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Description

本発明は、腫瘍関連抗原に対する免疫応答を誘導するための医薬組成物およびその誘導のための方法に関する。より具体的には、本発明は、本明細書中でCASB7439ポリヌクレオチドと呼ぶポリヌクレオチド、それによりコードされるポリペプチド(本明細書中でCASB7439ポリペプチドと呼ぶ)、組換え物質、ならびにその生産方法に関する。別の態様において、本発明は、癌、特に結腸直腸癌、および自己免疫疾患ならびに他の関連病態の治療をはじめとする、前記ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。別の態様では、本発明はCASB7439ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを含む医薬組成物、このような組成物の製造方法および医療におけるその使用に関する。更なる態様では、本発明は、本発明により提供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴニスト/インヒビターを同定する方法、ならびに同定された化合物を用いてCASB7439ポリペプチド平衡異常と関連した症状を治療することに関する。さらに他の態様において、本発明は不適当なCASB7439ポリペプチド活性またはCASB7439ポリペプチドレベルと関連した疾病を検出するための診断アッセイに関する。
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、腫瘍に対する特定の予防または治療のための免疫用の重要な免疫原であると考えられている。何故なら、前記ポリヌクレオチドおよび前記ポリペプチドは、正常細胞と比較して腫瘍において特異的に発現されるかまたはかなり過剰に発現され、抗原特異的免疫機構の標的となって前記腫瘍細胞の破壊をもたらしうるからである。また、それらを使用して腫瘍細胞の発生を診断することもできる。さらに、特定の環境における不適切な発現により、自己免疫性の不適切な免疫応答の誘導を引き起こし得るが、該応答は前記と同様のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いる適切なワクチン接種により矯正することができる。この点において、本発明の目的として最も重要な生物学的活性は、本発明のポリペプチドの抗原性活性および免疫原性活性である。また、本発明のポリペプチドは、CASB7439ポリペプチドの少なくとも1つの他の生物学的活性を示すものであってもよく、該活性により本発明のポリペプチドを免疫応答に関連したものとは異なる治療的または予防的介入の標的とみなすことができる。
最初の態様において、本発明はCASB7439ポリペプチドに関する。この種のペプチドには、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14の全長にわたってそれぞれ配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチドが含まれるが、ただし、該単離されたポリペプチドは配列番号2、配列番号12または配列番号14ではない。こうしたポリペプチドには、配列番号3、配列番号7、配列番号10または配列番号11のアミノ酸を含んでなるポリペプチドが含まれる。
本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸配列が配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14の全長にわたってそれぞれ配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有する単離されたポリペプチドが含まれるが、ただし、該単離されたポリペプチドは配列番号2、配列番号12または配列番号14ではない。こうしたポリペプチドとしては、配列番号3、配列番号7、配列番号10および配列番号11のポリペプチドがある。好ましくは、上記ポリペプチドは組換え法により生産される。本発明の最も好ましいポリペプチドは、精製されたものであり、他の何らかのタンパク質または宿主に由来する混入物質を実質的に含まないものである。
本発明の更なるペプチドには、配列番号1に含まれる配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードされる単離されたポリペプチドが含まれる。
また本発明は、CASB7439ポリペプチドの免疫原性断片、すなわち配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列を含むCASB7439ポリペプチドと同様のまたは類似した免疫原特性を有する前記ポリペプチドの連続した部分、を提供する。すなわち、前記断片(必要であれば、担体に結合されているかまたはより大きな融合タンパク質の一部である)は、CASB7439ポリペプチドを認識する免疫応答を引き起こすことができる。こうした免疫原性断片には、例えば、N末端のリーダー配列、膜貫通ドメインまたはC末端のアンカードメインを欠くCASB7439ポリペプチドが含まれる。好ましい態様において、本発明のCASB7439の免疫原性断片は、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14の全長にわたってそれぞれ配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14のポリペプチドに対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するポリペプチドの実質的に全ての細胞外ドメインを含む。好ましくは、本発明の免疫原性断片は少なくとも1個のエピトープを含む。
CASB7439のエピトープを含むペプチド断片は、典型的に、配列番号2に由来する少なくとも7個、好ましくは9または10個の連続したアミノ酸を含んでなる。好ましいエピトープを配列番号16〜配列番号33に示している。
これらのエピトープを含むペプチドは、本発明の好ましい態様である。また、これらのエピトープと同じ特性を有するミモトープ(mimotope)、およびそのようなミモトープを含む免疫原であって、免疫応答を引き起こし、CASB7439分子に関するエピトープと交差反応するものは、本発明の一部を構成するものである。
したがって本発明は、それらのエピトープ自体およびそれらの任意のミモトープを包含する単離されたペプチドを含む。ミモトープの意味は、天然CASB7439エピトープと十分に類似しているために、該天然分子を認識する抗体により認識され得るもの(Gheysen, H.M.ら, 1986, Synthetic peptides as antigens. Wiley, Chichester, Ciba foundation symposium 119, p130-149; Gheysen, H.M., 1986, Molecular Immunology, 23,7, 709-715)であるか、あるいは適切な担体に結合した場合に該天然分子と交差反応する抗体を生じさせ得るものとして、定義される。
前記のエピトープのペプチドミモトープは、特定の目的のために、選択されたアミノ酸の付加、欠失または置換によって設計することができる。したがって、本発明のペプチドは、タンパク質担体への結合を容易にするために改変しても良い。例えば、ある種の化学結合法では、エピトープの末端にシステインを含有させることが好ましい。更に、タンパク質担体に結合させたペプチドについては、該ペプチドの結合末端から遠い位置に疎水性末端を含有させて、該ペプチドの非結合遊離末端が担体タンパク質の表面に結合されないままにすることが好ましい。それにより該ペプチドのコンホメーション上の自由度が低減するため、完全な分子の場合にみられるようなペプチドコンホメーションと最も近似しているコンホメーションで該ペプチドが提示される可能性が高まる。例えば、該ペプチドは、N末端システインおよびC末端疎水性アミド化テールを含有するように改変しうる。あるいは、1以上のアミノ酸のD-立体異性体の付加または置換を行うことにより、例えば該ペプチドの安定性を向上させるなど、有益な誘導体を作製しうる。そのような改変ペプチドまたはミモトープは、その構成残基が20種の天然アミノ酸に限定される必要はなく、全体としてもしくは部分的に非ペプチド性ミモトープであってもよいことは、当業者であれば理解できるであろう。さらにそれらは、当技術分野で公知の技術により環化して、該ペプチド配列が分子全体である場合の形状によく似たコンホメーションとすることができる。ペプチドを環化する好適な方法には、ジスルフィド架橋形成を生じうる一対のシステイン残基を付加することが含まれる。
さらに、当業者であれば、本発明のミモトープまたは免疫原が上記のエピトープより大きいものであって本明細書に開示した配列を含むものでありうることは理解されるだろう。したがって、本発明のミモトープは、一方または両方の末端においていくつかのさらなる天然残基をNおよび/またはC末端伸長部に付加したものからなっていてもよい。該ペプチドミモトープはまた、天然配列の逆配列、すなわち配列の方向が逆であるものか、あるいは該配列が全体としてまたは少なくとも一部がD-立体異性体のアミノ酸で構成されている(インベルソ(inverso)配列)ものであってよい。また、該ペプチド配列は特徴として逆−インベルソ(retro-inverso)、すなわち配列の方向が逆でありかつアミノ酸がD-立体異性体であるものであってもよい。そのような逆ペプチドまたは逆−インベルソペプチドは非自己であるという利点を有し、それにより免疫系における自己免疫寛容の問題が克服されうる。
あるいはペプチドミモトープは、本発明のエピトープに結合可能な抗体を用いて、ファージディスプレイ技法(EP 0 552 267 B1)等の技術によって同定することができる。この技術は、天然ペプチドの構造を模倣しておりそのため抗天然ペプチド抗体に結合可能であるペプチド配列を多数生成するが、それらの配列自体は天然ペプチドに対し有意に相同な配列を必ずしも共有していなくてもよい。この方法は増強された免疫原特性を有するペプチドを同定することができるようにすることにより大きな利点を有しうるものであり、すなわち天然ペプチド配列の使用に伴ういかなる潜在的な自己抗原免疫寛容の問題も克服することができる。さらに、この技術により、各天然ペプチドに対する認識パターンを、認識されたミモトープ配列の間で共有される化学的特性によって同定することができるようになる。
免疫原性担体へのペプチドの共有結合は当技術分野で周知の方法で行うことができる。したがって、例えば直接的な共有結合には、一般的な市販されているヘテロ二機能性リンカー、例えばCDAPおよびSPDPを(製造業者の説明書にしたがって)利用して、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、またはN-[γ-マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステルを使用することができる。結合反応の後、免疫原は、透析法、ゲルろ過法、分画法等により容易に単離および精製することができる。
本発明の免疫原に用いる担体の種類は、当業者であれば容易に認識できるであろう。担体の機能は、ペプチドに対する免疫反応を誘導させるようにサイトカインを促進することである。本発明で用いられうる担体を非網羅的に列挙すると、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)等の血清アルブミン、破傷風毒素もしくはジフテリア毒素(TTおよびDT)等の不活性化細菌性毒素、またはそれらの組換え断片(例えば、TTのフラグメントCのドメイン1、もしくはDTの転座ドメイン)、あるいはツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)が挙げられる。あるいは、ミモトープまたはエピトープは、T細胞を促進する免疫原をさらに含みうるリポソーム担体に直接結合させてもよい。好ましくはミモトープと担体の割合は1:1〜20:1であり、好ましくは各担体が3〜15個のペプチドを保持すべきである。
本発明の実施形態において、好適な担体はインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)由来のプロテインD(EP 0 594 610 B1)である。プロテインDは、インフルエンザ菌由来のIgD結合タンパク質であり、Forsgrenに特許が与えられている(WO 91/18926、特許付与番号EP 0 594 610 B1)。ある種の状況では、例えば組換え免疫原発現系においては、プロテインDの断片、例えばプロテインDの1/3(プロテインDのN末端の100〜110個のアミノ酸を含むもの(GB 9717953.5))を用いることが望ましい。
本発明のペプチドを提示するための別の好適な方法は、組換え融合分子に関連するものである。例えば、EP 0 421 635 Bは、ウイルス様粒子において外来ペプチド配列を提示するためのキメラヘパドナウイルスコア抗原粒子の使用について記載している。同様に本発明の免疫原は、B型肝炎コア抗原からなるキメラ粒子において提示されるペプチドを含んでもよい。さらに、組換え融合タンパク質は本発明のミモトープと担体タンパク質(例えばインフルエンザウイルスのNS1等)を含むものでありうる。本発明の一部を構成する組換え法により発現された任意のタンパク質に関して、前記免疫原をコードしている核酸もまた本発明の一態様を構成する。
本発明において用いられるペプチドは、当技術分野で周知の固相法により容易に合成できる。適切な合成は、「T-boc」法または「F-moc」法を用いることにより行うことができる。環状ペプチドは、よく知られた「F-moc」法およびポリアミド樹脂を用い、完全に自動化した装置にて、固相法で合成することができる。あるいは、当業者であればその過程を手作業で行うために必要な実験室的手法を認知しているであろう。固相合成のための技術および手法は、E. AthertonおよびR.C. Sheppardによる「固相ペプチド合成:実用的方法(Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach)」(IRL(Oxford University Press)発行(1989))に記載されている。あるいはペプチドは、細菌株または哺乳動物細胞系においてミモトープをコードする核酸分子を発現させ、その後発現されたミモトープを精製することを含む、組換え法により生成することができる。ペプチドおよびタンパク質の組換え発現のための技術は当技術分野で公知であり、Maniatis, T., Fritsch, E.F.およびSambrookらのMolecular cloning, a laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989)に記載されている。
本発明の更なる態様において、本明細書に記載のポリペプチドを生産する方法を提供する。本発明の方法は、Maniatis et al., Molecular Cloning-A Laboratory Manual ; Cold Spring Harbor, 1982-1989に記載されるような従来の組換え法によって実施することができる。したがって、本発明のポリペプチドの生産方法であって、該ポリペプチドを産生するために十分な条件下において宿主細胞を培養し、培養培地から該ポリペプチドを回収することを含む方法を提供する。特に、本発明の方法は、好ましくは、以下の工程を含みうる:
i)該タンパク質またはその免疫原性誘導体をコードするヌクレオチド配列を含むDNAポリマーを、宿主細胞中で発現することができる複製能を有する発現ベクターまたは組込み発現ベクターを調製し、
ii)該ベクターで宿主細胞を形質転換し、
iii)該DNAポリマーが発現して該タンパク質を産生できる条件下で該形質転換宿主細胞を培養し、そして、
iv)該タンパク質を回収する。
本発明のポリペプチドまたは免疫原性断片は「成熟」タンパク質の形であっても、前駆体または融合タンパク質のような、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しばしば、追加のアミノ酸配列を含めることが有利であり、このようなアミノ酸配列としては、分泌すなわちリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列、または組換え体産生の間の安定性を確保する付加的配列などがある。さらに、外来ポリペプチドまたは脂質テイル(lipid tail)またはポリヌクレオチド配列の追加により最終的な分子の免疫原としての可能性を高めることも考慮される。
1つの態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断片と、各種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖またはL鎖の定常領域の様々な部分と、を含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶性融合タンパク質に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にIgG1のH鎖の定常部が好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固因子Xaで開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単に除去できる。さらに、本発明は、これら融合タンパク質の遺伝子工学的作製方法、ならびに薬物スクリーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関する。本発明の特に好ましい態様は、癌(特に大腸癌)またはその他の大腸に関連する腫瘍または疾患に罹患しているまたはこれらに罹患しやすい患者を、免疫治療によって処置するためのワクチンの製造における、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの使用に関する。また、本発明の更なる態様はこのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する。融合タンパク質技術の例は国際特許出願 WO94/29458およびWO94/22914に見いだせる。
前記タンパク質を化学的に結合するかまたは組換え融合タンパク質として発現させることにより、発現系において該タンパク質が非融合タンパク質に比べて増大されたレベルで産生される。融合パートナーはTヘルパーエピトープ、好ましくはヒトにより認識されるTヘルパーエピトープの提供を助ける(免疫学的融合パートナー)か、または前記タンパク質の、元の組換えタンパク質より高い産生量での発現を助ける(発現エンハンサー)ことができる。好ましくは、前記融合パートナーは免疫学的融合パートナーおよび発現エンハンサーパートナーの両方である。
融合パートナーには、ヘモフィルス・インフルエンザB(Haemophilus influenza B)由来のプロテインDおよびインフルエンザウイルス由来の非構造タンパク質NS1(赤血球凝集素)が含まれる。別の免疫学的融合パートナーはLYTAとして知られるタンパク質である。好ましくは、該分子のC末端部分を使用する。Lytaは、N-アセチル-L-アラニンアミダーゼであるアミダーゼLYTA(lytA遺伝子によりコードされる[Gene. 43(1986) page 265-272])、すなわちペプチドグリカン骨格内の特定の結合を特異的に分解する自己分解酵素を合成するストレプトコッカス・ニューモーニア(Streptococcus pneumoniae)から得られる。前記LYTAタンパク質のC末端ドメインは、コリン、またはDEAE等の数種のコリン類似体に対する親和性に関与している。この性質を融合タンパク質の発現に有用な大腸菌(E.coli)C-LYTA発現プラスミドの開発に利用した。そのアミノ末端に前記C−LYTA断片を含有するハイブリッドタンパク質の精製については、Biotechnology:10. (1992) page 795-798に記載されている。前記Lyta分子のC末端に見出され、残基178から始まる反復部分(例えば残基188〜305)を使用することができる。
本発明はまた、上記ポリペプチドの異種形態(オーソログ体ともいう)を含み、異種形態とは、ヒト抗原(自己由来抗原ともいう)と実質的な配列同一性を有する抗原であって、参照抗原として役立つがヒト以外の異種に由来するものをいう。ここで、実質的な同一性とは、当技術分野で公知の多くのタンパク質配列アライメントのうち最も適合するアライメントで配列をアライメントさせたときの、あるアミノ酸配列と別のアミノ酸配列との一致度、または、あるポリヌクレオチド配列と別のポリヌクレオチド配列との一致度をいう。ここで、実質的な同一性とは、比較した配列間における、少なくとも70〜95%、好ましくは少なくとも85〜95%、最も好ましくは少なくとも90〜95%の配列同一性を意味する。したがって、本発明において、異種CASB7439ポリペプチドは、ヒトCASB7439に関して異種性であるCASB7439ポリペプチド、すなわち、ヒト以外の種から単離されたCASB7439ポリペプチドである。好ましい実施形態において、該ポリペプチドは、マウス、ラット、ブタまたはアカゲザル、最も好ましくはマウスまたはラットから単離される。したがって、本発明はまた、ヒトにおいて、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10または配列番号11で表されるいずれかのアミノ酸配列を有するヒトCASB7439に対する免疫応答を誘導する方法であって、本明細書に記載のヒトCASB7439の異種形態を含む組成物の有効量を被験体に投与することを含む方法を提供する。好ましい実施形態は、マウス、ラット、ブタまたはアカゲザルから単離された異種CASB7439を用いて、ヒトCASB7439に対する免疫応答を誘導する方法である。本発明による免疫応答を誘導するための別の好ましい方法は、該異種抗原を発現する生ウィルス発現系を含む抗原組成物を用いるものである。好ましい異種CASB7439ポリペプチドは、配列番号12(マウス)または配列番号14(ラット)に表される配列を有する。
単離された異種CASB7439ポリペプチドは、通常、実質的な配列類似性を共有しており、これらには配列番号12または配列番号14の全長にわたって、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチドが含まれる。したがって、異種ポリペプチドには、配列番号12または配列番号14のポリペプチドの免疫原性断片であって、該免疫原性断片の免疫原性活性は、配列番号12または配列番号14のポリペプチドのものと実質的に同一であるものが含まれる。さらに、異種CASB7439ポリペプチドは、配列番号12または配列番号14で表されるアミノ酸配列から選択される、少なくとも約20の連続アミノ酸、好ましくは約30、より好ましくは約50、さらにより好ましくは約100、最も好ましくは約150の連続アミノ酸の断片でありうる。特に、異種CASB7439断片は、配列番号12または配列番号14で表されるより大きい分子の何らかの機能的特性、好ましくは免疫学的活性を保持し、本明細書に記載の方法において有用である(例えば、医薬組成物およびワクチン組成物、診断薬などにおいて)。特に、該断片は、ヒト対応物に対する免疫応答、例えば、配列番号2で表されるCASB7439の自己由来ヒト形態と反応する交差反応性抗体の産生をもたらすことができる。特定の実施形態においては、本発明の異種ポリペプチドは、より大きな融合タンパク質の一部であってもよく、該融合タンパク質は、上記のように、異種CASB7439ポリペプチドまたはその断片と、融合パートナーとして作用する非相同タンパク質またはタンパク質の一部とを含む。
また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違しているポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Leu および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間;塩基性残基 LysとArgの間;または芳香族残基PheとTyr の間で起こる。特に、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任意の組合せで置換、欠失または付加されている変異体が好適である。
本発明のポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このようなポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産されたポリペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せにより製造されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するための手段は当業界でよく理解されている。
更なる態様において、本発明は、CASB7439ポリヌクレオチドに関する。このようなポリヌクレオチドには、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10または、配列番号11の全長にわたってそれぞれ配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10または、配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有するコード化ポリペプチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが最も好ましいものである。
本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10または、配列番号11のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して、その全コード領域にわたって、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいものである。
本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8または配列番号9の全長にわたってこれらの配列に対して、または配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8または、配列番号9のコード配列の全長にわたって配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8または配列番号9のコード配列に対して、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいものである。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8または配列番号9のポリヌクレオチドを含んでなるポリヌクレオチドおよび配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8または、配列番号9のポリヌクレオチドまたは配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8または配列番号9のコード領域が挙げられる。
本発明はまた、本発明の上記の異種タンパク質をコードする核酸および医療におけるその使用を提供する。好ましい実施例においては、医薬組成物において使用するための異種CASB7439ポリヌクレオチドは、配列番号13(マウス)または配列番号15(ラット)で表される配列を有する。本発明の単離された異種CASB7439ポリヌクレオチドは、一本鎖(コード鎖またはアンチセンス鎖)または二本鎖であり、またDNA(ゲノムDNA、cDNAまたは合成DNA)またはRNA分子でありうる。さらなるコード配列または非コード配列が、本発明のポリヌクレオチド内に存在してもよいが、必ずしもその必要はない。その他の関連する実施形態において、本発明は、本明細書で配列番号13または配列番号15として開示される配列と実質的な同一性を有するポリヌクレオチド変異体を提供する。例えば、本明細書に記載の方法(例えば、標準的なパラメーターを使用したBLAST分析)を使用して本発明のポリヌクレオチド配列と比較した場合に少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%またはそれ以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド変異体である。関連する実施形態においては、本発明の単離された異種ポリヌクレオチドには、配列番号12または配列番号14の全長にわたって、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは95%、およびそれ以上の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、または上記の単離されたポリヌクレオチドに対して相補的なヌクレオチド配列が含まれる。
本発明はまた、上記のポリヌクレオチドのすべてに対する相補的ポリヌクレオチドを提供する。
該ポリヌクレオチドは、好適なプラスミド、組換え微生物ベクターまたは組換え生存微生物に挿入して、免疫に使用することができる(例えば、Wolff et. al., Science 247 : 1465-1468 (1990) ; Corr et. al., J. Exp. Med. 184 : 1555-1560 (1996) ; Doe et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. 93 : 8578-8583 (1996)を参照されたい)。したがって、本発明では、本明細書で上記のように定義したポリヌクレオチドを含む発現ベクターまたは組換え生存微生物を提供する。
また本発明は、被験体に投与された際に配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号13または配列番号15のポリヌクレオチドと同様の免疫原特性を有する、CASB7439ポリヌクレオチドの断片も提供する。
また本発明は、前記で定義したCASB7439ポリペプチドの免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドも提供する。
該断片は、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12もしくは配列番号14で表されるポリペプチド配列、または配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号13もしくは配列番号15で表されるポリヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド配列の免疫原性活性のレベルの少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%の免疫原性活性レベルを有する。
本発明のポリペプチド断片には、好ましくは、本明細書に示すポリペプチド組成物の、少なくとも約5、10、15、20、25、50もしくは100個、またはそれ以上(すべての中間的長さを含む)の連続したアミノ酸を含む。本明細書に示すポリペプチド組成物としては、例えば、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12もしくは配列番号14で表されるもの、または、配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号13もしくは配列番号15で表されるポリヌクレオチド配列によってコードされるものが含まれる。
配列番号1のヌクレオチド配列は、193個のアミノ酸からなる配列番号2のポリペプチドをコードするポリペプチドコード配列(ヌクレオチド545〜1126)を含むcDNA配列である。配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に含まれるポリペプチドコード配列と同一でもよく、または、配列番号1に含まれるものとは別の配列であって、遺伝コードの重複(縮重)の結果として配列番号2のポリペプチドをコードするものでもよい。配列番号2のポリペプチドは、achaete scuteファミリーに属する別のタンパク質と構造的に関連があり、「ヒトAchaete Scute相同体2(HASH2)」(登録番号NP_005161およびAAB86993)とも称される。
ヒトAchaete Scute 相同体2(HASH2)遺伝子は、公式にはヒトASCL2(Achaete Scute複合体様2)と称され、Drosophila AchaeteおよびScute遺伝子の相同体である。ヒトASCL2は、発達中の胎盤の絨毛外栄養膜においてのみ発現し、IGF2およびH19に近接した11番染色体上の11p15に位置する。マウスachaete-scute相同体2遺伝子(MASH2)は、栄養膜の発達にはたらく転写因子をコードする。Mash2遺伝子はマウスにおいて父親由来としてインプリンティングされ、および良性の胞状奇胎(雄性発生)においてヒトASCL2の発現が欠失していることは、ヒトAscl2もまた男性においてインプリンティングされることを示している。
Ascl2遺伝子は、転写因子の標準的なヘリックス-ループ-ヘリックス(BHLH)ファミリーのメンバーである。これらはEボックス(5'-CANNTG-3')に結合することによって転写を活性化する。DNAへの効率的な結合のためには、その他のBHLHタンパク質との二量体化が必要とされる。これらはキイロショウジョウバエの末梢神経系および中枢神経系において神経前駆体の決定に関与するが、これはおそらく、哺乳動物においても同様である。
配列番号1のヌクレオチド配列の相補鎖は、配列番号6のポリヌクレオチド配列である。この鎖もまた、他の二つのポリペプチドコード配列を含む。第1のポリペプチドコード配列(配列番号1のヌクレオチド1184〜399、配列番号6のヌクレオチド608〜1393)は、262アミノ酸からなる配列番号3のポリペプチドをコードする。第2のポリペプチドコード配列(配列番号1のヌクレオチド840〜262、配列番号6のヌクレオチド952〜1530)は、193アミノ酸からなる配列番号11のポリペプチドをコードする。配列番号3および配列番号11のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号6に含まれるポリペプチドコード配列と同一であってもよく、配列番号6に含まれるのとは別の配列であるが遺伝コードの重複(縮重)の結果として配列番号3および11のポリペプチドをコードするものでもよい。配列番号3のポリペプチドは、スプライシングコアクチベータータンパク質ファミリーに属するその他のタンパク質と構造的に関連しており、ホモサピエンス・スプライシングコアクチベーターサブユニットsrm300(genbank accession AAF21439)との間で相同性および/または構造的類似性を有する。配列番号11のポリペプチドは、公知タンパク質のいずれとも関連していない。配列番号3および配列番号11に表されるポリペプチド配列、ならびに配列番号6に表されるポリヌクレオチド配列は、新規な配列であり、本発明の一部を構成する。
本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それと相同なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をもつことが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチド、免疫学的断片およびポリヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号11のいずれかの少なくとも1つの適当な活性を適宜有する。
また、本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号11の全長配列の決定に先立って最初に同定された部分的またはそれ以外の不完全なそれらに対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列に関する。
したがって、更なる態様において、本発明は以下:
(a)配列番号4および5の全長にわたって配列番号4および5のヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、
(b)配列番号4および5の全長にわたってそれぞれ配列番号1または6のヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは97〜99%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド、
(c)配列番号4および5の単離されたポリヌクレオチド、または
(d)配列番号2および7の全長にわたってそれぞれ配列番号2および7のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド、
ならびに配列番号4および5のポリヌクレオチド、を提供する。
本発明は、さらに以下のポリペプチドを提供する:
(a)配列番号2または7の全長にわたって配列番号2または7のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(b)配列番号2または7の全長にわたって配列番号2または7のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(c)配列番号2または7のアミノ酸を含むポリペプチド、および
(d)配列番号7のポリペプチド、
ならびに、配列番号4および5の配列に含まれる配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド。
本発明のポリヌクレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニング技術により、ヒト大腸癌の細胞中のmRNAから誘導されたcDNAライブラリーから得ることができる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory ManuaL 2nd Ed. Cold Spring harbor Laboratory Press. Cold Spring harbor, N.Y.(1989)を参照されたい)。また、本発明のポリヌクレオチドはゲノムDNAライブラリーのような天然源から得ることができ、市販されている周知の技術を用いて合成することもできる。
本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリペプチドの組換え体生産のために用いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単独、または他のコード配列(例えば、リーダーまたは分泌配列、プレ−またはプロ−またはプレプロ−タンパク質配列、もしくは他の融合ペプチド部分をコードする配列)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプチドのコード配列が含まれる。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得る。本発明のこの態様の好ましい具体例として、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)により提供されかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1989) 86:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、またはHAタグである。また、このポリヌクレオチドは5'および3'非コード配列、例えば、転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。
本発明の更なる具体例としては、数個、例えば5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付加されている、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド変異体をコードするポリヌクレオチドがある。
配列番号1または配列番号6に含まれるヌクレオチド配列と同一であるか十分に同一であるポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離するために、また、配列番号1または配列番号6に対して高い配列類似性を有する他の遺伝子(ヒト起源のパラログ体(paralog)ならびにヒト以外の種に由来するオーソログ体(ortholog)およびパラログ体をコードする遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクローンを単離するために、cDNAおよびゲノムDNA用のハイブリダイゼーションプローブとして、または核酸増幅(PCR)反応用のプライマーとして用いることができる。一般的に、これらのヌクレオチド配列は基準のヌクレオチド配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%同一である。プローブまたはプライマーはたいてい15個以上のヌクレオチドを含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上のヌクレオチドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30〜50個の範囲のヌクレオチドを有するものである。特に好ましいプライマーは20〜25個の範囲のヌクレオチドを有するものである。特に、近縁な動物起源からの配列に由来するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを免疫原として使用して、ヒトの遺伝子に対する交差反応性免疫応答を得ることができる。
本発明のポリペプチド(ヒト以外の種に由来する相同体を含む)をコードするポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号6の配列またはその断片を有する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングし、該ポリヌクレオチド配列を含む全長cDNAおよびゲノムクローンを単離する各工程を含んでなる方法により得られる。このようなハイブリダイゼーション技法は当業者に周知である。好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50% ホルムアミド、5×SSC (150mM NaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×Denhardt溶液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断したサケ精子DNAを含有する溶液中42℃で一夜インキュベートし、次いでフィルターを0.1×SSC 中約65℃で洗浄することを含む。かくして、本発明は、配列番号1または配列番号6の配列またはその断片を有する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングすることにより得られるポリヌクレオチドをも包含する。
当業者には理解されるように、多くの場合、ポリペプチドをコードする領域がそのcDNAの5'末端で短く切断されることから、単離されたcDNA配列は不完全であるだろう。
完全長cDNAを得るための、または短鎖cDNAを伸長させるための、当業者に周知で利用可能な方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法(RACE)に基づいた方法がある(例えば、Frohmanら,PNAS USA 85, 8998-9002, 1988を参照のこと)。例えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.)により示されるような、上記技法の最近の改良により、より長いcDNAの検索が大いに簡便化された。MarathonTM技術では、所定の組織より抽出されたmRNAからcDNAを作製し、各末端に「アダプター」配列を連結する。続いて、遺伝子特異的およびアダプター特異的なオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて核酸増幅(PCR)を行い、cDNAの「欠失」5'末端を増幅する。次に、「ネステッド(nested)」プライマー、すなわち増幅産物の内部にアニールするように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列のさらに3'側にアニールするアダプター特異的プライマーおよび既知遺伝子配列のさらに5'側にアニールする遺伝子特異的プライマー)を用いてPCR反応を繰り返す。その後、この反応の産物をDNA塩基配列決定により解析し、この産物を既存のcDNAに直接結合して完全な配列とするか、または5'プライマー設計用の新たな配列情報を用いて別の全長PCRを行うことにより、全長cDNAを構築することができる。
本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で周知の方法を用いて、発現系を含有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含有する発現系、該発現系により遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明のポリペプチドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタンパク質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作する。宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Biology (1986) および Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989) などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適なこうした方法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduction)または感染などがある。
好ましくは、本発明のタンパク質をトランス型チオレドキシン(thioredoxinin trans:TIT)と共発現させる。プロテアーゼを必要とすること無しに、抗原をチオレドキシンの無い状態に維持するためには、シス型よりもトランス型のチオレドキシンを共発現させることが好ましい。チオレドキシンの共発現は本発明のタンパク質の可溶化を容易にする。また、チオレドキシンの共発現はタンパク質の精製収率、精製されたタンパク質の溶解性および品質に重大な影響を与える。
適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵母、アスペルギルス)、昆虫細胞(例:ショウジョウバエS2、スポドプテラSf9)、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C 127、3T3、BHK、HEK 293、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられる。
多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、例えば、染色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を起こさせるだけでなく発現を調節する制御領域を含んでいてもよい。一般的に、宿主内でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現することができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用いられる周知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入することができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、または細胞外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因性であっても、異種シグナルであってもよい。
また、前記発現系はウイルスまたは細菌等の組換え生存微生物であってもよい。目的とする遺伝子を組換え生ウイルスまたは細菌のゲノム内に挿入することができる。この生ベクターを用いての接種またはin vivo感染により、抗原のin vivo発現および免疫応答の誘導がもたらされる。
したがって、ある実施形態においては、本発明の免疫原性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、多くの公知のウィルスに基づく系のうちのいずれかを利用して、発現のための好適な哺乳動物宿主細胞に導入する。ある例示的な実施形態においては、レトロウイルスが、遺伝子送達系のための便宜かつ効果的なプラットフォームを提供する。本発明のポリペプチドをコードする選択されたヌクレオチド配列を、当技術分野で公知の技術を使用して、ベクターに挿入し、レトロウイルス粒子にパッケージできる。続いて、組換えウィルスを単離して被験体に送達することができる。レトロウイルス系の多くの例が記載されている(例えば、米国特許第5,219,740号 ; Miller and Rosman (1989) BioTechniques 7 : 980-990 ; Miller, A. D. (1990) Human Gene Therapy 1 : 5-14 ; Scarpa et al. (1991) Virology 180 : 849-852 ; Burns et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 : 8033-8037 ;およびBoris-Lawrie and Temin (1993) Cur. Opin Genet. Develop. 3 : 102-109)。
さらに、アデノウイルスに基づく系の多くの例もまた記載されている。宿主ゲノムに組み込むレトロウイルスと異なり、アデノウイルスは染色体外に保持される。そのため挿入による突然変異誘発に伴うリスクは最小化される(Haj-Ahmad and Graham (1986) J. Virol. 57 : 267-274 ; Bett et al. (1993) J. Virol. 67 : 5911-5921 ; Mittereder et al. (1994) Human Gene Therapy 5 : 717-729 ; Seth et al. (1994) J. Virol. 68 : 933-940 ; Barr et al. (1994) Gene Therapy 1 : 51-58 ; Berkner, K. L. (1988) BioTechniques 6 : 616-629 ; and Rich et al. (1993) Human Gene Therapy 4 : 461-476)。
種々のアデノ随伴ウィルス(AAV)ベクター系もまた、ポリヌクレオチド送達のために開発された。AAVベクターは、当技術分野で周知の技術を用いて容易に構築することができる。例えば、米国特許第5,173,414号および第5,139,941号; 国際公開WO 92/01070およびWO 93/03769 ; Lebkowski et al. (1988) Molec. Cell. Biol. 8 : 3988-3996 ; Vincent et al. (1990) Vaccines 90 (Cold Spring Harbor Laboratory Press) ; Carter,B. J. (1992) Current Opinion in Biotechnology 3 : 533-539 ; Muzyczka, N. (1992) Current Topics in Microbiol. and Immunol. 158 : 97-129 ; Kotin, R. M. (1994) Human Gene Therapy 5 : 793-801 ; Shelling and Smith (1994) Gene Therapy 1 : 165-169 ;およびZhou et al. (1994) J. Exp. Med. 179 : 1867-1875を参照されたい。
遺伝子導入によって本発明のポリペプチドをコードする核酸分子を送達するために有用な更なるウィルスベクターには、ポックスファミリーのウィルス、例えば、ワクシニアウィルスおよび鳥類ポックスウィルスに由来するものが含まれる。例えば、新規分子を発現するワクシニアウィルス組換え体は、以下のように構築することができる。まず、ポリペプチドをコードするDNAを、ワクシニアプロモーターに隣接し、かつワクシニアDNA配列(例えば、チミジンキナーゼ(TK)をコードする配列)に近接するように、好適なベクターに挿入する。続いてこのベクターを使用して、ワクシニアに同時に感染させた細胞をトランスフェクトする。相同組換えは、ワクシニアプロモーターと目的のポリペプチドをコードする遺伝子とをウィルスゲノムに挿入するのに役立つ。得られたTK.sup.(-)組換え体は、該細胞を5-ブロモデオキシウリジンの存在下で培養し、これに耐性のウィルスプラークを採取することによって選択できる。
ワクシニアに基づく感染/トランスフェクション系を使用して、本明細書に記載した一種以上のポリペプチドの、生物宿主細胞における誘導可能な、一過性の発現または共発現をうまく実施できる。この特定の系においては、まず細胞を、in vitroで、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼをコードするワクシニアウィルス組換え体に感染させる。このポリメラーゼは、T7プロモーターを担持する鋳型のみを転写するという点において、高度の特異性を有する。感染に続き、細胞をT7プロモーターによって駆動される目的のポリヌクレオチドでトランスフェクトする。細胞質内でワクシニアウィルス組換え体から発現したポリメラーゼは、トランスフェクトされたDNAをRNAに転写し、該RNAは続いて宿主の翻訳機構によってポリペプチドに翻訳される。この方法によって、大量のRNAおよびその翻訳産生物が高レベルで、一過性でかつ細胞質内において産生される。例えば、Elroy-Stein and Moss, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1990) 87 : 6743-6747 ; Fuerst et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1986) 83 : 8122-8126を参照されたい。
あるいは、アビポックスウイルス、例えば、鶏痘ウィルスおよびカナリアポックスウィルスを使用して、目的のコード配列を送達することもできる。哺乳動物病原体に由来する免疫原を発現する組換えアビポックスウイルスは、鶏以外の種に投与すると、防御免疫をもたらすことが知られている。アビポックスベクターの使用は、ヒトおよびその他の哺乳動物種において特に望ましい。なぜなら、アビポックス属のメンバーは感受性の鶏種においてのみ増殖的に複製でき、したがって、哺乳動物細胞においては感染性ではないからである。組換えアビポックスウィルスを生産する方法は、当技術分野で公知であり、ワクシニアウィルスの生産に関してすでに述べたように、遺伝子組換えを使用する。WO 91/12882 ; WO 89/03429 ; およびWO 92/03545を参照されたい。
多くのαウィルスベクターのうちの任意のものを、本発明のポリヌクレオチド組成物の送達のために使用できる。例えば、米国特許第5,843,723号;第6,015,686 号; 第6,008,035号および第6,015,694号に記載されたベクターなどである。Venezuelan Equine Encephalitis (VEE)に基づく特定のベクターを使用することもでき、その例は、米国特許第5,505,947号および第5,643,576号に見ることができる。
さらに、分子結合ベクター、例えば、アデノウィルスキメラベクター(Michael et al. J. Biol. Chem. (1993) 268 : 6866-6869およびWagner et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1992) 89 : 6099-6103に記載)を本発明における遺伝子送達に使用することもできる。
これらのおよびその他の公知のウィルスに基づく送達系についての情報の更なる例は、例えば、Fisher-Hoch et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 : 317-321, 1989 ; Flexner et al., Ann. N. Y. Acad. Sci. 569:86-103, 1989 ; Flexner et al., Vaccine 8 : 17-21, 1990 ;米国特許第4,603,112号、第4,769,330号および第5,017,487号; WO 89/01973 ;米国特許第4,777,127号; GB 2,200,651 ; EP 0,345,242 ; WO 91/02805 ; Berkner, Biotechniques 6 : 616-627,1988 ; Rosenfeld et al., Science 252 : 431-434, 1991 ; Kolls et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 : 215-219, 1994 ; Kass-Eisler et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 : 11498-11502, 1993 ; Guzman et al., Circulation 88 : 2838-2848, 1993 ;およびGuzman et al., Cir. Res. 73 : 1202-1207, 1993に見ることができる。
上記の組換え生存微生物は、有毒であってもよく、または生ワクチンを得るための種々の方法によって弱毒化されていてもよい。このような生ワクチンもまた本発明の一部を構成する。
ある実施形態においては、ポリヌクレオチドを標的細胞のゲノムに組み込んでもよい。この組込みは、相同組換えによって特定の位置および配向となるように行ってもよく(遺伝子の置換)、またはランダムに非特異的な位置に対して行ってもよい(遺伝子の増加)。更に別の実施形態においては、ポリヌクレオチドは、分離したエピソームDNAセグメントとして、細胞中に安定に維持することができる。このようなポリヌクレオチドセグメントまたは「エピソーム」は、宿主細胞周期から独立したまたはこれと同期した維持および複製を可能にするのに十分な配列をコードする。発現構築物を細胞に送達する方法および細胞中でポリヌクレオチドが維持される場所は、使用する発現構築物のタイプに依存する。
本発明の別の実施形態においては、ポリヌクレオチドを「裸の」DNAとして投与/送達する。これについては、例えば、Ulmer et al., Science 259 1745-1749, 1993およびCohenによるレビュー, Science 259:1691-1692, 1993に記載されている。裸のDNAの取り込みは、細胞に効率的に輸送される生分解性ビーズにDNAをコーティングすることにより増加させることができる。
また別の実施形態においては、本発明の組成物を粒子衝撃法によって送達することができ、このような方法の多くが記載されている。1つの例示的実施例においては、ガスによる粒子加速は、Powderject Pharmaceuticals PLC (Oxford, UK)およびPowderject Vaccines Inc. (Madison, WI)によって製造された装置などによって実施できる。これらのいくつかの例が、米国特許第5,846,796号;第6,010,478号;第5,865,796号;第5,584,807号;およびEP特許第0500 799号に記載されている。このような方法は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド粒子などの微細粒子の乾燥粉末製剤を、手で持てる大きさの装置によって生成されるヘリウムガスジェット内で高速に加速し、該粒子を目的の標的組織内に推進させることを特徴とする、針を用いない送達法を提供する。
関連する実施形態において、本発明の組成物の針を使わないガスによる注入に有用でありうるその他の装置および方法には、Bioject, Inc. (Portland, OR)によって提供されるものが含まれる。そのいくつかの例が、米国特許第4,790,824号;第5,064,413号;第5,312,335号;第5,383,851号;第5,399,163号;第5,520,639号および第5,993,412号に記載されている。
組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた周知の方法を用いることができる。最も好ましくは、イオン金属アフィニティークロマトグラフィー(ion metal affinity chromatography:IMAC)が精製に用いられる。ポリペプチドが細胞内合成、単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質を再生させるための周知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復元することが可能である。
本発明の別の重要な態様は哺乳動物において免疫学的応答を誘導、増強またはモジュレートする方法に関するものであり、この方法は、癌、特に結腸直腸癌および自己免疫疾患および関連病態の予防または治療的処置のための抗体および/またはT細胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明の断片または全長ポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドを、哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患からの予防または治療のための免疫応答を生じさせるような免疫学的応答を引き出すために、in vivo で本発明のポリペプチドをコードし、該ポリヌクレオチドの発現を指令するベクターまたは細胞を介して、本発明のポリペプチドを送達することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を誘導、増強またはモジュレートする方法に関する。
本発明の更なる態様は、免疫学的/ワクチン製剤(組成物)および医療におけるその使用に関する。この組成物は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を誘導、増強またはモジュレートし、本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドまたは上記で定義したその免疫原性断片を含有する。特に、本発明の免疫原性組成物は、安全かつ有効な量のCASB7439ポリペプチドまたはその免疫原性断片を含み、ここでCASB7439ポリペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号7、配列番号10、配列番号11、配列番号12または配列番号14からなる群から選択される。別の実施形態においては、免疫原性組成物は、安全かつ有効な量のCASB7439コードポリヌクレオチドまたはその断片を含み、ここで、CASB7439コードポリヌクレオチドは、配列番号1、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号13または配列番号15からなる群から選択される。
本発明のワクチン製剤は適当な(すなわち、薬学上許容しうる)担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチドは胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内、静脈内または皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等張にする溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、ならびに懸濁化剤または増粘剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容器または数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供することができ、また、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保管することもできる。
本発明の更なる態様は、本発明の断片または完全なポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、あるいは本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドを含む分子に対する免疫応答を、哺乳動物の免疫系からの細胞を使用してin vitroで誘導し、前記哺乳動物のこれらの活性化された免疫細胞を疾病の治療のために再注入することに関する。免疫系からの細胞の活性化は、本発明の完全なポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、または本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチドを含む分子と共に種々の免疫モジュレーター分子の存在下または不在下でin vitroにてインキュベートすることにより達成される。本発明の更なる態様は、本発明の部分もしくは完全なポリペプチドまたは本発明のポリペプチドを含む分子をin vitroで供給することにより改変した抗原提示細胞の投与による哺乳動物の免疫化、ならびに免疫原性による方法にてin vivo投与することによる前記免疫化に関する。あるいは、抗原提示細胞を本発明の断片もしくは完全なポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含む分子を含有するベクターでin vitroでトランスフェクトして、対応するポリペプチドを発現させることができ、さらに免疫原性的方法でin vivoにて投与することができる。したがって、本発明の医薬組成物は、CASB7439ポリペプチドをin vitroで負荷することによって改変した、またはCASB7439ポリペプチドを発現するようにin vitroで改変した抗原提示細胞の有効量、および薬学的に有効な担体を含有することになる。
別の実施形態によると、本明細書に記載の薬学的/免疫原性組成物は、本発明の免疫原性ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、T細胞および/または抗原提示細胞(APC)組成物に加えて、1種以上の免疫賦活剤を含む。したがって、本発明においては、前記免疫原性組成物を製造するための方法であって、CASB7439ポリペプチドまたはCASB7439コードポリヌクレオチドと好適なアジュバント/免疫賦活剤、希釈剤又その他の薬学的に許容される担体とを混合することを含む方法を提供する。免疫賦活剤とは、外因性抗原に対する免疫応答(抗体および/または細胞が媒介するもの)を増強するかまたは強化する本質的に任意の物質をいう。好ましいタイプの免疫賦活剤の1つには、アジュバントが含まれる。多くのアジュバントが、迅速な異化作用から抗原を保護するように設計された物質、例えば、水酸化アルミニウムまたはミネラルオイル、ならびに免疫応答刺激物質、例えば、リピドA、百日咳菌または、結核菌に由来するタンパク質を含む。特定のアジュバントは、例えば、Freundの不完全アジュバントおよび完全アジュバント(Difco Laboratories, Detroit, MI) ; Merck Adjuvant 65 (Merck and Company, Inc., Rahway, NJ) ; AS-2 (SmithKline Beecham, Philadelphia, PA);水酸化アルミニウムゲル(alum)またはリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩; カルシウム、鉄または亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶性懸濁液;アシル化糖;カチオン化またはアニオン化するように誘導体化した多糖;ポリホスファゼン;生分解性微小球;モノホスホリルリピドAおよびquil Aなどとして、市販のものが入手可能である。GM-CSF、インターロイキン-2、-7、-12などのサイトカインおよびその他同様の増殖因子もまた、アジュバントとして使用できる。
本発明のある実施形態においては、アジュバント組成物は、好ましくは、主にTh1型の免疫応答を誘導するものである。高レベルのTh1型サイトカイン(例えばIFN-γ、TNFα、IL-2およびIL-12)は、投与された抗原に対して細胞介在性の免役応答を誘導しやすい傾向がある。対照的に、高レベルのTh2型サイトカイン(例えば、IL-4、IL-5、IL-6およびIL-10)は、体液性免疫応答を誘導しやすい傾向がある。本発明において提供されるようなワクチンを適用した後、患者は、Thl-およびTh2-型の応答を含む免役応答を示すことになる。応答が主にTh1型であるような好ましい実施形態においては、Th1型サイトカインのレベルが、Th2型サイトカインよりも大幅に増加する。これらのサイトカインのレベルは、標準的なアッセイを用いて容易に評価できる。サイトカインのファミリーを調べるためには、Mosmann and Coffman, Ann. Rev. Immunol. 7 : 145-173, 1989を参照されたい。
Th1型応答を優先的に誘導するための特定の好ましいアジュバントには、例えば、モノホスホリルリピドA、好ましくは3-de-O-アシル化モノホスホリルリピドAとアルミニウム塩との組合せが含まれる。MPL(登録商標)アジュバントはCorixa Corporationから入手できる(Seattle, WA ;例えば、米国特許第4,436,727号;第4,877,611号;第4,866,034号および第4,912,094号を参照されたい)。CpG含有オリゴヌクレオチド(CpGジヌクレオチドが脱メチル化されている)もまた、Th1応答を優先的に誘導する。このようなオリゴヌクレオチドは周知であり、例えば、WO 96/02555、WO 99/33488および米国特許第6,008,200号および第5,856,462号に記載されている。免役賦活DNA配列もまた、例えば、Sato et al., Science 273 : 352, 1996に記載されている。別の好ましいアジュバントには、サポニン、例えばQuil Aまたはその誘導体、例えば、QS21およびQS7(Aquila Biopharmaceuticals Inc., Framingham, MA) ;Escin;Digitonin ;またはカスミソウ(Gypsophila)もしくはアカザ(Chenopodium quinoa)サポニンが含まれる。その他の好ましい製剤においては、本発明のアジュバントの組み合わせに、1種以上のサポニン、例えば、QS21、QS7、Quil A、β-エスシンまたはジギトニンを含む群の少なくとも2種の組合せが含まれる。
あるいは、サポニン製剤は、キトサンまたはその他のポリカチオン性ポリマー、ポリラクチドおよびポリラクチド-グリコリドコポリマー粒子、ポリ-N-アセチルグルコサミンベースのポリマーマトリックス、多糖もしくは化学修飾された多糖からなる粒子、リポソームおよび脂質ベースの粒子、グリセロールモノエステルからなる粒子などから構成されるワクチンビヒクルと組み合わせてもよい。サポニンはまた、コレステロールの存在下で製剤化して、リポソームまたはISCOMなどの粒子構造を形成することができる。さらに、サポニンはポリオキシエチレンエーテルまたはエステルとともに、非粒子性溶液もしくは懸濁液中、または少量膜(paucilamelar)リポソームもしくはISCOMのような粒子構造中に、製剤化することができる。サポニンはまた、Carbopol(登録商標)などの賦形剤とともに製剤化して、粘度を高めてもよく、また、ラクトースなどの粉末賦形剤とともに乾燥粉末形態で製剤化してもよい。
ある好ましい実施形態では、アジュバント系には、モノホスホリルリピドAとサポニン誘導体の組合せ、例えば、WO 94/00153に記載されたようなQS21と3D-MPL(登録商標)アジュバントの組合せまたはWO 96/33739に記載されたようなQS21がコレステロールでクエンチされた反応性の低い組成物が含まれる。その他の好ましい製剤には、水中油型乳剤およびトコフェロールが含まれる。水中油型乳剤中でQS21、3D-MPL(登録商標)アジュバントおよびトコフェロールを使用する別の特に好ましいアジュバント製剤がWO 95/17210に記載されている。
別の増強されたアジュバント系には、CpG含有オリゴヌクレオチドとサポニン誘導体の組合せ、特にWO 00/09159に開示されたCpGとQS21の組合せが含まれる。
好ましくは、該製剤はさらに水中油型乳剤およびトコフェロールを含む。
本発明の医薬組成物において使用するための更なるアジュバント例には、Montanide ISA 720 (Seppic, France)、SAF (Chiron, California, United States)、ISCOMS (CSL)、MF-59 (Chiron)、アジュバントのSBASシリーズ(例えば、SBAS-2またはSBAS-4、SmithKline Beecham, Rixensart, Belgiumから入手可能)、Detox (Enhanzyn(登録商標)) (Corixa, Hamilton, MT)、RC-529 (Corixa, Hamilton, MT)およびその他のアミノアルキルグルコサミニド4-ホスフェート (AGP)、係属中の米国特許出願第08/853, 826号および第09/074,720号に記載されたもの(これらの開示はその全体を参照により本明細書に組み入れるものとする)、およびポリオキシエチレンエーテルアジュバント(例えば、WO 99/52549A1に記載されたもの)が含まれる。
その他の好ましいアジュバントには、一般式(I):
HO(CH2CH2O)n-A-R
[式中nは1〜50であり、Aは結合または-C(O)-であり、RはC1-50アルキルまたはフェニルC1-50アルキルである]
で表されるアジュバント分子が含まれる。
本発明の一実施形態は、一般式(I)のポリオキシエチレンエーテルを含むワクチン製剤からなり、但し、式中nは1〜50、好ましくは4〜24、最も好ましくは9であり、R成分はC1-50、好ましくはC4-C20アルキルであり、最も好ましくはC12アルキルであり、Aは結合である。ポリオキシエチレンエーテルの濃度は、0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%、最も好ましくは0.1〜1%の範囲にあるべきである。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-9-ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン-8-ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン-4-ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-35-ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン-23-ラウリルエーテル。ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンエーテル類は、Merck index (第12版: entry 7717)に記載されている。これらのアジュバント分子は、WO 99/52549に記載されている。
上記の一般式(I)のポリオキシエチレンエーテルは、所望により、別のアジュバントと組み合わせてもよい。例えば、好ましいアジュバントの組合せは、好ましくは、係属中の英国特許出願GB 9820956.2.に記載されているCpGとの組合せである。
好ましくは、本発明のワクチン組成物中に担体も存在する。前記担体は水中油型エマルジョンであっても、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム等のアルミニウム塩であってもよい。
好ましい水中油型エマルジョンは代謝可能な油、例えばスクアレン、α-トコフェロールおよびTween80を含む。特に好ましい態様では本発明のワクチン組成物中の抗原をそのようなエマルジョン中でQS21および3D-MPLと組み合わせる。更に、前記水中油型エマルジョンはスパン85および/またはレシチンおよび/またはトリカプリリンを含んでいてもよい。
通常、ヒトへの投与の場合は、QS21および3D-MPLは投与量あたり1〜200μgの範囲内、例えば10〜100μg、好ましくは10〜50μgの範囲内でワクチン中に存在する。通常、水中油型エマルジョンは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のα-トコフェロールおよび0.3〜3%のTween80を含む。好ましくは、スクアレン:α-トコフェロール比は1以下であり、これによってより安定なエマルジョンが提供される。また、スパン85は1%という濃度で存在しうる。幾つかの場合、本発明のワクチンが更に安定化剤を含むことが有益であろう。
毒性の無い水中油型エマルジョンは、好ましくは、毒性の無い油(例えばスクアランもしくはスクアレン)、または乳化剤(例えばTween80)を水性担体中に含む。前記水性担体は、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水でありうる。
水中油型エマルジョン中にQS21、3D-MPLおよびトコフェロールを含む特に有効なアジュバント製剤はWO95/17210に記載されている。
また本発明は、本発明のワクチン製剤を他の抗原、特に癌、より詳細には、結腸直腸癌、自己免疫疾患および関連病態の治療に有用な抗原と組み合わせて含む多価ワクチン組成物を提供する。そのような多価ワクチン組成物は前記のTH1誘導性アジュバントを含みうる。
本発明のまた別の実施形態によると、本明細書に記載の免疫原性組成物は、抗原提示細胞(APC)、例えば、樹状細胞、マクロファージ、B細胞、単球および効果的なAPCとすべく遺伝子操作することができるその他の細胞を介して宿主に送達される。このような細胞は、遺伝子改変を行って、抗原提示能を増加させたり、T細胞応答の活性化および/または維持性を改良したり、それ自体に抗腫瘍活性を担持させたり、および/または受容者と免疫学的に適合(すなわち、HLAハプロタイプを一致)させたりすることができるが、これらは必ずしも必要ではない。APCは、通常、様々な体液および臓器(腫瘍組織および腫瘍周辺組織を含む)のうちの任意のものから単離でき、自己由来、同種異系、同系または異種の細胞であってよい。
本発明のある好ましい実施形態では、抗原提示細胞として、樹状細胞またはその前駆細胞を使用する。樹状細胞は、かなり強力なAPCであり(Banchereau and Steinman, Nature 392 : 245-251, 1998)、予防的または治療的な抗腫瘍免疫を引き起こすための生理的アジュバントとして有効であることが示されている(Timmerman and Levy, Ann Rev. Med. 50 : 507-529, 1999を参照されたい)。一般に、樹状細胞はその典型的な形状(in situで星形であり、in vitroで認識可能な目立った細胞質突起(樹状突起)を有する)、非常に効率的に抗原を取り込み、処理し、そして提示するその能力、およびナイーブなT細胞の応答を活性化するその能力、に基づいて同定することができる。樹状細胞は当然、遺伝子操作することにより、通常in vivoまたはex vivoで樹状細胞上には見られない特定の細胞表面受容体またはリガンドを発現させることができ、このように改変された樹状細胞は本発明に包含される。樹状細胞のかわりに、分泌小胞抗原負荷樹状細胞(エキソソームと称される)をワクチン中に使用してもよい(Zitvogel et al., Nature Med. 4 : 594-600, 1998を参照されたい)。
樹状細胞および前駆細胞は、末梢血、骨髄、浸潤性腫瘍細胞、腫瘍周辺組織浸潤細胞、リンパ節、脾臓、皮膚、臍帯血または、任意のその他の好適な組織または体液から得ることができる。例えば、樹状細胞は、GM-CSF、IL-4、IL-13および/またはTNFαなどのサイトカインの組合せを、末梢血から採取した単球の培養物に添加することによってex vivoで分化させることができる。あるいは、末梢血、臍帯血または骨髄から採取したCD34陽性細胞は、その培養培地に、GM-CSF、IL-3、TNFα、CD40リガンド、LPS、flt3リガンドおよび/または樹状細胞の分化、成熟および増殖を引き起こすその他の化合物の組合せを添加することによって、樹状細胞に分化させることができる。
樹状細胞は、便宜に、「未成熟」細胞と「成熟」細胞とに分類され、これによって2種の十分に特徴づけられる表現型を簡単に区別することができる。しかし、この用語は、分化における可能性あるすべての中間的段階を排除するように解釈すべきでない。未成熟樹状細胞は抗原の取り込みおよび処理についての高い能力を有するAPCとして特徴づけられ、その能力はFcγ受容体およびマンノース受容体の高度な発現と関連する。成熟表現型は、典型的には、これらのマーカーの発現は低いが、T細胞活性化の原因となる細胞表面分子、例えば、クラスIおよびクラスII MHC、接着分子(CD54およびCD11など)および同時刺激分子(CD40、CD80、CD86および4-1BBなど)の発現は高いことによって特徴づけられる。
APCは、通常は、本発明のポリヌクレオチド(またはその一部もしくはその変異体)によってトランスフェクトして、コードされたポリペプチドまたはその免疫原性部分を細胞表面上に発現させることができる。このようなトランスフェクションはex vivoで実施でき、このようなトランスフェクト細胞を含む医薬組成物は、本明細書に記載するように、治療目的で使用できる。あるいは、樹状細胞またはその他の抗原提示細胞を標的とする遺伝子送達ビヒクルを患者に投与することができ、これによってin vivoでトランスフェクションが起こる。In vivoおよびex vivoにおける樹状細胞のトランスフェクションは、例えば、一般的には、WO 97/24447に記載されているもの、またはMahvi et al., Immunology and cell Biology 75 : 456-460, 1997に記載の遺伝子銃法など、当技術分野で公知の任意の方法を使用して実施することができる。樹状細胞の抗原負荷は、樹状細胞または前駆細胞を、腫瘍ポリペプチド、DNA(裸のまたはプラスミドベクター中の)もしくはRNAとともに、または抗原を発現する組換え細菌もしくはウィルス(例えば、ワクシニアウィルス、鶏痘ウィルス、アデノウィルスまたはレンチウィルスベクター)とともに、インキュベートすることによって、達成できる。負荷の前に、該ポリペプチドは、T細胞の寄与をもたらす免疫学的パートナー(例えば、担体分子)に共有結合させてもよい。あるいは、樹状細胞を、該ポリペプチドとは別にまたは該ポリペプチドの存在下で、結合されていない免疫学的パートナーとともに間欠的に投与してもよい。
当技術分野の当業者に公知の好適な担体のうち任意のものを、本発明の医薬組成物に使用することができ、担体の種類は典型的には投与方法に依存して異なる。本発明の組成物は任意の好適な投与方法、例えば、局所投与、経口投与、経鼻投与、粘膜投与、静脈投与、頭蓋内投与、腹腔内投与、皮下投与および筋内投与用に、製剤化することができる。
このような医薬組成物において使用するための担体は生体適合性であり、生分解性であってもよい。特定の実施形態においては、上記製剤は、好ましくは、比較的一定レベルの活性成分の放出をもたらす。しかし、別の実施形態では、投与後すぐのより急速な放出が望まれる場合もある。このような組成物の製剤化は、公知の技術を用いる当業者のレベルの範囲に十分入る。ここで有用な担体の例には、ラクチド-グリコリドコポリマー、ポリアクリレート、ラテックス、デンプン、セルロース、デキストラン、などの微小粒子が含まれる。その他の遅延放出担体の例としては、非液状親水性コア(例えば、架橋多糖またはオリゴ糖)および、場合により、リン脂質などの両親媒性化合物を含む外層(米国特許第5,151,254号およびPCT出願WO 94/20078、WO/94/23701およびWO 96/06638を参照されたい)を含む超分子バイオベクターが挙げられる。持続放出製剤に含まれる活性化合物の量は、移植する部位、放出速度および期待される放出持続時間ならびに治療または予防すべき症状の性質に依存する。
別の例示的実施形態では、生分解性徴小球(例えば、ポリラクテート ポリグリコレート)を、本発明の組成物のための担体として使用する。好適な生分解性微小球は、例えば、米国特許第4,897,268号;第5,075,109号;第5,928,647号;第5,811,128号;第5,820,883号;第5,853,763号;第5,814,344号;第5,407,609号および第5,942,252号に開示されている。改変型B型肝炎コアタンパク質担体系、例えば、WO/99 40934およびそこで引用される文献に記載されるようなものもまた、多くの適用に対して有用である。別の例示的な担体/送達系は、宿主においてクラスI拘束型細胞傷害性Tリンパ球応答を誘導することができる、粒子状タンパク質複合体を含む担体(例えば、米国特許第5,928,647号に記載されるようなもの)を使用する。
本発明の医薬組成物は、1種以上のバッファー(例えば、中性緩衝生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水)、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドまたはアミノ酸(グリシンなど)、抗酸化剤、静菌剤、キレート剤(EDTAなど)またはグルタチオン、アジュバント(水酸化アルミニウムなど)、また、製剤を受容者の血液に対して等張、低張またはわずかに高張にする溶質、そして、懸濁化剤、増粘剤および/または保存剤をさらに含むことが多い。あるいは、本発明の組成物は凍結乾燥物として製剤化してもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、単位用量でまたは複数用量容器、例えば、密封されたアンプルもしくはバイアルで提供してもよい。このような容器は、通常、使用するまで製剤の無菌性および安定性を維持するような方法で密封する。一般に製剤は、懸濁剤、溶液剤または油性もしくは水性ビヒクル中の乳剤として保存できる。あるいは、医薬組成物は、使用する直前に無菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存してもよい。
種々の治療計画における、本明細書に記載された特定の組成物を使用するための好適な投薬および治療計画(例えば、経口、非経口、静脈内、経鼻および筋内投与およびそのための製剤)の開発は、当技術分野で周知であり、それらのうちのいくつかを、一般的な説明のために、以下に簡単に記載する。
特定の適用においては、本明細書に開示された医薬組成物は、経口投与で動物に送達できる。そのために、これらの組成物は、不活性希釈剤もしくは吸収可能な食用担体とともに製剤化してもよく、硬質もしくは軟質外殻ゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、または食物に直接組み入れてもよい。
活性化合物はまた、賦形剤とともに組み込み、消化可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェファー剤など(例えば、Mathiowitz et al., Nature 1997 Mar 27 ; 386 (6623) : 410-4 ; Hwang et al., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst 1998 ; 15 (3) : 243-84 ; 米国特許第5,641,515号;米国特許第5,580,579号および米国特許第5,792,451号を参照されたい)の形態で使用できる。錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、様々な任意の追加成分を含んでいてもよい。例えば、結合剤(トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチンなど)、賦形剤(リン酸二カルシウムなど)、崩壊剤(トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸など)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、および甘味剤(スクロース、ラクトースまたはサッカリンなど)を添加してもよく、または香料(ペパーミント、冬緑油またはサクランボ香料など)を添加してもよい。単位剤形がカプセル剤である場合、上記の種類の材料に加えて、液体担体を含みうる。種々のその他の材料が、コーティング剤として、または単位剤形の物理的形態を異なったものに改変するために、存在していてもよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤を、セラック、糖またはその両方でコーティングしてもよい。当然のことながら、任意の単位剤形を製造するために使用される材料はいずれも、薬学的に純粋であり、使用する量において実質的に無毒でなければならない。さらに、活性化合物を、持続放出調製物および製剤に組み込んでもよい。
典型的には、これらの製剤は、少なくとも約0.1%またはそれ以上の活性化合物を含むが、活性成分のパーセントは、当然変動するものであり、好適には製剤全体の重量または体積の約1もしくは2%〜約60%もしくは70%であってよく、またはそれ以上でもよい。本来、治療上有用な各組成物における活性化合物の量は、化合物の所定の単位剤形において、好適な一定用量で得られるように調製される。溶解度、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与経路、製品貯蔵寿命などの要因、ならびにその他の薬理学的考察が、このような医薬製剤の製造の分野における当業者によって考慮され、様々な投薬計画および治療計画が所望されうる。
経口投与のためには、代替法として、本発明の組成物は、うがい薬、歯磨き剤、バッカル錠剤、口用スプレー、または舌下経口投与製剤の形態で、一種以上の賦形剤とともに組み込むことができる。あるいは、活性成分を経口用溶液、例えばホウ酸ナトリウム、グリセリンおよび炭酸水素カリウムを含むものなどに組み込んでもよく、または歯磨き剤中に分散させてもよく、または水、結合剤、研磨剤、香料、気泡剤および湿潤剤を含みうる組成物に治療上有効な量で添加してもよい。あるいは、前記組成物は、舌下に配置できるかそうでなければ口中で溶解しうる錠剤または液剤形態に形成してもよい。
ある状況では、本明細書に開示した医薬組成物を、非経口、静脈内、筋内、または腹腔内に送達するのが望ましい。このような方法は、当業者に周知であり、そのうちのいくつかは、例えば、米国特許第5,543,158号; 米国特許第5,641,515号および米国特許第5,399,363号に、より詳細に記載されている。ある実施形態では、遊離の塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合した水中に調製することができる。また、分散剤を、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物中、ならびに油中に調製することもできる。通常の保存および使用条件下では、これらの調製物は、一般に、微生物の増殖を阻止するための保存剤を含む。
注射用に適した医薬形態の例には、無菌の水溶液または分散液、および無菌の注射用溶液もしくは分散液を即時調製するための無菌粉末(例えば、米国特許第5,466,468を参照されたい)が含まれる。全ての場合において、該剤形は、無菌でなければならず、そして容易に注入できる程度に流動的でなければならない。製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物による汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合物および/または植物油を含む溶媒または分散媒でありうる。適度な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散剤の場合は必要な粒子サイズの維持によって、および/または界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の活動の阻止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって促進することができる。多くの場合、等張剤、例えば、ショ糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましい。注射可能な組成物の持続的吸収は、該組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用することによって達成できる。
一実施形態においては、水溶液での非経口投与のために、必要に応じて該溶液を好適に緩衝化するが、液状希釈剤は、まず十分な生理食塩水またはグルコースで等張にすべきである。このような特定の水溶液は、静脈内、筋内、皮下および腹腔内投与に特に好適である。ここで、当業者であれば、使用できる無菌の水性媒質は、本明細書の開示を考慮することにより理解できる。例えば、ある用量を1mlの等張NaCl溶液に溶かし、そして、1000mlの皮下注入用液に添加するかまたは注入する所定部位に注射することができる(例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences" 15th Edition, pages 1035-1038 and 1570-1580を参照されたい)。用量におけるいくらかの変動が、治療される被験体の病状に依存して必然的に生じることになる。さらに、ヒトへの投与については、製剤は、当然、無菌性、発熱原性、およびFDA局生物製剤基準によって必要とされる全身の安全性および純度標準を満たすことが好ましい。
本発明の別の実施形態では、本明細書に開示した組成物を、中性形態または塩形態で製剤化することができる。薬学的に許容される塩の例には、酸付加塩(タンパク質の遊離のアミノ基とともに形成されるもの)が含まれ、これは、例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸とともに形成される。また、遊離のカルボキシル基とともに形成される塩は、無機塩基に由来するもの(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化鉄など)、および有機塩基に由来するもの(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)であってもよい。製剤化の後、溶液は、投与製剤に適合する方法で、かつ治療上有効な量で投与する。
担体はさらに、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、ビヒクル、コーティング剤、希釈剤、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、緩衝剤、担体溶液、懸濁剤、コロイド剤などを含みうる。このような薬学的に活性な物質のための媒質および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒質または薬剤が活性成分と非適合性である場合を除き、治療用組成物におけるそれらの使用が意図される。また、補助的な活性成分を該組成物中に組み込むこともできる。用語「薬学的に許容される」とは、ヒトに投与されたときに、アレルギー反応または同様の不適切な反応をもたらさない分子成分および組成物を意味する。
ある実施形態では、医薬組成物は、鼻内スプレー剤、吸入剤および/またはその他のエアゾール送達ビヒクルによって送達できる。遺伝子、核酸およびペプチド組成物を鼻内エアゾールスプレー剤によって肺に直接送達する方法が、例えば、米国特許第5,756,353号および米国特許第5,804,212号に記載されている。同様に、鼻腔内微小粒子樹脂を使用した薬物送達(Takenaga et al., J controlled Release 1998 Mar 2 ; 52 (1-2) : 81-7)およびリソホスファチジル-グリセロール化合物を使用した薬物送達(米国特許第5,725,871号)もまた、製薬の分野で周知である。同様に、ポリテトラフルオロエチレン支持マトリックス形態の経粘膜薬物送達の例が、米国特許第5,780,045号に記載されている。
ある実施形態では、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、脂質粒子、小胞などを使用して、本発明の組成物を好適な宿主細胞/生物に導入する。特に、本発明の組成物は、送達のために、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフェアまたはナノ粒子などのいずれかに封入することにより製剤化できる。あるいは、本発明の組成物は、このような担体ビヒクルの表面に、共有結合または非共有結合で結合させることもできる。
潜在的な薬物担体としてのリポソームおよびリポソーム様製剤の形成および使用は、当技術分野の当業者に一般に知られている(例えば、Lasic, Trends Biotechnol 1998 Jul ; 16 (7) : 307-21 ; Takakura, Nippon Rinsho 1998 Mar ; 56 (3) : 691-5 ; Chandran et al., Indian J Exp Biol. 1997 Aug ; 35 (8) : 801-9 ; Margalit, Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 1995 ; 12 (2-3) : 233-61 ; 米国特許第5,567,434号;米国特許第5,552,157号;米国特許第5,565,213号;米国特許第5,738,868号および米国特許第5,795,587号を参照されたい。これらはそれぞれ、その全体を参照により本明細書に組み入れるものとする)。
リポソームは、その他の方法ではトランスフェクトするのが通常困難な多くの細胞種において、成功裡に使用されてきた。このような細胞種としては、T細胞懸濁液、肝細胞一次培養物およびPC 12細胞が含まれる(Renneisen et al., J Biol Chem. 1990 Sep 25 ; 265 (27) : 16337-42 ; Muller et al, DNA Cell Biol. 1990 Apr ; 9 (3) : 221-9)。さらに、リポソームは、ウィルスに基づく送達系に典型的であるDNA長による制約を受けない。リポソームは、遺伝子、種々の薬物、放射性治療剤、酵素、ウィルス、転写因子、アロステリックエフェクターなどを様々な培養細胞系および動物に導入するために効果的に使用されてきた。さらに、リポソームの使用は、自己免疫応答または全身送達後の許容できない毒性を引き起こすとは考えられていない。
ある実施形態では、リポソームを、水性媒質に分散し、同時に多重膜同心2分子層小胞(多重膜小胞(MLV)とも称される)を形成するリン脂質から形成される。
あるいは、その他の実施形態では、本発明は、本発明の組成物の薬学的に許容されるナノカプセル製剤を提供する。ナノカプセルは、一般に、安定かつ再生可能な方法で化合物を捕獲することができる(例えば、Quintanar-Guerrero et al., Drug Dev Ind Pharm. 1998 Dec ; 24 (12) : 1113-28を参照されたい)。細胞内に高分子が高負荷となることによる副作用を避けるため、in vivoで分解可能なポリマーを使用して、このような超微細粒子(周囲サイズ0.1μm)を設計することができる。このような粒子は、例えば、Couvreur et al., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 1988 ; 5 (1) : 1-20 ; zur Muhlen et al., Eur J Pharm Biopharm. 1998 Mar ; 45 (2) : 149-55 ; Zambaux et al. J Controlled Release. 1998 Jan 2 ; 50 (1-3) : 31-40 ;および米国特許第5,145,684号によって記載されたような方法によって作製できる。
本発明はまた、診断薬として、本発明のポリヌクレオチドに由来するプライマーとしてのポリヌクレオチドの使用、および本発明のポリペプチドに特異的な抗体または試薬としてのポリペプチドの使用に関する。
発癌経路に伴うごく初期の変化の検出が可能になると思われる、血液もしくは組織中の遺伝学的または生化学的マーカーを同定することは、患者にとって最良の治療を決定する上で役立つ。ポリヌクレオチド発現等の代理腫瘍マーカーは、癌の各種形態および状態を診断するために用いることができる。本発明のポリヌクレオチドの発現レベルを同定することは、癌疾患のステージ決定および癌組織の性質の等級付けの両方において有用であろう。ステージ決定過程は、癌の進行度を観察し、生検部位に悪性組織が存在するか存在しないかで判定する。本発明のポリヌクレオチドは癌の侵襲性に関するマーカーを同定することにより、例えば身体の種々の部位におけるその存在を同定することにより、ステージ決定過程を実施するのに役立たせることができる。癌の等級付けは、腫瘍が同じ種類の正常組織にどれだけ近似しているかを示すものであり、それはその細胞の形態および他の分化マーカーによって評価される。本発明のポリヌクレオチドは、それらが腫瘍細胞の分化の状態を判別する上で役立つことから、腫瘍の等級を決定する上で有用である。
診断アッセイは、被験体から得られたサンプルからポリペプチドまたはmRNAのレベルの異常な低下または増加を測定することを含む方法による診断を行うことで、癌、自己免疫疾患および関連病態への罹りやすさを診断または判定する方法を提供する。この診断方法は示美的発現として知られる。特定の遺伝子の発現を罹患組織と正常組織との間で比較するものである。2つの組織における該ポリヌクレオチドに関連する遺伝子、mRNA、またはタンパク質の差異、例えば分子量、アミノ酸もしくはヌクレオチド配列、または相対的存在量の差異は、罹患が疑われるヒトの組織における、該遺伝子またはそれを調節する遺伝子の変化を示している。
発現の低下または増加は、RNAレベルで測定することができる。まずポリA RNAを2つの組織から単離し、さらに本発明の示差的に発現されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子がコードするmRNAを、例えば、組織切片におけるin situハイブリダイゼーション、逆転写酵素PCR、ポリA+ mRNAを含むノーザンプロット、または他の任意の直接的もしくは間接的なRNA検出法によって検出することができる。正常組織と比較した場合の罹患組織における所定のRNAの発現の増大または低減は、転写産物および/または発現されたタンパク質がその疾患に関与していることを示唆する。したがって、正常レベルと比較した場合に、より高いレベルまたはより低いレベルの配列番号1または3に対応するmRNAが検出されることは、患者における癌の存在を示唆するものである。
サンプル中のmRNA発現レベルは、該サンプルに由来するエクスプレスド・シーケンス・タグ(EST)のライブラリーを作製することにより決定される。該ライブラリー中のESTの相対的提示量を、出発サンプルにおける遺伝子転写産物の相対的提示量を評価するために用いることができる。そしてその試験のEST分析を基準サンプルのEST分析と比較して、目的とするポリヌクレオチドの相対的発現レベルを決定することができる。
その他のmRNA解析としては、遺伝子発現の連続的解析(SAGE)法(Velculescuら Science (1995) 270:484)、ディファレンシャルディスプレイ法(例えば、米国特許第5,776,683号)、またはヌクレオチドの相互作用の特異性に依存したハイブリダイゼーション分析を用いて行うことができる。
あるいは、タンパク質レベルで比較を行ってもよい。2つの組織におけるタンパク質のサイズを、2つの組織からのタンパク質抽出物のウェスタンブロットにおいて、ポリペプチドを検出するための抗体を用い、比較する。また発現レベルおよび細胞小器官局在化を、対応するタンパク質に対する抗体を用いて免疫学的に検出することもできる。宿主に由来するサンプル中の、本発明のポリペプチド等のタンパク質のレベルを測定するために用いることができる他のアッセイ技術は、当業者には周知である。罹患組織におけるポリペプチドの発現レベルが、正常組織における同タンパク質の発現レベルと比較した場合に増加または低減していることは、その発現されるタンパク質が該疾患に関与している可能性があることを示す。
本発明のアッセイにおいて、配列番号1に記載の少なくとも片方の配列にコードされた遺伝子の遺伝子産物発現レベルを検出することにより、上記の診断を下すことができる。また、正常組織に対する罹患組織のmRNAまたはタンパク質レベルの比較は、疾患の進行または寛解を追跡観察するためにも用いる。
サンプル中の多量のポリヌクレチド配列は、ポリヌクレオチドアレイを用いてアッセイすることができる。これらは遺伝子の示差的発現を調べ、遺伝子機能を特定するために用いることができる。例えば、配列番号1のポリヌクレオチド配列のアレイは、該ポリヌクレオチドが正常細胞と癌細胞との間で示差的に発現することがある場合には、それを判別するのに用いることができる。本発明の1つの実施形態においては、配列番号1のヌクレオチド配列またはそれらの断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイを構築して、例えば遺伝子突然変異体の効率的なスクローニングを行うことができる。アレイ技法は周知であり、一般的な適用可能性があり、さらに、遺伝子発現、遺伝的連鎖、および遺伝的多様性を含む分子遺伝学における様々な問題に取り組む上で用いることができる(例えばM.Cheeら, Science, 274巻、 pp610-613 (1996))。
本発明で用いる「診断」とは、被験体の疾患への罹りやすさの判定、被験体が現在該疾患を罹っているかどうかの判定、および該疾患を罹っている被験体の予後判定を含む。
本発明はさらに、 (a)本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列)もしくはその断片、
(b)(a)のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列(好ましくは配列番号6のヌクレオチド配列)、
(c)本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2もしくは3のポリペプチド)もしくはその断片、または
(d)本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2もしくは3のポリペプチド)に対する抗体、
を含んでなる、診断アッセイを実施するための診断用キットに関する。
また、本発明のヌクレオチド配列は染色体位置決定にも有用である。この配列は個々のヒト染色体上の特定の位置を特異的にターゲッティングし、その特定位置とハイブリダイズすることができる。本発明にしたがって関連配列をマッピングすることは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一段階である。ひとたび配列が正確な染色体位置にマップされたら、その染色体上のその配列の物理的位置を遺伝的地図データと相関させることができる。この種のデータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopkins University Welch Medical Library からオンラインで入手可能) 中に見いだせる。その後、同一の染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との関係を連鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認する。罹患個体と非罹患個体とのcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることができる。
本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原としても使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実質的に高い親和性を示すことを意味する。
さらなる態様において、本発明は本発明のポリペプチドまたはその免疫原性断片(本明細書中上記にて定義したとおりである)に対して免疫特異的な抗体を提供する。好ましくは、該抗体はモノクローナル抗体である。
本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類似体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる。例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature(1975) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら, Immunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, 77-96, Alan R. Liss, Inc.,1985) などがある。
本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生するために、米国特許第4,946,778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法も適応することができる。また、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動物を含む他の生物を利用することができる。
前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定したり、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもできる。本発明の抗体はまた、癌(特に結腸直腸癌)、自己免疫疾患および関連病態を予防または治療するためにも用いられ得る。
本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を誘導またはモジュレートする方法に関するものであり、この方法は、特に前記疾患の症状もしくは進行を防ぐかまたは改善するための抗体および/またはT細胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗体を産生させるような免疫学的応答を誘導するために、in vivo で本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポリペプチドを送達することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を誘導またはモジュレートする方法に関する。
それゆえ、本発明によって、CASB7439ポリペプチド活性の存在、該活性の過剰、または該活性の過少発現のいずれかと関連した、例えば癌および自己免疫疾患、特に卵巣癌および大腸癌などの異常な状態を治療する方法が提供されることが理解されるであろう。本発明が治療を試みるCASB7439の発現に関連するその他の異常な状態は、慢性リンパ球性白血病および生殖細胞腫瘍である。
さらに本発明は、CASB7439ポリペプチドの機能を刺激または抑制する化合物を同定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的には、前記疾患の治療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使用される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリーおよび天然産物の混合物から化合物を同定することができる。このように同定されたアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリペプチドの天然のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであってよく、また、その構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coliganら, Current Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)。スクリーニング法は当業者には公知であろう。さらなるスクリーニング法は、例えばD. Bennettら, J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1995) およびK. Johansonら, J. Biol. Chem., 270 (16) :9459-9471 (1995)ならびに本明細書中の引用文献にみられる。
したがって本発明は、本発明のポリペプチドの機能を刺激または抑制する化合物を同定するためのスクリーニング法であって、以下:
(a)候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持している細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に直接または間接的に結合させた標識により測定すること、
(b)候補化合物と、上記ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持している細胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、標識競合物質の存在下で測定すること、
(c)候補化合物が上記ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナルをもたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適した検出系を用いて調べること、
(d)候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液とを一緒にして混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定して、該混合物の活性をスタンダードと比較すること、または
(e)候補化合物が細胞における上記ポリペプチドをコードするmRNAおよび該ポリペプチドの産生に及ぼす効果を例えばELISAアッセイを用いて検出すること、
よりなる群から選択される方法を含んでなるスクリーニング法を提供する。
膜に結合した受容体または可溶性の受容体が存在するのであれば、当業界で公知の標準的な受容体結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明のポリペプチドを用いることができる。また周知のスクリーニング法を用いて、その受容体への本発明のポリペプチドの結合に関して競合する、本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストを(もし存在するのであれば)同定することもできる。
かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドに対するアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポリペプチドの産生を低減または増加させる化合物を同定するためのスクリーニングキットに関し、このキットは、
(a)本発明のポリペプチド、
(b)本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、
(c)本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または
(d)本発明のポリペプチドに対する抗体、
を含んでなり、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2または3のポリペプチドである。
当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用できることが容易に理解されよう。この方法は、
(a)最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、
(b)アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの確実と思われる反応部位または結合部位の三次元構造を想定し、
(c)想定された反応部位または結合部位と結合または反応すると予想される候補化合物を合成し、そして
(d)その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターであるか否かを調べる、
ことを含んでなる。
また、遺伝子治療を利用して、被験体の適切な細胞によりCASB7439ポリペプチドを内生的に産生させることもできる。遺伝子治療の概要については、Human Molecular Genetics, T StrachanおよびA P Read, BIOS Scientific Publishers Ltd(1996)中、20章 Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeutic Approaches(および本明細書で引用した引用文献)を参照のこと。
ワクチン調製については、Pharmaceutical Biotechnology, Vol.61 Vaccine Design-the subunit and adjuvant approach(PowellおよびNewmanによる編集), Plenurn Press, 1995; New Trends and Developments in Vaccines (Voilerらによる編集), University Park Press, Baltimore, Maryland, U.S.A. 1978に一般的に記載されている。リポソーム内へのカプセル化は、例えばFullerton, 米国特許第4,235,877号に記載されている。タンパク質の巨大分子へのコンジュゲート化は、例えばLikhite,米国特許第4,372,945号、およびArmorら,米国特許第4,474,757号により開示されている。
各ワクチン用量中のタンパク質量は、典型的なワクチンにおいては、重大かつ不利益な副作用を引き起こすことなく免疫防御応答を誘導する量として選択される。そのような量は、用いた特定の免疫原によって異なるであろう。一般的には、各用量はタンパク質を1〜1000μg、好ましくは2〜100μg、最も好ましくは4〜40μg含むことが期待される。特定のワクチンについての最適な量は、被験体における抗体力価およびその他の応答の測定を伴う標準的研究により確定することができる。最初のワクチン接種に引き続いて、被験体は約4週間の間に1回の追加免疫を受けることもある。
「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」改変されたことを意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それはそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように、「単離された」ものである。
「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指し、これは一本鎖および二本鎖の領域を含む、修飾されていないRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。
本明細書中で用いる「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更しても、しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および末端切断(トランケーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプチドの配列と変異体の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一となるような相違に限られる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以上の置換、欠失、付加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または付加されるアミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は対立遺伝子変異体のように天然に存在するものでも、天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は、突然変異誘発法または直接合成により作製することができる。
当技術分野で知られる「同一性」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列の比較により決定された、2以上のかかる配列間の類縁性のことである。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列の鎖間の一致度(match)により決定された、このような配列間の配列類縁性の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の方法により難なく算出することができ、こうした方法として、例えばComputational Molecular Biology, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W. 編, Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and Griffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. 編, M Stockton Press, New York, 1991; および Carillo, H. and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988) に記載された方法があるが、これらに限らない。同一性を決定するための好ましい方法は、検討する配列間で最大級のマッチングが得られるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は一般に入手可能なコンピュータプログラムに編集されている。2配列間の同一性および類似性を決定するための好ましいコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387 (1984))、BLASTP、BLASTNおよびFASTA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410 (1990)) があるが、これらに限らない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他のソースから一般に入手可能である(BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。公知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる。
使用した好適なアルゴリズムはFASTAである。このアルゴリズムを用いたポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列比較のための好適なパラメーターは、以下のものを含む:
ギャップペナルティー:12
ギャップ伸長ペナルティー:4
ワードサイズ:2、最大6
ポリペプチド配列をその他の方法で比較するための好ましいパラメーターは次のものを含む:
1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970)
比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89: 10915-10919 (1992)
ギャップペナルティー:12
ギャップ長ペナルティー:4
これらのパラメーターを用いて有効なプログラムはGenetics Computer Group(Madison WI)から「gap」プログラムとして一般に入手可能である。前記のパラメーターはポリペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(default parameter) である(末端ギャップのペナルティーは無し)。
ポリヌクレオチド配列を比較するための好ましいパラメーターは次のものを含む:
1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0
ギャップペナルティー:50
ギャップ長ペナルティー:3
これらのパラメーターを用いて有用であるプログラムは Genetics Computer Group(Madison WI)から「gap」プログラムとして公に入手可能である。前記パラメーターはポリヌクレオチド比較のためのデフォルトパラメーターである。
例として、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1の基準配列と同一である、すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または該基準配列に対して、一定の整数個までのヌクレオチド変異を含んでいてもよい。そのような変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびトランスバージョンを含む)または挿入よりなる群から選択され、こうした変異は基準ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位置、またはこれらの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオチドの間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグループとして散在する。ヌクレオチド変異の数は、配列番号1のヌクレオチドの総数に、それぞれの同一性%値の絶対比率(100で割った値)を掛け、その積を配列番号1のヌクレオチドの総数から差し引くことにより、すなわち、次式:
≦x −(x・y)
により求めることができる。式中、nはヌクレオチド変異の数であり、xは配列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは例えば70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.95などであり、さらにxとyの非整数の積は、その積をxから引く前に、最も近似する整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチドを改変させることができる。
同様に、本発明のポリペプチド配列は、配列番号2の基準配列と同一である、すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または同一性%が100%未満であるように基準配列に対して一定の整数個までのアミノ酸変異を含むことができる。このような変異は少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的および非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入よりなる群から選択され、これらの変異は基準ポリペプチド配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれらの末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のアミノ酸の間に個々に、または基準配列内に1以上の連続したグループとして散在する。アミノ酸変異の数は、配列番号2中のアミノ酸の総数にそれぞれの(100で割った)同一性%の絶対比率を掛け、その積を配列番号2中のアミノ酸の総数から引くことにより、すなわち次式により求められる。
a ≦xa −(xa・y)
式中、naはアミノ酸変異の数であり、xaは配列番号2中のアミノ酸の総数であり、yは例えば70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85等であり、さらにxaとyの非整数の積は、その積をxaから引く前に、最も近似する整数に切り下げる。
「相同体」とは、当技術分野において用いられる、被験配列に対し高度な配列近縁性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指す総称用語である。この類縁性は前述のように比較した配列間の同一性および/または類似性の程度を決定することにより定量化することができる。別々の種における機能的に等価なポリヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する「オーソログ体」、同じ種内で考える場合に機能的に類似した配列を意味する「パラログ体」という用語は、この総称用語の範囲に含まれるものである。
実施例
実施例1
リアルタイムRT-PCR分析
リアルタイムRT-PCR(U.Gibson, 1996, Genome Research:6, 996)を用いて複数の患者由来の対応する腫瘍および正常大腸組織における候補抗原のmRNA転写産物存在度を比較する。さらに、正常組織のパネルにおける候補遺伝子のmRNAレベルを、この手法により評価する。
正常大腸および腫瘍大腸由来の総RNAをTriPure試薬(Boehringer)を用いて急速凍結生検材料から抽出する。正常組織由来の総RNAは、InVitrogen社から購入するか、またはTriPure試薬(Boehringer)を用いて急速凍結生検材料から抽出する。ポリ-A+ mRNAをオリゴ-dT磁気ビーズ(Dynal)を用いてDNAse処理後に総RNAから精製する。mRNAの定量化は、分光蛍光分析(VersaFluor, BioRad)によってSybrII染料(Molecular Probes)を用いて行う。リアルタイムPCR増幅用のプライマーは、TaqMan増幅条件用のデフォルトオプションを用いてPerkin-Elmer Primer Expressソフトウェアで設計する。
リアルタイム反応は、標準PCRプロトコルにより組み立て、それぞれの反応に2ngの精製mRNAを使用する。リアルタイム検出用のSybrI染料(Molecular Probes)は最終的に1/75000に希釈して加える。増幅(40サイクル)とリアルタイム検出は、Perkin-Elmer Biosystems PE7700システムで、通常の計器構成を利用して実施する。Ct値は、PE7700配列検出用ソフトウエアを使用して計算する。それぞれのサンプルに対する複数のCt値:すなわち、患者サンプルに対しては候補TAAの腫瘍Ct(CtT)および対合した正常結腸Ct(CtN)値、ならびに正常組織サンプルのパネルに対してはそれぞれの正常組織XYのCtXYを得る。内部参照として、さらにアクチン遺伝子のCt(CtA)も、全サンプルに対して計算する。あるいは、リアルタイムPCR増幅は、Taqmanプローブを用いてモニターしてもよい。増幅(40サイクル)とリアルタイム検出を、Perkin-Elmer Biosystems PE7700システムで、通常の計器構成を利用して実施する。Ct値は、PE7700配列検出用ソフトウエアを使用して計算する。それぞれの組織サンプルから、標的mRNAのCt値(CtX)およびアクチンmRNAのCt値(CtA)を得る。
主な実験条件下でのPCR増幅の効率は理論的増幅効率に近いので、2(CtN/T/XY-CtA)値は、アクチン転写物レベルに対して標準化された、サンプルの相対的TAA転写物レベルの予測値である。従って、1の値は候補抗原とアクチンが同じ発現レベルを有することを示唆する。
リアルタイムPCR反応は、最初に、12患者のバイオプシーからの腫瘍結腸および対合する正常結腸について実施した。次いで反応を、合計18患者(このデータセットには最初の12患者が含まれる)から成るさらに完全なデータセットについて実施した。18患者のうちの6患者については重複をこのデータセット中に作った。さらに6患者を試験し、その結果を先の18患者とともにプールした。最終プールの統計を表3に示し、図1に図解した。
また、29種の組織に対応する全部で48個の正常組織サンプル系列を、同じ手法で試験した(分析した正常組織は表3に示す)。TAA転写レベルは上記のようにして算出した。候補抗原を過剰発現する患者の比率および正常組織対平均転写過剰発現の比率もこのデータセットから算出した。結果を図1に示す。
[表1]
表1:CASB7439リアルタイムPCR発現結果:12患者のデータセット
Figure 0005502253
[表2]
表2:CASB7439リアルタイムPCR発現結果:18患者のデータセット
Figure 0005502253
[表3]
表3:CASB7439リアルタイムPCR発現結果:24患者のデータセット
Figure 0005502253
また、リアルタイムPCR反応を、Taqmanプロトコル(上記の通り)を用いて、6患者のバイオプシーから得た腫瘍結腸および隣接正常結腸についても実施した。それぞれについて3つの重複測定を行い、さらなる計算には平均を使った。結果を図1に示す。さらに、異なる28組織(表5)を代表する36組織サンプルも同じ手順により試験した。結果を図2に示す。
[表4]
表4:Taqmanプローブを用いたCASB7439リアルタイムPCR発現結果
Figure 0005502253
結果は、CASB7439転写物が、隣接正常結腸および上記の正常組織の全てと比較して、結腸腫瘍に過剰発現することを明らかに示唆する。90%を超える患者が、隣接正常結腸と比較して、腫瘍においてCASB7439転写物を強く過剰発現する。腫瘍の平均過剰発現倍数は100以上である。さらに、90%を超える患者が、他の正常組織と比較して、結腸腫瘍にCASB7439転写物を過剰発現し、そしてそれらの60%超は10倍以上過剰発現する。
[表5]
表5:CASB7439転写物発現分析に使用した正常組織の表
Figure 0005502253
実施例2
cDNAアレイの示差スクリーニング
差引かれたcDNAライブラリー中の腫瘍関連遺伝子の同定を、示差スクリーニングにより実施する。
全細菌DNAを100μl一夜培養物から抽出する。細菌をグアニジウムイソチオシアネートを用いて溶解し、細菌DNAを磁気ガラス(Boehringer)を用いてアフィニティ精製する。プラスミドインサートを細菌DNAからAdvantage PCR増幅(Clontech)により回収する。PCR産物を2枚のナイロン膜上にドットし、Biomek 96 HDRTツール(Beekman)を用いて高密度cDNAアレイを作る。スポットしたcDNAをUV照射によりメンブランと共有結合させる。第1のメンブランは、単一患者の腫瘍から調整した混合cDNAプローブとハイブリダイズさせる。第2のメンブランは、同じ患者の正常結腸から調製した等量の混合cDNAプローブとハイブリダイズさせる。プローブcDNAはPCR増幅により、上記のように調製し、AlkPhos Directシステム(Amersham)を用いて標識する。ハイブリダイゼーション条件とストリンジェンシー洗浄はAlkPhos Direct キットに記載の通りである。ハイブリダイズしたプローブは化学発光により検出する。両方のブロットのそれぞれのcDNA断片のハイブリダイゼーション強度をフィルムデンシトメトリーまたは直接測定(BioRad Fluor-S Max)によって測定する。腫瘍対正常ハイブリダイゼーション強度の比(T/N)をそれぞれの遺伝子に対して計算し、腫瘍における過剰発現の程度を評価する。結腸腫瘍において有意に過剰発現する遺伝子を追跡する。有意性はT/N頻度分布の標準偏差として任意に定義する。示差スクリーニング実験を複数患者ドナー(>18)から得たRNAを用いて繰り返し、患者集団中の過剰発現腫瘍の頻度を評価する。さらに、DNAアレイを、結腸以外の正常組織(前掲の表を参照)から得た混合プローブとハイブリダイズさせて、これらの組織中の候補遺伝子の発現レベルを決定する。
実施例3
DNAマイクロアレイ
DNAマイクロアレイを用いて、複数サンプル中の遺伝子の大規模コレクションのmRNA発現プロファイルを調べる。この情報をリアルタイムPCRによって得られるデータを補完するために用いて、腫瘍と正常組織における遺伝子発現レベルの独立した測定を行う。
DNAマイクロアレイを製造する現在の技術の例としては、1)フォトリソグラフィー法を用いた固相化学合成法によりオリゴヌクレオチドをチップ表面上で合成する、Affymetrix社の「GeneChip」アレイ、2)少量のDNA溶液を自動機械で注出して、固相(例えばガラス)表面上に固定化する、DNAスポッティング技術、が挙げられる。どちらの場合でも、チップは、目的とする組織(例えば正常組織、腫瘍等)から抽出して放射活性によりまたは蛍光リポーター分子により標識したcDNAまたはcRNAとハイブリダイズさせる。標識された物質を該チップとハイブリダイズさせ、チップ上のそれぞれの配列に結合したプローブの量を特殊なスキャナーを使用して測定する。該実験は1種類の蛍光リポーター(または放射活性)を用いて設定することができるが、その代わりに2種類の蛍光リポーターを用いて実施することもできる。その後者の場合、2つのサンプルのそれぞれをリポーター分子のうちの一方で標識する。次いで2つの標識されたサンプルをDNAチップ上の配列に競合的にハイブリダイズさせる。2種類の蛍光シグナルの比率をチップ上の各配列について決定する。この比率を用いて2つのサンプル中の転写産物の相対的存在量を算出する。詳細なプロトコルは、「DNAマイクロアレイ:実用的アプローチ(DNA Microarrays: A practical approach.)Schena M. Oxford University Press 1999」およびワールドワイドウェブ(World Wide Web)(http://cmgm.stanford.edu/pbrown/protocols/index.html、http://arrayit.com/DNA-Microarray-Protocols/)ならびに専門の販売業者(例えばAffymetrix社)を含む数多くの情報源から入手可能である。
実施例5
ノーザン−サザンブロット分析
限られた量の混合した腫瘍cDNAおよび対応する正常大腸cDNAをAdvantage PCRによって増幅する(上記参照)。また、複数の正常組織からのメッセンジャーRNAを、同じ手法を用いて増幅する。増幅したcDNA(1μg)を1.2%アガロースゲルで電気泳動し、ナイロンメンブレンにトランスファーする。該メンブレンは、候補TAA cDNAの断片を用いて調製したプローブとハイブリダイズさせる(AlkPhos Direct System)。ノーザン−サザン分析は、腫瘍組織および正常組織における転写物の大きさ、スプライス変異体の存在および転写物量についての情報を提供する。
実施例6
ノーザンブロット分析
ノーザンブロットはポリA+mRNAを1μg用いて標準的プロトコールにしたがって行う。放射性プローブはReady-to-Goシステム(Pharmacia)を用いて調製する。
実施例7
全長cDNA配列の実験による同定
結腸腫瘍cDNAライブラリーを、λZapIIシステム(Stratagene)を使って、5μgのpolyA+ mRNAから構築する。逆転写工程にSuperscriptII(Life Technologies)を用いることを除いて、供給されたプロトコルに従う。オリゴdTプライマーおよび無作為プライマーを用いたライブラリーを構築する。ライブラリーのそれぞれのスクリーニングのために、約1.5x106の独立したファージをプレーティングする。ファージプラークをナイロンフィルター上に移し、AlkPhos Directにより標識したcDNAプローブを用いてハイブリダイズする。化学発光によりポジティブファージを検出する。寒天プレートからポジティブファージを切取り、500μl SMバッファー中に溶出し、遺伝子特異的PCRにより確認する。溶出したファージを、in vivo切除によって一本鎖M13バクテリオファージに変換する。次にバクテリオファージを、大腸菌(E.coli)の感染によって二本鎖プラスミドDNAに変換する。感染した細菌をプレーティングし、cDNAプローブを用いて第2ラウンドのスクリーニングにかける。ポジティブ細菌クローンからプラスミドDNAを精製し、両方の鎖の配列を決定する。
全長遺伝子がcDNAライブラリーから直接得られないときは、見つからない配列はRACE技術(Marathonキット、ClonTech)を用いて単離する。この手法は、mRNAを逆転写して二本鎖cDNAとし、cDNAの末端にリンカーをライゲートし、そしてcDNAの所望の末端部を、遺伝子特異的プライマーとリンカーオリゴヌクレオチドの1つを用いて増幅する。マラソン(Mararthon)PCR産物をプラスミド(pCRII-TOPO、InVitrogen)中にクローニングし、配列決定する。
この操作を利用して、配列番号1のポリヌクレオチドを得た。
実施例8
ESTプロフィール
実験による抗原組織発現特性決定を補完するアプローチの1つは、ヒトESTデータベースを探索することである。EST(Expressed Sequence Tag)は、特定の組織または細胞系から抽出したmRNAのコレクションから作ったcDNAの小断片である。そのようなデータベースは現在、数千のcDNA組織ライブラリーからの大量のヒトEST(2 106)を提供し、疾患の様々なタイプと状態に由来する腫瘍組織が挙げられる。情報学ツール(Blast)を使って、組織発現についてさらなる知見を得るために、CASB7439配列の比較検索を実施する。
CASB7439のEST分布:
Figure 0005502253
Figure 0005502253
これらのESTはCASB7439と完全に対合する。表は4つの異なる腫瘍結腸ライブラリー由来の9つのEST、1つの正常結腸ライブラリー由来の1つのEST、1つの腫瘍生殖細胞ライブラリー由来の3つのEST、1つの慢性リンパ球白血病細胞ライブラリー由来の1つのEST、2つの混合腫瘍ライブラリー由来の2つのEST、未知のタイプのライブラリー由来の2つのESTを含有する。これは予想通り、CASB7439が、正常組織と比較して、腫瘍組織において、特に大腸腫瘍組織において過剰発現することを明らかに示す。
実施例9:
9.1 腫瘍特異的抗原の発現および精製
ワクチン用途のために本発明の抗原を産生させるため、そして天然発現のタンパク質の免疫組織化学による特性評価に必要な抗体の迅速な精製および作製、または精製の追跡用のタンパク質断片またはタンパク質全体を産生させるために、微生物宿主における発現、またはその代わりにin vitroでの転写/翻訳を用いる。
組換えタンパク質が2つの微生物宿主、大腸菌および酵母(Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastorisなど)において発現され得る。このことによって、この特定の抗原産生にとって最良の特性を有する発現系の選択が可能である。一般的に、組換え抗原は大腸菌で発現され、試薬タンパク質は酵母で発現される。
発現の戦略は、まず、組換え抗原の一次構造の設計を含む。一般に、抗原の免疫原性特性をモジュレートするのに有用な領域、免疫融合パートナー(IFP)をも含み得る発現融合パートナー(EFP)が、発現レベルを向上させるためにN末端に配置される。加えて、さらに精製を促進するのに有用なアフィニティ融合パートナー(AFP)がC-末端に含まれる。
上記の通り、複数の構築物を比較評価しうる。CASB7439に対する抗体の迅速な発現と精製ならびに作製のために、大腸菌(E.coli)に、EFPとしてNS1をかつAFPとしてヒスチジン尾部をもつ、全長CASB7439タンパク質を作製することを検討する。
従って、2つの構築物を検討する:
構築物1:EFPとしてNS1 cDNAおよびAFPとしてヒスチジン尾部をコードするcDNAと融合した全長野生型CASB7439 cDNA(配列番号8)。コードされる融合タンパク質は配列番号10である。
構築物2:EFPとしてNS1 cDNAおよびAFPとしてヒスチジン尾部をコードするcDNAと融合した全長突然変異型CASB7439 cDNA(配列番号9)。この構築物においては、自然CASB7439 cDNAの最初の50コドンを大腸菌(E.coli)コドンに使われる特異的コドンによって置換え、大腸菌(E.coli)宿主におけるCASB7439の発現力を向上することを提案する。コードされる融合タンパク質配列は配列番号10である。
CASB7439タンパク質設計は次の通り示される:
Figure 0005502253
「NS1」はインフルエンザタンパク質NS1のN末端断片(80アミノ酸)である。「HIS」はポリヒスチジン尾部である。
使用する組換え株はN99から誘導されたAR58:潜在λ溶原、すなわち、gal E::Tn10、Δ-8(chlD-pgl)、Δ-H1(cro-chlA)、N+およびcI857である(Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol82, pp.88-92, January 1985 Biochemistry)。
組換え株を利用できるときは、組換え産物を、発現レベルの評価および粗抽出物の挙動分析によるタンパク質のさらなる溶解度の予測によって特徴づける。
適当な培地での増殖および組換えタンパク質発現の誘導後に、全抽出物をSDS-PAGEにより分析する。組換えタンパク質を染色ゲルで可視化し、ウェスタンブロット分析により特異的抗体を用いて同定する。
プラスミド:
名前:TCM 281 pRIT..15143
レプリコン:pMB1
選択:Kan
プロモーター:PLロング
インサート:NS1-C74-39-His
構築物1からの組換えタンパク質の発現:
細菌をLB培地+50μg/ml Kan中で30℃にて増殖した。培養がOD=0.5(620nm)に到達したとき、培養を39℃まで加熱し、時間の誘導後、細胞を収穫した。
抽出物調製:
細胞濃度: PBSバッファー+完全培地中で、50X
破砕: フレンチプレスで、3X
遠心分離: 14000tにて、30分間
備考: 細胞抽出物の上清の>90%
細胞抽出物を12.5% SDS PAGEで泳動し、次いでクーマシーブルーを用いて染色した。また市販のポリヒスチジン尾部に対するモノクローナル抗体(Quiagen)によって、ウェスタンブロットも実施した。得られたゲル(図3および4)は、タンパク質が発現されかつ細胞抽出上清中に認識できることを示す。
精製スキームは、組換えタンパク質中のHisアフィニティ尾部の存在に基づく古典的アプローチに従う。典型的な実験では、破砕した細胞を濾過し、無細胞抽出物を、組換えタンパク質を特異的に保持しうるイオン金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC;Ni++NTA、Qiagen)にかける。保持されたタンパク質を、リン酸バッファー中で0-500mMイミダゾール勾配(できれば界面活性剤の存在のもとで)により溶出する。
収穫した培養からの上清は、6M尿素、100mM NaH2PO4、10mM Tris、PH 8中で変性し、次の条件下でクロマトグラフィカラムIMAC Qiagen NTA Ni++にかけた:
平衡バッファー:NaH2PO4 100mM PH 8
Tris 10mM
Urea 6M
サンプル:尿素6M、100mM NaH2PO4、10mM Tris中の上清
洗浄バッファー:1)NaH2PO4 100mM、PH 8
Tris 10mM
尿素 6M
イミダゾール 25mM
:2)NaH2PO4 100mM、PH 8
Tris 10mM
尿素 6mM
イミダゾール 50mM
溶出バッファー: NaH2PO4 100mM、PH 5.5
Tris 10mM
尿素 6M
イミダゾール 500mM
500mMイミダゾール+6M尿素中の溶出タンパク質を、次の条件下で透析する:
- PBS PH 7.2 + サルコシル0.5% + 4M尿素
- 同上、2M尿素にて2時間
- 同上、0M尿素にて2時間
最終物質は凍結して保存する。タンパク質含量をローリー(Lowry)タンパク質アッセイを用いて定量した(0.9mg/1.2ml)。純度をクーマシーブルーを用いて染色した12.5% PAGE SDSにより評価し(図5)、そして組換えタンパク質の存在をウェスタンブロットにより抗ポリヒスチジンモノクローナル抗体を用いて確認した(図6)。
発現した抗原の様々なバージョンの比較評価により、さらなる精製および免疫学的評価に利用するのに最も期待できる候補の選択が可能になるであろう。
9.2 抗体産生および免疫組織化学
少量の比較的精製されたタンパク質を用いて、
a) 正常または癌組織切片における免疫組織化学による発現を検出するため、
b) 発現を検出し、精製プロセス中のタンパク質を追跡するため(ELISA/ウェスタンブロット)、または
c) 精製タンパク質を特性評価/定量するため(ELISA)
に、免疫学的ツールを作成することができる。
9.2.1 ポリクローナル抗体:
免疫感作
2〜3羽のウサギを、アジュバント3D-MPL/QS21中で処方した100μgのタンパク質にて、3週間間隔で3回筋内投与(I.M.)により免疫感作する。各免疫感作の3週間後、血液サンプルを採取し、抗体力価を、標準プロトコルにしたがってコーティング抗原としてタンパク質を用いて血清中でELISAによって評価する。
ELISA
96ウェルマイクロプレート(maxisorb Nunc)を5μgのタンパク質で4℃にて一晩かけて被覆する。PBS NCS1%で37℃にて1時間飽和させた後、ウサギ血清の連続希釈液を37℃で1時間30分かけて加える(1/10から出発)。PBS Tween中で3回洗浄した後、抗ウサギビオチニル化抗血清(Amersham)を加える(1//5000)。プレートを洗浄し、ペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(1/5000)を37℃で30分かけて加える。洗浄後、50μlのTMB(BioRad)を7分かけて加え、次いで反応を0.2MのH2SO4で停止させる。ODを450nmで測定し、SoftmaxProで中点希釈度を計算し得る。
9.2.2 モノクローナル抗体
免疫感作
5匹のBALB/cマウスを5μgの精製タンパク質にて3週間間隔で3回免疫感作する。II後14日目、3後1週間目にブリージングを行う。この血清を、被覆抗原として用いられる精製タンパク質についてElisaによって試験する。これらの結果(中点希釈度>10000)に基づいて、融合のために1匹のマウスを選別する。
融合/HAT選別
標準プロトコルにしたがってPEG40%およびDMSO5%を用いて、脾臓細胞をSP2/0骨髄腫と融合する。次いで、細胞を96ウェルプレートに2.5×104〜105細胞/ウェルで接種して、耐性クローンをHAT培地中で選択する。これらのハイブリドーマの上清を特異的抗体のその含量について試験し、陽性の場合、限界希釈法を2サイクル行う。スクリーニングを2ラウンド行った後、3種のハイブリドーマを腹水(ascitis)産生用に選択する。
9.2.3 免疫組織化学
抗体が入手可能な場合、
・正常組織に対する癌における本発明の抗原の発現のレベル、または
・その抗原を発現している一定のタイプの癌の割合、
・その他の癌のタイプもその抗原を発現するかどうか、
・癌組織においてその抗原を発現している細胞の割合、
を測定するために、免疫染色を正常または癌組織切片で行う。
組織サンプル調製
切開後、組織サンプルをOCT化合物中でコルクディスク上にのせ、液体窒素(-160℃)中で予め過冷却したイソペンタン中で急速に凍結させる。次いで、ブロックを使用するまで-70℃で保存する。7〜10μmの切片はクライオスタットチャンバー(-20、-30℃)中で作製される。
染色
組織切片を室温(RT)で5分間乾燥し、アセトン中にRTにて10分間固定し、再び乾燥し、PBS0.5%BSA5%血清で飽和する。RTで30分間置いた後、直接または間接染色を抗原特異的抗体を用いて行う。直接染色は良好な特異性をもたらすが、染色の強さは小さく、一方間接染色は染色の強さは大きいが染色の特異性が低い。
9.3 本発明の抗原に対するヒト細胞性免疫反応の分析
本発明の抗原の免疫学的な適切性はヒトT細胞のin vitro初回抗原刺激によって評価することができる。全てのT細胞リンパ球系および樹状細胞を健康なドナーのPBMC(末梢血単核細胞)(好ましくはHLA-A2サブタイプ)から誘導する。またHLA-A2.1/KbトランスジェニックマウスをHLA-A2.1ペプチドのスクリーニングに用いる。
新たに発見された抗原特異的CD8+ T細胞系を週1回のin vitro刺激により生じさせ、維持する。抗原または抗原由来のペプチドに応答したCD8系のγ-IFN産生および溶菌活性を標準方法で試験する。
CD8+ T細胞系を生じさせるために2つのストラテジー、すなわちペプチドに基づく手法と全遺伝子に基づく手法が用いられる。両手法には、適当な送達システム中にクローニングするか、またはHLA結合ペプチドの配列を予測するのに用いられる、正確なリーディングフレームでの新たに発見された抗原の全長cDNAが必要である。
ペプチドに基づく手法
簡単に述べると、トランスジェニックマウスをアジュバントを加えたHLA-A2ペプチドで免疫感作し、CD8応答(ペプチドでパルスした自己脾臓細胞の効率的な溶解により定義される)を誘導できないものをヒト系においてさらに分析する。
ヒト樹状細胞(Romaniらにしたがって培養したもの)をペプチドでパルスし、(Facsにより)CD8で選別したT細胞を刺激するのに用いる。週1回の刺激を数回行った後、CD8系をまずペプチドパルス化自己BLCL(EBV-B形質転換細胞系)にて試験する。ペプチドの適正なin vivoプロセシングを確認するために、CD8系をcDNAトランスフェクト腫瘍細胞(HLA-A2トランスフェクトLnCaP、Skov3またはCAMA腫瘍細胞)にて試験する。
全遺伝子に基づく手法
CD8 +T細胞系を、遺伝子銃でトランスフェクトした樹状細胞、レトロウイルスにより形質導入されたB7.1-トランスフェクト線維芽細胞、組換えポックスウイルス(Kimら)またはアデノウイルス(Butterfieldら)を感染させた樹状細胞のいずれかで抗原刺激する。ウイルス感染細胞は、抗原が高レベルで発現されるので抗原ペプチドを提示するのに非常に効率的であるが、ウイルスT細胞系の過剰増殖を回避するために1回使用できるにすぎない。
交互に刺激した後、CD8+系を上記のようなcDNAトランスフェクト腫瘍細胞にて試験する。ペプチドの特異性および同一性を決定して免疫学的な有効性を確認する。
CD4 + T-細胞応答
同様に、CD4+ T細胞免疫も評価することができる。特異的CD4+ T細胞の作製は、T細胞を刺激する組換え精製タンパク質またはペプチドを加えた樹状細胞を利用して行う。
HLA対立遺伝子と結合するエピトープ(ノナマーおよびデカマー)の予測
HLAクラスI結合ペプチド配列は、パーカー(Parker)のアルゴリズム(Parker,K.C., M.A.Bednarek,およびJ.E.Coligan. 1994. 「個々のペプチド側鎖の独立結合に基づく、HLA-A2結合ペプチドの能力格付けスキーム(Scheme for ranking potential HLA-A2 binding peptides based on independent binding of individual peptide side-chains)」 J. Immunol. 152:163、およびhttp://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)、またはラメンジー(Rammensee)の方法(Rammensee,Friede,Stevanovic,「MHCリガンドとペプチドモチーフ:第1リスティング(MHC ligands and peptide motifs: 1st listing)」, Immmogenetics 41, 178-228, 1995;Rammemsee,Bachmann,Stevanovic,「MHCリガンドとペプチドモチーフ(MHC ligands and peptide motifs)」. Landes Bioscience 1997、およびhttp://134.2.96.221/scripts/hlaserver.dll/home.htm)により予測する。次に、ペプチドをHLA-A2.1/Kbトランスジェニックマウスモデルでスクリーニングする(Vitielloら)。
HLAクラスII結合ペプチド配列は、Tエピトープ(T epitope)アルゴリズムを使い、スコアーカット-オフを6にセットして予測する(Sturniolo,Hammerら, Nature Biotechnology. 1999. 17;555-561)。
次の表は、クラスIおよびIIの予測されたエピトープ配列を集める:
Figure 0005502253
Figure 0005502253
Figure 0005502253
配列情報
配列番号1
Figure 0005502253
配列番号2
Figure 0005502253
配列番号3
Figure 0005502253
配列番号4
Figure 0005502253
配列番号5
Figure 0005502253
配列番号6
Figure 0005502253
配列番号7
Figure 0005502253
配列番号8
Figure 0005502253
配列番号9
Figure 0005502253
配列番号10
Figure 0005502253
配列番号11
Figure 0005502253
配列番号12
Figure 0005502253
配列番号13
Figure 0005502253
配列番号14
Figure 0005502253
配列番号15
Figure 0005502253
Figure 0005502253
配列番号16
Figure 0005502253
配列番号17
Figure 0005502253
配列番号18
Figure 0005502253
配列番号19
Figure 0005502253
配列番号20
Figure 0005502253
配列番号21
Figure 0005502253
配列番号22
Figure 0005502253
配列番号23
Figure 0005502253
配列番号24
Figure 0005502253
配列番号25
Figure 0005502253
配列番号26
Figure 0005502253
配列番号27
Figure 0005502253
配列番号28
Figure 0005502253
配列番号29
Figure 0005502253
配列番号30
Figure 0005502253
配列番号31
Figure 0005502253
配列番号32
Figure 0005502253
配列番号33
Figure 0005502253
図1は、Taqmanプローブを用いるリアルタイムPCRデータを示す。記号は次の通りである:副腎:Ad_Gl;膀胱:Bl;骨髄:Bo_Ma;頚部:Ce;結腸:Co;ファローピウス管:Fa_Tu;回腸:Il;肝:Li;肺:Lu;リンパ節:Ly_No;食道:Oe;副甲状腺:Pa_Thy;胎盤:Pl;前立腺:Pr;直腸:Re;皮膚:Sk;骨格筋:Sk_Mu;小腸:Sm_In;脾臓:Sp;精巣:Te;甲状腺:Thy;気管:Tr。 図2は、Sybrプロトコルを用いるリアルタイムPCR発現を示す。記号は次の通りである:副腎:Ad_Gl;膀胱:Bl;骨髄:Bo_Ma;頚部:Ce;結腸:Co;リンパ節:Ly_No;食道:Oe;副甲状腺:Pa_Thy;胎盤:Pl;前立腺:Pr;直腸:Re;皮膚:Sk;骨格筋:Sk_Mu;小腸:Sm_In;脾臓:Sp;精巣:Te;甲状腺:Thy;気管:Tr;心臓:He。 図3は、CASB7439を発現する株からの細胞抽出物のクーマシーブルー染色SDS PAGEを示す。レーン1は分子量マーカーを示し、レーン2は5時間39℃にて誘導した細胞抽出物を示し;レーン3は誘導した細胞抽出物の上清を示し;そしてレーン4は誘導した細胞抽出物のペレットを示す。 図4は、NS1-CASB7439発現タンパク質のウェスタンブロット分析を示す。ゲルには、CASB7439を発現する株からの細胞抽出物を載せて、抗NS1モノクローナル抗体を用いて現わした。 図5は、精製後のCASB7439のクーマシーブルー染色SDS PAGEを示す。レーン1とレーン5は分子量マーカーを示し;レーン2、3、4にはそれぞれ2μl、4μlおよび6μlの精製タンパク質を載せた。 図6は、精製後のCASB7439のウェスタンブロットを示し、抗ポリヒスチジンモノクローナル抗体によって現わした。

Claims (8)

  1. 配列番号2または配列番号10の全長にわたって配列番号2または配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するCASB7439ポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む免疫原性応答を誘導するための免疫原性組成
  2. 請求項1に記載のCASB7439ポリペプチドをin vitroで負荷することにより改変した抗原提示細胞の有効量と、薬学的に有効な担体とを含む免疫原性応答を誘導するための免疫原性組成物。
  3. 配列番号2または配列番号10の全長にわたって配列番号2または配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するCASB7439ポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む免疫原性応答を誘導するための医薬組成
  4. 請求項に記載のCASB7439ポリペプチドをin vitroで負荷することにより改変した抗原提示細胞の有効量と、薬学的に有効な担体とを含む免疫原性応答を誘導するための医薬組成物。
  5. さらにTH-1誘導性アジュバントを含む、請求項1またはに記載の免疫原性組成物または医薬組成物。
  6. TH-1誘導性アジュバントが3D-MPL、QS21、QS21とコレステロールとの混合物およびCpGオリゴヌクレオチドからなるアジュバントの群より選択されるか、または該アジュバントのうちの2種以上の混合物である、請求項に記載の免疫原性組成物または医薬組成物。
  7. 請求項1または3に記載の免疫原性組成物または医薬組成物を生産する方法であって、請求項1もしくはに記載のCASB7439ポリペプチドと、好適なアジュバント、希釈剤またはその他の薬学的に許容される担体とを混合することを含む該方法。
  8. 癌に罹患した患者または癌に罹りやすい患者を免疫治療により処置するためのワクチンの製造における、請求項1〜のいずれか1項に記載の免疫原性組成物または医薬組成物の使用であって、該癌が、大腸癌またはその他の大腸に関連した腫瘍もしくは疾患である上記使用。
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