JP3599700B2 - カム機構及びそれを用いた扉開閉機構 - Google Patents

カム機構及びそれを用いた扉開閉機構 Download PDF

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2323/00General constructional features not provided for in other groups of this subclass
    • F25D2323/02Details of doors or covers not otherwise covered
    • F25D2323/021French doors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体と回動体とに設けられて回動体の回動により回動体の枢支位置が変位するカム機構、及び冷蔵庫の貯蔵室等の開口部を回動により開閉する扉開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の観音開きの扉開閉機構は、冷蔵庫の開口部中央に仕切板が設けられ、左右の扉が前記仕切板に当接して開口部が閉じられるようになっている。この仕切板は開口部を通して作業する際に邪魔になる。そこで、仕切板を無くして左右の扉間に生じる隙間をパッキンにより塞ぐようにしたものもある。
【0003】
ところが、パッキンを設けると、一方の扉を開く際に該扉に取付けられたパッキンが他方の扉に取付けられたパッキンに擦れ合う。この擦れ合いによる摩擦力によって扉の開閉時に大きな操作力を必要とする問題や、パッキンの破損が発生する問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、特公昭60−24390号公報には一方の扉が開成始動時に他方の扉から離れる方向にスライドする扉開閉機構が開示されている。この扉開閉機構は、開口部の外壁を形成する筐体から手前に突設された受け部に第1回動軸が設けられる。
【0005】
受け部上にはレバー部材が載置され、第1回動軸にはレバー部材の一端に形成された孔部が嵌合される。レバー部材の他端には第2回動軸が一体に形成され、扉が第2回動軸に枢支されている。また、扉を開くと第1回動軸を中心にレバー部材が回動するように案内部材が設けられ、且つ、レバー部材を戻す方向に付勢するバネが設けられている。
【0006】
一方の扉と開くと、案内部材に案内されてレバー部材が回動し、扉がレバー部材の回動に伴って所定量だけスライドする。これにより扉は他方の扉から離れる。その後、扉が開口部から離れ、案内部材の係合が解除されるとレバー部材はバネの付勢力により元の状態に戻る。そして、第2回動軸を中心に扉が回動して開放される。
【0007】
扉を閉じる際には、扉は第2回動軸を中心に開口部の近傍まで回動する。その後バネの付勢力に抗して案内部材が係合を開始し、レバー部材が第1回動軸を中心に回動して扉が他方の扉から離れる方向にスライドする。そして、案内部材に案内されて扉が閉じられるのに応じてレバー部材がバネの付勢力により元の位置に戻り、扉が閉じられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特公昭60−24390号公報に開示された扉開閉機構によると、レバー部材と受け部との摺動面に扉の重さに応じた摩擦力が加わる。このため、バネの付勢力を該摩擦力よりも大きくしておく必要がある。その結果、扉を開く際にはレバー部材の摩擦力とバネの付勢力に抗した大きな操作力が必要となり、操作性が悪い問題があった。また、レバー部材やバネを必要とするため部品点数が多く組立工数も多くなるため、扉開閉機構のコストがかかるとともに、扉開閉機構の信頼性が低下する問題もあった。
【0009】
本発明は、操作性を向上することができるとともに、コスト削減、信頼性の向上を図ることのできる扉開閉機構を提供することを目的とする。また本発明は、簡単な構成で回動体の枢支位置を変位させることができるカム機構を提供することを目的とする。また本発明は、簡単な構成で回動体の枢支位置を変位させることができるカム機構を提供することを目的とする。また、扉の閉成状態における枢支位置と開成状態における枢支位置とを簡単な構造により変位させることのできる扉開閉機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカム機構は、第1、第2カム面を有して基体または回動体の何れか一方に設けられるカム部材と、前記カム部材の第1、第2カム面に当接係合して前記基体または前記回動体の他方に設けられる円弧状のリブと、前記リブ若しくは前記カム部材の何れか一方に形成された長孔形状の軸受けに対して相対移動可能に遊嵌されるとともに前記回動体の回転時に前記リブと同心となる枢軸とを備え、
前記リブに当接係合するカム面が第1カム面を経由して第2カム面へ移動するのに伴って、前記回動体の枢支位置をスライド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接係合によって前記回動体の枢支位置を規制することを特徴としている。
【0011】
この構成によると、回動体の回動に伴って、枢支軸及びリブがそれぞれ長孔形状の軸受け及び第1カム面に相対的に案内されて回動体の枢支位置がスライド変位する。リブと第2カム面とが摺接を始めると、この摺接によって枢支軸が軸受けの所定位置に規制され、回動体が枢支される。
【0012】
また本発明のカム機構は、基体または回動体の何れか一方に、前記回動体の枢支軸と該枢支軸と同心の円弧上に配置されるリブとを設け、前記基体または前記回動体の他方には、前記リブと当接係合する第1、第2カム面と前記枢支軸と遊嵌する長孔形状の軸受けとを備えたカム部材を設け、前記リブに当接係合するカム面が第1カム面を経由して第2カム面へ移動するのに伴って、前記回動体の枢支位置をスライド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接係合によって前記回動体の枢支位置を規制することを特徴としている。
【0013】
また本発明のカム機構は、リブと第1、第2カム面の設ける側が上記と逆、即ち、枢支軸側に第1、第2カム面を有するカム部材を設け、軸受け側にリブを設けたものである。
【0014】
また本発明は、上記構成のカム機構において、前記リブと第1カム面とが当接する方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴としている。この構成によると、リブと第1カム面との当接もしくはヒンジピンとヒンジ溝との当接によって回動体が位置規制される。付勢手段を付加することによって回動体を常に位置規制した状態で支持し、回動体を回動させることによってリブと第2カム面とが摺接し、所定位置で回動体を枢支する状態に変位させるカム機構となる。
【0015】
また本発明は、機器本体の開口部に扉を開閉自在に枢支した扉開閉機構において、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、前記ヒンジピンと同心の円弧上に配置されるリブと、前記ヒンジピンを相対的にスライド可能に支持する長孔形状のヒンジ溝を形成したカム部材を有するカム機構を備え、該カム機構によって前記ヒンジピンが、扉の閉成状態に対応する位置と、扉の開成状態に対応する扉枢支位置とに相対的に変位することを特徴としている。この構成によると、カム機構によって扉の開成始動時にヒンジピンとヒンジ溝が相対的に変位し、扉を開成状態の時に好適な位置で枢支することができる。
【0016】
また本発明は、機器本体の開口部に扉を開閉自在に枢支した扉開閉機構において、前記扉の枢支軸となるヒンジピンを相対的にスライド可能に支持するヒンジ溝を有するカム機構を備え、前記カム機構によって、前記扉の開成始動時に前記扉が回動を伴って非枢支側から枢支側方向にスライド変位することを特徴としている。この構成によると、カム機構によって扉の開成始動時にヒンジピンとヒンジ溝が相対的に変位し、扉が開放端側(ハンドルを設ける側)から枢支側(ヒンジ側)にスライド変位する。
【0017】
また本発明は、機器本体の開口部に複数の扉を相反する方向に開閉自在に枢支した扉開閉機構において、前記扉の閉成時に第1枢支位置をとるとともに、前記扉の開成時に前記扉を開放側から軸側へスライドさせて第2枢支位置をとり、第2枢支位置で前記扉を枢支するカム機構を備えたことを特徴としている。
【0018】
この構成によると、観音開き式扉に適用した場合、カム機構によって扉の開成始動時にヒンジピンとヒンジ溝が相対的に変位し、一方の扉の開放端側(ハンドルを設ける側)が他方の扉から離れる方向にスライド変位する。従って、扉の開放端側が擦れ合って開閉される不具合が軽減される。
【0019】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記カム機構は、前記機器本体または前記扉の何れか一方に、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、該ヒンジピンと同心の円弧上に配置されるリブとが設けられ、前記機器本体または前記扉の他方には、前記リブと当接係合する第1、第2カム面と前記ヒンジピンと遊嵌する長孔形状のヒンジ溝とを備えたカム部材とが設けられ、前記リブが第1カム面を経由して前記第2カム面へ移動するのに伴って、前記扉の枢支位置をスライド変位させ、前記リブと第2カム面との摺接係合によって前記回動体の枢支位置を規制することを特徴としている。
【0020】
この構成によると、扉の開成始動に伴って、ヒンジピン及びリブがそれぞれ長孔形状のヒンジ溝及び第1カム面に相対的に案内されて扉の枢支位置がスライド変位する。リブと第2カム面とが摺接を始めると、この摺接によってヒンジピンがヒンジ溝の所定位置に規制され、扉が枢支される。これにより、簡単でコンパクトなカム機構を用いた枢支位置変位型のヒンジ機構を安価に提供できる。
【0021】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記カム機構は、前記機器本体または前記扉の何れか一方には、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、前記扉を案内するガイド機構の一方部材とが固定され、前記機器本体または前記扉の他方には、前記ヒンジピンと遊嵌する長孔形状のヒンジ溝を有するヒンジピン受け部材と、前記ガイド機構の他方部材とが固定されて構成され、前記扉の開成始動時の回動に伴う前記一方部材と前記他方部材との摺接係合によって前記扉の枢支位置をスライド変位させることを特徴としている。尚、ガイド機構の一方部材と他方部材は凸部材同士、あるいは凸部材と凹部材が考えられる。
【0022】
この構成によると、扉の開成始動に伴って、ヒンジピン及びガイド機構の一方部材(例えばガイドピン)がそれぞれ長孔形状のヒンジ溝及びガイド機構の他方部材(例えばガイド溝)に相対的に案内されて扉の枢支位置がスライド変位する。ガイド機構によって扉が案内されるので変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0023】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ガイド機構の一方部材はガイドピンから成って前記ヒンジピン及び前記リブと一体的に形成され、前記ガイド機構の他方部材はガイド溝から成って前記ヒンジ溝を備えた前記ヒンジピン受け部材と一体的に形成されたことを特徴としている。この構成によると、ヒンジ機構とガイド機構が一体的に形成されるので寸法精度が良く変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。また、ガイド機構がピンと溝で構成されるので、溝の両面を使った2方向への扉案内が円滑に行なわれる。
【0024】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ガイドピンは、前記ヒンジピンよりも前記扉の中央側に配されることを特徴としている。この構成によると、扉の回動に伴うガイドピンの移動距離に対するヒンジピンの変位距離が小さいので変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0025】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記扉を閉成した状態で、前記ガイドピンと前記ガイド溝の端との間に隙間を有することを特徴としている。この構成によると、扉閉成状態での所望位置(例えば観音開き式扉の場合には、開放端が他方の扉の開放端にパッキンを介して密接する位置)が寸法バラツキ等で定まらない場合に、該所望位置に扉が到達する前にガイドピンとガイド溝の端とが当接して扉が位置規制されるということがなくなる。
【0026】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ガイド溝は、前記扉の変位時に扉の回動に伴って前記ガイドピンを案内する案内部と、前記扉の変位後に扉の回動に伴って前記ガイドピンを逃がすように案内する逃げ部とを有し、前記案内部と前記逃げ部との交差角度を120゜〜170゜にしたこと特徴としている。この構成によると、ガイド機構によって扉が閉成状態の位置から開成状態の枢支位置に変位し回動する動作が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0027】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ガイドピンを前記ヒンジピンよりも前記開口部から離れる側に配置したこと特徴としている。この構成によると、ガイドピンがガイド溝に案内される期間が長くなる。
【0028】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記機器本体または前記扉の何れか一方に設けられるロックピンと、
前記機器本体または前記扉の他方に設けられ、前記ロックピンとの係合により前記扉を非枢支側に付勢して閉成状態に位置規制するとともに、前記扉の開成始動時に弾性変形して前記ロックピンとの係合が解除されるロック部材と、を有するロック機構を設けたことを特徴としている。
【0029】
この構成によると、例えば、本体側にロックピンが突設され、扉側にロック部材が設けられる。扉を閉じている際にロック部材はロックピンと係合してロックピンを枢支側に付勢することにより反作用でロック部材が非枢支側に付勢され、扉を非枢支側に付勢して位置規制する。扉を開くと、ロック部材が弾性変形してロックピンとの係合が解除され、扉がスライド変位する。
【0030】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ロックピンを前記ヒンジピンと前記ガイドピンとの間に配置したことを特徴としている。この構成によると、ヒンジピンとガイドピンとは変位動作が円滑に行なわれるために距離を離して配置されるのが好ましく、ヒンジピンとガイドピンとの間にロックピンを配置するのがスペースを有効に利用できロック機構のコンパクト化が図られる。
【0031】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ロック部材に前記扉を閉じる方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴としている。この構成によると、ロック部材により扉を非枢支側に付勢する付勢手段と扉を閉成方向に付勢する付勢手段とが兼用され、部品数低減によるコストダウンが図られる。
【0032】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記ヒンジピン及び前記ヒンジ溝に、軸方向に貫通する長孔状の貫通孔を設けたこと特徴としている。この構成によると、扉側に設けられた電気部品が貫通孔にリード線を挿通して接続され、扉の開閉によりリード線の必要な長さが変化しない。
【0033】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記貫通孔に電気部品を接続するリード線を挿通し、前記ヒンジ溝に設けられた前記貫通孔は、前記扉のスライド変位の距離と前記リード線の太さとの和よりも長寸方向の寸法が大きいこと特徴としている。この構成によると、扉がスライド変位することによってリード線が貫通孔で損傷を受けるという不具合を解消できる。
【0034】
また本発明は上記構成の扉開閉機構において、前記カム機構によって、前記扉のスライド変位方向を前記開口部から離れる方向にしたことを特徴としている。この構成によると、扉の開成動作によって、扉は非枢支側から枢支側にスライド変位するとともに、開口部から離れる方向にもスライド変位する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の扉開閉機構を示す上面断面図である。冷蔵庫等の本体側には筐体1に外壁を形成された開口部1aが設けられる。開口部1aは中程を境に左側を左扉2に覆われ、右側を右扉3に覆われている。左扉2及び右扉の一端には把手4、5が設けられる。
【0036】
左扉2及び右扉3の他端は後述するようにカム機構により相対移動する回動軸1b、1cに枢支され、把手4、5を把持して両側に開くようになっている。また、左扉2と右扉3との間の隙間にはそれぞれパッキン6、7が取付けられ、該隙間を密閉するようになっている。
【0037】
カム機構は左扉2の上部、左扉2の下部、右扉3の上部、右扉3の下部の4箇所に同様の構造で設けられる。図2(a)〜(e)は、左扉2の下部に配されるスライドカム部材を示す図である。これらの図において、図2(a)は背面図、図2(b)は平面図、図2(c)は正面断面図、図2(d)はヒンジ溝9を通る右側面断面図、図2(e)はガイド溝11を通る右側面断面図である。
【0038】
スライドカム部材8は樹脂成形品から成り、上面にボス8a、8bが突設され、ネジ孔8c、8dが貫通して形成されている。ボス8a、8bを左扉2の下面に設けられたボス孔(不図示)に嵌合し、ネジ孔8c、8dにタッピングネジ(不図示)を挿通してスライドカム部材8が左扉2の下面に取付けられている。また、スライドカム部材8には、後述するロック部材16を取付けるボス孔8f及びネジ孔8eが形成されている。
【0039】
スライドカム部材8の下面の一端には、長孔状のヒンジ溝9が凹設されている。ヒンジ溝9の周囲には、後述するところの扉開成状態に対応する第2枢支位置でのヒンジピン23(図14参照)を中心とした円筒面から成る第2カム面10aを有するボス(カム部材)10が突設されている。ボス10には、扉閉成状態に対応する第1枢支位置から扉開成状態に対応する第2枢支位置までリブ19と当接(カム係合)して(図12参照)ボス10を図中、左方(扉の枢支側方向)に案内する第1カム面10bと、第1枢支位置でリブ19と当接する第3カム面10cとが形成されている。
【0040】
ヒンジ溝9よりも開口部1a(図1参照)の中央側には逆L字型に屈曲したガイド溝11(図2参照)が凹設されている。ガイド溝11は扉閉成状態に対応する第1枢支位置から扉開成状態に対応する第2枢支位置に枢支位置を変位させるべくガイドピン25(図11乃至図14参照)を相対的に案内する案内部11aと、第2枢支位置での扉開放に伴ってガイドピン25を相対的に逃がす逃げ部11bとを有している。
【0041】
図3(a)〜(d)はスライドカム部材8に取付けられるロック部材を示す図である。図3(a)は左側面図、図3(b)は平面図、図3(c)は正面図、図3(d)はネジ孔16eを通る右側面断面図である。ロック部材16は樹脂成形品から成り、上面にボス16fが突設されるとともにネジ孔16eが貫通して形成されている。ボス16fをスライドカム部材8の下面に設けられたボス孔8fに嵌合し、ネジ孔16eに挿通したタッピングネジ(不図示)をスライドカム部材8のネジ孔8eに螺合してロック部材16はスライドカム部材8に取付けられる(図2(b)、(c)に取付けられた状態を仮想線にて示す)。
【0042】
ロック部材16の一端にはアーム部16aが延設されている。アーム部16aは、延びた方向に略垂直な方向の荷重に対して弾性変形するようになっている。アーム部16aの端部には後述するロックピン24(図11参照)と係合する係合部16bが設けられている。ロック部材16の他端には後述するストッパ18e(図6(a)参照)に当接して左扉2の回動を規制する規制部16cが設けられている。
【0043】
図4は、筐体1の開口部1a(図1参照)の左下にネジ締めにて取付けられるロックカム組品を示す正面断面図である。ロックカム組品32はロックカム部材18とアングル22とがネジ31により一体化され、スライドカム部材8と係合してカム機構を構成するようになっている。ロックカム部材18は樹脂成形品から成り、アングル22は左扉2の重量を支えるため金属部材から成っている。
【0044】
図5(a)〜(c)はアングル22を示す図である。図5(a)は平面図、図5(b)は正面図、図5(c)は側面図である。アングル22の立面部22cには3箇所にネジ孔22aが形成されている。ネジ孔22aにタッピングネジ(不図示)を挿通してアングル22、即ちロックカム組品32が筐体1(図1参照)に取付けられる。
【0045】
アングル22の平面部22dにはボス孔22bが形成されている。また、例えばステンレス鋼等の金属から成るヒンジピン23、ロックピン24及びガイドピン25がそれぞれかしめられてアングル22に一体化されている。
【0046】
図6(a)〜(e)はロックカム部材18を示す図である。図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は正面断面図、図6(d)は側面図、図6(e)は貫通孔18aを通る側面断面図である。ロックカム部材18には、ヒンジピン23、ロックピン24、ガイドピン25(何れも図5参照)がそれぞれ挿通される貫通孔18a、18b、18cが形成されている。
【0047】
またロックカム部材18の下面にはネジ孔を有するボス18dが突設されている。ヒンジピン23、ロックピン24、ガイドピン25が貫通孔18a、18b、18cに挿通され、ボス18dがアングル22のボス孔22b(図5(a)参照)に嵌合して前述の図4に示すようにロックカム組品32が組み立てられている。
【0048】
ヒンジピン23が挿通される貫通孔18aの周囲には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19aを有するリブ19が突設されている。貫通孔18aの上面側には、スライドカム部材8のボス10(図2(b)参照)の端面との摺動摩擦を回避する逃げ部18fが凹設されている。また、ロックカム部材18の端部には、前述のロック部材16の規制部16c(図3(b)参照)が当接するストッパ18eが形成されている。
【0049】
図7(a)〜(e)は、左扉2の上部に配されるスライドカム部材を示す図である。図7(a)は背面図、図7(b)は平面図、図7(c)は正面断面図、図7(d)はヒンジ溝13を通る側面断面図、図7(e)はガイド溝15を通る側面断面図である。
【0050】
スライドカム部材12は樹脂成形品から成り、前述の図2(a)〜(e)に示すスライドカム部材8と同様の構造になっている。スライドカム部材12の下面にはボス12a、12bが突設されてネジ孔12c、12dが貫通して形成されている。ボス12a、12bを左扉2の上面に設けられたボス孔(不図示)に嵌合し、ネジ孔12c、12dにタッピングネジ(不図示)を挿通してスライドカム部材12が左扉2の上面に取付けられている。また、スライドカム部材12には、後述するロック部材17を取付けるボス孔12f及びネジ孔12eが形成されている。
【0051】
スライドカム部材12の上面の一端には、長孔状のヒンジ溝13が凹設されている。ヒンジ溝13は左扉2の下部のスライドカム部材8のヒンジ溝9(図2(b)参照)よりも幅が広くなっており、底部には貫通孔13aが形成されている。
【0052】
また、ヒンジ溝13の周囲には、前述したところの扉開成状態に対応する第2枢支位置でのヒンジピン28(図9(b)参照)を中心とした円筒面からなる第2カム面14aを有するボス14が突設されている。ボス14には、扉閉成状態に対応する第1枢支位置から扉開成状態に対応する第2枢支位置までリブ21と当接(カム係合)してボス14を図中、左方(扉の枢支側方向)に案内する第1カム面14bと、第1枢支位置でリブ21と当接する第3カム面14cとが形成されている。
【0053】
後述するように、ヒンジ溝13に係合するヒンジピン28(図9(b)参照)は、ヒンジ溝9に係合するヒンジピン23よりも太くなっており、ヒンジピン28内及び長孔状の貫通孔13aをリード線(不図示)が挿通されるようになっている。リード線は左扉2に配された電気部品に接続される。
【0054】
そして、ヒンジ溝13がヒンジピン28を相対的に案内する長孔状の貫通孔13aの幅(長寸)が、後述する第1、第2枢支位置間の距離と、リード線の太さとの和よりも大きくなっている。これにより、左扉2がスライド移動する際にリード線が貫通孔13aとヒンジピン28の貫通孔28aとの壁面で挟まれて剪断力が加わるおそれがなく、また、貫通孔13aの壁面で押圧される可能性も低減し、リード線の破損を防止することができる。
【0055】
ヒンジ溝13よりも開口部1a(図1参照)の中央側には逆L字型に屈曲したガイド溝15が凹設されている。ガイド溝15は扉閉成状態に対応する第1枢支位置から扉開成状態に対応する第2枢支位置に枢支位置を変位させるべくガイドピン30(図9(b)参照)を相対的に案内する案内部15aと、第2枢支位置での扉開放に伴ってガイドピン30を相対的に逃がす逃げ部15bとを有している。
【0056】
図8(a)〜(d)はスライドカム部材12に取付けられるロック部材を示す図である。図8(a)は側面図、図8(b)は平面図、図8(c)はネジ孔17eを通る側面断面図、図8(d)は正面図である。ロック部材17は樹脂成形品から成り、下面にボス17fが突設されるとともにネジ孔17eが貫通して形成されている。
【0057】
ボス17fをスライドカム部材12の上面に設けられたボス孔12fに嵌合し、ネジ孔17eに挿通したタッピングネジ(不図示)をスライドカム部材12のネジ孔12eに螺合してロック部材17がスライドカム部材12に取付けられる(図7(b)に、取付けられた状態を仮想線にて示す)。
【0058】
ロック部材17の一端にはアーム部17aが延設されている。アーム部17aは、延びた方向に略垂直な方向の荷重に対して弾性変形するようになっている。アーム部17aの端部には後述するロックピン29(図9(b)参照)と係合する係合部17bが設けられている。
【0059】
図9(a)〜(c)は、筐体1の開口部1a(図1参照)の左上に取付けられるロックカム組品のアングルを示す図である。図9(a)は平面図、図9(b)は正面図、図9(c)は側面図である。アングル27は金属部材から成り、取付部27cには3箇所にネジ孔27aが形成されている。ネジ孔27aにタッピングネジを挿通してアングル27、即ちロックカム組品33(図10(c)参照)が筐体1に取付けられている。
【0060】
アングル27の平面部27dにはボス孔27bが形成されている。また、例えばステンレス鋼等の金属から成るヒンジピン28、ロックピン29及びガイドピン30がそれぞれかしめられて一体化されている。ヒンジピン28には貫通孔28aが設けられ、リード線(不図示)が挿通されるようになっている。
【0061】
図10(a)〜(e)はアングル27と一体化されるロックカム部材20を示す図である。図10(a)は平面図、図10(b)は正面図、図10(c)は正面断面図、図10(d)は側面図、図10(e)は貫通孔20aを通る側面断面図である。ロックカム部材20は樹脂成形品から成り、ヒンジピン28、ロックピン29、ガイドピン30がそれぞれ挿通される貫通孔20a、20b、20cが形成されている。
【0062】
またロックカム部材20の上面にはネジ孔を有するボス20dが突設されている。ヒンジピン28、ロックピン29、ガイドピン30が貫通孔20a、20b、20cに挿通され、ボス20dをボス孔27b(図9(a)参照)に嵌合してネジ止めすることにより、図10(c)に示すようにロックカム組品33が組み立てられている。ロックカム組品33はスライドカム部材12(図7(a)〜(e)参照)と係合してカム機構を構成するようになっている。尚、ロックカム組品32、33は扉が軽量のふた等の場合は樹脂成形にて一体に形成してもよい。
【0063】
ヒンジピン28が挿通される貫通孔20aの周囲には、ヒンジピン28と同心の円筒状の凹面21aを有するリブ21が突設されている。貫通孔20aの下面側には、スライドカム部材12のボス14(図7(b)参照)との摺動摩擦を回避する逃げ部20fが凹設されている。
【0064】
スライドカム部材12及びロックカム組品33から成る上部のカム機構はスライドカム部材8及びロックカム組品32から成る下部のカム機構と同じ動作をする。また、右扉3の上下部には、左扉2に設けられるカム機構と左右対称の構造を有するカム機構が設けられる。
【0065】
次に、カム機構の動作について、図11〜図14を参照して説明する。これらの図は左扉2の下部に設けられるカム機構を示しており、他の箇所に設けられるカム機構も同様の動作をする。尚、これらの図においてカム機構の各部位は本来破線で表すべきであるが、便宜上実線で示している。また、斜線部分は筐体1側に配される部材の一部を示している。
【0066】
図11は、左扉2が閉じた状態を示している。左扉2の閉成状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピン23が係止され、カム機構は第1枢支位置をとる。第1枢支位置におけるガイドピン25はガイド溝11の案内部11aの端部に配置されている。
【0067】
ロックピン24はロック部材16の係合部16bと係合し、アーム部16aの弾性力により左扉2が右扉3(図1参照)の方向(図中、右方向)に付勢されている。これにより、左扉2と右扉3との隙間を所定寸法に保持するとともに、ヒンジピン10とヒンジ溝9との隙間による左扉2の遊動(図中、左方向の動き)を防止する。従って、カム機構が第1枢支位置の状態を保持するとともに左扉2の閉止密閉状態をより確実にしている。また、同時に、ボス10の第3カム面10cがリブ19に当接して第1枢支位置にカム機構が位置決めされている。このため、第1枢支位置においてヒンジピン23とヒンジ溝9の一端との間に隙間を設けてもよい。
【0068】
尚、前述の図1に示すように、左扉2と右扉3との間の隙間にそれぞれパッキン6、7が取付けられ、パッキン6、7の弾性変形により隙間を密閉する場合には、ロック部材16の付勢力と左扉2の背面や側面に設けられるパッキンの弾性力とがつり合って枢支位置が決められる。このため、ヒンジ溝9の一端とヒンジピン23とが係止して枢支位置が規制されることがないよう、扉の閉成状態でヒンジ溝9の一端とヒンジピン23との間に隙間を有するようにヒンジ溝9を形成すると良い。
【0069】
また、破線11cに示すように、ガイドピン25との間にも隙間を有するように案内部11aの端部を形成すると良い。即ち、隙間を設けると、カム機構は第1枢支位置に到達前にガイドピン25とガイド溝11とが当接して規制されることがなくなる。
【0070】
把手4(図1参照)を把持して左扉2を開き始めると、図12に示すように、ロック部材16のアーム部16aが弾性変形して、ロックピン24と係合部16bとの係合解除が開始される。この状態で把手4を離すと、アーム部16aの弾性力により左扉2は図11の状態に戻る。従って、ロック部材16とロックピン24により自閉機能を有し、左扉2を確実に閉じることができるようになっている。
【0071】
左扉2は開成に伴い回動するが、ボス10の第1カム面10bがリブ19と係合し、ガイド溝11の案内部11aがガイドピン25と係合するため、第1枢支位置のままではヒンジピン23を軸として回動することができない。このため、ヒンジピン23が相対的にヒンジ溝9に案内されるとともにリブ19及びガイドピン25がそれぞれ相対的に第1カム面10b及び案内部11aに案内されて、左扉2は回動しながら図中、左下方向へスライド移動する。尚、ガイド溝11の案内部11aによるガイドピン25の案内と、第1カム面10bによるリブの案内とのいずれか一方の案内のみを有したカム機構であっても同様に左扉2をスライド移動させることができる。
【0072】
更に左扉2を開くと、図13に示すようにヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2枢支位置をとる。この時、ボス10の第2カム面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始する。これにより、カム機構は第2枢支位置の状態を保持し、左扉2が第2枢支位置のヒンジピン23を軸に回動するようになっている。
【0073】
また、ガイド溝11の逃げ部11bは第2枢支位置でのヒンジピン23を中心とする円弧状に形成され、ガイドピン25を相対的に逃がすとともに左扉2の回動を案内し、第2枢支位置を確実に保持するようになっている。
【0074】
更に左扉2を開くと、図14に示すように、ボス10の第2カム面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を継続し、ロックピン24とロック部材16との係合が解除されてガイドピン23がガイド溝11から離れる。これにより左扉2がさらに開放される。尚、リブ19の凹面19aはボス10を案内できればよいので、リブ19に替えて例えばヒンジピン23と同心の円弧上に配列された複数のピン等によって形成してもよい。
【0075】
そして、更に左扉2が開放されるとロック部材16の規制部16cがロックカム部材18(図6参照)のストッパー18eと当接し、左扉2の開成の範囲が規制される。また、以上に説明した図11〜図14に示す動作と逆の動作により左扉2を閉じることができる。尚、閉成間際における左扉2の右扉3側への移動はパッキン6、7に内蔵されたマグネットの吸着力によっても行われる。
【0076】
本実施形態によると、左扉2を開き始めた際にカム機構が第1枢支位置から第2枢支位置に移動して左扉2が回動しながらスライド移動するため、左扉2は右扉3から離れ、パッキン6、7(図1参照)の摺動を回避することができる。従って、パッキン6、7の摺動摩擦が発生しないため左扉2の開閉に大きな力を必要とせず、操作性を向上することができる。パッキン6、7を設けない場合に左扉2と右扉3との隙間を狭くしても、回動に伴う左扉2の端部2a(図12参照)と右扉3との干渉を防止することができる。
【0077】
また、カム機構によりヒンジピン23がヒンジ溝9を案内して左扉2をスライド移動させるため、従来例のように扉の枢支位置をスライド移動させるためのスライド部材やスライド移動を元に戻すバネを必要とせず部品点数を削減することができる。更に、左扉2の重量は筐体1側のヒンジピン23に加わるため接触面積が狭く摺動摩擦が小さくなるとともに従来例のような弾性力の強いバネを必要としないため、扉開閉に要する操作力を小さくすることができ操作性を更に向上することができる。
【0078】
また、ヒンジ溝9を図中、左右方向に対して傾斜して形成しているため、第1枢支位置から第2枢支位置への移動に伴って左扉2は筐体1から離れる方向にスライド移動する。これにより、左扉2と筐体1との間に密閉用のパッキンを設けた場合に、パッキンを圧縮して破損することを防止することができるとともに、左扉2の軸側の端部と筐体1の開口部1aの端部との衝突を回避することができる。
【0079】
また、カム機構が第1枢支位置から第2枢支位置に移動する際に、ガイドピン25は案内部11aに案内されて左扉2に対して相対的に左右方向の移動と前後方向の移動とを伴う。そして、第2枢支位置では逃げ部11bに案内されて左扉2に対して相対的に回動軌跡方向に移動する。
【0080】
このため、案内部11aと逃げ部11bとの交差位置で案内部11aの壁面の接線と逃げ部11bの壁面の接線との交差角度θ(図13参照)が大きいと、左扉2の開閉の操作力に対して案内部11aの案内方向(ヒンジピン23の相対的移動方向、即ち略左右方向)の分力が大きくなるとともに、ガイドピン25と案内溝11aの壁面との摺動摩擦が小さくなる。
【0081】
従って、交差角度θを120゜〜170゜にすると、左扉2の開閉をスムーズに行うことができる。交差角度θは、ヒンジ溝9の傾斜や、ヒンジピン23とガイドピン25との距離により、好適に設定すると良い。
【0082】
また、ヒンジピン23とガイドピン25との距離を大きくすると、ヒンジピン23とヒンジ溝9との隙間及びガイドピン25とガイド溝11との隙間による遊動が小さくなる。このため、安定して左扉2を開閉することができる。また、ヒンジピン23とガイドピン25との間のスペースにロックピン24を配置することによりスペースの有効利用を図ることができる。
【0083】
また、ガイドピン25はヒンジピン23よりも前面側に設けてられいる。これにより、ガイド溝11の逃げ部11bの距離を長くとることができるので、左扉2の開閉時に逃げ部11bとガイドピン25の係合関係を長く維持でき、扉が確実に第2枢支位置で保持され、より安定して左扉2を開閉することができる。
【0084】
次に、図15〜図18は、第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図である。説明の便宜上、前述の図11〜図14に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態は、第1実施形態に対してガイドピン25及びガイド溝11を省いている。その他の点は第1実施形態と同様である。また、図11〜図14と同様に、左扉2の下部に設けられるカム機構について示しており、左扉2の上部及び右扉3(図1参照)の上下部にも同様のカム機構が設けられている。尚、斜線部は筐体1側に配される部材を示している。
【0085】
図15は、左扉2が閉じた状態を示している。左扉2の閉成状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピン23が係止され、カム機構は第1枢支位置をとる。ロックピン24はロック部材16の係合部16bと係合し、アーム部16aの弾性力により左扉2が右扉3(図1参照)の方向に付勢されている。これにより、左扉2と右扉3との隙間を所定寸法に保持するとともに、ヒンジピン10とヒンジ溝9との隙間による左扉2の遊動を防止する。従って、カム機構が第1枢支位置の状態を保持するとともに左扉2の閉止密閉状態をより確実にしている。
【0086】
把手4(図1参照)を把持して左扉2を開き始めると、図16に示すように、ロック部材16のアーム部16aが弾性変形して、ロックピン24と係合部16bとの係合解除が開始される。
【0087】
係合部16b付近でロックピン24に接する部分が、ヒンジピン23とロックピン24の軸心を通る直線よりも開口部1a側にある状態(本図より少し前の段階)で把手4を離すと、アーム部16aの弾性力により左扉2は図15の状態に戻る。従って、ロック部材16とロックピン24により自閉機能を有し、左扉2を確実に閉じることができるようになっている。
【0088】
また、第1実施形態と同様に、スライドカム部材8の下面の一端に凹設された長孔状のヒンジ溝9の周囲には、第2枢支位置の時のヒンジピン23を中心とした円筒面から成る第2カム面10aを有するボス10が突設されている。そして、ロックカム組品(不図示)には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19aを有するリブ19がロックカム部材(不図示)に突設されている。
【0089】
ボス10には、開口部1aの中央側に行くほど開口部1a側に傾斜する第1カム面10bが設けられ、リブ19の一端に形成された傾斜面から成るガイド面19bに接している。このため、左扉2の開成に伴い、第1カム面10bはガイド面19bと摺接する。これにより、ヒンジピン23に沿ってヒンジ溝9は左側前方に移動する。即ち、ヒンジピン23が相対的にヒンジ溝9に案内される。その結果、左扉2は回動しながら図中、左下方向へスライド移動する。尚、このとき、アーム部16aの弾性力は左扉2の移動に逆らうように働いている。
【0090】
更に左扉2を開くと、図17に示すようにヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2枢支位置をとる。この時、ボス10の第2カム面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始する。これにより、カム機構は第2枢支位置の状態を保持し、左扉2がヒンジピン23を軸に回動するようになっている。
【0091】
また、第1カム面10bは第2カム面10aに連続して形成されているため、左扉2の回動を案内するとともに、カム機構が第2枢支位置に確実に変位するようになっている。更に左扉2を開くと、図18に示すように、ボス10の第2カム面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を継続し、左扉2がさらに開放される。
【0092】
尚、左扉2の閉成間際には、図18に示すように、ロックピン24にロック部材16の当り面16dが当接する。更に左扉2を閉じると、左扉2を図中、右方向に移動させる方向に、アーム部16aの弾性力が加わる。当たり面16dは第1実施形態のロック部材16(図14参照)の係合部16bを延長して形成されており、ボス10の第1カム面10bとリブ19との摺接前からロックピン24を付勢している。これにより、左扉2のスライド移動を確実に行っている。
【0093】
その後、図16に示すように、ボス10の第1カム面10bがリブ19のガイド面19bに沿って右方向に移動し、左扉2は回動しながら右方向に移動して、図15に示す閉成状態になる。
【0094】
次に、図19、図20は第3実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図である。説明の便宜上、前述の図11〜図14に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。図11〜図14と同様に、左扉2の下部に設けられるカム機構について示しており、左扉2の上部及び右扉3(図1参照)の上下部にも同様のカム機構が設けられている。
【0095】
本実施形態は、ヒンジピン23、ガイドピン25及びリブ19が左扉2と一体的に設けられ、ヒンジ溝9、ガイド溝11及びボス10が筐体1と一体的に形成されるロックカム部材40に設けられている。尚、斜線部は左扉2側に配される部材を示している。
【0096】
図19は、左扉2が閉じた状態を示している。左扉2の閉止状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピン23が係止され、カム機構は第1枢支位置をとる。左扉2は背面に設けられたマグネット等の保持手段(不図示)により筐体1に固定され、カム機構が第1枢支位置を保持できるようになっている。
【0097】
長孔状のヒンジ溝9の周囲には、第2枢支位置の時のヒンジピン23を中心とした円筒面から成る第2カム面10aを有し、第1実施形態と略左右対称な形状のボス10が設けられている。スライドカム部材(不図示)には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19aを有するリブ19が突設されている。ボス10には、開口部1aの中央側に行くほど開口部1a側に傾斜する第1カム面10bが設けられ、リブ19に接している。
【0098】
また、ヒンジピン23よりも開口部1aの中央側にはガイドピン25が設けられている。ロックカム部材40には、ガイドピン25を案内するガイド溝11が形成されている。ガイド溝11は、第1実施形態と同様に傾斜した案内部11aと、開口部1aから離れる方向に開放された逃げ部11bとから成っている。
【0099】
左扉2は開成に伴い回動するが、ボス10の第1カム面10bがリブ19と係合し、ガイド溝11の案内部11aがガイドピン25と係合するため、第1枢支位置のままではヒンジピン23を軸として回動することができない。このため、ヒンジピン23がヒンジ溝9に案内されるとともにリブ19及びガイドピン25がそれぞれ第1カム面10b及び案内部11aに案内されて、左扉2は回動しながら図中、左下方向へスライド移動する。
【0100】
更に左扉2を開くと、図20に示すようにヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2枢支位置をとる。この時、リブ19の凹面19aがボス10の第2カム面10aと摺動を開始する。これにより、カム機構は第2枢支位置の状態を保持し、左扉2がヒンジピン23を軸に回動するようになっている。
【0101】
また、以上に説明した動作と逆の動作により左扉2を閉じることができる。尚、第1実施形態と同様のロックピン及びロックカムから成るロック機構を設けてもよい。
【0102】
第1〜第3実施形態において、右扉3についても左扉2と同様のカム機構を有しているので上記と同様の効果を得ることができる。また、更に他の実施形態として、前述の図11〜図14に示す第1実施形態のヒンジピン23とボス10とを第2カム面の中心を軸心として一体化し、ヒンジ溝9とリブ19とを一体化して、夫々を筐体側と扉側あるいは逆に設けても同様の動作をさせることができ、ヒンジピン23とヒンジ溝9、ガイドピン25とガイド溝11、リブ19とボス10、ロックピン24とロック部材16の組み合わせの一方と他方を、筐体側と扉側の一方と他方に設ければよく、組み合わせによる種々の実施形態が考えられる。
【0103】
また、第1〜第3実施形態は中央部から開閉される扉について説明しているが、開口部の前面に配される1枚の扉により開口部を開閉する扉開閉機構であってもよい。即ち、扉の開く側に壁面や床面等がある場合に、扉の開成動作に伴って扉がスライド移動して壁面等から離れることにより扉の端部と壁面等との干渉を防止することができる。これにより、扉の開閉が容易となる。
【0104】
更に、扉の開閉方向が左右方向だけでなく、垂直方向に開閉する扉や水平方向に開閉する扉の場合でも同様の効果が得られ、車のダッシュボードのように軽量なふたの場合にも適用することができる。下方に開く扉の場合には、ロックピン及びロックカムから成るロック機構等の付勢手段に替えて扉の重量によって扉を枢支側に付勢することもできる。
【0105】
【発明の効果】
本発明のカム機構によると、リブと第1カム面との摺接によって回動体の枢支位置がスライド変位するとともに、リブと第2カム面との摺接によって回動体の枢支位置を規制するので、簡単な構成で回動体を規制された枢支位置と必ずしも規制されていない枢支位置とに変位させることができる。
【0106】
また本発明によると、回動体の枢支位置がスライド変位する方向に対して逆方向に回動体を付勢するので、スライド変位させる前の回動体を容易に位置規制することができる。
【0107】
また本発明の扉開閉機構によると、扉の開成始動時に枢支位置がスライド移動するので、開く側に壁面や床面等があっても扉は壁面等から離れ、扉の開放側端部と壁面等との干渉を防止することができる。更に扉の重量が枢支軸に加わるため接触面積が狭く摺動摩擦が小さくなるので扉開閉に要する操作力を小さくすることができる。
【0108】
また本発明によると、観音開き式扉に適用した場合、扉の開成始動時に一方の扉の開放側端部が他方の扉から離れる方向にスライド変位する。従って、扉の開放端側が擦れ合って開閉される不具合が軽減され、操作性が改善される。また、従来例のように扉の枢支位置をスライド移動させるためのスライド部材やスライド移動を元に戻すバネを必要とせず部品点数を削減することができる。
【0109】
また本発明によると、リブと第2カム面の摺接によってヒンジピンがヒンジ溝の所定位置に規制されて扉を枢支するので、簡単でコンパクトなカム機構を用いた枢支位置変位型のヒンジ機構を安価に提供できる。
【0110】
また本発明によると、扉の開成始動に伴って、ガイド機構によっても扉が案内されるので変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0111】
また本発明によると、ヒンジ機構とガイド機構が一体的に形成されるので寸法精度が良く変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。また、ガイド機構がピンと溝とで構成されるので、溝の両面を使った2方向への扉案内が円滑に行なわれる。従って、扉閉成状態での枢支位置を規制するための付勢手段を必ずしも設けなくてよい。
【0112】
また本発明によると、扉の回動に伴うガイドピンの移動距離に対するヒンジピンの変位距離が小さいので変位動作が円滑に行なわれるカム機構となる。
【0113】
また本発明によると、扉閉成状態での所定の枢支位置や所望の位置(例えば観音開き式扉の場合には開放端が他方の扉の開放端にパッキンを介して密接する位置)が寸法バラツキ等で定まらない場合に、これらの位置に扉が到達する前にガイドピンとガイド溝の端とが当接して扉が位置規制されるということがなくなる。
【0114】
また本発明によると、案内部と逃げ部との交差角度を120゜〜170゜にしているので、扉の開閉の操作力に対して案内部の案内方向の分力が大きくなるとともに、ガイドピンとガイド溝の壁面との摺動摩擦が小さくなり、扉の開閉をスムーズに行うことができる。
【0115】
また本発明によると、ガイドピンをヒンジピンよりも開口部から離れる側に配置しているので、ガイド溝の長さを長くとることができ、より安定して扉を開閉することができる。
【0116】
また本発明によると、扉を閉じている際にロック部材はロックピンと係合してロックピンを枢支側に付勢することにより反作用でロック部材が非枢支側に付勢され、扉を非枢支側に付勢して位置規制する。扉を開くと、ロック部材が弾性変形してロックピンとの係合が解除され、扉がスライド変位するので、扉は位置規制された枢支位置間を変位することになる。
【0117】
また本発明によると、ヒンジピンとガイドピンとは変位動作が円滑に行なわれるために距離を離して配置されるのが好ましく、ヒンジピンとガイドピンとの間にロックピンを配置するのがスペースを有効に利用できロック機構のコンパクト化が図られる。
【0118】
また本発明によると、ロック部材にて扉を非枢支側に付勢する付勢手段と扉を閉成方向に付勢する付勢手段とが兼用されるので、部品点数低減によるコストダウンが図られる。
【0119】
また本発明によると、扉側に設けられた電気部品が貫通孔にリード線を挿通して接続され、扉の開閉によりリード線の必要な長さが変化しないのでリード線の弛みや引張りを防止することができる。
【0120】
また本発明によると、扉がスライド変位することによってリード線が貫通孔で損傷を受けるという不具合を解消できる。
【0121】
また本発明によると、扉の開成動作によって扉は非枢支側から枢支側にスライド変位すると共に、開口部から離れる方向(手前側にもスライド変位するので、扉と開口部との間に密閉用のパッキン等を設けた場合に、圧縮の繰り返しによるパッキンの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による扉開閉機構を示す上面断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のスライドカム部材を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のロック部材を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のロックカム組品を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のロックカム部材を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のアングルを示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のスライドカム部材を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のロック部材を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のロックカム部材を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の左下側のアングルを示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の扉閉止状態を示す平面図である。
【図12】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【図13】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【図14】本発明の第1実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【図15】本発明の第2実施形態による扉開閉機構の扉閉止状態を示す平面図である。
【図16】本発明の第2実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【図17】本発明の第2実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【図18】本発明の第2実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【図19】本発明の第3実施形態による扉開閉機構の扉閉止状態を示す平面図である。
【図20】本発明の第3実施形態による扉開閉機構の扉開成の動作を説明する平面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 左扉
3 右扉
4、5 把手
6、7 パッキン
8、12 スライドカム部材
9、13 ヒンジ溝(軸受け、ヒンジピン受け部材)
10、14 ボス(カム部材)
10a 第1カム面
10b 第2カム面
10c 第3カム面
11、15 ガイド溝
11a 案内部
11b 逃げ部
16、17 ロック部材
16a アーム部(付勢手段)
16b 係合部
18、20、40 ロックカム部材
19、21 リブ
22、27 アングル
23、28 ヒンジピン(枢支軸)
24、29 ロックピン
25、30 ガイドピン
32、33 ロックカム組品

Claims (17)

  1. 機器本体と前記機器本体の開口部を覆う扉とに設けられて前記扉をスライド案内するとともに回動可能に支持するカム機構を備えた扉開閉機構において、前記カム機構は、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、前記ヒンジピンを相対的にスライド案内する長孔と、円弧上に沿って配されたリブと、前記リブに摺接する摺接面を有するカム部材とを有し、
    前記扉を閉じている際に前記カム機構は、前記ヒンジピンが前記長孔の第1の停止位置に配置されるとともに前記摺接面と前記リブとが互いに摺動しない位置に配置される第1枢支位置をとり、
    前記扉を開く際に前記ヒンジピンが前記長孔により相対的に案内されて前記扉がスライド移動し、
    前記扉のスライド移動により前記カム機構は、前記ヒンジピンが前記長孔の第2の停止位置に配置され、前記摺接面と前記リブが摺動するとともに前記ヒンジピンと前記長孔との係合により前記扉をスライド規制して回動可能に支持し、前記扉が回動する範囲で前記リブの一法線が前記長孔の案内方向に略一致した第2枢支位置に保持されることを特徴とする扉開閉機構。
  2. 前記カム機構は第1枢支位置で前記摺接面の内周側に前記リブが配置されることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
  3. 前記カム部材は前記カム機構が第1枢支位置に配される際に前記摺接面から内側へ前記長孔の略案内方向に延びるカム面を有し、前記長孔が前記ヒンジピンを相対的に案内する際に前記リブの端部が相対的に前記カム面に摺動案内されて前記扉がスライド移動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  4. 前記扉を開く際に前記扉は開く側から前記ヒンジピンが配される側にスライド移動することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の扉開閉機構。
  5. 前記機器本体の開口部の中間を境に相反する方向に開閉する複数の前記扉を設け、前記扉を開く際に一方の前記扉が他方の前記扉から離れる方向にスライド移動することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の扉開閉機構。
  6. 前記扉を開く際に前記扉が前記開口部から離れる方向にスライド移動することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の扉開閉機構。
  7. 前記カム機構は、ガイドピンと、前記ガイドピンを相対的に案内するガイド溝とを有し、前記長孔が前記ヒンジピンを相対的に案内する際に前記ガイドピンが相対的に前記ガイド溝に摺動案内されて前記扉がスライド移動することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の扉開閉機構。
  8. 前記ガイドピンは、前記ヒンジピンよりも前記扉の中央側に配されることを特徴とする請求項に記載の扉開閉機構。
  9. 前記扉を閉じた状態で、前記ガイドピンと前記ガイド溝の端との間に隙間を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の扉開閉機構。
  10. 前記ガイド溝は、前記扉がスライド移動する際に前記ガイドピンを案内する案内部と、第2枢支位置で前記扉の回動に伴って前記ガイドピンを逃がすように案内する逃げ部とを有し、前記案内部と前記逃げ部との交差角度を120゜〜170゜にしたこと特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の扉開閉機構。
  11. 前記ガイドピンを前記ヒンジピンよりも前記開口部から離れる側に配置したこと特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の扉開閉機構。
  12. 機器本体または前記扉の何れか一方に設けられるロックピンと、前記ロックピンとの係合により前記扉を前記ヒンジピンが配される側から開く側に付勢して閉成状態に位置規制するとともに、前記扉を開く際に弾性変形して前記ロックピンとの係合が解除されるロック部材とを設け、前記ロックピンを前記ヒンジピンと前記ガイドピンとの間に配置したことを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれかに記載の扉開閉機構。
  13. 機器本体または前記扉の何れか一方に設けられるロックピンと、前記ロックピンとの係合により前記扉を前記ヒンジピンが配される側から開く側に付勢して閉成状態に位置規制するとともに、前記扉を開く際に弾性変形して前記ロックピンとの係合が解除されるロック部材とを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の扉開閉機構。
  14. 前記扉を閉じる方向に前記ロック部材を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の扉開閉機構。
  15. 基体と前記基体に対して回動する回動体とに設けられるカム機構において、前記回動体の枢支軸となるヒンジピンと、前記ヒンジピンを相対的にスライド案内する長孔と、円弧上に沿って配されたリブと、前記リブに摺接する摺接面を有するカム部材とを有し、
    前記ヒンジピンが前記長孔の第1の停止位置に配置される際に前記摺接面と前記リブとが互いに摺動しない位置に配置される第1枢支位置をとり、
    前記回動体が回動開始する際に前記ヒンジピンが前記長孔により相対的に案内されて前記回動体がスライド移動し、
    前記回動体のスライド移動によって前記ヒンジピンが前記長孔の第2の停止位置に配置され、前記摺接面と前記リブが摺動するとともに前記ヒンジピンと前記長孔との係合により前記回動体をスライド規制して回動可能に支持し、前記回動体が回動する範囲で前記リブの一法線が前記長孔の案内方向に略一致する第2枢支位置に保持されることを特徴とするカム機構。
  16. 第1枢支位置で前記摺接面の内周側に前記リブが配置されることを特徴とする請求項15に記載のカム機構。
  17. 前記カム部材は第1枢支位置の時に前記摺接面から内側へ前記長孔の略案内方向に延びるカム面を有し、前記長孔が前記ヒンジピンを相対的に案内する際に前記リブの端部が相対的に前記カム面に摺動案内されて前記回動体がスライド移動することを特徴とする請求項15または請求項16に記載のカム機構。
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