JP2002515457A - 腫瘍治療のための併用療法 - Google Patents

腫瘍治療のための併用療法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ガストリン依存性腫瘍を治療するための併用療法に関する。本方法は、化学療法薬、例えば5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの投与と組合せた抗ガストリン(17)免疫原性組成物による患者の免疫感作を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [技術分野] 本発明は、5−フルオロウラシル誘導体およびロイコボリンを適用する化学療
法と組合せて、増殖刺激ペプチドホルモンを免疫学的に中和することにより増殖
を抑制するための腫瘍療法に関する。
【0002】 [発明の背景] ガストリンは、2つの成熟形態、即ちテトラトリアコンタガストリン(G34
)およびヘプタデカガストリン(G17)で生じるペプチドホルモンであり、胃
幽門洞に位置する特殊細胞であるG細胞により合成され、分泌される。ガストリ
ン産生細胞では、これらのガストリンホルモンは、単一ペプチドを含有する「プ
レプロガストリン」と呼ばれる共通の前駆体分子から翻訳後プロセッシングされ
る。シグナルペプチド「pre」は、細胞の小胞体中で取り出されて、「プロガス
トリン」ペプチドを生じるが、これは次に細胞中でさらに処理されて、成熟ガス
トリンG34およびG17を産生し、これはその後、血流中に分泌される(Dick
inson 1991)(本明細書中に引用される参考文献に関する全引用は、参考文献の
項で提示される)。G34およびG17の両成熟形態は、それれらのカルボキシ
末端でアミド化される(−NH2)。ヒトでは、前駆体分子の異なるプロセッシ
ングに起因し、その各々が異なる生物学的活性を有するG17の多型が見出され
ている(Dickinson 1995およびCiccotosto et al., 1995)。ガストリンの翻訳
後プロセッシングにおいては、それは、ペプチドのカルボキシ末端を介して特定
の細胞受容体、いわゆるCCK−B/ガストリン受容体と結合する「成熟」カル
ボキシアミド化形態である(Kopin et al., 1992)。
【0003】 ガストリンホルモンは循環血液中に分泌されて、胃酸排出量に間接的または直
接的に影響を及ぼす胃の特定の細胞、即ちエンテロクロマフィン様(ECL)細
胞および壁細胞と結合する。歴史的には、両ガストリンホルモンは、胃酸分泌の
刺激に関連していた(Edkins, J.S.1905)。近年、ガストリンが消化管内で栄養
因子としても作用する(Johnson, L. 1997)ことを、そしてそれが胃腸癌(Wats
on et al., 1989, Dickinson, C.J.1995)、ならびに非胃腸癌、例えば肺の小細
胞癌(Rehfeld et al. 1989)の増殖を促進することを示す証拠が蓄積されてい
る。
【0004】 結腸直腸、胃、膵臓および肝細胞腺癌を含めた数種類の腫瘍は、それらの形質
膜中にCCK−B/ガストリン受容体を保有し、そして腫瘍細胞はガストリンと
反応して、強力な細胞増殖を伴う(Rehfeld, J.F. 1972, Upp et al. 1989 およ
び Watson et al. 1993)。総ガストリンの血漿レベルの増大は結腸直腸癌患者
で起こり、そして特に、ホルモン前駆体プロガストリンの量の増大は、ガストリ
ン抗血清を用いて多数の結腸直腸腫瘍患者で検出されている(Ciccotosto et al
. 1995)。さらに近年、多数のこれらの癌細胞はガストリンも分泌し、したがっ
て自律的増殖経路に影響を及ぼす、ということが発見された(Van-Solinge et a
l. 1993, Nemeth et al.1993およびSeva et al. 1994)。
【0005】 ペプチドホルモンG17およびG34は、正常細胞の細胞膜上でCCK−B/
ガストリン受容体と結合する。しかしながら、G17はガストリン依存性癌細胞
の増殖を刺激するが、しかしG34はそうではない、ということが判明している
。血清関連G17は特に、腫瘍細胞中のCCK−B/ガストリン受容体により媒
介される内分泌様式で結腸直腸腫瘍の増殖を刺激する能力を有する(Watson et
al. 1993)。G17は、他のガストリンホルモン種と比較した場合、腫瘍細胞に
おけるCCK−B/ガストリン受容体に対する親和性の増大が考えられるために
、結腸直腸腺癌の増殖を刺激するのに特に関連がある(Rehfeld 1972および1993
)。CCK−B/ガストリン受容体は、ヒトの主な結腸直腸腫瘍の56.7%に関し
て、高親和性で発現されることが判明した(Upp et al. 1989)。
【0006】 外因性内分泌ガストリンに応答することができる他に、ヒト胃および結腸直腸
腫瘍はガストリンおよびその前駆体を産生するということを多数の研究が示して
おり(Ciccotosto et al., 1995; Finley et al., 1993; Kochman et al., 1992
; Nemeth et al., 1993; Van Solinge et al., 1993)、したがってオートクラ
イン増殖刺激経路に作用する。腫瘍細胞中のガストリン産生は、内分泌G細胞の
場合とは異なる。特に、それらの腫瘍細胞は、低濃度の成熟ペプチドとともに、
高比率の前駆体プロガストリンを含有する。この異常比率は、ペプチジルグリシ
ンα−アミド化モノオキシゲナーゼの限定活性と組合されたガストリンの構成性
非調節放出によるものと仮定される(Ciccotosto et al., 1995; Kelly, 1985)
。したがって、ガストリンの非調節化放出は、異なる分子形態のホルモンの異常
産生および分泌をもたらす。特に、結腸癌細胞は、プロガストリンを効率よく処
理せず、成熟ペプチドへの前駆体ガストリンの低転化を生じ、したがって、ほと
んど不完全なまたは異常なガストリンを産生する(Dickinson 1993およびRehfel
d et al., 1993)。さらに、結腸直腸腫瘍中のガストリンレベルの増大は、一部
は、結腸直腸腫瘍細胞中のガストリン遺伝子の異常発現に帰せられる(Hoosein
et al., 1990; Baldwin et al., 1992およびFinley et al., 1993)。ガストリ
ン様ペプチドはこのような細胞中で同定されており(Hoosein et al., 1988; Wa
tson et al., 1991およびFinley et al., 1993)、そして、前駆体ガストリン種
であることが確定された(Van-Solinge et al., 1993およびNemeth et al., 199
3)。
【0007】 いくつかの結腸直腸癌におけるアミド化G17(G17−NH2)の存在(Cic
cotosto et al., 1995; Van Solinge et al., 1993)は、ガストリンアミド化が
分泌顆粒において起こるだけであるので、いくつかの腫瘍が無傷プロセッシング
経路を保持することを実証する(Varro et al., 1994)。結腸直腸細胞系の基礎
増殖は抗ガストリン抗体により阻害されることが示されたため、内因的に産生さ
れたガストリンは、オートクライン増殖因子としても作用する(Hoosein et al.
, 1988)。これは、ノーザンブロット分析が同一細胞系においてガストリンmR
NAを明示し、そしてラジオイムノアッセイが細胞培養上清中でガストリン様免
疫反応性を明示した二次試験において確証された(Hoosein et al., 1990)。ガ
ストリンペプチドは、悪性結腸直腸粘膜細胞の亜集団中でより優性であるガスト
リン免疫反応性を示す実験において確証された(Finley et al., 1993)パラク
リン的役割(Watson et al., 1991b)も保有する。
【0008】 G17がその受容体と結合すると、G17/受容体複合体が形成され、これは
細胞機能の調節に関する二次メッセンジャーにより細胞増殖を刺激する(Ullric
h et al., 1990)。G17のCCK−B/ガストリン受容体との結合は、ホスフ
ァチジルイノシトール分解の活性化、結果的に生じる細胞内カルシウムイオン濃
度の増大によるプロテインキナーゼC活性化、ならびに細胞増殖の調節に結びつ
けられた(Tadisco et al., 1995)マイトジェン活性化プロテインキナーゼを介
したc-fosおよびc-jun癌原遺伝子の誘導をもたらす。さらに、CCK−B/ガス
トリン受容体と結合するガストリンは、マイトジェン信号の伝達においてもある
役割を有し得るチロシンキナーゼpp125FADK(フォーカルアドヒージョンキナー
ゼ)によるリン酸化のその後の増大に関連した(Tanaguchi et al., 1994)。
【0009】 結腸直腸癌は、近年、生存率のわずかな改善が得られたに過ぎず、依然として
治療するのが難しい疾患である。手術は原発性疾患の有効な治療法であるが、し
かししばしば認められる残存性不顕性疾患に対しては有効でない。術後放射線療
法は一般に、疾患の再発の危険性を低減するために直腸癌患者に対して推奨され
る。5−フルオロウラシル(5−FU)による化学療法は、より進行した結腸直
腸癌患者における術後の最も伝統的有効療法であった。しかしながら、5−FU
療法は、高毒性であり、経費が掛かり、そして単独でまたは他の細胞毒性薬物と
組合せて生存を顕著に延長すると見られないために、患者に対する瑣末な利点が
示されただけである。ほとんどの場合、不顕性または手術不能性直腸結腸腫瘍は
化学療法または放射線に十分応答せず、目下の手法を補足するための新しい治療
法を必要とする。
【0010】 5−FUおよびロイコボリンを用いたアジュバント併用化学療法は、進行した
結腸直腸癌患者における5−FUの効能を改良するということを、近年、いくつ
かの研究が示している。ロイコボリンは、フォリン酸、シトロボラム因子または
5−ホルミル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸としても既知の葉酸誘導体で
ある。デュークス分類C段階患者において、5−FU/ロイコボリン併用療法は
死亡率を10〜15%低減し得る、ということを複数の研究が示している(Moertel
1994)。同一患者群において、5−FU/ロイコボリンを用いた併用静脈内およ
び腹腔内療法は、無疾患生存および全体的生存の利点に対する非有意の傾向を生
じた(Scheithauer et al., 1995)。進行した疾患では、同一薬剤の組合せは、
5−FU処置患者では7.5ヶ月であった(Petrioli et al., 1995)のに比し
て併用群の生存中央値は13.5ヶ月であったことが示されている生存の利点を
生じ得る(Taylor, 1993)。しかしながら、併用化学療法は有意の合併症出現頻
度を伴い、有害な副作用、例えば口内炎、下痢および骨髄抑制を引き起こして(
Mahood et al., 1991; Erlichman et al., 1988; Pietnelli et al., 1989)、
したがって、特に進行した疾患患者における生活の質が問題になる。
【0011】 多数の高親和性CCK−B/ガストリン受容体拮抗薬が、多数の実験的胃腸癌
においてin vitroおよびin vivoの両方で、療法的に評価されてきた。例えば、
グルタミン酸誘導体であるプログルミド(Seva et al., 190; Harrison et al.,
1990およびWatson et al., 1991a)、トリプトファンのN−アシル誘導体であ
るベンゾトリプト、アスペルシリンの誘導体であるL-365,260(Bock et al., 19
89)およびCCKのC末端ペンタペプチド配列を模倣する分子であるCI-988(Hu
ghes et al., 1990)は、in vitroおよびin vivoの両方で、胃腸腫瘍増殖に及ぼ
す外因性ガストリンの作用を有効に中和することが示されている(Watson et al
.およびRomani et al., 1994)。しかしながら、これらの拮抗薬は、正常細胞に
おけるG34およびCCKのような受容体のすべての考え得る配位子の作用を遮
断するので、重症有毒副作用を有し、特異性を欠く。近年、非常に有効且つ選択
的なCCK−B/ガストリン受容体拮抗薬、例えばYM022(Yuki et al., 1997)
およびYF476(Takinami et al., 1997)も記載されている。
【0012】 プログルミドおよびベンゾトリプトは、予備臨床試験で広範に査定されてきた
。これらの化合物に伴う主な問題点はそれらの効力の不足であって、G17を置
換するには相対的に高濃度を要する(Watson et al., 1992a; Watson et al., 1
992b)。これにもかかわらず、プログルミドおよびベンゾトリプトは、多数の細
胞系の基本的およびガストリン刺激性増殖を阻害した(Seva et al., 1990; Wat
son et al., 1991a)。さらに、プログルミドは、ガストリン感受性マウス結腸
腫瘍MC26を保有する異種移植マウスの生存を、対照動物の25日から処置動物にお
ける39日に増大した。
【0013】 ガストリン/CCK−B受容体に関するこの種類のガストリン拮抗薬の低特異
性により、増殖の阻害もガストリン受容体依存性作用により誘導されると考えら
れる。さらに、ガストリンを認識し、結合する細胞受容体は、試験したすべての
阻害剤を結合するわけではない(Seva et al., 1994)。したがって、受容体と
結合するガストリンの完全阻害がオートクライン増殖カスケードで起こらない場
合には、ガストリン拮抗薬は腫瘍増殖促進のこのメカニズムを遮断することがで
きない。
【0014】 したがって、それら自体の価値による適用様式として、または化学療法との併
用戦略のために、新規の療法アプローチが必要とされる。併用治療は、治療指数
を増強しおよび/または必要な化学療法の用量を低減する可能性を提供し、それ
により不利益な副作用を制限する。
【0015】 ガストリンホルモンの生物学的活性を選択的に免疫学的に中和する治療方法は
、結腸直腸癌に関連した過剰ガストリンホルモン産生に起因する病理学的変化を
制御または防止する有効な手段を提供する。
【0016】 同時譲渡米国特許第5,023,077号、第5,468,494号、第5,
607,676号、第5,609,870号および第5,622,702号は、
抗ガストリン抗体を生成することにより患者におけるG17およびG34レベル
を制御するのに有用な免疫原および免疫原性組成物を開示し、そして胃および十
二指腸潰瘍ならびにガストリン誘導性癌の治療のためのこのような組成物の使用
を開示する。本発明は、ガストリン依存性結腸直腸癌を治療するための化学療法
薬との併用療法における米国特許第5,023,077号、第5,468,49
4号、第5,607,676号、第5,609,870号および第5,662,
702号に開示された抗G17免疫原および免疫原性組成物の使用に関する。
【0017】 本明細書中に記載した癌治療の方法は、現在の結腸直腸癌治療方法を上回るい
くつかの利点を有する。抗G17免疫感作は、化学療法薬、例えば5−FUおよ
びロイコボリンと組合せると、化学療法単独を上回って、結腸直腸腫瘍増殖を制
御または抑制する場合の治療効果を増大する。
【0018】 [発明の概要] 本発明は、腫瘍を治療するための併用療法であって、化学療法と組合せて腫瘍
細胞分裂を促進するペプチドホルモンおよび因子を免疫学的に中和することを包
含する方法を提供する。特に、本発明は、ガストリン依存性癌、例えば結腸直腸
腺癌の治療方法を提供する。該方法は、治療が必要な患者の抗G17免疫感作を
、1つ又はそれ以上の化学療法薬の投与とともに含む併用療法を包含する。ガス
トリン依存性腫瘍を治療するための抗G17免疫感作は、使用される化学療法薬
の既知の骨髄抑制作用にもかかわらず、抗G17抗体の生成に意外にも有効であ
る。
【0019】 抗G17免疫感作は、患者のG17レベルを制御するために、ホルモンG17
に対する抗G17免疫原による患者の能動的または受動的免疫感作を包含する。
患者における抗G17抗体の誘導の結果、G17ホルモンはin vivoで中和され
、その生理学的作用は抑制され、それによりG17依存性腫瘍細胞増殖を抑制す
る。
【0020】 さらに、組合せに際して、患者を治療するのに必要な化学療法薬が低量であり、
それにより正常組織に及ぼすそれらの毒性作用が低下されるため、標準化学療法
と組合せた抗G17免疫感作の使用は、結腸直腸癌治療の効力を増大する。さら
に、患者の生活の質は改良され、彼の生存時間は延長される。
【0021】 好ましい実施形態では、本方法は、1つ又はそれ以上の化学療法薬、例えば5
−フルオロウラシル、ロイコボリン、レバミソール、シスプラチン、腫瘍壊死因
子およびプログルミドの投与と組合せた、抗G17免疫原によるガストリン依存
性腫瘍を保有する哺乳類の能動的免疫感作を包含する。抗G17免疫原は、治療
の開始時に、そして患者が必要とする場合のようなその後の時点で患者に投与さ
れ得る。免疫感作後に患者により産生される抗G17抗体は、その成熟アミド化
G17ならびにその前駆体形態、例えばG17−Glyをin vivoで結合し、中和し
、そしてG17のその受容体との結合を阻止して、それによりガストリン依存性
腫瘍細胞増殖を防止する。免疫感作患者により産生される抗G17抗体力価は、
標準技法を用いて予定間隔でモニタリングされ得る。さらに、化学療法薬は、標
準処方計画により指示されるように投与され得るし、あるいは低用量が患者が必
要とする場合に投与され得る。
【0022】 別の実施形態では、本発明はさらに、ガストリン依存性腫瘍の治療方法であっ
て、1つ又はそれ以上の化学療法薬、例えば5−フルオロウラシル、ロイコボリ
ン、レバミソール、シスプラチン、腫瘍壊死因子およびプログルミドと組合せた
、ガストリン依存性腫瘍を保有する患者の抗G17抗体による受動的免疫感作を
包含する方法を提供する。本発明のこの局面の好ましい実施形態では、抗体は、
当業界で周知の方法により産生され得るキメラ、ヒト化またはヒトモノクローナ
ル抗体であり得る。抗体は、治療の開始時に、そして患者が必要とする場合に初
期療法後のその後の間隔で、化学療法薬と一緒に投与され得る。
【0023】 [発明の詳しい説明] 本発明は、腫瘍、特にガストリン依存性結腸直腸癌に関連した腫瘍の併用療法
による治療方法であって、抗G17免疫原で患者を免疫感作し、そして化学療法
薬、例えば5−FUおよびロイコボリンで患者を処置することを包含する方法を
提供する。抗G17免疫感作/5−FU−ロイコボリン化学療法は、意外にも、
結腸直腸癌を治療する場合に、従来の療法よりも有効であることが判明した。併
用療法で有用な化学療法薬は、免疫感作患者における抗G17抗体産生を有意に
阻害せず、そして低用量の化学療法薬が腫瘍増殖を治療するために用いられ得る
。さらに、免疫感作により産生される抗G17抗体力価は、すべての形態のG1
7ホルモンを中和するのに有効である。
【0024】 好ましい実施形態では、上記方法は、化学療法薬を患者に投与することととも
に抗G17免疫原組成物を適用することによりガストリン依存性結腸直腸癌罹患
患者を能動的に免疫感作することを包含する。その後のブースター抗G17免疫
感作は、腫瘍の標準技法および標準放射線学的査定を用いた免疫感作後の患者の
血清抗G17抗体力価の分析により確定した時に、患者に必要であれば投与され
得る。抗G17免疫感作は、腫瘍手術前にも患者に提供され得る。
【0025】 抗G17免疫原は、免疫原の免疫模倣部分としてのG17のN末端アミノ酸の
天然または合成ペプチド断片を包含する。このペプチド断片は、免疫原キャリア
、例えばジフテリア毒素(DT)に接合される。本発明のこの局面の好ましい実
施形態では、ジフテリア毒素に接合された、pyroGlu−Gly−Pro−
Trp−Leu−Glu−Glu−Glu−Gluアミノ酸配列を有する抗G1
7免疫原は、位置1〜9からのG17のアミノ末端アミノ酸を包含する。その他
の適切な免疫原タンパク質キャリアとしては、ウシ血清アルブミン、カギアナカ
サガイヘモシアニン、ヘモシアニンおよび破傷風トキソイドが挙げられる。
【0026】 本発明の免疫原は、タンパク質キャリアから離れて免疫模倣ペプチドを突出さ
せるのに、そしてリンパ球受容体を結合するその能力を増強するのに適した延長
またはスペーサーペプチド配列も包含し得る。適切なスペーサーペプチド配列は
、アミノ酸配列SSPPPPC(配列表の配列番号2)である。しかしながら、
その他のスペーサーペプチドも同様に適している。本発明のこの局面の好ましい
実施形態では、好ましいスペーサー配列は、免疫模倣ペプチドのカルボキシ末端
に結合される。本発明の免疫原は標準技法により産生され、米国特許第5,02
3,077号、第5,468,494号、第5,607,676号、第5,60
9,870号、第5,688,506号および第5,662,702号に開示さ
れている(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。免疫感作後、
本発明の免疫原は、免疫感作動物における腫瘍増殖に及ぼすその成熟および前駆
体形態でのG17の作用を抑制するための高親和性中和抗体を産生する。産生さ
れた抗G17抗体は成熟および前駆体G17を結合し、中和して、それにより腫
瘍細胞上の受容体とのG17の結合を阻止し、最終的には腫瘍細胞増殖を抑制す
る。免疫原は、カルボキシ−アミド化およびグリシン−延長化G17の両方を中
和し、G34またはCCKとの交差反応性を示す抗体を生じる。
【0027】 その中の能動的免疫感作のための免疫原が患者のガストリン依存性腫瘍の治療
のために投与される組成物は、種々の形態であり得る。これらの例としては、例
えば固体、半固体および液体投与形態、例えば粉末、液体溶液、懸濁液、座薬、
ならびに注射用および注入用溶液が挙げられる。好ましい形態は、投与および療
法的適用の意図される方式によっている。上記組成物は、本発明の免疫原および
適切な製薬上許容可能な構成成分を包含し、そして標準手法を用いて混合され得
るその他の薬剤、担体、アジュバント、賦形剤等を含有し得る。好ましくは、上
記組成物は単位用量形態である。免疫感作のためにまたは薬剤として、一度にま
たは期間中に投与される活性化合物の量は、治療される被験者、投与の方法およ
び形態、ならびに処置する医者の判断による。
【0028】 0.001〜2mgの範囲の有効投与量の免疫原性組成物が、胃腸癌の治療の
ために患者に投与される。有効投与量の免疫原性組成物は、免疫感作の1〜3ヶ
月後に成熟および前駆体G17を結合し且つ中和するための有効レベルの抗体力
価の患者における免疫応答を引き出し得る。結腸直腸癌患者の免疫感作および例
えば5−FU/ロイコボリンによる化学療法薬治療後、腫瘍増殖に及ぼす療法の
有効性が、標準臨床手法、例えば超音波および磁気共鳴画像(MRI)により、
もしあれば、腫瘍の存在およびサイズを検出するために検定される。抗G17抗
体力価は、患者から採取された血液標本からもモニタリングされ得る。
【0029】 ブースター免疫感作は、有効抗体力価を保持する必要がある場合に投与される
必要がある。本方法によるガストリン依存性結腸直腸腺癌およびその他のガスト
リン依存性癌、例えば胃、肝臓、膵臓および肺の小細胞癌の有効な治療は、腫瘍
増殖の抑制および腫瘍サイズの低減をもたらすはずである。
【0030】 受動的免疫感作のためには、製薬上許容可能な担体、例えば生理食塩水溶液、
例えばリン酸緩衝化生理食塩水を用いて、抗G17抗体が患者に静脈内投与され
る。
【0031】 化学療法薬は標準処方計画で推奨される用量で投与され、免疫感作前または後
に、抗G17免疫原と同時に治療の開始時に投与され得る。いくつかの場合には
、免疫感作の前後両方で化学療法薬を投与するのが有益であり得る。その後の化
学療法処置は、MRIおよび超音波画像による評価後に患者が必要とする場合に
も投与され得る。
【0032】 以下の実施例は、結腸直腸癌に及ぼす本発明の併用療法の効果を実証するよう
意図される。
【0033】 実施例1 抗G17(1−9)−DTにより提供される考え得る臨床的利点を確定するた
めに、以下の実施例を実行した。この試験の目的を以下に示す: (a)ラットGI管の組織学的外観に及ぼす特異的ラット抗G17(1−9)
−DT免疫感作の長期作用を確定すること、 (b)抗G17(1−9)−DTにより生じる抗体力価に及ぼす5−FU/ロ
イコボリン組合せの作用を評価すること、そして (c)ラット結腸モデルに及ぼす抗G17(1−9)−DTおよび5−FU/
ロイコボリン組合せの治療効果を確定すること。
【0034】 細胞系 DHDK12はラット結腸上皮腫瘍細胞系である(Martin, 1983)。細胞系は
、37℃および5%CO2で湿潤条件で10%ウシ胎児血清(FCS、Sigma, Po
ole, UK)を含有するRPMI 1640増殖培地(Gibco, Paisley, Scotland)中に保持
した。
【0035】 免疫原 抗G17(1−9)−DT免疫原は、カルボキシ末端を介してペプチドスペー
サーSSPPPPC(配列表の配列番号1)に連結され、これが次にDTに接合
されるG17のアミノ酸残基1〜9から成る。これらの試験に用いられる免疫原
は、ペプチドスペーサーを介してジフテリア毒素(DT)に連結されたラットG
17のアミノ末端9アミノ酸でヒトG17エピトープを置換することにより、ラ
ットG17に特異性にした。ラット抗G17(1−9)−DTにより生じた抗血
清を、抗ラットG17(1−9)−DTと表示した。
【0036】 実験動物 雌雄のBDIXラットは、Cancer Studies Unit, University of Nottingham, UK
により提供され、6〜10週齢、体重340〜420gであった。ラットはつが
いで収容し、25℃で湿度50%で明暗各12時間のサイクルで保持した。
【0037】 各実験の前に、体重分布を均等化するよう動物をグループ分けした。グループ
の大きさは、6〜13匹の動物の範囲であった。全動物実験を通して、UK Coord
inating Committee for Cancer Research(UKCCCR)ガイドラインを固守した。
【0038】 免疫感作手法 ラット抗G17(1−9)−DTを滅菌生理食塩水(0.9%)、pH7.3
中に溶解して、1mg/mlとした。アジュバントであるノルムラミルジペプチ
ド(Peninsula Labs., Belmont, CA, USA)を接合溶液に付加して、最終接合濃
度を200〜500μg/mlとした。乳化により1:2の割合(v/v)で油
性ビヒクル(モンタニドISA 703; AMS Seppic Inc., Paris, France)を用いて
、水性溶液を処方した。三方ストップコックを介して第二注射器に取り付けられ
たガラス注射器中に入れた後、混合物を注射器で40回前後に引いて、エマルシ
ョンを生成した。DTペプチドおよびムラミルジペプチドを含有するエマルショ
ンを、対照ラット用に同様に処方した。200μl容量のエマルション(50μ
g/ラット)を皮下注射した(実験動物の右手側腹部)。下記に詳述するように
、1回または21日間隔で反復して、動物を免疫感作した。
【0039】 細胞毒性治療計画 ラットは、1、3および5日目に静脈内(iv)投与した12.5および25
mg/kgの5−フルオロウラシル(5−FU、David Bull Labs., Warwick, U
K)および12.5〜25mg/kgのロイコボリン(Lederle Labs, Gosport,
Hants, UK)を摂取したが、このサイクルは試験期間中4週間おきに反復した(A
sao, 1992)。抗G17(1−9)−DT免疫感作(200μg/ml)の前ま
たは後に、細胞毒性組合せをラットに投与した。
【0040】 腫瘍増殖の開始 DHDK12細胞を、2.5x107/mlの細胞濃度で滅菌リン酸緩衝化系
(PBS、Oxoid, Hants, UK)中に懸濁した。ヒプノルム(Hypnorm)(0.315 n
g/mlフェナタニルシトレートおよび10mg/mlフルアニソン;Jannsen, Ber
rse, Belgium)、ヒプノベル(Hypnovel)(5ng/mlミダゾラム、Roche, B
asel, Switzerland)および滅菌蒸留水の1:1:5の比率での1ml腹腔内注射
により、ラットを麻酔した。右側腹部を皮下(sc)切開後、200μl容量の細
胞懸濁液を腹壁の筋層中に注入し、創傷クリップにより外科的切開部を閉じた。
各実験群は、6〜13匹の動物で構成された。
【0041】 ラット抗G17(1−9)−DT免疫感作ラットの特異的抗体レベルの確定 分析用の血液標本を得るために、実験中の種々の時点で、および末期麻酔下で
の心臓穿刺による最期に、ラットの尾から採血した。酵素結合イムノソルベント
検定(ELISA)により、血清抗ラットG17抗体レベルを確定した。ラット
G17−ウシ血清アルブミン(BSA)接合体を0.1 Mグリシン緩衝液(pH9.5
)中に溶解して2μg/mlとし、25μl/ウエルを96ウエルImmunulon U
プレート(Dynatech Labs., Sussex, UK)に入れた。ウエルを4℃で一夜インキ
ュベートし、その後、非吸着化接合体を払い落として、ウエルを緩衝液(0.9
%食塩水、0.5%トゥイーン20[Sigma]、0.02%NaN3[Si
gma]、pH7.3)で洗浄した。この緩衝液は全洗浄工程および試薬稀釈の
ために使用した。血清を、1:100の稀釈で開始する10倍連続稀釈で処理し
た。陽性対照は、予め免疫感作した動物からのラット抗−ラットG17(1−9
)−DT抗血清で、陰性対照は正常ラット血清であって、血清はDTのみで免疫
感作されたラットからであった。対照血清はすべて、試験血清と同一稀釈で用い
た。100μg/mlでの25μl/ウエルラットG17−BSA(可溶性阻害
剤として)の存在下または非存在下で25μlアリコート中でウエルに稀釈血清
を付加した。ベースライン対照ウエルは、25μl検定緩衝液のみを摂取した。
プレートを室温で60分間インキュベート後、検定緩衝液で洗浄した。ヤギ抗ラ
ット免疫グロブリン(H+L)−ビオチン(Zymed, San Francisco, CA, USA)
を1:500稀釈50μl/ウエルでウエルに付加し、室温で暗所で60分間イ
ンキュベートした。洗浄後、アビジン−アルカリ性ホスファターゼ(Zymed)1
:100稀釈液を付加(50μl/ウエル)し、プレートを室温で60分間イン
キュベートした。さらに洗浄後、p−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)
基質(Sigma)を50μl/ウエルでウエルに付加し、5分間の現像時間後、吸
光度を405nmで読み取った。未処理血清とラットG17−BSAで同時イン
キュベートした血清との間の吸光度の差を、特異的吸光度として算出した。
【0042】 白血球数の確定 ラットからのヘパリン処理血液を、実験中は尾からの採血により、そして実験
終了時は心臓穿刺により、収集した。白血球数を、Hematology Department at t
he University Hospital, Nottinghamにより、FACスキャンを用いて分析した
【0043】 組織学 長期抗G17(1−9)−DT免疫感作ラットの最期に、免疫感作ラットおよ
び年齢適合対照からの胃、結腸および直腸の代表的領域を切り出して、ホルマリ
ン固定した。次に切片をパラフィン包埋し、ミクロトームを用いて4μm切片を
切断した。これらを、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、処理群について
の知識を持たない組織病理学者が評価した。
【0044】 陰窩細胞増殖速度 動物の最期の1時間前に、ビンクリスチン(2mg/kg、Sigma)を腹
腔内注射して、結腸上皮に中期分裂停止を誘導した後、結腸陰窩細胞増殖(CC
PR)を査定した。陰窩当たりの中期の細胞数を計数した。結腸および直腸を各
ラットから取り出して、縦軸方向に開き、各々からの粘膜をカルノワ溶液中に固
定した。陰窩を解剖顕微鏡下で静かに縦方向に押し潰し、中期の細胞数を数えた
(倍率25倍)。
【0045】 統計分析 IBM PCに関するSPSS統計パッケージの使用によるMann Whitney非パラメーター
検定により、in vivo結果を分析した。
【0046】 長期抗G17(1−9)−DT試験 前記のようなラット抗G17(1−9)−DT免疫原で5匹の雄ラットを免疫
感作し、1回免疫感作後34週間の期間、それらの抗体力価を測定した。この時
点で、ラット抗G17(1−9)−DTの二次注射でラットを追加免疫した。結
果を図1に示す。図1は、500μg/mlのラット抗G17−(1−9)−D
Tで免疫感作したラットからの抗体力価の免疫感作後40週間までの時間尺度を
示す。血清の1:100稀釈を用いた前記のようなELISA検定により、抗体
力価を測定した。免疫感作を、矢印で示す。一次免疫感作後、5匹のラットのう
ちの4匹がラット抗G17(1−9)−DT免疫原に応答した。この1回注射後
、5匹のうち3匹で7週目までに、5匹のうち4匹で9週目までに、抗体が検出
可能であった。抗体のこの初期波後に15〜20週間二次波が続き、その後、抗体力
価は着実に減少して、34週までにゼロに近づいた。この時点で、図1は、ラット
抗G17(1−9)−DTによる二次免疫感作後に、すべてのラットが免疫感作
後1〜2週間以内に検出可能な抗ラットG17抗体力価を有したことも示す。
【0047】 実施例2 長期抗G17(1−9)−DT−免疫感作ラットの組織学的分析 胃、結腸および直腸からの検体を、実施例1に記載したようなヘマトキシリン
およびエオシン染色後に組織学的に評価した。これらを、年齢および性適合対照
ラットからの検体と比較した。評価したGI管の全領域が、繊毛の長さ/陰窩/
粘膜高に関して、抗G17(1−9)−DT−処置および年齢適合対照ラットの
場合と同一であった。胃においては、エンテロクロマフィン様(ECL)細胞は
、2つの被験動物群において、数および外観が同様であった。しかしながら、抗
G17(1−9)−DT−処置ラット胃粘膜中のG細胞の顆粒化の何らかの証拠
が認められた。
【0048】 実施例3 長期抗G17(1−9)−DT−免疫感作ラットからの結腸上皮の陰窩細胞増殖
速度(CCPR) 前記と同様に、結腸上皮のCCPRおよび抗ラットG17抗体力価を分析した
。表1は、CCPRを抗ラットG17抗体力価と比較する、評価した5匹のラッ
トのうちの4匹から得られた結果を示す。対照ラットに関する平均CCPRは18
.93(標準偏差3.2)であり、抗G17(1−9)−DT−免疫感作ラットに関し
ては23.7(標準偏差7.9)であった。抗G17(1−9)−DT−免疫感作ラッ
トと年齢適合対照ラットとの間のCCPRには、統計学的差は認められなかった
。これらの結果は、結腸上皮における陰窩細胞分裂速度が対照および抗G17(
1−9)DT免疫感作ラットに関して同一であることを示す。
【0049】
【表1】 抗ラットG17:DT抗体力価と結腸の陰窩細胞増殖との比較
【0050】 実施例4 ラット抗G17(1−9)−DTにより生じた抗体レベルに及ぼす前−および
後細胞毒性処理の効果 抗G17(1−9)−DT免疫感作の前または後に、実施例1に記載したよう
に30 mg/kgでラットに1:1比の5−FU/ロイコボリンを静注した。
各群は、各群につき雄6匹および雌6匹で構成され、1:100稀釈の血清を用
いたELISA技法により平均抗体力価を測定した。各ラットにおける抗体レベ
ルは、実施例1で記載したような血液標本から測定した。
【0051】 図2は、抗G17(1−9)−DT免疫感作(500μg/ml)により生じ
た抗体力価に及ぼす30 mg/kgの5−FU/ロイコボリン周期による前お
よび後細胞毒性処理の効果を示す。図中、データを以下のように表す:――□―
―非細胞毒性、7免疫感作;――◆――2免疫感作後4細胞毒性処理;――○―
―1免疫感作後4細胞毒性処理;――△――1細胞毒性処理後4免疫感作(免疫
感作中2細胞毒性処理);――田――2細胞毒性処理後4免疫感作;――☆――
3細胞毒性処理後3免疫感作および――●――4細胞毒性処理後2免疫感作。
【0052】 図2は、雌6匹および雄6匹/群の平均を示す。標準偏差は平均の約10%であ
った。非処理抗G17(1−9)DT免疫感作ラットと比較した場合、達成され
た抗体レベルまたはそれらのレベルを達成するのに要した時間のいずれかにおけ
る細胞毒性5−FU/ロイコボリン組合せを用いた前処理により抗体力価に及ぼ
される有意の作用は、認められなかった。評価した最大数の処理周期は、4細胞
毒性処理周期とその後の2免疫感作であった。
【0053】 図3は、BDIXラットにおける平均白血球(WBC)数に及ぼす処理の効果を
示す。
【0054】 平均白血球(WBC)数に及ぼす4細胞毒性処理後2免疫感作を受けたBDI
Xラットにおける30mg/kgの5−FU/ロイコボリンによる細胞毒性処置
の効果を、図3に示す。図に示したように、細胞毒性処理後に、評価した代表的
ラットにおいてWBC数の有意の低減が認められた(p<0.005、スチューデント
t検定)。数は細胞毒性処理の回数により低減したが、これは何らかの骨髄抑制
を示す。しかしながら、図2に示したような、ラットにより産生された抗G17
(1−9)−DTに対する抗体応答に及ぼす作用は認められなかった。
【0055】 実施例5 DHDK 12腫瘍のin vivo増殖に及ぼす5−FUロイコボリンおよび抗−G17(
1−9)−DTの併用療法の効果 BDIXラットの腹壁の筋層におけるラット結腸腫瘍DHDK 12細胞系の増殖に及ぼ
す5−FUロイコボリン(12.5〜30mg/kg)およびラット抗−G17
(1−9)−DT(200μg/ml)の併用療法の作用を、前記実施例に記載
したような対照動物における腫瘍との比較により、検査した。療法終了時に、標
準手法を用いて、ラットを屠殺し、それらの腫瘍を切り出して、計量した。各群
は、雌雄の10〜12匹/群で構成された。中央値腫瘍重量は、カラム上の四分
位数間領域で示される。実施例1と同様のMann Whitley U非パラメーター検定に
より、統計学的査定を実施した。
【0056】 図4および5は、腹壁の筋層中にDHDK 12腫瘍細胞を移植したBDIXラットから
の中央値最終腫瘍重量に及ぼす抗G17(1−9)−DT免疫感作の効果をを示
す。この移植経路は、循環中に施された療法を受容可能な十分血管化した腫瘍を
生じる(Watson, 1996)。ラット抗17(1−9)−DTは、500μg/ml
の用量で投与された場合、最終DHDK 12腫瘍重量を56.5%抑制することが従
来示されている(Watson, 1996)。本実験では、5−FU/ロイコボリンを用い
た併用療法のあらゆる利点を検出するために、抗G17(1−9)−DT用量を
200μg/mlに落とし、これが、図4に示したような25.7%の腫瘍増殖
の有意の抑制を生じた。図4は、非処置対照ラット、抗G17(1−9)−DT
免疫感作ラットおよびDT免疫感作ラットから切り出した腫瘍からのデータを示
す。50日後、非処置ラットは4.43gの中央値腫瘍重量を有した。DT免疫
感作は、4.7gの中央値腫瘍重量を生じ、これは非処置ラットの腫瘍重量と有
意に異ならなかったが、しかし抗G17(1−9)−DT免疫感作ラットの中央
値腫瘍重量より有意に大きかった(3.49g、p=0.034、Mann Whitney
)。
【0057】 図5は、30mg/kgで投与された5−FU/ロイコボリン単独が腫瘍重量
を1.01gの中央値に有意に低減したことを示す(非処置対照ラットと比較し
た場合、p=0.0106)。同一細胞毒性用量の5−FU/ロイコボリンをD
T免疫感作と一緒に用いてラットを処置した場合、中央値腫瘍重量は有意に異な
らなかった(0.945g)。
【0058】 30mg/kgの5−FU/ロイコボリンとラット抗G17(1−9)−DT
免疫感作の組合せは、0.68gの中央値腫瘍重量を生じ、これは5−FU/ロ
イコボリン/DT処置群と有意に異ならなかった(p=0.27)。25mg/
kgの5−FU/ロイコボリンとDT免疫感作との組合せは、0.96gの中央
値腫瘍重量を生じ、これに比して抗G17(1−9)−DT免疫感作と5−FU
/ロイコボリンとの併用療法における平均腫瘍重量は0.68gで、これは有意
ではなかった(p=0.409)。5−FU/ロイコボリン用量を20mg/k
gに低減した場合、5−FU/ロイコボリン/DT免疫原併用は、1.23gの
中央値腫瘍重量を生じた。中央値腫瘍重量は、20mg/kgの5−FU/ロイ
コボリンを抗G17(1−9)DT免疫感作と組合せた場合、0.71gに有意
に低減された(p=0.027,Mann Whitney)。
【0059】 最後に、図5は、12.5mg/kgの5−FU/ロイコボリン用量を抗G1
7(1−9)−DT免疫感作と組合せると(p=0.015,Mann Whitney)、
中央値腫瘍重量を1.34gから0.41gに低減することも示す。5−FU/
ロイコボリン−抗G17(1−9)DT組合せを比較したが、12.5、20ま
たは30mg/kgの5−FU/ロイコボリンと組合せて投与された抗G17(
1−9)−DT間に統計学的有意差は存在しなかった。
【0060】 進行した癌状態における5−FU/ロイコボリンとの、特にアジュバント療法
処理設定との併用化学療法に関して示された限定利点により(Moertel, 1994; S
cheithauer, 1995; Taylor, 1993; Petrioli, 1995)、治療指数を増強する(そ
しておそらくは化学療法用量を限界毒性に低減する)ために、または化学療法が
有効でない場合には二次系列処置として、新規の治療法が、5−FU/ロイコボ
リンとともに施される必要があり得る。したがって、新規の治療はこのような使
用に対して受容可能でなければならない。化学療法と併用する免疫療法的方法は
、例えば5−FU/ロイコボリンを用いた場合に観察されるような化学療法薬に
関連した骨髄抑制のために、問題であると今までは考えられた(Mahood, 1991)
。しかしながら、本研究では、最大耐容用量で、Asao等にしたがって投与した3
0mg/kgの5−FU/ロイコボリン組合せを用いて誘発されたラットの骨髄
抑制は、抗G17(1−9)−DT免疫原による免疫感作後の抗ラットG17:
DT抗体力価のレベルおよびそれを達成するための時間に影響を及ぼさなかった
【0061】 5−FU/ロイコボリンを抗G17(1−9)−DTと組合せて用いる療法試
験では、20mg/kgおよび12.5mg/kg投与量の相乗作用が達成され
た。20mg/kg用量は、抗G17(1−9)−DTと組合せた場合の最大耐
容用量と同様に有効であり、12.5mg/kg用量はより大きい治療効果傾向
を示した。後者の傾向の理由は分からないが、しかし高用量レベルより低い程度
に免疫系に影響を及ぼす細胞毒性用量によると思われ、これが腫瘍に対する全身
的炎症応答を補佐し得る。連続周期で投与される5−FU/ロイコボリンは、用
量を1mg/kgに低下させると腫瘍増殖の抑制を発揮しないことが判明してい
るので、腫瘍増殖に「オールオアナッシング」作用を発揮すると思われる。毒性
周期の回数を低減することにより、治療効果をより徐々に滴定し得る(Watson,
私信)。したがって、本発明による組合せでは、通常より低い用量の5−FU/
ロイコボリンが投与され、したがって免疫系は最小度に影響を受けるだけである
ため、薬剤の副作用が低減される一方、同時に、腫瘍細胞の有効な殺害が、本発
明の組合せを用いて達成され得る。したがって、抗G17(1−9)−DT免疫
感作の増殖抑制効果は増強される。併用療法のこれらの特徴は、化学療法薬それ
自体の骨髄抑制作用の点で、予期せぬ且つ驚くべきものである。
【0062】 さらに、宿主に及ぼす有害作用の非存在により、抗G17(1−9)−DT免
疫感作は、1回免疫感作を受けているラットにおいて測定可能抗体レベルが認め
られる時間の長さによって示されるような長期治療であると思われる。一次免疫
感作は、抗ガストリン抗体誘導に関して80%有効であることが示され、二次免
疫感作後は100%有効で、抗体レベルが直ちに上昇した。化学療法の相乗作用
は1回抗G17(1−9)−DT注射により達成され得るが、ほとんどの宿主に
おいては、抗G17(1−9)−DT免疫感作の特徴である副作用の非存在およ
び追加免疫後の宿主応答は、多注射処方計画が望ましいことを示す。抗ラットG
17抗体が循環中に残存した時間の長さにかかわらず、簡易組織学的査定により
確定した場合のGI管に及ぼす長期有害作用は認められないようであった。さら
に、結腸における粘膜細胞の陰窩細胞増殖指数は、それらの増殖に及ぼす有意の
作用を明示しなかった。
【0063】 実施例6 5−FU/ロイコボリンおよび抗G17(1−9)−DTの併用療法によるヒ
ト結腸癌患者の治療 抗G17(1−9)−DT免疫感作単独は、ガストリン依存性癌の治療におけ
る有益且つ安全な治療的選択肢であることが従来示されてきた。抗G17免疫原
の5−FU/ロイコボリンとの本発明の組合せは、癌治療、特に結腸癌治療の効
力を増強し、そして組合せに必要な化学療法薬の投与量の考え得る低減はここで
用いる場合の化学療法薬のいずれかの有害細胞毒性副作用を低減するはずである
。免疫原と化学療法薬との本発明の組合せは、化学療法単独に応答しない患者に
おける二次系統療法としても有用であり得る。
【0064】 ヒト結腸直腸腫瘍または結腸癌患者は、化学療法と免疫療法の組合せにより治
療される。
【0065】 特にガストリン応答性結腸直腸腫瘍または結腸癌患者に関しては、5−FU/
ロイコボリンと抗G17免疫原組成物または抗G17抗体の併用投与で治療され
得る。
【0066】 特に、好ましい免疫療法は、免疫応答をさらに刺激するためにアジュバントを
含有し得る製薬上許容可能な担体中にアミノ末端G17(1−9)ペプチド:D
T接合体を包含する免疫原性組成物を提供する。
【0067】 好ましい免疫療法計画は、臨床的考察によって、化学療法経過の前、最中また
は後に開始し得る。例えば、大腫瘍荷重を有する患者では、腫瘍嵩を低減するた
めに数回の化学療法で開始し、次に免疫療法を開始するのが有益であり得る。
【0068】 あるいは、小腫瘍荷重を有するかまたは治効性手術後の患者では、免疫療法は
化学療法の前または最中に開始され得る。
【0069】 能動的免疫感作用量は、患者の免疫状態(または免疫応答能力)によって、3
00μg〜1200μgまでの抗G17免疫原の範囲であり得る。注射間隔は、
1、7および14日目、または1、14および21日目、または1、14日目、
次に28および56日目であり得る。スケジュールはすべて、同様の抗体力価を
生じ得る。免疫感作のスケジュール促進は、免疫応答のより早い開始の可能性を
提供する。
【0070】 抗ガストリン療法の好ましい方法は、使用されるプロトコールとは関係なく、
初期免疫感作期間後6ヶ月毎に追加免疫量が投与されるということを提供する。
【0071】 G17、GlyG17およびG17NH2の有効中和のためのさらに別の好ましい
方法は、好ましくは精製形態での、抗G17抗体による受動的免疫感作を提供す
る。特に、10〜1000μgの抗G17(1−9)抗体の接種は、ガストリン
活性の制御のために、化学療法周期の前、最中および/または後に施される。受
動的免疫感作は、毎日、毎週または隔週に投与され得る。その他のプロトコール
は、治療の効力によって、後に続き得る。
【0072】 治療のさらに別の組合せは、前記のような第1回のサイクルの化学療法とその
後の能動免疫感作の前および/または最中に初回受動的免疫感作を提供する。
【0073】 多数の化学療法計画が採用されている。本明細書に記載されていないがしかし
これらの業界で認識された計画は、本発明の併用治療から排除されない。好まし
い一化学療法計画は、4週間までの期間当たり1〜5日間、ロイコボリン(葉酸
、FA、20mg/m2)のi.v.注入を伴う5−FUi.v.ボーラス投与を提供す
る。
【0074】 別の好ましい計画は、2時間の期間に亘る200mg/m2のFAとその後の
2週間の期間中の1または2日の22時間に亘る400mg/m2の5−FUi.v.
ボーラス投与+600mg/m2の5FUを提供する。
【0075】 さらに別の好ましい計画は、4〜6週間の250〜300mg/m2での5F
Uの毎日連続i.v.注入とその後の2週間の休止を提供する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 500μg/mlのラット抗G17−(1−9)−DT免疫原で免疫感作した
ラットの免疫感作後の血清抗体力価の時間尺度を示すグラフである。
【図2】 本発明の免疫原で免疫感作されたラットで得られた抗G17(1−9)抗体力
価に及ぼす30mg/kg用量の5−FU/ロイコボリン処置の作用を示すグラ
フである。
【図3】 BDIXラットにおける平均白血球数に及ぼす30mg/kgの5−FU/ロ
イコボリンの処置周期の作用を示すスキャッチャードプロットである。
【図4】 未処置、抗G17(1−9)DT処置およびDT処置ラットの中央値腫瘍重量
を示す棒グラフである。
【図5】 30mg/kgの5−FU/ロイコボリン、30mg/kgの5−FU/ロイ
コボリンとDT免疫原、30mg/kgの5−FU/ロイコボリンと抗G17(
1−9)−DT、25mg/kgの5−FU/ロイコボリンとDT免疫原、25
mg/kgの5−FU/ロイコボリンと抗G17(1−9)DT、20mg/k
gの5−FU/ロイコボリンとDT免疫原、20mg/kgの5−FU/ロイコ
ボリンと抗G17(1−9)DT、12.5mg/kgの5−FU/ロイコボリ
ンとDT免疫原ならびに12.5mg/kgの5−FU/ロイコボリンと抗G1
7(1−9)DTで処置されたラットの中央値腫瘍重量を示す棒グラフである。
【参考文献】
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月6日(2000.6.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1記載の組合せの製造のための使用
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月16日(2001.7.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 G17がその受容体と結合すると、G17/受容体複合体が形成され、これは
細胞機能の調節に関する二次メッセンジャーにより細胞増殖を刺激する(Ullric
h et al., 1990)。G17のCCK−B/ガストリン受容体との結合は、ホスフ
ァチジルイノシトール分解の活性化、結果的に生じる細胞内カルシウムイオン濃
度の増大によるプロテインキナーゼC活性化、ならびに細胞増殖の調節に結びつ
けられた(Todisco et al., 1995)マイトジェン活性化プロテインキナーゼを介
したc-fosおよびc-jun癌原遺伝子の誘導をもたらす。さらに、CCK−B/ガス
トリン受容体と結合するガストリンは、マイトジェン信号の伝達においてもある
役割を有し得るチロシンキナーゼpp125FADK(フォーカルアドヒージョンキナー
ゼ)によるリン酸化のその後の増大に関連した(Tanaguchi et al., 1994)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 多数の高親和性CCK−B/ガストリン受容体拮抗薬が、多数の実験的胃腸癌
においてin vitroおよびin vivoの両方で、療法的に評価されてきた。例えば、
グルタミン酸誘導体であるプログルミド(Seva et al., 1900; Harrison et al.
, 1990およびWatson et al., 1991a)、トリプトファンのN−アシル誘導体であ
るベンゾトリプト、アスペルシリンの誘導体であるL-365,260(Bock et al., 19
89)およびCCKのC末端ペンタペプチド配列を模倣する分子であるCI-988(Hu
ghes et al., 1990)は、in vitroおよびin vivoの両方で、胃腸腫瘍増殖に及ぼ
す外因性ガストリンの作用を有効に中和することが示されている(Watson et al
.およびRomani et al., 1994)。しかしながら、これらの拮抗薬は、正常細胞に
おけるG34およびCCKのような受容体のすべての考え得る配位子の作用を遮
断するので、重症有毒副作用を有し、特異性を欠く。近年、非常に有効且つ選択
的なCCK−B/ガストリン受容体拮抗薬、例えばYM022(Yuki et al., 1997)
およびYF476(Takinami et al., 1997)も記載されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 500μg/mlのラット抗G17−(1−9)−DT免疫原で免疫感作した
ラットの免疫感作後の血清抗体力価の時間尺度を示すグラフである。
【図2】 本発明の免疫原で免疫感作されたラットで得られた抗G17(1−9)抗体力
価に及ぼす30mg/kg用量の5−FU/ロイコボリン処置の作用を示すグラ
フである。
【図3】 BDIXラットにおける平均白血球数に及ぼす30mg/kgの5−FU/ロ
イコボリンの処置周期の作用を示すスキャッチャードプロットである。
【図4】 未処置、抗G17(1−9)DT処置およびDT処置ラットの中央値腫瘍重量
を示す棒グラフである。
【図5】 30mg/kgの5−FU/ロイコボリン、30mg/kgの5−FU/ロイ
コボリンとDT免疫原、30mg/kgの5−FU/ロイコボリンと抗G17(
1−9)−DT、25mg/kgの5−FU/ロイコボリンとDT免疫原、25
mg/kgの5−FU/ロイコボリンと抗G17(1−9)DT、20mg/k
gの5−FU/ロイコボリンとDT免疫原、20mg/kgの5−FU/ロイコ
ボリンと抗G17(1−9)DT、12.5mg/kgの5−FU/ロイコボリ
ンとDT免疫原ならびに12.5mg/kgの5−FU/ロイコボリンと抗G1
7(1−9)DTで処置されたラットの中央値腫瘍重量を示す棒グラフである。
【参考文献】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/06 A61K 45/06 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 121 43/00 121 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 カール,スティーヴン,エル. アメリカ合衆国 95616 カリフォルニア, デイヴィス,ハルシー サークル 2265 (72)発明者 ワトソン,スーザン,エー. イギリス国 エヌジー2 6アールビー ノッティンガム,エドワルトン,シアトラ クローズ 5番 (72)発明者 ミカエリ,ダヴ アメリカ合衆国 94939 カリフォルニア, ラークスパー,マリーナ ヴィスタ アヴ ェニュー 21 Fターム(参考) 4C084 AA17 DB41 NA14 ZB261 4C085 AA03 BB07 CC13 DD86 FF12 4C086 AA01 AA02 BC42 BC43 CB09 MA01 MA04 NA14 ZB26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者における腫瘍の治療方法であって、腫瘍増殖因子を免疫
    学的に中和し、有効量の1つ又はそれ以上の化学療法薬を患者に投与することを
    包含する、患者における腫瘍の治療方法。
  2. 【請求項2】 前記腫瘍は、ガストリン依存性腫瘍である請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 前記腫瘍増殖因子は、ガストリンである請求項1記載の方法
  4. 【請求項4】 併用療法によるガストリン依存性腫瘍の治療方法であって、
    治療的有効量の抗ガストリン17免疫原を1つ又はそれ以上の化学療法薬と組合
    せて前記の治療を必要とする哺乳類に投与することを包含する、併用療法による
    ガストリン依存性腫瘍の治療方法。
  5. 【請求項5】 前記抗ガストリンG17免疫原は、ジフテリア毒素と接合さ
    れる請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記抗ガストリンG−17免疫原は、スペーサーペプチドを
    さらに包含する請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記抗ガストリンG−17免疫原は、アミノ酸配列pGlu
    −Gly−Pro−Trp−Leu−Glu−Glu−Glu−Glu(配列表
    の配列番号1)から成るペプチドを包含する請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記化学療法薬は、5−フルオロウラシルおよびロイコボリ
    ンである請求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記抗ガストリンG17免疫原は、5−フルオロウラシルお
    よびロイコボリン化学療法薬を投与する前に投与される請求項4記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記化学療法薬は、治療中に数回投与される請求項4また
    は9記載の方法。
  11. 【請求項11】 1つ又はそれ以上のブースター免疫感作剤を投与すること
    をさらに包含する請求項1または4記載の方法。
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