JP2002531064A - 強化ワクチン - Google Patents

強化ワクチン

Info

Publication number
JP2002531064A
JP2002531064A JP2000579167A JP2000579167A JP2002531064A JP 2002531064 A JP2002531064 A JP 2002531064A JP 2000579167 A JP2000579167 A JP 2000579167A JP 2000579167 A JP2000579167 A JP 2000579167A JP 2002531064 A JP2002531064 A JP 2002531064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
ige
conjugate
mammal
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000579167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002531064A5 (ja
JP4205861B2 (ja
Inventor
ヘルマン,ラース,ティー.
Original Assignee
レジステンシア ファーマシューティカルズ アーベー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by レジステンシア ファーマシューティカルズ アーベー filed Critical レジステンシア ファーマシューティカルズ アーベー
Publication of JP2002531064A publication Critical patent/JP2002531064A/ja
Publication of JP2002531064A5 publication Critical patent/JP2002531064A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4205861B2 publication Critical patent/JP4205861B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/42Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against immunoglobulins
    • C07K16/4283Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against immunoglobulins against an allotypic or isotypic determinant on Ig
    • C07K16/4291Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against immunoglobulins against an allotypic or isotypic determinant on Ig against IgE
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/395Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/04Antipruritics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies

Abstract

(57)【要約】 本発明は、感染症およびIgE関連疾患などの種々の疾患の治療および予防に関与する方法および物質に関する。特に本発明は、哺乳動物における特異的自己抗原または非自己抗原に対するワクチン接種に使用しうる方法および物質に関する。例えば、本明細書に記載の方法および物質を使用して、哺乳動物中の総IgE抗体量および受容体結合IgE抗体量を低減させることにより、該哺乳動物中のIgE抗体の作用を低減させうる。さらに本発明は、ワクチンコンジュゲート、免疫原性ポリペプチド、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子、該核酸分子を含有する宿主細胞、ならびに、ワクチンコンジュゲート、免疫原性ポリペプチドおよび免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法を提供する。さらに本発明は、哺乳動物における抗自己IgE応答を誘導するIgEワクチンを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】背景 1.技術分野 本発明は、感染症およびIgE関連疾患のような種々の疾患の治療に関係する方
法および物質に関する。特に本発明は、特定の自己抗原または非自己抗原に対し
て哺乳動物をワクチン接種するのに使用することができる方法および物質に関す
る。例えば、本明細書に記載された方法および物質は、哺乳動物内のIgE抗体の
作用を減少することが可能である。
【0002】 2.背景情報 哺乳動物は、細菌感染、ウイルス感染およびアレルギーのようなIgE関連疾患
を含む多くの疾患および疾病に罹りやすい。一般に、感染症は生体組織内への微
生物(例えば細菌、真菌およびウイルス)の侵入および増殖により特徴づけられ
る。ワクチンの使用により多くの種類の感染症を治療または予防することが可能
である。例えば、ポリオワクチンは、ポリオウイルス感染を予防できる。典型的
には、ワクチンは弱毒化した、または死滅させた微生物の懸濁液である。
【0003】 IgE関連疾患は、免疫グロブリンE(IgE)と称するクラスの免疫グロブリンに
より媒介される。実際には、ヒト血漿中でIgE抗体は一般に非常に低濃度である
にもかかわらず(10〜400 ng/mL)、IgE抗体はヒト集団で見られる過敏反応の主
原因である。その効果は、IgE抗体と、マスト細胞および好塩基球上にあるIgEに
対する高親和性受容体との相互作用によるものである。例えばアレルゲンの結合
により、これらの細胞型の表面にある2つのIgE受容体が架橋されると多数の生
理学的に活性のある物質(例えばヒスタミン、PAF(血小板活性化因子)、へパ
リン、ロイコトリエン、プロスタグランジン、トロンボキサン、および好酸性お
よび好中性の顆粒球への走化性因子)の放出が開始される。おそらくこれらの媒
介物質は、IgE媒介のアレルギー反応(1型過敏反応)の直接的症状の原因である
。このグループに属する疾患の病状には、ぜん息、毛皮アレルギー、花粉アレル
ギー、食物アレルギーおよび湿疹がある。
【0004】 IgEに対する高親和性受容体は、これまでに特性決定されている。該受容体は
、マスト細胞、好塩基球、好酸球、単球およびランゲルハンス細胞に存在すると
考えられる。加えて、該受容体は、3つの異なるサブユニット(α、βおよびγ
鎖)の複合体である。α鎖は主に細胞外に位置し、さらにIgE分子と相互作用す
ると見られている。IgE分子のε鎖に関する以前の研究において、CH2ドメインと
CH3ドメイン(CHとは、重鎖における定常部を指す)との境界にある76アミノ酸
の領域がIgE分子とIgEの高親和性受容体との相互作用に重要であることが提唱さ
れている。さらに該領域に相当するペプチドは、in vitroで天然IgEおよびIgEの
高親和性受容体間の相互作用を、全体のCH2-CH3-CH4領域と比較して1:1に近い
モル比で抑制することが示された。(Helmら、Nature 331, 180-183, (1988)
)。また該ペプチドはアレルゲン刺激においてIgE媒介発赤反応を抑制すること
を示した。しかしながらこの場合には、ペプチドの濃度は、天然IgEを用いて同
様の抑制効果を示すために必要な濃度の約10倍であった(Helmら、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 86, 9465-9469, (1989))。
【0005】発明の概要 本発明は、感染症およびIgE関連疾患などの種々の疾患の治療および予防に関
与する方法および物質に関する。特に本発明は、特異的自己抗原または非自己抗
原に対する哺乳動物のワクチン接種に使用しうる方法および物質に関する。例え
ば、本明細書に記載の方法および物質を使用して、哺乳動物中の総IgE抗体量お
よび受容体結合IgE抗体量を低減させることにより、哺乳動物中のIgE抗体の作用
を低減させうる。かかる方法および物質を使用して、ヒト、イヌおよびブタなど
の哺乳動物におけるアトピー性アレルギーを治療しうる。
【0006】 本発明は、ワクチンコンジュゲートを、それぞれのポリペプチドが少なくとも
2つの類似したアミノ酸セグメントを有する少なくとも2つのポリペプチドを含
有するように設計し、このコンジュゲートを哺乳動物に投与することによって該
ポリペプチドのうちの1つの少なくとも一部に対する免疫応答を誘導しうるとい
う発見に基づいている。かかる免疫応答は、いずれの非コンジュゲート形態のポ
リペプチドまたは少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを欠損するポリ
ペプチドのコンジュゲートにより誘導された応答よりも効力が高い可能性がある
。したがって、本明細書に記載のワクチンコンジュゲートを使用して、広範な自
己抗原(例えば、IgE分子)または非自己抗原(例えば、ウイルス性ポリペプチ
ド)に対する実質的な防御を有する哺乳動物を提供しうる。
【0007】 本発明はまた、ワクチンコンジュゲートをサイトカイン活性を有する1つのポ
リペプチドを含有するように設計し、その結果、該コンジュゲート内のもう一方
のポリペプチドに対する強力な免疫応答が誘導されるという発見に基づいている
。かかる免疫応答は、サイトカイン活性を有するポリペプチドを欠損するコンジ
ュゲートにより誘導された応答よりも効力が高い可能性がある。特定の作用機構
のいずれにも限定されるものではないが、サイトカイン活性を有するポリペプチ
ドおよび免疫原性ポリペプチドを含有するコンジュゲートは、免疫原性ポリペプ
チドを含む局所化範囲にサイトカイン活性を集中させるだろう。したがって、サ
イトカイン活性を有するポリペプチドは、免疫原性ポリペプチドに対する特異的
免疫応答の生成に関与する細胞を刺激しうる。
【0008】 さらに本発明は、自己IgE部分および非自己IgE部分を含有するポリペプチドが
免疫原性であり、哺乳動物における有効な抗自己IgE応答を誘導するという発見
に基づいている。かかる免疫原性ポリペプチドをワクチンとして使用して、自己
IgE抗体により誘導された過敏症を中和する抗自己IgE応答を誘導しうる。特定の
作用機構のいずれにも限定されるものではないが、本明細書に記載の免疫原性ポ
リペプチドは、高親和性IgE受容体と相互作用するIgE分子の一部に対しおそらく
特異性を有すると考えられる抗自己IgE抗体の産生を誘導する。その産生後、抗
自己IgE抗体は自己IgE抗体と相互作用し、その結果自己IgE抗体が高親和性IgE受
容体に結合できなくなる。この受容体結合を抑制することによって、おそらく自
己IgE抗体により誘導される過敏症が低減されるだろう。したがって、IgEにより
誘導される作用の程度は、より多くの抗自己IgE抗体が産生されるほど低減され
うる。
【0009】 全体として、本発明は、自己IgE部分および非自己IgE部分を有する免疫原性ポ
リペプチドを特徴とする。該免疫原性ポリペプチドは、哺乳動物(例えば、ヒト
)における抗自己IgE応答の誘導に有効である。該自己の部分は、IgEのCH3ドメ
インの少なくとも一部を含有しうる。該ポリペプチドは、二量体化して、哺乳動
物における抗自己IgE応答の誘導に有効な可溶性免疫原性二量体を形成すること
ができる。非自己IgE部分は第1領域および第2領域を含有し、自己IgE部分が非
自己IgE部分の第1領域と第2領域との間に位置しうる。その第1領域は、IgE C
H2ドメインの少なくとも一部を含み、第2領域はIgE CH4ドメインの少なくとも
一部を含む。非自己IgE部分は、哺乳動物の無胎盤類(例えば、オポッサム、カ
モノハシ、コアラ、カンガルー、ワラビー、およびウオンバット)に存在するIg
E配列を含有してもよい。自己IgE部分はIgE抗体のCH2ドメインを欠損していても
よい。免疫原性ポリペプチドは真核性翻訳後修飾を含んでもよい。さらに、免疫
原性ポリペプチドはポリヒスチジン配列を含んでもよい。抗自己IgE応答はポリ
クローナル応答でありうる。
【0010】 他の実施形態において、本発明は、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配
列を含有する核酸分子を特徴とする。免疫原性ポリペプチドは、自己IgE部分お
よび非自己IgE部分を含有し、かつ哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効
である。該核酸分子は、真核細胞からの該免疫原性ポリペプチドの分泌を促進す
るアミノ酸配列をコードするさらなる核酸配列を含有してもよい。
【0011】 本発明の他の実施形態は、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列を有す
る核酸分子を含有する宿主細胞(例えば、真核細胞)を特徴とする。該免疫原性
ポリペプチドは、自己IgE部分および非自己IgE部分を含有し、かつ哺乳動物にお
ける抗自己IgE応答の誘導に有効である。
【0012】 本発明の他の実施形態は、二量体化して、可溶性免疫原性二量体を形成するこ
とができる2つの免疫原性ポリペプチドを含有する可溶性免疫原性二量体を特徴
とする。その2つの免疫原性ポリペプチドはそれぞれ自己IgE部分および非自己I
gE部分を含有し、そして該可溶性免疫原性二量体は哺乳動物における抗自己IgE
応答の誘導に有効である。
【0013】 本発明の他の実施形態は、自己IgE部分および非自己IgE部分を有する免疫原性
ポリペプチドを含むワクチンを特徴とする。該免疫原性ポリペプチドは哺乳動物
における抗自己IgE応答の誘導に有効である。ワクチンには、医薬学的に許容さ
れる担体が含まれてもよい。
【0014】 本発明の他の実施形態は、哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な免
疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法を特徴とする。該方法には
、第1核酸配列と第2核酸配列とを結合させて核酸分子を形成することが含まれ
、その場合、第1核酸配列は該哺乳動物に存在するIgE分子の少なくとも一部を
コードし、第2核酸配列は該哺乳動物には存在しないIgE分子の少なくとも一部
をコードする。
【0015】 本発明の他の実施形態は、哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な免
疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法を特徴とする。該方法には
、 (a)該哺乳動物に存在するIgE分子の少なくとも一部をコードする第1核酸配列
を選択し、(b)該哺乳動物には存在しないIgE分子の少なくとも一部をコードす
る第2核酸配列を選択し、そして(c)第1核酸配列と第2核酸配列とを結合さ
せて核酸分子を形成させることが含まれる。
【0016】 他の態様において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種する
ためのワクチン複合体を特徴とする。該複合体は第1ポリペプチドおよび第2ポ
リペプチドを含有する。第1および第2ポリペプチドはそれぞれ少なくとも2つ
の類似した少なくとも5アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含む。さらに、第1ポ
リペプチドと第2ポリペプチドとを連結して該複合体を形成し、そして該複合体
を哺乳動物に投与することによって第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドの
少なくとも一部に対する免疫応答を誘導する。第1および/または第2ポリペプ
チドは、該哺乳動物により発現されるアミノ酸配列を含有してもよい。第1ポリ
ペプチドと第2ポリペプチドは同一であってもよく、二量体を形成しうる。第1
ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結にはジスルフィド結合が含まれうる。
第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結には、非共有結合性相互作用が含
まれてもよい。第1および/または第2ポリペプチドは、リンカー部位(例えば
、ポリヒスチジン配列)を含有しうる。第1および/または第2ポリペプチドの
アミノ末端およびカルボキシル末端は、リンカー部位を含有しうる。該複合体は
連結分子(例えば、抗ポリヒスチジン抗体などの抗体)を含有しうる。該連結分
子は第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結しうる。該複合体は第3ポリ
ペプチドを含んでもよく、その場合、第3ポリペプチドはサイトカイン活性を有
する。該サイトカイン活性は、インターフェロンα、インターフェロンβ、イン
ターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、IL-15、IL-18およ
び顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインの活性でありう
る。該連結分子は、第3ポリペプチドと第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチ
ドとを連結しうる。類似したアミノ酸配列は約20アミノ酸残基長より大きくても
よい。該複合体はFcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有しても
よい。
【0017】 他の実施形態において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種
するためのワクチン複合体を特徴とする。該複合体は、第2ポリペプチドに連結
された第1ポリペプチドを含有し、その場合、第1ポリペプチドは少なくとも2
つの類似した少なくとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有する。さらに、第2
ポリペプチドはサイトカイン活性を有し、該複合体を哺乳動物に投与することに
よって第1ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される。第1
ポリペプチドは哺乳動物により発現されるアミノ酸配列を含有してもよい。第1
ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結には非共有結合性相互作用が含まれう
る。第1および/または第2ポリペプチドは、リンカー部位(例えば、ポリヒス
チジン配列)を含有しうる。例えば、第1ポリペプチドのアミノ末端およびカル
ボキシル末端はリンカー部位を含有しうる。該複合体は連結分子(例えば、抗ポ
リヒスチジン抗体などの抗体)を含有しうる。サイトカイン活性は、インターフ
ェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL
-4、IL-6、IL-12、IL-15、IL-18および顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子
などのサイトカインの活性であり得る。該複合体は第3ポリペプチドを含有して
もよい。第1ポリペプチドと第3ポリペプチドは同一であってもよく、二量体を
形成しうる。第1ポリペプチドと第3ポリペプチドとの連結には、ジスルフィド
結合が含まれうる。類似したアミノ酸配列は約20アミノ酸残基長より大きくても
よい。該複合体は、Fcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有して
もよい。
【0018】 本発明の他の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するため
のワクチン複合体を特徴とする。該複合体は第1ポリペプチド、第2ポリペプチ
ドおよび第3ポリペプチドを含有し、第1、第2および第3ポリペプチドは連結
されて該複合体を形成する。第1ポリペプチドは第1サイトカイン活性を有する
。第2ポリペプチドは第2サイトカイン活性を有する。該複合体を哺乳動物に投
与することにより第3ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導さ
れる。第3ポリペプチドは哺乳動物により発現されるアミノ酸配列を含有しうる
。第1、第2および第3ポリペプチド間の連結には、非共有結合性相互作用が含
まれうる。第1、第2および/または第3ポリペプチドはリンカー部位を含有し
うる。該複合体は連結分子を含有しうる。第3ポリペプチドは、少なくとも2つ
の類似した少なくとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有してもよい。該複合体
は、Fcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有してもよい。
【0019】 本発明の他の実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するため
のワクチン複合体を特徴とする。該複合体は第2ポリペプチドに連結された第1
ポリペプチドを含有し、第1ポリペプチドはインターフェロンαまたはインター
フェロンβ活性を有するポリペプチドであり、該複合体を哺乳動物に投与するこ
とにより第2ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答を誘導する。第2
ポリペプチドは該哺乳動物により発現されたアミノ酸配列を含有しうる。第1ポ
リペプチドと第2ポリペプチドとの連結には非共有結合性相互作用が含まれうる
。第1および/または第2ポリペプチドはリンカー部位を含有しうる。該複合体
は連結分子を含有しうる。第2ポリペプチドは、少なくとも2つの類似した少な
くとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有してもよい。該複合体はFcγ受容体II
遮断分子(例えば、抗CD32抗体)を含有してもよい。
【0020】 本発明の他の態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)にワクチン接種するためのワ
クチンを特徴とする。該ワクチンはFcγ受容体II 遮断分子(例えば、抗CD32抗
体)およびポリペプチドを含有し、該ワクチンを哺乳動物に投与することによっ
て該ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される。該ポリペプ
チドは該哺乳動物により発現されたアミノ酸配列を含有しうる。Fcγ受容体II
遮断分子とポリペプチドとを連結することができ、その連結には非共有結合性相
互作用が含まれうる。
【0021】 特に記載しない限り、本明細書で使用する技術用語および科学用語は全て、本
発明が属する技術分野の熟練者に一般的に理解されているものと同じ意味を有す
る。本明細書に記載した方法および物質に類似または同等のものを本発明の実施
または試験に使用しうるが、適切な方法および物質を以下で説明する。本明細書
で示した刊行物、特許出願、特許および他の参照文献は全て、参照によりその全
文を本明細書に組み入れる。係争の場合には、定義を含む本明細書が統制する。
さらに、物質、方法および実施例は、単に例示にすぎず、限定を意図するもので
はない。
【0022】 本発明の他の特徴および利点は、本明細書および特許請求の範囲から明らかで
あろう。
【0023】発明の説明 本発明は、感染症およびIgE関連疾患などの種々の疾患を治療するための方法
および物質を提供する。特に本発明は、特異的自己抗原または非自己抗原に対す
る哺乳動物のワクチン接種に使用しうる方法および物質を提供する。例えば、本
明細書に記載の方法および物質を使用して、哺乳動物中の総IgE抗体量および受
容体結合IgE量を低減させることにより、哺乳動物中のIgE抗体の作用を低減させ
うる。
【0024】 1.ワクチンコンジュゲート 本発明は、それぞれのポリペプチドが少なくとも2つの類似したアミノ酸セグ
メントを有する少なくとも2つのポリペプチドを含有するワクチンコンジュゲー
トを提供する。本明細書で使用する「コンジュゲート」という用語は、1つ以上
の共有結合または非共有結合を介して直接または間接的に連結した少なくとも2
つのポリペプチドを含有するあらゆる組成物を指す。例えば、コンジュゲートは
10個の連続して連結したポリペプチドを含有する(例えば、1つ目が2つ目と連
結し、2つ目が3つ目と連結し、3つ目が4つ目と連結する、など)。ポリペプ
チドに関して本明細書で使用する「連結」という用語は、あらゆる種類の共有結
合または非共有結合を指し、限定するものではないが、単結合、二重結合、三重
結合、ジスルフィド結合、水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互
作用、およびこれらの任意の組み合わせが含まれる。例えば、ジスルフィド結合
によって第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結しうる。あるいはまた、
抗体によって第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを連結してもよい。この場
合、第1ポリペプチドと第2ポリペプチドがそれぞれ抗体により認識されるエピ
トープを含有し、その結果得られるコンジュゲートは、第1ポリペプチドに非共
有結合で連結した抗体とさらに非共有結合で連結した第2ポリペプチドを含有す
る。この例においては第1ポリペプチドと第2ポリペプチドは同一のアミノ酸配
列を有しうることに留意されたい。
【0025】 本明細書で使用する「アミノ酸セグメント」という用語は、ポリペプチド中の
隣接したアミノ酸のストレッチを指す。例えば、100アミノ酸のポリペプチド中3
0〜40残基のアミノ酸配列はアミノ酸セグメントとみなされるだろう。本発明の
目的のために、アミノ酸セグメントは約5アミノ酸残基より大きい(例えば、約
6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100、150または200アミノ
酸残基よりも大きい)長さであればよい。したがって、アミノ酸セグメントはIg
E抗体のCH3ドメイン全体であってもよい。
【0026】 少なくとも2つのアミノ酸セグメントに関して、本明細書で使用する「類似し
た」という用語は、該セグメント同士がアミノ酸配列に関して少なくとも約50%
の同一性を有することを意味する。例えば、類似したアミノ酸セグメントは、約
50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、または100%の同一性を有しう
る。本発明の目的のために、1つのアミノ酸セグメントともう1つのアミノ酸セ
グメント間のアミノ酸配列の%同一性は、以下のようにして算出する。最初に、
2つのアミノ酸セグメントのアミノ酸配列を、Jotun Heimアルゴリズムを利用し
、デフォルトが設定されているMEGALIGN(登録商標)(DNASTAR, Madison, WI, 19
97)配列アライメントソフトウエアを用いてアライメントする。次に、アライメ
ントした2つのアミノ酸配列間で一致した位置の数を決定する。一致した位置は
、MEGALIGN(登録商標)配列アライメントソフトウエアでアライメントした結果、
同一の残基が同一位置に存在したその位置を意味する。第3に、一致した位置の
数を位置の総数で割り、得られた値に100をかけて%同一性を得る。
【0027】 また、本発明のワクチンコンジュゲートは、それぞれのポリペプチドが少なく
とも2つの類似したアミノ酸セグメントを有する少なくとも2つのポリペプチド
を含有する。したがって、ワクチンコンジュゲートは、それぞれのポリペプチド
が少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメントを有する、2、3、4、5、6
、7、8、9、10、15、20、25、または30個のポリペプチドを含有しうる。少な
くとも2つの類似したアミノ酸セグメントを含有するポリペプチドが、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の類似したアミノ酸セグメントを
含有しうることに留意されたい。少なくとも2つの類似したアミノ酸セグメント
を含有するポリペプチドの他に、本発明のワクチンコンジュゲートは、少なくと
も2つの類似したアミノ酸セグメントを含有しない任意の数のポリペプチドを含
有してもよい。例えば、ワクチンコンジュゲートは、それぞれが3回反復した30
アミノ酸残基のセグメントを有する4つのポリペプチド、ならびにそれぞれが類
似したアミノ酸セグメントを欠損した2つのポリペプチドを含有しうる。
【0028】 典型的には、ワクチンコンジュゲートは、免疫応答が望まれるものに対して抗
原として作用しうるポリペプチドを含有する。したがって、本発明の範囲内にあ
るワクチンコンジュゲートは、いずれの種類のポリペプチドを含有してよく、限
定するものではないが、細菌、真菌類、ウイルスおよび哺乳動物のポリペプチド
が含まれる。例えば、ワクチンコンジュゲートは5つのC型肝炎ウイルスポリペ
プチドを含有しうる。コンジュゲートのポリペプチドはそれぞれ同一のアミノ酸
配列を有しうることに留意されたい。さらに、ワクチンコンジュゲートのポリペ
プチドは、典型的には類似したアミノ酸セグメントを含有し、そのそれぞれが免
疫応答が望まれるものに対して明確な抗原性単位として作用しうる。したがって
、ワクチンコンジュゲートのポリペプチドは、限定するものではないが、受容体
結合領域、リガンド結合領域、酵素活性部位、ポリペプチド基質の酵素切断部位
、抗体の抗原結合領域、および抗体により認識されるエピトープなどのポリペプ
チドに由来する任意の領域に相当する類似したアミノ酸セグメントを含有しうる
。例えば、ワクチンコンジュゲートのポリペプチドは、それぞれが酵素Xの酵素
活性部位に相当する、3つの類似したアミノ酸セグメントを含有してもよい。類
似したアミノ酸セグメントは連結していてもよいし、ポリペプチド全体に散在し
ていてもよいことに留意されたい。典型的には、ワクチンコンジュゲートの投与
によって、ワクチンコンジュゲートの1つのポリペプチド中の類似したアミノ酸
セグメントの少なくとも一部により形成されるエピトープに対する特異性を有す
る抗体が形成される。
【0029】 ワクチンコンジュゲートのポリペプチドを作製するためのあらゆる方法を使用
することができ、限定するものではないが、原核生物発現系、真核生物発現系、
および化学合成手法が含まれる。さらに、ワクチンコンジュゲートのポリペプチ
ドは天然の組織源から得てもよい。例えば、脳の糖ポリペプチドを脳組織から得
ることができる。典型的には、コンジュゲートの異なるポリペプチドをそれぞれ
別々に作製するか、または別々に単離し、そして次にそれらを使用してコンジュ
ゲートを形成しうる。ポリペプチドは精製した後でコンジュゲートの形成に使用
しうることに留意されたい。ポリペプチドを精製するためのあらゆる方法を使用
することができ、限定するものではないが、分画、遠心分離、およびクロマトグ
ラフィーが含まれる。例えば、ポリヒスチジン配列を含有するポリペプチドをア
フィニティークロマトグラフィーを用いて精製しうる。ポリペプチドを入手した
ら、それを任意の方法を用いて連結することができる。例えば、ポリペプチドサ
ンプルを連結分子と共にインキュベートして、個々のポリペプチドにコンジュゲ
ートを形成させうる。連結分子は2つのポリペプチドを連結する任意の分子であ
る。典型的には、連結分子とは、2つのポリペプチドのアミノ酸残基間で相互作
用し、それにより連結を形成することができる2つの反応基または部位を有する
分子である。連結分子は、抗体などの特異的連結分子であっても、または化学試
薬(例えば、グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒド)などの非特異的連結
分子であってもよい。
【0030】 任意の抗体を連結分子として使用しうる。例えば、抗ポリヒスチジン抗体、ま
たは抗FLAG(登録商標)エピトープ抗体もしくは抗赤血球凝集素(HA)タグ抗体な
どの抗エピトープタグ抗体を使用して2つのポリペプチドを連結しうる。FLAG(
登録商標)エピトープは、米国特許第4,703,004号および第4,782,137号に記載さ
れている。特異的連結分子により連結しようとするポリペプチドは、連結分子に
より認識される特異的部位を含有する必要があることに留意されたい。例えば、
抗ポリヒスチジン抗体を用いて2つのポリペプチドを連結するために、それぞれ
のポリペプチドが該抗体により認識されるポリヒスチジンエピトープを含有する
必要がある。本発明の目的のために、抗体などの特異的連結分子により認識され
る特異的部位はリンカー部位であるとみなす。任意の方法を使用してリンカー部
位を含有するポリペプチドを作製し、特定の抗体を連結分子として使用しうる。
例えば、一般的な分子クローニング手法を使用して、FLAGタグエピトープをコー
ドする核酸を、特定のポリペプチドをコードする核酸に導入することができる。
リンカー部位は任意の位置に存在することができることに留意されたい。例えば
、ポリヒスチジン配列は、ポリペプチドのN末端、C末端、または内部位置に位
置しうる。さらに、ポリペプチドは1つ以上のリンカー部位を含有してもよい。
例えば、ポリペプチドは内部位置およびC末端にポリヒスチジン配列を有しうる
。さらにまた、ポリペプチドは異なるリンカー部位を含有してもよい。例えば、
ポリペプチドは内部位置にポリヒスチジン配列、およびC末端にFLAGタグエピト
ープを有しうる。
【0031】 いくつかの場合には、2つ以上のポリペプチドを、それらが共有結合を介して
連結するように作製しうる。例えば、2つのポリペプチドを、ペプチド結合で連
結するように融合タンパク質として作製しうる。あるいはまた、ポリペプチドを
、例えば、2つの同一ポリペプチド間のジスルフィド結合の形成を促進する細胞
系において作製してもよい。この場合、該コンジュゲートはホモ二量体でありう
る。任意のポリペプチドを1個以上のシステイン残基を含有するように作製して
、該ポリペプチドがシステイン架橋を介してコンジュゲートを形成するようにし
うることに留意されたい。例えば、ポリペプチドを、N末端およびC末端システ
イン残基を含有するように作製し、種々の大きさのコンジュゲートを細胞内に形
成させうる。
【0032】 さらに、ビオチンとアビジンとの間の相互作用を利用してコンジュゲートを形
成しうる。例えば、ポリペプチドを、C末端およびN末端にビオチン分子を含有
するように設計または化学処理しうる。これらのビオチン含有ポリペプチドを、
2つ以上のビオチン分子と同時に相互作用することができるアビジン分子と共に
インキュベートしうる。この場合、単一のアビジン分子が2つのビオチン含有ポ
リペプチドと連結してコンジュゲートを形成しうる。さらに、2つ以上のイオン
(例えば、Ni++、Cu++、Co++、およびZn++)と同時に結合しうるキレート性分子
を使用してコンジュゲートを形成しうる。例えば、2つの銅イオンと相互作用す
ることができる銅キレート性分子を用いて、ポリヒスチジン配列を含有する2つ
のポリペプチドを連結しうる。この場合、単一の銅イオンがそれぞれのポリヒス
チジン配列と相互作用しうるのに対し、単一の銅キレート性分子は2つのポリペ
プチドを連結してコンジュゲートを形成しうる。免疫刺激複合体(iscom)を使
用してコンジュゲートを形成しうることに留意されたい。例えば、iscomを銅イ
オンを含有するように設計して、ポリヒスチジン配列を含有するポリペプチドが
コンジュゲート化するようにしうる。
【0033】 典型的には、核酸分子を特定のポリペプチドが発現されるように構築する。例
えば、核酸分子をC末端に3つの類似したアミノ酸セグメントおよびポリヒスチ
ジン配列を有するポリペプチドをコードするように構築しうる。核酸分子を構築
したら、それを宿主細胞中に導入して、該ポリペプチドを産生させうる。いずれ
の宿主細胞を使用してもよく、限定するものではないが、原核細胞(例えば細菌
)および真核細胞(例えばヒト細胞)が含まれる。ポリペプチドが産生されたら
、それを精製して所望のワクチンコンジュゲートに使用しうる。
【0034】 本明細書で使用する「核酸」という用語は、RNAおよびDNA、ならびにcDNA、ゲ
ノムDNAおよび合成(例えば化学的に合成された)DNAを包含する。核酸は、2本
鎖であっても1本鎖であってもよい。核酸が1本鎖の場合には、センス鎖であっ
てもアンチセンス鎖であってもよい。さらに、核酸は環状であっても直線状であ
ってもよい。
【0035】 核酸は、PCRを含む一般的な分子クローニングまたは化学的核酸合成手法また
は技法を用いて得ることができる。PCRとは、米国特許第4,683,195号に記載と同
様にして標的核酸を増幅する手法または技法、さらに同特許に記載の変法を指す
。一般的に、目的の領域の末端からの配列情報またはそれ以外の領域の配列情報
を使用して、増幅しようとする潜在的な鋳型の反対側の鎖に対して配列が同一ま
たは類似のオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。PCRを用いて、核酸配列
をRNAまたはDNAから増幅しうる。例えば、核酸配列は、PCR増幅により、総細胞R
NA、総ゲノムDNA、およびcDNA、ならびにバクテリオファージ配列、プラスミド
配列、ウイルス配列などから単離しうる。テンプレートとしてRNAを利用する場
合には、逆転写酵素を使用して相補性DNA鎖を合成しうる。
【0036】 あらゆる方法が核酸を細胞中に導入するために使用しうる。実際に、in vivo
またはin vitroに関わらず核酸を細胞中に導入するための多くの方法が当業者に
公知である。例えば、リン酸カルシウム沈降法、エレクトロポレーション法、ヒ
ートショック法、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイル
ス媒介核酸導入法が、核酸を細胞中に導入する一般的な方法である。さらに、本
明細書以外に記載のように、ネイキッドDNAをin vivoにて直接細胞中に送達する
こともできる(米国特許第5,580,859号およびその継続出願を含む米国特許第5,5
89,466号)。さらにまた、核酸をトランスジェニック動物を作製することにより
細胞中に導入してもよい。ウサギ、ヤギ、ヒツジおよびウシなどのトランスジェ
ニック動物を、大量のポリペプチドが該動物のミルク中に分泌されるように遺伝
子操作しうることに留意されたい。
【0037】 トランスジェニック動物は、水生動物(魚類、サメ、イルカなど)、農場動物
(ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ウサギなど)、齧歯動物(ラット、モルモ
ット、およびマウスなど)、ヒト以外の霊長目動物(ヒヒ、サルおよびチンパン
ジーなど)、ならびにペット用動物(イヌおよびネコなど)でありうる。当技術
分野で公知のいくつかの技法を使用して、動物中に核酸を導入してトランスジェ
ニック動物の創始系統を作製することができる。かかる技法には、限定するもの
ではないが、前核マイクロインジェクション(米国特許第4,873,191号);生殖
細胞系へのレトロウイルス媒介遺伝子導入(Van der Puttenら、Proc. Natl. Ac
ad. Sci., USA, 82: 6148-6152 (1985));胚性幹細胞中への遺伝子トランスフ
ェクション(Gossler Aら、Proc Natl Acad Sci USA 83: 9065-9069 (1986));
胚性幹細胞中への遺伝子ターゲティング(Thompsonら、Cell, 56: 313-321 (198
9));体細胞核の核導入(Schnieke AEら、Science 278: 2130-2133 (1997));
ならびに胚のエレクトロポレーションが含まれる。
【0038】 トランスジェニック動物を作製し評価するために使用しうる技法の概要に関し
て、当業者はGordon(Intl. Rev. Cytol., 115: 171-229 (1989))を参照するこ
とができ、そしてさらなる手引きを、例えば:Hoganら、"Manipulating the Mou
se Embryo" Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1986);Krim
penfortら、Bio/Technology, 9: 844-847 (1991);Palmiterら、Cell, 41 : 343
-345 (1985);Kraemer ら、"Genetic Manipulation of the Early Mammalian Em
bryo" Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1985);Hammerら
、Nature, 315: 680-683 (1985);Purscelら、Science, 244: 1281-1288 (1986)
;Wagnerら、米国特許第5,175,385号;ならびにKrimpenfortら、米国特許第5,17
5,384号から得ることができる。
【0039】 さらに、ポリペプチドをコードする核酸を、任意の形態で細胞中にて維持しう
る。例えば、核酸を細胞のゲノム中に組み込んでもよいし、またはエピソーム状
態に維持してもよい。言い換えると、細胞は安定な形質転換体であっても一過性
の形質転換体であってもよい。
【0040】 さらに、あらゆる方法が特定のポリペプチドの発現を指令するために使用しう
る。かかる方法には、限定するものではないが、調節エレメントによってポリペ
プチドをコードする核酸配列の発現が促進されるように核酸を構築することが含
まれる。典型的には、調節エレメントとは、転写のレベルで他のDNA配列の発現
を調節するDNA配列である。したがって、調節エレメントには、限定するもので
はないが、プロモーター、エンハンサーなどが含まれる。
【0041】 一実施形態において、ラットにワクチン接種するためのコンジュゲートを、N
末端ポリヒスチジン配列の後にオポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメ
イン、オポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH
4ドメイン、およびC末端ポリヒスチジン配列を有するポリペプチドを含有する
ように設計しうる。あるいはまた、第1オポッサムIgE CH2ドメインの後に、1
つのラットIgE CH3ドメインに対して3つのラットIgE CH3ドメインが含まれても
よい。いずれの場合においても、2つのポリペプチドをジスルフィド結合を介し
て連結し、二量体を形成させうる。アフィニティークロマトグラフィーを使用し
てポリヒスチジン配列を含有するポリペプチドを精製しうることに留意されたい
。さらに、抗ポリヒスチジン抗体を連結分子として使用して、N末端およびC末
端ポリヒスチジン配列を介して任意の数の単一ポリペプチドまたは二量体を連結
することができる。例えば、3つの二量体を、2つの抗ポリヒスチジン抗体を介
して連続して連結しうる(すなわち、1つ目の二量体を第1抗体で2つ目の二量
体に連結し、そして2つ目の二量体を第2抗体で3つ目の二量体に連結する)。
連結分子を有する混合ポリペプチドによって、種々の大きさを有し、かつ種々の
組み合わせのポリペプチドを有するワクチンコンジュゲートを含有するワクチン
を得ることができることに留意されたい。例えば、ワクチンは、4つより少ない
ポリペプチドを有する(4つより多いポリペプチドを有する場合はわずかである
)ワクチンコンジュゲートの実質的な量を含有しうる。ワクチンコンジュゲート
中のポリペプチドの一般的な立体配置は、ラット以外の哺乳動物のワクチン接種
に適合させうることに留意されたい。例えば、ラットIgEドメインをヒトIgEドメ
インと置換してヒトに接種することができる。
【0042】 2.ワクチンコンジュゲートおよびサイトカイン 本発明は、コンジュゲート中の他のポリペプチドに対する強力な免疫応答を誘
導するような、サイトカイン活性を有するポリペプチドを含有するワクチンコン
ジュゲートを提供する。かかる免疫応答は、サイトカイン活性を有するポリペプ
チドを欠損したコンジュゲートにより誘導された応答よりも効力が高い可能性が
ある。特定の作用機構のいずれにも限定されるものではないが、ポリペプチドX
およびサイトカイン活性を有するポリペプチドを含有するワクチンコンジュゲー
トは、おそらくポリペプチドXを含有する局在化範囲にサイトカイン活性を集中
させるだろう。したがって、サイトカイン活性を有するポリペプチドを含有する
ワクチンコンジュゲートは、ワクチンコンジュゲート中の他のポリペプチドに対
する特異的免疫応答の生成に関与する細胞を刺激しうる。
【0043】 サイトカイン活性を有するポリペプチドは、任意の種類のサイトカイン活性を
有しうる。例えば、ポリペプチドは、インターフェロンα、インターフェロンβ
、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、IL-15、IL-1
8、または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)活性を有しうる。
重要なことは、サイトカイン活性を有するポリペプチドが、天然に存在するポリ
ペプチドであってもよいし天然には存在しないポリペプチドであってもよいこと
に留意することである。天然ポリペプチドとは、天然に見出されるアミノ酸配列
を有するあらゆるポリペプチドであり、野生型および多型性ポリペプチドが含ま
れる。かかる天然ポリペプチドは、限定するものではないが、ヒト、チンパンジ
ー、ヒヒ、ラットまたはマウスを含むあらゆる種から得ることができる。例えば
、ヒトインターフェロンαをワクチンコンジュゲートに使用しうる。非天然ポリ
ペプチドとは、天然には見出されないアミノ酸配列を有するあらゆるポリペプチ
ドである。したがって、非天然ポリペプチドは、天然ポリペプチドの突然変異形
態であっても、遺伝子操作したポリペプチドであってもよい。例えば、インター
フェロンα活性を有する非天然ポリペプチドは、少なくともいくらかのインター
フェロンα活性を保持するインターフェロンα活性を有する天然ポリペプチドの
突然変異形態でありうる。該ポリペプチドは、対応する核酸コード配列の部位特
異的突然変異誘発などの標準法を用いて、例えば、配列の付加、欠失、および/
または置換により突然変異させうる。
【0044】 コンジュゲートは、サイトカイン活性を有する任意の数のポリペプチドを含有
しうる。例えば、コンジュゲートはサイトカイン活性を有する2つのポリペプチ
ドを含有しうる。さらに、コンジュゲートは異なるサイトカイン活性を有するポ
リペプチドを含有してもよい。例えば、コンジュゲートは、インターフェロンα
活性を有する1つのポリペプチドと、GM-CSF活性を有するもう1つのポリペプチ
ドとを含有しうる。サイトカイン活性を有するポリペプチドは、任意の方法によ
り得ることができることに留意されたい。例えば、サイトカイン活性を有するポ
リペプチドをポリヒスチジン配列を含有するように設計し、アフィニティークロ
マトグラフィーを用いて該ポリペプチドを精製することができる。さらに、あら
ゆる方法がコンジュゲートを形成するために使用しうる。例えば、サイトカイン
活性を有するポリペプチドをリンカー部位を含有するように設計して、連結分子
が、本明細書に記載のポリペプチドのように1つのポリペプチドともう1つのポ
リペプチドとを連結することができるようにしうる。
【0045】 一実施形態において、ラットにワクチン接種するためのコンジュゲートを、サ
イトカイン活性を有するポリペプチド、ならびにN末端ポリヒスチジン配列の後
にオポッサムIgE CH2ドメイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH2ド
メイン、ラットIgE CH3ドメイン、オポッサムIgE CH4ドメイン、およびC末端ポ
リヒスチジン配列を有するポリペプチドとを含有するように設計しうる。この場
合、サイトカイン活性を有するポリペプチドはN末端ポリヒスチジン配列を含有
し、その結果精製のためにアフィニティークロマトグラフィーを使用しうる。さ
らに、抗ポリヒスチジン抗体を、ポリヒスチジン配列を介して任意の数のポリペ
プチドを連結するための連結分子として使用しうる。例えば、コンジュゲートは
、それぞれが抗ポリヒスチジン抗体を介して連結されている、インターフェロン
αポリペプチドの後にIgEドメインを含有する3つのポリペプチド、そしてその
後にインターフェロンβポリペプチドを含有しうる。連結分子を有する混合ポリ
ペプチドによって、種々の大きさを有し、かつ種々の組み合わせのポリペプチド
を有するワクチンコンジュゲートを含有するワクチンを得ることができることに
留意されたい。例えば、ワクチンは、インターフェロンα活性を有するポリペプ
チドを含有する(インターフェロンα活性を有するポリペプチドとインターフェ
ロンβ活性を有するポリペプチドとの両方を含有することはわずかである)ワク
チンコンジュゲートの実質的な量を含有しうる。ワクチンコンジュゲート中のポ
リペプチドの一般的な立体配置を、ラット以外の哺乳動物のワクチン接種に適合
させうることにも留意されたい。例えば、ラットIgEドメインをヒトIgEドメイン
と置換してヒトにワクチン接種しうる。
【0046】 3.免疫原性ポリペプチドおよびIgEワクチン IgEワクチン接種を成功させるためには、主にネイティブIgE分子(例えば、Ig
E表面エピトープ)と反応する強力な免疫応答を得ることが必須である。このこ
とは、IgE抗体とその特異的IgE受容体との間の相互作用が非常に強力である(2.
6×10-10;Froese A、CRC Crit. Rev. Immunol. 1: 79-132 (1980))ように、遊
離IgEに対するIgE受容体の効率的な競合を達成するために必要である。本明細書
に記載のように、自己IgE抗体に対し特異性を有する高レベルの抗体を、ラット
系統において、免疫原性ポリペプチドの投与により産生させた。低、中程度およ
び高IgE応答動物を含む、数種の異なるラット系統を使用した。
【0047】 本明細書に記載するように、免疫原性ポリペプチドは、哺乳動物において免疫
応答を有効に誘導するポリペプチドである。例えば、免疫原性ポリペプチドは、
哺乳動物において抗自己IgE応答を有効に誘導するポリペプチドでありうる。典
型的には、免疫原性ポリペプチドは、特定の哺乳動物に対して非自己であるとみ
なされうる少なくとも1つのアミノ酸配列(例えば、単一アミノ酸置換)を含有
する。例えば、抗自己IgE応答を誘導する免疫原性ポリペプチドは、2つの構成
要素、すなわち自己IgE部分および非自己IgE部分を含有しうる。自己IgE部分は
、抗自己IgE応答の特異性の付与に関与する可能性があり、非自己IgE部分は免疫
原性ポリペプチドを活性化し安定化させる役割を果たし、その結果、特異的な抗
自己IgE応答が誘導される。典型的には、免疫原性ポリペプチドの自己IgE部分が
、IgE受容体と直接相互作用するか、またはIgE受容体とIgE抗体との相互作用に
間接的に影響を及ぼすIgE抗体の一部である。
【0048】 簡単に説明すると、マスト細胞および好塩基細胞上の高親和性IgE受容体に対
するヒトIgEの結合部位は、以前示唆されていたようなIgEのCH2ドメインとCH3ド
メインとの間の連結部に位置するのではなく、CH3ドメインのN末端領域に位置
する。この領域は、折りたたみによって、ネイティブポリペプチドのCH3ドメイ
ンとCH4ドメインとの間の連結部に位置する。したがって、自己IgE部分としての
CH2-CH3ドメイン全体の使用は、マスト細胞の表面に既に結合した自己IgE抗体と
相互作用する抗体によって抗自己IgE応答を潜在的に誘導して、アナフィラキシ
ー反応が起こりうる。アナフィラキシー応答を誘導するリスクを低減させるため
に、免疫原性ポリペプチドの自己IgE部分はCH2ドメインを含まないCH3ドメイン
全体でありうる。あるいはまた、自己IgE部分はCH3ドメインのN末端領域であっ
てもよい。例えば、ラットにワクチン接種する場合、自己IgE部分は、ラットCH3
ドメインのN末端側半分であり、これに関連して非自己IgE部分はオポッサムIgE
のCH2ドメイン全体、オポッサムIgEのCH3ドメインのC末端側半分、およびオポ
ッサムIgEのCH4ドメイン全体を含有しうる。かかる免疫原性ポリペプチドは、O
RO末端切断型と称される(図2)。
【0049】 典型的には、免疫原性ポリペプチドの非自己IgE部分は、自己IgE部分の機能的
コンホメーションを安定化させる。例えば、自己IgE部分がCH3ドメインである場
合には、非自己IgE部分は、CH2ドメイン、CH4ドメイン、または自己CH3ドメイン
がCH2ドメインとCH4ドメインとの間に位置するCH2およびCH4ドメインでありうる
。具体的に説明すると、ラットにワクチン接種する場合には、自己IgE部分はラ
ットCH3ドメインであり、これに関連して非自己IgE部分は、例えば、オポッサム
由来でありうる。この場合、ラットCH3ドメインは、オポッサムCH2ドメインとCH
4ドメインとの間に位置しうる。かかる免疫原性ポリペプチドは、OROと称さ
れる(図2)。同様に、マウスにワクチン接種する場合には、自己IgE部分はマ
ウスCH3ドメインであり、これに関連して非自己IgE部分は、例えば、、オポッサ
ム由来でありうる。かかる免疫原性ポリペプチドは、OMOと称される(図2)
【0050】 本発明の免疫原性ポリペプチドは、真核生物発現系、例えば哺乳動物細胞発現
系を用いて提供されうる。このような場合には、免疫原性ポリペプチドは、可溶
性であり、適切に折りたたまれ、かつ適切に修飾され、その結果、哺乳動物に投
与した際に抗自己IgE応答が誘導される。例えば、1以上の真核性翻訳後修飾を
有する免疫原性ポリペプチドは、真核性翻訳後修飾を欠損した類似のポリペプチ
ド(例えば、細菌により産生されたポリペプチド)よりも顕著に高い抗自己IgE
応答を示しうる。真核性翻訳後修飾には、限定するものではないが、グリコシル
化、アシル化、制限タンパク質分解、リン酸化、およびイソプレニル化が含まれ
る。さらに、可溶性であり、適切に折りたたまれ、かつ適切に修飾されている免
疫原性ポリペプチドは、高い血漿IgE濃度を有する哺乳動物、いわゆる高IgE応答
動物において強力な抗自己IgE応答を誘導することができる。しかしながら細菌
により産生されたポリペプチドは、高IgE応答動物においてそのような強力な抗
自己IgE応答を生じさせることができない。したがって、高溶解性、適切な折り
たたみおよび適切な修飾を有する免疫原性ポリペプチドは、本明細書に記載のよ
うに得ることができ、それを使用して哺乳動物において有効な抗自己IgE応答を
誘導することができる。さらにまた、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドを
使用して、IgE血清濃度が高い哺乳動物(ヒトを含む)を治療することができる
。ヒト集団における重篤なアレルギー患者の高い割合がこのカテゴリーの患者に
属することに留意されたい。
【0051】 ワクチン接種しようとする生物(ヒトなど)に由来するIgE CH3ドメインまた
はIgE CH3ドメインの一部を、哺乳動物の無胎盤類(例えば、オポッサム、カモ
ノハシ、コアラ、カンガルー、ワラビー、およびウオンバット)に由来するIgE
分子などの遠縁のIgE分子の構造部分に挿入しうる。有袋動物である灰色短尾オ
ポッサム由来のIgE抗体は、ヒト、ラット、ブタおよびイヌのIgE抗体と約25%の
配列同一性を示す。したがって、オポッサムIgE抗体の領域を免疫原性ポリペプ
チドの非自己IgE部分として使用して、ヒト、ラット、ブタまたはイヌにおいて
強力な抗自己IgE応答を誘導しうる。
【0052】 免疫原性ポリペプチドの発現のための核酸分子は、ワクチン接種しようとする
生物に由来するIgE抗体の一部をコードする第1核酸を、ワクチン接種しようと
する生物と遠縁の哺乳動物に由来するIgE抗体の一部をコードする第2核酸にス
プライシングすることにより作製しうる。例えば、ラット、ヒト、ブタまたはイ
ヌIgEのCH3ドメインを含有する免疫原性ポリペプチドをコードする核酸分子を、
オポッサムIgEのCH2およびCH4ドメインを含有する核酸にスプライシングしうる
。かかるキメラ核酸分子は、一般的な分子クローニング手法を用いて構築しうる
。一般には、ある生物由来のIgE抗体のCH3ドメインが他の生物由来のIgE抗体のC
H2ドメインとCH4ドメインとの間に位置するように核酸を構築することによって
、ネイティブIgE抗体中のネイティブ位置と非常に類似した構造部分にCH3ドメイ
ンを有するキメラIgE分子をコードする核酸分子が得られる。
【0053】 ラット、ヒト、イヌまたはブタにワクチン接種する場合には、オポッサムCH2
ドメインおよびCH4ドメインと、ラット、ヒト、イヌおよびブタIgEの対応するド
メインとの間に約30%のアミノ酸同一性があるため、オポッサムCH2およびCH4ド
メインが免疫原性ポリペプチドの非自己IgE部分の役割を果たしうる(図1)。
かかる免疫原性ポリペプチドは哺乳動物宿主中で産生させうる。さらに、得られ
る免疫原性ポリペプチドは、適切に折りたたまれかつ適切にグリコシル化された
形態で哺乳動物のプロデューサー細胞から分泌されうる。例えば、ヒトIgEのCH3
ドメインに対するモノクローナル抗体を用いたBiacore系における分析によって
、これらのモノクローナル抗体が本発明の免疫原性ポリペプチドに強力に結合し
うることが明らかになり、このことは、CH3ドメイン全体が適切に折りたたまれ
うることを示している。
【0054】 重要なことは、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドは、有害な副作用を示
さず、哺乳動物においてさえもワクチン接種前にIgE力価が非常に上昇している
ものでありうることに留意することである。さらに、本明細書に記載の免疫原性
ポリペプチドを用いたワクチン接種によって、IgEの遊離プール全体に対する抗
自己IgE応答が誘導されうる。かかる応答は、特定のアレルゲンに限定されるも
のではない。したがって、本発明の方法および物質を使用して、多種多様なアト
ピー性アレルギーを包含するヒトのアレルギーを治療しうる。
【0055】 4.さらなる成分および投与方法 本明細書に記載のワクチン、ワクチンコンジュゲート、および免疫原性ポリペ
プチドは、単独で、または他の成分と組み合わせて投与しうる。例えば、ワクチ
ンコンジュゲートは、抗体(例えば、IgG抗体)とFcγ受容体II(例えば、CD32
)との間の相互作用を抑制する遮断分子を含有してもよい。かかる遮断分子(す
なわち、Fcγ受容体II 遮断分子)には、限定するものではないが、抗CD32抗体
が含まれうる。抗CD32抗体は、一般的な抗体産生法およびスクリーニング手法に
より得ることができる。Fcγ受容体II 遮断分子を任意の免疫原性ポリペプチド
と組み合わせて使用して、免疫原性ポリペプチドに対する免疫応答を強化しうる
ことに留意されたい。例えば、抗CD32抗体とコンジュゲート化または非コンジュ
ゲート化免疫原性ポリペプチドとを含有する混合物を哺乳動物に投与して、免疫
原性ポリペプチドに対する強力な免疫応答を誘導しうる。
【0056】 哺乳動物にワクチン接種するために、本明細書に記載のワクチン、ワクチンコ
ンジュゲート、または免疫原性ポリペプチドのいずれかの有効量を宿主に投与し
うる。有効量とは、所望の免疫応答を誘導するが、宿主に対して有意な傷害性を
誘導しない量を意味する。そのような量は、一定量の特定の物質(例えば、免疫
感作ポリペプチド)の投与後の宿主の免疫応答を評価することにより決定しうる
。さらに、傷害性が存在する場合には、そのレベルを一定量の特定物質の投与前
および投与後の宿主の臨床症状を評価することにより決定しうる。宿主に投与さ
れる有効量の特定物質は、所望の結果ならびに宿主の応答および傷害性レベルに
従って調節しうることに留意されたい。有意な傷害性は、特定の宿主それぞれに
関して変化しうるし、限定するものではないが、宿主の病状、年齢および疼痛に
対する忍耐力を含む、複数の因子に依存しうる。
【0057】 さらに、本明細書に記載の物質はいずれも、宿主の体(限定するものではない
が、関節、血流、肺、腸、筋肉組織、皮膚および腹腔など)の任意の部分に投与
しうる。したがって、ワクチンコンジュゲートは、静脈内、腹腔内、筋肉内、経
皮、髄腔内および皮内注射により、経口投与、吸入、または経時的な段階的灌流
により投与しうる。例えば、免疫原性ポリペプチドを含有するエーロゾル製剤を
吸入により宿主に投与しうる。本明細書に記載のいずれかの物質を用いたワクチ
ン接種の期間は、1日のような短期間から生涯にわたる長期間(例えば、長年)
までの任意の時間でありうることに留意されたい。例えば、免疫原性ポリペプチ
ドを10年間にわたって1年に1回投与しうる。治療頻度も変更しうることに留意
されたい。例えば、免疫原性ポリペプチドを、一日、一週間、一ヶ月、または一
年に1度(または2度、3度など)投与してもよい。
【0058】 投与するための製剤には、滅菌水性もしくは非水性溶剤、懸濁剤、および乳剤
が含まれうる。非水性溶剤の例としては、限定するものではないが、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、植物性油、および注射可能な有機エステ
ルが含まれる。水性担体としては、限定するものではないが、水、ならびにアル
コール、食塩水、および緩衝化溶液が含まれる。保存剤、矯味剤、および他の添
加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどもまた添加して
よい。哺乳動物に投与しようとする本明細書に記載の物質はいずれも、1つ以上
の一般に公知の製薬上許容される担体を含有してもよいことが理解されるだろう
【0059】 任意の方法を使用して、特定の免疫応答が誘導されたかどうかを判定しうる。
例えば、特定の抗原に対する抗体応答は、免疫学的アッセイ(例えば、ELISA)
を用いて判定しうる。さらに、特定の病状の程度を評価しうる臨床的方法を使用
して、所望の免疫応答が誘導されたかどうかを判定しうる。
【0060】 本発明を以下の実施例でさらに説明するが、これらは特許請求の範囲に記載し
た本発明の範囲を限定するものではない。
【0061】実施例 実施例1: 免疫原性ポリペプチド 自己IgE部分と非自己IgE部分の両方を有する免疫原性ポリペプチドをコードす
る核酸分子を構築した。それから、これらの核酸分子を用いて、哺乳動物細胞中
において可溶性の免疫原性ポリペプチドを合成した。このような免疫原性ポリペ
プチドは哺乳動物への投与後にポリクローナルな抗自己IgE応答を効果的に誘導
した。さらに、免疫原性ポリペプチドは、非自己IgE部分を欠く細菌が産生する
ポリペプチドよりも効力のある、強力かつ特異的な抗自己IgE応答をもたらすこ
とができるような様式で折り込まれ、そしてグリコシル化されているようである
。かくして、本明細書に記述される免疫原性ポリペプチドは天然血漿IgEと同じ
立体構造の表面エピトープを数多く含んでいる。さらに、全CH3ドメインまたはC
H3ドメインのフラグメント(例えば、CH3ドメインのN末端領域)に限られた自己
IgE部分を含む免疫原性ポリペプチドは哺乳動物におけるアナフィラキシー性抗
体の産生能を低減した。
【0062】実施例2: 免疫原性ポリペプチドの製造および精製 ラットIgEのCH3ドメインをコードする約330塩基対のPCRフラグメント(Hellman
L et al.,Nucleic Acids Res. 10:6041-6049(1982))は、pCEP4発現ベクターの
改変型であるpCEP-Pu2(Margolskee RF et al.,Mol.Cell.Biol. 8:2837-2847(198
8))への連結反応によってオポッサムIgEのCH2ドメインとCH4ドメインをコードす
る2つの同様な大きさのフラグメント(Aveskogh M and Hellman L, Eur. J. Immu
nol., 28:2738-2750 (1998))と融合した。このベクターはCMVプロモーター-エン
ハンサーを含み、これは目的のコード領域の5’側に直接位置し、哺乳動物細胞
において高いレベルでの発現を可能にしている。またこのベクターはピューロマ
イシン耐性およびEBV EBNA1遺伝子をコードする領域を有している。EBNA1遺伝
子はヒトまたはイヌ科の動物の細胞系においてベクターの安定した複製性エピソ
ームのコピー数を維持する。
【0063】 またオポッサムIgE CH2、ラットIgE CH3、およびオポッサムIgE CH4の核酸
配列を含む核酸分子は、N末端領域にシグナル配列および6個のヒスチジン残基を
コードする核酸配列を含んでいた。シグナル配列および6個のヒスチジン残基を
含む領域は、コードされているポリペプチドの産生細胞からの分泌を促進し、か
つニッケルキレートカラムでのポリペプチドの精製を可能にする。ヒト293細胞
への発現ベクターのトランスフェクションに続いて、オポッサムCH2-IgE/ラット
CH3-IgE/オポッサムCH4-IgE(ORO)免疫原性ポリペプチドを、ニッケルキレートカ
ラムで293細胞のならし培地からほぼ100%の純度に精製した。ORO免疫原性ポリ
ペプチドを20mM Tris (pH 8.0)、0.1M NaCl、100mM イミダゾールを含む溶液で
溶出した後、溶出液をPBS (pH 7.5)に対し一晩4℃で透析した。それから該ORO免
疫原性ポリペプチドをアミコン(Amicon)濃縮器を使用して約2mg/mLに濃縮した。
ORO免疫原性ポリペプチドを含むこの調製物のアリコートをSDS-PAGEで分離した
ところ、ほぼ100%の純度であることが分かった。この精製されたORO免疫原性ポ
リペプチド調製物はラットを治療するための抗自己IgEワクチンの活性成分とし
て使用した。
【0064】実施例3: 感作手順 各ラットは次のように卵白アルブミンに感作させた。PBS中の卵白アルブミン1
0μgを各ラットの腹腔内に投与した。この初めの卵白アルブミンの腹腔内投与の
三週間後、ラットは卵白アルブミン1μgの腹腔内注射を週1回づつ4週間受けた
。この4週間の間に、ラットは卵白アルブミンに感作され、全IgEおよび卵白ア
ルブミン特異的IgE応答が得られ、この応答は高くかついつまでも続いた。この
4週間の後、ラットはワクチン接種プログラムを開始した。全ワクチン接種プロ
グラムの間、卵白アルブミンの腹腔内注射は次の通り継続した。ワクチン接種の
最初の2週間は、ラットに卵白アルブミン1μgを週1回腹腔内注射した。最初の2
週間のワクチン接種後は、ラットに卵白アルブミン1μgを1週間おきに腹腔内注
射した。
【0065】実施例4: 抗自己IgE応答のELISAによる測定 36匹のラット(Lewisラット12匹、Louvainラット12匹、Brown Norwayラット12
匹)を二つの同じ大きさのグループに分け、ORO免疫原性ポリペプチドまたは陰
性対照としてBSAを腹腔内注射した。BSA陰性対照はORO免疫原性ポリペプチドと
同じポリペプチド濃度で使用した。この研究では、それぞれのラットにフロイン
ト完全アジュバントとPBSの50:50溶液0.2mLに分散させた約250μgの抗原(ORO
免疫原性ポリペプチドもしくはBSA)を腹腔内注射した。3週間後、ラットにフロ
イント完全アジュバントとPBSの50:50溶液0.1mLに分散させた約100μgの抗原
を追加免疫した。6週間後、ラットは再度初回と同じ追加免疫を行った。この3
回の免疫後、血液サンプルを採取し、ELISAにより下記のとおり測定した。
【0066】 自己ラットIgEに対するIgG抗IgE抗体のレベルをELISAによって測定した。天然
ラットIgEをELISA用のプレートのコーティングのために5μg/mLの濃度で使用し
た。各ラットから採取した血清の連続1/5希釈物をELISAにおける発色反応で調べ
た。ラットIgE抗体への特異性を持つラットIgG抗体の存在は、2種類のビオチン
化マウスモノクローナル抗体(一方はラットIgG2a/bに特異性であり、他方はラ
ットIgG1に特異性である)を用いて測定した。アルカリホスファターゼを結合さ
せたストレプトアビジンをビオチン化マウスモノクローナル抗体の検出に使用し
た。
【0067】実施例5: 哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導 IgEワクチンとしてのORO免疫原性ポリペプチドのin vivo効果を3つの異なる系
統のラット(Lewis、Louvain、およびBrown Norway)を使用して調べた。Lewis
系ラットは低度IgE応答動物であり、Louvain系ラットは中度IgE応答動物であり
、Brown Norway系ラットは高度IgE応答動物である。卵白アルブミンへの感作後
、実施例3に記載したように各ラットにORO免疫原性ポリペプチドまたはBSAをワ
クチン接種した。血液サンプルを採取した後、血清を図示した(図3)ように5段
階に希釈した。精製モノクローナルラットIgE(IR162)をELISA用プレートのコー
ティング使用し(5μg/mL)、2種類のビオチン化マウスモノクローナル抗体をラ
ットIgG抗IgE抗体の検出に使用した。ORO免疫原性ポリペプチドを含むワクチン
を接種した低度、中度、高度IgE応答ラットにおいて高い抗IgE力価が検出された
。BSA対照で処理したラットにおいては抗IgE力価は検出されなかった。このよう
にORO免疫原性ポリペプチドは、低量、中量、高量のIgE抗体を含むラットにおい
て抗自己IgE応答を誘導することができた。
【0068】 様々な系統間において抗自己IgEレベルに差が見られた。低度応答のLewis系は
非常に高い抗自己IgE力価を示した。ELISA測定の際に吸光度値の有意な低下が見
られる前に、該血清を3000倍以上に希釈できるだろう(図3)。しかしながら、
高度応答のBrown Norway系では、25倍以上に希釈した時、6匹中3匹で吸光度値が
降下し始めた(図3)。
【0069】 他の実験では、Wistar系ラットを用いた。Wistar系ラットは中度のIgE応答動
物である。Wistar系ラットによる抗自己IgE応答はLewis系ラットで認められた応
答と同様であった。
【0070】実施例6: 交差反応性の分析 オポッサムIgEのCH2ドメインまたはCH4ドメインに対するラット抗体とラットI
gE抗体の対応するドメインとの交差反応性を評価した。この交差反応性の可能性
は、オポッサムIgEとラットIgEのCH2およびCH4ドメイン間の一次アミノ酸配列の
相同性の低さまたは密接な構造の類似性に起因するものであろう。ラットのCH2
ドメインまたはCH4ドメインに対する特異性を有する抗ラットIgE応答の誘導はマ
スト細胞の活性化につながるであろう。
【0071】 オポッサムのCH2-CH3-CH4ドメインを含む組換え型ポリペプチド(OOO)をWistar
系ラットに注射した。2回目の追加免疫後、これらのラットから血清を採取し、
ラットIgEに対して特異性を有する抗体の存在を調べた。OOOポリペプチドで処理
したラットにおいては抗ラットIgE抗体は検出されなかった(図4)。それに加え
、ORO免疫原性ポリペプチドで処理したWistar系ラットは、Lewis系ラットで認め
られたのと同様の抗自己IgE応答を示した。さらに、カモノハシのCH2-CH3-CH4ド
メインを含む組換え型ポリペプチド(PPP)で処理したWistar系ラットは抗ラット
IgE応答を示さなかった。このようにラットへの投与では、オポッサムとカモノ
ハシのIgE抗体のCH2、CH3、CH4ドメインは、ラットIgE抗体に特異性を持つラッ
ト抗体は産生しなかった。
【0072】 ORO免疫原性ポリペプチドによって誘導されたラット抗体(ラットIgG抗自己Ig
E抗体)とヒトIgE抗体との相互作用を調べた。いくつかのケースにおいて低度の
交差反応性が見られた。数匹のラットで検出されたこの低度の交差反応性は、お
そらくラットIgG抗ラットCH3 IgE抗体とヒトIgEのCH3ドメインとの相互作用によ
って引き起こされたらしい。ラットとヒトのIgEのCH3ドメインはヒトとオポッサ
ムまたはカモノハシのIgEとよりもずっと密接に関係しているので、オポッサム
またはカモノハシの成分を含むワクチンは大いに安全であり、交差結合する抗体
の産生に関する危険性を最小限に抑えられると考えられる。
【0073】実施例7: ワクチンコンジュゲート用ポリペプチド 実施例2に記載されているORO免疫原性ポリペプチドをコードする核酸構築物を
用いて、それぞれが数個の同一の自己エピトープを持つ2種類のポリペプチドを
産生させた。一方のポリペプチドは2つの同一の自己エピトープ(全ラットCH3ド
メイン)のクラスターを含んでおり、もう一方は4つのそのようなクラスターを
含んでいた。最初に、3’PCRプライマーに6個のヒスチジン残基のヌクレオチド
配列を含めることによってオポッサムのCH4ドメインのC末端に6個のヒスチジン
残基をコードする核酸を付加した。したがって、各ポリペプチドはN末端とC末端
の両方にポリヒスチジン配列を含むため、コンジュゲートを形成することができ
る。次に、もとの構築物のオポッサムCH2ドメインおよびラットCH3ドメインをコ
ードする核酸断片をPCR増幅によって得た。この断片は続いてORO免疫原性ポリペ
プチドをコードする構築物に連結した。得られた構築物はOROROと呼ばれるポリ
ペプチドをコードした。このOROROポリペプチドは、2つのラットCH3ドメイン、2
つのオポッサムCH2ドメイン、1つのオポッサムCH4ドメインを、オポッサムCH2ド
メイン、ラットCH3ドメイン、オポッサムCH2ドメイン、ラットCH3ドメイン、オ
ポッサムCH4ドメインの順番で含んでいる。このように、このポリペプチドはそ
れぞれ多数の自己エピトープを持つ2つの同一のCH3ドメインを有している。
【0074】 OROROをコードする該核酸構造物は第2の免疫原性ポリペプチドを産生するため
の出発物質として用いた。このポリペプチドは、OROROポリペプチド中の最初の
ラットCH3ドメインの3’側の位置に付加された2つの付加的ラットCH3ドメインを
含んでいる。その結果得られる該ポリペプチドは、ポリヒスチジンのタグに続い
て、1個のオポッサムCH2ドメイン、3個の同一のラットCH3ドメイン、1個のオポ
ッサムCH2ドメイン、1個のラットCH3ドメイン、1個のオポッサムCH4ドメインお
よびC末端のポリヒスチジンのタグ(6his-ORRRORO-6his)を有する。
【0075】 それぞれの組換え型ポリペプチドはpCEP4をベースとしたベクター系において
産生させた。さらに、該ポリペプチドは実施例2に記載した方法によりニッケル
キレートカラムを用いて精製した。同様なワクチン構築物は、ラットIgEのCH3ド
メインのかわりにイヌまたはヒトIgEのCH3ドメインを使用して作製される。
【0076】実施例8: ワクチンコンジュゲート モノクローナル抗体に対するポリペプチドの適当な組合せを決定するために、
実施例7の精製ポリペプチドを、抗ポリヒスチジンモノクローナル抗体と1/1から
10/1の比率(ポリペプチド対モノクローナル抗体比)で変動する様々な組合せで
混合する。この混合物は、多数の同一の自己エピトープが一列に並んだ長い多重
体コンジュゲートの形成をもたらす。様々な組合せの生物学的活性を本明細書中
に記述するようにラットにおいて評価する。非コンジュゲートORO免疫原性ポリ
ペプチドを、免疫応答の評価のための基準として用いる。
【0077】実施例9: サイトカイン活性を有するポリペプチド ラット、イヌ、ヒトのサイトカイン(例えば、インターフェロンα、インター
フェロンγ、GM-CSF)をコードするcDNAが脾臓の総mRNAから分離されるようにPCR
プライマーを設計する。サイトカインがアフィニティークロマトグラフィーによ
って精製され、抗ポリヒスチジン抗体によって本明細書中に記述のポリペプチド
に非共有結合で結合するように、6個のヒスチジン残基をコードするヌクレオチ
ド配列をそれぞれの5’PCRプライマーに導入する。次の3つの発現系、すなわち
(細菌、酵母(例:Pichia pastoris)、哺乳動物細胞(例:pCEP-4ベースの発現
系を使った293-EBNA細胞)のどれかひとつを使って、組換え型サイトカインを産
生する。
【0078】実施例10:サイトカイン活性のあるポリペプチドを有するワクチンコンジュゲー 実施例9によって産生されるサイトカインを用いてワクチンコンジュゲートを
形成する。3つの異なるサイトカイン(例:マウスインターフェロンα、ラット
インターフェロンγ、ラットGM-CSF)の混合物を作り、OROROポリペプチドと抗ポ
リヒスチジン抗体との組合せで試験する。
【0079】 はじめに、1/10の比率(サイトカイン対免疫原性ポリペプチドの比率)の混合
物を試験する。3種類のサイトカインの場合には、この比率はモル基準で30%の
サイトカインと70%の免疫原性ポリペプチドの混合物をもたらす。さらにこの混
合物は抗ポリヒスチジン抗体を1/10の比率(免疫原性ポリペプチド対モノクロー
ナル抗体の比率)で含んでいる。多数の比率の組合せを評価し、それによりサイ
トカイン対免疫原性ポリペプチドの最適な比率およびモノクローナル抗体対免疫
原性ポリペプチドの最適な比率を決定する。さらに、いろいろな生物種由来のサ
イトカイン活性を持つポリペプチドを評価して、特定の生物種に最適な組合せを
決定する。
【0080】その他の実施形態 本発明について詳細な説明とともに記載してきたが、前述の記載は例示を意図
したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は添付の
特許請求の範囲により規定されるものである。その他の態様、利点、変更は特許
請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒト、ラットおよびオポッサムのIgEのCH2-CH3-CH4ドメインのアミノ
酸配列(それぞれ、上段、中段および下段)を比較した図である。また、オポッ
サムの配列はN末端シグナル配列の後に6つのヒスチジン残基を含有する。
【図2】 図2A〜Bは、以下に記載する構成要素を含有する種々のポリペプチドのアミノ
酸配列を比較した図である:オポッサムCH2−ラットCH3−オポッサムCH4(OR
O);オポッサムCH2−ラットN末端CH3−オポッサムC末端CH3−オポッサムCH4
(ORO末端切断型);オポッサムCH2−マウスCH3−オポッサムCH4(OMO)
;オポッサムCH2−CH3−CH4(OOO);カモノハシCH2−CH3−CH4(PPP);
オポッサムCH2−ヒトCH3−オポッサムCH4(OHO);オポッサムCH2−ブタCH3
−オポッサムCH4(OPO);およびオポッサムCH2−イヌCH3−オポッサムCH4(
ODO)。矢印は境界のドメインを示す。
【図3】 図3A〜Cは、3種の異なるラット系統のパネルにおけるORO免疫原性ポリペ
プチドに対する免疫応答の分析を示す図である。ラットネイティブIgEに対して
誘導されたラットIgG抗IgE抗体のレベルをELISAで測定した。ELISAプレートの被
覆のためにラットネイティブIgEを5μg/mLの濃度で使用した。個々のラットそ
れぞれからの連続5倍希釈の血清をELISAにおいて着色反応により試験した。6
体のワクチン接種したラットを各系統からの4体の対照ラットと共に分析した。
【図4】 図4は、ORO免疫原性ポリペプチドならびにOOOおよびPPP対照ポリペ
プチドに対する免疫応答の分析を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/06 A61P 17/04 17/04 31/04 31/04 31/10 31/10 31/12 31/12 37/06 37/06 43/00 111 43/00 111 117 117 C07K 14/47 C07K 14/47 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA31 CA01 DA02 DA12 GA11 4B065 AA87X AA87Y AB01 AC14 BA01 CA24 CA45 4C085 AA03 AA13 AA16 AA34 BA01 BB17 BB35 CC05 DD62 EE01 EE05 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA75 EA31 FA74

Claims (71)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己IgE部分および非自己IgE部分を含み、かつ哺乳動物にお
    ける抗自己IgE応答の誘導に有効な免疫原性ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 前記哺乳動物がヒトである、請求項1記載の免疫原性ポリペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 前記自己の部分がIgEのCH3ドメインの少なくとも一部を含む
    、請求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 二量体化して、哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有
    効な可溶性免疫原性二量体を形成することができる、請求項1記載の免疫原性ポ
    リペプチド。
  5. 【請求項5】 非自己IgE部分が第1領域および第2領域を含み、自己IgE部
    分が非自己IgE部分の第1領域と第2領域との間に位置する、請求項1記載の免
    疫原性ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 第1領域がIgE CH2ドメインの少なくとも一部を含む、請求
    項5記載の免疫原性ポリペプチド。
  7. 【請求項7】 第2領域がIgE CH4ドメインの少なくとも一部を含む、請求
    項5記載の免疫原性ポリペプチド。
  8. 【請求項8】 非自己IgE部分が哺乳動物の無胎盤類に存在するIgE配列を含
    む、請求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
  9. 【請求項9】 前記哺乳動物の無胎盤類が、オポッサム、カモノハシ、コア
    ラ、カンガルー、ワラビーおよびウオンバットからなる群より選択される、請求
    項8記載の免疫原性ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 自己IgE部分がIgE抗体のCH2ドメインを欠損している、請
    求項1記載の免疫原性ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 真核性翻訳後修飾を含む、請求項1記載の免疫原性ポリペ
    プチド。
  12. 【請求項12】 ポリヒスチジン配列を含む、請求項1記載の免疫原性ポリ
    ペプチド。
  13. 【請求項13】 抗自己IgE応答がポリクローナル応答である、請求項1記
    載の免疫原性ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 自己IgE部分および非自己IgE部分を含みかつ哺乳動物にお
    ける抗自己IgE応答の誘導に有効な免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列
    を含有する核酸分子。
  15. 【請求項15】 真核細胞からの前記免疫原性ポリペプチドの分泌を促進す
    るアミノ酸配列をコードするさらなる核酸配列を含む、請求項14記載の核酸分
    子。
  16. 【請求項16】 核酸分子を含む宿主細胞であって、該核酸分子は、自己Ig
    E部分および非自己IgE部分を含みかつ哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に
    有効である免疫原性ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、上記宿主細胞。
  17. 【請求項17】 真核細胞である、請求項16記載の宿主細胞。
  18. 【請求項18】 可溶性免疫原性二量体であって、二量体化して該可溶性免
    疫原性二量体を形成することができる2つの免疫原性ポリペプチド(それぞれ自
    己IgE部分および非自己IgE部分を含む)を含み、そして哺乳動物における抗自己
    IgE応答の誘導に有効である、上記可溶性免疫原性二量体。
  19. 【請求項19】 免疫原性ポリペプチドを含むワクチンであって、該免疫原
    性ポリペプチドが自己IgE部分および非自己IgE部分を含み、かつ哺乳動物におけ
    る抗自己IgE応答の誘導に有効である、上記ワクチン。
  20. 【請求項20】 医薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項19記載
    のワクチン。
  21. 【請求項21】 哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な免疫原性
    ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法であって、第1核酸配列と第2核
    酸配列とを結合させて該核酸分子を形成させることを含み、第1核酸配列が該哺
    乳動物に存在するIgE分子の少なくとも一部をコードし、第2核酸配列が該哺乳
    動物には存在しないIgE分子の少なくとも一部をコードする、上記方法。
  22. 【請求項22】 哺乳動物における抗自己IgE応答の誘導に有効な免疫原性
    ポリペプチドをコードする核酸分子の製造方法であって、 a)上記哺乳動物に存在するIgE分子の少なくとも一部をコードする第1核酸配列
    を選択し、 b)上記哺乳動物には存在しないIgE分子の少なくとも一部をコードする第2核酸
    配列を選択し、そして c)第1核酸配列と第2核酸配列とを結合させて、上記核酸分子を形成させるこ
    と、 を含む、上記方法。
  23. 【請求項23】 第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを含む哺乳動物
    にワクチン接種するためのワクチン複合体であって、第1および第2ポリペプチ
    ドがそれぞれ少なくとも2つの類似した少なくとも5アミノ酸残基長のアミノ酸
    配列を含有し、第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとが連結して該複合体を形
    成し、そして該複合体を該哺乳動物に投与することによって第1ポリペプチドま
    たは第2ポリペプチドの少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される、上記ワ
    クチン複合体。
  24. 【請求項24】 前記哺乳動物がヒトである、請求項23記載の複合体。
  25. 【請求項25】 第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドが前記哺乳動物
    により発現されるアミノ酸配列を含む、請求項23記載の複合体。
  26. 【請求項26】 第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドが同一である、
    請求項23記載の複合体。
  27. 【請求項27】 第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドが二量体を形成
    する、請求項23記載の複合体。
  28. 【請求項28】 第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結にジスルフ
    ィド結合が含まれる、請求項23記載の複合体。
  29. 【請求項29】 第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結に非共有結
    合性相互作用が含まれる、請求項23記載の複合体。
  30. 【請求項30】 第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドがリンカー部位
    を含む、請求項23記載の複合体。
  31. 【請求項31】 前記リンカー部位がポリヒスチジン配列である、請求項3
    0記載の複合体。
  32. 【請求項32】 第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドのアミノ末端お
    よびカルボキシル末端がリンカー部位を含む、請求項23記載の複合体。
  33. 【請求項33】 連結分子を含む、請求項23記載の複合体。
  34. 【請求項34】 前記連結分子が第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとを
    連結する、請求項33記載の複合体。
  35. 【請求項35】 前記連結分子が抗体を含む、請求項33記載の複合体。
  36. 【請求項36】 前記抗体が抗ポリヒスチジン抗体である、請求項35記載
    の複合体。
  37. 【請求項37】 サイトカイン活性を有する第3ポリペプチドを含む、請求
    項23記載の複合体。
  38. 【請求項38】 前記サイトカイン活性が、インターフェロンα、インター
    フェロンβ、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、I
    L-15、IL-18、および顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子からなる群より選
    択されるサイトカインの活性である、請求項37記載の複合体。
  39. 【請求項39】 前記連結分子が第3ポリペプチドと第1ポリペプチドまた
    は第2ポリペプチドとを連結する、請求項37記載の複合体。
  40. 【請求項40】 第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドがリンカー部位
    を含む、請求項23記載の複合体。
  41. 【請求項41】 第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドのアミノ末端お
    よびカルボキシル末端がリンカー部位を含有する、請求項23記載の複合体。
  42. 【請求項42】 前記類似したアミノ酸配列が約20アミノ酸残基長より大
    きい、請求項23記載の複合体。
  43. 【請求項43】 Fcγ受容体II 遮断分子を含む、請求項23記載の複合体
  44. 【請求項44】 哺乳動物にワクチン接種するための、第2ポリペプチドに
    連結された第1ポリペプチドを含むワクチン複合体であって、第1ポリペプチド
    が少なくとも2つの類似した少なくとも5アミノ酸長のアミノ酸配列を含有し、
    第2ポリペプチドがサイトカイン活性を有し、そして該複合体を該哺乳動物に投
    与することによって、第1ポリペプチドの少なくとも一部分に対する免疫応答が
    誘導される、上記ワクチン複合体。
  45. 【請求項45】 前記哺乳動物がヒトである、請求項44記載の複合体。
  46. 【請求項46】 第1ポリペプチドが前記哺乳動物により発現されるアミノ
    酸配列を含む、請求項44記載の複合体。
  47. 【請求項47】 第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結に非共有結
    合性相互作用が含まれる、請求項44記載の複合体。
  48. 【請求項48】 第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドがリンカー部位
    を含む、請求項44記載の複合体。
  49. 【請求項49】 連結分子を含む、請求項44記載の複合体。
  50. 【請求項50】 前記サイトカイン活性が、インターフェロンα、インター
    フェロンβ、インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-12、I
    L-15、IL-18、および顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子からなる群より選
    択されるサイトカインの活性である、請求項44記載の複合体。
  51. 【請求項51】 第3ポリペプチドを含む、請求項44記載の複合体。
  52. 【請求項52】 第1ポリペプチドおよび第3ポリペプチドが同一である、
    請求項51記載の複合体。
  53. 【請求項53】 第1ポリペプチドおよび第3ポリペプチドが二量体を形成
    する、請求項51記載の複合体。
  54. 【請求項54】 前記類似したアミノ酸配列が約20アミノ酸残基長より大
    きい、請求項44記載の複合体。
  55. 【請求項55】 Fcγ受容体II 遮断分子を含む、請求項44記載の複合体
  56. 【請求項56】 哺乳動物にワクチン接種するための、第1ポリペプチド、
    第2ポリペプチドおよび第3ポリペプチドを含むワクチン複合体であって、第1
    、第2および第3ポリペプチドが連結されて該複合体を形成し、第1ポリペプチ
    ドが第1サイトカイン活性を有し、第2ポリペプチドが第2サイトカイン活性を
    有し、そして該複合体を該哺乳動物に投与することによって第3ポリペプチドの
    少なくとも一部に対する免疫応答が誘導される、上記ワクチン複合体。
  57. 【請求項57】 前記哺乳動物がヒトである、請求項56記載の複合体。
  58. 【請求項58】 第3ポリペプチドが前記哺乳動物により発現されるアミノ
    酸配列を含む、請求項56記載の複合体。
  59. 【請求項59】 第1ポリペプチド、第2ポリペプチドおよび第3ポリペプ
    チド間の連結に非共有結合性相互作用が含まれる、請求項56記載の複合体。
  60. 【請求項60】 第1ポリペプチド、第2ポリペプチドまたは第3ポリペプ
    チドがリンカー部位を含む、請求項56記載の複合体。
  61. 【請求項61】 連結分子を含む、請求項56記載の複合体。
  62. 【請求項62】 第3ポリペプチドが少なくとも2つの類似した少なくとも
    5アミノ酸長のアミノ酸配列を含む、請求項56記載の複合体。
  63. 【請求項63】 Fcγ受容体II 遮断分子を含む、請求項56記載の複合体
  64. 【請求項64】 哺乳動物にワクチン接種するための、第2ポリペプチドに
    連結された第1ポリペプチドを含むワクチン複合体であって、第1ポリペプチド
    がインターフェロンαまたはインターフェロンβ活性を有するポリペプチドであ
    り、そして該複合体を該哺乳動物に投与することによって第2ポリペプチドの少
    なくとも一部に対する免疫応答が誘導される、上記ワクチン複合体。
  65. 【請求項65】 前記哺乳動物がヒトである、請求項64記載の複合体。
  66. 【請求項66】 第2ポリペプチドが前記哺乳動物により発現されたアミノ
    酸配列を含む、請求項64記載の複合体。
  67. 【請求項67】 第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの連結に非共有結
    合性相互作用が含まれる、請求項64記載の複合体。
  68. 【請求項68】 第1ポリペプチドまたは第2ポリペプチドがリンカー部位
    を含む、請求項64記載の複合体。
  69. 【請求項69】 連結分子を含む、請求項64記載の複合体。
  70. 【請求項70】 第2ポリペプチドが少なくとも2つの類似した少なくとも
    5アミノ酸長のアミノ酸配列を含む、請求項64記載の複合体。
  71. 【請求項71】 Fcγ受容体II 遮断分子を含む、請求項64記載の複合体
JP2000579167A 1998-11-02 1999-10-21 強化ワクチン Expired - Fee Related JP4205861B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10665298P 1998-11-02 1998-11-02
US60/106,652 1998-11-02
US09/401,636 1999-09-22
US09/401,636 US6913749B2 (en) 1998-11-02 1999-09-22 Immunogenic polypeptides for inducing anti-self IgE responses
PCT/SE1999/001896 WO2000025722A2 (en) 1998-11-02 1999-10-21 ENHANCED VACCINES COMPRISING SELF AND NON-SELF IgE PORTIONS OR DIMERIC ANTIGENS

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005258648A Division JP4188353B2 (ja) 1998-11-02 2005-09-07 強化ワクチン

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002531064A true JP2002531064A (ja) 2002-09-24
JP2002531064A5 JP2002531064A5 (ja) 2005-12-22
JP4205861B2 JP4205861B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=26803871

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000579167A Expired - Fee Related JP4205861B2 (ja) 1998-11-02 1999-10-21 強化ワクチン
JP2005258648A Expired - Fee Related JP4188353B2 (ja) 1998-11-02 2005-09-07 強化ワクチン

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005258648A Expired - Fee Related JP4188353B2 (ja) 1998-11-02 2005-09-07 強化ワクチン

Country Status (18)

Country Link
US (3) US6913749B2 (ja)
EP (1) EP1135158B1 (ja)
JP (2) JP4205861B2 (ja)
KR (1) KR100559918B1 (ja)
AT (1) ATE314087T1 (ja)
AU (1) AU771889B2 (ja)
CA (1) CA2348756A1 (ja)
DE (1) DE69929240T2 (ja)
DK (1) DK1135158T3 (ja)
ES (1) ES2255325T3 (ja)
HK (1) HK1042844A1 (ja)
HU (1) HUP0105392A3 (ja)
IL (1) IL142582A0 (ja)
NO (1) NO20012135L (ja)
NZ (1) NZ511079A (ja)
PL (1) PL348611A1 (ja)
PT (1) PT1135158E (ja)
WO (1) WO2000025722A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013191166A1 (ja) * 2012-06-18 2016-05-26 日本全薬工業株式会社 IgEペプチドワクチン

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU7658101A (en) * 2000-07-28 2002-02-13 Cytos Biotechnology Ag Compositions for inducing self-specific anti-ige antibodies and uses thereof
EP2065052A3 (en) * 2000-08-30 2009-08-19 Pfizer Products Inc. Anti-IgE vaccines
US20040156838A1 (en) * 2000-09-06 2004-08-12 Steen Klysner Method for down-regulating ige
US20040071671A1 (en) 2001-02-20 2004-04-15 Leturcq Didier J. Cell therapy method for the treatment of tumors
IL157366A0 (en) 2001-02-20 2004-02-19 Ortho Mcneil Pharm Inc A cell therapy method for the treatment of tumors
WO2002092773A2 (en) 2001-05-15 2002-11-21 Ortho-Mcneil Pharmaceutical, Inc. Ex-vivo priming for generating cytotoxic t lymphocytes specific for non-tumor antigens to treat autoimmune and allergic disease
JP2003047482A (ja) 2001-05-22 2003-02-18 Pfizer Prod Inc 非アナフィラキシー誘発性IgEワクチン
WO2003096966A2 (en) * 2002-05-21 2003-11-27 Resistentia Pharmaceuticals Ab Chimeric ige polypeptides and host cells
CA2497660A1 (en) * 2002-09-05 2004-03-18 Resistentia Pharmaceuticals Ab Allergy vaccines
US20080118524A1 (en) * 2006-10-20 2008-05-22 Stefan Persson Anti-IgE Vaccines
US20100166804A1 (en) * 2007-05-23 2010-07-01 Dennis Penn Methods
WO2009142772A2 (en) 2008-05-23 2009-11-26 Mastcell Pharmaceuticals, Inc. Methods and treatment for allergies and inflammation associated with gastrointestinal diseases
ES2622562T3 (es) 2008-12-09 2017-07-06 Pfizer Vaccines Llc Vacuna de péptido CH3 de IgE
CA2800774A1 (en) 2010-06-07 2011-12-15 Pfizer Vaccines Llc Ige ch3 peptide vaccine
US9187553B2 (en) * 2012-01-25 2015-11-17 Swey-Shen Chen Displaying native human IgE neutralizing FcepsilonRIa-contacting IgE B-cell epitopes by constraining super beta(b)-strands and cystine knots on thermostable protein scaffold
WO2013156054A1 (en) 2012-04-16 2013-10-24 Universität Stuttgart The igm and ige heavy chain domain 2 as covalently linked homodimerization modules for the generation of fusion proteins with dual specificity
EP3416479A1 (en) 2016-02-16 2018-12-26 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Non-human animals having a mutant kynureninase gene

Family Cites Families (59)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5698201A (en) 1973-05-07 1997-12-16 The Ohio State University Method for treatment of antigenically modified polypeptides
US4767842A (en) 1973-05-07 1988-08-30 The Ohio State University Antigenic modification of polypeptides
US4873191A (en) 1981-06-12 1989-10-10 Ohio University Genetic transformation of zygotes
US4483793A (en) 1982-10-04 1984-11-20 The Regents Of The University Of California Dimeric oligopeptides as heptenic epitopic sites for hepatitis
US4703004A (en) 1984-01-24 1987-10-27 Immunex Corporation Synthesis of protein with an identification peptide
US4782137A (en) 1984-01-24 1988-11-01 Immunex Corporation Synthesis of protein with an identification peptide, and hybrid polypeptide incorporating same
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
US5175385A (en) 1987-09-03 1992-12-29 Ohio University/Edison Animal Biotechnolgy Center Virus-resistant transgenic mice
GB8727045D0 (en) 1987-11-19 1987-12-23 Research Corp Ltd Immunoglobulin e competitor
JP2724625B2 (ja) 1987-12-31 1998-03-09 タノックス・バイオシステムズ・インコーポレーテッド IgE産出性Bリンパ球上の独特な抗原決定基
US5254671A (en) * 1990-04-27 1993-10-19 Tanox Biosystems, Inc. Extracellular segments of human e immunoglobulin anchoring peptides and antibodies specific therefor
JP3095168B2 (ja) 1988-02-05 2000-10-03 エル. モリソン,シェリー ドメイン‐変性不変部を有する抗体
US5175384A (en) 1988-12-05 1992-12-29 Genpharm International Transgenic mice depleted in mature t-cells and methods for making transgenic mice
US5703055A (en) 1989-03-21 1997-12-30 Wisconsin Alumni Research Foundation Generation of antibodies through lipid mediated DNA delivery
GB8910263D0 (en) 1989-05-04 1989-06-21 Ciba Geigy Ag Monoclonal antibodies specific for an immunoglobulin isotype
US5955076A (en) 1989-06-15 1999-09-21 Peptide Therapeutics Limited Immunoactive peptides and antibodies and their use in anti-allergy treatment
GB8913737D0 (en) 1989-06-15 1989-08-02 Univ Birmingham A novel anti-allergy treatment
CA2063271A1 (en) 1989-07-14 1991-01-15 Subramonia Pillai Cytokine and hormone carriers for conjugate vaccines
US5733553A (en) 1989-09-29 1998-03-31 Talwar; Gursaran Prasad Recombinant birth control vaccine
EP0512064B1 (en) 1990-01-23 1997-06-18 Tanox Biosystems, Inc. Extracellular segments of human ige immunoglobulin anchoring peptides and antibodies specific therefor
ES2077857T3 (es) 1990-05-25 1995-12-01 Peptide Therapeutics Ltd Prueba de inmunodiagnostico para artritis reumatoide.
US5196197A (en) 1990-08-29 1993-03-23 National Institute Of Immunology Reversible fertility control for prevention of pregnancy in females
CA2097291A1 (en) * 1990-12-13 1992-06-14 David P. Gearing Leukemia inhibitory factor receptors
SE9102808L (sv) * 1991-09-26 1993-03-27 Lars T Hellman Inst F Immunolo Vaccin, foer humant bruk, vars avsedda effekt aer att lindra symptomen eller foerhindra uppkomsten av ige-medierade allergiska reaktioner
US5837686A (en) 1991-11-25 1998-11-17 Peptide Therapeutics Limited Peptides and antibodies for treatment of rheumatoid arthritis
WO1994005698A1 (en) 1992-09-01 1994-03-17 United Nations Industrial Development Organization Peptide showing cross-reactivity with the anti-hepatitis b surface antigen antiserum
AU5361794A (en) 1992-10-14 1994-05-09 Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Enhancement of b cell lymphoma tumor resistance using idiotype/cytokine conjugates
US5762931A (en) 1992-12-31 1998-06-09 National Institute Of Immunology Anti-cancer utility of HCG vaccines
US5532142A (en) * 1993-02-12 1996-07-02 Board Of Regents, The University Of Texas System Method of isolation and purification of fusion polypeptides
US5552537A (en) * 1993-03-24 1996-09-03 The Regents Of The University Of California IgE isoforms and methods of use
US5501855A (en) 1993-09-02 1996-03-26 Talwar; Gursaran P. Neem oil as a male contraceptive
DK96493D0 (da) 1993-08-26 1993-08-26 Mouritsen Og Elsner Aps Fremgangsmaade til at inducere antistofresponser mod selvproteiner og autovaccine fremstillet ved fremgangsmaaden
US5874085A (en) 1993-11-10 1999-02-23 Henry M. Jackson Foundation For The Advancement Of Military Medicine Vaccine for enhanced production of IgA antibodies
FR2715304B1 (fr) 1994-01-26 1996-04-26 Merieux Serums Vaccins Pasteur Vaccin anti-allergique.
WO1995026365A1 (en) 1994-03-28 1995-10-05 United Biomedical, Inc. Synthetic peptide based immunogens for the treatment of allergy
US5651981A (en) * 1994-03-29 1997-07-29 Northwestern University Cationic phospholipids for transfection
WO1996012740A1 (en) 1994-10-25 1996-05-02 United Biomedical, Inc. SYNTHETIC IgE MEMBRANE ANCHOR PEPTIDE IMMUNOGENS FOR THE TREATMENT OF ALLERGY
GB9422294D0 (en) 1994-11-04 1994-12-21 Peptide Therapeutics Ltd Peptides for anti-allergy treatment
US6949244B1 (en) 1995-12-20 2005-09-27 The Board Of Trustees Of The University Of Kentucky Murine monoclonal anti-idiotype antibody 11D10 and methods of use thereof
JPH08333390A (ja) 1995-04-07 1996-12-17 Hoechst Japan Ltd ペプチド及びそれからなる自己免疫疾患治療剤
WO1997004004A1 (en) 1995-07-17 1997-02-06 Peptide Therapeutics Limited CYSTEINE PROTEASE INHIBITORS FOR USE IN TREATMENT OF IgE MEDIATED ALLERGIC DISEASES
ZA966075B (en) 1995-07-27 1998-01-19 Genentech Inc Protein formulation.
US5723125A (en) * 1995-12-28 1998-03-03 Tanox Biosystems, Inc. Hybrid with interferon-alpha and an immunoglobulin Fc linked through a non-immunogenic peptide
CA2245497C (en) 1996-03-01 2009-02-24 Novartis Ag Peptide immunogens for vaccination against and treatment of allergy
CA2262001C (en) 1996-08-05 2003-05-20 President And Fellows Of Harvard College Mhc binding peptide oligomers and methods of use
AU743400B2 (en) 1997-04-15 2002-01-24 Pharmexa A/S Modified TNFalpha molecules, DNA encoding such modified TNFalpha molecules and vaccines comprising such modified TNFalpha molecules and DNA
US6165476A (en) * 1997-07-10 2000-12-26 Beth Israel Deaconess Medical Center Fusion proteins with an immunoglobulin hinge region linker
US5891432A (en) * 1997-07-29 1999-04-06 The Immune Response Corporation Membrane-bound cytokine compositions comprising GM=CSF and methods of modulating an immune response using same
EP1009382B1 (en) 1997-09-05 2003-06-18 GlaxoSmithKline Biologicals S.A. Oil in water emulsions containing saponins
JP2002503478A (ja) 1998-02-11 2002-02-05 マキシジェン, インコーポレイテッド 遺伝子ワクチンベクターの標的化
US6299875B1 (en) 1998-06-04 2001-10-09 Panacea Pharmaceuticals, Llc Methods to block IGE binding to cell surface receptors of mast cells
TWI227241B (en) 1998-06-20 2005-02-01 United Biomedical Inc IgE-CH3 domain antigen peptide, peptide conjugate containing the same, and pharmaceutical composition for treating allergies containing the peptide conjugate
CA2345817C (en) 1998-10-05 2013-02-12 M&E Biotech A/S Novel methods for therapeutic vaccination
CA2354183A1 (en) 1998-11-30 2000-06-08 Cytos Biotechnology Ag Ordered molecular presentation of antigens, method of preparation and use
GB9908533D0 (en) 1999-04-14 1999-06-09 Novartis Ag Organic compounds
EA200101125A1 (ru) 1999-04-23 2002-04-25 Фармекса А/С Способ понижающей регуляции активности il5
AU7658101A (en) 2000-07-28 2002-02-13 Cytos Biotechnology Ag Compositions for inducing self-specific anti-ige antibodies and uses thereof
US20040156838A1 (en) 2000-09-06 2004-08-12 Steen Klysner Method for down-regulating ige
EP1478748A4 (en) 2001-06-15 2005-09-21 Tanox Inc FCE FUSION PROTEINS FOR THE TREATMENT OF ALLERGIES AND ASTHMA

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013191166A1 (ja) * 2012-06-18 2016-05-26 日本全薬工業株式会社 IgEペプチドワクチン
US9657071B2 (en) 2012-06-18 2017-05-23 Nippon Zenyaku Kogyo Co., Ltd. IgE peptide vaccine

Also Published As

Publication number Publication date
AU2008100A (en) 2000-05-22
IL142582A0 (en) 2002-03-10
US6913749B2 (en) 2005-07-05
ATE314087T1 (de) 2006-01-15
DE69929240D1 (de) 2006-02-02
NO20012135D0 (no) 2001-04-30
HK1042844A1 (en) 2002-08-30
EP1135158B1 (en) 2005-12-28
DK1135158T3 (da) 2006-05-15
WO2000025722A2 (en) 2000-05-11
EP1135158A2 (en) 2001-09-26
US20010038843A1 (en) 2001-11-08
KR100559918B1 (ko) 2006-03-13
JP4205861B2 (ja) 2009-01-07
WO2000025722A3 (en) 2000-10-12
US20030031663A1 (en) 2003-02-13
NO20012135L (no) 2001-06-25
CA2348756A1 (en) 2000-05-11
JP4188353B2 (ja) 2008-11-26
US7459158B2 (en) 2008-12-02
PT1135158E (pt) 2006-05-31
PL348611A1 (en) 2002-06-03
AU771889B2 (en) 2004-04-08
NZ511079A (en) 2003-08-29
DE69929240T2 (de) 2006-08-31
HUP0105392A3 (en) 2008-04-28
HUP0105392A2 (hu) 2002-04-29
ES2255325T3 (es) 2006-06-16
JP2006068015A (ja) 2006-03-16
US20040076625A1 (en) 2004-04-22
KR20010089364A (ko) 2001-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4188353B2 (ja) 強化ワクチン
ES2144424T5 (es) Vacuna que comprende parte de la region constante de ige para el tratamiento de reacciones alergicas inducidas por ige.
KR100308444B1 (ko) 이종 t-세포 에피토우프를 사용하여 자가 단백질에 대해항체반응을유도하는방법
DE60025832T2 (de) Mehrere zytokin-antikörper komplexen
KR100584051B1 (ko) 알레르기에 대한 백신 접종 및 치료를 위한 펩티드임뮤노겐
JPH03501927A (ja) IgE産出性Bリンパ球上の独特な抗原決定基
JP2003534821A (ja) T細胞レセプター融合体および結合体ならびにそれらの使用方法
JP2002537403A (ja) IgEのC−イプシロン−3またはC−イプシロン−4ドメイン由来のエピトープまたはミモトープ、その拮抗薬、及びそれらの治療的使用
JPH09502708A (ja) Il4により伝達される疾患の治療に有用な組み換え型il4抗体
JPH09509316A (ja) 寛容原性融合タンパク質による寛容性の誘発
CN110092837A (zh) Uti融合蛋白
US20100021486A1 (en) Tslp vaccine for the treatment of th2 mediated inflammatory conditions
RU2214279C2 (ru) Усовершенствованные вакцины
AU2672700A (en) Epitopes or mimotopes derived from the c-epsilon-2 domain of ige, antagonists thereof, and their therapeutic uses
JP2000502995A (ja) Bリンパ球による抗体放出を刺激する組成物および方法
EP1621209A2 (en) Vaccines based on domains of chimeric immunoglobulin E peptides
MXPA01004372A (en) Enhanced vaccines
WO2023016564A1 (zh) 靶向GPC3的抗体干扰素α融合蛋白及其用途
US20220144911A1 (en) Methods and compositions for il10 signaling antagonism
JPH06503956A (ja) 腫瘍細胞に対する標的決定IgEエフェクター細胞
JP2002539818A (ja) イヌのアレルギーを治療するための特異的結合蛋白
MXPA97004173A (en) Designated citoquina lce
RO116809B1 (ro) Anticorp recombinant, monoclonal, compozitie farmaceutica si metoda de tratament cu aceasta

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040816

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20040915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20040930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051013

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051115

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071108

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081017

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees