JP2021510544A - 酵素により変性されたジェランガム - Google Patents

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Abstract

本発明は、ジェランガムを部分的に脱アシル化できるエステラーゼを用いて天然又は高アシルジェランガムを処理することを含む、部分的に脱アシル化されたジェランガムを調製するための方法に関する。

Description

本発明は、アシル置換の程度を変化させる酵素処理によりジェランガムの構造及び機能特性を変更する方法に関する。本発明は、更に、請求項に記載の方法により製造される部分的に脱アシル化されたジェランガム、並びに食品、医薬製剤、及びパーソナルケア製品における成分としての部分的に脱アシル化されたジェランガムの使用に関する。
ジェランガムは、スフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodea)(ATCC 31461)によって合成される微生物の菌体外多糖である。ジェランガムポリマーの繰り返し単位(RU)は、D−グルコースの2つの残基と、L−ラムノースとD−グルクロン酸の各残基の1つとからなる四糖であり、以下の構造を有する[→3)−β−d−Glcp(1→4)−β−d−GlcAp(1→4)−β−d−Glcp(1→4)−α−l−Rhap(1→]。天然の多糖は部分的にエステル化されており、1,3−D−Glc残基は、C−2でL−グリセレートに及び/又はC−6でアセテートに連結されている場合がある。C−2のグリセレートとC−6のアセテートの両方を有するジェランガムの繰り返し単位の化学構造の図が図1aに示されている。
ジェランガムは非常に効果的なゲル化剤及び構造化剤であり、そのため食品業界にとって魅力的であることが分かっている。ジェランは非常に低濃度で使用され、これは冷却されるとゲル化し、細菌発酵によるその製造に起因する安定した品質と信頼できる供給量を有することが知られている。低濃度のジェランガムは、粒子の懸濁に非常に効率的な見掛け降伏応力を有する流体ゲルを形成する。加えて、高度な擬塑性流動のため、より大きい剪断速度で低い粘度が得られ、口当たりへの影響が低くなる。これらの機能の組み合わせのため、ジェランガムは、乳製品、飲料、ドレッシング、及びソースなどの用途に非常に有用である。
ジェランガム製品は、繰り返し単位当たり平均1個のグリセレート置換基と0.5個のアセテート置換基を有する、スフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodea)によって発現される天然型に類似した高アシル(HA)形態と、アシル置換基がアルカリ処理により完全に除去されている低アシル(LA)形態の、2つの形態で商業的に製造されている。
アシル基は、ゲル特性に大きな影響を及ぼす。HAジェランは柔らかく、弾力性があり、脆くないゲルを生成する一方で、LAジェランは硬く、弾力性がない、脆いゲルを生成する。LAジェランのX線回折パターンは、これが3回対称の同軸二重らせんとして固体状態で存在することを示す(Chandrasekaran et al.,1988a,b)。HAジェランのらせん構造は、脱アシル化ポリマーのこの公知の固体状態の形状から推定するために、コンピューターモデリングによって最初に調査された(Chandrasekaran et al.,1990)。主な結論は、アセテート基は形状の変更なしでらせんの末端に存在するが、グリセレートの受け入れにはらせんの形状の変更が必要であるということである。更に、グリセレート置換基が主にジェランガムのらせん構造の安定化に関与し、HAジェランの高いゲル化温度をもたらす一方で、アセテート置換基は、らせん端部にあることによりらせん間の凝集を立体的に妨げ、柔らかく弾力性のあるゲルをもたらすことが報告されている(Morris et al,1996)。
天然のジェランガムは理論上は繰り返し単位当たり1個のグリセレート置換基と0.5個のアセテート置換基を含むものの、入手可能な工業用HAジェラン製品はこれより少ししか含まない(RU当たり約0.8個のグリセレートと0.45個のアセテート、3つの異なる製造業者からの22種のジェランガム製品から計算、結果は未発表)。天然のジェランガムは、約13重量%のグリセレート基と約5重量%のアセテート基を含むと報告されている(特許文献1を参照のこと)。ジェランの機能性に対するアシル置換基の高い効果は、HA製品のアシルの量のわずかな変動であっても、利用性能に重要である可能性があることを示唆している。
Ca2+−結合によって媒介される、いわゆるエッグボックス構造を介してゲル形成を誘発できるペクチンの脱メチルエステル化によって例示されるように、他のハイドロコロイドへの個別の構造変化が機能性に影響を与えることも周知である。ペクチンは、ブロック状の、又はよりランダムに分布しているメチル化されたガラクツロン酸を有することができ、ブロック化の程度はペクチンの機能性に大きな影響を及ぼす可能性があり、そのため食品系におけるペクチンの挙動に大きな影響を及ぼす可能性がある(Remoroza et al.,2014)。
これまでに、様々な程度でジェランガムをアシル化するために、様々なアプローチが行われてきた。弱塩基を用いた処理によるジェランガムの化学的脱アシル化は、特許文献2及び特許文献3、Morrison et al.(1999)及びMorris et al.(1996)に開示されている。ジェランガムのアシル化の程度の相違は、例えば、溶存酸素分圧又は増殖培地組成の変化を利用するなど、発酵中の条件を変更することによっても実現されてきた(Fialho et al.(1999)及びDreveton et al.,(1996))。
特許文献1には、ジェランガムを部分的に脱アシル化して、少量(0〜1重量%)のアセテート残基を有するが、グリセレート残基の一部又は大部分(3〜12重量%)が保持されているジェランガムを得る方法が開示されている。天然のジェランガムを製造するためのS.エロディア(S.elodea)の発酵の後、25〜40℃で6〜18時間、KOHでpHが調整され、次いでpHが6〜8に下げられる。得られる部分的に脱アシル化されたジェランガムは、弾力性がある脆くないゲルを形成できると報告されている。
また、生産微生物への遺伝子変化は、ジェランのアシル化の最終的な程度を変更する戦略として採用されてきた(特許文献4及びJaya et al.(1998))。
HAとLAのジェランガムをブレンドすることにより、様々なゲルテクスチャーを生成することができる。しかしながら、HAとLAの形態の混合物は、個々の成分と一致する温度で2つの別個のコンホメーション転移を示すことが実証されている(Morrison et al.1999)。
アセテート置換基は、ジェランのらせん間の相互作用に影響を与えることが知られている。アセテートが存在する場合、これは、イオンが媒介する相互作用を立体的にブロックすることにより、らせん間の凝集を阻害する。対照的に、アセテートは個々のジェランのらせんの形成と安定性にほとんど寄与せず、これは主にグリセレートの存在の影響を受ける(Morris et al.,1996)。したがって、アセテートを特異的に除去すると、個々のらせんの高い安定性を保持するジェラン中間体が得られ、グリセレートの量が変化しないことに起因して高いゲル化温度が得られるものの、熱ヒステリシスなどの特性に影響を与えるらせん間相互作用の点で低アシルジェラン特性を有する。
酵素によるアセテート除去の高い特異性は、グリセレート含有量が対照の約100%に保持されながらも酵素PAE12Bによってアセテートの段階的な除去が得られる本発明において示される。高温(70℃)での処理と長いインキュベーション時間(20時間)でのみ、グリセレートは部分的に除去される。このグリセレートの除去は、同じ条件で酵素なしでインキュベーションしたサンプルでもみられる。これは、グリセレートの除去が酵素を介して行われないことを示している。化学的脱アシル化を行う場合、アルカリ処理の特定の条件を選択すると、グリセレート又はアセテートのいずれかの除去に対する若干の特異性が得られることが示されている(特許文献5及びMorris et al 1996)。しかしながら、この特異性は酵素的脱アシル化ほど完全ではない。特許文献5では、実施例2、3、及び4のアセテートが、アルカリ処理中に低温で特異的に除去されている。しかしながら、グリセレートの開始時点の量は約11.3%であり、アルカリ処理中に約9%まで減少する。この減少は、開始時点のグリセレートの量の約20%であり、化学的脱アシル化が本発明の酵素的方法を使用して得られるものほど特異的ではないことを示している。
本発明の目的は、単一のコンホメーション転移を有し、そのため単一の成分として挙動する製品を得るために、中間のアシルの量及び望ましい安定性を有するジェランガムを提供することである。
米国特許第5190927号明細書 米国特許第8,231,921B2号明細書 カナダ特許第2334635号明細書 米国特許出願公開第2003/100078号明細書 欧州特許第0526926号明細書
ペクチンに作用するエステラーゼは、ランダムな又はブロックごとの脱エステル化などの異なる作用機構を有していることが知られており、これはひいては機能特性に対して大きく異なる影響を与えるペクチンの変性をもたらす。本発明に至る研究の間に、本発明者らは、ジェランに作用するエステラーゼが、酵素的脱アシル化により得られるジェラン中間体の追加の機能特性をもたらし得る作用機構において同様のタイプの差異を有し得ると考えた。
HAジェラン又はLAジェランとして製造されるジェランガムは、ゲルテクスチャーの2つの対照的要素であり、そのため部分的に脱アシル化されたジェランガムは、幅広い特性を有する中間的なゲルテクスチャーを提供する可能性を有し得る。アシル化の程度を制御できると、それぞれに合った設定温度とレオロジー特性を備えたジェランガムを製造することができ、理想的には全てのゲルテクスチャーのために1種のハイドロコロイドが供給される。ジェランガムの分子構造を様々な食品用途の具体的な機能的ニーズに合わせることで、本発明は様々な新規な製品を提供することができる。これらの製品は、単独で使用されてもよく、或いは様々な食品系のブレンドの中に混ぜ合わされてもよい。
中間の程度にアシル化されたジェランガムを使用すると、硬くて脆いものから柔らかくて弾力性のあるものまでの幅広いテクスチャーを得ることができ、これは1つの多用途なハイドロコロイド成分を含む食品系の多様な機能をもたらす。これの価値はMorrison et al.(1999)によって示されており、この中でゼラチンのテクスチャー特性は部分的に脱アシル化されたジェランガムとよく一致した。
中間の程度にアシル化されたジェランガムを生成するための上述した戦略に対する別のアプローチは、酵素処理を採用することである。ポリマーからアセテート基及び/又はグリセレート基を特異的に除去できるエステラーゼで処理された高アシルの天然ジェランガムを使用することにより、アシル置換の程度を変更することができる。アシル基の酵素的除去は、化学的脱アシル化と比較してより制御し易いと考えられる。例えば、アセテート基と一部のグリセレート基の両方が除去されることになる米国特許第5190927号明細書に開示されている化学処理とは異なり、酵素を適切に選択することによってアセテート基のみ又はグリセレート基のみを除去できる場合がある。更に、酵素的脱アシル化は、ブロックごとの脱アシル化など、他のタイプの脱アシル化パターンを形成する可能性がある。加えて、酵素的脱アシル化は、化学的脱アシル化の場合でみられるようなジェランガムのポリマー長への影響があまりないことが分かっている。分子量はゲルの強度とテクスチャーに重要であり、そのため酵素的アプローチは、有益な特性を備えた新しいタイプの高分子量低アシルジェランガムを生み出すことができる。
したがって、本発明は、ジェランガムを部分的に脱アシル化できるエステラーゼを用いて天然又は高アシルジェランガムを処理することを含む、部分的に脱アシル化されたジェランガムを調製するための方法に関する。
別の態様では、本発明は、天然ジェランガムの分子量と比較して10%未満減少した分子量を有する部分的に脱アシル化されたジェランガムに関する。
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載の酵素により変性された部分的に脱アシル化されたジェランガムを含む食品に関する。
また別の態様では、本発明は、本明細書に記載の酵素により変性された部分的に脱アシル化されたジェランガムを含む医薬製剤に関する。
また別の態様では、本発明は、本明細書に記載の酵素により変性された部分的に脱アシル化されたジェランガムを含むパーソナルケア製品に関する。
以下の概略図(図2)から明らかなように、低アシルジェランガム(LA)と高アシルジェランガム(HA)はゲルテクスチャーのスケールのいずれかの端に位置し、他のゲル形成ハイドロコロイドはこれらの間に位置する。本発明の方法により中間の程度にアシル化されているジェランガムを形成できることから、1種類のハイドロコロイドで全範囲のテクスチャーにわたる選択肢を提供することができ、また現行のハイドロコロイドのポートフォリオでは利用できない特有のレオロジー特性を提供することができる。
図面を参照しつつ本発明を更に詳しく説明する。
高アシルジェランの繰り返し単位(RU)の化学構造を示し、アセテート置換基とグリセレート置換基の位置を示している。ここでの順序は、左から右にラムノース、グルコース、グルクロン酸、及びグルコースである。ラムノースの還元末端にα−結合しているグルコースは、C−6位に結合している酢酸エステルと、C−2位に結合しているグリセリン酸とを有する。 がヒドロキシ又はグリセリン酸のいずれであってもよく、Rがヒドロキシ又は酢酸のいずれであってもよいことを除いて、図1aと同じ化学構造を示す。 アシル化パターンに関してジェランガムで生じる4つの異なるRUの組成を示す表である(それぞれHAジェラン及びLAジェランにおけるグリセレート基及び/又はアセテート基の存在)。 高アシルジェランガムから製造される柔らかくてフレキシブルなゲルから、低アシルジェランガムから製造される硬くて脆いゲルまで、様々なハイドロコロイドから製造されるゲルのゲルテクスチャーの概略図であり、他のハイドロコロイドから製造されるゲルはこれらの間に分布している。 HAジェランガムを6.3のpH及び40〜70℃の温度で、酵素PAE 12B、V2010、及びRapidase Press(略してR.Press)の存在下又は不存在下、0、1、3、又は20時間インキュベーションした後のジェラン上に残っているアセテートとグリセレートの量を示す棒グラフである。 HAジェランをpH6.6で0〜4時間エステラーゼPAE 12Bと共にインキュベーションした後にNMR分光法により測定した結合アセテートと遊離アセテートの量を示す。 様々な酵素濃度における経時的な遊離アセテートの定量を示すグラフである。この図では、PAE 12B酵素を使用して様々な程度の脱アセチル化を行えることが明らかである。 HAジェランをエステラーゼPAE 12Bで0、45、90、及び135分間処理した結果としてのゲル化温度の変化を示すグラフである。 酵素で処理されていないジェランガムと比較した、酵素処理(脱アセチル化)されたジェランガムのゲル化プロファイルからの20℃でのG’のプロットである。
ジェランガムを脱アシル化できる酵素はこれまでに述べられていないため、そのような活性についてのスクリーニングを、一連の選択した酵素を使用して行った。候補のエステラーゼ酵素は2つの基準:多糖を脱アシル化できる及び/又は好熱性微生物から合成できることが注釈されているか又は示されている、並びに高温(約70℃の高アシルジェランガムのゲル化温度より上の温度)で活性を有することが知られている、に基づいて選択した。
スクリーニングアッセイは複雑性を増やしながら行った。最初に、一般的なエステラーゼ基質である4−ニトロフェニルアセテートを使用してエステラーゼ活性を分析し、選択した候補酵素に最適なpH及び温度を得た。次に、反応中のHAジェランガムのゲル化を回避するために超音波処理によって予め分解したジェランガムで酵素の活性について試験した。分析は、UV法(Megazymes、K−ACET)又はNMRによる酢酸の定量を使用して行った。最後に、再水和した天然ジェランガムにおいて選択した酵素の活性を試験し、その際、酵素処理後に残っているアセテートとグリセレートを定量化した。結果として、ジェランガムは、選択された酵素と共に一定時間インキュベーションされ、その後、加水分解によってより小さいオリゴマーへと消化された。グリセレートとアセテートの量は、オリゴマーのLC−MSを使用して決定した。
スクリーニング手順で見出される適切なエステラーゼは、ジェランガムを脱アセチル化できるものであり、より具体的には、炭水化物エステラーゼファミリーのアセチルエステラーゼ、特にはペクチンアセチルエステラーゼである。
エステラーゼは、例えば好熱性微生物由来であってもよく、また約40℃を超える温度、好ましくは約70〜75℃の温度などの65℃〜80℃の範囲の温度で酵素活性を有する。そのようなエステラーゼの例は、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)由来のペクチンアセチルエステラーゼ(PAE12B、cat.nr.CZ00371、NZYtech)である。
本発明の方法では、エステラーゼによる処理は、5.5〜7.5の範囲のpH、好ましくは6.0〜6.5のpHなどの6.0〜7.0の範囲のpHで適切に行なうことができる。エステラーゼ処理が行われる温度は、好ましくは40〜80℃の範囲、より好ましくは65〜75℃の範囲などの60〜75℃の範囲である。例えば、酵素PAE12Bは80℃より高い温度で活性を有する幅広い最適温度を有しており、そのため高アシルジェランのゲル化温度(約70℃)よりも高い温度で使用することができる。
エステラーゼPAE12Bを用いた酵素処理を使用して部分的に脱アシル化されたジェランガムを得るための最適条件の詳細な分析を行った。これにより、中間の程度のアセテート置換基を含むジェランガムサンプルを生成することができた。PAE 12Bを使用した酵素的脱アセチル化に最適であることが判明した反応条件は、pH6.0〜6.5、70〜75℃であった。このpHを上回るとグリセレートの加水分解を含む化学的脱アシル化が起こり、このpHを下回ると酵素活性はごくわずかになった。この温度を上回ると酵素活性はごくわずかになり、この温度を下回るとHAジェランガムは使用した条件下で固体ゲルを形成した。
エステラーゼによる処理は、ジェランガムを部分的に脱アシル化することができる十分な量のエステラーゼを、天然ジェランガムを含む発酵ブロスの中に添加することによって行うことができ、エステラーゼ処理は、ジェランガムの部分的脱アシル化を達成するのに十分な時間、例えば10〜1440分間行われる。発酵ブロス1L当たり100〜2000単位のエステラーゼの量が、好ましくは60分間行われる部分的脱アシル化を達成するのに十分であることが見出された。
天然ジェランガムは、炭素、窒素、及び無機塩の適切な供給源を含む適切な水性増殖培地中でのスフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodea)(ATCC 31461)の菌株の好気性発酵によって製造することができる。適切な炭素源は、デンプン、フルクトース、グルコース、スクロースなどの糖である。適切な窒素源は、酵母加水分解物、大豆粕、無機窒素などである。適切な無機塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、リン酸塩、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。
酵素処理の前に、発酵ブロスは、プロテアーゼやリゾチームなどの他のタイプの酵素を用いた処理によって適切に清澄化されてもよい。
エステラーゼ処理後、部分的に脱アシル化されたジェランガムは、アルコール、例えばイソプロパノール又はエタノールなどの有機溶媒を用いた析出によって発酵ブロスから単離されてもよい。
別の実施形態では、エステラーゼ処理は、発酵ブロスからのジェランガムの単離後に行われる。この実施形態では、エステラーゼは、単離されたジェランガム1g当たり100〜2000単位の量で添加される。
部分的な脱アセチル化は、ジェランガムのレオロジー特性に影響を与えることが分かっている。ゲル化プロファイルからの20℃でのG’のプロットは、酵素で処理されていないものと比較して、酵素処理されたサンプルの粘度(Pa単位)が最も長い反応時間で低いことを示している(図6参照)。これは、アセテートの選択的除去を行うと、例えばゼリー菓子、デザートゲル、ジャム及びゼリー、パンのフィリング、及び乳製品デザートなどの特定の用途で有利な場合がある、より柔らかいゲルテクスチャーが得られることを示唆している。
酵素処理の結果としての構造の変化は、酵素的脱アシル化前後のジェランガムのゲル化プロファイルを測定することによって決定されるジェランガムのゲル化温度に変化をもたらすことも見出された。ジェランのゲル化温度は、アセテート置換基の特異的な除去の間に上昇し、酵素反応の時間の長さに応じてジェランの機能特性に影響を与えることが示された(図5及び以下の実施例3を参照)。ゲル化温度が上昇すると、ゲルが形成される温度が上がるため、より高い温度での安定性につながる可能性がある。これは、最終製品におけるより高い充填温度で有利な場合がある。また、ゲル化温度が上昇した部分的に脱アシル化されたジェランガムは、低濃度で液体中で流体ゲルを形成できることが見出されたため、例えばタンパク質又は不溶性ミネラルの懸濁粒子を含む飲料を安定化するために有利に使用することができる。
本発明の部分的に脱アシル化されたジェランガムは、天然のジェランガムの分子量と比較して10%未満減少した分子量を有する。分子量はゲルの強度とテクスチャーに重要であるため、これは利点である。タンパク質又は不溶性ミネラルなどの粒子状成分を懸濁できるネットワークを得るためにゲル形成が必要とされるため、これらの機能特性は、食品を適切に安定化させるジェランの能力に重要である。
一実施形態では、本発明は、多糖鎖の繰り返し単位の0%〜48%がアセテート残基を含む、部分的に脱アシル化されたジェランガムに関する。好ましくは、多糖鎖の繰り返し単位の0%〜25%、より好ましくは0%〜10%、更に好ましくは0.5%〜5%がアセテート残基を含む。
一実施形態では、本発明は、多糖鎖の繰り返し単位の0%〜48%がグリセレート残基とアセテート残基の両方を含む、部分的に脱アシル化されたジェランガムに関する。好ましくは、多糖鎖の繰り返し単位の0%〜25%、より好ましくは0%〜10%、更に好ましくは0.5%〜5%がグリセレート残基とアセテート残基の両方を含む。
一実施形態では、本発明は、多糖鎖中の繰り返し単位の5%〜50%がアセテート残基もグリセレート残基も含まない、部分的に脱アシル化されたジェランガムに関する。好ましくは、多糖鎖の繰り返し単位の10%〜30%、より好ましくは20%〜25%がアセテート残基もグリセレート残基も含まない。
一実施形態では、本発明は、60℃〜85℃、好ましくは70〜80℃のゲル化温度を示す部分的に脱アシル化されたジェランガムに関する。この実施形態による部分的に脱アシル化されたジェランガムは、低濃度で液体中で流体ゲルを形成することができ、それにより液体中に存在する粒子が懸濁されるため、飲料の安定化に特に有用であると考えられる。
部分的に脱アシル化されたジェランガムは、本明細書に開示の本発明の方法により適切に調製することができる。
完全にアシル化された又は完全に脱アシル化されたジェランガムによって得られる機能とは異なる機能を形成する能力により、食品においてジェランを使用する新しい機会がもたらされる。
そのため、本発明の部分的に脱アシル化されたジェランガムは、飲料、ジャム、ゼリー、パンのフィリング、菓子、乳製品、デザートゲル、フロスティング、アイシング、グレーズ、低脂肪スプレッド、電子レンジ対応食品、焼き菓子、プリン、ソース及びドレッシング、構造化食品、及びトッピングからなる群から選択されるような食品に、それらのテクスチャー及び粘度を調整するためのゲル化剤又はテクスチャー付与剤として添加することができる。食品中の部分的に脱アシル化されたジェランガムの濃度は、液体(飲料)から半固体又は固体(ゼリー及びプリン)までの望ましいテクスチャー及び粘度に応じて、0.02重量%〜2重量%の間で様々であってもよい。特定の実施形態では、食品は、嚥下障害に悩む患者が摂取することが意図されている構造化食品又はゲル化液体である。嚥下障害は、人が飲み込みに困難を有している状態である。これは、多くの場合、特定の粘度とテクスチャーの食品を患者に提供することによって管理される。ジェランガムゲルのテクスチャーを部分的な脱アセチル化によって変化させることにより、嚥下障害の管理に適した様々なテクスチャーを形成することができる。
別の態様では、本発明の部分的に脱アシル化されたジェランガムは、ハード及びソフトカプセルのゼラチンを置き換えるための錠剤用のコーティングなどの医薬製剤に添加することができ、或いは1種以上の治療有効成分と適切な賦形剤とを含有するゲル、クリーム、及びローションの増粘剤又はゲル化剤として添加することができる。製剤中の部分的に脱アシル化されたジェランガムの濃度は、液体(例えばローション)から半固体(例えばクリーム)又は固体(例えば錠剤又はカプセル)までの望まれるテクスチャー及び/又は粘度に応じて、典型的には0.02〜2重量%である。
更なる態様では、部分的に脱アシル化されたジェランガムは、練り歯磨き、液体石鹸、シャンプー、シャワージェル、クリーム、ボディローション、ボディジェル、及びデオドラントジェルなどのパーソナルケア製品に増粘剤又はゲル化剤として添加することができる。製剤中の部分的に脱アシル化されたジェランガムの濃度は、液体(例えば液体石鹸)から半固体(例えばクリーム、ボディローション、シャンプー、練り歯磨き)までの望まれるテクスチャー及び/又は粘度に応じて、典型的には0.02〜2重量%である。
実施例1
HAジェランガムは、スフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodea)の好気性発酵により調製し、上述した通りに単離した。
ジェランガム1グラム当たり約2000エステラーゼ単位の量で、pH6.3且つ40〜70℃で、単離されたHAジェランガムを、単独で、又は酵素PAE 12B(NZYtech)、V2010(Sigma)、若しくはRapidase Press(DSM)のうちの1つと組み合わせて、様々な時間インキュベーションした。処理の前後にジェランガム上に存在するアセテート及びグリセレートを上述した通りに定量化した。図1cに示されているように、ジェランガムには4つの異なる繰り返し単位(RU)が存在する。理論上は、HAジェランは50%のRU1と50%のRU2とからなり、LAジェランガムは、各RU当たり1つのグリセレート(100%グリセレート)と1つおきのRUに1つのアセテート(50%アセテート)に対応する100%のRU4からなる。棒グラフ(図3)に示されているように、この実験で使用したHAジェランガムには、約80%のグリセレートと45%のアセテートが含まれている(0時間)。酵素の不存在下、pH6.3、70℃で1、3、及び20時間インキュベーションした後、わずかなアルカリ性条件のためグリセレートがゆっくり除去された一方で、アセテートの量はほとんど変化しないままであった。6.3のpH及び40〜70℃の温度でエステラーゼPAE 12Bと共にインキュベーションすると、アセテートの量は劇的に低下した。その効果はこのエステラーゼの最適温度と一致する70℃で最も高かった。70℃では、グリセレートはエステラーゼなしの対照条件と同様の速度で除去されるものの、使用した実験条件下では、アセテートの酵素的除去は化学的脱アシル化よりもはるかに速く、化学的脱アシル化が有意ではないままの状態でアセテートを酵素的に除去する最適な条件を見つけることが可能であることが観察された。結果は、エステラーゼPAE 12Bがジェランガムからグリセレートではなくアセテートを特異的に除去することを示している。更に、2つの異なる酵素製品、V2010(Sigma)とRapidase Press(R.Press、DSM)は、同じ条件下でPAE 12Bよりも遅い速度ながらもジェランガムを脱アセチル化できることが分かった。その効果は、V2010では40℃で20時間インキュベーションした後に、Rapidase Pressでは40℃及び70℃で20時間インキュベーションした後に最も大きかった(図3参照)。
実施例2
実施例1に記載の通りに調製した単離したHAジェランガムを、pH6.6で0〜4時間エステラーゼPAE 12Bと共にインキュベーションし、その後、結合アセテートと遊離アセテートの量をNMR分光法により決定した。結果は図4aに示されており、この結果から、酵素的脱アセチル化は、使用した実験条件下で酵素の添加量を増加させるとより迅速に進行すると考えられる。図4bのグラフは、酵素反応時の遊離アセテートの定量を示している。アセテート除去の程度は、反応時間と酵素量を調整することにより制御することができる。
実施例3
単離したHAジェランガムを、実施例1及び2に記載されているものと同じ条件下でエステラーゼPAE 12Bと共にインキュベーションした。PAE 12Bが無視できる活性を有する程度までpHを下げることにより、酵素反応を様々な時点で停止した。その後、ゲル化プロファイルと温度を与えるレオロジーによって溶液を分析した。結果は図5に示されている。ジェランガムを酵素処理すると、ゲル化温度が5〜10℃上昇し、これはアセテート置換基の同時除去と相関することが分かった。これらの条件下でのグリセレートの遅い除去と相関する酵素を含まないサンプルでは、ゲル化温度がより遅くより小さく低下することが観察された。
部分的な脱アセチル化はジェランガムのレオロジー特性にも影響を与えることが示されている。ゲル化プロファイルからの20℃でのG’のプロットは、酵素で処理されていないサンプルと比較して、最も長い反応時間で酵素処理されたサンプルがより低い粘度(Pa単位)を有することを示している(図6参照)。これは、アセテートを選択的に除去すると、より柔らかいゲルのテクスチャーになることを示している。
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Claims (16)

  1. ジェランガムを部分的に脱アシル化できるエステラーゼで天然又は高アシルジェランガムを処理すること、及び前記エステラーゼ処理後に発酵ブロスから部分的に脱アシル化されたジェランガムを単離することを含む、部分的に脱アシル化されたジェランガムの調製方法。
  2. 前記エステラーゼが炭水化物エステラーゼファミリーのアセチルエステラーゼ又はペクチンアセチルエステラーゼである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エステラーゼがクロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)由来のペクチンアセチルエステラーゼ12Bである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記エステラーゼ処理が、5.5〜7.5の範囲のpH、好ましくは6.0〜6.5のpHなどの6.0〜7.0の範囲のpHで行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記エステラーゼ処理が、40〜80℃の範囲、好ましくは65〜75℃などの60〜75℃の範囲の温度で行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記エステラーゼの量が発酵ブロス1L当たり100〜2000単位である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記エステラーゼ処理が10〜1440分間行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 天然ジェランガムの分子量と比較して10%未満減少した分子量を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により製造される部分的に脱アシル化されたジェランガムであって、多糖鎖の繰り返し単位の0%〜48%がアセテート残基を含む、部分的に脱アシル化されたジェランガム。
  9. 前記繰り返し単位の0%〜25%、好ましくは0.5%〜5%がアセテート残基を含む、請求項8に記載の部分的に脱アシル化されたジェランガム。
  10. 60〜85℃、好ましくは70〜80℃のゲル化温度を示す、請求項8又は9に記載の部分的に脱アシル化されたジェランガム。
  11. 飲料、ジャム、ゼリー、パンのフィリング、菓子、乳製品、デザートゲル、フロスティング、アイシング、グレーズ、低脂肪スプレッド、電子レンジ対応食品、焼き菓子、プリン、ソース及びドレッシング、構造化食品、及びトッピングからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の部分的に脱アシル化されたジェランガムを含む食品。
  12. 前記部分的に脱アシル化されたジェランガムの濃度が0.02〜2重量%である、請求項11に記載の食品。
  13. 錠剤、カプセル、ゲル、クリーム、及びローションからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の部分的に脱アシル化されたジェランガムを含む医薬製剤。
  14. 前記部分的に脱アシル化されたジェランガムの濃度が0.02〜2重量%である、請求項13に記載の医薬製剤。
  15. 練り歯磨き、液体石鹸、シャンプー、シャワージェル、クリーム、ボディローション、ボディジェル、及びデオドラントジェルからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の部分的に脱アシル化されたジェランガムを含むパーソナルケア製品。
  16. 前記部分的に脱アシル化されたジェランガムの濃度が0.02〜2重量%である、請求項15に記載のパーソナルケア製品。
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