JP2002513031A - ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤としての機能化されたアルキルおよびアルケニル側鎖を有するグリシンアミド誘導体 - Google Patents

ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤としての機能化されたアルキルおよびアルケニル側鎖を有するグリシンアミド誘導体

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ダニエル・マリー・レナード
デニス・ジョウゼフ・マクナマーラ
ジョン・クウィン・ザサード
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、組織の制御されていないまたは異常な増殖を予防的にまたは他の方
法で治療するために使用することができる化合物に関する。特に、本発明は、r
as蛋白質を活性化することがはっきりしており、このことがひいては細胞分裂
を活性化して癌、再狭窄及びアテローム性動脈硬化症を引き起こすファルネシル
トランスフェラーゼ酵素を阻害する化合物に関する。
【0002】
【発明の背景】
ras蛋白質(またはp21)はその変異体がヒト癌における大部分のタイプの20
%において検出されて、また、結腸およびすい臓癌の50%以上で検出されてい
ることから幅広く研究されている(Gibbs J. B、Cell 65:1(1991);Cartwright
T. ら、Chimica. Oggi. 10:26(1992))。これらの突然変異体ras蛋白質は天然の
ras蛋白質が有するフィードバック制御能に欠損があり、そして、この欠陥は
正常な細胞分裂を刺激する能力が正常な内因性の制御補因子により調節すること
ができなくなるために腫瘍形成作用を誘導する。ras突然変異体の形質転換活
性が翻訳後修飾にかなり依存するという最近の発見(Gibbs J. ら、Microbiol.
Rev.,53:171(1989)はrasの機能の重要な面を明らかにし、癌治療の新たな
展望を与える。
【0003】 癌に加えて、天然のras蛋白質の過剰な発現および/または機能に関連して
いると考えられる非制御下の細胞増殖による他の症状がある。外科手術後の血管
性再発狭窄症およびアテローム性動脈硬化症はこのような症状の例である。伏在
静脈バイパス移植術、動脈内膜切除術および経内腔的冠状動脈血管形成術のよう
な種々の外科的血管再生術の使用はしばしば、再狭窄として知られている新血管
内膜組織の非制御下の増殖による合併症を伴う。再狭窄の生化学的な原因はあま
りわかっておらず、多くの成長因子および癌原遺伝子が関係している(Naftilan
A. J. ら、Hypertension 13:706(1989)およびJ.Clin.Invest. 83:1419;
Gibbons G. H. ら、Hypertension 14:358(1989);Satoh T. ら、Molec. Cell.
Biol. 13:3706(1993))。ras蛋白質群が細胞分裂過程に関与することが知ら
れていることから、それら蛋白質は細胞が非制御下で分裂している多くの状況に
おいて介在する候補とされている。癌に関与する突然変異型のras蛋白質の阻
害と同様に、ras依存プロセスの遮断は、とりわけ正常なras蛋白質の発現
および/または機能が成長刺激因子により増大されるような場合における再狭窄
やアテローム性動脈硬化症を伴う不適切な組織の増殖を減少または除去する可能
性がある。例えば、Kohlら、Nature Med. 1(8):792-748(1995)を参照されたい。
【0004】 Ras蛋白質の機能化は原形質膜の内面と結合するために蛋白質が修飾される
ことによって生じる。他の膜結合型蛋白質と異なりras蛋白質は通常の膜貫通
配列または疎水性配列を欠き、また細胞質ゾル内で溶解可能な形状として最初に
合成される。ras蛋白質の膜への結合は、蛋白質ファルネシルトランスフェラ
ーゼ(PFT)により認識されるカルボキシル末端のアミノ酸のコンセンサス配列
による信号により誘導される一連の翻訳後のプロセス過程で生じる。このコンセ
ンサス配列はカルボキシル末端から4つのアミノ酸を備えたシステイン残基、続
いて2つの親油性アミノ酸及びC末端残基からなる。システイン残基のスルフィ
ヒドリル基は蛋白質ファルネシルトランスフェラーゼにより触媒される反応にお
いてファルネシルピロリン酸によりアルキル化される。プレニル化に続いて、C
末端の3つのアミノ酸はエンドプロテアーゼによって切断され、プレニル化され
たシステインの新たに露出したαカルボキシル基がメチルトランスフェラーゼに
よってメチル化される。ファルネシル化で始まるras蛋白質の酵素によるプロ
セッシングはこれら蛋白質が細胞膜へ結合することを可能にする。腫瘍形成性の
ras蛋白質の突然変異分析ではこれら蛋白質の翻訳後修飾が形質転換活性にと
って必須であることが示されている。コンセンサス配列におけるシステイン残基
の他のアミノ酸への置換は、ras蛋白質をもはやファルネシル化できない状態に
し細胞膜への移動もできなくなり、そして細胞増殖を刺激する活性もなくなる(
Hancock J. F. ら、Cell 57:1617(1989);Schafer W. R. ら、Science 245:3
79(1989);Casey P. J.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8323(1989))。
【0005】 近年、蛋白質ファルネシルトランスフェラーゼ(PFTs)、別の呼称ファルネシ
ルプロテイントランスフェラーゼ(FPTs)が同定され、またラットの脳由来の特
異的なPFTは均質化されるまで精製された(Reiss Y.ら、Bioch. Soc. Trans. 20:
487−88(1992))。酵素は一つのαサブユニット(49kDa)および一つのβサブユ
ニット(46kDa)からなるヘテロダイマーであり、これら両サブユニットは触媒活
性に必要であると特徴づけられている。またバキュロウイルス系における哺乳動
物のPFTの高レベルな発現および活性型の組換え酵素の精製も成功している(Che
n W. -J. ら、J. Biol. Chem. 268:9675(1993))。
【0006】 上述した観点から、腫瘍形成性のras蛋白質の機能がそれらの翻訳後プロセ
ッシングに大きく依存していることが発見されたことにより、プロセッシング酵
素の阻害による癌の化学療法手段が与えられる。ras蛋白質へのファルネシル
基の付加を触媒する蛋白質ファルネシルトランスフェラーゼの同定および単離は
、このような介在のための有望な標的を与える。近年のいくつかの文献でras
ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は抗癌活性を有していることが示されて
いる。
【0007】 ras阻害因子剤は、ファルネシルトランスフェラーゼすなわちras蛋白質
の翻訳後修飾を担いras遺伝子産物である蛋白質を細胞膜に固定させる酵素を
阻害することにより作用する。癌細胞内において増殖シグナルを変換誘導するこ
とに対するras突然変異体の役割は細胞膜に存在する蛋白質に依存するため、
ファルネシルトランスフェラーゼが阻害されることによりras蛋白質は細胞質
ゾルに留まり増殖シグナルを伝達することができなくなる。これらの事実は文献
において周知である。
【0008】 ファルネシルトランスフェラーゼのペプチド模倣による阻害剤B 956およびそ
のメチルエステルB 1086は100mg/kgの濃度でヌードマウスにおけるEJ−1
ヒト膀胱癌、HT 1080ヒト繊維肉腫およびヒト結腸癌の外来組織移植による腫瘍
の成長を抑制することが示されている(Nagasu Tら、Cancer Res. 55:5310-531
4(1995))。さらに、B 956による腫瘍増殖の抑制は腫瘍におけるras翻訳後プ
ロセッシングの阻害と関連していることが示されている。他のrasファルネシ
ルトランスフェラーゼ阻害剤は特にrasプロセッシングおよび膜への局在を阻
害し、ras変異体を保持する細胞の形質転換された表現形からの復帰に効果的
であることが示されている(Sepp-Lorenzino L. ら、Cancer Res. 55:5302-530
9(1995))。
【0009】 別の報告(Sun J. ら、Cancer Res. 55:4243-4247(1995))ではrasファル
ネシルトランスフェラーゼ阻害剤FT 1276がK−ras変異体およびp53欠損
を伴ったヒト肺癌を有するヌードマウスで腫瘍増殖を選択的に阻止することが示
されている。さらに他の報告によると、rasファルネシルトランスフェラーゼ
阻害剤L-744、832を毎日投与することによりrasトランスジェニックマウスに
おいて乳癌、唾液腺癌の腫瘍が縮小した(Kohlら、Nature Med. 1(8):792-748(
1995))。そのため、rasファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤はある種の
形態の癌、特にそれらの成長が癌遺伝子rasに依存しているような癌に有益であ
る。しかしながら、ヒト癌は数種の変異が重要な遺伝子群、例えば増殖の調節や
転移を担うような一つまたはそれ以上の遺伝子に起きたときに生じることがよく
あることは周知である。単一の変異は増殖を支持するにはおそらく十分でなく、
3つの変異のうち2つが生じた後にのみ腫瘍の発生および成長を可能にする。従
って、これらの変異のうちいずれが特定の型の癌の成長を初期に誘導するかを決
定することは困難である。それゆえ、rasファルネシルトランスフェラーゼ阻
害剤は腫瘍の成長がras癌遺伝子の形態に依存している場合だけでなく、種々
の腫瘍の治療に利用することができる。例えば、種々のrasFT−阻害剤は野生型
または変異型のrasのいずれかを保持する腫瘍細胞ラインに対してin vivoで
抗増殖効果を有していることが示されている(Sepp-Lorenzino、前掲)。さらに
、数種のプレニル化されたras関連蛋白質がある。R-Ras2/TC 21のような蛋
白質はras関連蛋白質であり、これらはファルネシルトランスフェラーゼおよ
びゲラニルゲラニルトランスフェラーゼIによりin vivoでプレニル化される(C
arboniら、Oncogene 10:1905-1913(1995))。従って、rasファルネシルトランス
フェラーゼ阻害剤は上述した蛋白質のプレニル化をも阻止し、これにより他の癌
遺伝子によって誘導される腫瘍成長を阻害することにも利用することができる。
【0010】 再狭窄および血管増殖性疾患に関して、細胞のras阻害はin vivoでの血管
障害後における平滑筋の増殖を妨げることが示されている(Indolfi C. ら、Nat
ure Med. 1(6):541-545(1995))。この報告はこの疾患におけるファルネシルト
ランスフェラーゼ阻害剤の役割、血管平滑筋の蓄積および分裂増殖の阻害を示す
ことを決定的に支持している。
【0011】
【発明の概要】
本発明は式I
【化18】
【0012】 ここでAは
【化19】 であり、 各R1およびRbは独立して水素またはC1〜C6アルキルであり、各Raは独立
してC1〜C6アルキル、−(CH2)m−アリール、−(CH2)m−置換アリール、
−(CH2)m−置換ヘテロアリールまたは−(CH2)m−ヘテロアリールであり、
各mは独立して0〜3であり、各nは独立して1〜4であり、
【0013】 R3
【化20】 であり、
【0014】 R4
【化21】 であり、
【0015】 R5
【化22】 である化合物およびその製薬上許容し得る塩類、エステル類、アミド類およびプ
ロドラッグを提供するものである。 式Iの化合物の好適な実施形態において、各R1は水素である。 式Iの化合物の好適なもう一つの実施形態において、Aは−OCH2−フェニ
ルである。
【0016】 式Iの化合物の好適なもう一つの実施形態において、R5
【化23】 である。
【0017】 式Iの化合物におけるもう一つの好適な実施形態において、Aは−OCH2
フェニルであり、各R1は水素であり、そしてR5
【化24】 である。
【0018】 また本発明は式I
【化25】
【0019】 ここでAは
【化26】 であり、各R1は水素であり、
【0020】 R3
【化27】 であり、
【0021】 R4
【化28】 であり、 各Raは独立して水素またはC1〜C6アルキルであり、
【0022】 R5
【化29】 である化合物およびその製薬上許容し得るこれらの塩類、エステル類、アミド類
およびプロドラッグを提供するものである。
【0023】 本発明はまた式Iの化合物を含む医薬組成物を提供するものである。 また本発明は癌の治療方法であり、この方法は癌に罹患している患者に治療に
効果的な量の式Iの化合物を投与することを含む。 また本発明はアテローム性動脈硬化症の治療方法であり、この方法はアテロー
ム性動脈硬化症に罹患している患者に治療に効果的な量の式Iの化合物を投与す
ることを含む。 また本発明は再狭窄の治療または予防方法であり、この方法は治療に効果的な
量の式Iの化合物を再狭窄に罹患している患者または再狭窄を発症する危険性が
ある患者に投与することを含む。
【0024】 本発明は以下に示す化合物、すなわち、 N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−
メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1S)−1−
フェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジル、 N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−
メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1R)−1−
フェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジル、 N−[(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−((2−メチ
ル−2−フェニルプロピル)2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミ
ノ]−2−オキソエチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル、 3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1
H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプ
ロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸メチル、 3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1
H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプ
ロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸、 [1−{(2−アミノ−エチル)−[(2−メチル−2−フェニル−プロピル
カルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミダゾール−4−
イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル、 N−[(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−([2−(メ
チルアミノ)エチル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]
−2−オキソエチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル、 (2−(3H−イミダゾール−4−イル)−1−{(2−メトキシ−エチル)
−[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバ
モイル}−エチル)−カルバミン酸ベンジルエステル、 N−[2−((E)−2−ブテニル−2−[(2−メチル−2−フェニルプロ
ピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−1−(1H−4−イミダゾリルメ
チル)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル、 [1−{(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−[(2−メチル−2−フェニル
−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(1H−イミダゾ
ール−4−イル)−エチル]−カルバミン酸1−フェニル−エチルエステル、 N−(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−[2−(2−メ
チル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル(2−モルホリノエ
チル)アミノ]−2−オキソエチルカルバミン酸ベンジル、 3−{[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(3H−イミダゾール−
4−イル)−プロピオニル]−[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバ
モイル)−メチル]−アミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステル、 [1−{(2−ジメチルカルバモイル−エチル)−[(2−メチル−2−フェ
ニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミ
ダゾール−4−イル)エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル、 {2−(3H−イミダゾール−4−イル)−1−[[(2−メチル−2−フェ
ニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−(2−メチルスルファニル−エチル
)−カルバモイル]−エチル}−カルバミン酸ベンジルエステル、 N−[(1S)−2−((2−ヒドロキシエチル)2−[(2−メチル−2−
フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−1−(1H−4−イ
ミダゾリルメチル)−2−オキシエチル]カルバミン酸ベンジルおよび N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−
メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1−メチル−
4−ピペリジル)メチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジルで
ある。
【0025】 本発明はまた式I
【化30】
【0026】 ここでAは
【化31】 であり、 R1およびRbは独立して水素またはC1〜C6アルキルであり、 nは独立して1〜4であり、
【0027】 R3
【化32】 であり、
【0028】 R4
【化33】 であり、
【0029】 R5
【化34】 である化合物およびその製薬上許容し得る塩類、エステル類、アミド類、プロド
ラッグを提供するものである。
【0030】
【発明の詳述】
「アルキル」なる語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状炭
化水素を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシルなどである。上記アルキル基はアリール基として以下に列記される置換基
の一つ以上で置換されていてもよい。 「シクロアルキル」なる語は3〜7個の炭素原子を含む飽和炭化水素環を意味
し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
アダマンチルなどがである。
【0031】 「アリール」なる語は未置換または置換されたフェニル、5−フルオレニル、
1−ナフチルまたは2−ナフチル基である芳香族環を意味し、置換されたものは
アルキル、O−アルキル、S−アルキル、OH、SH、F、−CN、Cl、Br
、I、CF3、NO2、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NHCO−アルキル、(
CH2)mCO2H、(CH2)mCO2−アルキル、(CH2)mSO3H、−NHアルキ
ル、−N(アルキル)2、(CH2)mPO32、(CH2)mPO3(アルキル)2、(C
2)mSO2NH2および(CH2)mSO2NH−アルキルから選択される1〜3個
の置換基により置換され、ここでアルキルは上記で定義された通りであり、また
mは0、1、2または3である。 「ヘテロアリール」なる語は1個以上のヘテロ原子を含む芳香族環を意味する
。ヘテロアリール基は例えば、未置換または置換されたチエニル、フラニル、ピ
ロリル、ピリジル、イミダゾイルまたはインドリル基であり、ここで置換された
ものはアリールとして上述した置換基のうち1または2個の置換基で置換される
。このヘテロ原子には例えば窒素、酸素、硫黄またはリンが含まれる。
【0032】 「ハロゲン」なる語は塩素、フッ素、臭素およびヨウ素が含まれる。 「アルケニル」なる語は1個以上の炭素炭素二重結合を有する分枝鎖状または
直鎖状の炭化水素を意味する。 「複素環」または「ヘテロシクロアルキル」なる語は1個以上の炭素原子がヘ
テロ原子で置換されたシクロアルキル基を意味する。例えば、複素環はピロリジ
ニル、ピペリジニルおよびピペラジニルが含まれるが、ここに挙げるものに限定
されない。 記号「−」は結合を意味する。 「患者」なる語はヒトを含む全ての動物を意味する。例えば、患者にはヒト、
ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジおよびブタが含まれる。
【0033】 「治療に効果的な量」は本発明の化合物の量であって、患者に投与した際に再
狭窄、癌またはアテローム性動脈硬化症の症状が回善するかまたは再狭窄を予防
し得る量である。本発明の化合物における治療に効果的な量は患者に一定量の化
合物を投与し、その結果を観察することで、当業者により簡単に決定することが
できる。加えて当業者は慣行として癌、再狭窄またはアテローム性動脈硬化症に
罹患している患者または再狭窄を発症するおそれがある患者を判別することがで
きる。
【0034】 「癌」には以下に列記する癌が含まれるが、ここに挙げるものに限定されるこ
とはない。乳腺の癌、卵巣の癌、子宮頚部の癌、前立腺の癌、精巣の癌、食道の
癌、膠芽腫、神経芽細胞腫、胃の癌、皮膚の癌、皮膚の角化棘細胞腫、肺の癌、
肺の類表皮癌、肺の大細胞癌、肺の腺癌、骨の癌、結腸の癌、結腸の腺癌、結腸
の腺腫、膵臓の癌、膵臓の腺癌、甲状腺の癌、甲状腺の小胞癌、甲状腺の未分化
癌、甲状腺の乳頭癌、精上皮腫、悪性黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓の癌および胆
管の癌、腎臓癌、骨髄疾患、リンパ腺疾患、ホジキンス、リンパ線の毛細胞の癌
、口腔の癌および咽頭(口部)の癌、唇の癌、舌の癌、口の癌、咽頭の癌、小腸
の癌、結腸−直腸の癌、大腸の癌、直腸の癌、脳および中枢神経系の癌、および
白血病。
【0035】 ここで用いる「製薬上許容しうる塩類、エステル類、アミド類およびプロドラ
ッグ」なる語は、本発明化合物のカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステル、ア
ミドおよびプロドラッグであり、これらは過度の毒性、炎症、アレルギー反応な
どを生じさせることなく、しっかりとした医学的な判断に基づき患者の組織に接
触させて使用するために適したものであって、合理的な利益/危険率を備え、所
期の使用目的に効果的であり、可能な場所では本発明化合物の双性イオンである
。「塩」なる語は本発明化合物の比較的毒性がない無機および有機酸の付加塩を
いう。これらの塩は本化合物の最終的な単離、精製の過程においてin situで造
られるかまたは遊離塩基形態の精製された化合物を適切な有機酸または無機酸と
個々に反応させて形成された塩を単離することにより調製することもできる。代
表的な塩には臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩
、蓚酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリ
ン酸塩、硼酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、
クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、ナフチル塩、メ
シル酸塩、グルコヘプトネート、ラクトビオネート、およびラウリル硫酸塩など
である。これらにはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルア
ンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、エチルアミンなどに限定されることなく非毒性のアンモニウム、第四級ア
ンモニウムおよびアミンカチオンが含まれていてもよく、またナトリウム、リチ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリおよびアルカリ土類
金属に基づくカチオンが含まれていてもよい(例えば、参照によって本明細書に
加入される、Berge S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm. Sci. 66
:1-19(1977)を参照されたい)。
【0036】 本発明化合物の製薬上許容し得る非毒性のエステルの例としては、直鎖または
分枝鎖状のアルキル基を備えたC1〜C6アルキルエステルが含まれる。許容し得
るエステルにはまたC5〜C7シクロアルキルエステル並びにベンジル(これに限
定されることはない)のようなアリールアルキルエステルが含まれる。C1〜C4 アルキルエステルが好ましい。本発明の化合物のエステルは常法に従って調製す
ることができる。
【0037】 本発明化合物の製薬上許容し得る非毒性アミドの例にはアンモニア、直鎖状ま
たは分枝鎖状のアルキル基を有するC1〜C6アルキル第一アミンおよびC1〜C6 ジアルキル第二アミンから誘導されるアミドが含まれる。第二アミンの場合には
アミンが窒素原子を一つ含む5または6員複素環の形態であってもよい。アンモ
ニア、C1〜C3アルキル第一級アミンおよびC1〜C2ジアルキル第二級アミン由
来のアミドが好ましい。本発明化合物のアミドは常法に従って調製することがで
きる。
【0038】 「プロドラッグ」なる語は例えば血中の加水分解によりin vivoで迅速に転換
されて上述した式の親化合物を生成し得る化合物をいう。プロドラッグについて
の徹底的な検討がT. HiguchiおよびV. StellaによるA. C. S.シンポジウムシリ
ーズ「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」第14巻およびEdward B. Roche著
「Bioreversible Carriers in Drug Design」, American Pharmaceutical Associ
ation and Pergamon Press (1987)に記載されており、これら両文献は参照によ
り本明細書に加入される。
【0039】 本発明化合物は患者に単独でまたは当業者において周知の補助剤、希釈剤、担
体などの他の成分を含む組成物の一部として投与することもできる。この組成物
はヒトおよび動物に対して経口的に、経直腸的に、非経口的に(静脈、筋肉内ま
たは皮下に)、脳槽内に、膣内に、腹腔内に、膀胱内に、局所的に(粉末、軟膏
または点滴薬として)または口腔あるいは鼻腔噴霧として投与することができる
【0040】 非経口的な注入に適した組成物には、生理学的に許容し得る滅菌された水性ま
たは非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳状液、および滅菌された注入可能な
溶液または分散液中に入れる再構成のための滅菌粉末を含めることができる。適
当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、水、
エタノール、ポリオール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
グリセロールなど)、「Cremophor E.L.」(ひまし油とエチレンオキシドの誘
導体であり、シグマケミカル社(ミズーリ州セントルイス)から購入)、これら
の適切な混合物、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチルのような注
入可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えばレクチンのようなコ
ーティングを用いることにより、また分散液の場合には要求される粒子サイズを
保つことにより、さらまた界面活性剤を用いることにより維持することができる
【0041】 これら組成物には保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤などの補助剤を含めること
ができる。微生物の作用の予防は種々の抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、
クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などにより行うことができる。等張
化剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを添加することも望ましい。注入可能な剤
形における吸収時間の延長は、吸収を遅延させる因子、例えばモノステアリン酸
アルミニウムおよびゼラチンの使用により行うことができる。
【0042】 経口投与用の固体剤形にはカプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含ま
れる。このような固体剤形では、活性化合物が活性のない慣用されている賦形剤
(または担体)の少なくとも一つと混合されている。ここで賦形剤(または担体
)はクエン酸ナトリウムあるいはリン酸ニカルシウムまたは(a)充填剤あるい
は増量剤、例えばデンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、珪酸、(
b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、
ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアラビアゴム、(c)保湿剤、例えば、グ
リセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタ
ピオカデンプン、アルギン酸、特定の珪酸錯体および炭酸ナトリウム、(e)溶
解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、4級アンモニウム化
合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセ
ロール、(h)吸着剤、例えば、カオリンおよびベントナイトおよび(i)滑沢
剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体
ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物であ
る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、剤形には緩衝剤を含めることがで
きる。
【0043】 類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖並びに高分子量ポリエチ
レングリコールなどを賦形剤に用いた軟および硬ゼラチンカプセル内の充填剤と
して用いることができる。 錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤のような固体剤形は、腸溶コー
ティングおよび当業者に周知のその他のコーティングおよびシェルなどを用いて
調製することができる。これらには不透明化剤を含めることができ、また、それ
らは腸管の特定の部位で活性な化合物または化合物群を遅れて放出させるような
組成物を有することもできる。使用し得る封埋物質の具体例としては、ポリマー
物質およびワックスがある。活性化合物はミクロカプセルに包まれた形態の中に
存在させることができ、また適切な場合には上述した賦形剤の一つ以上とともに
存在させることができる。
【0044】 経口投与用の液体剤形は、製薬上許容し得る乳化液、溶液、懸濁液、シロップ
、エリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形では水その他の溶媒の
ような当業者が通常用いる不活性な希釈剤、可溶化剤および乳化剤を含めること
ができ、これらの具体例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に
綿実油、ピーナッツ油、コーン胚芽油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油、グ
リセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、「Cremophor E.L.」(ひま
し油とエチレンオキシドとの誘導体であり、シグマケミカル社(ミズーリ州セン
トルイス)から購入)、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エス
テル、またはこれら物質の混合物などがある。
【0045】 このような不活性な希釈剤のほかに、組成物には湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘
味剤、香味剤、芳香剤などの補助剤を含めてもよい。 懸濁液には活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリン
酸アルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微
晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびト
ラガカント、またはこれらの混合物などを含めることができる。
【0046】 直腸投与用の組成物は坐薬が好ましく、これは本発明化合物をカカオ脂、ポリ
エチレングリコールあるいは坐薬用ワックスのような通常の温度では固体である
が体温で液体となって直腸内または膣内で溶解し活性成分を放出し得る適切な非
刺激性の賦形剤または担体と混合することにより調製することができる。 本発明化合物における局所投与用の剤形には、軟膏、粉末、スプレーおよび吸
入剤が含まれる。活性成分に無菌条件下で生理学的に許容し得る担体および必要
に応じて保存剤、緩衝剤あるいは噴射剤を混合する。眼科用の処方、眼軟膏、散
剤、液剤もまた本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0047】 本発明の化合物は1日当たり約0.1〜2,000mgの範囲の投与量で患者に投
与することができる。体重約70kgの標準の成人においては、1日当たり体重1
kgに対して約0.01〜約100mgの範囲内の投与量が好ましい。ただし、特別
な使用目的の場合にはこの投与量を変更することができる。例えば、投与量は患
者の要求、治療すべき容態の重篤度および用いられる化合物の薬理学的活性を含
む複数の要素に依って決めることができる。特定の患者に対する最適な投与量の
決定は当業者に周知である。
【0048】 本発明化合物は化合物中に非対称な中心が存在するために異なる立体異性体の
形態で存在することができる。ラセミ体の混合物を含む化合物の全ての立体異性
体並びにその混合物は本発明の一形態である。 さらに本発明の化合物は水、エタノールなどのような製薬上許容され得る溶媒
で溶解されている形態並びに溶解されていない形態で存在することもできる。一
般に溶解された形態は本発明の目的にとって溶解されていない状態と等価値であ
る。 以下に述べる実施例は本発明の特定の実施形態を示すが、本明細書または請求
の範囲を限定するものではない。
【0049】 PFT阻害活性 蛋白質:本発明化合物のファルネシルトランスフェラーゼ(PFT)またはファ
ルネシル蛋白質トランスフェラーゼ(FPT)阻害活性は、5mMリン酸カリウム
および20μM ZnCl2を含むHEPESバッファ(pH7.4)内でアッセイ
された。上記溶液はまた5mM DTT(ジチオスレイトール)、5mM MgCl2
、および0.1%PEG 8000を含有する。アッセイは96穴プレート(Wall
ec)内で実施され、本発明の化合物を10%DMSO(ジメチルスルホキシド)
中に様々な濃度で含む溶液を用いた。両基質、すなわち放射性標識ファルネシル
ピロリン酸([13H]、比活性15〜30Ci/mmol、最終濃度134nM)およ
び(ビオチニル)−Ahe−Thr−Lys−Cys−Val−Ile−Met
([3aS[3aアルファ,4ベータ,6aアルファ]−ヘキサヒドロ−2−オ
キソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−5−吉草酸]−[7−アミノ
ヘプタン酸]−Thr−Lys−Cys−Val−Ile−Met(Aheは7
−アミノヘプタン酸であり、Thrはトレオニン、Lysはリジン、Cysはシ
ステイン、Valはバリン、IleはイソロイシンおよびMetはメチオニンで
ある)(最終濃度0.2μM)の添加後、酵素反応はSF9アフィニティ精製さ
れたラットFPTを添加することにより開始させた。30℃、30分間のインキ
ュベーション後、1.5M酢酸マグネシウム、0.2M H3PO4、0.5%BSA
(ウシ血清アルブミン)およびストレプアビジンビーズ(Amersham)を含有する
停止バッファを1.3mg/mlの濃度で添加して反応液を2.5倍に希釈することに
より反応を終了させた。プレートを室温で30分間放置させた後、放射線活性を
micro Beta計測器(1450型、Wallec)で定量した。このアッセイは5mMリン
酸カリウム不存在下でも実施した。
【0050】 ゲルシフトアッセイ 処理条件当たり2×106のras形質転換細胞を24時間培養した後ファルネ
シル化阻害剤が種々の濃度で添加される。18時間のインキュベーションの後、
細胞を1% Triton X−100、0.5%デオキシコール酸ナトリウムおよび0
.1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含有するリン酸塩緩衝食塩水(pH
7.4)中、数種のプロテアーゼ阻害剤(PMSF(フェニルメチルスルホニル
フルオライド)、アンチパイン、ロイペプチン、ペプスタチンAおよびアプロチ
ニンのすべて1μg/ml)存在下で溶解させる。ras蛋白質は3μgのv−H−
ras Ab−2(Oncogene ScienceのY13−259抗体)を添加することに
より上清から免疫沈降させる。一晩免疫沈降させた後、50%プロテインG−セ
ファローススラリー(Pharmacia)を30μL添加し、45分間インキュベートす
る。ペレットは5%メルカプトエタノールを含有する2Xトリス−グリシン溶出
バッファ(Novex)中で再懸濁され、5分間沸騰させることにより変性させた後
、14%トリス−グリシンSDSゲル上で電気泳動を行う。ウエスタントランス
ファー技術を用いて蛋白質をニトロセルロース膜に移動させ、次いでブロッキン
グバッファでブロッキングを行う。一次抗体(Oncogene Science社のpan-ras Ab
-2)で一晩インキュベートした後、抗マウスHRP(西洋ワサビぺルオキシダー
ゼ)コンジュゲート二次抗体(Amersham)を用いてras蛋白質を検出する。ブ
ロットはECL(増強された化学ルミネセンス)技術(Amersham)を用いて発現
させる。
【0051】 本発明化合物は次の通り合成することができる。 スキーム1は本発明の化合物の製造方法を示し、実施例1、すなわち、N−(
(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−メチル−
2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1S)−1−フェニル
エチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジルの合成を示している
。(S)−α−メチルベンジルアミンとブロモ酢酸メチルとの反応はアセトニト
リル中、塩基としてジイソプロピルエチルアミン存在下で実施し、メチル−2−
[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ酢酸エステルを得た。メチル−2−[
(1S)−1−フェニルエチル]アミノ酢酸エステルは塩化メチレン中、カップ
リング剤としてHATUおよび塩基としてジイソプロピルエチルアミンを用いて
Cbz−His(トリチル)にカップリングさせた。得られた生成物は水酸化リ
チウムを用い0℃でケン化し、次いで塩化メチレン中、カップリング剤としてH
BTUおよび塩基としてジイソプロピルエチルアミンを用いてβ,β−ジメチル
フェネチルアミンとカップリングさせた。トリチル基は塩化メチレン中50%T
FAで処理することにより除去した。β,β−ジメチルフェネチルアミンはシア
ン化ベンジルから調製し、テトラヒドロフラン(THF)およびTHF中2当量
のヨウ化メチル中で2当量の水素化ナトリウムで処理した後、水素添加(H2、P
d/C、アンモニア)を行い、塩酸塩を生成させるためにHClで処理した。
【0052】
【化35】
【0053】 スキーム2は実施例4、すなわち、3−([(2S)−2−[(ベンジルオキ
シ)カルボニル]アミノ−3−(1H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2
−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ
)プロパン酸メチルの合成を示すことにより、本発明化合物の製造方法を示す。
β−アラニンメチルエステル塩酸塩とブロモ酢酸t−ブチルとの反応は塩化メチ
レン中、塩基としてトリエチルアミン存在下で実施し、3−(tert−ブトキ
シカルボニルメチル−アミノ)−プロピオン酸メチルエステルを得、これを塩化
メチレン/アセトニトリル中においてカップリング剤にHBTUおよび塩基にト
リエチルアミンを用いてCbz−His(トリチル)にカップリングさせた。得
られた生成物を95%水性TFA水で処理しトリチル基およびt−ブチル基を除
去した後、塩化メチレン/ジメチルホルムアミド中HBTUをカップリング剤と
しておよびジイソプロピルエチルアミンを塩基として用いてβ,β−ジメチルフ
ェネチルアミンとカップリングさせ、所望の生成物を得た。
【0054】
【化36】
【0055】 スキーム3は実施例6、すなわち[1−{(2−アミノ−エチル)−[(2−
メチル−2−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−
2−(3H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエス
テルの合成を示すことにより本発明化合物の製造方法を示す。(2−アミノエチ
ル)カルバミン酸tert−ブチルエステルとブロモ酢酸メチルとの反応は塩化
メチレン中、塩基としてトリエチルアミン存在下で実施し(2−tert−ブト
キシカルボニルアミノ−エチルアミノ)−酢酸メチルエステル塩酸塩を得、その
後、これを塩化メチレン/ジメチルホルムアミド中でHATUおよびHOAtを
カップリング剤として並びにジイソプロピルエチルアミンを塩基として用いてC
bz−His(トリチル)にカップリングさせた。得られた生成物を水酸化ナト
リウムでケン化し、次いでPyBOPをカップリング剤としておよびジイソプロ
ピルエチルアミンを塩基として用いて塩化メチレン中でβ,β−ジメチルフェネ
チルアミンとカップリングさせた。トリチル基およびBoc基は95%水性TF
Aで処理して除去した。
【0056】
【化37】
【0057】 スキーム4は実施例9、すなわち、N−[2−((E)−2−ブテニル−2−
[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)
−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベ
ンジルの合成を示すことにより本発明化合物の製造方法を示す。(E)−2−ブ
テン−1−アミン塩酸塩とブロモ酢酸メチルとの反応はアセトニトリル中、塩基
としてトリエチルアミン存在下で実施し2−[(E)−2−ブテニルアミノ]−
酢酸メチルを得、これを塩化メチレン中でPyBOPをカップリング剤としてお
よびジイソプロピルエチルアミンを塩基として用いてCbz−His(トリチル
)とカップリングさせた。得られた生成物を水酸化ナトリウムでケン化し、続い
てテトラヒドロフラン中でDCCおよびHOBtをカップリング剤としておよび
トリエチルアミンを塩基として用いてβ,β−ジメチルフェネチルアミンとカッ
プリングさせた。トリチル基は80%水性酢酸で処理することにより除去した。
【0058】
【化38】
【0059】
【実施例】
実施例1 N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−メ
チル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1S)−1−フ
ェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジル 工程1:2−{(1S)−1−フェニルエチル}アミノ酢酸メチル (S)−α−メチルベンジルアミン(3.87ml、0.03mol)のアセニトリ
ル(50ml)溶液にジイソプロピルエチルアミン(5.23ml、0.03mol)を
加え、次いで、ブロモ酢酸メチル(2.84ml、0.03mol)を加えた。反応液
を室温にて一晩、窒素下で攪拌した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルと飽和
NaHCO3との間に分配した。水相を分離し、生成物を酢酸エチルで3回抽出し
た。酢酸エチル溶液を合わせ、塩水で3回洗浄した後、MgSO4で乾燥させ、
濃縮して明黄色の液体を得た。クロマトグラフィーをシリカゲル上で溶出液とし
て酢酸エチルを用いて行い、4.97g(収率86%)の無色の液体が得られた
。MS−APCI:M+1=194.2
【0060】 工程2:2−[(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−
(1−トリチル−1H−4−イミダゾリル)プロパノイル][(1S)−1−フ
ェニルエチル]アミノ酢酸メチル 工程1の化合物(0.54g、2.8mmol)、Cbz−His(Trt)−OH
(Hudspeth,J.P., Kaltenbronn, J.S., Repine,J.T., Roark,W.H., Stie
r,M.A.レニンインヒビターIII、米国特許番号4,735,933;1988)(1.49g
、2.8mmol)及びHATU(1.28g、3.4mmol)を塩化メチレン(10ml
)中、0℃で混合した。その後、ジイソプロピルエチルアミン(0.97ml、5.
6mmol)を加えた。反応液を放置して室温に加温し、窒素下で一晩撹拌した。溶
液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解させた。酢酸エチルを0.1N HCl、
飽和NaHCO3及びブラインで2回洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させ、ろ過
及び濃縮を行い、かすかに黄色い泡状物を得た。クロマトグラフィーをシリカゲ
ル上で溶出液として10:1/CH2Cl2:CH3OHを用いて行い、0.89g
(収率45%)の白色泡状物を得た。MS−APCI:M+1=707.4
【0061】 工程3:2−[(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−
(1−トリチル−1H−4−イミダゾリル)プロパノイル][(1S)−1−フ
ェニルエチル]アミノ酢酸 工程2で得られた化合物(0.88g、1.24mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(12ml)に水(4ml)を加え、次いで、LiOH:H2O(0.104g、2
.49mmol)を加えた。懸濁液を室温で一晩攪拌した。その溶液を濃縮し、残留
物を水で希釈し、その後1N HCl(3ml)を添加した。生成物を酢酸エチル
で4回抽出した。この酢酸エチル溶液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥さ
せ、ろ過後濃縮を行い、白色の泡状物を得た。クロマトグラフィーをシリカゲル
で溶出液として10:1/CH2Cl2:CH3OHを用いて行い、0.61gの白
色泡状物(収率71%)を得た。MS−APCI:M+1=693.5
【0062】 工程4:N−(1S)−2−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミ
ノ]−2−オキソエチル[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ−2−オキソ
−1−[(1−トリチル−1H−4−イミダゾリル)メチル]エチルカルバミン
酸ベンジル 工程3の化合物(0.61g、0.88mmol)、β,β−ジメチルフェネチルア
ミン塩酸塩(後述する工程6)(0.190g、1mmol)及びHBTU(0.37
9g、1mmol)を塩化メチレン(10ml)に懸濁させた懸濁液を攪拌し、0℃ま
で冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(0.47ml、2.7mmol)を滴下して処
理した。反応液を室温に加温し、一晩攪拌した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸エ
チルに溶解させた。酢酸エチルを1N HCl、飽和NaHCO3及びブラインで
洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させ、ろ過後濃縮して、明黄褐色の泡状物を得
た。クロマトグラフィーをシリカゲルで溶出液として10:1/CH2Cl2:C
3OHを用いて行い、0.53gの白色泡状物(収率73%)を得た。MS−A
PCI:M+1=824.6
【0063】 工程5:N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[
(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1S)
−1−フェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジル 工程4で得られた化合物(0.53g、0.64mmol)を塩化メチレン(10ml
)およびトリフルオロ酢酸(10ml)で2時間、室温で処理した。溶液を濃縮し
、残留物を酢酸エチルに溶解させた。この酢酸エチル溶液を飽和NaHCO3
洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後、濃縮して白色泡状物を得た。クロマト
グラフィーをシリカゲル上で溶出液として10:1/CH2Cl2:CH3OHを
用いて行い、0.28gの白色泡状物(収率74%)を得た。MS−APCI:
M+1=582.4。 C343954・0.3 H2Oとしての元素分析値: 計算値:C% 69.56,H% 6.80,N% 11.93 実測値:C% 69.39,H% 6.82,N% 11.91。
【0064】 工程6:β,β−ジメチルフェネチルアミン塩酸塩 水素化ナトリウム(ミネラルオイル中60%)(17g、0.43mol)をテト
ラヒドロフラン(150ml)中に懸濁し、窒素下で0℃まで冷却した。シアン化
ベンジル(22.2g、0.19mol)のテトラヒドロフラン溶液(30ml)を滴
下し、反応液を1時間攪拌した。テトラヒドロフラン(20ml)中のヨードメタ
ン(24.9ml、0.4mol)を0℃で滴加した。反応液を窒素下、室温で一晩攪
拌した。溶液をろ過し、その後濃縮した。残留物を酢酸エチル(100ml)に溶
解させ、10%NaHSO3、飽和NaHCO3、ブラインで3回洗浄し、MgS
4で乾燥させ、ろ過後濃縮した(22.74g、収率92%)。 上記生成物をメタノール/NH3中ラネーニッケル存在下で還元した。この触
媒を取り除き、メタノールで洗浄した。ろ液を濃縮し、残留物にジエチルエーテ
ル(100ml)を加えた。濃HClを滴加して24.8gの所望の生成物(収率
86%)を沈殿させた。
【0065】 実施例2 N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−メ
チル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1R)−1−フ
ェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジル 表題化合物は実施例1に従い、工程1における(S)−α−メチルベンジルア
ミンを(R)−α−メチルベンジルアミンに換えて製造することができる。表題
化合物は0.49gの白色泡状物(収率74%)として得られた。MS−APC
I:M+1=582.5。 C343954・0.3 H2Oとしての元素分析値: 計算値:C% 69.56,H% 6.80,N% 11.93 実測値:C% 69.37,H% 6.64,N% 12.03。
【0066】 実施例3 N−[(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−((2−メチル
−2−フェニルプロピル)−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミ
ノ]−2−オキソエチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル 表題化合物は実施例1に従い、工程1における(S)−α−メチルベンジルア
ミンをβ,β−ジメチルフェネチルアミン塩酸塩(実施例1、工程6)に換えて
製造することができる。表題化合物は0.60gの白色泡状物(収率68%)と
して得られた。MS−APCI:M+1=610.5。 C364354・0.75 H2Oとしての元素分析値: 計算値:C% 69.37,H% 7.20,N% 11.24 実測値:C% 69.46,H% 7.01,N% 11.41。
【0067】 実施例4 3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1H
−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプロ
ピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸メチル 工程1:3−(tert−ブトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピオン酸
メチルエステル トリエチルアミン(7ml、50mmol)をβアラニンメチルエステル塩酸塩(5
.25g、37.5mmol)の塩化メチレン溶液(100ml)に加えた。溶液を0℃
に冷却し、塩化メチレン(100ml)中のブロモ酢酸t−ブチル(4.88g、
25mmol)を加えた。反応混合物は室温まで加温して一晩攪拌した。溶媒を真空
下で除去し、残留物を酢酸エチルに溶解させた。酢酸エチルを飽和NaHCO3
、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後真空下で濃縮した(0.80
g、収率14%)。
【0068】 工程2:(S)3−{[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−トリ
チル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオニル]−tert−ブトキシ
カルボニルメチル−アミノ}−プロピオン酸メチルエステル 工程1で得られた化合物(0.434g、2mmol)の塩化メチレン溶液(10m
l)にアセトニトリル(10ml)中に溶解したCbz−His(Trt)−OH
(1.062g、2mmol)、トリエチルアミン(0.8ml、5.7mmol)およびH
BTU(0.758g、2mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。
溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解させて、飽和NaHCO3、ブライン
で3回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後真空下で濃縮した。クロマトグラ
フィーをシリカゲル上で酢酸エチル中に30%ヘキサンを含む溶液を溶出液とし
て用いて実施し、1.38gの油状物(収率94%)を得た。MS−APCI:
M+1=732。
【0069】 工程3:(S)3−{[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1H−イ
ミダゾール−4−イル)−プロピオニル]−カルボキシメチル−アミノ}−プロ
ピオン酸メチルエステル 工程2の化合物(1.38g、1.9mmol)を95%水性トリフルオロ酢酸で1
.5時間処理した。溶媒を数ミリリットルまで減らし、200mlのエーテル/ヘ
キサン中にピペッティングにより混合した。−40℃で一晩生成物を沈殿させた
。固体を集め、すすいだ後、乾燥させた(0.75g、収率91%)。
【0070】 工程4:3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3
−(1H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェ
ニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸メチル 工程3の化合物(0.75g、1.74mmol)を1:1ジメチルホルムアミド:
塩化メチレン(各5ml)に溶解した。β,β−ジメチルフェネチルアミン塩酸塩
(実施例1、工程6)(0.325g、1.75mmol)を加え、続いてジメチルホ
ルムアミド(10ml)に溶解したジイソプロピルエチルアミン(1ml、5.7mmo
l)およびHBTU(0.760g、2mmol)を加えた。反応液を室温で一晩攪拌
した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解させ、飽和NaHCO3、ブラ
インで3回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後、真空下で濃縮した。クロマ
トグラフィーをシリカゲル上で塩化メチレン中に5%のメタノールを含む溶液を
溶出液として用いて実施し、0.50gの白色泡状物(収率51%)を得た。M
S−APCI:M+1=564.4。 C303656・2.61 H2O・1.37 CH2Cl2としての元素分析値: 計算値:C% 51.90,H% 6.10,N% 9.65 実測値:C% 51.87,H% 6.06,N% 9.72。
【0071】 実施例5 3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1H
−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプロ
ピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸 工程1:3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3
−(1H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェ
ニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸 実施例4の生成物(0.30g、0.53mmol)をテロラヒドロフラン(10ml
)、メタノール(10ml)および水(1ml)に溶解した。水酸化ナトリウム(4
2mg、1.05mmol)を加え、反応液を一晩室温で攪拌した。この溶液を真空下
で濃縮し、残留物を0.1M NaPO4バッファ(10ml)に溶解させた。1N
HClを加えることにより溶液のpHを6とした。生成物を酢酸エチルで3回抽
出した。酢酸エチルをブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後真
空下で濃縮した。精製は逆相HPLC(溶出液として0.1%トリフルオロ酢酸
含有アセニトリルおよび0.1%水性トリフルオロ酢酸、C−18カラム)を用
いて実施し、0.078gの白色粉末(収率27%)を得た。MS−APCI:
M+1=550.3。 C293456・1.46CF3COOH,1.62H2Oとしての元素分析値: 計算値:C% 51.51,H% 5.24,N% 9.41 実測値:C% 51.51,H% 5.27,N% 9.40。
【0072】 実施例6 [1−{(2−アミノ−エチル)−[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカ
ルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミダゾール−4−イ
ル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル 工程1:(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチルアミノ)−酢酸メ
チルエステル (2−アミノエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(後述する工程
6から)(4.2g、26.3mmol)の塩化メチレン溶液(50ml)にトリエチル
アミン(4.4ml、31.4mmol)およびブロモ酢酸メチル(2.4ml、26.3mm
ol)を加えた。反応液を一晩室温で攪拌した。次いで飽和塩化ナトリウム水溶液
(100ml)を加え、有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後濃縮した
。残留物はジエチルエーテルに溶解させ、ジエチルエーテル中における飽和HC
l溶液を加え、生成物を沈殿させ、これをろ過した後、乾燥させた。これをエタ
ノール/酢酸エチル中で再結晶化させ、1.39gの白色固体(収率20%)を
得た。MS−APCI:M+1=233。
【0073】 工程2:(S)[[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−トリチル
−1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオニル]−(2−tert−ブトキ
シカルボニルアミノ−エチル)−アミノ]−酢酸メチルエステル 工程1の生成物(0.67g、2.5mmol)を塩化メチレン(10ml)に溶解し
、その後、Cbz−His(Trt)−OH(1.46g、2.75mmol)を加え
、続いてジイソプロピルエチルアミン(1.3ml、7.5mmol)、HATU(1.
05g、2.76mmol)、HOAt(0.374g、2.75mmol)およびジメチ
ルホルムアミド(10ml)を加えた。反応液は一晩室温で攪拌した。溶液を濃縮
し、残留物を酢酸エチルに溶解させ、飽和NaHCO3、ブラインで3回洗浄し
、MgSO4で乾燥させ、ろ過後真空下で濃縮して、1.8gの白色固体(収率9
7%)を得た。MS−APCI:M+1=747。
【0074】 工程3:(S)[[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−トリチル
−1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオニル]−(2−tert−ブトキ
シカルボニルアミノ−エチル)−アミノ]酢酸 工程2の生成物(1.8g、2.4mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)、メ
タノール(10ml)および水(2ml)に溶解した。水酸化ナトリウム(0.19
2g、4.8mmol)を添加して、混合液を一晩室温で攪拌した。溶液を真空下で
濃縮し、残留物を0.1M NaPO4バッファ(100ml)に溶解させた。1N
HClを加えpH6とした。生成物を酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル抽
出液をブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後真空下で濃縮して
、1.3gの白色粉末(収率74%)を得た。MS−APCI:M+1=732
【0075】 工程4:(S)[1−{(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)
−[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバ
モイル}−2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−
カルバミン酸ベンジルエステル 工程3の化合物(1.3g、1.8mmol)を塩化メチレン(10ml)に溶解した
。β,β−ジメチルフェネチルアミン塩酸塩(実施例1、工程6)(0.370g
、2mmol)を加え、続いて塩化メチレン(10ml)に溶解したジイソプロピルエ
チルアミン(1ml、5.7mmol)およびPyBOP(1.04g、2mmol)を加え
た。反応液を室温で一晩攪拌した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解さ
せた。飽和NaHCO3、ブラインで3回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後
、真空下で濃縮して、1.09gの白色固体(収率70%)を得た。MS−AP
CI:M+1=863。
【0076】 工程5:[1−{(2−アミノ−エチル)−[(2−メチル−2−フェニル−プ
ロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミダゾール
−4−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル 工程4の化合物(1.09g、1.26mmol)を95%水性トリフルオロ酢酸(
50ml)で1時間室温にて処理した。溶媒は数ミリリットルまで減らし、これを
ピペッティングにより200mlのエーテル/ヘキサンに移した。生成物を一晩、
−40℃で沈澱させた。固体を集め、すすいだ後、乾燥させた。精製は逆相HP
LC(溶出液として0.1%トリフルオロ酢酸含有アセニトリルおよび0.1%水
性トリフルオロ酢酸、C−18カラム)を用いて行い、0.30gの白色粉末(
収率45%)を得た。MS−APCI:M+1=521.2。 C283564・2.07 CF3COOH,1.08 H2Oとしての元素分析値
: 計算値:C% 49.80,H% 5.10,N% 10.84 実測値:C% 49.83,H% 5.15,N% 10.82。
【0077】 工程6:(2−アミノエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル エチレンジアミン(6.7ml、0.1mol)を含むテトラヒドロフラン(30ml
)の冷却した溶液にテトラヒドロフラン(30ml)に溶解したジ−t−ブチルジ
カーボネート(7.27g、0.033mol)を30分かけて添加した。この添加
が完了した後、反応混合液を一晩室温で攪拌した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸
エチルに溶解させた。有機溶液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ
過後濃縮して4.2gの白色ペースト(収率79%)を得た。MS−APCI:
M+1=161。これはさらに精製を行うことなしに使用に供した。
【0078】 実施例7 N−[(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−([2−(メチ
ルアミノ)エチル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−
2−オキソエチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル 表題化合物は実施例6に従い、工程1における(2−アミノエチル)−カルバ
ミン酸tert−ブチルエステルを(2−アミノ−エチル)−メチル−カルバミ
ン酸tert−ブチルエステル(後述する工程1)に換えて製造することができ
る。表題化合物は0.40gの白色泡状物(収率32%)として得られた。MS
−APCI:M+1=535.5。 C293864・0.26 CH2Cl2としての元素分析値: 計算値:C% 63.12,H% 6.97,N% 15.09 実測値:C% 63.06,H% 7.16,N% 15.17。
【0079】 工程1:(2−アミノ−エチル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエス
テル メチルアミノアセトニトリル塩酸塩(5.4g、50mmol)を含有するテトラ
ヒドロフラン:ジメチルホルムアミド(各15ml)の冷却した溶液にテトラヒド
ロフラン(30ml)中にジ−t−ブチルジカーボネート(9.0g、50mmol)
およびトリエチルアミン(3.4ml、24mmol)を含む溶液を30分かけて加え
た。反応液を一晩室温で攪拌した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解さ
せた。有機溶液をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて、ろ過後濃縮して
8.38gの褐色の油状物(収率98%)を得た。MS−APCI:M+1=1
71。これはさらなる精製を行うことなく使用した。 上記生成物をエタノール/トリエチルアミン中、ラネー−ニッケル存在下で還
元した。触媒を除去し、エタノールで洗浄した。ろ液を濃縮して7.13gの褐
色の油状物(収率84%)として所望の生成物を得た。MS−ACPI:M+1
=175。
【0080】 実施例8 (2−(3H−イミダゾール−4−イル)−1−{(2−メトキシ−エチル)−
[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモ
イル}−エチル)−カルバミン酸ベンジルエステル 表題化合物は実施例6に従い、工程1における(2−アミノエチル)−カルバ
ミン酸tert−ブチルエステルを2−メトキシエチルアミンに換えて製造する
ことができる。表題化合物は0.33gの白色泡状物(収率24%)として得ら
れた。MS−APCI:M+1=536.2。 C293755・0.22 CH2Cl2の元素分析値: 計算値:C% 63.31,H% 6.81,N% 12.63 実測値:C% 63.30,H% 6.69,N% 12.91。
【0081】 実施例9 N−[2−((E)−2−ブテニル−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピ
ル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−1−(1H−4−イミダゾリルメチ
ル)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル 工程1:2−[(E)−2−ブテニルアミノ]酢酸メチル アセトニトリル(100ml)中における(E)−2−ブテン−1−アミン・HC
l(5.37g、49.9mmol)(Chem. Ber. 117,1250(1984))の懸濁液を
ブロモ酢酸メチル(4.72ml、49.9mmol)およびEt3N(14.0ml、99
.8mmol)で処理し、室温で1時間攪拌した。懸濁液を一晩還流加熱した。還流
温度で溶液となった。冷却後、沈殿したEt3N・HClをろ去し、溶媒を減圧
下で除去し、5.0gの粗生成物を得た。クロマトグラフィーをシリカゲル上で
CHCl3/MeOH(98/2)を用いて溶出させて行い、油状物として1.4
1gの純粋な生成物(収率19.8%)を得た。
【0082】 工程2:2−[2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1−トリ
チル−1H−5−イミダゾリル)プロパノイル][(E)−2−ブテニル]アミ
ノ酢酸メチル CH2CL2(50ml)中に2−[(E)−2−ブテニルアミノ]酢酸メチル(
0.6g、4.2mmol)を含む溶液を氷中で冷却し、Cbz−His(Trt)−
OH(2.23g、4.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.2ml、12.
6mmol)およびPyBOP(2.2g、4.2mmol)で処理した。0℃で15分攪
拌した後、溶液を室温で4日間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残留物を
EtOAcに溶解させ、H2Oで3回洗浄し、それから飽和NaClで洗浄した
。MgSO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去することにより4.36gの粗生成
物を得た。クロマトグラフィーをシリカゲル上でCHCl3/MeOH(98/
2)を用いて溶出させて行い、白色固体泡状物として2.23gの純粋な生成物
(収率81.1%)を得た。MS,m/z 657(M+H+)。
【0083】 工程3:2−[2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1−トリ
チル−1H−5−イミダゾリル)プロパノイル][(E)−2−ブテニル]アミ
ノ酢酸 2−[2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1−トリチル−
1H−5−イミダゾリル)プロパノイル][(E)−2−ブテニル]アミノ酢酸
メチル(2.23g、3.4mmol)のMeOH(20ml)/ジオキサン(15ml)
溶液を2N NaOH(7.0ml、14.0mmol)で処理し、0.5時間室温で攪拌
した。2N HCl(7.0ml、14.0mmol)を加えた後、混合物を固体状とし
た。これをEtOAc/THFと混合し、ろ過してNaClを除去した。減圧下
で溶媒を除去することにより白色固体泡状物として2.06g(収率94.5%)
の生成物を得た。MS,m/z 643(M+H+)。
【0084】 工程4:N−2−((E)−2−ブテニル−2−[(2−メチル−2−フェニル
プロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−2−オキソ−1−[(1−ト
リチル−1H−4−イミダゾリル)メチル]エチルカルバミン酸ベンジル THF(20ml)中に2−[2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−
3−(1−トリチル−1H−5−イミダゾリル)プロパノイル][(E)−2−
ブテニル]アミノ酢酸(1.0g、1.6mmol)を含む溶液をHOBt(0.22
g、1.6mmol)およびDCC(0.33g、1.6mmol)で処理した。β,β−ジ
メチルフェネチルアミン塩酸塩(実施例1、工程6)(0.29g、1.6mmol)
を加え、続いてEt3N(0.22ml、1.6mmol)を加えた後、混合物を室温で
2日間攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、ろ過後、ろ液を飽和NaHCO 3 および飽和NaClで洗浄した。MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し
て白色の泡状物として1.19gの生成物(収率99.2%)を得た。MS,m/
z 774(M+H+)。
【0085】 工程5:N−[2−((E)−2−ブテニル−2−[(2−メチル−2−フェニ
ルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−1−(1H−4−イミダゾ
リルメチル)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル 80%水性HOAc(100ml)中にN−2−((E)−2−ブテニル−2−
[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)
−2−オキソ−1−[(1−トリチル−1H−4−イミダゾリル)メチル]エチ
ルカルバミン酸ベンジル(1.19g、1.6mmol)を含む溶液を87℃で0.5
時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOAcに溶解させ、飽和N
aHCO3で2回洗浄し、その後、飽和NaClで洗浄した。MgSO4で乾燥さ
せ、圧力をかけて溶媒を除去し粗生成物を得た。クロマトグラフィーをシリカゲ
ル上でCHCl3/MeOH(95/5)を用いて溶出させて行い、生成物を得
た。この生成物をCH2Cl2に溶解して溶媒を減圧下で除去し、固体泡状物とし
て0.64gの生成物(収率74.4%)を得た。MS,m/z 532(M+H+ )。 C303754・0.1 CH2Cl2としての元素分析値: 計算値:C% 66.93,H% 6.94,N% 12.97 実測値:C% 66.68,H% 7.01,N% 12.96。
【0086】 実施例10 [1−{(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−[(2−メチル−2−フェニル−
プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(1H−イミダゾー
ル−4−イル)−エチル]−カルバミン酸1−フェニル−エチルエステル 表題化合物は実施例9に従い、実施例9の工程2におけるCbz−His(T
rt)−OHを2−(1−フェニル−エトキシ−カルボニルアミノ)−3−(1
−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオン酸(後述する工程1
および2)に換えて製造することができる。表題化合物は0.264gの白色泡
状物(収率46%)として得られた。MS−APCI:M+1=688.5。 C414555・0.13 CH2Cl2としての元素分析値: 計算値:C% 70.65,H% 6.53,N% 10.02 実測値:C% 70.65,H% 6.47,N% 10.08。
【0087】 工程1:2−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−3−(1−トリチ
ル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオン酸メチルエステル 塩化メチレン(20ml)中にα−メチルフェンエタノール(0.55ml、4.6
mmol)、4−ニトロフェニルクロロホルメート(0.92g、4.6mmol)および
トリエチルアミン(0.64ml、4.6mmol)を含む溶液を0℃まで冷却した。1
5分後、塩化メチレン(10ml)中にHis(Trt)−OCH3(2g、4.2
mmol)およびトリエチルアミン(1.28ml、9.1mmol)を含む液を添加した。
反応液を一晩室温で攪拌した。この液を水、飽和NaHCO3、ブラインで2回
洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後濃縮した。クロマトグラフィーをシリカ
ゲル上で溶出液としてヘキサン中の70%〜80%酢酸エチルを用いて行い、1
.26gの白色泡状物(収率54%)を得た。MS−APCI:M+1=560.
3。
【0088】 工程2:2−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−3−(1−トリチ
ル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオン酸 工程1の化合物(1.06g、1.9mmol)をメタノール(10ml)およびテト
ラヒドロフラン(10ml)に溶解し、1N NaOH(5.7ml、5.7mmol)を
加え、反応液を室温で2時間攪拌した。溶液を濃縮した。HCl(1N)(5.
7ml、5.7mmol)を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機溶液をブライ
ンで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後、濃縮して1.0gの白色泡状物(収
率96%)を得た。
【0089】 実施例11 N−(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−[2−[(2−メ
チル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル(2−モルホリノエ
チル)アミノ]−2−オキソエチルカルバミン酸ベンジル 表題化合物は実施例6に従い、工程1における(2−アミノエチル)−カルバ
ミン酸tert−ブチルエステルを2−モルホリノエチルアミンに換えて製造す
ることができる。表題化合物は0.055gの白色泡状物(収率15%)として
得られる。MS−APCI:M+1=591.2。 C324265・0.92 H2O,2.34 CF3COOHとしての元素分析
値: 計算値:C% 50.40,H% 5.33,N% 9.61 実測値:C% 50.37,H% 5.28,N% 9.60。
【0090】 実施例12 3−{[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(3H−イミダゾール−4
−イル)−プロピオニル]−[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバモ
イル)−メチル]−アミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステル 実施例5の生成物(0.22g、0.4mmol)を20%イソプロパノールを含む
塩化メチレン(10ml)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(0.42ml
、2.4mmol)を加え、反応液を0℃まで冷却した。その後、PyBOP(0.4
2g、0.8mmol)を含む塩化メチレン(5ml)を加えた。反応液を室温まで加
温し、一晩攪拌した。溶液を濃縮して、残留物を酢酸エチルに溶解させ、飽和N
aHCO3、ブラインで3回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後真空下で濃縮
した。精製は逆相HPLC(溶出液として0.1%トリフルオロ酢酸含有アセト
ニトリルおよび0.1%水性トリフルオロ酢酸、C−18カラム)を用いて実施
し、0.012gの白色粉末(収率5%)を得た。MS−APCI:M+1=5
92.2。 C324156・1.32 CF3COOH,1.03 H2Oとしての元素分析値
: 計算値:C% 54.69,H% 5.88,N% 9.21 実測値:C% 54.49,H% 5.47,N% 9.59。
【0091】 実施例13 [1−{(2−ジメチルカルバモイル−エチル)−[(2−メチル−2−フェニ
ル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミダ
ゾール−4−イル)エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル 実施例5(0.48g、0.87mmol)で得られた生成物を塩化メチレン(5ml
)およびジメチルホルムアミド(5ml)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミ
ン(0.9ml、5.2mmol)およびジメチルアミン塩酸塩(0.144g、1.76
mmol)を加え、この反応液を0℃まで冷却した。その後、PyBOP(0.91
g、1.75mmol)を含む塩化メチレン(5ml)を加えた。反応液を室温に加温
し、一晩攪拌した。溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解させ、飽和NaH
CO3、ブラインで3回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過後、真空下で濃縮し
た。精製は逆相HPLC(溶出液として0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリルおよび0.1%水性トリフルオロ酢酸、C−18カラム)を用いて実施し
、0.115gの白色粉末(収率23%)を得た。MS−APCI:M+1=5
77.3。 C314065・1.50 CF3COOH,0.90 H2Oとしての元素分析値
: 計算値:C% 53.46,H% 5.71,N% 11.0 実測値:C% 53.40,H% 5.60,N% 11.40。
【0092】 実施例14 {2−(3H−イミダゾール−4−イル)−1−[[(2−メチル−2−フェニ
ル−プロピルカルバモイル)−メチル]−(2−メチルスルファニル−エチル)
−カルバモイル]−エチル}−カルバミン酸ベンジルエステル 表題化合物は実施例4に従い、工程1におけるβ−アラニンメチルエステル塩
酸塩を2−チオール−エチルアミンに換えて製造することができる。表題化合物
は0.12gの白色泡状物(収率10%)として得られた。MS−APCI:M
+1=552.3。 C2937541・1.04 CF3COOH,0.53 H2Oの元素分析値: 計算値:C% 54.91,H% 5.80,N% 10.30 実測値:C% 54.90,H% 5.80,N% 10.60。
【0093】 本明細書において次の略語を用いた。HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
、CI−MS 化学イオン化質量分析計、mp 融点、rt 室温、THF テトラ
ヒドロフラン、APCI−MS 大気圧化学イオン化質量分析計、dec 分解、
AcCN、CH3CNまたはMeCN アセトニトリル、HOAc 酢酸、CHC
3 クロロホルム、DCM ジクロロメタンまたは塩化メチレン、DMF N,N
′−ジメチルホルムアミド、EtOAc 酢酸エチル、EtOH エタノール、E
2O ジエチルエーテル、HCl 塩酸、H22 過酸化水素、H2SO4 硫酸、
KOH 水酸化カリウム、MeOH メタノール、NaH 水素化ナトリウム、N
aOH 水酸化ナトリウム、NaHCO3 炭酸水素ナトリウム、iPrOHイソ
プロパノール、TFA トリフルオロ酢酸、Boc 第3ブチルオキシカルボニル
、Ts p−トルエンスルホン酸塩、Ph3P トリフェニルホスフィン、HAT
U O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラ
メチルウロニウムヘキサフルオロリン酸、HBTU O−ベンゾトリアゾール−
1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸、
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホス
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、Et3N,TEA トリエチルアミン、D
IEA ジイソプロピルエチルアミン、Trt トリチル、HOAt 1−ヒドロ
キシ−7−アザベンゾトリアゾール。
【0094】 分析的HPLCはVydacC 18ペプチド/蛋白質カラムで0.1%TFAを含む水
/アセトニトリルの勾配で溶出することにより実施した。フラッシュクロマトグ
ラフィはMerckまたはICN シリカゲル、60A、230−400メッシ
ュを用いて行った。THFはNa/ベンゾフェノンから蒸留し、他の全ての溶媒
は試薬用等級を用い、別の方法が示されていないかぎり4Aモレキュラーシーブ
上で乾燥させた。 次の表におけるデータは本発明の化合物が有するファルネシル蛋白質トランス
フェラーゼ阻害活性を示す。
【0095】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AU,BA,BB,BG,BR ,CA,CN,CU,CZ,EE,GD,GE,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KP,KR,L C,LK,LR,LT,LV,MG,MK,MN,MX ,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,SL, TR,TT,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ジェイムズ・スタンレー・カルテンブロン アメリカ合衆国ミシガン州48103. アン アーバー.グリーンブライアーブールバー ド3555. アパートメント70シー (72)発明者 ダニエル・マリー・レナード アメリカ合衆国ミシガン州48103.アンア ーバー.ピーターズロード2380 (72)発明者 デニス・ジョウゼフ・マクナマーラ アメリカ合衆国ミシガン州48103. アン アーバー.リンダヴィスタ304 (72)発明者 ジョン・クウィン・ザサード アメリカ合衆国ミシガン州48105. アン アーバー.バンカーヒル2488 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA14 CA59 DC32 NA14 ZA361 ZA451 ZB261 4H045 AA10 AA30 BA11 BA51 DA55 EA24 EA28 FA31 GA21 HA02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 ここでAは 【化2】 であり、 各R1およびRbは独立して水素またはC1〜C6アルキルであり、 各Raは独立してC1〜C6アルキル、−(CH2)m−アリール、−(CH2)m−置
    換アリール、−(CH2)m−置換ヘテロアリールまたは−(CH2)m−ヘテロアリー
    ルであり、 各mは独立して0〜3であり、 各nは独立して1〜4であり、 R3は 【化3】 であり、 R4は 【化4】 であり、 R5は 【化5】 である化合物およびその製薬上許容し得る塩類、エステル類、アミド類およびプ
    ロドラッグ。
  2. 【請求項2】 各R1が水素である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Aが−OCH2−フェニルである請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R5が 【化6】 である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Aが−OCH2−フェニル、各R1が水素およびR5が 【化7】 である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 式I 【化8】 ここでAは 【化9】 であり、 R1は水素であり、 R3は 【化10】 であり、 R4は 【化11】 であり、 各Raは独立して水素またはC1〜C6アルキルであり、 R5は 【化12】 である化合物、およびその製薬上許容し得る塩類、エステル類、アミド類および
    プロドラッグ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の化合物を含む医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の化合物を含む医薬組成物。
  9. 【請求項9】 癌の治療方法であって、癌に罹患している患者に治療に効果
    的な量の請求項1記載の化合物を投与することを含む治療方法。
  10. 【請求項10】 癌の治療方法であって、癌に罹患している患者に治療に効
    果的な量の請求項6記載の化合物を投与することを含む治療方法。
  11. 【請求項11】 アテローム性動脈硬化症の治療方法であって、アテローム
    性動脈硬化症に罹患している患者に治療に効果的な量の請求項1記載の化合物を
    投与することを含む治療方法。
  12. 【請求項12】 アテローム性動脈硬化症の治療方法であって、アテローム
    性動脈硬化症に罹患している患者に治療に効果的な量の請求項6記載の化合物を
    投与することを含む治療方法。
  13. 【請求項13】 再狭窄の治療または予防方法であって、再狭窄に罹患して
    いる患者または再狭窄を発症するおそれのある患者に治療に効果的な量の請求項
    1記載の化合物を投与することを含む治療または予防方法。
  14. 【請求項14】 再狭窄の治療または予防方法であって、再狭窄に罹患して
    いる患者または再狭窄を発症するおそれのある患者に治療に効果的な量の請求項
    6記載の化合物を投与することを含む治療または予防方法。
  15. 【請求項15】 N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)
    −2−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチ
    ル[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸
    ベンジル、 N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−
    メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1R)−1−
    フェニルエチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジル、 N−[(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−((2−メチ
    ル−2−フェニルプロピル)2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミ
    ノ]−2−オキソエチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル、 3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1
    H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプ
    ロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸メチル、 3−([(2S)−2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ−3−(1
    H−4−イミダゾリル)プロパノイル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプ
    ロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)プロパン酸、 [1−{(2−アミノ−エチル)−[(2−メチル−2−フェニル−プロピル
    カルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミダゾール−4−
    イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル、 N−[(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−([2−(メ
    チルアミノ)エチル]−2−[(2−メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]
    −2−オキソエチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル、 (2−(3H−イミダゾール−4−イル)−1−{(2−メトキシ−エチル)
    −[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバ
    モイル}−エチル)−カルバミン酸ベンジルエステル、 N−[2−((E)−2−ブテニル−2−[(2−メチル−2−フェニルプロ
    ピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−1−(1H−4−イミダゾリルメ
    チル)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル、 [1−{(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−[(2−メチル−2−フェニル
    −プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(1H−イミダゾ
    ール−4−イル)−エチル]−カルバミン酸1−フェニル−エチルエステル、 N−(1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−[2−[(2−
    メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル(2−モルホリノ
    エチル)アミノ]−2−オキソエチルカルバミン酸ベンジル、 3−{[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(3H−イミダゾール−
    4−イル)−プロピオニル]−[(2−メチル−2−フェニル−プロピルカルバ
    モイル)−メチル]−アミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステル、 [1−{(2−ジメチルカルバモイル−エチル)−[(2−メチル−2−フェ
    ニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−2−(3H−イミ
    ダゾール−4−イル)エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル、 {2−(3H−イミダゾール−4−イル)−1−[[(2−メチル−2−フェ
    ニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−(2−メチルスルファニル−エチル
    )−カルバモイル]−エチル}−カルバミン酸ベンジルエステル、 N−[(1S)−2−((2−ヒドロキシエチル)2−[(2−メチル−2−
    フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチルアミノ)−1−(1H−4−イ
    ミダゾリルメチル)−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジルおよび N−((1S)−1−(1H−4−イミダゾリルメチル)−2−2−[(2−
    メチル−2−フェニルプロピル)アミノ]−2−オキソエチル[(1−メチル−
    4−ピペリジル)メチル]アミノ−2−オキソエチル)カルバミン酸ベンジルで
    ある化合物。
  16. 【請求項16】 式I 【化13】 ここで、Aは 【化14】 であり、 各R1およびRbは独立して水素またはC1〜C6アルキルであり、 各Raは独立してC1〜C6アルキル、−(CH2)m−アリール−、−(CH2)m
    置換アリール−、−(CH2)m−置換ヘテロアリール−または−(CH2)m−ヘテロ
    アリール−であり、 各mは独立して0〜3であり、 各nは独立して1〜4であり、 R3は 【化15】 であり、 R4は 【化16】 であり、 R5は 【化17】 である化合物、およびその製薬上許容し得る塩類、エステル類、アミド類並びに
    プロドラッグ。
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