JP4827746B2 - 扉開閉機構 - Google Patents

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本発明は、冷蔵庫の貯蔵室等の開口部の中程を境に両側の扉を開閉する扉開閉機構に関する。
従来のこの種の扉開閉機構は特許文献1に開示されている。この扉開閉機構は開口部を有した機器本体と扉とがバネに付勢されたレバー部材により連結され、開口部が扉により閉じられる。扉を開くとレバー部材がバネの付勢力に抗して回動しながら扉がレバー部材に対して回動する。扉はレバー部材の回動によって他方の扉から離れる方向にスライド移動する。これにより、両扉間に設けられるパッキンの摺動による破損を防止することができる。
上記の扉開閉機構によると、レバー部材と機器本体との摺動面に扉の重さに応じた摩擦力が加わるため、バネの付勢力を該摩擦力よりも大きくしておく必要がある。その結果、扉を開く際にはレバー部材の摩擦力とバネの付勢力に抗した大きな操作力が必要となり、操作性が悪くなる。
この問題を解決するため、特許文献2にはバネを用いずに扉をスライド移動させる扉開閉機構が開示されている。この扉開閉機構は機器本体及び扉に互いに係合するカム機構が設けられる。カム機構は扉の閉成時に第1係止位置をとる。扉を開くとカム機構は第1係止位置から第2係止位置に移行して扉を開放側から軸側へスライドさせ、第2係止位置で扉が枢支される。これにより、扉の開閉時の操作力を小さくして操作性を向上することができる。
特公昭60−24390号公報(第1頁−第3頁、第9図) 特開2003−3731号公報(第4頁−第8頁、第5図)
しかしながら、上記特許文献2に開示された扉開閉機構によると、扉の開放力が軽減されているために一方の扉を勢いよく閉じると、開口部を開口する室内の圧力が上昇する。これにより、使用者の意図に反して他方の扉が開いてしまい、使用性が悪い問題があった。
本発明は、使用性を向上できる扉開閉機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、機器本体の開口部の中程を境に両側を覆う扉を前記開口部の両端を軸側としてそれぞれ開閉する扉開閉機構において、前記扉の閉成時に第1係止位置をとるとともに、前記扉の開成時に前記扉を開放側から軸側へスライドさせて第2係止位置をとり、第2係止位置で前記扉を枢支するカム機構を備え、前記扉及び前記機器本体の一方に設けられる転動可能な第1転動体と、他方に設けられるとともに第1転動体が接して転動することにより前記扉を自重によって閉じる方向に案内する案内部とを設けたことを特徴としている。
この構成によると、カム機構は扉が閉じたときに第1係止位置をとる。扉を開くとカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行し、それに伴って扉がカム機構により案内されて開放側から軸側へのスライド移動と回転移動とを行う。カム機構が第2係止位置に到達すると扉の回動軸の位置が固定され、扉が回動軸を中心に回動して開口部が開放される。扉を閉じるとカム機構が第2係止位置から第1係止位置に移行する。この時、第1転動体が案内部に接して転動し、扉が自重によって閉じる方向に案内される。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記カム機構は、前記扉の開成時に前記扉の回動軸となるヒンジピンと、前記扉及び前記機器本体のいずれかに配されるガイドピンと、前記ヒンジピンを案内して両端部で係止することにより前記カム機構が第1、第2係止位置をとるヒンジ溝と、第1係止位置から第2係止位置に前記ガイドピンを案内するガイド溝と、前記ヒンジピンと同軸の円弧上に沿って配されるリブと、第2係止位置で前記リブと摺接する円筒面を有したボスとを備えたことを特徴としている。
この構成によると、例えば、機器本体には一端にヒンジピンが突設され、扉の開放側の端部に対向する位置にヒンジピンと平行にガイドピンが突設される。扉にはヒンジピンに遊嵌される長孔状のヒンジ溝と、ガイドピンに遊嵌されるガイド溝とが凹設される。扉を閉じた状態ではヒンジ溝の一端でヒンジピンが係止され、ガイド溝の一端でガイドピンが係止されてカム機構は第1係止位置をとる。扉を開き始めると、ヒンジピンがヒンジ溝に案内される。この時、ガイドピンとガイド溝とが係合して扉が回り止めされ、ガイドピンがガイド溝に案内されて扉が回動しながらスライドする。これにより、ヒンジ溝の他端にヒンジピンが係止され、カム機構は第2係止位置をとる。また、本体側にはヒンジピンと同心の例えば円筒状の凹面を有するリブが突設され、リブと第2係止位置で摺接する円筒面を有したボスが扉側に設けられる。扉が更に開かれると、ボスの周面がリブの凹面に摺接してヒンジピンがヒンジ溝の他端に固定され、第2係止位置でヒンジピンを回動軸として扉が回動する。この時、ガイドピンは扉の回動を阻害しない方向に逃げるように、例えばガイド溝に逃げ部が設けられる。尚、ヒンジピンとヒンジ溝、ガイドピンとガイド溝、リブとボスのそれぞれの組み合わせにおいて、機器本体側及び扉側の一方と他方に設けられていればいずれに設けてもよい。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記案内部は第1転動体が接して転動することによって前記扉を閉じる際に降下させる第1傾斜面から成り、閉止した状態の前記扉の長手方向に対して第1転動体の回転軸及び第1傾斜面の等高線を傾斜したことを特徴としている。
この構成によると、例えば、第1転動体が扉に設けられ、第1傾斜面は後方が下がるように開口部の底部に設けられる。第1転動体は第1傾斜面上を転動し、扉は自重によって後方へ導かれる。扉の長手方向に対して軸が傾斜した第1転動体は、扉が閉じた状態から開き始める際にスライド移動を伴って回動するために扉の長手方向に対して斜め方向に移動する。尚、第1転動体を開口部の底部に設け、第1傾斜面を後方が下がるように扉の底面に設けてもよい。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記扉を開く際に前記カム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行して前記扉が回動しながらスライド移動し、第1転動体の回転軸は第1転動体の移動方向に対して略垂直に配されることを特徴としている。この構成によると、第1転動体の転がり摩擦の方向が第1転動体の移動方向に略一致する。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記扉及び前記機器本体の一方に配されて転動可能な第2転動体と、他方に配されて第2転動体が接して転動することによって前記扉を閉じる際に上昇させる第2傾斜面とを備え、前記カム機構が第1係止位置と第2係止位置との間を移行する際に第1転動体が第1傾斜面上を転動し、前記カム機構が第2係止位置に配された際に第2転動体が第2傾斜面上を転動することを特徴としている。
この構成によると、扉を閉じる際にカム機構が第2係止位置に配され、扉が回動軸を中心に回動する。この時、第2転動体が第2傾斜面上を転動して扉が持ち上げられる。扉を更に閉じるとカム機構が第2係止位置から第1係止位置に移行して扉がスライドしながら回動する。この時、第1転動体が第1傾斜面上を転動して扉が自重によって閉じる方向に案内される。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記カム機構を第2係止位置に配した時の前記扉の回動中心を通る線上に、第2転動体の回転軸を配したことを特徴としている。この構成によると、第2転動体の転がり摩擦の方向が第2転動体の移動方向に一致する。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、第1転動体が第1傾斜面上を転動する際に第2転動体は前記扉及び前記機器本体の第2傾斜面が配される側と非接触となり、第2転動体が第2傾斜面上を転動する際に第1転動体は前記扉及び前記機器本体の第1傾斜面が配される側と非接触となることを特徴としている。
この構成によると、カム機構が第2係止位置に配されて扉が回動すると、第2転動体が第2傾斜面上を転動して第1転動体は扉または機器本体と非接触となり摺動しない。カム機構が第2係止位置から第1係止位置に移行して扉がスライドしながら回動すると、第1転動体が第1傾斜面上を転動して第2転動体は扉または機器本体と非接触となり摺動しない。
本発明によると、扉及び機器本体の一方に第1転動体を設け、他方に案内部を設けたので、第1転動体が案内部と接して転動することによって扉が自重により自閉する。これにより、扉を確実に閉じることができる。また、中程を境に両側に配された扉の一方を勢いよく閉じても他方の扉が閉じた状態を維持する。従って、使用者の意図に反して他方の扉が開くことがなく、扉開閉機構を備えた機器の使用性を向上することができる。
また本発明によると、ヒンジ溝によりヒンジピンを案内するとともにガイド溝によりガイドピンを案内してカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移動し、第2係止位置でリブとボスとを摺接させるので、扉の開成時に第1係止位置から第2係止位置にスライドして第2係止位置で扉を枢支するカム機構を容易に実現することができる。
また本発明によると、案内部が扉を閉じる際に降下させる第1傾斜面から成るので、扉を自重により容易に閉じることができる。また、閉止した扉の長手方向に対して第1転動体の回転軸及び第1傾斜面の等高線を傾斜したので、カム機構が第1、第2係止位置間を移行する際に相対的に斜め方向に移動する第1転動体と第1傾斜面との間のすべり摩擦を低減することができる。従って、扉開閉時に引っ掛かるようなぎこちない動作を伴う操作力の変動を軽減できるとともに摺動時の異常音を防止して扉を円滑に開くことができる。
また本発明によると、第1転動体の回転軸を斜めに移動する第1転動体の移動方向に対して略垂直に配したので、第1転動体と第1傾斜面との間のすべり摩擦をより低減することができる。
また本発明によると、扉及び機器本体の一方に第2転動体を設けて他方に第2傾斜面を設け、カム機構が第1、第2係止位置間を移行する際に第1転動体が第1傾斜面上を転動し、カム機構が第2係止位置に配された際に第2転動体が第2傾斜面上を転動するので、扉を閉じる際に第2転動体が第2傾斜面上を転動して扉が上昇した後、第1転動体が第1傾斜面上を転動し、扉が降下して自重により自閉される。これにより、第1転動体と第1傾斜面の端部との衝突を回避して扉を円滑に昇降させることができ、扉開閉機構の操作性を向上することができる。
また本発明によると、カム機構を第2係止位置に配した時の扉の回動中心を通る線上に、第2転動体の回転軸を配したので、第2転動体と第2傾斜面とのすべり摩擦を低減することができる。
また本発明によると、第1転動体が第1傾斜面上を転動する際に第2転動体は扉または機器本体と非接触となるので、第2転動体のすべり摩擦の発生を回避することができる。また、第2転動体が第2傾斜面上を転動する際に第1転動体は扉または機器本体と非接触となるので、第1転動体のすべり摩擦の発生を回避することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の扉開閉機構を示す上面断面図である。冷蔵庫等の本体部1には開口部1aが設けられる。開口部1aは中程を境に左側を左扉2に覆われ、右側を右扉3に覆われている。左扉2及び右扉3の一端には使用者が把持する把手4、5が設けられている。
左扉2及び右扉3の他端は後述するようにカム機構により左扉2及び右扉3に対して相対的にスライド移動する回動軸1b、1cに枢支され、把手4、5を把持して両側に開くようになっている。また、左扉2と右扉3との間の隙間にはそれぞれパッキン6、7が取付けられている。パッキン6、7内には磁石(不図示)が埋め込まれ、互いに吸引して該隙間を密閉するようになっている。
左扉2及び右扉3は、前面を覆うドアプレート49、50と背面側に設けられるドアバック47、48とを有している。ドアプレート49、50及びドアバック47、48は上下に配されるドアキャップ(不図示)及び側面に配される側面板(不図示)により連結して周囲を塞がれる。そして、内部にウレタン発泡剤を注入した後、加熱して発泡ウレタン樹脂が充填される。これにより、本体部1の内部を断熱隔離する。
ドアバック47、48の周部にはそれぞれパッキン41、44が取り付けられる。パッキン41、44には可撓性の磁石(不図示)が埋め込まれ、本体部1を吸引して左扉2及び右扉3と本体部1との密閉状態が保持されるようになっている。
図2は左扉2及び右扉3の下方を示す上面図である。開口部1aの底面は本体部1に取り付けれるアングル(不図示)により前方に延長されている。アングル上には左扉2及び右扉3の左右方向の略中央部分に第1、第2傾斜面60、62及び水平面61が形成されている。
図3はA−A断面を示している。第1傾斜面60は後方が降下し、第2傾斜面62は前方が降下する。水平面61は第1、第2傾斜面60、62の突出側の端部を連結する。また、第1、第2傾斜面60、62は閉じた状態の左扉2及び右扉3の長手方向に対して等高線が斜めになるように設けられている。
左扉2及び右扉3の下面には第1、第2傾斜面60、62及び水平面61上を転動して回転軸63aを中心に回転するローラー63(第1転動体)が設けられる。ローラー63の回転軸63aは第1、第2傾斜面60、62の等高線と平行に配され、閉じた状態の左扉2及び右扉3の長手方向に対して斜めになっている。
左扉2の上部、左扉2の下部、右扉3の上部及び右扉3の下部の4箇所には同様の構造のカム機構が設けられる。図4は、左扉2の下部に配されるカム機構の一部を示す正面断面図である。カム機構は左扉2と本体部1とに設けられた部材から成り、互いに係合する。左扉2には軸側に配されるスライドカム部材8と、開放側に配されるガイドカム53(図5参照)とが取付けられる。本体部1にはスライドカム部材8と係合するロックカム組品32と、ガイドカム53と係合するガイドピン51(図5参照)とが取付けられる。
スライドカム部材8は樹脂成形品から成っており、上面にボス8a、8bが突設されるとともにネジ孔8c、8dが貫通して設けられている。ボス8a、8bを左扉2の下面に設けられたボス孔(不図示)に嵌合し、ネジ孔8c、8dに図中、下方からタッピングネジ(不図示)を挿通してスライドカム部材8が左扉2の下面に取付けられている。また、スライドカム部材8には、後述するロック部材16を位置決めするボス孔8fが形成されている。
ロックカム組品32はロックカム部材18とアングル22とがネジ31により一体化され、スライドカム部材8と係合してカム機構の一部を構成する。ロックカム部材18は樹脂成形品から成り、アングル22は左扉2の重量を支えるため金属部材から成っている。
アングル22には3箇所にネジ孔22aが形成されている。ネジ孔22aにタッピングネジ(不図示)を挿通してアングル22、即ちロックカム組品32が本体部1に取付けられている。また、ステンレス鋼等の金属から成るヒンジピン23、ロックピン24及び補助ガイドピン25がかしめられてそれぞれアングル22に一体化されている。ヒンジピン23、ロックピン24、補助ガイドピン25はロックカム部材18をそれぞれ貫通し、図中、上方に突出している。
カム機構の平面図を図5に示す。同図は左扉2を閉じた状態を示している。尚、以下にカム機構を説明する平面図において、左扉2下部に設けられるカム機構の各部位は本来破線で表すべきであるが、便宜上実線で示している。また、本体部1側に設けられる部材には斜線を付している。
スライドカム部材8には、ロック部材16が取り付けられている。ロック部材16は樹脂成形品から成り、上面に突設されたボス(不図示)をスライドカム部材8の下面に設けられたボス孔8f(図4参照)に嵌合し、タッピングネジ(不図示)等により取付けられている。
ロック部材16の一端にはアーム部16aが延設されている。アーム部16aは、延びた方向に略垂直な方向の荷重に対して弾性変形するようになっている。アーム部16aの端部にはロックピン24と係合する係合部16bが設けられている。ロック部材16の他端には、ロックカム部材18(図4参照)に形成されたストッパ18eに当接して左扉2の回動を規制する規制部16cが設けられている。
スライドカム部材8の一端の下面には、長孔状のヒンジ溝9が凹設されている。ヒンジ溝9の周囲には、後述する第2係止位置の時のヒンジピン23を中心とした円筒面10aを有するボス10が突設されている。
ヒンジピン23の周囲のロックカム部材18には、ヒンジピン23と同心の円筒状の凹面19aを有するリブ19が突設されている。ヒンジ溝9よりも開口部1a(図1参照)の中央側にはL字型に屈曲した補助ガイド溝11が凹設されている。補助ガイド溝11は案内部11aと逃げ部11bとを有している。案内部11aは後述する第1係止位置から第2係止位置まで補助ガイドピン25を相対的に案内する。逃げ部11bは一端が開放され、第2係止位置で補助ガイドピン25を逃がして補助ガイド溝11と補助ガイドピン25との係合を解除させる。
左扉2の開放側に取り付けられるガイドカム53は樹脂成形品から成り、屈曲したガイド溝52が形成されている。本体部1にはガイド溝52に係合する例えばステンレス製のガイドピン51がアングル(不図示)に支持されて取り付けられている。
ガイド溝52は案内部52aと逃げ部52bとを有している。案内部52aは後述する第1係止位置から第2係止位置までガイドピン51を相対的に案内する。逃げ部52bは一端が開放され、第2係止位置でガイドピン51を逃がしてガイド溝52とガイドピン51との係合を解除させる。また、案内部52aの端部には第1係止位置のヒンジピン23を中心とする円周方向に延設される円弧部52cが形成されている。
次に、図5〜図8を参照して、左扉2の下部のカム機構の動作を説明する。他のカム機構についても同様の動作が行われる。前述したように、図5は左扉2が閉じた状態を示している。左扉2の閉止状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピン23が係止され、カム機構は第1係止位置をとる。第1係止位置では、ガイドピン51はガイド溝52の案内部52aの端部に配置されている。また、補助ガイドピン25は補助ガイド溝11の案内部11aの端部に配置されている。
ガイド溝52の円弧部52cは第1係止位置のヒンジピン23を中心とする円弧上に形成されているので、第1係止位置でヒンジピン23を回動軸として左扉2は閉じる方向に回動することができる。従って、第1係止位置の左扉2を確実に閉じることができる。この時、補助ガイド溝11の案内部11aと補助ガイドピン25とが当接して左扉2の回動を規制しないように、第1係止位置の時にガイドピン25と案内部11aとの間には溝の長手方向及び幅方向の隙間A1、A2が設けられている。
ロックピン24はロック部材16の係合部16bと係合し、アーム部16aの弾性力により左扉2が右扉3(図1参照)の方向に付勢されている。これにより、左扉2と右扉3との間の所定量の隙間を確実に保持するとともに、ヒンジピン23とヒンジ溝9との間の嵌合のための隙間による左扉2の遊動を防止する。従って、カム機構が第1係止位置の状態を保持するとともに左扉2の閉止密閉状態をより確実にしている。
また、前述の図2に示すようにローラー63は第1傾斜面60上に配され、左扉2は自重によって平面的に見て第1傾斜面60の等高線に垂直な方向に力を受ける。これにより、第1傾斜面60は左扉2を自重によって閉じる方向に案内する案内部を構成し、左扉2は閉じる方向及び右扉3の方向に案内される。従って、左扉2の閉止密閉状態を更に確実にすることができる。
把手4(図1参照)を把持して左扉2が開き始めると、左扉2は開成に伴い回動するが、ガイド溝52の案内部52aがガイドピン51と係合するため、第1係止位置のままではヒンジピン23を軸として回動することができない。このため、ヒンジピン23が相対的にヒンジ溝9に案内されるとともにガイドピン51が相対的に案内部52aに案内される。また、補助ガイド溝11の案内部11aに設けられた隙間A2により補助ガイドピン25の相対移動が規制されないようになっている。
これにより、左扉2は回動しながら右扉3から離れる方向(左方向)へスライド移動する。従って、左扉2に設けられたパッキン6は右扉3に設けられたパッキン7から離れ、パッキン6、7の摺動を回避して損傷を防止するとともに、摺動摩擦の低減によって開成の操作力が軽減される。
この時、ローラー63は第1傾斜面60上を転動した後、水平面61上を転動する。これにより、左扉2が上昇して回動する。従って、左扉2は閉止状態が保持され、把手4を引くために大きな操作力が働いた場合にのみ左扉2を開くことができる。
左扉2はカム機構によって回動しながら左方向へスライド移動するため、ローラー63は左扉2の長手方向に対して斜め方向に移動する。ローラー63の回転軸63a及び第1傾斜面60の等高線は左扉2の長手方向に対して斜めに配されているため、ローラー63の移動方向と転がり摩擦の方向とが略一致する。
これにより、ローラー63のすべり摩擦を低減して左扉2を開く際に引っ掛かるようなぎこちない動作を伴う操作力の変動を軽減できる。また、摺動時の異常音を防止して左扉2を円滑に開くことができる。更に、ローラー63や回転軸63aが摺動する部分の摩耗や損傷を低減することができる。尚、左扉2を閉じる場合も同様に操作力変動の軽減及び異常音の防止を図ることができる。ローラー63の回転軸63a及び第1傾斜面60の等高線をローラー63の移動方向に対して略垂直に設けるとすべり摩擦をより低減することができる。
また、ロック部材16のアーム部16aは弾性変形してロックピン24と係合部16bとの係合解除が開始される。この時に把手4を離すと、アーム部16aの弾性力により左扉2は図5の状態に戻る。従って、ロック部材16とロックピン24により自閉機能を有し、左扉2を確実に閉じることができるようになっている。
左扉2が回動しながらスライド移動していくと、図6に示す状態になる。ヒンジピン23はヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2係止位置をとる。また、ボス10の円筒面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始する。
この時、ローラー63は水平面61と第2傾斜面62との境界線上に配される。また、ガイドピン51、補助ガイドピン25はそれぞれガイド溝52及び補助ガイド溝11の案内部52a、11aと逃げ部52b、11bとの交差位置に配される。ガイド溝52及び補助ガイド溝11の逃げ部52b、11bは第2係止位置でのヒンジピン23を中心とする円弧状に形成される。これにより、ガイドピン51及び補助ガイドピン25を相対的に逃がすとともに左扉2の回動を案内し、第2係止位置を確実に保持するようになっている。
更に左扉2を開くと、図7に示す状態になる。ボス10の円筒面10aがリブ19の凹面19aの2箇所で摺動し、ボス10がヒンジ溝9の長手方向に移動できなくなる。これにより、カム機構は第2係止位置の状態を保持し、左扉2が枢支される。リブ19の凹面19aはボス10を案内できればよい。このため、リブ19に替えて例えばヒンジピン23と同心の円弧上に沿って配列された複数のピンや、該円弧上に沿って配される多角形面等によって形成してもよい。
また、ガイド溝52がガイドピン51を相対的に案内してカム機構が第2係止位置を保持しながら左扉2が回動する。補助ガイド溝11の案内部11aには補助ガイドピン25との間に隙間A1、A2(図5参照)が設けられているため、ガイド溝52の逃げ部52bとガイドピン51との係合よりも後に補助ガイド溝11の逃げ部11bと補助ガイドピン25との係合が開始される。
この時、ローラー63が第2傾斜面62上を転動して左扉2が降下した後、左扉2の回動によってローラー63と第2傾斜面62とが離れる。第2係止位置でローラー63はヒンジピン23を中心に回動するため、移動方向と転がり摩擦の方向とが一致しない。
しかしながら、左扉2の開成に伴ってローラー63の端部が本体部1から離れ始めるためローラー63と第2傾斜面62の接触長さが徐々に短くなる。このため、ローラー63のすべり摩擦を抑制し、開閉時の操作力変動や異常音発生が抑制されている。第2傾斜面62と水平面61との境界線上でローラー63の一部が本体部1から離れるように配置するとより望ましい。これにより、早期に第2傾斜面62からローラー63を離すことがでる。
更に左扉2を開くと、図8に示すように、ガイド溝52とガイドピン51との係合が解除される。カム機構は、補助ガイド溝11が補助ガイドピン25を相対的に案内して第2係止位置を保持し、左扉2が回動する。その後、ヒンジピン23とヒンジ溝9とが係合するとともにボス10とリブ19とが摺動して第2係止位置が保持され、左扉2が回動する。
そして、更に左扉2が開放されるとロック部材16の規制部16cがロックカム部材18(図4参照)に形成されたストッパー18eと当接し、左扉2の回動の範囲が規制される。また、以上に説明した図5〜図8に示す動作と逆の動作により左扉2を閉じることができる。
本実施形態によると、左扉2にローラ63を設け、本体部1に第1傾斜面60を設けたので、ローラ63が第1傾斜面60上を転動することによって左扉2が自重により自閉する。これにより、左扉2を確実に閉じることができるとともに、左扉2と右扉3との間の密閉性の向上を図ることができる。また、右扉3を勢いよく閉じても左扉2が閉じた状態を維持する。従って、使用者の意図に反して左扉2が開くことがなく、扉開閉機構を備えた機器の使用性を向上することができる。
また、ヒンジ溝9によりヒンジピン23を案内するとともにガイド溝52によりガイドピン51を案内してカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移動し、第2係止位置でリブ19とボス10とを摺接させるので、左扉2の開成時に第1係止位置から第2係止位置にスライドして第2係止位置で左扉2を枢支するカム機構を容易に実現することができる。
また、ガイドピン51を左扉2の開放側に配し、ヒンジピン23を軸側にすることにより、ガイド溝52によるガイドピン51の案内方向と、左扉2を開く操作力の加わる方向との成す角度がガイドピン51を軸側に配置する場合よりも小さくなる。このため、ガイドピン51とガイド溝52との摺動摩擦が低減され、扉開閉時の操作力を小さくして扉開閉機構の操作性を向上させることができる。
更に、カム機構は左扉2の軸側と開放側とに分けて配置されるため、左扉2の位置決め精度が向上して右扉3との距離が高精度に維持される。これにより、パッキン6、7間の隙間の発生を防止することができ、左扉2と右扉3による密閉状態を安定させることができる。
また、閉じた左扉2の長手方向に対してローラー63の回転軸63a及び第1傾斜面60の等高線を傾斜したので、カム機構が第1、第2係止位置間を移行する際に相対的に斜め方向に移動するローラー63と第1傾斜面60との間のすべり摩擦を低減することができる。従って、扉開閉時に引っ掛かるようなぎこちない動作を伴う操作力の変動を軽減できるとともに摺動時の異常音を防止することができる。更に、ローラー63や回転軸63aが摺動する部分の摩耗や損傷を低減することができる。
本実施形態において左扉2の動作について説明しているが、右扉3についても左扉2と同様のカム機構を有しているので上記と同様の効果を得ることができる。
また、ローラー63を遊嵌して回転軸63a方向に移動可能に形成してもよい。この時、ローラー63の軸方向に移動可能な距離をカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行する際の左扉2や右扉3のスライド移動量よりも大きくする。これにより、ローラー63のすべり摩擦を更に低減することができる。
尚、ローラー63を遊嵌して回転軸63a方向に移動可能に形成するとともに、ローラー63の回転軸63aの方向及び第1、第2傾斜面60、62の等高線の方向を閉止状態の扉の長手方向に略一致させてもよい。これにより、第1、第2傾斜面60、62を容易に加工できるとともに、本体部1の美感を向上させることができる。
次に、図9は第2実施形態の扉開閉機構のカム機構を示す平面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図8に示す第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。同図は左扉2を閉じた状態を示している。本実施形態は扉の昇降させる構成が第1実施形態と異なっている。その他の部分は第1実施形態と同一である。
ローラー63(第1転動体)は左扉2の左右方向の中央部よりも右側の開放側端部に配置される。ローラー63の回転軸63aは左扉2の長手方向に対して斜めに配されている。ローラー63に隣接してローラー64(第2転動体)が設けられる。ローラー64の回転軸64aはカム機構が第2係止位置に配された際のヒンジピン23の中心を通る線上に配される。
第1傾斜面60はローラー63が接して転動可能な位置に設けられ、後方が降下する。第2傾斜面62はローラー64が接して転動可能な位置に設けられ、前方が降下する。水平面61は第1、第2傾斜面60、62の突出側の端部を連結する。また、第1、第2傾斜面60、62はそれぞれ等高線がローラー63、64の回転軸63a、64aに略平行になるように形成されている。
水平面61はローラー63及びローラー64が転動可能になっており、ローラー63と接する前方の端部61aにはアングル(不図示)の上面との間に段差が形成される。また、ローラー64と接する後方の端部61bにはアングルの上面との間に段差が形成される。
次に、図9〜図11を参照して左扉2の開く際の動作を説明する。左扉2の閉止状態ではヒンジ溝9の一端にヒンジピン23が係止され、カム機構は第1係止位置をとる。第1係止位置では、ガイドピン51はガイド溝52の案内部52aの端部に配置されている。また、補助ガイドピン25は補助ガイド溝11の案内部11aの端部に配置されている。
また、ローラー63は第1傾斜面60の奥側の端部に接するように配される。これにより、左扉2はローラー63と第1傾斜面60とが当接することによって弱い力で開くことができなくなっている。従って、右扉3を勢いよく閉じた際に左扉2が開くことを防止することができる。また、ローラー63が第1傾斜面60の奥側の端部よりも後方に配されるため左扉2の閉止密閉状態を確実に維持することができる。
把手4(図1参照)を把持して左扉2が開き始めると、ローラー63が第1傾斜面60上を転動して左扉2が上昇する。この時、ローラー64は本体部1から離れて非接触の状態になる。
ローラー63の回転軸63a及び第1傾斜面60の等高線は左扉2の長手方向に対して斜めに配されているため、ローラー63の移動方向と転がり摩擦の方向とが略一致する。これにより、ローラー63のすべり摩擦を低減して左扉2を開く際に引っ掛かるようなぎこちない動作を伴う操作力の変動を軽減できる。また、摺動時の異常音を防止して左扉2が円滑に開く。更に、ローラー63や回転軸63aが摺動する部分の摩耗や損傷を低減することができる。尚、左扉2を閉じる場合も同様に操作力の変動の軽減及び異常音の防止を図ることができる。ローラー63の回転軸63a及び第1傾斜面60の等高線をローラー63の移動方向に対して略垂直に設けるとすべり摩擦をより低減することができる。
左扉2が回動しながらスライド移動していくと、図10に示す状態になる。ヒンジピン23はヒンジ溝9の他端に係止され、カム機構は第2係止位置をとる。ボス10の円筒面10aがリブ19の凹面19aに沿って摺動を開始する。ガイドピン51、補助ガイドピン25はそれぞれガイド溝52及び補助ガイド溝11の案内部52a、11aと逃げ部52b、11bとの交差位置に配される。
この時、ローラー63は第1傾斜面60と水平面61との境界線上に配される。ローラー64は水平面61の後方の端部61bに略重なる位置に配される。ローラー63が水平面61上に乗って左扉2を持ち上げた状態でローラー64が水平面61と接触を開始するため、ローラー64の転動を円滑に開始させることができる。また、左扉2を閉じる際も同様に、ローラー64が水平面61上に乗って左扉2を持ち上げた状態でローラー63が水平面61と接触を開始するため、ローラー63の転動を円滑に開始させることができる。
更に左扉2を開くと、ローラー63、64が水平面1上を転動する。この時、ローラー64の回転軸64aはヒンジピン23の中心を通る線上に配されているため、ローラー64の移動方向と転がり摩擦の方向とが略一致する。これにより、ローラー64のすべり摩擦を低減して左扉2を開く際に引っ掛かるようなぎこちない動作を伴う操作力の変動を軽減できる。また、摺動時の異常音を防止して左扉2が円滑に開く。更に、ローラー64や回転軸64aが摺動する部分の摩耗や損傷を低減することができる。尚、左扉2を閉じる場合も同様に操作力変動の軽減及び異常音の防止を図ることができる。
尚、ローラー63の移動方向と転がり摩擦の方向とが異なるが、第1傾斜面60前方の水平面61の奥行を小さくしているため操作力の増加や異常音の発生を少なくすることができる。また、ローラー64の回転軸64aはヒンジピン23の中心を通らずに、ヒンジピン23の中心線に近似的に一致するように配されていてもよい。例えば、冷蔵庫1の左右方向に略一致するように回転軸64を配してもよい。これに伴って増加するローラー64のすべり摩擦は微小であるため扉開閉時の影響は少ない。
更に左扉2を開くと、ローラー64が第2傾斜面62上を転動する。ローラー63は水平面61から離れ、本体部1と非接触の状態になる。この時、ローラー64の移動方向と転がり摩擦の方向とが略一致するため、ローラー64のすべり摩擦を低減できる。これにより、左扉2を開く際に引っ掛かるようなぎこちない動作を伴う操作力の変動を軽減できる。また、摺動時の異常音を防止して左扉2が円滑に開く。更に、ローラー64や回転軸64aが摺動する部分の摩耗や損傷を低減することができる。
ローラー64が第2傾斜面62を降下して更に左扉2を開くと、図11に示すように、ガイド溝52とガイドピン51との係合が解除される。カム機構は、補助ガイド溝11が補助ガイドピン25を相対的に案内して第2係止位置を保持して左扉2が回動する。その後、ヒンジピン23とヒンジ溝9とが係合するとともにボス10とリブ9とが摺動して第2係止位置が保持され、左扉2が回動する。
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、カム機構が第1、第2係止位置間を移行する際にローラー63が第1傾斜面60上を転動し、カム機構が第2係止位置に配された際にローラー64が第2傾斜面62上を転動するので、左扉2を閉じる際にローラー64の転動によって左扉2が上昇した後、ローラー63の転動によって左扉2が降下して自重により自閉される。これにより、ローラー63と水平面61の端部61a(水平面61が設けられない場合は第1傾斜面60の端部)との衝突を回避して左扉2を円滑に昇降させることができ、扉開閉機構の操作性を向上することができる。
また、ローラー63が第1傾斜面60上を転動する際にローラー64が本体部1と非接触となるので、ローラー64のすべり摩擦の発生を回避することができる。また、ローラー64が第2傾斜面62上を転動する際にローラー63が本体部1と非接触となるので、ローラー63のすべり摩擦の発生を回避することができる。
また、第1、第2傾斜面60、62の突出側の端部にそれぞれ連続する水平面61を設けたので、左扉2を閉じる際にローラー63の転動を円滑に開始させることができる。また、左扉2を開く際にローラー64の転動を円滑に開始させることができる。第1傾斜面60に連続する水平面と第2傾斜面62に連続する水平面とを分割してもよい。
尚、第2傾斜面62の等高線を第2係止位置のヒンジピン23を中心とする放射状に形成するとより望ましい。これにより、ローラー64のすべり摩擦を更に低減することができる。また、ローラー63は第1傾斜面60上を転動する際に回動とスライド移動を伴うため、転動する間の平均的な移動方向に対して垂直な方向に回転軸63a及び第1傾斜面60の等高線を設けるとよい。
また、左扉2の荷重が大きい場合はローラー63、64をそれぞれ複数個設けてもよい。更に、第1傾斜面60を後方に長く延びて設け、手前側を緩やかに傾斜して奥側を急に傾斜させるとより望ましい。これにより、広い範囲で左扉2が自閉性を有するとともに、閉じた状態を保持するロック性を十分備えることができる。
また、ローラー63、64及び第1、第2傾斜面60、62を左扉2の開放側に設けているが、同様の構成を左扉2の中央部よりも軸側にも追加して設けてもよい。これにより、左扉2の荷重を均等に支えることができ、更に開閉動作を円滑にすることができる。また、ローラー63、64及び第1、第2傾斜面60、62を左扉2の中央部に設けてもよい。これにより、左扉2の荷重を均等に支えることができる。
尚、上記において左扉2の動作について説明しているが、右扉3についても左扉2と同様のカム機構を有しているので上記と同様の効果を得ることができる。
次に、図12は第3実施形態の扉開閉機構のカム機構を示す平面図である。説明の便宜上、前述の図9〜図11に示す第2実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。同図は左扉2のカム機構を第2係止位置に配置した状態を示している。本実施形態はローラー63、64及び第1、第2傾斜面60、62の配置が第2実施形態と異なっている。また、補助ガイドピン25及び補助ガイド溝11が省かれ、ガイドピン51及びガイド溝52の配置が異なっている。その他の部分は第2実施形態と同一である。
ガイド溝52はボス10が形成されるスライドカム部材8に形成され、左扉2の左右方向の中央部よりも軸側に配置されている。ヒンジピン23及びガイドピン51がヒンジ溝9及びガイド溝52に相対的に案内され、カム機構が第1係止位置と第2係止位置との間を移行する。従って、第2実施形態よりも扉開閉機構の部品点数を削減することができる。第1実施形態においても同様にガイドピン51及びガイド溝52を配置してもよい。
ローラー63(第1転動体)は左扉2の左右方向の中央部よりも軸側に配置される。ローラー63の回動軸63aは左扉2の長手方向に対して斜めに配され、カム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行する間にローラー63が移動する方向に対して略垂直になっている。ローラー63に対して左扉2の開放側に隣接してローラー64(第2転動体)が設けられる。ローラー64の回転軸64aはカム機構が第2係止位置に配された際のヒンジピン23の中心を通る線上に配される。
第1傾斜面60はローラー63が接して転動可能な位置に設けられ、後方が降下する。第2傾斜面62はローラー64が接して転動可能な位置に設けられ、前方が降下する。水平面61は第1、第2傾斜面60、62の突出側の端部を連結する。また、第1、第2傾斜面60、62はそれぞれ等高線がローラー63、64の回転軸63a、64aに略平行になるように形成されている。第2傾斜面62の等高線を第2係止位置のヒンジピン23を中心とする放射状に形成するとより望ましい。
水平面61はローラー63及びローラー64が転動可能になっており、ローラー63と接する前方の端部61aにはアングル(不図示)の上面との間に段差が形成される。また、ローラー64と接する後方の端部61bにはアングルの上面との間に段差が形成される。
左扉2の閉止状態でローラー63は第1傾斜面60の奥側の端部に接するように配される。これにより、左扉2はローラー63と第1傾斜面60とが当接することによって弱い力で開くことができなくなっている。従って、右扉3を勢いよく閉じた際に左扉2が開くことを防止することができる。また、ローラー63が第1傾斜面60の奥側の端部よりも後方に配されるため左扉2の閉止密閉状態を確実に維持することができる。
左扉2を開く際にはカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行する。この時、ローラー63が第1傾斜面60上を転動して左扉2が上昇する。また、ローラー64は本体部1から離れて非接触の状態になる。
カム機構が第2係止位置になると図12に示す状態になる。この時、ローラー63は第1傾斜面60と水平面61との境界線上に配される。ローラー64は水平面61の後方の端部61bに略重なる位置に配される。
更に左扉2を開くと、ローラー63、64が水平面1上を転動する。この時、ローラー64の回転軸64aはヒンジピン23の中心を通る線上に配されているため、ローラー64の移動方向と転がり摩擦の方向とが略一致する。これにより、ローラー64のすべり摩擦を低減して左扉2を開く際の操作力の変動を軽減できるとともに、摺動時の異常音を防止することができる。また、左扉2を閉じる場合も同様に操作力変動の軽減及び異常音の防止を図ることができる。
尚、ローラー63の移動方向と転がり摩擦の方向とが異なるが、第1傾斜面60前方の水平面61の奥行を小さくしているため操作力の変動や異常音の発生を少なくすることができる。
更に左扉2を開くと、ローラー64が第2傾斜面62上を転動する。ローラー63は水平面61から離れ、本体部1と非接触の状態になる。この時、ローラー64の移動方向と転がり摩擦の方向とが略一致するため、ローラー64のすべり摩擦を低減できる。これにより、左扉2を開く際の操作力の変動を軽減できるとともに、摺動時の異常音を防止することができる。
ローラー64が第2傾斜面62を降下して更に左扉2を開くと、ガイド溝52とガイドピン51との係合が解除される。その後、ヒンジピン23とヒンジ溝9とが係合するとともにボス10とリブ9とが摺動して第2係止位置が保持され、左扉2が回動する。
本実施形態によると、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、本実施形態において左扉2の動作について説明しているが、右扉3についても左扉2と同様のカム機構を有しているので同様の効果を得ることができる。
第2、第3実施形態において、ローラー63、64を遊嵌して回転軸63a、64a方向に移動可能に形成してもよい。この時、ローラー63、64の軸方向の移動可能な距離をカム機構が第1係止位置から第2係止位置に移行する際の左扉2や右扉3のスライド移動量よりも大きくする。これにより、ローラー63、64のすべり摩擦を更に低減することができる。
また、第1〜第3実施形態において、ヒンジピン23とヒンジ溝9、ガイドピン51とガイド溝52、リブ19とボス10、補助ガイドピン25と補助ガイド溝11のそれぞれの組み合わせにおいて、本体部1側及び扉側の一方と他方に設けられていればいずれに設けてもよい。
また、回転軸を有した円筒状のローラー63、64から成る転動体について説明しているが、回転自在の球体から成る転動体であってもよい。球体は例えばボールペンのボールのように、中心よりも下方まで覆う支持体により表面を支持して回転自在に設けられる。この時、球体は一点で扉を支持するため、重量の比較的少ない扉を用いた場合や球体が当接する面が金属等のように硬い場合に用いるとより望ましい。
本発明は、冷蔵庫の貯蔵室等の開口部の中程を境に両側の扉を開閉する扉開閉機構を有した冷蔵庫等に利用することができる。
本発明の第1実施形態の扉開閉機構を示す上面断面図 本発明の第1実施形態の扉開閉機構の左扉及び右扉の下方を示す上面図 図2のA−A断面図 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の一部を示す正面断面図 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第1実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第2実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図 本発明の第3実施形態の扉開閉機構のカム機構の動作を示す平面図
符号の説明
1 本体部
1a 開口部
2 左扉
3 右扉
4、5 把手
6、7 パッキン
8 スライドカム部材
9 ヒンジ溝
10 ボス
11 補助ガイド溝
16 ロック部材
18 ロックカム部材
19 リブ
23 ヒンジピン
24 ロックピン
25 補助ガイドピン
32 ロックカム組品
47、48 ドアバック
49、50 ドアプレート
51 ガイドピン
52 ガイド溝
53 ガイドカム
60 第1傾斜面
61 水平面
62 第2傾斜面
63、64 ローラー
63a、64a 回転軸

Claims (5)

  1. 機器本体の開口部の中程を境に両側を覆う扉を前記開口部の両端を軸側としてそれぞれ開閉する扉開閉機構において、前記扉の閉成時に第1係止位置をとるとともに、前記扉の開成時に前記扉を開放側から軸側へスライドさせて第2係止位置をとり、前記第2係止位置で前記扉を枢支するカム機構を備え、
    前記扉及び前記機器本体の一方に設けられる転動可能な第1転動体と、他方に設けられるとともに前記第1転動体が接して転動することにより前記扉を自重によって閉じる方向に案内する案内部とを設け、
    前記案内部は前記第1転動体が接して転動することによって前記扉を閉じる際に降下させる第1傾斜面から成り、
    前記第1転動体は前記第1傾斜面上を転動する際に回動とスライド移動を伴い、前記転動する間の平均的な移動方向に対して略垂直な方向に前記第1転動体の回転軸及び前記第1傾斜面の等高線を設け、
    前記扉及び前記機器本体の一方に配されるとともに前記第1転動体に隣接して設けられる転動可能な第2転動体と、他方に配されて前記第2転動体が接して転動することによって前記扉を閉じる際に上昇させる第2傾斜面と、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面の突出側の端部を連結する水平面と、を備え、
    前記カム機構が前記第1係止位置と前記第2係止位置との間を移行する際に前記第1転動体が前記第1傾斜面上を転動し、
    前記カム機構が前記第2係止位置に配された際に前記第2転動体が前記第2傾斜面上を転動し、
    前記第1転動体や前記第2転動体は回転軸方向に移動可能に形成されることを特徴とする扉開閉機構。
  2. 前記カム機構は、前記扉の開成時に前記扉の回動軸となるヒンジピンと、前記扉及び前記機器本体のいずれかに配されるガイドピンと、前記ヒンジピンを案内して両端部で係止することにより前記カム機構が前記第1、第2係止位置をとるヒンジ溝と、前記第1係止位置から前記第2係止位置に前記ガイドピンを案内するガイド溝と、前記ヒンジピンと同軸の円弧上に沿って配されるリブと、前記第2係止位置で前記リブと摺接する円筒面を有したボスとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
  3. 閉止した状態の前記扉の長手方向に対して前記第1転動体の回転軸及び前記第1傾斜面の等高線を傾斜したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  4. 前記カム機構を前記第2係止位置に配した時の前記扉の回動中心を通る線上に、前記第2転動体の回転軸を配したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の扉開閉機構。
  5. 前記第1転動体が前記第1傾斜面上を転動する際に前記第2転動体は前記扉及び前記機器本体の前記第2傾斜面が配される側と非接触となり、前記第2転動体が前記第2傾斜面上を転動する際に前記第1転動体は前記扉及び前記機器本体の前記第1傾斜面が配される側と非接触となることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の扉開閉機構。
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