JP2008163554A - 引戸の減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】引戸を任意の位置から建込み可能とするとともに、微調整を要せずに制動機能が発揮でき、長期に亘って制動力を変動し難くする。
【解決手段】制動装置3は、先端部の引戸閉方向側に傾斜面5eが形成された摺動用ラッチ5と、該摺動用ラッチ5をスライド可能に支持するラッチ収容枠6と、一端が摺動用ラッチ5に係止され、他端がラッチ収容枠6に係止され、摺動用ラッチ5を突出方向に付勢させる連結バネ7とからなるラッチ機構8と、前記ラッチ機構8が直立状態で摺動用ラッチ5の先端部が引戸上面から外部に突出する条件の下、ラッチ収容枠6を貫通する回動軸9によってラッチ機構8を揺動可能に収容するケース10と、一端がラッチ機構8の下端に係止されるとともに、他端がケース10に係止され、ラッチ機構8を引戸の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネ11と、前記ラッチ機構をほぼ直立位置で停止させるストッパー部材12とから構成される。
【選択図】図4
【解決手段】制動装置3は、先端部の引戸閉方向側に傾斜面5eが形成された摺動用ラッチ5と、該摺動用ラッチ5をスライド可能に支持するラッチ収容枠6と、一端が摺動用ラッチ5に係止され、他端がラッチ収容枠6に係止され、摺動用ラッチ5を突出方向に付勢させる連結バネ7とからなるラッチ機構8と、前記ラッチ機構8が直立状態で摺動用ラッチ5の先端部が引戸上面から外部に突出する条件の下、ラッチ収容枠6を貫通する回動軸9によってラッチ機構8を揺動可能に収容するケース10と、一端がラッチ機構8の下端に係止されるとともに、他端がケース10に係止され、ラッチ機構8を引戸の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネ11と、前記ラッチ機構をほぼ直立位置で停止させるストッパー部材12とから構成される。
【選択図】図4
Description
本発明は、引戸を閉方向に移動した際には制動機構が作動し引戸を減速させる一方で、引戸の開方向に移動した際には前記制動機構が解除され、引戸に付加される制動力を低減した引戸の減速装置に関する。
従来より、引戸が勢いよく閉められたときに、引戸が戸枠に強く当たらないように、引戸の閉まり位置の直前で制動機構が作用する減速装置が種々開発されている。
例えば、下記特許文献1では、引戸の上端面に取り付けられるブレーキ部材とレールの所定位置に取り付けられる摺接プレートとからなり、前記ブレーキ部材は引戸に固定される台座と、該台座に引戸進行方向に対して直交する横軸を介して回動可能に取り付けられたブレーキ体とを含み、このブレーキ体は横軸を境界とした左側部の上部にカム面が形成され、該カム面がレールに取り付けた前記摺接プレートに摺接して制動機能を発揮するように形成されており、前記横軸を境界とした右側部の上面が摺接プレートに軽く接するように設定されている引戸のブレーキ装置が開示されている。
特開2002−188354号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の引戸のブレーキ装置は、ブレーキ部材が前記摺接プレートと摺接するように引戸の上面から突出して設けられているため、引戸をケンドン方式で建込む際、枠体に前記ブレーキ部材を挿入するために凹状の挿入スペースを設置しなければ引戸を建込むことができないという問題があるとともに、この挿入スペースが設けられた特定の場所からしか引戸を建込むことができないため作業性が悪いという問題があった。
一方、上記特許文献1記載の引戸のブレーキは、引戸を閉じ方向に移動させると、カム面が摺接プレートに強く接して制動機能が発揮されるようになっており(段落[0005]参照)、また引戸を開き方向に移動させると、右側部の上面が摺接プレートに軽く接するように設定されているので、この摩擦力によりブレーキ体が回動してカム面と摺接プレートとの摩擦が減少し、制動機能が解除されるようになっているものである(段落[0010]参照)。
しかしながら、カム面が摺接プレートに強く接するか否か、又は右側部の上面が摺接プレートに軽く接するか否かの調整は、ブレーキ部材のブレーキ体が引戸に対して上下位置調整自在に取り付けられること、具体的な実施例では、台座から垂直なネジ軸が一体的に延設され、ソケットに回動並びに抜脱が阻止された状態で上下移動自在に挿入され、前記ソケットに回動自在に保持されたナット部材が前記ネジ軸に螺合されて、このナット部材を回動することによりネジ軸がブレーキ体とともに上下動することによりなされるものであるため(段落[0009]参照)、前記ナット部材を回動して、引戸の閉じ方向移動時には強く接し、開き方向移動時には軽く接するように微調整することが非常に面倒であった。
また、調整不良の時には、所定の制動機能が発揮されなくなるとともに、引戸の開き方向移動時にカム面と摺動プレートとの摩擦が大きくなり、引戸の開操作が困難になるという問題があった。
さらに、制動力の調整機構が引戸に設けられているため、引戸の繰り返しの開閉操作に伴う微振動により、初期の設定に変動が生じやすく、調整不良に伴う前記諸問題を引き起こしやすくなっていた。
そこで本発明の主たる課題は、引戸を任意の位置から建込み可能とするとともに、微調整を要せずに制動機能が発揮でき、長期に亘って制動力を変動しにくくした引戸の減速装置を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、引戸上面に埋設される制動装置と、枠体の上枠下面に設けられる摺動板ユニットとから構成され、閉まり位置の直前でブレーキ力によって引戸を減速させるようにした減速装置であって、
前記制動装置は、先端部の引戸閉方向側に傾斜面が形成された摺動用ラッチと、該摺動用ラッチをスライド可能に支持するラッチ収容枠と、一端が前記摺動用ラッチに係止されるとともに、他端が前記ラッチ収容枠に係止され、前記摺動用ラッチを突出する方向に付勢させる連結バネとから構成されるラッチ機構と、引戸に埋設状態で設置されるとともに、前記ラッチ機構が直立した状態で前記摺動用ラッチの先端部が引戸上面から外部に突出する条件の下、前記ラッチ収容枠を貫通して設けられた回動軸によって前記ラッチ機構を揺動可能に収容するケースと、一端が前記ラッチ機構の下端に係止されるとともに、他端が前記ケースに係止され、前記ラッチ機構を引戸の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネと、前記ケースに設けられ、前記ラッチ機構をほぼ直立する位置で停止させるストッパー部材とからなり、
引戸の閉操作時において、前記摺動用ラッチの傾斜面が前記摺動板ユニットの端部に衝突すると、前記摺動用ラッチは付勢力に抗して没入し、摺動用ラッチの先端が摺動板ユニットの摺動板に押圧状態で接触しながら移動することによって引戸を減速させ、
引戸の開操作時において、前記摺動用ラッチの反傾斜面側が前記摺動板ユニットの端部に触れると、ラッチ機構が前記姿勢保持用バネの付勢力に抗して引戸の閉方向回動側に傾動することにより摺動用ラッチが摺動板ユニットに低押圧状態で軽く摺接しながら乗り越えるようにしたことを特徴とする引戸の減速装置が提供される。
前記制動装置は、先端部の引戸閉方向側に傾斜面が形成された摺動用ラッチと、該摺動用ラッチをスライド可能に支持するラッチ収容枠と、一端が前記摺動用ラッチに係止されるとともに、他端が前記ラッチ収容枠に係止され、前記摺動用ラッチを突出する方向に付勢させる連結バネとから構成されるラッチ機構と、引戸に埋設状態で設置されるとともに、前記ラッチ機構が直立した状態で前記摺動用ラッチの先端部が引戸上面から外部に突出する条件の下、前記ラッチ収容枠を貫通して設けられた回動軸によって前記ラッチ機構を揺動可能に収容するケースと、一端が前記ラッチ機構の下端に係止されるとともに、他端が前記ケースに係止され、前記ラッチ機構を引戸の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネと、前記ケースに設けられ、前記ラッチ機構をほぼ直立する位置で停止させるストッパー部材とからなり、
引戸の閉操作時において、前記摺動用ラッチの傾斜面が前記摺動板ユニットの端部に衝突すると、前記摺動用ラッチは付勢力に抗して没入し、摺動用ラッチの先端が摺動板ユニットの摺動板に押圧状態で接触しながら移動することによって引戸を減速させ、
引戸の開操作時において、前記摺動用ラッチの反傾斜面側が前記摺動板ユニットの端部に触れると、ラッチ機構が前記姿勢保持用バネの付勢力に抗して引戸の閉方向回動側に傾動することにより摺動用ラッチが摺動板ユニットに低押圧状態で軽く摺接しながら乗り越えるようにしたことを特徴とする引戸の減速装置が提供される。
上記請求項1記載の本発明では、引戸上面に埋設される制動装置が、摺動用ラッチと、該摺動用ラッチをスライド可能に支持するラッチ収容枠と、前記摺動用ラッチを突出する方向に付勢させる連結バネとから構成されるラッチ機構となっているため、引戸を建て込む際、前記ラッチ機構が直立した状態で摺動用ラッチの先端部が引戸上面から外部に突出していても、摺動用ラッチの先端部を枠体に押し付け、没入させながらケンドン方式によって任意の位置から簡単に建込みができるようになる。
さらに、ブレーキを掛ける摺動機構を、摺動用ラッチを連結バネによって付勢させたラッチ機構としたため、引戸の閉操作時においては、制動装置と摺動板ユニットとの上下位置の微調整をしなくても十分な制動機能が発揮できるようになるとともに、長期に亘って制動力が変動し難い。
一方、引戸の開操作時においては、摺動用ラッチの反傾斜面側が前記摺動板ユニットの端部に触れると、ラッチ機構が前記姿勢保持用バネの付勢力に抗して引戸の閉方向回動側に傾動することにより摺動用ラッチが摺動板ユニットに低押圧状態で軽く摺接しながら乗り越えるようになっているため、引戸に殆ど制動力が作用せずに、スムーズな開操作が可能となる。
請求項2に係る本発明として、前記姿勢保持用バネの弾性力は、前記連結バネの弾性力よりも相対的に小さく設定されている請求項1記載の引戸の減速装置が提供される。
上記請求項2記載の本発明では、姿勢保持用バネの弾性力を、前記連結バネの弾性力よりも相対的に小さく設定することにより、引戸の開操作時に摺動用ラッチが摺動板ユニットを乗り越える際、引戸に作用する制動力をより小さくすることが可能となり、よりスムーズな開操作が実現できる。
請求項3に係る本発明として、前記摺動板ユニットは、前記枠体に固定される基台と、この基台に支持されるとともに、上下方向位置が所定範囲で調整可能とされる調整台と、この調整台の下面に支持された摺動板とからなる請求項1,2いずれかに記載の引戸の減速装置が提供される。
請求項4に係る本発明として、前記基台は、端面に調整用ボルトを備えるとともに、両側に側壁を有し、前記側壁に引戸の開閉方向に対して傾斜するスライド案内溝が設けられ、前記調整台は、前記スライド案内溝に係合させた支軸によって懸架されるとともに、少なくとも前記スライド案内溝の範囲に亘り長手方向に沿ってスライド可能とされ、かつ前記調整用ボルトが螺合された雌ネジ孔部を有し、
前記調整用ボルトを左右方向に回転させることにより、前記調整台が部材長手方向に沿って移動し、前記支軸が前記スライド案内溝によってガイドされることによって上下方向位置が調整可能となっている請求項3記載の引戸の減速装置が提供される。
前記調整用ボルトを左右方向に回転させることにより、前記調整台が部材長手方向に沿って移動し、前記支軸が前記スライド案内溝によってガイドされることによって上下方向位置が調整可能となっている請求項3記載の引戸の減速装置が提供される。
上記請求項3、4記載の本発明は、制動力の調整は、制動装置及び摺動板ユニットの少なくとも一方側を上下調整することにより行われるが、本発明では枠体に設けられる摺動板ユニットを構成する調整台によって行われるようになっている。従って、引戸を開いた状態で作業が行えるようになり作業性が良好であるとともに、引戸の繰り返しの開閉操作に伴う微振動による変動が最小に抑えられるようになるため、引戸側に調整機構を備える従来の装置と比較して、一度摺動板ユニットの上下方向位置を調整すれば、初期の設定状態が長期間維持されるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、引戸を任意の位置から建込むことができるとともに、微調整を要せずに制動機能が発揮でき、長期に亘って制動力を変動しにくくした引戸の減速装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る引戸の減速装置1を用いた引戸2の正面図、図2はそのII部拡大断面図である。
図1に示される引戸2は、例えばアルミ等の金属材料からなる上框30A、下框30B、縦框30C,30Dによって構成されたフレーム枠30内にパネル31が嵌め込まれたものであり、鴨居32A、敷居32B及び側枠32C、32Dからなる固定枠32に収容されている。前記引戸2の下面両側には夫々戸車33,33が設けられ、敷居32Bには戸車用レール34が配設され、前記引戸2が開閉自在となっている。
本引戸2には、引戸2の上框30Aに埋設設置される制動装置3と、フレーム枠30の鴨居32Aの下面に設けられる摺動板ユニット4とから構成された減速装置1が設けられ、閉まり位置の直前でブレーキ力によって引戸2を減速させるようになっている。
〔減速装置1の構造〕
以下、前記減速装置1について具体的に詳述する。
(制動装置3の構造)
制動装置3は、図3及び図4に示されるように、先端部の引戸閉方向側に傾斜面5eが形成された摺動用ラッチ5と、該摺動用ラッチ5をスライド可能に支持するラッチ収容枠6と、一端が前記摺動用ラッチ5に係止されるとともに、他端が前記ラッチ収容枠6に係止され、前記摺動用ラッチ5を突出する方向に付勢させる連結バネ7とから構成されるラッチ機構8と、引戸に埋設状態で設置されるとともに、前記ラッチ機構8が直立した状態で前記摺動用ラッチ5の先端部が引戸2の上面から外部に突出する条件の下、前記ラッチ収容枠6を貫通して設けられた回動軸9によって前記ラッチ機構8を揺動可能に収容するケース10と、一端が前記摺動用ラッチ機構8の下端に係止されるとともに、他端が前記ケース10に係止され、前記摺動用ラッチ機構8を引戸2の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネ11と、前記ケース10に設けられ、前記ラッチ機構8をほぼ直立する位置で停止させるストッパー部材12とから構成されている。
以下、前記減速装置1について具体的に詳述する。
(制動装置3の構造)
制動装置3は、図3及び図4に示されるように、先端部の引戸閉方向側に傾斜面5eが形成された摺動用ラッチ5と、該摺動用ラッチ5をスライド可能に支持するラッチ収容枠6と、一端が前記摺動用ラッチ5に係止されるとともに、他端が前記ラッチ収容枠6に係止され、前記摺動用ラッチ5を突出する方向に付勢させる連結バネ7とから構成されるラッチ機構8と、引戸に埋設状態で設置されるとともに、前記ラッチ機構8が直立した状態で前記摺動用ラッチ5の先端部が引戸2の上面から外部に突出する条件の下、前記ラッチ収容枠6を貫通して設けられた回動軸9によって前記ラッチ機構8を揺動可能に収容するケース10と、一端が前記摺動用ラッチ機構8の下端に係止されるとともに、他端が前記ケース10に係止され、前記摺動用ラッチ機構8を引戸2の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネ11と、前記ケース10に設けられ、前記ラッチ機構8をほぼ直立する位置で停止させるストッパー部材12とから構成されている。
前記ラッチ機構8について詳説すると、図5に示されるように、前記摺動用ラッチ5は、断面略四角形の角柱状部材であり、先端部の引戸閉方向側に傾斜面5eが形成されている。前記ラッチ収容枠6は、断面略コ字形を成し、両側壁の下方には、前記回動軸9が貫通する貫通孔6a、6aが形成されている。
前記摺動用ラッチ5は、胴部に貫通孔5aが設けられ、ラッチ収容枠6に内挿された状態で、ラッチ収容枠6の両側壁に部材長手方向に沿って形成された長孔6b、6bを貫通するとともに、前記貫通孔5aを貫通するように設けられたスライド軸13によって支持され、前記長孔6bの範囲でスライド可能となっている。また、図6に示されるように、摺動用ラッチ5の背面側には、断面T字型のガイドスライダー5bが突設され、一方前記ラッチ収容枠6の背面側には、図7に示されるように、前記ガイドスライダー5bの頭部が挿入可能な嵌合孔6cが設けられるとともに、該嵌合孔6cから幅方向中央部を上方向に連続して前記ガイドスライダー5bの胴部がスライド可能なガイド溝6dが連設され、このガイド溝6dを前記ガイドスライダー5bがスライドすることにより、前記摺動用ラッチ5がラッチ収容枠6に沿って円滑にスライドするようになっている。
また、前記摺動用ラッチ5の正面側下方には、中央部に離隔をあけて一対の支持用アーム5c、5cが突出して設けられるとともに、該支持用アーム5c、5cにはそれぞれ支持ピン14が貫通するための貫通孔5d、5dが設けられている。
前記連結バネ7は、図5に示されるように、前記摺動用ラッチ5が前記ラッチ収容枠6に収容された状態で、一端が前記支持ピン14の中央部に係止されるとともに、他端が前記ラッチ収容枠6の上端に一方側の側面から屈曲した係止片6dに係止され、摺動用ラッチ5がラッチ収容枠6から突出する方向に付勢力が付加されている。また、前記ラッチ収容枠6の下端には、前記姿勢保持用バネ11を係止するために、一方側の側面から屈曲した係止片6eが設けられている。
次に、前記ケース10について詳説すると、図4に示されるように、ケース10は、前記ラッチ機構8を両側面から囲むような左右一対のケース部材10A、10Bから構成されている。前記ケース部材10Aは、正面壁16Aと、該正面壁16Aの側端縁から屈曲して延在する側壁16B、16Cとによって略コの字形の外形をなし、前記側壁16B、16Cの上端にはそれぞれ外方に向け、引戸2へ固定するためのフランジ10a、10aが設けられるとともに、その略中央にビス穴10bがそれぞれ設けられている。また、前記正面壁16Aには、ケース部材10B側に向けて、回動軸9と、ストッパー12と、回動規制用部材15とが設けられている。更に、前記ケース部材10Aには、図8に示されるように、ケース部材10Aの引戸閉方向側の下方に、前記姿勢保持用バネ11を係止するための係止片10dが正面壁10Aから突出して設けられている。
一方、前記ケース部材10Bは、正面壁17Aと、該正面壁17Aの下端から屈曲して延在する底面壁17Bとによって断面略L字形の外形をなし、前記ケース部材10Bの上端片側には、ケース10の上面壁を構成する突出片10fが形成されている。また、前記正面壁17Aには、ケース部材10Aの回動軸9と、ストッパー12と、回動規制用部材15とに対応する位置に、これらの部材の先端部が係合する支持貫通孔10c、10e、10hが夫々形成されている。
前記ケース部材10A、10Bは向かい合わせで組み合わされることにより、図3に示されるように、上面が開放された直方体の内部空間が形成されるようになっており、該ケース10内には、ラッチ機構8が直立した状態で摺動用ラッチ5の先端部が引戸2の上面から外部に突出した状態となるように、前記ラッチ収容枠6の貫通孔6a、6aを貫いて挿入された回動軸9によって、前記ラッチ機構8が揺動可能に収容されているとともに、前記ラッチ機構8は、一端がラッチ機構8の下端に設けられた係止片6eに係止されるとともに、他端がケース部材10Aの係止片10dに係止される姿勢保持用バネ11によって、引戸2の開方向回動側に付勢されるようになっている。そして、前記ラッチ機構8は、ケース10に設けられた前記ストッパー部材12によって、ほぼ直立する位置で停止するようになっている。
上述のように構成される制動装置3は、図9に示されるように、ラッチ機構8が直立した状態で、摺動用ラッチ5の先端部が引戸2の上面から外部に突出した状態を基本姿勢とする。また図10に示されるように、摺動用ラッチ5の上部から押圧力を受けると、摺動用ラッチ5は、連結バネ7の付勢力に抗してラッチ収容枠6をスライドし、ケース10内に没入する。さらに図11に示されるように、摺動用ラッチ5の反傾斜面側から引戸閉方向に荷重を受けると、ラッチ機構8が回動軸9回りに姿勢保持用バネ11の付勢力に抗して回動し、ラッチ機構8がケース10内に没入する。前述の通り、本制動装置3は、摺動用ラッチ5の先端部が引戸2の上面から外部に突出していても、その上部から押圧力を受けると摺動用ラッチ5がケース10内に没入する構造となっているため、引戸をケンドン方式で建込む際、この突出部を枠体に押し付ければ、容易に建て込むことができ、枠体に特別な挿入スペースを設ける必要が無い。
(摺動板ユニット4の構造)
次に、前記摺動板ユニット4の構造について、図12及び図13に基づいて説明する。摺動板ユニット4は、前記鴨居32Aに固定される基台20と、この基台20に支持されるとともに、上下方向位置が所定範囲で調整可能とされる調整台21と、この調整台21の下面に支持された摺動板22とで構成されている。
次に、前記摺動板ユニット4の構造について、図12及び図13に基づいて説明する。摺動板ユニット4は、前記鴨居32Aに固定される基台20と、この基台20に支持されるとともに、上下方向位置が所定範囲で調整可能とされる調整台21と、この調整台21の下面に支持された摺動板22とで構成されている。
この摺動板ユニット4は、前記ラッチ機構8の摺動用ラッチ5の先端が摺動板22に摺接することによって、閉まり位置の直前でブレーキ力によって引戸2を減速させるものである。
前記摺動板22としては、比較的耐摩耗性に優れるとともに、摩擦を発生させ易い、例えば樹脂、金属またはゴム等からなる部材が好適に使用される。
前記基台20は、端面20aに調整用ボルト23を備えるとともに、両側に側壁20b、20bを有し、前記各側壁20b、20bには引戸2の開閉方向に対して傾斜する方向に沿ってスライド案内溝20c、20cが設けられている。
前記調整台21は、端面21aと、両側に側壁21b、21bとを有し、前記端面21aに雌ネジ孔部21cが形成され、前記各側壁21bに支持孔21d、21dが形成されている。また、下面には固定軸26、26によって、摺動板22が取り付けられている。
前記調整台21は、前記基台20と嵌め合わされた状態で、端面20aから前記雌ネジ孔部21Cに向けて調整用ボルト23を螺入するとともに、前記スライド案内溝20c及び支持孔21dに貫通させた支軸24によって懸架され、少なくとも前記スライド案内溝20cの範囲に亘り長手方向に沿ってスライド可能となっている。
前記摺動板ユニット4においては、前記調整用ボルト23を左右方向に回転させることにより、図14(A)、(B)に示されるように、前記調整台21が長手方向にスライドされるとともに、前記支軸24が前記スライド案内溝20cによってガイドされることによって上下方向位置が調整可能となっている。なお、基台20及び調整台21からそれぞれ摺動板ユニット4の内方へ立設する係止片20d、21c間にバネ25が配設されることによって、調整台21が基台20に対して前記端面20aと逆方向に引っ張られ、ガタツキが防止されている。
〔減速装置1の作動説明〕
(引戸2の閉操作時)
引戸2の閉操作時における減速装置1の作動について、図15に基づいて詳述する。同図(A)に示されるように、摺動用ラッチ5の傾斜面5eが前記摺動板ユニット4の端部に衝突すると、前記摺動用ラッチ5は、連結バネ7の付勢力に抗して没入する。その後、引戸2は、同図(B)に示されるように、連結バネ7の付勢力によって、摺動用ラッチ5の先端が摺動板ユニット4の摺動板22に押圧状態で接触しながら移動することによって引戸2が減速する。そして、同図(C)に示されるように、摺動板ユニット4を通過した状態で、前記摺動用ラッチ5は、基本姿勢に戻るとともに、十分に減速した引戸2は、静かに閉まり状態となる。
(引戸2の閉操作時)
引戸2の閉操作時における減速装置1の作動について、図15に基づいて詳述する。同図(A)に示されるように、摺動用ラッチ5の傾斜面5eが前記摺動板ユニット4の端部に衝突すると、前記摺動用ラッチ5は、連結バネ7の付勢力に抗して没入する。その後、引戸2は、同図(B)に示されるように、連結バネ7の付勢力によって、摺動用ラッチ5の先端が摺動板ユニット4の摺動板22に押圧状態で接触しながら移動することによって引戸2が減速する。そして、同図(C)に示されるように、摺動板ユニット4を通過した状態で、前記摺動用ラッチ5は、基本姿勢に戻るとともに、十分に減速した引戸2は、静かに閉まり状態となる。
(引戸2の開操作時)
次に、引戸2の開操作時について、図16に基づいて詳述する。同図(A)に示されるように、引戸2を閉まり状態から開方向に移動させると、摺動用ラッチ5の反傾斜面側が摺動板ユニット4の端部に衝突すると、ラッチ機構8は姿勢保持用バネ11の付勢力に抗して、回動軸9を回転中心として引戸2の閉方向回動側(図示で時計回転方向)に傾動する。これにより、同図(B)に示されるように、摺動用ラッチ5の先端部が没入した状態となり、摺動用ラッチ5は摺動板ユニット4に低押圧状態で軽く摺接しながら容易に乗り越えることができるようになる(同図(c))。
次に、引戸2の開操作時について、図16に基づいて詳述する。同図(A)に示されるように、引戸2を閉まり状態から開方向に移動させると、摺動用ラッチ5の反傾斜面側が摺動板ユニット4の端部に衝突すると、ラッチ機構8は姿勢保持用バネ11の付勢力に抗して、回動軸9を回転中心として引戸2の閉方向回動側(図示で時計回転方向)に傾動する。これにより、同図(B)に示されるように、摺動用ラッチ5の先端部が没入した状態となり、摺動用ラッチ5は摺動板ユニット4に低押圧状態で軽く摺接しながら容易に乗り越えることができるようになる(同図(c))。
ここで、姿勢保持用バネ11の弾性力は、前記連結バネ7の弾性力よりも相対的に小さく設定されるようにすることが好ましい。これにより、引戸2の開操作時に、摺動用ラッチ5が摺動板ユニット4を乗り越える際、摺動用ラッチ5の先端が摺動板22に接触しても、ほとんどブレーキ力を受けずに引戸2のスムーズな移動が可能となる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、図15に示されるように、摺動用ラッチ5が摺動板ユニット4を乗り越え終えた状態で引戸2が全閉されるようにしたが、図17(A)に示されるように、引戸2が全閉された状態で前記摺動用ラッチ5が摺動板ユニット4に接触した状態となっていてもよい。開操作時には図17(B)に示されるように、摩擦によって、移動開始直後にラッチ機構8が姿勢保持用バネ11の付勢力に抗して、回動軸9を回転中心として引戸2の閉方向回動側(図示で時計回転方向)に傾動する。
(1)上記形態例では、図15に示されるように、摺動用ラッチ5が摺動板ユニット4を乗り越え終えた状態で引戸2が全閉されるようにしたが、図17(A)に示されるように、引戸2が全閉された状態で前記摺動用ラッチ5が摺動板ユニット4に接触した状態となっていてもよい。開操作時には図17(B)に示されるように、摩擦によって、移動開始直後にラッチ機構8が姿勢保持用バネ11の付勢力に抗して、回動軸9を回転中心として引戸2の閉方向回動側(図示で時計回転方向)に傾動する。
1…減速装置、2…引戸、3…制動装置、4…摺動板ユニット、5…摺動用ラッチ、6…ラッチ収容枠、7…連結バネ、8…ラッチ機構、9…回動軸、10…ケース、11…姿勢保持用バネ、12…ストッパー部材、20…基台、21…調整台、22…摺動板
Claims (4)
- 引戸上面に埋設される制動装置と、枠体の上枠下面に設けられる摺動板ユニットとから構成され、閉まり位置の直前でブレーキ力によって引戸を減速させるようにした減速装置であって、
前記制動装置は、先端部の引戸閉方向側に傾斜面が形成された摺動用ラッチと、該摺動用ラッチをスライド可能に支持するラッチ収容枠と、一端が前記摺動用ラッチに係止されるとともに、他端が前記ラッチ収容枠に係止され、前記摺動用ラッチを突出する方向に付勢させる連結バネとから構成されるラッチ機構と、引戸に埋設状態で設置されるとともに、前記ラッチ機構が直立した状態で前記摺動用ラッチの先端部が引戸上面から外部に突出する条件の下、前記ラッチ収容枠を貫通して設けられた回動軸によって前記ラッチ機構を揺動可能に収容するケースと、一端が前記ラッチ機構の下端に係止されるとともに、他端が前記ケースに係止され、前記ラッチ機構を引戸の開方向回動側に付勢させる姿勢保持用バネと、前記ケースに設けられ、前記ラッチ機構をほぼ直立する位置で停止させるストッパー部材とからなり、
引戸の閉操作時において、前記摺動用ラッチの傾斜面が前記摺動板ユニットの端部に衝突すると、前記摺動用ラッチは付勢力に抗して没入し、摺動用ラッチの先端が摺動板ユニットの摺動板に押圧状態で接触しながら移動することによって引戸を減速させ、
引戸の開操作時において、前記摺動用ラッチの反傾斜面側が前記摺動板ユニットの端部に触れると、ラッチ機構が前記姿勢保持用バネの付勢力に抗して引戸の閉方向回動側に傾動することにより摺動用ラッチが摺動板ユニットに低押圧状態で軽く摺接しながら乗り越えるようにしたことを特徴とする引戸の減速装置。 - 前記姿勢保持用バネの弾性力は、前記連結バネの弾性力よりも相対的に小さく設定されている請求項1記載の引戸の減速装置。
- 前記摺動板ユニットは、前記枠体に固定される基台と、この基台に支持されるとともに、上下方向位置が所定範囲で調整可能とされる調整台と、この調整台の下面に支持された摺動板とからなる請求項1,2いずれかに記載の引戸の減速装置。
- 前記基台は、端面に調整用ボルトを備えるとともに、両側に側壁を有し、前記側壁に引戸の開閉方向に対して傾斜するスライド案内溝が設けられ、前記調整台は、前記スライド案内溝に係合させた支軸によって懸架されるとともに、少なくとも前記スライド案内溝の範囲に亘り長手方向に沿ってスライド可能とされ、かつ前記調整用ボルトが螺合された雌ネジ孔部を有し、
前記調整用ボルトを左右方向に回転させることにより、前記調整台が部材長手方向に沿って移動し、前記支軸が前記スライド案内溝によってガイドされることによって上下方向位置が調整可能となっている請求項3記載の引戸の減速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006350868A JP2008163554A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 引戸の減速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006350868A JP2008163554A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 引戸の減速装置 |
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JP2008163554A true JP2008163554A (ja) | 2008-07-17 |
Family
ID=39693379
Family Applications (1)
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JP2006350868A Withdrawn JP2008163554A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 引戸の減速装置 |
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JP (1) | JP2008163554A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012001883A (ja) * | 2010-06-14 | 2012-01-05 | Ykk Ap株式会社 | 建具 |
JP2019131959A (ja) * | 2018-01-29 | 2019-08-08 | 三協立山株式会社 | 建具 |
-
2006
- 2006-12-27 JP JP2006350868A patent/JP2008163554A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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JP7108362B2 (ja) | 2018-01-29 | 2022-07-28 | 三協立山株式会社 | 建具 |
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