JP2002517568A - 改質ゲランガム組成物、その調製工程およびその用途 - Google Patents

改質ゲランガム組成物、その調製工程およびその用途

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JP2002517568A JP2000553474A JP2000553474A JP2002517568A JP 2002517568 A JP2002517568 A JP 2002517568A JP 2000553474 A JP2000553474 A JP 2000553474A JP 2000553474 A JP2000553474 A JP 2000553474A JP 2002517568 A JP2002517568 A JP 2002517568A
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スウォーン,グラハム
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モリソン,ニール・エイ
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クラーク,ロス
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モンサント・ピーエルシー
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    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、直線状サッカライド反復単位1ヶ当たりの総アシル含量、並びに、アシル置換基対グリセレート置換基比を1以上に変更された改質ゲランガムに関する。さらに、本発明は、ゲランガムを炭酸ナトリウムまたはカリウムや適当なリン酸塩などの弱塩基で処理する事を特徴とする、アシル含量を変更するゲランガムの改質工程に関する。前記工程は、適切な硬化温度と流動学的性状を有する「特注」ガムを可能にする。それらを含有する新規組成物も特許請求する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、特殊な効果を示す現在の改質ゲランガム組成物、並びに、ゲランの
改質工程に関する。本発明は、食品または非食品応用を有するゲランガム含有製
品の生産工程、および、上記の新規改質ゲランガムからなるガム含有製品にも関
する。
【0002】 ガムは、ヒドロコロイドとも呼ばれ、ポリサッカライドである。ポリサッカラ
イドは、1900年頃から使用されている単純糖構成単位のポリマーである。ガ
ムの使用は、今世紀中、特にここ40年で増加し、現在、多様な製品および工程
で使用されている。特定の微生物が、従来の原料から得られるガムの性質とは異
なる性質を持ったポリサッカライドを産生できる。このような微生物が産生する
ポリサッカライドの最も良い例は、キサンタンガムである。ごく最近発見された
例は、ウェランガム、ラームサンガム、ゲランガムである。
【0003】 ゲランガムは、1978年に初めて発見され、スフィノモナス エロデア(S
phingomonas Elodea)(かつてのシュードモナスエロデア(
Pseudomonas Elodea))種数株、特に、ATCC31461
株(Kang,K.S.らEP12552およびUSP4326052、432
6053、4377636および4385125)から産生される。民間では、
このガムは、適当な炭素源、有機および無機窒素源、リン酸塩源および適切な微
量元素を含有する培地中での微生物の水性培養により、細胞外産物として生産さ
れる。通気、攪拌、温度、pHの厳密な制御を伴う無菌的条件下で発酵を実施す
る(Kangら、Appl.Environ.Microbiol.,43,[
1982]1086)。発酵が完了すると、ガム回収前に、生成された粘性ブイ
ヨンを低温殺菌し、生育細胞を殺傷する。ガムは、いくつかの方法で回収できる
。ブイヨンからの直接回収は、天然型または高アシル[HA]型のガムを生じる
。塩基処理による脱アシル化後の回収が、低アシル型のガムを生じる。ガム中に
存在するアシル基は、その特性に大きな影響を与える事が認められている。
【0004】 ゲランガムの構成糖は、モル比2:1:1のグルコース、グルクロン酸、ラム
ノースである。これらは、互いに連結し、直線状テトラサッカライド反復単位か
ら成る一次構造を生じる(O’Neill,M.A.ら、Carbohydra
te Res.,124[1983];Jansson,P.E.ら、Carb
ohydrate Res.,124,[1983]135)。天然型または高
アシル[HA]型では、2種類のアシル置換基、アセテートとグリセレートが存
在する。両置換基とも、同じグルコース残基上に位置し、平均して、反復単位1
ヶ当たり1ヶのグリセレートと、2ヶの反復単位毎に1ヶのアセテートがある。
低アシル[LA]型では、アシル基が除去されており、実質的に上記の基団を持
たない直線状反復単位を生成する。光散乱および極限粘度数を測定すると、約5
x105ダルトンの[LA]ガム分子質量が認められた(Gresdalen,
Hら、Carbohydrate Plymers、7、[1987]、371
)。X線回折分析は、ゲランガムが三折れ左平行二重らせんとして存在する事を
示している(Chandreskaranら、Carbohydrate Re
s.,175、[1988]、1:181、[1988]、23)。
【0005】 低アシル[LA]ゲランガムは、ゲル化促進陽イオン、好ましくは、カルシウ
ムおよびマグネシウムなどの2価陽イオン、の存在下で冷却すると、ゲルを形成
する。形成されたゲルは、固く、脆い。高アシル[HA]ゲランガムは、ゲル形
成に陽イオンの存在を必要とせず、形成されたゲルは、アシル置換基に有意に影
響される構造および流動学的特性を有する。従って、[HA]ゲランガムの性状
は[LA]ゲランガムの性状とは大きく異なる。[HA]ゲルは、柔軟で、弾力
性があり、熱ヒステリシスを持たないのが典型的である。
【0006】 [LA]ゲランガムの典型的なゲル化温度は、存在する陽イオンの種類と濃度
に応じて、30〜50℃の範囲にある。[HA]ゲランガムの典型的なゲル化温
度は、70度の範囲である。[HA]ゲランガムの高いゲル化温度は、果実の浮
遊を防止できるといった、果実の充填などのある用途に有利である事ができる。
しかし、できあいゼリーや菓子類などの他の用途では、高いゲル化温度は、沈着
する前にすでにゲル化する点で問題になる場合がある。
【0007】 [HA]と[LA]のゲランガム配合物を操作することによって、広範囲なゲ
ル生地を作ることができる。しかし、[HA]と[LA]の混合物が、個々の成
分と同一温度で2種類の別個な配座遷移を呈することが実証されている(Mor
ris,E.R.ら、Carbohydrate Polymers、30[1
996]、165〜175)。[HA]、[LA]両分子を有する二重らせん形
成の証拠は、認められていない。これは、配合系に[HA]ゲランガムの高ゲル
化温度に伴う問題が依然として存在することを意味する。回収中の、水酸化カリ
ウムなどの強塩基を使った処理条件が、ゲランガムの組成と流動学的性状に影響
する事が証明されている(Baird,J.K.,Talasher,T.A.
,Chang,H.,Proc.6th International Con
ference on Gum andStabilizers for Fo
od Industry(食品工業用ガムおよび安定化剤に関する第6回国際会
議議事録Wrexham,Clwyd,Wales 1991年7月−Phil
lips G.O.ら編、IRL Press at OUP出版[1992]
、489〜487)。これは、ガム回収工程中の強塩基によるアシル含量の制御
が多様な生地をもたらし得る事を示唆している。しかし、現在まで、この観察に
よって、上記の制御が商業規模で実現されるに到っていない。その結果、ゲラン
ガムは、基本的に2種類の型、即ち[HA]と[LA]しか利用されていない。
【0008】 ゲランガムは、食品および食品以外の製造に多様な用途があり、基本となる[
HA]および[LA]型の他に、配合以外の広範囲な型、即ち広範囲な中間型の
供給が望ましい。このような新しい型のゲランガムは、ゼラチンの適切な代用品
を現在求める上で有用と思われる。
【0009】 本発明に従って、グルコース残基の直線状テトラサッカライド反復単位を有し
、その残基のいくつかにアセテートないしグリセレートが付着される構造から成
り、その場合、アセテート置換基対グリセレート置換基比が少なくとも1である
ゲランガム組成物を提供する。
【0010】 上記のBairdらの参考資料が1以上のアセテート/グリセレート比を示す
ゲランガム組成物を開示していない点に注目する必要がある。 アセテート置換基対グリセレート置換基比は1.1以上であるのが好ましい。
【0011】 本発明に従って、さらに、ゲランガムのアシル含量を変え、ガムのゲル形成性
状と流動学的挙動をわずかに変更する量および条件でガムを弱塩基処理するゲラ
ンガムの改質工程が提供される。
【0012】 ゲランガム組成物は、適当な弱塩基処理で加工すると、グルコース残基の直線
状テトラサッカライド反復単位を有する構造を成し、その残基のいくつかにアセ
テートないしグリセレート置換基が付着し、その場合、直線状テトラ反復単位1
ヶ当たりの付着したアセテートおよびグリセレート置換基の合計が少なくとも1
であり、アセテート置換基対グリセレート置換基比が少なくとも1.1であるか
、あるいは、直線状反復単位1ヶ当たりの総アシル置換基が0.4以上、1以下
であり、アセテート置換基対グリセレート置換基比が少なくとも2であることが
できる。
【0013】 さらに、本発明に従って、以下の段階から成るゲランガム含有生成物の生産工
程を提供する: a)ゲランガムを改質し、ガムのゲル形成能と流動学的挙動をわずかに変更す
る量および条件でガムを弱塩基処理する事によってそのアシル含量を変化させる
:その後、 b)ゲランガム含有製品の形成中に改質ガムをゲル化する。
【0014】 先行技術は、ここにあるように、ゲランガム組成物を開示していないが、天然
ゲランガムの強塩基処理は、すでに周知であり、この本発明によって一定の状況
下で改質ゲランガムを得ることができる。
【0015】 弱塩基は、一般に、溶液に完全には解離されない塩基に対して使用される用で
ある。この用語は、Tony Potter,Corrine Stockle
y編集、Usborne Publishing Co.出版の「The Us
borne Illustrated Dictionary of Chem
istry」:ISBN086020821 4、38ページに、「水中で部分
的にのみイオン化される塩基」として定義されている。その塩基分子のある部分
だけが開裂し、水酸イオンを生じ、弱アルカリ溶液とする。弱塩基は、段階的に
解離し、経時的に有効にアルカリ性を生じる。
【0016】 本発明の変質工程で使用する弱塩基処理は、どの弱塩基を使っても適切に実施
される。使用できる特定の塩基は、リン酸塩、例えば、ピロリン酸テトラナトリ
ウム(TSPP)、ピロリン酸テトラカリウム(TPPP)、トリポリリン酸カ
リウム(PTPP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、リン酸トリナト
リウム(TSP)、リン酸トリカリウム(TPP);炭酸ナトリウムや炭酸カリ
ウムなどの卑金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどの卑金属
重炭酸塩である。弱塩基の混合物を使用してもよく、弱塩基も、水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウムなどの強塩基と合わせて使用できる。弱塩基と合わせて使用
する場合、強塩基は、改質工程の種類に応じた適量で存在するのが適している。
弱塩基として炭酸塩や重炭酸塩を使用する時、それらは、ある状況下では、最終
生成物の灰分にほとんど加わらない。
【0017】 改質工程での弱塩基処理の使用は、ガムの総アシル含量の制御を可能にする。
この処理は、ガムの直線状テトラサッカライド支柱に付着するアセテート置換基
対グリセレート置換基の割合の関連性も変化させる。それは、弱塩基処理が、ガ
ムのアシル含量の緩徐な減少中に、グリセレート基の優先的放出を招くからであ
る。弱塩基処理は、ガムの、即ちアセテート基およびグリセレート基のアシル含
量の減少を招くが、そうすると、アセテート基の割合を増加させる。この処理は
、ガム中に存在するアセテート基の一部を放出しながら、グリセレート基の部分
減少またはこれらの基団の完全除去を起こす事ができる。本発明の改質工程は、
一定範囲のガムの生成を可能にする事ができる。即ち、[HA]ガムと[LA]
ガムの性状の間を変動する性状を持ちながら生産されている「特注」ガムが予想
される。優先処理は、グリセレート基の選択的除去によりアセテート基の比率が
増強されたガムを生産する。強塩基によるガムの処理は、アシル含量の若干の減
少とそこにあるアセチル置換基対グリセリル置換基比の若干の増加を引き起こす
。しかし、この強塩基による効果は、弱塩基の場合よりも有意に低い。弱塩基に
よって生成されるアシル含量に対する増強効果は、流動学的性状とゲル化温度の
点でガムの性状にとって重要である。
【0018】 本発明の改質工程は、ゲランガムの生産中、または、食品または非食品用途の
加工中に実施できる。処理は、発酵ブイヨンまたは再水和ゲランガム溶液に適用
できる。処理用弱塩基の優先濃度は、最終製品の望ましい性質に左右される。処
理中、一般に、pHの低下が見られ、これが、強塩基によるゲランガムの変質中
にしばしば使用される酸中和段階の必要性を減じる。
【0019】 本発明の変質工程に影響する主なパラメーターは、弱塩基のモル濃度、処理の
温度および時間である。主として、これらのパラメーターは、どんな弱塩基を使
用しても、工程に同一の一般的影響を与える。一般に、処理の温度と時間は、高
塩基濃度よりも低塩基濃度の方が工程への影響は少ない。改質工程が申し分なく
運転するには、個々のパラメーターの数値を望む結果に応じて適切に調整する。
しかし、これらのパラメーターの適切な範囲は、温度が80℃以上、好ましくは
90〜95℃の範囲、時間が30分まで、好ましくは5〜20分、特に5〜10
分である。
【0020】 弱塩基の適切なモル濃度は、望みの製品の性質に、また、処理の対象が発酵ブ
イヨンであるか、再水和ガム溶液であるかに依存する。発酵ブイヨンの処理の場
合、適切なモル濃度範囲は、 (a)十分な脱アシル化生成物が20〜40mM (b)低硬化温度で部分的に脱アシル化した、柔軟、弾力性製品が2〜10m
M (c)中間生地の生成物(Bairdら、Wrexham Conferen
ce Paper参照)が10〜20mM 再水和ガム溶液の処理のための対応するモル濃度範囲は、それぞれ8〜12m
M、2〜3mMおよび4〜8mMである。
【0021】 弱塩基濃度、温度、処理時間の効果は、すべて、改質工程が生成ゲランガムゲ
ルに生地の緩徐な変化をもたらす事を指摘している。処理強度が増加するにつれ
、ゲル生地は、柔軟および弾力(低モジュラス、高降伏歪)から変化し、脆くな
る(高モジュラス、低降伏歪)。これは、処理強度の増加に伴うガムの脱アシル
化の緩徐な増加に当たる。
【0022】 ある場合、金属イオン、特にカルシウムイオンなどの2価イオンをゲランガム
含有製品生産工程のゲル形成段階(b)で使用する反応混合物に加えるのが有用
である。さらに、ある場合、アセテート基と、あるとすれば、少ないグリセレー
ト基を含有するガムは、他のガムよりも、水を滲出させるシネリシス傾向の低下
を示す。必要ならば、改質工程中に、例えばクエン酸による中和段階を加えても
よい。
【0023】 本発明の改質工程は、一般に、[HA]ゲランガムに応用できる。前記のガム
は、典型的には、通気、攪拌、温度、pHの適切な制御下、無菌条件下、適切な
炭素源、リン酸塩、有機および無機窒素、微量元素を含有する水性培地中で、特
定スフィノモナス エロデア(Sphingomonas Elodea)、特
にATCC31461株の好気性細菌発酵の細胞外産物として酸性される。適し
た発酵処方は、Kangら(Appl.Environ.Microbiol.
,43(1982)1085)によって記述されている。発酵を完了すると、例
えばアルコール沈殿によってガムを回収する前に、粘性ブイヨンを低温殺菌し、
生育細胞を殺傷する。非常に適した[HA]ガムは、アメリカ・カリフォルニア
州・サンディエゴ、NutraSweet Kelco Companyが生産
する「KELCOGEL」(登録商標)LT100である。
【0024】 本発明は、具体的にここに特許請求する新規ゲランガム組成物を含めた広範囲
な改質ゲランガムの生産を可能にする工程を提供する。これらのゲランガムは、
広範囲な食品および非食品への用途がある。
【0025】 典型的な食品への用途は、次のものがある:菓子類、ジャム、ゼリー;二次加
工食品、水性ゲル;パイ充填物およびプディング;砂糖ころも類、ころも:乳製
品:飲料:フィルム/コーティング:ペットフード。
【0026】 典型的な非食品用途には、次のものがある:微生物培地;ルーム消臭ゲル;カ
プセルおよび写真フィルム;フィルムおよび繊維;パーソナルケア製品;歯科用
品。
【0027】 改質工程を使った処理によるゲランガムの部分脱アシル化の利点は、次の通り
である: a)ゲル化温度の低下 ゲル化温度が下がると、オープン(非ゲル化)時間が長くなり、製品をさらに
加工し易くなる、 b)融解温度の低下 融解温度を、ゲル化温度近くまで(〜30℃)下げることができる、 c)ゲル特性の改良 HAゲランガムに比較して、これらは、弾力性を減少、固さを増加させる。完
全アシル化ゲランガムゲルに比較して、官能的性質を改善する。LAゲランガム
に比較して、それほど脆くなく、固さを低下させる。K−カラゲニンに類似した
生地にゲル化を似せたものから一定範囲の生地でゲルを調製できる。 d)単純な調製手順 改質工程は、特にできあいゼリー、UHT乳製品、菓子類、濃縮ゼリーブロッ
クなどの製品完成手順の一部として、あるいは、発酵ブイヨンの一処理法として
容易に実施できる。 e)単一ゲル化温度 [HA]ガムと[LA]ガムを配合して一定範囲の生地を調製できるが、これ
らの系は、配合物の個々の成分に伴う2種類のゲル化点を呈する事が立証されて
いる。これらの配合物は、相乗効果を示すことも周知である。改質工程を使って
生産された部分脱アシル化ゲランガムゲルは、単一ゲル化温度を呈するが、相乗
効果を発揮しない。
【0028】
【実施例】
本発明を以下の実施例で説明する: 実施例1 ゲランガムの脱アシル化:弱塩基としてリン酸塩 以下の方法は、どのようにして、弱塩基によるガムの処理によって[HA]ゲ
ランガムを様々な程度に脱アシル化できるかを示す。[HA]ゲランガム「KE
LCOGEL」LT100(0.5%)を室温で、予め各種量の弱塩基を溶解し
ていた標準水道水(STW)に分散させた。CarriMed制御ストレス流動
計(controlled stress rheometer)を使って、分
散液を、混合しながら、2℃/分の速度で20℃から90℃に加熱した後、2℃
/分で90℃から20℃に冷却した。冷却中、ダイナミックオレーション(動的
振動)を使ってゲル温度を測定した。分散液の次の一部をホットプレート上で9
0℃に加熱した。加熱溶液にクエン酸を、弱塩基の添加レベルの2倍で添加し、
溶液を中和した。試料は、蒸発損失分をSTWで補った後、生地プロファイル分
析(TPA)に使用した。5℃で一晩保存した後、TPAを実施した。ゲルを歪
度85%まで圧縮した。生地プロファイル分析は、連続2回の自由静止ゲルの圧
縮を伴う(Bourne,M.C.(1978))、「Texture Pro
file Analysis」Food Technology,32,67〜
72)。 結果 ゲル化温度とゲルの生地は、使用するリン酸塩の種類と濃度に依存する。これ
は、弱塩基としての各リン酸塩の相対強度の関数である(表1)。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】 それぞれの場合で、使用する弱塩基を増量すると、最初にゲル化温度の顕著な
低下を生じた事を結果が示している。しかし、ゲル化温度は、塩基濃度が6.1
mMを越すと、本質的に不変であった事が表2から分かる。弱塩基の使用は、表
2〜4で明らかなように、モジュラスのゲル性状、硬度、脆化にも影響した。 実施例2 できあいゼリーの調製 成分 [%] ・蔗糖 1.20 ・KELCOGEL LT100 0.40 ・リン酸トリナトリウム 0.025〜0.10(−1〜4mM) ・クエン酸 0.05〜0.20 ・着色剤、香料 適量 ・水 〜100 調製法 1.KELCOGEL LT100、蔗糖、リン酸トリナトリウムを配合し、冷
水に分散させ、90℃に加熱する。 2.予め少量の水に溶解したクエン酸、着色剤、香料を加熱ガム溶液に添加する
。 3.充填し、冷却放置する。
【0034】
【表5】
【0035】 実施例3 ガム菓子類の調製 アルカリ条件下でのゲランガムの水和は、液体の熱性粘度と菓子をさらに容易
に沈殿させる事ができるプレゲル化傾向を低下させる。 成分 重量[g] 1部 蔗糖 149.0 コーンシロップ[43DE] 159.0 KELCOGEL F 3.75 KELCOGEL LT100 1.00 リン酸トリナトリウム 0.12〜0.24 クエン酸トリナトリウム2水和物 1.00 リン酸ジカルシウム2水和物 0.13 水 120.0 2部 リンゴ酸 4.0 クエン酸ナトリウム 1.70 着色料および香料 適量 水 20.0 調製法 1部 1.ゲランガムとリン酸トリナトリウムを蔗糖20gと配合し、冷水に分散させ
、沸騰するまで加熱する。 2.予め加温したコーンシロップを加熱ガム溶液に添加する。 3.リン酸二カルシウム2水和物とクエン酸ナトリウムを残りの乾燥蔗糖と配合
し、加熱液体に添加し、沸騰を維持する。 4.約72%TSSまで沸騰させる。 5.予め、酸、クエン酸ナトリウム、着色料、香料を2部の水に溶解し、1部に
添加する。 6.直ちにデンプン鋳型に入れ、4〜45℃で約72時間焼く。
【0036】 最終の総可溶性固体含量は、pH3.75で約80%である。 *DE=デキストロース等量 KELCOGEL Fは、KELCOGEL LT100と同じ方法であるが
、脱アシル化と、発酵からアルコール沈殿までの透明化の段階を追加して生産さ
れた、[LA]透明ゲランガムである。 実施例4 弱塩基処理と強塩基処理の比較 還元高アシルゲランガム試料を同一モル濃度のKOH、NaOH、K2CO3
Na2CO3、リン酸トリナトリウム(TSP)で処理し、アシル化度と流動学的
性状に対する効果を比較した。 実験方法 予め適当な濃度の塩基を溶解した標準的水道水に高アシルゲランガム(0.5
%w/w)を分散させた。その分散液を一定して攪拌しながら90℃に加熱した
後、直ちに添加した塩基のw/w濃度の2倍の濃度のクエン酸を添加して中和し
た。次に、3倍の容積のプロパン−2−オールを添加してガムを溶液から沈殿さ
せ、540Whatman濾紙で濾過して回収した。濾液を55℃で一晩乾燥し
た。 塩基処理し、アルコールで沈殿させた試料の流動学的特徴付け 材料を脱イオン水に分散し、混合しながら90℃に加熱して試料を調製した。
いったん、十分に水和させて、適量の0.05MCaCl2・6H2Oを添加し、
最終ゲル中に適切な濃度のカルシウムを得た。蒸発損失分は、脱イオン水を添加
して補った。試料を、圧縮試験のため、高さ14mm、内径29mmの円筒形の
鋳型に入れた。5℃で最低18時間貯蔵した後、鋳型からゲルを取り出し、63
mm直径圧縮板を備えたInstron4301万能検査機を使って0.85m
m/秒で連続2回圧縮し、元の高さの15%にした(85%歪度)。モジュラス
、硬度、脆化、弾力性を測定した。
【0037】 ゲルの硬化挙動を、6cm平板と0.5mmのギャップを備えたCarriM
edCSL2制御ストレス流動計を使って、動的振動を加えた。試料を、加熱し
ながら(90℃)、流動計のプレートに配し、露出表面をシリコン油(BDHD
C200/200)で覆って、蒸発を最小限に抑えた。試料を2℃/分、10r
ad/秒の頻度で90℃から20℃に冷却した。これを直ちに同一条件下で再加
熱した。
【0038】 結果を表6および7に示す。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】 表6および7は、それぞれ、ゲランガムのアシル過度と流動学的性状に対する
強塩基処理と弱塩基処理の効果の比較を示す。総アシル含量とアセテート/グリ
セレート[A/G]比に対するそれらの効果に有意差が認められる。グリセレー
ト置換基の除去には、弱塩基の方が強塩基よりも有効であった。結果として、高
めのA/G比を持つゲランガム製品を調製できる。これは、弱塩基処理を通して
生成されるゲランガム製品のユニークな性状をもたらす。
【0042】 さらに詳細な比較を表8および9に示す。低処理レベルで、強塩基処理、弱塩
基処理は、共に、A/G比を上昇させ(〜0.91および〜1.15)、弱塩基
で見られる高めの効果は、低硬化温度を生じる。例えば、未処理対照の硬化温度
〜70℃に比較して、2mM水酸化物で処理した試料は、〜60℃で硬化するが
、2mM炭酸塩で処理した試料は、〜41℃で硬化する。両試料とも、未処理対
照の柔軟で、弾力のある生地特性を維持する。総アシル含量が類似している(1
.00)が、低めのA/G比(1.04)を有する3mM KOH処理試料の比
較は、低めのA/G比が、弱塩基処理試料に比較して、高めの硬化温度でゲルを
生じる事を立証している。
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】 中間レベルの塩基では、やはり、弱塩基の方がグリセレート除去に有効である
。これが、モジュラス増加と中間脆化を有する試料を生じる。A/G比の重要性
は、総アシル含量が類似している(0.63)が、A/G比(1.52)が低め
である5mM処理試料と比較する事によって説明できる。この試料の生地は、よ
り柔軟で、より弾力がある(低モジュラス、高脆化)。
【0046】 弱塩基による脱アシル化は、強塩基で完全に脱アシル化された材料よりも柔軟
で、弾力のあるゲル(モジュラス低め、脆化高め)になる製品を生じる。低レベ
ルの残留アセテートが、これらの差の原因になると思われる。
【0047】 これらの実験結果は、以下の結論に達する: 1.グリセレート置換値の除去に対して、弱塩基、炭酸塩、リン酸塩は、強塩基
(水酸化物)よりも有効である。 2.硬化温度低下に対して、弱塩基処理の方が有効である。例えば、未処理対照
の硬化温度〜70℃に比較して、2mM水酸化物で処理した試料は、〜60℃で
硬化するが、2mM炭酸塩で処理した試料は、〜40℃で硬化する。 3.弱塩基による脱アシル化は、低レベルアセテート残基の存在により、強塩基
で完全に脱アシル化された材料よりも柔軟で、弾力のあるゲル(モジュラス低め
、脆化高め)になる製品を生じる。 実施例5 以下の方法は、どのようにして、未処理の天然ゲランガムブイヨンを弱塩基処
理によって様々な程度に脱アシル化できるかを示す。弱塩基の濃度と種類を、表
10に挙げる。
【0048】 ブイヨン15kgを、40Lのきさげ面蒸気ジャケット重合釜を使って94℃
まで加熱した。次に、適当な濃度の弱塩基1Lを添加し、10分間混合した。3
倍量の恒温沸騰イソプロピルアルコール(88%IPA/12%水)による沈殿
によりゲランガムを回収し、20メッシュスクリーン上に採取した。この吸湿材
料をモスリン布で約40%固体にまで加圧した。残りのIPAは、熱対流オーブ
ン中、40℃で12時間乾燥させて除去した。最後に、繊維をWileyナイフ
ミルで粉砕した。
【0049】 変質ゲランガムから調製した0.5%w/wゲルの硬化温度に対する蔗糖(お
〜60%w/w)と添加カルシウム(0〜14mM)の効果と生地プロファイル
分析を、未処理対照、KELCOGEL LT、KELDOGEL Fと比較し
た。
【0050】 KELCOGEL LTは、完全に脱アシル化した不透明化[LA]ガムであ
る。 この実施例は、以下の通りの図1〜13で説明する: 図1:カルシウム濃度(mM)に対するモジュラス(N/cm2)のプロット
で、KELCOGEL LTと比較した、30mMNa2CO3処理したゲランガ
ムブイヨンから調製した0.5%w/wゲルのモジュラスへのカルシウムの効果
を示す。
【0051】 図2:カルシウム濃度(mM)に対する脆化%のプロットで、KELCOGE
L LTと比較した、30mMNa2CO3処理したゲランガムブイヨンから調製
した0.5%w/wゲルの脆化へのカルシウムの効果を示す。
【0052】 図3:カルシウム濃度(mM)に対するモジュラス(N/cm2)のプロット
で、0.5%w/w KELCOGEL Fのモジュラスへのカルシウムの効果
を示す。 実験法 材料:評価したゲランガム試料を表10に示す。
【0053】
【表10】
【0054】 試料は、脱イオン水に材料(0.5%w/w)を分散させ、混合しながら、9
0℃まで加熱して調製した。いったん、十分に水和させ、適量の0.1MCaC
2・6H2Oを、続いて、蔗糖を添加した。脱イオン水を追加して、蒸発損失分
を補った。0.1%クエン酸ナトリウムとクエン酸(0〜0.09%)を加熱ガ
ム溶液に添加して、各種pHのゲルを調製した。圧縮試験のため、試料を高さ1
4mm、内径29mmの円筒形鋳型に入れた。5℃で最低18時間貯蔵した後、
鋳型からゲルを取り出し、63mmの直径の圧縮板を備えたInstron43
01万能検査機を使って0.85mm/秒で連続2回圧縮し、元の高さの15%
にした(85%歪度)。モジュラス、硬度、脆化、弾力性を測定した。
【0055】 ゲルの硬化挙動を、6cm平板と0.5mmのギャップを備えたCarriM
edCSL2制御ストレス流動計を使って、動的振動を加えた。試料を、加熱し
ながら(90℃)、流動計のプレートに配し、露出表面をシリコン油(BDHD
C200/200)で覆って、蒸発を最小限に抑えた。試料を2℃/分、10r
ad/秒の頻度で90℃から20℃に冷却した。これを直ちに同一条件下で再加
熱した。
【0056】 結果を以下に述べる。 結果 蔗糖の効果 原型の流動学的性状に対する蔗糖添加の効果を、表11および12に要約する
。ゲルは、脱イオン水中0.5%w/wガム濃度で調製し、カルシウムは添加し
なかった。ゲルの硬化温度と硬度は、未処理対照に比較して、全処理試料が低か
った。一般に、蔗糖の添加は、ゲルの硬化温度と硬度を高める。興味深い事に、
60%蔗糖中未処理対照への1mMカルシウムの添加は、完全なゲル化喪失をき
たした。一般に、低アシルゲランガムのカルシウム耐性は、糖の添加によって著
しく減じられる事が認識されており、この結果は、高アシル型や部分アシル化型
にも、同じことが当てはまることを示唆しているのであろう。
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】 カルシウムの効果 ゲルの性質に対する低レベルカルシウム(2mM)添加の効果を表13に示す
。対照と5mM塩基処理した試料の場合、カルシウムの添加は、ゲルの硬化温度
と硬度を高めたが、モジュラス、脆化、弾力性にはほとんど効果を示さなかった
。12.5mM塩基処理試料へのカルシウムの添加は、硬化温度への効果はほと
んどなかったが、生地全体には顕著な効果を呈した。これは、脆化および弾力性
の減少と結合したモジュラス、硬度の増加をきたした。30mM塩基処理試料は
、カルシウム無添加では、ゲル化しなかった。カルシウムと蔗糖の併用効果を、
30mM塩基処理試料を使って検討した。KELCOGEL LTと比較した。
ゲルのモジュラスおよび脆化に対するカルシウムの効果を、それぞれ、図1と2
に示す。
【0060】 30mMNa2CO3処理試料は、ほぼ、置換基を除去しており、そのため、K
ELCOGEL LTと同様の性状を持つと予想される。図1および2は、KE
LCOGEL LTと比較して、それがカルシウムへの同様の応答を有するが、
モジュラスが低く、脆化が増加していた(より柔軟で、より弾力のあるゲル)こ
とを示している。
【0061】 蔗糖の添加は、至適モジュラスに必要なカルシウムを減じ、60%で、ゲルモ
ジュラスの劇的な損失をきたす。これは、KELCOGEL Fに見られていた
ものと同一の挙動である(図3)。糖は、ゲランの凝集を抑制し、より柔軟で、
より弾力のあるゲルを生じる、と考えられる。
【0062】 これらの実験結果から、以下の結論に達する: 結論 1.ゲランガム回収前の弱塩基によるゲランガム発酵ブイヨンの処理は、還元ゲ
ランガムの処理について記述されたものと同様の利益を生じる。即ち: ・硬化温度低下 ・融解温度低下 ・ゲル特性の改質 ・単一ゲル化温度
【0063】
【表13】
【0064】 実験6 濃縮ゼリーブロック/乾燥ミックスデザートゼリー 濃縮ゼリーブロック 成分 (%) ・蔗糖 22.5 ・コーンシロップ(42DE) 22.5 ・弱塩基処理ゲランガム* 0.8〜1.5 ・クエン酸ナトリウム 0.5〜1.0 ・クエン酸 0.5〜1.0 ・乳酸カルシウム 0.0〜0.5 ・着色剤および香料 適量 ・水 〜100 *5mM弱塩基(TSP、Na2CO3)による94℃で10分間のゲランガ ム
発酵ブイヨンの処理で調製 調製法 1.改質ゲランガムを、蔗糖、クエン酸ナトリウムと配合した後、水に分散させ
る。 2.混合しながら、90℃まで加熱し、次に、コーンシロップ(予め加温)を添
加する。 3.クエン酸、着色剤、香料、乳酸カルシウムを少量の水に溶解し、混合液に添
加する。 4.鋳型に入れ、硬化させる。
【0065】 ゼリー濃縮物は、ゲル:水が1:2〜1:3の比として水で希釈でき、約95
℃まで加熱した時、再融解する。希釈した濃縮物の冷却時、ゼラチンデザートゼ
リーと同様の性状を持つゲルが形成される(表14)。
【0066】 別法として、改質ゲラン製品を、直接調合用に乾燥ミックスとしてお湯で、ま
たは、できあいデザートゼリー用に水または乳製品系で調合できる。
【0067】
【表14】
【0068】 実施例7 ゲランガムゲルの冷却および加熱プロファイル 2mMカルシウム中0.5%w/wゲランガムゲルは、次のものから調製した
: a)未処理[HA]ゲランガム; b)90℃、5.44mM STPPで処理したゲランガムゲル 図4a)およびb)は、それぞれのゲランガムゲルについて、得られたプロフ
ァイルを示し、本発明に従った処理の効果を強調している。
【0069】 実施例(特に実施例4)は、高アシルゲランガムの強塩基処理と弱塩基処理の
効果の主要な差を説明している。 本研究は、リン酸塩や炭酸塩などの弱塩基による還元高アシルゲランガムまた
は天然ブイヨンの、らせんコイル遷移温度以上での処理が、グリセレート置換基
を優先的に除去する事を立証している。このアセテート/グリセレート比(A/
G比)の増加は、流動学的性状、特に、高アシルゲランガムに特徴的な柔軟で弾
力的な生地を持つが、硬化温度が劇的に低下したゲランガムゲルを生成する能力
、を改善する。さらに、これらの温和な条件下での脱アシル化は、低アシルゲラ
ンを生成し、これが脆性増加ゲルを生じる(さらに弾力がある)。弱塩基の使用
は、その結果への速度論的効果で反応を鈍化すると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カルシウム濃度(mM)に対するモジュラス(N/cm2)のプロッ
トで、KELCOGEL LTと比較した、30mMNa2CO3処理したゲラン
ガムブイヨンから調製した0.5%w/wゲルのモジュラスへのカルシウムの効
果を示す図である。
【図2】 カルシウム濃度(mM)に対する脆化%のプロットで、KELCOG
EL LTと比較した、30mM Na2CO3処理したゲランガムブイヨンから
調製した0.5%w/wゲルの脆化へのカルシウムの効果を示す図である。
【図3】 カルシウム濃度(mM)に対するモジュラス(N/cm2)のプロッ
トで、0.5%w/w KELCOGEL Fのモジュラスへのカルシウムの効
果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 モリソン,ニール・エイ アメリカ合衆国カリフォルニア州92128, サンディエゴ,ブライアーデール・ウェイ 12332 (72)発明者 タラシェク,トッド アメリカ合衆国カリフォルニア州92131, サンディエゴ,スクリップス・ウエストビ ュー・ウェイ 9950−71 (72)発明者 クラーク,ロス アメリカ合衆国カリフォルニア州92131, サンディエゴ,スクリップス・クリーク・ ドライブ 11658 Fターム(参考) 4B041 LC03 LD01 LH16 LK02 LP01 4C090 AA04 BB12 BB16 BB22 BB52 BC20 BD07 BD11 BD36 CA42 DA03 DA27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲランガムのアシル含量を変えるゲランガム改質工程で、前記ガ
    ムのゲル形成能をわずかに改質する量および条件で弱塩基によって前記ガムを処
    理する段階からなる、ゲランガム改質工程。
  2. 【請求項2】 弱塩基が、ピロリン酸テトラナトリウム、ピロリン酸テトラカリ
    ウム、トリピロリン酸カリウム、トリピロリン酸ナトリウム、リン酸トリナトリ
    ウム、リン酸トリカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
    ムないし炭酸水素カリウムである、請求項1に記載の工程。
  3. 【請求項3】 弱塩基が2〜12mMの範囲内のモル濃度で存在する、請求項1
    または2に記載の工程。
  4. 【請求項4】 発酵ブイヨンを2〜30mMの範囲内のモル濃度で存在する弱塩
    基で処理する、請求項1〜3のいずれかに記載の工程。
  5. 【請求項5】 再水和ガム溶液を2〜12mMの範囲内のモル濃度で存在する弱
    塩基で処理する、請求項1〜3のいずれかに記載の工程。
  6. 【請求項6】 処理を、80〜95℃の範囲内の温度ないし0.5〜20分の範
    囲内の時間で行う事を特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の工程。
  7. 【請求項7】 ゲランガムが、スフィノモナスエロデアの好気的発酵の細胞外産
    物である、請求項1〜6いずれかに記載の工程。
  8. 【請求項8】 アセテート置換基対グリセレート置換基比が少なくとも1である
    、グルコース残基の直線状テトラサッカライド反復単位を有する構造からなり、
    その残基のいくつかにアセテート置換基ないしグリセレート置換基が付着してい
    るゲランガム組成物。
  9. 【請求項9】 直線状テトラサッカライド反復単位1ヶ当たりに付着するアセテ
    ート置換基とグリセレート置換基の合計が少なくとも1で、アセテート置換基対
    グリセレート置換基比が少なくとも1であり、あるいは、直線状テトラサッカラ
    イド反復単位1ヶ当たりに付着する置換基の合計が0.4以上1未満で、アセテ
    ート置換基対グリセレート置換基比が少なくとも2である、請求項8に記載のゲ
    ランガム組成物。
  10. 【請求項10】 以下の段階から成る、ゲランガム含有製品の生産工程: a)請求項1〜7のいずれかに従ってゲランガムを改質する b)ゲランガム含有製品形成中に改質ガムをゲル化する
  11. 【請求項11】 請求項8および9のいずれかに記載のゲランガム組成物から形
    成されるゲランガム含有製品。
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