JP2002518271A - 方向変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、搬送装置において、物品搬送用キャリア（７）を方向変換するための第１方向変換エレメント（３４）及び前記物品搬送用キャリア（７）を駆動するために使用されるエンドレス駆動ベルト（９）を方向変換するための第２方向変換エレメント（５０）とで構成される方向変換装置に関する。方向変換装置（３’）は、その回りをエンドレス駆動ベルト（９）が循環するとともに、ループを形成する２つの方向変換ステーションの１つである。懸架搬送システムの搬送トラックに沿って搬送される物品搬送用キャリアを駆動するため、直線領域において、エンドレス駆動ベルト（９）が一方の方向変換ステーションから他方の方向変換ステーションに案内される。エンドレス駆動ベルト（９）の張力を調整するため、第２方向変換エレメント（５０）が、第１方向変換エレメント（３４）に相対して変位可能にマウント（３０）に搭載される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、搬送装置、特に、高架式搬送装置において、物品搬送用キャリアを
方向変換するための第１方向変換エレメントと、物品搬送用キャリアを駆動する
ためのエンドレス駆動ベルトを方向変換するための第２方向変換エレメントとを
備えた方向変換装置に関し、この方向変換装置は、物品搬送用キャリアのための
走行レールガイドであって、物品搬送用キャリアを搬送ルートに沿って輸送する
ことを意図した走行レールガイドと、前記搬送装置内に設置された状態で２つの
分離した方向変換ステーションの内の１つを形成し、移動のために駆動されるエ
ンドレス駆動ベルトが周りをループ状に走行する前記方向変換装置とを備え、前
記エンドレス駆動ベルトが、前記搬送ルートに沿って物品搬送用キャリアを搬送
するため、一方の方向変換ステーションから他方の方向変換ステーションまでル
ート領域に沿って案内される。

【０００２】 （背景技術） 一般的な方向変換装置を備えた搬送装置は、例えばヨーロッパ特許ＥＰ ０ ５
８２ ０４７ Ｂ１号によって公知である。この公知の搬送装置は、２つの端部側
に配置された方向変換装置と、方向変換装置ともう１つの方向変換装置との間の
各々の搬送ルートに沿って直線的に移動するための走行レールとを備えた少なく
とも１つの搬送ループを有する高架式搬送装置である。搬送される物品搬送用キ
ャリアの各々は、搬送位置に鉛直方向に整列することが不可欠であるとともに、
両側面に突出する走行ローラと搬送物に適合することのできる搬送フックとを備
えたキャリアボディを備える。走行レールに沿って各々の物品搬送用キャリアが
移動する間、物品搬送用キャリアは、走行ローラの１つを介して走行レール上に
側方で吊された状態で支持され、キャリアは、走行ローラの下方に位置する突出
部を介してエンドレス摩擦ベルトによる摩擦力で駆動可能に連結され、この突出
部は、キャリアボディから走行レールの方向に突出する。エンドレス摩擦ベルト
は、平らな鋼製ベルトとして設計され、搬送ルートに沿って移動して相当する物
品搬送用キャリアと当接して、この物品搬送用キャリアを摩擦力によって搬送す
るため、走行レール上をガイドによって案内される。ヨーロッパ特許ＥＰ ０ ５
８２ ０４７ Ｂ１号に開示されたこの方向変換装置は、鉛直方向に延びる回転軸
を備えた回転可能な方向変換ドラムである。底部領域において、２つの方向変換
ドラムの各々は、摩擦ベルトを方向変換するためのエレメントとして、方向変換
されるときに、その中でエンドレス摩擦ベルトが案内される平らな円周溝を有す
る。各方向変換ドラム上の円周溝の上方には、物品搬送用キャリアを方向変換す
るためのエレメントとして、円周回りを走行する搬送フランジが設けられる。こ
の搬送フランジは、相当する走行レールから物品搬送用キャリアを受けるととも
に、方向変換ドラムまで接線方向に走行する間、方向変換ドラムの回転に応じた
方向変換時に物品搬送用キャリアを輸送するために備えられる。この目的で、搬
送フランジは、走行レール上で物品搬送用キャリアを支持する走行ローラの上方
で横溝に係合し、横溝は２つのサイドウェブによって閉じられるとともに、相当
する物品搬送用キャリアに属し、その結果、最終的に、物品搬送用キャリアの上
部サイドウェブが搬送ウェブの上側に停止し、方向変換ドラムによって搬送する
ため、物品搬送用キャリアが側方で支持された状態で搬送ウェブ上に支持される
。方向変換装置として機能し、物品搬送用キャリアを方向変換ドラムからもう１
つの搬送ループの搬送ルートに方向変換装置を搬送する搬送手段を設けることが
可能である。そのような搬送手段が存在しないか、機能しない場合には、相当す
る他の方向変換装置の方向に移動させるためには、物品搬送用キャリアを方向変
換ドラムによって１８０度方向変換させ、再び走行レールに搬送する必要がある
。

【０００３】 エンドレス摩擦ベルトを駆動するため、２つの方向変換ドラムの１つは、通常
駆動モータによって回転駆動される。できるだけスリップさせることなくエンド
レス摩擦ベルトを方向変換ドラムによって駆動するため、エンドレス摩擦ベルト
に張力を与える必要がある。搬送装置の信頼性のある機能を確保するため、走行
レールから方向変換ドラムの搬送フランジ上へ相当する物品搬送用キャリアを受
ける運転、及び物品搬送用キャリアを方向変換して引き続き次の走行レールに搬
送する運転を搬送ルートの所定の位置で確実に行う必要がある。この目的のため
、ヨーロッパ特許ＥＰ ０ ５８２ ０４７ Ｂ１号に記載された型の搬送装置では
、所望の搬送ルートに対応して、互いに一定の間隔で方向変換ドラムが設けられ
るるとともに、配置したエンドレス摩擦ベルトの張力を適切な大きさに再調整す
る。

【０００４】 しかし、例えば温度の変動、疲労等によるエンドレス摩擦ベルトの長さの変化
を勘すると、摩擦ベルトと方向変換ドラムとの間のスリップが増加する問題が発
生し、特に、物品搬送用キャリアが選択的に走行レールに蓄積される搬送装置の
場合には、比較的大きな蓄積圧力を伴うスリップの増加問題が生ずる。

【０００５】 （発明の開示） 本発明の目的は、まえがきで記載した型の方向変換装置を提供することを目的
とし、この方向変換装置は、相当する搬送装置、特に、高架式搬送装置において
、例えば温度の変動等のように、運転状態が変化した場合でも、搬送ルートを形
成するエレメントの幾何学的な相対関係を変化させることなく、エンドレス駆動
ベルトの張力の再調整を可能とするものである。

【０００６】 この目的を達成するため、本発明は、エンドレス駆動ベルトの張力の調整を目
的として、第２方向変換エレメントを、具体的にはもう一方の方向変換ステーシ
ョンからより近い距離に位置する第１位置と、具体的にはもう一方の方向変換ス
テーションからより遠い距離に位置する第２位置との間で、第１方向変換エレメ
ントに対して相対的に変位可能となるようにマウント上に配置することを提案す
る。

【０００７】 ヨーロッパ特許ＥＰ ０ ５８２ ０４７ Ｂ１号によって公知で、物品搬送用キ
ャリアのための方向変換エレメントとしての搬送フランジと、共通方向変換ドラ
ム上のエンドレス駆動ベルトのための方向変換エレメントとしての円周溝とを有
する従来の方向変換装置と異なり、本発明にかかる方向変換装置の場合には、物
品搬送用キャリアのための方向変換エレメントと、エンドレス駆動ベルトのため
の方向変換エレメントとは、すべての自由度に関して撓まない状態で連結されて
いない。エンドレス駆動ベルトのための方向変換エレメントは、物品搬送用キャ
リアのための方向変換エレメント及び他の方向変換ステーションに相対変位可能
であり、これによって、エンドレス駆動ベルトの張力を調整することができる。
この場合、搬送ルートを形成するエレメント相互の幾何学的関係に変化はなく、
これによって、走行レールガイドと第１方向変換エレメントとの間の物品搬送用
キャリアの変換位置が固定された場所に留まることができる。

【０００８】 一実施例によれば、第２方向変換エレメントは、各々の変位位置を固定してマ
ウント上に配置される。この場合、第２方向変換エレメントを所望のベルト張力
とするに適した変位位置に変位させ、次に、この変位位置を固定することによっ
て、ベルトの張力をいずれの場合でも手動で調整することができる。

【０００９】 好適例によれば、しかし、方向変換装置は、エンドレス駆動ベルトに張力を与
えるため、第２方向変換エレメントに、第２位置の方向に第２方向変換エレメン
トを弾性的にプレストレスする力を付与するプレストレス装置を有する。第２方
向変換エレメントは、その変位ガイドにきっちりと固定されているというよりも
、プレストレス装置及びエンドレス駆動ベルトの反力によって各々の変位位置に
おいて調整され、これによって、エンドレス駆動ベルトに常に好適な張力を与え
ることができる。エンドレス駆動ベルトの長さが伸びた場合には、プレストレス
装置によって第２方向変換エレメントが第２位置の方向に付勢され、エンドレス
駆動ベルトの張力が工程内で維持される。温度が原因でエンドレスベルトが短く
なった場合には、第２方向変換エレメントは、第１位置の方向に方向付けられ、
その結果、ベルト張力が過剰となることが防止される。本発明の内容の範囲内に
おいて、プレストレス装置のプレストレス力を可変とする手段を設けることが可
能である。

【００１０】 第１方向変換エレメント及び第２方向変換エレメントは、互いに平行な回転軸
を有する方向変換ホイールに回転可能に搭載されることが好適である。これらの
２つの方向変換ホイールは、共通のマウントに配置されることが好適である。

【００１１】 第２方向変換エレメントを第１方向変換エレメントに相対変位可能に搭載する
ため、第２方向変換エレメント、またはエンドレス駆動ベルトを方向変換するた
めの方向変換ホイールは、マウントに設けられたキャリッジガイド内に案内され
るキャリッジ上に適当に回転可能に搭載される。

【００１２】 プレストレス装置は、プレストレス力を生じさせるプレストレススプリングを
有することが好適であり、このプレストレススプリングは、マウントとキャリッ
ジとの間で第２位置の方向に第２方向変換エレメントにプレストレスを与えるよ
うに機能する。プレストレス装置は、そのようなプレストレススプリングを使用
することによって直接的に構成することができる。その代わりに、例えば、空気
圧で働く手段によってプレストレス力を発生させるプレストレス装置を使用する
こともできる。

【００１３】 エンドレス駆動ベルトは、例えば、ヨーロッパ特許ＥＰ ０ ５８２ ０４７ Ｂ
１号によって公知の、摩擦力を介して接触することにより物品搬送用キャリアを
搬送する摩擦ベルトとすることが好適である チェーン駆動の搬送装置のための方向変換装置の他の実施例において、エンド
レス駆動ベルトを、物品搬送用キャリアと完全に一致するように係合する駆動チ
ェーンとすることができる。

【００１４】 ２つの方向変換ホイールは、連結した状態で回転するため、連結装置によって
互いに連結されることが好適である。この連結装置は、１つの方向変換ホイール
上に放射方向のガイドと連結エレメントとを有し、連結エレメントは、他の方向
変換ホイール上で放射方向のガイドに相対的に変位可能に係合する。物品搬送用
キャリアのための方向変換ホイールは、このようにして、エンドレス駆動ベルト
のための方向変換ホイールが回転している間、連結回転のために搬送される。こ
れは、２つの方向変換ホイールの軸の偏芯を補償するよう、放射方向ガイド内に
おける連結エレメントが変位可能とされているからである。プレストレス装置に
よって第１方向変換ホイールに相対的に第２方向変換ホイールが変位しているた
め、第２方向変換ホイールが第１方向変換ホールに対して同心に配置されていな
いときに、連結装置はまた上述のように機能する。

【００１５】 本発明にかかる方向変換装置は、方向変換ドラム、特に、ヨーロッパ特許ＥＰ
０ ５８２ ０４７ Ｂ１号によって公知の高架式搬送装置における方向変換ドラ
ムに代えて使用することができる。

【００１６】 （発明を実施するための最良の形態） 図２は、図２に示した方向変換ドラム３に代えて図１ａ及び図１ｂに示した方
向変換装置３’を使用することのできる、ヨーロッパ特許ＥＰ ０ ５８２ ０４
７ Ｂ１号によって公知の高架式搬送装置の一部を示す。

【００１７】 図２に示す物品搬送用キャリア７を搬送するための搬送装置は、２つの方向変
換ドラム３と、これらの方向変換ドラム３間の直線ルート領域に沿った走行レー
ル５とを有する延長搬送ループ形式の第１搬送回路で構成される。図２には、第
１搬送回路１の構成要素として、図面を見る側からの右側方向変換ローラ３と、
図面を見る側からの前方走行レール５のみが描かれているが、第１搬送回路１は
、前記方向変換ドラムに対向する左の位置にさらに方向変換ローラと、前方走行
レール５の後ろ側にさらに対応する走行レールを備える。

【００１８】 例示の場合には、搬送されるべき物品搬送用キャリア７は、衣類用のハンガー
に掛けられた衣類を搬送するいわゆるハンガーキャリアである。図３に示される
ように、衣類用ハンガーのフック１１は、物品搬送用キャリア７のボトムフック
１３に適合させることができる。物品搬送用キャリア７は、キャリアボディ１５
の相対向する両側面に突出する走行ローラ１７を有し、鉛直方向に延びることが
不可欠なキャリアボディ１５を備える。前方走行レール５に沿った移動の間、物
品搬送用キャリア７は、いずれの場合にも、単一の走行ローラ１７を介して前方
走行レール５の走行面１９上に支持されるため、物品搬送用キャリア７は、前方
走行レール５上に側方でつり下げられ、前方走行レール５上の長手方向に案内さ
れる。走行ローラ１７の下方には、いずれの場合にも、外側摩擦面２２を介して
単一の側方突出部２０がキャリアボディ１５上に設けられる。図３において、キ
ャリアボディ１５の右側に位置する突出部２０が、摩擦ベルト９に対して摩擦力
を発生させるように当接する摩擦面２２を有し、摩擦ベルト９は、ガイド２４に
よって前方走行レール５の長手方向に案内され、その結果、摩擦ベルト９が、前
方走行レール５に沿った移動により物品搬送用キャリア７に沿って物を運ぶこと
ができる。

【００１９】 前方走行レール５は、図２において破断状態で描かれているが、方向変換ドラ
ム３の近傍まで案内される右端部を有するため、方向変換ドラム３の参照番号２
６で示される搬送フランジが、前方走行レール５から物品搬送用キャリア７を受
けるために方向変換ドラム３に近づいている物品搬送用キャリア７の側方溝２８
に係合することができる。この場合、物品搬送用キャリアは、天井部で側方溝２
８に拘束されるルーフウェブ３０を介して搬送フランジ２６の上面側に支持され
ている。そして、物品搬送用キャリア７は、方向変換ドラム３の回転に応じて方
向変換する。方向変換の間、搬送フランジ２６から放射方向に脱落するのを防止
するように物品搬送用キャリアを固定するため、固定された円弧状のレール（こ
こでは具体的な説明は割愛する）が物品搬送用キャリア７の上端部の背後で係合
する。図２に示すように、方向変換ドラム３に適合された物品搬送用キャリア７
を転送構造（具体的な説明は割愛する）によって側方溝２８に選択的に搬送する
ことができる。この側方溝２８は、原理的に、第１搬送回路１と同様に設計する
ことができる。

【００２０】 搬送装置を損傷させない運転を確保するためには、前方走行レール５と方向変
換ドラム３との間及び方向変換ドラム３と側方溝２８との間の物品搬送用キャリ
ア７の搬送位置を固定された幾何学的な位置とすることが必須の要素である。す
なわち、方向変換ドラム３及び前方走行レール５は、互いに一定の幾何学的な関
係を保持することが必要であり、摩擦ベルト９は、摩擦ベルト９と方向変換ドラ
ム３との間にスリップが発生しないようにするため、十分に引っ張られることが
必要である。摩擦ベルト９を駆動するため、方向変換ドラム３の１つは（図示し
ない）駆動装置によって回転し、その結果、方向変換ドラム３は、回転している
間、摩擦力によって適合しながら摩擦ベルト９を進ませる。

【００２１】 上述したように、熱膨張効果または／及び疲労によって、摩擦ベルト９の張力
が変化し、その結果、摩擦ベルト９がスリップし易くなる。摩擦ベルト９によっ
て囲まれた方向変換ドラム３間の固定された距離を勘案すると、図２に示した公
知の搬送装置の場合には、前記問題は、制限された程度にしか阻止することがで
きない。

【００２２】 しかし、前記の問題は、方向変換ドラム３の少なくとも１つを本発明にかかる
方向変換装置、例えば図１ａ及び図１ｂに示した方向変換装置３’に置き換える
ことによって解決することができる。

【００２３】 図１ａ及び図１ｂに示した方向変換装置３’は、その上方頭部３１を介してキ
ャリア側面レール３２に固定されたマウント３０を備える。頭部３１の下方には
、第１の方向変換エレメントとして、ルーフウェブ３０上に、ローラ接触ベアリ
ング３６によって鉛直回転軸３８の回りに回転することができるように、物品搬
送用キャリア７を方向変換する方向変換ホイール３４が設けられる。方向変換ホ
イール３４には、図２の方向変換ドラム３の搬送フランジ２６の機能に応じて、
物品搬送用キャリア７に係合するとともに、方向変換ホイール３４が回転する間
物品搬送用キャリア７に沿って移動するように、円周フランジ２６が備えられる
。

【００２４】 マウント３０のジャーナル４０、このジャーナル４０は方向変換ホイール３４
を通って軸方向に延設されているが、ジャーナル４０は、底端部に、キャリッジ
４４が図１ａに示される右端位置と図１ｂに示される左端位置との間を直線的に
移動するように案内するため、搬送ガイド４２を備える。第２方向変換ホイール
５０のためのローラ接触ベアリング４８を備えたベアリングジャーナル４６が、
キャリッジの下側に設けられる。回転軸５２の回りを回転することができるよう
に第２方向変換ホイール５０が設けられ、この第２方向変換ホイール５０は、図
２において参照番号９で示されるエンドレス摩擦ベルトを方向変換する。摩擦ベ
ルト９を案内するため、摩擦ベルト９のための円周方向の溝を有するプラスティ
ックガイドボディ５４が第２方向変換ホイール５０の周囲に固定される。図２に
示した搬送装置に、方向変換装置３’が図示しない方向変換ドラムの代わりとし
て、図示された方向変換ドラム３に対向する左側面に配置されるように、図１ａ
及び図１ｂに示した配置を備えた方向変換装置３’を設けることが必要であろう
。これによって、摩擦ベルト９が、常に、図１ａ及び図１ｂにおける第２方向変
換ホイール５０の円周の左側領域を介して張設される。

【００２５】 プレストレス装置６０によって、第２方向変換ホイール５０に、図１ｂにおけ
る位置の方向に摩擦ベルト９に対する弾性的な応力が予め確実に与えられる。プ
レストレス装置６０は、搬送ガイド４２の左側壁６６の水平穴６４に着脱可能に
設けられるとともに、図１ａ及び図１ｂの右側に配置されたその端部を介してキ
ャリッジ４４に固定されるプル／プッシュロッド６２を備える。プル／プッシュ
ロッド６２が軸方向に貫通する圧縮ばね６８は、本実施例の場合、螺旋ばねとし
て設計されているが、一方で搬送ガイド４２の左側壁６６上に支持され、他方で
、プル／プッシュロッド６２の左端部上に位置するとともに圧縮ばね６８によっ
て調整ねじ７２に対して付勢されるスプリングプレート７０上に支持される。す
なわち、圧縮ばね６８は、プル／プッシュロッド６２に図１ａ及び図１ｂの左方
向への力を付与し、プル／プッシュロッド６２に回動可能に装着されるキャリッ
ジ４４及び方向変換ホイール５０を図１ｂに示した端位置の方向に付勢する。こ
の場合、方向変換ホイール５０は、常に、回転するエンドレス摩擦ベルトに対し
てプレストレスされている。

【００２６】 圧縮ばね６８の応力は、調整ねじ７２によって、スプリングプレート７０を軸
方向に調節することによって調節することができる。

【００２７】 搬送装置に方向変換装置３’を設置した状態で、キャリッジ４４は、通常、図
１ａ及び図１ｂで示される２つの端位置の間に位置する。その結果、摩擦ベルト
９の長さが伸びた場合、方向変換装置３’は、圧縮ばね６８の力の下で図１ｂに
示す第２の位置の方向に変位することができ、摩擦ベルト９の張力をこの工程に
おいて維持することができる。例えば、環境温度が低下した場合のように、摩擦
ベルト９が短くなった場合には、摩擦ベルト９によって第２方向変換ホイール５
０に与えられるとともに、圧縮ばね６８の力に対向する力の下で、キャリッジ４
４が図１ａに示す位置の方向に移動する。このキャリッジ４４、及びキャリッジ
４４に回転可能に装着される方向変換ホイール５０の移動を考慮し、搬送装置の
信頼性のある運転のために最適となるように摩擦ベルト９の張力が維持される。
このように、摩擦ベルト９は、回転ベアリング及びマウントに過度の負担をかけ
るような過度の応力を方向変換装置３’に与えることはない。

【００２８】 図１ａ及び図１ｂに示した方向変換装置３’において、方向変換ホイール５０
が、搬送装置による搬送動作の間摩擦ベルト９の動きによって摩擦力を発生させ
るように当接することによって回転駆動される。

【００２９】 連結装置８０によって、方向変換ホイール３４が第２方向変換ホイール５０と
同期して回転することが確保される。方向変換ホイール３４の下側において、連
結装置８０が、第２方向変換ホイール５０の上側において上方に向かって突出す
る搬送エレメント８４がその中で係合する放射ガイドスロット８２を備える。方
向変換ホイール３４、５０の結合回転の間、放射方向ガイドスロット内の搬送エ
レメント８４がガイドスロット８２に相対移動する。これらの移動は、方向変換
ホイール３４、５０の相互に平行な軸鉛直回転軸３８、５２の通常存在する偏芯
状態によって発生する。

【００３０】 キャリッジ４４、及びこれに回転可能に装着された第２方向変換ホイール５０
の各々の変位位置に関係なく、方向変換ホイール３４は、第２方向変換ホイール
５０とともに回転するため、搬送エレメント８４によって搬送される。方向変換
ホイール３４は、第２方向変換ホイール５０の各々の変位位置に関係なく、搬送
装置内の固定された設置位置に留まるため、固定された受け位置において、相当
する走行レールから物品搬送用キャリア７を受け取り、この第３のキャリアを固
定された移送位置において、相当する走行レールに排出する。エンドレス摩擦ベ
ルト９は、搬送装置の損傷を防止して搬送動作を行うため、常に、最適な張力を
備える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１ａは、本発明にかかる方向変換装置を示す部分断面図であって、第１方向
変換エレメントが第１位置にある状態を示す。 図１ｂは、図１ａに示した方向変換装置に対応する図であって、第２方向変換
エレメントが第２位置にある状態を示す。

【図２】 方向変換ドラムに代えて図１ａ及び図１ｂに示した方向変換装置を使用するこ
とのできる従来の搬送装置の一例を示す部分斜視図である。

【図３】 図２に示す搬送装置の走行レール上の物品搬送用キャリアを示し、走行レール
が図２のＩＶ−ＩＶ線で示された断面に沿って部分的に描かれている。

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送装置、特に、高架式搬送装置において、物品搬送用キャ
   リア（７）を方向変換する第１方向変換エレメント（３４）と、前記物品搬送用
   キャリア７を駆動するエンドレス駆動ベルト（９）を方向変換する第２方向変換
   エレメント（５０）とを備える方向変換装置であって、物品搬送用キャリア（７
   ）のための走行レールガイド（５、１９）であって物品搬送用キャリア（７）を
   搬送ルートに沿って輸送することを意図した走行レールガイド（５、１９）と、
   前記搬送装置内に設置された状態で２つの分離した方向変換ステーション（３’
   、３）の内の１つを形成し、移動のために駆動される前記エンドレス駆動ベルト
   （９）が周りをループ状に走行する前記方向変換装置（３’）とを備え、前記エ
   ンドレス駆動ベルト（９）が、前記搬送ルートに沿って物品搬送用キャリア（７
   ）を搬送するため、方向変換ステーション（３’）から方向変換ステーション（
   ３）までルート領域に沿って案内される方向変換装置において、前記エンドレス
   駆動ベルト（９）の張力を調整する目的で、前記第２方向変換エレメント（５０
   ）が、具体的にはもう一方の方向変換ステーション（３）からより近い距離に位
   置する第１位置と、具体的にはもう一方の方向変換ステーション（３）からより
   遠い距離に位置する第２位置との間で、前記第１方向変換エレメント（３４）に
   相対して変位することができるように、マウント（３０）上に配置されることを
   特徴とする方向変換装置。
2. 【請求項２】 前記第２方向変換エレメントが、その各々の変位位置に固定
   され得るように前記マウントに配置されることを特徴とする請求項１記載の方向
   変換装置。
3. 【請求項３】 前記方向変換装置（３’）が、前記第２方向変換エレメント
   （５０）に、エンドレス駆動ベルト（９）に張力を与えるため、該第２方向変換
   エレメント（５０）に前記第２位置の方向に予め弾性的な応力を与える力を付与
   するプレストレス装置（６０）を有することを特徴とする請求項１記載の方向変
   換装置。
4. 【請求項４】 前記第１方向変換エレメント（３４）及び前記第２方向変換
   エレメント（５０）が、相互に平行な回転軸（３８、５２）を備え、回転可能に
   搭載された方向変換ホイールであることを特徴とする請求項１、２または３記載
   の方向変換装置。
5. 【請求項５】 前記２つの方向変換ホイール（３４、５０）が共通のマウン
   ト（３０）に配置されることを特徴とする請求項４記載の方向変換装置。
6. 【請求項６】 前記第２方向変換エレメント（５０）を前記第１方向変換エ
   レメント（３４）に相対的に変位可能に搭載するため、前記エンドレス駆動ベル
   ト（９）を方向変換するために設けられた前記第２方向変換エレメント（５０）
   が、前記マウント（３０）に設けられたキャリッジガイド（４２）内で案内され
   るキャリッジ（４４）に配置されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記
   載の方向変換装置。
7. 【請求項７】 前記プレストレス装置（６０）がプレストレス力を生じさせ
   るためのプレストレススプリング（６８）を有することを特徴とする請求項３ま
   たは請求項４乃至６（後者については直接または間接的に請求項３に従属する場
   合を含む）のいずれかに記載の方向変換装置。
8. 【請求項８】 前記プレストレススプリング（６８）が、前記第２方向変換
   エレメント（５０）に前記第２位置の方向にプレストレスを付与するため、前記
   マウント（３０）と前記キャリッジ（４４）との間で機能することを特徴とする
   請求項６または７記載の方向変換装置。
9. 【請求項９】 前記エンドレス駆動ベルト（９）が、物品搬送用キャリア（
   ７）に摩擦力を介して適合しながら搬送する摩擦ベルトであることを特徴とする
   請求項１から８のいずれかに記載の方向変換装置。
10. 【請求項１０】 前記エンドレス駆動ベルトは、前記物品搬送用キャリアが
    駆動可能に結合される搬送用チェーンであることを特徴とする請求項１乃至８の
    いずれかに記載の方向変換装置。
11. 【請求項１１】 前記２つの方向変換ホイール（３４、５０）を回転可能に
    結合する結合装置（８０）を備えることを特徴とする請求項４または請求項５乃
    至１０（後者については直接または間接的に請求項４に従属する場合を含む）の
    いずれかに記載の方向変換装置。
12. 【請求項１２】 前記結合装置（８０）が、前記方向変換ホイール（３４、
    ５０）のいずれか１つに放射ガイド（８２）と、もう一方の方向変換ホイール（
    ５０、３４）に前記放射ガイド（８２）に相対的に変位するように該放射ガイド
    （８２）内で係合する連結エレメント（８４）とを備えることを特徴とする請求
    項１１記載の方向変換装置。