JPH1110391A - 極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤInfo
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- JPH1110391A JPH1110391A JP18462797A JP18462797A JPH1110391A JP H1110391 A JPH1110391 A JP H1110391A JP 18462797 A JP18462797 A JP 18462797A JP 18462797 A JP18462797 A JP 18462797A JP H1110391 A JPH1110391 A JP H1110391A
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Abstract
ク溶接用フラックス入りワイヤに係わり、さらに詳しく
は、板厚35〜100mmの1パス大入熱溶接において
低温高靱性を溶接金属に付与できるとともに優れた溶接
作業性が得られるフラックス入りワイヤを提供する。 【解決手段】 金属弗化物をF量換算で0.20〜1.
00%、金属弗化物を含むスラグ生成剤:1.0〜3.
0%、C:0.04〜0.15%、Si:0.15〜
0.80%、Mn:0.80〜2.50%、Al:0.
05〜0.25%、Mg:0.05〜0.40%、N
i:0.50〜4.00%、Mo:0.05〜0.50
%、Ti:0.05〜0.40%、B :0.0020
〜0.0150%を含有し、且つ下式を満足するF量
を含有することを特徴とする。 1.0≧弗素換算量≧3Al+0.05 ・・・・・
Description
スアーク溶接用フラックス入りワイヤに係わり、さらに
詳しくは、極厚鋼の多電極溶接において低温高靱性を溶
接金属に付与できるとともに優れた溶接作業性が得られ
るフラックス入りワイヤに関するものである。
高いことから、軟鋼、50キロHT鋼、60キロHT鋼
を用いる船舶、石油備蓄タンク等の製作に多用されてお
り、特に最近、大型コンテナ船のシャーストレーキ部
や、橋梁の橋桁部では板厚50mm以上の厚板が使用さ
れるようになったため、作業効率の点からエレクトロガ
スアーク溶接での施工が強く望まれている。
られるように、溶接金属中の酸素量を低減し、低温靱性
の向上を図る方法等が提案されているが、一般には特開
平4−279295号公報のように、板厚が35mm以
上になるとX開先による多層盛り溶接法が用いられる
が、その結果、再熱部の靱性の低下が発生し易くなる。
また、施工も難しくなり、工程も増えるため、1パス溶
接法が考えられるが、大入熱溶接となるため組織が肥大
化し易く、また鋼板からの希釈や熱影響部も大きくなる
ため機械的性質が劣化しやすい。
を向上させ熱影響部を小さくし、溶接金属性能に影響を
与える母材希釈及び組織の肥大化を抑えることができ
る。しかし既存の1電極用エレクトロガスアーク溶接用
フラックス入りワイヤは多電極溶接用にスラグ成分及び
合金成分が調整されていないため、スラグ跳ねの多発及
び大入熱溶接での低温靱性の劣化が発生する。このこと
から多電極エレクトロガスアーク溶接用フラックス入り
ワイヤの開発が要望されている。
のもとで、板厚35〜100mmの極厚大入熱溶接にお
いて、溶接金属の低温靱性を良好にし、かつ優れた溶接
作業性が得られる多電極エレクトロガスアーク溶接用フ
ラックス入りワイヤを提供することを目的にしたもので
ある。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フラックス入
りワイヤの化学成分及びフラックス充填率並びに溶接諸
条件を規制することにより、優れた高い低温靱性が得ら
れると同時に、良好な溶接作業性、特にスラグ跳ねを少
なくできること究明し、ここに本発明を見出した。
mの極厚鋼用多電極エレクトロガスアーク溶接フラック
ス入りワイヤであって、該ワイヤの組成がワイヤ全重量
に対し、金属弗化物をF量換算で0.20〜1.00
%、金属弗化物を含むスラグ生成剤:1.0〜3.0
%、C:0.04〜0.15%、Si:0.15〜0.
80%、Mn:0.80〜2.50%、Al:0.05
〜0.25%、Mg:0.05〜0.40%、Ni:
0.50〜4.00%、Mo:0.05〜0.50%、
Ti:0.05〜0.40%、B :0.0020〜
0.0150%を含有し、且つ下式を満足するF量を
含有することを特徴とする極厚鋼用多電極立向エレクト
ロガスアーク溶接フラックス入りワイヤを基本とし、鋼
製外皮中にフラックスを充填してなるワイヤ径が2.0
mmφ以下で、充填するフラックスがワイヤ全重量に対
し15〜35%であり、かつ鉄粉が10〜30%を含有
し、溶接金属中の酸素量が180〜400ppmとなる
極厚鋼用多電極エレクトロガスアーク溶接フラックス入
りワイヤである。なお、本発明は低温鋼以外にも一般の
軟鋼・50又は60HT鋼板にも使用可能である。 1.0≧弗素換算量≧3Al+0.05 ・・・・・
厚が35mm以下の小入熱溶接を行うと、溶接速度が1
電極溶接時と比べて溶接速度が上昇することによって冷
却速度も速くなるため、各合金成分の歩留りが上昇し、
良好な機械性能が得られない。また既存の1電極用装置
及びフラックス入りワイヤは35mm程度までの1パス
溶接用に設計され、すでに確立されている技術であるた
め、多電極溶接の際の板厚は35mm以上とする。また
現在用いられている鋼板は100mm程度までが一般的
であることから上限は100mmとする。
0% 金属弗化物はアークの安定を高めるとともに脱酸促進作
用によって溶接金属中の酸素量を低減させ、低温靱性を
向上させる作用がある。また、スラグ生成剤中のF量を
規制することによってスラグ生成剤の粘性を調節でき、
極厚鋼における多電極溶接時に問題となるスラグ跳ね及
びスパッタの発生を防止できる。金属弗化物中のF量換
算を0.20〜1.00%としたのは、0.20%未満
ではスラグの良好な流動性の流動性が得られず、スラグ
跳ね等の溶接作業性の劣化、及び脱酸促進作用の効果が
得られず、溶接金属中の酸素量が上昇し、低温靱性の劣
化が発生する。また1.00%を越えると粘性が低くな
りすぎ、スラグが垂れやすくなり良好なビード形状が得
られない。また、過剰な脱酸促進作用によって強度が上
昇し、良好な低温靱性が得られない。
3.0% スラグ生成剤の量を1.0〜3.0%としたのは、1.
0%未満ではスラグ生成量がビード表面を覆うには不十
分で溶接金属が垂れやすくなり、健全な溶接金属が得ら
れない。また3.0%以上では、スラグが過剰となって
スラグ垂れ及びアークが不安定となり、健全な溶接作業
性が得られない。
焼入れ性を高め、強さと硬さを増す作用が強く、ワイヤ
中のCが0.04%未満ではそのような効果が得られ
ず、0.15%を超えると、溶接金属中のC量が増加し
てマルテンサイトが発生し易くなり、靱性が劣化する。
またスパッタ量が多くなり、溶接作業性が劣化するの
で、Cの範囲は0.04〜0.15%とする。
あるいは一部が溶接金属中に歩留って強度を高める作用
がある。またアークを安定にし、ビード形状を良好にす
る作用もある。Siが0.15%未満ではそのような効
果が得られず、0.80%を超えると溶接金属中の酸素
量が低くなり過ぎ溶接金属が硬化するため靱性の低下が
起こる。またスパッタが多発するためSiの範囲は0.
15〜0.80%とする。
0.80%未満では脱酸効果が少なくなるばかりではな
く、溶接金属の強度が得られなくなると共に靱性が劣化
する。一方2.5%を超えると、強度が必要以上に高く
なって靱性や耐割れ性が低下するので、Mnの範囲は
0.8〜2.5%とする。ワイヤ中のSi−Mn源とし
ては、鋼製鞘中のSi、Mn以外に、Fe−Si、Fe
−Mn、Fe−Si−Mn等の合金あるいはSiO2 、
MnO、MnO2等の酸化物が含まれる。
な元素であり、その効果を得るためには少なくとも0.
05%は添加する必要がある。しかし、0.25%以上
添加するとAl酸化物が急激に増大し、Ti酸化物と大
型の複合酸化物を形成し、低温靱性が劣化するためAl
の範囲は0.05〜0.25%とする。
待できなくなるが、0.40%を超えると合金成分の過
剰な歩留り、溶接金属中の酸素量が低くなり過ぎること
による過剰な焼入性となり、強度の上昇及び靱性低下を
招く。またスパッタ量も多くなるので、Mgの範囲は
0.05〜0.40%とする。
の靱性を得るためである。そのためには0.5%添加す
る必要があり、一方4.0%を超えると溶接金属の強度
が高くなり過ぎ、また割れが発生するため、Niの範囲
は0.5〜4.0%とする。
度を得ることと、溶接金属微細化による靱性改善のため
である。そのためには少なくとも0.05%添加する必
要があり、一方0.50%を超えると溶接金属の強度が
高くなりすぎ、靱性が低下する。従ってMoの範囲は
0.05〜0.50%とする。
果で溶接金属の靱性を向上させる効果がある。Tiが
0.05%未満ではそのような効果が得られず、逆に
0.40%を超えると溶接金属が硬化して靱性が劣化す
るので、Tiは0.05〜0.40%とする。
トの生成を抑制し、かつ組織を均一微細化して靱性向上
に効果がある。Bが0.0020%未満であると上記し
た効果が期待し得ず、0.0150%を超えると焼入れ
効果の大きい元素であるBが過剰となって溶接金属が硬
化し、耐割れ性や靱性が低下する。従って、Bの範囲は
0.0020〜0.0150%とする。B源としてはF
e−Bの他、B2 O3 等のB化合物を用いても良い。
効果は前記した通りであるが、溶接の際にスラグの流動
性を劣化させ、スラグ跳ねが発生する。そこで、溶接作
業性及びF量換算とAlの添加量を変化させ、溶接金属
の低温靱性を調査した結果、図1に示す範囲において、
スラグの流動性を劣化させることなく、溶接金属の低温
靱性が得られることを見いだした。この範囲を上式とす
る。
の低下が挙げられ、また既存送給装置の能力から2.0
mm以下とした。
スパッタの増大を招く。また35%を超えると生産性が
低下するので、充填フラックスは15〜35%とする。
るが、10%未満であると溶着速度が遅くなり、生成ス
ラグ量が溶着金属に対して多すぎたりする。また30%
を超えると、生成スラグ量が不足したり、充填率の不安
定や伸線性が困難になるので鉄粉の範囲は10〜30%
とする。
m 極厚鋼による1パス多電極エレクトロガスアーク溶接の
ような大入熱溶接法は、合金成分を適量添加すると共に
溶接金属中の酸素量の低減が良好な低温靱性を得るため
に必要である。本発明は良好な低温靱性が得られる18
0〜400ppmになるよう金属弗化物、脱酸剤を規制
しており、本発明範囲を下回ると酸素量上昇による溶接
金属組織の粗大化、上回ると酸素量低減による引張強度
の上昇による低温靱性の劣化が起こる。そこで、溶接金
属中の酸素量は180〜400ppmとする。
を作成した。鋼製外皮としてはC:0.04%、Si:
0.02%、Mn:0.30%、P:0.01%、S:
0.008%、Al:0.02%なる成分を含む軟鋼を
用い、表1ないし表2の脱酸剤・合金剤、スラグ生成
剤、鉄粉を混合したフラックスを充填してワイヤ径1.
6mmφに仕上げた。
0mmの鋼板を用い、溶接は以下に示す開先形状及び表
4に示す溶接条件でそれぞれ1パスで仕上げた。各試験
板の板厚中央より試験片を採取し、作業性、溶接金属の
衝撃特性について調査した溶接金属試験結果を結果を表
4に示す。衝撃特性は−40℃におけるシャルピー吸収
エネルギーが、40J以上のものを合格とした。
作業性と低温靱性が得られた。No.6はC量とMo量
が本発明範囲を超えたためスパッタが多発し、また靱性
が劣化した。No.7はSi量が本発明範囲を超えたた
め、スパッタが多発し、また溶接金属中の酸素量が本発
明範囲を下回った結果、過剰な焼入性となり低靱性とな
った。
回った結果、板厚50mmの溶接でも溶着量の低下及び
不安定なアーク状態となった。またAl量が本発明範囲
を下回ったため、脱酸力が低下した結果、溶接金属中の
酸素量が本発明範囲を超えたため、靱性が劣化した。
足していないため、スラグの流動性が劣化し、溶接中に
スラグ跳ねが多発した。またB量が本発明範囲を超えた
ため、溶接後割れが発生し試験片を採取できなかった。
を下回ったため、板厚70、90mmで焼き入れ不足と
なり、組織が肥大化し低靱性となった。No.11は本
発明範囲の式を満足していないため、板厚50および
70mmで溶接中にスラグ跳ねが多発した。
ーク溶接用フラックス入りワイヤを用いることにより、
板厚35〜100の鋼板を多電極で1パス溶接した際に
良好な低温靱性及び作業性を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 板厚35〜100mmの極厚1パス多電
極エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤに
おいて、該ワイヤの組成がワイヤ全重量に対し、 金属弗化物をF量換算で0.20〜1.00%、 金属弗化物を含むスラグ生成剤:1.0〜3.0%、 C :0.04〜0.15%、 Si:0.15〜0.80%、 Mn:0.80〜2.50%、 Al:0.05〜0.25%、 Mg:0.05〜0.40%、 Ni:0.50〜4.00%、 Mo:0.05〜0.50%、 Ti:0.05〜0.40%、 B :0.0020〜0.0150% を含有し、且つ下式を満足するF量を含有することを
特徴とする極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶
接用フラックス入りワイヤ。 1.0≧F量換算≧3Al+0.05 ・・・・・ - 【請求項2】 鋼製外皮中にフラックスを充填してなる
ワイヤ径が2.0mmφ以下で、充填するフラックスが
ワイヤ全重量に対し15〜35%であり、かつ鉄粉が1
0〜30%を含有する請求項1記載の極厚鋼用多電極立
向エレクトロガスアーク溶接フラックス入りワイヤ。 - 【請求項3】 溶接金属中の酸素量が180〜400p
pmとなる請求項1、2記載の極厚鋼用多電極立向エレ
クトロガスアーク溶接フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18462797A JP3718323B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18462797A JP3718323B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1110391A true JPH1110391A (ja) | 1999-01-19 |
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ID=16156547
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18462797A Expired - Fee Related JP3718323B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 極厚鋼用多電極立向エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3718323B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100615686B1 (ko) | 2005-06-30 | 2006-08-28 | 현대종합금속 주식회사 | 저온인성이 우수한 메탈계 플럭스 충전 와이어 |
JP2008087045A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Kobe Steel Ltd | エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ及び2電極エレクトロガスアーク溶接方法 |
JP2009082948A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Jfe Steel Kk | 溶接継手 |
WO2018043268A1 (ja) * | 2016-08-30 | 2018-03-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 溶接用フラックス入りシームレスワイヤ |
CN109722510A (zh) * | 2019-02-01 | 2019-05-07 | 浙江师范大学 | 优化先进高强韧特厚板粗晶热影响区组织与性能的方法 |
-
1997
- 1997-06-26 JP JP18462797A patent/JP3718323B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100615686B1 (ko) | 2005-06-30 | 2006-08-28 | 현대종합금속 주식회사 | 저온인성이 우수한 메탈계 플럭스 충전 와이어 |
JP2008087045A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Kobe Steel Ltd | エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ及び2電極エレクトロガスアーク溶接方法 |
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JP3718323B2 (ja) | 2005-11-24 |
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