JP3837633B2 - 新規な機能性ペプチド核酸およびその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規機能性ペプチド核酸モノマーおよびその製造方法、並びに該モノマーを用いて機能性ペプチド核酸オリゴマーを製造するための方法に関する。より詳細には、前駆体的PNAモノマーユニットおよびその製造方法、並びに該モノマーユニットをPNAオリゴマーに導入した後に1種または2種以上の所望の機能性分子をポスト合成的に導入することを特徴とする、前記製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
核酸は生物の遺伝情報を司るDNAおよびRNAである。これに対して、ペプチド核酸(PNA)とは、核酸の糖リン酸骨格をN−(2−アミノエチル)グリシン骨格に変換した修飾核酸である(図1)。DNA/RNAの糖リン酸骨格は中性条件で負電荷を帯びていて相補鎖間の静電的な反発があるが、PNAの背骨構造はもともと電荷を持たないので静電的な反発がない。そのためPNAは従来の核酸と比較して、高い二重鎖形成能をもち、高い塩基配列認識能を持つ。さらにPNAは生体内ヌクレアーゼ・プロテアーゼに対し非常に安定で分解されないので、アンチセンス分子として遺伝子治療に応用することが検討されている。
【0003】
従来のDNAを媒体にしていた技術をPNA化することにより、これまで克服できなかったDNAの欠点を補うことが可能となった。例えば、遺伝情報の体系的な解析を高速に且つ大量に行うための「DNAマイクロアレイ技術」および塩基配列を特異的に認識したことを蛍光発光により検出できるプローブとして最近開発された「モレキュラービーコン」に応用することが可能である。これらはいずれも酵素耐性に乏しいDNAを媒体とするため、これらの技術を用いるに際しては厳密なサンプリングが要求される。この要求を満たすことが、前記の技術を高度化する上での鍵となっている。
【0004】
一方PNAは酵素に対し完全な耐性を持つので、DNAマイクロアレイ技術およびモレキュラービーコンにおいてPNAをDNAに代用することによって、前記技術の欠点が克服され、さらに長所が引き出されるものと期待されている。
DNAマイクロアレイ技術およびモレキュラービーコン以外にもPNA化することにより発展が期待される分野は数多いが、それらにおいてはPNAの効率的な機能化、すなわちPNAモノマーへの機能性分子の効率的な導入による新規なPNAモノマーの設計が必要である。
【0005】
PNAオリゴマーの合成方法には通常の固相ペプチド合成法を用いるので、PNAモノマーユニットをPNAの背骨構造によって分類すると、Fmoc型PNAモノマーユニットとtBoc型PNAモノマーユニットの2種類が含まれる(図2)。
Fmoc型PNAモノマーユニットの合成方法は既に確立されており、しかもそのオリゴマーの合成は一般的なDNA自動合成機によって可能であるため、下記のルート
【化14】
によって、少量スケールでの合成が可能となっている。
【0006】
当初PNAには下記のようなtBoc型PNAモノマーユニット
【化15】
が採用され、その後より効率のよい合成方法
【化16】
が確立された。しかし、前述したように取り扱いが容易なFmoc型が開発されたため、tBoc型の使用頻度は減少している。すなわち、tBoc法においては、伸長反応およびレジンからの切り出し時に超強酸を用いるのに対し、Fmoc法においては、レジンからの切り出し時にのみ強酸であるトリフルオロ酢酸を用い、途中の伸長反応は中性または弱アルカリ性で進行するため、非常な温和な条件でオリゴマーを合成できる。
しかし、グアニン・チミン・シトシン・アデニン4種類の核酸塩基以外の機能性分子を導入する際、例えば光放出性分子を導入する際には、導入する機能性分子がアルカリ条件に不安定な場合が多いので、アルカリ条件を使用しないtBoc型PNA背骨構造の有用性は高い。「t−ブトキシカルボニルアミノエチルアミン及びアミノ酸誘導体の製造方法」に関しては、本発明者らが特願2000−268638として既に特許出願中である。
【0007】
これ以外にも、光放出性オリゴPNAのモノマーユニットの合成例は過去に5例が知られている。これら全てが上記ルートを用いているが、その収率については記載がないか、または極めて低いものでしかない(例えば特許文献1〜2および非特許文献1〜3参照)。また、用いられる化合物の構造がアルカリ性条件に比較的安定であることが特徴的であるため、アルカリ性条件に不安定な発色団が付くと、前記従来法と類似の方法、すなわち下記ルートA
【化17】
【化18】
では効率良く合成できないと予想された。
【0008】
したがって、一般に光放出性分子等の機能性分子は高価な場合が多いため、より合理的な機能性PNAの合成方法、すなわち、▲1▼機能性PNAモノマーユニットの設計における、機能性分子のPNA背骨構造への効率的な導入、▲2▼コストパフォーマンスを考えた合成ルート、および▲3▼遺伝子診断薬としての応用へ適応させるための、これらの機能性分子を超高速に導入する方法が探求された。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明者らは、機能性PNAモノマーの新規製造方法として、下記ルートB
【化19】
に示すように、PNA背骨構造にt−ブトキシカルボニルアミノエチルアミン誘導体6を用いて1のペンタフルオロフェニル基を含む活性エステル体5と縮合してほぼ定量的に機能性PNAモノマー4を合成する方法を見出した。
【0010】
また、本発明者らは、機能性PNAモノマーを合成する別法として、PNA背骨構造に上記t−ブトキシカルボニルアミノエチルアミン誘導体6の代わりにベンジルオキシカルボニル−ω−アミノ酸誘導体を用いる方法(ルートC)を見出した。これらの方法については、既に特許出願がなされている。
【0011】
したがって、最終的に機能性PNAを合成するための方法として、上記ルートBおよびルートCのいずれかを用いる方法によって機能性PNAモノマーを合成した後に、それらを重合する方法が工業的にも確立されつつある。すなわち、現在までの機能性PNAの合成法によってPNAプローブとして用いられる機能性PNAを工業的に大量合成することは可能になりつつある。
【0012】
一方、コストパフォーマンスの向上および機能性分子を超高速に導入することを目的とした、機能性PNAの合成方法の改良もなされている。例えば、前記機能性PNAモノマーユニットを用いる方法とは異なるアプローチとして、下記の前駆体的PNAモノマーユニットを利用することによって、ポスト合成的に機能性分子をPNAオリゴマーに導入する方法が報告されている(非特許文献4)。
【化20】
【0013】
当該方法は、前記前駆体的PNAモノマーユニットをPNAオリゴマーに導入した後、さらに機能性分子を導入することによって機能性PNAを合成するものである。
しかし、当該方法においては、導入できる機能性分子の種類が限定される等の欠点がある。
【0014】
例えば、下図に示すように、市販されている光放出性分子のsuccinimideエステルを導入することはできず、導入するためにはFmoc−Gly等のリンカーをまず導入する必要があるが、結果として上記化合物は使用しにくいものになっている。
【化21】
【0015】
また、細胞中に導入するためのに蛍光プローブとして、これまでDNAオリゴマー・RNAオリゴマー・PNAオリゴマーが利用されているが、これらを細胞中に導入するためには、当然ながら細胞膜を通過させなければならない。しかし、細胞膜は膜表面が負電荷を帯びているため、元々負に帯電しているDNA/RNAオリゴマーを導入するのは非常に困難である。
【0016】
一方PNAオリゴマーは電気的に中性であるが、膜透過しにくいという結果が得られている。したがって、PNAオリゴマーを細胞内に導入するに際しては、膜表面を前処理してその導入をしやすくしたり、あるいはトランスフェクション試薬を用いて導入せざるを得ないのが現状である。
【0017】
しかし、そのような処理を施してPNAオリゴマーを導入した場合においてプローブの機能が発揮されたとしても、本来生体が示す挙動を正確に表現していることは必ずしも保証されない。しかも、これは細胞1個の場合であり、多細胞(個体)での利用に至っては到底不可能である。
このような現状および観点から、膜透過性機能を有する蛍光PNAプローブの開発が有用であると考えられている。
【0018】
なお、膜透過性機能を有する蛍光PNAプローブは既に存在する。例えば、▲1▼膜透過性機能を有するオリゴペプチドをPNAに結合させたもの、▲2▼膜透過性機能を有するリン脂質をPNAに結合させたものが挙げられる。しかしながら、これらは膜透過した後細胞内においてプロテアーゼ等の酵素によりPNA以外の部分が分解され、細胞内に滞留してしまうことが予想される。このことは、ターゲットを捕捉出来なかった過剰なPNAプローブが膜透過性機能を失い、その後の洗浄過程で細胞外に出にくくなることにつながるため、本来細胞が持っている遺伝子発現系を正確に表現できないことを意味する。
【0019】
上記背景の下、1個または2個以上の機能性分子を超高速に導入することができる、機能性PNAオリゴマーの合成方法およびそれに用いる化合物に関して、既に特許出願がなされている(特願2002−121667)。
この機能性PNAオリゴマーを製造する方法は、チミンまたは保護基によって保護されたアデニン、グアニンもしくはシトシンを有するPNAモノマーユニットを、Fmoc−ω−アミノ酸−BocPNA−OHと反応させてPNAオリゴマーを合成した後、該PNAオリゴマーに遊離カルボン酸を有する機能性分子をポスト合成的に導入し、さらに前記保護基の脱保護を行うことによって目的物を得ることを特徴とする。
【0020】
しかしながら、Fmoc−ω−アミノ酸−BocPNA−OHを用いる上記公知の製造方法においては、機能性分子のPNAオリゴマーへの結合が弱い場合には、保護基の脱保護の際に機能性分子も脱離してしまうため、十分な収率が得られない。
したがって、特に、PNAオリゴマーへの結合が弱い機能性分子をより効率的に導入する方法に対する要求は依然として大きい。
【0021】
また、酸性条件に不安定な機能性分子、すなわちtBoc型PNAモノマーユニットを用いた合成法においては導入が困難である機能性分子の導入には、アルカリ条件において用い得るFmoc型PNAモノマーユニットを用いる必要がある。したがって、前記の通りDNA自動合成機にはFmoc型PNAモノマーユニットが用いられることが多いことにも鑑み、DNA自動合成機に用い得る新たなFmoc型PNAモノマーユニットに対する要求も多大なものがある。
【0022】
Fmoc型PNAモノマーユニットを合成する方法は、既に報告されている。
【化22】
しかしながら、上記WoskiらのFmoc型バックボーンを用いる方法は、重大な欠点を有している。すなわち、上記方法においては、バックボーン部と機能性分子との間の距離を調節することができない。また、Fmoc法に固有の問題点である、強酸に対して安定である機能性分子でなければ導入できない問題は克服されていないため、適用範囲が非常に狭いという重大な欠点もある。
【0023】
【特許文献1】
ピーター・イー・ニールセンら(Peter E. Nielsen et al.) 国際公開第98/5295 A1 号パンフレット。
【特許文献2】
ハンス−ゲオルゲ バッツら(Hans-georg Batz et al.) 国際公開第98/37232 A2号公報。
【非特許文献1】
ティー・エイ・トランら(T. A. Tran et al.)「ペプチド研究ジャーナル」("J. Pept. Res.")、1999年、第53巻、p.134−145。
【非特許文献2】
ジェスパー・ローゼら(Jesper Lohse et al.)「バイオコンジュゲート化学」("Bioconjugate Chem.")、1997年、第8巻、p.503−509。
【非特許文献3】
ブルース・アルミタージら(Bruce Armitage et al.) 「核酸研究」("Nucleic Acid Res.")、1998年、第26巻、p.715−720。
【非特許文献4】
オリバー・ザイツ(Oliver Seitz)「テトラヘドロン・レターズ」("Tetrahedron Letters") 1999年 第40巻、p.4161−4164。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、酸性、アルカリ性または中性下において、液性に不安定な化合物があっても、直接またはポスト合成的に、複数の機能性分子を任意の位置に、種々の長さを有するリンカーを介して導入するための、機能性PNAモノマーユニットおよび機能性PNAオリゴマーの新規合成方法ならびに新規機能性PNAモノマーユニットおよび機能性PNAオリゴマーを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み研究を重ねた結果、本発明者らは、多岐にわたる新規な前駆体的Fmoc型PNAモノマーユニットおよびその製造方法を用いることによって、驚くべきことに、従来法における前記課題が克服され、かつ極めて広範にわたる機能性PNAモノマーユニットおよび機能性PNAオリゴマーを合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0026】
すなわち、本発明は、下記一般式(I):
【化23】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物に関する。
また、本発明は、機能性分子が、光放出性分子、光消失性分子、膜透過機能性分子、臓器選択性機能性分子、殺菌性機能性分子、分子認識性機能性分子、光架橋機能性分子、光増感機能性分子、DNA結合性分子、およびDNA切断機能性分子から選択された1種または2種以上である、前記化合物に関する。
さらに、本発明は、機能性分子が、光放出性分子および膜透過機能性分子を含む、前記化合物に関する。
また、本発明は、機能性分子が、光放出性分子および光消失性分子を含む、前記化合物に関する。
さらに、本発明は、光放出性分子が、FITC、Naphthalimide、Flavin、FAM、Rhodamine、TAMRA、ROX、PyreneおよびCoumarineであり、光消失性分子がDabcyl、HABA、NDIまたはAzoである、前記化合物に関する。
また、本発明は、膜透過機能性分子が水溶性アミノ酸である、前記化合物に関する。
【0027】
また、本発明は、Rが、
【化24】
からなる群から選択される、前記化合物に関する。
さらに、本発明は、nが1〜5の整数である、前記化合物に関する。
【0028】
また、本発明は、下記一般式(I):
【化25】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を製造するための方法であって、下記工程a)〜b)の1つを含む、前記方法に関する:
a)下記一般式(II)
【化26】
(式中、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を、機能性分子のOSuまたはOPfpとの活性エステル誘導体または機能性分子のイソチオシアネート誘導体と反応せしめる工程、
b)下記一般式(III)
【化27】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を、加水分解する工程、および
c)下記一般式(IV)
【化28】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を、下記一般式(V)
【化29】
で表される化合物と反応せしめる工程。
【0029】
さらに、本発明は、機能性PNAオリゴマーを製造するための方法であって、下記一般式(I)
【化30】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)
で表される化合物の1種または2種以上を結合したPNAオリゴマーの基Rを、順次または同時に機能性分子によって置換する工程を含む、前記方法に関する。
【0030】
またさらに、本発明は、Rが、
【化31】
からなる群から選択される、前記方法に関する。
【0031】
さらにまた、本発明は、一般式(I)で表される化合物が、下記a)〜c)の工程の1つによって製造される、前記方法に関する:
a)下記一般式(II)
【化32】
(式中、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を、機能性分子のOSuまたはOPfpとの活性エステル誘導体または機能性分子のイソチオシアネート誘導体と反応せしめる工程、
b)下記一般式(III)
【化33】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を、加水分解する工程、および
c)下記一般式(IV)
【化34】
(式中、RはH、機能性分子または保護基を表し、nは1〜11までの整数を表す。)で表される化合物を、下記一般式(V)
【化35】
で表される化合物と反応せしめる工程。
【0032】
また、本発明は、機能性分子が、光放出性分子、光消失性分子、膜透過機能性分子、臓器選択性機能性分子、殺菌性機能性分子、分子認識性機能性分子、光架橋機能性分子、光増感機能性分子、DNA結合性分子、およびDNA切断機能性分子から選択された1種または2種以上である、前記方法に関する。
さらに、本発明は、機能性分子が、光放出性分子および膜透過機能性分子を含む、前記方法に関する。
また、本発明は、機能性分子が、光放出性分子および光消失性分子を含む、前記方法に関する。
またさらに、本発明は、光放出性分子が、FITC、Naphthalimide、Flavin、FAM、Rhodamine、TAMRA、ROX、PyreneおよびCoumarineであり、光消失性分子がDabcyl、HABA、NDIまたはAzoである、、前記方法に関する。
そして、本発明は、膜透過機能性分子が水溶性アミノ酸である、前記方法に関する。
【0033】
本発明は、PNA背骨構造に1種または2種以上の保護基または機能性分子基を有する、前記一般式(I)で表されるFmoc型PNAモノマーユニットをPNAオリゴマーに導入した後、前記保護基を、順次または同時に機能性分子と置換することによって、機能性分子をポスト合成的に導入することにより、ほぼ定量的に機能性PNAオリゴマーを合成できることに成功したものである。
前記保護基は、各種条件によって特異的に機能性分子と置換されるものである。したがって、本発明の方法によれば、機能性分子を導入するためのあらゆる条件に適切な保護基を導入することができるため、極めて多岐にわたる機能性PNAオリゴマーを製造することができる。
【0034】
また、本発明による化合物によれば、前記一般式(I)で表されるFmoc型PNAモノマーユニットを用いて、アルカリ性条件の非常に温和な条件下で安定的にオリゴマーの伸長が行うことができる。
さらに、本発明の保護基を有するFmoc誘導体は、多くのDNA自動合成機に用い得るものである。したがって、本発明によれば、DNA自動合成機を用いて、より広範な機能性PNAオリゴマーを、より迅速に製造することが可能になる。
【0035】
上記特徴により、本発明の製造方法においては、導入する機能性分子として市販のsuccinimideエステルを使用する必要がなく、カルボン酸を有する化合物であれば問題なく利用でき且つ定量的に導入できる。そのため、本発明による製造方法はコストパフォーマンスに極めて優れている。
【0036】
また、本発明によれば、同一または異なるあらゆる機能性分子を、任意の複数の位置に導入したPNAオリゴマーを合成することが可能となる。すなわち、前記前駆体的Fmoc型PNAモノマーユニットを用いてPNAオリゴマーを合成した後、各保護基の脱離に好適な条件下において、機能性分子のポスト合成的導入を順次または同時に行うことによるものである。これはPNAオリゴマーの細胞膜透過性機能を向上させるアンテナペディアを高速に設計する上で欠かせないものである。また、本発明の製造方法によれば、光機能性分子と光消失性分子とを有するPNAオリゴマーであるモレキュラービーコンの合成も容易になる。この点においても、本発明による方法は極めて優れたものである。
【0037】
このように製造される化合物の例として、機能性分子として、細胞膜透過性分子誘導体および他の機能性カルボン酸誘導体を有するものが挙げられる。このようなプローブは大きく蛍光標識領域・細胞膜透過性機能領域・分子認識領域の3つに分けることができ、それぞれをリンカー部位を介して結合させた形をとることができる。
蛍光標識化合物は市販のものも、既に本発明者らがPCT出願を行った新規蛍光標識化PNAモノマーユニットも用いることができる。
【0038】
分子認識部位は市販のPNAユニットを用いて合成する。この化合物の特徴は、既に国内特許出願を行っている新規PNAモノマーユニットを膜透過性機能領域部に用いていることである。該新規PNAモノマーユニットは機能性分子をポスト合成的に導入するために開発された前駆体ユニットであり、これを複数個並べて導入した後、前記したように同一機能性分子も導入することができる。
したがって、本発明によれば、光機能性分子に限定されることない、多種多様な機能性分子を、リンカーの長さの制約を受けることなくPNA中に容易かつ極めて効率的に導入することができるようになる。
【0039】
このような機能性分子として、FITC型、Naphthalimide型、Flavin型、FAM型、Rhodamine型、TAMRA型、ROX型、Pyrene型およびCoumarine型等の光放出性分子、Dabcyl型、HABA型、DNI型およびAzo型等の光消失性分子、水溶性アミノ酸等の膜透過機能性分子、ラクトースやトリスエックス等の臓器選択機能性分子、タナチンやセクロピン等の殺菌機能性分子、Biotin型およびビオローゲン等の分子認識機能性分子、ソラレン等の光架橋機能性分子、ルシフェリン等の光増感機能性分子、ディスタマイシン、ヘキスト33258およびエチジウムブロミド等のDNA結合性分子、ならびにブレオマイシン等のDNA切断機能性分子が挙げられる。
【0040】
すなわち、本発明における「機能性」の語は、光放出性、光消失性、膜透過機能性、臓器選択性機能性、殺菌性機能性、分子認識性機能性、光架橋機能性、光増感機能性、DNA結合性、およびDNA切断機能性から選択された1種または2種以上である等を含む、ある特定の修飾を行うことによって化合物に新たに付与される種々の機能の全てを意味するものである。
さらに、本発明における「機能性PNA」の語は、PNAモノマー同士が2−(N−アミノエチル)グリシン骨格によって直接結合したもののみならず、その間にリンカーとしての炭化水素鎖等を含むものも意味するものである。
また、本発明における「保護基」の語は、酸性、アルカリ性および中性のいずれかの条件において特定の基を保護する基全般を意味するものである。特に前記式(I)の化合物の基Rにおいては、保護基は、側鎖アミノ基を保護する保護基を意味し、例えば炭素数1〜20までの鎖状または環状の基であり、特にtBoc、Cbz、Nvoc、Fmoc、Alloc、TrocおよびTrtの各基である。
【0041】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明による方法の特徴を更に詳細に説明する。
【0042】
本発明による機能性PNAオリゴマーの合成は、典型的には、
(1)Fmocモノマーユニットの合成、
(2)FmocモノマーユニットのPNAオリゴマーへの導入、および
(3)保護基の脱離および機能性分子の導入
によって行われる。
【0043】
まず、必要に応じて、下図
【化36】
【0044】
【化37】
【0045】
【化38】
に示すように、工程a)〜c)のいずれか等によって式(I)のFmocモノマーユニットが合成される。
【0046】
a)の工程は、式(II)で表される化合物(ω−アミノ酸−FmocPNA−OH)から、機能性分子のOSuやOPfpの活性エステル誘導体や、FITCのようなイソチオシアネート誘導体を用いて、PNAモノマーユニットを合成する工程である。該工程においては、1ステップで効率よくPNAモノマーユニット
例えば、機能性分子のペンタフルオロフェニルエステルかN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルといった活性エステルと式(II)の化合物をトリエチルアミンのような3級アミン存在下室温で縮合することにより、目的とする式(I)の化合物を得ることができる。
一般に、機能性分子は高価であるが、このa)工程を用いる方法においては、少量の機能性分子を用いることによって定量的に目的物を得ることができるため、極めてコストパフォーマンスが優れている。
【0047】
なお、前記式(II)の化合物は、下図の経路によって好適に合成される。
【化39】
すなわち、機能性分子の遊離カルボン酸誘導体(IVa)と鍵化合物4をまず縮合した後に、強酸によるBoc基とtBu基の同時脱保護を行い、機能性FmocPNA−OH(式(I)の化合物)を合成するための前駆体である式(II)の化合物を得るのが特徴的である。化合物(II)は機能性分子の活性エステル体を用いることにより、1工程で目的とする式(I)の化合物を高速に合成できる。
より詳細はに、Boc−ω−AA−OH(IVa)とFmocPNA−OtBu(4)のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に縮合剤DCC、EDCI、HBTUあるいはHATUを加えて、室温で12時間反応させる。反応液を濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し化合物IVbを得る。
化合物IVbは、TFAの塩化メチレン溶液または4N HClのdioxane溶液による酸加水分解に付し、Boc基とtBu基の脱保護を同時に行い、式(II)の化合物を得る。
【0048】
b)の工程は、前記Woskiらの方法を改良したもので、リンカーの長さを考慮したものである。すなわち、機能性分子が本来有する機能性を発揮するためには、該機能性分子が、その活性部位において、最適な立体的位置に存在しなければならないが、前記前記Woskiらの方法においては、リンカーが存在しないため、機能性分子の機能性を最大限に発揮せしめることはできない。一方、工程b)を用いた本発明の方法においては、リンカーの長さを自由に変更できるため、機能性分子の性質に対応したリンカーを選択し、機能性分子の機能を発揮せしめることができる利点がある。
工程b)によって、式(I)の化合物を得るには、例えば、式(III)の化合物のTFAの塩化メチレン溶液または4N HClのdioxane溶液による酸加水分解を行い、tBu基の脱保護を行う。すなわち、工程b)を用いる方法においては、遊離カルボン酸誘導体を、活性エステル化することなく用いることができるため、コストパフォーマンスに優れている。なお、終了反応過程は酸加水分解であるため、酸性条件で安定な機能性分子への適用が好適である。
【0049】
なお、前記式(III)の化合物は、下図の経路によって好適に合成される。
【化40】
すなわち、機能性分子を付加したω−アミノ酸の遊離カルボン酸誘導体Vaを鍵化合物4と縮合する。その後、強酸によりtBu基を選択的に脱保護する反応を行えば、式(I)の化合物が得られる。したがって、非常に簡単な反応工程であり、強酸に安定な機能性分子を好適に導入することができる利点がある。
例えば、リンカーを結合した機能性分子R−ω−AA−OH(Va)とFmocPNA−OtBu(4)のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に縮合剤DCC、EDCI、HBTUあるいはHATUを加えて、室温で12時間反応させる。反応液を濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し目的とする式(III)の化合物を得る。
【0050】
c)の工程は、前記a)またはb)の工程のように前記鍵化合物4を利用した場合、反応工程に必ず強酸によるtBu基の脱保護過程が入るので、これを避けるために予め強酸による鍵化合物4のtBu基の脱保護を行った式(V)の化合物を利用する方法である。式(V)の化合物を利用するためには機能性分子のカルボン酸を活性エステル化しておく必要がある。
したがって、ペンタフルオロフェニル活性エステル誘導体R−ω−AA−OPfp(式(IV)の化合物)を、式(V)の化合物の炭酸水素ナトリウム水溶液とアセトンの混合液に加えて、室温で12時間縮合反応させる。反応液を塩酸酸性(pH 3)にした後、クエン酸水溶液と酢酸エチルを加え、分液操作を行う。有機相を減圧濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し目的とする式(I)の化合物を得る。
このc)工程を用いる方法は、式(V)の化合物中のFmoc基が、反応の進行に必要な3級アミンによって脱保護される場合があること、および機能性分子にリンカーを導入する工程が必要である点に特徴を有する。したがって、該方法は、実験室レベルで、中間体の生成を確認しながら目的物の生成を行う場合に好適に用いられる。
【0051】
なお、前記式(IV)の化合物は、下図に示すように、
【化41】
R−ω−AA−OH(VIa)を、PfpOHと縮合することによって好適に合成される。
【0052】
次に、FmocモノマーユニットのPNAオリゴマーへの導入が、tBoc固相法等によって行われる。この際に用いられる固相担体に特に制限はないが、例えばMBHAが好適に用いられる。
本発明において典型的に用いられる式(I)で表されるFmocモノマーユニットおよびその特徴は、以下に示すとおりである。
(1)ω−AA−FmocPNA−OH
【化42】
機能性PNAモノマーユニット用の前駆体として使用される。なお、本明細書中においては、「AA」の表記はアミノ酸を表す。
【0053】
(2)Azo−ω−AA−FmocPNA−OH
化合物)
【化43】
機能性分子のOSu活性エステル体と反応させることにより、定量的に機能性PNAモノマーユニットを合成できることを示した例である。ただし、機能性分子はAzoに限定されない。
【0054】
(3)Trt−ω−AA−FmocPNA−OH
【化44】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に使用される。50%酢酸水溶液でTrt基を脱保護できるので、レジンにオリゴマーが結合した状態でアミノ基を遊離することができる。これに機能性分子を逐次導入できることが特徴である。
【0055】
(4)tBoc−ω−AA−FmocPNA−OH
【化45】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に使用される。オリゴマー伸長反応中において安定であるが、TFA(トリフルオロ酢酸)を用いたレジンからのオリゴマー切り出し時に、アミノ基が遊離されるので、Trt−ω−AA−FmocPNA−OHやCbz−ω−AA−FmocPNA−OHと区別して使用することができる。
【0056】
(5)Nvoc−ω−AA−FmocPNA−OH
【化46】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に使用される。光照射でNvoc基を脱保護できるので、レジンにオリゴマーが結合した状態でアミノ基を遊離することができる。TFAに対して完全な安定性がないので、レジンからオリゴマーを切り出す前に、光照射してNvoc基を脱保護するべきである。伸長反応中で好ましく用いられる。
【0057】
(6)Fmoc−ω−AA−FmocPNA−OH
【化47】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に使用される。ピペリジン処理によりFmoc基を選択的に脱保護できるので、レジンにオリゴマーが結合した状態でアミノ基を遊離することができる。デンドリマー構造を作成する際に好適に用いられる。
【0058】
(7)Alloc−ω−AA−FmocPNA−OH
【化48】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に使用される。Pd(PPh3)4でAlloc基を選択的に脱保護できるので、レジンにオリゴマーが結合した状態でアミノ基を遊離することができる。
【0059】
(8)Cbz−ω−AA−FmocPNA−OH
【化49】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に用いられる。オリゴマー伸長反応中やTFAを用いたレジンからのオリゴマー切り出し時に安定であるが、接触還元によりアミノ基が遊離されるので、Trt−ω−AA−FmocPNA−OHやtBoc−ω−AA−FmocPNA−OHと区別して使用することができる。
【0060】
(9)Troc−ω−AA−FmocPNA−OH
【化50】
前駆体PNAモノマーユニットとして固相合成時に用いられる。10%亜鉛酢酸溶液で選択的にTroc基を脱保護できるので、レジンにオリゴマーが結合した状態でアミノ基を遊離することができる。また、TFAや接触還元に対し耐性を有するので、レジンから切り出した後も、安定に存在することが可能であり、Cbz−ω−AA−FmocPNA−OHと使い分けることができる。
【0061】
最後に、保護基の機能性分子による置換が行われる。該置換は、各Fmocモノマーユニットの前記特徴を考慮し、順次または同時に行われる。
なお、本発明における式(I)の化合物におけるリンカーの長さは、n=1〜11の範囲であれば特に制限されないが、n=1〜5のものは、式(I)の化合物の合成の際およびPNAオリゴマーの合成の際におけるリンカー部の安定性の面で有利であり好適である。
【0062】
上記のように、本発明による方法においては、従来の機能性モノマー合成に用いる活性エステル化の合成を要する方法とは異なり、機能性分子をそのまま利用できる。また、保護基ごとに機能性分子との置換条件が異なるため、保護基を有するPNAオリゴマーを合成した後に種々の機能性分子が所望の箇所に導入可能である。したがって、本発明の方法によれば、従来困難であった高速かつ多様な並列PNAプローブの合成が可能である。
【0063】
本発明による式(I)の化合物を重合させることよって、例えば、下記のように、機能性PNAオリゴマーを合成することができる。
【化51】
(式中、A〜Gは機能性カルボン酸誘導体を表す)。
すなわち、本発明による式(I)の化合物を用いれば、細かい条件設定を行うことによって、機能性分子の性質に即したあらゆる機能性PNAオリゴマーを合成することができる。特に、Fmoc−ω−AA−FmocPNA−OHを用いることによって、枝分かれ構造を有するデンドリマーを効率的に合成できる点において、式(I)の化合物の使用は有利である。
【0064】
より具体的な例は、下記のとおりである。第一の例は、前記Trt−ω−AA−FmocPNA−OHとtBoc−ω−AA−FmocPNA−OHを用い、オリゴマーのレジンからの切り出し前及び切り出し後に機能性分子をそれぞれ1個ずつ導入する例である。また、第二の例は、さらにTroc−ω−AA−FmocPNA−OHも用いることにより、レジンからの切り出し後にさらに機能性分子を導入する例である。
【0065】
【化52】
【0066】
【化53】
【0067】
このように、本発明による式(I)の化合物を用いれば、複数の機能性分子が導入されたものとして、例えば、機能性分子が細胞膜透過性機能分子誘導体であるものが好適に合成される。このような化合物は、典型的には、機能性分子として、細胞膜透過性機能分子誘導体等および光機能性分子等の機能性カルボン酸誘導体等を有するもの、すなわち、末端部を含む複数部位に機能性分子が導入され、それらによって複数の機能が付与された化合物である。
【0068】
また、リンカー部位を導入することによって、個々の機能性部位および塩基配列認識領域の干渉を防ぎ、分子の機能をより確実なものにすることができる。本明細書におけるPNA、PNAモノマーおよびPNAオリゴマーの語には、リンカー部位をその末端および/または内部に含むものも包含される。
これらの部位または領域間の相互干渉を防ぐための部位としては、前記リンカー部位のみならず、リンカーの長さを、所望に応じて選択することによっても可能である。
リンカー部位を構成する基としては、直鎖状または分枝状の炭化水素およびそれらのエーテル体等が挙げられるが、直鎖状炭化水素基は導入の容易さおよびコストなどの面から好適であり、特に炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基が好適である。また、エーテル体は、その汎用性において好適である。
【0069】
前記複数の機能性分子が導入された化合物は、例えばKoch, T.; Hansen, H.F.; Andersen, P.; Larsen, T.; Batz, H.G.; Otteson, K.; Orum, H. J. Peptide Res. 1997, 49, 80-88.を利用して好適に合成される。塩基配列認識部位は、市販の各種PNAモノマーを用いて固相合成によりオリゴマー化することができる。リンカー部位には、市販のBoc−7−アミノヘプタン酸、Boc−6−アミノカプロン酸等を用いることができる。
【0070】
1の機能性分子として光機能性分子を導入すれば、蛍光標識することが可能であり、かつ他の機能も有する化合物を合成することができる。このような蛍光標識部位として、市販のFITC、FAM、ROX、TAMRAまたはPyrene等の市販の活性エステル型蛍光標識化合物を用いて、多様な蛍光発光波長を選択することが可能であるが、導入される蛍光標識化合物はこれらに限定されるものではない。また、本発明の方法によれば、Dabcylなどの光消失性分子の導入も容易に行うことができる。
【0071】
本発明の化合物に導入し得る他の機能性の例としては、膜透過性機能が挙げられる。膜透過性を向上させることができる機能性分子としてアルギニンが挙げられるが、リシンおよびセリン等の他の水溶性アミノ酸も好適に用いることができる。
【0072】
これらのプローブの特徴は、「全てPNA型になっているので、完全な酵素耐性を有すること」である。すなわち、これまでの膜透過性機能を有するプローブは、PNAと膜透過性機能を有するペプチド鎖あるいはリン脂質を共有結合させたものが主流であったが、これらの既知のプローブは優れた膜透過性機能を有するものの、一旦細胞内に入ると酵素群によりペプチド鎖あるいはリン脂質が分解されることが予想される。したがって、これらは、ターゲットを認識していない分解を受けたプローブを洗浄過程で完全に取り除くことができないという欠点を有する。
【0073】
これに対して、今回合成可能になったプローブは、細胞内においても酵素分解を受けないため、ターゲットを認識していないプローブは洗浄過程で完全に取り除かれるため、正確な遺伝子発現量の定量を可能とするものである。
なお、これらの機能性を有する化合物以外にも、ラクトースやトリスエックス等の臓器選択機能性分子、タナチンやセクロピン等の殺菌機能性分子およびビオローゲン等の分子認識機能性分子等も、本発明によれば制限なく導入することが可能であり、そのような化合物を、大量に低コストで実用に供することが可能になる。
【0074】
さらに、本発明による製造方法を用いたプローブには、光機能性分子および光消失性分子とを併せて有するモレキュラービーコンも包含される。モレキュラービーコンとは塩基配列を特異的に認識したことを蛍光発光により検出するプローブであって、遺伝子工学において重要な化合物である。
従来のモレキュラービーコンは、耐酵素活性が低いため保存には不適当であったが、本発明によるプローブPNAバックボーンを用いているためより安定性に優れている。
前記光放出性分子としては、FITC、Naphthalimide、Flavin、FAM、Rhodamine、TAMRA、ROX、PyreneおよびCoumarineが挙げられ、光消失性分子としてはDabcyl、HABA、NDIおよびAzoを挙げることができる。
【0075】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。
(実施例1)
C5-FmocPNA-OHの合成
【化54】
Boc-C5-OH (1.15 g, 4.5 mmol)とFmocPNA-OtBu(2.0 g, 5.0 mmol)のジメチルホルムアミド溶液(DMF; 10 mL)にDCC(2.06 g, 10.0 mmol)を加えて0 ℃で2時間、さらに室温で15時間撹拌した。反応液をろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0-4% MeOH/CH2Cl2)に付し、Boc-C5-FmocPNA-OtBuを白色粉末として1.16 g (42%) 得た。1H NMR (CDCl3) δ7.75 (brd, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.59 (brd, J = 6.4 Hz, 2 H), 7.38 (brt, 2 H), 7.29 (brt, 2 H), 4.36 (ma) and 4.33 (mi) (brd, J = 6.8 Hz, 2 H), 4.19 (t, J = 6.8 Hz, 1 H), 3.94 (mi) and 3.90 (ma) (s, 2 H), 3.53 (mi) and 3.48 (ma) (brs, 2 H), 3.35 (brs, 2 H), 3.08 (ma) and 3.04 (mi) (brs, 4 H), 2.33 (ma) and 2.18 (mi) (brt, J = 7.2 Hz, 2 H), 1.62 (m, 2 H), 1.47 (brs, 9 H), 1.42 (ma) and 1.41 (mi) (s, 9 H), 1.31 (m, 2 H)。
Boc-C5-FmocPNA-OtBu (250.0 mg, 0.41 mmol) を4 N HCl in dioxane (2 mL) に溶解し、室温で15時間攪拌した。これを減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10-30% MeOH/CH2Cl2)に付し、C5-FmocPNA-OH(48.0mg, 26%)を淡桃色粉末として得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.71 (brd, J = 6.8 Hz, 2 H), 7.54 (brd, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.30 (brt, 2 H), 7.22 (brt, J = 7.2 Hz, 2 H), 4.26 (ma) and 4.23 (mi) (brt, J = 6.8 Hz, 2 H), 4.10 (brt, 1 H), 3.99 (ma) and 3.94 (mi) (s, 2 H), 3.40 (q, J = 6.1 Hz, 2 H), 2.82 (m, 4 H), 2.79 (mi) and 2.75 (ma) (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 2.34 (ma) and 2.09 (mi) (brt, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.6 - 1.3 (m, 4 H)。
【0076】
(実施例2)tBoc-GABA-FmocPNA-OHの合成
【化55】
アセトン(4.8 mL)と水(0.7 mL)の混合溶液にNaHCO3(74.1 mg,0.88 mmol)を加え、tBoc-GABA-OPfp (200 mg,0.54 mmol)とFmocPNA-OH (74.1 mg,0.29 mmol)を溶解し、室温で15時間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(15 mL)を加え、酢酸エチル(20 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(15 mL)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(2-7% MeOH/CH2Cl2)で精製し、白色粉末としてtBoc-GABA-FmocPNA-OH (71.0 mg,46%)を得た。1H-NMR(CDCl3)δ 7.74 (brd, J = 5.3 Hz, 2 H), 7.57 (brd, 2 H), 7.38 (brt, 2 H), 7.29 (brt, J = 5.2 Hz, 2 H), 4.36 (ma) and 4.32 (mi) (brd, J = 6.2 Hz, 2 H), 4.23 (mi) and 4.19 (ma) (m, 1 H), 4.07 (mi) and 4.03 (ma) (s, 2 H), 3.55 (mi) and 3.50 (ma) (brs, 2 H), 3.36 (ma) and 3.26 (mi) (brs, 2 H), 3.08 (m, 2 H), 2.41 (ma) and 2.27 (mi) (brt, 2 H), 1.79 (m, 2 H), 1.41 (m, 9 H); HRMS (FAB+) calcd for C28H36N3O7 [(M+H)+] 526.2553, observed 526.2546。
【0077】
(実施例3)tBoc-C5-FmocPNA-OHの合成
【化56】
アセトン(14.3 mL)と水(2.0 mL)の混合溶液にNaHCO3(221.8 mg,2.64 mmol)を加え、tBoc-C5-OPfp (454.6 mg,1.14 mmol)とFmocPNA-OH (300.0 mg,0.88 mmol)を溶解し、室温で3日間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(45 mL)を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(45 mL)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(2-7% MeOH/CH2Cl2)で精製し、白色のアモルファスパウダーとしてtBoc-C5-FmocPNA-OH (242.0 mg,50%)を得た。1H-NMR(CDCl3)δ 7.75 (m, 2 H), 7.57 (m, 2 H), 7.37 (m, 2 H), 7.28 (m, 2 H), 4.34 (ma) and 4.31 (mi) (brd, J = 6.8 Hz, 2 H), 4.22 (mi) and 4.18 (ma) (m, 1 H), 4.06 (mi) and 4.03 (ma) (s, 2 H), 3.56 (mi) and 3.50 (ma) (brs, 2 H), 3.36 (m, 2 H), 3.01 (m, 4 H), 235 (ma) and 2.22 (mi) (brt, 2 H), 1.61 (ma) and 1.60 (mi) (brq, 2 H), 1.41 (m, 9 H), 1.27 (ma) and 1.19 (mi) (brq, 2 H); HRMS (FAB+) calcd for C30H40N3O7 [(M+H)+] 554.2866, observed 554.2867。
【0078】
(実施例4)Nvoc-GABA-FmocPNA-OHの合成
【化57】
Nvoc-GABA-OH (150.0 mg, 0.44 mmol) とPfpOH (96.8 mg, 0.53 mmol)のDMF溶液(5 mL)にDCC (108.5 mg, 0.53 mmol)を氷冷下加え、この反応液を0℃で30分次いで室温で18時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト法(2% Acetone/CH2Cl2)により精製し、Nvoc-GABA-OPfp (200.0 mg, 90%)を黄色粉末として得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.70 (s, 1 H), 7.00 (s, 1 H), 5.51 (s, 2 H), 5.04 (m, 1 H), 3.97 and 3.95 (each s, 3 H), 3.36 (q, J = 6.4 Hz, 2 H), 2.75 (t, J = 7.1 Hz, 2 H), 2.02 (t, J = 6.9 Hz, 9 H); HRMS (FAB+) calcd for C20H18N2O8 [(M+H)+] 509.0983, observed 509.1002。
アセトン(4.3 mL)と水(0.6 mL)の混合溶液にNaHCO3(62.0 mg,0.74 mmol)を加え、Nvoc-GABA-OPfp (150.0 mg,0.30 mmol)とFmocPNA-OH (83.7 mg,0.25 mmol)を溶解し、室温で3日間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(45 mL)を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(45 mL)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(2-15% MeOH/CH2Cl2)で精製し、黄色粉末としてNvoc-GABA-FmocPNA-OH (242.0 mg,50%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ 8.05 and 7.29 (each s, 1 H), 7.69, 7.54, 7.35, and 7.26 (each brs, 2 H), 5.45 (mi) and 5.41 (ma) (s, 2 H), 4.5 - 4.0 (m, 3 H), 4.0 - 3.7 (m, 8 H), 3.55 (brs, 2 H), 3.37 (ma) and 3.24 (mi) (brs, 2 H), 3.09 (ma) and 3.03 (mi) (brs, 2 H), 2.47 (ma) and 2.33 (mi) (brs, 2 H), 1.86 (ma) and 1.74 (mi) (brs, 2 H); HRMS (FAB+) calcd for C33H37N4O11 [(M+H)+] 665.2459, observed 665.2469。
【0079】
(実施例5)Nvoc-C5-FmocPNA-OHの合成
【化58】
C5-FmocPNA-OH(20 mg, 0.04 mmol)とNaHCO3(7.4 mg, 0.09 mmol)の水溶液(1.5 mL)にNvoc-Cl(24.3 mg, 0.09 mmol)のdioxane溶液(1.5 mL)を滴下し、室温で1日間撹拌した。反応液を塩酸酸性(pH 3.0)にし、水(10 mL)と酢酸エチル(20 mL)を加え分液抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水して、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2.5-20% MeOH/CH2Cl2)に付し、黄色粉末としてNvoc-C5-FmocPNA-OH(7.2 mg, 24%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.69, 7.52, 7.33, and 7.25 (each brs, 2 H), 7.63 and 7.26 (each s, 1 H), 6.92 (brs, 1 H), 5.43 (mi) and 5.36 (ma) (s, 2 H), 4.29 (ma) and 4.17 (mi) (brs, 2 H), 4.12 (mi) and 4.00 (ma) (m, 1 H), 4.04 (mi) and 3.90 (ma) (brs, 6 H), 3.87 (brs, 2 H), 3.55 (mi) and 3.48 (ma) (brs, 2 H), 3.35 (ma) and 3.24 (mi) (brs, 2 H), 3.09 (ma) and 3.02 (mi) (brs, 4 H), 2.36 (ma) and 2.23 (mi) (brs, 2 H), 1.60 (brs, 2 H), 1.47 (mi) and 1.41 (ma) (m, 2 H), 1.31 (ma) and 1.26 (mi) (m, 2 H)。
【0080】
(実施例6)Fmoc-GABA-FmocPNA-OHの合成
【化59】
アセトン(4.8 mL)と水(0.7 mL)の混合溶液にNaHCO3(74.1 mg,0.88 mmol)を加え、Fmoc-GABA-OPfp (173.5 mg,0.35 mmol)とFmocPNA-OH (100.0 mg,0.29 mmol)を溶解し、室温で3日間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(45 mL)を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(45 mL)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(2-15% MeOH/CH2Cl2)で精製し、黄色粉末としてNvoc-GABA-FmocPNA-OH (242.0 mg,50%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.67, 7.49, 7.31, and 7.21 (each m, 4 H), 4.28 (m, 4 H), 4.15 (mi) and 4.10 (ma) (m, 2 H), 3.95 (ma) and 3.75 (mi) (brs, 2 H), 3.46 (mi) and 3.39 (ma) (brs, 2 H), 3.30 (mi) and 3.25 (ma) (brs, 2 H), 3.13 (mi) and 3.08 (ma) (brs, 2 H), 2.35 (ma) and 2.21 (mi) (brs, 2 H), 1.87 (mi) and 1.75 (ma) (brs, 2 H)。
【0081】
(実施例7)Alloc-ω-AA-FmocPNA-OHの合成
【化60】
Alloc-GABA-OH (243.3 mg, 1.3 mmol) とPfpOH (239.3 mg, 1.3 mmol)のアセトン溶液(2.5 mL)にDCC (206.3 mg, 1.0 mmol)を氷冷下加え、この反応液を0℃で30分次いで室温で15時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を直接水(1.0 mL)と混合し、NaHCO3(112.5 mg,1.3 mmol)を加え、FmocPNA-OH (252.2 mg,0.67 mmol)を溶解し、室温で3日間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(40 mL)を加え、酢酸エチル(50 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(40 mLx3)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(1-15% MeOH/CH2Cl2)で精製し、淡褐色粉末としてAlloc-GABA-FmocPNA-OH (200.3 mg,59%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.69 (brs, 2 H), 7.52 (brs, 2 H), 7.33 (brt, 2 H), 7.24 (brt, 2 H), 5.78 (m, 1 H), 5.1 (m, 2 H), 4.6-4.4 (m, 3 H), 4.29 (ma) and 4.13 (mi) (s, 2 H), 3.94 (m, 2 H), 3.55-3.35 (m, 2 H), 3.26 (m, 2 H), 3.07 (m, 2 H), 2.86 (m, 2 H), 2.35 (ma) and 2.23 (mi) (brs, 2 H), 1.90 (mi) and 1.74 (ma) (brs, 2 H)。
【0082】
(実施例8)Cbz-GABA-FmocPNA-OHの合成
【化61】
アセトン(4.8 mL)と水(0.7 mL)の混合溶液にNaHCO3(74.1 mg,0.88 mmol)を加え、Cbz-GABA-OPfp (177.9 mg,0.44 mmol)とFmocPNA-OH (100.0 mg,0.29 mmol)を溶解し、室温で3日間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(45 mL)を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(45 mL)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(2-15% MeOH/CH2Cl2)で精製し、白色粉末としてCbz-GABA-FmocPNA-OH (81.1 mg,50%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.73 (brs, 2 H), 7.55 (brs, 2 H), 7.35 (brt, 2 H), 7.28 (brt, 2 H), 7.26 (s, 5 H), 5.03 (mi) and 5.00 (ma) (s, 2 H), 4.4 - 4.1 (m, 3 H), 3.96 (m, 2 H), 3.41 (ma) and 3.31 (mi) (brs, 2 H), 3.27 (ma) and 3.16 (mi) (brs, 2 H), 3.11 (ma) and 3.05 (mi) (brs, 2 H), 2.36 (ma) and 2.23 (mi) (brs, 2 H), 1.86 (mi) and 1.78 (ma) (brs, 9 H)。
【0083】
(実施例9)Troc-GABA-FmocPNA-OHの合成
【化62】
Troc-GABA-OH (150.0 mg, 0.44 mmol) とPfpOH (96.8 mg, 0.53 mmol)のDMF溶液(5 mL)にDCC (108.5 mg, 0.53 mmol)を氷冷下加え、この反応液を0℃で30分次いで室温で18時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト法(2% Acetone/CH2Cl2)により精製し、Troc-GABA-OPfp (200.0 mg, 90%)を白色粉末として得た。1H NMR (CDCl3)δ 5.05 (brs, 1 H), 4.67 (s, 2 H), 3.32 (q, J = 6.4 Hz, 2 H), 2.69 (t, J = 7.1 Hz, 2 H), 1.97 (m, 2 H)。
アセトン(4.0 mL)と水(0.5 mL)の混合溶液にNaHCO3(62.0 mg,0.74 mmol)を加え、Troc-GABA-OPfp (133.4 mg,0.30 mmol)とFmocPNA-OH (56.5 mg,0.25 mmol)を溶解し、室温で3日間攪拌した。氷冷した1 N 塩酸で溶液(0 ℃)をpH 3.0とし、さらに1%クエン酸水溶液(45 mL)を加え、酢酸エチル(60 mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(45 mL)で洗浄をした。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を濃縮しシリカゲルカラムクロマト法(2-15% MeOH/CH2Cl2)で精製し、黄色粉末としてTroc-GABA-FmocPNA-OH (46.1 mg,31%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ 7.70, 7.52, 7.34, and 7.24 (each m, 2 H), 4.64 (mi) and 4.61 (ma) (brs, 2 H), 4.31 (m, 2 H), 4.13 (m, 1 H), 4.2-3.9 (m, 2 H), 3.45 (ma) and 3.42 (mi) (brs, 2 H), 3.27 (ma) and 3.16 (mi) (brs, 2 H), 3.11 (mi) and 3.06 (ma) (brs, 2 H), 2.38 (ma) and 2.25 (mi) (brs, 2 H), 1.77 (mi) and 1.68 (ma) (brs, 2 H)。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、酸性、アルカリ性または中性下において、液性に不安定な化合物があっても、直接またはポスト合成的に、複数の機能性分子を任意の位置に、種々の長さを有するリンカーを介して導入するための、機能性PNAモノマーユニットおよび機能性PNAオリゴマーの新規合成方法ならびに新規機能性PNAモノマーユニットおよび機能性PNAオリゴマーが提供される。したがって、本発明によれば、種々のPNAの構築が可能になるため、化学工業および遺伝子治療等に寄与するところ極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】DNAとPNAの構造および荷電の状況の違いを表す図である。
【図2】2種類のPNAモノマーユニットの構造を表す図である。
Claims (16)
- nが1〜5の整数である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
- 機能性分子が、光放出性分子、光消失性分子、膜透過機能性分子、臓器選択性機能性分子、殺菌性機能性分子、分子認識性機能性分子、光架橋機能性分子、光増感機能性分子、DNA結合性分子、およびDNA切断機能性分子から選択された1種または2種以上である、請求項7〜11のいずれかに記載の方法。
- 機能性分子が、光放出性分子および膜透過機能性分子を含む、請求項12に記載の方法。
- 機能性分子が、光放出性分子および光消失性分子を含む、請求項12に記載の方法。
- 光放出性分子が、FITC、Naphthalimide、Flavin、FAM、Rhodamine、TAMRA、ROX、PyreneおよびCoumarineであり、光消失性分子がDabcyl、HABA、NDIまたはAzoである、請求項14に記載の方法。
- 膜透過機能性分子が水溶性アミノ酸である、請求項13に記載の方法。
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