JP3458452B2 - 溶接金属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法 - Google Patents
溶接金属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法Info
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- JP3458452B2 JP3458452B2 JP12368794A JP12368794A JP3458452B2 JP 3458452 B2 JP3458452 B2 JP 3458452B2 JP 12368794 A JP12368794 A JP 12368794A JP 12368794 A JP12368794 A JP 12368794A JP 3458452 B2 JP3458452 B2 JP 3458452B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄骨ボックスの角継
手溶接のような厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法に関し、特
に溶接金属について良好なじん性を得ることのできる方
法を提案しようとするものである。
手溶接のような厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法に関し、特
に溶接金属について良好なじん性を得ることのできる方
法を提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビルに代表される構造物の大
型化に伴い、板厚40mmを超える如き極厚の鋼板よりなる
溶接構造部材が用いられるようになっている。かような
極厚鋼板の溶接をする際には、溶接速度の大きい2電
極、あるいは3電極の潜弧溶接方法が、溶接施工の高能
率化が可能であることを理由として多用されている。
型化に伴い、板厚40mmを超える如き極厚の鋼板よりなる
溶接構造部材が用いられるようになっている。かような
極厚鋼板の溶接をする際には、溶接速度の大きい2電
極、あるいは3電極の潜弧溶接方法が、溶接施工の高能
率化が可能であることを理由として多用されている。
【0003】このような極厚鋼板の大入熱潜弧溶接法に
関しては、これまでにも種々に提案されていて、例えば
特開平2−41795号公報では極厚鋼板の大入熱多層
盛溶接において優れたスラグ剥離性を得るため、所定組
成に調製した潜弧溶接用ボンドフラックスが提案され、
また、発明者らも先に特開平2−258191号公報に
て1層溶接施工の板厚限界を有効に向上させ、多層の大
入熱潜弧溶接の場合のスラグはく離性を改善し、併せて
耐凝固割れ性も改善するために、フラックスの組成及び
粒度分布並びに溶接電流条件を規定した高能率の溶接施
工法を提案している。さらに、特開平4−167999
号公報には溶接入熱が800kJ/cm程度といった大入熱溶接
の場合において良好な耐水素割れ性、耐繰り返し使用性
能及び優れたスラグはく離性を有するフラックスが提案
されている。
関しては、これまでにも種々に提案されていて、例えば
特開平2−41795号公報では極厚鋼板の大入熱多層
盛溶接において優れたスラグ剥離性を得るため、所定組
成に調製した潜弧溶接用ボンドフラックスが提案され、
また、発明者らも先に特開平2−258191号公報に
て1層溶接施工の板厚限界を有効に向上させ、多層の大
入熱潜弧溶接の場合のスラグはく離性を改善し、併せて
耐凝固割れ性も改善するために、フラックスの組成及び
粒度分布並びに溶接電流条件を規定した高能率の溶接施
工法を提案している。さらに、特開平4−167999
号公報には溶接入熱が800kJ/cm程度といった大入熱溶接
の場合において良好な耐水素割れ性、耐繰り返し使用性
能及び優れたスラグはく離性を有するフラックスが提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、極厚鋼板に
施す大入熱潜弧溶接方法にあっては、溶接時の熱サイク
ルにおいて溶接金属部の冷却速度が非常に小さいことか
らこの溶接金属部のデンドライトは大きく成長し、粗大
な初析フェライトが析出するため、溶接金属部の切欠じ
ん性が劣化する問題がある。
施す大入熱潜弧溶接方法にあっては、溶接時の熱サイク
ルにおいて溶接金属部の冷却速度が非常に小さいことか
らこの溶接金属部のデンドライトは大きく成長し、粗大
な初析フェライトが析出するため、溶接金属部の切欠じ
ん性が劣化する問題がある。
【0005】この点について、前述した特開平2−41
795号公報、特開平2−258191号公報及び特開
平4−167999号公報の提案は、いずれもスラグは
く離性を第1の目的とし、さらに耐水素割れ性、耐繰り
返し使用性能、耐凝固割れ性等の改善を目指したもので
あり、溶接金属のじん性改善に主点をおいてはなかっ
た。したがって、板厚60mm〜80mmの極厚鋼板に3電極潜
弧溶接を施す場合のように、溶接後の冷却過程における
溶接金属の冷却速度が非常に遅い超大入熱溶接において
は、溶接金属のじん性を確保するのが困難であった。
795号公報、特開平2−258191号公報及び特開
平4−167999号公報の提案は、いずれもスラグは
く離性を第1の目的とし、さらに耐水素割れ性、耐繰り
返し使用性能、耐凝固割れ性等の改善を目指したもので
あり、溶接金属のじん性改善に主点をおいてはなかっ
た。したがって、板厚60mm〜80mmの極厚鋼板に3電極潜
弧溶接を施す場合のように、溶接後の冷却過程における
溶接金属の冷却速度が非常に遅い超大入熱溶接において
は、溶接金属のじん性を確保するのが困難であった。
【0006】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、溶接金属の切欠じん性を改善することのできる
極厚鋼板の大入熱潜弧方法を提案することを目的とす
る。
もので、溶接金属の切欠じん性を改善することのできる
極厚鋼板の大入熱潜弧方法を提案することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、大入熱潜弧
溶接をした場合の溶接金属のじん性の向上を目指して鋭
意研究を重ねた結果、以下のような新規知見を得るに到
った。まず、従来の大入熱潜弧溶接法において、溶接金
属の切欠じん性は、溶接後の冷却過程における溶接金属
の800 〜600 ℃間の冷却時間によって支配されているこ
とが明らかとなった。とりわけ800 〜600 ℃間の冷却時
間が、一般の大入熱溶接に比較してもはるかに長時間
の、200 秒を超える超大入熱溶接の場合には、冷却速度
が非常に遅くなるため、切欠じん性が顕著に劣化するこ
とが判明した。この劣化の原因は、800 〜600 ℃間の冷
却時間が長いと、この溶接金属部のデンドライトが大き
く成長し、粗大な初析フェライトが析出するためと考え
られる。
溶接をした場合の溶接金属のじん性の向上を目指して鋭
意研究を重ねた結果、以下のような新規知見を得るに到
った。まず、従来の大入熱潜弧溶接法において、溶接金
属の切欠じん性は、溶接後の冷却過程における溶接金属
の800 〜600 ℃間の冷却時間によって支配されているこ
とが明らかとなった。とりわけ800 〜600 ℃間の冷却時
間が、一般の大入熱溶接に比較してもはるかに長時間
の、200 秒を超える超大入熱溶接の場合には、冷却速度
が非常に遅くなるため、切欠じん性が顕著に劣化するこ
とが判明した。この劣化の原因は、800 〜600 ℃間の冷
却時間が長いと、この溶接金属部のデンドライトが大き
く成長し、粗大な初析フェライトが析出するためと考え
られる。
【0008】かかる知見からさらに、溶接金属部のじん
性を改善するためには、焼入れ性を向上させれば良いこ
とを究明した。すなわち、大入熱溶接で800 〜600 ℃間
の冷却時間が200 秒を超える場合であっても良好な溶接
金属じん性を得るには、従来の大入熱潜弧溶接法で得ら
れていた程度の溶接金属の焼入れ性では不十分で、特に
高い焼入れ性を確保することが必要不可欠となることを
見い出したのである。この溶接金属の焼入れ性は、溶接
金属中における焼入れ性向上成分(Mn等)の含有量を増
加させること、及び溶接金属中の酸素量を低下させるこ
とにより高められる。
性を改善するためには、焼入れ性を向上させれば良いこ
とを究明した。すなわち、大入熱溶接で800 〜600 ℃間
の冷却時間が200 秒を超える場合であっても良好な溶接
金属じん性を得るには、従来の大入熱潜弧溶接法で得ら
れていた程度の溶接金属の焼入れ性では不十分で、特に
高い焼入れ性を確保することが必要不可欠となることを
見い出したのである。この溶接金属の焼入れ性は、溶接
金属中における焼入れ性向上成分(Mn等)の含有量を増
加させること、及び溶接金属中の酸素量を低下させるこ
とにより高められる。
【0009】次に、上述のごとく冷却速度が非常に遅い
場合には、溶接金属中に含まれる微量のSiについても溶
接金属のじん性に大きく影響を及ぼすことを新たに見い
出した。すなわち、溶接金属が十分な焼入れ性を有して
いたとしても、溶接金属中のSi量が多量になるとじん性
は劣化するのである。
場合には、溶接金属中に含まれる微量のSiについても溶
接金属のじん性に大きく影響を及ぼすことを新たに見い
出した。すなわち、溶接金属が十分な焼入れ性を有して
いたとしても、溶接金属中のSi量が多量になるとじん性
は劣化するのである。
【0010】これらの知見に基づき、極厚鋼板に3電極
1層潜弧溶接を施す場合のように、溶接後の溶接金属の
冷却過程において800 〜600 ℃間の冷却時間が200 秒を
超えるような溶接金属の冷却速度が非常に遅い超大入熱
溶接であっても溶接金属のじん性を確保することを第1
の目的とし、その他溶接作業性、耐割れ性及びビード外
観をも考慮して、溶接金属中のMn、Si及び酸素量を適正
範囲内にするように溶接用フラックスや鋼ワイヤに工夫
を加えたところがこの発明の骨子である。
1層潜弧溶接を施す場合のように、溶接後の溶接金属の
冷却過程において800 〜600 ℃間の冷却時間が200 秒を
超えるような溶接金属の冷却速度が非常に遅い超大入熱
溶接であっても溶接金属のじん性を確保することを第1
の目的とし、その他溶接作業性、耐割れ性及びビード外
観をも考慮して、溶接金属中のMn、Si及び酸素量を適正
範囲内にするように溶接用フラックスや鋼ワイヤに工夫
を加えたところがこの発明の骨子である。
【0011】すなわちこの方法は、厚鋼板に大入熱潜弧
溶接を施すに際し、溶接用フラックス及び溶接用ワイヤ
としてそれぞれtotal SiO2:5 〜20wt%、MgO :15〜35
wt%、CaCO3 :7 〜14wt%、CaF2:2 〜10wt%、Al2O
3 :4 〜9 wt%、TiO2:3 〜10wt%及びB2O3:0.7 〜2
wt%を含み、かつ鉄粉:15〜35wt%及びTi粉:0.5 〜3.
0 wt%に加えてMn粉を含有するボンドフラックス並びに
C:0.08wt%以下及びSi:0.07wt%以下に加えてMnを含
有する鋼ワイヤであって、これらボンドフラックス中の
Mn含有量b(wt%)及び鋼ワイヤ中のMn含有量a(wt
%)が、次式 2.5 ≦a+0.33b≦4.3 (wt%) の関係を満足するものを用いることを特徴とする溶接金
属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法であ
る。
溶接を施すに際し、溶接用フラックス及び溶接用ワイヤ
としてそれぞれtotal SiO2:5 〜20wt%、MgO :15〜35
wt%、CaCO3 :7 〜14wt%、CaF2:2 〜10wt%、Al2O
3 :4 〜9 wt%、TiO2:3 〜10wt%及びB2O3:0.7 〜2
wt%を含み、かつ鉄粉:15〜35wt%及びTi粉:0.5 〜3.
0 wt%に加えてMn粉を含有するボンドフラックス並びに
C:0.08wt%以下及びSi:0.07wt%以下に加えてMnを含
有する鋼ワイヤであって、これらボンドフラックス中の
Mn含有量b(wt%)及び鋼ワイヤ中のMn含有量a(wt
%)が、次式 2.5 ≦a+0.33b≦4.3 (wt%) の関係を満足するものを用いることを特徴とする溶接金
属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法であ
る。
【0012】この発明の大入熱潜弧溶接方法は、溶接し
ようとする厚鋼板の板厚が60mm以上であり、大入熱潜弧
溶接が少なくとも一の電極の溶接電流を2500A以上とす
る3電極以上の多電極1層溶接である場合に特に有利に
適合する。
ようとする厚鋼板の板厚が60mm以上であり、大入熱潜弧
溶接が少なくとも一の電極の溶接電流を2500A以上とす
る3電極以上の多電極1層溶接である場合に特に有利に
適合する。
【0013】
【作用】この発明におけるボンドフラックス及び鋼ワイ
ヤの成分組成範囲の限定理由について以下説明する。ボ
ンドフラックスについて total SiO2:5〜20% SiO2は造さい材として重要な成分であり、スラグの粘性
を調整するのに必須の成分である。その一方でSiO2は溶
接中、還元反応によって溶接金属中にSiを添加する作用
を有する。このため、溶接金属の800 〜600 ℃の冷却時
間が200 秒を超えるような大入熱溶接において、SiO2や
Siが過剰にフラックス中に含ませると、溶接金属中のSi
量が増加して溶接金属の切欠じん性が劣化する問題があ
る。フラックス中のSiO2は、けい砂等のSiO2を含有する
鉱石又は合成物として添加するが、フラックスにFe−Si
等の合金を添加する場合もある。このような合金添加の
場合にはSiをSiO2に換算し、SiO2の総量として規定する
ものとした。このtotal SiO2が5%に満たないと十分な
スラグの粘性を確保できず、良好なビード外観が得られ
ない。しかしながら20%を超えて含ませると溶接金属中
のSiが増加してじん性が劣化するばかりでなく、融点が
低下し、粘性が過剰となりビード外観が乱れるなどの不
都合がある。
ヤの成分組成範囲の限定理由について以下説明する。ボ
ンドフラックスについて total SiO2:5〜20% SiO2は造さい材として重要な成分であり、スラグの粘性
を調整するのに必須の成分である。その一方でSiO2は溶
接中、還元反応によって溶接金属中にSiを添加する作用
を有する。このため、溶接金属の800 〜600 ℃の冷却時
間が200 秒を超えるような大入熱溶接において、SiO2や
Siが過剰にフラックス中に含ませると、溶接金属中のSi
量が増加して溶接金属の切欠じん性が劣化する問題があ
る。フラックス中のSiO2は、けい砂等のSiO2を含有する
鉱石又は合成物として添加するが、フラックスにFe−Si
等の合金を添加する場合もある。このような合金添加の
場合にはSiをSiO2に換算し、SiO2の総量として規定する
ものとした。このtotal SiO2が5%に満たないと十分な
スラグの粘性を確保できず、良好なビード外観が得られ
ない。しかしながら20%を超えて含ませると溶接金属中
のSiが増加してじん性が劣化するばかりでなく、融点が
低下し、粘性が過剰となりビード外観が乱れるなどの不
都合がある。
【0014】MgO :15〜35%
MgO は融点が2700℃と高いためにフラックスに高耐火性
を与え、大入熱溶接においてビード形状を安定化する効
果があるだけでなく、スラグの塩基度を上げて溶接金属
中の酸素量を低減し、じん性を確保する上で有用な成分
である。しかし15%未満では十分な効果が期待できず、
一方35%を超えて含有させると融点が上昇しすぎてビー
ド外観が劣化する。
を与え、大入熱溶接においてビード形状を安定化する効
果があるだけでなく、スラグの塩基度を上げて溶接金属
中の酸素量を低減し、じん性を確保する上で有用な成分
である。しかし15%未満では十分な効果が期待できず、
一方35%を超えて含有させると融点が上昇しすぎてビー
ド外観が劣化する。
【0015】CaCO3 :7〜14%
CaCO3 は溶接中にCaO とCO2 とに分解し、このCO2 ガス
によって溶接部を外気からシールドするとともに溶接雰
囲気中の水素ガスの分圧を低下させるため、溶接金属中
への水素侵入を低減するのに有効である。またCaO は塩
基性成分であり、スラグの融点を上昇させ、じん性を向
上させる効果を持つ。しかしCaCO3 量が7%未満ではCO
2 によるシールド効果が少なく、耐水素割れ性が低下す
る。一方14%を超えるCaCO3 量ではCO2 の発生量が過剰
になり、ガスの吹き上げが激しくなり、溶接作業性が劣
化するとともに、ビード外観も劣化する。またスラグの
はく離性も害する。
によって溶接部を外気からシールドするとともに溶接雰
囲気中の水素ガスの分圧を低下させるため、溶接金属中
への水素侵入を低減するのに有効である。またCaO は塩
基性成分であり、スラグの融点を上昇させ、じん性を向
上させる効果を持つ。しかしCaCO3 量が7%未満ではCO
2 によるシールド効果が少なく、耐水素割れ性が低下す
る。一方14%を超えるCaCO3 量ではCO2 の発生量が過剰
になり、ガスの吹き上げが激しくなり、溶接作業性が劣
化するとともに、ビード外観も劣化する。またスラグの
はく離性も害する。
【0016】CaF2:2〜10%
CaF2は融点を上昇させずに塩基度を上げ得るので、溶接
金属の酸素量の調整に有効であるが、2%未満ではその
添加効果に乏しく、10%を超えて多量に添加するとスラ
グの粘性が低下し過ぎてビード外観が悪化する。
金属の酸素量の調整に有効であるが、2%未満ではその
添加効果に乏しく、10%を超えて多量に添加するとスラ
グの粘性が低下し過ぎてビード外観が悪化する。
【0017】Al2O3:4〜9%
Al2O3は、粘性を低下させずに融点を上昇させ得るの
で、融点の調整に有効に寄与するが、4%未満では粘性
の調整効果に乏しく、9%を超えるとスラグの融点が高
くなり過ぎて、ビード外観の劣化を招く。
で、融点の調整に有効に寄与するが、4%未満では粘性
の調整効果に乏しく、9%を超えるとスラグの融点が高
くなり過ぎて、ビード外観の劣化を招く。
【0018】TiO2:3〜10%
TiO2はスラグに流動性を与え、スラグのはく離性を改善
するとともに、アーク空洞内で還元されて部分的にTiと
して溶接金属中に移行し、溶接金属のじん性を改善する
のに有効である。しかし3%未満ではその効果が乏し
く、10%を超えて添加してもこのような効果は増進せ
ず、むしろビード外観を害する。
するとともに、アーク空洞内で還元されて部分的にTiと
して溶接金属中に移行し、溶接金属のじん性を改善する
のに有効である。しかし3%未満ではその効果が乏し
く、10%を超えて添加してもこのような効果は増進せ
ず、むしろビード外観を害する。
【0019】B2O3:0.7 〜2%
B2O3はアーク空洞内に還元されて部分的にBとして溶接
金属中に移行し、オーステナイト粒界に偏析し、粗大な
粒界フェライトの生成を抑制するため、安価に溶接金属
のじん性を改善するのに有効である。しかし0.7 %未満
ではその効果に乏しく、2%を超える量ではむしろ溶接
金属のじん性を害する。
金属中に移行し、オーステナイト粒界に偏析し、粗大な
粒界フェライトの生成を抑制するため、安価に溶接金属
のじん性を改善するのに有効である。しかし0.7 %未満
ではその効果に乏しく、2%を超える量ではむしろ溶接
金属のじん性を害する。
【0020】鉄粉:15〜35%
鉄粉は、溶接入熱あたりの溶着量を増加させ、溶接能率
を向上させるために添加する。しかし15%未満ではその
効果に乏しく、35%を超える添加量ではビード外観が損
なわれる。
を向上させるために添加する。しかし15%未満ではその
効果に乏しく、35%を超える添加量ではビード外観が損
なわれる。
【0021】Ti粉:0.5 〜3.0 %
Ti粉をフラックス中に含有させることにより、溶接金属
中の酸素量を低減することができ、溶接金属の焼入れ性
が向上するためにじん性が向上する。溶接金属中の酸素
量を低減するためにはSiが用いられることもあるが、溶
接金属の800 〜600 ℃の冷却時間が200 秒を超えるよう
な大入熱溶接において、Siは切欠じん性をむしろ劣化さ
せるためにこの発明では積極的な使用ができない。その
ため溶接金属のじん性向上のためにより強力な脱酸剤で
ある金属Tiを添加する。Tiは脱酸後もTiO2となり、溶接
金属中に分散し、溶接金属の組織を微細化する点でもじ
ん性向上に有効である。しかし0.5 %に満たないとその
効果に乏しく、一方3%を超えて添加すると溶接金属中
の酸素量が低下し過ぎて、むしろじん性を損なう。この
金属Tiは、Fe−Ti等の合金として添加することもでき
る。この発明における溶接用フラックス中のTiO2とTi粉
との総量は、TiO2に換算して4〜11%程度が好ましい。
中の酸素量を低減することができ、溶接金属の焼入れ性
が向上するためにじん性が向上する。溶接金属中の酸素
量を低減するためにはSiが用いられることもあるが、溶
接金属の800 〜600 ℃の冷却時間が200 秒を超えるよう
な大入熱溶接において、Siは切欠じん性をむしろ劣化さ
せるためにこの発明では積極的な使用ができない。その
ため溶接金属のじん性向上のためにより強力な脱酸剤で
ある金属Tiを添加する。Tiは脱酸後もTiO2となり、溶接
金属中に分散し、溶接金属の組織を微細化する点でもじ
ん性向上に有効である。しかし0.5 %に満たないとその
効果に乏しく、一方3%を超えて添加すると溶接金属中
の酸素量が低下し過ぎて、むしろじん性を損なう。この
金属Tiは、Fe−Ti等の合金として添加することもでき
る。この発明における溶接用フラックス中のTiO2とTi粉
との総量は、TiO2に換算して4〜11%程度が好ましい。
【0022】この他、Mn粉を、後述するように鋼ワイヤ
中のMn量との関係で所定の範囲内で含有させるものとす
る。さらに、通常フラックスに用いられるものは、添加
しても差し支えない。かような成分としてはBaO,アルカ
リ金属酸化物(K2O ,Na2Oなど)があり、BaO は5%以
下の範囲で、アルカリ金属酸化物は合計5%以下の範囲
でそれぞれ含有させることができる。
中のMn量との関係で所定の範囲内で含有させるものとす
る。さらに、通常フラックスに用いられるものは、添加
しても差し支えない。かような成分としてはBaO,アルカ
リ金属酸化物(K2O ,Na2Oなど)があり、BaO は5%以
下の範囲で、アルカリ金属酸化物は合計5%以下の範囲
でそれぞれ含有させることができる。
【0023】ワイヤ成分限定理由について
C:0.08%以下
極厚鋼板の大入熱溶接においては、その溶接金属には凝
固過程において大きな収縮力がかかるため割れ感受性が
高くなる。そこで溶接金属の高温割れを防止するために
溶接金属中のC量を低くする必要がある。また大入熱溶
接では、溶接金属の冷却時間が長いために溶接金属中の
C量が高い場合にはCのオーステナイト相への分配が進
み、溶接金属中にマルテンサント−オーステナイト相が
生成する。これがぜい性破壊の発生起点となりじん性が
劣化する。この発明の溶接法を適用しようとする鋼板
は、主としてJIS G3106 に規定されるような鋼板であ
り、そのC量は0.10〜0.18%が実勢である。ここに、こ
の発明の溶接方法では鋼板の希釈率4割、ワイヤのそれ
は4割であるので、溶接金属中のC量を0.12%以下の範
囲で生成するために、ワイヤのC量を0.08%以下と規定
するものである。
固過程において大きな収縮力がかかるため割れ感受性が
高くなる。そこで溶接金属の高温割れを防止するために
溶接金属中のC量を低くする必要がある。また大入熱溶
接では、溶接金属の冷却時間が長いために溶接金属中の
C量が高い場合にはCのオーステナイト相への分配が進
み、溶接金属中にマルテンサント−オーステナイト相が
生成する。これがぜい性破壊の発生起点となりじん性が
劣化する。この発明の溶接法を適用しようとする鋼板
は、主としてJIS G3106 に規定されるような鋼板であ
り、そのC量は0.10〜0.18%が実勢である。ここに、こ
の発明の溶接方法では鋼板の希釈率4割、ワイヤのそれ
は4割であるので、溶接金属中のC量を0.12%以下の範
囲で生成するために、ワイヤのC量を0.08%以下と規定
するものである。
【0024】Si:0.07%以下
Siは強力な脱酸剤であるが、溶接金属の800 〜600 ℃の
冷却時間が200 秒を超える大入熱溶接では、溶接金属中
のSiはじん性を著しく劣化させる。ワイヤのSi量が0.07
%を超えると溶接金属のじん性が劣化するためワイヤの
Si量を0.07%以下に規定するものである。
冷却時間が200 秒を超える大入熱溶接では、溶接金属中
のSiはじん性を著しく劣化させる。ワイヤのSi量が0.07
%を超えると溶接金属のじん性が劣化するためワイヤの
Si量を0.07%以下に規定するものである。
【0025】フラックス中及びワイヤ中のMn量の限定理
由について 溶接金属の800 〜600 ℃の冷却時間が200 秒を超える場
合、溶接金属の焼入れ性を非常に高めなければ、溶接金
属中に粗大な初析フェライトが大きく発達し、じん性が
劣化する。溶接金属のじん性向上には初析フェライトの
生成を抑制する必要があり、溶接金属の焼入れ性を十分
に確保する必要がある。ここに、Mnを、じん性及び引張
強度確保のため、焼入れ性向上成分として添加する。す
なわち、Mnは溶接金属の焼入れ性を安価に向上させ、溶
接金属のじん性を向上させるのに有効である。一方低温
割れ防止の観点から溶接金属の強度が高くなり過ぎない
ような適正な範囲にMn量を調整することも必要である。
かような観点からMn量の範囲を規定するにあたり、この
Mnは、フラックス及びワイヤの双方から添加することが
できるので、鋼板のMn量との兼ね合いから溶接金属中に
含まれるMn量が1.6〜2.3 %となるようにフラックス及
びワイヤ中のMn量を調整する必要がある。具体的には、
前述したJIS G3106 に記載された鋼板のMn量は、1.0 〜
1.5 %が実勢であるため、ワイヤ中のMn量をa(%)、
フラックス中のMn量をb(%)としたとき、次式 2.5 ≦a+0.33b≦4.3 (%) を満足するようにフラックスとワイヤ中のMn量を調整す
る必要がある。上式におけるa+0.33bの値が2.5 %よ
り少なければ焼入れ性が不足して、溶接金属のじん性を
損ない、一方4.3 %より高くなると、強度が高くなり過
ぎて、耐低温割れ性が低下する。より好適な範囲は、a
+0.33bの値が3.0 〜4.0 %の範囲である。
由について 溶接金属の800 〜600 ℃の冷却時間が200 秒を超える場
合、溶接金属の焼入れ性を非常に高めなければ、溶接金
属中に粗大な初析フェライトが大きく発達し、じん性が
劣化する。溶接金属のじん性向上には初析フェライトの
生成を抑制する必要があり、溶接金属の焼入れ性を十分
に確保する必要がある。ここに、Mnを、じん性及び引張
強度確保のため、焼入れ性向上成分として添加する。す
なわち、Mnは溶接金属の焼入れ性を安価に向上させ、溶
接金属のじん性を向上させるのに有効である。一方低温
割れ防止の観点から溶接金属の強度が高くなり過ぎない
ような適正な範囲にMn量を調整することも必要である。
かような観点からMn量の範囲を規定するにあたり、この
Mnは、フラックス及びワイヤの双方から添加することが
できるので、鋼板のMn量との兼ね合いから溶接金属中に
含まれるMn量が1.6〜2.3 %となるようにフラックス及
びワイヤ中のMn量を調整する必要がある。具体的には、
前述したJIS G3106 に記載された鋼板のMn量は、1.0 〜
1.5 %が実勢であるため、ワイヤ中のMn量をa(%)、
フラックス中のMn量をb(%)としたとき、次式 2.5 ≦a+0.33b≦4.3 (%) を満足するようにフラックスとワイヤ中のMn量を調整す
る必要がある。上式におけるa+0.33bの値が2.5 %よ
り少なければ焼入れ性が不足して、溶接金属のじん性を
損ない、一方4.3 %より高くなると、強度が高くなり過
ぎて、耐低温割れ性が低下する。より好適な範囲は、a
+0.33bの値が3.0 〜4.0 %の範囲である。
【0026】このような組成になる溶接用フラックス及
び鋼ワイヤを用いた大入熱潜弧溶接法が有利に適用する
のは、溶接金属の800 〜600 ℃の冷却時間が200 秒を超
えるような大入熱の場合であり、すなわち溶接しようと
する厚鋼板の板厚が60mm以上であり、大入熱潜弧溶接が
少なくとも一の電極の溶接電流を2500A以上とする3電
極以上の多電極1層溶接である場合である。ここに、少
なくとも一の電極の溶接電流が2500Aに満たないと、溶
け込み不足、溶着量不足という不利が生ずるので溶接電
流は2500A以上が好ましい。
び鋼ワイヤを用いた大入熱潜弧溶接法が有利に適用する
のは、溶接金属の800 〜600 ℃の冷却時間が200 秒を超
えるような大入熱の場合であり、すなわち溶接しようと
する厚鋼板の板厚が60mm以上であり、大入熱潜弧溶接が
少なくとも一の電極の溶接電流を2500A以上とする3電
極以上の多電極1層溶接である場合である。ここに、少
なくとも一の電極の溶接電流が2500Aに満たないと、溶
け込み不足、溶着量不足という不利が生ずるので溶接電
流は2500A以上が好ましい。
【0027】
【実施例】溶接母材としてJIS G3106 に規定されたSM49
0B相当であって表1に示す板厚及び組成になる鋼板を用
いた。かかる溶接母材の開先形状はY型で、各々の板厚
において 板厚60mm:開先角度40°、ルートフェース10mm 板厚70mm:開先角度40°、ルートフェース12mm 板厚80mm:開先角度40°、ルートフェース13mm とした。
0B相当であって表1に示す板厚及び組成になる鋼板を用
いた。かかる溶接母材の開先形状はY型で、各々の板厚
において 板厚60mm:開先角度40°、ルートフェース10mm 板厚70mm:開先角度40°、ルートフェース12mm 板厚80mm:開先角度40°、ルートフェース13mm とした。
【0028】
【表1】
【0029】次に、溶接用ワイヤとしては、表2に示す
組成で線径6.4 mmのものを用いた。
組成で線径6.4 mmのものを用いた。
【0030】
【表2】
【0031】さらに、溶接用フラックスとしては、表3
に示すものを用いた。表3において、No. 1〜4は本発
明の要件を満たすフラックスであり、No. 5〜11は前記
要件を満たさないものである。
に示すものを用いた。表3において、No. 1〜4は本発
明の要件を満たすフラックスであり、No. 5〜11は前記
要件を満たさないものである。
【0032】
【表3】
【0033】これらの溶接母材、溶接用ワイヤ及び溶接
用フラックスを用いた溶接の際しては、表4に示す条件
にて、3電極1層サブマージドアーク溶接を行った。な
お、3電極のうち先行電極をDC電源、追行する残りの
2本の電極をAC電源とした。なお、この条件で溶接し
た際の溶接金属の800 〜600 ℃における冷却時間を測定
し、その結果を表4に併記した。
用フラックスを用いた溶接の際しては、表4に示す条件
にて、3電極1層サブマージドアーク溶接を行った。な
お、3電極のうち先行電極をDC電源、追行する残りの
2本の電極をAC電源とした。なお、この条件で溶接し
た際の溶接金属の800 〜600 ℃における冷却時間を測定
し、その結果を表4に併記した。
【0034】
【表4】
【0035】このような溶接の後、溶接性を評価した。
その結果を表5に示す。この評価項目中、溶接作業性
(スラグの剥離性、ガスの吹き上げ)、ビード外観を観
察し、それぞれ目視によって判断してそれらの総合的な
良否を○×で示し、また、耐割れ性について溶接部の割
れの有無を超音波探傷によって判断して良否を○×で示
した。さらに、図1に示すように溶接金属部1から10m
m,10mm,55mmのVノッチ付試験片2を切り出し、0℃
における衝撃吸収エネルギーを測定した。これらの評価
に基づき、全般に優れる場合を総合評価で○とし、劣る
場合を×とした。
その結果を表5に示す。この評価項目中、溶接作業性
(スラグの剥離性、ガスの吹き上げ)、ビード外観を観
察し、それぞれ目視によって判断してそれらの総合的な
良否を○×で示し、また、耐割れ性について溶接部の割
れの有無を超音波探傷によって判断して良否を○×で示
した。さらに、図1に示すように溶接金属部1から10m
m,10mm,55mmのVノッチ付試験片2を切り出し、0℃
における衝撃吸収エネルギーを測定した。これらの評価
に基づき、全般に優れる場合を総合評価で○とし、劣る
場合を×とした。
【0036】
【表5】
【0037】試料No. 1〜6はこの発明に従う実施例で
あり、良好なじん性の溶接金属及び良好な形状のビード
を欠陥なくかつ作業性を損なうことなく得ることができ
た。これに対して、試料No. 7はフラックス中のtotal
SiO2が過少でありビード外観が不良であった。試料No.
8はフラックス中の Al2O3が過剰でありビード幅が不均
一であった。試料No. 9はフラックス中のTiが添加され
ていないので靱性が不十分であった。試料No. 10はフラ
ックス中のCaCO3 が過剰でありガスの吹き上げが厳し
く、作業性が不良であった。試料No. 11はフラックス中
のMgO が過剰でありビード外観が不良であり、スラグ剥
離性も不良であった。試料No. 12はフラックス中のtota
l SiO2が過剰であり、溶接金属のじん性が劣化した。試
料No. 13はフラックス中のCaCO3 が過少であり水素割れ
が発生した。試料No. 14はワイヤ中のSiが過剰であり、
溶接金属のじん性が劣化した。試料No. 15はワイヤ中の
Cが過剰であり割れが発生するとともに、溶接金属の靱
性も劣化した。試料No. 16は溶接金属へのMnの添加量が
過剰となり、溶接金属の強度が高すぎ、耐割れ性が低下
した。試料No. 17は溶接金属へのMnの添加量が過少とな
り、溶接金属のじん性が低下した。
あり、良好なじん性の溶接金属及び良好な形状のビード
を欠陥なくかつ作業性を損なうことなく得ることができ
た。これに対して、試料No. 7はフラックス中のtotal
SiO2が過少でありビード外観が不良であった。試料No.
8はフラックス中の Al2O3が過剰でありビード幅が不均
一であった。試料No. 9はフラックス中のTiが添加され
ていないので靱性が不十分であった。試料No. 10はフラ
ックス中のCaCO3 が過剰でありガスの吹き上げが厳し
く、作業性が不良であった。試料No. 11はフラックス中
のMgO が過剰でありビード外観が不良であり、スラグ剥
離性も不良であった。試料No. 12はフラックス中のtota
l SiO2が過剰であり、溶接金属のじん性が劣化した。試
料No. 13はフラックス中のCaCO3 が過少であり水素割れ
が発生した。試料No. 14はワイヤ中のSiが過剰であり、
溶接金属のじん性が劣化した。試料No. 15はワイヤ中の
Cが過剰であり割れが発生するとともに、溶接金属の靱
性も劣化した。試料No. 16は溶接金属へのMnの添加量が
過剰となり、溶接金属の強度が高すぎ、耐割れ性が低下
した。試料No. 17は溶接金属へのMnの添加量が過少とな
り、溶接金属のじん性が低下した。
【0038】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明の溶接方法に
よれば、極厚鋼板の大入熱3電極1層潜弧溶接(サブマ
ージアーク溶接)のように溶接金属の800 〜600 ℃の冷
却時間が200 秒を超える場合であっても良好な溶接金属
の切欠じん性を得ることができるばかりでなく、良好な
溶接作業性とビード外観、及び溶接金属の良好な耐水素
割れ性を得ることができる。
よれば、極厚鋼板の大入熱3電極1層潜弧溶接(サブマ
ージアーク溶接)のように溶接金属の800 〜600 ℃の冷
却時間が200 秒を超える場合であっても良好な溶接金属
の切欠じん性を得ることができるばかりでなく、良好な
溶接作業性とビード外観、及び溶接金属の良好な耐水素
割れ性を得ることができる。
【図1】 実施例における衝撃試験片の切り出し領域を
説明する溶接部の断面図である。
説明する溶接部の断面図である。
1 溶接金属部
2 Vノッチ付試験片
3 母材
4 裏当て金
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 山口 忠政
千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎
製鉄株式会社 技術研究本部内
(56)参考文献 特開 昭62−34694(JP,A)
特開 昭59−110493(JP,A)
特開 平2−258191(JP,A)
特開 平6−23585(JP,A)
特開 平5−337651(JP,A)
特開 平4−210874(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B23K 35/362
B23K 35/30
Claims (2)
- 【請求項1】 厚鋼板に大入熱潜弧溶接を施すに際し、 溶接用フラックス及び溶接用ワイヤとしてそれぞれ total SiO2:5 〜20wt%、 MgO :15〜35wt%、 CaCO3 :7 〜14wt%、 CaF2:2 〜10wt%、 Al2O3 :4 〜9 wt%、 TiO2:3 〜10wt%及び B2O3:0.7 〜2 wt% を含み、かつ 鉄粉:15〜35wt%及び Ti粉:0.5 〜3.0 wt%に加えて Mn粉 を含有するボンドフラックス並びに C:0.08wt%以下及び Si:0.07wt%以下に加えて Mn を含有する鋼ワイヤであって、 これらボンドフラックス中のMn含有量b(wt%)及び鋼
ワイヤ中のMn含有量a(wt%)が、次式 2.5 ≦a+0.33b≦4.3 (wt%) の関係を満足するものを用いることを特徴とする溶接金
属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法。 - 【請求項2】 溶接しようとする厚鋼板の板厚が60mm以
上であり、大入熱潜弧溶接が少なくとも一の電極の溶接
電流を2500A以上とする3電極以上の多電極1層溶接で
ある請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12368794A JP3458452B2 (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 溶接金属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12368794A JP3458452B2 (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 溶接金属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07328793A JPH07328793A (ja) | 1995-12-19 |
JP3458452B2 true JP3458452B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=14866843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12368794A Expired - Fee Related JP3458452B2 (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 溶接金属のじん性に優れる厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3458452B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103394822A (zh) * | 2013-07-19 | 2013-11-20 | 河海大学常州校区 | 镍基合金埋弧焊接用烧结焊剂 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104708230B (zh) * | 2015-03-02 | 2016-10-12 | 武汉天高熔接股份有限公司 | 高效埋弧焊用烧结焊剂及其生产工艺 |
CN105154695B (zh) * | 2015-10-16 | 2017-07-14 | 湖南科技学院 | 一种利用含锰熔液生产熔炼焊剂的方法 |
CN107984114B (zh) * | 2016-10-27 | 2020-10-27 | 鞍钢股份有限公司 | 适用于大线能量焊接的低合金高强度高韧性埋弧焊丝 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59110493A (ja) * | 1982-12-16 | 1984-06-26 | Nippon Steel Corp | 多電極片面潜弧溶接法 |
JPS6234694A (ja) * | 1985-08-08 | 1987-02-14 | Nippon Steel Corp | 低温用鋼の大入熱サブマ−ジア−ク溶接法 |
JPH0673757B2 (ja) * | 1988-12-28 | 1994-09-21 | 川崎製鉄株式会社 | 厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法 |
JPH04210874A (ja) * | 1990-12-13 | 1992-07-31 | Kawasaki Steel Corp | 厚鋼板の大入熱潜弧溶接方法 |
JPH0623585A (ja) * | 1992-01-07 | 1994-02-01 | Nippon Steel Corp | サブマージアーク溶接用フラックスの製造方法 |
JP2978350B2 (ja) * | 1992-04-06 | 1999-11-15 | 新日本製鐵株式会社 | 多電極片面サブマージアーク溶接法 |
-
1994
- 1994-06-06 JP JP12368794A patent/JP3458452B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103394822A (zh) * | 2013-07-19 | 2013-11-20 | 河海大学常州校区 | 镍基合金埋弧焊接用烧结焊剂 |
CN103394822B (zh) * | 2013-07-19 | 2015-08-26 | 河海大学常州校区 | 镍基合金埋弧焊接用烧结焊剂 |
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JPH07328793A (ja) | 1995-12-19 |
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