JP2003002891A - デスメチルミルベマイシン化合物及びその製造方法 - Google Patents

デスメチルミルベマイシン化合物及びその製造方法

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JP2003002891A
JP2003002891A JP2001187952A JP2001187952A JP2003002891A JP 2003002891 A JP2003002891 A JP 2003002891A JP 2001187952 A JP2001187952 A JP 2001187952A JP 2001187952 A JP2001187952 A JP 2001187952A JP 2003002891 A JP2003002891 A JP 2003002891A
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reaction
hydrogen atom
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ethyl
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Takahiro Tsukiyama
孝弘 築山
Kazuo Sato
佐藤  一雄
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた殺ダニ、殺虫、駆虫活性を示す、24-デ
スメチルミルベマイシン化合物及びデスメチルミルベマ
イシン化合物の製造法を提供する。 【解決手段】 【化1】 (式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分枝
状のアルキル基を示し、R2は水素原子を示し、R3はメチ
ル、エチル又はイソプロピル基を示し、R4は水素原子又
は保護基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】優れた殺ダニ、殺虫、駆虫活
性を有する新規な24-デスメチルミルベマイシン化合物
及び該化合物を含むデスメチルミルベマイシン化合物の
効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ストレプトミセス属のB-41-146菌株から
単離された一群のマクロライド系化合物は特開昭50-297
42号公報においてB-41と称され、9種類の化合物が開示
されている。その後、B-41はミルベマイシンとも称さ
れ、類縁の化合物が相次いで発見された。例えば特開昭
56-32461号、同57-77686号、同57-136585号の各公報、
及び、J.Antibiotics 36巻 (1983年)980-990頁に記
載されている。また、16員環マクロライド化合物であっ
て、ミルベマイシン化合物に類似する化合物が特開昭52
-151197号、同57-59892号、同57-150699号、同58-52300
号、同61-10589号、同61-118387号の各公報、及び英国
特許公報第2170499号に開示されている。
【0003】ストレプトミセス属のB-41-146菌株の菌学
的性質については特開昭50-29742号公報に詳しく記載さ
れ、ストレプトミセス属のB-41-146菌株は工業技術院微
生物工業技術研究所に寄託されていて、その微生物受託
番号は微工研菌寄第1438号である。
【0004】24位がメチレン基に変換された24-デスメ
チルミルベマイシン化合物としては、例えば、テトラヘ
ドロンレターズ(1994年)35巻2385ページ、テトラヘド
ロンレターズ(1996年)37巻4811ページ、WO 92 08,35
2, WO 92 08,454, WO 92 08,455, EP 424,286, 特開平2
-311480号公報等の報告がある。しかし、これらはいず
れもミルベマイシン骨格のスピロケタール部分の開裂、
及びそれに引き続くスピロケタール部分の再構築、とい
った煩雑な手法を用いており、24-デスメチルミルベマ
イシン類の効率的な製造に向くものではない。
【0005】また、本発明に関する、25位がメチル、エ
チル、イソプロピルである24-デスメチルミルベマイシ
ン化合物の報告例はない。
【0006】さらに、14位がビニル基に変換された14-
デスメチルミルベマイシン化合物も特開昭63-227590号
公報にて、優れた殺ダニ、殺虫、駆虫活性を有する、ス
トレプトミセス属のB-41-146菌株の培養生成物として開
示されている。しかし、その培養力価は高いものではな
く、効率的に製造する事は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を解決するた
めに本願発明者らは鋭意研究を重ねた結果、14-ホルミ
ルミルベマイシン化合物及び24-ホルミルミルベマイシ
ン化合物を遷移金属触媒存在下、脱ホルミル化する事を
特徴とする効率的なデスメチルミルベマイシン化合物の
製造方法を見出した。更に本製造方法により、優れた殺
ダニ、殺虫、駆虫活性を示す、新規な24-デスメチルミ
ルベマイシン化合物を見出し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明における新
規な24-デスメチルミルベマイシン化合物は、下記一般
式(I)、
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直
鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、R2は水素原子を示
し、R3はメチル、エチル又はイソプロピル基を示し、R4
は水素原子又は保護基を示す。)で示される化合物であ
る。上記一般式(I)で示される化合物(以後、化合物
(I)という。)において、R1の炭素数1乃至6個を有
する直鎖状又は分枝状のアルキル基としては、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−
ブチル、t−ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2
−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチル
プロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチ
ルプロピル、1−エチルプロピル又はヘキシル基が挙げ
られ、好適にはメチル、エチル、プロピル又はイソプロ
ピル基が挙げられ、更に好適にはメチル基が挙げられ
る。化合物(I)において、R4の保護基としては、例え
ば、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベン
ジルのようなアラルキル基;トリチル基;ホルミル、ア
セチルのような脂肪族アシル基;ベンゾイルのような芳
香族アシル基;テトラヒドロピラニル基;メトキシメチ
ル基;メトキシエトキシメチル基又はトリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルのよ
うなシリル基が挙げられ、好適にはアラルキル基、トリ
チル基又はシリル基が挙げられ、更に好適にはシリル基
が挙げられ、特に好適にはt−ブチルジメチルシリル基
が挙げられる。
【0011】本発明の化合物(I)は、分子内に不斉炭
素を有しており、各々がR配位、S配位である立体異性
体が存在するが、その各々、或はそれらの任意の割合の
混合物のいずれも本発明に含まれる。そのような立体異
性体は、例えば、光学分割された原料化合物を用いて化
合物(I)を合成するか又は合成した化合物(I)を所望によ
り通常の光学分割又は分離法を用いて光学分割すること
ができる。
【0012】以下に化合物(I)の具体例として、表1
に例示する化合物を挙げることが出来る。
【0013】
【表1】 化合物番号 R1 R2 R3 R4 1 メチル 水素原子 メチル 水素原子 2 メチル 水素原子 エチル 水素原子 3 メチル 水素原子 イソプロピル 水素原子 4 メチル 水素原子 メチル t-ブチルジメチルシリル 5 メチル 水素原子 エチル t-ブチルジメチルシリル 6 メチル 水素原子 イソプロピル t-ブチルジメチルシリル 7 エチル 水素原子 メチル 水素原子 8 エチル 水素原子 エチル 水素原子 9 エチル 水素原子 イソプロピル 水素原子 10 エチル 水素原子 メチル t-ブチルジメチルシリル 11 エチル 水素原子 エチル t-ブチルジメチルシリル 12 エチル 水素原子 イソプロピル t-ブチルジメチルシリル 13 プロピル 水素原子 メチル 水素原子 14 プロピル 水素原子 エチル 水素原子 15 プロピル 水素原子 イソプロピル 水素原子 16 プロピル 水素原子 メチル t-ブチルジメチルシリル 17 プロピル 水素原子 エチル t-ブチルジメチルシリル 18 プロピル 水素原子 イソプロピル t-ブチルジメチルシリル 19 イソプロピル 水素原子 メチル 水素原子 20 イソプロピル 水素原子 エチル 水素原子 21 イソプロピル 水素原子 イソプロピル 水素原子 22 イソプロピル 水素原子 メチル t-ブチルジメチルシリル 23 イソプロピル 水素原子 エチル t-ブチルジメチルシリル 24 イソプロピル 水素原子 イソプロピル t-ブチルジメチルシリル 上記の化合物のうち、好適には、化合物番号1、2、
3、4、5又は6番の化合物を挙げることができ、更に
好適には、2又は5番の化合物を挙げることが出来る。
【0014】また、化合物(I)は、以下の(2)で述
べる方法により製造することが出来る。 (2)本発明における製造方法の1つは以下に示され
る。
【0015】すなわち、下記一般式(II)
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直
鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、R2がホルミル基を
示し、R3はメチル、エチル又はイソプロピルを示し、R4
は水素原子又は保護基を示す。)で示される化合物を、
遷移金属錯体の存在下、脱ホルミル化する事を特徴とす
る、下記一般式(I)
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直
鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、R2は水素原子を示
し、R3はメチル、エチル又はイソプロピル基を示し、R4
は水素原子又は保護基を示す。)で示されるデスメチル
ミルベマイシン化合物の製造方法である。
【0020】使用される遷移金属錯体としては、例え
ば、RhCl(PPh3)3 (Wilkinson錯体)、Pd(PPh3)4、などが
あげられるが、好適にはRhCl(PPh3)3(Wilkinson錯体)
である。
【0021】また、上記一般式(II)及び(I)におけ
る、R1及び保護基は、(1)において前述したのと同意
義を示す。 (3)本発明における製造方法の1つは以下に示され
る。
【0022】すなわち下記一般式(IV)
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R5がホルミル基を示し、R6は炭素
数1乃至6個を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を
示し、R7はメチル、エチル又はイソプロピルを示し、R8
は水素原子又は保護基を示す。)で示される化合物(以
下、化合物(IV)という。)を、遷移金属錯体の存在
下、脱ホルミル化する事を特徴とする、一般式(III)
【0025】
【化10】
【0026】(式中、R5は水素原子を示し、R6は炭素数
1乃至6個を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を示
し、R7はメチル、エチル又はイソプロピル基を示し、R8
は水素原子又は保護基を示す。)で示されるデスメチル
ミルベマイシン化合物(以下、化合物(III)とい
う。)の製造方法である。
【0027】使用される遷移金属錯体は、(2)におい
て前述したのと同意義を示し、化合物(IV)及び化合物
(III)における、R6の「炭素数1乃至6個を有する直
鎖状又は分枝状のアルキル基」は、(1)のR1の説明に
おいて前述したのと同意義を示し、保護基は、(1)に
おいて前述したのと同意義を示す。
【0028】
【発明の実施の形態】本願発明は、(1)化合物
(I)、(2)化合物(II)を、遷移金属錯体の存在
下、脱ホルミル化することを特徴とする化合物(I)の
製造方法及び(3)化合物(IV)を、遷移金属錯体の存
在下、脱ホルミル化することを特徴とする化合物(II
I)の製造方法である。
【0029】以下、(1)乃至(3)において、本願発
明の化合物の製造方法、及び、本願発明の製造方法につ
いて詳細に述べる。 (1)化合物(I)は、後述する(2)の製造方法によ
り製造することが出来る。
【0030】化合物(I)は、果樹、野菜及び花卉に寄
生するナミハダニ類(Tetranychus)、リンゴハダニやミ
カンハダニ(Panonychus)及びサビダニ等の成虫及び卵、
動物に寄生するマダニ科(Ixodidae)、ワクモ科(Dermany
sside)及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)等に対して優れ
た殺ダニ活性を有している。更に、ヒツジバエ(Oestru
s)、キンバエ(Lucilia)、ウシバエ(Hypoderma)、ウマバ
エ(Gautrophilus)等及びのみ、しらみ等の動物や鳥類の
外部寄生虫;ゴキブリ、家バエ等の衛生害虫;その他ア
ブラ虫、コナガ、鱗翅目害虫等の各種農園芸害虫に活性
がある。
【0031】本発明の化合物は、更にまた根こぶ線虫(M
eloidogyne)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchu
s)、ネダニ(Phizoglyphus)等に対しても活性がある。
【0032】本発明の化合物は動物および人間の内部寄
生虫に対しても優れた活性を有している。特にぶた、ひ
つじ、山羊、牛、馬、犬、猫及び鶏のような家畜及びペ
ットに感染する線虫のほか、フィラリア科(Filariidae)
やナタリア科(Setariidae)の寄生虫、人間の消化管、血
液又は他の組織及び臓器に見出される寄生虫にたいして
も有効である。
【0033】本発明の化合物を農園芸用に供するには、
担体及び必要に応じて他の補助剤と混合して、農薬とし
て通常用いられる製剤形態、例えば、粉剤、水和剤、乳
剤、水もしくは油性懸濁液、エアゾール等の組成物に調
製されて使用される。
【0034】種々の剤型に調製された本発明の組成物
を、例えば、果樹園又は畑地において有害昆虫、ハダニ
類の寄生した農作物又は家畜に散布するときは、有効成
分濃度として0.5-100ppmを農作物の茎葉、土壌又は家畜
に処理することにより、有効に防除することができる。
【0035】本発明の化合物を動物及び人における駆虫
剤として使用する場合は、液体飲料として経口的に投与
することができる。飲料は普通ベントナイトのような懸
濁剤及び湿潤剤、又はその他の賦形剤と共に適当な非毒
性の溶剤又は水での溶液、懸濁液又は分散剤である。一
般に飲料はまた消泡剤を含有する。飲料処方は一般に活
性化合物を0.01-0.5重量%、好適には0.01-0.1重量%を含
有する。
【0036】本発明の化合物を動物飼料によって投与す
る場合は、それを飼料に均質に分散させるか、トップド
レッシングとして使用されるか、又はペレットの形態と
して使用される。普通望ましい抗寄生虫効果を達成する
ためには、最終飼料中に活性化合物を0.0001-0.02%を含
有している。
【0037】また、本発明の化合物を液体担体賦形剤に
溶解又は分散させた物は、胃内、筋肉内、気管内又は皮
下に注射することによって、非経口的に動物に投与する
ことができる。非経口投与のために、活性化合物は好適
には落花生油、綿実油のような適当な植物油と混合す
る。このような処方は、一般に活性化合物を0.05-50重
量%含有する。
【0038】本発明の化合物は又、ジメチルスルホキシ
ド又は炭化水素溶剤のような適当な担体と混合すること
によって局所的に投与しうる。この製剤はスプレー又は
直接的注加によって、動物の外部表面に直接適用され
る。最善の結果を得るための活性化合物の最適使用量
は、治癒される動物の種類及び寄生虫感染の型及び程度
によってきまるが、一般に動物体重1Kg当たり約0.01-10
0mg、好適には0.5-50mgを経口投与することによって得
られる。このような使用量は一度に又は分割した使用量
で、1ー5日のような比較的短期間にわたって与えられ
る。 (2)本発明の製造方法の1つは以下の工程により実施
される。
【0039】
【化11】
【0040】(第1工程)第1工程は、必要に応じて行
なう工程であり、化合物(II)-1の5位水酸基を保護基
により保護する工程である。本工程は一般の水酸基を保
護基により保護する方法(例えば、「PROTECTIVE GROUP
S in ORGANIC SYNTHESIS」、グリーン及びワッツ著、WI
LEY-INTERSCIENCE社(New York)刊、参照)により達成
することが出来るが、例えばシリル基で保護する場合
は、塩基の存在下、シリル化剤を反応させることによっ
て達成される。使用されるシリル化剤としては、例えば
t-ブチルジメチルシリルクロライド(TBDMSCl)又はt-ブ
チルジメチルシリルトリフレート(TBDMSOTf)であり、好
適にはt-ブチルジメチルシリルクロライドである。シリ
ル化剤の使用量は化合物(II)-1に対して通常1当量な
いし10当量、好適には1当量ないし3当量である。使用さ
れる塩基としては、例えばトリエチルアミン、2,6-ルチ
ジン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾー
ル等の有機塩基をあげることが出来、好適にはイミダゾ
ールである。塩基の使用量は化合物(II)-1に対して通
常1当量ないし10当量、好適には1当量ないし3当量であ
る。反応は、好適には溶媒の存在下行われる。使用され
る溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある程度溶
解するものであれば特に限定はないが、好適には四塩化
炭素、クロロホルム、ジクロロメタンの様なハロゲン化
炭素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)の様なアミド
類、ジメチルスルホキシド(DMSO)の様なスルホキシド
類、アセトニトリルの様なニトリル類、並びにこれらの
溶媒の混合物であり、好適には、N,N-ジメチルホルムア
ミド(DMF)である。反応温度は通常-78℃から100℃で行
われ、好適には0℃から室温である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常15分から3昼夜であり、好適には3
0分から1昼夜である。 (第2工程)第2工程は、化合物(II)-1又は(II)-2
を脱ホルミル化することにより、化合物(I)-1又は
(I)-2を製造する工程である。本工程は化合物(II)-
1又は(II)-2に対して、遷移金属錯体を反応させるこ
とで達成される。遷移金属錯体としては、例えば、RhCl
(PPh3)3 (Wilkinson錯体)、Pd(PPh3)4、などがあげられ
るが、好適にはRhCl(PPh3)3(Wilkinson錯体)である。
錯体の使用量は化合物(II)-1又は(II)-2に対して通
常触媒量ないし10当量、好適には触媒量ないし3当量で
あり、更に好適には触媒量から1当量である。反応は、
好適には溶媒の存在下行われる。使用される溶媒として
は反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するもので
あれば特に限定はないが、好適にはベンゼン、トルエン
のような炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、ジク
ロロメタンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジメチルホル
ムアミド(DMF)の様なアミド類、ジメチルスルホキシド
(DMSO)の様なスルホキシド類、アセトニトリル、ベンゾ
ニトリルの様なニトリル類、並びにこれらの溶媒の混合
物であり、好適には、ベンゼン、トルエンのような炭化
水素類、およびアセトニトリル、ベンゾニトリルの様な
ニトリル類であり、最も好適にはアセトニトリル、ベン
ゾニトリルの様なニトリル類である。反応温度は通常-7
8℃から200℃で行われ、好適には室温から200℃であ
り、最適には100℃から200℃である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常5分から1昼夜であり、好適には5
分から1時間である。 (第3工程)第3工程は、必要に応じて行なう工程で、
化合物(I)-2の5位水酸基の保護基を脱保護する工程で
ある。本工程は、通常、酸、塩基、又は弗化イオン源存
在下達成される。
【0041】使用される酸としては、例えば、塩酸、硫
酸等のような無機酸類、p-トルエンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸などのようなスルホン酸類、三
弗化ホウ素エーテル錯体、四塩化チタンなどのようなLe
wis酸類があげられるが、好適にはp-トルエンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのようなスルホ
ン酸類であり、最適にはp-トルエンスルホン酸である。
酸の使用量は化合物(I)-2に対して通常1当量ないし10
当量、好適には1当量ないし3当量である。反応は、好適
には溶媒の存在下行われる。使用される溶媒としては反
応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれ
ば特に限定はないが、好適には四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジメ
チルホルムアミド(DMF)の様なアミド類、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)の様なスルホキシド類、アセトニトリル
の様なニトリル類、メタノール、エタノールなどのアル
コール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のようなエーテル類、水、並びにこれらの溶媒の混合物
であり、好適には、メタノール、エタノールなどのアル
コール類である。反応温度は通常-78℃から100℃で行わ
れ、好適には0℃から室温である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常15分から3昼夜であり、好適には3
0分から1昼夜である。
【0042】使用される塩基としては、例えば、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無
機塩基、トリエチルアミン、2,6-ルチジン、ピリジン、
ジメチルアミノピリジン、イミダゾール等の有機塩基を
あげることが出来、好適には炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基である。塩基
の使用量は、化合物(I)-2に対して通常1当量ないし10
当量、好適には1当量ないし3当量である。反応は、好適
には溶媒の存在下行われる。使用される溶媒としては反
応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれ
ば特に限定はないが、好適には四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジメ
チルホルムアミド(DMF)の様なアミド類、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)の様なスルホキシド類、アセトニトリル
の様なニトリル類、メタノール、エタノールなどのアル
コール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のようなエーテル類、水、並びにこれらの溶媒の混合物
であり、好適には、メタノール、エタノールなどのアル
コール類である。反応温度は通常-78℃から100℃で行わ
れ、好適には0℃から室温である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常15分から3昼夜であり、好適には3
0分から1昼夜である。
【0043】使用される弗化イオン源としては、例え
ば、弗化水素ピリジン錯体、テトラブチルアンモニウム
フロライドなどがあげられるが、好適には弗化水素ピリ
ジン錯体である。弗化イオン源の使用量は化合物(I)-
2に対して通常1当量ないし大過剰、好適には3当量な
いし大過剰である。反応は、好適には溶媒の存在下行わ
れる。使用される溶媒としては反応を阻害せず、出発物
質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、
好適には四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンの
様なハロゲン化炭素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DM
F)の様なアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)の様な
スルホキシド類、アセトニトリルの様なニトリル類、メ
タノール、エタノールなどのアルコール類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル類、
水、並びにこれらの溶媒の混合物であり、好適には、メ
タノール、エタノールなどのアルコール類である。反応
温度は通常-78℃から100℃で行われ、好適には0℃から
室温である。反応時間は反応温度、反応試薬、または反
応に用いられる溶媒の種類などによって異なるが通常15
分から3昼夜であり、好適には30分から1昼夜である。
【0044】上記各工程の反応終了後、所望の目的物は
常法に従って反応混合物より採取することができる。例
えば、反応混合物を水にあけ、水不混和性溶媒で抽出を
行う。抽出液を乾燥後、溶媒を留去することにより目的
物が得られる。更に必要ならば再結晶、カラムクロマト
グラフィー、又はHPLCのような常法によって精製するこ
とができる。 (化合物(II)-1の製造方法)化合物(II)-1の製造方
法は、一般式(V)(式中、Xは水素原子を示し,Yは水酸
基を示す。)で表される化合物(以後、化合物(V)とい
う。)の30位の水酸基を酸化して行なう。反応は通常
酸化剤の存在下行なわれる。使用される酸化剤として
は、例えば、クロム酸、又はその塩、マンガン酸、又は
その塩、SO3-ピリジン及びDMSO-(COCl)2等のような有機
酸化剤、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ-
フリーラジカル(TEMPO)又はその誘導体とN-クロロスク
シイミド(NCS)等のような補助酸化剤の組み合わせ、酸
化ルテニウム、RuCl2(PPh3)2等のような遷移金属酸化剤
などをあげることができる。好適には、2,2,6,6-テトラ
メチル-1-ピペリジニルオキシ-フリーラジカル(TEMPO)
又はその誘導体とN-クロロスクシイミド(NCS)等のよう
な補助酸化剤の組み合わせ、酸化ルテニウム、RuCl2(PP
h3)2等のような遷移金属酸化剤であり、更に好適には、
2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ-フリーラ
ジカル(TEMPO)とN-クロロスクシイミド(NCS)の組み合わ
せである。その使用量は通常化合物(V)に対して1当
量から大過剰、好適には1当量から10当量であるが、酸
化剤と補助酸化剤の組み合わせを用いる場合には必ずし
もその限りではない。反応は好適には溶媒の存在下行な
われ、使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさな
い限り特に限定は無いが、例えば、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエンなどのような炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類、N,N-
ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミ
ドのようなアミド類、クロロホルム、ジクロロメタン、
ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノールな
どのようなアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチルなどのようなエステル類、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)などのようなスルホキシド類、水、及び
これらの混合溶媒をあげることができる。反応温度は-7
8℃から150℃、好適には-40℃から50℃、さらに好適に
は0℃から室温の範囲で行われる。反応時間は反応温
度、反応試薬、又は反応に用いられる溶媒によって異な
るが、通常10分から3昼夜、好適には30分から1昼夜であ
る。
【0045】化合物(V)の製造方法は、J. Antibiot.,
45 802-805 (1992)に記載されている。 (3)本発明の製造方法のもう1つは以下の工程により
実施される。
【0046】
【化12】
【0047】(第1工程)第1工程は、必要に応じて行
なう工程であり、化合物(IV)-1の5位水酸基を保護基
により保護する工程である。本工程は一般の水酸基を保
護基により保護する方法(例えば、「PROTECTIVE GROUP
S in ORGANIC SYNTHESIS」、グリーン及びワッツ著、WI
LEY-INTERSCIENCE社(New York)刊、参照)により達成
することが出来るが、例えばシリル基で保護する場合
は、塩基の存在下、シリル化剤を反応させることによっ
て達成される。使用されるシリル化剤としては、例えば
t-ブチルジメチルシリルクロライド(TBDMSCl)又はt-ブ
チルジメチルシリルトリフレート(TBDMSOTf)であり、好
適にはt-ブチルジメチルシリルクロライドである。シリ
ル化剤の使用量は化合物(IV-1)に対して通常1当量な
いし10当量、好適には1当量ないし3当量である。使用さ
れる塩基としては、例えばトリエチルアミン、2,6-ルチ
ジン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾー
ル等の有機塩基をあげることが出来、好適にはイミダゾ
ールである。塩基の使用量は化合物(IV)-1に対して通
常1当量ないし10当量、好適には1当量ないし3当量であ
る。反応は、好適には溶媒の存在下行われる。使用され
る溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある程度溶
解するものであれば特に限定はないが、好適には四塩化
炭素、クロロホルム、ジクロロメタンの様なハロゲン化
炭素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)の様なアミド
類、ジメチルスルホキシド(DMSO)の様なスルホキシド
類、アセトニトリルの様なニトリル類、並びにこれらの
溶媒の混合物であり、好適には、N,N-ジメチルホルムア
ミド(DMF)である。反応温度は通常-78℃から100℃で行
われ、好適には0℃から室温である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常15分から3昼夜であり、好適には3
0分から1昼夜である。 (第2工程)第2工程は、化合物(IV)-1又は(IV)-2
を脱ホルミル化することにより、化合物(III)-1又は
(III)-2を製造する工程である。本工程は化合物(I
I)-1又は(II)-2に対して、遷移金属錯体を反応させ
ることで達成される。遷移金属錯体としては、例えば、
RhCl(PPh3)3 (Wilkinson錯体)、Pd(PPh3)4、などがあげ
られるが、好適にはRhCl(PPh3)3(Wilkinson錯体)であ
る。錯体の使用量は化合物(IV)-1又は(IV)-2に対し
て通常触媒量ないし10当量、好適には触媒量ないし3当
量であり、更に好適には触媒量から1当量である。反応
は、好適には溶媒の存在下行われる。使用される溶媒と
しては反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するも
のであれば特に限定はないが、好適にはベンゼン、トル
エンのような炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロロメタンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジメチル
ホルムアミド(DMF)の様なアミド類、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)の様なスルホキシド類、アセトニトリル、ベ
ンゾニトリルの様なニトリル類、並びにこれらの溶媒の
混合物であり、好適には、ベンゼン、トルエンのような
炭化水素類、およびアセトニトリル、ベンゾニトリルの
様なニトリル類であり、最も好適にはアセトニトリル、
ベンゾニトリルの様なニトリル類である。反応温度は通
常-78℃から200℃で行われ、好適には室温から200℃で
あり、最適には100℃から200℃である。反応時間は反応
温度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類な
どによって異なるが通常5分から1昼夜であり、好適には
5分から1時間である。 (第3工程)第3工程は、必要に応じて行なう工程で、
化合物(III)-2の5位水酸基の保護基を脱保護する工程
である。本工程は、通常、酸、塩基、又は弗化イオン源
存在下達成される。
【0048】使用される酸としては、例えば、塩酸、硫
酸等のような無機酸類、p-トルエンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸などのようなスルホン酸類、三
弗化ホウ素エーテル錯体、四塩化チタンなどのようなLe
wis酸類があげられるが、好適にはp-トルエンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのようなスルホ
ン酸類であり、最適にはp-トルエンスルホン酸である。
酸の使用量は化合物(III)-2に対して通常1当量ないし
10当量、好適には1当量ないし3当量である。反応は、好
適には溶媒の存在下行われる。使用される溶媒としては
反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであ
れば特に限定はないが、好適には四塩化炭素、クロロホ
ルム、ジクロロメタンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジ
メチルホルムアミド(DMF)の様なアミド類、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)の様なスルホキシド類、アセトニトリ
ルの様なニトリル類、メタノール、エタノールなどのア
ルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのようなエーテル類、水、並びにこれらの溶媒の混合
物であり、好適には、メタノール、エタノールなどのア
ルコール類である。反応温度は通常-78℃から100℃で行
われ、好適には0℃から室温である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常15分から3昼夜であり、好適には3
0分から1昼夜である。
【0049】使用される塩基としては、例えば、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無
機塩基、トリエチルアミン、2,6-ルチジン、ピリジン、
ジメチルアミノピリジン、イミダゾール等の有機塩基を
あげることが出来、好適には炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基である。塩基
の使用量は、化合物(III)-2に対して通常1当量ないし
10当量、好適には1当量ないし3当量である。反応は、好
適には溶媒の存在下行われる。使用される溶媒としては
反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであ
れば特に限定はないが、好適には四塩化炭素、クロロホ
ルム、ジクロロメタンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジ
メチルホルムアミド(DMF)の様なアミド類、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)の様なスルホキシド類、アセトニトリ
ルの様なニトリル類、メタノール、エタノールなどのア
ルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのようなエーテル類、水、並びにこれらの溶媒の混合
物であり、好適には、メタノール、エタノールなどのア
ルコール類である。反応温度は通常-78℃から100℃で行
われ、好適には0℃から室温である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが通常15分から3昼夜であり、好適には3
0分から1昼夜である。
【0050】使用される弗化イオン源としては、例え
ば、弗化水素ピリジン錯体、テトラブチルアンモニウム
フロライドなどがあげられるが、好適には弗化水素ピリ
ジン錯体である。弗化イオン源の使用量は化合物(II
I)-2に対して通常1当量ないし大過剰、好適には3当
量ないし大過剰である。反応は、好適には溶媒の存在下
行われる。使用される溶媒としては反応を阻害せず、出
発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はない
が、好適には四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ンの様なハロゲン化炭素類、N,N-ジメチルホルムアミド
(DMF)の様なアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)の
様なスルホキシド類、アセトニトリルの様なニトリル
類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテ
ル類、水、並びにこれらの溶媒の混合物であり、好適に
は、メタノール、エタノールなどのアルコール類であ
る。反応温度は通常-78℃から100℃で行われ、好適には
0℃から室温である。反応時間は反応温度、反応試薬、
または反応に用いられる溶媒の種類などによって異なる
が通常15分から3昼夜であり、好適には30分から1昼夜で
ある。
【0051】上記各工程の反応終了後、所望の目的物は
常法に従って反応混合物より採取することができる。例
えば、反応混合物を水にあけ、水不混和性溶媒で抽出を
行う。抽出液を乾燥後、溶媒を留去することにより目的
物が得られる。更に必要ならば再結晶、カラムクロマト
グラフィー、又はHPLCのような常法によって精製するこ
とができる。 (化合物(IV)-1の製造方法)化合物(IV)-1の製造方
法は、一般式(VI)(式中、Xは水酸基を示し,Yは水素
原子を示す。)で表される化合物(以後、化合物(VI)
という。)の29位の水酸基を酸化して行なう。反応は
通常酸化剤の存在下行なわれる。使用される酸化剤とし
ては、例えば、クロム酸、又はその塩、マンガン酸、又
はその塩、SO3-ピリジン及びDMSO-(COCl)2等のような有
機酸化剤、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキ
シ-フリーラジカル(TEMPO)又はその誘導体とN-クロロス
クシイミド(NCS)等のような補助酸化剤の組み合わせ、
酸化ルテニウム、RuCl2(PPh3)2等のような遷移金属酸化
剤などをあげることができる。好適には、2,2,6,6-テト
ラメチル-1-ピペリジニルオキシ-フリーラジカル(TEMP
O)又はその誘導体とN-クロロスクシイミド(NCS)等のよ
うな補助酸化剤の組み合わせ、酸化ルテニウム、RuCl
2(PPh3)2等のような遷移金属酸化剤であり、更に好適に
は、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ-フリ
ーラジカル(TEMPO)とN-クロロスクシイミド(NCS)の組み
合わせである。その使用量は通常化合物(VI)に対して
1当量から大過剰、好適には1当量から10当量である
が、酸化剤と補助酸化剤の組み合わせを用いる場合には
必ずしもその限りではない。反応は好適には溶媒の存在
下行なわれ、使用される溶媒としては、反応に影響を及
ぼさない限り特に限定は無いが、例えば、ヘキサン、ベ
ンゼン、トルエンなどのような炭化水素類、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル
類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルア
セトアミドのようなアミド類、クロロホルム、ジクロロ
メタン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素
類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブ
タノールなどのようなアルコール類、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル、酢酸ブチルなどのようなエステル類、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)などのようなスルホキシド
類、水、及びこれらの混合溶媒をあげることができる。
反応温度は-78℃から150℃、好適には-40℃から50℃、
さらに好適には0℃から室温の範囲で行われる。反応時
間は反応温度、反応試薬、又は反応に用いられる溶媒に
よって異なるが、通常10分から3昼夜、好適には30分か
ら1昼夜である。
【0052】化合物(VI)の製造方法は、特開昭62-207
279及びJ. Antibiot., 45 802-805(1992)に記載されて
いる。また、Bull. Chem. Soc. Jpn., 65 3300-3307 (1
992)に記載の方法により製造される5-デオキシ-29-ヒド
ロキシ-5-オキソミルベマイシン類の還元反応によって
も製造することができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例、参考例及び
試験例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。 [製造例1] 24-ホルミルミルベマイシンA4( (II)-
1: R1=Me, R2=CHO, R3=Et, R4=H )の製造 30-ヒドロキシミルベマイシンA4 ( (V) X=H, Y=OH, R3
=Et)(500mg, 0.90mmol)をジクロロメタン5mlに溶解し、
室温で撹拌した。これに炭酸緩衝液5mlとTEMPO(28.0mg,
0.18mmol), (n-Bu)4NCl (49.8mg, 0.18mmol), NCS (23
9.3mg, 1.79mmol)を加え、3時間撹拌した。反応終了
後、反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。有
機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧濃縮した。得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製することで目的物を265.6mg (収率53.3%)得
た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 9.63(1
H, d, J=2.9Hz), 5.68-5.85(2H, m), 5.28-5.45(3H,
m), 4.97(1H, m), 4.68(2H, m), 4.30(1H, br), 4.00(1
H,br), 3.96(1H, d, J=6.2Hz), 3.49-3.74(2H, m), 3.2
7(1H, m), 1.88(3H,br), 1.54(3H, br), 1.03(3H, t, J
=7.7Hz), 0.99(3H, d, J=7.3Hz), 0.81-2.55(17H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 556(M+), 538, 520, 428. [製造例2] 5-O-TBDMS-24-ホルミルミルベマイシンA
4( (II)-2: R1=Me, R2=CHO, R3=Et, R4=t-BuMe2Si)の
製造 24-ホルミルミルベマイシンA4 (250mg, 0.45mmol)をDMF
6mlに溶解し、室温で撹拌した。これにTBDMSCl (202.4
mg, 1.35mmol)とイミダゾール(91.8mg, 1.35mmol)を加
え、室温で1時間15分撹拌した。反応終了後、反応液を
水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食
塩水で洗浄、乾燥(MgSO4)した後、減圧濃縮した。得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製することで目的物を285.0mg (収率94.6%)得
た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 9.62(1
H, d, J=2.9Hz), 5.67-5.71(2H, m), 5.23-5.43(3H,
m), 4.96(1H, m), 4.68(1H, d, J=14.3Hz), 4.56(1H,
d, J=14.3Hz), 4.43(1H, m), 4.01(1H, s), 3.82(1H,
d, J=5.5Hz), 3.68(1H,dt, Jt=9.9Hz, Jd=2.9Hz), 3.55
(1H, m), 3.36(1H, m), 1.80(3H, br), 1.55(3H, br),
1.04(3H, d, J=7.0Hz), 0.92(9H, s), 0.13(3H, s), 0.
10(3H, s), 0.80-2.55(19H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 670(M+), 652, 613, 595, 5
77, 520. [製造例3] 14-ホルミルミルベマイシンA4( (IV)-
1: R5=CHO, R6=Me, R7=Et, R8=H )の製造 29-ヒドロキシミルベマイシンA4 (VI: X=OH, Y=H, R7=E
t) (500mg, 0.90mmol)をジクロロメタン5mlに溶解し、
室温で撹拌した。これに炭酸緩衝液5mlとTEMPO(28.0mg,
0.18mmol), (n-Bu)4NCl (49.8mg, 0.18mmol), NCS (23
9.3mg, 1.79mmol)を加え、2時間撹拌した。反応終了
後、反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出した。有
機層を水洗、乾燥(MgSO4)した後、減圧濃縮した。得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製することで目的物を432.5mg (収率86.8%)得
た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 10.08(1
H, s), 6.18(1H, dd, J=12.8, 3.7Hz), 5.60-5.87(2H,
m), 5.22-5.55(3H, m), 4.64(2H, m), 4.28(1H,m), 4.0
7(1H, s), 3.95(1H, d, J=6.2Hz), 3.75(1H, m), 3.28
(1H, m), 2.93-3.16(2H, m), 2.42-2.81(3H, m), 2.37
(1H, d, J=8.1Hz), 2.05(1H, m), 1.87(3H,br), 1.03(3
H, d, J=6.6Hz), 1.01(3H, t, J=7.3Hz), 0.83(3H, d,
J=6.6Hz),0.75-1.90(11H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 556(M+), 538, 520, 428, 4
10, 328. [製造例4] 5-O-TBDMS-14-ホルミルミルベマイシンA
4( (IV)-2: R5=CHO, R6=Me, R7=Et, R8=t-BuMe2Si )
の製造 14-ホルミルミルベマイシンA4 (300mg, 0.54mmol)をDMF
6mlに溶解し、室温で撹拌した。これにTBDMSCl (121.5
mg, 0.81mmol)とイミダゾール(55.1mg, 0.81mmol)を加
え、室温で1時間15分撹拌した。反応終了後、反応液を
水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食
塩水で洗浄、乾燥(MgSO4)した後、減圧濃縮した。得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製することで目的物を307.8mg (収率85.1%)得
た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 10.08(1
H, s), 6.16(1H, m), 5.60-5.79(2H, m), 5.24-5.45(3
H, m), 4.60(2H, m), 4.41(1H, m), 4.13(1H, s),3.80
(1H, d, J=5.5Hz), 3.75(1H, m), 3.38(1H, m), 2.97-
3.16(2H, m), 2.42-2.80(3H, m), 2.05(1H, m), 1.79(3
H, br), 1.02(3H, d, J=7.0Hz), 0.92(9H, s), 0.83(3
H, d, J=6.2Hz), 0.13(3H, s), 0.10(3H, s), 0.80-1.8
2(14H, s).質量スペクトル(EI, m/z): 670(M+), 652, 5
95, 577, 520, 428, 410. [実施例1] 5-O-TBDMS-24-デスメチルミルベマイシン
A4( (I)-2:R1=Me, R2=H, R3=Et, R4=t-BuMe2Si:例示
化合物番号5 )の製造 製造例2で製造した5-O-TBDMS-24-ホルミルミルベマイ
シンA4(100mg, 0.15mmol)をベンゾニトリル0.5mlに溶解
し、室温で撹拌した。これにRhCl(PPh3)3 (138.1mg, 0.
15mmol)を加え170℃で5分間加熱した。反応終了後、水
浴で冷却し、酢酸エチルを加え、不溶物を濾別した。こ
れを減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製することで目的物を65.2
mg (収率68.1%)得た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 5.56-5.
82(2H, m), 5.24-5.47(3H, m), 4.97(1H, m), 4.67(1H,
d, J=14.3Hz), 4.56(1H, d, J=14.3Hz), 4.42(1H, m),
4.15(1H, s), 3.82(1H, d, J=5.5Hz), 3.58(1H, m),
3.45(1H, m), 3.36(1H, m), 2.15-2.55(4H, m), 1.79(3
H, br), 1.54(3H, br), 1.00(3H, d, J=6.6Hz), 0.96(3
H, t, J=7.3Hz), 0.93(9H, s), 0.13(3H, s), 0.10(3H,
s), 0.80-2.10(13H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 642(M+), 624, 585, 567, 4
92. [実施例2] 24-デスメチルミルベマイシンA4
(I)-1: R1=Me, R2=H, R3=Et, R4=H:例示化合物番号2
)の製造 実施例1で製造した、5-O-TBDMS-24-デスメチルミルベ
マイシンA4 (60mg, 0.09mmol)をメタノール2mlに溶解
し、室温で撹拌した。これにp-トルエンスルホン酸 (5
3.3mg, 0.28mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応
終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(MgSO4)した後、減圧濃
縮した。得られた粗生成物をPTLCにより精製することで
目的物を47.0mg (収率95.3%)得た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 5.65-5.
87(2H, m), 5.27-5.49(3H, m), 4.98(1H, m), 4.68(2H,
m), 4.29(1H, m), 4.13(1H, s), 3.96(1H, d, J=6.2H
z), 3.58(1H, m), 3.42(1H, m), 3.26(1H, m), 2.32-2.
55(2H, m), 2.10-2.30(3H, m), 1.87(3H, br), 1.53(3
H, br), 0.99(3H, d, J=6.6Hz), 0.97(3H, t, J=7.3H
z), 0.78-2.08(13H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 528(M+), 400, 382, 250, 2
31, 181, 153, 151. [実施例3] 5-O-TBDMS-14-デスメチルミルベマイシン
A4( (III)-2: R5=H, R6=Me, R7=Et, R8=t-BuMe2Si)の
製造 製造例4で製造した、5-O-TBDMS-14-ホルミルミルベマ
イシンA4(50mg, 0.07mmol)をベンゾニトリル0.5mlに溶
解し、室温で撹拌した。これにRhCl(PPh3)3 (69.1mg,
0.07mmol)を加え170℃で5分間加熱した。反応終了後、
水浴で冷却し、酢酸エチルを加え、不溶物を濾別した。
これを減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製することで目的物を3
9.1mg (収率81.6%)得た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 5.65-5.
85(2H, m), 5.03-5.49(5H, m), 4.72(1H, d, J=14.7H
z), 4.58(1H, d, J=14.7Hz), 4.42(1H, m), 4.30(1H,
s), 3.82(1H, d, J=5.5Hz), 3.54(1H, m), 3.37(1H,
m), 3.05(1H, m), 2.15-2.55(3H, m), 1.79(3H, br),
1.00(3H, d, J=6.6Hz), 0.93(9H, s), 0.82(3H,d, J=6.
2Hz), 0.13(6H, s), 0.70-2.05(16H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 642(M+), 585, 567, 400, 3
82. [実施例4] 14-デスメチルミルベマイシンA4( (III)
-1: R5=H, R6=Me, R7=Et, R8=H )の製造 実施例3で製造した、5-O-TBDMS-14-デスメチルミルベ
マイシンA4 (39.1mg, 0.06mmol)をメタノール1mlに溶解
し、室温で撹拌した。これにp-トルエンスルホン酸 (3
9.9mg, 0.21mmol)を加え、室温で20分撹拌した。反応終
了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機
層を水、飽和食塩水で洗浄、乾燥(MgSO4)した後、減圧
濃縮した。得られた粗生成物をPTLCにより精製すること
で目的物を29.9mg (収率93.0%)得た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 5.65-5.
89(2H, m), 5.07-5.51(5H, m), 4.78(2H, m), 4.29(1H,
m), 4.20(1H, s), 3.97(1H, m), 3.06(1H, dt,Jt=9.2H
z, Jd=2.3Hz), 2.20-2.53(4H, m), 1.87(3H, br), 1.02
(3H, d, J=7.7Hz), 0.99(3H, t, J=7.7Hz), 0.83(3H,
d, J=6.6Hz), 1.22-2.04(13H, m). 質量スペクトル(EI, m/z): 528(M+), 470, 400, 382, 3
42, 231, 195, 167, 151. [実施例5] 14-デスメチルミルベマイシンA4( (II
I)-1: R5=H, R6=Me, R7=Et, R8=H )の製造。
【0054】製造例3で製造した、14-ホルミルミルベ
マイシンA4((IV)-1:R5=CHO, R6=Me,R7=Et, R8=H) (100m
g, 0.18mmol)をベンゾニトリル0.5mlに溶解し、室温で
撹拌した。これにRhCl(PPh3)3 (166.4mg, 0.18mmol)を
加え170℃で5分間加熱した。反応終了後、水浴で冷却
し、酢酸エチルを加え、不溶物を濾別した。これを減圧
濃縮し、得られた粗生成物をPTLCにより精製することで
目的物を9.9mg (収率10.4%)得た。 [参考例1] 29-ヒドロキシミルベマイシンA4( (V
I):X=OH, Y=Me, R7=Et )の製造。
【0055】5-デオキシ-14-ホルミル-5-オキソミルベ
マイシンA4(200mg, 0.36mmol)をメタノール4mlに溶解
し、0℃で撹拌した。これにNaBH4 (20.4mg, 0.54mmol)
を加え10分間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあ
け、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
洗浄、乾燥(MgSO4)した後、減圧濃縮した。得られた粗
生成物をPTLCにより精製することで目的物を169.2mg
(収率84.3%)得た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3, (ppm): 5.62-5.
87(2H, m), 5.31-5.52(3H, m), 5.12(1H, t, J=8.1Hz),
4.67(2H, m), 4.22-4.38(2H, m), 4.11(1H, s),3.96(1
H, d, J=5.9Hz), 3.94(1H, m), 3.59(1H, m), 3.25(1H,
m), 3.06(1H, m), 2.48-2.65(3H, m), 2.23-2.40(3H,
m), 1.87(3H, br), 1.03(3H, d, J=6.2Hz), 0.99(3H,
t, J=7.3Hz), 0.82(3H, d, J=6.2Hz), 0.76-2.05(12H,
m). 質量スペクトル(EI, m/z): 558(M+), 430, 412, 330. [試験例1] 抵抗性ハダニに対する殺ダニ効力。 ササゲ(Vigna sinensis Savi)の初生葉にナミハダニ
(Tetranychus urticae)を接種した。接種一日後、接種
葉に10ppm及び1ppmの濃度の試験化合物を含む溶液[10p
pm溶液:展着剤(ニッコール710F)0.004%、展着剤(グ
ラミンS)0.01%分散剤(ポリビニルアルコール)0.06
%、アセトン0.2%を含む水溶液100mlに試験化合物1mgを
含む。 1ppm溶液:上記10ppm散布液を水で10倍希釈
した溶液。]7mlをミズホ回転散布塔にて、散布液量が
3.5mg/cm2葉面積になるように散布した。3日後に双眼顕
微鏡によって成虫の生死(反応率)を調べた。各化合物
について二連制で試験を行ない、試験中、薬液処理葉は
25℃の恒温室内に保存した。結果を表1に示す。
【0056】
【表2】 実施例2及び4で製造した化合物は、微量で抵抗性ハダ
ニに対して高い殺ダニ効力を示した。 [試験例2] 抵抗性ハダニに対する殺ダニ効力。 クワの初生葉にミカンハダニ(Panonychus citri)を接種
した。接種一日後、接種葉に10ppm及び1ppmの濃度の試
験化合物を含む溶液[10ppm溶液:展着剤(ニッコール7
10F)0.004%、展着剤(グラミンS)0.01%分散剤(ポリ
ビニルアルコール)0.06%、アセトン0.2%を含む水溶液1
00mlに試験化合物1mgを含む。 1ppm溶液:上記10ppm
散布液を水で10倍希釈した溶液。]7mlをミズホ回転
散布塔にて、散布液量が3.5mg/cm2葉面積になるように
散布した。3日後に双眼顕微鏡によって成虫の生死(反
応率)を調べた。各化合物について二連制で試験を行な
い、試験中、薬液処理葉は25℃の恒温室内に保存した。
結果を表2に示す。
【0057】
【表3】 実施例2及び4で製造した化合物は、微量で抵抗性ハダ
ニに対して、高い殺ダニ効力を示した。
【0058】
【発明の効果】本発明のデスメチルミルベマイシン化合
物である化合物(I)は、優れた殺ダニ、殺虫、駆虫活
性を有する。また、本発明のデスメチルミルベマイシン
化合物の製造方法は、従来の製造法に比べて工程数が少
ない等、効率的な製造法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 33/14 A61P 33/14 Fターム(参考) 4C071 AA04 AA07 BB03 CC14 DD35 EE05 FF17 GG01 HH04 JJ01 LL01 LL02 4C086 AA01 AA02 AA03 BA17 CA03 MA01 MA04 NA14 ZB37 ZB39 4H011 AC04 BA01 BB05 BB19 BC18 DA13 DD03 DH02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)、 【化1】 (式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分枝
    状のアルキル基を示し、R2は水素原子を示し、R3はメチ
    ル、エチル又はイソプロピル基を示し、R4は水素原子又
    は保護基を示す。)で示されるデスメチルミルベマイシ
    ン化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分枝
    状のアルキル基を示し、R2がホルミル基を示し、R3はメ
    チル、エチル又はイソプロピルを示し、R4は水素原子又
    は保護基を示す。)で示される化合物を、遷移金属錯体
    の存在下、脱ホルミル化する事を特徴とする、下記一般
    式(I) 【化3】 (式中、R1は炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分枝
    状のアルキル基を示し、R2は水素原子を示し、R3はメチ
    ル、エチル又はイソプロピル基を示し、R4は水素原子又
    は保護基を示す。)で表されるデスメチルミルベマイシ
    ン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】下記一般式(IV) 【化4】 (式中、R5がホルミル基を示し、R6は炭素数1乃至6個
    を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、R7はメ
    チル、エチル又はイソプロピルを示し、R8は水素原子又
    は保護基を示す。)で示される化合物を、遷移金属錯体
    の存在下、脱ホルミル化する事を特徴とする、下記一般
    式(III) 【化5】 (式中、R5は水素原子を示し、R6は炭素数1乃至6個を
    有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、R7はメチ
    ル、エチル又はイソプロピル基を示し、R8は水素原子又
    はt-ブチルジメチルシリル基を示す。)で表されるデス
    メチルミルベマイシン化合物の製造方法。
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