JP2003004115A - カム機構及びそれを用いた扉開閉機構 - Google Patents

カム機構及びそれを用いた扉開閉機構

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JP2003004115A JP2001330219A JP2001330219A JP2003004115A JP 2003004115 A JP2003004115 A JP 2003004115A JP 2001330219 A JP2001330219 A JP 2001330219A JP 2001330219 A JP2001330219 A JP 2001330219A JP 2003004115 A JP2003004115 A JP 2003004115A
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隆司 義川
Hiroshi Yoshimura
宏 吉村
Itsuo Fujibayashi
五男 藤林
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2323/00General constructional features not provided for in other groups of this subclass
    • F25D2323/02Details of doors or covers not otherwise covered
    • F25D2323/021French doors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用勝手を向上することができるとともにコ
スト削減を図ることのできる両開き扉開閉機構を提供す
る。 【解決手段】 本体1側と扉2側とにカム機構を設け、
扉2の閉止状態でヒンジピン23がヒンジ溝9の一端に
係止されてカム機構が第1枢支位置をとる。扉2の開成
に伴ってヒンジピン12がヒンジ溝9に案内され、ガイ
ドピン25がガイド溝11に案内されて扉2は回転運動
と直線運動とを行い、ヒンジピン23がヒンジ溝9の他
端に係止されてカム機構が第2枢支位置をとる。ボス1
0はリブ19と摺接して第2枢支位置を保持し、ヒンジ
ピン23を軸に扉2が回動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体と回動体とに
設けられて回動体の回動により回動体の枢支位置が変位
するカム機構、及び冷蔵庫の貯蔵室等の開口部を回動に
より開閉する扉開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の観音開きの扉開閉機構は、冷蔵庫
の開口部中央に仕切板が設けられ、左右の扉が前記仕切
板に当接して開口部が閉じられるようになっている。こ
の仕切板は開口部を通して作業する際に邪魔になる。そ
こで、仕切板を無くして左右の扉間に生じる隙間をパッ
キンにより塞ぐようにしたものもある。
【0003】ところが、パッキンを設けると、一方の扉
を開く際に該扉に取付けられたパッキンが他方の扉に取
付けられたパッキンに擦れ合う。この擦れ合いによる摩
擦力によって扉の開閉時に大きな操作力を必要とする問
題や、パッキンの破損が発生する問題があった。
【0004】この問題を解決するために、特公昭60−
24390号公報には一方の扉が開成始動時に他方の扉
から離れる方向にスライドする扉開閉機構が開示されて
いる。この扉開閉機構は、開口部の外壁を形成する筐体
から手前に突設された受け部に第1回動軸が設けられ
る。
【0005】受け部上にはレバー部材が載置され、第1
回動軸にはレバー部材の一端に形成された孔部が嵌合さ
れる。レバー部材の他端には第2回動軸が一体に形成さ
れ、扉が第2回動軸に枢支されている。また、扉を開く
と第1回動軸を中心にレバー部材が回動するように案内
部材が設けられ、且つ、レバー部材を戻す方向に付勢す
るバネが設けられている。
【0006】一方の扉と開くと、案内部材に案内されて
レバー部材が回動し、扉がレバー部材の回動に伴って所
定量だけスライドする。これにより扉は他方の扉から離
れる。その後、扉が開口部から離れ、案内部材の係合が
解除されるとレバー部材はバネの付勢力により元の状態
に戻る。そして、第2回動軸を中心に扉が回動して開放
される。
【0007】扉を閉じる際には、扉は第2回動軸を中心
に開口部の近傍まで回動する。その後バネの付勢力に抗
して案内部材が係合を開始し、レバー部材が第1回動軸
を中心に回動して扉が他方の扉から離れる方向にスライ
ドする。そして、案内部材に案内されて扉が閉じられる
のに応じてレバー部材がバネの付勢力により元の位置に
戻り、扉が閉じられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公昭60−24390号公報に開示された扉開閉機構
によると、レバー部材と受け部との摺動面に扉の重さに
応じた摩擦力が加わる。このため、バネの付勢力を該摩
擦力よりも大きくしておく必要がある。その結果、扉を
開く際にはレバー部材の摩擦力とバネの付勢力に抗した
大きな操作力が必要となり、操作性が悪い問題があっ
た。また、レバー部材やバネを必要とするため部品点数
が多く組立工数も多くなるため、扉開閉機構のコストが
かかるとともに、扉開閉機構の信頼性が低下する問題も
あった。
【0009】本発明は、操作性を向上することができる
とともに、コスト削減、信頼性の向上を図ることのでき
る扉開閉機構を提供することを目的とする。また本発明
は、簡単な構成で回動体の枢支位置を変位させることが
できるカム機構を提供することを目的とする。また本発
明は、簡単な構成で回動体の枢支位置を変位させること
ができるカム機構を提供することを目的とする。また、
扉の閉成状態における枢支位置と開成状態における枢支
位置とを簡単な構造により変位させることのできる扉開
閉機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のカム機構は、第1、第2カム面を有して基
体または回動体の何れか一方に設けられるカム部材と、
前記カム部材の第1、第2カム面に当接係合して前記基
体または前記回動体の他方に設けられる円弧状のリブ
と、前記リブ若しくは前記カム部材の何れか一方に形成
された長孔形状の軸受けに対して相対移動可能に遊嵌さ
れるとともに前記リブと同心の枢軸とを備え、前記リブ
に当接係合するカム面が第1カム面を経由して第2カム
面へ移動するのに伴って、前記回動体の枢支位置をスラ
イド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接係合によ
って前記回動体の枢支位置を規制することを特徴として
いる。
【0011】この構成によると、回動体の回動に伴っ
て、枢支軸及びリブがそれぞれ長孔形状の軸受け及び第
1カム面に相対的に案内されて回動体の枢支位置がスラ
イド変位する。リブと第2カム面とが摺接を始めると、
この摺接によって枢支軸が軸受けの所定位置に規制さ
れ、回動体が枢支される。
【0012】また本発明のカム機構は、基体または回動
体の何れか一方に、前記回動体の枢支軸と該枢支軸と同
心の円弧上に配置されるリブとを設け、前記基体または
前記回動体の他方には、前記リブと当接係合する第1、
第2カム面と前記枢支軸と遊嵌する長孔形状の軸受けと
を備えたカム部材を設け、前記リブに当接係合するカム
面が第1カム面を経由して第2カム面へ移動するのに伴
って、前記回動体の枢支位置をスライド変位させ、前記
リブと第2カム面との摺接係合によって前記回動体の枢
支位置を規制することを特徴としている。
【0013】また本発明のカム機構は、リブと第1、第
2カム面の設ける側が上記と逆、即ち、枢支軸側に第
1、第2カム面を有するカム部材を設け、軸受け側にリ
ブを設けたものである。
【0014】また本発明は、上記構成のカム機構におい
て、前記リブと第1カム面とが当接する方向に付勢する
付勢手段を設けたことを特徴としている。この構成によ
ると、リブと第1カム面との当接もしくはヒンジピンと
ヒンジ溝との当接によって回動体が位置規制される。付
勢手段を付加することによって回動体を常に位置規制し
た状態で支持し、回動体を回動させることによってリブ
と第2カム面とが摺接し、所定位置で回動体を枢支する
状態に変位させるカム機構となる。
【0015】また本発明は、機器本体の開口部に扉を開
閉自在に枢支した扉開閉機構において、前記扉の枢支軸
となるヒンジピンを相対的にスライド可能に支持する長
孔形状のヒンジ溝を形成したカム部材を有するカム機構
を備え、該カム機構によって前記ヒンジピンが、扉の閉
成状態に対応する位置と、扉の開成状態に対応する扉枢
支位置とに相対的に変位することを特徴としている。こ
の構成によると、カム機構によって扉の開成始動時にヒ
ンジピンとヒンジ溝が相対的に変位し、扉を開成状態の
時に好適な位置で枢支することができる。
【0016】また本発明は、機器本体の開口部に扉を開
閉自在に枢支した扉開閉機構において、前記扉の枢支軸
となるヒンジピンを相対的にスライド可能に支持するヒ
ンジ溝を有するカム機構を備え、前記カム機構によっ
て、前記扉の開成始動時に前記扉が回動を伴って非枢支
側から枢支側方向にスライド変位することを特徴として
いる。この構成によると、カム機構によって扉の開成始
動時にヒンジピンとヒンジ溝が相対的に変位し、扉が開
放端側(ハンドルを設ける側)から枢支側(ヒンジ側)
にスライド変位する。
【0017】また本発明は、機器本体の開口部に複数の
扉を相反する方向に開閉自在に枢支した扉開閉機構にお
いて、前記扉の枢支軸となるヒンジピンを相対的にスラ
イド可能に支持するヒンジ溝を有するカム機構を備え、
前記カム機構によって、前記扉の開成始動時に前記扉が
回動を伴って他方の扉から離れる方向にスライド変位す
ることを特徴としている
【0018】この構成によると、観音開き式扉に適用し
た場合、カム機構によって扉の開成始動時にヒンジピン
とヒンジ溝が相対的に変位し、一方の扉の開放端側(ハ
ンドルを設ける側)が他方の扉から離れる方向にスライ
ド変位する。従って、扉の開放端側が擦れ合って開閉さ
れる不具合が軽減される。
【0019】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記カム機構は、前記機器本体または前記扉の何れ
か一方に、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、該ヒン
ジピンと同心の円弧上に配置されるリブとが設けられ、
前記機器本体または前記扉の他方には、前記リブと当接
係合する第1、第2カム面と前記ヒンジピンと遊嵌する
長孔形状のヒンジ溝とを備えたカム部材とが設けられ、
前記リブが第1カム面を経由して前記第2カム面へ移動
するのに伴って、前記扉の枢支位置をスライド変位さ
せ、前記リブと第2カム面との摺接係合によって前記回
動体の枢支位置を規制することを特徴としている。
【0020】この構成によると、扉の開成始動に伴っ
て、ヒンジピン及びリブがそれぞれ長孔形状のヒンジ溝
及び第1カム面に相対的に案内されて扉の枢支位置がス
ライド変位する。リブと第2カム面とが摺接を始める
と、この摺接によってヒンジピンがヒンジ溝の所定位置
に規制され、扉が枢支される。これにより、簡単でコン
パクトなカム機構を用いた枢支位置変位型のヒンジ機構
を安価に提供できる。
【0021】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記カム機構は、前記機器本体または前記扉の何れ
か一方には、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、前記
扉を案内するガイド機構の一方部材とが固定され、前記
機器本体または前記扉の他方には、前記ヒンジピンと遊
嵌する長孔形状のヒンジ溝を有するヒンジピン受け部材
と、前記ガイド機構の他方部材とが固定されて構成さ
れ、前記扉の開成始動時の回動に伴う前記一方部材と前
記他方部材との摺接係合によって前記扉の枢支位置をス
ライド変位させることを特徴としている。尚、ガイド機
構の一方部材と他方部材は凸部材同士、あるいは凸部材
と凹部材が考えられる。
【0022】この構成によると、扉の開成始動に伴っ
て、ヒンジピン及びガイド機構の一方部材(例えばガイ
ドピン)がそれぞれ長孔形状のヒンジ溝及びガイド機構
の他方部材(例えばガイド溝)に相対的に案内されて扉
の枢支位置がスライド変位する。ガイド機構によって扉
が案内されるので変位動作が円滑に行なわれるカム機構
となる。
【0023】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ガイド機構の一方部材はガイドピンから成って
前記ヒンジピン及び前記リブと一体的に形成され、前記
ガイド機構の他方部材はガイド溝から成って前記ヒンジ
溝を備えた前記ヒンジピン受け部材と一体的に形成され
たことを特徴としている。この構成によると、ヒンジ機
構とガイド機構が一体的に形成されるので寸法精度が良
く変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。また、
ガイド機構がピンと溝で構成されるので、溝の両面を使
った2方向への扉案内が円滑に行なわれる。
【0024】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ガイドピンは、前記ヒンジピンよりも前記扉の
中央側に配されることを特徴としている。この構成によ
ると、扉の回動に伴うガイドピンの移動距離に対するヒ
ンジピンの変位距離が小さいので変位動作が円滑に行な
われるカム機構となる。
【0025】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記扉を閉成した状態で、前記ガイドピンと前記ガ
イド溝の端との間に隙間を有することを特徴としてい
る。この構成によると、扉閉成状態での所望位置(例え
ば観音開き式扉の場合には、開放端が他方の扉の開放端
にパッキンを介して密接する位置)が寸法バラツキ等で
定まらない場合に、該所望位置に扉が到達する前にガイ
ドピンとガイド溝の端とが当接して扉が位置規制される
ということがなくなる。
【0026】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ガイド溝は、前記扉の変位時に扉の回動に伴っ
て前記ガイドピンを案内する案内部と、前記扉の変位後
に扉の回動に伴って前記ガイドピンを逃がすように案内
する逃げ部とを有し、前記案内部と前記逃げ部との交差
角度を120゜〜170゜にしたこと特徴としている。
この構成によると、ガイド機構によって扉が閉成状態の
位置から開成状態の枢支位置に変位し回動する動作が円
滑に行なわれるカム機構となる。
【0027】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ガイドピンを前記ヒンジピンよりも前記開口部
から離れる側に配置したこと特徴としている。この構成
によると、ガイドピンがガイド溝に案内される期間が長
くなる。
【0028】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記機器本体または前記扉の何れか一方に設けられ
るロックピンと、前記機器本体または前記扉の他方に設
けられ、前記ロックピンとの係合により前記扉を非枢支
側に付勢して閉成状態に位置規制するとともに、前記扉
の開成始動時に弾性変形して前記ロックピンとの係合が
解除されるロック部材と、を有するロック機構を設けた
ことを特徴としている。
【0029】この構成によると、例えば、本体側にロッ
クピンが突設され、扉側にロック部材が設けられる。扉
を閉じている際にロック部材はロックピンと係合してロ
ックピンを枢支側に付勢することにより反作用でロック
部材が非枢支側に付勢され、扉を非枢支側に付勢して位
置規制する。扉を開くと、ロック部材が弾性変形してロ
ックピンとの係合が解除され、扉がスライド変位する。
【0030】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ロックピンを前記ヒンジピンと前記ガイドピン
との間に配置したことを特徴としている。この構成によ
ると、ヒンジピンとガイドピンとは変位動作が円滑に行
なわれるために距離を離して配置されるのが好ましく、
ヒンジピンとガイドピンとの間にロックピンを配置する
のがスペースを有効に利用できロック機構のコンパクト
化が図られる。
【0031】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ロック部材に前記扉を閉じる方向に付勢する付
勢手段を設けたことを特徴としている。この構成による
と、ロック部材により扉を非枢支側に付勢する付勢手段
と扉を閉成方向に付勢する付勢手段とが兼用され、部品
数低減によるコストダウンが図られる。
【0032】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記ヒンジピン及び前記ヒンジ溝に、軸方向に貫通
する長孔状の貫通孔を設けたこと特徴としている。この
構成によると、扉側に設けられた電気部品が貫通孔にリ
ード線を挿通して接続され、扉の開閉によりリード線の
必要な長さが変化しない。
【0033】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記貫通孔に電気部品を接続するリード線を挿通
し、前記ヒンジ溝に設けられた前記貫通孔は、前記扉の
スライド変位の距離と前記リード線の太さとの和よりも
長寸方向の寸法が大きいこと特徴としている。この構成
によると、扉がスライド変位することによってリード線
が貫通孔で損傷を受けるという不具合を解消できる。
【0034】また本発明は上記構成の扉開閉機構におい
て、前記カム機構によって、前記扉のスライド変位方向
を前記開口部から離れる方向にしたことを特徴としてい
る。この構成によると、扉の開成動作によって、扉は非
枢支側から枢支側にスライド変位するとともに、開口部
から離れる方向にもスライド変位する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は第1実施形態の扉開閉機構を
示す上面断面図である。冷蔵庫等の本体側には筐体1に
外壁を形成された開口部1aが設けられる。開口部1a
は中程を境に左側を左扉2に覆われ、右側を右扉3に覆
われている。左扉2及び右扉の一端には把手4、5が設
けられる。
【0036】左扉2及び右扉3の他端は後述するように
カム機構により相対移動する回動軸1b、1cに枢支さ
れ、把手4、5を把持して両側に開くようになってい
る。また、左扉2と右扉3との間の隙間にはそれぞれパ
ッキン6、7が取付けられ、該隙間を密閉するようにな
っている。
【0037】カム機構は左扉2の上部、左扉2の下部、
右扉3の上部、右扉3の下部の4箇所に同様の構造で設
けられる。図2(a)〜(e)は、左扉2の下部に配さ
れるスライドカム部材を示す図である。これらの図にお
いて、図2(a)は背面図、図2(b)は平面図、図2
(c)は正面断面図、図2(d)はヒンジ溝9を通る右
側面断面図、図2(e)はガイド溝11を通る右側面断
面図である。
【0038】スライドカム部材8は樹脂成形品から成
り、上面にボス8a、8bが突設され、ネジ孔8c、8
dが貫通して形成されている。ボス8a、8bを左扉2
の下面に設けられたボス孔(不図示)に嵌合し、ネジ孔
8c、8dにタッピングネジ(不図示)を挿通してスラ
イドカム部材8が左扉2の下面に取付けられている。ま
た、スライドカム部材8には、後述するロック部材16
を取付けるボス孔8f及びネジ孔8eが形成されてい
る。
【0039】スライドカム部材8の下面の一端には、長
孔状のヒンジ溝9が凹設されている。ヒンジ溝9の周囲
には、後述するところの扉開成状態に対応する第2枢支
位置でのヒンジピン23(図14参照)を中心とした円
筒面から成る第2カム面10aを有するボス(カム部
材)10が突設されている。ボス10には、扉閉成状態
に対応する第1枢支位置から扉開成状態に対応する第2
枢支位置までリブ19と当接(カム係合)して(図12
参照)ボス10を図中、左方(扉の枢支側方向)に案内
する第1カム面10bと、第1枢支位置でリブ19と当
接する第3カム面10cとが形成されている。
【0040】ヒンジ溝9よりも開口部1a(図1参照)
の中央側には逆L字型に屈曲したガイド溝11(図2参
照)が凹設されている。ガイド溝11は扉閉成状態に対
応する第1枢支位置から扉開成状態に対応する第2枢支
位置に枢支位置を変位させるべくガイドピン25(図1
1乃至図14参照)を相対的に案内する案内部11a
と、第2枢支位置での扉開放に伴ってガイドピン25を
相対的に逃がす逃げ部11bとを有している。
【0041】図3(a)〜(d)はスライドカム部材8
に取付けられるロック部材を示す図である。図3(a)
は左側面図、図3(b)は平面図、図3(c)は正面
図、図3(d)はネジ孔16eを通る右側面断面図であ
る。ロック部材16は樹脂成形品から成り、上面にボス
16fが突設されるとともにネジ孔16eが貫通して形
成されている。ボス16fをスライドカム部材8の下面
に設けられたボス孔8fに嵌合し、ネジ孔16eに挿通
したタッピングネジ(不図示)をスライドカム部材8の
ネジ孔8eに螺合してロック部材16はスライドカム部
材8に取付けられる(図2(b)、(c)に取付けられ
た状態を仮想線にて示す)。
【0042】ロック部材16の一端にはアーム部16a
が延設されている。アーム部16aは、延びた方向に略
垂直な方向の荷重に対して弾性変形するようになってい
る。アーム部16aの端部には後述するロックピン24
(図11参照)と係合する係合部16bが設けられてい
る。ロック部材16の他端には後述するストッパ18e
(図6(a)参照)に当接して左扉2の回動を規制する
規制部16cが設けられている。
【0043】図4は、筐体1の開口部1a(図1参照)
の左下にネジ締めにて取付けられるロックカム組品を示
す正面断面図である。ロックカム組品32はロックカム
部材18とアングル22とがネジ31により一体化さ
れ、スライドカム部材8と係合してカム機構を構成する
ようになっている。ロックカム部材18は樹脂成形品か
ら成り、アングル22は左扉2の重量を支えるため金属
部材から成っている。
【0044】図5(a)〜(c)はアングル22を示す
図である。図5(a)は平面図、図5(b)は正面図、
図5(c)は側面図である。アングル22の立面部22
cには3箇所にネジ孔22aが形成されている。ネジ孔
22aにタッピングネジ(不図示)を挿通してアングル
22、即ちロックカム組品32が筐体1(図1参照)に
取付けられる。
【0045】アングル22の平面部22dにはボス孔2
2bが形成されている。また、例えばステンレス鋼等の
金属から成るヒンジピン23、ロックピン24及びガイ
ドピン25がそれぞれかしめられてアングル22に一体
化されている。
【0046】図6(a)〜(e)はロックカム部材18
を示す図である。図6(a)は平面図、図6(b)は正
面図、図6(c)は正面断面図、図6(d)は側面図、
図6(e)は貫通孔18aを通る側面断面図である。ロ
ックカム部材18には、ヒンジピン23、ロックピン2
4、ガイドピン25(何れも図5参照)がそれぞれ挿通
される貫通孔18a、18b、18cが形成されてい
る。
【0047】またロックカム部材18の下面にはネジ孔
を有するボス18dが突設されている。ヒンジピン2
3、ロックピン24、ガイドピン25が貫通孔18a、
18b、18cに挿通され、ボス18dがアングル22
のボス孔22b(図5(a)参照)に嵌合して前述の図
4に示すようにロックカム組品32が組み立てられてい
る。
【0048】ヒンジピン23が挿通される貫通孔18a
の周囲には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19
aを有するリブ19が突設されている。貫通孔18aの
上面側には、スライドカム部材8のボス10(図2
(b)参照)の端面との摺動摩擦を回避する逃げ部18
fが凹設されている。また、ロックカム部材18の端部
には、前述のロック部材16の規制部16c(図3
(b)参照)が当接するストッパ18eが形成されてい
る。
【0049】図7(a)〜(e)は、左扉2の上部に配
されるスライドカム部材を示す図である。図7(a)は
背面図、図7(b)は平面図、図7(c)は正面断面
図、図7(d)はヒンジ溝13を通る側面断面図、図7
(e)はガイド溝15を通る側面断面図である。
【0050】スライドカム部材12は樹脂成形品から成
り、前述の図2(a)〜(e)に示すスライドカム部材
8と同様の構造になっている。スライドカム部材12の
下面にはボス12a、12bが突設されてネジ孔12
c、12dが貫通して形成されている。ボス12a、1
2bを左扉2の上面に設けられたボス孔(不図示)に嵌
合し、ネジ孔12c、12dにタッピングネジ(不図
示)を挿通してスライドカム部材12が左扉2の上面に
取付けられている。また、スライドカム部材12には、
後述するロック部材17を取付けるボス孔12f及びネ
ジ孔12eが形成されている。
【0051】スライドカム部材12の上面の一端には、
長孔状のヒンジ溝13が凹設されている。ヒンジ溝13
は左扉2の下部のスライドカム部材8のヒンジ溝9(図
2(b)参照)よりも幅が広くなっており、底部には貫
通孔13aが形成されている。
【0052】また、ヒンジ溝13の周囲には、前述した
ところの扉開成状態に対応する第2枢支位置でのヒンジ
ピン28(図9(b)参照)を中心とした円筒面からな
る第2カム面14aを有するボス14が突設されてい
る。ボス14には、扉閉成状態に対応する第1枢支位置
から扉開成状態に対応する第2枢支位置までリブ21と
当接(カム係合)してボス14を図中、左方(扉の枢支
側方向)に案内する第1カム面14bと、第1枢支位置
でリブ21と当接する第3カム面14cとが形成されて
いる。
【0053】後述するように、ヒンジ溝13に係合する
ヒンジピン28(図9(b)参照)は、ヒンジ溝9に係
合するヒンジピン23よりも太くなっており、ヒンジピ
ン28内及び長孔状の貫通孔13aをリード線(不図
示)が挿通されるようになっている。リード線は左扉2
に配された電気部品に接続される。
【0054】そして、ヒンジ溝13がヒンジピン28を
相対的に案内する長孔状の貫通孔13aの幅(長寸)
が、後述する第1、第2枢支位置間の距離と、リード線
の太さとの和よりも大きくなっている。これにより、左
扉2がスライド移動する際にリード線が貫通孔13aと
ヒンジピン28の貫通孔28aとの壁面で挟まれて剪断
力が加わるおそれがなく、また、貫通孔13aの壁面で
押圧される可能性も低減し、リード線の破損を防止する
ことができる。
【0055】ヒンジ溝13よりも開口部1a(図1参
照)の中央側には逆L字型に屈曲したガイド溝15が凹
設されている。ガイド溝15は扉閉成状態に対応する第
1枢支位置から扉開成状態に対応する第2枢支位置に枢
支位置を変位させるべくガイドピン30(図9(b)参
照)を相対的に案内する案内部15aと、第2枢支位置
での扉開放に伴ってガイドピン30を相対的に逃がす逃
げ部15bとを有している。
【0056】図8(a)〜(d)はスライドカム部材1
2に取付けられるロック部材を示す図である。図8
(a)は側面図、図8(b)は平面図、図8(c)はネ
ジ孔17eを通る側面断面図、図8(d)は正面図であ
る。ロック部材17は樹脂成形品から成り、下面にボス
17fが突設されるとともにネジ孔17eが貫通して形
成されている。
【0057】ボス17fをスライドカム部材12の上面
に設けられたボス孔12fに嵌合し、ネジ孔17eに挿
通したタッピングネジ(不図示)をスライドカム部材1
2のネジ孔12eに螺合してロック部材17がスライド
カム部材12に取付けられる(図7(b)に、取付けら
れた状態を仮想線にて示す)。
【0058】ロック部材17の一端にはアーム部17a
が延設されている。アーム部17aは、延びた方向に略
垂直な方向の荷重に対して弾性変形するようになってい
る。アーム部17aの端部には後述するロックピン29
(図9(b)参照)と係合する係合部17bが設けられ
ている。
【0059】図9(a)〜(c)は、筐体1の開口部1
a(図1参照)の左上に取付けられるロックカム組品の
アングルを示す図である。図9(a)は平面図、図9
(b)は正面図、図9(c)は側面図である。アングル
27は金属部材から成り、取付部27cには3箇所にネ
ジ孔27aが形成されている。ネジ孔27aにタッピン
グネジを挿通してアングル27、即ちロックカム組品3
3(図10(c)参照)が筐体1に取付けられている。
【0060】アングル27の平面部27dにはボス孔2
7bが形成されている。また、例えばステンレス鋼等の
金属から成るヒンジピン28、ロックピン29及びガイ
ドピン30がそれぞれかしめられて一体化されている。
ヒンジピン28には貫通孔28aが設けられ、リード線
(不図示)が挿通されるようになっている。
【0061】図10(a)〜(e)はアングル27と一
体化されるロックカム部材20を示す図である。図10
(a)は平面図、図10(b)は正面図、図10(c)
は正面断面図、図10(d)は側面図、図10(e)は
貫通孔20aを通る側面断面図である。ロックカム部材
20は樹脂成形品から成り、ヒンジピン28、ロックピ
ン29、ガイドピン30がそれぞれ挿通される貫通孔2
0a、20b、20cが形成されている。
【0062】またロックカム部材20の上面にはネジ孔
を有するボス20dが突設されている。ヒンジピン2
8、ロックピン29、ガイドピン30が貫通孔20a、
20b、20cに挿通され、ボス20dをボス孔27b
(図9(a)参照)に嵌合してネジ止めすることによ
り、図10(c)に示すようにロックカム組品33が組
み立てられている。ロックカム組品33はスライドカム
部材12(図7(a)〜(e)参照)と係合してカム機
構を構成するようになっている。尚、ロックカム組品3
2、33は扉が軽量のふた等の場合は樹脂成形にて一体
に形成してもよい。
【0063】ヒンジピン28が挿通される貫通孔20a
の周囲には、ヒンジピン28と同心の円筒状の凹面21
aを有するリブ21が突設されている。貫通孔20aの
下面側には、スライドカム部材12のボス14(図7
(b)参照)との摺動摩擦を回避する逃げ部20fが凹
設されている。
【0064】スライドカム部材12及びロックカム組品
33から成る上部のカム機構はスライドカム部材8及び
ロックカム組品32から成る下部のカム機構と同じ動作
をする。また、右扉3の上下部には、左扉2に設けられ
るカム機構と左右対称の構造を有するカム機構が設けら
れる。
【0065】次に、カム機構の動作について、図11〜
図14を参照して説明する。これらの図は左扉2の下部
に設けられるカム機構を示しており、他の箇所に設けら
れるカム機構も同様の動作をする。尚、これらの図にお
いてカム機構の各部位は本来破線で表すべきであるが、
便宜上実線で示している。また、斜線部分は筐体1側に
配される部材の一部を示している。
【0066】図11は、左扉2が閉じた状態を示してい
る。左扉2の閉成状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピ
ン23が係止され、カム機構は第1枢支位置をとる。第
1枢支位置におけるガイドピン25はガイド溝11の案
内部11aの端部に配置されている。
【0067】ロックピン24はロック部材16の係合部
16bと係合し、アーム部16aの弾性力により左扉2
が右扉3(図1参照)の方向(図中、右方向)に付勢さ
れている。これにより、左扉2と右扉3との隙間を所定
寸法に保持するとともに、ヒンジピン10とヒンジ溝9
との隙間による左扉2の遊動(図中、左方向の動き)を
防止する。従って、カム機構が第1枢支位置の状態を保
持するとともに左扉2の閉止密閉状態をより確実にして
いる。また、同時に、ボス10の第3カム面10cがリ
ブ19に当接して第1枢支位置にカム機構が位置決めさ
れている。このため、第1枢支位置においてヒンジピン
23とヒンジ溝9の一端との間に隙間を設けてもよい。
【0068】尚、前述の図1に示すように、左扉2と右
扉3との間の隙間にそれぞれパッキン6、7が取付けら
れ、パッキン6、7の弾性変形により隙間を密閉する場
合には、ロック部材16の付勢力と左扉2の背面や側面
に設けられるパッキンの弾性力とがつり合って枢支位置
が決められる。このため、ヒンジ溝9の一端とヒンジピ
ン23とが係止して枢支位置が規制されることがないよ
う、扉の閉成状態でヒンジ溝9の一端とヒンジピン23
との間に隙間を有するようにヒンジ溝9を形成すると良
い。
【0069】また、破線11cに示すように、ガイドピ
ン25との間にも隙間を有するように案内部11aの端
部を形成すると良い。即ち、隙間を設けると、カム機構
は第1枢支位置に到達前にガイドピン25とガイド溝1
1とが当接して規制されることがなくなる。
【0070】把手4(図1参照)を把持して左扉2を開
き始めると、図12に示すように、ロック部材16のア
ーム部16aが弾性変形して、ロックピン24と係合部
16bとの係合解除が開始される。この状態で把手4を
離すと、アーム部16aの弾性力により左扉2は図11
の状態に戻る。従って、ロック部材16とロックピン2
4により自閉機能を有し、左扉2を確実に閉じることが
できるようになっている。
【0071】左扉2は開成に伴い回動するが、ボス10
の第1カム面10bがリブ19と係合し、ガイド溝11
の案内部11aがガイドピン25と係合するため、第1
枢支位置のままではヒンジピン23を軸として回動する
ことができない。このため、ヒンジピン23が相対的に
ヒンジ溝9に案内されるとともにリブ19及びガイドピ
ン25がそれぞれ相対的に第1カム面10b及び案内部
11aに案内されて、左扉2は回動しながら図中、左下
方向へスライド移動する。尚、ガイド溝11の案内部1
1aによるガイドピン25の案内と、第1カム面10b
によるリブの案内とのいずれか一方の案内のみを有した
カム機構であっても同様に左扉2をスライド移動させる
ことができる。
【0072】更に左扉2を開くと、図13に示すように
ヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機
構は第2枢支位置をとる。この時、ボス10の第2カム
面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始す
る。これにより、カム機構は第2枢支位置の状態を保持
し、左扉2が第2枢支位置のヒンジピン23を軸に回動
するようになっている。
【0073】また、ガイド溝11の逃げ部11bは第2
枢支位置でのヒンジピン23を中心とする円弧状に形成
され、ガイドピン25を相対的に逃がすとともに左扉2
の回動を案内し、第2枢支位置を確実に保持するように
なっている。
【0074】更に左扉2を開くと、図14に示すよう
に、ボス10の第2カム面10aがリブ19の凹面19
aに沿って摺動を継続し、ロックピン24とロック部材
16との係合が解除されてガイドピン23がガイド溝1
1から離れる。これにより左扉2がさらに開放される。
尚、リブ19の凹面19aはボス10を案内できればよ
いので、リブ19に替えて例えばヒンジピン23と同心
の円弧上に配列された複数のピン等によって形成しても
よい。
【0075】そして、更に左扉2が開放されるとロック
部材16の規制部16cがロックカム部材18(図6参
照)のストッパー18eと当接し、左扉2の開成の範囲
が規制される。また、以上に説明した図11〜図14に
示す動作と逆の動作により左扉2を閉じることができ
る。尚、閉成間際における左扉2の右扉3側への移動は
パッキン6、7に内蔵されたマグネットの吸着力によっ
ても行われる。
【0076】本実施形態によると、左扉2を開き始めた
際にカム機構が第1枢支位置から第2枢支位置に移動し
て左扉2が回動しながらスライド移動するため、左扉2
は右扉3から離れ、パッキン6、7(図1参照)の摺動
を回避することができる。従って、パッキン6、7の摺
動摩擦が発生しないため左扉2の開閉に大きな力を必要
とせず、操作性を向上することができる。パッキン6、
7を設けない場合に左扉2と右扉3との隙間を狭くして
も、回動に伴う左扉2の端部2a(図12参照)と右扉
3との干渉を防止することができる。
【0077】また、カム機構によりヒンジピン23がヒ
ンジ溝9を案内して左扉2をスライド移動させるため、
従来例のように扉の枢支位置をスライド移動させるため
のスライド部材やスライド移動を元に戻すバネを必要と
せず部品点数を削減することができる。更に、左扉2の
重量は筐体1側のヒンジピン23に加わるため接触面積
が狭く摺動摩擦が小さくなるとともに従来例のような弾
性力の強いバネを必要としないため、扉開閉に要する操
作力を小さくすることができ操作性を更に向上すること
ができる。
【0078】また、ヒンジ溝9を図中、左右方向に対し
て傾斜して形成しているため、第1枢支位置から第2枢
支位置への移動に伴って左扉2は筐体1から離れる方向
にスライド移動する。これにより、左扉2と筐体1との
間に密閉用のパッキンを設けた場合に、パッキンを圧縮
して破損することを防止することができるとともに、左
扉2の軸側の端部と筐体1の開口部1aの端部との衝突
を回避することができる。
【0079】また、カム機構が第1枢支位置から第2枢
支位置に移動する際に、ガイドピン25は案内部11a
に案内されて左扉2に対して相対的に左右方向の移動と
前後方向の移動とを伴う。そして、第2枢支位置では逃
げ部11bに案内されて左扉2に対して相対的に回動軌
跡方向に移動する。
【0080】このため、案内部11aと逃げ部11bと
の交差位置で案内部11aの壁面の接線と逃げ部11b
の壁面の接線との交差角度θ(図13参照)が大きい
と、左扉2の開閉の操作力に対して案内部11aの案内
方向(ヒンジピン23の相対的移動方向、即ち略左右方
向)の分力が大きくなるとともに、ガイドピン25と案
内溝11aの壁面との摺動摩擦が小さくなる。
【0081】従って、交差角度θを120゜〜170゜
にすると、左扉2の開閉をスムーズに行うことができ
る。交差角度θは、ヒンジ溝9の傾斜や、ヒンジピン2
3とガイドピン25との距離により、好適に設定すると
良い。
【0082】また、ヒンジピン23とガイドピン25と
の距離を大きくすると、ヒンジピン23とヒンジ溝9と
の隙間及びガイドピン25とガイド溝11との隙間によ
る遊動が小さくなる。このため、安定して左扉2を開閉
することができる。また、ヒンジピン23とガイドピン
25との間のスペースにロックピン24を配置すること
によりスペースの有効利用を図ることができる。
【0083】また、ガイドピン25はヒンジピン23よ
りも前面側に設けてられいる。これにより、ガイド溝1
1の逃げ部11bの距離を長くとることができるので、
左扉2の開閉時に逃げ部11bとガイドピン25の係合
関係を長く維持でき、扉が確実に第2枢支位置で保持さ
れ、より安定して左扉2を開閉することができる。
【0084】次に、図15〜図18は、第2実施形態の
扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図である。説明
の便宜上、前述の図11〜図14に示す第1実施形態と
同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態
は、第1実施形態に対してガイドピン25及びガイド溝
11を省いている。その他の点は第1実施形態と同様で
ある。また、図11〜図14と同様に、左扉2の下部に
設けられるカム機構について示しており、左扉2の上部
及び右扉3(図1参照)の上下部にも同様のカム機構が
設けられている。尚、斜線部は筐体1側に配される部材
を示している。
【0085】図15は、左扉2が閉じた状態を示してい
る。左扉2の閉成状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピ
ン23が係止され、カム機構は第1枢支位置をとる。ロ
ックピン24はロック部材16の係合部16bと係合
し、アーム部16aの弾性力により左扉2が右扉3(図
1参照)の方向に付勢されている。これにより、左扉2
と右扉3との隙間を所定寸法に保持するとともに、ヒン
ジピン10とヒンジ溝9との隙間による左扉2の遊動を
防止する。従って、カム機構が第1枢支位置の状態を保
持するとともに左扉2の閉止密閉状態をより確実にして
いる。
【0086】把手4(図1参照)を把持して左扉2を開
き始めると、図16に示すように、ロック部材16のア
ーム部16aが弾性変形して、ロックピン24と係合部
16bとの係合解除が開始される。
【0087】係合部16b付近でロックピン24に接す
る部分が、ヒンジピン23とロックピン24の軸心を通
る直線よりも開口部1a側にある状態(本図より少し前
の段階)で把手4を離すと、アーム部16aの弾性力に
より左扉2は図15の状態に戻る。従って、ロック部材
16とロックピン24により自閉機能を有し、左扉2を
確実に閉じることができるようになっている。
【0088】また、第1実施形態と同様に、スライドカ
ム部材8の下面の一端に凹設された長孔状のヒンジ溝9
の周囲には、第2枢支位置の時のヒンジピン23を中心
とした円筒面から成る第2カム面10aを有するボス1
0が突設されている。そして、ロックカム組品(不図
示)には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19a
を有するリブ19がロックカム部材(不図示)に突設さ
れている。
【0089】ボス10には、開口部1aの中央側に行く
ほど開口部1a側に傾斜する第1カム面10bが設けら
れ、リブ19の一端に形成された傾斜面から成るガイド
面19bに接している。このため、左扉2の開成に伴
い、第1カム面10bはガイド面19bと摺接する。こ
れにより、ヒンジピン23に沿ってヒンジ溝9は左側前
方に移動する。即ち、ヒンジピン23が相対的にヒンジ
溝9に案内される。その結果、左扉2は回動しながら図
中、左下方向へスライド移動する。尚、このとき、アー
ム部16aの弾性力は左扉2の移動に逆らうように働い
ている。
【0090】更に左扉2を開くと、図17に示すように
ヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機
構は第2枢支位置をとる。この時、ボス10の第2カム
面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始す
る。これにより、カム機構は第2枢支位置の状態を保持
し、左扉2がヒンジピン23を軸に回動するようになっ
ている。
【0091】また、第1カム面10bは第2カム面10
aに連続して形成されているため、左扉2の回動を案内
するとともに、カム機構が第2枢支位置に確実に変位す
るようになっている。更に左扉2を開くと、図18に示
すように、ボス10の第2カム面10aがリブ19の凹
面19aに沿って摺動を継続し、左扉2がさらに開放さ
れる。
【0092】尚、左扉2の閉成間際には、図18に示す
ように、ロックピン24にロック部材16の当り面16
dが当接する。更に左扉2を閉じると、左扉2を図中、
右方向に移動させる方向に、アーム部16aの弾性力が
加わる。当たり面16dは第1実施形態のロック部材1
6(図14参照)の係合部16bを延長して形成されて
おり、ボス10の第1カム面10bとリブ19との摺接
前からロックピン24を付勢している。これにより、左
扉2のスライド移動を確実に行っている。
【0093】その後、図16に示すように、ボス10の
第1カム面10bがリブ19のガイド面19bに沿って
右方向に移動し、左扉2は回動しながら右方向に移動し
て、図15に示す閉成状態になる。
【0094】次に、図19、図20は第3実施形態の扉
開閉機構のカム機構の動作を示す平面図である。説明の
便宜上、前述の図11〜図14に示す第1実施形態と同
様の部分には同一の符号を付している。図11〜図14
と同様に、左扉2の下部に設けられるカム機構について
示しており、左扉2の上部及び右扉3(図1参照)の上
下部にも同様のカム機構が設けられている。
【0095】本実施形態は、ヒンジピン23、ガイドピ
ン25及びリブ19が左扉2と一体的に設けられ、ヒン
ジ溝9、ガイド溝11及びボス10が筐体1と一体的に
形成されるロックカム部材40に設けられている。尚、
斜線部は左扉2側に配される部材を示している。
【0096】図19は、左扉2が閉じた状態を示してい
る。左扉2の閉止状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピ
ン23が係止され、カム機構は第1枢支位置をとる。左
扉2は背面に設けられたマグネット等の保持手段(不図
示)により筐体1に固定され、カム機構が第1枢支位置
を保持できるようになっている。
【0097】長孔状のヒンジ溝9の周囲には、第2枢支
位置の時のヒンジピン23を中心とした円筒面から成る
第2カム面10aを有し、第1実施形態と略左右対称な
形状のボス10が設けられている。スライドカム部材
(不図示)には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面
19aを有するリブ19が突設されている。ボス10に
は、開口部1aの中央側に行くほど開口部1a側に傾斜
する第1カム面10bが設けられ、リブ19に接してい
る。
【0098】また、ヒンジピン23よりも開口部1aの
中央側にはガイドピン25が設けられている。ロックカ
ム部材40には、ガイドピン25を案内するガイド溝1
1が形成されている。ガイド溝11は、第1実施形態と
同様に傾斜した案内部11aと、開口部1aから離れる
方向に開放された逃げ部11bとから成っている。
【0099】左扉2は開成に伴い回動するが、ボス10
の第1カム面10bがリブ19と係合し、ガイド溝11
の案内部11aがガイドピン25と係合するため、第1
枢支位置のままではヒンジピン23を軸として回動する
ことができない。このため、ヒンジピン23がヒンジ溝
9に案内されるとともにリブ19及びガイドピン25が
それぞれ第1カム面10b及び案内部11aに案内され
て、左扉2は回動しながら図中、左下方向へスライド移
動する。
【0100】更に左扉2を開くと、図20に示すように
ヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機
構は第2枢支位置をとる。この時、リブ19の凹面19
aがボス10の第2カム面10aと摺動を開始する。こ
れにより、カム機構は第2枢支位置の状態を保持し、左
扉2がヒンジピン23を軸に回動するようになってい
る。
【0101】また、以上に説明した動作と逆の動作によ
り左扉2を閉じることができる。尚、第1実施形態と同
様のロックピン及びロックカムから成るロック機構を設
けてもよい。
【0102】第1〜第3実施形態において、右扉3につ
いても左扉2と同様のカム機構を有しているので上記と
同様の効果を得ることができる。また、更に他の実施形
態として、前述の図11〜図14に示す第1実施形態の
ヒンジピン23とボス10とを第2カム面の中心を軸心
として一体化し、ヒンジ溝9とリブ19とを一体化し
て、夫々を筐体側と扉側あるいは逆に設けても同様の動
作をさせることができ、ヒンジピン23とヒンジ溝9、
ガイドピン25とガイド溝11、リブ19とボス10、
ロックピン24とロック部材16の組み合わせの一方と
他方を、筐体側と扉側の一方と他方に設ければよく、組
み合わせによる種々の実施形態が考えられる。
【0103】また、第1〜第3実施形態は中央部から開
閉される扉について説明しているが、開口部の前面に配
される1枚の扉により開口部を開閉する扉開閉機構であ
ってもよい。即ち、扉の開く側に壁面や床面等がある場
合に、扉の開成動作に伴って扉がスライド移動して壁面
等から離れることにより扉の端部と壁面等との干渉を防
止することができる。これにより、扉の開閉が容易とな
る。
【0104】更に、扉の開閉方向が左右方向だけでな
く、垂直方向に開閉する扉や水平方向に開閉する扉の場
合でも同様の効果が得られ、車のダッシュボードのよう
に軽量なふたの場合にも適用することができる。下方に
開く扉の場合には、ロックピン及びロックカムから成る
ロック機構等の付勢手段に替えて扉の重量によって扉を
枢支側に付勢することもできる。
【0105】
【発明の効果】本発明のカム機構によると、リブと第1
カム面との摺接によって回動体の枢支位置がスライド変
位するとともに、リブと第2カム面との摺接によって回
動体の枢支位置を規制するので、簡単な構成で回動体を
規制された枢支位置と必ずしも規制されていない枢支位
置とに変位させることができる。
【0106】また本発明によると、回動体の枢支位置が
スライド変位する方向に対して逆方向に回動体を付勢す
るので、スライド変位させる前の回動体を容易に位置規
制することができる。
【0107】また本発明の扉開閉機構によると、扉の開
成始動時に枢支位置がスライド移動するので、開く側に
壁面や床面等があっても扉は壁面等から離れ、扉の開放
側端部と壁面等との干渉を防止することができる。更に
扉の重量が枢支軸に加わるため接触面積が狭く摺動摩擦
が小さくなるので扉開閉に要する操作力を小さくするこ
とができる。
【0108】また本発明によると、観音開き式扉に適用
した場合、扉の開成始動時に一方の扉の開放側端部が他
方の扉から離れる方向にスライド変位する。従って、扉
の開放端側が擦れ合って開閉される不具合が軽減され、
操作性が改善される。また、従来例のように扉の枢支位
置をスライド移動させるためのスライド部材やスライド
移動を元に戻すバネを必要とせず部品点数を削減するこ
とができる。
【0109】また本発明によると、リブと第2カム面の
摺接によってヒンジピンがヒンジ溝の所定位置に規制さ
れて扉を枢支するので、簡単でコンパクトなカム機構を
用いた枢支位置変位型のヒンジ機構を安価に提供でき
る。
【0110】また本発明によると、扉の開成始動に伴っ
て、ガイド機構によっても扉が案内されるので変位動作
が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0111】また本発明によると、ヒンジ機構とガイド
機構が一体的に形成されるので寸法精度が良く変位動作
が円滑に行なわれるカム機構となる。また、ガイド機構
がピンと溝とで構成されるので、溝の両面を使った2方
向への扉案内が円滑に行なわれる。従って、扉閉成状態
での枢支位置を規制するための付勢手段を必ずしも設け
なくてよい。
【0112】また本発明によると、扉の回動に伴うガイ
ドピンの移動距離に対するヒンジピンの変位距離が小さ
いので変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0113】また本発明によると、扉閉成状態での所定
の枢支位置や所望の位置(例えば観音開き式扉の場合に
は開放端が他方の扉の開放端にパッキンを介して密接す
る位置)が寸法バラツキ等で定まらない場合に、これら
の位置に扉が到達する前にガイドピンとガイド溝の端と
が当接して扉が位置規制されるということがなくなる。
【0114】また本発明によると、案内部と逃げ部との
交差角度を120゜〜170゜にしているので、扉の開
閉の操作力に対して案内部の案内方向の分力が大きくな
るとともに、ガイドピンとガイド溝の壁面との摺動摩擦
が小さくなり、扉の開閉をスムーズに行うことができ
る。
【0115】また本発明によると、ガイドピンをヒンジ
ピンよりも開口部から離れる側に配置しているので、ガ
イド溝の長さを長くとることができ、より安定して扉を
開閉することができる。
【0116】また本発明によると、扉を閉じている際に
ロック部材はロックピンと係合してロックピンを枢支側
に付勢することにより反作用でロック部材が非枢支側に
付勢され、扉を非枢支側に付勢して位置規制する。扉を
開くと、ロック部材が弾性変形してロックピンとの係合
が解除され、扉がスライド変位するので、扉は位置規制
された枢支位置間を変位することになる。
【0117】また本発明によると、ヒンジピンとガイド
ピンとは変位動作が円滑に行なわれるために距離を離し
て配置されるのが好ましく、ヒンジピンとガイドピンと
の間にロックピンを配置するのがスペースを有効に利用
できロック機構のコンパクト化が図られる。
【0118】また本発明によると、ロック部材にて扉を
非枢支側に付勢する付勢手段と扉を閉成方向に付勢する
付勢手段とが兼用されるので、部品点数低減によるコス
トダウンが図られる。
【0119】また本発明によると、扉側に設けられた電
気部品が貫通孔にリード線を挿通して接続され、扉の開
閉によりリード線の必要な長さが変化しないのでリード
線の弛みや引張りを防止することができる。
【0120】また本発明によると、扉がスライド変位す
ることによってリード線が貫通孔で損傷を受けるという
不具合を解消できる。
【0121】また本発明によると、扉の開成動作によっ
て扉は非枢支側から枢支側にスライド変位すると共に、
開口部から離れる方向(手前側にもスライド変位するの
で、扉と開口部との間に密閉用のパッキン等を設けた場
合に、圧縮の繰り返しによるパッキンの損傷を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構を
示す上面断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のスライドカム部材を示す図である。
【図3】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のロック部材を示す図である。
【図4】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のロックカム組品を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のロックカム部材を示す図である。
【図6】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のアングルを示す図である。
【図7】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のスライドカム部材を示す図である。
【図8】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のロック部材を示す図である。
【図9】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のロックカム部材を示す図である。
【図10】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
左下側のアングルを示す図である。
【図11】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
扉閉止状態を示す平面図である。
【図12】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【図13】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【図14】 本発明の第1実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【図15】 本発明の第2実施形態による扉開閉機構の
扉閉止状態を示す平面図である。
【図16】 本発明の第2実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【図17】 本発明の第2実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【図18】 本発明の第2実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【図19】 本発明の第3実施形態による扉開閉機構の
扉閉止状態を示す平面図である。
【図20】 本発明の第3実施形態による扉開閉機構の
扉開成の動作を説明する平面図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 左扉 3 右扉 4、5 把手 6、7 パッキン 8、12 スライドカム部材 9、13 ヒンジ溝(軸受け、ヒンジピン受け部材) 10、14 ボス(カム部材) 10a 第1カム面 10b 第2カム面 10c 第3カム面 11、15 ガイド溝 11a 案内部 11b 逃げ部 16、17 ロック部材 16a アーム部(付勢手段) 16b 係合部 18、20、40 ロックカム部材 19、21 リブ 22、27 アングル 23、28 ヒンジピン(枢支軸) 24、29 ロックピン 25、30 ガイドピン 32、33 ロックカム組品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25D 23/02 306 F25D 23/02 306P (72)発明者 藤林 五男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2E030 BB02 HA01 HB01 HC01 HD02 HE02 3J030 EA01 EA02 EA21 EC06 3J062 AA33 AB31 AC09 BA11 BA16 BA35 CC12 CC33 CC34 3L102 JA01 KA06 KB13 KC11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2カム面を有して基体または回
    動体の何れか一方に設けられるカム部材と、前記カム部
    材の第1、第2カム面に当接係合して前記基体または前
    記回動体の他方に設けられる円弧状のリブと、前記リブ
    若しくは前記カム部材の何れか一方に形成された長孔形
    状の軸受けに対して相対移動可能に遊嵌されるとともに
    前記リブと同心の枢軸とを備え、 前記リブに当接係合するカム面が第1カム面を経由して
    第2カム面へ移動するのに伴って、前記回動体の枢支位
    置をスライド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接
    係合によって前記回動体の枢支位置を規制することを特
    徴とするカム機構。
  2. 【請求項2】 基体または回動体の何れか一方に、前記
    回動体の枢支軸と該枢支軸と同心の円弧上に配置される
    リブとを設け、前記基体または前記回動体の他方には、
    前記リブと当接係合する第1、第2カム面と前記枢支軸
    と遊嵌する長孔形状の軸受けとを備えたカム部材を設
    け、 前記リブに当接係合するカム面が第1カム面を経由して
    第2カム面へ移動するのに伴って、前記回動体の枢支位
    置をスライド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接
    係合によって前記回動体の枢支位置を規制することを特
    徴とするカム機構。
  3. 【請求項3】 基体または回動体の何れか一方に、前記
    回動体の枢支軸と第1、第2カム面を有するカム部材と
    を設け、前記基体または前記回動体の他方には前記枢支
    軸と遊嵌する長孔形状の軸受けと第1、第2カム面に当
    接係合するリブとを設け、 前記リブに当接係合するカム面が第1カム面を経由して
    第2カム面へ移動するのに伴って、前記回動体の枢支位
    置をスライド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接
    係合によって前記回動体の枢支位置を規制することを特
    徴とするカム機構。
  4. 【請求項4】 前記リブと第1カム面とが当接する方向
    に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載のカム機構。
  5. 【請求項5】 機器本体の開口部に扉を開閉自在に枢支
    した扉開閉機構において、 前記扉の枢支軸となるヒンジピンを相対的にスライド可
    能に支持する長孔形状のヒンジ溝を形成したカム部材を
    有するカム機構を備え、該カム機構によって前記ヒンジ
    ピンが、扉の閉成状態に対応する位置と、扉の開成状態
    に対応する扉枢支位置とに相対的に変位することを特徴
    とする扉開閉機構。
  6. 【請求項6】 機器本体の開口部に扉を開閉自在に枢支
    した扉開閉機構において、 前記扉の枢支軸となるヒンジピンを相対的にスライド可
    能に支持するヒンジ溝を有するカム機構を備え、前記カ
    ム機構によって、前記扉の開成始動時に前記扉が回動を
    伴って非枢支側から枢支側方向にスライド変位すること
    を特徴とする扉開閉機構。
  7. 【請求項7】 機器本体の開口部に複数の扉を相反する
    方向に開閉自在に枢支した扉開閉機構において、 前記扉の枢支軸となるヒンジピンを相対的にスライド可
    能に支持するヒンジ溝を有するカム機構を備え、 前記カム機構によって、前記扉の開成始動時に前記扉が
    回動を伴って他方の扉から離れる方向にスライド変位す
    ることを特徴とする扉開閉機構。
  8. 【請求項8】 前記カム機構は、前記機器本体または前
    記扉の何れか一方に、前記扉の枢支軸となるヒンジピン
    と該ヒンジピンと同心の円弧上に配置されるリブとが設
    けられ、前記機器本体または前記扉の他方には、前記リ
    ブと当接係合する第1、第2カム面と、前記ヒンジピン
    と遊嵌する長孔形状のヒンジ溝とを有するカム部材とが
    設けられ、 前記リブが第1カム面を経由して前記第2カム面へ移動
    するのに伴って、前記扉の枢支位置をスライド変位さ
    せ、前記リブと第2カム面との摺接係合によって前記回
    動体の枢支位置を規制することを特徴とする請求項5〜
    請求項7のいずれかに記載の扉開閉機構。
  9. 【請求項9】 前記カム機構は、前記機器本体または前
    記扉の何れか一方には、前記扉の枢支軸となるヒンジピ
    ンと前記扉を案内するガイド機構の一方部材とが固定さ
    れ、前記機器本体または前記扉の他方には、前記ヒンジ
    ピンと遊嵌する長孔形状のヒンジ溝を有するヒンジピン
    受け部材と前記ガイド機構の他方部材とが固定されて構
    成され、 前記扉の開成始動時の回動に伴う前記一方部材と前記他
    方部材との摺接係合によって前記扉の枢支位置をスライ
    ド変位させることを特徴とする請求項5〜請求項8のい
    ずれかに記載の扉開閉機構。
  10. 【請求項10】 前記ガイド機構の一方部材はガイドピ
    ンから成って前記ヒンジピン及び前記リブと一体的に形
    成され、前記ガイド機構の他方部材はガイド溝から成っ
    て前記ヒンジ溝を備えた前記ヒンジピン受け部材と一体
    的に形成されたことを特徴とする請求項9に記載の扉開
    閉機構。
  11. 【請求項11】 前記ガイドピンは、前記ヒンジピンよ
    りも前記扉の中央側に配されることを特徴とする請求項
    10に記載の扉開閉機構。
  12. 【請求項12】 前記扉を閉成した状態で、前記ガイド
    ピンと前記ガイド溝の端との間に隙間を有することを特
    徴とする請求項10または請求項11に記載の扉開閉機
    構。
  13. 【請求項13】 前記ガイド溝は、前記扉の変位時に扉
    の回動に伴って前記ガイドピンを案内する案内部と、前
    記扉の変位後に扉の回動に伴って前記ガイドピンを逃が
    すように案内する逃げ部とを有し、前記案内部と前記逃
    げ部との交差角度を120゜〜170゜にしたこと特徴
    とする請求項10〜請求項12のいずれかに記載の扉開
    閉機構。
  14. 【請求項14】 前記ガイドピンを前記ヒンジピンより
    も前記開口部から離れる側に配置したこと特徴とする請
    求項10〜請求項13のいずれかに記載の扉開閉機構。
  15. 【請求項15】 前記機器本体または前記扉の何れか一
    方に設けられるロックピンと、 前記機器本体または前記扉の他方に設けられ、前記ロッ
    クピンとの係合により前記扉を非枢支側に付勢して閉成
    状態に位置規制するとともに、前記扉の開成始動時に弾
    性変形して前記ロックピンとの係合が解除されるロック
    部材と、 を有するロック機構を設けたことを特徴とする請求項5
    〜請求項14のいずれかに記載の扉開閉機構。
  16. 【請求項16】 前記機器本体または前記扉の何れか一
    方に設けられるロックピンと、 前記機器本体または前記扉の他方に設けられ、前記ロッ
    クピンとの係合により前記扉を非枢支側に付勢して閉成
    状態に位置規制するとともに、前記扉の開成始動時に弾
    性変形して前記ロックピンとの係合が解除されるロック
    部材と、 を有するロック機構を設け、前記ロックピンを前記ヒン
    ジピンと前記ガイドピンとの間に配置したことを特徴と
    する請求項10〜請求項14のいずれかに記載の扉開閉
    機構。
  17. 【請求項17】 前記ロック部材に前記扉を閉じる方向
    に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1
    5または請求項16に記載の扉開閉機構。
  18. 【請求項18】 前記ヒンジピン及び前記ヒンジ溝に、
    軸方向に貫通する長孔状の貫通孔を設けたこと特徴とす
    る請求項5〜請求項17のいずれかに記載の扉開閉機
    構。
  19. 【請求項19】 前記貫通孔に電気部品を接続するリー
    ド線を挿通し、前記ヒンジ溝に設けられた前記貫通孔
    は、前記扉のスライド変位の距離と前記リード線の太さ
    との和よりも長寸方向の寸法が大きいこと特徴とする請
    求項18に記載の扉開閉機構。
  20. 【請求項20】 前記カム機構によって、前記扉のスラ
    イド変位方向を前記開口部から離れる方向にしたことを
    特徴とする請求項5〜請求項19のいずれかに記載の扉
    開閉機構。
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