JP2002538218A - 新規な使用方法 - Google Patents

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JP2002538218A
JP2002538218A JP2000603705A JP2000603705A JP2002538218A JP 2002538218 A JP2002538218 A JP 2002538218A JP 2000603705 A JP2000603705 A JP 2000603705A JP 2000603705 A JP2000603705 A JP 2000603705A JP 2002538218 A JP2002538218 A JP 2002538218A
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イ デ バソルス、カルロッタ ヴィナルス
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スミスクライン ビーチャム バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、CASB616ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを診断に利用する方法、ならびに癌(特に大腸癌)、自己免疫疾患および関連病態の予防的ならびに治療的処置のためのワクチンに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、癌および自己免疫疾患ならびに他の関連病態の治療を含めたポリペ
プチドおよびポリヌクレオチド(本明細書においては、「CASB616」ポリペプチ
ドおよび「CASB616」ポリヌクレオチドと呼ばれる)の使用方法に関する。さら
なる態様において、本発明は本発明によって提供される物質を用いてアゴニスト
およびアンタゴニスト/インヒビターを同定する方法、ならびに同定された化合
物を用いてCASB616ポリペプチド平衡異常と関連した症状を治療することに関す
る。さらに他の態様において、本発明は不適当なCASB616ポリペプチド活性また
はCASB616ポリペプチドレベルと関連した疾病を検出するための診断アッセイに
関する。
【0002】 CASB616は、受容体プロテイン-チロシンキナーゼの最も大きいファミリーであ
る、EPH受容体およびEPH関連受容体に属するポリペプチドをコードすることが発
見された。CASB616は、そのほかにEPHB2(別名:EBHB2、ERK、EPH3、EPHT3、DRT
、HEK5)およびEPHB2vとしても知られている。
【0003】 EPH受容体およびEPH関連受容体は、特に神経系における発生事象を媒介するこ
とに関与している。Ephサブファミリーの受容体は、典型的には単一キナーゼド
メインと、Cys-リッチドメインおよびフィブロネクチンタイプIII反復配列を含
む細胞外領域を有する。Eph受容体のリガンドは、Eph学名委員会によってエフリ
ン(ephrin)と命名された(Cell 90: 403-404, 1997; PubMed ID : 9267020)。
それらの構造および配列関係に基づいて、エフリンは、エフリン-A(EFNA)クラス
(これらは、グリコシルホスファチジルイノシトール結合によって膜に固着され
ている)およびエフリン-B(EFNB)クラス(これらは、膜貫通型タンパク質である
)に分類される。EPHファミリーの受容体は、それらの細胞外ドメイン配列の類
似性ならびにエフリン-Aおよびエフリン-Bリガンドへのそれらの結合親和性に基
づき2グループに分類される。Eph学名委員会(1997)は、エフリン-Aタンパク質
と優先的に相互作用するEph受容体をEphAと呼び、エフリン-Bタンパク質と優先
的に相互作用するEph受容体をEphBと呼ぶことを提案した。
【0004】 Ikegakiら(Hum. Molec. Genet. 4: 2033-2045, 1995)は、ヒト/げっ歯類の体
細胞ハイブリッドパネルのPCRスクリーニングによって、ならびに蛍光in situ
ハイブリダイゼーションによって、DRTであるEPHB2遺伝子を1p36.1-p35にマッピ
ングした。1pの遠位末端部は、神経芽細胞腫において欠失していることが多いの
で、DRT遺伝子は、神経芽細胞腫および小細胞肺癌(SCLC)の腫瘍形成において何
らかの役割を果たしている可能性がある。
【0005】 蛍光 in situ ハイブリダイゼーションによって、Saitoら(Genomics 26: 382
-384, 1995, PubMed ID : 7601466)は、ERK遺伝子が染色体1p36.1領域に位置す
ることを示した。さらに彼らは、相同性遺伝子がマウス4D2.2-D3およびラット5q
36.13に位置することを明らかにしたが、これらの領域はいずれも、ヒト染色体1
pに対して保存的連鎖相同性(linkage homology)を有する領域である。
【0006】 本発明は、以下により詳細に記載されるようなCASB616ポリペプチドおよびポ
リヌクレオチドの使用に関する。本発明は、とりわけ配列番号1または3ならび
に配列番号2または4にそれぞれ記載されるヌクレオチド配列およびアミノ酸配
列を有するCASB616の使用に関する。
【0007】 さらに本発明は、配列番号1または3ならびに配列番号2または4に示した配
列に対して、少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、さ
らに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の
同一性または厳密に一致した同一性を有するポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドの使用に関する。
【0008】 CASB616ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、腫瘍に対する特定の予防目
的または治療目的の免疫用の重要な免疫原であると考えられる。何故なら、前記
ポリペプチドおよび前記ポリヌクレオチドは、正常細胞と比較して腫瘍において
特異的に発現されるかまたはかなり過剰に発現され、そのため抗原特異的免疫機
構の標的となって前記腫瘍細胞の破壊をもたらしうるからである。また、それら
を使用して腫瘍細胞の発生を診断することもできる。さらに、特定の環境におけ
る前記ポリヌクレオチドおよび前記ポリペプチドの不適切な発現により、自己免
疫性の不適切な免疫応答の誘導を引き起こし得るが、該応答は前記同様のポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドを用いる適切なワクチン接種により矯正すること
ができる。この点において、本発明者らの目的にとって最も重要な生物学的活性
は、本発明のポリペプチドの抗原性活性および免疫原性活性である。また、本発
明のポリペプチドは、CASB616ポリペプチドの少なくとも1つの他の生物学的活
性を示すものであってもよく、該活性により本発明のポリペプチドを前記免疫応
答に関連したものとは異なる治療的または予防的介入の標的とみなすことができ
る。
【0009】 本発明の第一の態様においては、CASB616ポリペプチドの使用およびその生物
学的に、診断的に、予防的に、臨床的に、または治療的に有用な変異体、ならび
にそれらを含んでなる組成物の使用を提供する。
【0010】 さらに本発明は、 (a) 配列番号2または4のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の同一性、
より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%
の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性、または厳密に一致した
同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド、 (b) それぞれ配列番号1または3の全長にわたる配列番号1または3に対して
少なくとも85%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより
好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一
性、または厳密に一致した同一性を有するポリヌクレオチド配列を含んでなる単
離されたポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド;または (c) それぞれ配列番号2または4のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同
一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくと
も95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性、または厳密に一
致した同一性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んで
なる単離されたポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド; の使用を提供する。
【0011】 また本発明は、CASB616ポリペプチドの免疫原性断片、すなわち配列番号2ま
たは4のアミノ酸配列を含むポリペプチドと同様のまたは実質的に同様の免疫原
活性を有するCASB616ポリペプチドの連続した部分の使用を提供する。すなわち
、前記断片(必要であれば、担体に結合されている)は、CASB616ポリペプチドを
認識する免疫応答を引き出すことができる。こうした免疫原性断片は、例えば、
N末端のリーダー配列および/または膜貫通ドメインおよび/またはC末端のアンカ
ードメインを欠くCASB616ポリペプチドを含むことができる。好ましい態様にお
いて、本発明のCASB616の免疫原性断片は、配列番号2または4のそれぞれの全
長にわたる配列番号2または4のポリペプチドに対して少なくとも85%の同一性
、好ましくは少なくとも90%の同一性、より好ましくは少なくとも95%の同一性
、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するポリペプチドの実質的に
全ての細胞外ドメインを含む。
【0012】 断片は、本発明の任意のポリペプチドのアミノ酸配列のすべてというわけでは
ないが、一部分として完全に同じであるアミノ酸配列を有するポリペプチドであ
る。CASB616ポリペプチドがそうであるように、断片は「それ自体で独立」して
いるか、もしくは該断片が一部分または領域(最も好ましくは単一のより大きな
ポリペプチド中の単一の連続的な領域)を形成するより大きいポリペプチド内に
含まれていてもよい。
【0013】 好ましい断片には、例えば、アミノ末端および/またはカルボキシル末端のア
ミノ酸配列を含む連続した一連の残基のような、配列番号2もしくは4またはそ
れらの変異体のアミノ酸配列の一部分を有する切断型(truncation)ポリペプチド
が挙げられる。宿主細胞によって、または宿主細胞中で産生された本発明のポリ
ペプチドの分解(degradation)形態も好ましいものである。さらに、以下の断片
のように構造的または機能的性状によって特性付けられる断片も好適である。か
かる断片とは、β-バレル、α-へリックスおよびα-へリックス形成領域、、β-
シートおよびβ-シート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよび
コイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β両親媒性領域、
柔軟性領域、表面形成領域、基質結合領域および高抗原指数領域を含む断片であ
る。
【0014】 さらに好ましい断片には、配列番号2または4のアミノ酸配列に由来する少な
くとも15、20、30、40、50または100個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配
列を含む単離されたポリペプチド、または配列番号2もしくは4のアミノ酸配列
から切断されたまたは欠失された少なくとも15、20、30、40、50または100個の
連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドが含まれ
る。
【0015】 特に好ましいものは、数個、5〜10、1〜5、1〜3、1〜2または1個のアミノ酸が
、任意の組み合わせで置換、欠失または付加された変異体である。
【0016】 使用目的での本発明のポリペプチドまたは免疫原性断片は、「成熟」タンパク
質の形であっても、前駆体または融合タンパク質のような、より大きいタンパク
質の一部分であってもよい。しばしば、追加のアミノ酸配列を含めることが有利
であり、このようなアミノ酸配列としては、分泌すなわちリーダー配列、プロ配
列、多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列、または組換え体生産の間の
安定性を確保する付加的配列などがある。さらに、外来ポリペプチドまたは脂質
テイル(lipid tail)またはポリヌクレオチド配列の追加により最終的な分子の免
疫原としての可能性を高めることも考慮される。
【0017】 1つの態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断片と、各
種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖またはL鎖の定常領
域の様々な部分とを含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶性融合タンパク質
の使用に関する。免疫グロブリンとしては、ヒトIgG、特にIgG1のH鎖の定常部が
好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定の実施形態においては、
血液凝固因子Xaで開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単に除去
できる。
【0018】 融合タンパク質技術の例は、国際特許出願 WO94/29458 およびWO94/22914に見
いだせる。
【0019】 前記タンパク質を化学的に結合するかまたは組換え融合タンパク質として発現
させることにより、発現系において該タンパク質が非融合タンパク質に比べて増
大されたレベルで産生される。融合パートナーはTへルパーエピトープ、好まし
くはヒトにより認識されるTヘルパーエピトープの提供を助ける(免疫学的融合パ
ートナー)か、または前記タンパク質の、元の組換えタンパク質より高い産生量
での発現を助ける(発現エンハンサー)ことができる。好ましくは、前記融合パー
トナーは免疫学的融合パートナーおよび発現エンハンサーパートナーの両方であ
る。
【0020】 融合パートナーには、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenza
e)由来のプロテインDおよびインフルエンザウイルス由来の非構造タンパク質NS1
(赤血球凝集素)が含まれる。別の融合パートナーは、LytAとして知られるタンパ
ク質である。好ましくは、該分子のC末端部分を使用する。Lytaは、N-アセチル-
L-アラニンアミダーゼLytA(lytA遺伝子によりコードされる[Gene. 43(1986) pag
e 265-272])、すなわちペプチドグリカン骨格内の特定の結合を特異的に分解す
る自己分解酵素を合成するストレプトコッカス・ニューモーニア(Streptococcus
pneumoniae)から得られる。前記LytAタンパク質のC末端ドメインは、コリン、
またはDEAE等の数種のコリン類似体に対する親和性に関与している。この性質を
融合タンパク質の発現に有用な大腸菌(E.coli)C-LytA発現プラスミドの開発に利
用した。そのアミノ末端に前記C-LytA断片を含有するハイブリッドタンパク質の
精製については、Biotechnology:10. (1992) page 795-798に記載されている。
前記LytA分子のC末端に見出され、残基178から始まる反復部分(例えば残基188〜
305)を使用することができる。
【0021】 また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が
性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違して
いるポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なかかる置換は、Ala、Val、Leu
およびIleの間;SerとThrの間;酸性残基 AspとGluの間;AsnとGlnの間;塩基性
残基 LysとArgの間;または芳香族残基 PheとTyrの間で起こる。
【0022】 使用目的での本発明のポリペプチドは、任意の適当な方法で製造することがで
きる。このようなポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換え的
に生産されたポリペプチド、合成的に生産されたポリペプチド、またはこれらの
方法の組合せにより生産されたポリペプチドが含まれる。かかるポリペプチドを
製造するための手段は、当業界でよく理解されている。
【0023】 さらなる態様において、本発明は、CASB616ポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド、特に本明細書に記載のワクチン組成物における使用目的での、また
はその製造における、本明細書でCASB616と呼ばれるポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドの使用に関する。
【0024】 特に好ましい実施形態において、該ポリヌクレオチドは、全長遺伝子またはそ
の変異体を含む配列番号1または3に記載の配列を含んでなるCASB616ポリペプ
チドをコードする領域を含む。
【0025】 本明細書において提供される情報、例えば配列番号1または3に記載のポリヌ
クレオチド配列を用いて、CASB616ポリペプチドをコードする本発明のポリヌク
レオチドは、標準的なクローニング法およびスクリーニング法を用いて、ヒト大
腸癌、肺癌、子宮癌および胎児組織の細胞中のmRNAに由来するcDNAライブラリー
から得ることができる。好適な技術は、Maniatis, T., Fritsch, E.F.およびSam
brookら, MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL, 第2版; Cold Spring Harb
or Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)によって記載され
ている。本発明に記載されるポリヌクレオチドは、ゲノムDNAライブラリーのよ
うな天然の供給源から得ることもでき、またはよく知られている市販の技術を用
いて合成することもできる。
【0026】 さらに配列番号1または3に記載のDNA配列は、配列番号2または4に記載の
アミノ酸残基数にほぼ等しい残基数を有し、当業者に周知のアミノ酸残基の分子
量値を用いて計算することができる推定分子量を有するタンパク質をコードする
オープンリーデイングフレームを含む。
【0027】 配列番号1のヌクレオチド番号105にある開始コドンとヌクレオチド番号3066
で始まる終止コドンとの間の配列番号1のポリヌクレオチドは、配列番号2のポ
リペプチドをコードする。
【0028】 配列番号3のヌクレオチド番号26にある開始コドンとヌクレオチド番号3191で
始まる終止コドンとの間の配列番号3のポリヌクレオチドは、配列番号4のポリ
ペプチドをコードする。
【0029】 さらなる態様において、本発明は、 (a) 配列番号1または3の全長にわたる配列番号1または3に対して少なくと
も85%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましく
は少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性または厳密に一致
した同一性を有するポリヌクレオチド配列、 または (b) 配列番号2または4の全長にわたる配列番号2または4のアミノ酸配列に
対して少なくとも85%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さら
により好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%
の同一性または厳密に一致した100%の同一性を有するポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチド配列、 を含んでなる、またはから成る単離されたポリヌクレオチドの使用を提供する。
【0030】 使用目的での本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件(例えば、45〜65℃の範囲の温度およ
び0.1〜1%のSDS濃度を用いる)下にて、配列番号1または3の配列から成る、
または含んでなる標識したまたは検出可能なプローブを用いて、適当なライブラ
リーをスクリーニングし、さらに該ポリヌクレオチド配列を含有する全長遺伝子
および/またはゲノムクローンを単離するステップを含む方法によって得ること
ができる。
【0031】 本発明は、配列番号1または3のコード配列(オープンリーデイングフレーム
)に対してその全長にわたり同一であるポリヌクレオチド配列の使用を提供する
。また本発明によって提供されるものは、成熟ポリペプチドまたはその断片のコ
ード配列の単独での使用、ならびに他のコード配列(例えば、リーダー配列もし
くは分泌型配列、プレタンパク質配列、プロタンパク質配列もしくはプレプロタ
ンパク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードする配列)とリーデイング
フレームを合わせた成熟ポリペプチドまたは断片のコード配列の使用である。該
ポリヌクレオチドはまた、少なくとも1つの非コード配列を含んでいてもよい。
かかる非コード配列には、限定されるものではないが、例えば転写されるが翻訳
されない配列のような少なくとも1つの非コード5'配列および3'配列、終結シグ
ナル(例えばρ因子依存的終結シグナルおよびρ因子非依存的終結シグナル)、
リボソーム結合部位、コザック(Kozak)配列、mRNAを安定化する配列、イントロ
ンおよびポリアデニル化シグナルが挙げられる。ポリヌクレオチド配列には、ま
た付加的なアミノ酸をコードする付加的なコード配列を含んでいてもよい。例え
ば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得る。本発
明の特定の実施形態において、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)に
より提供されかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821-824 (1989)に
記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、またはHAペプチドタグである
(Wilsonら, Cell 37: 767 (1984)。これら双方とも、これらに融合されたポリペ
プチド配列を精製するのに有用であり得る。本発明とともに使用するポリヌクレ
オチドにはまた、限定されるものではないが、構造遺伝子および遺伝子発現を制
御する該遺伝子の天然の関連配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
【0032】 配列番号2または4のCASB616ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は
、配列番号1のヌクレオチド105〜3068に含まれるポリペプチドコード配列また
は配列番号3のヌクレオチド26〜3193に含まれるポリペプチドコード配列のそれ
ぞれと同一であってよい。あるいは、該ヌクレオチド配列は、遺伝コードの重複
(縮重)の結果として、やはり配列番号2または4のポリペプチドをコードする
配列であってもよい。
【0033】 本明細書において使用される「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」
という用語は、本発明のポリペプチド、特に配列番号2または4に記載のアミノ
酸配列を有するポリペプチドをコードする配列を含めたポリヌクレオチドを包含
する。該用語は、ポリペプチドをコードする単一の連続的な領域または不連続的
な領域を付加的な領域(これは、またコード配列および/または非コード配列を
含んでいてもよい)と一緒に含めたポリヌクレオチド(例えば、組込み型ファー
ジ、組込み型挿入配列、組込み型ベクター配列、組込み型トランスポゾン配列が
介在するポリヌクレオチド、またはRNA編集もしくはゲノムDNA再構成に起因する
ポリヌクレオチド)も包含する。
【0034】 さらに本発明は、配列番号2または4の推定アミノ酸配列を有するポリペプチ
ドの変異体をコードする本明細書に記載のポリヌクレオチドの変異体に関する。
本発明のポリヌクレオチドの断片を用いて、例えば本発明の全長ポリヌクレオチ
ドを合成することができる。
【0035】 さらに特に好ましい実施形態は、配列番号2または4のCASB616ポリペプチド
のアミノ酸配列を有し、該配列中で数個、2〜3個、5〜10、1〜5、1〜3、2、1個
のアミノ酸残基が任意の組み合わせで置換、修飾、欠失および/または付加され
ていてもよいCASB616変異体をコードするポリヌクレオチドである。これらの中
でとりわけ好ましいものは、CASB616ポリペプチドの性質および活性を変更しな
いサイレントの置換、付加および欠失である。
【0036】 使用目的でのさらに好ましい本発明のポリヌクレオチドは、配列番号2または
4に記載のアミノ酸配列を有するCASB616ポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドに対して全長にわたり少なくとも85%の同一性があるポリヌクレオチド、
および前記ポリヌクレオチドに相補的であるポリヌクレオチドである。あるいは
、最もきわめて好ましいものは、CASB616ポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドに対して全長にわたり少なくとも90%の同一性がある領域を含んでなるポ
リヌクレオチド、およびそれに相補的なポリヌクレオチドである。これに関して
、前記ポリヌクレオチドに対して全長にわたり少なくとも95%の同一性があるポ
リヌクレオチドは、特に好ましい。さらに少なくとも97%同一であるポリヌクレ
オチドは、少なくとも95%同一であるポリヌクレオチドの中できわめて好ましく
、少なくとも98%同一および少なくとも99%同一であるポリヌクレオチドは、こ
れらのポリヌクレオチドの中で特にきわめて好ましく、少なくとも99%同一であ
るポリヌクレオチドは、より好ましいものである。
【0037】 好ましい実施形態は、配列番号1または3のDNAによってコードされる成熟ポ
リペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドである。
【0038】 本発明の特定の好ましい実施形態によれば、CASB616ポリヌクレオチド配列、
例えば配列番号1または3のポリヌクレオチドに、特にストリンジェントな条件
下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの使用を提供する。
【0039】 さらに本発明は、本明細書において提供されるポリヌクレオチド配列にハイブ
リダイズするポリヌクレオチドの使用に関する。これに関して、とりわけ本発明
は、本明細書に記載のポリヌクレオチドに、ストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするポリヌクレオチドの使用に関する。本明細書で用いられる「ストリ
ンジェントな条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」とい
う用語は、配列間に少なくとも95%の同一性および好ましくは少なくとも97%の
同一性がある場合にのみ起こるハイブリダイゼーションを意味する。ストリンジ
ェントなハイブリダイゼーション条件の具体的な例としては、50%ホルムアミド
、5×SSC(150mM NaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH
7.6)、5×Denhardt溶液、10%デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断した
サケ精子DNAを含有する溶液中、42℃で一夜インキュベートし、次いでハイブリ
ダイゼーションの支持体を 0.1×SSC中、約65℃で洗浄することである。ハイブ
リダイゼーションおよび洗浄条件は、周知であり、かつSambrookら, Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor, N.Y., (1989)、
特にその第11章中に例証されている。
【0040】 配列番号1または3に提供されるDNA配列を用いてスクリーニングすることに
よってCASB616遺伝子のコード領域を単離し、オリゴヌクレオチドプローブを合
成することができる。次いで本発明の遺伝子の配列に相補的である配列を有する
標識したオリゴヌクレオチドを用いて、cDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラ
リーをスクリーニングし、ライブラリーのどのメンバーに該プローブがハイブリ
ダイズするかを決定する。
【0041】 完全長cDNAを得るための、または短鎖cDNAを伸長させるための、利用可能であ
り当業者に周知の方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法(RACE)に
基づいた方法がある(例えば、Frohmanら, PNAS USA 85; 8998-9002, 1988を参
照のこと)。例えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.)により示され
るような、上記技法の最近の改良により、より長いcDNAの検索が大いに簡便化さ
れた。MarathonTM技術では、選択した組織より抽出されたmRNAからcDNAを作製し
、各末端に「アダプター」配列を連結する。続いて、遺伝子特異的およびアダプ
ター特異的なオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて核酸増幅(PCR)
を行い、DNAの「欠失」5'末端を増幅する。次に、「ネステッド(nested)」プラ
イマー、すなわち増幅産物の内部にアニールするように設計されたプライマー(
典型的には、アダプター配列のさらに3'側にアニールするアダプター特異的プラ
イマーおよび選択した遺伝子配列のさらに5'側にアニールする遺伝子特異的プラ
イマー)を用いてPCR反応を繰り返す。その後、この反応の産物をDNA塩基配列決
定により解析し、この産物を既存のDNAに直接結合して全長DNAを構築し完全な配
列を得るか、または5'プライマー設計用の新たな配列情報を用いて別の全長PCR
を行うことにより、全長DNAを構築し完全な配列を得ることができる。
【0042】 本発明はまた、成熟タンパク質と、付加的なアミノ末端またはカルボキシル末
端アミノ酸、もしくは成熟ポリペプチドの内部の付加的なアミノ酸(成熟形態が
、例えば2以上のポリペプリド鎖を有する場合)とからなるポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドの使用に関する。かかる付加的配列は、とりわけ前駆体
から成熟形態へのタンパク質のプロセシングにおいて役割を果たし、タンパク質
輸送を可能にし、タンパク質の寿命を長くまたは短くし、あるいはアセッイまた
は生産のためのタンパク質の操作を容易にすることができる。一般的にin vivo
の場合、付加的なアミノ酸は、細胞性酵素によってプロセシングされて成熟タン
パク質から切り離される。
【0043】 一つ以上のプロ配列に融合された成熟形態のポリペプチドを有する前駆体タン
パク質は、該ポリペプチドの不活性型形態であり得る。プロ配列が除去された場
合にかかる不活性型前駆体は、一般的に活性化される。プロ配列の幾つかまたは
すべては、活性化前に除去され得る。一般的に、かかる前駆体はプロタンパク質
と呼ばれる。
【0044】 本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で周知の方法を用いて、発現系を含
有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様
において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含有する発現系、該発現系に
より遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明のポリペプチドの
生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタンパク
質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0045】 組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部
を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作する。宿主細胞へのポリヌクレオチドの
導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Biology (1986) および Sambro
okら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989) などの多くの標準的な
実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適なこうした方
法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラ
ン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイクロイ
ンジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレー
ション、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)、弾丸導入(balli
stic introduction)または感染などがある。
【0046】 好ましくは、本発明のタンパク質をトランス型チオレドキシン(thioredoxin i
n trans:TIT)と同時発現させる。プロテアーゼを必要とすること無しに、抗原
をチオレドキシンの無い状態に維持するためには、シス型よりもトランス型のチ
オレドキシンを同時発現させることが好ましい。チオレドキシンの同時発現は本
発明のタンパク質の可溶化を容易にする。また、チオレドキシンの同時発現はタ
ンパク質の精製収率、精製されたタンパク質の溶解性および品質に重大な影響を
与える。
【0047】 適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス、スタフ
ィロコッカス、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵母、ア
スペルギルス)、昆虫細胞(例:ショウジョウバエS2、スポドプテラSf9細胞)
、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293、Bowes メラノーマ
細胞)および植物細胞が挙げられる。
【0048】 多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、例えば、
染色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バ
クテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由
来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40のよう
なパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性
狂犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由
来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテ
リオファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を起こ
させるだけでなく発現を調節する制御領域を含んでいてもよい。一般的に、宿主
内でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現す
ることができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Molecular
Cloning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用いられ
る周知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入するこ
とができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、または細
胞外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組
み込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因性で
あっても、異種シグナルであってもよい。
【0049】 また、前記発現系はウイルスまたは細菌等の組換え生存微生物であってもよい
。目的とする遺伝子を組換え生存ウイルスまたは細菌のゲノム内に挿入すること
ができる。この生存ベクターを用いての接種またはin vivo感染により、抗原のi
n vivo発現および免疫応答の誘導がもたらされる。この目的のために使用するウ
イルスおよび細菌としては、例えば、ポックスウイルス(例えば、ワクシニアウ
イルス、鶏痘ウイルス、カナリア痘ウイルス)、アルファウイルス(シンドビスウ
イルス、セムリキ森林ウイルス、ヴェネズエラウマ脳炎ウイルス)、アデノウイ
ルス、アデノ随伴ウイルス、ピコルナウイルス(ポリオウイルス、ライノウイル
ス)、ヘルペスウイルス(水痘-帯状ヘルペスウイルス等)、リステリア、サルモネ
ラ、シゲラ、BCG、がある。これらのウイルスおよび細菌は有毒であっても、ま
たは生ワクチンを得るために種々の方法により弱毒化されていてもよい。そのよ
うな生ワクチンもまた、本発明の一部を成すものである。
【0050】 組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アン
モニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた周知の方法を用いるこ
とができる。最も好ましくは、イオン金属アフィニティークロマトグラフィー(i
on metal affinity chromatography:IMAC)が精製に用いられる。ポリペプチドが
細胞内合成、単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質を再生
させるための周知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復元するこ
とが可能である。
【0051】 本発明の別の重要な態様は哺乳動物において免疫学的応答を誘導、増強または
モジュレートする方法に関するものであり、この方法は、癌および自己免疫疾患
および関連病態の予防または治療的処置のための抗体および/またはT細胞免疫
応答を生ずるのに十分な本発明の断片または全長ポリヌクレオチドもしくはポリ
ヌクレオチドを、哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさらに別の態
様は、哺乳動物を前記疾患からの予防または治療のための免疫応答を生じさせる
ような免疫学的応答を引き出すために、in vivo で本発明のポリペプチドをコー
ドし、該ポリヌクレオチドの発現を指令するベクターまたは細胞を介して、本発
明のポリペプチドを送達することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答
を誘導、増強またはモジュレートする方法に関する。
【0052】 本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において
本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を誘導、増強またはモジュレートす
る免疫学的/ワクチン製剤(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプチ
ドもしくはポリヌクレオチドまたは上記で定義したその免疫原性断片を含有する
。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチドは胃の中
で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内、静脈内ま
たは皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した製剤として
は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等張にする溶
質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並びに懸濁化剤または増粘剤を含
みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容器または
数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供することができ、ま
た、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保管するこ
ともできる。
【0053】 本発明の更なる態様は、本発明の断片または完全なポリペプチドもしくはポリ
ヌクレオチド、あるいは本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドを含む
分子に対する免疫応答を、哺乳動物の免疫系からの細胞を使用してin vitroで誘
導し、前記哺乳動物のこれらの活性化された免疫細胞を疾病の治療のために再注
入することに関する。免疫系からの細胞の活性化は、本発明の完全なポリペプチ
ドもしくはポリヌクレオチド、または本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレ
オチドを含む分子と共に種々の免疫モジュレーター分子の存在下または不在下で
in vitroにてインキュベートすることにより達成される。本発明の更なる態様は
、本発明の部分もしくは完全なポリペプチドまたは本発明のポリペプチドを含む
分子をin vitroで供給することにより改変した抗原提示細胞の投与による哺乳動
物の免疫化、ならびに免疫原性による方法にてin vivo投与することによる前記
免疫化に関する。あるいは、抗原提示細胞を本発明の断片もしくは完全なポリヌ
クレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含む分子を含有するベクターでin
vitroでトランスフェクトして、対応するポリペプチドを発現させることができ
、さらに免疫原性的方法でin vivoにて投与することができる。
【0054】 また、本発明のワクチン製剤は該製剤の免疫原性を増強するためのアジュバン
ト系を含んでいてもよい。好ましくは、前記アジュバント系は優先的にTH1型の
応答を生じさせる。
【0055】 免疫応答は極端な2つのカテゴリー(体液性または細胞媒介性免疫応答[慣例で
は、それぞれ抗体による、および細胞エフェクターによる防御機構によって特徴
付けられている])に大まかに区別することができる。これらの応答カテゴリーは
、TH1型応答(細胞媒介性応答)およびTH2型免疫応答(体液性応答)と呼ばれている
【0056】 極端なTH1型免疫応答は、抗原特異的でハプロタイプ拘束性細胞傷害性Tリン
パ球の生成およびナチュラルキラー細胞の応答により特徴付けられる。マウスで
はTH1型応答はIgG2aサブタイプの抗体の生成により特徴付けられることが多いが
、ヒトではこれらはIgG1型抗体に相当する。TH2型免疫応答はマウスIgG1、IgAお
よびIgMを含む広範囲の免疫グロブリンアイソタイプの生成により特徴付けられ
る。
【0057】 これらの2タイプの免疫応答の発生を陰で駆動している力はサイトカインであ
ると考えられる。高濃度のTH1型サイトカインは所与の抗原に対して細胞媒介性
免疫応答を好んで誘導する傾向があるが、高濃度のTH2型サイトカインは前記抗
原に対して体液性免疫応答を好んで誘導する傾向がある。
【0058】 TH1およびTH2型免疫応答の区別は絶対的なものではない。実際、ある人は、主
にTH1であるとか、主にTH21であると記載されるような免疫応答を支持している
。しかしながら、多くの場合、MosmannおよびCoffmanによりマウスCD4+veT細胞
クローンについて記載された内容(Mosmann,T.R.およびCoffmann,R.L. (1989) TH
1 and TH2 cells:differnt patterns of lymphokine secretion lead to differ
ent functional properties. Annual Review of Immnology, 7, p145-173)から
、サイトカインのファミリーを考慮するのが都合がよい。慣例上、TH1型応答はT
リンパ球によるINF-γおよびIL-2サイトカイン産生と関連している。TH1型免疫
応答の誘導に直接関わることの多い他のサイトカインは、IL-12等のT細胞によ
っては産生されない。対照的に、TH2型応答はIL-4、IL-5、IL-6およびIL13の分
泌に関連している。
【0059】 特定のワクチンアジュバントがTH1またはTH2型のいずれかのサイトカイン応答
の刺激にとりわけ適していることが知られている。慣例上、ワクチン接種または
感染後の免疫応答におけるTH1:TH2平衡の最良の指標としては、抗原再刺激後の
in vitroでのTリンパ球によるTH1またはTH2サイトカイン産生の直接測定、およ
び/または抗原特異的抗体応答のIgG1:IgG2a比の測定が挙げられる。
【0060】 従って、TH1型アジュバントは、抗原によりin vitroで再刺激された際に優先
的に単離されたT細胞集団を刺激して高濃度のTH1型サイトカインを産生し、CD8+
細胞傷害性Tリンパ球の発生およびTH1型アイソタイプに関連した抗原特異的免疫
グロブリン応答を促進するものである。
【0061】 TH1細胞応答を優先的に刺激し得るアジュバントは、国際特許出願番号WO94/00
153およびWO95/17209に記載されている。
【0062】 3De-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)はそうしたアジュバントの1
つである。これはGB2220211(Ribi)により知られている。化学的には、該アジュ
バントは3De-O-アシル化モノホスホリルリピドAと4、5、6本のアシル化された鎖
との混合物であり、Ribi Immunochem. Montanaにより製造される。3De-O-アシル
化モノホスホリルリピドAの好ましい形態は、欧州特許第0 689 454 B1号(SmithK
line Beecham Biologicals SA)に開示されている。
【0063】 好ましくは、3D-MPLの粒子は、0.22ミクロンの膜を通り抜けて滅菌ろ過される
のに十分な程度小さい(欧州特許第0 689 454 B1号)。3D-MPLは投与量あたり10μ
g〜100μg、好ましくは25〜50μgの範囲で存在する。この場合、抗原は通常投与
量あたり2〜50μgの範囲で存在する。
【0064】 別の好ましいアジュバントは、QS21(Quillaja Saponaria Molinaの樹皮から得
た、Hplc精製した毒性の無い画分)を含む。任意でこれを3De-O-アシル化モノホ
スホリルリピドA(3D-MPL)と、場合により担体と共に混合することもできる。
【0065】 QS21の製造方法は米国特許第5,057,540号に開示されている。
【0066】 QS21を含有する反応性の無いアジュバント製剤は以前に記載されている(WO96/
33739)。QS21およびコレステロールを含むそうした製剤は、抗原と共に製剤する
場合には良好なTH1刺激性アジュバントであることが示されている。
【0067】 TH1細胞応答の優先的刺激物質である別のアジュバントとしては、免疫調節性
の(immunomodulatory)オリゴヌクレオチド、例えばWO96/02555に開示されている
非メチル化CpG配列が挙げられる。
【0068】 また、前述したもののような異なるTH1刺激アジュバントの組み合わせも、TH1
細胞応答の優先的な刺激物質であるアジュバントを提供する際に考慮される。例
えば、QS21を3D-MPLと共に製剤化することができる。通常、QS21:3D-MPL比は1:1
0〜10:1であり、好ましくは1:5〜5:1であり、多くの場合は実質的に1:1である。
最適な共働作用のために好ましい範囲は、2.5:1〜1:1の3D-MPL:QS21である。
【0069】 好ましくは、本発明のワクチン組成物中に担体も存在する。前記担体は水中油
型エマルジョンであっても、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム等の
アルミニウム塩であってもよい。
【0070】 好ましい水中油型エマルジョンは代謝可能な油、例えばスクアレン、α-トコ
フェロールおよびTween80を含む。特に好ましい態様では本発明のワクチン組成
物中の抗原をそのようなエマルジョン中でQS21および3D-MPLと組み合わせる。更
に、前記水中油型エマルジョンはスパン85および/またはレシチンおよび/また
はトリカプリリン(tricaprylin)を含んでいてもよい。
【0071】 通常、ヒトへの投与の場合は、QS21および3D-MPLは投与量あたり1〜200μgの
範囲内、例えば10〜100μg、好ましくは10〜50μgの範囲内でワクチン中に存在
する。通常、水中油型エマルジョンは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のα-ト
コフェロールおよび0.3〜3%のTween80を含む。好ましくは、スクアレン:α-ト
コフェロール比は1以下であり、これによってより安定なエマルジョンが提供さ
れる。また、スパン85は1%という濃度で存在しうる。幾つかの場合、本発明の
ワクチンが更に安定化剤を含むことが有益であろう。
【0072】 毒性の無い水中油型エマルジョンは、好ましくは、毒性の無い油(例えばスク
アランもしくはスクアレン)、または乳化剤(例えばTween80)を水性担体中に含む
。前記水性担体は、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水でありうる。
【0073】 水中油型エマルジョン中にQS21、3D-MPLおよびトコフェロールを含む特に有効
なアジュバント製剤はWO95/17210に記載されている。
【0074】 また本発明は、本発明のワクチン製剤を他の抗原、特に癌、自己免疫疾患およ
び関連病態の治療に有用な抗原と組み合わせて含む多価ワクチン組成物を提供す
る。そのような多価ワクチン組成物は前記のTH1誘導性アジュバントを含みうる
【0075】 本発明は、また診断用試薬としての本発明のポリヌクレオチド由来のプライマ
ー形態のポリヌクレオチドの使用、および本発明のポリペプチドに特異的な抗体
または試薬の形態のポリペプチドの使用に関する。
【0076】 発癌経路に沿った非常に初期の変化の検出を可能にする血液または組織中の遺
伝的または生化学的マーカーを同定することは、患者に対する最良の治療を決定
するのに役立つであろう。代理の腫瘍マーカー(例えばポリヌクレオチド発現)
を用いて、癌の様々な形態および状態を診断することができる。本発明のポリヌ
クレオチドの発現レベルを同定することは、癌性障害の病期分類および癌組織の
性質の悪性度分類に有用であろう。病期分類は、癌の進行をモニターし、生検さ
れた領域における悪性組織の有無で決定される。本発明のポリヌクレオチドは、
癌の攻撃度(例えば身体の様々な領域における癌の存在)に対するマーカーを同
定することによって病期分類を成し遂げるのに役立つ。癌の悪性度分類は、腫瘍
がそれと同じ型の正常組織にどのくらい類似しているかを示し、悪性度分類は癌
の細胞形態学および他の分化マーカーによって評価される。本発明のポリヌクレ
オチドは、腫瘍細胞の分化状態の決定に役立つことができるので、腫瘍の悪性度
を決定するのに有用であり得る。他方で、本発明のポリペプチドは、ストローマ
細胞によって産生され得るので、その場合には、該ポリペプチドの特異的な発現
または示差的な発現は、疾患状態のマーカーとなる。
【0077】 診断アッセイは、癌、自己免疫疾患、および関連病態への罹りやすさを、被験
者由来のサンプルからポリペプチドまたはmRNAの異常な減少レベルまたは増加レ
ベルを決定することを含めた方法による診断を通じて、診断または判定する方法
を提供する。このような診断方法は、示差的発現として知られている。特定の遺
伝子の発現が、疾患組織と正常組織との間で比較される。比較される2つの組織
間のポリヌクレオチド関連遺伝子、mRNAまたはタンパク質の差異、例えば分子量
、アミノ酸配列もしくはヌクレオチド配列、または相対的存在度の差異は、患っ
ていることが疑われるヒトの組織中での該遺伝子、または該遺伝子を調節する遺
伝子の変化を示す。
【0078】 発現の低下または増加は、RNAレベルで測定することができる。ポリA+RNAを、
最初に2つの組織から単離し、示差的に発現する本発明のポリヌクレオチドに対
応した遺伝子によってコードされるmRNAの検出を、例えば組織切片のin situ ハ
イブリダイゼーション、逆転写酵素PCR、ポリA+mRNAを含有するノーザンブロッ
トを用いて、もしくは他の直接的または間接的RNA検出法によって行う。正常組
織と比較して疾患組織中の所定のRNAの発現の増加または減少は、転写産物およ
び/または発現したタンパク質が該疾患に対して何らかの役割を有することを示
唆する。従って正常レベルに対して配列番号1または3に対応するmRNAのより高
いレベルまたはより低いレベルであるという検出は、患者における癌の存在を示
す。
【0079】 サンプル中のmRNA発現レベルは、サンプルからの発現配列タグ(EST)のライブ
ラリーの作製によって決定することができる。該ライブラリー中のESTの相対的
な表示を用いて、出発サンプル中の遺伝子転写産物の相対的な表示を評価するこ
とができる。次いで該試験のEST分析を、参照サンプルのEST分析と比較し、目的
のポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを決定することができる。
【0080】 他のmRNA分析は、遺伝子発現の連続分析(SAGE)方法論(Velculescuら, Al. Sci
ence (1995) 270:484)、ディファレンシャルディスプレイ方法論(例えば、US 5,
776,683)またはヌクレオチド相互作用の特異性に依存するハイブリダイゼーショ
ン分析を用いて実施することができる。
【0081】 あるいは、比較はタンパク質レベルでも行うことができる。2つの組織中のタ
ンパク質サイズは、抗体を用いた2つの組織からのタンパク質抽出物のウエスタ
ンブロットにおいてポリペプチドを検出することで比較することができる。タン
パク質の発現レベルおよび細胞下局在は、対応するタンパク質に対する抗体を用
いて免疫学的に検出することもできる。宿主由来のサンプル中のタンパク質、例
えば本発明のポリペプチドのレベルを決定するために用いることができるさらな
るアッセイ技術は、当業者に周知である。疾患組織中のポリペプチド発現レベル
を正常組織中の同様のタンパク質発現レベルと比較した際の増加したレベルまた
は減少したレベルは、発現したタンパク質が疾患に関与しているかもしれないこ
とを示す。
【0082】 本発明のアッセイにおいて、診断は、配列番号1または3に記載の少なくとも
1つの配列によってコードされる遺伝子産物発現レベルの検出によって決定する
ことができる。疾患組織対正常組織のmRNAレベルまたはタンパク質レベルの比較
を用いて、疾患の進行または寛解傾向を追跡することもできる。
【0083】 サンプル中の多数のポリヌクレオチド配列を、ポリヌクレオチドアレイ法を用
いてアッセイすることができる。これらを用いて、遺伝子の示差的発現を調査し
、遺伝子機能を決定することができる。例えば、配列番号1または3のポリヌク
レオチド配列のアレイを用いると、該ポリヌクレオチドのどれが正常細胞と癌細
胞の間で示差的に発現されるかを決定することができる。本発明の1つの実施形
態において、配列番号1または3のヌクレオチド配列またはその断片を含んでな
るオリゴヌクレオチドプローブのアレイを構築して、例えば遺伝子突然変異の効
率的なスクリーニングを実施することができる。アレイ技術の方法は、周知であ
り、一般的な応用可能性を有し、さらに該方法を用いて、遺伝子発現、遺伝的連
関および遺伝的多様性を含めた分子遺伝学における種々の疑問を解決することが
できる(例えば、M. Cheeら, Science, Vol 274, pp610-613 (1996)を参照のこと
)。
【0084】 本明細書で使用される「診断」という用語には、被験者の疾患への罹りやすさ
の決定、被験者が現在疾患に罹っているか否かの決定およびまた疾患に罹った被
験者の予後判定が含まれる。
【0085】 本発明は、さらに (a) 本発明のポリヌクレオチド、好ましくは配列番号1もしくは3のヌクレオ
チド配列またはその断片、 (b) (a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、 (c) 本発明のポリペプチド、好ましくは配列番号2もしくは4のポリペプチド
またはその断片、または (d) 本発明のポリペプチド、好ましくは配列番号2もしくは4のポリペプチド
に対する抗体、 を含んでなる、診断アッセイを実施するための診断用キットに関する。
【0086】 また、本発明のヌクレオチド配列は染色体位置決定にも有用である。この配列
は個々のヒト染色体上の特定の位置を特異的にターゲッティングし、その特定位
置とハイブリダイズすることができる。本発明に従って関連配列をマッピングす
ることは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一段階
である。ひとたび配列が正確な染色体位置にマップされたら、その染色体上のそ
の配列の物理的位置を遺伝的地図データと相関させることができる。この種のデ
ータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopkins
University Welch Medical Library からオンラインで入手可能) 中に見いだせ
る。その後、同一の染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との関係を連鎖解析
(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認する。罹患個体と非罹患個体と
のcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることができる。
【0087】 本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細
胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原として
も使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他
の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実
質的に高い親和性を示すことを意味する。
【0088】 さらなる態様において、本発明は本発明のポリペプチドまたはその免疫原性断
片(本明細書中上記にて定義したとおりである)に対して免疫特異的な抗体を提
供する。好ましくは、該抗体はモノクローナル抗体である。
【0089】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(
好ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類
似体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製に
は、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる
。例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (
1975) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら, I
mmunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら, Monocl
onal Antibodies and Cancer Therapy, 77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985) な
どがある。
【0090】 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生するために、米国特許第4,94
6,778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法も適応することができる。また
、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動
物を含む他の生物を利用することができる。
【0091】 前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定した
り、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもで
きる。
【0092】 本発明の抗体はまた、癌(特に卵巣癌および大腸癌)、自己免疫疾患および関
連病態を予防または治療するためにも用いられうる。
【0093】 本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を誘導またはモジュレー
トする方法に関するものであり、この方法は、特に前記疾患の症状もしくは進行
を防ぐかまたは改善するための抗体および/またはT細胞免疫応答を生ずるのに
十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明の
さらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗体を産生させるような免
疫学的応答を誘導するために、in vivo で本発明のポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポリペプチドを送達するこ
とを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を誘導またはモジュレートする
方法に関する。
【0094】 それゆえ、本発明によって、CASB616ポリペプチド活性の存在、該活性の過剰
、または該活性の過少発現のいずれかと関連した、例えば癌および自己免疫疾患
、特に卵巣癌および大腸癌などの異常な状態を治療する方法が提供されることが
理解されるであろう。
【0095】 さらに本発明は、CASB616ポリペプチドの機能を刺激または抑制する化合物を
同定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的には、前記疾患の
治療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使用される。種
々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリーおよび天然産
物の混合物から化合物を同定することができる。このように同定されたアゴニス
ト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリペプチドの天然
のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであってよく、また、そ
の構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coliganら, Current Pro
tocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)。スクリーニン
グ法は当業者には公知であろう。さらなるスクリーニング法は、例えば D. Benn
ettら, J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1995) およびK. Johansonら, J. Biol.
Chem., 270(16):9459-9471 (1995)ならびに本明細書中の引用文献にみられる。
【0096】 したがって本発明は、本発明のポリペプチドの機能を刺激または抑制する化合
物を同定するためのスクリーニング法であって、以下: (a) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい
る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に
直接または間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい
る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、標識競合物質の
存在下で測定すること、 (c) 候補化合物が上記ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナ
ルをもたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適し
た検出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液とを一緒
にして混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定して、該混合
物の活性をスタンダードと比較すること、または (e) 候補化合物が細胞における上記ポリペプチドをコードするmRNAおよび該
ポリペプチドの産生に及ぼす効果を例えばELISAアッセイを用いて検出すること
、 よりなる群から選択される方法を含んでなるスクリーニング法を提供する。
【0097】 膜に結合した受容体または可溶性の受容体が存在するのであれば、当業界で公
知の標準的な受容体結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明のポリ
ペプチドを用いることができる。また周知のスクリーニング法を用いて、その受
容体への本発明のポリペプチドの結合に関して競合する、本発明のポリペプチド
のアゴニストまたはアンタゴニストを(もし存在するのであれば)同定すること
もできる。
【0098】 かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドに対するアゴ
ニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種の
ポリペプチドの産生を低減または増加させる化合物を同定するためのスクリーニ
ングキットに関し、このキットは、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、 (c) 本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または (d) 本発明のポリペプチドに対する抗体、 を含んでなり、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2のポリペプチドである
。 当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチ
ドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用で
きることが容易に理解されよう。この方法は、 (a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、 (b) アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの確実と思われる反応部
位または結合部位の三次元構造を想定し、 (c) 想定された反応部位または結合部位と結合または反応すると予想される候
補化合物を合成し、そして (d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビター
であるか否かを調べる、 ことを含んでなる。
【0099】 また、遺伝子治療を利用して、被験者の適切な細胞によりCASB616ポリペプチ
ドを内生的に産生させることもできる。遺伝子治療の概要については、Human Mo
lecular Genetics, T StrachanおよびA P Read, BIOS Scientific Publishers L
td(1996)中、20章 Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeu
tic Approaches(および本明細書で引用した引用文献)を参照のこと。
【0100】 ワクチン調製については、Pharmaceutical Biotechnology, Vol.61 Vaccine D
esign-the subunit and adjuvant approach(PowellおよびNewmanによる編集),
Plenurn Press, 1995; New Trends and Developments in Vaccines(Vollerら
による編集), University Park Press, Baltimore, Maryland, U.S.A. 1978に
一般的に記載されている。リポソーム内へのカプセル化は、例えばFullerton,
米国特許第4,235,877号に記載されている。タンパク質の巨大分子へのコンジュ
ゲート化は、例えばLikhite,米国特許第4,372,945号、およびArmorら,米国特許
第4,474,757号により開示されている。
【0101】 各ワクチン用量中のタンパク質量は、典型的なワクチンにおいては、重大かつ
不利益な副作用を引き起こすことなく免疫防御応答を誘導する量として選択され
る。そのような量は、用いた特定の免疫原によって異なるであろう。一般的には
、各用量はタンパク質を1〜1000μg、好ましくは2〜100μg、最も好ましくは4〜
40μg含むことが期待される。特定のワクチンについての最適な量は、被験者に
おける抗体力価およびその他の応答の測定を伴う標準的研究により確定すること
ができる。最初のワクチン接種に引き続いて、被験者は約4週間の間に1回の追加
免疫を受けることもある。
【0102】 「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」改変されたことを
意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それ
はそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。
例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離
されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように
、「単離された」ものである。
【0103】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデ
オキシリボヌクレオチドを指し、これは一本鎖および二本鎖の領域を含む、修飾
されていないRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。
【0104】 本明細書中で用いる「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドと異なるが、不可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチド
とヌクレオチド配列の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、
基準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更
しても、しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配
列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および
末端切断(トランケーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体
は基準ポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプ
チドの配列と変異体の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一とな
るような相違に限られる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以
上の置換、欠失、付加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または付加
されるアミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくて
もよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は対立遺伝子変異体のよ
うに天然に存在するものでも、天然に存在することが知られていない変異体であ
ってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は
、突然変異誘発法または直接合成により作製することができる。
【0105】 当技術分野で知られた「同一性」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオ
チド配列の比較により決定された、2以上のかかる配列間の類縁性のことである
。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペプチド配列またはポリヌクレオチド
配列の鎖間の一致度(match)により決定された、このような配列間の配列類縁性
の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の方法により難なく算出
することができ、こうした方法として、例えば Computational Molecular Biolo
gy, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing:
Informatics and Genome Projects, Smith, D.W. 編, Academic Press, New Yo
rk, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and
Griffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in M
olecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysi
s Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. 編, M Stockton Press, New York,
1991; および Carillo, H. and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073
(1988) に記載された方法があるが、これらに限らない。同一性を決定するため
の好ましい方法は、検討する配列間で最大級のマッチングが得られるように設計
される。同一性および類似性を決定する方法は一般に入手可能なコンピュータプ
ログラムに編集されている。2配列間の同一性および類似性を決定するための好
ましいコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケージ (Devereu
x, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984))、BLASTP、BLASTNおよびF
ASTA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410 (1990)) があるが、こ
れらに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他のソースから一般に入手可
能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894;
Altschul, S.ら, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。公知のSmith Waterma
nアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる。
【0106】 使用した好適なアルゴリズムはFASTAである。このアルゴリズムを用いたポリ
ペプチドまたはポリヌクレオチドの配列比較のための好適なパラメーターは、以
下のものを含む: ギャップペナルティー:12 ギャップ伸長ペナルティー:4 ワードサイズ:2、最大6 ポリペプチド配列をその他の方法で比較するための好ましいパラメーターは次
のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970) 比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 89: 10915-10919 (1992) ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターを用いて有効なプログラムは Genetics Computer Group
(Madison WI)から「gap」プログラムとして一般に入手可能である。前記のパ
ラメーターはポリペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(default param
eter) である(末端ギャップのペナルティーは無し)。
【0107】 ポリヌクレオチド配列を比較するための好ましいパラメーターは次のものを含
む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターを用いて有用であるプログラムは Genetics Computer G
roup(Madison WI)から「gap」プログラムとして公に入手可能である。前記パラ
メーターはポリヌクレオチド比較のためのデフォルトパラメーターである。
【0108】 例として、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1の基準配列と同一で
ある、すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または該基準配列
に対して、一定の整数個までのヌクレオチド変異を含んでいてもよい。そのよう
な変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびト
ランスバージョンを含む)または挿入よりなる群から選択され、こうした変異は
基準ヌクレオチド配列の 5'もしくは 3'末端位置、またはこれらの末端位置の間
のどこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオチドの間に個々に、または基準
配列内に1以上の連続するグループとして散在する。ヌクレオチド変異の数は、
配列番号1のヌクレオチドの総数に、それぞれの同一性%値の絶対比率(100で
割った値)を掛け、その積を配列番号1のヌクレオチドの総数から差し引くこと
により、すなわち、次式: n ≦x −(x・y) により求めることができる。式中、nはヌクレオチド変異の数であり、x
配列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは例えば70%については0.70、80%
については0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.
95などであり、さらにxとyの非整数の積は、その積をxから引く前に、最
も近似する整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌク
レオチド配列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレー
ムシフト突然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチ
ドによりコードされたポリペプチドを改変させることができる。
【0109】 同様に、本発明のポリペプチド配列は、配列番号2の基準配列と同一である、
すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または同一性%が100%未
満であるように基準配列に対して一定の整数個までのアミノ酸変異を含むことが
できる。このような変異は少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的およ
び非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入よりなる群から選択され、これらの
変異は基準ポリペプチド配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれ
らの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のアミノ酸の間に個々に
、または基準配列内に1以上の連続したグループとして散在する。アミノ酸変異
の数は、配列番号2中のアミノ酸の総数にそれぞれの(100で割った)同一性%
の絶対比率を掛け、その積を配列番号2中のアミノ酸の総数から引くことにより
、すなわち次式により求められる。
【0110】 na ≦xa −(xa・y) 式中、naはアミノ酸変異の数であり、xaは配列番号2中のアミノ酸の総数であ
り、yは例えば70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85
等であり、さらにxaとyの非整数の積は、その積をxaから引く前に、最も近似
する整数に切り下げる。
【0111】 「相同体」とは、当技術分野において用いられる、被験配列に対し高度な配列
近縁性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指す総称用語である
。この類縁性は前述のように比較した配列間の同一性および/または類似性の程
度を決定することにより定量化することができる。別々の種における機能的に等
価なポリヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する「オーソログ体」、同じ種
内で考える場合に機能的に類似した配列を意味する「パラログ体」という用語は
、この総称用語の範囲に含まれるものである。
【0112】実施例 実施例1 リアルタイムRT-PCR分析 リアルタイムRT-PCR(U.Gibson, 1996, Genome Research: 6,996)を用いて複数
の患者由来の腫瘍大腸組織と正常大腸組織の対における候補抗原のmRNA転写産物
存在量を比較する。さらに、正常組織のパネルにおいて候補遺伝子のmRNAレベル
を、この手法により評価する。
【0113】 正常大腸および腫瘍大腸由来の総RNAを、TriPure試薬(Boehringer)を用いて急
速凍結生検材料から抽出する。正常組織由来の総RNAは、InVitrogenから購入す
るか、またはTriPure試薬を用いて急速凍結生検材料から抽出する。ポリ-A+ mRN
Aをオリゴ-dT磁気ビーズ(Dynal)を用いてDNAase処理後に総RNAから精製する。mR
NAの定量化は、分光蛍光分析(VersaFluor, BioRad)によってSybrII染料(Molecul
ar Probes)を用いて行う。リアルタイムPCR増幅用のプライマーは、TaqMan増幅
条件用のデフォルトオプションを用いてPerkin-Elmer Primer Expressソフトウ
ェアで設計する。
【0114】 リアルタイム反応を、各反応について標準PCRプロトコルにしたがって2ngの精
製mRNAを用いてアセンブルする。SybrI染料(Molecular Probes)をリアルタイム
検出のために1/75000の最終希釈度で加える。増幅(40サイクル)およびリアルタ
イム検出は、Perkin-Elmer Biosystems PE7700システムにて通常の機器装置を用
いて行う。Ct値を、PE7700 Sequence Detectorソフトウェアを用いて計算する。
2つのCt値、すなわち腫瘍Ct(CtT)および対である正常大腸Ct(CtN)を、各患者の
サンプルについて得る。リアルタイムPCRによって得られるCt値は、標的鋳型の
コピー数に対数直線的に関連している。一般的な実験条件下でのPCR増幅の効率
は、理論的な増幅効率に近似しているので、2(CtN-CtT)は、2つの組織における
相対的転写産物レベルの推定値(すなわち、腫瘍中のmRNA過剰発現の倍率)である
。リアルタイムPCR反応を、17人の患者由来の生検材料において実施する。mRNA
過剰発現のレベルは、各患者について記載のとおりに計算する。次いで候補抗原
に対してのmRNA過剰発現の平均レベルおよび該候補抗原を過剰発現する患者の割
合を、このデータセットから計算する。
【0115】 正常組織においては、候補抗原に対するCt値を、同じ組織サンプルで得られる
アクチンのCt値と比較する。
【0116】大腸癌/正常大腸サンプルにおけるリアルタイムPCRの結果 要約
【表1】 3つの実験の詳細
【表2】 正常組織におけるリアルタイムPCRの結果
【表3】 Bl: 膀胱; Bra: 脳; Sk: 皮膚; Ce: 頸部; He: 心臓; Ki: 腎臓; Li: 肝臓; Lu
: 肺; Sp: 脾臓; Pl: 胎盤; Re: 直腸; Te: 精巣; Ao: 大動脈; Ad Gl: 副腎; P
r: 前立腺; Oe: 食道; St: 胃; Sk Mu: 骨格筋; Ov: 卵巣; Fa Tu: ファローピ
ウス管。同じ組織からの異なるサンプルは、さらに数字で識別される。
【0117】結論 CASB616遺伝子転写産物は、試験したすべての原発性大腸腫瘍において、
正常大腸と比べて有意に過剰発現している。大多数の正常組織における発現は、
非常に低いようである。
【0118】実施例2 DNAマイクロアレイ法 DNAマイクロアレイ法を用いて、複数のサンプルにおける大きなコレクション
の遺伝子のmRNA発現プロファイルを試験する。この情報を用いて、リアルタイム
PCRによって得られたデータを補足し、腫瘍および正常組織における遺伝子発現
レベルの独立した測定を提供する。
【0119】 DNAマイクロアレイの現在の作製技術の例には、1)オリゴヌクレオチドを、写
真平板法を用いた固相化学合成によってチップの表面上に合成する、Affymetrix
「遺伝子チップ」アレイ、2)DNA溶液の小容量を固相(例えばガラス)の表面上
に自動機械的に配置し、次いで固定化する、DNAスポッティング(spotting)技術
が含まれる。いずれの場合にも、チップを、目的の組織(例えば正常組織、腫瘍
など)から抽出して、さらに放射活性でまたは蛍光レポーター分子で標識したcD
NAまたはcRNAとハイブリダイズさせる。標識した物質をチップにハイブリダイズ
させ、チップ上の各配列に結合したプローブ量を、専門のスキャナーを用いて決
定する。この実験は、単一の蛍光レポーター(または放射活性)を用いて組み立
てることができ、あるいはまた2つの蛍光レポーターを用いても実施できる。後
者の場合、2つのサンプルの各々を、2つのレポーター分子の一方で標識する。次
いでこの2つの標識したサンプルを、DNAチップ上の配列に競合的にハイブリダイ
ズさせる。2つの蛍光シグナルの比率を、チップ上の各配列について決定する。
この比率を用いて、2つのサンプル中の転写産物の相対的存在量を計算する。詳
細なプロトコルは、「DNA Microarrays: A practical approach. Schena M. Oxf
ord University Press 1999」およびWorld Wide Web(http://cmgm.stanford.edu
/pbrown/protocols/index.html、http://arrayit.com/DNA-Microarray-Protocol
s/)を含めた多数のソース、ならびに専門の配給業者(例えばAffymetrix)から利
用可能である。
【0120】実施例3 ESTプロファイル 実験的抗原組織発現の特性付けへの補足的なアプローチは、ヒトの「発現配列
タグ(Expressed Sequence Tags)」(ESTs)のデータベースを探索することである
。ESTは、特定の組織または細胞系から抽出されたmRNAの集合から作製されたcDN
Aの小断片である。かかるデータベースは、現在、疾患の種々の型および状態か
らの腫瘍組織を含めて、数百ものcDNA組織ライブラリーから大量のEST(106)を提
供する。情報科学ツールによって、CASB616配列の比較検索は、組織発現をさら
に洞察するために実施される。
【0121】CASB616配列を用いたデータベース検索の結果
【表4】
【0122】実施例4 ノーザン-サザンブロット分析 限られた量の腫瘍性大腸のcDNAと正常大腸のcDNAの混合物を、Advantage PCR(
上記を参照のこと)によって増幅する。複数の正常組織由来のメッセンジャーRN
Aも同様の手法を用いて増幅する。増幅したcDNA(1μg)を、1.2%のアガロースゲ
ル上に電気泳動し、さらにナイロン製の膜上に移行させる。該膜を、候補TAA cD
NAの断片を用いて調製したプローブとハイブリダイズさせる(AlkPhos Direct Sy
stem)。ノーザン-サザン分析は、腫瘍組織および正常組織中の転写産物のサイズ
、スプライス変異体の存在および転写産物の存在量に関する情報を提供する。
【0123】実施例5 ノーザンブロット分析 ノーザンブロットを、1μgのポリA+mRNAのを用いて標準プロトコルに従い作製
する。放射活性プローブを、Ready-to-Goシステム(Pharmacia)を用いて調製する
【0124】実施例6: 6.1 腫瘍特異的抗原の発現および精製 ワクチン用途のために本発明の抗原を産生させるため、そして天然発現のタン
パク質の免疫組織化学による特性評価に必要な抗体の迅速な精製および作製、ま
たは精製の追跡用のタンパク質断片またはタンパク質全体を産生させるために、
微生物宿主における発現を用いる。
【0125】 組換えタンパク質が2つの微生物宿主、大腸菌および酵母(Saccharomyces cere
visiaeまたはPichia pastorisなど)において発現され得る。このことによって
、この特定の抗原産生にとって最良の特性を有する発現系の選択が可能である。
一般的に、組換え抗原は大腸菌で発現され、試薬タンパク質は酵母で発現される
【0126】 発現の戦略は、まず、組換え抗原の一次構造の設計を含む。一般に、抗原の免
疫原性特性をモジュレートするのに有用な領域、免疫融合パートナー(IFP)をも
含み得る発現融合パートナー(EFP)が、発現レベルを向上させるためにN末端に配
置される。加えて、さらに精製を促進するのに有用なアフィニティ融合パートナ
ー(AFP)がC-末端に含まれる。
【0127】 組換え株が入手可能な場合、組換え産物は、発現レベルの評価、および粗抽出
物中の反応の分析によるタンパク質のさらなる可溶性の予測によって特徴付けら
れる。
【0128】 適当な培地上で増殖させ、組換えタンパク質の発現を誘導した後、全抽出物を
SDS-PAGEで分析する。組換えタンパク質を、染色ゲルで視覚化し、特異的抗体を
用いてウェスタンブロット分析で同定する。
【0129】 種々のタイプの発現した抗原を比較評価することで、さらなる精製および免疫
学的評価に用いられることになる最も有望な候補の選別が可能になる。
【0130】 精製操作は、組換えタンパク質におけるアフィニティHis末端の存在に基づく
古典的な手法に従う。典型的な実験では、破壊した細胞を濾過し、細胞抽出物を
、組換えタンパク質を特異的に保持するイオン金属アフィニティクロマトグラフ
ィー(Ion Metal Affinity Chromatography)(IMAC: Qiagen製のNi++NTA)にかける
。保持されたタンパク質をリン酸バッファー中0〜500mMのイミダゾール勾配(可
能な限り界面活性剤の存在下)で溶出する。このステップの後、Imacステップの
成功および混入物の性質に依存して最も適切なように陰イオン交換樹脂ステップ
およびサイズ排除クロマトグラフィーステップを行う。
【0131】6.2 抗体産生および免疫組織化学 少量の比較的精製されたタンパク質を用いて、 a) 正常または癌組織切片における免疫組織化学による発現を検出するため、 b) 発現を検出し、精製プロセス中のタンパク質を追跡するため(ELISA/ウェスタ
ンブロット)、または c) 精製タンパク質を特性評価/定量するため(ELISA) に、免疫学的ツールを作成することができる。
【0132】6.2.1 ポリクローナル抗体: 免疫感作 2〜3羽のウサギを、アジュバント3D-MPL/QS21中で処方した100μgのタンパク
質にて、3週間間隔で3回筋内投与(I.M.)により免疫感作する。各免疫感作の3週
間後、血液サンプルを採取し、抗体力価を、標準プロトコルにしたがってコーテ
ィング抗原としてタンパク質を用いて血清中でELISAによって評価する。
【0133】ELISA 96ウェルマイクロプレート(maxisorb Nunc)を5μgのタンパク質で4℃にて一晩
かけて被覆する。PBS NCS1%で37℃にて1時間飽和させた後、ウサギ血清の連続希
釈液を37℃で1時間30分かけて加える(1/10から出発)。PBS Tween中で3回洗浄し
た後、抗ウサギビオチニル化抗血清(Amersham)を加える(1//5000)。プレートを
洗浄し、ペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(1/5000)を37℃で30分かけて
加える。洗浄後、50μlのTMB(BioRad)を7分かけて加え、次いで反応を0.2MのH2S
O4で停止させる。ODを450nmで測定し、SoftmaxProで中点希釈度を計算し得る。
【0134】6.2.2 モノクローナル抗体 免疫感作 5匹のBALB/cマウスを5μgの精製タンパク質にて3週間間隔で3回免疫感作する
。II後14日目、3後1週間目にブリージングを行う。この血清を、被覆抗原として
用いられる精製タンパク質についてElisaによって試験する。これらの結果(中点
希釈度>10000)に基づいて、融合のために1匹のマウスを選別する。
【0135】融合/HAT選別 標準プロトコルにしたがってPEG40%およびDMSO5%を用いて、脾臓細胞をSP2/0
骨髄腫と融合する。次いで、細胞を96ウェルプレートに2.5×104〜105細胞/ウェ
ルで接種して、耐性クローンをHAT培地中で選択する。これらのハイブリドーマ
の上清を特異的抗体のその含量について試験し、陽性の場合、限界希釈法を2サ
イクル行う。スクリーニングを2ラウンド行った後、3種のハイブリドーマを腹水
(ascitis)産生用に選択する。
【0136】6.2.3 免疫組織化学 抗体が入手可能な場合、 ・正常組織に対する癌における本発明の抗原の発現のレベル、または ・その抗原を発現している一定のタイプの癌の割合、 ・その他の癌のタイプもその抗原を発現するかどうか、 ・癌組織においてその抗原を発現している細胞の割合、 を測定するために、免疫染色を正常または癌組織切片で行う。
【0137】組織サンプル調製 切開後、組織サンプルをOCT化合物中でコルクディスク上にのせ、液体窒素(-1
60℃)中で予め過冷却したイソペンタン中で急速に凍結させる。次いで、ブロッ
クを使用するまで-70℃で保存する。7〜10μmの切片はクライオスタットチャン
バー(-20、-30℃)中で作製される。
【0138】染色 組織切片を室温(RT)で5分間乾燥し、アセトン中にRTにて10分間固定し、再び
乾燥し、PBS0.5%BSA5%血清で飽和する。RTで30分間置いた後、直接または間接染
色を抗原特異的抗体を用いて行う。直接染色は良好な特異性をもたらすが、染色
の強さは小さく、一方間接染色は染色の強さは大きいが染色の特異性が低い。
【0139】6.3 本発明の抗原に対するヒト細胞性免疫反応の分析 本発明の抗原の免疫学的な適切性はヒトT細胞のin vitro初回抗原刺激によっ
て評価することができる。全てのT細胞リンパ球系および樹状細胞を健康なドナ
ーのPBMC(末梢血単核細胞)(好ましくはHLA-A2サブタイプ)から誘導する。またHL
A-A2.1/KbトランスジェニックマウスをHLA-A2.1ペプチドのスクリーニングに用
いる。
【0140】 新たに発見された抗原特異的CD8+ T細胞系を週1回のin vitro刺激により生じ
させ、維持する。抗原または抗原由来のペプチドに応答したCD8系のγ-IFN産生
および溶菌活性を標準方法で試験する。
【0141】 CD8+ T細胞系を生じさせるために2つのストラテジー、すなわちペプチドに基
づく手法と全遺伝子に基づく手法が用いられる。両手法には、適当な送達システ
ム中にクローニングするか、またはHLA結合ペプチドの配列を予測するのに用い
られる、正確なリーディングフレームでの新たに発見された抗原の全長cDNAが必
要である。
【0142】ペプチドに基づく手法 HLA-A2結合ペプチド配列を、Parker'sアルゴリズムで予測する。次いで、ペプ
チドをHLA-A2.1/Kbトランスジェニックマウスモデル(Vitielloら)でスクリーニ
ングする。予測を行うために用いられる配列は、EPHB2vである。なぜなら、EPHB
2vは、付加的なC末端配列の伸長を有するEPHB2に同一であるからである。
【0143】予測されるHLA_A0201対立遺伝子に結合するエピトープ:
【表5】
【0144】 簡単に述べると、トランスジェニックマウスをアジュバントを加えたHLA-A2ペ
プチドで免疫感作し、CD8応答(ペプチドでパルスした自己脾臓細胞の効率的な溶
解により定義される)を誘導できないものをヒト系においてさらに分析する。
【0145】 ヒト樹状細胞(Romaniらにしたがって培養)をペプチドでパルスし、CD8で選別
し刺激したT細胞に用いる(Facsによる)。週1回の刺激を数回行った後、CD8系を
まずペプチドパルス化自己BLCL(EBV-B形質転換細胞系)にて試験する。ペプチド
の適正なin vivoプロセシングを確認するために、CD8系をcDNAトランスフェクト
腫瘍細胞(HLA-A2トランスフェクトLnCaP、Skov3またはCAMA腫瘍細胞)にて試験す
る。
【0146】全遺伝子に基づく手法 CD8+ T細胞系を、遺伝子銃でトランスフェクトした樹状細胞、レトロウイルス
により形質導入されたB7.1-トランスフェクト線維芽細胞、組換えポックスウイ
ルス(Kimら)またはアデノウイルス(Butterfieldら)を感染させた樹状細胞のいず
れかで抗原刺激する。ウイルス感染細胞は、抗原が高レベルで発現されるので抗
原ペプチドを提示するのに非常に効率的であるが、ウイルスT細胞系の過剰増殖
を回避するために1回使用できるにすぎない。
【0147】 交互に刺激した後、CD8系を上記のようなcDNAトランスフェクト腫瘍細胞にて
試験する。ペプチドの特異性および同一性を決定して免疫学的な有効性を確認す
る。
【0148】参考文献 Vitielloら(L.Sherman), J. Exp. Med., J. Exp. Med., 1991, 173:1007-1015; Romaniら, J. Exp. Med., 1994, 180:93-93; Kimら, J. Immunother., 1997, 20:276-286; Butterfieldら, J. Immunol., 1998, 161:5607-5613。
【0149】 本明細書に引用された全ての刊行物、例えば限定するものではないが、特許お
よび特許出願などは、それぞれの刊行物が、あたかも完全に記載されているかの
如く参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0150】配列情報 配列番号1
【0151】 配列番号2
【0152】 配列番号3
【0153】 配列番号4
【0154】 配列番号5 MMMEDILRV 配列番号6 LLLPLLAAV 配列番号7 GLTEPRIYI 配列番号8 RQNDGQFTV 配列番号9 TLMDSTTAT 配列番号10 KLPGkREIFV 配列番号11 LLLLpLLAAV 配列番号12 QMMMeDILRV 配列番号13 WSYGiVMWEV 配列番号14 FLIAvVVIAI
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月26日(2001.10.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 4C086 37/00 37/00 4H045 C07K 16/30 C07K 16/30 C12N 15/09 ZNA C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 M 33/566 33/566 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA12 BA63 CA04 DA06 DA12 EA04 GA11 HA12 HA15 4B063 QA19 QQ08 QQ43 QR08 QR36 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4C084 AA01 AA13 AA17 BA22 CA62 MA05 NA14 ZB071 ZB261 ZC781 4C085 AA03 BB11 EE06 FF12 FF13 4C086 AA01 AA02 EA16 MA05 NA14 ZB07 ZB26 4H045 AA11 AA30 BA10 CA41 DA50 DA75 EA28 EA51 FA72 FA74

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効量の、配列番号2もしくは4のアミノ酸配列またはその
    免疫原性断片に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリ
    ペプチドを、製薬上許容される担体と共に含むワクチン組成物。
  2. 【請求項2】 アミノ酸配列が配列番号2もしくは4のアミノ酸配列または
    その免疫原性断片に対して少なくとも95%の同一性を有する、請求項1に記載の
    ワクチン組成物。
  3. 【請求項3】 有効量の、配列番号1もしくは3のヌクレオチド配列または
    免疫原性ポリペプチドをコードするその断片に対して少なくとも85%の同一性を
    有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを、製薬上許容される担体と共
    に含むワクチン組成物。
  4. 【請求項4】 配列番号2または4のポリペプチドをin vitroで供給するこ
    とにより改変したか、または配列番号2または4のポリペプチドを発現するよう
    にin vitroで遺伝的に改変した、有効量の抗原提示細胞および製薬上許容される
    担体を含むワクチン組成物。
  5. 【請求項5】 TH-1誘導アジュバントをさらに含む、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のワクチン。
  6. 【請求項6】 TH-1誘導アジュバントが、3D-MPL、QS21、QS21とコレステロ
    ールの混合物、およびCpGオリゴヌクレオチドを含むアジュバントの群から選択
    される、請求項5に記載のワクチン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に規定のポリペプチドまたは免
    疫学的断片に対して免疫特異的な抗体。
  8. 【請求項8】 配列番号2または4のポリペプチドの機能を刺激または抑制
    する化合物を同定するためのスクリーニング法であって、 (a) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい
    る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に
    直接または間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい
    る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、標識競合物質の
    存在下で測定すること、 (c) 候補化合物が上記ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナ
    ルをもたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適し
    た検出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、配列番号2または4のポリペプチドを含有する溶液とを
    一緒にして混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定して、該
    混合物の活性をスタンダードと比較すること、または (e) 候補化合物が細胞における上記ポリペプチドをコードするmRNAおよび該
    ポリペプチドの産生に及ぼす効果を例えばELISAアッセイを用いて検出すること
    、 よりなる群から選択される方法を含んでなるスクリーニング法。
  9. 【請求項9】 配列番号2もしくは4のポリペプチドまたは配列番号1もし
    くは3のポリヌクレオチドを哺乳動物の免疫系に由来する細胞と共にin vitroで
    インキュベートすることにより、配列番号1〜4のいずれか1つの分子に対する
    免疫応答をin vitroで誘導すること、およびそれらの活性化免疫細胞を疾病の治
    療のために哺乳動物に再注入することを含む、免疫学的予防または治療による被
    験者の処置方法。
  10. 【請求項10】 前記処置が卵巣癌または大腸癌に対するものである、請求
    項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 配列番号2または4のポリペプチドに対するアゴニストま
    たはアンタゴニスト。
  12. 【請求項12】 治療上使用するための、以下の(a)〜(c)のいずれかである
    化合物: (a) 配列番号の2または4のポリペプチドに対するアゴニストまたはアンタ
    ゴニスト; (b) 配列番号の1または3の単離されたポリヌクレオチド;または (c) 配列番号2または4のいずれか1つのポリぺプチドをコードするヌクレ
    オチド配列の発現をモジュレートする核酸分子。
  13. 【請求項13】 被験者における配列番号2または4のポリペプチドの発現
    または活性に関連した該被験者の疾病または該疾病への罹りやすさを診断する方
    法であって、該被験者から得られたサンプル中の該ポリペプチドの存在または量
    を分析することを含んでなる方法。
  14. 【請求項14】 被験者における配列番号1または3のポリヌクレオチドの
    発現または活性に関連した該被験者の疾病または該疾病への罹りやすさを診断す
    る方法であって、該被験者から得られたサンプル中の該ポリヌクレオチドの存在
    または量を分析することを含んでなる方法。
  15. 【請求項15】 被験者における配列番号2または4のポリペプチドの発現
    または活性に関連した該被験者の大腸癌の存在または大腸癌への罹りやすさを診
    断する方法であって、該被験者から得られたサンプル中の該ポリペプチドの存在
    または量を分析することを含んでなる方法。
  16. 【請求項16】 被験者における配列番号1または3のポリヌクレオチドの
    発現または活性に関連した該被験者の大腸癌の存在または大腸癌への罹りやすさ
    を診断する方法であって、該被験者から得られたサンプル中の該ポリヌクレオチ
    ドの存在または量を分析することを含んでなる方法。
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