JP2003003157A - 保冷材 - Google Patents

保冷材

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JP2003003157A
JP2003003157A JP2001190996A JP2001190996A JP2003003157A JP 2003003157 A JP2003003157 A JP 2003003157A JP 2001190996 A JP2001190996 A JP 2001190996A JP 2001190996 A JP2001190996 A JP 2001190996A JP 2003003157 A JP2003003157 A JP 2003003157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、使用環境の温度よりも低温に冷却さ
れた物を低温の状態に維持し、また使用環境の温度より
も低い温度に冷却し得る保冷材を提供することである。 【解決手段】硬化物の5℃における引張り弾性率が10
00MPa〜1MPaであるラジカル重合型熱硬化樹脂
を水中に混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されて
なるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、補強材の存在
下に硬化させた硬化樹脂粒子集合体からなり微細な連続
気孔を有する多孔質硬化物からなる保冷材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な連続気孔を
有する多孔質硬化物からなる保冷材に関する。更に詳し
くは、本発明は、ラジカル重合型熱硬化性樹脂の水性分
散体を硬化させた硬化樹脂粒子集合体からり、微細な連
続気孔を有する多孔質硬化物からなる保冷材に関する。
本発明の保冷材は、低い温度に冷却された物質を低温の
状態に維持することができ、また物質をその周囲温度
(物質の置かれた環境温度)よりも低い温度に冷やすこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】一般に物を冷やすには、冷やされる物を
冷水に浸したり、氷と接触させたり、冷気雰囲気下に収
容したり、または冷蔵庫に収納したりして冷却される。
このようにして冷却された物は使用される環境の温度に
放置しておくと時間の経過とともにその環境温度に温ま
ってくる。例えば、ビールや清涼飲料水などは、冷えた
状態で飲食すると喉ごし感がよく美味しく飲食すること
ができる。しかし冷やしたビールや清涼飲料水の瓶や缶
をテーブル等に置いておくと時間の経過とともに温まっ
てしまい冷えた状態で美味しく飲食することができな
い。冷却された物を冷やされた状態に維持しようとする
には、例えば、空気層を多く含有する独立気泡発泡体シ
ートなどの断熱材により被覆し外気と断熱することによ
り保冷する方法がある。しかしながら、このような断熱
材による保冷方法は、冷却された物質が周囲の温度に温
まる時間を遅延することはできるが、やはり時間の経過
とともに周囲温度まで温まってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、使用環境の温度よりも低温に冷却された物質を低温
の状態に維持し、また使用環境の温度よりも低い温度に
冷却し得る保冷材を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成し得る方法や保冷材について種々検討を重ね、古
くから素焼きの容器や皮袋に入れた水は周囲の温度より
も冷たくなるという現象に鑑み、本発明者が先に見出し
たラジカル重合型熱硬化性樹脂の水性分散体を硬化させ
た硬化樹脂粒子集合体からなる多孔質硬化物は微細な連
続気孔を有する硬化物であり、素焼きや皮袋と同様な作
用効果を有する。このような多孔質硬化物を保冷材とし
て使用するには、例えばシート状の多孔質硬化物からな
る保冷材を冷却された物に接して被覆されるので少なく
とも保冷材として使用される温度、すなわち低温におい
て、該多孔質硬化物が柔軟性を有することが必要であ
る。そこで、これらを検討し低温における硬化物の引張
り弾性率が1000MPa以下を示すラジカル重合型熱
硬化性樹脂の水性分散体を使用した多孔質硬化物は適度
の柔軟性を示し、適度な水分透過性と多孔質に伴う広い
表面積により、水の蒸発熱による冷却効果にすぐれてお
り、保冷材として有効であることを見出し、これに基づ
き本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)硬化物の5℃
における引張り弾性率が1000MPa〜1MPaであ
るラジカル重合型熱硬化樹脂を水中に混合し、水相中に
樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型熱硬化性樹脂
水性分散体を、補強材の存在下に硬化させた硬化樹脂粒
子集合体からなり微細な連続気孔を有する多孔質硬化物
からなる保冷材に関する。
【0006】(2)硬化物の5℃における引張り弾性率
が1000MPa〜1MPaであるラジカル重合型熱硬
化樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)
アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂
から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合型熱硬化性
樹脂であることを特徴とする上記(1)記載の保冷材に
関する。
【0007】また、(3)硬化物の5℃における引張り
弾性率が1000MPa〜1MPaであるラジカル重合
型熱硬化樹脂は、不飽和ポリエステル、エポキシ(メ
タ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレート
1000g中に不飽和基を2.0モル〜0.2モル含有
することを特徴とする上記(1)または(2)記載の保
冷材に関する。
【0008】また、(4)ラジカル重合型熱硬化樹脂
が、抗菌性および/または防黴性を有する樹脂であるこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
保冷材に関する。
【0009】(5)微細な連続気孔を有する多孔質硬化
物が、シート状、筒状または袋状であることを特徴とす
る上記(1)〜(4)のいずれかに記載の保冷材に関す
る。
【0010】(6)微細な連続気孔を有する多孔質硬化
物表面に印刷が施されていることを特徴とする上記
(1)〜(5)のいずれかに記載の保冷材に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ラジカル重合型熱硬化
性樹脂硬化物の5℃における引張り弾性率が1000M
Pa〜1MPaであるラジカル重合型熱硬化性樹脂の水
性分散体を、補強材の存在下に硬化させた硬化樹脂粒子
集合体からり、微細な連続気孔を有する多孔質硬化物か
らなる保冷材に関する。本発明の保冷材は、適度な水分
透過性を有しており多孔質に伴う広い表面積により水の
蒸発熱による冷却効果に優れており、低い温度に冷却さ
れた物質を低温の状態に維持することができ、また、物
質をその周囲温度よりも低い温度に冷やすことができ
る。
【0012】本発明のラジカル重合型熱硬化性樹脂水性
分散体は、水相中に樹脂粒子が均一に分散してなるO/
W型水性分散体であり、該水性分散体を硬化させて得ら
れる多孔質硬化物は、球状の微粒子の硬化樹脂粒子が接
触した状態で結合した硬化樹脂粒子の集合体であり、高
い機械的強度が得られ難い反面、変形に対して自由度が
高いことに着目し、ラジカル重合型熱硬化性樹脂として
比較的軟質の樹脂を使用することにより、皮革と同程度
の柔軟性を有する多孔質硬化物が得られると考えられ、
種々検討を加えた結果、保冷材として使用する際の一般
的な保冷対象物の温度として考えられる温度である5℃
における硬化物の引張り弾性率が1000MPa〜1M
Paであるラジカル重合型熱硬化性樹脂を使用すること
により、皮革と同程度の柔軟性のある多孔質硬化物を得
ることができた。
【0013】また、硬化物の5℃における引張り弾性率
が上記範囲にあるラジカル重合型熱硬化性樹脂を用いた
場合、柔軟性は優れているが強度が十分でなく、耐久性
に乏しい。そこで比較的柔軟性を有する有機繊維不織布
や有機繊維織物を補強材に使用することにより、柔軟性
に富み、繰り返しの折り曲げにも強く耐久性を有し、天
然の皮革と同程度の感触を有するシート状多孔質硬化物
を得ることができる。
【0014】本発明により得られる多孔質硬化物は微粒
子の集合体であり表面が平滑で印刷性に優れており、印
刷インキは微細気孔内に浸透し摩耗等による印刷の消滅
が少ないことから、シート状多孔質硬化物表面に所望の
絵柄やトレードマークなどを印刷することができ、保冷
材としての機能を持った宣伝媒体としての効果も有す
る。
【0015】さらに、本発明の保冷材は、抗菌性や防黴
性を付与することが簡単にでき、水性分散体の調製に使
用される樹脂に抗菌性付与剤や防黴性付与剤を添加する
か、抗菌性や防黴性を発現し得る化合物を原料の一部に
使用した樹脂を使用する等の方法でこれらの特性を容易
に付与することができる。
【0016】本発明における抗菌性または/および防黴
性を付与した液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、液
状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に、抗菌性付与剤また
は防黴性付与剤の少なくとも1種を混合分散することに
より得られる。抗菌性を付与する方法は液状のラジカル
重合型熱硬化性樹脂に抗菌性付与剤を混合分散する方法
と、抗菌性を発現し得る物質を原料成分の一成分に用い
てラジカル重合型熱硬化性樹脂を製造することによる方
法がある。液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合分
散して抗菌性を付与するための抗菌性付与剤としては、
銀に代表される市販の金属系抗菌剤が使用される。この
様な抗菌剤としては、例えば、東亞合成株式会社から市
販されている「ノバロンAGT300」、「ノバロンV
Z100」等が例示される。
【0017】また抗菌性を発現し得る物質を原料成分の
一成分に使用して抗菌性を有する液状のラジカル重合型
熱硬化性樹脂とすることもできる。このような方法とし
ては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂を製造する際
に、使用される二塩基酸の一部を4級アンモニウム塩ま
たは4級ピリジニウム塩を含む二塩基酸に変えて使用す
ることにより、抗菌性を有する液状不飽和ポリエステル
樹脂を得ることができる。
【0018】抗菌性付与剤を原料成分の一部として使用
する方法において抗菌性を付与するために用いられる化
合物は、4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩
を含む二塩基酸が挙げられ、例えば、3,5−ジカルボ
キシメチル−ラウリルピリジニウムクロライド,3,5
−ジカルボキシメチル−ベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド等が例示される。これら4級アンモニウム
塩または4級ピリジニウム塩を含む二塩基酸を、使用さ
れる二塩基酸の一部に使用することにより抗菌性が発現
される。これらは単独で、または2種以上を混合して使
用することができる。
【0019】防黴性を有する液状のラジカル重合型熱硬
化性樹脂としては、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂
に防黴性付与剤を混合分散して防黴性を有する液状のラ
ジカル重合型熱硬化性樹脂を得ることができる。液状の
ラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合分散して防黴性を付
与するための防黴性付与剤としては市販されているもの
が使用される。例えば、東亞合成株式会社から市販され
ている「カビノン800」、「カビノン900」等が例
示される。
【0020】本発明に使用されるラジカル重合型熱硬化
性樹脂は、樹脂硬化物の5℃における引張り弾性率が1
000MPa〜1MPa、好ましくは500MPa〜5
0MPaである樹脂が使用される。引張り弾性率が上記
弾性率より高い場合には、保冷材として使用するに際し
て硬く使い難く保冷すべく対象物にフィットし難く対象
物と保冷材との間に空間ができ保冷効果が低下するほ
か、使用時の感触が良くない。また、上記弾性率より低
い場合は柔らかすぎて形状維持のため他の補強材を使用
する等の処置が必要となる。本発明における樹脂硬化物
の5℃における引張り弾性率が1000MPa〜1MP
aである液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、不飽和
ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレートまたはウ
レタン(メタ)アクリレート1000g中に不飽和基を
2.0モル〜0.2モル含有する液状不飽和ポリエステ
ル樹脂、液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ある
いは液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が使用され
る。
【0021】本発明における液状不飽和ポリエステル樹
脂は、グリコール類を主成分とする多価アルコール類と
α,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物、な
らびに飽和二塩基酸および/またはその無水物とを重縮
合させて得られる不飽和ポリエステルをスチレン等のエ
チレン性不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解し
た液状樹脂である。
【0022】上記の多価アルコール類は、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリットジ
アリエーテルのようなペンタエリスリトール誘導体、ア
リルグリシジルエーテル、ビスフェノールA誘導体、等
が例示されるが、本発明の特性である樹脂硬化物の5℃
における引張り弾性率が1000MPa〜1MPaであ
るためには、多価アルコール成分として、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のような分子中に
エーテル結合を有するエーテルグリコールや、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のような
直鎖脂肪族グリコールをグリコール成分の一つとして使
用することが好ましい。
【0023】また上記のα,β−不飽和二塩基酸および
/またはその無水物としては、例えば、マレイン酸また
はその無水物、フマル酸、イタコン酸またはその無水物
などが例示される。これらは単独で、または2種以上を
混合して使用することができる。
【0024】本発明における不飽和ポリエステル樹脂に
おいては、飽和二塩基酸および/またはその無水物が二
塩基酸成分として使用され、これら飽和二塩基酸および
/またはその無水物としては、例えば、無水フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ヘキサハイドロ無水フタル酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等
が例示される。これらは単独で、または2種以上を混合
して使用することができるが、アジピン酸、セバシン酸
等のような直鎖脂肪族二塩基酸を使用することが好まし
い。
【0025】また、エチレン性不飽和二重結合を有する
重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル等のビニルモノマー、ジア
リルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリル
イソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等
のアリルモノマー、フェノキシエチルアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート等が例示される。これらは単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。またこれらのう
ちスチレン、ビニルトルエンなどのビニル系モノマーが
通常一般的に使用される。
【0026】なお、本発明における液状不飽和ポリエス
テル樹脂は、回収PET、すなわち高分子量ポリエチレ
ンテレフタレート製品の廃棄物、例えば、使用済みペッ
トボトル、シート、フィルム等の廃棄物、成型屑、切断
屑等を、原料の一部に使用して製造された不飽和ポリエ
ステルを上記同様にエチレン性不飽和二重結合を有する
重合性単量体に溶解した液状不飽和ポリエステル樹脂も
使用することができる。
【0027】本発明における液状エポキシ(メタ)アク
リレート樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジ
ルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸または
メタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にエポ
キシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、
エチレン性不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解
した液状樹脂である。上記1分子中に2個以上のグリシ
ジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、ビキシレノールおよびその誘導体からのビ
キシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールおよびその
誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、あるいはナ
フタレンおよびその誘導体からのナフタレン型エポキシ
樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などのエポキ
シ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を
混合して使用することができる。エチレン性不飽和二重
結合を有する重合性単量体は、上記した不飽和ポリエス
テル樹脂に使用されると同様の重合性単量体の他、ブチ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリレート類の柔軟性重合性単量体を使用す
ることができる。
【0028】また本発明における液状ウレタン(メタ)
アクリレート樹脂は、ポリアルコールおよび/またはポ
リエステルポリオールとジイソシアネートとを反応させ
分子末端をイソシアネートと反応させてイソシアネート
化し、これにアルコール性水酸基を有するアクリレート
またはメタクリレートを反応させるか、または先ずアル
コール性水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレ
ートとイソシアネートとをイソシアネート基を残してポ
リアルコールおよび/またはポリエーテルポリオールと
を反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメ
タクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレー
ト、またはウレタンメタクリレートを製造し、得られた
ウレタン(メタ)アクリレートを、例えばスチレン、ジ
エチレングリコールジメタクリレートなどの液状重合性
単量体の他、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類の柔軟性
重合性単量体に溶解した液状樹脂である。これらは単独
で、または2種以上の混合物として使用することができ
る。
【0029】上記の液状エポキシ(メタ)アクリレート
樹脂、および液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂に
おいて、エポキシ(メタ)アクリレートまたはウレタン
(メタ)アクリレート1000g中の不飽和基のモル数
を2.0モル〜0.2モルに調整するには、分子末端に
付加されるアクリル酸またはメタクリル酸の使用量を調
整することによりなされる。また使用するエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂の分子量を適宜調整すること、エポキ
シ樹脂やウレタン樹脂を構成する成分を選択することな
ども樹脂に柔軟性を付与し、本発明における樹脂硬化物
の5℃における引張り弾性率が1000MPa以下のも
のとする一つの方法である。
【0030】本発明に使用されるO/W型水性分散体
(以下、単に「水性分散体」ということがある)は、液
状のラジカル重合性熱硬化性樹脂(単に「液状樹脂」と
いうことがある)と水とを物理的混合手段により混合す
ることにより容易に製造することができる。具体的に
は、硬化剤、必要に応じて促進剤を添加した液状樹脂
に、所定量の水を加え、例えば、ディゾルバー(高速回
転ミキサー)、ホモミキサーなどの物理的混合手段、あ
るいは超音波照射により混合することにより安定した水
性分散体を得ることができる。使用される水は、イオン
交換水、蒸留水および水道水のいずれでも差し支えなく
特に限定するものではない。
【0031】本発明に使用されるO/W型水性分散体の
調製は、液状樹脂と水との混合割合が、重量比で90:
10〜60:40の範囲、好ましくは、85:15〜7
0:30で混合することにより調製される。水の混合割
合が上記の範囲よりも多い場合は、硬化物の樹脂粒子同
士の結合が弱くなり、硬化物の強度が低下するので好ま
しくない。一方、水の混合割合が上記範囲よりも少ない
場合は、水性分散体の形態がW/O型となり、本発明の
目的とする微細な連続気孔を有する多孔質硬化物は得ら
れない。
【0032】本発明に使用する抗菌性や防黴性等の機能
を付与するために配合される抗菌性付与剤や防黴付与剤
は、一般に微粉末状態で市販されており、本発明におけ
る液状樹脂にこれら付与剤を粉末で添加撹拌することに
より容易に混合分散し、所望の機能を付与した液状樹脂
を得ることができるが、長期間の放置により沈降分離す
る場合もあるので、水性分散体の調製直前に添加分散す
ることが望ましい。また水性分散体の調製後は高い揺変
性を有するため、付与物質が沈降分離することなく長期
間安定に所望の機能を保持することができる。
【0033】本発明における多孔質硬化物を成型する方
法としては、成形型を用いて形成する方法や、本発明の
水性分散体は、適度な粘度を有し揺変性を示しスチレン
臭が殆ど無いため、例えば不飽和ポリエステル樹脂の成
型等に実施されるハンドレイアップ法、スプレイアップ
法により容易に補強材で強化された抗菌性機能等を有す
る多孔質硬化物を成型することができる。その他に、不
飽和ポリエステル樹脂等の成型方法として知られている
種々方法によっても成型することが可能である。例え
ば、レジンインジェクション法を用いることにより、補
強材で強化された多孔質硬化物からなる筒状の成型品を
成型することも可能である。
【0034】本発明に使用される水性分散体には、硬化
剤および必要に応じ促進剤を添加して使用されるが、必
要に応じ添加される促進剤は予め液状樹脂に添加して水
性分散体を調製することが望ましい。硬化剤は、通常水
性分散体を使用する際に添加される。硬化剤が粉末ある
いはペースト状で樹脂への均一溶解に時間がかかる場合
は、硬化剤を予め液状樹脂に添加して水性分散体を調製
することが望ましい。その場合、必要に応じて添加され
る促進剤は使用するに際して添加される。
【0035】本発明に使用される硬化剤としては、通常
有機過酸化物が使用される。そのような硬化剤として代
表的なものは、メチルエチルケトンパーオキサイドで代
表されるケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−
ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサンで代表されるパーオキシケタール類、クメンハイ
ドロパーオキサイドで代表されるハイドロパーオキサイ
ド類、ジクミルパーオキサイドで代表されるジアルキル
パーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイドで代表さ
れるジアシルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネートで代表され
るパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエートで代表されるパーオキシベンゾエート類な
どを挙げられる。このような硬化剤は、通常、液状樹脂
100重量部に対して0.5〜3.0重量部の範囲で使
用され、好ましくは0.5〜2.0重量部が使用され
る。
【0036】上記の促進剤は、ナフテン酸コバルトで代
表される有機酸の金属塩(金属石鹸)類、N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどの
3級アミン類、フェロセン等、不飽和ポリエステル樹脂
の室温硬化に通常使用される促進剤が使用される。これ
らの促進剤は、例えば、硬化剤としてケトンパーオキサ
イド、やハイドロパーオキサイドを使用した場合はナフ
テン酸コバルトのような金属石鹸との組合せが好まし
く、硬化剤がジアシルパーオキサイドである場合には3
級アミンとの組合せが好ましく、硬化剤がパーオキシカ
ーボネートである場合にはフェロセンとの組合せが好ま
しい。このような促進剤は、金属石鹸類は液状樹脂10
0重量部に対して金属含有量6%のものに換算して0.
02〜2.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.
2〜1.0重量部が使用される。3級アミン類は液状樹
脂100重量部に対して0.05〜1.0重量部の範囲
で使用され、好ましくは0.1〜0.5重量部が使用さ
れる。
【0037】本発明の水性分散体の調製に際して、必要
に応じて界面活性剤を使用することができる。界面活性
剤の使用は本発明のO/W型水性分散体の安定性を高め
ることができるので、本発明の水性分散体を調整後直ぐ
に使用することなく数日間放置した後に硬化物とするよ
うな場合には界面活性剤を添加することが望ましい。
【0038】本発明に使用される界面活性剤としては、
非イオン系界面活性剤が望ましい。非イオン系界面活性
剤としては、(1)エステル型、(2)エーテル型、
(3)アルキルフェノール型、(4)ソルビタンエステ
ル型、(5)ポリオキシエチレンソルビタンエステル
型、および(6)特殊非イオン型のいずれのタイプでも
使用することができる。このような界面活性剤の添加量
は液状樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の
範囲で使用され、好ましくは0.5〜2.0重量部で使
用される。界面活性剤の添加量が0.1重量部よりも少
ない場合は添加の効果が発揮されず、10重量部を超え
る量を添加した場合には耐水性が低下する虞があり好ま
しくない。
【0039】本発明の水性分散体から得られる多孔質硬
化物からなる保冷材に強度、耐久性などを付与するため
に使用される補強材としては、比較的柔軟性を有する有
機繊維不織布や有機繊維織布、例えば、ポリエステル繊
維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維のような合成繊
維織布、あるいはこれら合成繊維不織布、レイヨン系不
織布等が主に使用されるが、その他に綿、麻等の天然繊
維織布も使用することができる。また、保冷材の使用方
法、例えば、筒状のように保冷材を自立させて使用する
ような場合には、必要に応じて、チョップドストランド
ガラスマットやガラスクロス等の比較的腰の強い補強材
を使用することができる。これら補強材は所望に応じて
2種以上を併用することもできる。本発明の多孔質硬化
物からなる保冷材は、シート状の外に所望に応じて筒状
あるいは袋状に加工して使用することができる。また、
本発明の多孔質硬化物は微粒子の樹脂粒子からなる硬化
物でありその表面は平滑で印刷などが容易であるので保
冷材表面に所望の模様、絵柄等を施し意匠性を向上する
ことができる。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0041】本発明において、5℃における硬化物の引
張り弾性率測定用試験片の作製および試験方法を以下に
示す。 試験片の作製:樹脂500gに、6%ナフテン酸コバル
ト2.5gを添加し溶解させた後、市販の55%MEK
PO(メチルエチルケトンパーオキサイド)5gを添加
し撹拌溶解させる。これを予め準備しておいた厚さ3m
mのセルに流し込み、23℃で16時間硬化後、80℃
で2時間後硬化し硬化物から引張り強度測定用試験片を
作製した。 引張り弾性率:島津製作所製オートグラフおよび付属の
恒温装置を使用し、JIS K 7113(1995)
に準じて、5℃における引張り強度を測定しこれから引
張り弾性率を求めた。
【0042】実施例1 (樹脂(A1)の合成)攪拌機、温度計、還流冷却管、
窒素導入管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラ
スコにアジピン酸2500g、無水マレイン酸700
g、ジエチレングリコール2000gプロピレングリコ
ール400gを加え、を入れ210℃で8時間かけて酸
価15mgKOH/g,水酸基価30mgKOH/gの
不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステ
ルは、ハイドロキノン1gを溶解させた3300gのス
チレンに溶解して8300gの不飽和ポリエステル樹脂
(A1)を得た。得られた樹脂(A1)から所定の方法
により硬化させて厚さ3mmの注型板を作製した。得ら
れた硬化物は室温では柔軟性の有る硬化物であった。こ
の硬化物の5℃における引張り弾性率は、300MPa
であった。
【0043】(水性分散体(B1)の調製、多孔質硬化
物の製造)内径20cm、高さ30cmの金属製容器
に、上記で得られた液状不飽和ポリエステル樹脂(A
1)2000gを秤量し、界面活性剤として「ニューコ
ール25」(ポリオキシエチレンソルビタンラウレート
系、日本乳化剤(株)製)30g、N,N−ジメチルア
ニリンを4g(樹脂に対し0.2部)を加えよく混合し
たのち、水道水667g(樹脂75gに対して25g)
を加え羽根の外径が5cmのディゾルバーを使用して回
転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性
分散体(B1)を得た。得られた水性分散体に硬化剤と
して市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイルを40g
(樹脂に対し純分で1PHR)添加混合し、金属石鹸を
離型剤として塗布したガラス板上で70g/mのポリ
エステル不織布1プライに含浸させた。含浸作業後水の
蒸発を防ぐためにセロハン紙およびポリエステルフィル
ムで覆い常温で1時間放置後、80℃の熱風炉で30分
硬化させた。得られたシート状多孔質硬化物は80℃で
2時間乾燥させた後、多孔質硬化物の表面に模様印刷を
施し、厚さ1.0mmのシート状多孔質硬化物(C1)
を得た。
【0044】実施例2 (水性分散体(B2)の調製および多孔質硬化物の製
造)内径10cm、高さ15cmの金属製容器に、実施
例1で得られた液状不飽和ポリエステル樹脂(A1)5
00gを秤量し、銀系抗菌剤として「ノバロンVZ10
0」(東亜合成(株)製)5g、界面活性剤として「ニ
ューコール 25」8g、N,N−ジメチルアニリンを
1g(樹脂に対し0.2部)を加えよく混合したのち、
水道水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽
根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数50
00rpmで2分間高速撹拌し、O/W型水性分散体
(B2)を得た。得られた水性分散体に硬化剤として市
販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイルを10g(樹脂
に対し純分で1PHR)添加混合し、金属石鹸を離型剤
として塗布したガラス板上で70g/mのポリエステ
ル不織布1プライに含浸させた。含浸作業後水の蒸発を
防ぐためにセロハン紙およびポリエステルフィルムで覆
い常温で1時間放置後、80℃の熱風炉で30分硬化さ
せた。得られたシート状多孔質硬化物は80℃で2時間
乾燥させた後、多孔質硬化物の表面に模様印刷を施し、
厚さ1.0mmのシート状多孔質硬化物(C2)を得
た。
【0045】実施例3 (樹脂(A2)の合成)攪拌機、温度計、還流冷却管,
窒素導入管を備えた5リットルのガラス製5つ口フラス
コに、アジピン酸2470g、無水マレイン酸710
g、ジエチレングリコール2560gを導入し、210
℃で10時間を要して反応させ、酸価13mgKOH/
g,水酸基価19mgKOH/gの不飽和ポリエステル
を得た。得られた不飽和ポリエステルは、ハイドロキノ
ン1gを溶解させた3300gのスチレンに溶解して8
300gの不飽和ポリエステル樹脂(A2)を得た。得
られた樹脂(A2)を定法により硬化させ厚さ3mmの
注型板を作製した。得られた硬化物は室温では柔軟性の
有する硬化物であった。この硬化物の5℃における引張
り弾性率は、210MPaであった。
【0046】(水性分散体(B3)の調製および多孔質
硬化物の製造)内径20cm、高さ30cmの金属製容
器に、上記で得られた液状不飽和ポリエステル樹脂(A
2)2000gを秤量し、界面活性剤として「ニューコ
ール25」30g、N,N−ジメチルアニリンを4g
(樹脂に対し0.2部)を加えよく混合したのち、水道
水667g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の
外径が5cmのディゾルバーを使用して回転数4000
rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B
3)を得た。得られた水性分散体に硬化剤として市販の
50重量%濃度の過酸化ベンゾイルを40g(樹脂に対
し純分で1PHR)添加混合し、離型剤として金属石鹸
を塗布したガラス板上で130g/mのポリエステル
不織布1プライに含浸させた。含浸作業後水の蒸発を防
ぐためにセロハン紙およびポリエステルフィルムで覆い
常温で1時間放置後、80℃の熱風炉で30分硬化させ
た。得られたシート状多孔質硬化物は80℃で2時間乾
燥させた後、多孔質硬化物の表面に絵柄模様印刷を施
し、厚さ2.4mmのシート状多孔質硬化物(C3)を
得た。
【0047】実施例4 (樹脂(A3)の合成)攪拌機、温度計、還流冷却管を
備えた5リットルのガラス製4つ口フラスコに、ビスフ
ェノールA系エポキシ樹脂(商品名「エビコート100
1」油化シェルエポキシ(株)製)1800g、メタク
リル酸344g、トリエチルアミン2.1g、スチレン
920gを入れ120℃で3時間反応させ、酸価9.5
mgKOH/gのエポキシアクリレート樹脂を得た。得
られたエポキシアクリレート樹脂に、2エチルへキシル
メタクリレートを835g入れ混合溶解して、目的とす
るエポキシアクリレート樹脂(A3)を得た。得られた
樹脂(A3)を定法により硬化させ厚さ3mmの注型板
を作製した。得られた硬化物は室温で柔軟性の有する硬
化物であった。この硬化物の5℃における引張り弾性率
は、450MPaであった。
【0048】(水性分散体(B4)の調製および多孔質
硬化物の製造)内径10cm、高さ15cmの金属製容
器に、上記で得られた液状エポキシアクリレート樹脂
(A3)600gを秤量し、界面活性剤として「ニュー
コール25」18g、N,N−ジメチルアニリンを1.
2g(樹脂に対し0.2部)を加えよく混合したのち、
水道水200g(樹脂75gに対して25g)を加え羽
根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数50
00rpmで3分間高速撹拌し、O/W型水性分散体
(B4)を得た。得られた水性分散体に硬化剤として市
販の40重量%濃度の過酸化ベンゾイルを15g(樹脂
に対し純分で1PHR)添加混合し、離型剤としてポリ
ビニルアルコールを塗布したガラス板上で130g/m
のポリエステル不織布1プライに含浸させた。含浸作
業後水の蒸発を防ぐためにセロハン紙およびポリエステ
ルフィルムで覆い常温で1時間放置後、80℃の熱風炉
で30分硬化させた。得られたシート状多孔質硬化物は
80℃で2時間乾燥させた後、多孔質硬化物の表面に企
業宣伝広告の印刷を施し、厚さ2.0mmのシート状多
孔質硬化物(C4)を得た。
【0049】上記実施例1,2,3および4で得られた
シート状多孔質硬化物の保冷効果を測定した。なお、比
較として厚さ1.0mmのポリエチレン発泡シート(2
0倍発泡)についても同様に保冷効果の測定を行った。
測定条件は、5℃に冷却されたビール瓶(633ml
瓶)を、それぞれ実施例のシート状多孔質硬化物および
ポリエチレン発泡シートで、密着状態に1重巻きに被覆
し、30℃の環境温度に放置し、ビールの温度変化を一
定時間ごとに測定した。測定結果をプロットしたグラフ
を図1に示す。
【0050】図1のグラフから明らかなように、ポリエ
チレン発泡体シートの場合は時間の経過と共に直線的に
温度が上昇する。これに対して本発明に係るシート状多
孔質硬化物は断熱性の点でポリエチレン発泡シートに比
べて劣り、環境温度(周囲温度)との温度差が大きい初
期の段階では温度の上昇が早いが、一定時間経過後には
温度の上昇が鈍りほぼ横ばい状態となる。このことから
本発明に係る多孔質硬化物からなる保冷材は、従来のポ
リエチレン発泡シートなどの断熱材に比べて遥に保冷効
果が優れているものであることが分る。
【0051】
【発明の効果】本発明の多孔質硬化物からなる保冷材
は、従来から使用されてきている断熱材に比べ、断熱性
の点では幾らか劣り、周囲温度との温度差が大きいとき
には保冷効果が少なく初期の温度上昇は早いが、一定温
度以上になると水の蒸発潜熱による冷却効果が大きくな
り、一定温度以上に温度が上がり難くなり、保冷効果に
優れている。また、本発明の多孔質硬化物からなる保冷
材は表面が平滑であり印刷性に優れていると共に印刷イ
ンキは多孔質硬化物の微細な気孔に浸透し容易に脱落す
ることがないので、清涼感のある絵柄模様などを印刷す
ることにより視覚からの清涼感も得られる。またトレー
ドマークなどを印刷することにより宣伝効果をも兼ね備
えたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質硬化物からなる保冷材の保冷効
果を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化物の5℃における引張り弾性率が10
    00MPa〜1MPaであるラジカル重合型熱硬化樹脂
    を水中に混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されて
    なるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、補強材の存在
    下に硬化させた硬化樹脂粒子集合体からなり微細な連続
    気孔を有する多孔質硬化物からなる保冷材。
  2. 【請求項2】硬化物の5℃における引張り弾性率が10
    00MPa〜1MPaであるラジカル重合型熱硬化樹脂
    が、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリ
    レート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選
    ばれる少なくとも1種のラジカル重合型熱硬化性樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の保冷材。
  3. 【請求項3】硬化物の5℃における引張り弾性率が10
    00MPa〜1MPaであるラジカル重合型熱硬化樹脂
    は、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレー
    トまたはウレタン(メタ)アクリレート1000g中に
    不飽和基を2.0モル〜0.2モル含有することを特徴
    とする請求項1または2記載の保冷材。
  4. 【請求項4】ラジカル重合型熱硬化樹脂が、抗菌性およ
    び/または防黴性を有する樹脂であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の保冷材。
  5. 【請求項5】微細な連続気孔を有する多孔質硬化物が、
    シート状、筒状または袋状であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の保冷材。
  6. 【請求項6】微細な連続気孔を有する多孔質硬化物表面
    に印刷が施されていることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の保冷材。
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