JP3647385B2 - 扉開閉機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫の貯蔵室等の開口部を回動により開閉する扉開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫の貯蔵室等の開口部を該開口部の両端で枢支された二つの扉により開閉する従来の扉開閉機構は、開口部の中央に仕切板が設けられ、左右の扉が前記仕切板に当接して開口部が閉じられるようになっている。この仕切板は開口部を通して作業する際に邪魔になるため取り外すと、左右の扉間に隙間が生じる。冷蔵庫等は密閉性を必要とするため両扉間の隙間はパッキン等により塞がれるようになっている。
【0003】
ところが、パッキン等を設けると、一方の扉を開く際に該扉に取付けられたパッキンが他方の扉に取付けられたパッキンに摺動する。このため、摺動による摩擦力によって扉の開閉時に大きな操作力を必要とする問題や、パッキンの破損が発生する問題があった。また、両扉間にパッキン等を設けない場合であっても、塵埃の侵入防止のために両扉間の隙間を狭くすると一方の扉の端面が回動する際に他方の扉と干渉するため隙間を狭くできない問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、特公昭60−24390号公報には一方の扉が回動する前に他方の扉から離れる方向に略直線状にスライドする扉開閉機構が開示されている。この扉開閉機構は、開口部の外壁を形成する筐体から手前に突設された受け部に第1回動軸が設けられる。
【0005】
受け部上にはレバー部材が載置され、第1回動軸にはレバー部材の一端に形成された孔部が嵌合される。レバー部材の他端には第2回動軸が一体に形成され、扉が第2回動軸に枢支されている。また、扉を開くと第1回動軸を中心にレバー部材が回動するように案内部材が設けられ、レバー部材を戻す方向に付勢するバネが設けられている。
【0006】
一方の扉を開くと、案内部材に案内されてレバー部材が回動し、扉がレバー部材の回動に伴って所定量だけ略直線状にスライドする。これにより扉は他方の扉から離れる。その後、扉が開口部から離れ、案内部材の係合が解除されるとレバー部材はバネの付勢力により元の状態に戻る。そして、第2回動軸を中心に扉が回動して開口部か開放される。
【0007】
扉を閉じる際には、扉は第2回動軸を中心に筐体の近傍まで回動する。その後バネの付勢力に抗して案内部材が係合を開始し、レバー部材が第1回動軸を中心に回動して扉が他方の扉から離れる方向にスライドする。そして、案内部材に案内されて扉が閉じられるのに応じてレバー部材がバネの付勢力により元の位置に戻り、扉が閉じられる。また、扉と筐体との間には密閉性を確保するためにパッキンが設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特公昭60−24390号公報に開示された扉開閉機構によると、レバー部材は受け部と摺動するため扉の重さに応じた摩擦力が加わる。このため、バネの付勢力を該摩擦力よりも大きくしておく必要がある。更に、両扉間に配されるパッキン及び扉と筐体との間に配されるパッキンの弾性力により閉止状態の扉が開くことを防止するために、該弾性力に抗してバネにより付勢する必要がある。
【0009】
その結果、扉を開く際にはレバー部材の摩擦力とバネの付勢力とに抗した大きな操作力が必要となり、使用勝手が悪い問題があった。また、レバー部材やバネを必要とするため部品点数が多く組立工数も増加するため、扉開閉機構のコストがかかるとともに、扉開閉機構の信頼性が低下する問題もあった。また、扉開閉機構の信頼性を維持するために量産性が低下する問題もあった。
【0010】
本発明は、使用勝手を向上することができるとともに、コスト削減、信頼性の向上及び量産性の向上を図ることのできる扉開閉機構を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、機器本体の開口部を覆う扉を回動により開閉するように案内し、前記扉側及び前記機器本体側に配されるカム機構を備え、前記カム機構は、前記扉の閉止時に第1係止位置をとり、前記扉の開成時に前記扉が前記扉の回動軸の軸方向の移動及び該回動軸に垂直な方向のスライド移動を伴って第2係止位置をとり、第2係止位置で前記扉を枢支して前記扉を開くことを特徴としている。
【0012】
この構成によると、扉を閉じる際に例えば扉が自重により降下してカム機構は第1係止位置をとる。扉を開くと扉が上昇しながらカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移動し、それに伴って扉がカム機構により案内されて回転移動とスライド移動とを行う。カム機構が第2係止位置に到達すると扉の回動軸が固定され、扉が回動軸を中心に回動して開口部が開放される。
【0013】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記扉は前記機器本体の開口部の中程を境に両側にそれぞれ設けられ、前記カム機構が第1係止位置から第2係止位置に移動する際に前記扉が他方の扉から離れる方向にスライド移動することを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、
前記カム機構は、
前記扉の開成時に前記扉の回動軸となるヒンジピンと、
前記ヒンジピンよりも前記開口部の中央側に配されるガイドピンと、
前記ヒンジピンに沿ってスライドしてスライド方向の両側で係止することにより前記カム機構が第1、第2係止位置をとるヒンジ溝と、
第1係止位置から第2係止位置に前記ガイドピンに沿って移動するガイド溝と、
前記ヒンジピンと同軸の円弧上に沿って配されるリブと、
第2係止位置で前記リブと摺接する円筒面を有したボスと、
を備えたことを特徴としている。
【0015】
この構成によると、例えば、本体側にヒンジピンが突設され、ヒンジピンよりも開口部の中央側にガイドピンがヒンジピンと平行に突設される。扉にはヒンジピンに遊嵌される長孔状のヒンジ溝と、ガイドピンに遊嵌されるガイド溝とが凹設される。扉を閉じた状態ではヒンジ溝の一端にヒンジピンが係止され、カム機構は第1係止位置をとる。扉を開き始めると、ヒンジピンが相対的にヒンジ溝に案内される。この時、ガイドピンとガイド溝とが係合して扉が回り止めされ、ガイドピンが相対的にガイド溝に案内されて扉が回動しながらスライドする。これにより、ヒンジ溝の他端にヒンジピンが係止され、カム機構は第2係止位置をとる。また、本体側にはヒンジピンと同心の例えば円筒状の凹面を有するリブが突設され、リブと第2係止位置で摺接する円筒面を有するボスが扉側に設けられる。扉が更に開かれると、ボスの周面がリブの凹面に摺接してヒンジピンがヒンジ溝の他端に固定され、第2係止位置でヒンジピンを回動軸として扉が回動する。この時、ガイドピンは扉の回動を阻害しない方向に逃げるように、例えばガイド溝に逃げ部が設けられる。尚、ヒンジピンとヒンジ溝、ガイドピンとガイド溝、リブとボスのそれぞれの組み合わせにおいて、本体側及び扉側の一方と他方に設けられていればいずれに設けてもよい。
【0016】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記カム機構を前記扉の両側に対称に設け、前記扉の一方を開く際に他方の前記カム機構が第2係止位置で前記扉を枢支して前記扉を両側から開くことができることを特徴としている。
【0017】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、
前記カム機構は、
前記扉の他方を開く際に前記扉の回動軸となるヒンジピンと、
前記ヒンジピンに沿ってスライドしてスライド方向の両側で係止することにより前記カム機構が第1、第2係止位置をとる第1カム溝と、
第1カム溝に連続して形成され、他方の前記カム機構が第1係止位置から第2係止位置に移動する際に、第1係止位置から前記カム機構の係合を解除する方向に前記ヒンジピンに沿って移動する第2カム溝と、
前記ヒンジピンと同軸の円弧上に沿って配されるリブと、
第2係止位置で前記リブと摺接する円筒面を有したボスと、
をそれぞれ備えたことを特徴としている。
【0018】
この構成によると、例えば、本体側の左右の端部に2つのヒンジピンが突設される。扉の両端にはそれぞれヒンジピンに案内される第1、第2カム溝が凹設される。扉を閉じた状態では左右のカム機構は第1、第2カム溝の交差部にヒンジピンが配置され、第1係止位置をとる。一方から扉を開き始めると、他方のヒンジピンが第1カム溝に案内され、一方のヒンジピンが相対的に第2カム溝に案内されて扉が回動しながらスライド移動する。これにより、他方の第1カム溝の他端にヒンジピンが係止され、他方のカム機構は第2係止位置をとる。また、本体側にはヒンジピンと同心の例えば円筒状の凹面を有するリブが突設され、リブと第2係止位置で摺接する円筒面を有するボスが扉側に設けられる。扉が更に開かれると、他方のカム機構のボスの周面がリブの凹面に摺接してヒンジピンが第1カム溝の他端に固定され、第2係止位置でヒンジピンを回動軸として扉が回動する。この時、一方のヒンジピンは第2カム溝に案内されて扉の回動を阻害しない方向に相対的に逃げる。尚、ヒンジピンと第1、第2カム溝、リブとボスのそれぞれの組み合わせにおいて、本体側及び扉側の一方と他方に設けられていればいずれに設けてもよい。
【0019】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記ガイドピンの先端で前記扉を支持し、第1係止位置で前記扉の回動軸の軸方向に前記扉を移動させる段差を前記ガイド溝に設けたことを特徴としている。この構成によると、ガイドピンの先端とガイド溝の底面とが接し、例えば、扉がガイドピン上に乗って支持される。第2係止位置からガイドピンがガイド溝に案内され、ガイド溝に設けられた段差がガイドピン上から降下することにより扉が降下してカム機構が第1係止位置に配置される。
【0020】
また本発明は、上記各構成の扉開閉機構において、前記ヒンジピンの先端で前記扉を支持し、第1係止位置で前記扉の回動軸の軸方向に前記扉を移動させる段差を前記ヒンジピンの先端と摺接する面に設けたことを特徴としている。この構成によると、ヒンジピンの先端と第2カム溝またはヒンジ溝の底面とが接し、例えば、扉がヒンジピン上に乗って支持される。第2係止位置からヒンジピンが第1、第2カム溝またはヒンジ溝に案内され、第1、第2カム溝またはヒンジ溝に設けられた段差がヒンジピン上から降下することにより扉が降下してカム機構が第1係止位置に配置される。
【0021】
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記ボスの端面で前記扉を支持し、第1係止位置で前記扉の回動軸の軸方向に前記扉を移動させる段差を前記ボスに設けたことを特徴としている。この構成によると、例えばボスの下面が本体側と接して扉が支持される。第2係止位置でボスが回動しながらスライドして段差により降下することによって扉が軸方向に移動してカム機構が第1係止位置に配置される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の扉開閉機構を示す上面断面図である。冷蔵庫等の本体側には筐体1に外壁を形成された開口部1aが設けられる。開口部1aは中程を境に左側を左扉2に覆われ、右側を右扉3に覆われている。左扉2及び右扉3の一端には把手4、5が設けられる。
【0023】
左扉2及び右扉3は後述するようにカム機構により相対的に移動する回動軸1b、1cにより枢支され、把手4、5を把持して両側に開くようになっている。また、左扉2と右扉3との間の隙間にはそれぞれパッキン6、7が取付けられ、該隙間を密閉するようになっている。
【0024】
カム機構は左扉2の上部、左扉2の下部、右扉3の上部及び右扉3の下部の4箇所に同様の構造で設けられる。図2は、左扉2の下部に配されるカム機構を示す正面断面図である。このカム機構は、左扉2に取付けられるスライドカム部材8と、筐体1に取付けられるロックカム組品32とから成っている。
【0025】
スライドカム部材8は樹脂成形品から成っており、上面にボス8a、8bが突設され、貫通するネジ孔8c、8dが形成されている。ボス8a、8bを左扉2の下面に設けられたボス孔(不図示)に嵌合し、ネジ孔8c、8dに図中、下方からタッピングネジ(不図示)を挿通してスライドカム部材8が左扉2の下面に取付けられている。また、スライドカム部材8には、後述するロック部材16を位置決めするボス孔8fが形成されている。
【0026】
ロックカム組品32はロックカム部材18とアングル22とがネジ31により一体化され、スライドカム部材8と係合してカム機構を構成する。ロックカム部材18は樹脂成形品から成り、アングル22は左扉2の重量を支えるため金属部材から成っている。
【0027】
アングル22には3箇所にネジ孔22aが形成されている。ネジ孔22aにタッピングネジを挿通してアングル22、即ちロックカム組品32が筐体1に取付けられている。また、例えばステンレス鋼等の金属から成るヒンジピン23、ロックピン24及びガイドピン25をそれぞれかしめてアングル22に一体化されている。ヒンジピン23、ロックピン24、ガイドピン25はロックカム部材18をそれぞれ貫通し、図中、上方に突出している。
【0028】
カム機構の平面図を図3(a)に示す。同図において、左扉2を閉じた状態を示しており、ロックカム組品32は破線で示し、スライドカム部材8を実線で示している。また、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。スライドカム部材8には、ロック部材16が取付けられている。ロック部材16は樹脂成形品から成り、上面に突設されたボス(不図示)をスライドカム部材8の下面に設けられたボス孔8f(図2参照)に嵌合し、タッピングネジ(不図示)等により取付けられている。
【0029】
ロック部材16の一端にはアーム部16aが延設されている。アーム部16aは、延びた方向に略垂直な方向の荷重に対して弾性変形するようになっている。アーム部16aの端部にはロックピン24と係合する係合部16bが設けられている。ロック部材16の他端には、ロックカム部材18に形成されたストッパ18eに当接して左扉2の回動を規制する規制部16cが設けられている。
【0030】
スライドカム部材8の一端の下面には、長孔状のヒンジ溝9が凹設されている。ヒンジ溝9の周囲には、後述する第2係止位置の時のヒンジピン23を中心とした円筒面10dを有するボス10が突設されている。
【0031】
ヒンジピン23の底部には台座部23aが同心に形成されている。ボス10には、底面10bに対して下方に突出する段差部10a(図3(a)の斜線部)が形成されている。段差部10aの内周側は台座部23aに沿って形成され、台座部23aの周部に接して面取りされている。
【0032】
そして、ボス10の底面10bが台座部23a上に乗っている。台座部23aの周囲のロックカム部材18には、段差部10aとの干渉を回避する凹部18fが凹設されている。尚、面取りにより段差部10aが台座部23aに容易に乗り上げ可能になっており、面取りを台座部23aの上面に形成してもよい。また、図3(a)において、面取りの内周縁は台座部23aの外形線と重なるため省いている。
【0033】
ヒンジピン23の周囲のロックカム部材18には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19aを有するリブ19が突設されている。ヒンジ溝9よりも開口部1a(図1参照)の中央側にはL字型に屈曲したガイド溝11が凹設されている。ガイド溝11は後述する第1係止位置から第2係止位置までガイドピン25を相対的に案内する案内部11aと、第2係止位置でガイドピン25を相対的に逃がす逃げ部11bとを有している。
【0034】
次に、左扉2の下部のカム機構の動作について図3〜図5を参照して説明する。他のカム機構についても同様の動作が行われる。尚、図4、図5において(a)は平面図を示し、(b)は図3(b)と同様にヒンジ溝9の長手方向の断面図を示している。また、図4(a)、図5(a)において、段差部10aの面取りの内周縁は図が複雑になるため省いている。
【0035】
前述のように図3(a)、(b)は、左扉2が閉じた状態を示している。左扉2の閉止状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピン23が係止され、カム機構は第1係止位置をとる。第1係止位置では、ボス10の底面10bがヒンジピン23の台座部23a上に乗っており、段差部10aは台座部23aよりも下方に配される。ガイドピン25はガイド溝11の案内部11aの端部に配置されている。
【0036】
また、左扉2の閉止状態の時、ヒンジ溝9とヒンジピン23との間またはガイド溝11の案内部11aとガイドピン25との間に移動方向の隙間を設けると、ヒンジピン23やガイドピン25等の寸法ばらつきを吸収することができ、第1係止位置で確実に閉止することができる。
【0037】
ロックピン24はロック部材16の係合部16bと係合し、アーム部16aの弾性力により左扉2が右扉3(図1参照)の方向に付勢されている。これにより、左扉2と右扉3との間の所定量の隙間を確実に保持するとともに、ヒンジピン25とヒンジ溝9との隙間による左扉2の遊動を防止する。従って、カム機構が第1係止位置の状態を保持するとともに左扉2の閉止密閉状態をより確実にしている。
【0038】
把手4(図1参照)を把持して左扉2が開き始めると、図4(a)、(b)に示すように、ボス10の段差部10aの内周側の面取り部分が台座部23aに乗り上げ始め左扉2が上昇を開始する。ロック部材16のアーム部16aは弾性変形して、ロックピン24と係合部16bとの係合解除が開始される。この状態で把手4を離すと、アーム部16aの弾性力により左扉2は図3の状態に戻る。従って、ロック部材16とロックピン24により自閉機能を有し、左扉2を確実に閉じることができるようになっている。
【0039】
左扉2は開成に伴い回動するが、ガイド溝11の案内部11aがガイドピン25と係合するため、第1係止位置のままではヒンジピン23を軸として回動することができない。このため、相対的にヒンジピン23がヒンジ溝9に案内されるとともにガイドピン25が案内部11aに案内されて、左扉2は回動しながら図4(a)において左下方向へスライド移動する。
【0040】
更に左扉2を開くと、図5(a)、(b)に示すようにヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2係止位置をとる。この時、ボス10の段差部10aは台座部23aに完全に乗り上げる。また、ボス10の円筒面10dがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始する。これにより、カム機構は第2係止位置の状態を保持し、左扉2がヒンジピン23を軸として回動するようになっている。
【0041】
また、ガイド溝11の逃げ部11bは第2係止位置でのヒンジピン23を中心とする円弧状に形成され、ガイドピン25を相対的に逃がすとともに左扉2の回動を案内し、第2係止位置を確実に保持するようになっている。
【0042】
更に左扉2を開くと、ボス10の円筒面10dがリブ19の凹面19aに沿って摺動を継続し、ロックピン24とロック部材16との係合が解除されてガイドピン25がガイド溝11から離れる。これにより左扉2がさらに開放される。尚、リブ19の凹面19aはボス10を案内できればよいので、リブ19に替えて例えばヒンジピン23と同心の円弧上に配列された複数のピン等によって形成してもよい。左扉2の開放を続けると、ロック部材16の規制部16cがロックカム部材18のストッパー18eと当接し、左扉2の開成の範囲が規制される。
【0043】
また、以上に説明した図3〜図5に示す動作と逆の動作により左扉2を閉じることができる。この時、カム機構が第1係止位置になると、ボス10の段差部10aがヒンジピン23の台座部23aから降下して、左扉2の閉止状態が保持される。
【0044】
本実施形態によると、左扉2を開き始めた際にカム機構により案内して左扉2が回動しながらスライド移動するため、左扉2は右扉3から離れ、従来例のようにスライド移動を元に戻すバネやレバーを必要とせずにパッキン6、7(図1参照)の摺動を回避することができる。また、左扉2の重量は筐体1側のヒンジピン23の台座部23aに加わるため接触面積が狭い。
【0045】
従って、部品点数及び組立工数削減によりコスト削減、信頼性低下の防止及び量産性低下の防止を図ることができるとともに、パッキン6、7の摺動摩擦及びバネの弾性力がなく、台座部23aとボス10との摺動摩擦が小さいため、左扉2の開閉に大きな操作力を必要とせず、操作性を向上することができる。
【0046】
更に、左扉2の閉止状態から軽い操作力で左扉2を開くことができるにも関わらず、パッキン6、7の弾性力及び筐体1と左扉2との間に配されるパッキンの弾性力が働いても閉止状態ではボス10の段差部10aがヒンジピン23の台座部23aと係合して確実に第1係止位置を保持し、左扉2及び右扉3が開かれることがない。また、段差部10aはボス10に設けられるため樹脂成形により容易に形成することができる。
【0047】
しかも、底面10bと段差部10aとの段差量や、段差部10aの内周縁の面取りの傾斜角度を変えることによって、ボス10と台座部23aとの係合によるロック力を良好な操作性が得られるように調整することができる。
【0048】
また、本実施形態の扉開閉機構は、パッキン6、7を設けず防塵等のために左扉2と右扉3との隙間を狭くした場合にも適用することができ、左扉2のスライドによって、回動に伴う左扉2の端面と右扉3との干渉を防止することができる。更に、開口部1aを1枚の扉により開閉し、開く側に壁面等がある場合にも適用することができ、スライドにより扉は壁面等から離れ、扉の端部と壁面等との干渉を防止することができる。これにより、簡単な構造で扉を軽い操作力で開閉できるとともに、扉の閉止状態を確実に保持することができる。
【0049】
次に、第2実施形態の扉開閉機構について図6〜図8を参照して説明する。これらの図において、説明の便宜上、前述の図1〜図5に示す第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付している。本実施形態は、第1実施形態と同様に構成され、第1実施形態と異なる点は、ボス10の底面の段差部10aに替えてヒンジ溝9の天井面9aに段差部9bを設けている点である。また、それぞれ(a)は平面図を示しておりロックカム組品32を破線、スライドカム部材8を実線で示している。(b)はヒンジ溝9の長手方向の断面図である。
【0050】
図6(a)、(b)は左扉2の下部のカム機構の左扉2を閉じた第1係止位置を示している。ヒンジ溝9には、天井面9aに対して下方に突出する段差部9b(図6(a)の斜線部)が形成されている。段差部9bの内周側はヒンジピン23に沿って形成され、ヒンジピン23の周部に接して面取りされている。そして、ヒンジ溝9の天井面9aがヒンジピン23上に乗っており、段差部9bはヒンジピン23の上端よりも下方に配される。
【0051】
尚、面取りにより段差部9bがヒンジピン23に容易に乗り上げ可能になっており、面取りをヒンジピン23の上端に形成してもよい。また、図6(a)において、面取りの内周縁はヒンジピン23の外形線と重なるため省いており、図7(a)、図8(a)においても図が複雑になるため省いている。
【0052】
把手4(図1参照)を把持して左扉2が開き始めると、図7(a)、(b)に示すように、段差部9bの内周側の面取り部がヒンジピン23に乗り上げ始め左扉2が上昇を開始する。更に左扉2を開くと、図8(a)、(b)に示すようにヒンジピン23がヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2係止位置をとる。
【0053】
この時、ヒンジ溝9の段差部9bはヒンジピン23に完全に乗り上げる。また、円筒面10dがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始する。これにより、カム機構は第2係止位置の状態を保持し、左扉2がヒンジピン23を軸として回動する。
【0054】
更に左扉2を開くと第1実施形態と同様に、ボス10の円筒面10dがリブ19の凹面19aに沿って摺動を継続し、ロックピン24とロック部材16との係合が解除されてガイドピン25がガイド溝11から離れる。これにより左扉2がさらに開放される。そして、ロック部材16の規制部16cがロックカム部材18のストッパー18eと当接し、左扉2の開成の範囲が規制される。
【0055】
また、以上に説明した図6〜図8に示す動作と逆の動作により左扉2を閉じることができる。この時、カム機構が第1係止位置になると、ヒンジ溝9の段差部9bがヒンジピン23から降下して、左扉2の閉止状態が保持される。
【0056】
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、樹脂成形により容易にヒンジ溝9の天井面9aに段差部9bを形成することができ、軽い操作力で開閉を可能とするとともに、第1係止位置を確実に保持することができる。尚、パッキン6、7を設けず右扉3と左扉2との間隔を狭くした場合や、1枚の扉により開口部1aを開閉する場合にも適用して同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、ヒンジ溝9に形成した段差部9bに替えて、ガイド溝11に段差部を設けてもよい。このようにすると、上記と同様に、ガイドピン25に段差部が乗り上げることにより扉を持ち上げて開き、ガイドピン25から段差部が降下することにより扉が降下して第1係止位置を保持することができる。
【0058】
尚、第1、第2実施形態において、ヒンジピンとヒンジ溝、ガイドピンとガイド溝、リブとボスのそれぞれの組み合わせの一方と他方が、本体側及び扉側の一方と他方に設けられていればいずれに設けてもよい。
【0059】
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態において、図1〜図8の第1、第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付している。本実施形態の扉開閉機構は、筐体の開口部を1枚の扉により左右どちらからでも開閉できるようになっている。扉の上部及び下部には夫々両端に左右対称のカム機構が設けられている。図9は扉の左下のカム機構を示す正面断面図である。このカム機構は、扉20に取付けられるスライドカム部材8と、筐体1に取付けられるヒンジアングル33とから成っている。
【0060】
スライドカム部材8は樹脂成形品から成り、上面にボス8a、8bが突設され、貫通したネジ孔8cが形成されている。ボス8a、8bを扉20の下面に設けられたボス孔(不図示)に嵌合し、ネジ孔8cに図中、下方からタッピングネジ(不図示)を挿通してスライドカム部材8が扉20の下面に取付けられている。
【0061】
ヒンジアングル33は筐体1の左右に延びて形成され、金属製のアングル部材33bに穿設されたネジ孔33eにタッピングネジ(不図示)を挿通して筐体1に取付けられている。アングル部材33bには金属製のヒンジピン23及びロック外カム27がカシメにより固着されている。そして、インサート成形によりリブ19を有するヒンジカバー33aが形成されている。
【0062】
カム機構の平面図を図10(a)に示す。上記のように、ヒンジアングル33には左右対称の位置にヒンジピン23及びロック外カム27が設けられ、これらに応じてスライドカム部材8が左右対称に配されている。同図において、扉20を閉じた状態を示しており、ヒンジアングル33を破線で示し、スライドカム部材8を実線で示している。また、図10(b)、(c)はそれぞれ図10(a)のB−B断面図及びC−C断面図である。
【0063】
スライドカム部材8の一端の下面には、L字状に連結した第1、第2カム溝13a、13bから成るヒンジ溝13が凹設され、ヒンジピン23が挿入されている。左右の第2カム溝13bの間隔は後方へ行くほど狭くなっている。このため、扉20の左右を同時に引いてもヒンジピン23が第2カム溝13bと係合して扉20を開くことができない。これにより、扉20の脱落を防止して左右のカム機構は第1係止位置をとる。
【0064】
第1、第2カム溝13a、13bには、天井面13cに対してそれぞれ下方に突出する段差部13d、13e(図10(a)の右下がり斜線部)が形成されている。段差部13dの内周側はヒンジピン23に沿って形成され、ヒンジピン23の周部に接して面取りされている。そして、ヒンジ溝13の天井面13cがヒンジピン23上に乗っており、段差部13d、13eはヒンジピン23の上端よりも下方に配される。
【0065】
尚、面取りにより段差部13d、13eがヒンジピン23に容易に乗り上げ可能になっており、面取りをヒンジピン23の上端に形成してもよい。また、図10(a)において、面取りの内周縁はヒンジピン23の外形線と重なるため省いている。
【0066】
第1カム溝13aの周囲には、後述する第2係止位置の時のヒンジピン23を中心とした第1、第2実施形態と同様の円筒面10dを有するボス10が突設されている。ヒンジピン23の底部には台座部23aが同心に形成されている。ボス10には、底面10bに対して下方に突出する段差部10a(図10(a)の右上がり斜線部)が形成されている。
【0067】
段差部10aの内周側は台座部23aに沿って形成され、台座部23aの周部に接して面取りされている。そして、ボス10の底面10bが台座部23a上に乗っている。ヒンジアングル33の台座部23aの周囲には、段差部10aとの干渉を回避する凹部33cが凹設されている。尚、面取りにより段差部10aが台座部23aに容易に乗り上げ可能になっており、面取りを台座部23aの上面に形成してもよい。また、図10(a)において、面取りの内周縁は台座部23aの外形線と重なるため省いている。
【0068】
また、ヒンジピン23の周囲には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19aを有するリブ19が突設されている。スライドカム部材8には第1、第2カム溝13a、13bよりも開口部の中央側に、摺動面14a、14bを有してロック外カム27と係合するスライド外カム14が設けられている。スライド外カム14の周囲にはロック外カム27が通る溝部15が掘設されている。
【0069】
次に、カム機構の動作について扉20の右側を開く場合を例に図10〜図13を参照して説明する。左右のカム機構は対称形であるので、扉20の左側を開放する際も同様に動作する。図11〜図13において(a)は平面図を示し、(b)、(c)はそれぞれ図10(b)、(c)と同様に第1、第2カム溝13a、13bの長手方向の断面図を示している。尚、各平面図において段差部13d、13e、10aの面取りの内周縁は、図が複雑になるため省いている。
【0070】
前述のように図10(a)〜(c)は、扉20が閉じた状態を示しており、カム機構は第1係止位置をとり、扉20の脱落が防止される。図11(a)〜(c)は、扉20が右側から開き始めた状態を示している。右側のカム機構では、ヒンジピン23が相対的に第2カム溝13bに案内されてスライドカム部材8が外側に導かれ、第2カム溝13bの段差部13eがヒンジピン23に乗り上げる。
【0071】
左側のカム機構では、ヒンジピン23が相対的に第1カム溝13aに案内されてスライドカム部材8が内側に導かれ、第1カム溝13aの段差部13dがヒンジピン23に乗り上げ始める。また、ボス10の段差部10aがヒンジピン23の台座部23aに乗り上げ始める。これにより、扉20は持ち上げられるとともに回動しながら右側にスライド移動する。また、右側のロック外カム27の摺動面27bとスライド外カム14の摺動面14bとが摺動を開始する。
【0072】
更に扉20の右側を開くと、図12(a)〜(c)に示すように、右側のカム機構ではロック外カム27にスライド外カム14が案内され、継続してヒンジピン23が相対的に第2カム溝13bに案内される。離れた2箇所で案内することにより、左側のカム機構を後述する第2係止位置に確実に導くようになっている。
【0073】
また、左側のカム機構は、継続してヒンジピン23が相対的に第1カム溝13aに案内され、第1カム溝13a及びボス10の段差部13d、10aがそれぞれヒンジピン23及び台座部23aに完全に乗り上げる。左側のカム機構の段差部10a、13d及び右側のカム機構の段差部13eがヒンジピン23や台座部23aに同時に乗り上げるように、段差部13eの第1カム溝13a側の縁部の面取りを緩やかな傾斜にしてもよい。このようにすると、開閉中に扉20が傾斜せず開閉動作を更に安定させることができる。
【0074】
更に扉20の右側を開くと、図13(a)〜(c)に示すように、左側のカム機構は第1カム溝13aの端部にヒンジピン23が係止され、第2係止位置をとる。また、ボス10の円筒面10dがリブ19の円筒面19aと摺動を開始する。これにより、カム機構は第2係止位置を保持し、第2係止位置のヒンジピン23を回動軸として扉20が回動する。
【0075】
そして、扉20が回動すると左側のカム機構のスライド外カム14の摺動面14aとロック外カム27の摺動面27aとが摺動してより確実に第2係止位置が保持される。この時、右側のロック外カム27の上面とスライドカム部材8の下面や、スライド外カム14の下面とヒンジアングル33の上面を互いに摺接させるとより望ましい。
【0076】
即ち、図13(c)に示すように、扉20を閉じる際に第2カム溝13bとヒンジピン23が係合を開始するときの衝突を回避するために、第2カム溝13bの天井面には開放端に向けて傾斜した傾斜面13fが形成されている。このため、右側のヒンジピン23とヒンジ溝13との間には高さ方向に隙間が形成される。従って、右側のロック外カム27の上面とスライドカム部材8の下面や、スライド外カム14の下面とヒンジアングル33の上面を互いに摺接させることにより、扉20を高さ方向に安定して開閉することができる。
【0077】
その後、右側の第2カム溝13bとヒンジピン23の係合、右側のロック外カム27とスライド外カム14の係合、及び左側のロック外カム27とスライド外カム14の係合が夫々解除され開口部が開放される。更に開放すると、ストッパ33dにスライドカム部材8と一体の当接部(不図示)が当接して扉20の回動範囲が規制される。
【0078】
また、以上に説明した図10〜図13に示す動作と逆の動作により扉20を閉じることができる。この時、カム機構が第1係止位置になると、左側のカム機構では、ボス10の段差部10aがヒンジピン23の台座部23aから降下し、第1カム溝13aの段差部13dがヒンジピン23から降下する。また、右側のカム機構では、第2カム溝13bの段差部13eがヒンジピン23から降下する。これにより扉20が閉止される。
【0079】
本実施形態によると、扉20を開き始めた際にカム機構の案内により扉20がスライド移動して第2係止位置で保持されるため、扉20が脱落することなく左右から開くことができる。また、扉20の重量はヒンジピン23及び台座部23aに加わるため接触面積が狭く摺動摩擦が小さく、軽い操作力で扉20を開くことができる。
【0080】
また、扉20の閉止状態ではボス10の段差部10aがヒンジピン23の台座部23aと係合し、第1、第2カム溝13a、13bの段差部13d、13eがヒンジピン23と係合するため確実に第1係止位置が保持される。従って、筐体1と扉20との間にパッキン等が配されても、パッキン等の弾性力により扉20が開かれることを防止することができる。尚、ヒンジピンと第1、第2カム溝、リブとボスのそれぞれの組み合わせにおいて、本体側及び扉側の一方と他方に設けられていればいずれに設けてもよい。
【0081】
また、第1〜第3実施形態において、扉が軽量の場合は第1係止位置での段差部とヒンジピンや台座部等との係合力が弱く、パッキンの弾性力等によって扉の閉止状態が保持できない場合がある。このような場合には、扉の回動軸の軸方向で例えば下方に扉を付勢するバネ等を設けることにより段差部の係合状態を保持して扉の閉止状態を確実にすることができる。バネ等による付勢方向は扉を開く方向に垂直であるため、扉の開成に必要な操作力は僅かに増加するだけであり、使用勝手を悪化させることはない。
【0082】
同様に、扉を軸方向に付勢することにより左右方向に開閉する扉だけでなく、本体部の前面を上下方向に開閉する扉や本体部の上面を水平方向に開閉する扉の場合でも同様の効果が得られ、車のダッシュボードのように軽量なふたの場合にも適用することができる。更に、傾斜面を覆う扉にも適用することができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によると、カム機構により扉をスライド移動することにより、壁面や他方の扉から離して操作を容易にし、また、扉を両側から容易に開くことができる。しかも、ヒンジピンやボスにより扉を支持して軽い操作力で扉を開くことができるとともに、第1係止位置に到達する際に段差により扉の回動軸の軸方向に扉が移動するので本体側と扉との間にパッキン等が配されても扉の閉止状態を確実に保持することができる。
【0084】
また本発明によると、ガイドピンの先端で扉を支持してガイドピンの先端と摺接するガイド溝に段差を設けることにより、段差を容易に形成して簡単に第1係止位置で扉の回動軸の軸方向に扉を移動させることができる。
【0085】
また本発明によると、ヒンジピンの先端で扉を支持してヒンジピンの先端と摺接するヒンジ溝または第1、第2カム溝に段差を設けることにより、段差を容易に形成して簡単に第1係止位置で扉の回動軸の軸方向に扉を移動させることができる。
【0086】
また本発明によると、ボスの底面で扉を支持してボスの底面に段差を設けることにより、段差を容易に形成して簡単に第1係止位置で扉の回動軸の軸方向に扉を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の扉開閉機構を示す上面断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構を示す正面断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図6】 本発明の第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図7】 本発明の第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図8】 本発明の第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図9】 本発明の第3実施形態の扉開閉機構のカム機構を示す正面断面図である。
【図10】 本発明の第3実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図11】 本発明の第3実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図12】 本発明の第3実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【図13】 本発明の第3実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体
1a 開口部
2 左扉
3 右扉
4、5 把手
6、7 パッキン
8 スライドカム部材
9、13 ヒンジ溝
9b 段差部
10 ボス
10a 段差部
11 ガイド溝
11a 案内部
11b 逃げ部
13a 第1カム溝
13b 第2カム溝
13d、13e 段差部
14 スライド外カム
16 ロック部材
16a アーム部
16b 係合部
18 ロックカム部材
19 リブ
20 扉
22 アングル
23 ヒンジピン
24 ロックピン
25 ガイドピン
27 ロック外カム
32 ロックカム組品
33 ヒンジアングル

Claims (8)

  1. 機器本体と該機器本体の開口部を覆って回動軸が上下方向の扉とに設けられて前記扉をスライド案内するとともに回動可能に支持するカム機構を備えた扉開閉機構において、前記カム機構は、前記扉の枢支軸となるヒンジピンと、前記ヒンジピンを相対的にスライド案内する長孔と、円弧上に沿って配されたリブと、前記リブに摺接する摺接面を有するボスと、扉側及び機器本体側のそれぞれに配されるとともに少なくとも一方が段差から成る昇降手段とを有し、
    前記扉を閉じている際に前記カム機構は、前記ヒンジピンが前記長孔の第1の停止位置に配置されるとともに前記摺接面と前記リブとが互いに摺動しない位置に配置される第1枢支位置をとり、
    前記扉を開く際に前記ヒンジピンが前記長孔により相対的に案内されて前記扉がスライド移動するとともに、扉側の前記昇降手段が機器本体側の前記昇降手段に乗り上げて前記扉が上昇し、
    前記扉のスライド移動により前記カム機構は、前記ヒンジピンが前記長孔の第2の停止位置に配置され、前記摺接面と前記リブが摺動するとともに前記ヒンジピンと前記長孔との係合により前記扉をスライド規制して扉側の前記昇降手段が機器本体側の前記昇降手段に乗り上げた状態で回動可能に支持し、前記扉が回動する範囲で前記リブの一法線が前記長孔の案内方向に略一致した第2枢支位置に保持され、
    前記扉を閉じる際に前記カム機構は、前記ヒンジピンが前記長孔により相対的に案内されて前記扉がスライド移動するとともに、扉側の前記昇降手段が機器本体側の前記昇降手段から降り、前記扉が下降して第1枢支位置で保持されることを特徴とする扉開閉機構。
  2. 前記カム機構は第1係止位置で前記摺接面の内周側に前記リブが配置されることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
  3. 前記ヒンジピン及び前記リブを機器本体側と扉側の一方に配置するとともに前記長孔及び前記ボスを他方に配置し、一方の前記昇降手段は前記ヒンジピンの根元に径大に設けられた台座部から成るとともに他方の前記昇降手段は前記ボスの端面に設けた段差から成り、第2係止位置で前記段差と前記台座部とが摺動して扉が回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  4. 前記ヒンジピン及び前記リブを機器本体側と扉側の一方に配置するとともに前記長孔及び前記ボスを他方に配置し、一方の前記昇降手段は前記ヒンジピンの先端から成るとともに他方の前記昇降手段が前記ボスに凹設した前記長孔の底面に設けた段差から成り、第2係止位置で前記段差と前記ヒンジピンの先端とが摺動して扉が回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  5. 前記カム機構は、機器本体側と扉側の一方に配置されるガイドピンと、前記長孔が前記ヒンジピンを相対的に案内する際に前記ガイドピンを相対的に摺動案内して他方に配されるガイド溝とを有し、一方の前記昇降手段は前記ガイドピンの先端から成るとともに他方の前記昇降手段が前記ガイド溝の底面に設けた段差から成り、第2係止位置で前記段差と前記ガイドピンの先端とが摺動して扉が回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  6. 前記機器本体の開口部の中間を境に相反する方向に開閉する複数の前記扉を設け、一方の前記扉が他方の前記扉から離れる方向にスライド移動することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の扉開閉機構。
  7. 機器本体と該機器本体の開口部を覆って回動軸が上下方向の扉とに設けられて前記扉を スライド案内するとともに回動可能に支持するカム機構を扉の両側に対称に設け、扉を閉じた際に両側のカム機構が第1係止位置をとり、一方の扉を開く際に他方の前記カム機構が第2係止位置をとって扉を枢支して扉を両側から開くことができる扉開閉機構において、
    前記カム機構は、他方の扉を開く際に扉の枢支軸となるヒンジピンと、前記ヒンジピンを相対的にスライド案内してスライド方向の両側で前記ヒンジピンを係止することにより前記カム機構が第1、第2係止位置をとる第1カム溝と、第1カム溝に連続して形成されるとともに他方の前記カム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行する際に第1係止位置から前記カム機構の係合を解除する方向に前記ヒンジピンを相対的に案内する第2カム溝と、前記ヒンジピンと同心の円弧上に沿って配されるリブと、第2係止位置で前記リブと摺接する摺接面を有したボスと、扉側及び機器本体側のそれぞれに配されるとともに少なくとも一方が段差から成る昇降手段とを有し、
    前記扉を開く際に前記ヒンジピンが第1カム溝により相対的に案内されて前記扉がスライド移動するとともに、扉側の前記昇降手段が機器本体側の前記昇降手段に乗り上げて前記扉が上昇し、前記カム機構は扉側の前記昇降手段が機器本体側の前記昇降手段に乗り上げた状態で扉を回動可能に支持する第2枢支位置に保持され、
    前記扉を閉じる際に前記カム機構は、前記ヒンジピンが第1カム溝により相対的に案内されて前記扉がスライド移動するとともに、扉側の前記昇降手段が機器本体側の前記昇降手段から降り、前記扉が下降して第1枢支位置で保持されることを特徴とする扉開閉機構。
  8. 前記昇降手段は前記ヒンジピンの先端及び第1、第2カム溝の底面に設けた段差から成り、一方の扉を開く際に一方の前記カム機構は第2溝カムの前記段差が前記ヒンジピンの先端に乗り上げるとともに他方のカム機構は第1溝カムの前記段差が前記ヒンジピンの先端に乗り上げることを特徴とする請求項7に記載の扉開閉機構。
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