JP2002535733A - 親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法 - Google Patents
親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法Info
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- JP2002535733A JP2002535733A JP2000596397A JP2000596397A JP2002535733A JP 2002535733 A JP2002535733 A JP 2002535733A JP 2000596397 A JP2000596397 A JP 2000596397A JP 2000596397 A JP2000596397 A JP 2000596397A JP 2002535733 A JP2002535733 A JP 2002535733A
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- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/00009—Production of simple or compound lenses
- B29D11/00317—Production of lenses with markings or patterns
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- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/04—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
- G02B1/041—Lenses
- G02B1/043—Contact lenses
Abstract
(57)【要約】
親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法。この方法は、レンズを構成するポリマー材料を膨潤するための溶剤と、クロムアゾ錯体塩類およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つの染料とを含む水溶液に接触させるようレンズを設置する工程、および前記レンズを前記水溶液から取り出す工程を含む。褐色に着色されたコンタクトレンズ類の製造に応用される。
Description
【0001】 本発明は、概して、コンタクトレンズ(類)の着色方法に関するものであり、
より詳しくは、親水性ソフトコンタクトレンズに関する。
より詳しくは、親水性ソフトコンタクトレンズに関する。
【0002】 着色コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズは公知である。 GB−A−1 004 424では、無着色ソフトコンタクトレンズを、濃縮
された染料液中に、染料がレンズに浸透するまで十分時間浸漬させるソフトコン
タクトレンズの着色方法が開示されている。この方法では、コンタクトレンズを
部分的にマスクできるため、特定範囲のみを着色することができる。好ましい染
料は、通常よく用いられるアゾ染料やバット染料などのウールの染色に用いられ
る酸性染料である。 GB−A−1 004 424の方法およびこれにより得られるレンズの大き
な欠点は、レンズに拡散している染料が浸出しやすい、換言すれば、涙によって
移動すなわち失われやすい点である。レンズの消毒液によっては尚更そうである
。
された染料液中に、染料がレンズに浸透するまで十分時間浸漬させるソフトコン
タクトレンズの着色方法が開示されている。この方法では、コンタクトレンズを
部分的にマスクできるため、特定範囲のみを着色することができる。好ましい染
料は、通常よく用いられるアゾ染料やバット染料などのウールの染色に用いられ
る酸性染料である。 GB−A−1 004 424の方法およびこれにより得られるレンズの大き
な欠点は、レンズに拡散している染料が浸出しやすい、換言すれば、涙によって
移動すなわち失われやすい点である。レンズの消毒液によっては尚更そうである
。
【0003】 EP−A−082 026では、疎水性(non-hydrophilic) ハードコンタクト
レンズを、染料を膨潤させた溶液に浸漬し、次いでそれを乾燥させる疎水性ハー
ドコンタクトレンズの着色方法が開示されている。疎水性であるため(また、レ
ンズを構成するポリマー原料のハード性のために)、レンズに拡散した染料は浸
出しない。この文献で推奨される染料は通常の酸、塩基または直接染料(direct
dyes) である。 EP−A−122 771では、無着色レンズの小孔をバット染料のロイコ硫
酸塩が溶解している水溶性の分散液中で飽和させて、不溶性の染料を小孔に沈殿
させる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法が開示されている。 染料の沈殿には、該硫酸塩を酸触媒下で加水分解させてバット染料の前駆体で
あるロイコ誘導体を生成させ、大気中に晒してUV照射によりそのロイコ誘導体
の酸化を促進させ、バット染料を生成させる必要がある。 この方法が、ロイコ誘導体に変化しうる染料の使用を要するのに加えて、簡単
な工業装置では実現し得ない複雑な沈殿工程を必要とする。
レンズを、染料を膨潤させた溶液に浸漬し、次いでそれを乾燥させる疎水性ハー
ドコンタクトレンズの着色方法が開示されている。疎水性であるため(また、レ
ンズを構成するポリマー原料のハード性のために)、レンズに拡散した染料は浸
出しない。この文献で推奨される染料は通常の酸、塩基または直接染料(direct
dyes) である。 EP−A−122 771では、無着色レンズの小孔をバット染料のロイコ硫
酸塩が溶解している水溶性の分散液中で飽和させて、不溶性の染料を小孔に沈殿
させる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法が開示されている。 染料の沈殿には、該硫酸塩を酸触媒下で加水分解させてバット染料の前駆体で
あるロイコ誘導体を生成させ、大気中に晒してUV照射によりそのロイコ誘導体
の酸化を促進させ、バット染料を生成させる必要がある。 この方法が、ロイコ誘導体に変化しうる染料の使用を要するのに加えて、簡単
な工業装置では実現し得ない複雑な沈殿工程を必要とする。
【0004】 EP−A−480 049では、無着色の親水性ソフトコンタクトレンズを、
その一部をモールドに接触させて、膨潤染料(swelling dye)の水溶液中に浸漬
し、染料の水溶液中でそのモールドから取り外し、レンズを膨潤させ、レンズに
染料を浸透させ、その処理後のレンズを酸または酸化剤の水溶液に浸漬し、染料
を定着させる工程からなる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法が開示され
ている。この方法で使用される染料はこの技術でよく使用されるバット染料であ
る。 しかし、この方法により得られる着色レンズは染料が浸出することがある。
その一部をモールドに接触させて、膨潤染料(swelling dye)の水溶液中に浸漬
し、染料の水溶液中でそのモールドから取り外し、レンズを膨潤させ、レンズに
染料を浸透させ、その処理後のレンズを酸または酸化剤の水溶液に浸漬し、染料
を定着させる工程からなる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法が開示され
ている。この方法で使用される染料はこの技術でよく使用されるバット染料であ
る。 しかし、この方法により得られる着色レンズは染料が浸出することがある。
【0005】 JP 06049776 Aでは、 −クロムまたはコバルトとの錯体塩である染料を、2つのOH基、アクリル酸
モノマー、架橋剤および重合開始剤を含む高分子シロキサンと混合する工程; −前記混合液を容器に移す工程; −前記混合液を加熱重合させる工程; からなる光学材料の製造方法が開示されている。 この方法により得られた着色物質はコンタクトレンズの製造に好適である。 前記物質は疎水性の固体物質であるうえ全体が着色されている。したがって、
この物質から製造されるコンタクトレンズは完全に着色されており、例えば眼球
の虹彩にあたる部分など、一部のみが着色されたレンズを製造することはできな
い。 また、この方法ではストックされた無着色レンズを着色することはできない。
モノマー、架橋剤および重合開始剤を含む高分子シロキサンと混合する工程; −前記混合液を容器に移す工程; −前記混合液を加熱重合させる工程; からなる光学材料の製造方法が開示されている。 この方法により得られた着色物質はコンタクトレンズの製造に好適である。 前記物質は疎水性の固体物質であるうえ全体が着色されている。したがって、
この物質から製造されるコンタクトレンズは完全に着色されており、例えば眼球
の虹彩にあたる部分など、一部のみが着色されたレンズを製造することはできな
い。 また、この方法ではストックされた無着色レンズを着色することはできない。
【0006】 そこで、本発明の目的は、工業生産が容易で、必要であれば、レンズの特定部
分のみを着色することができ、またストックされた無着色のレンズを着色するこ
とができ、涙(lachrymal media) または消毒液と接触することにより浸出しない
親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法を提供することにある。 また、得られるレンズが細胞毒性の問題が全くない前記着色方法を提供するこ
とにある。
分のみを着色することができ、またストックされた無着色のレンズを着色するこ
とができ、涙(lachrymal media) または消毒液と接触することにより浸出しない
親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法を提供することにある。 また、得られるレンズが細胞毒性の問題が全くない前記着色方法を提供するこ
とにある。
【0007】 前記目的は、本発明の方法、すなわち、 −ポリマー材料を膨潤させる溶剤と、クロムアゾ錯体塩およびそれらの混合物
から選ばれる少なくとも1つの染料とを含む水溶液と接触させるようレンズを設
置する工程;および −前記水溶液からレンズを取り出す工程 を含むポリマー材料からなる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法により達
成される。
から選ばれる少なくとも1つの染料とを含む水溶液と接触させるようレンズを設
置する工程;および −前記水溶液からレンズを取り出す工程 を含むポリマー材料からなる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方法により達
成される。
【0008】 本発明のクロムアゾ錯体塩は、錯体塩分子中では、下記の構造で存在すること
により特徴づけられる。
により特徴づけられる。
【化3】 前記クロムアゾ錯体塩は、通常、金属塩、特にアルカリ金属塩であり、好まし
くはナトリウム塩である。 本発明のクロムアゾ錯体塩として、好ましい塩は、下記構造式(I)および(
II)、およびこれらの混合物である。
くはナトリウム塩である。 本発明のクロムアゾ錯体塩として、好ましい塩は、下記構造式(I)および(
II)、およびこれらの混合物である。
【化4】 これら構造式(I)および(II)のクロム錯体塩の混合比が異なる混合物は、
ORASOLR 2GL(溶剤Brown42)、ORASOLR 2RL(溶剤B
rown43)およびORASOLR 6RL(溶剤Brown44)という商品
名で市販されている。
ORASOLR 2GL(溶剤Brown42)、ORASOLR 2RL(溶剤B
rown43)およびORASOLR 6RL(溶剤Brown44)という商品
名で市販されている。
【0009】 着色液中のクロム錯体塩の量は、所望の着色コンタクトレンズの色調強度に依
存する。また、膨潤液の量と、レンズの構成材料の親水性レベルとの関数によっ
ても変化する。 着色液中のクロム錯体塩の濃度は、着色液全体に対する重量比が、好ましくは
10-5%〜1%であり、より好ましくは10-4%〜0.5%である。
存する。また、膨潤液の量と、レンズの構成材料の親水性レベルとの関数によっ
ても変化する。 着色液中のクロム錯体塩の濃度は、着色液全体に対する重量比が、好ましくは
10-5%〜1%であり、より好ましくは10-4%〜0.5%である。
【0010】 膨潤液は、レンズを構成するポリマー材料を膨潤させ、クロム錯体(complex
or complexes)の少なくとも一部を溶解させるものであり、光学特性および物理
特性を減じるものでなければ特に限定されない。 膨潤液としては、アルコール類、ケトン類、エチレングリコール等のポリアル
キレングリコール類およびメチルスルホキシドが挙げられる。 好ましい膨潤液としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、アセト
ン等のケトン類が挙げられる。 着色液中の膨潤液の濃度は、通常、着色液全体に対する体積比が0.05〜2
0%、好ましくは0.1〜10%である。 膨潤液の量は比較的少ないといえるが、確実に親水性ソフトコンタクトレンズ
を着色するのに十分量である。このように膨潤液の使用が少量であることにより
、着色処理によるレンズの形状変化がないものが優性して得られる。
or complexes)の少なくとも一部を溶解させるものであり、光学特性および物理
特性を減じるものでなければ特に限定されない。 膨潤液としては、アルコール類、ケトン類、エチレングリコール等のポリアル
キレングリコール類およびメチルスルホキシドが挙げられる。 好ましい膨潤液としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、アセト
ン等のケトン類が挙げられる。 着色液中の膨潤液の濃度は、通常、着色液全体に対する体積比が0.05〜2
0%、好ましくは0.1〜10%である。 膨潤液の量は比較的少ないといえるが、確実に親水性ソフトコンタクトレンズ
を着色するのに十分量である。このように膨潤液の使用が少量であることにより
、着色処理によるレンズの形状変化がないものが優性して得られる。
【0011】 本発明の親水性ソフトコンタクトレンズを構成するポリマー材料は、親水性ソ
フトコンタクトレンズに使用されるものであり、膨潤液によって膨潤し、クロム
アゾ錯体塩により着色できるものであれば特に限定されない。 ポリマー材料としては、以下に例示するホモポリマーおよびコポリマーが挙げ
られる:ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA)、ポリ(N−ビ
ニルピロリドン)(NVP)、N−ビニルピロリドン(NVP)/メチルメタク
リレート(MMA)コポリマー、HEMA/MMA/メタクリル酸(MA)コポ
リマー、HEMA/NVPコポリマー、グリセロールメタクリレート/MMAコ
ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、およびこれらポリマー
およびコポリマーの混合物。 本発明の好ましいポリマー材料は、NVP/MMAコポリマーである。
フトコンタクトレンズに使用されるものであり、膨潤液によって膨潤し、クロム
アゾ錯体塩により着色できるものであれば特に限定されない。 ポリマー材料としては、以下に例示するホモポリマーおよびコポリマーが挙げ
られる:ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA)、ポリ(N−ビ
ニルピロリドン)(NVP)、N−ビニルピロリドン(NVP)/メチルメタク
リレート(MMA)コポリマー、HEMA/MMA/メタクリル酸(MA)コポ
リマー、HEMA/NVPコポリマー、グリセロールメタクリレート/MMAコ
ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、およびこれらポリマー
およびコポリマーの混合物。 本発明の好ましいポリマー材料は、NVP/MMAコポリマーである。
【0012】 本発明において、親水性レンズとは、通常30%以上、好ましくは約50%、
より好ましくは約70%の親水性を有するレンズをいうこととする。 着色液への接触時間、例えばレンズを着色液に浸漬する時間は、着色液の組成
、レンズを構成するポリマー材料の性質および所望のレンズ着色強度により数分
から2時間まで変化しうる。 染料の拡散を促進するには、上記着色液をレンズに支障がない温度、例えば9
0℃まで昇温することができるが、通常は約50℃で行う。 着色液から取り出した後は、レンズは通常蒸留水または生理食塩水で洗浄され
、例えば生理血清液(physiological serum solution)で滅菌される。
より好ましくは約70%の親水性を有するレンズをいうこととする。 着色液への接触時間、例えばレンズを着色液に浸漬する時間は、着色液の組成
、レンズを構成するポリマー材料の性質および所望のレンズ着色強度により数分
から2時間まで変化しうる。 染料の拡散を促進するには、上記着色液をレンズに支障がない温度、例えば9
0℃まで昇温することができるが、通常は約50℃で行う。 着色液から取り出した後は、レンズは通常蒸留水または生理食塩水で洗浄され
、例えば生理血清液(physiological serum solution)で滅菌される。
【0013】 以下に本発明を実施例により説明する。実施例中、特に記載がない場合、パー
センテージおよび部(parts) はすべて重量比である。 染料母液の調製 褐色染料ORASOLR 6RL0.30gを容器に量り取った。量り取った分
量をビーカーに移し、容器は90mLのエタノールで洗浄した。ビーカーに80
0mLの蒸留水を加え、その溶液(前記洗浄液)と混合した。 染料液の調製 40Lの蒸留水を容器中で50℃まで加熱した;一旦この温度に達したら、前
記母液を流し入れて混合した。 混合した後に、着色用に水和したレンズの入った容器(vessel)を加えた。 次いで、着色液を煮沸撹拌し、レンズに染料を拡散させた。 前記母液中で、レンズは13分間着色液に放置した。 レンズを着色液から取り出した後は、蒸留水で簡単に洗浄し、次いで生理血清
液で滅菌した。
センテージおよび部(parts) はすべて重量比である。 染料母液の調製 褐色染料ORASOLR 6RL0.30gを容器に量り取った。量り取った分
量をビーカーに移し、容器は90mLのエタノールで洗浄した。ビーカーに80
0mLの蒸留水を加え、その溶液(前記洗浄液)と混合した。 染料液の調製 40Lの蒸留水を容器中で50℃まで加熱した;一旦この温度に達したら、前
記母液を流し入れて混合した。 混合した後に、着色用に水和したレンズの入った容器(vessel)を加えた。 次いで、着色液を煮沸撹拌し、レンズに染料を拡散させた。 前記母液中で、レンズは13分間着色液に放置した。 レンズを着色液から取り出した後は、蒸留水で簡単に洗浄し、次いで生理血清
液で滅菌した。
【0014】 実施例1 エシロール(ESSILOR)から商品名RYTHMICR として市販されて
いる親水性ソフトコンタクトレンズを、前記方法により褐色に着色した。得られ
たレンズは褐色であった。 a)生理血清液中での浸出試験 着色レンズ1回分を室温で1週間生理血清液中で貯蔵した。 貯蔵期間終了時に、生理血清液試料を取り出した。その吸収スペクトルは、波
長200〜800nmを示した。スペクトルは平坦であり、貯蔵液中の染料が存
在しなかったことを示した。 1週間貯蔵後のコンタクトレンズの吸収スペクトルも測定した。得られた吸収
スペクトルは、着色前(貯蔵前)の同じレンズが示したものと全く同一であった
。 したがって、染料は浸出しなかった。
いる親水性ソフトコンタクトレンズを、前記方法により褐色に着色した。得られ
たレンズは褐色であった。 a)生理血清液中での浸出試験 着色レンズ1回分を室温で1週間生理血清液中で貯蔵した。 貯蔵期間終了時に、生理血清液試料を取り出した。その吸収スペクトルは、波
長200〜800nmを示した。スペクトルは平坦であり、貯蔵液中の染料が存
在しなかったことを示した。 1週間貯蔵後のコンタクトレンズの吸収スペクトルも測定した。得られた吸収
スペクトルは、着色前(貯蔵前)の同じレンズが示したものと全く同一であった
。 したがって、染料は浸出しなかった。
【0015】 b)耐洗浄液試験 本発明の方法により得られた着色レンズを3%過酸化水素溶液中で10回連続
して洗浄処理(decontamination treatments)した。 着色処理(洗浄処理)前後のレンズの吸収スペクトル(200〜800nm)
は、全く同一であった。 染料の色落ちすなわち浸出はなかった。 前記方法により着色された本発明のレンズを、商品名CONCERTOR でエ
シロールから市販されている溶液で10回連続して洗浄処理した場合についても
同様であった。
して洗浄処理(decontamination treatments)した。 着色処理(洗浄処理)前後のレンズの吸収スペクトル(200〜800nm)
は、全く同一であった。 染料の色落ちすなわち浸出はなかった。 前記方法により着色された本発明のレンズを、商品名CONCERTOR でエ
シロールから市販されている溶液で10回連続して洗浄処理した場合についても
同様であった。
【0016】 c)細胞毒性試験 本発明の着色レンズの細胞毒性試験を以下の方法に準じて行った。ISO 1
0 3993−5(1992)−医療装置の生物学的評価パート5(Biological
Evaluation of Medical Devices)−parts 5 :毒性試験:in vitro試験方法、
およびISO9363−1(06/02/1995に改訂)光学および光学機器
−コンタクトレンズおよびコンタクトレンズケア商品(Optics and Optical Ins
truments - Contact lenses Contact lens care products)。コンタクトレンズ
材料およびコンタクトレンズケア商品の細胞毒性試験。 本発明の着色レンズは細胞毒性を全く示さなかった。
0 3993−5(1992)−医療装置の生物学的評価パート5(Biological
Evaluation of Medical Devices)−parts 5 :毒性試験:in vitro試験方法、
およびISO9363−1(06/02/1995に改訂)光学および光学機器
−コンタクトレンズおよびコンタクトレンズケア商品(Optics and Optical Ins
truments - Contact lenses Contact lens care products)。コンタクトレンズ
材料およびコンタクトレンズケア商品の細胞毒性試験。 本発明の着色レンズは細胞毒性を全く示さなかった。
【0017】 d)促進老化試験 上述のようにして得られた2つの着色レンズを石英セル(quartz vessel) 中の
生理血清液に注入した後、セルを密閉した。キセノン1.8kWランプを装備し
た太陽放射装置SUNSET CPS(原HANAU HERAEUS)ref
.7014により全体を照射した。太陽放射エネルギーは20時間に260W/
m2 であった。レンズの透過率を試験前後に測定した。比透過率(VT)<5の
場合に試験に合格したものと認める。
生理血清液に注入した後、セルを密閉した。キセノン1.8kWランプを装備し
た太陽放射装置SUNSET CPS(原HANAU HERAEUS)ref
.7014により全体を照射した。太陽放射エネルギーは20時間に260W/
m2 であった。レンズの透過率を試験前後に測定した。比透過率(VT)<5の
場合に試験に合格したものと認める。
【数1】 本発明のレンズはこの試験に合格であった。
【0018】 実施例2 錯体塩ORASOLR 2GLおよび2RLを用いて、実施例1と同様の試験を
行った。褐色に着色されたレンズは、浸出せず、上記試験a)に合格であった。
行った。褐色に着色されたレンズは、浸出せず、上記試験a)に合格であった。
【0019】 比較例 通常の染料を含んだ着色液を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で
RYTHMICR 親水性レンズを着色した。 用いた染料および得られた結果、特に色が浸出したかどうかについて下記表に
示す。
RYTHMICR 親水性レンズを着色した。 用いた染料および得られた結果、特に色が浸出したかどうかについて下記表に
示す。
【表1】 以上の試験から、本発明の方法により、染料が浸出せず細胞毒性のない着色親
水性ソフトコンタクトレンズが製造されることがわかる。
水性ソフトコンタクトレンズが製造されることがわかる。
【0020】 実施例3 メチルメタクリレート/N−ビニルピロリドンコポリマーからなる親水性70
%のLUNELLER コンタクトレンズを支持体にのせ、虹彩をカバーする位置
にある環状部分のみ着色できるように、レンズの中央部と周辺部をマスクした。 着色液は、ORASOLR 6RL0.2g、エタノール9mLおよび蒸留水9
0mLを混合し調製した。 室温で、この着色液3mLを手で円錐ノズルを使って、コンタクトレンズ上の
マスクされていない環状部分にあてた。 この状態で、室温で5〜15分間放置した。 マスクを取り除き、コンタクトレンズを蒸留水または生理食塩水で洗浄した後
、虹彩にあたる部分が着色されたレンズが得られた。
%のLUNELLER コンタクトレンズを支持体にのせ、虹彩をカバーする位置
にある環状部分のみ着色できるように、レンズの中央部と周辺部をマスクした。 着色液は、ORASOLR 6RL0.2g、エタノール9mLおよび蒸留水9
0mLを混合し調製した。 室温で、この着色液3mLを手で円錐ノズルを使って、コンタクトレンズ上の
マスクされていない環状部分にあてた。 この状態で、室温で5〜15分間放置した。 マスクを取り除き、コンタクトレンズを蒸留水または生理食塩水で洗浄した後
、虹彩にあたる部分が着色されたレンズが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H006 BB01 BB03 BB06 BB08 BC06 4F073 AA15 BA18 BA34 EA01 EA03 EA62 EA75 4H057 AA02 BA25 CA29 CB13 CB15 CC02 DA02 DA29 DA30 GA07
Claims (10)
- 【請求項1】 下記工程を含むポリマー材料からなる親水性ソフトコンタクトレンズの着色方
法。 −ポリマー材料を膨潤させる溶剤と、クロムアゾ錯体塩およびそれらの混合物
から選ばれる少なくとも1つの染料とを含む水溶液と接触させるようレンズを設
置する工程;および −前記水溶液からレンズを取り出す工程。 - 【請求項2】 前記クロムアゾ塩類が、分子中に下記構造を含むことを特徴とする請求項1に
記載の方法。 【化1】 - 【請求項3】 前記クロムアゾ錯体塩類が金属塩類、特にアルカリ金属塩であることを特徴と
する請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記クロム塩類が下記の構造式を有することを特徴とする請求項1に記載の方
法。 【化2】 - 【請求項5】 前記水溶液中のクロムアゾ錯体塩類の濃度が、前記水溶液全体に対する重量比
にして、10-5%〜1%であり、好ましくは10-4%〜0.5%であることを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 前記膨潤液が、アルコール類、ケトン類、ポリアルキレングリコール類および
メチルスルホキシドから選ばれ、好ましくはアルコール類およびケトン類から選
ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 前記水溶液中の膨潤液の濃度が、前記水溶液全体に対する体積比にして、0.
05〜20%であり、好ましくは0.1〜10%であることを特徴とする請求項
1〜6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】 前記レンズのポリマー材料が、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポ
リ(N−ビニルピロリドン)、ヒドロキシエチルメタクリレート/メチルメタク
リレートコポリマー、N−ビニルピロリドン/メチルメタクリレートコポリマー
、グリセロールヒドロキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレートコポリ
マー、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、およびこれらポリマーおよ
びコポリマーの混合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項9】 前記レンズのポリマー材料が、N−ビニルピロリドン/メチルメタクリレート
コポリマーであることを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】 前記レンズを、前記水溶液中に2時間以下継続して浸漬することを特徴とする
請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR99/00958 | 1999-01-28 | ||
FR9900958A FR2789081B1 (fr) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | Procede de coloration de lentilles de contact hydrophiles souples |
PCT/FR2000/000102 WO2000045198A1 (fr) | 1999-01-28 | 2000-01-19 | Procede de coloration de lentilles de contact hydrophiles souples |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002535733A true JP2002535733A (ja) | 2002-10-22 |
Family
ID=9541325
Family Applications (1)
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