増大した大型テープ
カセットを新たに加えるとすると、この大型テープカセ
ットは従来のテープカセットとは形状が異なるととも
に、テープ供給スプールも異なる位置に配置されること
が避けられず、そのために、テープ巻戻し軸を大型テー
プカセットと従来の小型テープカセットとに共用するこ
とができない。

【００１１】従って、２種類のテープカセットに対応し
てカセット装着部の異なる位置に２個のテープ巻戻し軸
を設けることになるが、その場合には、一方のテープカ
セットのカセット装着部への装着時に他方のテープカセ
ットに対応するテープ巻戻し軸が干渉し、他方のテープ
カセットのカセット装着部への装着時には一方のテープ
カセットに対応するテープ巻戻し軸が干渉して、テープ
カセットの装着ができないという問題が生じる。

【００１２】本発明は、前記のような問題に鑑みなされ
たもので、形状の異なる複数種類の多色印字用のテープ
カセットに対応したテープ巻戻し手段を備えた多色印字
機能を有する印字装置にあって、複数種類のテープカセ
ットをカセット装着部に装着するときに、他のテープカ
セットに対応するテープ巻戻し手段によって干渉されず
に装着作業を行うことができ、形状の異なる複数種類の
多色印字用のテープカセットを交換可能に使用できる印
字装置、その印字装置に使用するテープカセットを提供
することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】第１の発明に係る印字装
置は、スプールに巻回したテープを形状の異なるカセッ
トケースに収容するとともに、該カセットケースの底面
に凹部を形成し、前記スプール及び前記凹部を印字装置
に対応して異なる位置に配置した複数種類のテープカセ
ットが交換可能に装着されるカセット装着部と、前記カ
セット装着部に装着された前記テープカセットからテー
プを引き出して順方向に搬送する一方、該テープを逆方
向に搬送して前記テープカセットに戻すテープ搬送手段
と、前記テープ搬送手段によって順方向及び逆方向に搬
送されるテープに多色印字を行う印字手段とを備え、前
記テープ搬送手段は、前記複数種類のテープカセットの
各スプールに対応して前記カセット装着部に配設され
て、前記各スプールに係合し回転駆動されることにより
前記各スプールにテープを巻き戻す複数のテープ巻戻し
軸を備え、前記複数の各テープ巻戻し軸は、前記カセッ
ト装着部に装着される前記複数種類のテープカセットの
うちで対応関係のあるテープカセットに対しては、当該
テープカセットのスプールと係合し、対応関係のないテ
ープカセットに対しては、当該テープカセットの凹部内
に収容されることを特徴とする。

【００１４】この第１の発明に係る印字装置によれば、
複数種類のテープカセットの夫々に対応して設けられる
テープ巻戻し軸が、それらの複数種類のテープカセット
との関係では、対応関係のあるテープカセットに対して
は、そのスプールに係合し、対応関係のないテープカセ
ットに対しては、そのカセットケースに形成される凹部
に収容されるため、複数種類のテープカセットをカセッ
ト装着部に装着するときに、他のテープカセットに対応
するテープ巻戻し手段によって干渉されずに装着作業を
行うことができ、形状の異なる複数種類の多色印字用の
テープカセットを交換可能に使用することができる。

【００１５】また、第２の発明に係る印字装置は、スプ
ールに巻回したテープを形状の異なるカセットケースに
収容するとともに、前記スプールには前記カセットケー
スの底面より外方に突出させて係合部を形成し、該係合
部を印字装置に対応して異なる位置に配置した複数種類
のテープカセットが交換可能に装着されるカセット装着
部と、前記カセット装着部に装着された前記テープカセ
ットからテープを引き出して順方向に搬送する一方、該
テープを逆方向に搬送して前記テープカセットに戻すテ
ープ搬送手段と、前記テープ搬送手段によって順方向及
び逆方向に搬送されるテープに多色印字を行う印字手段
とを備え、前記テープ搬送手段は、前記複数種類のテー
プカセットの各スプールに対応して前記カセット装着部
の内底部の底面以下に配設され、前記カセット装着部に
装着される前記複数種類のテープカセットのうちで対応
関係のあるテープカセットの前記係合部と係合し回転駆
動されることにより当該テープカセットのスプールにテ
ープを巻き戻す複数のテープ巻戻し軸を備えることを特
徴とする。

【００１６】この第２の発明に係る印字装置によれば、
スプールにカセットケースの底面から外方に向けて突設
された係合部を形成してなる複数種類のテープカセット
に対応して、カセット装着部の内底部の底面以下に、そ
れらテープカセットの各係合部と係合するテープ巻戻し
軸を備えることで、複数種類のテープカセットをカセッ
ト装着部に装着するときに、他のテープカセットに対応
するテープ巻戻し軸によって干渉されずに装着作業を行
うことができ、形状の異なる複数種類の多色印字用のテ
ープカセットを交換可能に使用することができる。

【００１７】また、第１の発明に係るテープカセット
は、スプールに巻回したテープを形状の異なるカセット
ケースに収容した複数のテープカセットであって、前記
テープカセットが装着されるカセット装着部と、前記カ
セット装着部に装着された前記テープカセットからテー
プを引き出して順方向に搬送する一方、該テープを逆方
向に搬送するべく前記複数のテープカセットに個別に対
応して前記カセット装着部内に設けられる複数のテープ
巻取り軸を回転駆動し前記テープカセット内にテープを
巻き戻すテープ搬送手段と、前記テープ搬送手段によっ
て順方向及び逆方向に搬送されるテープに多色印字を行
う印字手段とを備えた印字装置に装着されるものにおい
て、前記複数の各テープカセットには、当該各テープカ
セットが前記カセット装着部に装着された状態で、前記
複数のテープ巻戻し軸のうちで対応関係のあるテープ巻
戻し軸に係合するべく、当該テープ巻戻し軸に対応して
カセットケースにスプールを配設するとともに、前記複
数のテープ巻戻し軸のうちで対応関係のないテープ巻戻
し軸の干渉を回避するべく、当該テープ巻戻し軸を収容
する凹部をカセットケースに形成したことを特徴とす
る。

【００１８】この第１の発明に係るテープカセットによ
れば、テープ印字装置に設けられる複数種類のテープカ
セットの夫々に対応して設けられるテープ巻戻し軸が、
それらの複数種類のテープカセットとの関係では、対応
関係のあるテープカセットに対しては、そのスプールに
係合し、対応関係のないテープカセットに対しては、そ
のカセットケースに形成される凹部に収容されるため、
複数種類のテープカセットをカセット装着部に装着する
ときに、他のテープカセットに対応するテープ巻戻し手
段によって干渉されずに装着作業を行うことができる。

【００１９】さらに、第２の発明に係るテープカセット
は、スプールに巻回したテープを形状の異なるカセット
ケースに収容した複数のテープカセットであって、前記
テープカセットが装着されるカセット装着部と、前記カ
セット装着部に装着された前記テープカセットからテー
プを引き出して順方向に搬送する一方、該テープを逆方
向に搬送するべく前記複数のテープカセットに個別に対
応して前記カセット装着部の内底部の底面以下に設けら
れる複数のテープ巻取り軸を備え、該テープ巻取り軸を
回転駆動し前記テープカセット内にテープを巻き戻すテ
ープ搬送手段と、前記テープ搬送手段によって順方向及
び逆方向に搬送されるテープに多色印字を行う印字手段
とを備えた印字装置に装着されるものにおいて、前記複
数の各テープカセットには、当該テープカセットが前記
カセット装着部に装着された状態で、前記複数のテープ
巻取り軸のうちで対応関係のあるテープ巻取り軸に係合
するべく、当該テープ巻戻し軸に対応してカセットケー
スにスプールを配設するとともに、該スプールの軸方向
の端部にカセットケースの底面より外方に突出する係合
部を設けたことを特徴とする。

【００２０】この第２の発明に係るテープカセットによ
れば、スプールの軸方向の端部にカセットケースの底面
より外方に突出して係合部を設け、この係合部を、印字
装置のカセット装着部の内底部の底面以下に設けられる
テープ巻戻し軸に係合するようにしたことで、複数種類
のテープカセットをカセット装着部に装着するときに、
他のテープカセットに対応するテープ巻戻し手段によっ
て干渉されずに装着作業を行うことができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。

【００２２】図１及び図２は、本発明の実施の形態に係
るテープ印字装置の平面図及びカセット装着部の斜視図
である。

【００２３】このテープ印字装置１は、図７乃及び図８
に示す、多色（カラー）印字用のテープ１００ａとイン
クリボン１０１ａが収容された小型テープカセット７
０、多色（カラー）印字用のテープ１００ｂとインクリ
ボン１０１ｂが収容され平面形状が前記小型テープカセ
ット７０より大形状の大型テープカセット８０が装着可
能であり、夫々のテープカセットに収容されたテープと
インクリボンを用いてカラー印字を行うことができる。

【００２４】図１のように、テープ印字装置１の装置本
体２の上面には、印字すべきデータを入力し印字に必要
な種々の設定や指示を行うキーボード３、印字すべきデ
ータや印字に必要な種々の情報を表示する液晶表示部４
が設けられ、開閉自在の蓋５でカバーされて前記テープ
カセット７０、８０のいずれかが交換可能に装着される
カセット装着部６が設けられる。

【００２５】カセット装着部６には、前記テープカセッ
ト７０、８０のテープにインクリボンを使用して印字を
行うための機構として、テープの幅方向に配列された複
数の発熱体を備えて印字データに基づいて発熱駆動され
るサーマルヘッド１０、このサーマルヘッド１０の駆動
時に回転駆動されてテープ及びインクリボンを順方向に
搬送するプラテン１１、熱転写により使用されたインク
リボンを巻き取るリボン巻取り軸１２及びカラー印字中
にテープを印字領域の印字開始位置まで逆方向に搬送す
るテープ巻戻し軸１３、１４が設けられる。サーマルヘ
ッド１０、プラテン１１及びリボン巻取り軸１２は、前
記小型テープカセット７０及び前記大型テープカセット
８０の双方に共用されるが、テープ巻戻し軸１３は前記
小型テープカセット７０のテープの逆送り専用に使用さ
れ、テープ巻戻し軸１４は前記大型テープカセット８０
のテープの逆送り専用に使用される。これらのテープ巻
戻し軸１３，１４はカセット装着部６の内底部上に若干
突出して設けられる。

【００２６】サーマルヘッド１０は、プラテン１１の側
に向けて開口するヘッド保護ケース１０ａ内に配置さ
れ、後記ヘッド移動機構によってプラテン１１に圧接す
る印字位置とプラテン１１から開離する非印字位置とに
移動可能に設けられている。

【００２７】プラテン１１、リボン巻取り軸１２及びテ
ープ巻戻し軸１３、１４の夫々は、カセット装着部６の
底板７の下部に設けられる駆動機構によって回転駆動さ
れる。

【００２８】また、カセット装着部６には、テープ幅を
識別する識別スイッチ１５a、１５ｂ、１５ｃが設けら
れる。

【００２９】また、カセット装着部６には、カラー印字
用のテープに施された位置合わせ用マークを検知する位
置マークセンサ１６及びカラー印字用のインクリボンに
施された複数色の各インクの頭出し用のマークを検知す
る頭出しマークセンサ１７が夫々テープ及びインクリボ
ンの搬送経路に臨んで設けられる。

【００３０】１８は印字されたテープが装置外に排出さ
れる排出口であり、排出口１８の近部には固定刃１９と
可動刃２０を備えて印字済のテープを切断するカッター
が設けられる。

【００３１】このテープ印字装置１では、正逆転可能な
モータを駆動源としてプラテン１１、リボン巻取り軸１
２及びテープ巻戻し軸１３、１４が回転駆動され、サー
マルヘッド１０がプラテン１１に対して移動される。

【００３２】図３及び図４は、カセット装着部６の底面
下に設けられるテープとインクリボンの搬送及びサーマ
ルヘッド１０の移動のための駆動機構の説明図であり、
図５はその駆動機構の動作説明図である。

【００３３】以下、それらの駆動機構について説明す
る。まず、テープとインクリボンの搬送駆動機構は、テ
ープとインクリボンとを共に順方向に搬送する順送り機
能と、テープのみを順方向とは反対の逆方向に搬送する
逆送り機能とを有する。この搬送駆動機構は正逆転可能
なステップモータ２２を駆動源とし、ステップモータ２
２の正転時に前記順送りが行われ、ステップモータ２２
の逆転時に前記逆送りが行われる。

【００３４】まず、図３に基づいて前記搬送駆動機構の
うちの順送り駆動機構について説明する。ステップモー
タ２２の正転時には、ステップモータ２２の出力軸に設
けられるモータギア２３、２段ギア２４、ギア２５、２
段ギア２６、ギア２７、ギア２８、ギア２９、ワンウェ
イギア３０、２段ギア３１、プラテンギア３２の順で回
転駆動力が伝達されて、プラテンギア３２の軸上に設け
られたプラテン１１が回転駆動され、さらにプラテンギ
ア３２を介してリボン巻取りギア３３に回転駆動力が伝
達されてリボン巻取りギア３３と同一軸に設けられたリ
ボン巻取り軸１２が回転駆動される。

【００３５】ギア２８とギア２９とは同一軸上の上下に
間隔をおいて互いに独立して回転可能に設けられてお
り、ギア２８の下面に係合用の突部２８ａが設けられ、
ギア２９の上面に突部２８ａと係合可能な突部２９ａが
設けられている。印字開始時、すなわちステップモータ
２２の正転駆動が開始されるときの両突部２８ａ、２９
ａの位置関係は図３の通りであり、ステップモータ２２
の正転駆動（図３で矢印Ａの方向）が始まると、まずギ
ア２８が図３の矢印Ｂの方向に回転し、突部２８ａが突
部２９ａの位置まで達してこれに係合してからギア２９
の矢印Ｂの方向への回転が始まる。これにより、ステッ
プモータ２２の正転駆動の開始から所定のタイミングだ
け遅延してプラテン１１及びリボン巻取り軸１２が回転
駆動されるようにしている。なお、この遅延時間の間に
サーマルヘッド１０の移動機構が駆動されてサーマルヘ
ッド１０の印字位置への移動が行われる。

【００３６】また、前記ワンウェイギア３０はステップ
モータ２２の正転時のみその回転駆動力をプラテン１１
及びリボン巻取り軸１２に伝達するが、ステップモータ
２２の逆転時には、その回転駆動力をプラテン１１及び
リボン巻取り軸１２に伝達しないように構成されてい
る。

【００３７】また、図３に示す駆動機構にはサーマルヘ
ッドの移動機構も含まれており、このヘッド移動機構は
前記搬送駆動機構と同一のステップモータ２２を駆動源
とし、ステップモータ２の正転及び逆転の初期段階で動
作し、正転時にはサーマルヘッド１０をプラテン１１に
向けて移動させ、逆転時にはサーマルヘッド１０をプラ
テン１１から離れる方向に動作させる。

【００３８】すなわち、ヘッド移動機構は、モータギア
２３、２段ギア２４及びギア２５までの伝達経路を前記
搬送駆動機構と共用し、それらに加えて、ギア２５に噛
み合う２段ギア３４、アーム３５に取付けられ太陽ギア
となる２段ギア２９のうちの下部ギア３４ａに噛み合っ
て軸３６に対して揺動可能に設けられる第１遊星ギア３
７及び第２遊星ギア３８、第１遊星ギア３７及び第２遊
星ギア３８と噛み合うカムギア３９、カムギア３９に係
合して移動する移動プレート４３、サーマルヘッド１０
を支持するとともに移動プレート４３の移動に連動して
軸４６を中心に回動するヘッドアーム４７で構成され
る。

【００３９】また、図３に図示する搬送駆動機構のうち
テープの逆送り駆動機構について説明すると、この逆送
り駆動機構は、小型テープカセット７０に対応してテー
プ巻戻し軸１３を回転駆動する第１のテープ逆送り駆動
機構と、大型テープカセット８０に対応してテープ巻戻
し軸１４を回転駆動する第２のテープ逆送り駆動機構を
備える。

【００４０】第１のテープ逆送り駆動機構は、モータギ
ア２３から第２遊星ギア３８に至るまでの伝達経路を前
記ヘッド移動駆動機構と共用し、さらに第２遊星ギア３
８に噛み合うテープ巻戻しギア５０を加えて構成され
る。テープ巻戻しギア５０の軸上にはテープ巻戻し軸１
３が取付けられている。

【００４１】第２のテープ逆送り駆動機構は、前記第１
のテープ逆送り駆動機構、テープ巻戻しギア５０に噛み
合うギア５１、そのギア５１に噛み合うテープ巻戻しギ
ア５２、テープ巻戻しギア５２によって構成される。テ
ープ巻戻しギア５２の軸上にはテープ巻戻し軸１４が取
付けられる。

【００４２】図４は前記駆動機構の要部を示す。図示の
ように、カムギア３９は、円板形状に形成されてシャー
シ５５に設けられた支持軸５６に回転可能に設けられ
る。このカムギア３９は、図３に図示のように、テープ
巻戻しギア５０より大径の外周部分にギア部が形成され
るとともに、その外周部分の所定位置で厚み方向の下部
に前記第１遊星ギア３７が入り込む第１凹部４０が形成
され、外周部分の他の所定位置で厚み方向の上部に前記
第２遊星ギア３８が入り込む第２凹部４１が形成されて
いる。これら第１凹部４０及び第２凹部４１の部分には
ギア部は形成されていない。第２遊星ギア３８が第２凹
部４１に入り込んだ状態では第２遊星ギア３８はテープ
巻戻しギア５０と噛み合う。また、カムギア３９の下面
には、中心部から周縁部に向けた円弧状のカム溝４２が
形成されている。

【００４３】このカムギア３９のカム溝４２には、移動
プレート４３の一端部に設けられたピン４４が係合す
る。移動プレート４３は、図３において左右の方向に平
行に移動可能に設けられており、移動プレート４３の他
端部には上方に起立した連結片４５が形成され、この連
結片４５がヘッドアーム４７の側部に下方に折り曲げて
形成した連結片４８に係止される。これにより、移動プ
レート４３を介してカムギア３９の動きにヘッドアーム
４７が連動するように構成されている。

【００４４】サーマルヘッド１０を回動可能に支持する
ヘッドアーム４７の端部とシャーシ５５との間にはヘッ
ド加圧バネ４９が張設される。このヘッド加圧バネ４９
は、常にヘッドアーム４７が反時計回りの方向に回動す
るべく付勢しており、印字位置に移動したサーマルヘッ
ド１０をプラテン１１に圧接させるべく作用する。

【００４５】また、テープ巻戻しギア５０は、カムギア
３９とともに支持軸５６に回転可能に設けられる。この
テープ巻戻しギア５０は、支持軸５６上でカムギア３９
より上方に設けられ、かつカムギア３９とは独立して回
転可能に設けられている。

【００４６】次に、印字時における前記各駆動機構の動
作について説明する。カラー印字の開始時には駆動機構
は図３に示す状態である。まずステップモータ２２が矢
印Ａの方向に正転駆動されると、その回転駆動力は、モ
ータギア２３、２段ギア２４、ギア２５、２段ギア２
６、ギア２７、ギア２８、ギア２９、ワンウェイギア３
０、２段ギア３１、プラテンギア３２及びリボン巻取り
ギア３３の順で伝達されてプラテン１１及びリボン巻取
り軸１２が回転駆動される。矢印Ｂ、Ｃ、Ｄは夫々ギア
２８、プラテン１１及びリボン巻取り軸１２の回転方向
を示す。このとき、前述のように、ギア２８とギア２９
の間には駆動力の伝達を遅延させる機構が設けられてい
るため、プラテン１１及びリボン巻取り軸１２は所定の
時間だけ遅れて回転駆動される。

【００４７】また、ステップモータ２２の正転駆動が開
始されると、その回転駆動力はモータギア２３、２段ギ
ア２４、ギア２５、２段ギア３４及び第１遊星ギア３７
の順に伝達され、軸３６を中心にアーム３５が矢印Ｅの
方向に揺動して第１遊星ギア３７がカムギア３９に噛合
し、カムギア３９が矢印Ｆの方向に回転する。このカム
ギア３９の回転によって移動プレート４３に設けられた
ピン４４はカム溝４２に沿ってカムギア３９の円周方向
に向け移動し、これに伴って移動プレート４３は図３の
右方向に移動する。ヘッドアーム４７はヘッド加圧バネ
４９によってシャーシ５５に向けて付勢されているの
で、ヘッドアーム４７は軸４６を中心に矢印Ｇの方向に
回動しサーマルヘッド１０は印字位置に移動してプラテ
ン１１に圧接することになる。ステップモータ２２の正
転駆動の開始からサーマルヘッド１０の印字位置への移
動時間に対応して、ギア２８とギア２９によって構成さ
れる前記駆動力の伝達遅延機構の遅延時間が設定されて
いる。

【００４８】ステップモータ２２が更に正転駆動する
と、第１遊星ギア３７はカムギア３９の所定位置でその
厚さ方向の下部に形成された第1凹部４０に嵌り込み、
第１遊星ギア３７とカムギア３９のギア部との噛み合わ
せが解かれる。

【００４９】以下、サーマルヘッド１０が印字データに
基づいて発熱駆動されてインクリボンのインクがテープ
に熱転写印字され、それに対応してステップモータ２２
が正転駆動されてテープとインクリボンがプラテン１１
によって搬送され、リボン巻取り軸１２による使用済の
インクリボンの巻取りが行われる。このとき、第１遊星
ギア３７はカムギア３９の第1凹部４０に嵌り込んで、
そこで空転を続けるため、カムギア３９は停止した状態
を維持しサーマルヘッド１０はプラテン１１に圧接する
印字位置に保持される。

【００５０】カラー印字では、印字前のステップモータ
２２の正転駆動時にインクリボンの各色インクの頭出し
が行われ、またテープの同一印字領域にイエロー、マゼ
ンタ、シアンの各色インクによる３回の重ね印字が行わ
れるため、１色のインクの印字終了毎にテープを印字領
域の印字開始位置に巻き戻す必要がある。

【００５１】図５は小型テープカセット７０がカセット
装着部６に装着されたときに、テープ巻戻し軸１３を駆
動してテープ１００ａを巻き戻す動作説明図である。

【００５２】図５のように、サーマルヘッド１０が印字
位置に位置し、第１遊星ギア３７とカムギア３９の第1
凹部４０に嵌り込んだ状態で、テープを印字領域の印字
開始位置に巻き戻すためにステップモータ２２が逆転駆
動すると、その回転駆動力はモータギア２３、２段ギア
２４、ギア２５、２段ギア３４及び第２遊星ギア３８の
順に伝達され、軸３６を中心にアーム３５が矢印Ｈの方
向に揺動して第２遊星ギア３８がカムギア３９に噛合
し、カムギア３９が矢印Ｊの方向に回転する。このカム
ギア３９の回転によって移動プレート４３に設けられた
ピン４４はカム溝４２に沿ってカムギア３９の中心方向
に向け移動し、これに伴って移動プレート４３は図５の
左方向に移動し、ヘッドアーム４７は軸４６を中心に矢
印Ｋの方向に回動してサーマルヘッド１０が印字位置か
ら開離する。これにより、サーマルヘッド１０とプラテ
ン１１との間に挟圧されていたテープが開放される。サ
ーマルヘッド１０が印字位置から非印字位置に移動した
後に、第２遊星ギア３８はカムギア３９の所定位置でそ
の厚さ方向の上部に形成された第２凹部４１に嵌り込
む。第２遊星ギア３８はカムギア３９の第２凹部４１に
嵌り込んだ状態ではテープ巻戻しギア５０と噛み合う。

【００５３】しかして、更にステップモータ２２が逆転
駆動することで、テープ巻戻しギア５０は矢印Ｌの方向
に回転しテープ巻戻し軸１３によって小型テープカセッ
ト７０のテープ１００ａの巻き戻しが行われる。また、
同時にギア５１を介してテープ巻戻しギア５２が矢印Ｍ
方向に回転しテープ巻戻し軸１４によって大型テープカ
セット８０のテープ１００ｂの巻き戻しが行われる。

【００５４】このとき、第２遊星ギア３８はテープ巻戻
しギア５０とは噛み合うがカムギア３９との噛み合いは
外れているため、カムギア３９は停止したままでありサ
ーマルヘッド１０は非印字位置に保持される。

【００５５】なお、このテープ印字装置では、印字終了
時にもサーマルヘッド１０を非印字位置まで移動して印
字動作を完了する。このときにもステップモータ２２は
逆転駆動される。

【００５６】図４に戻って、テープ巻戻し軸１３につい
て、更に説明すると、テープ巻戻し軸１３はテープ巻戻
しギア５０の上面の中心部に設けられ、その上端部にテ
ープカセット７０のスプール７１に係合する係合部１３
ａがカセット収容部６の内底部の底板７より上方に突出
して設けられる。この係合部１３ａは小型テープカセッ
ト７０のスプール７１の底面７０ｃ側の内側端部に設け
られる係合部と係合可能な程度の高さに底板７上に突出
して設けられる。

【００５７】なお、大型テープカセット８０に対応する
テープ巻戻し軸１４もテープ巻戻し軸１３と同様にして
設けられる。

【００５８】次に、テープ印字装置１に使用されるテー
プカセットの構成について説明する。カラー印字用の小
型テープカセット７０は、図２の斜視図及び７（ａ）の
断面図によって示される。このテープカセット７０は、
カラー印字用のテープ１００ａを巻回しテープ巻戻し軸
１３に係合されるテープ供給スプール７１と、多色イン
クリボン１０１ａを巻回したリボン供給スプール７２ａ
及びリボン巻取り軸１２に係合されるリボン巻取スプー
ル７２ｂとを収容する下ケース７０ａと、該下ケース７
０ａの蓋となる上ケース７０ｂとから構成され、これら
ケースにはサーマルヘッド１０が挿入されるヘッド挿入
部７３が形成されている。前記テープ供給スプール７１
は、底面７０ｃ側の内側にテープ巻戻し軸１３の係合部
１３ａと係合するためにフィンを有する係合部７１ｂが
設けられ、上下両端が上ケース７０ｂと下ケース７０ａ
に形成された軸受穴に回転可能に嵌め込まれて支持され
る。前記係合部７１ｂは、カセット装着部６の内底部上
に若干突出して設けられるテープ巻戻し軸１３の係合部
１３ａに係合するべく、カセットケースの底面７０ｃ側
に設けられている。

【００５９】また、リボン供給スプール７２ａ及びリボ
ン巻取スプール７２ｂも上下両端が上ケース７０ｂと下
ケース７０ａに形成された軸受穴に回転可能に嵌め込ま
れて支持される。

【００６０】また、下ケース７０ａの底面７０ｃには、
テープ巻戻し軸１４が対応する位置に、当該小型テープ
カセット７０がカセット装着部６に装着されるときに、
カセット装着部６の底板７上に突出するテープ巻戻し軸
１４を回避するための凹部７４が形成されている。

【００６１】前記カラー印字用のテープ１００ａには、
裏面の長手方向に前記位置マークセンサ１６によって検
知可能な位置マークが所定の間隔で連続して施されてお
り、前記多色インクリボン１０１ａには、長手方向にイ
エロー、マゼンタ、シアンの帯状のインク領域が繰り返
し配置され、各インク領域の先頭位置には前記頭出しマ
ークセンサ１７によって検知可能な頭出しマークが設け
られている。これらテープ１００ａ及び多色インクリボ
ン１０１ａはテープ供給スプール７１及びリボン供給ス
プール７２ａからヘッド挿入部７３に重ねて引き出され
サーマルヘッド１０に供給されて印字が行われる。

【００６２】また、下ケース７０ａには、前記識別スイ
ッチ１５ａ〜１５ｃによってテープカセットの種類を識
別するべく識別部が形成される。この識別部は、前記識
別スイッチ１５ａ〜１５ｃの対応位置に設ける穴の有無
により前記複数の識別スイッチ１５ａ〜１５ｃをオンオ
フ操作する。

【００６３】また、図２及び図６（ｂ）はカラー印字用
の大型テープカセット８０の斜視図及び断面図である。
この大型テープカセット８０は、カラー印字用のテープ
１００ｂを巻回しテープ巻戻し軸１４が係合されるテー
プ供給スプール８１と、カラー印字用の多色インクリボ
ン１０１ｂを巻回したリボン供給スプール８２ａ及びリ
ボン巻取り軸１２が係合されるリボン巻取スプール８２
ｂとを収容する下ケース８０ａと、該下ケース８０ａの
蓋となる上ケース８０ｂとから構成され、これらケース
にはサーマルヘッド１０が挿入されるヘッド挿入部８３
が形成されている。前記テープ供給スプール８１は、底
面８０ｃ側の内側にテープ巻戻し軸１４の係合部１４ａ
と係合するためにフィンを有する係合部８１ｂが設けら
れ、上下両端が上ケース８０ｂと下ケース８０ａに形成
された軸受穴に回転可能に嵌め込まれて支持される。前
記係合部８１ｂは、カセット装着部６の内底部上に若干
突出して設けられるテープ巻戻し軸１４の係合部１４ａ
に係合するべく、カセットケースの底面８０ｃ側に設け
られている。

【００６４】また、リボン供給スプール８２ａ及びリボ
ン巻取スプール８２ｂも上下両端が上ケース８０ｂと下
ケース８０ａに形成された軸受穴に回転可能に嵌め込ま
れて支持される。

【００６５】また、下ケース８０ａの底面８０ｃには、
テープ巻戻し軸１３が対応する位置に、当該大型テープ
カセット８０がカセット装着部６に装着されるときに、
カセット装着部６の底板７上に突出するテープ巻戻し軸
１３を回避するための凹部８４が形成されている。

【００６６】前記カラー印字用のテープ１００ｂにも裏
面の長手方向に位置マークが所定の間隔で連続して施さ
れており、前記多色インクリボン１０１ｂには、長手方
向にイエロー、マゼンタ、シアンの帯状のインク領域が
繰り返し配置され、各インク領域の先頭位置には前記頭
出しマークが設けられている。これらカラー印字用のテ
ープ１００ｂ及び多色インクリボン１０１ｂはテープ供
給スプール８１及びリボン供給スプール８２ａからヘッ
ド挿入部８３に重ねて引き出されサーマルヘッド７に供
給されて印字が行われる。

【００６７】また、下ケース８０ａには、前記識別スイ
ッチ１５ａ〜１５ｃによってテープカセットの種類を識
別するべく識別部が形成される。

【００６８】この大型テープカセット８０に収容される
テープ１００ｂは、未使用状態において、前記小型のテ
ープカセット７０に収容されるテープ１００ａより長尺
とし、インクリボン１０１ｂもテープ１００ｂに対応す
る長さを有している。従って、その長尺のテープを収容
してテープの収容量を多くしたために、大型テープカセ
ット８０のカセットケース８０ａ、８０ｂは小型のテー
プカセット７０のカセットケース７０ａ、７０ｂに比べ
て平面形状が大型の外形形状を有している。

【００６９】なお、テープカセット７０、８０には、収
容するテープ及びインクリボンの幅が異なるものが複数
種類用意されている。

【００７０】図７は、小型テープカセット７０をテープ
印字装置１のカセット装着部６に装着した状態を示す。
小型テープカセット７０を上方からカセット装着部６に
挿入すると、小型テープカセット７０のヘッド挿入部７
３にサーマルヘッド１０が挿入され、リボン巻取りスプ
ール７２ａにリボン巻取り軸１２が係合し、テープ供給
スプール７１の係合部７１ａにテープ巻戻し軸１３係合
部１３ａが挿入されて係合することで、小型テープカセ
ット７０はカセット装着部６の所定の領域に位置決めさ
れて装着される。

【００７１】この所定の領域内には、大型テープカセッ
ト８０に対応するテープ巻戻し軸１４が配設されている
が、小型テープカセット７０の底面７０ｃには、テープ
巻戻し軸１４の位置に対応して凹部７４が形成されてい
るため、凹部７４によってテープ巻戻し軸１４と小型テ
ープカセット７０との当たりが回避されて小型テープカ
セット７０のカセット装着部６への装着がテープ巻戻し
軸１４によって干渉を受けることはない。

【００７２】また、図８は、大型テープカセット８０を
テープ印字装置１のカセット装着部６に装着した状態を
示す。大型テープカセット８０を上方からカセット装着
部６に挿入すると、大型テープカセット８０のヘッド挿
入部８３にサーマルヘッド７が挿入され、リボン巻取り
スプール８２ａにリボン巻取り軸１２が係合し、テープ
供給スプール８１にテープ巻戻し軸１４の係合部１４ａ
が挿入されて係合することで、大型テープカセット８０
はカセット装着部６の所定の領域に位置決めされて装着
される。

【００７３】この所定の領域には、小型テープカセット
７０に対応するテープ巻戻し軸１３が配設されている
が、大型テープカセット８０の底面８０ｃには、テープ
巻戻し軸１３の位置に対応して凹部８４が形成されてい
るため、凹部８４によってテープ巻戻し軸１３と小型テ
ープカセット７０との突き当たりが回避されて大型テー
プカセット８０のカセット装着部６への装着がテープ巻
戻し軸１３によって干渉を受けることはない。

【００７４】図９は、テープ印字装置の電子回路のブロ
ック図を示す。この印字装置１の電子回路には、ＣＰＵ
からなる制御部１１０が備えられる。制御部１１０に
は、印字データや印字に関する指令情報などを入力する
キーボード３、入力された印字データや印字に関する情
報等を表示する表示部４、装置の動作処理に関するシス
テムプログラムを記憶するＲＯＭ１１１、印字データ及
び印字の処理に必要な各種の情報を記憶するＲＡＭ１１
２が接続される他、サーマルヘッド１０の発熱体を印字
データに応じて発熱駆動する駆動回路１１３、プラテン
１１やリボン巻取り軸１２及びテープ巻戻し軸１３、１
４を回転駆動しサーマルヘッド１０を移動するためのス
テップモータ２２の駆動回路１１４、テープを切断する
カッターモータ１１５を駆動するための駆動回路１１６
が接続される。

【００７５】また、識別スイッチ１５ａ〜１５ｃ、位置
マークセンサ１６及び頭出しマークセンサ１７が制御部
１１０に接続されている。

【００７６】次に、図１０は本発明の実施形態における
印字処理を示すフローチャートである。カセット装着部
６に小型テープカセット７０（又は大型テープカセット
８０）が装着された状態で、キーボード３より印字開始
の指示があると印字処理が開始される。

【００７７】まず、ステップモータ２２が正転駆動さ
れ、前記ヘッド移動機構が駆動されてサーマルヘッド１
０がプラテン１１に圧接する印字位置に移動される（ス
テップＳ１）。サーマルヘッド１０が印字位置に移動し
た状態でサーマルヘッド１０を駆動することなくステッ
プモータ２２が更に正転駆動されると、前記搬送駆動機
構の順送り駆動機構が駆動されてテープ１００ａ（１０
０ｂ）及びインクリボン１０１ａ（１０１ｂ）が重ね合
わされて搬送されインクリボン１０１ａ（１０１ｂ）の
所定の色インクの頭出し処理が行なわれる。頭出しマー
クセンサ１７によって頭出しマークが検知されたときに
ステップモータ２２の正転駆動が停止される。この間、
テープ１００ａ（１００ｂ）もインクリボン１０１ａ
（１０１ｂ）とともに搬送されており、位置マークセン
サ１６によって通過するテープ１００ａ（１００ｂ）上
の位置マークの数が計数されている（ステップＳ２）。

【００７８】所定の色インクの頭出し終了後、ステップ
モータ２２が逆転駆動され前記ヘッド移動機構が駆動さ
れてサーマルヘッド１０がプラテン１１から開離する非
印字位置に移動する（ステップＳ３）。続けてステップ
モータ２２が逆転駆動される。これにより、テープ巻戻
し軸１３、１４が回転駆動されてテープ１００ａがテー
プ供給スプール７１に巻き戻される。この巻戻し時にも
テープ１００ａに付された位置マークが計数され、その
計数値に基づいて頭出し時のテープ搬送量と同量の長さ
が巻き戻される（ステップＳ４）。

【００７９】その後、ステップモータ２２が正転駆動さ
れ前記ヘッド移動機構が駆動されてサーマルヘッド１０
が印字位置に移動する（ステップＳ５）。そして、サー
マルヘッド１０が印字位置に移動した状態で印字データ
に基づいてサーマルヘッド１０が駆動されつつ、ステッ
プモータ２２の正転駆動によってテープ１００ａ（１０
０ｂ）とインクリボン１０１ａ（１０１ｂ）が搬送され
て所定の色インクの印字が行われる（ステップＳ６）。

【００８０】所定の色インクの印字が終了すると、全て
の色の印字が終了したか判断され、終了していなけれ
ば、サーマルヘッド１０を印字位置に保持したままでス
テップモータ２２が更に正転駆動されて次の色インクの
頭出し処理が行われる（ステップＳ７、Ｓ８）。

【００８１】その後、ステップモータ２２が逆転駆動さ
れてサーマルヘッド１０を非印字位置に移動させ（ステ
ップＳ９）、続けてステップモータ２２が逆転駆動され
テープ巻戻し軸１３、１４が回転駆動されて前記ステッ
プＳ６の印字と前記ステップＳ８の頭出しによって搬送
された分だけテープ１００ａ（１００ｂ）の巻戻しが行
われる。これにより、テープ１００ａ（１００ｂ）はそ
の印字領域の印字開始位置まで巻き戻される（ステップ
Ｓ１０）。

【００８２】以下、全ての色の印字が終了するまで、前
記ステップＳ６の印字、前記ステップＳ８の頭出し及び
前記ステップＳ１２のテープ巻戻しが繰り返される。

【００８３】全ての色の印字の終了が判断されると、テ
ープ１００ａ（１００ｂ）は排出口１８に向けて搬送さ
れ（ステップＳ１１）、カッターによる切断処理が行わ
れる（ステップＳ１２）。

【００８４】テープの切断が行われた後には、プラテン
１１に圧接して印字位置にあるサーマルヘッド１０を、
ステップモータ２２を逆転駆動することにより非印字位
置まで移動させた上で全ての処理を終了する（ステップ
Ｓ１３、ＥＮＤ）。

【００８５】以上のように、本実施形態によるテープ印
字装置及びテープカセットでは、テープ巻戻し軸１３が
カセット装着部６内の大型テープカセット８０の装着領
域に突出して設けられているが、大型テープカセット８
０にはテープ巻戻し軸１３に対応して凹部８４が形成さ
れているため、大型テープカセット８０の装着時には、
テープ巻戻し軸１３は凹部８４に収容され、大型テープ
カセット８０はテープ巻戻し軸１３干渉を受けずに装着
することができる。小型テープカセット７０についても
同様であり、小型テープカセット７０の装着時には、大
型テープカセット８０に対応し小型テープカセット７０
の装着領域に突出して設けられているテープ巻戻し軸１
４は凹部７４に収容される。従ってカラー印字用の大小
テープカセット７０、８０をカセット装着部６に交換可
能に装着することができて、それらのテープカセットに
収容されたテープにカラー印字を行なうことができる。

【００８６】次に、図１１に基づいて他の実施形態に係
るテープ印字装置及びテープカセットについて説明す
る。

【００８７】前述の実施の形態に係るテープ印字装置で
は、テープ巻戻し軸１３、１４をカセット装着部６の底
板７上に突出して設けたが、図１１に示す他の実施形態
に係るテープ印字装置では、テープ巻戻し軸１３Ａ、１
４Ａをカセット装着部６Ａの底板７Ａ下に後退した位置
に設ける点で相違する。

【００８８】また、前述の実施の形態に係るテープカセ
ット７０、８０には、テープ巻戻し軸１３、１４に対応
して、テープを巻回したスプール７１、８１の底面側端
部に係合部を設け、かつカセットケースの底面側に凹部
７４、８４を形成したが、図１１に示す他の実施形態に
係る第１の（小型）テープカセット７０Ａ及び第２の
（大型）テープカセット８０Ａには、テープを巻回した
スプール７１Ａ、８１Ａの底面側の端部にカセットケー
スの底面７０Ｃ、８０Ｃから突出して係合部７１Ｂ、８
１Ｂを設ける点で前述のテープカセットとは相違してい
る。

【００８９】すなわち、テープ印字装置のカセット装着
部６Ａの内底部の底板７Ａには、テープ巻戻し軸１３
Ａ、１４Ａの位置に対応して貫通穴からなる係合部挿通
穴７６，７７が形成され、それらの挿通穴７６，７７の
直下の装置内部に係合部１３Ｂ、１４Ｂを有するテープ
巻戻し軸１３Ａ、１４Ａが位置して設けられている。ま
た、小型テープカセット７０Ａ及び大型テープカセット
８０Ａのテープ１００Ａ、１００Ｂを巻回する夫々のス
プール７１Ａ、８１Ａのカセットケース底面７０Ｃ、８
０Ｃ側の端部には、カセットケース底面７０Ｃ、８０Ｃ
から外方に突出する円筒状の突出部７１Ｃ，８１Ｃを有
しており、その突出部７１Ｃ，８１Ｃの内側には係合部
７１Ｂ、８１Ｂが形成されている。突出部７１Ｃ，８１
Ｃは前記挿通穴７６，７７に挿通可能な外径寸法を有
し、また突出部のカセットケース底面７０Ｃ、８０Ｃか
らの突出長及びその内側に形成される係合部７１Ｂ、８
１Ｂの位置は、小型テープカセット７０Ａ及び大型テー
プカセット８０Ａのカセットケース底面７０Ｃ、８０Ｃ
がカセット装着部６Ａの底板７Ａ上に載置されてカセッ
ト装着部６Ａ内の所定の位置に装着されたときに、スプ
ールの突出部７１Ｃ，８１Ｃの内側の係合部７１Ｂ、８
１Ｂとテープ巻戻し軸１３Ａ、１４Ａの係合部１３Ｂ，
１４Ｂが係合可能な関係に決められている。

【００９０】以上のように、この実施の形態によるテー
プ印字装置及びテープカセットでは、大小のテープカセ
ット７０Ａ、８０Ａに対応するテープ巻戻し軸１３Ａ、
１４Ａがカセット装着部６Ａの内底部の底面以下に設け
られるため、カセット装着部６Ａには、種類の異なるテ
ープカセットが装着される際に、それに干渉する突起物
が存在しない。従って、大小テープカセット７０Ａ、８
０Ａをカセット装着部６Ａに装填し、テープ供給スプー
ル７１Ａ、８１Ａの端部で外方に突出する係合部７１
Ｂ、８１Ｂを装着部底面の夫々のテープ巻戻し軸１３
Ａ、１４Ａに係合することで、大小テープカセット７０
Ａ、８０Ａをカセット装着部６Ａに交換可能に装着する
ことができて、それらのテープカセットに収容されたテ
ープにカラー印字を行なうことができる。

【００９１】なお、テープ巻戻し軸１３Ａ、１４Ａの先
端（上端）が挿通穴７６，７７の内部に配置されるよう
に設けてよく、カセット装着部６Ａの底板７Ａ上に突出
して設けてもよい。テープ巻戻し軸１３Ａ、１４Ａの先
端がカセット装着部６Ａの底板７Ａ上に突出する場合に
は、小型テープカセット７０Ａ及び大型テープカセット
８０Ａのカセットケース底面７０Ｃ、８０Ｃとカセット
装着部６Ａの底板７Ａの間に所定の隙間を形成して対応
関係にないテープ巻戻し軸の先端がカセットケース底面
に当接して干渉することがないようにする必要がある。
この場合には、例えば、カセット装着部６Ａの底板７Ａ
上に少なくとも前記隙間寸法を確保して装着される小型
テープカセット７０Ａ及び大型テープカセット８０Ａの
カセット装着部６Ａ内での上下方向の位置決めができる
突起部を設ける。

【００９２】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る印字装置に
よれば、形状の異なる複数種類のテープカセットに対応
したテープ巻戻し手段を備えた多色印字機能を有する印
字装置にあって、前記複数種類のテープカセットをカセ
ット装着部に装着するときに、他のテープカセットに対
応するテープ巻戻し手段によって干渉されずに装着作業
を行うことができ、形状の異なる２種類の多色印字用の
テープカセットを交換可能に使用することができる。

【００９３】また、本発明に係るテープカセットによれ
ば、印字装置に設けられる形状の異なる他のテープカセ
ットに対応するテープ巻戻し手段によって干渉されずに
装着作業を行うことができ、多色印字用の印字装置に、
例えばテープの収容量が異なるために形状が大小異なる
複数種類のものを対応させて使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るテープ印字装置の平
面図。

【図２】前記テープ印字装置のカセット装着部及びテー
プカセットの斜視図。

【図３】前記テープ印字装置の駆動機構の全体構成図。

【図４】前記テープ印字装置の駆動機構の要部の構成
図。

【図５】前記テープ印字装置の駆動機構の動作説明図。

【図６】図６（ａ）は小型テープカセットの一部を切欠
した断面図、図６（ｂ）は大型テープカセットの一部を
切欠した断面図。

【図７】前記テープ印字装置に前記小型テープカセット
を装着した状態の説明図。

【図８】前記テープ印字装置に前記大型テープカセット
を装着した状態の説明図。

【図９】テープ印字装置の電子回路のブロック図を示
す。

【図１０】印字処理を示すフローチャート。

【図１１】本発明の他の実施の形態に係るテープ印字装
置及びテープカセットの構成説明図。

【符号の説明】

１、１Ａ …テープ印字装置 ２ …装置本体 ６、６Ａ …カセット装着部 ７、７Ａ …底板 １０ …サーマルヘッド １１ …プラテン １２ …リボン巻取り軸 １３、１３Ａ、１４、１４Ａ …テープ巻戻し軸 １３ａ、１４ａ …係合部 １６ …位置マークセンサ １７ …頭出しマークセンサ ３２ …プラテンギア ３３ …リボン巻取りギア ３４ａ …下部ギア ４０ …第１凹部 ４１ …第２凹部 ４２ …カム溝 ４３ …移動プレート ４４ …ピン ５０ …テープ巻戻しギア ５２ …テープ巻戻しギア ７０、７０Ａ …小型テープカセット ７０ｃ、７０Ｃ …底面 ７１、７１Ａ …テープ供給スプール ７１ａ …係合穴 ７１ｂ、７１Ｂ …係合部 ７１Ｃ …突出部 ７２ａ …リボン供給スプール ７２ｂ …リボン巻取スプール ７３ …ヘッド挿入部 ７４ …凹部 ７６、７７ …挿通穴 ８０、８０Ａ …大型テープカセット ８０ｃ、８０Ｃ …底面 ８１、８１Ａ …テープ供給スプール ８１ａ …係合穴 ８１ｂ、８１Ｂ …係合部 ８１Ｃ …突出部 ８２ａ …リボン供給スプール ８２ｂ …リボン巻取スプール ８３ …ヘッド挿入部 ８４ …凹部 １００ａ、１００ｂ …印字用のテープ １０１ａ、１０１ｂ …多色インクリボン １１３、１１４、１１６ …駆動回路 １１５ …カッターモータ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スプールに巻回したテープを形状の異なる
   カセットケースに収容するとともに、該カセットケース
   の底面に凹部を形成し、前記スプール及び前記凹部を印
   字装置に対応して異なる位置に配置した複数種類のテー
   プカセットが交換可能に装着されるカセット装着部と、 前記カセット装着部に装着された前記テープカセットか
   らテープを引き出して順方向に搬送する一方、該テープ
   を逆方向に搬送して前記テープカセットに戻すテープ搬
   送手段と、 前記テープ搬送手段によって順方向及び逆方向に搬送さ
   れるテープに多色印字を行う印字手段とを備え、 前記テープ搬送手段は、前記複数種類のテープカセット
   の各スプールに対応して前記カセット装着部に配設され
   て、前記各スプールに係合し回転駆動されることにより
   前記各スプールにテープを巻き戻す複数のテープ巻戻し
   軸を備え、 前記複数の各テープ巻戻し軸は、前記カセット装着部に
   装着される前記複数種類のテープカセットのうちで対応
   関係のあるテープカセットに対しては、当該テープカセ
   ットのスプールと係合し、対応関係のないテープカセッ
   トに対しては、当該テープカセットの凹部内に収容され
   ることを特徴とする印字装置。
2. 【請求項２】スプールに巻回したテープを形状の異なる
   カセットケースに収容するとともに、前記スプールには
   前記カセットケースの底面より外方に突出させて係合部
   を形成し、該係合部を印字装置に対応して異なる位置に
   配置した複数種類のテープカセットが交換可能に装着さ
   れるカセット装着部と、 前記カセット装着部に装着された前記テープカセットか
   らテープを引き出して順方向に搬送する一方、該テープ
   を逆方向に搬送して前記テープカセットに戻すテープ搬
   送手段と、 前記テープ搬送手段によって順方向及び逆方向に搬送さ
   れるテープに多色印字を行う印字手段とを備え、 前記テープ搬送手段は、前記複数種類のテープカセット
   の各スプールに対応して前記カセット装着部の内底部の
   底面以下に配設され、前記カセット装着部に装着される
   前記複数種類のテープカセットのうちで対応関係のある
   テープカセットの前記係合部と係合し回転駆動されるこ
   とにより当該テープカセットのスプールにテープを巻き
   戻す複数のテープ巻戻し軸を備えることを特徴とする印
   字装置。
3. 【請求項３】前記複数のテープ巻戻し軸は共通の駆動機
   構によって同時に駆動されることを特徴とする請求項１
   又は２に記載の印字装置。
4. 【請求項４】スプールに巻回したテープを形状の異なる
   カセットケースに収容した複数のテープカセットであっ
   て、 前記テープカセットが装着されるカセット装着部と、 前記カセット装着部に装着された前記テープカセットか
   らテープを引き出して順方向に搬送する一方、該テープ
   を逆方向に搬送するべく前記複数のテープカセットに個
   別に対応して前記カセット装着部内に設けられる複数の
   テープ巻取り軸を回転駆動し前記テープカセット内にテ
   ープを巻き戻すテープ搬送手段と、 前記テープ搬送手段によって順方向及び逆方向に搬送さ
   れるテープに多色印字を行う印字手段とを備えた印字装
   置に装着されるテープカセットにおいて、 前記複数の各テープカセットには、当該各テープカセッ
   トが前記カセット装着部に装着された状態で、前記複数
   のテープ巻戻し軸のうちで対応関係のあるテープ巻戻し
   軸に係合するべく、当該テープ巻戻し軸に対応してカセ
   ットケースにスプールを配設するとともに、前記複数の
   テープ巻戻し軸のうちで対応関係のないテープ巻戻し軸
   の干渉を回避するべく、当該テープ巻戻し軸を収容する
   凹部をカセットケースに形成したことを特徴とするテー
   プカセット。
5. 【請求項５】前記スプールには、その軸方向の端部で、
   前記対応関係のあるテープ巻戻し軸に対向する側に当該
   テープ巻戻し軸に係合する係合部を備えることを特徴と
   する請求項４に記載のテープカセット。
6. 【請求項６】スプールに巻回したテープを形状の異なる
   カセットケースに収容した複数のテープカセットであっ
   て、 前記テープカセットが装着されるカセット装着部と、 前記カセット装着部に装着された前記テープカセットか
   らテープを引き出して順方向に搬送する一方、該テープ
   を逆方向に搬送するべく前記複数のテープカセットに個
   別に対応して前記カセット装着部の内底部の底面以下に
   設けられる複数のテープ巻取り軸を備え、該テープ巻取
   り軸を回転駆動し前記テープカセット内にテープを巻き
   戻すテープ搬送手段と、 前記テープ搬送手段によって順方向及び逆方向に搬送さ
   れるテープに多色印字を行う印字手段とを備えた印字装
   置に装着されるテープカセットにおいて、 前記複数の各テープカセットには、当該テープカセット
   が前記カセット装着部に装着された状態で、前記複数の
   テープ巻取り軸のうちで対応関係のあるテープ巻取り軸
   に係合するべく、当該テープ巻戻し軸に対応してカセッ
   トケースにスプールを配設するとともに、該スプールの
   軸方向の端部にカセットケースの底面より外方に突出す
   る係合部を設けたことを特徴とするテープカセット。