JP5200269B2 - 胃腸癌治療用の免疫学的方法 - Google Patents

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Description

成熟ガストリンホルモンには、ペプチド中のアミノ酸の数に関して命名された2つの分子形態がある。即ち、テトラトリアコンタガストリン (G34) とヘプタデカガストリン (G17) である。ガストリン産生細胞では、これらのガストリンホルモンは、シグナルペプチドを含む「プレプロガストリン」と呼ばれる共通の前駆体分子から翻訳後にプロセシングされる。シグナルペプチドである「プレ」がこの細胞の小胞体中で取り除かれて「プロガストリン」ペプチドになり、このペプチドが該細胞中でさらにプロセシングされて、成熟ガストリンのG34とG17が生成し、その後でこれらが血流中に分泌される (Dickinson 1991) 。 (本明細書で引用した参考文献の完全な引用は請求の範囲の前の参考文献の欄に記載されている。) G34とG17の成熟形態は、いずれもそのカルボキシ末端がアミド化 (NH2)されている。前駆体分子の異なるプロセシングから生ずる複数の形態のG17が存在し、その各々の生物活性が異なるかもしれないことが解明された (Dickinson 1995およびCiccotosto et al. 1995) 。ガストリンホルモンは、今ではヒト結腸直腸腺癌の十分に認められた成長 (増殖) 因子である (Watson et al. 1993をレビューとして参照) 。結腸直腸癌の患者では全ガストリン血漿濃度の上昇が起こり、特にホルモン前駆体のプロガストリンの量の増大がガストリン抗血清を用いて多くの結腸直腸腫瘍で検出されている (Ciccotosto et al. 1995) 。
一般に、ガストリン依存性大腸癌に存在するような腫瘍では、癌細胞はホルモン分泌の調節経路における欠陥のためにプロホルモンをプロセシングして完成させる能力が欠如している。そのため、そのホルモンの違う分子形態の産生と分泌が起こるようになる。大腸癌細胞はプロガストリンを効率的にプロセシングしないので、大部分が不完全または異常型のガストリンが産生し、ガストリン前駆体から成熟ペプチドへの転化があまり起こらない (Dickinson 1993およびRehfeld et al. 1993)。結腸直腸腫瘍におけるガストリン濃度の増大は、部分的には、結腸直腸腫瘍細胞中のガストリン遺伝子の異常発現のせいである
(Hoosein et al. 1990, Baldwin et al. 1992およびFinley et al. 1993) 。ガストリンに似たペプチドがこの種の細胞で同定され (Hoosein et al. 1990, Watson et al. 1991 およびFinley et al. 1993) 、ガストリン前駆体種であることが確認された (Van-Solinge et al. 1993 およびNemeth et al. 1993) 。
血清性G17は、CCKB/ガストリン受容体が媒介する内分泌により結腸直腸腫瘍の増殖を刺激する可能性がある (Watson et al. 1993) 。ガストリン-17 は、他のガストリンホルモン種に比べて、上記腫瘍細胞上のガストリン/コレシストキニン(CCK) B受容体に対して高い親和性を示す可能性があるため、ヒト結腸直腸腺癌の増殖の刺激に特に関係するようである (Rehfeld, J.F. 1972) 。CCKB/ガストリン受容体は、ヒト原発性結腸直腸腫瘍の56.7%において高親和性形態で発現することが認められた (Upp et al. 1989)。ガストリン前駆体分子であるグリシン延長ガストリン-17(G17−Gly)が胃腸腫瘍細胞系の増殖を刺激することが最近になり示されたように、上記腫瘍によるガストリン前駆体ペプチドの内生産生に起因する可能な自己分泌ループも存在しうることが提示された (Van-Solinge et al. 1993 およびNemeth et al. 1993) 。G17−Gly の腫瘍に及ぼすトロフィック (trophic)効果がCCKB/ガストリン受容体以外の受容体により媒介されることが示され、また場合によってはガストリン前駆体を含有するかもしれない自己分泌増殖ループが胃腸腫瘍の増殖に関与することが提示された (Seva et al. 1994) 。
ガストリンにより刺激もしくは誘発される腫瘍、ならびにガストリンを産生する腫瘍、に対する利用可能な治療法は、主として癌組織の手術による切除からなる。この手法は成功しないこともよくある。多くの場合、腫瘍の位置を確認することができないか、腫瘍が
手術不可能な解剖学的部位に存在する。だいたいの場合、この種の腫瘍は放射線または化学療法には十分に応答せず、既存の処置法を補足する新たな治療法が求められている。
L-365,260 (Bock et al. 1989)およびCI-988 (Hughes et al. 1990) といった多数の高親和性CCKB/ガストリン受容体拮抗物質が文献に記載され、これらはin vitroとin vivo の両方で胃腸腫瘍増殖への外生ガストリン(exogenous gastrin) の効果を有効に中和することが示された (Watson et al. およびRomani et al. 1994) 。しかし、これらの拮抗物質は、ガストリン-34(G34) およびCCK といった、その受容体の全ての可能なリガンドの作用を遮断するので、特異性が欠如している。さらに、ガストリン前駆体のG17−Gly を認識および結合する細胞受容体は、試験した阻害物質 (インヒビター) のすべてを結合するわけではない (Seba et al. 1994) 。即ち、ある特異な受容体が自己分泌増殖カスケードに関与している場合、ガストリン拮抗物質はこの腫瘍増殖促進のメカニズムを遮断することができないかもしれない。
ガストリンホルモンの生物活性を選択的に免疫学的に中和する治療法は、過剰なガストリンホルモン産生に起因する病理変化を抑制または予防する有効な手段となろう。
同一譲受人の米国特許第5,023,077 号および第5,468,494 号は、抗ガストリン抗体の生成により患者のG17およびG34濃度を抑制するのに有用な免疫原性組成物と、胃潰瘍および十二指腸潰瘍ならびにガストリンが誘発する癌の治療に対するかかる組成物の使用を開示している。本発明は、米国特許第5,023,077 号および第5,468,494 号に開示された抗G17免疫原性組成物を、前駆体のグリシン延長およびアミド化ガストリン17によりその増殖が刺激される癌の治療に使用することに関する。
本発明で説明する癌治療法は、既存の治療法に比べていくつかの利点がある。本発明の方法は、非侵襲性で、選択的に可逆的であり、正常な組織を傷つけず、高頻度の反復治療を必要とせず、血液脳関門を横断しない。
本発明は、患者のグリシン延長ガストリン17およびアミド化ガストリン17の濃度を抑制するために、患者に抗G17免疫原またはガストリン17ホルモンに対する抗体を用いて能動的または受動的に免疫化(immunization)することからなる、ガストリン依存性腫瘍の免疫学的治療方法を提供する。ヒトの患者に抗ガストリン17抗体を誘導することにより、ホルモンのガストリン17とプロホルモンのプロガストリンG17−Gly がin vivo で中和され、それらの生理学的作用が阻害されるようになる。具体的には、G17および前駆体のG17−Gly の中和は、これらのペプチドのそれらの生理学的受容体への結合を妨げることにより、腫瘍細胞の増殖を阻害する。
抗G17免疫原は、G17のN末端アミノ酸の断片をスペーサーペプチドによってジフテリアトキソイド(DT)のような免疫原性担体に接合させたものからなり、G17のアミド化形態とグリシン延長形態の両者を結合する抗体を生ずる。
本発明の1態様において、アミド化G17またはグリシン延長G17に対して免疫化する方法は、患者に本発明の免疫原で免疫する能動免疫からなる。免疫原が、免疫した患者におけるアミド化G17およびグリシン延長G17の抗体の産生を刺激し、アミド化G17およびグリシン延長G17の生理学的作用を中和および阻害するのに十分な抗体力価を誘導し、患者において産生される癌トロフィックホルモン濃度が制限されるようになる。患者において産生される抗G17抗体によるプロガストリンG17−Gly ホルモンの生理学的中和は、増殖刺激物質もしくは誘発物質であるプロガストリンG17−Gly に依存する腫瘍細胞の増殖を阻害する。本発明の治療法はG17−Gly またはアミド化G17に応答性の胃腸癌の治療に特に適している。
本発明の免疫原は、イムノミミック (免疫模倣) 領域とスペーサー領域という2つの機能領域からなるペプチドから構成される。G17およびG17−Gly と免疫学的に交差反応するイムノミミック領域の機能は、免疫した動物において標的のG17ホルモン、即ち、アミド化G17およびグリシン延長G17、に結合する抗体を誘導させ、それによりG17機能を阻害し、G17依存性腫瘍細胞の増殖を阻止または遅くすることである。本発明の免疫原は、全ての免疫化試験動物において免疫原の投与後に生物学的に有効な免疫応答を誘導する。本発明のイムノミミックペプチド−スペーサーは、免疫学的担体に広範囲のペプチド:担体置換比で結合させることにより、有効な免疫源を生ずることができる。
本発明の別の態様による治療法は、G17の抗体を、循環系の非結合(unbound) G17およびG17−Gly 濃度を低減させるのに十分な量で患者に投与する受動免疫からなる。抗17抗体の投与の結果生ずる患者の循環血液の遊離G17およびプロガストリン濃度の低減は、腫瘍細胞の増殖を阻害し、それにより腫瘍の増殖および大きさの停止または低減 (縮小) が起こる。本発明のこの側面の好適態様においては、ヒトの治療用の抗G17抗体は、当該技術分野で周知の方法により製造しうるキメラ、ヒューマナイズド(humanized) 、またはヒトモノクローナル抗体でよい。
本発明の方法は、免疫した患者においてアミド化G17およびグリシン延長G17を結合および中和する抗体を誘導する抗G17免疫原を、患者に投与するものである (図1を参照) 。
予想外にも、同一譲受人の米国特許第5,023,077 号および第5,468,494 号に開示されているG17に対する免疫原および免疫原性組成物はまた、アミド化ガストリン17およびグリシン延長ガストリン17と反応して、これらを中和する抗体も、免疫された動物内に産生する。従って、これらの免疫原を、これらの前駆体ホルモンにより刺激される癌疾患の治療法に有利に利用することができる。
米国特許第5,023,077 号および第5,468,494 号 (その開示の全体を参考のためにここに援用する) は、抗ガストリン17免疫原を含有する組成物と、胃潰瘍および十二指腸潰瘍ならびにガストリンが誘発する癌の治療にこの組成物を使用する方法を開示している。本発明は、同じ抗G17免疫原を使用して、プロホルモンのG17−Gly により影響される胃腸癌のような疾病状態を治療することに関する。
本発明では、胃腸癌の患者からの血清試料を分析して、患者の血液中のG17−Gly 濃度を決定することができる。 0.001〜2mgの範囲の有効用量の免疫原性組成物を、胃腸癌の治療のために患者に投与する。有効用量の免疫原性組成物は、免疫から1〜3カ月以内に、ヒトガストリン17とG17−Gly の両者に対する有効レベルの抗体力価での免疫応答を患者に引き出すことができるべきである。患者の免疫後、アミド化またはグリシン延長G17に対する抗体力価のレベルを、患者から採取した血液試料で監視し、G17−Gly およびアミド化G17を中和する有効な抗体力価を維持するために、必要に応じて追加 (ブースター) 免疫を与えるべきである。G17−Gly およびアミド化G17を中和する有効な抗体力価は、標準的な免疫分析により測定して、患者の血清1ml中5ピコモルの抗原結合の最小抗原結合能として定義される。さらに、血清G17−Gly を監視して、G17に対する免疫の有効性を評価することができる。この方法による結腸直腸腺癌のような胃腸癌の有効な治療は、腫瘍増殖の阻害と腫瘍の大きさの減少を生ずるべきである。
抗G17免疫原によりもたらされる抗体力価は、血清G17を中和するのに必要な力価より過剰であるので、G17−Gly に自由に結合できる複合体化されていない抗体の高い血清濃度を生ずる。従って、この「自由な」血清性の抗体が、腫瘍の十分に血管化された領域内
の細胞性のG17ペプチドを中和するために利用可能となろう。
本発明の抗G17免疫原により生ずる抗体は、(i) 血清G17の中和と、(ii)細胞性のガストリン前駆体分子の中和、という2つの潜在的メカニズムにより、大腸腫瘍のような胃腸癌に対して著しい抗トロフィック効果を示しうる。
以下の実施例は、ラット大腸癌細胞系のDHDK12のin vivo 増殖に対するラットG17免疫原による能動免疫の効果を実証する。DHDK12は、上皮形態のラット大腸腫瘍細胞系である
(Martin et al. 1983) 。試験した免疫原は、G17のN末端の9アミノ酸をスペーサーペプチドによりDTに結合させたものからなり、ヒトまたはラットのいずれかのG17に対して特異的にすることができる。抗G17免疫により生成した抗血清を、抗G17(1-9):DTと表記するが、これはスペーサーペプチドを含有している。
本実験は、本発明の免疫原がアミド化G17およびグリシン延長G17には結合するが、G34には結合しない抗血清を誘導することを実証する。
ウサギの抗G17免疫により得た抗血清のガストリン特異性
抗血清を100 μg/mlの濃度で固相に吸収させ、放射性同位体標識G17の濃度を固定し (1000 pg/ml) 、非標識リガンドの濃度を増大させた(1〜25,000 pg/ml) 競合結合測定法により置換率を求めた。
図2および図3は、G17、G17−Gly およびG34によるウサギ抗ヒトG17抗血清からの[125I]G17の置換率を示す。図2に示した試験に用いた抗血清は、G17(1-9):DTにより免疫した動物から得たものであって、G17のN末端に特異的であった。図3の抗血清は、G17のC末端に特異的であった。G17は、両方の抗血清調製物から放射性標識G17を、50%阻害濃度(IC50)がウサギ抗ヒトG17(1-9):DT (N末端) については3500 pg/ml、ウサギ抗G17 (C末端) については800 pg/ml で、置換した。グリシン延長G17は、C末端特異的抗血清から放射性標識G17を置換しなかったが、N末端特異的抗血清からは置換した (IC25=12,000 pg/ml) 。これは、グリシン延長G17がN末端特異的抗血清には結合するが、C末端特異的抗血清には結合しないことを示している。G34は、C末端特異的抗血清からは放射性標識G17を置換した (IC25=500 pg/ml)が、N末端特異的抗血清からは置換しなかった。これは、G17(1-9):DT抗血清がG17およびグリシン延長G17に対しては特異性があるが、G34に対しては特異性がないことを示している。
本実験は、DHDK12ラット大腸癌細胞がグリシン延長ガストリン17を産生し、抗G17抗血清がこの細胞により産生されるガストリン前駆体の濃度を低減させることを示す。
ガストリン前駆体濃度のラジオイムノアッセイ
DHDK12細胞を、2mM グルタミン(Sigma、プール、ドーセット、英国) と10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS, Sigma)を加えたRPMI 1640 培地(Gibco、アービン、スコットランド、英国) 中でサブコンフルエンスまで増殖させた。細胞をCO2 5%で37℃の加湿条件でインキュベーションした。細胞を 0.025%EDTAにより集め(37 ℃で1 分間) 、遠心洗浄し、2×106 の細胞を、無血清培地 (RPMI 1640 を、0.5 %ウシ血清アルブミン [BSA]を含むHams
F12(Gibco) と1:1の比率で混合) を入れたフラスコ中に接種した。細胞を 0.025%EDTAで集め、洗浄し、1mlの滅菌蒸留水に再懸濁させ、沸騰湯浴中で加熱した。グリシン延長ガストリンの濃度を、文献記載の109-21およびL-2 抗体 (Nemeth et al. 1993) を用いてラジオイムノアッセイ(RIA) により測定した。
DHDK12細胞性ガストリン前駆体の濃度
DHDK12細胞はグリシン延長ガストリンを含有するが、アミド化G17を含有しないことが
、表1に示すように、2つの別の実験で示された。
表1:DHDK12細胞性ガストリン前駆体濃度
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
グリシン延長G17 アミド化G17
濃度 (fmol/107細胞) 濃度 (fmol/107細胞)
────────────────────────────────
実験1 (1.0x107 個/ml) 31.2 ND1
実験2(1.27x107 個/ml) 80.0 ND1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
腫瘍細胞抽出液は、1mlの滅菌水中で細胞を加熱することにより調製した。細胞抽出液を遠心分離により回収し、プロガストリンのグリシン延長ガストリンおよびアミド化G17の濃度を、それぞれ文献記載の109-21およびL-2 抗体 (Nemeth et al. 1993) を用いて測定した。
1ND−検出されず

DHDK12細胞のガストリン前駆体濃度に及ぼすウサギ抗ラットG17:DT処置の効果
セミコンフルエント(semi-confluent) DHDK12細胞単層を前述のようにして無血清培地中で調製し、0.025 %EDTAを用いて集めた。次いで、このフラスコにアフィニティー精製したウサギ抗ラットG17:DTおよびウサギ抗DT (陰性対照) を、前者で3ng/ml の抗原結合能を与えるに等しいタンパク質濃度で加えた。この細胞を4日間インキュベーションし、その後細胞抽出液を調製し、上述のRIA によりガストリン前駆体濃度について評価した。
無血清培地中のDHDK12細胞性ガストリン前駆体の濃度に及ぼす、アフィニティー精製したウサギ抗ラットG17(1─9):DTおよびウサギ抗DT抗血清によるin vitro処置の効果を表2に示す。

表2:ウサギ抗ラットG17(1─9):DT抗血清によるin vitro処置後のDHDK12細胞のガストリン前駆体濃度
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
処置 グリシン延長G17 アミド化G17
濃度 (fmol/107細胞) 濃度 (fmol/107細胞)
───────────────────────────────────
ウサギ抗G17(1─9):DT抗血清 ND1 ND1
ウサギ抗DT抗血清 67.0 ND1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
DHDK12細胞を無血清培地 (RPMI 1640 を、0.5 %ウシ血清アルブミンを含むHams F12と1:1の比率で混合) 中で増殖させた。次いで、このフラスコにアフィニティー精製したウサギ抗ラットG17(1─9):DTおよびウサギ抗DTを、3ng/ml のタンパク質濃度で加え、4日間インキュベーションした。細胞抽出液を遠心分離ににより回収し、プロガストリンのグリシン延長ガストリンおよびアミド化G17の濃度を、それぞれ文献記載の109-21およびL-2 抗体 (Nemeth et al. 1993) を用いて測定した。
1ND−検出されず
表2から明らかなように、ウサギ抗ラットG17:DT抗血清はグリシン延長G17の濃度を67pg/ml から検出されない程度にまで低下させた。
また、DHDK12細胞は細胞性グリシン延長G17を発現するが、アミド化ガストリンは発現しないことが示された。ウサギ抗ラットG17 (1-9):DTによるDHDK12細胞のin vitro処置
は、対照のウサギ抗DT抗血清により処置された細胞に比べ、細胞性ガストリン前駆体の濃度を低下させた。従って、抗G17免疫により産生される抗体は、ガストリン翻訳の抑制の結果として、かかるペプチドを含む自己分泌増殖ループを妨げるかもしれない。
以下の実験は、ラットG17 (1-9)DT免疫原によるラットの免疫が、in vivo においてDHDK12腫瘍の増殖を著しく阻害することを実証するものである。
実験動物
6〜10週令で体重340 〜430 gの雄のBDIXラット (The Animal Unit 、リパプール大学、英国) を対で収容し、12時間明るくし12時間暗くするというサイクルで、温度25℃、湿度50%に維持した。ラットは使用前に少なくとも7日間順応させた。
免疫操作
DTに結合させたラットG17(1-9) またはDT成分のみを滅菌食塩水 (0.9 %) 、pH7.3 に1mg/ml で溶解した。このコンジュゲートにアジュバントのノル−ムラミルジペプチド (nor-MDP 、Peninsula Labs、カリフォルニア) を、最終濃度が500 μg/ mlとなるように添加した。この水溶液を1:1 (vol:vol)の比でオイル(Montanide ISA 703 AMS Seppic, Inc.、パリ、フランス) と混合し、ガラス製筒に入れる。この筒は3路のストップコックをコネクターとして有する第二の筒に接続しており、混合物をこの筒を通して100 回強制的に移動させる(ストップコックにより垂直の剪断力を生じ、乳化を助けた)。
対照動物はDTペプチドのみを含有する同じエマルジョンを投与され、実験群はすべて体重を揃えた。エマルジョン200 μlを実験動物の右側わき腹に皮下(s.c.)注射した。実験動物は21日間隔で免疫し、5回の免疫の後、腫瘍を植え付けた。
腫瘍増殖の開始
DHDK12細胞を2.5 ×107/mlの濃度で0.9 %滅菌食塩水中に懸濁した。ラットを、Hypnorm(Fentanyl citrate 0.315 ng/mlおよびFluanisone 10 mg/ml 、Jannsen 、ベルギー) 、Hypnovel (Midazolan 5ng/ml、ロッシュ、スイス) および滅菌蒸留水 (1:1:5の比)の注射液1mlで麻酔をかけた。右わき腹を皮下切開した後、上記細胞懸濁液200 μlを腹壁の筋肉層に注射し、外科切開を創クリップで接合した。各実験群はそれぞれ16〜18匹のラットから構成された。
DHDK12腫瘍のin vivo 増殖に及ぼすラット抗G 17 免疫の効果
図4および5は、それぞれDHDK12腫瘍の最終断面積および重量に及ぼす、ラットG17(1-9)-DT免疫原を用いた免疫 (細胞の注射前に5回の免疫)の効果を示す。抗G17免疫原で免疫したラットにおいて腫瘍は顕著に断面積が減少した。図4は、抗G17処置ラットからの腫瘍の断面積中央値が、DT対照からの腫瘍に比べ70.2%減少した (p =0.005 、Mann Whitney) ことを示すデータを図示する。DHDK12腫瘍はまた、抗G17免疫原で免疫したラットにおいて腫瘍重量が著しく減少した。図5は、DHDK12腫瘍の重量が、DT対照からの腫瘍に比べ56.5%減少した (p =0.0078) ことを示す。抗G17処置ラットにおける平均動物体重は実験期間中 399gから 452g (13%増加) に増加し、DT処置動物においては 392gから 447g(13.8 %増加) に増加した。これは動物の成長速度はG17(1-9)-DT免疫原の投与に影響されないことを示す。
この実験は、DHDK12腫瘍を植え付けた免疫ラットにおいて誘導される抗ラットG17抗体のレベルを示す。
ラットG17(1-9):DTで免疫されたラットの抗ラットG17抗体のレベル
乳化したラットG17(1-9):DT免疫原に対する抗体応答を測定するため、種々の時間にラ
ットの尾部の血を取り、ELISA 手法を用いて抗ラットG17:DT 抗体価を測定した。
ラットG17-BSAコンジュゲートをグリシン緩衝液 (0.1M、pH9.5)中に2μg/ml の濃度で調製し、96- ウェルImmunlon U プレート (Dynatech Labs.、サセックス、英国) にウェル当たり25μlを入れ、4℃で一晩インキュベーションした。次いで、非吸収コンジュゲートを除き、ウェルを0.5 %Tween-20 (Sigma)および0.02%NaN3 (Sigma)を含有する0.9 %食塩水、pH7.3 からなる緩衝液中で洗浄した。この緩衝液は洗浄と試薬の希釈に両方に用いた。試験血清 (ラットガストリン免疫原で免疫した動物からの) は最初は1:100 の希釈およびその後は10倍希釈で用いた。陽性対照は予め免疫した動物からのラット抗ラットG17抗血清であり、陰性対照は正常ラット血清および、DTで免疫したラットからの血清であった。これらは試験血清について記載したと同じ希釈で用いた。試験および対照血清は100 μg/ml で、25μl/ ウェルのラットG17-BSAの不在下または存在下で25μlの量でウェルに添加した (対照ウェルは25μlの分析用緩衝液を添加した) 。次いで、プレートを室温で60分間インキュベーションした。プレートを塩水緩衝液で洗浄し、次いで、ヤギ抗ラットIg (H+L)- ビオチン (Zymed, サンフランシスコ、カリフォルニア) を1:500 希釈でウェルに50μl/ ウェルで添加し、室温で暗部において60分間インキュベーションした。プレートを塩水緩衝液で洗浄し、アビジンアルカリホスファターゼ (Zymed)を1:100 で希釈してウェルに50μl/ ウェルで添加し、室温、暗部で60分間インキュベーションした。塩水緩衝液で洗浄後、基質緩衝液中のp-ニトロ- フェニルホスフェート (pNPP) 基質 (Sigma)をウェルに50μl/ ウェルで添加し、5分間の発色後、405nm での吸光度を測定した。未処理血清と、ラットG17-BSAと共にインキュベーションした血清との間の吸光度の差を比吸光度として算出した。
遊離の抗ラットG17(1-9):DT抗体レベル (血清性G17を結合するのに必要な抗体より過剰な抗体のレベル) を測定し、血清の1:100 希釈で得られる比吸光度として表す (図6)。5回の免疫後、腫瘍細胞注入の時点では平均抗体レベルは0.243 の吸光単位であった (図6の1群)。さらに2回の免疫後、この実験の終わりまでに、平均抗体レベルは0.66吸光単位まで増加し(図6の2群)、陽性対照(図6の3群)の範囲内であった。DTで免疫した動物の抗体レベルは0.1 の平均吸光単位であり (図6の4および5群)、陰性対照(正常ラット血清)は吸光度0であった(図6の6群)。腫瘍重量と、Linear Regression 分析法で測定した抗体レベルとの間には明らかな関連はなかった (p =0.14) 。
以下の実験は、G17での免疫により血清G17濃度は低下し、この低下は腫瘍の増殖の減少と関連があったことを示す。
阻害RIA により測定した免疫ラットにおけるG17濃度
ウサギ抗G17抗血清 (C末端特異的、Dakopatts 、Bucks.、英国) をPBS 中のタンパク質濃度10ng/ウェルで96- ウェルマイクロタイタープレートに塗被した。G17の濃度を増大させ、[ 125I] G17を10,000CPM/ウェルの固定した濃度でインキュベーションすることにより標準曲線を作成した。遊離ガストリン、結合G17、遊離および結合抗G17抗体を含む未知のサンプルを250 μlの量で調製した。新生ウシ血清 (Sigma)125 μl量および25%ポリエチレングリコール (Sigma) 312.5μlを各血清試料に添加した。これらを1500rpm で30分間渦をつくらせ回転させた。上清を除去し、加熱し (遊離抗体が残らないようにするため) 、遊離ガストリン試料とした。
得られたペレットを0.5 %ウシ血清アルブミンを含む0.002 M のベロナール緩衝液 (pH8.4)で5回洗浄し、250μlの水中で加熱することにより可溶化した。これは結合ガストリン含有物とした。各試料の3倍量を標識G17に添加し、阻害の度合いを測定した。次いで、ラット血清中のガストリン濃度を標準曲線から算出した。
DT免疫ラットの遊離血清ガストリン濃度(G17のカルボキシ末端に対して生じる抗血清を用いて測定)は114.0pg/ml (標準偏差31) であり、ラットG17(1-9):DT免疫群では68.5pg/ml ( 標準偏差20) であった。これは全ガストリンにおいて40%の減少に相当する。全血清ガストリン濃度は最終腫瘍重量に関連し、相関係数は統計的に有意であると認められた (p =0.011 、Lenear Regression 法) 。抗体に結合した血清ガストリン濃度はDT免疫ラットでは0であり、ラットG17(1-9):DT免疫ラットでは30.1〜253.7pg/mlの範囲 (中央値53.3pg/ ml) であった。
CCKB/ガストリン受容体によりin vivo で増殖しているDHDK12ラット大腸腫瘍細胞は血清G17に応答した。これらの実験では、過剰な抗G17抗体 (すなわち、血清G17に結合しない抗体) を腫瘍攻撃の間測定した。全血清ガストリン濃度は40%減少することが示され、治療の終わりには腫瘍重量と血清ガストリン濃度との間には有意な正の関係があることが示された。さらに、ラットG17(1-9):DT免疫ラットでは抗体結合ガストリンが検出されたが、DT免疫ラットでは検出されなかった。このように、血清性ガストリンの中和は腫瘍増殖の減少に寄与した。
この実験はG17に対する免疫がDHDK12腫瘍の組織学的外観に影響することを示す。
ラット腫瘍の組織学的評価
治療の終わりに、DHDK12腫瘍を10%ホルマールカルシウムで固定し、パラフィン中に埋め込んだ。5μm 部分を低温維持装置上で切断し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、腫瘍の病理要因を病理学者が独立に評価した。Seescan Image アナライザーを用いてブラインドマナーで画像分析を行い、生存腫瘍組織の面積を評価した。
ガストリン受容体 (GR) をウサギ抗CCKB/ガストリン受容体ポリクローナル抗血清を用いて検出した。断片を1:500 で希釈して40℃で一晩インキュベーションした。結合は、イムノペルオキシダーゼを酵素トレーサーとし、ジアミノベンジデンを基質として用い、アビジン−ビオチン法により検出した。
組織学的評価により、ラットG17(1-9):DT免疫ラットからの腫瘍は、DT免疫ラットからの腫瘍に比べて、腫瘍のリーディングエッジ周りの生存腫瘍組織の縁がより小さく、また中央壊死の程度が大きいことが判明した。これは画像分析により定量化され、ラットG17(1-9):DT処置ラットからの腫瘍においては生存細胞面積の平均割合は40.3% (標準偏差9.1)であり、DT免疫ラットでは58.6% (標準偏差10.4) であった (p=0.003 、スチューデントt検定)。
より高度な顕微鏡では、DT免疫ラットの腫瘍細胞は規則的な柱状に増殖し、一方、G17(1-9):DT免疫ラットからの腫瘍細胞の増殖は破裂状のパターンであることが示された。また、G17(1-9):DT処置ラットからの腫瘍では、DT処置ラットに比べて結合組織が多かった
(結合組織:腫瘍比はそれぞれ75:25および50:50) 。巣状壊死の部分はG17(1-9):DT処置群においては生存腫瘍細胞内に存在し、またほとんどリンパ球からなるようにみえる炎症性浸潤物が増加していた。両方の処置群のラットからの腫瘍を抗GR抗血清で染色し、DT処置群およびG17(1-9):DT処置群の両方に残る生存細胞がそのGR陽性を維持することが示された。
G17:DT 免疫原での免疫は、断面積および重量測定の両者により示されるように、DHDK12ラット大腸腫瘍のin vivo 増殖を低減させる。画像分析による生存腫瘍組織の定量的評価の外挿により、生存腫瘍組織の重量は68%も減少したかもしれないことが示された。
さらなる所見は、抗G17処置ラットにおける腫瘍組織内の壊死の中央領域、および主に
リンパ球からなる腫瘍のある領域における炎症性浸潤物の存在であった。このような所見の1つの可能な説明は、抗体依存性の細胞障害性応答が抗G17免疫原により起こされることである。G17に対する免疫に適用されるこのような応答の機構は未解明である。
抗G17免疫は、2つのトロフィック形態のガストリン、すなわちG17とグリシン延長G17の中和を可能とし、従って腫瘍内に細胞増殖抑制を引き起こすかもしれない。この組織学的所見は、抗G17免疫原処置ラットからの腫瘍は対照ラットからの腫瘍よりも増殖パターンとしてより遅い増殖を示すという理論の証明を提供し、繊維形成の程度および生存腫瘍組織の面積が前者のラットでは著しく減少した。興味深いことに、残存する生存腫瘍細胞はそのGRの発現を維持していることが示された。このことは、この腫瘍モデルでは、ガストリンホルモン感受性表現型はすべての細胞クローンによって発現されるかもしれないことを示し、抗G17免疫原の阻害から免れる結果となるガストリンホルモン非感受性クローンの生成はなかった。
DHDK12細胞のCCKB/ ガストリン受容体発現の免疫細胞化学的評価
DHDK12細胞を1×106 /ml の濃度で懸濁し、その200 μlを顕微鏡スライド上でサイトスピン(cytospin) を行う (12000rpm、5分間)。この細胞を-20 ℃において (5分間)メタノールで固定し、グレーディド(graded) アルコール処理により透過性とする。この細胞をウサギ抗CCKB/ ガストリン受容体抗血清とインキュベーションを行い、上記したようにして染色した。
DHDK12細胞のCCKB/ ガストリン受容体発現はヒトCCKB/ ガストリン受容体から誘導体されたペプチド配列に対して生じた抗血清で評価した。DHDK12細胞は、高度のガストリン受容体発現を示す強いかつ特異的な膜性 (cell-associated)免疫活性を示した。対照のウサギ抗血清で処置した細胞は何ら特異的免疫反応性を示さなかった。
引用文献
Figure 0005200269
Figure 0005200269
Figure 0005200269
図1は、グリシン延長G17、カルボキシ−アミド化G17、およびG17のアミノ末端部分を含有する抗G17免疫原の図式的表示である。 図2は、G17、グリシン延長G17、およびG34によるウサギ抗ヒトG17(1-9):DT (N末端特異的) 抗血清からの[125I]G17の置換率のグラフ表示である。 図3は、G17、グリシン延長G17、およびG34によるウサギ抗ヒトG17 (C末端特異的) 抗血清からの[125I]G17の置換率のグラフ表示である。 図4は、DHDK12腫瘍の断面積中央値に及ぼす本発明の免疫原による免疫付与の効果に関する棒グラフを示す (各中央値の四分位数間領域が、それぞれの棒の上部に示してある) 。 図5は、DHDK12腫瘍の最終重量中央値に及ぼす本発明の免疫原による免疫付与の効果に関する棒グラフを示す (各中央値の四分位数間領域が、それぞれの棒の上部に示してある) 。 図6は、G17(1-9) 免疫化およびDT免疫化した個々のラットの抗ラットG17抗体レベルを示す (1:100 血清希釈で測定) 。 1群:腫瘍攻撃時 (ラットG17(1-9) 処置、5回免疫) 2群:治療終了時 (ラットG17(1-9) 処置、7回免疫) 3群:腫瘍攻撃時 (DT処置、5回免疫) 4群:治療終了時 (DT処置、7回免疫) 5群:陽性対照 (ラット抗ラットG17:DT抗血清) 6群:陰性対照 (正常ラット血清) 抗体レベルは、抗ラットG17:DT抗体を96ウェルマイクロタイタープレート上に塗被されたラットG17-BSAに結合させるELISA 捕捉検定により測定した。抗体結合は、pNPPを基質とするアルカリホスファターゼに基づく方法を用いて検出した。

Claims (3)

  1. ガストリン-17 のアミノ末端の9個のアミノ酸からなるペプチドを含む免疫原に対する抗体を、ガストリン-17 およびグリシン延長ガストリン-17 の濃度を低減させるのに十分な量で含有する、グリシン延長ガストリン-17 により増殖が刺激される腫瘍細胞の増殖を阻害するための薬剤組成
  2. 腫瘍細胞が胃腸癌の細胞である、請求項記載の薬剤組成物。
  3. 腫瘍細胞が結腸直腸腺癌の細胞である、請求項記載の薬剤組成物。
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