JP2002507948A - 変位可能なヘッドレストを備えた車両の座席 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 摺動ガイド（７４）を備えた背もたれ（７２）と、摺動ガイド（７４）内に挿入された少なくとも１つのガイドロッド（７６）により背もたれ（７２）に固定されたヘッドレストとを備え、ヘッドレストの外側に配置されたベースユニットに電気的に接続できる機能ユニット（２０、２３）を具備した車両の座席において、ガイドロッド（７６）が機能ユニットの電気接続のために使用されることを特徴とする車両の座席。

Description

【発明の詳細な説明】 変位可能なヘッドレストを備えた車両の座席 本発明は、摺動ガイドを設けた背もたれと、摺動ガイド内に挿入された少なく とも１つのガイドロッドにより背もたれに固定されたヘッドレストとを備え、ヘ ッドレストの外側に配置されたベース（基礎）ユニットに電気的に接続できる機 能ユニットを具備した車両の座席に関する。 特に、後方からの衝突の場合、ヘッドレストは、車両の乗員が車両に関して後 方へ投げ出されるのを阻止する。拘束効果を最適に開発できるようにするため、 ヘッドレストは背もたれに関する車両の乗員の頭の（特に垂直方向の）位置に対 して適当に適合するようにしなければならない。この目的のため、ヘッドレスト は、普通２つのガイドロッドにより、背もたれ上に変位可能な状態で配置される 。 最近ますます、ヘッドレストはまた、例えば、ガス発生器を備え、事故の発生 時にヘッドレストの能動的な調整を可能にするか又は車両の乗員の頭を拘束でき るガスバッグを作動させる拘束装置の如き種々の型式の機能ユニットを受け入れ るようになってきた。これらの機能ユニット、特に車両の事故時に作動されるよ うになったユニットの場合は、特に高度の信頼性でベースユニット（例えば、ガ ス発生器のための作動装置）に接続しなければならない。特殊な問題は、ヘッド レストが、一方では、その寿命の過程において極めて頻繁に調整され、他方では 、その寿命の過程において、一旦選択された後には、１つの位置に常に維持され るような状態で、生じ得る可能な極限状態でのヘッドレストの可能な調整の全範 囲にわたって信頼をもってベースユニットに機能ユニットを接続するのを保証す ることである。 必要な信頼ある接続は、最初に述べた型式の車両の座席において、機能ユニッ トのための電気的な接続のためにガイドロッドを使用するような本発明により保 証される。ベースユニットへの直接的な電気接続を行わずに機能ユニットが遠隔 制御又は遠隔作動される今までに意図された解決策とは異なり、ガイドロッドの 使用は、作動に極めて信頼性があるベースユニットへの機能ユニットの接続の達 成を可能にする。しかし、電気接続はガス発生器を制御するのみならず、ヘッド レスト内に収容された他のユニット（例えば自動車の無線電話の拡声器）を制御 する作用を行うことができる。 本発明の好ましい実施の形態によれば、ガイドロッドは機能ユニットをベース ユニットに接続するケーブルのためのガイドとして作用する。このようにして、 機械的な影響に対して極めて安定した状態で、機能ユニットとベースユニットと の間の接続を達成できる。 好ましくは、ガイドロッドは背もたれ上に調整可能な状態で配置される。 好ましい実施の形態によれば、更に、背もたれ内へ押し込まれたガイドロッド の下端部において、プラグ接続素子が背もたれ内の相補的プラグ接続素子と係合 するように配置される。プラグ接続の使用により、プラグ接続の２つのプラグ接 続素子が適当に配置されたときに、摺動ガイド内への背もたれの挿入時にベース ユニットに対する機能素子のほぼ自動的な接触を可能にするか、または、ヘッド レストの取り外し時にベースユニットからの機能素子の分離を可能にする。更に 、ヘッドレストは余分な経費を伴わずに座席から完全に取り外すこともできる。 好ましい実施の形態によれば、更に、ガイドロッドに配置されたプラグ接続素 子はガイドロッドに関して静止しており、背もたれに配置されたプラグ接続素子 は摺動ガイドに関して変位できる。この構成においては、背もたれに配置された プラグ接続素子はガイドロッド従ってヘッドレストにおいて配置されたプラグ接 続素子の運動を追従し、それ故、ヘッドレストのための調整の可能性は損なわれ ない。 この好ましい実施の形態によれば、更に、背もたれに配置されたプラグ接続素 子はバネにより背もたれの上端の方へ偏倚される。それ故、背もたれに配置され たプラグ接続素子はガイドロッドに配置されたプラグ接続素子の方へ常に偏倚さ れ、プラグ接続の意図しない緩みを防止する。 本発明のこの好ましい実施の形態によれば、更に、バネは、２つのプラグ接続 素子の相互係合に必要な力よりも大きな力で、背もたれに配置されたプラグ接続 素子に作用する。このようにして、背もたれへのヘッドレストの装着時に、２つ のプラグ接続素子が、バネに打ち勝ちかつガイドロッドに配置されたプラグ接続 素子により背もたれに配置されたプラグ接続素子を押し下げるのに必要な力によ って、信頼をもって相互接続されるのを保証する。更に、もちろん、変位可能な プラグ接続素子をガイドロッドに配置でき、静止のプラグ接続素子を摺動ガイド に配置することもできる。更に、プラグ接続の閉鎖後にのみ摺動ガイド内へのガ イドロッドの更なる押し込みを許容する装置を提供することができる。これによ り、プラグ接続が実現しなかった場合に、ガイドロッドが摺動ガイド内へ深く導 入されるのを阻止すべきである。 本発明の有利な実施の形態は請求の範囲の従属項から明らかとなろう。 以下、添付図面に関連して本発明を説明するが、図面において、 第１図は本発明に係る車両の座席の一部としてのヘッドレストの分解部品斜視 図、 第２図は本発明の第１の実施の形態に係る、ガイドロッド及び関連する摺動ガ イドを通る図式的な縦断面図、 第３図は本発明の第２の実施の形態に係る、ガイドロッド及び関連する摺動ガ イドを通る図式的な縦断面図、 第４図は本発明の第３の実施の形態に係る、ガイドロッド及び関連する摺動ガ イドを通る図式的な縦断面図、 第５図は本発明の第４の実施の形態に係る、ガイドロッド及び関連する摺動ガ イドを通る図式的な縦断面図である。 第１図において、本発明に係る車両の座席の一部として使用できるヘッドレス トが図式的に示されている。このヘッドレストは布カバー６０を装着できる後方 のパッド部分５８及び前方のパッド部分５６を有する。パッド間には本体５０が 配置され、この本体は２つのパッド部分を担持し、Ｕ字状のガイド部分１４とし て構成された２つのガイドロッドにより車両の座席の背もたれ（図示せず）に接 続できる。ガス発生器２３及びガスバッグ２０はクランプストラップ５２及びネ ジ／クリップ接続子５４により本体５０上に配置される。ガス発生器及びガスバ ッグの特殊な構成はここでは重要ではなく、関連する要素は、ガスバッグ及びガ ス発生器から形成された機能ユニットを図式的に示したケーブル７０によりベー スユニット（図示せず）に接続できることのみであり、この場合のベースユニッ トは必要なときにガス発生器を作動させることができる。 第２図において、車両の座席の背もたれ７２の上方区分が図式的に示されてい る。背もたれに設けられた摺動ガイド７４内へは、ヘッドレストのためのＵ字状 のガイド部分１４を挿入することができる。摺動ガイド７４の下方にプラグ接続 素子７８が配置され、この素子はチューブ８０内に変位可能な状態で保持される 。プラグ接続素子７８はバネ８２により摺動ガイド７４の方に休止位置へ偏倚さ れる。プラグ接続素子７８は、ヘッドレストの可能な調整範囲が損なわれないよ うな経路にわたってチューブ８０内で移動できる。円周方向におけるプラグ接続 素子７８の整合を確立するため、ベースの半径方向の延長部７９がチューブ８０ のスリットを通って突出する。上方領域においては、チューブ８０はスリットを 有さず、上方ストッパを形成する。 プラグ接続素子８４はガイドロッド７６の中空内部内へ押し込まれ、押圧によ りガイドロッド７６に接続され、プラグ接続素子８４はプラグ接続素子７８と対 応（相補的）している。２つのプラグ接続素子７８、８４が互いに係合したとき 、電気的なプラグ接続が形成される。第１図から分かるケーブル７０はプラグ接 続素子８４に接続される。ヘッドレストから見て、電気接触点の直接前方で、い わゆる知能周辺ユニット１００がケーブル７０により形成された電気ライン内へ 挿入される。周辺ユニット１００はベースユニットへの接続部を有するいわゆる データバス装置への接続部を表し、このデータバス装置を介して、データ（例え ば、ガス発生器２３の点火器において取り出されたデータ）がベースユニットへ 送られ、データバス装置はまた反転信号交換を提供する。より一般的に述べれば 、周辺ユニット１００はガイドロッド７６及び摺動ガイド７４に関連する電気ラ イン区分間の電気接触点の前方又は後方に直接配置できる。ここでは、電気接触 点は第２図に示すプラグ接続又は第３図に関連して更に詳細に説明する電気的な 接続を意味する。 ベースユニットとヘッドレスト内に配置された機能ユニットとの間の接続は、 背もたれへのヘッドレストの装着中に自動的に行われる。実際、バネ８２の偏倚 力は、第１に、プラグ接続素子７８が休止位置から出るように移動する前に、プ ラグ接続素子７８、８４を互いに係合させるのに必要な力に打ち勝つように、選 定されている。摺動ガイド７４内へのガイドロッド７６の挿入中、プラグ接続素 子８４は、バネ８２により第２図に示す休止位置へ偏倚されたプラグ接続素子７ ８に対向して自動的に位置決めされる。ガイドロッド７６が次いで摺動ガイド内 へ押し込まれたとき、２つのプラグ接続素子７８、８４が相互に挿入される。 プラグ接続はまたヘッドレストを背もたれから完全に取り外すのを可能にする 。こうすることにより、プラグ接続は自動的に解除される。ヘッドレストが背も たれ内へ再度挿入された直後に、機能ユニットとベースユニットとの間の接続が 再度生じる。 第３図において、本発明の第２の実施の形態の詳細が図式的に示されている。 ベースユニットと機能ユニットとの間の接続のため、ここでは、ガイドロッド７ ６内に配置された接点素子９２と電気接触するようになった接点ピン９０を使用 する。ガイドロッド７６及び接点素子９２に設けた凹部９４は、バネ９６により 接点素子９２の方へ偏倚された接点ピン９０と共働して、ヘッドレストを種々の 高さで拘束する役目を果たす。この構成においては、接点ピン９０及び接点素子 ９２は好ましくは２つのガイドロッド７６の各々に設けられ、機能ユニットへの 前進ライン及び機能ユニットからの帰還ラインを利用できる。 第４図には、本発明に係る第３の実施の形態を示す。この実施の形態において は、誘導信号伝達のための装置が使用され、この装置はガイドロッド７６内に配 置されたコイル１００及び背もたれ内に配置されたコイル１０２を有する。もち ろん、コイル１００、１０２の配列及び長さは、ヘッドレストの全調整範囲にわ たって信号伝達が可能となるように、選定される。また、この実施の形態におい ては、前進及び帰還ラインはガイド部分１４の２つのガイドロッド上で分割され る。 第５ａ、５ｂ図には、本発明の第４の実施の形態が図式的に示されている。こ の実施の形態においては、ガイドロッド７６は導電性の材料からなり、２つの接 点トラック１１０、１１２が設けられる。接点トラック１１０はガイドロッド７ ６上に直接設けられ、一方、接点トラック１１２は絶縁体１１４によりガイドロ ッド７６の材料から隔離される。摺動接点１１６、１１８は２つの接点トラック １１０、１１２と関連する。摺動接点は摺動トラックとの接触を改善するために 波形形状に構成することができる。 第４の実施の形態に対する変形例によれば、２つのガイドロッド７６の各々は 前進及び帰還ラインを形成するように単一の接点トラックを具備することができ る。 図示しない更なる開発によれば、ガイドロッド７６は同時に、ガスバッグ２０ と共働するように設けられたガス発生器のためのハウジングとして作用すること ができる。このガス発生器は、その作動後に１つの部品のみを取り換えることが できるように、数個の部品として構成することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＪＰ，ＵＳ 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 摺動ガイド（７４）を備えた背もたれ（７２）と、上記摺動ガイド（７４ ）内に挿入された少なくとも１つのガイドロッド（７６）により上記背もたれ（ ７２）に固定されたヘッドレストとを備え、上記ヘッドレストの外側に配置され たベースユニットに電気的に接続できる機能ユニット（２０、２３）を具備した 車両の座席において、 上記ガイドロッド（７６）が上記機能ユニットの電気接続のために使用される ことを特徴とする車両の座席。 ２． 請求の範囲第１項に記載の車両の座席において、上記ガイドロッド（７６ ）が、上記機能ユニット（２０、２３）を上記ベースユニットに接続するケーブ ル（７０）のためのガイドとして使用されることを特徴とする車両の座席。 ３． 請求の範囲第１項又は第２項に記載の車両の座席において、上記ガイドロ ッド（７６）が上記背もたれ（７２）上に調整可能な状態で配置されることを特 徴とする車両の座席。 ４． 請求の範囲第３項に記載の車両の座席において、上記背もたれ（７２）内 に押し込まれた上記ガイドロッド（７６）の下端において、当該背もたれ（７２ ）内の相補的プラグ接続素子（７８）と係合するようになったプラグ接続素子（ ８４）が配置されることを特徴とする車両の座席。 ５． 請求の範囲第４項に記載の車両の座席において、一方の上記プラグ接続素 子（８４）が静止状態にあり、他方の上記プラグ接続素子（７８）が、上記摺動 ガイド（７４）内への上記ガイドロッド（７６）の挿入時に、当該プラグ接続素 子（７８、８４）の結合作用後に変位できることを特徴とする車両の座席。 ６． 請求の範囲第５項に記載の車両の座席において、変位可能な上記プラグ接 続素子（７８）がバネ（８２）により基本位置へ偏倚されることを特徴とする車 両の座席。 ７． 請求の範囲第６項に記載の車両の座席において、上記バネ（８２）が、上 記２つのプラグ接続素子（７８、８４）を互いに係合させるのに必要な力よりも 大きな力で、上記変位可能なプラグ接続素子（７８）上に作用することを特徴と する車両の座席。 ８． 請求の範囲第６項又は第７項に記載の車両の座席において、上記バネ（８ ２）が上記ヘッドレストの可能な変位経路と少なくとも同じ長さの上記変位可能 なプラグ接続素子（７８）の変位経路を可能にすることを特徴とする車両の座席 。 ９． 請求の範囲第６項ないし第８項のいずれかに記載の車両の座席において、 上記変位可能なプラグ接続素子（７８）が上記摺動ガイド（７４）内に配置され ることを特徴とする車両の座席。 １０． 請求の範囲第１項又は第２項に記載の車両の座席において、接点素子（ ９２）が上記背もたれ（７２）内に押し込まれた上記ガイドロッド（７６）の下 端に配置され、接点ピン（９０）が当該背もたれ内に配置され、上記ピンが当該 ガイドロッドの各位置で上記接点素子（９２）と電気的に接触することを特徴と する車両の座席。 １１． 請求の範囲第１０項に記載の車両の座席において、上記接点素子（９２ ）がディテント凹部 （９４）を具備し、上記ディテント凹部（９４）内への係合により、上記接点ピ ン（９０）が上記ヘッドレストを拘束することを特徴とする車両の座席。 １２． 請求の範囲第６項ないし第１１項のいずれかに記載の車両の座席におい て、プラグ接続の閉鎖後にのみ上記摺動ガイド（７４）内への上記ガイドロッド （７６）の変位を許容する装置を設けたことを特徴とする車両の座席。 １３． 請求の範囲第１項又は第２項に記載の車両の座席において、少なくとも １つの接点トラック（１１０、１１２）が上記背もたれ（７２）内に押し込まれ た上記ガイドロッド（７６）の下端に設けられ、少なくとも１つの関連する摺動 接点（１１６、１１８）が当該背もたれ（７２）内に配置されることを特徴とす る車両の座席。 １４． 請求の範囲第１３項に記載の車両の座席において、上記摺動接点（１１ ６、１１８）が波形表面を有することを特徴とする車両の座席。 １５． 請求の範囲第１項又は第２項に記載の車両の座席において、誘導信号伝 達のための装置の部分（１００）が上記背もたれ（７２）内に押し込まれた上記 ガイドロッド（７６）の下端に配置され、当該背もたれ（７２）内に配置された 相補的部分（１０２）が上記装置の部分と関連することを特徴とする車両の座席 。 １６． 請求の範囲第１項ないし第１５項のいずれかに記載の車両の座席におい て、導電性材料の２つのガイドロッド（７６）が設けられ、そのうちの一方が前 進ラインとして作用し、他方が帰還ラインとして作用することを特徴とする車両 の座席。 １７． 請求の範囲第１６項に記載の車両の座席において、上記ガイドロッド（ ７６）が金属で構成されることを特徴とする車両の座席。 １８． 請求の範囲第１７項に記載の車両の座席において、上記ガイドロッド（ ７６）が導電性材料で被覆されることを特徴とする車両の座席。 １９． 請求の範囲第１項ないし第１８項のいずれかに記載の車両の座席におい て、上記ガイドロッド（７６）がガス発生器のためのハウジングとして作用する ことを特徴とする車両の座席。 ２０． 請求の範囲第１９項に記載の車両の座席において、上記ガス発生器がそ の作動後に１つの部品のみを取り換えることができるように、数個の部品として 構成されることを特徴とする車両の座席。 ２１． 請求の範囲第１項ないし第２０項のいずれかに記載の車両の座席におい て、データバス装置への接続部としての知能周辺ユニット（１００）が上記ガイ ドロッド（７６）内又は上記摺動ガイド（７４）内に配置されることを特徴とす る車両の座席。 ２２． 請求の範囲第２１項に記載の車両の座席において、上記周辺ユニット（ １００）が上記ガイドロッド（７６）及び上記摺動ガイド（７４）に関連する電 気ライン区分間の電気接触点の前方又は後方に直接配置されることを特徴とする 車両の座席。