JP2002507417A - Pap−1関連化合物 - Google Patents

Pap−1関連化合物

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JP2002507417A JP2000537991A JP2000537991A JP2002507417A JP 2002507417 A JP2002507417 A JP 2002507417A JP 2000537991 A JP2000537991 A JP 2000537991A JP 2000537991 A JP2000537991 A JP 2000537991A JP 2002507417 A JP2002507417 A JP 2002507417A
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ブルック,クラウディン,エルヴァイア,マリー
カサート,ジーン−ポル
コシェ,ティエリー
ヴィナルス−バソルズ,カーロタ
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スミスクライン ビーチャム バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
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    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
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Abstract

(57)【要約】 CASB47ポリペプチドおよびポリヌクレオチド、ならびに組換え技術によりこのようなポリペプチドを生産する方法が開示される。また、CASB47ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを診断に利用する方法、さらに癌(特に卵巣癌、肺癌、脳の癌、および大腸癌)、自己免疫疾患、および関連病態の予防的ならびに治療的処置のためのワクチンも開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、本明細書中でCASB47ポリヌクレオチドと呼ぶポリヌクレオチド、そ
れによりコードされるポリペプチド(本明細書中でCASB47ポリペプチドと呼ぶ)、
組換え物質、ならびにその生産方法に関する。別の態様において、本発明は、癌
および自己免疫疾患ならびに他の関連病態の治療をはじめとする、前記ポリペプ
チドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。更なる態様では、本発明は、
本発明により提供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴニスト/インヒ
ビターを同定する方法、ならびに同定された化合物を用いてCASB47平衡異常と関
連した症状を治療することに関する。さらに他の態様において、本発明は不適当
なCASB47ポリペプチド活性またはCASB47ポリペプチドレベルと関連した疾病を検
出するための診断アッセイに関する。
【0002】 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、腫瘍に対する特定の予防目
的または治療目的の免疫用の重要な免疫原であると考えられる。何故なら、前記
ポリヌクレオチドおよび前記ポリペプチドは、正常細胞と比較して腫瘍において
特異的に発現されるかまたはかなり過剰に発現され、そのため抗原特異的免疫機
構の標的となって前記腫瘍細胞の破壊をもたらしうるからである。また、それら
を使用して腫瘍細胞の発生を診断することもできる。さらに、特定の環境におけ
る前記ポリヌクレオチドおよび前記ポリペプチドの不適切な発現により、自己免
疫性の不適切な免疫応答の誘導を引き起こし得るが、該応答は前記同様のポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドを用いる適切なワクチン接種により矯正すること
ができる。この点において、本発明者らの目的にとって最も重要な生物学的活性
は、本発明のポリペプチドの抗原性活性および免疫原性活性である。また、本発
明のポリペプチドは、CASB47ポリペプチドの少なくとも1つの他の生物学的活性
を示すものであってもよく、該活性により本発明のポリペプチドを前記免疫応答
に関連したものとは異なる治療的または予防的介入の標的とみなすことができる
【0003】 ゲノム機能学は、ハイスループットDNA配列決定技術および現在入手できる
多くの分子生物学データベースから目的のものであり得る遺伝子配列を同定する
ための生物情報科学(bioinformatics)の様々なツールに大きく依存している。特
定の組織または生理学的条件と関連する遺伝子が豊富なcDNAライブラリーを
、近年開発された差引きクローニング法を用いて構築することができる。さらに
、特定の組織のライブラリーに見られるが他では見られないcDNAを、適切な
電子的スクリーニング法(electronic screening method)を用いて同定すること ができる。ハイスループットのゲノムまたは遺伝子ベースの生物学により、癌お
よび自己免疫疾患等の疾病の予防およびワクチン治療に有用な免疫応答のための
、標的遺伝子の同定およびクローニングへの新たなアプローチが可能となる。
【0004】 最初の態様において、本発明はCASB47ポリペプチドに関する。この種のペプチ
ドには、配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくと
も70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少な
くとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ま
しくは少なくとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離
されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドには配列番号2のアミノ
酸を含んでなるポリペプチドが含まれる。
【0005】 本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸配列が配列番号2の全長にわたる配
列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なく
とも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好まし
くは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一
性を有する単離されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては
配列番号2のポリペプチドがある。
【0006】 本発明の更なるペプチドには、配列番号1に含まれる配列を含んでなるポリヌ
クレオチドによりコードされる単離されたポリペプチドが含まれる。
【0007】 また本発明は、CASB47ポリペプチドの免疫原性断片、すなわち配列番号2のア
ミノ酸配列を含むCASB47ポリペプチドと同様のまたは類似した免疫原特性を有す
る前記ポリペプチドの連続した部分、を提供する。すなわち、前記断片(必要で あれば、担体に結合されている)は、CASB47ポリペプチドを認識する免疫応答を 引き出すことができる。こうした免疫原性断片には、例えば、N末端のリーダー
配列、膜貫通ドメインまたはC末端のアンカードメインを欠くCASB47ポリペプチ
ドが含まれる。好ましい態様において、本発明のCASB47の免疫原性断片は、配列
番号2の全長にわたる配列番号2のポリペプチドに対して少なくとも70%の同
一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%
の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なく
とも97〜99%の同一性を有するポリペプチドの実質的に全ての細胞外ドメイ
ンを含む。
【0008】 本発明のポリペプチドまたは免疫原性断片は「成熟」タンパク質の形であって
も、前駆体または融合タンパク質のような、より大きいタンパク質の一部であっ
てもよい。しばしば、追加のアミノ酸配列を含めることが有利であり、このよう
なアミノ酸配列としては、分泌すなわちリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジ
ン残基のような精製に役立つ配列、または組換え体生産の間の安定性を確保する
付加的配列などがある。さらに、外来ポリペプチドまたは脂質テイル(lipid tai
l)またはポリヌクレオチド配列の追加により最終的な分子の免疫原としての可能
性を高めることも考慮される。
【0009】 1つの態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断片と、各
種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖また
はL鎖の定常領域の様々な部分と、を含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶
性融合タンパク質に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にIgG1
のH鎖の定常部が好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定例では
、血液凝固因子Xaで開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単
に除去できる。さらに、本発明は、これら融合タンパク質の遺伝子工学的作製方
法、ならびに薬物スクリーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関す
る。また、本発明の更なる態様はこのような融合タンパク質をコードするポリヌ
クレオチドに関する。融合タンパク質技術の例は国際特許出願 WO94/29458 およ
びWO94/22914に見いだせる。
【0010】 前記タンパク質を化学的に結合するかまたは組換え融合タンパク質として発現
させることにより、発現系において該タンパク質が非融合タンパク質に比べて増
大されたレベルで産生される。融合パートナーはTへルパーエピトープ、好まし
くはヒトにより認識されるTヘルパーエピトープの提供を助ける(免疫学的融合 パートナー)か、または前記タンパク質の、元の組換えタンパク質より高い産生 量での発現を助ける(発現エンハンサー)ことができる。好ましくは、前記融合パ
ートナーは免疫学的融合パートナーおよび発現エンハンサーパートナーの両方で
ある。
【0011】 融合パートナーには、ヘモフィルス・インフルエンザB(Haemophilus influen
za B)由来のプロテインDおよびインフルエンザウイルス由来の非構造タンパク 質NS1(赤血球凝集素)が含まれる。別の免疫学的融合パートナーはLYTAとして知 られるタンパク質である。好ましくは、該分子のC末端部分を使用する。Lytaは
、N-アセチル-L-アラニンアミダーゼであるアミダーゼLYTA(lytA遺伝子によりコ
ードされる[Gene. 43(1986) page 265-272])、すなわちペプチドグリカン骨格内
の特定の結合を特異的に分解する自己分解酵素を合成するストレプトコッカス・
ニューモーニア(Streptococcus pneumoniae)から得られる。前記LYTAタンパク質
のC末端ドメインは、コリン、またはDEAE等の数種のコリン類似体に対する親和
性に関与している。この性質を融合タンパク質の発現に有用な大腸菌(E.coli)C-
LYTA発現プラスミドの開発に利用した。そのアミノ末端に前記C-LYTA断片を含有
するハイブリッドタンパク質の精製については、Biotechnology:10. (1992) pag
e 795-798に記載されている。前記Lyta分子のC末端に見出され、残基178から始
まる反復部分(例えば残基188〜305)を使用することができる。
【0012】 また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が
性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違して
いるポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Le
u および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間
;塩基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に
、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任
意の組合せで置換、欠失または付加されている変異体が好適である。
【0013】 本発明のポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このよう
なポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産されたポ
リペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せに
より製造されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するため
の手段は当業界でよく理解されている。
【0014】 更なる態様において、本発明は、CASB47ポリヌクレオチドに関する。このよう
なポリヌクレオチドには、配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列
に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、よ
り好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の
同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離さ
れたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を
有するポリペプチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有す
るものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが
最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号2のポリペ
プチドをコードする配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含んでなるポリヌ
クレオチドが挙げられる。
【0015】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号2のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列に対して、その全コード領域にわたって、少なくとも70%
の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも9
0%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチ
ド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少
なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくと
も98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の
同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいものである。
【0016】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号1の全長にわたる配列番号1
のポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも
80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは
少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポ
リヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有する
ポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有する
ものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド
が最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1のポリ
ヌクレオチドを含んでなるポリヌクレオチドおよび配列番号1のポリヌクレオチ
ドが挙げられる。前記ポリヌクレオチドを適当なプラスミドまたは組換え微生物
ベクターに挿入して免疫に用いることができる(例えば、Wolffら、Science 247:
1465-1468(1990);Corrら、J.Exp.Med. 184:1555-1560(1996);Doeら、Proc.Nat
l.Acad.Sci. 93:8578-8583(1996)を参照されたい)。また、本発明は前記の全て のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドも提供する。
【0017】 また本発明は、被験者に投与された際に配列番号1のポリヌクレオチドと同様
の免疫原特性を有する、CSAB47ポリヌクレオチドの断片も提供する。
【0018】 また本発明は、前記で定義したCASB47ポリペプチドの免疫学的断片をコードす
るポリヌクレオチドも提供する。
【0019】 配列番号1のヌクレオチド配列はマウスPAP−1(GenBank受託番号D78255)との 相同性を示す。配列番号1のヌクレオチド配列はcDNA配列であり、配列番号
2のポリペプチドである221個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードするポ リペプチドコード配列(ヌクレオチド25〜690)を含む。配列番号2のポリペプチ ドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に含まれるポリペプチドコード
配列と同一であっても、遺伝子コードの重複性(縮重)のため、やはり配列番号
2のポリペプチドをコードする、配列番号1に含まれる配列以外の配列であって
もよい。配列番号2のポリペプチドは新規なファミリーの他のタンパク質と構造
的に関連しており、マウスPAP−1(受託番号D1011981)との相同性および/または
構造類似性を有する。
【0020】 本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それと相
同なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をもつこ
とが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチド、免疫学的断片および
ポリヌクレオチドは配列番号1または配列番号2のいずれかの少なくとも1つの
適当な活性を有する。
【0021】 また、本発明は、配列番号1および配列番号2の対応する全長配列の決定に先
立って最初に同定された部分的なポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列に関
する。
【0022】 したがって、更なる態様において、本発明は、 (a) 配列番号3の全長にわたる配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なく
とも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少
なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好
ましくは97〜99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離され
たポリヌクレオチド、 (b) 配列番号3の全長にわたる配列番号3のヌクレオチド配列に対して少なく
とも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少
なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好
ましくは97〜99%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する単離されたポ
リヌクレオチド、 (c) 配列番号3のポリヌクレオチドである単離されたポリヌクレオチド、また
は (d) 配列番号4の全長にわたる配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも
70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なく
とも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好まし
くは97〜99%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
、 および配列番号3のポリヌクレオチドを提供する。
【0023】 さらに、本発明は、 (a) 配列番号4の全長にわたる配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも
70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なく
とも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好まし
くは97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド、 (b) 配列番号4の全長にわたる配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも
70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なく
とも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好まし
くは97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、 (c) 配列番号4のアミノ酸を含んでなるポリペプチド、および (d) 配列番号4のポリペプチドであるポリペプチド、 並びに配列番号3に含まれる配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードさ
れるポリペプチド、 を提供する。
【0024】 配列番号3のヌクレオチド配列およびそれによりコードされるペプチド配列は
エクスプレスド・シーケンス・タグ(Expressed Sequence Tag:EST)配列か
ら誘導される。当業者であれば、EST配列中に若干のヌクレオチド配列読み取
り誤差が必然的に存在することを理解するであろう(Adams, M.D.ら, Nature 37
7 (supp)3, 1995を参照のこと)。したがって、配列番号3のヌクレオチド配列 およびそれによりコードされるペプチド配列は配列精度において同一の固有の限
界を受ける。さらに、配列番号3によりコードされるペプチド配列は、最も相同
性または構造類似性が高いタンパク質と同一の領域、または高い相同性および/
または構造類似性(例えば、保存的アミノ酸の差異)の領域を含んでいる。
【0025】 本発明のポリヌクレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニング技
術により、ヒト大腸癌細胞中のmRNAから誘導されたcDNAライブラリーか
ら得ることができる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Ma
nuaL 2nd Ed. Cold Spring harbor Laboratory Press. Cold Spring harbor, N
.Y.(1989)を参照されたい)。また、本発明のポリヌクレオチドはゲノムDNAラ
イブラリーのような天然源から得ることができ、市販された周知の技術を用いて
合成することもできる。
【0026】 本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリペプチドの組換え体生産のために用
いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単独、ま
たは他のコード配列(例えば、リーダーまたは分泌配列、プレ−またはプロ−ま
たはプレプロ−タンパク質配列、もしくは他の融合ペプチド部分をコードする配
列)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプチドのコード配列が含ま
れる。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ
得る。本発明のこの態様の好ましい具体例として、マーカー配列は、pQEベク
ター(Qiagen, Inc.)により提供されかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA
(1989) 86:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、または
HAタグである。また、このポリヌクレオチドは5'および3'非コード配列、例え
ば、転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグ
ナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。
【0027】 本発明の更なる具体例としては、数個、例えば5〜10個、1〜5個、1〜3
個、1〜2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付
加されている、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド変異体をコ
ードするポリヌクレオチドがある。
【0028】 配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と同一であるか十分に同一であるポリ
ヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする全長cDNAおよびゲノム
クローンを単離するために、また、配列番号1に対して高い配列類似性を有する
他の遺伝子(ヒト起源のパラログ体(paralog)ならびにヒト以外の種に由来する オーソログ体(ortholog)およびパラログ体をコードする遺伝子を含む)のcDN
Aおよびゲノムクローンを単離するために、cDNAおよびゲノムDNA用のハ
イブリダイゼーションプローブとして、または核酸増幅(PCR)反応用のプラ
イマーとして用いることができる。一般的に、これらのヌクレオチド配列は基準
のヌクレオチド配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も
好ましくは95%同一である。プローブまたはプライマーはたいてい15個以上
のヌクレオチドを含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上のヌクレオチ
ドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30〜50個の範囲のヌクレオ
チドを有するものである。特に好ましいプライマーは20〜25個の範囲のヌク
レオチドを有するものである。特に、近縁な動物起源からの配列に由来するポリ
ペプチドまたはポリヌクレオチドを免疫原として使用して、ヒトの遺伝子に対す
る交差反応性免疫応答を得ることができる。
【0029】 本発明のポリペプチド(ヒト以外の種に由来する相同体を含む)をコードする
ポリヌクレオチドは、配列番号1の配列またはその断片を有する標識プローブを
用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で適当なライブラリ
ーをスクリーニングし、該ポリヌクレオチド配列を含む全長cDNAおよびゲノ
ムクローンを単離する各工程を含んでなる方法により得られる。このようなハイ
ブリダイゼーション技法は当業者に周知である。好ましいストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件は、50% ホルムアミド、5×SSC (150mM NaCl, 15mM
クエン酸三ナトリウム) 、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×Denhardt溶液、
10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断したサケ精子DNAを含有す
る溶液中42℃で一夜インキュベートし、次いでフィルターを 0.1×SSC 中約6
5℃で洗浄することを含む。かくして、本発明は、配列番号1の配列またはその
断片を有する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ン条件下で適当なライブラリーをスクリーニングすることにより得られるポリヌ
クレオチドをも包含する。
【0030】 当業者には理解されるように、多くの場合、ポリペプチドをコードする領域が
そのcDNAの5'末端で短く切断されることから、単離されたcDNA配列は不
完全であるだろう。
【0031】 完全長cDNAを得るための、または短鎖cDNAを伸長させるための、当業
者に周知で利用可能な方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法(
RACE)に基づいた方法がある(例えば、Frohmanら, PNAS USA 85, 8998-900
2, 1988を参照のこと)。例えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.) により示されるような、上記技法の最近の改良により、より長いcDNAの検索
が大いに簡便化された。MarathonTM技術では、所定の組織より抽出されたmRN
AからcDNAを作製し、各末端に「アダプター」配列を連結する。続いて、遺
伝子特異的およびアダプター特異的なオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを
用いて核酸増幅(PCR)を行い、cDNAの「欠失」5'末端を増幅する。次に
、「ネステッド(nested)」プライマー、すなわち増幅産物の内部にアニールする
ように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列のさらに3'側にアニ
ールするアダプター特異的プライマーおよび既知遺伝子配列のさらに5'側にアニ
ールする遺伝子特異的プライマー)を用いてPCR反応を繰り返す。その後、こ
の反応の産物をDNA塩基配列決定により解析し、この産物を既存のcDNAに
直接結合して完全な配列とするか、または5'プライマー設計用の新たな配列情報
を用いて別の全長PCRを行うことにより、全長cDNAを構築することができ
る。
【0032】 本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で周知の方法を用いて、発現系を含
有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様
において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含有する発現系、該発現系に
より遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明のポリペプチドの
生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタ
ンパク質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0033】 組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部
を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作する。宿主細胞へのポリヌクレオチドの
導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Biology (1986) および Sambro
okら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989) などの多くの標準的な
実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適なこうした方
法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキス
トラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイク
ロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポ
レーション、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)、弾丸導入(b
allistic introduction)または感染などがある。
【0034】 好ましくは、本発明のタンパク質をトランス型チオレドキシン(thioredoxin i
n trans:TIT)と同時発現させる。プロテアーゼを必要とすること無しに、抗原 をチオレドキシンの無い状態に維持するためには、シス型よりもトランス型のチ
オレドキシンを同時発現させることが好ましい。チオレドキシンの同時発現は本
発明のタンパク質の可溶化を容易にする。また、チオレドキシンの同時発現はタ
ンパク質の精製収率、精製されたタンパク質の溶解性および品質に重大な影響を
与える。
【0035】 適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス、スタフ
ィロコッカス、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵母、ア
スペルギルス)、昆虫細胞(例:ショウジョウバエS2、スポドプテラSf9)
、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C 127、3T3、BHK、HEK
293、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられる。
【0036】 多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、例えば、
染色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バ
クテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由
来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40の
ようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、
仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せ
に由来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバ
クテリオファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を
起こさせるだけでなく発現を調節する制御領域を含んでいてもよい。一般的に、
宿主内でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発
現することができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Molecu
lar Cloning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用い
られる周知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入す
ることができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、また
は細胞外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチド
に組み込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因
性であっても、異種シグナルであってもよい。
【0037】 また、前記発現系はウイルスまたは細菌等の組換え生存微生物であってもよい
。目的とする遺伝子を組換え生存ウイルスまたは細菌のゲノム内に挿入すること
ができる。この生存ベクターを用いての接種またはin vivo感染により、抗原のi
n vivo発現および免疫応答の誘導がもたらされる。この目的のために使用するウ
イルスおよび細菌としては、例えば、ポックスウイルス(例えば、ワクシニアウ イルス、鶏痘ウイルス、カナリア痘ウイルス)、アルファウイルス(シンドビスウ
イルス、セムリキ森林ウイルス、ヴェネズエラウマ脳炎ウイルス)、アデノウイ ルス、アデノ随伴ウイルス、ピコルナウイルス(ポリオウイルス、ライノウイル ス)、ヘルペスウイルス(水痘-帯状ヘルペスウイルス等)、リステリア、サルモネ
ラ、シゲラ、BCG、がある。これらのウイルスおよび細菌は有毒であっても、ま たは生ワクチンを得るために種々の方法により弱毒化されていてもよい。そのよ
うな生ワクチンもまた、本発明の一部を成すものである。
【0038】 組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アン
モニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた周知の方法を用いるこ
とができる。最も好ましくは、イオン金属アフィニティークロマトグラフィー(i
on metal affinity chromatography:IMAC)が精製に用いられる。ポリペプチドが
細胞内合成、単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質を再生
させるための周知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復元するこ
とが可能である。
【0039】 本発明の別の重要な態様は哺乳動物において免疫学的応答を誘導、増強または
モジュレートする方法に関するものであり、この方法は、癌および自己免疫疾患
および関連病態の予防または治療的処置のための抗体および/またはT細胞免疫
応答を生ずるのに十分な本発明の断片または全長ポリヌクレオチドもしくはポリ
ヌクレオチドを、哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさらに別の態
様は、哺乳動物を前記疾患からの予防または治療のための免疫応答を生じさせる
ような免疫学的応答を引き出すために、in vivo で本発明のポリペプチドをコー
ドし、該ポリヌクレオチドの発現を指令するベクターまたは細胞を介して、本発
明のポリペプチドを送達することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答
を誘導、増強またはモジュレートする方法に関する。
【0040】 本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において
本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を誘導、増強またはモジュレートす
る免疫学的/ワクチン製剤(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプチ
ドもしくはポリヌクレオチドまたは上記で定義したその免疫原性断片を含有する
。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチドは胃の中
で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内、静脈内ま
たは皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した製剤として
は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等張にする溶
質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並びに懸濁化剤または増粘剤を含
みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容器または
数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供することができ、ま
た、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保管するこ
ともできる。
【0041】 本発明の更なる態様は、本発明の断片または完全なポリペプチドもしくはポリ
ヌクレオチド、あるいは本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドを含む
分子に対する免疫応答を、哺乳動物の免疫系からの細胞を使用してin vitroで誘
導し、前記哺乳動物のこれらの活性化された免疫細胞を疾病の治療のために再注
入することに関する。免疫系からの細胞の活性化は、本発明の完全なポリペプチ
ドもしくはポリヌクレオチド、または本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレ
オチドを含む分子と共に種々の免疫モジュレーター分子の存在下または不在下で
in vitroにてインキュベートすることにより達成される。本発明の更なる態様は
、本発明の部分もしくは完全なポリペプチドまたは本発明のポリペプチドを含む
分子をin vitroで供給することにより改変した抗原提示細胞の投与による哺乳動
物の免疫化、ならびに免疫原性による方法にてin vivo投与することによる前記 免疫化に関する。あるいは、抗原提示細胞を本発明の断片もしくは完全なポリヌ
クレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含む分子を含有するベクターでin
vitroでトランスフェクトして、対応するポリペプチドを発現させることができ
、さらに免疫原性的方法でin vivoにて投与することができる。
【0042】 また、本発明のワクチン製剤は該製剤の免疫原性を増強するためのアジュバン
ト系を含んでいてもよい。好ましくは、前記アジュバント系は優先的にTH1型の 応答を生じさせる。
【0043】 免疫応答は極端な2つのカテゴリー(体液性または細胞媒介性免疫応答[慣例で
は、それぞれ抗体による、および細胞エフェクターによる防御機構によって特徴
付けられている])に大まかに区別することができる。これらの応答カテゴリーは
、TH1型応答(細胞媒介性応答)およびTH2型免疫応答(体液性応答)と呼ばれている
【0044】 極端なTH1型免疫応答は、抗原特異的でハプロタイプ拘束性細胞傷害性Tリン パ球の生成およびナチュラルキラー細胞の応答により特徴付けられる。マウスで
はTH1型応答はIgG2aサブタイプの抗体の生成により特徴付けられることが多いが
、ヒトではこれらはIgG1型抗体に相当する。TH2型免疫応答はマウスIgG1、IgAお
よびIgMを含む広範囲の免疫グロブリンアイソタイプの生成により特徴付けられ る。
【0045】 これらの2タイプの免疫応答の発生を陰で駆動している力はサイトカインであ
ると考えられる。高濃度のTH1型サイトカインは所与の抗原に対して細胞媒介性 免疫応答を好んで誘導する傾向があるが、高濃度のTH2型サイトカインは前記抗 原に対して体液性免疫応答を好んで誘導する傾向がある。
【0046】 TH1およびTH2型免疫応答の区別は絶対的なものではない。実際、ある人は、主
にTH1であるとか、主にTH21であると記載されるような免疫応答を支持している 。しかしながら、多くの場合、MosmannおよびCoffmanによりマウスCD4+veT細胞
クローンについて記載された内容(Mosmann,T.R.およびCoffmann,R.L. (1989) TH
1 and TH2 cells:differnt patterns of lymphokine secretion lead to differ
ent functional properties. Annual Review of Immnology, 7, p145-173)から 、サイトカインのファミリーを考慮するのが都合がよい。慣例上、TH1型応答は Tリンパ球によるINF-γおよびIL-2サイトカイン産生と関連している。TH1型免 疫応答の誘導に直接関わることの多い他のサイトカインは、IL-12等のT細胞に よっては産生されない。対照的に、TH2型応答はIL-4、IL-5、IL-6およびIL13の 分泌に関連している。
【0047】 特定のワクチンアジュバントがTH1またはTH2型のいずれかのサイトカイン応答
の刺激にとりわけ適していることが知られている。慣例上、ワクチン接種または
感染後の免疫応答におけるTH1:TH2平衡の最良の指標としては、抗原再刺激後の
in vitroでのTリンパ球によるTH1またはTH2サイトカイン産生の直接測定、およ
び/または抗原特異的抗体応答のIgG1:IgG2a比の測定が挙げられる。
【0048】 従って、TH1型アジュバントは、抗原によりin vitroで再刺激された際に優先 的に単離されたT細胞集団を刺激して高濃度のTH1型サイトカインを産生し、CD8
+細胞傷害性Tリンパ球の発生およびTH1型アイソタイプに関連した抗原特異的免
疫グロブリン応答を促進するものである。
【0049】 TH1細胞応答を優先的に刺激し得るアジュバントは、国際特許出願番号WO94/00
153およびWO95/17209に記載されている。
【0050】 3De-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)はそうしたアジュバントの 1つである。これはGB2220211(Ribi)により知られている。化学的には、該アジ ュバントは3De-O-アシル化モノホスホリルリピドAと4、5、6本のアシル化された
鎖との混合物であり、Ribi Immunochem. Montanaにより製造される。3De-O-アシ
ル化モノホスホリルリピドAの好ましい形態は、欧州特許第0 689 454 B1号(Smit
hKline Beecham Biologicals SA)に開示されている。
【0051】 好ましくは、3D-MPLの粒子は、0.22ミクロンの膜を通り抜けて滅菌ろ過される
のに十分な程度小さい(欧州特許第0 689 454 B1号)。3D-MPLは投与量あたり10μ
g〜100μg、好ましくは25〜50μgの範囲で存在する。この場合、抗原は通常投与
量あたり2〜50μgの範囲で存在する。
【0052】 別の好ましいアジュバントは、QS21(Quillaja Saponaria Molinaの樹皮から得
た、Hplc精製した毒性の無い画分)を含む。任意でこれを3De-O-アシル化モノホ スホリルリピドA(3D-MPL)と、場合により担体と共に混合することもできる。
【0053】 QS21の製造方法は米国特許第5,057,540号に開示されている。
【0054】 QS21を含有する反応性の無いアジュバント製剤は以前に記載されている(WO96/
33739)。QS21およびコレステロールを含むそうした製剤は、抗原と共に製剤する
場合には良好なTH1刺激性アジュバントであることが示されている。
【0055】 TH1細胞応答の優先的刺激物質である別のアジュバントとしては、免疫調節性 の(immunomodulatory)オリゴヌクレオチド、例えばWO96/02555に開示されている
非メチル化CpG配列が挙げられる。
【0056】 また、前述したもののような異なるTH1刺激アジュバントの組み合わせも、TH1
細胞応答の優先的な刺激物質であるアジュバントを提供する際に考慮される。例
えば、QS21を3D-MPLと共に製剤化することができる。通常、QS21:3D-MPL比は1:1
0〜10:1であり、好ましくは1:5〜5:1であり、多くの場合は実質的に1:1である。
最適な共働作用のために好ましい範囲は、2.5:1〜1:1の3D-MPL:QS21である。
【0057】 好ましくは、本発明のワクチン組成物中に担体も存在する。前記担体は水中油
型エマルジョンであっても、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム等の
アルミニウム塩であってもよい。
【0058】 好ましい水中油型エマルジョンは代謝可能な油、例えばスクアレン、α-トコ フェロールおよびTween80を含む。特に好ましい態様では本発明のワクチン組成 物中の抗原をそのようなエマルジョン中でQS21および3D-MPLと組み合わせる。更
に、前記水中油型エマルジョンはスパン85および/またはレシチンおよび/また
はトリカプリリン(tricaprylin)を含んでいてもよい。
【0059】 通常、ヒトへの投与の場合は、QS21および3D-MPLは投与量あたり1〜200μgの 範囲内、例えば10〜100μg、好ましくは10〜50μgの範囲内でワクチン中に存在 する。通常、水中油型エマルジョンは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のα-ト コフェロールおよび0.3〜3%のTween80を含む。好ましくは、スクアレン:α-ト
コフェロール比は1以下であり、これによってより安定なエマルジョンが提供さ
れる。また、スパン85は1%という濃度で存在しうる。幾つかの場合、本発明の
ワクチンが更に安定化剤を含むことが有益であろう。
【0060】 毒性の無い水中油型エマルジョンは、好ましくは、毒性の無い油(例えばスク アランもしくはスクアレン)、または乳化剤(例えばTween80)を水性担体中に含む
。前記水性担体は、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水でありうる。
【0061】 水中油型エマルジョン中にQS21、3D-MPLおよびトコフェロールを含む特に有効
なアジュバント製剤はWO95/17210に記載されている。
【0062】 また本発明は、本発明のワクチン製剤を他の抗原、特に癌、自己免疫疾患およ
び関連病態の治療に有用な抗原と組み合わせて含む多価ワクチン組成物を提供す
る。そのような多価ワクチン組成物は前記のTH1誘導性アジュバントを含みうる 。
【0063】 本発明はまた、診断薬としての本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機
能障害と関連した、配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺伝子
の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現または空間的もしくは時間的
に変化した発現により生ずる疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加し
うる、またはその診断を下しうる診断用ツールを提供するだろう。該遺伝子に突
然変異がある個体を、さまざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことがで
きる。
【0064】 診断用の核酸は、被験者の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織の生検または剖
検材料由来の細胞から得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用
してもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を使ってゲノムDNAを酵素的
に増幅してもよい。同様の方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる
。欠失および挿入は、正常な遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化
により検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識CASB47ヌクレオチド配列とハ
イブリダイズさせることで同定できる。完全にマッチした配列とミスマッチの二
重鎖とはRNアーゼ消化により、または融解温度の差異により区別できる。また
、DNA配列の差異は、変性剤を含むもしくは含まないゲルでのDNA断片の電
気泳動の移動度の変化により、または直接DNA塩基配列決定によっても検出で
きる(例えば、Myersら, Science (1985) 230:1242 を参照のこと)。特定位置 での配列変化はヌクレアーゼプロテクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよ
びS1プロテクション)または化学的開裂法によっても確認できる(Cottonら,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1985) 85:4397-4401を参照のこと)。別の実施態
様では、例えば、遺伝子変異の効率のよいスクリーニングを行うため、CASB47ヌ
クレオチド配列またはその断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイを構
築することができる。アレイ技法は周知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子
発現、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を含めた分子遺伝学のさまざまな問題を解
き明かすために用いられている(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.61
0-613 (1996) を参照のこと)。
【0065】 診断アッセイは、前記の方法によりCASB47ヌクレオチド配列の変異を検出する
ことで、癌、自己免疫疾患および関連病態への罹りやすさを診断または判定する
方法を提供する。さらに、被験者から得られたサンプルからポリペプチドまたは
mRNAのレベルの異常な低下または増加を測定する方法により、前記疾患の診
断を下すことができる。発現の低下または増加は、当業界で公知のポリヌクレオ
チドの定量法のいずれを用いてもRNAレベルで測定することができる。宿主か
ら得られたサンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレベルを測定
するために使用できるアッセイ法は当業者によく知られている。
【0066】 かくして、もう一つの態様において、本発明は、 (a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列
)もしくはその断片、 (b) (a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、 (c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)もしく
はその断片、または (d) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対す
る抗体、 を含んでなる、診断アッセイを実施するための診断用キットに関する。
【0067】 また、本発明のヌクレオチド配列は染色体位置決定にも有用である。この配列
は個々のヒト染色体上の特定の位置を特異的にターゲッティングし、その特定位
置とハイブリダイズすることができる。本発明に従って関連配列をマッピングす
ることは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一段階
である。ひとたび配列が正確な染色体位置にマップされたら、その染色体上のそ
の配列の物理的位置を遺伝的地図データと相関させることができる。この種のデ
ータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopkins
University Welch Medical Library からオンラインで入手可能) 中に見いだせ
る。その後、同一の染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との関係を連鎖解析
(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認する。罹患個体と非罹患個体と
のcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることができる。
【0068】 本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細
胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原として
も使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他
の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実
質的に高い親和性を示すことを意味する。
【0069】 さらなる態様において、本発明は本発明のポリペプチドまたはその免疫原性断
片(本明細書中上記にて定義したとおりである)に対して免疫特異的な抗体を提
供する。好ましくは、該抗体はモノクローナル抗体である。
【0070】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(
好ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類
似体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製に
は、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる
。例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (
1975) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら,
Immunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら, Mo
noclonal Antibodies and Cancer Therapy, 77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)
などがある。
【0071】 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生するために、米国特許第4,94
6,778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法も適応することができる。また 、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動
物を含む他の生物を利用することができる。
【0072】 前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定した
り、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもで
きる。
【0073】 本発明の抗体はまた、癌(特に大腸癌、卵巣癌、肺癌および脳癌)、自己免疫
疾患および関連病態を予防または治療するためにも用いられ得る。
【0074】 本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を誘導またはモジュレー
トする方法に関するものであり、この方法は、特に前記疾患の症状もしくは進行
を防ぐかまたは改善するための抗体および/またはT細胞免疫応答を生ずるのに
十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明の
さらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗体を産生させるような免
疫学的応答を誘導するために、in vivo で本発明のポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポリペプチドを送達するこ
とを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を誘導またはモジュレートする
方法に関する。
【0075】 それゆえ、本発明によって、CASB47ポリペプチド活性の存在、該活性の過剰、
または該活性の過少発現のいずれかと関連した、例えば癌および自己免疫疾患、
特に大腸癌、卵巣癌、肺癌および脳癌などの異常な状態を治療する方法が提供さ
れることが理解されるであろう。
【0076】 さらに本発明は、CASB47ポリペプチドの機能を刺激または抑制する化合物を同
定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的には、前記疾患の治
療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使用される。種々
の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリーおよび天然産物
の混合物から化合物を同定することができる。このように同定されたアゴニスト
、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリペプチドの天然の
または修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであってよく、また、その
構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coliganら, Current Proto
cols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)。スクリーニング 法は当業者には公知であろう。さらなるスクリーニング法は、例えば D. Bennet
tら, J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1995) およびK. Johansonら, J. Biol. C
hem., 270(16):9459-9471 (1995)ならびに本明細書中の引用文献にみられる。
【0077】 したがって本発明は、本発明のポリペプチドの機能を刺激または抑制する化合
物を同定するためのスクリーニング法であって、以下: (a) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に
直接または間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、標識競合物質の
存在下で測定すること、 (c) 候補化合物が上記ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナ ルをもたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適し
た検出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液とを一緒 にして混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定して、該混合
物の活性をスタンダードと比較すること、または (e) 候補化合物が細胞における上記ポリペプチドをコードするmRNAおよび該 ポリペプチドの産生に及ぼす効果を例えばELISAアッセイを用いて検出すること 、 よりなる群から選択される方法を含んでなるスクリーニング法を提供する。
【0078】 膜に結合した受容体または可溶性の受容体が存在するのであれば、当業界で公
知の標準的な受容体結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明のポリ
ペプチドを用いることができる。また周知のスクリーニング法を用いて、その受
容体への本発明のポリペプチドの結合に関して競合する、本発明のポリペプチド
のアゴニストまたはアンタゴニストを(もし存在するのであれば)同定すること
もできる。
【0079】 かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドに対するアゴ
ニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種の
ポリペプチドの産生を低減または増加させる化合物を同定するためのスクリーニ
ングキットに関し、このキットは、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、 (c) 本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または (d) 本発明のポリペプチドに対する抗体、 を含んでなり、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2のポリペプチドである
。 当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチ
ドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用で
きることが容易に理解されよう。この方法は、 (a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、 (b) アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの確実と思われる反応部
位または結合部位の三次元構造を想定し、 (c) 想定された反応部位または結合部位と結合または反応すると予想される候
補化合物を合成し、そして (d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビター
であるか否かを調べる、 ことを含んでなる。
【0080】 また、遺伝子治療を利用して、被験者の適切な細胞によりCASB47ポリペプチド
を内生的に産生させることもできる。遺伝子治療の概要については、Human Mole
cular Genetics, T StrachanおよびA P Read, BIOS Scientific Publishers Ltd
(1996)中、20章 Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeuti
c Approaches(および本明細書で引用した引用文献)を参照のこと。
【0081】 ワクチン調製については、Pharmaceutical Biotechnology, Vol.61 Vaccine D
esign-the subunit and adjuvant approach(PowellおよびNewmanによる編集),
Plenurn Press, 1995; New Trends and Developments in Vaccines(Vollerら による編集), University Park Press, Baltimore, Maryland, U.S.A. 1978に 一般的に記載されている。リポソーム内へのカプセル化は、例えばFullerton, 米国特許第4,235,877号に記載されている。タンパク質の巨大分子へのコンジュ ゲート化は、例えばLikhite,米国特許第4,372,945号、およびArmorら,米国特許 第4,474,757号により開示されている。
【0082】 各ワクチン用量中のタンパク質量は、典型的なワクチンにおいては、重大かつ
不利益な副作用を引き起こすことなく免疫防御応答を誘導する量として選択され
る。そのような量は、用いた特定の免疫原によって異なるであろう。一般的には
、各用量はタンパク質を1〜1000μg、好ましくは2〜100μg、最も好ましくは 4〜40μg含むことが期待される。特定のワクチンについての最適な量は、被験 者における抗体力価およびその他の応答の測定を伴う標準的研究により確定する
ことができる。最初のワクチン接種に引き続いて、被験者は約4週間の間に1回
の追加免疫を受けることもある。
【0083】 「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」改変されたことを
意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それ
はそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。
例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離
されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように
、「単離された」ものである。
【0084】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデ
オキシリボヌクレオチドを指し、これは一本鎖および二本鎖の領域を含む、修飾
されていないRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAで
あり得る。
【0085】 本明細書中で用いる「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドと異なるが、不可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチド
とヌクレオチド配列の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、
基準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更
しても、しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配
列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および
末端切断(トランケーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体
は基準ポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプ
チドの配列と変異体の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一とな
るような相違に限られる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以
上の置換、欠失、付加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または付加
されるアミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくて
もよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は対立遺伝子変異体のよ
うに天然に存在するものでも、天然に存在することが知られていない変異体であ
ってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は
、突然変異誘発法または直接合成により作製することができる。
【0086】 当技術分野で知られた「同一性」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオ
チド配列の比較により決定された、2以上のかかる配列間の類縁性のことである
。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペプチド配列またはポリヌクレオチド
配列の鎖間の一致度(match)により決定された、このような配列間の配列類縁性 の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の方法により難なく算出
することができ、こうした方法として、例えば Computational Molecular Biolo
gy, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing:
Informatics and Genome Projects, Smith, D.W. 編, Academic Press, New Yo
rk, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and
Griffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in M
olecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysi
s Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. 編, M Stockton Press, New York,
1991; および Carillo, H. and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073
(1988) に記載された方法があるが、これらに限らない。同一性を決定するため
の好ましい方法は、検討する配列間で最大級のマッチングが得られるように設計
される。同一性および類似性を決定する方法は一般に入手可能なコンピュータプ
ログラムに編集されている。2配列間の同一性および類似性を決定するための好
ましいコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケージ (Deve
reux, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984))、BLASTP、BL
ASTNおよびFASTA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410 (
1990)) があるが、これらに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよ
び他のソースから一般に入手可能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI
NLM NIH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Biol. 215: 403-410
(1990))。公知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することが できる。
【0087】 使用した好適なアルゴリズムはFASTAである。このアルゴリズムを用いた
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列比較のための好適なパラメーターは
、以下のものを含む: ギャップペナルティー:12 ギャップ伸長ペナルティー:4 ワードサイズ:2、最大6 ポリペプチド配列をその他の方法で比較するための好ましいパラメーターは次
のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970) 比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 89: 10915-10919 (1992) ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターを用いて有効なプログラムは Genetics Computer Group
(Madison WI)から「gap」プログラムとして一般に入手可能である。前記の
パラメーターはポリペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(default par
ameter) である(末端ギャップのペナルティーは無し)。
【0088】 ポリヌクレオチド配列を比較するための好ましいパラメーターは次のものを含
む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターを用いて有用であるプログラムは Genetics Computer G
roup(Madison WI)から「gap」プログラムとして公に入手可能である。前記パ
ラメーターはポリヌクレオチド比較のためのデフォルトパラメーターである。
【0089】 例として、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1の基準配列と同一で
ある、すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または該基準配列 に対して、一定の整数個までのヌクレオチド変異を含んでいてもよい。そのよう
な変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびト
ランスバージョンを含む)または挿入よりなる群から選択され、こうした変異は
基準ヌクレオチド配列の 5'もしくは 3'末端位置、またはこれらの末端位置の間
のどこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオチドの間に個々に、または基準
配列内に1以上の連続するグループとして散在する。ヌクレオチド変異の数は、
配列番号1のヌクレオチドの総数に、それぞれの同一性%値の絶対比率(100で 割った値)を掛け、その積を配列番号1のヌクレオチドの総数から差し引くこと
により、すなわち、次式: n ≦x −(x・y) により求めることができる。式中、nはヌクレオチド変異の数であり、x
配列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは例えば70%については0.70、80%
については0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.
95などであり、さらにxとyの非整数の積は、その積をxから引く前に、最
も近似する整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌク
レオチド配列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレー
ムシフト突然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチ
ドによりコードされたポリペプチドを改変させることができる。
【0090】 同様に、本発明のポリペプチド配列は、配列番号2の基準配列と同一である、
すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または同一性%が100%未
満であるように基準配列に対して一定の整数個までのアミノ酸変異を含むことが
できる。このような変異は少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的およ
び非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入よりなる群から選択され、これらの
変異は基準ポリペプチド配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれ
らの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のアミノ酸の間に個々に
、または基準配列内に1以上の連続したグループとして散在する。アミノ酸変異
の数は、配列番号2中のアミノ酸の総数にそれぞれの(100で割った)同一性% の絶対比率を掛け、その積を配列番号2中のアミノ酸の総数から引くことにより
、すなわち次式により求められる。
【0091】 na ≦xa −(xa・y) 式中、naはアミノ酸変異の数であり、xaは配列番号2中のアミノ酸の総数であ
り、yは例えば70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85
等であり、さらにxaとyの非整数の積は、その積をxaから引く前に、最も近似
する整数に切り下げる。
【0092】 「相同体」とは、当技術分野において用いられる、被験配列に対し高度な配列
近縁性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指す総称用語である
。この類縁性は前述のように比較した配列間の同一性および/または類似性の程
度を決定することにより定量化することができる。別々の種における機能的に等
価なポリヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する「オーソログ体」、同じ種
内で考える場合に機能的に類似した配列を意味する「パラログ体」という用語は
、この総称用語の範囲に含まれるものである。
【0093】実施例 実施例1 癌で示差的に発現される新規遺伝子の選別に用いられるデータベーススクリーニ ング方法 1.1 はじめに 実験による抗原の発見への補足的なアプローチは、腫瘍特異的抗原および腫瘍
関連抗原を探し求めてヒトゲノムデータベース、特に「Expressed Sequence Tag
s」(ESTs)のデータベースを探索することである。ESTは、特定の組織または細胞
系から抽出されたmRNAのコレクションから作製されたcDNAの小断片(約300bp)で ある。現在、疾患の種々のタイプおよび状態から得た腫瘍組織などの数百ものcD
NA組織ライブラリーから大量のEST(106)が提供されている。特別に設計された情
報科学ツールによって、人為的な要素が注意深く回避されるという条件で、この
データベース内で抗原の可能性のある候補のサブセットを探索することができる
。特定の選別を可能にするために、まず、健康な組織と病気の組織の両方から得
たライブラリーを、異なる質基準(組織の質、ライブラリー構築法、配列決定の 完全性(sequencing depth)および質、多様度指数、フレームシフト)に基づいて 選択しなければならない。次いで、選択されたこれらのライブラリーから得たES
T配列を比較して、腫瘍組織で特異的に発現されるかあるいは有意に過剰発現さ れるそれらの遺伝子を同定する。現在、この方法はこれらのライブラリーの配列
決定の完全性により制限され、すなわち典型的には特定組織の全発現遺伝子のわ
ずか約10%だけが特定のライブラリー由来のESTにより表されるにすぎない。この
制限は、組織ライブラリーをプールすることによって克服することができる。
【0094】 定義済み基準(遺伝子の新規性、推定発現パターン)のセットを用いて綿密にス
クリーニングした後、選択された候補は、例えばRT-PCRによって正常組織と腫瘍
組織における選択的発現についてさらに試験され得る。
【0095】1.2 方法 オリジナルのESTデータベースを、断片全てをオーバーラップ「遺伝子群(gene
tic cluster)」にアセンブルすることによって再編成する。これらのアセンブリ
を作製するのに使用できる公知のアルゴリズムがいくつか存在する。したがって
、得られるアセンブリそれぞれは、完全な遺伝子またはその断片を表すコンセン
サス配列である。このプロセスにより情報の総量が一桁減少する。
【0096】 この方法は、ESTの数をカストマイズ可能な組織カテゴリーによってランク付 けすることによる「カストマイズした示差的発現(customized differential exp
ression)」によって候補の選択を可能にする。
【0097】 データは、 −「ESTs」テーブル(少なくともESTの名前またはIdおよび各ESTを作製したcDNA ライブラリーのコードを含む) −「アセンブリ」テーブル(少なくとも各アセンブリに対し、EST構成要素のリス
トを含む) −「ライブラリー」テーブル(少なくとも各cDNAライブラリーに対し、そのコー ド、組織もしくは細胞系のタイプ、疾患の状態(正常、腫瘍または非腫瘍疾患)を
含む) を含んでなるリレーショナルデータベースにおいて編成される。これらのテーブ
ル間には図1に示したようなリンクが作られる。
【0098】 次いで、cDNAライブラリーを5つのカテゴリーに分類する。各カテゴリーはさ
らにいくつかのグループ: −細胞系(正常な細胞系と癌細胞系に分離)のグループ −非癌性罹患組織のグループ −胎児/胚組織のグループ −正常組織のグループ −腫瘍組織のグループ −未知の起源の1グループ に分類される。
【0099】 次いで、リレーショナルデータベースに図2に示したような「ライブラリーの
グループ」と呼ばれるさらなるテーブルを加える。
【0100】 次のステップは、各アセンブリについての、ライブラリーの各グループ由来の
ESTの数のコンピューティング(例えばSybase Query Languageクエリーを用いる)
: −各アセンブリについて −各ESTについて −対応ライブラリーコードのチェック −対応グループコードの割り当て −同グループコードに割り当てられたESTの数のカウント −ESTの総数のカウント である。
【0101】 このステップの結果は、1アセンブリ当たり1ライン(line)および1グループ
コード当たり1カラム(column)を含み、最終的なESTカウントを含む「結果」と 呼ばれるテーブルである。
【0102】 「結果」テーブルを用いて各アセンブリについて個々の量を計算する。
【0103】 ・「腫瘍対正常比」(TNR): (EST_T,EST_F,EST_P,EST_O,EST_Tes,EST_Plの合計)/ESTの総数 式中、(EST_T)は組織または細胞系腫瘍であるグループに属する全ESTの合計で
あり、(EST_F)は、胎児の組織または細胞系のグループに属する全ESTの合計であ
り、EST_Pは正常前立腺組織由来のESTの総数であり、EST_Oは正常卵巣組織由来 のESTの合計であり、EST_Tesは正常精巣組織または細胞系由来のESTの総数であ り、EST_Plは胎盤組織由来のESTの総数である。いくつかの正常な組織、すなわ ち精巣、卵巣および前立腺のような「必須でない」組織(これは腫瘍としばしば
発現パターンを共有し得る(いわゆる「癌−精巣抗原」またはCT-抗原))、ならび
に胎盤、胎児および胚組織が含まれることに留意されたい。
【0104】 ・特定の標的癌または癌のタイプに対する候補の選択に関連するその他の合計。
例えば、乳癌を表す腫瘍組織または細胞系ならびに精巣および胎児組織から得た
ライブラリーのグループ由来のESTを合計することができる。これは、上記のCT-
抗原の検出に関連し得る。
【0105】 得られたテーブルは、「カストマイズした結果」と呼ばれ、1アセンブリ当た
り1ラインおよび算出した合計当たり1カラムを含み、そしてESTの総数のよう なその他の任意の関連情報を含む。
【0106】 次いで、「カストマイズした結果」は、所望の用途にしたがってソートされる
。関連ソーティングは、一次ソーティングキーとしてTNRカラムを使用し、二次 ソーティングキーとしてカストマイズした合計を使用することができる。
【0107】 続いて、定義済み閾値(例えばTNR>0.8)を越えた各アセンブリを公知の遺伝子
または遺伝子産物の配列データベースと任意の配列比較アルゴリズム(例えばBla
st)を用いて比較して、遺伝子の新規性についてスクリーニングする。同様の方 法で、配列比較をオリジナルのESTまたはアセンブリデータベースを用いて行っ て、選択的スプライシング変異体をチェックすることができる。
【0108】1.3. 結果
【表1】 EST分布 まとめると、EST分布は、卵巣腫瘍、大腸腫瘍、肺腫瘍、および脳腫瘍における 発現を示している。
【0109】1.4 参考文献 Wan J.S., Sharp S.J., Poirier G.M.-C., Wagaman P.C., Chambers J., Pyati
J., Hom Y.-L., Galindo J.E., Huvar A., Peterson P.A., Jackson M.R., Erla
nder M.G.(1996) Nature Biotechnol. 14,1685。
【0110】 Pardoll D.M.(1996) Curr. Opin. Immunom. 8, 619。
【0111】実施例2 定性RT-PCR増幅 正常組織のパネルおよび少数の腫瘍サンプルにおけるmRNA転写産物の存在を非
定量RT-PCRによって評価する。
【0112】 19個の正常組織および3個の腫瘍サンプルの総RNAは、InVirtogenから購入した
。mRNAは、オリゴ-dT磁気ビーズ(Dynal)を用いてDNAse処理後に総RNAから精製す
る。200ngのmRNAを20μlの反応液中で逆転写し(Expand逆転写酵素, Boehringer)
、この反応液2μlを標準プロトコルを用いてPCR(AmpliTaq Gold, Perkin-Elmer)
により32サイクル(Perkin-Elmer 9600サーモサイクラー)で増幅させる。非鋳型 対照(NTC)は常に含まれている。増幅産物(10μl)を臭化エチジウム染色アガロー
スゲルにて視覚化する。PCR増幅用のオリゴヌクレオチドはコンピュータ(LaserG
ene PrimerSelectモジュール)で設計する。設計したオリゴヌクレオチドの特異 性は、その配列と公開されているデータベース内の配列とをFASTAアルゴリズム を用いて比較することによってin silicoで評価する。ハウスキーピングGAPDH遺
伝子の転写産物を、全組織サンプルにて同一条件下で増幅させる。GAPDHを陽性 対照として利用し、高発現遺伝子の視覚的基準とする。19個の正常組織と3個の 腫瘍サンプルにおけるRT-PCRによるCASB414 mRNAの検出を図3に示す。
【0113】実施例3 リアルタイムRT-PCR分析 リアルタイムRT-PCR(U.Gibson, 1996, Genome Research:6, 996)を用いて複数
の患者由来の腫瘍および正常大腸組織における候補抗原のmRNA転写産物存在度を
比較する。さらに、候補遺伝子のmRNAレベルを正常組織のパネルにおいて、この
手法により再評価する。
【0114】 総RNAをTriPure試薬(Boehringer)を用いて急速凍結大腸組織生検材料から抽出
する。正常組織由来の総RNAは上記のようにInVitrogen製である。ポリ-A+ mRNA をオリゴ-dT磁気ビーズ(Dynal)を用いてDNAse処理後に総RNAから精製する。mRNA
の定量化は、分光蛍光分析(BioRad)によってSybrII染料(Molecular Probes)を用
いて行う。増幅用のプライマーは、TaqMan増幅条件用のデフォルトオプションを
用いてPerkin-Elmer Primer Expressソフトウェアで設計する。
【0115】 リアルタイム反応を、各反応について、標準PCRプロトコルにしたがって2ngの
精製mRNAを用いてアセンブルする。SybrI染料(Molecular Probes)をリアルタイ ム検出のために1/75000の最終希釈度で加える。増幅(40サイクル)およびリアル タイム検出は、PE7700システムにて行う。Ct値を、各患者の腫瘍(CtT)および正 常(CtN)サンプルについて7700 Sequence Detectorソフトウェアを用いて計算す る。Ct値間の差(CtN-CtT)は、腫瘍組織と正常組織の間の転写産物レベルの差の 直接的な尺度である。Ct値はコピー数に対数直線的に関連しており、一般的な実
験条件下でのPCR増幅の効率は理論的な増幅効率に近似しているので、2(CtN-CtT ) は、2つの組織における相対的転写産物レベルの推定値(すなわち、腫瘍中のmR
NA過剰発現の倍率)である。過剰発現している患者のパーセンテージおよびこれ らの患者の腫瘍におけるmRNA過剰発現の平均レベルを、18人の患者のデータセッ
トから計算する。さらに、12個の正常組織で得られたCt値を、候補抗原およびβ
-アクチンについて提供する。
【0116】
【表2】
【表3】 12個の正常組織におけるCASB47およびアクチンについてのリアルタイムRT-PCR C
t値 記号:Bla:膀胱、Bra:脳、Bre:乳房、Cer:子宮頸、Hea:心臓、Kid:腎臓、
Liv:肝臓、Lun:肺、Oes:食道、Pla:胎盤、Rec:直腸、Ute:子宮実施例4 完全長cDNA配列の同定 大腸腫瘍cDNAライブラリーをλZapIIシステム(Stratagene)を用いて5μgのポ リA+ mRNAから構築する。SuperscriptII(Life Technologies)を逆転写ステップ に用いる以外は提供されたプロトコルに従う。オリゴdTでプライムしたライブラ
リーおよびランダムプライムしたライブラリーを構築する。各ライブラリースク
リーニングに対して約1.5×106の独立したファージを平板培養する。ファージプ
ラークをナイロンフィルター上に移し、AlkPhos Directで標識したcDNAプローブ
を用いてハイブリダイズさせる。陽性ファージを化学発光により検出する。陽性
ファージを寒天平板から切り出し、500μlのSMバッファーで溶離し、遺伝子特異
的PCRにより確認する。溶離したファージをin vivo切り出しによって1本鎖M13バ
クテリオファージに変換する。次いで、該バクテリオファージを大腸菌(E.coli)
の感染によって2本鎖プラスミドDNAに変換する。感染した細菌を平板培養し、cD
NAプローブによるスクリーニングの第2ラウンドを行う。プラスミドDNAを陽性細
菌クローンから精製し、両方の鎖について配列決定する。
【0117】 完全長遺伝子をcDNAライブラリーから直接取得することができない場合、欠け
ている配列はRACE技術(Marathon Kit, ClonTech.)を用いて単離される。この手 法は、mRNAを2本鎖cDNAに逆転写し、cDNAの末端にリンカーをライゲートし、遺 伝子特異的プライマーおよびリンカーオリゴヌクレオチドの一つを用いてcDNAの
所望の末端を増幅することに依拠する。Marathon PCR産物をプラスミド(pCRII-T
OPO, InVitrogen)にクローニングし、配列決定する。
【0118】実施例5: 5.1 腫瘍特異的抗原の発現および精製 ワクチン用途のために本発明の抗原を産生させるため、そして天然発現のタン
パク質の免疫組織化学による特性評価に必要な抗体の迅速な精製および作製、ま
たは精製の追跡用のタンパク質断片またはタンパク質全体を産生させるために、
微生物宿主における発現を用いる。
【0119】 組換えタンパク質が2つの微生物宿主、大腸菌および酵母(Saccharomyces cer
evisiaeまたはPichia pastorisなど)において発現され得る。このことによって 、この特定の抗原産生にとって最良の特性を有する発現系の選択が可能である。
一般的に、組換え抗原は大腸菌で発現され、試薬タンパク質は酵母で発現される
【0120】 発現の戦略は、まず、組換え抗原の一次構造の設計を含む。一般に、抗原の免
疫原性特性をモジュレートするのに有用な領域、免疫融合パートナー(IFP)をも 含み得る発現融合パートナー(EFP)が、発現レベルを向上させるためにN末端に配
置される。加えて、さらに精製を促進するのに有用なアフィニティ融合パートナ
ー(AFP)がC-末端に含まれる。
【0121】 組換え株が入手可能な場合、組換え産物は、発現レベルの評価、および粗抽出
物中の反応の分析によるタンパク質のさらなる可溶性の予測によって特徴付けら
れる。
【0122】 適当な培地上で増殖させ、組換えタンパク質の発現を誘導した後、全抽出物を
SDS-PAGEで分析する。組換えタンパク質を、染色ゲルで視覚化し、特異的抗体を
用いてウェスタンブロット分析で同定する。
【0123】 種々のタイプの発現した抗原を比較評価することで、さらなる精製および免疫
学的評価に用いられることになる最も有望な候補の選別が可能になる。
【0124】 精製操作は、組換えタンパク質におけるアフィニティHis末端の存在に基づく 古典的な手法に従う。典型的な実験では、破壊した細胞を濾過し、細胞抽出物を
、組換えタンパク質を特異的に保持するイオン金属アフィニティクロマトグラフ
ィー(Ion Metal Affinity Chromatography)(IMAC: Qiagen製のNi++NTA)にかける
。保持されたタンパク質をリン酸バッファー中0〜500mMのイミダゾール勾配(可 能な限り界面活性剤の存在下)で溶出する。このステップの後、Imacステップの
成功および混入物の性質に依存して最も適切なように陰イオン交換樹脂ステップ
およびサイズ排除クロマトグラフィーステップを行う。
【0125】5.2 抗体産生および免疫組織化学 少量の比較的精製されたタンパク質を用いて、 a) 正常または癌組織切片における免疫組織化学による発現を検出するため、 b) 発現を検出し、精製プロセス中のタンパク質を追跡するため(ELISA/ウェスタ
ンブロット)、または c) 精製タンパク質を特性評価/定量するため(ELISA) に、免疫学的ツールを作成することができる。
【0126】5.2.1 ポリクローナル抗体: 免疫感作 2〜3羽のウサギを、アジュバント3D-MPL/QS21中で処方した100μgのタンパク 質にて、3週間間隔で3回筋内投与(I.M.)により免疫感作する。各免疫感作の3週 間後、血液サンプルを採取し、抗体力価を、標準プロトコルにしたがってコーテ
ィング抗原としてタンパク質を用いて血清中でELISAによって評価する。
【0127】ELISA 96ウェルマイクロプレート(maxisorb Nunc)を5μgのタンパク質で4℃にて一晩
かけて被覆する。PBS NCS1%で37℃にて1時間飽和させた後、ウサギ血清の連続希
釈液を37℃で1時間30分かけて加える(1/10から出発)。PBS Tween中で3回洗浄し た後、抗ウサギビオチニル化抗血清(Amersham)を加える(1//5000)。プレートを 洗浄し、ペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(1/5000)を37℃で30分かけて
加える。洗浄後、50μlのTMB(BioRad)を7分かけて加え、次いで反応を0.2MのH2S
O4で停止させる。ODを450nmで測定し、SoftmaxProで中点希釈度を計算し得る。
【0128】5.2.2 モノクローナル抗体 免疫感作 5匹のBALB/cマウスを5μgの精製タンパク質にて3週間間隔で3回免疫感作する 。II後14日目、3後1週間目にブリージングを行う。この血清を、被覆抗原として
用いられる精製タンパク質についてElisaによって試験する。これらの結果(中点
希釈度>10000)に基づいて、融合のために1匹のマウスを選別する。
【0129】融合/HAT選別 標準プロトコルにしたがってPEG40%およびDMSO5%を用いて、脾臓細胞をSP2/0 骨髄腫と融合する。次いで、細胞を96ウェルプレートに2.5×104〜105細胞/ウェ
ルで接種して、耐性クローンをHAT培地中で選択する。これらのハイブリドーマ の上清を特異的抗体のその含量について試験し、陽性の場合、限界希釈法を2サ イクル行う。スクリーニングを2ラウンド行った後、3種のハイブリドーマを腹水
(ascitis)産生用に選択する。
【0130】5.2.3 免疫組織化学 抗体が入手可能な場合、 ・正常組織に対する癌における本発明のタンパク質抗原の発現のレベル、または ・その抗原を発現している一定のタイプの癌の割合、 ・その他の癌のタイプもその抗原を発現するかどうか、 ・癌組織においてその抗原を発現している細胞の割合、 ・その抗原の細胞局在化、 を測定するために、免疫染色を正常または癌組織切片で行う。
【0131】組織サンプル調製 切開後、組織サンプルをOCT化合物中でコルクディスク上にのせ、液体窒素(-1
60℃)中で予め過冷却したイソペンタン中で急速に凍結させる。次いで、ブロッ クを使用するまで-70℃で保存する。7〜10μmの切片はクライオスタットチャン バー(-20、-30℃)中で作製される。
【0132】染色 組織切片を室温(RT)で5分間乾燥し、アセトン中にRTにて10分間固定し、再び 乾燥し、PBS0.5%BSA5%血清で飽和する。RTで30分間置いた後、直接または間接染
色を抗原特異的抗体を用いて行う。直接染色は良好な特異性をもたらすが、染色
の強さは小さく、一方間接染色は染色の強さは大きいが染色の特異性が低い。
【0133】5.3 本発明の抗原に対するヒト細胞性免疫反応の分析 本発明の抗原の免疫学的な適切性はヒトT細胞のin vitro初回抗原刺激によっ て評価することができる。全てのT細胞リンパ球系および樹状細胞を健康なドナ ーのPBMC(末梢血単核細胞)(好ましくはHLA-A2サブタイプ)から誘導する。またHL
A-A2.1/KbトランスジェニックマウスをHLA-A2.1ペプチドのスクリーニングに用 いる。
【0134】 新たに発見された抗原特異的CD8+ T細胞系を週1回のin vitro刺激により生じ させ、維持する。抗原または抗原由来のペプチドに応答したCD8系のγ-IFN産生 および溶菌活性を標準方法で試験する。
【0135】 CD8+ T細胞系を生じさせるために2つのストラテジー、すなわちペプチドに基
づく手法と全遺伝子に基づく手法が用いられる。両手法には、適当な送達システ
ム中にクローニングするか、またはHLA結合ペプチドの配列を予測するのに用い られる、正確なリーディングフレームでの新たに発見された抗原の全長cDNAが必
要である。
【0136】ペプチドに基づく手法 HLA-A2結合ペプチド配列を、Parker'sアルゴリズムで予測する。次いで、ペプ
チドをHLA-A2.1/Kbトランスジェニックマウスモデル(Vitielloら)でスクリーニ ングする。簡単に述べると、トランスジェニックマウスをアジュバントを加えた
HLA-A2ペプチドで免疫感作し、CD8応答(ペプチドでパルスした自己脾臓細胞の効
率的な溶解により定義される)を誘導できないものをヒト系においてさらに分析
する。
【0137】 ヒト樹状細胞(Romaniらにしたがって培養)をペプチドでパルスし、CD8で選別 し刺激したT細胞に用いる(Facsによる)。週1回の刺激を数回行った後、CD8系を
まずペプチドパルス化自己BLCL(EBV-B形質転換細胞系)にて試験する。ペプチド の適正なin vivoプロセシングを確認するために、CD8系をcDNAトランスフェクト
腫瘍細胞(HLA-A2トランスフェクトLnCaP、Skov3またはCAMA腫瘍細胞)にて試験す
る。
【0138】全遺伝子に基づく手法 CD8+ T細胞系を、遺伝子銃でトランスフェクトした樹状細胞、レトロウイルス
により形質導入されたB7.1-トランスフェクト線維芽細胞、組換えポックスウイ ルス(Kimら)またはアデノウイルス(Butterfieldら)を感染させた樹状細胞のいず
れかで抗原刺激する。ウイルス感染細胞は、抗原が高レベルで発現されるので抗
原ペプチドを提示するのに非常に効率的であるが、ウイルスT細胞系の過剰増殖 を回避するために1回使用できるにすぎない。
【0139】 交互に刺激した後、CD8系を上記のようなcDNAトランスフェクト腫瘍細胞にて 試験する。ペプチドの特異性および同一性を決定して免疫学的な有効性を確認す
る。
【0140】参考文献 Vitielloら(L.Sherman), J. Exp. Med., J. Exp. Med., 1991, 173:1007-1015。
【0141】 Romaniら, J. Exp. Med., 1994, 180:93-93。
【0142】 Kimら, J. Immunother., 1997, 20:276-286。
【0143】 Butterfieldら, J. Immunol., 1998, 161:5607-5613。
【0144】 本明細書に引用された全ての刊行物、例えば限定するものではないが、特許お
よび特許出願などは、それぞれの刊行物が、あたかも完全に記載されているかの
如く参照により本明細書に組み入れるものとする。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 リレーショナルデータベースを示す図である。
【図2】 リレーショナルデータベースを示す図である。
【図3】 19個の正常組織と3個の腫瘍サンプルにおけるRT-PCRによるCASB47 mRNAの検出
の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/39 A61K 48/00 48/00 A61P 35/00 A61P 35/00 C07K 14/82 C07K 14/82 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12Q 1/68 Z 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 B A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 カサート,ジーン−ポル ベルギー国 リキセンザール ビー 1330 ルー デ ランスティテュート 89 ス ミスクライン ビーチャム バイオロジカ ルズ ソシエテ アノニム (72)発明者 コシェ,ティエリー ベルギー国 リキセンザール ビー 1330 ルー デ ランスティテュート 89 ス ミスクライン ビーチャム バイオロジカ ルズ ソシエテ アノニム (72)発明者 ヴィナルス−バソルズ,カーロタ ベルギー国 リキセンザール ビー 1330 ルー デ ランスティテュート 89 ス ミスクライン ビーチャム バイオロジカ ルズ ソシエテ アノニム

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対し
    て少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、単離されたポ
    リペプチド。
  2. 【請求項2】 アミノ酸配列が少なくとも95%の同一性を有する、請求項
    1に記載の単離されたポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプ
    チド。
  4. 【請求項4】 配列番号2の単離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のポリペプチドの免疫原性
    断片を含んでなるポリペプチドであって、該免疫原性断片の免疫原活性が配列番
    号2のポリペプチドのものと実質的に同一である、上記ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対し
    て少なくとも70%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、または単離された該ポリヌクレオ
    チドに相補的なヌクレオチド配列。
  7. 【請求項7】 配列番号2の全長にわたる配列番号2のポリペプチドをコー
    ドするヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチ
    ド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、または単離された該ポリヌク
    レオチドに相補的なヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 配列番号1の全長にわたる配列番号1のヌクレオチド配列に
    対して少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離さ
    れたポリヌクレオチド、または単離された該ポリヌクレオチドに相補的なヌクレ
    オチド配列。
  9. 【請求項9】 前記同一性が少なくとも95%である、請求項6〜8のいず
    れか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 以下の(a)〜(c)から選択される単離されたポリヌクレオチ
    ド: (a) 配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる ポリヌクレオチド; (b) 配列番号1のポリヌクレオチド;および (c) ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1の配 列もしくはその断片を有する標識プローブを用いて、適当なライブラリーをスク
    リーニングすることによって得られるポリヌクレオチド; または単離された該ポリヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれか1項記載の単離されたポリヌク
    レオチドを含む、発現ベクターまたは組換え生存微生物。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の発現ベクターを含む宿主細胞、または
    請求項1のポリペプチドを発現している、該宿主細胞の膜。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の宿主細胞を、請求項1に記載のポリペ
    プチドを産生させるのに十分な条件下で培養し、その培養培地から該ポリペプチ
    ドを回収することを含んでなる、前記ポリペプチドの生産方法。
  14. 【請求項14】 有効量の請求項1〜5のいずれか1項記載のポリペプチド
    および製薬上許容される担体を含むワクチン。
  15. 【請求項15】 有効量の請求項6〜10のいずれか1項記載のポリヌクレ
    オチドおよび製薬上許容される担体を含むワクチン。
  16. 【請求項16】 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリペプチドをin vit
    roで供給することにより改変したか、または請求項1に記載のポリペプチドを発
    現するようにin vitroで遺伝的に改変した、有効量の抗原提示細胞および製薬上
    許容される担体を含むワクチン。
  17. 【請求項17】 TH-1誘導アジュバントをさらに含む、請求項14〜16の
    いずれか1項記載のワクチン。
  18. 【請求項18】 TH-1誘導アジュバントが、3D-MPL、QS21、QS21とコレステ
    ロールの混合物、およびCpGオリゴヌクレオチドを含むアジュバントの群から選 択される、請求項17に記載のワクチン。
  19. 【請求項19】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドまたは
    免疫原性断片に対して免疫特異的な抗体。
  20. 【請求項20】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドの機能
    を刺激または抑制する化合物を同定するためのスクリーニング法であって、 (a) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に
    直接または間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持してい る細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質と、の結合を、標識競合物質
    の存在下で測定すること、 (c) 候補化合物が上記ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナ ルをもたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適し
    た検出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドを含 有する溶液とを一緒にして混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性
    を測定して、該混合物の活性をスタンダードと比較すること、または (e) 候補化合物が細胞における上記ポリペプチドをコードするmRNAおよび該 ポリペプチドの産生に及ぼす効果を例えばELISAアッセイを用いて検出すること 、 よりなる群から選択される方法を含んでなるスクリーニング法。
  21. 【請求項21】 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリペプチドまたは請
    求項6〜10のいずれか1項記載のポリヌクレオチドを哺乳動物の免疫系に由来
    する細胞と共にin vitroでインキュベートすることにより、請求項1〜5のいず
    れか1項記載の分子に対する免疫応答をin vitroで誘導すること、およびそれら
    の活性化免疫細胞を疾病の治療のために哺乳動物に注入することを含む、免疫学
    的予防または治療による被験者の処置方法。
  22. 【請求項22】 前記処置が卵巣癌、大腸癌、肺癌、または脳の癌に対する
    ものである、請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜5のポリペプチドに対するアゴニストまたはア
    ンタゴニスト。
  24. 【請求項24】 治療上使用するための、以下の(a)〜(c)のいずれかである
    化合物: (a) 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリペプチドに対するアゴニストま たはアンタゴニスト; (b) 請求項6〜10のいずれか1項記載の単離されたポリヌクレオチド;ま たは (c) 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリぺプチドをコードするヌクレオ チド配列の発現をモジュレートする核酸分子。
  25. 【請求項25】 被験者における請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリ
    ペプチドの発現または活性に関連した該被験者の疾病または該疾病への罹りやす
    さを診断する方法であって、 (a) 該被験者のゲノム内の該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列中 に突然変異が存在するか否かを調べること、および/または (b) 該被験者から得られたサンプル中の該ポリペプチド発現の存在または量 を分析すること、 を含んでなる方法。
  26. 【請求項26】 以下の(a)〜(d)からなる群から選択される単離されたポリ
    ヌクレオチド: (a) 配列番号3の全長にわたる配列番号3のヌクレオチド配列に対して少な くとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌ
    クレオチド; (b) 配列番号3のポリヌクレオチドを含んでなる単離されたポリヌクレオチ ド; (c) 配列番号3のポリヌクレオチド;または (d) 配列番号4の全長にわたる配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくと も70%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで
    なる単離されたポリヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 以下の(a)〜(e)からなる群から選択されるポリペプチド: (a) 配列番号4の全長にわたる配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくと も70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド; (b) 配列番号4の全長にわたる配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくと も70%の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド; (c) 配列番号4のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド; (d)配列番号4のポリペプチドからなるポリペプチド;または (e) 配列番号3に含まれる配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードさ
    れるポリペプチド。
  28. 【請求項28】 請求項11記載の発現ベクターまたは組換え生存微生物を
    含む生ワクチン組成物。
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