JP2002537749A - 電気機械 - Google Patents

電気機械

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率を改善し、時間の経過に伴う出力の低下を軽減することの出来る、電動機又は発電機として作用し得る電気機械を提供する。 【解決手段】 電気機械は、ケーシング（１２）に回転可能に装架された回転子（２６ａ，２６ｂ）と、ケーシング（１２）を越えて延びている回転子軸（２４）と、回転子軸から一定の距離のケーシング内に均一に分布された角度距離で固定配置された複数の電磁石部材（２８）とを含んでいる。該電磁石部材は、各々一つ以上の導体を担持するコイル鉄心（３２）から成るコイル巻線（３０）を有している。該コイル鉄心（３２）の前面の磁極面は、回転子内又は回転子上に固着された永久磁石（２７）の磁極面と整合している。該永久磁石は、円周方向に沿って交互に変わった極性を有している。電磁石部材（２８）のコイル鉄心（３２）は、ケーシングの内部において回転子軸の回転軸線と平行に配置されていて、その対向する前面が隔置された２つの平面内に在り且つ回転子軸の回転軸線に対して直角の位置にあるようになっている。各電磁部材（２８）のコイル巻線（３０）に相当する電気導体の両端は、電気又は電子装置を介して少なくとも二つの電気接続部に相互接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機又は発電機として作用し得る電気機械に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ケーシング内に回転可能に支持され、ケーシングを貫通する軸を有する回転子
、回転子の回転中心軸から離れて均等な角度間隔でケーシングに固定して配置さ
れ、それぞれが一つ以上の導体から形成されるコイル巻線が取り付けられたコイ
ル鉄心を有する多数の電磁部材、及び回転子内又は回転子上に動かないように保
持された永久磁石を有し、永久磁石は均等な角度間隔で配置されそれぞれの磁極
面がコイル鉄心の側面に対向するよう調整され、且つ円周方向に互いに連続して
それぞれが逆の極性を持ち、電磁部材の磁極鉄心は、その向い合う側面がそれぞ
れ互いに離れた回転子軸の回転中心軸と直角に広がる２つの平面上にあるように
、回転子軸の回転中心軸と平行にケーシング内部に配置され、個々の電磁部材の
コイル巻線を形成する電気導体の端部は、電気的または電子的な制御装置を経て
少なくとも２つの電気的な一対の配線に纏めて接続され、且つ回転子は半径方向
にコイル鉄心の側面まで広がる少なくとも２つの外側回転子円板を備え、円板に
永久磁石が磁極面を割り当てられたコイル鉄心の側面に調整されて保持され、円
板の半径方向の内径部分に貫流開口が設けられている電気機械である。
【０００３】 このような電源に接続可能な機械は、その好ましい容量と重量の比率によって
、例えば車両駆動用の車両ボス電動機として使用される。この場合にこれらの電
動機の構造は、回転子軸に固定して結合された非磁性材料の円板に、永久磁石が
その磁極面が両側とも露出するよう円板状の回転子の平面側に取り付けられ、回
転子の同じ側面の円周方向に互いに連続する磁石の磁極面は、それぞれ逆の極性
を示すように配置される。回転子軸の回転中心軸と永久磁石の平均半径距離に相
当する距離に、ケーシングの蓋又はケーシングの半径方向壁の円板状の回転子に
向いた内側に、金属の鉄心に巻かれたコイルの形状の電磁部材が配置される。こ
のコイルの作動は回転磁界を発生させる電子的制御装置によって行なわれること
が好ましく、こうすることによって、原理的に同様に考えることができるが磨耗
を伴う整流子による摺動接触による作動を省略することができる。このように電
子的に作動される機械はブラシレス円板回転子機と呼ばれる（ＧＢ第２２７５３
７１Ａ号）。更に、回転子はケーシングに固定して保持されているコイル鉄心の
側面まで広がる２枚の外側回転子円板を備え、磁極面が割り当てられているコイ
ル鉄心の側面に対して調整された永久磁石が円板に保持されている、ブラシレス
円板回転子機が既知である（例えば、ＤＥ第１９７０１７９７Ａ号の図１８、Ｄ
Ｅ第４２１４４８３号）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、既知の電気機械を効率上で改善し、且つ時間の経過に伴う永久磁石
の減磁による出力の低下を軽減するという課題に基づくものである。この場合、
機械は価格的に有利で製作が容易で、且つ有利な出力当たりの重量を持っていな
ければならない。
【０００５】 最初に述べた種類の電気機械を基礎として、この課題は本発明により、円周方
向に互いに連続しているコイルに対向する露出した端部のそれぞれの対が、両方
の向い合う外側回転子円板に設けられているそれぞれ異なる極性の磁極面を備え
た永久磁石の突起で、磁極面と反対方向の端部は、それぞれ軟磁性材料又は強磁
性材料から製作された磁界を十分に収容するヨークによって互いに結合されてい
ること、回転子円板は、回転子円板間の空間に円周方向に互いに離れて電磁部材
側が開放される多数の小室を形成する半径方向に延びるリブによって互いに結合
されていること、及び回転子円板に設けられた半径方向の内径側の貫流開口は、
回転子のそれぞれの小室に開口していることによって解決される。両側の回転子
円板の中間に配置されて有効に機械のケーシングの周壁に強固に固定されている
電磁部材に割り当てられる永久磁石は、それぞれ２つの円周方向に互いに連続す
る個々の磁石を結合するヨークによって１種のＵ字形磁石を形成する。これによ
って永久磁石の磁界は、ヨークによって結合された永久磁石及びコイル鉄心の磁
性材料の内部に漏洩することなく十分に保持されるので、電磁部材のコイル鉄心
の側面と永久磁石の磁極面の間に生ずる狭い空隙だけに僅かな漂遊磁界が発生し
得る電動機の構造が達成される。従って、機械を電動機として接続した場合、電
磁部材に発生する回転磁界の損失は低減される。これは機械を、例えば風力発電
設備用などに採用して発電機として使用する場合にも当て嵌まり、この場合は補
助歯車を中間に接続することなく、回転子の回転軸を風車の駆動軸に直結するこ
とが可能である。発電機の優れた電気的効率に加えて、中間歯車の機械的損失も
回避することができる。このとき、回転子円板を結んで半径方向に延びるリブは
ブロワの翼のように作用し、即ち回転子円板の半径方向の内径側にある貫流開口
を経て空気がケーシングから吸引され、冷却風の流れとして半径方向に外径側に
向かって電磁部材の間に吹き付ける。
【０００６】 最も簡単な場合は、機械のケーシングの内部に一連の電磁部材が設けられ、回
転子は電磁部材のコイル鉄心の両側面の前方に向かい合って取り付けられる外側
の回転子円板を備えている。
【０００７】 機械の出力の増加は直径を増加させることなく、回転子の長手方向に互いに離
れて２つ以上の一連の電磁部材を、ケーシング内部に配置することによって実施
することができる。このとき回転子は、反対方向に向いた最外系列のコイル鉄心
の外側の側面の前方に取り付けられた２枚の外側回転子円板に加えて、隣り合う
一連の電磁部材間の空間に、それらの電磁部材の互いに向い合う側面の前方に取
り付けられた永久磁石を持つ追加の回転子円板が設けられ、それぞれの追加回転
子円板の対向する側に露出する永久磁石の異なった極性の磁極面は、一連の電磁
部材のコイル鉄心の側面に対して半径方向に位置を調整して取り付けられる。追
加の回転子円板に取り付けられる永久磁石は、外側の回転子円板の永久磁石と違
ってＵ字形磁石ではなく、この磁石の磁極面及び向い合う電磁部材のコイル鉄心
側面間の空隙をできるだけ小さく保ち、それによって漂遊磁界による損失を避け
るため、短い長さの棒磁石として形成される。
【０００８】 ケーシング内部は外気に対して気密に閉鎖すると好都合で、ケーシングを貫通
する機械の軸部分の気密は適切なシールによって実施する。回転子円板に設けた
半径方向の内径側の貫流開口を通ってケーシング内部から吸引され、電磁部材の
間を吹き抜ける空気は、電磁部材のコイルから熱を取り去る。循環する空気は回
転子円板の外周を越えた後回転子とケーシング側壁間の空間に流入し、半径方向
の内径側の貫流開口に再び吸引される。このような方法で、ケーシング内部に閉
鎖された空気流が生じ、電磁部材のみならずケーシング内部に露出しているその
他の全ての表面を流れ、局部的な高い温度（ホットスポット）が発生することを
防止する。
【０００９】 機械内で発生し循環する空気に伝達された熱を放散するため、ケーシングの外
側及び／又は内側にリブを設け、熱の放散又は吸収面をできるだけ広げることを
推奨する。ここで特別な場合は、ケーシング側壁の回転子側を向いた内側面に半
径方向に延びるリブを設け、その半径方向のダクトがケーシング内部を循環する
ガス状の気体の帰路を形成すると好都合となることがある。
【００１０】 更に、半径方向のリブは半径方向の内径側及び半径方向の外径側だけが開放さ
れ、ケーシング内部を結ぶ閉鎖ダクトが形成されるように、半径方向のダクトの
回転子円板側を金属板で閉じることも可能で、このダクトを通って循環空気の還
流が行われる。
【００１１】 本発明による電気機械の冷却は、代替案として、ケーシングの回転子円板の貫
流開口に向い合う領域に空気流入口を、半径方向の外形側に離れて空気流出口を
設けることによって、周囲空気の貫流によって実施することが可能である。
【００１２】 この場合、電磁部材は均等な間隔で円周方向に配置して設けられ、ケーシング
周壁の内側から回転子円板の間に形成される空間に突き出している。 特に最初に述べた種類の機械で、永久磁石のそれぞれの磁極面が、円周方向に
互いに連続する２つの電磁部材の２つのコイル磁極面を覆う広がりを備えるよう
に構成し、且つ回転子を回転させて駆動するため、円周方向に互いに連続する２
つの電磁部材の間の角度に相当する角度にわたって、円周方向に互いに連続する
２つの電磁部材毎に極性を次々と切り替えるように制御を構成すると有利である
。これによって２相機が成立する。
【００１３】 代わりに、永久磁石のそれぞれの磁極面に、円周方向に互いに連続する３つの
電磁部材の３つのコイル磁極面を割り当てることも可能で、この場合は回転子を
回転させて駆動するため、円周方向に互いに連続する電磁部材の間の角度に相当
する角度にわたって、円周方向に互いに連続する３つの電磁部材毎に極性を次々
と切り替えるように制御を構成し、従って３相機が成立する。
【００１４】 原則として、永久磁石のそれぞれの磁極面は、３つ以上の円周方向に互いに連
続する電磁部材のコイルの磁極面を割り当てることができ、この場合は回転子を
回転させて駆動するため、円周方向に互いに連続する電磁部材の間の角度に相当
する角度にわたって、１つの永久磁石に割り当てられた円周方向に互いに連続す
る電磁部材のグループの極性を次々と切り替えるように制御が構成される。
【００１５】 それぞれ１つの永久磁石に割り当てられたそれぞれ電磁部材の円周方向に互い
に連続するグループのコイルを纏めて接続することによって、コイルの極性を反
転制御する動力電子装置の構造的費用は、それぞれのコイルの個別制御に比べて
著しく低下する。２相機の場合の電気的制御回路は、振幅及び周波数が可変の２
相インバータ制御に限定する。２つの相対するＵ字形磁石区間の間に４個の電磁
部材の４つのコイルがある。同時に第１及び第３のコイルを、次の段階で第２及
び第４のコイルを切り替える。第１及び第３の、並びに第２及び第４のコイルの
極性は逆である。第３及び第４のコイルはそれぞれ第１及び第２のコイルに対し
て鏡像的に作動するので、第１及び第３の、並びに第２及び第４のコイルは互い
に固定して配線することができる。２相制御によって実際には４相作動を実現さ
せることも可能である。
【００１６】 電動機の回転方向及び回転数は、コイルを或る極性から他の極性に切り替える
切替点を、ケーシング内の回転子の相対的な回転位置を検出する位置発信機を通
じて作動することによって決定することができる。コイルを作動する切替点は、
周波数を設定したセンサによって決定することもできる。この場合、切替周波数
は電動機の回転数と同一ではなく、磁石区間に関係する。電動機が相及び区間当
たり２つの切替インパルスを持つ１０個の区間から構成されている場合は、電動
機の回転数に対して２０倍の切替周波数となる。 位置発信機として、電動機のケーシングに対する相対回転位置をブラシを使用
しないで検出するセンサ、特に光学的センサを設けると好都合である。
【００１７】 電磁部材はそれぞれ別個の保持要素に保持されると好都合で、保持要素はケー
シングの周壁に配分されたそれぞれの開口部に、電磁部材のコイルの磁極面が回
転子円板間の永久磁石の磁極面に位置調整された規定通りの組立位置になるよう
に組立てることができる。個々の電磁部材のコイルが損傷又は脱落した場合、そ
の電磁部材は個々に分解して修理するか、又は機能的に新しい電磁部材と交換す
ることができる。
【００１８】 代わりに、ケーシングの内部に保持されるリングの保持体に、電磁部材を予め
組立てた構成も考えられる。この構成は、勿論少なくとも１枚の回転子円板を、
別に組立てることが可能であることを前提としている。
【００１９】 電磁部材は２つの別々の逆の巻線方向のコイル、即ち逆極性差動巻線を設ける
ことができ、電気的又は電子的制御装置によって選択的に作動することができる
。このような方法でそれぞれの電磁部材の極性は、電子的な作動によるそれぞれ
のコイル巻線の作動に応じて切り替えることができる。
【００２０】 本発明による機械を発電機として使用しなければならない場合は、それぞれの
電磁部材のコイル巻線を形成する電気導体の端部を、目的に合うよう別々の整流
回路の入力端子に接続し、整流回路の出力側を一対の集電導体に纏めて接続する
。個々のコイルでそれぞれに割り当てられた整流回路を通して発生された直流電
流の総和から構成される直流電流を、集電導体から取り出すことができる。この
構成は、特に発電機が変化する回転数で駆動される場合に推奨され、例えば風速
の変化に応じた羽根の調整を行なわないロータの羽根を持つ風力発電設備におけ
る風力による電流発生は、まさにこの場合に当て嵌まる。 このような発電機で発生された直流電流は、後続のインバータで系統に同期し
た２相又は３相交流電流に変換される。
【００２１】
【発明の実施の形態】
本発明を、図面と共に実施例についての以下の記述で詳細に説明する。 全体を１０で表示した図１に示す本発明による電気機械の実施例は、原則とし
て電動機又は発電機として使用することができる。機械１０は特別な場合は軸方
向に比較的短く構成したケーシング１２を備え、比較的大きな直径を持つ２枚の
円板状のケーシング側壁１４ａ、１４ｂ及び比較的短い長さのほぼ円筒のリング
で形成される本来のケーシング周壁１６から構成される。ケーシング側壁１４ａ
、１４ｂ及びケーシング周壁１６は、図示されていないねじ又はその他の固定手
段によって分解可能なように互いに結合され、ケーシング周壁１６は機械１０の
組立又は分解を容易にするため、ケーシングの長手中心軸に広がる分割面によっ
て２つの互いにねじ結合が可能な、又は他の方法によって結合が可能な半ケーシ
ング周壁に分割することができる。
【００２２】 側壁１４ａ、１４ｂにはそれぞれ中央にラジアル軸受２２用の軸受収納部２０
が形成され、ケーシング側壁１４ａを貫通する軸２４が回転可能に支持される。 回転子円板２６ａ、２６ｂの半径方向の外周側領域に、円周方向に互いに連続
して均等な角度間隔で永久磁石２７が保持され、磁石は内側に向いた磁極面、即
ちそれぞれ向い合った回転子円板２６ａ、２６ｂを向いた磁極面は、円周方向に
互いに連続して異なる極性を備えている。更に、両方の回転子円板の軸方向に向
い合う永久磁石２７の磁極面は異なった極性を有している。永久磁石２７は回転
子円板２６ａ、２６ｂの凹部に保持され、円周方向に互いに連続する永久磁石２
７は、それぞれコイルと対向する側の側面が、Ｕ字形磁石を一体として形成する
ため、磁界を十分に収容する強磁化性又は軟磁化性材料のヨーク２７ａによって
結合される。
【００２３】 ケーシング周壁１６の内壁には、同様に均等な角度間隔に分布して、それぞれ
一つ以上の導体によるコイル巻線３０が取り付けられたコイル鉄心３２を持つ電
磁部材２８が配置される。コイル巻線３０の導体の端部は電子的制御装置に接続
され、電源から制御装置に導かれる電流がコイル３０に供給される。供給電流は
電磁部材２８に回転磁界を発生させ、回転子円板２６ａ、２６ｂに取り付けられ
た永久磁石２７との相互作用で、回転子及びそれに伴って軸２４のケーシング１
２に対する相対的な回転を生じさせる。図示していない上記電子的制御と共に、
図１による電気機械は、直流電源で駆動することができるブラシレス軸方向電界
電動機となる。逆に軸２４が駆動された場合は、回転子円板（２６ａ、２６ｂ）
と共に回転する永久磁石２７は電磁部材２８に回転電界を生じさせ、電磁部材２
８のコイル３０の端部から取り出すことができ、適切な整流回路を通じて直流電
流として利用することができる。又は、適切な電子的制御装置によって回転電界
を３相交流又は２相交流に変換することができる。
【００２４】 図２に全体を１０’で表示した本発明による電気機械を示し、その出力は直径
を増加させることなく、回転子軸の長手方向に２つの互いに離れた一連の電磁部
材２８をケーシング１２の内側に配置することによって高められている。回転子
は、逆方向に向いた電磁部材の外側の側面の前面にある外側回転子円板２６ａ、
２６ｂの外に、更に両方の一連の電磁部材２８の間の空間に設けられた第３の回
転子円板２６ｃを備えている。この中央の回転子円板２６ｃに永久磁石２７が嵌
め込まれている。この方法により、永久磁石２７の磁極面と中央の回転子円板２
６ｃにおける電磁部材２８のコイル鉄心３２の側面間の空隙を小さく維持するこ
とができ、それによって漂遊磁界による損失が防止される。この場合にもケーシ
ング周壁１６は組立上の理由によって中心面に沿って分割される。
【００２５】 軸方向に離して配置した第２の一連の電磁部材２８及び追加した回転子円板２
６ｃの配置を別として、この機械は前記の図１に関して説明した電気機械と機能
的に合致するので、電気機械１０’の構成に関して機械１０の前述の説明を参照
すれば十分であり、特に両方の機械の機能的に同じ部材は図において同じ参照記
号が割り当てられている。 直径を増加させることなく更に出力を高めることは、更に別の又は多くの軸方
向に設けた一連の電磁部材の配置により可能であることは明らかで、それらの部
材の間にはそれぞれ永久磁石を取り付けた追加回転子円板が配置される。
【００２６】 図３に図式的に図示した図１に示す電気機械１０の断面により、ケーシング１
２のケーシング周壁１６から円周方向に互いに離して均等な配分で、図示の場合
は合計２４個の電磁部材２８が配置されていることが分る。
【００２７】 軸２４には、既に述べたように図４及び５に個別に図示される回転子が回らな
いように固定されて取り付けられており、非磁性材料で製作され互いに離れてケ
ーシング周壁近くまで半径方向に伸びる２枚の回転子円板２６ａ、２６ｂが設け
られる。回転子円板には円周方向に互いに連続して均等な角度間隔を有する図示
の場合は合計１２個の永久磁石２７が、その内側の、即ちそれぞれ対向する回転
子円板２６ａ，２６ｂの方向を向いた磁極面が円周方向に互いに連続して異なっ
た極性を持って配置されている。更に、両方の回転子円板２６ａ，２６ｂの永久
磁石２７は、軸方向に対向している磁極面で異なった極性を有している。図示し
た実施例においては、それぞれの永久磁石の磁極面は、円周方向に互いに連続す
る電磁部材のコイル鉄心３２の２個の磁極面にわたって広がっている。
【００２８】 図示されていない電磁部材のコイル巻線３０の導体端部は、ケーシングから引
き出され適切な方法で既に言及した電子的制御装置に接続される。制御装置は、
電源から導かれる電流を電磁部材に回転磁界を発生するよう制御して供給し、回
転磁界は回転子円板２６ａ、２６ｂに配置された永久磁石との相互作用によって
、電動機１０及びそれに伴う軸２４の回転を生じさせる。
【００２９】 回転子円板２６ａ、２６ｂはそれぞれ内側の側面にボス体３６（図４及び５）
が配置され、半径方向のリブ３８が回転子円板２６ａ、２６ｂの間の空間に突き
出している。リブの半径方向の突き出しは、ケーシング周壁１６から半径方向内
側に突出する電磁部材２８が、ボス体３６から突き出す半径方向のリブ３８に当
たることなく、回転子円板２６ａ、２６ｂの間の空間に半径方向に取り付けられ
るように選定される。円周方向に互いに連続するボス体３６の２つのリブ３８の
間に、更に追加して回転子円板２６ａ、２６ｂの互いに向い合う内面に固定され
た半径方向のリブ３８’が設けられる。これによって円周方向に互いに連続する
一連の小室４０が形成され、内径側はボス体３６によって、側面は回転子円板２
６ａ又は２６ｂによって閉鎖される。両側の回転子円板２６ａ、２６ｂに、ボス
体３６の直ぐ上に小室４０に導かれる内径側の貫流開口４６が設けられる。回転
している回転子において、貫流開口４６を経て空気がケーシングの内部から小室
４０に進入し、そこから回転している回転子の遠心力によって半径方向の外側に
加速される。この半径方向に外側に流れる空気は小室４０から出て、ケーシング
１２の周壁１６から回転子円板２６ａ、２６ｂの間の空間に突き出している電磁
部材に当たり、これらの部材の間の空間を通り周囲を流れ、続いて回転子円板の
外周面を越えて、再び回転子円板２６ａ、２６ｂ及びケーシング側壁１４ａ、１
４ｂの間の空間に進入することができる。ボス体、半径方向のリブ３８及び３８
’、及び回転子円板２６ａ、２６ｂから構成される回転子は、同時にブロワの回
転翼を形成し、ケーシングに封入されている空気、又は特別の場合はそこに封入
される充填ガスに強制循環流を生じさせる。強制循環流の温度が周囲温度より上
昇すると、直ちに熱はケーシング即ちケーシング周壁１６及びケーシング側壁１
４ａ、１４ｂを経て周囲大気に放散される。ケーシングの表面にフィンを設ける
ことによって、ケーシング内部の強制循環流からケーシングへの熱伝達、及びケ
ーシングから周囲大氣への熱伝達を強化することができる。ケーシング側壁１４
ａ及び１４ｂに、ほぼ回転子円板２６ａ、２６ｂの貫流開口４６に向いた空気入
口を設け、ケーシング周壁１６の電磁部材２８の間の部分に供給された空気の排
出口を設けることによって、ケーシング内部の強制循環流の代わりに外部空気に
よって冷却することも可能である。
【００３０】 図６に電磁部材の一つの特別構造である電磁部材２８の結線を図式的に示し、
そのコイル鉄心に２つの反対の巻線方向に重なり合って巻かれたコイル巻線３０
ａ及び３０ｂが取り付けられる。両方のコイル巻線３０ａ、３０ｂの一端は同じ
電流が流れる導体に接続され、一方両方のコイル巻線の他端はそれぞれ別個の電
子的制御ユニットＥＣに導かれる導体に接続され、これによって２つの電流導体
が選択的に第１のコイル巻線３０ａ又は第２のコイル巻線３０ｂに接続できるこ
とが分る。
【００３１】 図６に示すコイル巻線の図示において、コイル巻線３０ａはその下側にあるコ
イル巻線３０ｂの上部を図示できるように、半分だけが図示されていることに注
意する必要がある。巻線３０ａは、実際はコイル鉄心の全長にわたって延びてい
る。このような場合を逆極性差動巻線と呼ぶ。 本発明の思考の範囲内で、電気機械１０又は１０’を説明した実施例に対して
変更すること及び発展させることができるのは明らかである。
【００３２】 電気機械１０を電動機として駆動する場合は、説明の前提とした軸２４を介し
た回転駆動の代わりに、軸２４を適切なフランジによって剛体の構造物に固定す
る。電動機を電流によって駆動するとケーシング１２は回転し始める。このよう
な構成で、電気機械は例えば車輪ボス電動機として、車両の駆動のため直接車輪
に取り付けられる。このような場合にケーシング１２とともに回転する電磁部材
２８を、滑り接触又はブラシを介することなく電流で作動することができるよう
にするため、永久磁石２７及び電磁部材２８の配置を取り替えると好都合であり
、電磁部材を固定軸に回転できないように取り付けられた回転子に配置する一方
，永久磁石２７をケーシングの内面、即ちケーシング側壁１４ａ、１４ｂの内側
面に配置する。実際的に電気機械１０の動的反転となる。電磁部材への電流供給
は軸に固定して取り付けたリード線を介して実施する。
【００３３】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、製作が容易であり、且つ長期間の使用に対して
も出力低下の少ない高効率の電気機械を廉価に提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】 一連の電磁部材及び２枚の外側回転子円板を有する本発明による電気機械の第
１の実施態様に対する、回転子軸の回転中心軸における長手中心断面である。
【図２】 長手方向に互いに離れている２つの一連の電磁部材、及び両方の一連の電磁部
材の間に設けられた追加の中央の回転子円板を有する第２の実施態様の、図１の
断面に相当する長手中心断面である。
【図３】 図１の電気機械の断面図で図１の矢印３−３から見た図である。
【図４】 図１及び３に示す電気機械の回転子の、図３に相当する切断面における断面図
である。
【図５】 図４の矢印５−５の方向に見た回転子の断面図である。
【図６】 コイル鉄心に取り付けられた反対の巻線方向を持つ２つの別々のコイル巻線を
有する、本発明による電気機械に組み込むことができる電磁部材の図式的接続図
で、コイル巻線は選択的に電子的制御装置から作動することができ、極性を選択
的に切り替えることができる。
【符号の説明】
１０，１０’ 電気機械 １２ ケーシング １４ａ，１４ｂ ケーシング側壁 １６ ケーシング周壁 ２０ 軸受収納部 ２２ ラジアル軸受 ２４ 軸 ２６ａ，２６ｂ，２６ｃ 回転子円板 ２７ 永久磁石 ２７ａ ヨーク ２８ 電磁部材 ３０，３０ａ，３０ｂ コイル巻線 ３２ コイル鉄心 ３６ ボス体 ３８，３８’ リブ ４０ 小室 ４６ 貫流開口 ＥＣ 電子的制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０２Ｋ 21/24 Ｈ０２Ｋ 21/24 Ｍ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＮ，ＩＮ，Ｊ Ｐ，ＵＳ Ｆターム(参考） 5H605 AA03 BB10 BB17 BB20 CC01 DD03 DD12 EB12 5H609 BB03 BB18 BB19 PP02 PP06 PP09 QQ02 QQ03 QQ10 QQ12 QQ23 RR03 RR06 RR27 RR33 RR36 RR42 RR63 RR69 RR73 SS02 5H621 BB02 BB07 GA01 GB10 HH01 JK11 JK17 JK19 5H622 AA03 AA06 CA02 CA06 CA10 CB01 PP10 PP17 【要約の続き】 ０）に相当する電気導体の両端は、電気又は電子装置を 介して少なくとも二つの電気接続部に相互接続されてい る。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ケーシング（１２）内に回転可能に支持され、ケーシング（
    １２）を貫通する軸を有する回転子（２６ａ，２６ｂ，２６ｃ，３６）、回転子
    の回転中心軸から離れて均等な角度間隔でケーシングに固定して配置され、夫々
    が一つ以上の導体から形成されるコイル巻線（３０）が取り付けられたコイル鉄
    心（３２）を有する多数の電磁部材（２８）、及び回転子内又は回転子上に動か
    ないように保持された永久磁石（２７）を有し、永久磁石は均等な角度間隔で配
    置されそれぞれの磁極面がコイル鉄心（３２）の側面に対向するよう調整され、
    且つ円周方向に互いに連続してそれぞれが逆の極性を持ち、電磁部材（２８）の
    コイル鉄心（３２）は、向い合う側面がそれぞれ互いに離れた回転子軸の回転中
    心軸と直角に広がる２つの平面上にあるように、回転子軸（２４）の回転中心軸
    と平行にケーシング内部に配置され、個々の電磁部材（２８）のコイル巻線（３
    ０）を形成する電気導体の端部は、電気的または電子的な制御装置を経て少なく
    とも２つの電気的な一対の配線に纏めて接続され、且つ回転子は半径方向にコイ
    ル鉄心の側面まで広がる少なくとも２つの外側回転子円板（２６ａ，２６ｂ，２
    ６ｃ）を備え、円板に永久磁石（２７）が磁極面を割り当てられたコイル鉄心の
    側面に調整されて保持され、円板の半径方向の内径部分に貫流開口（４６）が設
    けられている電気機械（１０，１０’）において、 円周方法に連続しているコイルに対向する露出した端部のそれぞれの対が、両
    方の向い合う外側回転子円板（２６ａ，２６ｂ）に設けられているそれぞれ異な
    る極性の磁極面を備えた永久磁石（２７）の突起で、磁極面と反対方向の端部は
    、それぞれ軟磁性材料又は強磁性材料から製作された磁界を十分に収容するヨー
    ク（２７ａ）によって互いに結合されていること、 回転子円板（２６ａ，２６ｂ）は、回転子円板間の空間に円周方向に互いに離
    れて電磁部材側が開放される多数の小室（４０）を形成する、半径方向に延びる
    リブ（３８，３８’）によって互いに結合されていること、及び 回転子円板（２６ａ，２６ｂ）に設けられた半径方向に内径側の貫流開口（４
    ６）は、回転子のそれぞれの小室（４０）に開口していること、 を特徴とする電気機械。
  2. 【請求項２】 ケーシング内部に一連の電磁部材（２８）が設けられている
    こと、及び 回転子は、電磁部材（２８）のコイル鉄心側面の前方に２枚の互いに向かい合
    うように取り付けられた外側回転子円板（２６ａ，２６ｂ）を備えていること、 を特徴とする請求項１による機械。
  3. 【請求項３】 回転子軸の長手方向に互いに離れて２つ以上の一連の電磁部
    材（２８）がケーシング内部に設けられていること、及び 回転子は、反対の方向を向いた最外系列のコイル鉄心（３２）の外側側面の前
    方に取り付けられた両方の外側回転子円板に加えて、隣り合う一連の電磁部材（
    ２８）の間の空間に、電磁部材の向い合う側面の前方に取り付けられた永久磁石
    を有するそれぞれ一枚の追加の回転子円板（２６ｃ）を備え、それぞれの追加回
    転子円板の向い合う側に露出している、異なった極性の永久磁石（２７）の磁極
    面は、電磁部材系列のコイル鉄心（３２）の側面と半径方向に位置が調整されて
    いること、 を特徴とする請求項１による機械。
  4. 【請求項４】 ケーシング内部が外部大気に対して気密に閉鎖されているこ
    とを特徴とする請求項１ないし３の何れかによる機械。
  5. 【請求項５】 ケーシング（１２）の外側及び／又は内側に、熱放射又は熱
    吸収面積を増加させるためリブが設けられていることを特徴とする請求項４によ
    る機械。
  6. 【請求項６】 ケーシング側壁（１４ａ，１４ｂ）の回転子側に向いた内面
    に半径方向に伸びるリブが設けられ、その間の半径方向のダクトがケーシング内
    部を循環するガス状の気体の帰路を形成することを特徴とする請求項５による機
    械。
  7. 【請求項７】 半径方向のダクトの回転子円板側が金属板で覆われ、従って
    半径方向のリブ（３８，３８’）の中間は半径方向の内径端及び半径方向の外径
    端のみが開放され、ケーシング内部を結合する閉鎖ダクトが形成されることを特
    徴とする請求項６による機械。
  8. 【請求項８】 回転子円板（２６ａ、２６ｂ）の貫流開口に向い合うケーシ
    ング（１２）の領域に空気流入口、及び半径方向の外形側に離してケーシング（
    １２）に空気流出口を設けたことを特徴とする請求項１ないし３の何れかによる
    機械。
  9. 【請求項９】 円周方向に均等な間隔で配分されている電磁部材（２８）が
    、ケーシング周壁（１６）の内側から回転子円板（２６ａ、２６ｂ）の間に形成
    される空間に突き出していることを特徴とする請求項１ないし８の何れかによる
    機械。
  10. 【請求項１０】 永久磁石（２７）の磁極面が、円周方向に互いに連続する
    ２つの電磁部材（２８）の２つのコイルの磁極面（３０，３２）を覆う広がりを
    備えていること、及び 回転子を回転させて駆動するため、円周方向に互いに連続する２つの電磁部材
    の間の角度に相当する角度にわたって、円周方向に互いに連続する２つの電磁部
    材（２８）毎に極性を次々と切り替えるように制御を行うこと、 を特徴とする請求項１ないし９の何れかによる機械。
  11. 【請求項１１】 永久磁石（２７）のそれぞれの磁極面に、円周方向に互い
    に連続する３つの電磁部材（２８）の３つのコイルの磁極面を割り当てること、
    及び 回転子を回転させて駆動するため、円周方向に互いに連続する電磁部材の間の
    角度に相当する角度にわたって、円周方向に互いに連続する３つの電磁部材（２
    ８）毎に極性を次々と切り替えるように制御を行うこと、 を特徴とする請求項１ないし９の何れかによる機械。
  12. 【請求項１２】 永久磁石（２７）のそれぞれの磁極面に、３つ以上の円周
    方向に互いに連続する電磁部材（２８）のコイルの磁極面が割り当てられている
    こと、及び 回転子を回転させて駆動するため、円周方向に互いに連続する電磁部材の間の
    角度に相当する角度にわたって、一つの永久磁石に割り当てられたグループの円
    周方向に互いに連続する電磁部材（２８）の極性を次々と切り替えるように制御
    を行うこと、 を特徴とする請求項１ないし９の何れかによる機械。
  13. 【請求項１３】 電磁部材（２８）の極性切り替えを作動する制御装置に、
    ケーシング（１２）内の回転子の相対的回転位置を検出する位置発信器が設けら
    れていることを特徴とする請求項１０ないし１２の何れかによる機械。
  14. 【請求項１４】 位置発信器が、ケーシング（１２）に対する回転子の相対
    回転位置をブラシなしで検出するセンサ、特に光学的センサとして形成されてい
    ることを特徴とする請求項１３による機械。
  15. 【請求項１５】 電磁部材（２８）がそれぞれ別個の保持要素に保持され、
    保持要素はケーシング（１２）の周壁（１６）に配分されたそれぞれの開口部に
    、電磁部材（２８）のコイルの磁極面が、回転子円板の間で永久磁石（２７）の
    磁極面に位置調整された規定通りの組立位置になるように組立てることができる
    ことを特徴とする請求項１ないし１４の何れかによる機械。
  16. 【請求項１６】 電磁部材（２８）が、ケーシング内部に保持されるリング
    状の保持体に予め纏めて組立てられることを特徴とする請求項４ないし１４の何
    れかによる機械。
  17. 【請求項１７】 電磁部材（２８）が、２つの別々の巻線方向が逆のコイル
    巻線（逆極性差動巻線３０ａ又は３０ｂ）を備えていること、及び 電気的又は電子的制御装置（ＥＣ）がそれぞれのコイル巻線（３０ａ、３０ｂ
    ）を選択的に作動するため設けられること、 を特徴とする請求項１ないし１６の何れかによる機械。
  18. 【請求項１８】 発電機として動作する請求項１ないし１７の何れかによる
    機械において、 それぞれの電磁部材（２８）のコイル巻線（３０）を形成する電気導体の端部
    を別々の整流回路の入力端子に接続し、整流回路の出力側を１対の集電導体に纏
    めて接続すること特徴とする機械。
  19. 【請求項１９】 発電機に発生した直流電流を系統に合致した２相又は３相
    交流電流に変換するためインバータ回路に接続することを特徴とする請求項１８
    による機械。
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