JP2002510575A - 車輛乗員拘束システム用のガスバッグモジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ガス発生器用の及びこのガス発生器によって拡げることができるガスバッグ用のハウジング（１０）を有し、閉鎖位置から開放位置にできるカバー（１６、１８）を有し、カバー（１６、１８）が少なくとも一つのヒンジ（３０）によってハウジング（１０）に連結されている、車輛乗員拘束システム用ガスバッグモジュールであって、カバー（１６、１８）は、旋回区分（２０）に連結されており、この旋回区分がヒンジ（３０）によってハウジング（１０）に連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、車輛乗員拘束システム用のガスバッグモジュールに関する。車輛乗
員拘束システム用のガスバッグモジュールは、ガス発生器用のハウジングであっ
て、このガス発生器によって拡げることができるガスバッグ用のハウジングを備
えている。また、前記ガスバッグモジュールは、また、閉鎖位置から開放位置に
変換できるカバーを備えており、前記カバーは、少なくとも一つのヒンジによっ
てハウジングに連結されている。

【０００２】 従来のガスバッグモジュールでは、カバーは、ガス発生器がひとたび作動した
後にガスバッグが展開することによって開放される。このようなガスバッグモジ
ュールのカバーは、その外リムの一方がハウジング又は車輛の周囲パネルのいず
れかに連結されている。カバーは、開放時に車輛空間の内側に揺動する。このた
め、カバーがその開放時に車輛乗員に当たる危険がある。

【０００３】 本発明は、カバーが乗員に当たる危険がないガスバッグモジュールを提供する
。冒頭に言及した種類のガスバッグモジュールは、本発明によれば、カバーが旋
回区分に連結されており、この旋回区分がヒンジによってハウジングに連結され
ているという点で区別される。旋回区分を使用することにより、開放したカバー
を乗員から遠ざかる方向に揺動させることができ、これによってカバーが当たる
危険を小さくし、場合によってはなくすことができる。

【０００４】 本発明の有利な発展は、従属項に記載してある。 本発明を、添付図面に示す様々な実施例を参照して以下に説明する。 図１乃至図５は、本発明の第１実施例によるガスバッグモジュールを示す。ガ
スバッグモジュールは、ハウジング１０を含んでいる。ハウジング１０は、ガス
発生器を収容する下部分１２と、ガスバッグを収容する上部分１４とを備えてい
る。上部分１４のうちガスバッグを出すようにされた開放側は、二つの構成要素
１６、１８を含むカバーによって閉鎖されている。カバーの各構成要素は、旋回
区分２０によってハウジング１０に連結されている。各旋回区分は、ヒンジ２６
によって互いに連結された二つの構成要素２２、２４を含む。各構成要素２２は
、カバーの対応する構成要素にヒンジ２８によって連結されており、各構成要素
２４は、ハウジングにヒンジ３０によって連結されている。ヒンジ３０は、ハウ
ジング１０の上部分１４にねじボルト３２によって取り付けられている。

【０００５】 三つのヒンジ２６、２８、及び３０は互いに平行に且つハウジング１０の上部
分１４の長さ方向側部の一方に沿って延びている。旋回区分２２、２４をハウジ
ングに連結する下ヒンジ３０は、ハウジングの下部分１２に向いた上部分１４の
長さ方向縁部に沿って延びている。

【０００６】 カバーの二つの構成要素１６、１８が分割線３４に沿って互いに隣接した図１
及び図２に示す位置から、カバーを開放位置にすることができる。この位置では
、両カバー部分は開放している。更に良好に理解するため、図３、図４、及び図
５は、ガスバッグモジュールをカバーの一方の構成要素だけを開放した状態で示
す。ここでは、対応する構成要素、この特定の場合には構成要素１６が、開放位
置に移動するとき、ハウジング１０の下部分１２に向かって移動または変位する
ということがわかるであろう。開放される構成要素１６のヒンジ２８は、開放プ
ロセス中、下方に、即ちガスバッグモジュールによって拘束されるべき車輛乗員
から遠ざかるように移動することが明らかにわかる。この変位は、特に、ヒンジ
３０が形成する旋回区分の旋回軸線が、閉鎖状態のカバーが構成する平面から所
定距離に配置されているために生じる。

【０００７】 図６乃至図８は、本発明の第２実施例によるガスバッグモジュールを示す。第
１実施例とは異なり、この構成の旋回区分２０は一部品構造（すなわち、ワンピ
ース構造）を有する。ガスバッグモジュールが配置される車輛の内空間パネル４
０が、カバーの構成要素１６、１８と隣接して示してある。更に、ガスバッグ（
図示せず）用固定フレーム４２が、上部分の内側に概略に示してある。ガスバッ
グは、上部分１４の内側に配置することができる。

【０００８】 開放時にカバーの各構成要素が内空間パネル４０の後方に隠れるということが
わかる。これは、対応するカバー部分並びにハウジングに対して旋回できる、ヒ
ンジ２８及び３０並びに旋回区分２０の両方の協働作用により行われる。カバー
の構成要素が内空間パネル４０の後ろに隠れるため、車輛乗員にカバーが当たる
危険がない。

【０００９】 図９乃至図１５は、本発明の第３実施例によるガスバッグモジュールを示す。
第１及び第２の実施例とは異なり、この実施例では旋回区分とカバーの対応する
構成要素との間にヒンジが設けられておらず、旋回区分２０はカバーの対応する
構成要素１６、１８に固定状態に連結されている。脚ばね５０が更に設けられて
いる。この脚ばねは、一方の脚部がハウジングに固定されており、他方の脚部が
旋回区分２０に固定されている。この脚ばね５０は、旋回区分２０をカバー開放
位置と対応する位置に押圧（または、付勢）する。換言すると、旋回部分２０を
外方にハウジング１０の上部分１４から遠ざかる方向に枢動させる傾向がある。
脚ばね５０のコイル状部分は、ヒンジ３０の旋回軸線と同心である。

【００１０】 閉鎖位置にある場合、カバーの二つの構成要素１６、１８の向き合った外縁部
の両方が、内空間パネル４０の向き合った縁部と接触する。このようにして、脚
ばね５０によって及ぼされる力に対抗して作用する支持力が提供される。更に、
カバーの構成要素１６、１８の向き合った縁部は、図１６、図１７、及び図１８
に示すように実施できる。

【００１１】 図１６に示すように、構成要素１６にはリップ６０が設けられ、このリップが
構成要素１８の対応する凹所６２と係合する。構成要素１８にはラッチ突出部６
４が設けられ、この突出部が構成要素１６のリップ６０の肩部と係合する。この
ようにして、二つの構成要素１６、１８を分離しようとする引っ張り力を所定限
度まで伝達できるラッチ連結が形成される。伝達できる引っ張り力は、更に、脚
ばね５０が提供する圧力に逆らうように作用する。

【００１２】 図１７は、両側に突出部６８が設けられた対称的なリップ６６を持つ構成要素
１６を示す。リップ６６は、構成要素１８の相補的凹所と嵌合する（噛み合う）
。これにより、所定限度まで引っ張り力を伝達できる。

【００１３】 図１８は、ウェブ７０が設けられた構成要素１８を示す。ウェブ７０は、ヒン
ジ３０が構成する旋回軸線と平行に延びており、構成要素１８が画成する平面に
対してほぼ直角に延びている。ウェブ７０は、構成要素１６の相補的溝７２と係
合する。この実施例もまた、二つの構成要素１６、１８間で引っ張り力を伝達で
きる。

【００１４】 上部分１４の内側に配置されたガスバッグを作動させるとき、カバーの二つの
構成要素１６、１８にスラスト作用が加わる。次いで、これらが僅かに旋回し、
内空間パネル４０と接触した外リムが内空間パネルの下に押される。これと同時
に、二つの構成要素間のラッチ連結部によって伝達できる引っ張り力を越える力
が、構成要素１６、１８に及ぼされる。次いで、二つのカバー部分１６、１８は
、脚ばね５０の補助を受けて外方に内空間パネル４０の下に移動させられる。所
定の旋回経路のため、車輛乗員にカバーが当たる危険がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、カバーを閉鎖した状態の本発明の第１実施例によるガスバッグモジュ
ールの斜視図である。

【図２】 図２は、図１のガスバッグモジュールの側面図である。

【図３】 図３は、カバーを部分的に開放した状態の第１実施例によるガスバッグモジュ
ールの側面図である。

【図４】 図４は、明瞭化を図るために幾つかの構成要素を省略した図３のガスバッグモ
ジュールを示す側面図である。

【図５】 図５は、図３のガスバッグモジュールの斜視図である。

【図６】 図６は、カバーを部分的に開放した状態の第２実施例によるガスバッグモジュ
ールの斜視図である。

【図７】 図７は、図６のガスバッグモジュールの別の斜視図である。

【図８】 図８は、明瞭化を図るために幾つかの構成要素を省略した図７のガスバッグモ
ジュールを示す側面図である。

【図９】 図９は、明瞭化を図るためにカバーの部品を省略した本発明の第３実施例によ
るガスバッグモジュールの斜視図である。

【図１０】 図１０は、図９のガスバッグモジュールの側面図である。

【図１１】 図１１は、図９のガスバッグモジュールの部分斜視図である。

【図１２】 図１２は、カバーを部分的に開放した本発明の第３実施例によるガスバッグモ
ジュールの側面図である。

【図１３】 図１３は、カバーを一杯に開放した本発明の第３実施例によるガスバッグモジ
ュールの側面図である。

【図１４】 図１４は、図１３のガスバッグモジュールの斜視図である。

【図１５】 図１５は、図１４のガスバッグモジュールの部分斜視図である。

【図１６】 図１６は、二つのカバー部品間の分割線の一実施例の断面図である。

【図１７】 図１７は、二つのカバー部品間の分割線の別の実施例の断面図である。

【図１８】 図１８は、二つのカバー部品間の分割線の更に別の実施例の断面図である。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス発生器用の及びこのガス発生器によって拡げることがで
   きるガスバッグ用のハウジング（１０）を備え、また、閉鎖位置から開放位置に
   できるカバー（１６、１８）を備え、前記カバー（１６、１８）は少なくとも一
   つのヒンジ（３０）によってハウジング（１０）に連結されている、車輛乗員拘
   束システム用のガスバッグモジュールにおいて、 前記カバー（１６、１８）は、旋回区分（２０）に連結されており、この旋回
   区分は前記ヒンジ（３０）によって前記ハウジング（１０）に連結されている、
   ことを特徴とするガスバッグモジュール。
2. 【請求項２】 前記旋回区分（２０）を、前記ハウジング（１０）に関し、
   前記カバー（１６、１８）の前記開放位置と対応する位置に付勢するばね（５０
   ）が設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載のガスバッグモジュール
   。
3. 【請求項３】 前記ばねは脚ばね（５０）であり、その脚ばねの一方の脚部
   が前記ハウジング（１０）に連結されており、他方の脚部が旋回区分（２０）に
   連結されている、ことを特徴とする請求項２に記載のガスバッグモジュール。
4. 【請求項４】 ヒンジ（２８）が、前記カバー（１６、１８）と前記旋回区
   分（２０）との間に設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載のガスバ
   ッグモジュール。
5. 【請求項５】 前記ハウジング（１０）と前記旋回区分（２０）との間の前
   記ヒンジ（３０）は、前記旋回区分（２０）と前記カバー部分（１６、１８）と
   の間の前記ヒンジ（２８）と平行に延びている、ことを特徴とする請求項４に記
   載のガスバッグモジュール。
6. 【請求項６】 前記旋回部分（２０）は二部品構造を有し、ヒンジ（２６）
   が二つの構成要素（２２、２４）間に設けられている、ことを特徴とする請求項
   ４又は５に記載のガスバッグモジュール。
7. 【請求項７】 前記旋回区分（２０）と前記ハウジング（１０）との間の前
   記ヒンジ（３０）は、前記カバー（１６、１８）が構成する平面から所定距離の
   ところに配置されている、ことを特徴とする請求項１乃至６のうちのいずれか一
   項に記載のガスバッグモジュール。
8. 【請求項８】 前記ハウジング（１０）は、前記ガス発生器を収容する下部
   分（１２）と、前記ガスバッグを収容する上部分（１４）とを備え、 前記上部分（１４）は箱状であり、 前記ヒンジ（３０）が、前記旋回区分（２０）と前記ハウジング（１０）との
   間で、前記ハウジング（１０）の前記下部分（１２）に向いた前記上部分（１４
   ）の縁部に沿って延びている、ことを特徴とする請求項１乃至７のうちのいずれ
   か一項に記載のガスバッグモジュール。
9. 【請求項９】 前記カバーは二つの構成要素（１６、１８）を含み、これら
   の構成要素の各々は、旋回区分（２０）によって前記ハウジング（１０）に連結
   されている、ことを特徴とする請求項１乃至８のうちのいずれか一項に記載のガ
   スバッグモジュール。
10. 【請求項１０】 前記二つの構成要素（１６、１８）は、これらの二つの構
    成要素（１６、１８）を分離しようとする引っ張り力を所定の最大限度まで伝達
    できるように互いに係合している、ことを特徴とする請求項９に記載のガスバッ
    グモジュール。