JP2003003811A - 動弁装置およびこれを備えた内燃機関 - Google Patents

動弁装置およびこれを備えた内燃機関

Info

Publication number
JP2003003811A
JP2003003811A JP2002112232A JP2002112232A JP2003003811A JP 2003003811 A JP2003003811 A JP 2003003811A JP 2002112232 A JP2002112232 A JP 2002112232A JP 2002112232 A JP2002112232 A JP 2002112232A JP 2003003811 A JP2003003811 A JP 2003003811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
valve
shaft
tappet
accelerator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002112232A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4134587B2 (ja
Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2002112232A priority Critical patent/JP4134587B2/ja
Publication of JP2003003811A publication Critical patent/JP2003003811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4134587B2 publication Critical patent/JP4134587B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2305/00Valve arrangements comprising rollers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブを最適制御し、燃費改善等に優れた効
果を発揮する動弁装置およびこれを備えた内燃機関を提
供する。 【解決手段】 動弁装置は、カム高さとカム作用角が連
続的に変化するように形成され、カムシャフト11と一
体回転するとともにその軸方向に相対移動可能に構成さ
れたカム13と、カム13のカム面に押圧されてバルブ
31を進退させるバルブリフタ21とを備える。カム1
3はカムシャフト11の軸方向に傾斜するカム面を有
し、カム13がカムシャフト11の軸方向にスライドす
ることによりバルブリフト量およびバルブ作動角が連続
無段に可変制御される。バルブリフタ21はカムシャフ
ト11の軸方向に延設された腕部を有し、この腕部が揺
動可能に支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車あるい
は自動車などにおける内燃機関において、アクセル開度
に応じてバルブのリフト量および作用角を無段に可変制
御する動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内燃機関において、以前より燃
焼効率の向上を図るべく、種々の工夫あるいは提案等が
なされてきている。バルブの開閉タイミングをずらして
行なう可変位相方式に始まり、カム切換によるバルブリ
フトの可変制御やバルブ休止等が採用されてきた。な
お、このカム切換方式は、低速用と高速用の2つのカム
を用意し、エンジン出力に応じて作用角の小さいものか
ら大きなものに切り換えるというものである。
【0003】さらに最近では可変位相とカム切換の組合
せが出始め、その後作用角およびリフト量を連続可変す
る3次元カムを使用する方式が提案されている。たとえ
ば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追
従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせるこ
とにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがあ
る。
【0004】そして、この従来例ではカム軸自体を移動
させるようにしているため回転およびスライドともスム
ースに動作させる必要がある。その場合、ドリブンスプ
ロケットはスライドさせることができないので、ドリブ
ンスプロケット部に出力の大きな油圧装置を設けてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来例においては上記のように大型の油圧装置が必要に
なることから、装置全体として大柄になるばかりか、位
相を可変にしようとする場合には両方を正確に制御する
ためにそれぞれを別系統化して作動制御しなければなら
ず、コストおよび重量が増大せざるを得なくなる。ま
た、高回転域まで回転させるためには接触角変化追従装
置を軽量化しなければならず、その揺動量も大きくなる
とPV値が高くなり、焼き付き易くなる。そのためリフ
ト変化幅に制限がつき易い構造となり、0〜最大リフト
量の範囲を有効にカバーするのが難しくなる。
【0006】さらに、製作に際して平面円筒研削盤を使
って形成される3次元(立体)カムであるため接触部分
が直線状となり、中間リフトカーブは、最小〜最大リフ
トカーブを直線的につないだカーブとなって、タイミン
グやリフトカーブを自由に選ぶことができない。また、
バルブ休止機構を持たない(取り付け難い)ため、低中
速時におけるスワール、タンブルを生成して流速を高め
ることができない。
【0007】本発明はかかる実情に鑑み、バルブを最適
制御し、燃費改善等に優れた効果を発揮する動弁装置お
よびこれを備えた内燃機関を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の動弁装置は、カ
ム高さとカム作用角が連続的に変化するように形成さ
れ、カムシャフトと一体回転するとともにその軸方向に
相対移動可能に構成されたカムと、前記カムのカム面に
押圧されてバルブを進退させるバルブリフタとを備えた
動弁装置であって、前記カムは前記カムシャフトの軸方
向に傾斜するカム面を有し、前記カムが前記カムシャフ
トの軸方向にスライドすることによりバルブリフト量お
よびバルブ作動角が連続無段に可変制御され、前記バル
ブリフタは前記カムシャフトの軸方向に延設された腕部
を有し、この腕部が揺動可能に支持されることを特徴と
する。
【0009】また、本発明の動弁装置において、前記バ
ルブリフタは前記カムと前記バルブの間に浮動保持され
るとともに、バルブリフタガイドによってバルブステム
軸方向にのみ移動可能にガイドされることを特徴とす
る。
【0010】また、本発明の動弁装置において、前記バ
ルブリフタは前記カムシャフトと平行に配設された揺動
軸によってその一端が軸支され、その他端に形成された
二又状の一方が前記バルブに当接するとともに他方が前
記カムに摺接することを特徴とする。
【0011】また、本発明の動弁装置において、前記バ
ルブリフタの前記腕部の一端に当接可能なストッパ部材
を備え、このストッパ部材がアクセル開度に応じて前記
腕部の一方側の動きを規制することにより、該一方側の
腕部に対応する前記バルブを休止させるようにしたこと
を特徴とする。
【0012】また、本発明の動弁装置において、1気筒
あたり2つの吸気バルブを有し、一方の吸気バルブのバ
ルブスプリングのばね定数が、他方の吸気バルブのバル
ブスプリングのばね定数よりも大きく設定されることを
特徴とする。
【0013】また、本発明の動弁装置において、前記バ
ルブリフタはそのほぼ中央部外周を包囲するとともに、
前記カムの回転に追従する円板状の回転摺動部材を有す
ることを特徴とする。
【0014】また、本発明の動弁装置において、前記回
転摺動部材は、前記腕部と同軸に設けられることを特徴
とする。
【0015】また、本発明の動弁装置において、前記バ
ルブリフタはさらに、前記腕部を一端で揺動自在に軸支
するとともに前記バルブリフタガイドに摺動可能に保持
される基部を有し、この基部の他端に前記回転摺動部材
を軸支することを特徴とする。
【0016】また、本発明の動弁装置において、前記カ
ムシャフトと平行にストッパシャフトが配設されるとと
もに、このストッパシャフトを回動させる駆動装置を備
え、前記ストッパシャフトが回動することにより前記バ
ルブリフタの腕部の一端にストッパ部材が当接し、少な
くとも1本のバルブを休止させるようにしたことを特徴
とする。
【0017】また、本発明の動弁装置において、前記カ
ムシャフトに相対回転可能に前記ストッパ部材を設け、
該ストッパ部材に形成した鍔部に前記ストッパシャフト
を取り付け、該ストッパシャフトを前記カムシャフトの
円周方向に揺動させる駆動装置を有することを特徴とす
る。
【0018】また、本発明の動弁装置において、カムシ
ャフトと平行にかつ平行移動可能にストッパシャフトを
設けるとともに、該ストッパシャフトと一体的にストッ
パ部材を設け、前記バルブリフタの腕部端面に形成した
嵌合凹部に前記ストッパ部材が嵌合することによりバル
ブリフタを揺動させるようにしたことを特徴とする。
【0019】また、本発明の動弁装置において、アクセ
ル開度に応じて駆動されるモータと、該モータの駆動力
を伝達する歯車機構と、該歯車機構により軸方向に移動
可能に軸支され、前記カムシャフトと平行に配置される
とともに前記カムに係合するフォークを備えたシャフト
とを含むカム変位装置を有することを特徴とする。
【0020】また、本発明の動弁装置において、アクセ
ル開度に応じて駆動されるモータと、該モータの駆動力
を伝達する歯車機構と、該歯車機構により軸方向に移動
可能に軸支され、前記カムシャフトの内部に同軸に配置
されるシャフトとを含むカム変位装置を有し、前記カム
が前記シャフトの外周に摺接自在に設けられていること
を特徴とする。
【0021】また、本発明の動弁装置において、アクセ
ル開度に応じて駆動されるモータと、該モータにより軸
方向に移動可能に軸支されるとともに、前記カムを一体
形成したカムシャフトと、該カムシャフトを軸方向に移
動させる歯車機構とを含むカム変位装置を有することを
特徴とする。
【0022】また、本発明の動弁装置において、少なく
とも2つの気筒に対して共通の前記カムシャフトが配置
構成され、各気筒に配設された前記カムが、気筒ごとに
構成された別個のスライド駆動機構によって、前記カム
シャフトに沿ってスライドするようにしたことを特徴と
する。
【0023】また、本発明の動弁装置において、前記ス
ライド駆動機構は、前記カムシャフトと平行に配置され
た共通のスライド駆動軸を持ち、各気筒の前記カムに係
合するフォークが前記スライド駆動軸に沿って独立して
移動することを特徴とする。
【0024】また、本発明の内燃機関は、吸気バルブお
よび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃
機関であって、少なくとも吸気側に上記いずれかの動弁
装置を備えたことを特徴とする。
【0025】また、本発明の内燃機関は、吸気バルブお
よび排気バルブにより吸排気を制御するようにした内燃
機関であって、吸気側および排気側に上記いずれかの動
弁装置を備えたことを特徴とする。
【0026】また、本発明の内燃機関において、吸気側
カムシャフトと排気側カムシャフトの間にアクセルシャ
フトを配置し、このアクセルシャフトに設けたアクセル
フォークを介して、吸気側および排気側のカムを駆動す
ることを特徴とする。
【0027】また、本発明の内燃機関において、前記吸
気側カムシャフト、前記排気側カムシャフトおよび前記
アクセルシャフトは、シリンダヘッドおよびシリンダヘ
ッドカバーの合せ面に合致するように同一平面上に平行
配置されることを特徴とする。
【0028】本発明によれば、この種のエンジンにおい
てアクセル開度に応じてバルブリフト量および作用角を
無段階可変制御する。この場合、吸気量をアイドル回転
域から全開域までコントロールし、エンジン回転数に最
も適した吸気特性を確保することができる。これにより
燃焼効率を有効に高め、燃費や出力を大幅に向上するこ
とができる上、構成が比較的簡単でありながら優れた効
果を発揮し、実質的コストがかからず製造も容易であ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明によ
る好適な実施の形態を説明する。図1は、本発明による
動弁装置を備えたエンジンの要部(シリンダヘッドまわ
り)構成を示している。なお、本発明は自動二輪車ある
いは四輪自動車に搭載される各種のガソリンエンジンに
対して有効に適用可能であり、この実施形態ではたとえ
ば図2に示すように自動二輪車のエンジンを例とする。
【0030】ここで先ず、本実施形態に係る自動二輪車
110の全体構成を説明する。図2において、鋼製ある
いはアルミニウム合金材でなる車体フレーム111の前
部には、ステアリングヘッドパイプ112によって左右
に旋回可能に支持された2本のフロントフォーク113
が設けられる。フロントフォーク113の上端にはハン
ドルバー114が固定され、ハンドルバー114の両端
にグリップ115を有する。フロントフォーク113の
下部には前輪116が回転可能に支持されるとともに、
前輪116の上部を覆うようにフロントフェンダ117
が固定される。前輪116は、前輪116と一体回転す
るブレーキディスク118を有している。
【0031】車体フレーム111の後部には、スイング
アーム119が揺動可能に設けられるとともに、車体フ
レーム111とスイングアーム119の間にリヤショッ
クアブソーバ120が装架される。スイングアーム11
9の後端には後輪121が回転可能に支持され、後輪1
21はチェーン122が巻回されたドリブンスプロケッ
ト123を介して、回転駆動されるようになっている。
【0032】車体フレーム111に搭載されたエンジン
124(実線部)には、エアクリーナ125に結合する吸
気管126から混合気が供給されるとともに、燃焼後の
排気ガスが排気管127を通って排気される。また、エ
ンジン124の上方には、燃料タンク128が搭載さ
れ、燃料タンク128の後方にシート129およびシー
トカウル130が連設される。ここで、エンジン124
のシリンダヘッド2乃至シリンダヘッドカバー2aの所
定部位には、後述するアクセルモータ45が装着され
る。アクセルモータ45はたとえば図示例のように、シ
リンダヘッドカバー2aの上面から突設される。その場
合、燃料タンク128の下部に設けた凹部内にアクセル
モータ45部分が配設されるようになっており、燃料タ
ンク128とシリンダヘッドカバー2aは相互に干渉し
ないように配置される。
【0033】さらに図2において、131はヘッドラン
プ、132はスピードメータ、タコメータあるいは各種
インジケータランプ等を含むメータユニット、133は
ステー134を介してハンドルバー114に支持される
バックミラーである。また、車体フレーム111の下部
にはメインスタンド135が揺動自在に取付けられ、後
輪121を接地させたり地面から浮かせたりできる。車
体フレーム111は、前部に設けたヘッドパイプ112
から後斜め下方へ向けて延設され、エンジン124の下
方を包むように湾曲した後、スイングアーム119の軸
支部であるピボット119aを形成してタンクレールお
よびシートレール(いずれも図示せず)に連結してい
る。この車体フレーム111には、フロントフェンダ1
17との干渉を避けるべく車体フレームと平行にラジエ
ータ136が設けられるとともに、このラジエータ13
6から車体フレーム111に沿って冷却水ホース137
が配設され、排気管127と干渉することなくエンジン
124に連通している。
【0034】また、図3は本発明装置の要部側断面図、
図4は図3のA−A線に沿う断面図である。これらの図
にも示されるように、この実施形態では並列2気筒エン
ジンであって、各気筒ごとに吸気側(IN)および排気
側(EX)にそれぞれ2つのバルブ(つまり4バルブ)
を有している。なお、この実施形態では吸気側に適用し
た例とするが、吸気側および排気側の双方に適用するこ
ともできる。シリンダ内で上下に往復動するピストン1
の上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリンダヘ
ッド2内に動弁装置が収容される。
【0035】動弁装置は、気筒の配列方向に沿って配置
されるカム/カムシャフトユニット10と、カム/カム
シャフトユニット10の下側に配置されるタペットユニ
ット20と、この例では吸気制御するバルブユニット3
0と、アクセル開度に応じてカムを変位させるアクセル
シャフトユニット40と、必要に応じてバルブを休止さ
せるバルブ休止ユニット50とを含んでいる。なお、バ
ルブユニット30については、排気側も同様の構成であ
ってよい。
【0036】カム/カムシャフトユニット10におい
て、カムシャフト11は、ベアリング12(図4)を介
してシリンダヘッド2に回転自在に支持される。カムシ
ャフト11にはその軸方向に後述するカム13がスライ
ド可能に装着されるが、この例ではカムシャフト11は
たとえば3条のボールスプライン11aを有し、そのガ
イドによってボール14を介して直線運動(リニアモー
ション)するようになっている。なお、カムシャフト1
1は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成して
カム13等に注油することができる。
【0037】カムシャフト11の一端にはスプロケット
15が固着している。排気側のカムシャフト11Exの一
端にもスプロケット15Exが固着しており、これらのス
プロケット15,15Exとクランクシャフト(図示せ
ず)の一端に固着するドライブスプロケット16との間
にカムチェーン17が巻回装架される(図5参照)。な
お、図5に示されるようにチェーンガイド18、チェー
ンテンショナ19およびチェーンアジャスタ101等を
含み、これらによりカムチェーン17が適正走行するよ
うになっている。
【0038】ここで、カム13はいわゆる「3次元カ
ム」として構成され、また各気筒に1つのカム13が設
けられる。図6に示されるように長手方向(カムシャフ
ト11の軸方向)に緩やかに傾斜するカム部13aが延
設され、バルブリフト量を連続的に変化させる形状に成
形されている。この場合、カム高さと同時にカム作用角
およびリフトタイミングも変化し、すなわちバルブリフ
ト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、
さらにはバルブのリフトタイミングも変化させ得るよう
に設定されている。図9は、かかるカム13の具体的な
3次元カム構成諸元の例を示している。このようなカム
13をカムシャフト11に沿って移動させることによ
り、吸気バルブのリフト量、作用角およびリフトタイミ
ングを無段階に可変制御することができる。
【0039】タペットユニット20において、タペット
21はその内側にベアリングを収容する収容部を有する
円板状(ドーナッツ状)に形成され、ベアリングとして
のボール22を介してタペット芯材23を保持する。シ
リンダヘッド2の適所にはタペットホルダ24が配置固
定されており、タペット21は、タペットホルダ24内
部に収容されるかたちで浮動保持される。このタペット
ユニット20(タペット21)は、カム13のカム面に
押されてバルブを進退させるバルブリフタとして機能す
る。
【0040】ここで、図7はタペット芯材23の構成例
を示している。タペット芯材23はタペット21ととも
にボール22を収容保持する基部23aと、基部23a
から左右両側へ延びる(カムシャフト方向)腕部23b
と、各腕部23bの端部に設けられ、吸気バルブに当接
するようにした押圧部23cとを含んでいる。1つのタ
ペット21によって押圧部23cを介して、2つのバル
ブを同時に駆動できるようになっている。
【0041】タペット21の外周面は典型的には円弧状
(R状)に形成され、カム13とは点接触するようにな
っている。また、タペット21の内側にタペット芯材2
3の基部23aとの間にボール22を介在させることに
より、自動調芯機能を持つ。タペット芯材23の腕部2
3bは、タペットホルダ24に設けたガイド溝24a
(図3参照)によってガイドされる。このタペットホル
ダ24のガイドにより、タペット21はバルブステムの
軸方向にのみ移動可能になる。
【0042】なお、本実施形態では排気側については、
図1あるいは図8(図3のB−B線断面)に示されるよ
うに平板状のカム13Ex(平面カム)とこれに当接する
接触平面を持つ円板状のタペット21Exを有する。
【0043】バルブユニット30において、それぞれの
バルブステム31aがバルブガイド32によってガイド
される2つの吸気バルブ31を含んでいる。また、各バ
ルブステム31aの端部には、タペット芯材23の押圧
部23cと当接するタペットシム33を有し、バルブリ
テーナ34とスプリングシート35の間にバルブスプリ
ング36が装着される。
【0044】アクセルシャフトユニット40において、
カムシャフト11と平行に配置されたアクセルシャフト
41と、アクセルシャフト41に固着するとともにカム
13に連結するアクセルフォーク42を含んでいる。ア
クセルシャフト41はその軸方向にスライド可能にシリ
ンダヘッド2によって支持され、一端側でネジリスプラ
イン41aを介してドリブンギヤ43(ホイール)と係
合している。ドリブンギヤ43は複列ボールベアリング
44によって回転自在に支持され、アクセルモータ45
の出力軸に固着したドライブギヤ46(ウォーム)と噛
合する。
【0045】アクセルモータ45は、アクセル変化(ア
クセル開度や加速・減速方向など)に対応してその出力
軸が回転し、その回転はドライブギヤ46およびドリブ
ンギヤ43を介して、アクセルシャフト41のスライド
運動に変換される。この例ではアクセルモータ45はシ
リンダ軸線方向に沿って配置され、シリンダヘッドカバ
ー2aによって覆われている。なお、たとえば自動二輪
車の場合にあっては、アクセルグリップの回転操作量を
アクセルモータ45の出力軸の回転量に対応させるよう
にしてもよい。また、アクセルモータ45を駆動する
際、そのときの走行状況(出力)に合うようにコントロ
ーラ(図示せず)によって駆動制御されるようになって
いる。
【0046】アクセルフォーク42は、ベアリング47
を介してカム13の端部に回転自在に装着されたフォー
クガイド48と係合する。これによりアクセルシャフト
41がその軸方向にスライドするのに連動もしくは同期
して、カム13がカムシャフト11に沿ってスライドす
る。
【0047】バルブ休止ユニット50において、2つの
吸気バルブ31の一方を休止させるように構成されたタ
ペットストッパ51(ストッパ部材)と、カムシャフト
11と平行に配置されタペットストッパ51を支持する
回転シャフト52と、回転シャフト52を回転駆動する
駆動装置53とを含んでいる。タペットストッパ51は
概略L字状に形成され、回転シャフト52と一体回転す
るようになっている。駆動装置53は典型的には油圧シ
リンダ装置により構成され、そのピストンロッド53a
が回転シャフト52に固着する揺動アーム54と連結し
ている。
【0048】駆動装置53が回転シャフト52を回転さ
せると、タペットストッパ51がタペット芯材23の腕
部23b(休止すべき吸気バルブ31側)と当接して、
その腕部23b、したがって押圧部23cの動きを規制
する。これにより、一方の吸気バルブ31を「0」リフ
ト状態すなわち休止させることができる。
【0049】バルブ休止ユニット50は特にエンジン低
速回転域において燃焼室内に吸気スワール流を生成させ
るために有効であり、つまりエンジン低速時においては
タペットストッパ51がタペット芯材23の一端側の支
点となり、その他端側の押圧部23cのみが吸気バルブ
31を押し下げ、すなわちリフトさせ、これによりスワ
ール流を生成することができる。
【0050】ここで、カムシャフト11の他端には位相
センサユニット60が設けられている。位相センサユニ
ット60は、カムシャフト11の他端に植設されたピン
61とこのピン61を検出して出力信号を得る位相セン
サ62を含んでいる。
【0051】上記構成において、アクセルグリップ(も
しくはアクセルペダル)を操作するとアクセルモータ4
5が作動し、その出力軸の回転によりアクセルシャフト
41がスライドする。たとえば、エンジン低速時には図
4に示されるようにタペット21はカム13に対して、
カム高さの低い部位に当接している。この状態で加速、
すなわちアクセルを開くと、アクセルモータ45の作動
によりドリブンギヤ43が回転して、アクセルシャフト
41は図中、右方にスライドする。カム13はアクセル
フォーク42を介して、アクセルシャフト41の動きに
連動してカムシャフト13に沿って、同様に図中、右方
にスライドする。なお、このときカム13のスライド量
や速度は、アクセルの開度および開く速さに対応してい
る。カム13のスライドによりタペット21は次第に、
カム高さの高い部位に当接し、これにより図9に示され
るリフト特性に従ってバルブリフト量が増大する。一
方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動
作でバルブリフト量を減少させる。
【0052】ここで、上述した本発明の動弁装置あるい
は内燃機関において特に、まず3次元のカム13をカム
シャフト11上でその軸方向にスライドさせる。これに
よりカム軸部のシリンダヘッド2の幅を狭くすること
で、軽量化およびコンパクト化を図ることができる。ま
た、カムシャフト13の回転軸受(ベアリング12)と
カム13のスライド軸受(ボールスプライン11aおよ
びボール14)を別個にすることで、これら双方をころ
がり軸受で構成したことによりカム13を極めて小さい
力量で円滑に変位させることができる。
【0053】さらに、カム13のスライド機構に加え
て、カムタイミングの変更機構を付加することも可能で
ある。この場合、たとえばスプロケット15まわりに所
謂、連続可変バルブタイミング機構(「VVT機構」等
と呼ばれている)を設けることで、装置の大型化やコス
トアップを伴わずに有効に行なうことができる。カムタ
イミングの変更には、カムシャフト13自体がスライド
しないため、位相センサユニット60を効果的に使用す
ることができる。
【0054】また、上述のようにカム13のスライド軸
受部をボールスプライン11aによるころがり軸受で構
成することで、滑り抵抗の場合に比べてスライド抵抗を
格段に小さくする。これによりアクセルモータ45を小
型化することができ、アクセル可変時の消費電力を小さ
くすることができる。ころがり軸受においては、滑り軸
受の場合よりも軽度の潤滑でも焼き付き難い等の利点が
ある。
【0055】また、1つのアクセルシャフト41に固定
した複数(気筒数分)のアクセルフォーク42を介して
カム13をスライドさせることで、すべてのカム13を
正確に同調させることができ、複数の気筒のバルブを同
調制御することができる。また、気筒ごとに単一のカム
13を設けることにより、カム幅(カムシャフト方向)
を大きく確保することができ、バルブリフトカーブを形
成するカム13の傾斜角度を緩く設定可能となる。これ
によりカム13のスライド荷重を小さくして、この点で
もアクセルモータ45を小型化するとともに、高い精度
のアクセルワークを実現することができる。
【0056】また、アクセルフォーク42とカム13を
ベアリング47を介して回転自在に結合することで、カ
ム13の高回転域まで回転部の焼付きを防止することが
できる。加えて、回転部の回転抵抗を小さくすることで
動弁駆動の際に生じる機械的損失(メカロス)を減少さ
せる。
【0057】また、タペット21の外周接触面を曲面状
に形成し、摺動および回転自在にバルブステム軸方向に
ストローク可能としたことで、カム13とタペット21
をつねに点接触させる。これによりカム13のカム高さ
(バルブリフト量)、作用角およびタイミング等を含む
カム特性を3次元マップ的に形成することができ、エン
ジン回転数およびトルクに最適なリフト特性を設定し、
つまり低中速域でミラーサイクル化を自在に実現するこ
とができる。また、タペット21とカム13あるいはタ
ペットシム33との接触はころがり接触となっており、
常に一点で接触しているわけではないため、耐磨耗性に
優れ、耐久性を大幅に向上させることができる。それに
より、エンジンの高回転化を有効に実現する。
【0058】また、タペット21の中心軸上に自動調芯
機能を持つタペット芯材23を設けるとともに、タペッ
トホルダ24のガイド溝24aによりガイドし、タペッ
ト芯材23の両端の押圧部23cで2つの吸気バルブ3
1をリフト可能にする。単一のタペット21で2つのバ
ルブをリフトすることで、タペット重量を軽くして高回
転化とコンパクト化を図ることができる。この場合、タ
ペット21とカム13あるいはタペットシム33との接
触は、ころがり接触となっているので耐磨耗性に優れ
る。さらに、各吸気バルブ31のバルブステム31aに
はその軸方向以外の荷重もしくは負荷が作用しないの
で、バルブガイド32やタペットガイドの磨耗が僅少に
なり、実質的にバルブステム31aを小径にできるため
高回転、高出力化に有利である。また、自動調芯機構を
ボール22によるころがり軸受で構成したので、飛沫潤
滑でも焼付きなく潤滑し得るため特別な潤滑油の圧送装
置を不要とし、構造を簡素化するとともに耐久性を向上
する。
【0059】また、バルブ休止ユニット50はタペット
ストッパ51によって一方の吸気バルブ31を休止させ
ることができる。このバルブ休止によりエンジンの低中
速回転域において燃焼室内に吸気スワール流あるいはタ
ンブル流を生成し、いわゆるリーンバーン化を可能にす
る。この場合、燃料の注入速度を速くすることで出力ア
ップを図ることができる。
【0060】ここでバルブ休止時には、たとえば図4に
示したように他方の吸気バルブ31側の押圧部23c
は、タペットストッパ51との当接部を支点として押し
下げられる。両方の吸気バルブ31をリフトさせる通常
のバルブリフト量xに対して、バルブ休止時のバルブリ
フト量yとなり、すなわちリフト量は(y/x)倍に増
大する。バルブ休止時には片ポートによる吸気となるか
ら、そのこと自体では吸気抵抗が高くなるが、リフト量
の増加により実効バルブ開口面積は拡大する。これによ
りバルブ休止のON/OFF切替時におけるバルブ開口
面積や吸気抵抗による吸気量の差を実質的になくし、あ
るいは僅少にしてスムースな切替を行なうことができ
る。
【0061】また、アクセルシャフトユニット40にお
いて、アクセルモータ45の出力はアクセルシャフト4
1を介してアクセルフォーク42に伝達される。この出
力の伝達経路において、ドリブンギヤ43およびドライ
ブギヤ46あるいはネジリスプライン41aによる伝達
機構は逆方向の出力伝達、つまり従動のアクセルフォー
ク42側から駆動側への伝達を規制する。これにより特
にアクセル固定時にはアクセルモータ45に電流を流さ
なくとも、アクセルフォーク42したがってカム13を
確実に固定することができ、消費電力を少なくして節電
効果がある。
【0062】さらに、排気バルブ側においてカムシャフ
ト11Exと平行の中心軸を持つ円板状のタペット21Ex
が、バルブステム軸方向にストローク可能にガイドされ
る。かかる構成としたことで、直打式の円筒タペットよ
りも大幅に重量軽減し、高回転化が可能になる。また、
タペット21Exはカム13Exあるいはタペットシム33
ところがり接触するので、耐久性が向上する。この場
合、タペット21Ex外周の接触面以外の部位、すなわち
中心軸付近の肉厚を薄く形成するとよい。これによりタ
ペットガイドとの間の隙間を大きく確保することがで
き、潤滑油を入り易くすることで焼付きを有効に防止す
る上、軽量化を図ることでエンジンの高回転化を有効に
実現する。
【0063】つぎに、本発明による第2の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図10は本発明装置の要部側断面図、図11は図1
0のC−C線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0064】第2の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40と、必要に
応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを
含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同
一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略
化するものとする。
【0065】カム/カムシャフトユニット10におい
て、カムシャフト11は、ベアリング12を介してシリ
ンダヘッド2に回転自在に支持されるが、この例ではシ
リンダヘッド2の外側寄りに配置される。また、すでに
図9に示したような3次元カム構成諸元を有するカム1
3を備え、このカム13がボールスプライン11aを介
してカムシャフト11に沿って直線運動するようになっ
ている。
【0066】タペットユニット20において、この実施
形態では特にスイングアーム式タペット(いわゆるロッ
カーアーム形式)が採用される。すなわち、カム13と
バルブユニット30の間には、スイングアーム25によ
って支持されるタペットローラ26が配置される。ま
た、スイングアーム25の先端には、後述するスイング
アームシャフトと平行に配置され、かつ回転自在に支持
されたタペット27を有する。
【0067】スイングアーム25は、カムシャフト11
と平行配置されたスイングアームシャフト28(揺動
軸)により揺動可能に支持され、各気筒に1つのスイン
グアーム25が設けられる。スイングアーム25は図1
2(図10のD−D線断面)にも示されるように、スイ
ングアームシャフト28に対して嵌合結合し回転自在で
ある。この例ではシリンダヘッド2の一部によってスイ
ングアーム25を位置決め固定するが、スイングアーム
シャフト28の軸方向にスライド力が作用する側にはベ
アリング(ニードル・スラストベアリング)29が装着
される。なお、ベアリング29と反対側にはスラストワ
ッシャ201が装着される。また、スイングアームシャ
フト28は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形
成してタペット27等に注油することができる。
【0068】タペットローラ26は、ボールベアリング
として構成され、その内輪に挿通するピン202を介し
てスイングアーム25によって支持される。ピン202
はスイングアーム25に対して強圧入される。タペット
ローラ26の外周面は典型的には円弧状(曲面状)に形
成され、カム13とは点接触するようになっている。
【0069】タペット27は概略コ字状に形成され、そ
のコ字の両端の押圧部27aで2つのバルブ(タペット
シム33)と当接する。スイングアーム25の先端には
タペット27を支持するための軸部25aが突設されて
おり、軸部25aによって軸支されたタペット27を回
転自在にしている。タペットシム33と当接するタペッ
ト27の先端(押圧部27a)は、円弧状(曲面状)に
形成され、タペットシム33とは点接触する。
【0070】なお、本実施形態では排気側については、
図10あるいは図13(図10のE−E線断面)に示さ
れるように平板状のカム13Ex(平面カム)とこれに当
接する接触平面を持つタペットローラ26Exを有する。
タペットローラ26Exはスイングアーム25によって支
持され、スイングアーム25は、カムシャフト11Ex
平行配置されたスイングアームシャフト28Exにより揺
動可能に支持される。
【0071】バルブユニット30は、実質的に第1の実
施形態の場合と同様の構成である。したがって、各気筒
ごとに吸気(IN)側および排気(EX)側にそれぞれ
2つのバルブ(つまり4バルブ)を有している。
【0072】アクセルシャフトユニット40において、
その基本構成は実質的に第1の実施形態の場合と同様で
ある。カムシャフト11と平行に配置されたアクセルシ
ャフト41と、アクセルシャフト41に固着するととも
にカム13に連結するアクセルフォーク42を含んでい
る。なお、この例ではアクセルシャフト41は、カムシ
ャフト11よりも内側に配置され、それに対応してアク
セルモータ45もシリンダヘッドカバー2aの略中央に
配置される。
【0073】アクセルモータ45は、アクセル変化に対
応してその出力軸が回転し、その回転はドライブギヤ4
6およびドリブンギヤ43を介して、アクセルシャフト
41のスライド運動に変換される。アクセルモータ45
はシリンダ軸線方向に沿って配置され、シリンダヘッド
カバー2aによって覆われている。アクセルフォーク4
2は、ベアリング47を介してカム13の端部に回転自
在に装着されたフォークガイド48と係合する。これに
よりアクセルシャフト41がその軸方向にスライドする
のに連動もしくは同期して、カム13がカムシャフト1
1に沿ってスライドする。
【0074】バルブ休止ユニット50において、2つの
吸気バルブ31の一方を休止させるように構成されたタ
ペットストッパ51と、カムシャフト11と平行に配置
されタペットストッパ51を支持する回転シャフト52
と、回転シャフト52を回転駆動する駆動装置53とを
含んでいる。タペットストッパ51は先端に概略鍵型の
ストッパ部51aが形成され、回転シャフト52と一体
回転するようになっている。駆動装置53は典型的には
油圧シリンダ装置により構成され、そのピストンロッド
53aは、回転シャフト52に固着する揺動アーム54
(バルブ休止レバー)と連結している。
【0075】この実施形態では特に、タペットストッパ
51のストッパ部51aは、図10に示されるようにタ
ペットローラ26の中心軸(ピン202)に関して、カ
ムシャフト11とは反対側に配置される。また、カムシ
ャフト11、アクセルシャフト41および回転シャフト
52は、図10のように一直線上に配置される。このよ
うに直線配置することで、製造、組付けに際して同一合
せ面上に揃え、加工を容易化することができるととも
に、ユニット類を部品のアッセンブリ状態でセット可能
とする。
【0076】駆動装置53が回転シャフト52を回転さ
せると、タペットストッパ51がタペット27の押圧部
27a(休止すべき吸気バルブ31側)の基部と当接し
て、その押圧部27aの動きを規制する。これにより、
一方の吸気バルブ31を「0」リフト状態すなわち休止
させることができる。なお、この場合バルブ休止時のバ
ルブリフト量は図12に示したように、両方の吸気バル
ブ31をリフトさせる通常のバルブリフト量に対して、
(y/x)倍に増大する。
【0077】ここで、カムシャフト11の他端には位相
センサユニット60が設けられている。位相センサユニ
ット60は、カムシャフト11の他端に植設されたピン
61とこのピン61を検出して出力信号を得る位相セン
サ62を含んでいる。
【0078】第2の実施形態による動弁装置において特
に、カム13とバルブユニット30の間には、スイング
アーム25によって支持されるタペットローラ26が配
置される。このようにスイングアーム25によって支持
されるタペットローラ26を介して、カム13からバル
ブユニット30へと力を伝達するロッカーアーム式であ
るため、従来の加工設備、技術をそのまま使うことがで
き実施に際して実現性が高く、製造コスト的にも極めて
有利である。
【0079】この場合タペットローラ26は、内部のボ
ールのころがり抵抗だけで自由に回転するため、接触面
の耐磨耗性を向上させることができる。また、スイング
アーム25あるいはタペットローラ26をカムシャフト
11の軸方向にスライドさせる力に対して、すべてころ
がり摩擦で対抗するので機械的な損失を低減するととも
に、耐久性を向上する。なお、このような機械的損失の
低減効果は、ベアリング29によっても得ることができ
【0080】また、タペットストッパ51のストッパ部
51aをタペットローラ26の中心軸に関して、カムシ
ャフト11とは反対側に配置することにより、タペット
ストッパ51をバルブ休止位置に移動させるとき、どの
位置でもバルブリフトをなくする方向に力が作用するこ
とになる。そして小さな力でタペットストッパ51を突
出させ、リフト戻り時のみにタペットストッパ51が突
出するので、どのタイミングでも突出を開始することが
できる。
【0081】なお、タペットストッパ51が完全に突出
した時点でロックさせるロック機構を使用すれば、リフ
ト時の力をそのロック機構で受けることができ、そのた
めのエネルギが不要になる。また、ロック機構を完全ロ
ックではなく、油圧を上げる等の方法によりロックする
ようにすることで、その油圧でバルブ休止側も多少スト
ロークさせることができ、左右のリフト量を加減するこ
とができ、スワールあるいはタンブル流の量を調整する
ことができる。
【0082】つぎに、本発明による第3の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図14は本発明装置の要部側断面図、図15は図1
4のF−F線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0083】第3の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40と、必要に
応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを
含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同
一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略
化するものとする。
【0084】本実施形態に係るカム/カムシャフトユニ
ット10、バルブユニット30およびアクセルシャフト
ユニット40については、実質的に第1の実施形態の場
合と同様の構成である。なお、アクセルシャフトユニッ
ト40において、アクセルモータ45はシリンダ軸線方
向に対して傾斜配置され、シリンダヘッドカバー2aに
よって覆われている。
【0085】タペットユニット20の基本構成は、実質
的に第1の実施形態の場合と同様の構成であり、タペッ
ト21はタペットホルダ24内部に収容されるかたちで
浮動保持される。また、タペット芯材23は基部23a
と、基部23aから左右両側へ延びる腕部23bと、各
腕部23bの端部に設けられた押圧部23cと、を含ん
でいる。
【0086】特に本実施形態では図15に示されるよう
に、腕部23bは押圧部23cから外側へ突出し、後述
するタペットストッパとの係合部として構成される。な
お、この係合部は、押圧部23cの一部を外側へ突出し
たものであってもよい。
【0087】なお、本実施形態では排気側については、
図14に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0088】バルブ休止ユニット50において、2つの
吸気バルブ31の一方を休止させるように構成されたタ
ペットストッパ51を有する。タペットストッパ51
は、カムシャフト11と同軸に配置されボス55によっ
て回転自在に支持されている。2つのタペットストッパ
51は相互に、シャフト56によって連結固定されてお
り、同期作動するようになっている。駆動装置53はそ
のピストンロッド53aがシャフト56の端部56aに
当接し、シャフト56をカムシャフト11のまわりに回
動させる。なお、シリンダヘッド2には、このシャフト
56の回動を許容させるための開口2bが開設されてい
る。タペットストッパ51はまた、ストッパ部51aを
タペット芯材23側へ回動させる弾機手段としてのリタ
ーンスプリング57により付勢されている。
【0089】タペットストッパ51のストッパ部51a
は概略鍔状に形成され、タペット芯材23における押圧
部23cから外側へ突出した腕部23b(係合部)と係
合するようになっている。ストッパ部51aの形態とし
ては、「鎌」状もしくはC字状のフックの形態を有し、
そのフックの内側で図14のように腕部23bと係合し
て該腕部23bの支点となる。
【0090】本発明装置においてバルブ休止ユニット5
0、とりわけタペットストッパ51が円滑かつ適正に動
作し、その効果を実効あらしめることが重要であるが、
第3の実施形態による動弁装置では特に、複雑な機構も
しくは構成を伴うことなく的確にバルブ休止を行なうよ
うにする。
【0091】すなわち、タペットストッパ51のストッ
パ部51aは、カム位相のどのタイミングからでもタペ
ットシャフト(腕部23b)と係合し、その動きを規制
することができる。常態では、駆動装置53のピストン
ロッド53aが伸長して、シャフト56を介してタペッ
トストッパ51を二点鎖線のようにタペット21から退
避させている。ピストンロッド53aが後退すること
で、リターンスプリング57の弾力によりタペットスト
ッパ51のストッパ部51aは、タペットシャフト(腕
部23bの係合部)の側面に圧接する。このときストッ
パ部51aは、腕部23bの上下ストロークと干渉する
ことなく待機している。腕部23bが上昇すると同時
に、ストッパ部51aはリターンスプリング57の弾力
によって腕部23bと係合し(その一部は腕部23bの
下側に進入する)、これにより休止側のタペットシャフ
トを規制する。
【0092】このようにバルブ休止ユニット50を作動
させると、タペットストッパ51はカムシャフト13の
1回転のなかで必ず、リターンスプリング57の弾力で
自動的にバルブを休止させることができる。この場合、
カムタイミングを正確に検出することなく、しかも最大
でもカム1回転という極めて短時間でバルブ休止動作を
完了する。また、タペットストッパ51をリターンスプ
リング57の弾力で作動させるため、タペットシャフト
に作用する負荷を実質的に小さくし、その磨耗あるいは
破損等を防ぐことができる上、軽量化および高回転化を
有効に実現する。
【0093】つぎに、本発明による第4の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図16は本発明装置の要部側断面図、図17は図1
6のG−G線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0094】第4の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40と、必要に
応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを
含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同
一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略
化するものとする。
【0095】本実施形態に係るカム/カムシャフトユニ
ット10、バルブユニット30およびアクセルシャフト
ユニット40については、実質的に第1の実施形態の場
合と同様の構成である。
【0096】タペットユニット20の基本構成は、実質
的に第1の実施形態の場合と同様の構成であり、タペッ
ト21はタペットホルダ24内部に収容されるかたちで
浮動保持される。また、タペット芯材23は基部23a
と、基部23aから左右両側へ延びる腕部23bと、各
腕部23bの端部に設けられた押圧部23cと、を含ん
でいる。
【0097】特に本実施形態では図17に示されるよう
に、タペット芯材23の押圧部23c(休止すべき吸気
バルブ31側)の外側面に、後述するタペットストッパ
との係合部として構成される嵌合凹部23dを有する。
【0098】なお、本実施形態では排気側については、
図16に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0099】バルブ休止ユニット50において、2つの
吸気バルブ31の一方を休止させるように構成されたタ
ペットストッパ51を有する。タペットストッパ51
は、シリンダヘッド2に形成されたガイド孔2cに内挿
され、カムシャフト11と平行にスライド可能である。
タペットストッパ51の一端にはタペット芯材23の嵌
合凹部23dに係合可能な球状のストッパ部51aを有
し、また他端には後述するフォークが係合するフォーク
ガイド58が取り付けられている。ガイド孔2cには、
ストッパ部51aをタペット芯材23の嵌合凹部23d
側へ付勢するリターンスプリング59が装着されてい
る。
【0100】駆動装置53は、カムシャフト11と平行
に配置され、タペットストッパ51を駆動(後退駆動)
するための駆動シャフト501を進退させる。駆動シャ
フト501にはフォーク502が結合しており、このフ
ォーク502はタペットストッパ51のフォークガイド
58と係合する。2つのタペットストッパ51は相互
に、駆動シャフト501によって連結されており、同期
作動するようになっている。
【0101】第4の実施形態による動弁装置では特に、
バルブ休止ユニット50はタペットストッパ51によっ
て一方の吸気バルブ31を休止させる際、タペット芯材
23の押圧部23cの側面に設けられた嵌合凹部23d
に嵌入する。このように嵌入するタペットストッパ51
を支点として、他方の吸気バルブ31側の押圧部23c
が押し下げられる。この場合、駆動シャフト501を図
17のように伸長させて、タペットストッパ51がリタ
ーンスプリング59の弾力によって嵌合凹部23dに嵌
入し、また駆動シャフト501を引っ込めてタペットス
トッパ51が嵌合凹部23dから離脱する。
【0102】タペットストッパ51は典型的には球状で
あるため、押圧部23cに対する支点として円滑かつ適
正に機能する。かかる球状支点の位置はシリンダヘッド
2の穴加工ピッチの精度で決定されるため、カム軸に対
する精度を出し易くしている。また、バルブ休止ユニッ
ト50の構成を簡素化することで、軽量化を図るととも
に安価にすることができる。タペットストッパ51によ
る支点位置の自由度が高いため、バルブリフト量の比率
(y/x)を比較的自由に設定することができ、たとえ
ばバルブステム31aの中心上に設定することで、y/
x=2とすることが可能である。
【0103】ここで、図18は第4の実施形態における
タペットユニット20の変形例を示している。この例で
はカム13に接触し、アウタレースとインナレースとこ
れらの間に介在するボールを含むタペットローラ203
を有する。このタペットローラ203は、タペットホル
ダ24内部に収容されるかたちで浮動保持される。タペ
ットローラ203のインナレースにホルダ部204が圧
入され、このホルダ部204に軸支されるピン205に
は、ニードルベアリング206を介して天秤状腕部20
7が揺動可能に保持される。
【0104】天秤状腕部207の両端には、タペットシ
ム33と当接する押圧部207aが設けられるととも
に、その外側面にタペットストッパ51との係合部とし
て構成された嵌合凹部207bを有する。タペットホル
ダ24の内部は、タペットローラ203を外形に整合す
る空間として形成されている。また、天秤状腕部207
は、タペットホルダ24のガイド溝24aに対する摺動
部が摺接ガイドされるようになっており(図18、斜線
部参照)、これにより天秤状腕部207の回り止めが構
成される。
【0105】タペットローラ203の中心と同一線上に
ピン205が配置されるため、天秤状腕部207はタペ
ットストッパ51によって規制されていないときには、
カムシャフト11と平行を保ったまま上下動する。ま
た、タペットストッパ51によって規制されているとき
には、嵌合凹部207bを支点として揺動可能となる。
【0106】また、この変形例においてはタペットロー
ラ203および天秤状腕部207ともころがり軸受で構
成しているため、動弁駆動の際の機械的損失や磨耗等を
減少させる。タペットローラ203自体の側面はタペッ
トホルダ24と直接接触しないため、接触抵抗がなくス
ムースに作動し、カム13との接触部の滑りを防止する
ことができ、寿命が向上する。また、ピン205に対し
天秤状腕部207をバルブユニット側にオフセット配置
することができ(図18、c−c断面参照)、タペット
ホルダ24におけるカム13側のガイド部肉厚を厚く確
保可能にし、これによりガイド部の剛性を強化すること
により機械的歪みをなくし、円滑作動を保証することが
できる。
【0107】さらに、自動調芯軸受方式よりも製作が容
易であり、タペットローラ203の径を大きくすること
ができるため寿命を向上するとともに、タペットシム3
3およびカム13間の距離を実質的に短くすることがで
きるのでシリンダヘッド高さを低くし、また部品点数が
少なく組付けを容易化することが可能である。さらに天
秤状腕部207の回り止めが構成されているため、タペ
ット部(押圧部207a)を円板状にしないで済み、軽
量化を測ることができる。
【0108】さらに図19および図20は、第4の実施
形態における別の変形例を示している。図19は本発明
装置の要部側断面図、図20はこの実施形態に係るアク
セルシャフトユニット40まわりを示す図19のH矢視
図である。前述の実施形態ではアクセルシャフトユニッ
ト40におけるアクセルモータ45は、典型的にはシリ
ンダヘッド2のシリンダヘッドカバー2aの上面と直交
して配置(シリンダ軸線方向に沿って配置)されたが、
この例ではシリンダヘッドカバー2aの上面と平行に吸
気(In)側に配置したものである。
【0109】このアクセルシャフトユニット40におい
て、カムシャフト11と平行に配置されたアクセルシャ
フト41と、アクセルシャフト41に固着するとともに
カム13に連結するアクセルフォーク42を含んでい
る。アクセルシャフト41はその軸方向にスライド可能
にシリンダヘッド2(もしくはシリンダヘッドカバー2
a)によって支持され、後述するラック&ピニオン機構
49を介してドリブンギヤ43(たとえば、平歯車であ
ってよい)と係合している。ドリブンギヤ43はシリン
ダヘッド2に回転自在に支持され、アクセルモータ45
の出力軸に固着したドライブギヤ46(平歯車)と噛合
する。
【0110】この例ではドリブンギヤ43およびアクセ
ルモータ45の中心軸は、アクセルシャフト41と直交
して配置される。ラック&ピニオン機構49は、アクセ
ルシャフト41の一部に形成されたラック401とドリ
ブンギヤ43の軸部に形成されたピニオン402を含
む。ラック401は少なくともカム13のスライドスト
ローク分の長さを有するが、アクセルシャフト41と別
体構成のものを付設固定したものであってもよい。ま
た、ピニオン402についても、ドリブンギヤ43と別
体構成のものを付設固定したものでもよい。
【0111】アクセルモータ45の回転はドライブギヤ
46およびドリブンギヤ43を介して、さらにラック&
ピニオン機構49を介して、アクセルシャフト41のス
ライド運動に変換される。そしてアクセルフォーク42
は、ベアリング47を介してカム13の端部に回転自在
に装着されたフォークガイド48と係合しており、これ
によりアクセルシャフト41がその軸方向にスライドす
るのに連動もしくは同期して、カム13がカムシャフト
11に沿ってスライドする。
【0112】この例では特に上述のようにアクセルモー
タ45をシリンダヘッドカバー2aの上面と平行に配置
することにより、アクセルモータ45部分がエンジン上
方へ突出するのを抑制する。このようにエンジンが嵩だ
かになるのを防ぐことで全体としてコンパクト化を図る
ことができる。
【0113】つぎに、本発明による第5の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図21は本発明装置の要部側断面図、図22は図2
1のI−I線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0114】第5の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40と、必要に
応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを
含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同
一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略
化するものとする。
【0115】本実施形態に係るカム/カムシャフトユニ
ット10、バルブユニット30およびアクセルシャフト
ユニット40については、実質的に第1の実施形態の場
合と同様の構成である。
【0116】タペットユニット20において、カム13
に接触するようにピン209に支持されたタペットロー
ラ208を有する。ピン209はカムシャフト11とは
平行に、後述するスライダ210に固定されており、ニ
ードルベアリング211を介してタペットローラ208
を回転自在に支持する。なお、タペットローラ208は
ピン209の軸方向にはスライドしないように、スライ
ダ210の内側に配置される。スライダ210は矩形の
断面形状を持ち、タペットホルダ24に形成されたガイ
ド孔24bにスライド可能に嵌合する(図23(A)、
摺動ガイド:斜線部参照)。ガイド孔24bはバルブス
テムの軸方向に沿って形成されており、これによりタペ
ットローラ208は、スライダ210を介してタペット
ホルダ24内部に収容されるかたちで浮動保持され、バ
ルブステムの軸方向にのみ移動可能となる。
【0117】スライダ210の下部にはピン209と直
交してピン212が軸支され、このピン212にニード
ルベアリング213を介して天秤状腕部214(スイン
グアーム)が揺動可能に保持される。天秤状腕部214
の両端には、タペットシム33と当接する押圧部214
aが設けられるとともに、その外側面にタペットストッ
パ51との係合部として構成された嵌合凹部214bを
有する。
【0118】この例では天秤状腕部214の揺動支点で
あるピン212は、タペットローラ208の中心(ピン
209)に対して下方にオフセットして配置される。こ
のようにオフセットすることにより、天秤状腕部214
は図22に示されるように下方に凸に湾曲した形態とな
っている。天秤状腕部214はタペットストッパ51に
よって規制されていないときには、カムシャフト11と
平行を保ったまま上下動する。また、タペットストッパ
51によって規制されているときには、嵌合凹部214
bを支点として揺動可能となる。
【0119】なお、本実施形態では排気側については、
図21に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0120】バルブ休止ユニット50の基本構成は、実
質的に第4の実施形態の場合と同様の構成であり、2つ
の吸気バルブ31の一方を休止させるように構成された
タペットストッパ51を有する。タペットストッパ51
は、シリンダヘッド2に形成されたガイド孔2cに内挿
され、カムシャフト11と平行にスライド可能である。
タペットストッパ51の一端には天秤状腕部214の嵌
合凹部214bに係合可能な球状のストッパ部51aを
有し、また他端には後述するフォークが係合するフォー
クガイド58が取り付けられている。ガイド孔2cに
は、ストッパ部51aを天秤状腕部214の嵌合凹部2
14b側へ付勢するリターンスプリング59が装着され
ている。
【0121】駆動装置53は、カムシャフト11と平行
に配置され、タペットストッパ51を駆動(後退駆動)
するための駆動シャフト501を進退させる。駆動シャ
フト501にはフォーク502が結合しており、このフ
ォーク502はタペットストッパ51のフォークガイド
58と係合する。2つのタペットストッパ51は相互
に、駆動シャフト501によって連結されており、同期
作動するようになっている。
【0122】第5の実施形態による動弁装置では特に、
上述のように天秤状腕部214は、タペットローラ20
8の中心に対して下方にオフセットして配置されるた
め、シリンダヘッド2の高さを低く抑えることができ
る。また、タペットユニット20においてタペットロー
ラ208および天秤状腕部214ともころ軸受で支持す
るため、コンパクトで負荷容量が大きく、飛沫潤滑でも
適正かつ十分に潤滑することができる。この結果、タペ
ットユニット20をコンパクトかつ軽量で、安価に製作
することができる。
【0123】また、タペットローラ208はカム13と
の接触において転動するだけであるため、磨耗を減少し
て高寿命化を図ることができる。天秤状腕部214の回
転防止手段を特に設けなくとも、それを支持するスライ
ダ210自体がタペットホルダ24のガイド孔24bに
よってスライドガイドされるので、作動時の抵抗が小さ
く、天秤状腕部214およびタペットホルダ24間の磨
耗がなくなる。さらに、タペットローラ208とタペッ
トホルダ24との接触部分をなくすることで、タペット
ローラ208の磨耗を防ぐことができる。
【0124】また、タペットホルダ24に対してタペッ
トローラ208が直接接触せず、スライダ210の外周
部がタペットホルダ24のガイド孔24bと接触するだ
けである。これにより、カム13の傾斜面によりスライ
ダ210に発生するスラスト力のみが摩擦荷重としてタ
ペットホルダ24に作用し、磨耗を減少するとともにタ
ペットローラ208の円滑作動を保証する。また、カム
13の傾斜面からのスラスト力を受けるタペットホルダ
24のガイド長を長くすることで、そのときの荷重によ
る面圧を実質的に低下させることができる。
【0125】つぎに、本発明による第6の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図24は本発明装置の要部側断面図、図25は図2
4のK−K線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0126】第6の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40と、必要に
応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを
含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同
一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略
化するものとする。
【0127】本実施形態に係るタペットユニット20、
バルブユニット30およびバルブ休止ユニット50つい
ては、実質的に第4の実施形態の場合と同様の構成であ
る。
【0128】カム/カムシャフトユニット10におい
て、カムシャフト11は、ベアリング12を介してシリ
ンダヘッド2に回転自在に支持される。カムシャフト1
1にはその軸方向に後述するカム13がスライド可能に
装着されるが、この例ではカムシャフト11はたとえば
3条のボールスプライン11aを有し、そのガイドによ
ってボール14を介してカム13が直線運動するように
なっている。
【0129】特にこの実施形態では、カムシャフト11
は中空構造とし、その中空内部を構成する内孔11bに
は、潤滑油路が形成されるとともに後述するようにアク
セルシャフト41が同軸に内挿する。また、このアクセ
ルシャフト41にはカム13が一体的に結合し、両者が
連動するようになっている。
【0130】なお、本実施形態では排気側については、
図24に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0131】つぎに、アクセルシャフトユニット40に
おいて、カムシャフト11のスプロケット15とは反対
側端部に回転スリーブ403が、ベアリング404を介
してシリンダヘッド2に回転自在に装着されている。回
転スリーブ403の外周にはドリブンギヤ43(ホイー
ル)が設けられ、このドリブンギヤ43にはドライブギ
ヤ46(ウォーム)が噛合する。ドリブンギヤ43は、
アクセルモータ45によって回転駆動されるようになっ
ている。なお、この例ではアクセルモータ45はカムシ
ャフト11に直交し、かつシリンダヘッドカバー2aの
上面と平行に配置される。
【0132】回転スリーブ403の内周にはネジリスプ
ライン403aが形成されており、このネジリスプライ
ン403aと係合するスライダ405が回転スリーブ4
03の内部にスライド可能に装着される。スライダ40
5にはガイドピン406が植設されており、このガイド
ピン406は、カムシャフト11の軸方向に沿って形成
されたガイド溝407と係合する。これによりスライダ
405は、回転スリーブ403の回転によってネジリス
プライン403aを介して、回転することなくカムシャ
フト11の軸方向にスライドすることができる。
【0133】カムシャフト11の内孔11bに内挿され
たアクセルシャフト41の一端は、ベアリング408を
介してスライダ405に支持結合される。これよりアク
セルシャフト41はスライダ405と一体的にスライド
可能である。また、アクセルシャフト41とカム13は
ピン409によって一体的に結合しており、回転もスラ
イドも一体的に行なわれる。ピン409は図26(A)
にも示されるように、アクセルシャフト41およびカム
13を直径方向に貫通し、その両端で抜止めリング41
0により固定される。また、カムシャフト11には、ピ
ン409がスライドするのを許容するための長孔13c
が形成され、その長孔13cは少なくともカム13のス
ライドストローク分の長さを有している。
【0134】なお、カムシャフト11の端部には位相セ
ンサユニット60が設けられている。位相センサユニッ
ト60は、カムシャフト11の端部に植設されたピン6
1とこのピン61を検出して出力信号を得る位相センサ
62を含んでいる。
【0135】上記構成において、アクセルグリップ(も
しくはアクセルペダル)を操作するとアクセルモータ4
5が作動し、アクセルモータ45の作動によりドリブン
ギヤ43、したがって回転スリーブ403が回転する。
これによりアクセルシャフト41はスライダ405によ
り、たとえば図25において右方にスライドする。カム
13はピン409を介して、アクセルシャフト41の動
きに連動してカムシャフト11に沿って、同様に図中、
右方にスライドする。カム13のスライドによりタペッ
ト21は次第に、カム高さの高い部位に当接し、これに
より図9に示されるリフト特性に従ってバルブリフト量
が増大する。
【0136】第6の実施形態による動弁装置では特に、
アクセルシャフト41がカムシャフト11に内挿され、
これらが一体的に構成される。これによりアクセルシャ
フト41をカムシャフト11と別個に配置する必要がな
くなり、その配置スペースを有効に減少させることがで
きる。したがって、シリンダヘッド2の内部空間を小さ
くすることにより、コンパクト化と軽量化を効果的に実
現することができる。
【0137】また、前述の実施形態で説明したアクセル
フォーク42あるいはフォークガイド48等の部材を用
いず、その代わりにピン409あるいは抜止めリング4
10を追加するだけで済むため、構成の簡素化により重
量、コストを大幅に減少することができる。さらに、カ
ム13ごとに必要だったベアリング47に替えて、アク
セルシャフト41の一端にベアリング408一個を設
け、使用するベアリングを省略することで、この点でも
重量、コストを大幅に減少する。また、アクセルシャフ
ト41には軸方向荷重だけで、曲げモーメントが作用し
ないため、そのシャフト径を実質的に細くすることがで
き、軽量化に貢献するとともにメカロスを減少させるこ
とができる。
【0138】また、アクセルシャフト41をスライドさ
せる駆動力発生装置(すなわち、スライダ405)をア
クセルシャフト41と同軸配置したことにより、上記と
同様にコンパクト化と軽量化、コスト低減を図ることが
できる。アクセルシャフト41とカム13、およびカム
シャフト11とカム13の位相固定をピン409によっ
て行なうことで、これらの部材の加工が簡単になり、コ
ストダウンを図ることができる。
【0139】ここで、図27および図28は、第6の実
施形態における変形例を示している。この例の基本構成
は、実質的に第6の実施形態の場合と同様である。すな
わち、カムシャフト11は中空構造とし、その中空内部
を構成する内孔11bには、潤滑油路が形成されるとと
もにアクセルシャフト41が同軸に内挿する。そして、
アクセルシャフト41にはカム13が一体的に結合し、
両者が連動するようになっている。
【0140】特にこの例ではアクセルシャフト41とカ
ム13は、2本のピン409Aおよび409Bによって
一体的に結合している。これらのピン409A,409
Bはカム13の両端部に配置されるとともに、図28に
も示されるように回転ローラ411を介して長孔13c
をスライドするようになっている。また、ピン409
A,409Bは、アクセルシャフト41およびカム13
を直径方向に貫通し、その両端で抜止めリング410に
より固定される。
【0141】また、カム13のスライド軸受部をボール
スプライン11aを用いずに、カム13はカムシャフト
11にスライド自在に嵌合される。なお、アクセルシャ
フト41には潤滑油路となる内孔41bが形成されてい
る。
【0142】アクセルシャフト41とカム13を2本の
ピン409Aおよび409Bによって一体的に結合する
ことで、アクセルシャフト41とカム13、およびカム
シャフト11とカム13をそれぞれ正確に位相固定し、
カム13をカムシャフト11に沿って円滑かつ適正にス
ライドさせることができる。また、ボールスプライン1
1a等を用いないため構成の簡素化により重量、コスト
を大幅に減少することができる。
【0143】つぎに、本発明による第7の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図29は本発明装置の要部側断面図、図30は図2
9のO−O線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0144】第7の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
13を変位させるカムシャフト変位ユニット40Aと、
必要に応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット5
0とを含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本
的に同一のものについては、適宜その説明を省略もしく
は簡略化するものとする。
【0145】カム/カムシャフトユニット10におい
て、カムシャフト11は、ベアリング102(この例で
は2つ割のニードルベアリングとする)を介してシリン
ダヘッド2に回転自在に支持される。カムシャフト11
の一端にボールスプライン11cを有し、カムシャフト
11はボールスプライン11cとボール103を介し
て、スプロケット15に対してスライド可能かつ一体回
転するように結合する。スプロケット15はベアリング
104を介して、シリンダヘッド2に回転自在に支持さ
れる。
【0146】カム13はいわゆる「3次元カム」として
構成され、また各気筒に1つのカム13が設けられる
が、この例ではカムシャフト11と一体形成される。し
たがって、カム13はカムシャフト11に対してスライ
ド変位しない。本実施形態では後述するようにカム13
のカムシャフト11の軸方向変位は、カムシャフト変位
ユニット40Aによって行なわれる。つまりカムシャフ
ト11は、前述の各実施形態に係るアクセルシャフトの
機能を兼備している。したがって、カム13をカムシャ
フト11と共にその軸方向に沿って移動させることによ
り、吸気バルブのリフト量、作用角およびリフトタイミ
ングを無段階に可変制御することができる。
【0147】なお、本実施形態におけるカム13は、図
9に示したような3次元カム構成諸元を有する。このよ
うにカムシャフト11と一体化させたカム13は、専用
のNC加工機を使用して所望の形状に形成することがで
きる。
【0148】タペットユニット20の基本構成は、実質
的に第1あるいは第4の実施形態の場合と同様の構成で
あり、タペット21はタペットホルダ24内部に収容さ
れるかたちで浮動保持される。また、タペット芯材23
は基部23aと、基部23aから左右両側へ延びる腕部
23bと、各腕部23bの端部に設けられた押圧部23
cと、を含んでいる。タペット芯材23の押圧部23c
(休止すべき吸気バルブ31側)の外側面に、タペット
ストッパとの係合部として構成される嵌合凹部23dを
有する。
【0149】この場合、タペット21において、カム1
3と接触する外周部が図30に示されるように幅狭に形
成されている。
【0150】なお、本実施形態では排気側については、
図29に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0151】バルブユニット30の構成は、実質的に第
1の実施形態の場合と同様である。それぞれのバルブス
テム31aがバルブガイド32によってガイドされる2
つの吸気バルブ31を含み、各バルブステム31aの端
部には、タペット芯材23の押圧部23cと当接するタ
ペットシム33を有する。バルブリテーナ34とスプリ
ングシート35の間にバルブスプリング36が装着され
る。
【0152】さて、本実施形態ではカム13を変位させ
るカムシャフト変位ユニット40Aを有している。この
カムシャフト変位ユニット40Aにおいて、カムシャフ
ト11のスプロケット15とは反対側端部にはベアリン
グ413(アンギュラボールベアリングとする)を介し
て、スライダ412が装着されている。このスライダ4
12は、カムシャフト11に対しては相対回転自在であ
るが、ガイドピン414によりカムシャフト11の軸方
向にスライドガイドされる。スライダ412をガイドピ
ン414に沿ってスライドさせることにより、カムシャ
フト11、したがってカム13を変位させることができ
る。
【0153】この例ではアクセルモータ45は、典型的
にはシリンダヘッド2のシリンダヘッドカバー2aの上
面と平行に吸気(In)側に配置される。ドリブンギヤ
43(平歯車)はベアリング415を介して、シリンダ
ヘッド2に回転自在に支持され、アクセルモータ45の
出力軸に固着したドライブギヤ46(平歯車)と噛合す
る。ドリブンギヤ43のボス部内側には、ネジリスプラ
イン416が形成されており、このネジリスプライン4
16と係合するスライダ412が、該ボス部の内部でス
ライド可能になっている。
【0154】バルブ休止ユニット50の構成は、実質的
に第4の実施形態の場合と同様であってよい。この例で
はタペットストッパ51は、シリンダヘッド2のガイド
孔2cに装着されたホルダ503に内挿され、カムシャ
フト11と平行にスライド可能である。タペットストッ
パ51の一端にはタペット芯材23の嵌合凹部23dに
係合可能な球状のストッパ部51aを有し、また他端に
は後述するフォークが係合するフォークガイド58が取
り付けられている。ホルダ503には、ストッパ部51
aをタペット芯材23の嵌合凹部23d側へ付勢するリ
ターンスプリング59が装着されている。
【0155】なお、この実施形態では図30に示される
ように、タペットストッパ51は、第4の実施形態の場
合とは反対方向からタペット芯材23の嵌合凹部23d
に係合するようになっている。
【0156】上記構成において、アクセルモータ45の
作動によりドリブンギヤ43が回転すると、ネジリスプ
ライン416を介してスライダ412がスライドする。
この場合カムシャフト11自体は、スライダ412に対
して回転自在である。カムシャフト11は回転しながら
スライダ412により、たとえば図30において右方に
スライドする。カム13はカムシャフト11と一体に図
中、右方にスライドする。カム13のスライドによりタ
ペット21は次第に、カム高さの高い部位に当接し、こ
れにより図9に示されるリフト特性に従ってバルブリフ
ト量が増大する。
【0157】第7の実施形態による動弁装置では特に、
カム13およびカムシャフト11が一体形成されるとと
もに、カムシャフト11にアクセルシャフトの機能を持
たせることで、極めてコンパクトな構成を実現すること
ができる。
【0158】カムシャフト11の一端側ではスプロケッ
ト15に対してスライド可能とし、また他端側にカムシ
ャフト変位ユニット40Aを配置する。ところで、カム
シャフト11にアクセルシャフトの機能を持たせ、微妙
な制御を行なうにはカム13の3次元マップを細かく設
定する必要があり、その分ストロークが増加する。その
場合スプロケット15の外側に大きな油圧装置が必要に
なり、この油圧装置側が出っ張ってエンジンの左右幅が
大きく相違してしまう。特にエンジンの左右重心バラン
スが重要になる2輪車にあっては、そのことが問題とな
る。本発明ではスプロケット15とは反対側にカムシャ
フト変位ユニット40Aを配置することで、左右幅のバ
ランスのとれたエンジンとすることができる。
【0159】また、スプロケット15側にアクセルシャ
フトユニットが配置されない。これによりカムシャフト
11およびスプロケット15をボールスプライン11c
により回転方向に固定し、スライド可能に構成する。こ
のようにスライド抵抗の小さい構造を配置するスペース
を確保することができる。また、カムシャフト変位ユニ
ット40Aは、カムシャフト11をスライドさせるため
の専用装置として構成することができるため、スライド
および回転抵抗とも格段に小さくすることが可能であ
る。
【0160】また、シリンダヘッド2に対するカムシャ
フト11の軸受をニードルベアリング102とすること
で、スラスト抵抗を極小にして小さな駆動力でカムシャ
フト11をスライド駆動することができる。これにより
油圧装置を用いることなく、モータによってアクセルコ
ントロールを行ない、コストおよび重量の低減を図るこ
とができる。
【0161】また、スライダ412の回転止めとしての
ガイドピン414は、ネジリスプライン416の内径領
域に配置される。このようにアクセルモータ45の回転
をスライドに変換するスライドガイドをスライダ412
の幅内に収納し、エンジン幅を実質的に小さくすること
ができ、この点でもエンジンのコンパクト化を図ること
ができる。
【0162】また、3次元のカム13間の軸受を2つ割
のニードルベアリングまたはローラベアリングとするこ
とで、軸受半径をカム13の最大リフト半径よりも小さ
くする。これによりカム13間の軸受径を小径化し、重
量およびコストを低減する。この場合、2つ割のニード
ルベアリングとしても、カムシャフト11の回転数はエ
ンジン回転数の1/2であるから、2つ割でなくカム山
最大リフト半径が通るベアリングと同等の許容回転数を
保証することができる。
【0163】さらに、ベアリング413をアンギュラボ
ールベアリングとする。3次元のカム13のテーパ部に
より発生するスラスト力はつねに、一方向であるから、
スラスト負荷に強いアンギュラボールベアリングを1つ
採用することで、ベアリングの小型化とエンジン幅の減
少を図ることができる。
【0164】つぎに、本発明による第8の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図31は本発明装置の要部側断面図、図32は図3
1のP−P線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0165】第8の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40と、必要に
応じてバルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを
含んでいる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同
一のものについては、適宜その説明を省略もしくは簡略
化するものとする。
【0166】本実施形態に係るカムシャフトユニット1
0、タペットユニット20、バルブユニット30および
バルブ休止ユニット50については、実質的に第4の実
施形態の場合と同様の構成である。
【0167】なお、本実施形態では排気側については、
図31に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0168】この実施形態では、図32に示されるよう
に2つの気筒に対して共通のカムシャフト11が配置構
成され、各気筒に配設されたカム13A,13Bが、気
筒ごとに構成された別個のスライド駆動機構によって、
カムシャフト11に沿ってスライドするようにしたもの
である。この場合、アクセルシャフトユニット40がス
ライド駆動機構として機能する。
【0169】アクセルシャフトユニット40において、
カムシャフト11と平行に配置されたアクセルシャフト
41と、アクセルシャフト41に固着するとともにカム
13Aに連結するアクセルフォーク42Aと、アクセル
シャフト41に回転およびスライド自在に支持されると
ともにカム13Bに連結するアクセルフォーク42Bと
を含んでいる。アクセルシャフト41はその軸方向にス
ライド可能にシリンダヘッド2によって支持され、一端
側でネジリスプライン41aを介してドリブンギヤ43
と係合している。そして、2つのカム13A,13Bに
対する共通のスライド駆動軸として作用する。
【0170】ドリブンギヤ43は複列ボールベアリング
44によって回転自在に支持され、アクセルモータ45
Aの出力軸に固着したドライブギヤ46と噛合する。一
方、アクセルフォーク42Bは、アクセルシャフト41
の軸方向に配置されたラック417と一体化している。
ラック417はたとえば円筒スリーブ状の一部に、アク
セルモータ45Bの出力軸に固着したドライブギヤ41
8と噛合する歯が形成されていて、アクセルシャフト4
1に回転およびスライド自在に支持される。
【0171】アクセルフォーク42A、したがってカム
13Aは、アクセルモータ45Aの駆動力によってカム
シャフト11に沿ってスライドする。アクセルフォーク
42B、したがってカム13Bは、アクセルモータ45
Bの駆動力によってカムシャフト11に沿ってスライド
する。このように本実施形態では2つの気筒に対して、
それぞれのバルブを別個の駆動系で可変制御するもので
ある。たとえば、カム13Aが配設されている側を常時
爆発気筒とし、カム13Bが配設されている側を休止気
筒とすることで、気筒単位で休止させることができる。
このように言わば、「可変気筒化」を図ることにより必
要とする出力に最適な排気量を確保することができ、燃
焼効率の良い範囲(空燃比、吸気量、点火時期等の燃焼
条件)を使用することで燃費が向上する。
【0172】可変気筒化に加えて、常時爆発気筒におい
ては3次元カムを使って0〜最大リフト量の範囲でバル
ブの可変制御を行なうことで、効率の良い範囲を大幅に
拡大することができる。この場合、3次元カムであるか
ら、無リフトから最大リフトまでの間をスムーズに連続
的に繋げることができ、エンジン出力特性カーブを極め
て滑らかに設定することができる。
【0173】また、2つのカム13A,13Bをスライ
ド駆動するアクセルフォーク42A,Bを、共通のアク
セルシャフト41に沿って移動させるようにしたこと
で、構造の簡素が図られている。これにより軽量化を図
るとともに、コストを低減することができる上、シリン
ダヘッド2まわりをコンパクト化することができる。
【0174】つぎに、本発明による第9の実施形態を説
明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対応
する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明す
る。図33は本発明装置の要部側断面図、図34は図3
3のQ−Q線に沿う断面図である。この実施形態では吸
気側に適用した例とするが、これに加えて排気側に適用
することもできる。また、シリンダ内で上下に往復動す
るピストン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、こ
のシリンダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0175】第9の実施形態による動弁装置は、気筒の
列設方向に沿って配置されるカム/カムシャフトユニッ
ト10と、カム/カムシャフトユニット10の下側に配
置されるタペットユニット20と、この例では吸気制御
するバルブユニット30と、アクセル開度に応じてカム
を変位させるアクセルシャフトユニット40とを含んで
いる。これらのうち第1の実施形態と基本的に同一のも
のについては、適宜その説明を省略もしくは簡略化する
ものとする。
【0176】本実施形態に係るカム/カムシャフトユニ
ット10およびアクセルシャフトユニット40について
は、実質的に第1の実施形態の場合と同様の構成であ
る。また、この実施形態では特に、バルブを休止させる
バルブ休止ユニット50自体は含んでいないが、後述す
るようにバルブユニット30はこれと実質的に同等の機
能を有するように構成されている。
【0177】タペットユニット20の基本構成は、実質
的に第1の実施形態の場合と同様の構成であり、タペッ
ト21はタペットホルダ24内部に収容されるかたちで
浮動保持される。また、タペット芯材23は基部23a
と、基部23aから左右両側へ延びる腕部23bと、各
腕部23bの端部に設けられた押圧部23cと、を含ん
でいる。
【0178】特に本実施形態では図34に示されるよう
に、タペット21の外周面におけるカム13のカム部1
3aとは反対側の非接触部(図34、二点鎖線図示部)
は縮径されている。カム13がタペット21に対して接
触移動する際、この非接触部はカム部13aと接触しな
いため縮径しても差し支えなく、このように縮径するこ
とでタペット21の軽量化を図る。
【0179】また、タペット芯材23は腕部23bの長
手方向に軸中心に沿って、タペット21の素材よりも軽
量な合成樹脂または金属(軽量部23e)が埋設されて
いる。このようにタペット芯材23をタペット21に対
して重量調整することにより、共振するのを防止するこ
とができる。
【0180】なお、本実施形態では排気側については、
図33に示されるように平板状のカム13Ex(平面カ
ム)とこれに当接する接触平面を持つ円板状のタペット
21Exを有する。
【0181】バルブユニット30において、それぞれの
バルブステム31aがバルブガイド32によってガイド
される2つの吸気バルブ31を含んでいる。また、各バ
ルブステム31aの端部には、タペット芯材23の押圧
部23cと当接するタペットシム33を有し、バルブリ
テーナ34とスプリングシート35の間にバルブスプリ
ング36が装着される。
【0182】特に本実施形態では図34に示されるよう
に、一方の吸気バルブ31(右側)のバルブスプリング
36Rのばね定数が、他方の吸気バルブ31(左側)の
バルブスプリング36Lのばね定数よりも小さく設定さ
れる。この場合、たとえば図35のようにバルブリフト
量が小さいほど荷重の差が顕著に現れ、すなわち低速回
転域において左右の吸気バルブ31のバルブリフト量の
差異を大きくすることができる。
【0183】また上記の場合、図36に示されるように
左右の吸気バルブ31により開閉される吸気ポート3L
および3Rは、バルブリフト量が小さい方の吸気バルブ
31(右側)側に偏倚して配置される。このように吸気
ポート3Lおよび3Rをバルブ低リフト側に傾斜配置す
る。
【0184】第9の実施形態による動弁装置において特
に、一方の吸気バルブ31(右側)のバルブスプリング
36Rのばね定数が、他方の吸気バルブ31(左側)の
バルブスプリング36Lのばね定数よりも小さいため左
右の吸気バルブ31のバルブリフト量の差が生じる。し
たがって、エンジン低速回転域において実質的に左側の
吸気バルブ31のみが開き、燃焼室内で旋回流が生成さ
れ、これによりスワール流が生起可能である。
【0185】エンジン回転数が高くなるに従って、バル
ブスプリング36Rおよびバルブスプリング36Lの圧縮
変位が大きくなるのに伴い左右の吸気バルブ31間のバ
ルブリフト量の差が小さくなる(図35)。したがっ
て、最大リフト付近では2つの吸気バルブ31ともバル
ブリフト量が大きくなり、そのときのバルブ開口面積に
応じて大量の吸気量を確保することにより高出力特性が
得られる。
【0186】本実施形態では上述のようにバルブ休止ユ
ニット50を含んでいないため、構成の簡素化を図り、
軽量化および低コスト化を有効に実現することができ
る。さらに、この実施形態では吸気ポート3Lおよび3R
の傾斜配置により、図36の矢印Sで示されるように燃
焼室内での旋回流が生成され、上述したバルブスプリン
グ36Rおよびバルブスプリング36Lのばね定数に基く
旋回流と相俟って強力な旋回流を生成することができ
る。
【0187】また、タペット21の外周面の非接触部を
縮径することで軽量化を図り、高回転化やバルブ開閉速
度の高加速度化を図ることができる。さらに、タペット
芯材23の軽量部23eを設けることで共振を防止し、
エンジンの高速回転域まで円滑かつ正確なバルブ作動を
保証することができる。
【0188】つぎに、本発明による第10の実施形態を
説明する。なお、上述の第1の実施形態と同一または対
応する部材には同一符号を用いて、図面を参照して説明
する。図37は本発明装置の要部側断面図、図38は図
37のT−T線に沿う断面図および図39は図37のU
−U線に沿う断面図である。この実施形態では吸気側お
よび排気側双方に適用した例とし、すなわち吸気側カム
シャフトと排気側カムシャフトの間にアクセルシャフト
を配置し、このアクセルシャフトに設けたアクセルフォ
ークを介して、吸気側および排気側のカムを駆動するも
のである。また、シリンダ内で上下に往復動するピスト
ン1の上部にシリンダヘッド2が配置され、このシリン
ダヘッド2内に動弁装置が収容される。
【0189】第10の実施形態による動弁装置は、まず
吸気側において気筒の列設方向に沿って配置されるカム
/カムシャフトユニット10と、カム/カムシャフトユ
ニット10の下側に配置されるタペットユニット20
と、吸気制御するバルブユニット30と、必要に応じて
バルブを休止させるバルブ休止ユニット50とを含んで
いる。
【0190】また、排気側において、吸気側と実質的に
同様に構成されたカム/カムシャフトユニット10
Exと、カム/カムシャフトユニット10Exの下側に配置
されるタペットユニット20Exと、排気制御するバルブ
ユニット30Exとを含んでいる。カム/カムシャフトユ
ニット10Exのカム13Exは、排気バルブ31Exのバル
ブリフト量、作用角およびリフトタイミングを無段段に
可変制御するように3次元カムとして構成されている。
なお、排気側においてはバルブ休止ユニットは含んでい
ない。
【0191】アクセル開度に応じてカムを変位させるア
クセルシャフトユニット40を含むが、この実施形態で
は吸気側のカム/カムシャフトユニット10と排気側の
カム/カムシャフトユニット10Exの間に配置される。
すなわちアクセルシャフトユニット40は、吸気側およ
び排気側で共用される。
【0192】各ユニットの具体的構成において、たとえ
ば前述した第5の実施形態(図21および図22等)の
ものと実質的に同様であってよく、その説明を適宜省略
もしくは簡略化するものとする。
【0193】第10の実施形態では特に、吸気側のカム
シャフト11、排気側のカムシャフト11Exおよびアク
セルシャフト41は、シリンダヘッド2およびシリンダ
ヘッドカバー2aの合せ面(U−U断面部)に合致する
ように同一平面上に平行配置される。
【0194】タペットユニット20のタペットホルダ2
4は図39に示すように、この例では4つのボルト21
5によってシリンダヘッド2に固定される。この場合、
2つのボルト215に対してアジャスタ216が装着さ
れ、その偏心カムによりタペットホルダ24をカムシャ
フト11(カムシャフト11Ex)の軸方向に位置調整し
得るようになっている。なお、図37あるいは図39に
示されるように、プラグホール4がタペットホルダ24
を貫通するように配置される。
【0195】アクセルシャフトユニット40において、
カムシャフト11およびカムシャフト11Exと平行に配
置されたアクセルシャフト41と、アクセルシャフト4
1に固着するとともにカム13およびカム13Exに連結
するアクセルフォーク42を含んでいる。アクセルシャ
フト41はその軸方向にスライド可能にシリンダヘッド
2によって支持され、一端側でネジリスプライン41a
を介してドリブンギヤ43(ホイール)と係合してい
る。ドリブンギヤ43はシリンダヘッド2に回転自在に
支持され、アクセルモータ45の出力軸に固着したドラ
イブギヤ46(ウォーム)と噛合する。
【0196】アクセルフォーク42は、アクセルシャフ
ト41と直交方向にカムシャフト11およびカムシャフ
ト11Ex側へ延出し、それぞれ二股状の先端部がベアリ
ング47を介して、カム13およびカム13Exの端部に
回転自在に装着されたフォークガイド48と係合する。
これによりアクセルシャフト41がその軸方向にスライ
ドするのに連動もしくは同期して、カム13およびカム
13Exがカムシャフト11およびカムシャフト11Ex
沿ってそれぞれスライドする。
【0197】第10の実施形態による動弁装置において
特に、アクセルモータ45は、アクセル変化(アクセル
開度や加速・減速方向など)に対応してその出力軸が回
転し、その回転はドライブギヤ46およびドリブンギヤ
43を介して、アクセルシャフト41のスライド運動に
変換される。カム13およびカム13Exはアクセルフォ
ーク42を介して、アクセルシャフト41の動きに連動
してカムシャフト13およびカムシャフト11Exに沿っ
てスライドする。
【0198】この実施形態では吸気側に加えて排気側に
おいてもアクセル開度に応じてバルブリフト量および作
用角を無段階可変制御する。このように吸排気量をアイ
ドル回転域から全開域までコントロールし、エンジン回
転数に最も適した吸排気を行なうことができる。この場
合、吸気側のカム/カムシャフトユニット10と排気側
のカム/カムシャフトユニット10Exを単一のアクセル
シャフトユニット40で制御する。吸気側および排気側
を別々に制御する場合に比べて、構成を大幅に簡素化す
るとともに重量を各段に軽量化することができる。ま
た、吸気側および排気側を自動的に同調させ、アクセル
コントロール精度が向上し、出力や排出ガス等のバラツ
キを減少させることが可能になる。
【0199】また、アクセルフォーク42をアクセルシ
ャフト41から吸排気両側へ延出させることで、カム1
3およびカム13Exを移動させる際にこれらのカム13
および13Exから受ける反力を相殺することができる。
これによりアクセルフォーク42やアクセルシャフト4
1に無理な負荷荷重が作用するのを防ぎ、円滑かつ適正
作動を確保する。特にアクセルシャフト41をカムシャ
フト11およびカムシャフト11Exと平行に配置するこ
で、こじれ力等が作用するのを有効に防止することがで
きる。さらに、このように各部材を同一面上に配置構成
することにより組付性を向上する。
【0200】また、タペット21のカム13およびカム
13Exに対するスライド方向の位置をアジャスタ216
によって微調整する。このアジャスタ216によれば、
回転やスライド等を伴わない固定物により調整するた
め、構造が簡単でかつ正確な位置調整を行なうことがで
きる。
【0201】なお、本実施形態を第5の実施形態に適用
するかたちで説明したが、本実施形態は前述したすべて
の実施形態(第1〜第9の実施形態)における吸気側お
よび排気側に対して、上述の場合と同様に適用可能であ
り、いずれの場合の同様な作用効果を得ることができ
る。
【0202】以上、本発明を種々の実施形態とともに説
明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定される
ものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
本発明装置は、複数の主要ユニット(カム/カムシャフ
トユニット10、タペットユニット20、バルブユニッ
ト30、アクセルシャフトユニット40およびバルブ休
止ユニット50)を含んでおり、各実施形態ではそれら
の典型的な組合せの例で説明した。これらの実施形態の
場合の他、各主要ユニットは適宜その組合せ変更が可能
であり、いずれの場合も上記実施形態と同様な作用効果
を得ることができる。
【0203】また、上記実施形態で説明した具体的な数
値例等(たとえば、図9に示される3次元カム構成諸
元)は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更
可能である。また、各実施形態において、2気筒エンジ
ンの場合の例を説明したが、本発明は1気筒または3気
筒以上のエンジンに対しても有効に適用可能である。
【0204】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、こ
の種のエンジンにおいてアクセル開度に応じてバルブリ
フト量、作動角およびリフトタイミングを無段階可変制
御する。この場合、ポペットバルブにて吸気量をアイド
ル回転域から全開域までコントロールするものであっ
て、インテーク通路内にスロットルバルブ等の抵抗とな
る部材がないため、通気抵抗を大幅に減少させるととも
に慣性や脈動効果の効きが良くなり、出力が向上する。
【0205】また、バルブ作用角も無段階に連続可変す
ることで、低開度(低出力)側で作用角を狭くし、排気
側とのオーバラップ量を小さくする。これにより吹抜け
を防止し、排気温度を高めることでシリンダ内の燃焼を
安定化させ、バルブの早閉じを実施することによりポン
ピングロスを低減し、燃焼効率を向上する。また、吸気
バルブが2つ以上の場合、左右のバルブの吸気量に差を
持たせる(最も典型的には片方のバルブを休止する)こ
とにより、スワールあるいはタンブル流を増大し、リー
ンバーンを行なうことで燃費の向上と流入速度の増大に
より出力が向上する。バルブを休止させるためにバルブ
休止ユニットを用い、あるいはバルブスプリングのばね
定数設定により適正かつ正確に行なうことができる。
【0206】また、エンジン出力に合ったバルブリフト
量を設定することで、機械的損失を低減する。ちなみ
に、バルブ休止による効果が最も大きくなる。また、高
開度側ではバルブ作用角を広くすることで、出力を向上
させることができ、低開度側で作用角を狭くした場合に
はポペットバルブに燃料噴射ジェットを当てることによ
り、燃料が霧化したときの吹き抜けを有効に防止する。
さらに、コントローラにより出力に合ったバルブ開度と
なるようにアクセルモータを駆動制御することで、アク
セルレスポンスが向上する。
【0207】さらに、スロットルバルブを廃止すること
ができ、スロットルバルブ付きのスワールコントロール
バルブ等を有するものに対しては、実質的にコストダウ
ンを期待することができる。また、アクセルグリップま
たはアクセルペダルのツイスト量または踏込み量に応じ
てアクチュエータ(モータ、油圧装置等)にてバルブリ
フトを可変にする機構を動作させる。これによりアクセ
ルの変化量に対してそのときの走行条件に応じて任意の
リフト量に制御することができ、燃費、フィーリング、
走行性能等を有効に向上することができる。
【0208】さらに、吸気側に加えて排気側においても
アクセル開度に応じてバルブリフト量および作用角を無
段階可変制御し、吸排気量をアイドル回転域から全開域
までコントロールし、エンジン回転数に最も適した吸排
気を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動弁装置を備えたエンジンの要部
構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の適用例に係る自動二輪車のエンジンを
示す図である。
【図3】本発明の動弁装置の要部側断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】本発明の動弁装置に係るカムシャフトの回転駆
動系を示す図である。
【図6】本発明の動弁装置に係る3次元カムを示す斜視
図である。
【図7】本発明の動弁装置に係るタペット芯材の構成例
を示す図である。
【図8】図3のB−B線断面図である。
【図9】本発明の動弁装置に係るカムの具体的な3次元
カム構成諸元の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における要部側断面
図である。
【図11】図10のC−C線に沿う断面図である。
【図12】図10のD−D線断面図である。
【図13】図10のE−E線断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態における要部側断面
図である。
【図15】図14のF−F線に沿う断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態における要部側断面
図である。
【図17】図16のG−G線に沿う断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態におけるタペットユ
ニットの変形例を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態の別の変形例を示す
要部側断面図である。
【図20】図19のH矢視図である。
【図21】本発明の第5の実施形態における要部側断面
図である。
【図22】図21のI−I線に沿う断面図である。
【図23】本発明の第5の実施形態におけるタペットガ
イド部および図21のJ−J線に沿う断面図である。
【図24】本発明の第6の実施形態における要部側断面
図である。
【図25】図24のK−K線に沿う断面図である。
【図26】図25のL−L線およびM−M線に沿うそれ
ぞれ断面図である。
【図27】第6の実施形態における変形例を示す図であ
る。
【図28】第6の実施形態における変形例に係るピンの
スライドガイド孔を示す平面図および図27のN−N線
に沿う断面図である。
【図29】本発明の第7の実施形態における要部側断面
図である。
【図30】図29のO−O線に沿う断面図である。
【図31】本発明の第8の実施形態における要部側断面
図である。
【図32】図31のP−P線に沿う断面図である。
【図33】本発明の第9の実施形態における要部側断面
図である。
【図34】図33のQ−Q線に沿う断面図である。
【図35】本発明の第9の実施形態におけるバルブスプ
リングのばね定数の関係を示す図である。
【図36】本発明の第9の実施形態における吸気ポート
の配置構成を示す図33のR矢視図である。
【図37】本発明の第10の実施形態における要部側断
面図である。
【図38】図37のT−T線に沿う断面図である。
【図39】図37のU−U線に沿う断面図である。
【図40】本発明の第10の実施形態におけるタペット
ホルダのアジャスタの構成例を示す図39のV−V線に
沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2 シリンダヘッド 10 カム/カムシャフトユニット 11 カムシャフト 12 ベアリング 13 カム 15 スプロケット 16 ドライブスプロケット 17 チェーン 18 チェーンガイド 19 チェーンテンショナ 101 チェーンアジャスタ 20 タペットユニット 21 タペット 22 ボール 23 タペット芯材 24 タペットホルダ 30 バルブユニット 31 吸気バルブ 32 バルブガイド 33 タペットシム 34 タペットリテーナ 35 スプリングシート 36 バルブスプリング 40 アクセルシャフトユニット 41 アクセルシャフト 42 アクセルフォーク 43 ドリブンギヤ 44 ボールベアリング 45 アクセルモータ 46 ドライブギヤ 50 バルブ休止ユニット 51 タペットストッパ 52 回転シャフト 53 駆動装置 54 揺動アーム 60 位相センサユニット 61 ピン 62 位相センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01L 1/04 F01L 1/04 D 1/12 1/12 D 1/14 1/14 E G 3/10 3/10 A F02D 13/02 F02D 13/02 G F02F 1/24 F02F 1/24 F Fターム(参考) 3G016 AA08 AA19 BA03 BA06 BA19 BA23 BA28 BA30 BA33 BA34 BA36 BA42 BA43 BA47 BA50 BB03 BB04 BB06 BB07 CA07 CA10 CA11 CA12 CA14 CA16 CA21 CA22 CA25 CA27 CA29 CA34 CA41 CA45 DA01 DA16 DA23 GA01 GA02 GA09 3G018 AA05 AA15 AB07 AB17 BA04 BA24 CA09 CA13 DA03 DA17 DA18 DA24 DA29 DA30 DA68 DA84 DA85 FA06 FA11 GA02 GA03 GA06 GA07 GA14 3G024 AA18 DA01 DA06 DA10 EA04 FA00 3G092 AA01 AA11 AA13 AC04 DA01 DA02 DA04 DA11 DA14 EA02 EA11 EA13 FA02 FA11 FA13 FA25

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カム高さとカム作用角が連続的に変化す
    るように形成され、カムシャフトと一体回転するととも
    にその軸方向に相対移動可能に構成されたカムと、前記
    カムのカム面に押圧されてバルブを進退させるバルブリ
    フタとを備えた動弁装置であって、 前記カムは前記カムシャフトの軸方向に傾斜するカム面
    を有し、前記カムが前記カムシャフトの軸方向にスライ
    ドすることによりバルブリフト量およびバルブ作動角が
    連続無段に可変制御され、 前記バルブリフタは前記カムシャフトの軸方向に延設さ
    れた腕部を有し、この腕部が揺動可能に支持されること
    を特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブリフタは前記カムと前記バル
    ブの間に浮動保持されるとともに、バルブリフタガイド
    によってバルブステム軸方向にのみ移動可能にガイドさ
    れることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁
    装置。
  3. 【請求項3】 前記バルブリフタは前記カムシャフトと
    平行に配設された揺動軸によってその一端が軸支され、
    その他端に形成された二又状の一方が前記バルブに当接
    するとともに他方が前記カムに摺接することを特徴とす
    る請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記バルブリフタの前記腕部の一端に当
    接可能なストッパ部材を備え、このストッパ部材がアク
    セル開度に応じて前記腕部の一方側の動きを規制するこ
    とにより、該一方側の腕部に対応する前記バルブを休止
    させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 【請求項5】 1気筒あたり2つの吸気バルブを有し、
    一方の吸気バルブのバルブスプリングのばね定数が、他
    方の吸気バルブのバルブスプリングのばね定数よりも大
    きく設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  6. 【請求項6】 前記バルブリフタはそのほぼ中央部外周
    を包囲するとともに、前記カムの回転に追従する円板状
    の回転摺動部材を有することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。
  7. 【請求項7】 前記回転摺動部材は、前記腕部と同軸に
    設けられることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関
    の動弁装置。
  8. 【請求項8】 前記バルブリフタはさらに、前記腕部を
    一端で揺動自在に軸支するとともに前記バルブリフタガ
    イドに摺動可能に保持される基部を有し、この基部の他
    端に前記回転摺動部材を軸支することを特徴とする請求
    項6に記載の内燃機関の動弁装置。
  9. 【請求項9】 前記カムシャフトと平行にストッパシャ
    フトが配設されるとともに、このストッパシャフトを回
    動させる駆動装置を備え、前記ストッパシャフトが回動
    することにより前記バルブリフタの腕部の一端にストッ
    パ部材が当接し、少なくとも1本のバルブを休止させる
    ようにしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の動弁装置。
  10. 【請求項10】 前記カムシャフトに相対回転可能に前
    記ストッパ部材を設け、該ストッパ部材に形成した鍔部
    に前記ストッパシャフトを取り付け、該ストッパシャフ
    トを前記カムシャフトの円周方向に揺動させる駆動装置
    を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の動弁装置。
  11. 【請求項11】 カムシャフトと平行にかつ平行移動可
    能にストッパシャフトを設けるとともに、該ストッパシ
    ャフトと一体的にストッパ部材を設け、前記バルブリフ
    タの腕部端面に形成した嵌合凹部に前記ストッパ部材が
    嵌合することによりバルブリフタを揺動させるようにし
    たことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の動弁装置。
  12. 【請求項12】 アクセル開度に応じて駆動されるモー
    タと、該モータの駆動力を伝達する歯車機構と、該歯車
    機構により軸方向に移動可能に軸支され、前記カムシャ
    フトと平行に配置されるとともに前記カムに係合するフ
    ォークを備えたシャフトとを含むカム変位装置を有する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の動弁装置。
  13. 【請求項13】 アクセル開度に応じて駆動されるモー
    タと、該モータの駆動力を伝達する歯車機構と、該歯車
    機構により軸方向に移動可能に軸支され、前記カムシャ
    フトの内部に同軸に配置されるシャフトとを含むカム変
    位装置を有し、前記カムが前記シャフトの外周に摺接自
    在に設けられていることを特徴とする請求項1〜11の
    いずれか1項に記載の動弁装置。
  14. 【請求項14】 アクセル開度に応じて駆動されるモー
    タと、該モータにより軸方向に移動可能に軸支されると
    ともに、前記カムを一体形成したカムシャフトと、該カ
    ムシャフトを軸方向に移動させる歯車機構とを含むカム
    変位装置を有することを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれか1項に記載の動弁装置。
  15. 【請求項15】 少なくとも2つの気筒に対して共通の
    前記カムシャフトが配置構成され、各気筒に配設された
    前記カムが、気筒ごとに構成された別個のスライド駆動
    機構によって、前記カムシャフトに沿ってスライドする
    ようにしたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか
    1項に記載の動弁装置。
  16. 【請求項16】 前記スライド駆動機構は、前記カムシ
    ャフトと平行に配置された共通のスライド駆動軸を持
    ち、各気筒の前記カムに係合するフォークが前記スライ
    ド駆動軸に沿って独立して移動することを特徴とする請
    求項15に記載の動弁装置。
  17. 【請求項17】 吸気バルブおよび排気バルブにより吸
    排気を制御するようにした内燃機関であって、 少なくとも吸気側に請求項1〜16のいずれか1項に記
    載の動弁装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
  18. 【請求項18】 吸気バルブおよび排気バルブにより吸
    排気を制御するようにした内燃機関であって、 吸気側および排気側に請求項1〜16のいずれか1項に
    記載の動弁装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
  19. 【請求項19】 吸気側カムシャフトと排気側カムシャ
    フトの間にアクセルシャフトを配置し、このアクセルシ
    ャフトに設けたアクセルフォークを介して、吸気側およ
    び排気側のカムを駆動することを特徴とする請求項18
    に記載の内燃機関。
  20. 【請求項20】 前記吸気側カムシャフト、前記排気側
    カムシャフトおよび前記アクセルシャフトは、シリンダ
    ヘッドおよびシリンダヘッドカバーの合せ面に合致する
    ように同一平面上に平行配置されることを特徴とする請
    求項19に記載の内燃機関。
JP2002112232A 2001-04-16 2002-04-15 動弁装置およびこれを備えた内燃機関 Expired - Fee Related JP4134587B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002112232A JP4134587B2 (ja) 2001-04-16 2002-04-15 動弁装置およびこれを備えた内燃機関

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001116645 2001-04-16
JP2001-116645 2001-04-16
JP2002112232A JP4134587B2 (ja) 2001-04-16 2002-04-15 動弁装置およびこれを備えた内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003003811A true JP2003003811A (ja) 2003-01-08
JP4134587B2 JP4134587B2 (ja) 2008-08-20

Family

ID=26613629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002112232A Expired - Fee Related JP4134587B2 (ja) 2001-04-16 2002-04-15 動弁装置およびこれを備えた内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4134587B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6863038B2 (en) 2002-12-27 2005-03-08 Suzuki Motor Corporation Valve driving apparatus and internal combustion engine including the same
US6968819B2 (en) 2004-01-09 2005-11-29 Honda Motor Co., Ltd. Variable valve actuating device
US7128033B2 (en) 2002-12-24 2006-10-31 Suzuki Motor Corporation Valve driving apparatus and internal combustion engine including the same
JP2008051090A (ja) * 2006-07-25 2008-03-06 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置
CN100379950C (zh) * 2003-09-03 2008-04-09 本田技研工业株式会社 多气缸发动机的气门装置
KR100891421B1 (ko) 2007-07-04 2009-04-02 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 내연 기관의 가변 밸브 구동 장치
JP2009167807A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Jtekt Corp カムシャフト装置
DE102009019979A1 (de) 2008-05-12 2009-12-03 Honda Motor Co., Ltd. Triebwerk für ein Fahrzeug
WO2010097295A1 (de) * 2009-02-26 2010-09-02 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Ventiltrieb einer brennkraftmaschine mit einer verstelleinrichtung
JP2011102566A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Suzuki Motor Corp 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP2011149395A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の可変動弁装置
US8584632B2 (en) 2011-05-16 2013-11-19 Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr Valve train for internal combustion engines for actuating gas exchange valves
JP2013234576A (ja) * 2012-05-07 2013-11-21 Suzuki Motor Corp 内燃機関のカム角センサの取付構造
US8607750B2 (en) 2011-05-16 2013-12-17 Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr Device for varying the charge-changing valve lift in an internal combustion engine
US8904977B2 (en) 2011-07-27 2014-12-09 Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr Valve drive for internal combustion engines for actuating gas exchange valves
JP2016011664A (ja) * 2015-08-21 2016-01-21 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7128033B2 (en) 2002-12-24 2006-10-31 Suzuki Motor Corporation Valve driving apparatus and internal combustion engine including the same
US6863038B2 (en) 2002-12-27 2005-03-08 Suzuki Motor Corporation Valve driving apparatus and internal combustion engine including the same
CN100379950C (zh) * 2003-09-03 2008-04-09 本田技研工业株式会社 多气缸发动机的气门装置
US6968819B2 (en) 2004-01-09 2005-11-29 Honda Motor Co., Ltd. Variable valve actuating device
JP2008051090A (ja) * 2006-07-25 2008-03-06 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置
US7770550B2 (en) 2007-07-04 2010-08-10 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Variable valve train for an internal combustion engine
KR100891421B1 (ko) 2007-07-04 2009-04-02 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 내연 기관의 가변 밸브 구동 장치
DE102008014080B4 (de) * 2007-07-04 2013-12-24 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Variabler Ventiltrieb für einen Verbrennungsmotor
JP2009167807A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Jtekt Corp カムシャフト装置
DE102009019979A1 (de) 2008-05-12 2009-12-03 Honda Motor Co., Ltd. Triebwerk für ein Fahrzeug
DE102009019979B4 (de) * 2008-05-12 2021-07-01 Honda Motor Co., Ltd. Triebwerk für ein Fahrzeug
US8245674B2 (en) 2008-05-12 2012-08-21 Honda Motor Co., Ltd. Power unit for vehicle
WO2010097295A1 (de) * 2009-02-26 2010-09-02 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Ventiltrieb einer brennkraftmaschine mit einer verstelleinrichtung
US8757117B2 (en) 2009-02-26 2014-06-24 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Valve drive of an internal combustion engine having an adjustment device
JP2011102566A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Suzuki Motor Corp 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP2011149395A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の可変動弁装置
US8607750B2 (en) 2011-05-16 2013-12-17 Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr Device for varying the charge-changing valve lift in an internal combustion engine
US8584632B2 (en) 2011-05-16 2013-11-19 Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr Valve train for internal combustion engines for actuating gas exchange valves
US8904977B2 (en) 2011-07-27 2014-12-09 Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr Valve drive for internal combustion engines for actuating gas exchange valves
JP2013234576A (ja) * 2012-05-07 2013-11-21 Suzuki Motor Corp 内燃機関のカム角センサの取付構造
JP2016011664A (ja) * 2015-08-21 2016-01-21 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP4134587B2 (ja) 2008-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7469669B2 (en) Variable valve train mechanism of internal combustion engine
JP2003003811A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2890236B2 (ja) 内燃機関の動弁制御装置
JPH0941924A (ja) 動力伝達機構及び動力伝達機構付き可変動弁機構
JP2003201814A (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
US6857408B2 (en) Internal combustion engine provided with decompressing mechanism
JP4089431B2 (ja) 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JPH07133708A (ja) 内燃機関の動弁装置におけるカム切替機構
JP2003003812A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2003301704A (ja) デコンプ手段を備える内燃機関
WO2002081872A1 (en) Variable valve timing system
JP3094762B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4016617B2 (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2005048674A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2008025487A (ja) 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP2004084566A (ja) 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP2004225622A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JPH0941923A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP2003314233A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2004124794A (ja) 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP4285340B2 (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2002364319A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2003161127A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP2006070840A (ja) 動弁装置およびこれを備えた内燃機関
JP3143272B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080520

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4134587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140613

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees