JPH07134272A - 着色ソフトコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

着色ソフトコンタクトレンズの製造方法

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JPH07134272A
JPH07134272A JP27864193A JP27864193A JPH07134272A JP H07134272 A JPH07134272 A JP H07134272A JP 27864193 A JP27864193 A JP 27864193A JP 27864193 A JP27864193 A JP 27864193A JP H07134272 A JPH07134272 A JP H07134272A
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contact lens
lens
soft contact
mold
producing
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JP27864193A
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Kanji Katagiri
寛司 片桐
Tadao Kojima
忠雄 児島
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明による着色ソフトコンタクトレンズの製
造方法は、重合性モノマー中に反応染料を含有させてお
き、これをコンタクトレンズ製造用の樹脂型にて重合し
た後、アルカリ溶液中に浸漬して共有結合させることに
よって発色成分をコンタクトレンズ素材に固着する方法
である。 【効果】簡略な工程で、煮沸消毒処理等によっても退色
などの変化をきたさないような堅牢な着色ソフトコンタ
クトレンズを低コストで製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水ソフトコンタクト
レンズの着色方法に関するものである。さらには、予め
重合性モノマー中に発色成分を含有させることで後染め
工程が省略でき、かつ強固な染着性を有する着色ソフト
コンタクトレンズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】着色されたソフトコンタクトレンズは、
保存容器等の中でレンズの有無や識別を容易にするほ
か、万一紛失したとき見つけ易いという利点がある。ま
た、強い紫外線からの眼の保護、あるいは直射日光の下
での眩惑防止、さらには商品イメージの向上等のために
有効である。ところが、ソフトコンタクトレンズはその
製品の特性上常に水で膨潤している状態で使用し、煮沸
等の消毒処理を必要とするため、水による膨潤や煮沸に
よって染色剤が溶出しないような強固な染着性が要求さ
れる。
【0003】従来の技術として、ソフトコンタクトレン
ズの着色方法には大きく分けてポリマーを重合する以前
に液体状のモノマーの状態で色素あるいは顔料を添加す
るいわゆる先染めと、無色透明のコンタクトレンズ成形
物を染色するいわゆる後染めがある。
【0004】先染めとして例えば(1)特公昭48−1
0090号公報には、第一透明外層を親水性重合体で成
形し、硬化後その凹面に水不溶性の模様を施し、次いで
この型内で残りの親水性単量体混合物を加えて回転しな
がら重合を行なう、少なくとも二層間に着色模様を内蔵
した着色レンズの製造方法が、また(2)特開昭49−
6939号公報には、アクリル酸系単量体の重合反応系
に該単量体と反応し得る反応染料を添加した後、重合し
て着色コンタクトレンズを得る方法が開示されている。
【0005】一方、後染めとしては例えば(3)特開昭
63−50581号公報には、油溶性の染料を有機溶媒
中に溶解しておき、この染色溶液中にコンタクトレンズ
を浸漬して、その表面ないしは内部まで染色する方法
が、(4)特公昭53−2692号公報には、コンタク
トレンズに着色層を印刷またはコーティングして着色コ
ンタクトレンズを得る方法が、(5)特公昭59−39
553号公報や染料便覧(有機合成化学協会編,丸善
(1970),112ページ)等には、バット染料を用
いて着色コンタクトレンズを得る方法が、また(6)特
開昭58−46319号公報には、コンタクトレンズ基
材中の水酸基、アミノ基、アミド基等と共有結合する反
応染料を用いて着色コンタクトレンズを得る方法が開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)の方法は工程がきわめて複雑であり、多くのレン
ズを安定して製造するには適さない。また、前記(2)
の方法はコンタクトレンズの主要原料である(メタ)ア
クリル酸系単量体と直接反応結合し得る反応染料を該単
量体の重合反応系に添加して、該単量体と染料とを結合
させることによって溶出や退色のない着色コンタクトレ
ンズを得る方法である。しかしながら、この方法は反応
染料成分がポリマー中の主鎖に組み込まれることによっ
て、それがポリマーの物性に悪影響を及ぼす恐れがあ
る。
【0007】後染めである前記(3)の方法によって得
られるコンタクトレンズは使用中に染料が溶出し、変色
あるいは退色する傾向があり、特にコンタクトレンズの
煮沸消毒処理が必要な含水ソフトコンタクトレンズの場
合には、消毒処理時に染料が溶出し退色する欠点があ
る。また、前記(4)の方法は使用中にレンズ表面の印
刷層またはコーティング層が剥がれるという欠点があ
る。また、前記(5)の方法は、水可溶性のバット染料
ロイコ体を用いてヒドロキシエチルメタクリレートを主
成分とするソフトコンタクトレンズを染色する方法であ
る。しかしながら、この際用いられる水可溶性バット染
料ロイコ体は空気中で安定である必要があり、発色のた
めに染料を不溶化するにはレンズを酸化剤水溶液中に浸
漬する等の酸化処理を必要とする等の欠点がある。ま
た、前記(6)の方法は、コンタクトレンズ基材中に水
酸基、アミノ基、アミド基などが存在する場合には、非
常に有効な方法である。しかしながら、この方法では染
料溶液中に一定時間レンズを浸漬した後、直接染料溶液
にアルカリ溶液を加えて混合し反応を起こさせるため
に、染料の反応が完結するまでに時間を要する。さら
に、レンズに未反応染料が付着することが多々あり、こ
の未反応染料を界面活性剤溶液等で洗浄して取り除く工
程が必要である等の問題があった。また、一般的に後染
めは工程が増えるだけでなく、レンズ1枚1枚を染色す
る必要があり、コストが高くなるという欠点がある。
【0008】本発明者らは、上記のような従来技術の欠
点を克服するための手段として、特開平4−29301
0号公報にて、予め重合性モノマー中に、発色成分とし
てモノマーあるいはポリマー中の水酸基等と共有結合を
形成し得る反応染料を含有させておき、これを棒状に重
合して得られたバー材を旋盤を用いて加工し、ドライ状
態のコンタクトレンズを得た後、アルカリ溶液中に浸漬
して膨潤させると同時に共有結合させることによって発
色成分をコンタクトレンズ素材に固着させ、非常に簡略
な工程で、煮沸消毒処理等によっても退色などの変化を
きたさないような堅牢な着色ソフトコンタクトレンズの
製造方法を開示している。
【0009】その後、さらに鋭意研究を重ねた結果、発
色成分を含有した重合性モノマーをモールド法と呼ばれ
ているコンタクトレンズ製造用の樹脂型を使用した方法
を適用して重合することで、さらに低コストで品質の高
い着色ソフトコンタクトレンズが製造できることを見い
だした。
【0010】コンタクトレンズの製造方法としては、大
きく分けて3種類挙げることができ、レースカット法
(切削研磨法)、モールド法、スピンキャスト法(遠心
注型法)のいずれかの方法によって製造されている。レ
ースカット法は、現在コンタクトレンズの製造に最も一
般的に用いられている方法であり、棒状またはボタン状
のコンタクトレンズ材料を旋盤によって切り出し、切
削、研磨を行なってコンタクトレンズを製造する方法で
ある。この方法は形状の異なった多品種のコンタクトレ
ンズを製造するのには適した方法であるが、コストが高
いという問題がある。しかし、現在ハードコンタクトレ
ンズのほとんどはこのレースカット法によって製造され
ており、ソフトコンタクトレンズも多くのメーカーがレ
ースカット法を用いて製造している。
【0011】これに対してモールド法とスピンキャスト
法は、ほとんどがソフトコンタクトレンズの製造に用い
られている方法である。モールド法はレンズ形状の空間
を有する成形型に重合性モノマーを充填し、これを重合
してコンタクトレンズを製造する方法であり、スピンキ
ャスト法は重合性モノマーを回転する型の中に流し込み
遠心力で原料が薄く広がるのを利用してコンタクトレン
ズを製造する方法である。これらの方法の欠点は、形状
の異なった多品種のコンタクトレンズをフレキシブルに
製造する場合に不利になることであるが、ソフトコンタ
クトレンズの場合には、BC(ベースカーブ:コンタク
トレンズが角膜に接する面、あるいはその面の曲率)の
種類が少なく必要とされる型の種類が少ないために、こ
れらの方法の適用が可能となる。これらの方法の利点は
低コストでコンタクトレンズを製造することができるこ
とである。したがって、本発明は反応染料を用いた着色
技術をモールド法に適用したものである。
【0012】すなわち、本発明は従来技術の欠点を克服
するためのもので、ソフトコンタクトレンズの着色にお
いて、発色成分としてモノマーあるいはポリマー中の水
酸基等と共有結合を形成し得る反応染料を含有した重合
性モノマーを、コンタクトレンズ製造用の樹脂型にて重
合した後、アルカリ溶液中に浸漬して共有結合させるこ
とによって発色成分をコンタクトレンズ内に固着させ、
非常に簡略な工程で、煮沸消毒処理等によっても退色な
どの変化をきたさないような堅牢な着色ソフトコンタク
トレンズを低コストで製造することを目的とするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の着色ソフトコン
タクトレンズの製造方法は、発色成分としてモノマーあ
るいはポリマー中の水酸基等と共有結合を形成し得る反
応染料を含有した重合性モノマーを、コンタクトレンズ
製造用の樹脂型にて重合した後、アルカリ溶液中に浸漬
して共有結合させることによって発色成分をコンタクト
レンズ内に固着することを特徴とするものである。
【0014】さらには、アルカリ溶液中に浸漬して、発
色成分をコンタクトレンズ内に共有結合によって固着す
ると同時にレンズを膨潤させて離型することを特徴と
し、またさらには、アルカリ溶液中に浸漬した状態で未
反応モノマーの抽出までを行なうことを特徴とするもの
である。
【0015】以下、本発明の詳細な説明をする。着色成
分として用いる反応染料の例としては、染料便覧(有機
合成化学協会編,丸善(1970),880ページ)等
に開示されているように(1)クロル・トリアジニル基
を持つ染料、(2)ビニル・スルホン基を持つ染料、
(3)アルキル硫酸基を持つ染料等を挙げることができ
る。具体的には、シーアイリアクティブブルー19
(C.I.Reactive Blue 19)、シー
アイリアクティブブルー27(C.I.Reactiv
e Blue 27)、シーアイリアクティブブルー2
8(C.I.Reactive Blue 28)、シ
ーアイリアクティブバイオレット5(C.I.Reac
tive Violet5)、シーアイリアクティブブ
ラック5(C.I.Reactive Black
5)、シーアイリアクティブブラック14(C.I.R
eactive Black 14)等が挙げられる。
【0016】染料の使用濃度は、染料の種類、目的とす
る着色濃度等によっても異なるが、好ましくは0.00
1〜2%がよい。より好ましくは0.01〜0.5%が
よい。使用濃度が低すぎると仕上がり時の色が薄すぎて
着色の意味をなさないし、逆に濃度が高すぎると色が濃
すぎて装用した時に他人が判別することができ、美容上
好ましくない。
【0017】着色可能なコンタクトレンズは、現在広く
実用化されている2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA)主成分のソフトコンタクトレンズ、2,3
−ジヒドロキシプロピルメタクリレート(GMA)とメ
チルメタクリレート(MMA)を主成分とするソフトコ
ンタクトレンズをはじめ、ポリマー基材中に水酸基、ア
ミノ基、アミド基等が存在するほとんど全ての含水ソフ
トコンタクトレンズに適用することができる。
【0018】続いて、着色ソフトコンタクトレンズの製
造方法について述べる。上記着色剤は重合性モノマー中
に溶解、分散することによって導入する。重合性モノマ
ー中には架橋剤も加えることができる。これらのモノマ
ーの重合は、通常重合開始剤の存在下、加熱あるいは紫
外線などの活性エネルギー線の照射によって行なわれ
る。
【0019】活性エネルギー線の照射の場合には、ベン
ゾインエーテル等の光重合開始剤や必要に応じて増感剤
を用いる。熱重合の場合には、ラジカル重合開始剤が望
ましく、具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイ
ド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチ
ルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソ
ブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等が用いられる。これらの開始剤の使用量は、使用
するモノマーに対し、0.001〜2重量パーセントが
望ましい。しかしながら、これらの開始剤の中には特定
の反応染料成分を分解するものもあるため、開始剤は、
用いる反応染料の種類によって適当なものを選択して使
用しなければならない。
【0020】本発明の着色コンタクトレンズは、着色成
分を含有した重合性モノマーを、一般的にコンタクトレ
ンズ製造用の樹脂型として使用されている型に充填し、
加熱して熱重合を行なうか、あるいは紫外線を照射して
光重合を行なうことが適している。本発明に用いるコン
タクトレンズ製造用樹脂型を利用した製造方法として
は、例えば2つのタイプを挙げることができ、雄型と雌
型を組み合わせた際に形成される空間に重合性モノマー
を充填してコンタクトレンズを製造する方法、あるいは
雄型と雌型を組み合わせた際に形成される空間に重合性
モノマーを充填し、これに光線を照射することによって
重合した後、両型が合致したままの状態であるいは雌型
を取り外した状態で雄型をレンズ切削用旋盤に取り付
け、レンズのFC(フロントカーブ:コンタクトレンズ
が角膜に接触する面の反対側の面、あるいはその面の曲
率)側を切削加工してコンタクトレンズを製造する方法
のいずれの方法にも適用できる。特に後者の方法はブラ
ンクモールド法とも呼ばれ、品質のばらつきの少ないコ
ンタクトレンズを低コストで製造できるというモールド
法の利点と、形状の異なった多品種のコンタクトレンズ
をフレキシブルに製造できるというレースカット法の利
点を併せ持っている特徴があり、この方法と本発明の着
色技術を組み合わせることにより、さらに効率的に高品
質な着色ソフトコンタクトレンズを製造することが可能
になった。
【0021】具体的な製造方法としては、樹脂型の雌型
の凹状面に着色成分を含有した重合性モノマーを必要量
吐出し、これに雄型の凸状面が先の凹状面に合致するよ
うに重ね合わせ、これを加熱して熱重合を行なうか、あ
るいは紫外線を照射して光重合を行ないコンタクトレン
ズを得る。この後、重合収縮、重合熱によりポリマー中
に歪が生じた場合、これを解消するために、加熱アニー
ルしてもよい。FC側を切削加工してコンタクトレンズ
形状を形成する場合には、硬化後、両型が合致したまま
の状態であるいは雌型を取り外した状態で雄型をアタッ
チメントを介してレンズ切削用旋盤に取り付け、レンズ
のFC側を切削加工してコンタクトレンズを得る。
【0022】こうして得られたドライ状態のコンタクト
レンズは水あるいは生理食塩水で膨潤した後に、アルカ
リ溶液に浸漬することでレンズ素材と着色成分を共有結
合させて固着し、着色ソフトコンタクトレンズを得るこ
とができるが、この際ドライ状態のコンタクトレンズを
そのままアルカリ溶液に浸漬することで、ソフトコンタ
クトレンズの膨潤と着色成分の固着を同時に行ない、さ
らにコンタクトレンズ製造用の樹脂型からの離型を行な
うことで、工程が省略でき効率的に着色ソフトコンタク
トレンズの製造が行なえる。
【0023】さらに、ソフトコンタクトレンズは一般的
に相当量の未反応モノマーを含有しているため、この除
去が必要となってくるが、ソフトコンタクトレンズをア
ルカリ溶液に浸漬して加熱することによって未反応モノ
マーの抽出も同時に行なうことができる。
【0024】着色剤の反応に用いるアルカリ溶液の例と
してはアルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物等
の水溶液が挙げられる。その濃度は、用いる染料やアル
カリの種類などによって異なるが0.01〜10%がよ
い。より好ましくは0.05〜5%がよい。アルカリの
濃度が低すぎると反応に時間を要し、また反応が完全に
進まないために未反応染料が残存する可能性がある。逆
に、アルカリの濃度が高すぎるとレンズにアルカリが吸
着する可能性があり、アルカリ処理後に長時間の水洗を
必要とし、またレンズに対して強度低下等のダメージを
与えることがあるので好ましくない。
【0025】
【実施例】以下実施例により、さらに詳しく説明する
が、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0026】(実施例1)重合性モノマーとして、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート97重量部、エチレン
グリコールジメタクリレート2重量部、C.I.Rea
ctive Blue 28 0.05重量部、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイド0.5重量部をよく混合し、この混合物の脱
気、窒素置換を行なったものを使用した。この混合物
を、BC光学面の曲率を7.21mmとした雄型とFC光
学面の曲率を7.70mmとした雌型を組合せた際に形成
されるキャビティーに充填し、これに80W/cm高圧
水銀ランプを用いて距離15cmで200秒間紫外線を
照射した。得られたコンタクトレンズを純水中で膨潤し
た後、1%NaOH水溶液に浸漬することによってレン
ズ素材と着色成分を結合させた。その後レンズを大量の
水で十分に洗浄し、さらに生理食塩水中で30分間の煮
沸処理を行なった。得られたソフトコンタクトレンズの
BCは8.60mmでパワーは−3.00Dを有し、均一
に青く着色されていた。
【0027】次にこのソフトコンタクトレンズに対して
以下の試験を行なって、その耐久性を確認した。
【0028】(1)耐光性試験:透明ガラス製バイアル
瓶(内容量20cc)に0.9%生理食塩水および着色
ソフトコンタクトレンズ1枚を入れ、これをスガ試験機
(株)製サンシャインウェザーメーターに投入してレン
ズを80時間露光させ耐光試験を行なった。なお退色の
評価には、日立製作所(株)製分光光度計を用いて耐光
試験前後の光線透過率を測定することによって行ない、
変色の評価には処理していない対照レンズとの目視によ
る比較によって行なった。
【0029】(2)耐煮沸試験:透明ガラス製バイアル
瓶(内容量20cc)に0.9%生理食塩水および着色
ソフトコンタクトレンズ1枚を入れ、これを100℃空
気恒温槽中に投入して、最長200時間の連続加熱によ
る耐煮沸試験を行なった。なお退色の評価には、日立製
作所(株)製分光光度計を用いて耐煮沸試験前後の光線
透過率を測定することによって行ない、変色の評価には
処理していない対照レンズとの目視による比較によって
行なった。
【0030】以上の耐久性試験を行なった結果、いずれ
の試験においても退色、変色などの異常は認められなか
った。
【0031】(実施例2)重合性モノマーとして、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート97重量部、エチレン
グリコールジメタクリレート2重量部、C.I.Rea
ctive Blue 28 0.05重量部、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイド0.5重量部をよく混合し、この混合物の脱
気、窒素置換を行なったものを使用した。この混合物
を、BC光学面の曲率を7.21mmとした雄型とFC光
学面の曲率を7.70mmとした雌型を組合せた際に形成
されるキャビティーに充填し、これに80W/cm高圧
水銀ランプを用いて距離15cmで200秒間紫外線を
照射した。型に付着した状態のコンタクトレンズを1%
NaOH水溶液に浸漬することによって、レンズ素材に
着色成分を固着すると同時にレンズを膨潤させて離型し
た。その後レンズを大量の水で十分に洗浄し、さらに生
理食塩水中で30分間の煮沸処理を行なった。得られた
ソフトコンタクトレンズのBCは8.60mmでパワーは
−3.00Dを有し、均一に青く着色されていた。ま
た、このレンズは実施例1と同様に耐久試験を行なった
結果、退色、変色などの異常は認められなかった。
【0032】(実施例3)重合性モノマーとして、2,
3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート70重量部、
メチルメタクリレート28重量部、エチレングリコール
ジメタクリレート1重量部、C.I.Reactive
Violet 5 0.02重量部、2,4,6−ト
リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
0.5重量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒素置
換を行なったものを使用した。この混合物を、BC光学
面の曲率を7.25mmとしたブランクモールド法用の雄
型と雌型を組合せた際に形成されるキャビティーに充填
し、これに80W/cm高圧水銀ランプを用いて距離1
0cmで200秒間紫外線を照射した。硬化後雄型から
雌型を取り外し、レンズ半完成品が接着している雄型を
レンズ切削用旋盤に取り付けレンズのFC側を曲率7.
70mmにて切削した後、FC側表面を研磨した。得られ
たコンタクトレンズを1%NaOH水溶液に浸漬するこ
とによって、レンズ素材に着色成分を固着すると同時に
レンズを膨潤させて離型した。その後レンズを大量の水
で十分に洗浄し、さらに生理食塩水中で30分間の煮沸
処理を行なった。得られたソフトコンタクトレンズのB
Cは8.60mmでパワーは−3.00Dを有し、均一に
紫色に着色されていた。また、このレンズは実施例1と
同様に耐久試験を行なった結果、退色、変色などの異常
は認められなかった。
【0033】(実施例4)重合性モノマーとして、2,
3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート70重量部、
メチルメタクリレート28重量部、エチレングリコール
ジメタクリレート1重量部、C.I.Reactive
Violet 5 0.02重量部、アゾビス(2,
4ージメチルバレロニトリル)0.2重量部をよく混合
し、この混合物の脱気、窒素置換を行なったものを使用
した。この混合物を、BC光学面の曲率を7.25mmと
したブランクモールド法用の雄型と雌型を組合せた際に
形成されるキャビティーに充填しこの混合物を先の樹脂
型に充填し、これを熱風循環式の恒温槽内に投入し、6
0℃で10時間、90℃で5時間加熱した。硬化後雄型
から雌型を取り外し、レンズ半完成品が接着している雄
型をレンズ切削用旋盤に取り付けレンズのFC側を曲率
7.70mmにて切削した後、FC側表面を研磨した。得
られたコンタクトレンズを1%NaOH水溶液に浸漬す
ることによって、レンズ素材に着色成分を固着すると同
時にレンズを膨潤させて離型した。その後レンズを大量
の水で十分に洗浄し、さらに生理食塩水中で30分間の
煮沸処理を行なった。得られたソフトコンタクトレンズ
のBCは8.60mmでパワーは−3.00Dを有し、均
一に紫色に着色されていた。また、このレンズは実施例
1と同様に耐久試験を行なった結果、退色、変色などの
異常は認められなかった。
【0034】(実施例5)重合性モノマーとして、2,
3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート70重量部、
メチルメタクリレート28重量部、エチレングリコール
ジメタクリレート1重量部、C.I.Reactive
Blue 19 0.02重量部、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.
5重量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒素置換を
行なったものを使用した。この混合物を、BC光学面の
曲率を6.90mmとした雄型とFC光学面の曲率を7.
65mmとした雌型を組合せた際に形成されるキャビティ
ーに充填し、これに80W/cm高圧水銀ランプを用い
て距離10cmで100秒間紫外線を照射した。型に付
着した状態のコンタクトレンズを1%NaOH水溶液に
浸漬することによって、レンズ素材に着色成分を固着す
ると同時にレンズを膨潤させて離型した。さらに、アル
カリ溶液に浸漬している状態で2時間の煮沸処理をして
未反応モノマーの抽出を行ない、その後レンズを大量の
水で十分に洗浄した。得られたソフトコンタクトレンズ
のBCは8.20mmでパワーは−8.00Dを有し、均
一に青く着色されていた。また、このレンズは実施例1
と同様に耐久試験を行なった結果、退色、変色などの異
常は認められなかった。
【0035】(比較例1)実施例1と同様にしてコンタ
クトレンズ製造用樹脂型を用いて着色ソフトコンタクト
レンズを得た。こうして得られたレンズをアルカリ溶液
の代わりに水に浸漬して膨潤させた。
【0036】このレンズについて実施例1と同様の耐久
試験を行なった結果、耐煮沸試験で明らかな退色が認め
られた。
【0037】
【発明の効果】本発明による着色ソフトコンタクトレン
ズの製造方法は、重合性モノマー中に反応染料を含有さ
せておき、これをコンタクトレンズ製造用の樹脂型にて
重合した後、アルカリ溶液中に浸漬して共有結合させる
ことによって発色成分をコンタクトレンズ素材に固着す
ることで、簡略な工程で、煮沸消毒処理等によっても退
色などの変化をきたさないような堅牢な着色ソフトコン
タクトレンズを低コストで製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 11:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発色成分としてモノマーあるいはポリマー
    中の水酸基等と共有結合を形成し得る反応染料を含有し
    た重合性モノマーを、コンタクトレンズ製造用の樹脂型
    にて重合した後、アルカリ溶液中に浸漬して共有結合さ
    せることによって発色成分をコンタクトレンズ素材に固
    着することを特徴とする着色ソフトコンタクトレンズの
    製造方法。
  2. 【請求項2】発色成分としてモノマーあるいはポリマー
    中の水酸基等と共有結合を形成し得る反応染料を含有し
    た重合性モノマーを、雄型と雌型を組み合わせた際に形
    成される空間に充填し、これに光線を照射することによ
    って重合した後、アルカリ溶液中に浸漬して共有結合さ
    せることによって発色成分をコンタクトレンズ素材に固
    着することを特徴とする着色ソフトコンタクトレンズの
    製造方法。
  3. 【請求項3】発色成分としてモノマーあるいはポリマー
    中の水酸基等と共有結合を形成し得る反応染料を含有し
    た重合性モノマーを、雄型と雌型を組み合わせた際に形
    成される空間に充填し、これに光線を照射することによ
    って重合した後、両型が合致したままの状態であるいは
    雌型を取り外した状態で雄型をレンズ切削用旋盤に取り
    付け、レンズのフロントカーブ側を切削加工してコンタ
    クトレンズ形状を形成し、その後、アルカリ溶液中に浸
    漬して共有結合させることによって発色成分をコンタク
    トレンズ素材に固着することを特徴とする着色ソフトコ
    ンタクトレンズの製造方法。
  4. 【請求項4】アルカリ溶液中に浸漬して、発色成分をコ
    ンタクトレンズ素材に共有結合によって固着すると同時
    にレンズを膨潤させて離型することを特徴とする請求項
    1または請求項2または請求項3記載の着色ソフトコン
    タクトレンズの製造方法。
  5. 【請求項5】アルカリ溶液中に浸漬して、発色成分をコ
    ンタクトレンズ素材に共有結合によって固着すると同時
    にレンズを膨潤させて離型し、さらに未反応モノマーの
    抽出を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2
    または請求項3記載の着色ソフトコンタクトレンズの製
    造方法。
  6. 【請求項6】反応染料がビニルスルホン基を含有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3
    記載の着色ソフトコンタクトレンズの製造方法。
  7. 【請求項7】反応染料がクロルトリアジニル基を含有す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2または請求
    項3記載の着色ソフトコンタクトレンズの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000515085A (ja) * 1996-08-01 2000-11-14 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 放射線吸収剤をポリマーに組み込む方法および組成物
JP2001515102A (ja) * 1997-08-28 2001-09-18 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 放射線吸収剤を重合体中に導入するための方法及び組成物
WO2005032791A1 (ja) * 2003-10-06 2005-04-14 Menicon Co., Ltd. 眼用レンズ物品の製造方法及びそれに用いられる製造装置

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