JP2003001486A - サブマージアーク溶接用フラックスおよびサブマージアーク溶接継手の製造方法。 - Google Patents

サブマージアーク溶接用フラックスおよびサブマージアーク溶接継手の製造方法。

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JP2003001486A JP2001331606A JP2001331606A JP2003001486A JP 2003001486 A JP2003001486 A JP 2003001486A JP 2001331606 A JP2001331606 A JP 2001331606A JP 2001331606 A JP2001331606 A JP 2001331606A JP 2003001486 A JP2003001486 A JP 2003001486A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた靱性の溶接金属が得られる大入熱サブ
マージアーク溶接用フラックスおよび大入熱サブマージ
アーク溶接継手の製造方法を提供する。 【解決手段】 フラックス全量に対し質量%で、N含有
量が0.0030%以下のアトマイズ鉄粉を20〜45%、あるい
はさらに、BをB換算で0.03〜0.30%、あるいはさら
に、MoをMo換算で0.2 〜2.0 %、NbをNb換算で0.02〜0.
15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する
フラックスとする。このフラックスを使用して、Ti:0.
006 質量%以下、Nb:0.012 質量%以下の母材組成を有
する鋼材を入熱150kJ/cm以上の大入熱サブマージアーク
溶接により溶接接合することにより、粒界フェライト生
成量が減少し、高靭性の溶接金属を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サブマージアーク
溶接用フラックスに係り、とくに入熱150kJ/cm以上の大
入熱サブマージアーク溶接に好適なフラックスおよびそ
れらフラックスを用いた大入熱サブマージアーク溶接継
手の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接施工においては、従来から、溶接能
率の向上が強く要望されている。溶接能率を高めるため
には、溶接入熱を高くするのが一般的であるが、通常、
溶接入熱を高めると、溶接金属の靱性が低下する。これ
は、溶接入熱の増加に伴い溶接部の冷却速度が低下し、
溶接金属の組織が粗大化しやすいことにその原因があ
る。
【0003】サブマージアーク溶接法は、溶接開先内に
散布したフラックス中でアークを発生させ連続溶接を行
う方法であり、大電流でも安定したアークが形成でき、
深い溶け込みと大きな溶着量が得られる高能率な溶接方
法として、造船、橋梁、圧力容器、産業機械等の厚鋼板
を接合する分野で広く利用されている。しかし、サブマ
ージアーク溶接法は、大電流で溶接を行うため、溶接入
熱が高くなり、溶接金属の靱性が低下しやすいという傾
向を有していた。
【0004】このような問題に対し、例えば、特開平7-
328793号公報には、サブマージアーク溶接において、フ
ラックスにボロン(B)酸化物を添加し、フラックスを
介し溶接金属にBを含有させ溶接金属の靱性を改善する
技術が開示されている。特開平7-328793号公報に記載さ
れた技術は、サブマージアーク溶接用フラックスを、B2
O3:0.7 〜2.0 %を含む組成とし、ワイヤのSi含有量を
低くし、フラックスとワイヤ中のMn含有量を最適化する
ことにより、溶接金属の靱性を向上させる溶接方法であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7-328793号公報に記載された技術によっても、490 〜52
0MPa級の高強度鋼材を溶接入熱150kJ/cm以上の大入熱サ
ブマージアーク溶接で溶接して得られる溶接金属の靱性
は、使用する鋼材、および/または溶接ワイヤとフラッ
クスによって、著しく劣化する場合があり、安定して高
靱性の大入熱溶接金属を得ることができないという問題
が明らかとなった。
【0006】本発明は、上記した従来技術の問題点を有
利に解決し、溶接入熱150kJ/cm以上の大入熱サブマージ
アーク溶接で鋼材を溶接した場合にも、優れた靱性を有
する溶接金属が得られるサブマージアーク溶接用フラッ
クスおよびこれを使用した優れた溶接金属部靱性を有す
る大入熱サブマージアーク溶接継手の製造方法を提案す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、被溶接材である490 〜520MPa級
鋼材を溶接入熱150kJ/cm以上の大入熱サブマージアーク
溶接で接合し、得られた溶接金属の靱性に影響する各種
要因について鋭意研究した。その結果、溶接入熱150kJ/
cm以上の大入熱サブマージアーク溶接により得られた溶
接金属の靱性は、N(窒素)に対し非常に敏感であり、
N含有量のわずかな変化により、靱性が顕著に劣化する
場合があることを見いだした。
【0008】とくに、被溶接材が、TiおよびNb含有量が
少ない鋼材の場合には、わずかのN含有量の増加によっ
て、溶接金属の組織が粗大化し、靱性が著しく劣化す
る。これは、TiおよびNb含有量が少ない鋼材の場合に
は、溶接金属にTiやNbが十分に供給されず、固溶N量を
最適値に調整することが難しいことによるものと考えら
れる。固溶N量の調整は、溶接ワイヤとしてTiやNbを含
有するワイヤを使用することにより、ある程度は改善で
きるが、溶接ワイヤとしてTiやNbを含有しないワイヤを
使用する場合には、その調整が困難であり、溶接金属靱
性が著しく劣化していた。Tiを含有しないワイヤを使用
した場合には、溶接金属の靭性劣化はとくに顕著とな
る。
【0009】一般に、汎用性の高い、490 〜520MPa級鋼
材では、Ti含有量が0.006 質量%以下、Nb含有量が0.01
2 質量%以下のTi、Nb含有の少ない鋼材が代表的であ
り、安定して高い靭性の溶接金属を得ることが難しい場
合が多く、この種の鋼材の溶接にあたり安定して靭性に
優れた溶接金属を得ることが熱望されている。本発明者
らは、上記した知見に基づいて、さらに検討を進めた結
果、被溶接材がTiおよびNb含有量が少ない鋼材の場合
に、Tiをとくに含まない溶接用ワイヤを用いて大入熱サ
ブマージアーク溶接を行っても、溶接用フラックスに添
加する鉄粉としてN含有量が0.0030質量%以下のアトマ
イズ鉄粉を使用することにより、安定して高靱性の溶接
金属を得ることが可能であることに想到した。
【0010】また、本発明者らは、大入熱サブマージア
ーク溶接金属に更なる高靱性を安定して付与するため
に、さらに研究を行った。まず、Tiを0.006 質量%以
下、Nbを0.012 質量%以下含有する鋼材(板厚40mm)を
溶接入熱150kJ/cm以上の大入熱サブマージアーク溶接し
て得られた溶接継手について、溶接金属の組織および靭
性を調査した。その結果を、靭性(0℃における吸収エ
ネルギー:vE0 )と組織(粒界フェライト生成量)との
関係で図3に示す。図3から、粒界フェライト生成量を
15面積%以下、好ましくは10面積%以下とすることによ
り、vE0 :40J以上という高靭性を安定して得られると
いう知見を得た。
【0011】さらに、本発明者らは、溶接金属組織中の
粒界フェライト生成量に及ぼす要因について検討した。
その結果、図4に示すように、溶接金属中のB/N比
(質量比)を適正値に調整することにより、粒界フェラ
イト生成量を低減できることを見いだした。また、本発
明者らは、上記したような、溶接金属の組織を粒界フェ
ライト生成量が好ましくは10面積%以下の組織とするた
めには、溶接用フラックスにMo,Nb等を含有させること
が好ましく、これにより、溶接金属にMo,Nb 等が含有さ
れ、溶接金属中のB/Nを適正値に調整することがで
き、さらなる高靭性の大入熱サブマージアーク溶接金属
を安定して得ることができることを知見した。また、さ
らに少量のTiをフラックスに含有させることも有効であ
ることを知見した。
【0012】本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明
の要旨は、つぎのとおりである。 (1)N含有量が0.0030質量%以下のアトマイズ鉄粉
を、フラックス全量に対し20〜45質量%含有することを
特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス。 (2)(1)において、さらに、B化合物を、B換算で
フラックス全量に対し0.03〜0.30質量%含有することを
特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス。 (3)(1)または(2)において、さらに(A)群:
Mo粉、フェロモリブデン粉およびMo化合物粉のうちの1
種または2種以上をMo換算で合計でフラックス全量に対
し0.2 〜2.0 質量%、(B)群:Nb粉、フェロニオブ粉
およびNb化合物粉のうちの1種または2種以上をNb換算
で合計でフラックス全量に対し0.02〜0.15質量%、のう
ちから選ばれた1群または2群以上を含むことを特徴と
するサブマージアーク溶接用フラックス。 (4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、フラッ
クス全量に対し質量%で、SiO2:10〜28%、CaCO3 :5
〜15%、MgO :15〜38%、Al2O3 :3 〜20%、TiO2:2
〜10%、CaF2:2〜10%、アトマイズ鉄粉、Mo粉、フェ
ロモリブデン粉、Nb粉およびフェロニオブ粉以外の金属
粉:2〜8%、のうちから選ばれた1種または2種以上
を含有することを特徴とするサブマージアーク溶接用フ
ラックス。 (5)Ti含有量が0.006 質量%以下、Nb含有量が0.012
質量%以下の母材組成を有する鋼材を入熱150kJ/cm以上
の大入熱サブマージアーク溶接により溶接接合するサブ
マージアーク溶接継手の製造方法において、前記大入熱
サブマージアーク溶接で使用するフラックスを、N含有
量が0.0030質量%以下のアトマイズ鉄粉をフラックス全
量に対し質量%で20〜45%含むフラックス組成のフラッ
クスとすることを特徴とする優れた溶接金属部靱性を有
するサブマージアーク溶接継手の製造方法。 (6)(5)において、前記フラックス組成が、さらに
B化合物をフラックス全量に対しB換算で0.03〜0.30質
量%を含むことを特徴とするサブマージアーク溶接継手
の製造方法。 (7)(5)または(6)において、前記フラックス組
成が、さらに(A)群:Mo粉、フェロモリブデン粉およ
びMo化合物粉のうちの1種または2種以上をMo換算で合
計でフラックス全量に対し0.2 〜2.0 質量%、(B)
群:Nb粉、フェロニオブ粉およびNb化合物粉のうちの1
種または2種以上をNb換算で合計でフラックス全量に対
し0.02〜0.15%、のうちから選ばれた1群または2群以
上を含むことを特徴とするサブマージアーク溶接継手の
製造方法。 (8)(5)ないし(7)のいずれかにおいて、前記フ
ラックス組成が、さらに、フラックス全量に対し質量%
で、SiO2:10〜28%、CaCO3 :5〜15%、MgO :15〜38
%、Al2O3 :3 〜20%、TiO2:2〜10%、CaF2:2〜10
%、アトマイズ鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン粉、Nb粉
およびフェロニオブ粉以外の金属粉:2〜8%、のうち
から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴
とするサブマージアーク溶接継手の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のサブマージアーク溶接用
フラックスは、ボンドフラックスであり、入熱150kJ/cm
以上の大入熱サブマージアーク溶接に好適である。ま
ず、本発明のサブマージアーク溶接用フラックスの組成
限定理由について、説明する。以下、とくにことわりの
ない場合にはフラックス全量に対する質量%とし、質量
%は単に%で記す。
【0014】鉄粉:20〜45% サブマージアーク溶接用フラックスは、主として酸化
物、フッ化物で構成されているが、大入熱でかつ高能率
の溶接に使用するフラックスには金属粉、主として鉄粉
が含有されている。フラックス中の鉄粉は、溶接時に溶
融池へ移行し溶着速度を増加し、溶接能率の向上に寄与
する。9本発明のサブマージアーク溶接用フラックス
は、フラックス全量に対し、20〜45%の鉄粉を含有す
る。フラックス中の鉄粉の含有量が20%未満では、上記
した効果が少なく、一方、45%を超えて含有すると、ア
ークが不安定となりビード外観が劣化する傾向を示す。
このようなことから、鉄粉の含有量は、フラックス全量
に対し、20〜45%とする。
【0015】また、本発明では、鉄粉として、N含有量
が0.0030%以下のアトマイズ鉄粉を使用する。フラック
ス中の鉄粉に含まれるNは、溶接金属中のNを増加さ
せ、溶接金属の靱性を低下させる。このため、本発明で
はフラックス中の鉄粉のN含有量はできるだけ低減する
のが好ましい。鉄粉中のN含有量が0.0030%を超える
と、得られる溶接金属のN含有量が増加し、高靱性を安
定して確保することが難しくなる傾向を示し、このた
め、本発明ではフラックス中の鉄粉のN含有量を0.0030
%以下に限定した。なお、鉄粉中のN含有量は0.0025%
以下とするのが好ましく、経済的な観点から0.0010%以
上とするのがより好ましい。
【0016】N含有量を低減した鉄粉としては、溶湯か
らアトマイズ法で製造されたアトマイズ鉄粉を用いるの
が、経済的に有利である。また、アトマイズ鉄粉をフラ
ックス原料として使用することにより、フラックス造粒
時の結合剤量を少なくできるというという利点もある。
アトマイズ鉄粉は、溶湯を噴霧(アトマイズ)して粉化
したのち、一般的には、脱水−乾燥−解砕−分級−仕上
げ還元−解砕−分級する工程により製品とされる。通常
のアトマイズ鉄粉のN含有量は、0.0050%程度であり、
0.0030%以下の低Nアトマイズ鉄粉とするには、溶湯の
N量を低減することはもちろんであるが、仕上げ還元工
程における還元温度、冷却速度等を適正に調整する必要
がある。
【0017】B化合物:B換算で0.03〜0.30% Bは、溶接時に溶接金属中に移行して、溶接金属中でオ
ーステナイト粒界に生成する粗大なフェライトの生成を
抑制し、溶接金属の靭性を向上させる効果を有し、Bは
このような効果を安価に達成できる。このような効果
は、B化合物をB換算でフラックス全量に対し0.03%以
上含有することにより顕著となる。一方、B化合物をB
換算でフラックス全量に対し0.30%を超えて含有する
と、溶接金属靭性が劣化する傾向がある。
【0018】(A)群:Mo粉、フェロモリブデン粉およ
びMo化合物粉のうちの1種または2種以上:Mo換算で合
計0.2 〜2.0 質量%、(B)群:Nb粉、フェロニオブ粉
およびNb化合物粉のうちの1種または2種以上:Nb換算
で合計で0.02〜0.15%、のうちの1群または2群 (A)群はMoを、また、(B)群はNbを、溶接金属中に
含有させるための供給源である。Mo、Nbはいずれも、溶
接時に溶接金属中に移行して、溶接金属中でオーステナ
イト粒界に生成する粗大なフェライトの生成を抑制し、
溶接金属の靭性を向上させる効果を有している。上記し
た効果は、(A)群、(B)群から選ばれた1群または
2群を必要に応じ選択して含有できる。
【0019】上記した効果は、(A)群の、Mo粉、フェ
ロモリブデン粉およびMo化合物粉のうちの1種または2
種以上をMo換算で合計で0.2 %以上、(B)群の、Nb
粉、フェロニオブ粉およびNb化合物粉のうちの1種また
は2種以上をNb換算で合計で0.02%以上で、顕著とな
る。一方、(A)群の、Mo粉、フェロモリブデン粉およ
びMo化合物粉のうちの1種または2種以上をMo換算で合
計で2.0 %超、(B)群の、Nb粉、フェロニオブ粉およ
びNb化合物粉のうちの1種または2種以上をNb換算で合
計で0.15%超、をそれぞれ超えて含有すると、溶接金属
の組織が上部ベイナイトとなりやすく、溶接金属の靭性
が劣化する傾向がある。
【0020】上記した成分に加えてさらに、SiO2:10〜
28%、CaCO3 :5〜15%、MgO :15〜38%、Al2O3 :3
〜20%、TiO2:2〜10%、CaF2:2〜10%、アトマイズ
鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン粉、Nb粉およびフェロニ
オブ粉以外の金属粉:2〜8%のうちから選ばれた1種
または2種以上 本発明のフラックスは、上記した、鉄粉(アトマイズ鉄
粉)、B化合物粉、およびMo粉、フェロモリブデン粉、
Mo化合物粉のうちの1種または2種以上、Nb粉、フェロ
ニオブ粉、Nb化合物粉のうちの1種または2種以上に加
えてさらに、SiO2、CaCO3 、MgO 、Al2O3 、TiO2、Ca
F2、およびアトマイズ鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン
粉、Nb粉、フェロニオブ粉以外の金属粉、のうちから選
ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
【0021】SiO2は、造滓剤として有効な成分であり、
スラグの粘性を調整するために含有することが好まし
い。SiO2の含有量が10%未満では、生成するスラグの融
点が上昇する傾向となり、一方、28%を超えて含有する
と、融点が低くなりすぎて、ビード外観が乱れやすくな
り、また溶接金属の酸素量が増加して溶接金属の靭性が
劣化する傾向となる。このため、SiO2は10〜28%とする
のが好ましい。
【0022】CaCO3 は、溶接中に分解し、CaO とCO2
になる。このCO2 ガスにより溶接金属を外気からシール
ドするとともに、溶接雰囲気中の水素分圧を低下させ、
溶接金属中への水素の侵入を防止するのに有効に作用す
る。また、CaO は、塩基性成分であり、スラグの融点を
上昇させ、溶接金属の靭性を向上させる効果を有する。
【0023】CaCO3 の含有量が5%未満では、上記した
ようなCO2 ガスによるシールド効果が認められず、耐水
素割れ性が低下する傾向となる。一方、15%を超えて含
有すると、CO2 ガスの発生量が増加し、溶接作業性、ビ
ード外観が低下する。このため、CaCO3 は5〜15%の範
囲とするのが好ましい。MgO は、フラックスの過度の流
動を防止する作用を有し、大入熱溶接におけるビード形
状を安定化させる効果を有する。また、MgO は、スラグ
の塩基度を増加させて溶接金属中の酸素含有量を低減
し、溶接金属の靭性を向上させる有用な成分である。Mg
O の含有量が15%未満では、上記した効果が認められ
ず、一方、38%を超えて含有すると、融点が上昇しすぎ
てビード外観が劣化する傾向がある。このため、MgO は
15〜38%の範囲とすることが好ましい。
【0024】Al2O3 は、粘性を低下させずにスラグの融
点を上昇させるため、スラグの融点の調整に有効な成分
である。Al2O3 の含有量が3%未満では、上記した効果
が認められず、一方、20%を超えて含有すると、スラグ
の融点が上昇しすぎてビード幅の不均一やビード外観の
劣化を招く。このため、Al2O3 は3〜20%の範囲とする
ことが好ましい。
【0025】TiO2は、スラグの流動性を向上させ、スラ
グの剥離性を改善するとともに、アーク空洞内で部分的
に還元されてTiとして溶接金属中に移行し、溶接金属の
靭性を改善することに有効に作用する。TiO2の含有量が
2%未満では、上記した効果が認めらず、一方、10%を
超えて含有すると、ビード外観が劣化する傾向を示す。
このため、TiO2は2〜10%の範囲とするのが好ましい。
【0026】CaF2は、融点を上昇させることなくスラグ
の塩基度を増加させることができ、溶接金属の酸素量の
調整に有効である。CaF2の含有量が2%未満では、その
効果が少なく、一方、10%を超えて含有すると、スラグ
の粘性が低下しすぎてビード外観が悪化する。このた
め、CaF2は2〜10%の範囲とすることが好ましい。アト
マイズ鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン粉、Nb粉およびフ
ェロニオブ粉以外の金属粉は、脱酸剤、あるいは合金元
素源として添加するが、その含有量が2%未満では、溶
接金属の靭性を確保することが難しくなるとともに、ビ
ード外観が悪化する傾向がある。一方、8%を超えて含
有すると、溶接金属の酸素量が低くなり、溶接金属の組
織がベイナイトまたはマルテンサイト主体の組織となる
ため、溶接金属の靭性が低下する傾向がある。このた
め、アトマイズ鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン粉、Nb粉
およびフェロニオブ粉以外の金属粉は2〜8%の範囲と
することが好ましい。このような金属粉としては、フェ
ロマンガン、フェロシリコン、フェロチタン、マンガ
ン、チタン等がある。なお、金属粉は、粉末以外の形態
として箔状、針状としてもよい。
【0027】本発明のフラックスは、上記したフラック
ス原料を上記した範囲の所定量配合し、結合剤とともに
混練し、 造粒したのち焼成される。造粒方法としては、
特に限定されないが、転動式造粒機、押し出し式造粒機
等を用いることが好適である。造粒後、ダスト除去、粗
大粒の解砕等の整粒処理を行って、平均粒径が0.075〜5
mmの範囲の粒子とするのが好ましい。
【0028】なお、結合剤としては、ポリビニルアルコ
ール等の水溶液、珪酸ソーダ水溶液、珪酸カリ水溶液、
および珪酸ソーダ水溶液と珪酸カリ水溶液の混合液など
が好ましい。結合剤添加量は、フラックス原料の合計量
1kgあたり50〜300 cc程度とすることが好ましい。つぎ
に、本発明のフラックスを使用した、溶接金属部靱性に
優れた大入熱サブマージアーク溶接継手の製造方法につ
いて説明する。
【0029】本発明の大入熱サブマージアーク溶接継手
の製造方法は、被溶接材として、Ti、Nb含有量が少ない
鋼材を使用し、入熱150kJ/cm以上の大入熱サブマージア
ーク溶接により溶接接合を行う場合に、高靱性の溶接金
属を得るのにとくに有効となる。なお、鋼材の母材組成
における質量%は、単に%と記す。被溶接材として使用
する鋼材は、Ti含有量が0.006 質量%以下、Nb含有量が
0.012 質量%以下、好ましくはN含有量が0.0055%以下
の母材組成を有する鋼材である。その他の成分として
は、C:0.07〜0.18%、Si:0.40%以下、Mn:1.0 〜1.
6 %、P:0.020 %以下、S:0.010 %以下を含み、あ
るいはさらにAl:0.05%以下を含有するのが好ましい。
上記した成分以外にVを含んでもよい。なお、本発明で
いう鋼材とは、厚鋼板、形鋼、鋼管、棒鋼を含むものと
する。
【0030】上記した鋼材に、所定形状の開先加工を施
したのち、該開先内に本発明のフラックスを散布し、サ
ブマージアーク溶接用鋼ワイヤを使用し、入熱150kJ/cm
以上の大入熱サブマージアーク溶接により溶接接合す
る。本発明におけるサブマージアーク溶接は、多電極の
サブマージアーク溶接を含む、通常公知のサブマージア
ーク溶接法がいずれも適用でき、とくに限定する必要は
ない。また、溶接条件もとくに限定する必要はない。ま
た、使用するワイヤは、特に限定する必要はなく、通常
サブマージアーク溶接用鋼ワイヤであれば、通常公知の
ワイヤがいずれも使用できる。
【0031】また、使用するフラックスは、N含有量が
0.0030%以下のアトマイズ鉄粉を、フラックス全量に対
し20〜45質量%含有するボンドフラックスである。アト
マイズ鉄粉中のN含有量が0.0030%を超えると、得られ
る溶接金属のN含有量が増加し、高靱性を安定して確保
することが難しくなる傾向を示す。なお、鉄粉中のN含
有量は0.0025%以下とするのがより好ましい。
【0032】また、使用するフラックスには、さらにB
化合物をフラックス全量に対しB換算で0.03〜0.30質量
%含有することが好ましい。Bは、溶接時に溶接金属中
に移行して、溶接金属中でオーステナイト粒界に生成す
る粗大なフェライトの生成を抑制し、溶接金属の靭性を
向上させる効果を有する。また、使用するフラックスに
は、さらに(A)群:Mo粉、フェロモリブデン粉および
Mo化合物粉のうちの1種または2種以上:Mo換算で合計
0.2 〜2.0 質量%、(B)群:Nb粉、フェロニオブ粉お
よびNb化合物粉のうちの1種または2種以上:Nb換算で
合計で0.02〜0.15%、のうちの1群または2群を含有す
ることが好ましい。Mo、NbをMo、Nb換算で上記した範囲
内で含有することにより、Mo、Nbが溶接時に溶接金属中
に移行して、溶接金属中でオーステナイト粒界に生成す
る粗大なフェライトの生成を抑制し、溶接金属の靭性を
向上させる効果を有している。
【0033】上記した以外のフラックス成分はとくに限
定されないが、フラックス全量に対し質量%で、SiO2
10〜28%、CaCO3 :5〜15%、MgO :15〜38%、Al
2O3 :3〜20%、TiO2:2〜10%、CaF2:2〜10%、ア
トマイズ鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン粉、Nb粉および
フェロニオブ粉以外の金属粉:2〜8%、のうちから選
ばれた1種または2種以上を含有するフラックス組成と
することが好ましい。
【0034】このような被溶接材、溶接材料を組み合わ
せ、入熱150kJ/cm以上の大入熱サブマージアーク溶接に
より溶接接合し、以下に示す組成、組織の、0 ℃で27J
以上のシャルピー吸収エネルギー値(V O )を示す、
高靭性溶接金属が得られるように、溶接継手(溶接構造
物)を作製することが望ましい。以下、大入熱サブマー
ジアーク溶接して得られる溶接金属の好ましい組成につ
いて説明する。
【0035】C:0.03〜0.15% Cは、溶接金属の強度を増加する元素であるが、溶接金
属中のC含有量が0.03%未満では、所定の溶接金属強度
を得るのが難しくなるうえ、溶接金属の靭性改善が難し
い。一方、0.15%を超えて含有すると、溶接高温割れが
起こり易くなる。このため、Cは0.03〜0.15%に限定す
ることが好ましい。
【0036】N:0.0050%以下 Nは、溶接金属の靱性を劣化させる元素であり、本発明
ではできるだけ低減するのが望ましいが、溶接金属中に
0.0050%を超えて含有すると、溶接金属の靱性が劣化す
る。このため、Nは0.0050%以下に限定することが好ま
しい。なお、溶接金属中のN含有量を0.0020%以下に低
減することも可能であるが、溶接材料コストが増加し、
溶接継手の作製費が高価となるため、Nは0.0020%以上
とするのが望ましい。
【0037】Si:0.1 〜1.0 % Siは、溶接金属中の酸素低減に有効な元素であるが、0.
1 %未満では溶接金属中の酸素量が高くなり、良好な溶
接金属靭性が得られ難くなる。一方、1.0 %を超えて多
量に含有すると、島状マルテンサイトが生成するように
なり、溶接金属の靱性が劣化する。このため、Siは0.1
〜1.0 %に限定することが好ましい。
【0038】Mn:0.7 〜2.5 % 溶接金属中のMn含有量が0.7 %未満では、溶接金属のパ
ーライト変態を抑制し、溶接金属の靭性が劣化する。一
方、溶接金属中のMn量が2.5 %を超えると、島状マルテ
ンサイトが生成するようになり、溶接金属の靭性が劣化
する。このため、溶接金属中のMnは0.7 〜2.5 %とする
ことが好ましい。
【0039】Ti:0.003 〜0.030 % Tiは、溶接金属中に酸化物として存在し、フェライトの
生成核として作用し、フェライト粒の微細化に寄与す
る。このような効果は0.003 %以上の含有で認められ
る。一方、0.030 %を超えて含有すると、溶接金属の強
度が高くなりすぎて、溶接金属の硬さ上昇による低温割
れが起こり易くなる。このため、溶接金属中のTiは0.00
3 〜0.030 %に限定することが好ましい。
【0040】本発明の溶接金属は、上記した基本組成に
加えてさらに、Mo:0.1 〜0.5 %、Nb:0.01〜0.2 %、
Ni:0.05〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以
上を含み、かつB/N:0.6 〜1.2 である組成を有する
ことが好ましい。Mo:0.1 〜0.5 %、Nb:0.01〜0.2
%、Ni:0.05〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2
種以上 Mo、Nb、Niはいずれも、溶接金属の靱性を顕著に向上さ
せる作用を有しており、本発明では、必要に応じ選択し
て1種または2種以上含有できる。
【0041】Mo、Nbはオーステナイト粒界に析出する粗
大な粒界フェライトの生成を抑制し、溶接金属の靱性を
向上させる。このような効果は、Mo:0.1 %以上、Nb:
0.01%以上、それぞれの含有で顕著となる。一方、Mo:
0.5 %、Nb:0.2 %をそれぞれ超える含有は、溶接金属
の組織が上部ベイナイトとなりやすく、靱性が劣化す
る。このようなことから、それぞれ、Mo:0.1 〜0.5
%、Nb:0.01〜0.2 %の範囲とするのが好ましい。
【0042】また、Niは、フェライト相の靱性を向上さ
せて、溶接金属の靱性を向上させる。この効果は0.05%
以上の含有で顕著となる。一方、1.0 %を超えると低温
割れの発生が起こりやすくなる。このため、Niは、0.05
〜1.0 %の範囲とするのが好ましい。 B/N:0.6 〜1.2 Bは、オーステナイト粒界に析出する粗大な粒界フェラ
イトの生成を抑制する作用を有し、溶接金属の靭性を向
上させる元素であり、本発明では、B/N比(質量%
比)で0.6 以上含有することが好ましい。B/N比(質
量%比)で0.6 未満では安定的に更なる溶接金属靭性の
向上が期待できない。一方、B/N比(質量%比)で1.
2 を超えると、溶接金属の靭性が劣化する。なお、B
は、鋼ワイヤまたはフラックスから供給し、溶接金属中
に0.0010〜0.0040%含有することが好ましい。
【0043】なお、本発明の溶接継手における溶接金属
では、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不
純物である。次に、本発明の溶接継手における溶接金属
の組織について、説明する。 粒界フェライト生成量:15面積%以下 溶接金属は、上記した組成に加えて、粒界フェライト生
成量が15面積%以下である組織を有することが好まし
い。粒界フェライト生成量を15面積%以下とすることに
より、大入熱サブマージアーク溶接継手の溶接金属に高
靭性を付与することができる。なお、更なる高靭性の付
与のためには、粒界フェライト生成量を10面積%以下と
することが好ましい。粒界フェライト生成量を10面積%
以下とするためには、上記したように溶接金属にMo,Nb
等を適正量含有させ、溶接金属中のB/N比(質量%
比)を0.6 〜1.2 の範囲に調整することが好ましい。
【0044】溶接金属中の粒界フェライト生成量の測定
方法は、つぎのとおりとする。観察面を研磨後、腐食液
で腐食し、光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて、10〜
500倍で観察し、撮像し、得られた撮像を画像解析装置
を用いて解析し、溶接金属中の粒界フェライト生成量を
求める。なお、粒界フェライト生成量の測定方法はこれ
に限定されないことはいうまでもない。
【0045】
【実施例】表1に示す母材組成の490MPa級鋼板(板厚
t:40mm)、建築構造用TMCP鋼板(板厚t:60mm)
に、図1に示す形状の開先加工を施し、1パスのサブマ
ージアーク溶接により溶接継手を作製した。開先形状
は、Y型開先とし、開先角度35°、ルートフェースd
(mm)を板厚t:40mmの場合には2mmとし、板厚t:60
mmの場合には3mmとした。
【0046】サブマージアーク溶接は、2電極のサブマ
ージアーク溶接機を用いて、表2に示す溶接条件で、表
3に示すワイヤ組成の溶接用鋼ワイヤを用い、表4に示
す組成のフラックスを用いて行った。なお、フラックス
は、表4に示す組成になるように原料を配合し、珪酸ソ
ーダ水溶液(添加量:フラックス1kg当り200cc )とと
もに混練し、造粒したのち、500 ℃×15min の条件で焼
成し、粒子径3mm以下とした。なお、表4中の化学組成
は合計100 %にならないが、残部は珪酸ソーダ固形分で
ある。また、フラックス中に添加した鉄粉はアトマイズ
鉄粉とし、表5に示す窒素含有量のアトマイズ鉄粉を用
いた。溶接入熱は、板厚40mmの場合で269kJ/cm、板厚60
mmの場合で549kJ/cmであった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】このようにして得られた溶接継手につい
て、溶接長中央部の図2(a),(b)に示す位置から
試験片を採取し、溶接金属の組成、組織、引張強さ、靱
性を調査した。溶接金属の組成は湿式分析で各元素の含
有量、B/N量を求め、また、組織は上記した方法で粒
界フェライト生成量を測定した。引張試験は、図2
(a)の位置から試験片を採取して、JIS Z 3111の規定
に準拠して実施し引張強さTSを求めた。また、衝撃試
験は、図2(b)の位置から試験片を採取して、JISZ 3
112の規定に準拠して実施し、0℃におけるシャルピー
吸収エネルギー値vE 0 を求めた。また、得られた溶接
継手について、目視でビード外観を観察した。なお、ビ
ード外観不良としては、アンダーカット、オーバーラッ
プなどの溶接欠陥の発生、スラグはくり不良、ビード表
面の平滑性不良などがある。
【0053】それらの結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】本発明例では、いずれも、ビード外観は良
好であり、さらに、粒界フェライト生成量が15面積%以
下の組織を有する溶接金属となっており、溶接金属のv
0が27J以上を満足し、優れた靱性の溶接金属を有す
る溶接継手が得られている。本発明の範囲を外れる比較
例は、溶接金属の靭性が低下している。また、さらに、
溶接金属のB/N(質量%比)が0.6 〜1.2 の範囲内の
溶接継手(溶接継手No. 5、9、10)では、溶接金属の
粒界フェライト生成量が10面積%以下となっており、溶
接金属はさらに優れた靭性を有している。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、溶接入熱150kJ/cm以上
の大入熱サブマージアーク溶接でTi、Nb等の含有量が少
ない鋼材を溶接した場合にも、優れた靱性を有する溶接
金属が安定して得られ、溶接能率を顕著に向上でき、産
業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用した溶接継手の開先形状
の概要を示す模式図である。
【図2】実施例で採用した試験片採取位置を模式的に説
明する説明図である。(a)は引張試験片、(b)は衝
撃試験片の採取位置を示す。
【図3】溶接金属のシャルピー吸収エネルギーvE0
粒界フェライト生成量との関係を示すグラフである。
【図4】溶接金属の粒界フェライト生成量とB/Nとの
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 功一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB05 CA02 DC07 EA02 EA07 4E084 AA02 AA03 AA07 AA11 AA12 AA20 BA02 BA09 BA13 BA23 BA27 CA03 CA19 CA21 CA25 CA29 DA18 DA31 FA12 GA02 HA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N含有量が0.0030質量%以下のアトマイ
    ズ鉄粉を、フラックス全量に対し20〜45質量%含有する
    ことを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス。
  2. 【請求項2】 さらに、B化合物を、B換算でフラック
    ス全量に対し0.03〜0.30質量%含有することを特徴とす
    る請求項1に記載のサブマージアーク溶接用フラック
    ス。
  3. 【請求項3】 さらに(A)群:Mo粉、フェロモリブデ
    ン粉およびMo化合物粉のうちの1種または2種以上をMo
    換算で合計でフラックス全量に対し0.2 〜2.0 質量%、
    (B)群:Nb粉、フェロニオブ粉およびNb化合物粉のう
    ちの1種または2種以上をNb換算で合計でフラックス全
    量に対し0.02〜0.15質量%、のうちから選ばれた1群ま
    たは2群以上を含むことを特徴とする請求項1または2
    に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
  4. 【請求項4】 フラックス全量に対し質量%で、SiO2
    10〜28%、CaCO3 :5〜15%、MgO :15〜38%、Al
    2O3 :3 〜20%、TiO2:2〜10%、CaF2:2〜10%、ア
    トマイズ鉄粉、Mo粉、フェロモリブデン粉、Nb粉および
    フェロニオブ粉以外の金属粉:2〜8%、のうちから選
    ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のサブマージアーク
    溶接用フラックス。
  5. 【請求項5】 Ti含有量が0.006 質量%以下、Nb含有量
    が0.012 質量%以下の母材組成を有する鋼材を入熱150k
    J/cm以上の大入熱サブマージアーク溶接により溶接接合
    するサブマージアーク溶接継手の製造方法において、前
    記大入熱サブマージアーク溶接で使用するフラックス
    を、N含有量が0.0030質量%以下のアトマイズ鉄粉をフ
    ラックス全量に対し質量%で20〜45%含むフラックス組
    成のフラックスとすることを特徴とする優れた溶接金属
    部靱性を有するサブマージアーク溶接継手の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フラックス組成が、さらにB化合物
    をフラックス全量に対しB換算で0.03〜0.30質量%を含
    むことを特徴とする請求項5に記載のサブマージアーク
    溶接継手の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記フラックス組成が、さらに(A)
    群:Mo粉、フェロモリブデン粉およびMo化合物粉のうち
    の1種または2種以上をMo換算で合計でフラックス全量
    に対し0.2 〜2.0 質量%、(B)群:Nb粉、フェロニオ
    ブ粉およびNb化合物粉のうちの1種または2種以上をNb
    換算で合計でフラックス全量に対し0.02〜0.15%、のう
    ちから選ばれた1群または2群以上を含むことを特徴と
    する請求項5または6に記載のサブマージアーク溶接継
    手の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記フラックス組成が、さらに、フラッ
    クス全量に対し質量%で、SiO2:10〜28%、CaCO3 :5
    〜15%、MgO :15〜38%、Al2O3 :3 〜20%、TiO2:2
    〜10%、CaF2:2〜10%、アトマイズ鉄粉、Mo粉、フェ
    ロモリブデン粉、Nb粉およびフェロニオブ粉以外の金属
    粉:2〜8%、のうちから選ばれた1種または2種以上
    を含有することを特徴とする請求項5ないし7のいずれ
    かに記載のサブマージアーク溶接継手の製造方法。
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