JP2783477B2 - 可動体搬送装置 - Google Patents

可動体搬送装置

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JP2783477B2
JP2783477B2 JP605392A JP605392A JP2783477B2 JP 2783477 B2 JP2783477 B2 JP 2783477B2 JP 605392 A JP605392 A JP 605392A JP 605392 A JP605392 A JP 605392A JP 2783477 B2 JP2783477 B2 JP 2783477B2
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進 中川
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Kanto Jidosha Kogyo KK
Daifuku Co Ltd
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Kanto Jidosha Kogyo KK
Daifuku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば床側を走行自
在な非駆動式の台車を一定経路上で搬送するのに利用さ
れる可動体搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、非駆動式の台車を一定経路上で搬
送するものとして、たとえば特開平2−209309号公報に
見られる構成が提供されている。
【0003】この従来構成は、可動体が走行自在な一定
経路の上手に可動体搬送装置を設けるとともに、下手に
ブレーキ装置を設け、さらにブレーキ装置の下手に次工
程への可動体搬送装置を設けている。そして可動体搬送
装置を、可動体の側面に当接自在な左右一対の送りロー
ラと、これら送りローラに連動する回転駆動装置とから
構成している。またブレーキ装置を、可動体の側面に当
接自在な左右一対のブレーキローラと、これらブレーキ
ローラに逆送り回転力を付与するトルクモータとから構
成し、さらに送り回転力を逆送り回転力よりも大に設定
している。
【0004】このような従来の構成によると、可動体の
両側面に当接している両送りローラを回転駆動装置によ
り強制回転させることで、可動体に大きな推進力を与え
ることになり、以て可動体を一定経路上で搬送し得る。
その際に可動体は、先行し停止している可動体群を後押
しして搬送することになる。
【0005】一定経路の下手においては、逆送り回転さ
れているブレーキローラが可動体の両側面に当接してい
ることから、この可動体に逆搬送方向の推進力が作用
し、ここで送り回転力が逆送り回転力よりも大きいこと
から、その差に相応してブレーキローラが送り回転側に
回転される。これにより下手の可動体は、ブレーキ作用
を受けた状態で搬送されることになり、したがって可動
体群は前後端間に隙間を生じめることなく密な後押し状
態で搬送される。そしてブレーキ装置から押し出された
可動体は次の可動体搬送装置により次工程へと搬出され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
よると、可動体により支持された被搬送物は可動体上で
常に一定レベルであることから、作業箇所によっては作
業者は無理な姿勢を取って作業しなければならない。
【0007】本発明の目的とするところは、可動体間に
隙間が生じることなく可動体群を密な列車状にして効率
よく、かつ作業性よく搬送し得る形式でありながら、可
動体上の被搬送物に対する作業は無理のない姿勢で安全
に行える可動体搬送装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
第1発明の可動体搬送装置は、可動体が移動自在な一定
経路の上手側方に、可動体に移動力を付与する送り装置
を設けるとともに、下手側方に、前記可動体に制動力を
付与する制動装置を設け、前記可動体に昇降体を設ける
とともに、この昇降体の上部に被搬送物の支持装置を設
け、前記可動体に、前記支持装置の昇降位置を固定自在
なロック装置を設け、前記一定経路中に、前記昇降体を
上昇させるリフト装置を設けている。
【0009】そして本第2発明の可動体搬送装置は、ロ
ック装置を、昇降体の側面で上下方向の複数箇所に形成
した被係合凹部と、この被係合凹部に係脱すべく可動体
側に揺動自在に設けた係合体と、この係合体に設けた
下一対のカムローラと、前記可動体側に昇降自在に設け
られカム体とから構成し、このカム体は前記係合体に
向くカム面を有し、このカム面は、前記カム体の下降に
より一方のカムローラに作用して係合体を係合揺動させ
るとともに係合姿勢の維持を行い、また前記カム体の上
昇により他方のカムローラに作用して係合体を離脱揺動
させるとともに離脱姿勢の維持を行うように形成し、前
記リフト装置の部分に、前記カム体の上昇付与装置を設
けている。
【0010】
【作用】かかる本第1発明の構成によると、可動体を一
定経路の上手で送り装置に対向して位置させる。そして
送り装置を可動体側に作用させることで、この可動体に
大きな推進力を与えることになり、以て可動体は一定経
路上で搬送される。その際に可動体は、先行し停止して
いる可動体群を後押しして搬送することになる。一定経
路の下手側においては、制動装置が可動体に作用してい
ることから、この下手側の可動体は、制動作用を受けた
状態で搬送されることになり、したがって可動体群は前
後端間に隙間を生じめることなく密な後押し状態で搬送
される。このように送り装置と制動装置との間では可動
体群が密に直列状となることから、可動体上の作業者は
転落などすることなく手作業や歩行を行える。
【0011】そして可動体が一定経路の所定箇所に達し
たとき、リフト装置の作動により昇降体を介して支持装
置を上昇させ得、これにより可動体上面に対する被搬送
物のレベルを、その手作業に対応して上げ得る。次いで
ロック装置を作動させることで、そのレベルを維持し得
る。なお所定箇所でロック装置を解除することによって
支持装置、すなわち被搬送物のレベルを下降した元の位
置に戻せ得る。また複数箇所での上昇によるレベル量を
変化させることによって、一定経路中で種々なレベルに
し得る。
【0012】そして本第2発明の構成によると、ロック
装置の作用は次のようにして行われる。すなわち、上昇
付与装置によりカム体を上昇させることで、カムローラ
を介して係合体を離脱揺動させるとともに離脱姿勢の維
持を行える。この係合体の離脱により昇降体に対するロ
ックを解除した状態で、前述したようにリフト装置の作
動により昇降体を介して支持装置を上昇させる。次いで
カム体を自重や下降力付与などにより下降させること
で、カムローラを介して係合体を係合揺動させて対向し
ている被係合凹部に係合させるとともに、離脱姿勢の維
持を行え、以てロックし得る。
【0013】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。図1〜図3において1は床側を走行自在な台車
(可動体の一例)で、本体2の下部に複数個の車輪3を
遊転自在に有する。この台車1は、左右一対のレール4
上に車輪3を介して載置され、以って一定経路5上で走
行自在となる。ここで一定経路5は、上階において直線
状の作業経路部5Aと、下階において直線状の非作業経
路部5Bと、両経路部5A,5Bの始終端間を接続する
上下方向の移載経路部5C,5Dとによりループ状に形
成されている。
【0014】両移載経路部5C,5Dには昇降体6を有
するリフト設備が設けられ、ここで昇降体6の上面には
前記レール4に接続自在な乗り移りレール7が敷設され
る。そして上送側の移載経路部5Dの上昇限位置に外側
から対向して、前記台車1上に被搬送物を供給する供給
装置8が配設され、また下送側の移載経路部5Cの上昇
限位置に外側から対向して、前記台車1上から被搬送物
を卸ろす卸し装置9が配設される。
【0015】前記作業経路部5Aと非作業経路部5Bと
は、その搬送方向が逆であつて、それぞれ上手側に、経
路方向に適当間隔を置いて搬入装置10と送り装置11とが
配設され、さらに下手側に搬出装置12が配設されるとと
もに、これよりも少し上手に制動装置13が配設される。
【0016】ここで前記搬入装置10と送り装置11と搬出
装置12とは同様な構造であって、電気的に同期される左
右一対のサーボモータ14に連動する送りローラ15を、前
記本体2の両側面2aに当接離間自在に構成している。
そしてサーボモータ14は送りローラ15に送り回転力Aを
付与する。また前記制動装置13は、電気的に同期される
左右一対のトルクモータ16に連動する制動ローラ17を、
前記両側面2aに当接離間自在に構成している。なおト
ルクモータ16は前記制動ローラ17に逆送り回転力Bを付
与し、ここで逆送り回転力Bは、前記サーボモータ14に
よる送り回転力Aよりも小さく設定している。
【0017】図3〜図7に示すように前記台車1には、
被搬送物(車体など)19を支持する支持装置20が昇降体
を介して昇降自在に設けられる。すなわち支持装置20は
前部支持体と後部支持体とからなり、それぞれ左右方向
のフレーム21と、フレーム21上に設けた受け具22とによ
り構成される。そして各フレーム21から、昇降体の一例
である左右一対の昇降ロッド23を垂設している。前記本
体2には昇降ロッド23を案内する筒体24が設けられ、そ
して昇降ロッド23の下端にローラ25を遊転自在に設けて
いる。前記筒体24において、本体2に対向する部分には
上下方向のスリット26が形成されている。なお本体2の
下面側には転倒防止用ローラ27を取り付けている。
【0018】前記台車1の本体2に、前記の支持装置20
の昇降位置を固定自在なロック装置30を設けている。す
なわち、前記昇降ロッド23の前記スリット26に対向する
側面で上下方向の複数箇所には、水平状で下向きの被係
止面31を有する被係合凹部32が形成されている。そし
て、この被係合凹部32に係脱すべく本体2側に係合体33
が揺動自在に設けられる。この係合体33は、本体2側に
取り付けた前後方向のピン34に中間部が支持されて左右
方向に揺動自在であり、そして上部に形成した上向きの
係合部35は、前記スリット26を通って前記被係合凹部32
に係脱自在となる。そして係合体33の上端と下端には、
それぞれカムローラ36,37が前後方向軸心の回りに遊転
自在に設けられる。
【0019】前記係合体33に対して筒体24とは反対側か
ら対向する位置に、前記カムローラ36,37に作用して係
合体33を係脱揺動させるとともに係脱姿勢の維持を行う
カム体38が昇降自在に設けられる。すなわち本体2には
上下方向のガイド筒39が設けられ、このガイド筒39に案
内されて昇降自在なガイドロッド40が設けられる。そし
てガイドロッド40上下端間に亘ってC形状の前記カム体
38が取り付けられている。このカム体38の前記係合体33
に向く面がカム面41であって、上位垂直面41aと、この
上位垂直面41aの下端から下方かつ内側に傾斜する上位
傾斜面41bと、この上位傾斜面41bの下端から下方へ延
びる中間垂直面41cと、この中間垂直面41cの下端から
下方かつ外側に傾斜する下位傾斜面41dと、この下位傾
斜面41dの下端から下方へ延びる下位垂直面41eとによ
り形成される。そして前記両傾斜面41b,41dに両カム
ローラ36,37が同時に対向しないように、各面41a〜41
eを上下方向で配列している。
【0020】前記カム体38の下端には、左右方向軸42を
介してローラ43が遊転自在に設けられ、さらに左右方向
軸42の内側突出部には浮き上がり防止体44が設けられて
いる。またガイド筒39とガイドロッド40との間には、こ
のガイドロッド40を下降付勢するばね45が設けられてい
る。以上の31〜45によりロック装置30を構成する。
【0021】前記作業経路部5A中の複数箇所には、前
記昇降ロッド23に作用して支持装置20を上昇させるリフ
ト装置50が各別に作動自在に配設してある。このリフト
装置50は、前記レール4を支持する機枠49側に左右一対
のガイドレール51を有し、これらガイドレール51に輪体
52を介して支持案内されるベース体53を有する。ここで
ベース体53は作業経路部5Aに沿った方向に移動自在で
あり、その移動によりリフト装置50の作用位置を変更自
在に構成するとともに、適宜の手段により変更位置を固
定自在としている。
【0022】前記ベース体53上には、前記作業経路部5
Aに沿った支持レール54が複数本敷設され、そして支持
レール54に摺動体55を介して支持案内される前後一対の
カム台56が設けられ、さらに両カム台56を作業経路部5
Aに沿って一体的に移動させるシリンダ装置57がベース
体53との間に設けられる。前記カム台56の上面は、作業
経路部5Aの方向において上下に傾斜したカム面58に形
成されている。
【0023】前記支持レール54の端部外方においてベー
ス体53からはブラケット59が立設され、これらブラケッ
ト59の相対向する内面側に上下方向のガイド体60が取り
付けられている。そしてガイド体60にローラ61を介して
案内される昇降部材62の相対向する面間に昇降枠63が連
設され、この昇降枠63から下方へ連設したブラケット64
に、前記カム面58に当接自在なローラ65が配設される。
さらに昇降枠63の上面には、前記ローラ25に下方から当
接自在な持上げ用レール66が、前記作業経路部5Aに沿
って設けられる。以上の51〜66によりリフト装置50を構
成する。
【0024】そしてリフト装置50の部分には、前記ロッ
ク装置30におけるカム体38の上昇付与装置70が設けられ
る。すなわち昇降枠63の上方には、ガイド機構(図示せ
ず)に案内される昇降体71が設けられ、この昇降体71の
昇降は、昇降枠63との間に設けたシリンダ装置72により
行われる。前記昇降体71上には、前記ローラ43に対して
下方から当接自在な押し上げレール73が敷設されてい
る。以上の71〜73により上昇付与装置70を構成する。な
お昇降体71上には、前記浮き上がり防止体44に上方から
対向自在な係合レール74が敷設されている。また前記転
倒防止ローラ27が嵌合自在な転倒防止レール75が配設さ
れる。
【0025】次に上記の実施例における作用を説明す
る。上送側の移載経路部5Dにおいて、上昇限位置に達
した昇降体6上には空の台車1が位置している。この台
車1の支持装置20に対して供給装置8により被搬送物19
が供給される。そして台車1はフィーダ装置(図示せ
ず)の作動により作業経路部5Aの上手端に押し込ま
れ、その前端が搬入装置10に入ることで停止される。次
いで送り装置11側が受入れ態勢になった状態で、搬入装
置10を、後述する送り装置11と同様に作動させて台車1
を搬送する。その際に作業経路部5Aに密な列車状で位
置している台車1群の最後尾の台車1における後端面
に、この送り込まれた台車1の前端面が当接し、以て搬
入装置10の送り込み力で台車1群を搬送させる。
【0026】この搬入装置10による搬入(送り込み)
は、該当する台車1の前部が送り装置11に入ることで停
止される。このとき送り装置11における送りローラ15は
側面2aから離間している。したがって台車1の搬入は
何んら支障なく行われる。そして搬入後、上述とは逆作
用によって送りローラ15を接近動させて側面2aに圧接
させるのであるが、このとき両送りローラ15はサーボモ
ータ14によって回転駆動されている。したがって強制回
転されている送りローラ15を側面2aに圧接させること
で、その送り回転力Aにより台車1に走行力を与えるこ
とになり、以て台車1は作業経路部5A上において所望
の速度で搬送Cされ、作業経路部5Aに密な列車状で位
置している台車1群を後押し搬送することになる。この
送り装置11による台車1の送り量はエンコーダなどによ
り検出され、所定の或る送り量を検出したときに送りロ
ーラ15が離間して搬送作業が停止される。
【0027】作業経路部5Aの下手に達した台車1に対
して制動装置13によって制動がかけられている。すなわ
ち送り装置11による台車1の搬送作業が停止していると
き、制動装置13における制動ローラ17は互いに離間して
いる。そして送り装置11の搬入動に連動して両制動ロー
ラ17を互いに接近動させ、側面2aに圧接させるのであ
るが、このとき制動ローラ17は、送りローラ15とは反対
側に回転駆動されている。すなわちトルクモータ16の駆
動により両制動ローラ17を互いに逆方向に強制回転させ
ている。したがって強制回転されている制動ローラ17を
側面2aに圧接させたとき、その逆送り回転力Bによっ
て台車1に逆搬送方向Dの推進力が作用するが、ここで
送り回転力Aが逆送り回転力Bよりも大きいことから、
その差に相応して制動ローラ17が送り回転側に回転さ
れ、そのときの負荷はトルクモータ16により吸収され
る。
【0028】これにより下手の制動装置13に対応した台
車1は、制動作用を受けた状態で搬送されることにな
り、したがって送り装置11から制動装置13の間では、複
数台の台車1が、その前後端間に隙間を生じめることな
く密に後押し状態で整列されることになる。この制動装
置13による制動作用は、送り装置11による搬送停止に相
前後して停止される。このように作業経路部5Aにおい
て台車1が間欠搬送されている間に、また停止している
間に、作業床板上の作業者や本体2上に乗り移った作業
者は、被搬送物19に対して各種の手作業を行える。その
際に作業者は、たとえ台車1群が搬送されていたとして
も、台車1群が密な直線状であることから前後に転落す
ることなく手作業や歩行を行える。
【0029】前述したような後押しによって制動装置13
から押し出された台車1は、搬出装置12に受け取られ、
そして搬出装置12の作動により、下送側の移載経路部5
Cにおいて上昇限にある昇降体6の乗り移りレール7上
に渡される。ここで台車1の支持装置20上の被搬送物19
は卸し装置9により取り出され、これにより空になった
台車1は、昇降体6の下降により移載経路部5Cを下送
される。そして昇降体6上の台車1はフィーダ装置(図
示せず)の作動により非作業経路部5Bの上手端に押し
込まれる。この非作業経路部5Bにおいて台車1は、前
述した作業経路部5Aと同様にして搬送されたのち、 上
送側の移載経路部5Dにおいて下降限にある昇降体6の
乗り移りレール7上に渡され、そして昇降体6の上昇に
より上送されて作業経路部5Aに対向される。
【0030】作業経路部5Aを搬送中の台車1が特定箇
所に達したとき、必要に応じてリフト装置50の作動によ
り支持装置20が上昇されるが、これに先行してロック装
置30が次のように作用される。すなわちロック装置30は
図6の実線で示すように、その係合体33の係合部35を最
上位の被係合凹部32に係合させており、そして上位のカ
ムローラ36が上位垂直面41aに当接することで、その係
合姿勢が維持されている。
【0031】この状態で、まず前記上昇付与装置70のシ
リンダ装置72を伸展させ、昇降体71を介して押し上げレ
ール73を上昇させる。これにより押し上げレール73がロ
ーラ43に当接して、ばね45に抗してガイドロッド40が上
昇し、これと一体のカム体38を上昇させる。すると、上
位垂直面41aに当接している上位のカムローラ36が上位
傾斜面41aから中間垂直面41cへと案内されるととも
に、中間垂直面41cに対向している下位のカムローラ37
が下位傾斜面41dから下位垂直面41eへと案内され、以
て図6の仮想線で示すように係合体35を、その係合部35
が最上位の被係合凹部32から外れるように離脱揺動させ
得、ロックを解除し得る。同時に、下位のカムローラ37
が下位垂直面41eに当接していることから、その離脱姿
勢が維持される。
【0032】このように係合体33の離脱により昇降ロッ
ド23に対するロックを解除した状態で、リフト装置50の
作動により昇降ロッド23を介して支持装置20を上昇させ
る。すなわち伸展状態にあるシリンダ装置57を収縮さ
せ、これにより両カム台56を図3の仮想線から実線へと
下流側に移動させる。すると傾斜しているカム面58が移
動することで、ローラ65を介して昇降枠63を上昇させ、
この上昇はガイド体60に案内されて真上に行われ、同時
に持上げ用レール66が上昇する。この持上げ用レール66
の上昇によって、ローラ25を介して昇降ロッド23が押し
上げられ、以て受け具22間で支持してなる被搬送物19を
上昇させ得る。これにより本体2の上面に対して被搬送
物19のレベルを、その手作業に対応して最適の位置に上
げ得る。
【0033】次いでロック装置30をロック動させること
で、そのレベルを維持し得る。すなわち前記上昇付与装
置70のシリンダ装置72を収縮させ、昇降体71を介して押
し上げレール73を下降させる。これにより、ばね45の弾
性力によりガイドロッド40が下降し、これと一体のカム
体38を下降させる。すると両カムローラ36,37に対して
カム面41が、前述した解除作用時とは逆に作用して係合
体33を係合揺動させ、その係合部35を対向している被係
合凹部32に係合させるとともに、上位のカムローラ36が
上位垂直面41aに当接することで、その係合姿勢の維持
を行なえ、以てロックし得る。
【0034】以上により支持装置20を任意のレベルに上
昇させ得、そして上昇位置をロックし得ることになり、
以て本体2上の作業者は、台車1の搬送中に上昇した被
搬送物19の所定箇所に、無理姿勢を取ることなく所期
の手作業を行える。なお別の箇所で、上述とは逆の作用
によりロック装置30を解除することによって、支持装置
20、すなわち被搬送物19のレベルを元の位置に戻せ得
る。また複数箇所での上昇によるレベル量を変化させる
ことによって、一定経路中で種々なレベルにし得る。
【0035】なおリフト装置50の作用部においては図5
で示すように転倒防止用レール75に転倒防止用ローラ27
が嵌合し、以って重心上昇などによる台車1の横倒など
を防止している。
【0036】上記の作用は、リフト装置50を配設した複
数箇所の全てで、あるいは必要とする一部の箇所で行わ
れる。そしてシリンダ装置57の伸縮量を変えることでリ
フト量の調整を行え、また複数箇所でのリフト量に差を
つけることもでき、以って作業内容や車種に応じて好適
なリフト量を期待し得る。
【0037】上記実施例では送り装置11などが作用する
部分として本体2の両側面2aを示したが、これは、た
とえば本体2の下面中央から受圧体を垂設し、この受圧
体の両側面を利用する形式であってもよい。また送り装
置11として送りローラ15を左右から圧接させる形式を示
したが、これは一方側からのみ送りローラ15を接近離間
自在とし、他方側には遊転ローラ群を定置式で配列して
バックアップする形式でもよい。さらに送り装置11とし
ては、送りローラ15に代えてコンベヤベルトを圧接する
形式、台車1側のラックに駆動ピニオンを噛合する形式
などが考えられる。このような送り装置11の変形構造
は、搬入装置10、搬出装置12、制動装置13などにも採用
し得る。
【0038】上記実施例では制動装置13として、送り装
置11における送りローラ15の回転に対して制動ローラ17
を逆回転させる形式を示したが、これは同方向に低速で
強制回転させる形式や、回転部に摩擦が生じる状態で遊
転させる形式などであってもよい。
【0039】
【発明の効果】上記構成の本第1発明によると、一定経
路の上手に設けた送り装置により可動体に大きな推進力
を与え、そして一定経路の下手に設けた制動装置により
可動体に制動力を与えることで、可動体群は前後端間に
隙間を生じめることなく密な後押し状態で効率よく搬送
することができる。このように送り装置と制動装置との
間では可動体群を密に直列状にできることから、可動体
上の作業者は転落などすることなく手作業や歩行を常に
安全に行うことができる。
【0040】さらにリフト装置の作動により昇降体を介
して支持装置を上昇させることで、可動体上面に対する
被搬送物のレベルを、その手作業に対応して変えること
ができ、次いでロック装置を作動させることで、そのレ
ベルを維持することができる。したがって可動体上の作
業者は最適なレベルで被搬送物に対する手作業を無理な
姿勢を取ることなく容易に安全に行うことができる。そ
して昇降量の調整や複数箇所の使い分けなどによって、
被搬送物のレベルを、被搬送物の型式に充分に対処して
変更できる。
【0041】また本第2発明の構成によると、ロック装
置のロック動と解除動とを容易に行うことができるとと
もに、そのロック動の姿勢を確実に維持でき、以てロッ
ク姿勢は常に安全となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、可動体搬送装置の概
略側面図である。
【図2】同可動体搬送装置の概略平面図で、Xは作業経
路部、Yは非作業経路部をそれぞれ示す。
【図3】同リフト装置部の側面図である。
【図4】同リフト装置部の正面図である。
【図5】同リフト装置部の要部の正面図である。
【図6】同ロック装置部の縦断正面図である。
【図7】同ロック装置部の平面図である。
【符号の説明】
1 台車(可動体) 2 本体 2a 側面 5 一定経路 5A 作業経路部 5B 非作業経路部 11 送り装置 13 制動装置 15 送りローラ 17 制動ローラ 19 被搬送物 20 支持装置 23 昇降ロッド(昇降体) 30 ロック装置 31 被係止面 32 被係合凹部 33 係合体 35 係合部 36,37 カムローラ 38 カム体 40 ガイドロッド 41 カム面 50 リフト装置 56 カム台 66 持ち上げレール 70 上昇付与装置 73 押し上げレール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65G 35/06 B61B 13/12 B65G 47/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動体が移動自在な一定経路の上手側方
    に、可動体に移動力を付与する送り装置を設けるととも
    に、下手側方に、前記可動体に制動力を付与する制動装
    置を設け、前記可動体に昇降体を設けるとともに、この
    昇降体の上部に被搬送物の支持装置を設け、前記可動体
    に、前記支持装置の昇降位置を固定自在なロック装置を
    設け、前記一定経路中に、前記昇降体を上昇させるリフ
    ト装置を設けたことを特徴とする可動体搬送装置。
  2. 【請求項2】 ロック装置を、昇降体の側面で上下方向
    の複数箇所に形成した被係合凹部と、この被係合凹部に
    係脱すべく可動体側に揺動自在に設けた係合体と、この
    係合体に設けた上下一対のカムローラと、前記可動体側
    に昇降自在に設けられカム体とから構成し、このカム
    体は前記係合体に向くカム面を有し、このカム面は、前
    記カム体の下降により一方のカムローラに作用して係合
    体を係合揺動させるとともに係合姿勢の維持を行い、ま
    た前記カム体の上昇により他方のカムローラに作用して
    係合体を離脱揺動させるとともに離脱姿勢の維持を行う
    ように形成し、前記リフト装置の部分に、前記カム体の
    上昇付与装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    可動体搬送装置。
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