JP2001131184A - ミルベマイシン27位誘導体 - Google Patents

ミルベマイシン27位誘導体

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JP2001131184A
JP2001131184A JP31885599A JP31885599A JP2001131184A JP 2001131184 A JP2001131184 A JP 2001131184A JP 31885599 A JP31885599 A JP 31885599A JP 31885599 A JP31885599 A JP 31885599A JP 2001131184 A JP2001131184 A JP 2001131184A
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ethyl
methyl
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reaction
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JP31885599A
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English (en)
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Takahiro Tsukiyama
孝弘 築山
Kazuo Sato
佐藤  一雄
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた殺ダニ、殺虫、若しくは駆虫活性を有す
る新規なミルベマイシン化合物等を提供する。 【解決手段】下記の一般式(I): 【化1】 (式中R1はメチル、エチル、イソプロピルまたはsec-ブ
チル基を示し、R2は炭素数1乃至6個のアルキル基を示
す)で表される新規ミルベマイシン化合物等に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレプトミセス
属微生物の培養による当該化合物の製法、化学合成反応
による当該化合物の製法、およびその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】下記の一般式(II)又は(IIa):
【0003】
【化4】
【0004】(式中R11はメチル、エチル、イソプロピ
ル基を示す)で表される27‐ヒドロキシミルベマイシ
ン類、及び、下記の一般式(III):
【0005】
【化5】
【0006】(式中R11は前記と同意義を示す)で表さ
れる27‐ケト−ミルベマイシン類はミルベマイシン類
の土壌代謝物として公知である(Annu.Rep.Sankyo Res.
Lab. 45, p1-98 (1993))。
【0007】しかし、本発明に関する27位メチレン基
がアセタールに変換されたミルベマイシン類の報告はな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、優れた
殺ダニ、殺虫、若しくは駆虫活性を有する新規なミルベ
マイシン化合物を探索するために鋭意研究を重ねた結
果、新たに一連のミルベマイシン27位変換体及びその
製造法を見出し本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(1)下
記の一般式(I):
【0010】
【化6】
【0011】(式中R1はメチル、エチル、イソプロピル
またはsec-ブチル基を示し、R2は炭素数1乃至6個のアル
キル基を示す)で表される新規ミルベマイシン化合物、
(2)一般式(I)においてR1がメチル、エチルまたは
イソプロピル基を示す(1)記載の新規ミルベマイシン
化合物、(3)一般式(I)においてR1がメチルまたは
エチル基を示す(1)記載の新規ミルベマイシン化合
物、(4)一般式(I)においてR2がメチル、エチルま
たはイソプロピル基を示す(1)乃至(3)のいずれか
一つに記載の新規ミルベマイシン化合物、(5)一般式
(I)においてR1がメチル基を示し、R2はメチル基を示
す新規ミルベマイシン化合物、(6)一般式(I)にお
いてR1がエチル基を示し、R2はメチル基を示す新規ミル
ベマイシン化合物、(7)(1)乃至(6)のいずれか
一つに記載の一般式(I)で表される化合物において、
下記一般式(Ia)で表される化合物:
【0012】
【化7】
【0013】(8)(1)乃至(6)のいずれか一つに
記載の一般式(I)で表される化合物において、下記一
般式(Ib)で表される化合物:
【0014】
【化8】
【0015】(9)(1)乃至(6)のいずれか一つに
記載の一般式(I)で表される化合物において、一般式
(Ia)または(Ib)で表される化合物を任意の割合で
含む混合物:等に関する。
【0016】前記一般式(I)において、R1における
「メチル、エチル、イソプロピルまたはsec-ブチル基」
のうち、好適には、メチルまたはエチル基であり、更に
好適には、エチル基である。
【0017】前記一般式(I)において、R2における
「炭素数1乃至6個のアルキル基」は、例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、シクロブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペン
チル、1‐メチルブチル、シクロペンチル、ヘキシル、1
‐メチルペンチル、2‐メチルペンチル、3‐メチルペン
チル、4-メチルペンチル、1‐エチルブチル、2‐エチル
ブチル、シクロヘキシルのような直鎖、分技鎖または環
状アルキル基であり、好適にはメチル、エチル、イソプ
ロピル基のような炭素数1乃至3個のアルキル基であり、
更に好適には、メチル基である。
【0018】また、本発明の化合物における27位の立体
配置には一般式(Ia)で表されるものと一般式(Ib)
で表されるものとの二種類が存在するが、その両方の化
合物、およびそれらの任意の混合割合の混合物も本発明
に包含される。
【0019】本発明の化合物は、大気中に放置したり、
水溶液から凍結乾燥したり、又は、再結晶をすることに
より、水分を吸収し、吸着水がついたり、水和物となる
場合があり、そのような塩も本発明に包含される。
【0020】以下に本発明の一般式(I)で表されるミ
ルベマイシン27位誘導体の例を示すが本発明はこれらの
化合物に限定されるものではない。
【0021】なお、以下の例示において(低極性)乃至
(高極性)と記載されているのは、一般式(I)におい
てR1 及び R2 が同一であり、27位の立体配置が異な
る立体異性体を表す。化合物番号 R1 R2 1a メチル メチル (低極性) 1b メチル メチル (高極性) 2a エチル メチル (低極性) 2b エチル メチル (高極性) 3a イソプロピル メチル (低極性) 3b イソプロピル メチル (高極性) 4a sec-ブチル メチル (低極性) 4b sec-ブチル メチル (高極性) 5a メチル エチル (低極性) 5b メチル エチル (高極性) 6a エチル エチル (低極性) 6b エチル エチル (高極性) 7a イソプロピル エチル (低極性) 7b イソプロピル エチル (高極性) 8a sec-ブチル エチル (低極性) 8b sec-ブチル エチル (高極性) 9a メチル プロピル (低極性) 9b メチル プロピル (高極性) 10a エチル プロピル (低極性) 10b エチル プロピル (高極性) 11a イソプロピル プロピル (低極性) 11b イソプロピル プロピル (高極性) 12a sec-ブチル プロピル (低極性) 12b sec-ブチル プロピル (高極性) 13a メチル イソプロピル (低極性) 13b メチル イソプロピル (高極性) 14a エチル イソプロピル (低極性) 14b エチル イソプロピル (高極性) 15a イソプロピル イソプロピル (低極性) 15b イソプロピル イソプロピル (高極性) 16a sec-ブチル イソプロピル (低極性) 16b sec-ブチル イソプロピル (高極性) 17a メチル ブチル (低極性) 17b メチル ブチル (高極性) 18a エチル ブチル (低極性) 18b エチル ブチル (高極性) 19a イソプロピル ブチル (低極性) 19b イソプロピル ブチル (高極性) 20a sec-ブチル ブチル (低極性) 20b sec-ブチル ブチル (高極性) 21a メチル イソブチル (低極性) 21b メチル イソブチル (高極性) 22a エチル イソブチル (低極性) 22b エチル イソブチル (高極性) 23a メチル sec-ブチル (低極性) 23b メチル sec-ブチル (高極性) 24a エチル sec-ブチル (低極性) 24b エチル sec-ブチル (高極性) 25a メチル ペンチル (低極性) 25b メチル ペンチル (高極性) 26a エチル ペンチル (低極性) 26b エチル ペンチル (高極性) 27a メチル イソペンチル (低極性) 27b メチル イソペンチル (高極性) 28a エチル イソペンチル (低極性) 28b エチル イソペンチル (高極性) 29a メチル ネオペンチル (低極性) 29b メチル ネオペンチル (高極性) 30a エチル ネオペンチル (低極性) 30b エチル ネオペンチル (高極性) 31a メチル ヘキシル (低極性) 31b メチル ヘキシル (高極性) 32a エチル ヘキシル (低極性) 32b エチル ヘキシル (高極性) 上記の例示化合物中、化合物(1a),(1b),(2a),
(2b),(6a),(6b),(14a)及び(14b)が好適で
ある。
【0022】より好適なものとしては、化合物(1a),
(1b),(2a)及び(2b)を挙げることができ、更に好
適なものとしては化合物(2a)及び(2b)を挙げること
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)に示す化合
物は、次の製造式(A)に示す化学的変換法により製造
することが出来る。
【0024】
【化9】
【0025】(上記式中R1及びR2は、前記したものと同
意義を示し、R3は同一、または相異なって炭素数1乃至
4のアルキル基又はフェニル基を示す。) 製造式(A)の化学変換法は、一般式(IV)で表される
ミルベマイシン類化合物の5位水酸基を保護した後、27
位を酸化、還元し、最後に保護基を脱保護しつつアセタ
ール化を行い、一般式(I)で表される本発明の化合物
を製造する工程である。ここで、一般式(IV)で表され
るミルベマイシン類化合物は、特開昭50−29742号記載
の方法に従い、ストレプトミセスB-41-146菌株を培養す
ることにより、製造することができる。
【0026】ストレプトミセス属のB-41-146菌株の菌学
的性質については特開昭50−29742号公報に詳し
く記載され、ストレプトミセスB-41-146菌株は昭和46年
6月16日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(現通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所)に
寄託されており、その受託番号は微工研菌寄第1438
号である。
【0027】第一工程は一般式(IV)で示されるミルベ
マイシン類の5位水酸基を保護する工程である。本工程
は、一般式(IV)で表される化合物に、塩基の存在下、
シリル化剤を反応させることによって達成される。
【0028】使用されるシリル化剤としては、例えばト
リメチルシリルクロライド(TMSCl)、t-ブチルジメチル
シリルクロライド(TBDMSCl)、t-ブチルジフェニルシリ
ルクロライド(TBDPSCl)、t-ブチルジメチルシリルトリ
フレート(TBDMSOTf)、トリエチルシリルクロライド(TES
Cl)、トリイソプロピルシリルクロライド(TIPSCl)など
通常シリル化に用いられるシリル化剤であり、好適には
t-ブチルジメチルシリルクロライドである。シリル化剤
の使用量は一般式(IV)で表される化合物に対して通常
1当量ないし10当量、好適には1当量ないし3当量で
ある。
【0029】使用される塩基としては、例えばトリエチ
ルアミン、2,6−ルチジン、ピリジン、ジメチルアミ
ノピリジン、イミダゾール等の有機塩基をあげることが
出来、好適にはイミダゾールである。
【0030】塩基の使用量は一般式(IV)で表される化
合物に対して通常1当量ないし10当量、好適には1当
量ないし3当量である。
【0031】反応は好適には溶媒の存在下行われる。使
用される溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある
程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンの様なハロ
ゲン化炭素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)の様な
アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)の様なスルホキ
シド類、アセトニトリルの様なニトリル類、並びにこれ
らの溶媒の混合物であり、好適には、N,N-ジメチルホル
ムアミドである。
【0032】反応温度は通常-78度から100度で行われ、
好適には0度から室温である。反応時間は反応温度、反
応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類などによっ
て異なるが通常15分から三昼夜であり、好適には30分か
ら一昼夜である。
【0033】第二工程は一般式(V)で表される化合物
の27位を酸化する工程である。本工程は、一般式
(V)で表される化合物に酸化剤を反応させることによ
り達成される。
【0034】使用される酸化剤としては例えばクロム
酸、又はその塩をあげることが出来るが、好適にはクロ
ム酸である。その使用量は一般式(V)で表される化合
物に対して通常1当量ないし大過剰、好適には5当量な
いし50当量である。
【0035】本反応は好適には溶媒の存在下行われ、使
用される溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある
程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には
ピリジン等のような有機塩基類、ヘキサン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、ベンゼ
ン、トルエンなどの様な炭化水素類、四塩化炭素、クロ
ロホルム、ジクロロメタンなどの様なハロゲン化炭素
類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサンなどの様なエーテル類、N,N-ジメチルホルムア
ミドなどの様なアミド類、ジメチルスルホキシドなどの
様なスルホキシド類、アセトニトリルなどの様なニトリ
ル類、並びにこれらの溶媒の混合物であり、好適にはベ
ンゼン、ピリジン及びこれらの混合物であり、更に好適
にはピリジンである。
【0036】反応温度は通常-78度から150度で行われ、
好適には室温から100度である。反応時間は反応温度、
反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類などによ
って異なるが、通常15分から20日間であり、好適に
は一昼夜から一週間である。
【0037】第三工程は還元剤の存在下、一般式(VI)
で表される化合物の27位のラクトン環を選択的にラク
トールに還元する工程である。
【0038】使用される還元剤としてはジイソブチルア
ルミニウムハイドライド(DIBAL)、リチウムトリ−t
―ブトキシアルミノハイドライド(LiAl(OtBu)3H)、ソ
ディウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミナムハイ
ドライド(NaAl(OCH2CH2OMe)2H 2, Red-Al)のようなハ
イドライド還元剤をあげることができ、好適にはジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL)である。そ
の使用量は一般式(VI)で表される化合物に対して通常
1当量ないし大過剰、好適には3当量から15当量であ
る。
【0039】本反応は好適には溶媒の存在下行われ、使
用される溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある
程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には
ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石
油エーテル、ベンゼン、トルエンなどの様な炭化水素
類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの
様なハロゲン化炭素類、エチルエーテル、テトラヒドロ
フラン(THF)、1,4−ジオキサンなどの様なエーテ
ル類、メタノール、エタノールなどの様なアルコール
類、N,N-ジメチルホルムアミドなどの様なアミド類、ジ
メチルスルホキシドなどの様なスルホキシド類、アセト
ニトリルなどの様なニトリル類、並びにこれらの溶媒の
混合物であり、更に好適にはトルエン、メチルシクロヘ
キサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びこれ
らの混合物である。
【0040】反応温度は通常-78度から150度であ
り、好適には-78度から0度である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが、通常15分から一昼夜であり、好適
には30分から6時間である。
【0041】第四工程は酸及び式R2-OHで表されるアル
コール(R2は前述したものと同意義を示す)の存在下、
一般式(VII)で表される化合物(閉環体)と一般式(V
IIa)で表される化合物(開環体)の平衡混合物の5位
シリルエーテル部を脱シリル化(脱保護)し5位水酸基
へ変換するのと同時に、27位ラクトール部を所望のR2
を有するアルコール (R2OH)を用いてアセタール化す
る工程である。アルコールの使用量は一般式(VII)で
表される化合物又は一般式(VIIa)で表される化合物に
対して通常1当量ないし大過剰であり、更にアルコール
をそのまま溶媒として用いることもできる。使用される
酸としては希塩酸、希硫酸などの様な希酸類、蟻酸、酢
酸、トリフルオロ酢酸(TFA)などの様な有機酸類、p
−トルエンスルホン酸(p−TsOH)、トリフルオロメタ
ンスルホン酸(TfOH)などの様なスルホン酸類、酸性イ
オン交換樹脂などをあげることができるが、好適にはp
−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類である。その
使用量は一般式(VII)で表される化合物と一般式(VII
a)で表される化合物の平衡混合物に対して通常1当量
ないし20当量であり、好適には1当量から5当量であ
る。反応は好適には溶媒の存在下行われ、使用される溶
媒としては反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解す
るものであれば特に限定はないが、好適にはヘキサン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテ
ル、ベンゼン、トルエンなどの様な炭化水素類、四塩化
炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの様なハロゲ
ン化炭素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサンなどの様なエーテル類、メタノー
ル、エタノールなどの様なアルコール類、N,N-ジメチル
ホルムアミドなどの様なアミド類、ジメチルスルホキシ
ドなどの様なスルホキシド類、アセトニトリルなどの様
なニトリル類、並びにこれらの溶媒の混合物があげられ
る。反応温度は通常-20度から70度であり、好適に
は0度から50度である。反応時間は反応温度、反応試
薬、または反応に用いられる溶媒の種類などによって異
なるが、通常15分から三昼夜であり、好適には30分から
一昼夜である。
【0042】反応終了後、本工程の目的化合物(一般式
(I)で表される化合物)は定法に従って反応混合物か
ら採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶
剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を
加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。
得られた目的化合物は必要なら常法、たとえば再結晶、
再沈殿またはクロマトグラフィーなど当業者周知の方法
によりさらに精製することができる。
【0043】また、一般式(I)で表される化合物は製
造式(B)に示す化学的変換によっても製造することがで
きる。 製造式(B)
【0044】
【化10】
【0045】(上記式中R1、R2及びR3は前記と同意義を
示す。) 第五工程は酸、及び水の存在下、一般式(VII)または
一般式(VIIa)で表される化合物の5位のシリルエーテ
ル部を脱シリル化(脱保護)し、5位水酸基へ変換する
ことにより一般式(VIII)と一般式(VIIIa)の平衡混
合物として表される27−ヒドロキシミルベマイシン類
を製造する工程である。
【0046】水の使用量は一般式(VII)と一般式(VII
a)の平衡混合物として表される化合物に対して通常1
当量ないし大過剰である。
【0047】使用される酸としては希塩酸、希硫酸など
の様な希酸類、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの様
な有機酸類、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸などの様なスルホン酸類、酸性イオン交
換樹脂などをあげることができるが、好適にはp−トル
エンスルホン酸などのスルホン酸類である。その使用量
は一般式(VII)または一般式(VIIa)で表される化合
物に対して通常1当量ないし20当量であり、好適には
1当量から5当量である。
【0048】反応は好適には溶媒の存在下行われ、使用
される溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある程
度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはヘ
キサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエンなどの様な炭化水素類、
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの様な
ハロゲン化炭素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサンなどの様なエーテル類、N,N-ジ
メチルホルムアミドなどの様なアミド類、ジメチルスル
ホキシドなどの様なスルホキシド類、アセトニトリルな
どの様なニトリル類、水、並びにこれらの溶媒の混合物
があげられる。
【0049】反応温度は通常-20度から70度であ
り、好適には0度から50度である。反応時間は反応温
度、反応試薬、または反応に用いられる溶媒の種類など
によって異なるが、通常15分から三昼夜であり、好適に
は30分から一昼夜である。
【0050】第六工程は酸、及びR2-OH(R2は前記した
ものと同意義を示す)の存在下、一般式(VIII)または
一般式(VIIIa)で表される化合物の27位ラクトール
部をアセタール化して目的化合物(I)を得る工程であ
る。
【0051】R2-OH(R2は前記したものと同意義を示
す)の使用量は一般式(VIII)または一般式(VIIIa)
で表される化合物に対して通常1当量ないし大過剰であ
り、更に用いるアルコールをそのまま溶媒として用いる
こともできる。使用される酸としては希塩酸、希硫酸な
どの様な希酸類、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの
様な有機酸類、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸などの様なスルホン酸類、酸性イオン
交換樹脂などをあげることができるが、好適にはp−ト
ルエンスルホン酸などのスルホン酸類である。その使用
量は一般式(VIII)または一般式(VIIIa)で表される
化合物に対して通常1当量ないし20当量であり、好適
には1当量から5当量である。
【0052】反応は好適には溶媒の存在下行われ、使用
される溶媒としては反応を阻害せず、出発物質をある程
度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはヘ
キサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエンなどの様な炭化水素類、
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの様な
ハロゲン化炭素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサンなどの様なエーテル類、メタノ
ール、エタノールなどの様なアルコール類、N,N-ジメチ
ルホルムアミドなどの様なアミド類、ジメチルスルホキ
シドなどの様なスルホキシド類、アセトニトリルなどの
様なニトリル類、並びにこれらの溶媒の混合物があげら
れる。反応温度は通常-20度から70度であり、好適
には0度から50度である。
【0053】反応時間は反応温度、反応試薬、または反
応に用いられる溶媒の種類などによって異なるが、通常
15分から三昼夜であり、好適には30分から一昼夜であ
る。
【0054】各工程の反応終了後、本工程の目的化合物
(一般式(I)で表される化合物)は定法に従って反応
混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混
合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有
機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得
られる。得られた目的化合物は必要なら常法、たとえば
再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなど当業者周
知の方法によりさらに精製することができる。
【0055】また、一般式(I)においてR1がメチルま
たはエチル基であり、R2がメチル基である化合物(1
a)、(1b)、(2a)および(2b)については微生物の
培養によっても生産することができる。ストレプトミセ
ス属B-41株を適当な培地で培養し、それから採取するこ
とによって得られる。栄養源としては、従来ストレプト
ミセス属の菌の培養に利用されている公知のものが使用
できる。例えば、炭素源としてはグルコース、シューク
ロース、でんぷん、グリセリン、水飴、糖みつ、大豆油
などが使用できる。また窒素源としては、大豆油、小麦
はいが、肉エキス、ペプトン、酵母菌体、コーンスチー
プリカー、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム等を使用
しうる。このほか必要に応じて、炭酸カルシウム、食
塩、塩化カリ、リン酸塩等の無機塩類を添加するほか、
菌の発育を助け、化合物(1a)、(1b)、(2a)および
(2b)の生産を促進するような無機及び有機物を適当に
添加することができる。
【0056】培養法としては、一般の微生物代謝産物を
生産する方法と同じく、液体培養法、特に深部培養法が
最も適している。培養は、好気的条件下で行われ、培養
に適当な温度は、22-30oCであるが、多くの場合28oC付
近で培養する。化合物(1a)、(1b)、(2a)および
(2b)の生産は振とう培養、タンク培養ともに5-15日で
最高値に達する。
【0057】化合物(1a)、(1b)、(2a)および(2
b)の検定にあたっては次の方法が用いられる。すなわ
ち培溶液2mlを試験管にとり、98%メタノール8mlを添
加、振とうして抽出し、遠心分離する。得られた分離液
を、高速液体クロマトグフィー(Symmetry 3.5μ C18
4.6 × 150mm、アセトニトリルーメタノールー水(4
5:25:30) 1.0ml/min)で分析し、化合物(1
a)、(1b)、(2a)および(2b)を検定、定量した。
【0058】化合物(1a)、(1b)、(2a)および(2
b)を培養液から採取するにあたっては、活性炭、アル
ミナ、シリカゲル、ダイヤイオンHP-20などの吸着剤、
アビセル、ろ紙などの固定剤、イオン交換樹脂、イオン
交換ゲルろ過剤などが使用されうるが、より具体的な採
取方法を次に示す。
【0059】培養物を、けいそう土などのろ過助剤を用
いてろ別し、ここで得られたケーキをメタノールで抽出
することにより、目的化合物を含んだメタノール液が得
られる。これに水を加えた後、n-ヘキサンで転溶し、得
られた抽出液を減圧濃縮することにより、目的化合物を
含んだオイル状の粗生成物が得られる。これをシリカゲ
ルカラムに吸着させ、n-ヘキサン、アセトン、酢酸エチ
ル、メタノール及びエタノールなどの有機溶媒の混合物
で、不純物の洗浄と目的化合物の溶出を行なう。目的化
合物は、さらに種々の担体と溶媒を組み合わせて、カラ
ムクロマトグラフィー、薄層カラムクロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィーなどを用いて、単離、
精製する。得られた化合物の構造は、種々のスペクトル
の解析によって決定される。
【0060】本発明の化合物は、果樹、野菜及び花卉に
寄生するナミハダニ類(Tetranychus)、リンゴハダニや
ミカンハダニ(Panonychus)及びサビダニ等の成虫及び
卵、動物に寄生するマダニ科(Ixodidae)、ワクモ科(Der
manysside)及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)等に対して
優れた殺ダニ活性を有している。更に、ヒツジバエ(Oes
trus)、キンバエ(Lucilia)、ウシバエ(Hypoderma)、ウ
マバエ(Gautrophilus)等及びのみ、しらみ等の動物や鳥
類の外部寄生虫;ゴキブリ、家バエ等の衛生害虫;その
他アブラ虫、コナガ、鱗翅目害虫等の各種農園芸害虫に
活性がある。
【0061】本発明の化合物は、更にまた根こぶ線虫(M
eloidogyne)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchu
s)、ネダニ(Phizoglyphus)等に対しても活性がある。
【0062】本発明の化合物は動物および人間の内部寄
生虫に対しても優れた活性を有している。特にぶた、ひ
つじ、山羊、牛、馬、犬、猫及び鶏のような家畜及びペ
ットに感染する線虫のほか、フィラリア科(Filariidae)
やナタリア科(Setariidae)の寄生虫、人間の消化管、血
液又は他の組織及び臓器に見出される寄生虫にたいして
も有効である。
【0063】本発明の化合物を農園芸用に供するには、
担体及び必要に応じて他の補助剤と混合して、農薬とし
て通常用いられる製剤形態、例えば、粉剤、水和剤、乳
剤、水もしくは油性懸濁液、エアゾール等の組成物に調
製されて使用される。
【0064】種々の剤型に調製された本発明の組成物
を、例えば、果樹園又は畑地において有害昆虫、ハダニ
類の寄生した農作物又は家畜に散布するときは、有効成
分濃度として0.5-100ppmを農作物の茎葉、土壌又は家畜
に処理することにより、有効に防除することができる。
【0065】本発明の化合物を動物及び人における駆虫
剤として使用する場合は、液体飲料として経口的に投与
することができる。飲料は普通ベントナイトのような懸
濁剤及び湿潤剤、又はその他の賦形剤と共に適当な非毒
性の溶剤又は水での溶液、懸濁液又は分散剤である。一
般に飲料はまた消泡剤を含有する。飲料処方は一般に活
性化合物を0.01-0.5重量%、好適には0.01-0.1重量%を含
有する。
【0066】本発明の化合物を動物飼料によって投与す
る場合は、それを飼料に均質に分散させるか、トップド
レッシングとして使用されるか、又はペレットの形態と
して使用される。普通望ましい抗寄生虫効果を達成する
ためには、最終飼料中に活性化合物を0.0001-0.02%を含
有している。
【0067】また、本発明の化合物を液体担体賦形剤に
溶解又は分散させた物は、胃内、筋肉内、気管内又は皮
下に注射することによって、非経口的に動物に投与する
ことができる。非経口投与のために、活性化合物は好適
には落花生油、綿実油のような適当な植物油と混合す
る。このような処方は、一般に活性化合物を0.05-50重
量%含有する。
【0068】本発明の化合物は又、ジメチルスルホキシ
ド又は炭化水素溶剤のような適当な担体と混合すること
によって局所的に投与しうる。この製剤はスプレー又は
直接的注加によって、動物の外部表面に直接適用され
る。最善の結果を得るための活性化合物の最適使用量
は、治癒される動物の種類及び寄生虫感染の型及び程度
によってきまるが、一般に動物体重1Kg当たり約0.01-10
0mg、好適には0.5-50mgを経口投与することによって得
られる。このような使用量は一度に又は分割した使用量
で、1ー5日のような比較的短期間にわたって与えられ
る。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例及び参考例によりさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。 実施例1.化合物番号(1a)および(1b)
【0070】
【化11】
【0071】
【化12】
【0072】参考例(2)記載の方法で得られた、5-O
-t-ブチルジメチルシリル(以下5-OTBDMS) -27-ヒドロ
キシミルベマイシンA3 34mg(0.05mmol)をメタノール 1
mlに溶解し、室温で攪拌した。これにp-トルエンスル
ホン酸1水和物30mg(0.16mmol)を加え、室温で30分攪拌
した。その後、反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽
出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネ
シウムにより乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し低極性の化
合物(1a)を4.9mg(収率17.0%)及び高極性の化合物
(1b)を18.5mg(収率64.2%)得た。 化合物番号(1a) 質量スペクトル(EI-MS): 558(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.98-6.1
3(2H, m), 5.55-5.64(2H, m), 5.39-5.53(2H, m), 5.00
(1H, m), 4.29(1H, dd, J=5.9, 3.3Hz), 4.23(1H, s),
4.08(1H, d, J=5.9Hz), 3.69(1H, m), 3.52-3.62(1H,
m), 3.47(3H, s),3.26(1H, dd, J=9.2, 6.3Hz), 3.02(1
H, d, J=3.3Hz), 2.40-2.55(1H, m), 2.10-2.30(3H,
m), 1.93(3H, m), 1.52(3H, br), 1.14(3H, d, J=6.6H
z), 1.01(3H,d, J=6.3Hz), 0.83(3H, d, J=6.6Hz), 0.8
2-2.05(10H, m). 化合物番号(1b) 質量スペクトル(EI-MS): 558(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.94-6.1
3(2H, m), 5.58(1H, d),5.30-5.51(3H, m), 5.00(1H,
m), 4.30(1H, dd, J=7.7, 6.2Hz), 4.23(1H, d,J=6.2H
z), 4.10(1H, s), 3.47-3.62(1H, m), 3.50(3H, s), 3.
26(1H, dd, J=9.5, 6.2Hz), 3.17(1H, m), 2.45-2.50(1
H, m), 2.33(1H, d, J=7.7Hz), 2.19-2.27(3H, m), 1.8
7(3H, br), 1.54(3H, br), 1.15(3H, d, J=6.2Hz), 0.8
3(3H, d, J=6.2Hz), 0.79-2.05(10H, m). 実施例2.化合物番号(2a)および(2b)
【0073】
【化13】
【0074】
【化14】
【0075】参考例(1)記載の方法で得られた、5-O
TBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA4 40mg(0.06mmol)
をメタノール 1mlに溶解し、室温で攪拌した。これにp
-トルエンスルホン酸1水和物34mg(0.18mmol)を加え、室
温で30分攪拌した。その後、反応混合物を水にあけ、酢
酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し低極性の目的化合物(2a)を6.3mg(収率18.5%)
及び高極性の目的化合物(2b)を19.8mg(収率58.2
%)得た。 化合物番号(2a) 質量スペクトル(EI-MS): 572(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.96-6.1
3(2H, m), 5.60-5.65(2H, br), 5.35-5.60(2H, m), 4.9
8(1H, t, J=7.7Hz), 4.28(1H, dd, J=5.9, 3.3Hz), 4.2
2(1H, s), 4.08(1H, d, J=5.9Hz), 3.69(1H, t, J=2.6H
z), 3.58(1H, m),3.47(3H, s), 3.09(1H, m), 3.02(1H,
d, J=3.3Hz), 2.48(1H, m), 2.15-2.30(3H, m), 1.93
(3H, t, J=2.0Hz), 1.52(3H, s), 1.01(3H, d, J=7.0H
z), 1.00(3H, t, J=7.7Hz), 0.82(3H, d, J=6.2Hz), 0.
70-2.05(12H, m). 化合物番号(2b) 質量スペクトル(EI-MS): 572(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.95-6.1
3(2H, m), 5.59(1H, br), 5.25-5.55(2H, m), 5.39(1H,
br), 4.98(1H, t, J=7.3Hz), 4.30(1H, dd, J=7.7, 6.
6Hz), 4.27(1H, d, J=6.6Hz), 4.09(1H, s), 3.47-3.60
(1H, m), 3.50(3H, s), 3.17(1H, dd, J=4.8, 2.2Hz),
3.07(1H, dt, J=9.2, 2.6Hz), 2.43-2.51(1H, m), 2.34
(1H, d, J=7.7Hz), 2.19-2.27(3H, m), 1.87(3H, br),
1.54(3H, br), 1.02(3H, d, J=6.6Hz), 0.99(3H, t, J=
7.3Hz), 0.83(3H, d, J=6.2Hz), 0.78-2.05(12H, m). 実施例3.化合物(6a)および(6b)
【0076】
【化15】
【0077】
【化16】
【0078】参考例(1)記載の方法で得られた、5-O
TBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA4 50mg(0.07mmol)
をエタノール 1mlに溶解し、室温で攪拌した。これにp
-トルエンスルホン酸1水和物42mg(0.22mmol)を加え、室
温で70分攪拌した。その後、反応混合物を水にあけ、酢
酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し低極性目的化合物(6a)を5.4mg(収率12.4%)及
び高極性目的化合物(6b)を24.8mg(収率56.9%)得
た。 化合物番号(6a) 質量スペクトル(EI-MS): 586(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.97-6.1
2(2H, m), 5.74(1H, s),5.63(1H, br), 5.34-5.56(2H,
m), 4.98(1H, m), 4.28(1H, dd, J=5.9, 3.3Hz), 4.23
(1H, s), 4.06(1H, d, J=5.9Hz), 3.54-3.85(4H, m),
3.13(1H, d, J=3.3Hz), 3.06(1H, m), 2.40-2.60(1H,
m), 2.15-2.30(3H, m), 1.93(3H, m), 1.58(3H, s), 1.
02(3H, d, J=7.0Hz), 0.99(3H, t, J=7.7Hz), 0.82(3H,
d, J=6.2Hz), 0.76-2.05(15H, m). 化合物番号(6b) 質量スペクトル(EI-MS): 586(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.95-6.1
5(2H, m), 5.69(1H, d,J=1.5Hz), 5.30-5.53(3H, m),
4.98(1H, m), 4.30(1H, dd, J=7.3, 6.2Hz), 4.25(1H,
d, J=6.2Hz), 4.02(1H, s), 3.80-3.95(1H, m), 3.52-
3.75(2H, m), 3.17(1H, dd, J=4.5, 2.2Hz), 3.08(1H,
dt, J=9.2, 2.6Hz), 2.41-2.51(1H, m), 2.35(1H, d, J
=7.3Hz), 2.10-2.30(3H, m), 1.89(3H, br), 1.54(3H,
br), 1.01(3H, d, J=6.6Hz), 0.99(3H, t, J=7.7Hz),
0.82(3H, d, J=6.2Hz), 0.79-2.04(15H, m). 実施例4.化合物(14a)および(14b)
【0079】
【化17】
【0080】
【化18】
【0081】参考例(1)記載の方法で得られた、5-O
TBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA4 50mg(0.07mmol)
をイソプロピルアルコール 1mlに溶解し、室温で攪拌し
た。これにp-トルエンスルホン酸1水和物42mg(0.22mmo
l)を加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応混合物を
水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し低極性の目的化合物(14a)を6.5mg
(収率14.6%)及び高極性の目的化合物(14b)を23.6m
g(収率52.9%)得た。 化合物番号(14a) 質量スペクトル(EI-MS): 600(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.93-6.0
9(2H, m), 5.81(1H, s),5.64(1H, br), 5.36-5.54(2H,
m), 4.98(1H, t, J=7.3Hz), 4.28(1H, s), 4.25(1H, d,
J=2.6Hz), 3.91-4.18(2H, m), 3.76(1H, t, J=2.6Hz),
3.45-3.65(1H,m), 3.24(1H, d, J=2.9Hz), 3.06(1H,
m), 2.35-2.55(1H, m), 2.15-2.30(3H, m), 1.93(3H,
m), 1.59(3H, s), 1.26(3H, d, J=5.9Hz), 1.21(3H, d,
J=5.9Hz),1.02(3H, d, J=7.0Hz), 1.00(3H, t, J=7.7H
z), 0.82(3H, d, J=6.6Hz), 0.76-2.05(12H, m). 化合物番号(14b) 質量スペクトル(EI-MS): 600(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.93-6.1
4(2H, m), 5.76(1H, d,J=1.5Hz), 5.30-5.52(3H, m),
4.98(1H, m), 4.24-4.35(2H, m), 3.98-4.18(1H,m), 3.
96(1H, s), 3.60(1H, m), 3.16(1H, dd, J=4.5, 2.2H
z), 3.08(1H, dt,J=9.2, 2.6Hz), 2.35-2.55(1H, m),
2.31(1H, d, J=7.3Hz), 2.15-2.25(3H, m),1.87(3H, t,
J=1.8Hz), 1.54(3H, s), 1.28(6H, d, J=7.0Hz), 1.01
(3H, d, J=6.6Hz), 0.99(3H, t, J=7.3Hz), 0.83(3H,
d, J=6.2Hz), 0.81-2.10(12H, m). 実施例5.化合物番号(2a)および(2b)の製造。
【0082】参考例(1)記載の方法で得られた、27
−ヒドロキシミルベマイシンA440mg(0.09mmol)をメタ
ノール 1mlに溶解し、室温で攪拌した。これにp-トル
エンスルホン酸1水和物51mg(0.27mmol)を加え、室温で2
時間攪拌した。その後、反応混合物を水にあけ、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し低極性の目的化合物(2a)を10.8mg(収率26.3%)
及び高極性の目的化合物(2b)を24.7mg(収率60.2
%)得た。 実施例6.化合物番号(1a)、(1b)、(2a)および
(2b) シュクロース1%、ポリペプトン0.35%およびりん酸二カ
リウム 0.05%を含有する前培養培地20mlを含む200ml容
三角フラスコにB-41株を一白金耳接種し、72時間28oC培
養を行い、第一種培養とした。この200ml容三角フラス
コ一本を上記の前培養培地500mlを含む2L容三角フラス
コに接種し、24時間28oCで培養を行い第二種培養とし
た。この2L容三角フラスコ一本を30L容ジャーファメン
ターに移植した。ジャーファメンターには、シュクロー
ス9%、デキストリン3%、大豆粉1.1%、綿実かす1.1%、ス
キムミルク1.1%、りん酸二カリウム 0.1%、FeSO4・7H2O
0.01%、炭酸カルシウム 0.25%を含有する培地20Lを
仕込み、pHを7.2〜7.5に調製し、十分に滅菌した。培養
期間中は、28oC、内圧0.5kg/cm2に保持した。12日間
培養後、培養物25LのpHを硫酸で3とし、セライト1.2
5Kgを加えて加圧ろ過すると約3.6Kgのケーキが得られ
た。これを30Lの90%メタノールで抽出、ろ別し、得られ
たメタノール溶液29Lに水19Lを加え、30Lのn−ヘキサ
ンで2回抽出した。得られたn−ヘキサン相を40−45 o
C水浴中で減圧濃縮すると124.8gのオイルが得られた。
前記化合物を得るためには、以下の精製手段を単独ある
いは適宜組み合わせ、また反復して用いる。
【0083】124.8gのオイルをn−ヘキサンに溶解
し、あらかじめ1250gのシリカゲル(メルク社製)をn
−ヘキサンで平衡化してあるカラムに吸着させ、次いで
n−ヘキサン:アセトン(97.5:2.5、95:5および90:
10)溶液各25Lで展開した。この結果、化合物1乃至9
を含有するフラクション19Lを得た。これを前期と同様
の条件で濃縮し、36.3gの乾固物を得た。
【0084】36.3gのオイルに800mlのメタノールを加
え溶解した後、分取用逆相HPLC(YMCODS(15/30)、100mm
×500mm、(株)ワイエムシイ社製)に4回に分けて供与
し、アセトニトリル:水(75:25)溶液を用いて、200m
l/分の流速で溶出した。この結果、化合物番号(1a)
を含有するフラクション10L、化合物番号(1b)を含有
するフラクション10L、化合物番号(2a)を含有するフ
ラクション10L、および化合物番号(2b)を含有するフ
ラクション10Lを得た。
【0085】化合物番号(1a)を含有するフラクション
19Lに、19Lの水を加えた後、n−ヘキサン:酢酸エチル
(1:1)溶液で抽出し、1.2gの乾固物を得た。これ
に、ジクロルメタンを加え溶解し、シリカゲル2gととも
に濃縮、乾固した。この乾固物をあらかじめnーヘキサ
ンで平衡化してある50gのシリカゲルカラムに重層し、
前記と同様に、n−ヘキサン:アセトン溶液で展開し、
化合物番号(1a)を含有するフラクションを得た後、前
記と同様の条件で濃縮し30mgの乾固物を得た。 30mgの
乾固物に1mlのメタノールを加え溶解し、これを分取用
逆相HPLC(ODS-A S5/20 30×500mm、(株)ワイエムシイ
社製)に供与し、アセトニトリル:水(60:40)溶液を
用いて、20ml/分の流速で溶出し、化合物番号(1a)を
含むフラクション30mlを得た。これに30mlの水を加えた
後、n−ヘキサン:酢酸エチル(1:1)溶液で抽出し
た。結果として、分析用逆相HPLC(Symmetry 3.5μ C
18 4.6 X 150mm、アセトニトリルーメタノールー水(4
5:25:30) 1.0ml/min)でRt=26.1minの乾固物0.
5mg(化合物番号(1a))を得た。
【0086】同様にして化合物番号(1b)を1.2mg(Rt=3
0.3min)、化合物番号(2a)を1.3mg(Rt=38.8min)、化合
物番号(2b)を1.8mg(Rt=43.2min)それぞれ得た。 試験例 抵抗性ハダニに対する殺ダニ効力 ササゲ(Vigna sinensis Savi)の初生葉にナミハダニ
(Tetranychus urticae)を接種した。接種一日後、接種
葉に10ppmの濃度の試験化合物を含む溶液7mlをミズホ回
転散布塔にて、散布液量が3.5mg/cm2葉面積になるよう
に散布した。3日後に双眼顕微鏡によって成虫の生死を
調べた。各化合物について二連制で試験を行ない、試験
中、薬液処理葉は25℃の恒温室内に保存した。以上の得
られた結果を次表に示した。 化合物番号 殺ダニ率(%) 1a 85 1b 85 2a 95 2b 90 6a 85 6b 85 14a 80 14b 80 参考例1.5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA4
製造 1)5-OTBDMSミルベマイシンA4
【0087】
【化19】
【0088】ミルベマイシンA4(一般式(IV)で表され
る化合物のうち、R1=エチルである化合物)20g(36.9m
mol)を含のDMF (100ml)溶液にイミダゾール3.3g(48.0mm
ol)とTBDMSCl 7.2g(48.0mmol)を加え、室温で2時間30分
攪拌した。反応混合物を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出
した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化合物を
20.6g(収率84.9%)得た。 5-OTBDMSミルベマイシンA4 質量スペクトル(EI-MS): 656(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.66-5.7
7(2H, m), 5.26-5.42(3H, m), 4.99(1H, m), 4.66(1H,
d, J=14.9Hz), 4.58(1H, d, J=14.9Hz), 4.42(1H, m),
4.13(1H, s), 3.81(1H, d, J=5.5Hz), 3.43-3.65(1H,
m), 3.36(1H, dd,J=4.7, 2.2Hz), 3.07(1H, dt, J=8.9,
2.6Hz), 2.30-2.52(1H, m), 2.15-2.30(3H, m), 2.00
(1H, m), 1.79(3H, br), 1.57(3H, s), 1.00(3H, d, J=
7.3Hz), 0.98(3H, t, J=7.0Hz), 0.93(9H, s), 0.82(3
H, d, J=6.4Hz), 1.31(6H, s), 0.79-1.95(11H, m). 2)5-OTBDMS-27-ケトミルベマイシンA4
【0089】
【化20】
【0090】氷冷したクロム酸27.3g(0.27mol)のピリジ
ン(280ml)溶液に5-OTBDMSミルベマイシンA4 20.6g(0.0
3mol)のピリジン(200ml)溶液を滴下し、室温で4日間攪
拌した。反応混合物に水300mlと酢酸エチル300mlを
加えて攪拌した後、セライトで不溶物を濾別した。濾液
を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で2回、1規定塩酸
水溶液で2回、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化合物を8.41
g(収率40.1%)得、原料を2.97g(14.5%)回収し
た。 5-OTBDMS-27-ケトミルベマイシンA4 質量スペクトル(EI-MS): 670(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 7.27(1H,
dd, J=14.9Hz), 6.52(1H, d, J=11.4Hz), 5.87(1H, d
d, J=14.9, 9.8Hz), 5.65(1H, m), 5.50(1H, m),5.00(1
H, t, J=7.0Hz), 4.65(1H, s), 4.37(1H, dd, J=5.2,
1.0Hz), 4.21(1H,d, J=5.2Hz), 3.69(1H, m), 3.60(1H,
m), 3.08(1H, dt, J=8.8, 2.3Hz), 2.60(1H, m), 1.89
(3H, m), 1.55(3H, br), 1.03(3H, d, J=7.1Hz), 0.89
(3H, t, J=6.8Hz), 0.86(9H, s), 0.82(3H, d, J=6.5H
z), 0.16(3H, s), 0.10(3H, s), 0.70-2.40(15H, m). 3)5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA4
【0091】
【化21】
【0092】5-OTBDMS-27-ケトミルベマイシンA4 100m
g(0.15mmol)をメチルシクロヘキサン4mlに溶解し、窒素
雰囲気下、-78℃に冷却し、攪拌した。これにジイソブ
チルアルミニウムハイドライド(DIBAL)のテトラヒド
ロフラン(THF)溶液(1規定)を0.9ml(0.9mmol)滴下し
た。35分後更にジイソブチルアルミニウムハイドライド
(DIBAL)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(1規定)を
0.9ml(0.9mmol)滴下した。更に1時間反応させた後、反
応混合物を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチル
で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化合
物を41.2mg(収率41.1%)得た。 5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA4 (開環体:閉
環体=3:1の平衡混合物) 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 10.05(0.
75H, d, J=1.8Hz), 6.97(0.75H, dd, J=13.6, 9.5Hz),
6.84(0.75H, dd, J=9.5, 1.8Hz), 5.93-6.46(0.75H,
m), 5.76(0.75H, dd, J=13.6, 9.5Hz), 5.29-5.48(2.25
H, m), 4.95(0.25H,m), 4.82(0.75H, m), 4.49(1H, b
r), 4.19(0.25H, m), 4.06(0.25H, s), 3.97(0.75H,
m), 3.72(0.75H, d, J=4.0Hz), 3.45-3.70(1H, m), 3.1
9(0.75H, s), 3.03(1.25H, m), 1.76(3H, br), 1.60(3
H, br), 1.06(3H, d, J=6.6Hz), 0.94(3H,m), 0.92(9H,
s), 0.81(3H, d, J=6.6Hz), 0.15(3H, s), 0.11(3H,
s), 0.60-2.70(17H, m). 参考例2.5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA3 1)5-OTBDMSミルベマイシンA3
【0093】
【化22】
【0094】ミルベマイシンA3(一般式(IV)で表され
る化合物のうち、R1=メチルである化合物)20g(3
7.9mmol)を含有するDMF(100ml)溶液にイミダゾール3.4g
(49.2mmol)とTBDMSCl 7.4g(49.2mmol)を加え、室温で4
時間10分攪拌した。反応混合物を氷水にあけ、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化
合物を19.4g(収率79.7%)得た。 5-OTBDMSミルベマイシンA3 質量スペクトル(EI-MS): 642(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 5.66-5.7
8(2H, m), 5.28-5.44(3H, m), 4.98(1H, m), 4.68(1H,
d, J=14.7Hz), 4.58(1H, d, J=14.7Hz), 4.43(1H, m),
4.13(1H, s), 3.82(1H, d, J=5.5Hz), 3.45-3.65(1H,
m), 3.36(1H, dd,J=4.8, 2.6Hz), 3.26(1H, dd, J=9.6,
6.3Hz), 2.30-2.50(1H, m), 2.15-2.30(3H, m), 1.99
(1H, m), 1.78(3H, br), 1.58(3H, br), 1.14(3H, d, J
=6.3Hz), 0.99(3H, d, J=6.7Hz), 0.93(9H, s), 0.83(3
H, d, J=6.6Hz), 0.13(6H, s), 0.80-1.95(9H, m). 2) 5-OTBDMS-27-ケトミルベマイシンA3
【0095】
【化23】
【0096】氷冷したクロム酸26.2g(0.26mol)のピリジ
ン(280ml)溶液に5-OTBDMSミルベマイシンA3 19.4g(0.0
3mol)のピリジン(200ml)溶液を滴下し、室温で4日間攪
拌した。反応混合物に水300mlと酢酸エチル300mlを
加えて攪拌した後、セライトで不溶物を濾別した。濾液
を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で2回、1規定塩酸
水溶液で2回、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し目的化合物を7.30g
(収率36.9%)を得、原料を2.78g(14.4%)回収し
た。 5-OTBDMS-27-ケトミルベマイシンA3 質量スペクトル(EI-MS): 656(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 7.26(1H,
dd, J=15.3, 11.4Hz),6.52(1H, d, J=11.4Hz), 5.84(1
H, dd, J=15.3, 9.6Hz), 5.63(1H, m), 5.52(1H, m),
5.02(1H, m), 4.66(1H, s), 4.37(1H, d, J=5.7Hz), 4.
20(1H, d, J=5.7Hz), 3.69(1H, t, J=2.7Hz), 3.60(1H,
m), 3.27(1H, dd, J=9.5, 6.2Hz), 2.60(1H, m), 1.89
(3H, t, J=2.0Hz), 1.55(3H, br), 1.14(3H, d, J=6.2H
z), 1.02(3H, d, J=6.7Hz), 0.86(9H, s), 0.82(3H, d,
J=8.1Hz), 0.15(3H, s), 0.10(3H,s), 0.70-2.40(13H,
m). 3)5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA3
【0097】
【化24】
【0098】5-OTBDMS-27-ケトミルベマイシンA3 100m
g(0.15mmol)をメチルシクロヘキサン4mlに溶解し、窒素
雰囲気下、-78℃に冷却し、攪拌した。これにジイソブ
チルアルミニウムハイドライド(DIBAL)のテトラヒド
ロフラン(THF)溶液(1規定)を0.9ml(0.9mmol)滴下し
た。1時間後更にジイソブチルアルミニウムハイドライ
ド(DIBAL)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(1規定)
を0.9ml(0.9mmol)滴下した。更に1時間反応させた後、
反応混合物を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的化
合物を34.2mg(収率34.1%)得た。 5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA3(開環体:閉
環体=3:1の平衡混合物) 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 10.05(0.
75H, d, J=1.8Hz), 6.95(0.75H, dd, J=13.9, 11.4Hz),
6.83(0.75H, dd, J=11.4, 1.8Hz), 5.85-6.35(0.75H,
m), 5.72(0.75H, dd, J=13.9, 9.5Hz), 5.28-5.51(2.25
Hz, m), 5.00(0.25H, m), 4.81(0.75H, m), 4.49(1H, b
r), 4.20(0.25H, m), 4.08(0.25H, s), 3.97(0.75H,
m), 3.72(0.75H, d, J=4.0Hz), 3.55(1H, m), 3.15-3.3
1(2H, m), 1.77(3H, br), 1.60(3H, br), 1.10(3H, d,
J=6.2Hz), 1.05(3H, d, J=6.6Hz), 0.92(9H, s), 0.82
(3H, d, J=6.6Hz), 0.15(3H, s), 0.11(3H, s), 0.60-
2.70(15H, m). 参考例3.27-ヒドロキシミルベマイシンA4
【0099】
【化25】
【0100】5-OTBDMS-27-ヒドロキシミルベマイシンA
4 100mg(0.15mmol)をTHF 3ml、水1mlに溶解し、室温で
攪拌した。これにp-トルエンスルホン酸1水和物85mg
(0.45mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応
混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシムで乾燥
し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し目的化合物を58mg(収率69.
9%)得た。 27-ヒドロキシミルベマイシンA4(開環体:閉環体=1:
1の平衡混合物) 質量スペクトル(EI-MS): 558(M+). 核磁気共鳴スペクトル(200MHz, CDCl3) (ppm: 10.09(0.
5H, s), 7.59(0.5H, d,J=11.7Hz), 6.75(0.5H, dd, J=1
4.6, 12.1Hz), 5.89-6.30(1.5H, m), 5.72(0.5H, br),
5.20-5.70(2.5H, m), 4.83-5.01(1H, m), 4.28-4.38(1.
5H, m), 4.04(1H, s), 3.84(0.5H, d, J=4.0Hz), 3.73
(0.5H, m), 3.52-3.64(1.5H, m), 2.90-3.18(1H, m),
1.89(3H, br), 1.62(3H, br), 1.11(3H, d, J=6.2Hz),
0.95(3H, m), 0.81(3H, d, J=6.2Hz), 0.63-2.80(18H,
m).
【0101】
【発明の効果】本発明のミルベマイシン27位誘導体
は、優れた殺ダニ、殺虫、若しくは駆虫活性を有する化
合物であり、殺ダニ剤、殺虫剤、若しくは駆虫剤として
利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12P 17/18 C12P 17/18 D Fターム(参考) 4B064 AE59 BA06 BH04 BH07 CA04 DA12 4C071 AA04 AA07 BB03 BB05 CC14 DD35 EE05 FF17 GG01 HH05 HH09 LL01 4C086 AA02 AA03 CA03 MA01 MA04 NA14 ZB35 ZB39 ZC61 4H011 AC01 AC04 BA01 BB08 BC18 DA02 DA15 DA16 DD03 DE17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I): 【化1】 (式中R1はメチル、エチル、イソプロピルまたはsec-ブ
    チル基を示し、R2は炭素数1乃至6個のアルキル基を示
    す)で表される新規ミルベマイシン化合物。
  2. 【請求項2】一般式(I)においてR1がメチル、エチル
    またはイソプロピル基を示す請求項1記載の新規ミルベ
    マイシン化合物。
  3. 【請求項3】一般式(I)においてR1がメチルまたはエ
    チル基を示す請求項1記載の新規ミルベマイシン化合
    物。
  4. 【請求項4】一般式(I)においてR2がメチル、エチル
    またはイソプロピル基を示す請求項1乃至3のいずれか
    一つに記載の新規ミルベマイシン化合物。
  5. 【請求項5】一般式(I)においてR1がメチル基を示し、
    R2はメチル基を示す新規ミルベマイシン化合物。
  6. 【請求項6】一般式(I)においてR1がエチル基を示
    し、R2はメチル基を示す新規ミルベマイシン化合物。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかひとつに記載の
    一般式(I)で表される化合物において、下記一般式(I
    a)で表される化合物。 【化2】
  8. 【請求項8】請求項1乃至6のいずれかひとつに記載の一
    般式(I)で表される化合物において、下記一般式(I
    b)で表される化合物。 【化3】
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