JP2002506484A - 凹凸が非常に小さい高品質の銅箔の製造方法及びこの方法によって製造された銅箔 - Google Patents

凹凸が非常に小さい高品質の銅箔の製造方法及びこの方法によって製造された銅箔

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Abstract

(57)【要約】 ポリマー基材に結合させたときに大きい剥離強さを示し、表面の凹凸が低い銅箔を製造する電気分解方法であって、(a)硫酸銅と硫酸を含む電解質を調製し、ここでこの溶液は添加剤として、低分子量水溶性セルロースエーテル、低分子量水溶性ポリアルキレングリコールエーテル、低分子量水溶性ポリエチレンイミン、及び水溶性スルホン化有機硫黄化合物を含有しており、(b)第1の電流密度を含む第1の物質移動条件の第1の電着領域において、主アノード(31)から、この主アノード(31)と離して配置されたカソード(30)に電解質を通して電流を流して、前記カソード上に、約150マイクロインチ(3.81μm)以下の高さの微細突端を持つつやけし表面及び微細粒子の微細構造を持つ基礎銅箔(40)を電着させ、(c)基礎銅箔及び電解質を、前記第1の電着領域から第2の電着領域に通し、そして(d)第1の電流密度よりも大きい第2の電流密度を含む第2の物質移動条件の、第1の電着領域よりも物質移動が劣る第2の電着領域において、前記第2のアノード(35)から、この第2の電極(35)と離して配置されたカソードに電解質を通して電流を流しつつ、この第2の電着領域に新しい電解質の追加の流れを導入して、つやけし表面の銅の微細な塊への電着を行う、ことを含む銅箔を製造する電気分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】 凹凸が非常に小さい高品質の銅箔の製造方法及びこの方法によって製造された銅 箔 発明の属する技術分野 本発明は、電解銅箔、ポリマー基材に積層させたときに大きい剥離強さを示す つやけしの表面を持つ凹凸が非常に小さい銅箔を製造する方法、及びそのような 箔を使用する積層体に関する。 発明の背景 電気的な用途のための銅箔、すなわち、プリント回路基板のための銅被覆積層 体のための銅箔の製造は、本質的に2つの工程からなる。ここで第1の工程は、 回転ドラムカソードへの「基礎」又は「未処理」箔の電着又はメッキの工程であ り、第2の工程は「基礎」箔を「処理」装置に通して、ポリマー基材に結合させ るのにふさわしい結合表面を持つ箔のつやけし面を提供する工程である。第2の 工程は、結合処理といわれることがある。これらの2つの操作はそれぞれに多く の費用がかかるので、伝統的に別々に行われている。基礎箔の形成は、強く展性 で且つ緻密化された堆積物を得るために、高温の濃い硫酸銅/硫酸電解質を必要 とする。この堆積物は箔の本体を作る。また、結合処理は通常、比較的希薄で低 温の電解液を必要とし、これはもろく粉末状の堆積物をもたらす。この堆積物は 、箔のつやけし面の実際の表面積を増加させ、それによって、箔の結合能力を増 加させる。 典型的な用途においては、第1の工程、つまり基礎箔又は「芯」の形成の第1 の目的は、プリント回路産業において望まれる物理的 、冶金的及び電気的性質の組み合わせを箔バルクに与えることであり、これらの 性質は明らかに、微細構造によって決定される。この微細構造は、メッキ工程の 条件及び純度によって決定される。プリント回路板の製造者によって望まれる典 型的な箔の芯の性質は、適当な引っ張強さ、降伏強さ、延び、展性、及び耐疲労 性である。望まれる性質の多くは、材料が破損しないで耐えられる最大負荷に関 し、これは通常、応力−ゆがみ曲線から導かれる。同様に、導電性も、銅箔の重 要な性質であると考えられる。銅箔のこれらのすべての性質は、箔の微細構造に 依存しているが、特に箔の芯の微細構造に依存している。箔の性質を決定するこ の微細構造は、電着条件によって決定される。 高度技術の用途で使用される他の材料と同様に銅箔は複合材料である。すなわ ち、銅箔には、そのバルク物質の性質とは異なる性質の表面に近い領域が存在す る。つまり、銅箔のバルク(芯)は、プリント回路板において導電体として機能 する。箔のつやけしの面は、ポリマー誘電体(絶縁体)基材又はプレプレグ、例 えばエポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維への永続的な結合を促進する働きをす る。 図1に示されているように、第1の製造工程は、大きな円筒状のドラムカソー ド20を使用する。このドラムカソード20は、硫酸銅−硫酸電解質21に部分 的に浸漬されて回転している。またこのドラムカソードは、一対の湾曲したアノ ード22に向いて、これに近接している。このアノード22は鉛、鉛−アンチモ ン、白金メッキしたチタン、イリジウム、又はルテニウムの酸化物から作ること ができる。このドラムとこれらのアノードの両方は太い母線23によって直流電 源24に電気的に接続している。50,000アンペアまで又はそれ以上の電流 を一般に使用している。ドラムが電解質 中で回転するときに、電着銅をドラムの表面に作る。そしてその後、ドラムが電 解質から離れたときに、電着した銅を、薄い箔25の形で回転しているドラムか ら連続的に引き離す。この薄い箔25は、大きさを分割して巻き取りロール26 に巻き取る。通常、ドラムの上端又は外側表面はチタンで作る。 そのような方法で製造した処理する前の箔は通常、未処理箔と呼ぶ。未処理箔 の色は白っぽいピンクであり、2つの明確に違って見える面を持っている。この 2つの面の1つは、「光沢面」であり、この面はドラムの表面をメッキしており その後、引き剥がされる。またこの面は非常になめらかである。一方、電解質と アノードの方を向いていた面は「つやけし」面と呼ばれる。これは、この面が「 基礎」箔の電着の間の、異なる結晶面の成長速度の差に起因するベルベット状の 仕上げを受けることによる。この段階でのつやけしの側の表面は、図2において 示しているように、非常に小さい大きさの微細粗さと非常に特殊な微細表面構造 を持つ。高倍率の走査型電子顕微鏡で見ると、これらは突端と溝を有している。 突端は密に詰まった円錐又は角錐である。既知のように、円錐の高さ、傾斜、密 度、及び形状は、厳密に制御された独立の可変数、つまり箔の厚さ、電流密度、 電解液の組成及び温度及び電解質中の添加剤のタイプ及び濃度等に依存している 。 また、基礎箔のつやけし面の表面の質(凹凸)は、多層プリント回路板及び微 細配線回路のための積層体を被覆するような用途での好適さを決定する。重要な 好適さは、つやけし面の粗さの量的な評価に依存している。表面についての有益 な情報を与えてくれる変数は「Rz」であり、これは粗さ試験長さ内での、5つ の最も高い突端と5つの最も低い溝の平均線からの平均偏差である。 基礎箔のつやけし面は、基材の樹脂に埋め込んで、プリント回路 板(PCB)の製造において使用する銅被覆積層体での付着を促進する箔の表面 の基本的な形状を提供する。 箔のつやけし面はある程度の微細粗さを有しているが、これは、箔の結合性の ために工業的に必要とされる粗さには到底達していない。このために、銅箔の製 造者は第2の製造工程を行って、基礎箔のつやけし面に表面結合処理を行う。「 結合処理」という用語は、基礎箔のつやけし面の形態を変更して、積層体の樹脂 へのこの面の結合性を適当にすることを説明するために一般に使用されている。 結合処理は、「処理器」と呼ばれる機械で行い、ここでは、駆動ロール(印刷 機械において紙のウェブを扱う手段と同様なもの)によってロールから未処理箔 を連続的に引き出して処理装置に導入し、接触ロールによってカソードにして、 そしてそれぞれのタンクにおいて長方形のアノードに向かわせて、複数のメッキ タンクに蛇行させて通す。それぞれのタンクは、それ自身の、適当な電解質供給 源及び直流電源を持っている。タンクの間において、箔の両面を完全に洗浄する 。この操作の目的は、箔の少なくとも一方の面、典型的につやけし面に、複雑な 形状の微細突部を電着させることである。これは、箔を、銅被覆積層体の製造に おいて使用する基礎ポリマー材料にしっかりと固着することを可能にする。 回路要素の機械的な支持及びプリント回路基板の電流輸送能力はこの銅箔とポ リマーの接合部において提供されるので、大きい剥離強さ(銅箔と支持絶縁基材 とを引き離すのに必要な力)は、最も重要な特徴である。この箔が非常にしっか りと確実に基材に結合していること、及びそのような付着している接合部が、初 期の付着能力を減少させないでプリント回路基板の全ての製造工程に耐えられる ことが重要である。また、これは更に、プリント回路基板の耐用期間の間は不変 であるべきである。 この結合操作は、積層プラントにおいて行い、また加熱及び冷却のサイクルを 含む。銅箔のシートは「プレプレグ」(例えば、エポキシ樹脂を含浸させたガラ ス繊維)のシートに乗せる。これら両方の材料は、加熱加圧プレートを有する液 圧プレスに配置して、共に高圧下でプレスする。高温において樹脂は液化し、圧 力によって箔の表面の微細な凹凸に流入する。この後、第2のサイクルを行って 、圧力を維持したままで両方の材料を冷却して、箔表面の凹凸内で樹脂を固化さ せ、そしてこれら両方の材料をしっかりと結合して引き離すことが非常に難しい ようにする。大きい剥離強さを確実にすることは、箔のつやけし面に依存してい る。 完成した箔、すなわち基礎箔に処理をした箔のつやけし面は、基礎箔のつやけ し面の微細表面構造と、処理装置においてこの表面にメッキされた結合処理物と の組み合わせの効果に影響を受ける。これらの両方が等しく重要である。 好ましい結合処理は、基礎又は「未処理」箔のつやけし面を4つの連続した電 着処理にかけることによって行う。第1の処理は、微細樹状模様の銅層を堆積さ せることからなる。この工程は、つやけし面の実際の表面積をかなりの程度まで 大きくし、それによって箔の結合能力を促進する。その後、保護又は修飾層を電 着させる。この層の機能は、樹状模様層を機械的に強化することであり、従って それを、その後のプリント回路基板製造の積層段階において、液体樹脂の横方向 の剪断応力に耐えるようにすることである。また、いわゆるバリアー層を2層の 銅処理物に堆積させ、そしてその後、汚染防止層を適用する。 樹状模様物の堆積の目的は、つやけし面の「実際の」表面積を増加させること である。これは、この性質が箔の結合特性を最終的に決定するためである。形状 、高さ、機械的な強度、及び樹状模様堆 積物を構成している表面積当たりの樹状模様微細突部の数は、処理の全ての段階 が終了した後で、適当な結合強度を達成するのに必須の要素である。処理の第1 の段階での樹状模様堆積物は、機械的に比較的弱く、許容できない処理移動特性 を与える。 処理物の保護工程は、「処理物の移動」及び得られる積層体の誘電性を低下さ せることがある「積層体の汚染」の傾向をなくすので、非常に重要である。この 第2の処理段階の役割は、もろい樹状模様層を機械的に補強することである。こ れは、強固で強い金属銅の薄層によってこの樹状模様層を被覆することによって 行う。この第2の層は樹状模様を基礎箔に固定する。そのような樹状模様物−保 護物の複合構造は、処理移動が存在せず且つ結合が強力であることを特徴とする 。これを達成することを確実にする処理パラメータは比較的狭い。修飾堆積物の 量が少量すぎると、箔は処理移動をもたらす。他方で、この修飾堆積物の層が厚 すぎると、剥離強さが部分的に失われることがあると考えられる。処理の初めの 2つの層は、微視的に球状の微細突部の形の純粋な銅からできている。 2層の銅結合処理物に、非常に薄い亜鉛又は亜鉛合金の層、いわゆるバリアー 層を電着させることができる。プリント回路基板のための銅被覆積層体の製造の 間に、亜鉛含有層は、固体状態の金属の熱促進拡散プロセスによって、下側の全 て銅の結合処理物と合金化する。結果として、化学的の安定なα黄銅の層が、全 て銅の処理物の表面上に形成される。これは、銅とエポキシ樹脂の直接の接触を 妨げることを目的としている。このため、亜鉛含有層(積層処理の間にα黄銅に 転化する)はバリアー層と呼ばれる。結合処理物が銅のみからなっており、これ をエポキシ樹脂の系と積層すると、これは、高い積層温度で樹脂のアミノ基と反 応する傾向がある。これは、箔−樹脂の界面おいて湿分を発生させ、この湿分は 「ふくれ」を 作る有害な影響をもたらし、場合によっては剥離をもたらす。全て銅の結合処理 物にメッキされたこのバリアー層は、これらの有害な効果を妨げる。 上述の処理の3つ全ての段階は、当該技術分野で既知のように、箔のつやけし 面の形状及び表面構造を変化させるための電着によって行い、これは表面領域の 機械的強度を確実にする。(Yatesらの米国特許第3857681号明細書 )。 上述のように処理した箔をその後、表面の化学的性質を変えて電気化学的な汚 染に耐えるようにする。この工程の結果として、結合表面は化学的に安定になる 。この汚染防止処理は、表面の弱い膜を除去し、制御された厚さの安定な膜を提 供する。この弱い膜の除去は、一般に基材への箔の付着性を低下させることがあ る。またこの制御された厚さの安定な膜は、処理表面の性質の「耐久性」を増加 させる役割を果たす。 図9は、典型的な結合処理物(図2で示される基礎箔のつやけし面に堆積させ た)を示し、またこれは、箔の高い結合性の必要性が、増加した箔の微細粗さ及 び結合処理物粒子の複雑な形状によって達成されることを示している。 典型的に、約280マイクロインチ(約7.1μm)であった基礎箔のRzは 、結合処理物の適用の後では約420マイクロインチ(11μm)に増加する。 これは、箔の微細な突端が処理プロセスでの拡散による素早いイオンの供給に好 ましい形状を提供するためである。この効果は、図3(A)及び図3(B)にお いて説明している。 結合処理物は、突端と溝の微細な凹凸を持つ基礎箔のつやけし面にメッキをす るので、この処理物は突端を優先的にメッキする。処理工程で使用する電解質の 拡散層は、突端及び溝の輪郭(凹凸)に 沿うことはできない。従って突端への物質移動が比較的容易であり、電流密度分 布はこの物質移動の法則に適当に従う。 従って、結合処理物は、溝に集まらない代わりに突端に「過剰に多く集まる」 。これはいわゆる劣った微細均一電着性の好ましくない条件である。 基礎箔の突端に集中した過剰に高い微細突部を伴う処理物は、プリント回路の 製造のための好ましくない材料である。箔の断面は鋸状であり、ポリマー基材に 非常に深く突き刺さる「歯」を持っている。従ってこれは、望ましくない銅をエ ッチングによって取り去るのに必要な時間を増加させ、銅の粒子を樹脂に深く埋 め込んだままにする。これは、プリント回路板の誘電性の性質に好ましくない影 響を与えて、多層プリント回路板の製造において層と層の間の誘電体の厚さを小 さくする。明らかに、上述の条件とは反対の、良い微細均一電着性が、結合処理 での電着に望ましい。これは、微細突端に過剰に集中させる代わりに、微細な溝 のより奥に処理物の微細突部を付ける処理によって達成される。 良い結合性能は、突端の処理物の過剰な高さによって達成されるのではなく、 個々の処理物粒子(微細突部)の比較的良い分散によって達成される。微細突部 の高さが減少してその数が増加すると、箔の結合能力は同じに維持され、箔はよ り好ましい特徴、すなわち小さい凹凸を具備するようになる。 銅箔の金属学的な断面は、箔の凹凸の参考を明らかに説明している。明らかに 、箔の2つの反対の表面は同じではない。ドラムで作った表面では、箔の光沢面 は、高倍率で見た場合でも、比較的平らでなめらかであり、箔のつやけしの面は 結合処理物を伴う基礎箔の微細突端と微細溝とを有している。この結合処理物は 、微細突端及び微細溝にメッキされた、特に微細突端に集中した球形の微細突部 の形のものである。従って、銅箔は「芯」(密な金属の中実な本体)と「歯」を 有していることが明らかに分かる。ここで、この「歯」は基礎箔の微細突端と結 合処理物を含む微細突部の、鋸状の密なコーティングである。この集まりによっ て、電着銅の製造業者によって提供される典型的な銅箔は、以下の(a)〜(c )のように分類することができる。(a)凹凸が非常に小さい銅箔(例えば、基 礎箔のつやけし面と結合処理物の組み合わせた1オンス箔の結合表面粗さRzが 200マイクロインチ(5.1μm)を超えてはならない)、(b)凹凸が小さ い箔(Rzが300マイクロインチ(7.6μm)を超えない)、(c)いわゆ る「通常の」箔(箔の凹凸が比較的大きくてもよい)。 多層回路板の製造のためには、初めの2つの分類のみが一般に使用されている 。当然に、電気的な用途を意図する銅箔の規格、つまり実際の厚さに対する単位 表面積当たりの重量をどのように決定するかという問題がある。前者が最も一般 的に使用されており、1平方フィート当たりの重量が1オンス(1m2当たりの 重量が305g)である箔は、1オンス箔(loz)と呼ばれている。 「芯」の質量又は厚さが箔の規格の評価(電気的な点で)に関係し、「歯」は 関係していないので、電気回路又は装置の設計者は、そのような表示が現在では 好ましくないと考えている。 従って、マイクロメーターによって測定される箔の厚さによって、箔はより良 く特徴付けられると現在では考えられている。これは、マイクロメーターによっ て測定される箔の厚さが、箔の凹凸(断面)、及び芯の厚さと、つやけし部分の 高さ又は「歯」(箔のつやけし部分の高さと処理物の組み合わせ)との比を考慮 しているためである。 マイクロメーターによる測定は、基礎箔の突端とその上の処理物 の突端を考慮しており、単位面積当たりの箔の重量が同じ場合であっても、基礎 箔の顕著なつやけし側と大量の処理物を伴う箔は、比較的顕著ではない基礎箔の つやけし構造と比較的少量の処理物を伴う箔よりも厚くなる。1オンス箔の厚さ は、1.8〜1.4mil(46〜36μm)の範囲で変化し得る。これに関す る工業的な傾向では、「比較的薄い」箔を使用するようになってきている。その ような箔は、「凹凸が小さい」箔と呼ばれる。理論的には、箔の結合能力が重要 な要素ではない場合、長方形の断面を持つ箔が理想的であると考えられている。 しかしながら、箔のつやけし部分の高さは、箔の全厚の15%を超えるべきでな いことが広く受け入れられている。そのような箔のみが、多層板の製造において 望ましく、プリント回路産業の最も進んでいる現在の成長部分である。 つやけし部分の高さは、銅箔の製造者及び使用者によって慣習的に測定されて いる。この測定は、突端と溝の程度を測定する針状のものを使用するタイプの装 置によって行われる。銅箔の使用者は、比較的小さい凹凸の箔の必要性を要求し ながら、箔の剥離強さ(結合性)に関する要求を弱めようとしないので、電子産 業において比較的凹凸が小さい箔を使用する傾向は、箔の製造者に非常に深刻な ジレンマを与えている。 基礎箔の微細粗さ(突端及び溝のRz)と結合処理物の両方が、完成した箔の 凹凸(粗さ)に貢献することは自明である。 伝統的に、大量の結合処理物を伴う基礎箔の粗いつやけし面(Rzが大きい) は、最も大きい剥離強さを提供するが、そのように作った箔は、かなりの粗さ( 高い凹凸、大きいRz)によっても特徴付けられることが理解されている。 明らかに、銅箔の特徴に関係してプリント回路基板産業で最も重要な要求は、 良い剥離強さと小さい凹凸の2つであり、これらは、 従来の箔製造の考え及び実施においては矛盾している。従って、凹凸が非常に小 さい表面と大きい剥離強さの両方を持つ高品質の銅箔を製造するための、商業的 に利用できる経済的な方法を得ることはかなり望ましい。 本発明の主な目的は、ポリマー基材に積層させたときに結合強さが大きく、凹 凸が非常に小さい処理された表面を持つ高品質の銅箔のための改良された方法、 並びにそのような方法によって製造された銅箔、及びそのような箔で作られた銅 被覆積層体を提供することである。他の目的は、本発明の以下の説明及び発明の 実施によって明らかになる。 発明の概略 本発明の目的を達成するために、ポリマー基材に結合させたときに剥離強さが 大きく、非常に凹凸が小さい表面を持つ銅箔を製造する電気分解方法を本発明は 提供する。ここでこの方法は、 (a)硫酸銅−硫酸溶液を含有する電解質であって、この溶液が添加剤として 少量の、低分子量水溶性セルロースエーテル、低分子量水溶性ポリアルキレング リコールエーテル、低分子量水溶性ポリエチレンイミン、及び水溶性スルホン化 有機硫黄化合物を含有している電解質を調製し、 (b)第1の電流密度を含む第1の物質移動条件の第1の電着領域において、 主アノードから、この主アノードと離して配置されたカソードに電解質を通して 電流を流して、カソード上において、約150マイクロインチ(約3.8μm) 以下の高さの微細突端を持つつやけし表面及び微細粒子の微細構造を持つ基礎銅 箔を電着させ、 (c)基礎箔及び電解質を、第1の電着領域から第2の電着領域 に通して、 (d)第1の電流密度よりも大きい第2の電流密度を含む第2の物質移動条件 の、第1の電着領域よりも物質移動が劣る第2の電着領域において、第2アノー ドから、この第2の電極と離して配置されたカソードに電解質を通して電流を流 し、他方で、この第2の電着領域に新しい電解質の追加の流れを導入して、つや けし表面の微細な塊に銅を電着させ、それによって、最終的なつやけし部分(m atte)の高さが約200マイクロインチ(約5.1μm)以下の銅箔を作る 、 ことを含む方法である。 また、本発明は上述の方法によって製造された銅箔、及びそのような箔をポリ マー基材に積層させた銅被覆積層体を提供し、これはプリント回路基板の製造に ふさわしい。また、本発明はバリアー層及び汚染防止層をつやけし面に適用され たそのような箔を1段階で製造する方法を提供する。 図面の簡単な説明 明細書の一部である添付の図は、本発明の好ましい態様の実施のための好まし い方法及び装置、並びに本発明の方法による銅箔を示しており、ここで提供する 説明と関連して本発明の原理を説明する役割を果たす。図は以下のようなもので ある。 図1は、従来のドラムカソード装置を示している。 図2は、従来の電着銅箔のつやけし側表面の微細表面構造を示している。 図3は、従来の箔と本発明の箔のつやけし側表面の微細表面構造を示している 。 図4は、本発明の添加剤の配合物を含有する電解質を使用して、 従来の機械で製造した銅箔のつやけし側の微細表面構造を示している。 図5は、本発明の好ましい方法で製造した新しい箔のつやけし側の微細表面構 造である。 図6は、本発明の新しい箔を製造するための装置を説明している。 図7は、図6で示される第2電着領域を示している。 図8は、本発明の完成した箔を製造するための好ましい機械を示している。 図9は、伝統的な処理物を適用した従来の銅箔のつやけし側の微細表面構造で ある。 本発明の好ましい態様の説明 電着銅の結晶構造は、結晶核の形成速度と既存の結晶の成長速度の比にかなり 依存しており、結晶核の形成が優勢な条件では比較的微細な粒状堆積物が得られ 、既存の結晶の成長が優勢な条件では比較的大きい結晶が得られる。 本発明の電着方法では、個々の可変要素の影響は反対の方向又は同じ方向のい ずれかに作用することができる。物質移動に影響を与えるプロセスの可変要素( 電流密度、銅イオン濃度、添加剤のタイプ及び濃度、電解質の温度、撹拌の程度 )は同程度の強度ではなく、それらの影響は累積して相互に依存していることが ある。従って、これらの可変要素の適当な制御によって、同じ電解質から、基礎 箔の「芯」に必要とされる性質に最も好ましい電着物の微細構造、及び箔の結合 性のために最良な基礎箔のつやけし面の微細表面構造を得ることができる。 電着金属の電気的結晶化(結晶化傾向)は、金属イオンがカソー ドに向かう物質移動に影響を受ける。また、この物質移動は、電流密度と金属イ オンのバルク濃度「C」の比によって特徴付けることができる。反対に、電流密 度と制限電流密度の比(拡散制限電流密度Jdlとも呼ぶ)は、物質移動を定量 化するために使用する。 V:Cu2+の化学量論係数 δ:拡散層厚さ n:カソード反応に使用される電子の数(個々の銅に対して2つ) F:ファラデー定数 D:金属イオンの拡散係数 あるタイプの電着構造からもう1つのタイプの構造への移行は、J/Jdl比 又はJ/C比を変化させることによって達成することができる。 添加剤又は添加試薬の、基礎銅の微細構造への影響は、本発明の非常に重要な 特徴である。低濃度の添加剤は、活性な成長部位において抑制効果をもたらす。 添加剤は4つの大きな部類に分けることができ、これらは、調粒剤、樹状模様及 び粗さの抑制剤、平滑化剤、並びに光沢剤である。 ある種の実験的に選択された添加剤及び2つの強度の電流の間の相互作用は、 「芯」が非常に微細な粒子からなっており、且つつやけし面が小さい微細突部を 有している基礎銅箔の製造を可能にする。このつやけし面の微細突部は、個々の 高さではなくその数と形状によって優れた「結合性」を提供する。 抑制剤が一定の場合、電流密度が増加するに従って、成長層の厚さが増加する が、結晶の表面に同時に存在するそれらの数は減少す る。他方で、電流密度が一定で抑制剤が増加する場合、成長層の厚さは減少し、 結晶の表面に同時に存在するそれらの数は初めに増加して、その後減少する。 有機添加剤は、成長部位の選択的な閉塞及び吸着のプロセスによって電着に影 響を与え、それによって、電着物の成長パターン及び微細構造を変えることがで きると我々は考えている。 添加剤と電着物金属との錯化合物の形成も、添加剤が堆積物の構造に影響を与 え、それによって堆積物の表面の特徴及び形態に影響を与える機構によって教示 されている。 添加剤の濡れ能力、従ってそれらの界面張力への添加剤の影響は、添加剤が電 着プロセスに影響を与える能力に影響しているとも考えられる。 箔のつやけし面は箔の「結合性」を支配しているので、箔のつやけし面(結合 側)の表面特性への添加剤の影響は本発明の重要な焦点である。 結合表面の小さい凹凸(粗さ)と良い結合性を組み合わせることが必要とされ ている。「表面特性」という用語は表面粗さに言及しており、これは突端と溝の 強度、及び表面積当たりの突端の数を測定することによって定量的に評価するこ とができる。 結合表面の微視的な評価(走査型電子顕微鏡による)は、突端の形状について の情報を追加する(例えば、突端の形状は鋭い円錐又は角錐、反対に頂部が丸ま った丘状であることがある)。これは、結合側表面の鋭さ及び明確さを決定する 。上述のように、これが箔の結合性を決定し、箔の結合面とポリマー基材との間 の相互固着は、プリント回路産業で使用する銅被覆積層体の剥離強さ又は結合強 度を支配している。箔表面の微細凹凸への樹脂の流入は、これら2つの材料の間 の固定効果を提供する。単位表面積当たりのこれらの 表面の凹凸の数、深さ、及び鋭さは、箔の結合性を決定するために非常に重要な 要素である。 先に、突端と溝を有している箔のつやけし面の微細表面構造について議論した 。突端は密に充填された円錐又は角錐である。 ゼラチンのような伝統的な添加剤の補助を得て製造した典型的な1オンス銅箔 では、箔のつやけし面は、1平方インチ当たり約6.5×106個(1cm2当た り約1.0×106)の突端を有しており、また平均突端高さは約8μm又は3 20マイクロインチであり、突端と突端の距離は約10μmである。そのような 基礎箔は結合処理にかけた後で、約12ポンド/インチ(83kPa)の良い剥 離強さを持つが、結合面の粗さが10μmを超えるので、この箔は、凹凸が小さ い箔を必要とする多層プリント回路板の製造に使用することはできない。 伝統的な箔の結合表面は比較的少数で非常に深く、樹脂が流入して固化する表 面の「凹凸」を持つので、低い凹凸の基準に合わないことを無視するとしても、 伝統的な銅箔の突端の計数は、可能な最も強い剥離強さを得る点からは必ずしも 最適ではないことを我々は認識した。更に、突端の高さが減少しても表面積当た りの突端の数が増加すれば、必要とされる剥離強さはまだ満足できるものであり 、小さい凹凸の基準も満たすことができることを認識した。 異なるタイプの有機添加剤で実験室的な試験を行うことによって、我々はそれ らの要求を満たし、且つ1平方インチ当たり約4×107個(1cm当たり約6 ×106個)の良く画定された「鋭い」突端であって、平均突端高さが4μmを 超えず、また突端と突端の距離が4μmである突端を有するつやけし面を持つ1 インチ箔を製造することができる。そのような箔は、第2の電着領域で行われる 「結合性」工程の後で、剥離強さが約12ポンド/インチ(83k Pa)であるが、微細粗さが5ミクロン(200マイクロインチ)を超えず、従 って「非常に凹凸が小さい箔」の基準を満たす。 箔の結合表面の小さい凹凸の性質と大きい剥離強さを組み合わせることを目的 とした製造規模での実験のための添加剤の選択の1つは、優先的な吸着の考えに 基づいていた。吸着は、分子が他の基材の表面に付着するものとして説明するこ とができる。大きい面積の活性表面、例えば銅箔のつやけし面を示す細かく分散 した材料又は微孔質材料は、良い吸着剤である。一般に、吸着剤の吸引力は比較 的弱く、基材の性質に依存して変化すると考えられている。 吸着されることができる2種以上の物質の分子が銅メッキ電解質中に存在する 場合、1方の物質の分子は、他の添加剤の分子よりも素早く、2つの相の界面に おいて吸着することができる。箔のつやけし面の活性成長部位に吸着する異なる 種類の添加剤の間の競合は、そのようにして行われる。 意外にも、4つの異なる特定種の添加剤であって、それぞれは電解質中に少量 であるが効果的な量で存在する添加剤の混合物は、箔の結合面の所望の微細表面 構造を持つ銅箔の製造を可能にする。この微細表面構造は、1種類のみ又は2種 類の添加剤の使用によっては得ることができない。これは4つの好ましいタイプ の添加剤の相乗効果によるものであり、おそらく電着の間に起こる優先的な吸着 及び脱着の動的プロセスによるものである考えられる。 上述の4種類の添加剤を以下の化学種の分類から選択することが重要であるこ とを我々は見出した。 1.出発物質としての純化したセルロースから得られる水溶性ポリマー。この タイプのポリマーで商業的に重要なものは、カルボキシ−メチルセルロース、メ チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等である。添加剤としては、ヒ ドロキシエチルセルロース (HEC)が最も有益であることを我々は見出した。HECは非イオン性のヒド ロコロイドであり、この添加剤の保護コロイドとしての能力(吸着、膜形成、穏 やかな表面活性)は、銅箔の電着において有益で万能であると考えられる。 2.ポリエチレングリコール類(PEG) これらは、完全に合成物であり、それぞれの端部にヒドロキシル基を持つ単位 (−CH2CH2O−)の直鎖形の水溶性ポリマーである。いずれかの又は両方の 端部のヒドロキシル基を例えばメチル基で置換すると、このポリマーは、ポリエ チレングリコールモノメチルエーテル、又はポリエチレングリコールジメチルエ ーテルと呼ばれる。 ポリエチレングリコールは、特殊な可溶性の性質を持ち(例えば、銅(II) 塩を含むある種の金属の塩は、PEG中において約100℃で溶解して室温まで の冷却で安定性を維持することができる)、また高度に親水性であり表面張力を 低下させることができる。 PEGは他の3つの添加剤を、互いに異なる目的で機能させるのではなく、互 に層補的に機能させるに非常に有益であることを我々は見出した。特に、PEG を伴って製造された銅箔のつやけし面の微細表面構造は、PEGを伴わないで製 造したものに比べてかなり均一である。 この分類の他の好ましいポリマーは、分子量2000のポリエチレングリコー ルジメチルエーテルである。 3.ポリエチレンイミン(PEI) PEI(−NH−CH2−CH2−)nは、ポリアミンポリマーであり、電気的 に負の表面を引きつけることによる吸着能力と、その分子中のアミノ窒素の存在 によって銅との錯体化合物を作る能力とを組み合わせているので、銅の電着にお いて非常に有効な添加剤 である。 添加剤としてのPEIの主な機能は、銅箔のつやけし面の微細表面構造に、非 常に「鋭い」輪郭の突端(丸くなめらかな突端ではなく、鋭い頂部を持ちはっき りとした隆起部分を持つ突端)を作ることを促進する能力である。また、この鋭 い輪郭は、ポリマー基材との良い相互固着を確実にし、従って良い結合性を確実 にする。 4.水溶性スルホン化有機硫黄化合物 この様な化合物は金属との錯体塩を作ることが多く、これは安定な界面の膜を 作るのに有益である。 例のように、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)は、銅と反応するそ の能力によって保護膜を形成し、再循環冷却水装置において銅及び銅合金を保護 する腐食抑制剤としての更なる用途が見い出された。 多くの単純な2価硫黄有機化合物は同様な能力を持ち、従って銅の電着におい て添加剤として有益である。 これらの物質は、脂肪族チオールR−SH(メルカプタンとしても知られる) 、スルフィドR1−S−R2、ジスルフィドR1−S−S−R2、並びに芳香族及び ヘテロ環状物のチオール、スルフィド及びジスルフィドの分類に属するものであ ってよい。 そのような物質は通常、無極性で親水性の分子を持つ。電気メッキにおいてそ れらを有効にするためには、それらをスルホン化、すなわちスルホン酸基SO3 Hを、そられの分子の構造の水素原子の位置に導入する。 結果として、選択されたチオールの分子を、銅メッキ電解質中において可溶性 にし、極性で水溶性になるようにする。 好ましい硫黄化合物は、メルカプトエタンスルホン酸(MES)のナトリウム 塩である。上述の他の3つの添加剤が存在する場合、 箔のつやけし面の微細表面構造において、MESは突端の数をかなり増加させ、 突端の高さを低くするのに役立つ。 上述の初めの3つの分類の添加剤の「援助」がなければ、メルカプトエタンス ルホン酸単独では銅箔の微細構造に影響を与えない。 銅メッキの電解質中にこれら4つ分類の添加剤の全てが存在しているわけでは ないときに、これらの添加剤がどのように機能するかを、我々は研究において観 察した。 ヒドロキシエチルセルロースをこの例の目的に関してゼラチンと比較すると、 突端の高さが低く、計数されるピークの数(表面積当たりの突端の数)が非常に 少ない、箔のつやけし面の微細表面構造を作るのに役立つ。突端は低く、低い凹 凸の箔の品質を満たすことができるが、突端の傾斜は緩くまた単位面積当たりの それらの数が少ないので、ポリマー基材に対する固着は弱く、剥離強さは1オン ス箔で、7〜8ポンド/インチ(48〜55kPa)のみである。 ヒドロキシエチルセルロースを含有している電解質にメルカプトエタンスルホ ン酸を添加すると、単位面積当たりの突端の数は増加し、突端の高さは低いまま であるが、この突端は実際の突端ではなくなめらかな頂部を持つ丸い丘状であり 、鋭い輪郭を全く持っていない。従って、剥離強さは弱いままで、約8ポンド/ インチ(55kPa)程度である。 電解質にポリエチレンイミンを加えると、つやけし面の微細表面構造がかなり 変化する。単位面積当たりの計数される突端の数は多いままで、突端の高さは低 く保たれるが、個々の突端の形状はよく画定され、先端が鋭く鋭角になる。それ によって、剥離強さはいくらか改良されて、約11〜12ポンド/インチ(76 〜83kPa)になる。しかしながら、つやけし面の表面構造は、微視的には規 則的ではない。いくらかの突端は、他の突端よりも比較的高く、且 つ突端間の間隔はあまり均等ではない。ポリエチレングリコール化合物の添加は 、微細表面構造の均一性を改良して、つやけし面の微細表面構造を均一化する。 これは、小さい凹凸、良い剥離強さ、並びに視覚的及び微視的に良い外観の要求 を満たす。 本発明の目的は、突端の大きさ(高さ)、傾斜及び密度(充填)を「うまく扱 い」ながら、突端と溝を有する基礎箔微細構造のつやけし面の微細表面構造を保 護することである。 銅箔メッキ電解質に添加するある種の添加剤は、微細突端を削ることによって 、又は突端の傾斜をおだやかにすることによって、つやけし面の表面を比較的な めらかにする。いずれの場合においても、比較的低い凹凸は所望の影響を与える が、箔の結合性が低下することは避けられない。 箔の結合性について妥協することなく凹凸が小さい箔を製造することを目的と して、化学種、特に電着において活性であることが知られる水溶性ポリマーを使 用して、我々は数多くの製造規模の実験を行った。 銅メッキ電解質中において特定の比と特定の個々の濃度の配合物として使用す ると、良い結合性を持ち非常に凹凸が小さい箔を製造できるこれら4つのタイプ の添加剤を、我々は研究に基づいて選択した。 本発明で使用する選択された添加剤のタイプは、 セルロースエーテル、低分子量 ポリアルキレングリコール、低分子量 ポリエチレンイミン、低分子量 スルホン化有機硫黄化合物、脂肪族又は芳香族 適当な濃度で存在するこれら4つの添加剤を伴う基礎箔の製造で使用する銅箔 電解質は、非常に凹凸が低く且つ潜在的な結合性が良 く維持されていることを特徴とするつやけし面を持つ基礎箔をもたらす。結合性 が維持されているのは、これらの特定の添加剤が箔構造に影響を与えているため である。ここでは、個々の突端の高さは低くなるが、表面積当たりのこれらの突 端の数は劇的に増加する。これら全ての突端がポリマー基材に固着する能力を提 供するので、潜在的な結合性は低下しない。 図4は、本発明の添加剤の配合を伴うメッキ電解質を使用して、従来の回転ド ラム装置で製造した基礎箔のつやけし面の実際のSEM写真(1000倍)であ る。 その後、いわゆる「上部−アノード(super−anode)」回転ドラム 装置で、本発明の添加剤を伴う電解質を使用して基礎箔を製造した。ここで、こ の「上部−アノード」回転ドラム装置は、装置の出口側に、主アノードの終わり の箇所の上側に位置する第2のアノードを具備している。そのような上部−アノ ード装置は、米国特許第3674656号及び同第5215646号明細書に記 載されており、これらの特許明細書はここで参照することによって本発明の記載 に含める。 意外なことに、得られる基礎箔は小さい凹凸を維持しているが、この基礎箔の 剥離強さは、処理装置で結合処理をした基礎箔の典型的な剥離強さと同じぐらい 大きい。図5は、得られる基礎箔のつやけし面のSEM写真(1000倍)であ る。 この予想外に大きい結合性は、添加剤の新しい配合と、ドラム装置の上部−ア ノード「領域」における比較的大きい電流密度との組み合わされた影響によって 達成されたと考えられる。明らかに、添加剤の新しい配合と高い電流密度との組 み合わせは、凹凸が小さいが、その結合微細突部の密度、堅さ及び形状による非 常に大きい結合性を提供するつやけし側表面、すなわち非常に結合性の表面を持 つ基礎箔を製造した。 本発明の基礎箔の製造のための典型的な「上部アノード」ドラム装置(図6に 示している)は、円筒状の大きな(例えば、直径2.2m)ドラムカソード30 を使用している。典型的にこのドラムは、軸の周りに時計回りに回転するように 製造して取り付け、そしてその外側はチタンで作る。このドラムは、重い銅(又 は銅−アンチモン合金)の湾曲した一対の主アノード31に隣接して向かい合う ようにしている(白金メッキしたチタン又はイリジウム又はルテニウムの酸化物 の不溶性のアノードを使用することができる)。 このドラムの表面は、メッキ電解質33で満たされたアノードとドラムの「隙 間」32によって、アノードから隔てられている。2つのアノードの縁の間の空 間は、電解質のための入り口を提供する。この電解質は、ドラムの長さ方向に延 びている穿孔電解質供給パイプ34を通って隙間32に入り、そしてドラムの外 側表面とアノードの内側表面の間の隙間32を循環する。 2つの主アノード31に加えて、第2アノード35又は「上部アノード」を、 この装置の出口側に配置する(ここで、ドラムは時計回りに回転している)。ポ リプロピレンブロック36は、上部アノードと、主アノードの出口側の終端部分 とを電気的に絶縁している。この絶縁ブロックは、くり抜かれており、供給管路 37を保持している。この供給管路37は、新しい追加の電解質を(ヘッドタン クから)、第2アノード35とドラム30との間の第2の隙間38に、並びに第 2の電着領域に導入する。ドラムとそれぞれのアノードの両方は、太い母線39 によって、2つの別々の直流電源(1つが主アノードのためのものであり、もう 1つが第2アノードのためのものである)のうちの1つに電気的に接続されてお り、この直流電源は図において整流器として示されている。この母線は、接触ブ ロック及び接触リングによってドラムカソードに接続されている。ドラムを電解 質中で回転させ、且つ電流を隙間32の電解質を通して主アノード31からドラ ム30に通すと、金属、例えば銅の電着物がドラムの表面にもたらされる。また 、この銅の電着物が電解質から出たときに、電着した銅を、薄い箔40の形でド ラムの外側表面から連続的に剥離する(銅の電着物とドラムの表面との間の付着 性が弱いことによる)。金属イオン含有電解質は、溶解タンクから1又は複数の 供給管34を通して隙間にポンプ送出し、またこのドラムは電解質に少なくとも 部分的に浸漬させる。この段階での箔は、つやけし側(電解質に向かっていた側 )と光沢側(ドラムに向かっていた側)を有している。つやけし側は、改良され た結合性を有している(後に説明するように)。 図6を参照すると、ドラムカソード30の先端部分において、アノードとカソ ードの隙間32に存在する電解質を通る電流によって電着が起こる。ここでこの 隙間32は、ドラムカソードと、湾曲した第1の入り口及び出口アノードのそれ ぞれとの間に作られた環状の区画である。電解質セルのこの部分を、ここでは「 第1の電着領域」又は「第1の領域」と呼ぶ。例えば、ドラムカソードの直径が 2.2m、幅が1.5m、ドラムとアノードとの隙間が1cmである場合、ある 瞬間においては約45リットルのみの溶液が電解のために使用されている。他方 で、長方形の電解セルは、電解質の大部分、アノード、及びドラムの浸漬した部 分を含んでおり、約3000リットルの電解質を保持している。 新しい電解質は、ヘッドタンク40から、導管を通してタンクに輸送し、2つ の主アノードの縁の間に配置された分配管34を通してアノードとドラムの隙間 に輸送する。電解質の撹拌は、アノードの表面での酸素の放出によるかなりの程 度の対流によって行われる 。 例えば、アノードにおいて25000アンペアの電流を発生させると、毎秒1 .4リットルの酸素が発生する。導体アノード表面における通常の方法は、酸素 の発生によって水酸化物イオン(水の分解によって発生する)を消費する。 4OH-−4E-→2H2O+O2(gas) この酸素は、気泡の形で電解質とよく混合されて、電解質の比重を減少させて 浮力を発生させ、力強い上昇流れをもたらす。この効果は付加的に、電解質を供 給管34に向けてポンプ送出して導入する速度によって増加される。これはドラム とアノードの間の環状区画に保持される電解質に、かなりの速度の上昇流れを与 える。また、これは第1又は主アノードの間の空間を通して隙間32に「吸入」 される装置のタンクから電解質を移動させる。これによって、この隙間において 、力強く連続的な撹拌のパターンが確立する。また、この物質移動の様式は、高 い電流密度の使用を可能にし、大量の箔を経済的に製造することを可能にする。 産業的な規模の銅箔の操作においては、電解質中における硫酸銅と硫酸の両方 の濃度を同じ一定のレベルに維持するべきである。これは非常に単純に達成され る。箔製造電着装置は、電解質の供給に関して、溶解タンク(図示せず)も有す る連続的なループの一部である。ここでこの溶解タンクには、新しく純粋なワイ ヤー銅スクラップを連続的に加えて、空気撹拌を使用して電解質中においてこの スクラップの溶解を促進する。電解質は、溶解タンクからメッキ装置に一定の流 量で流れる。ここでは電解質は、循環させて溶解浴等に戻す。メッキ装置におい ては、銅濃度が低下して酸濃度が増加する傾向にあるが(銅箔がメッキされるこ とによる)、溶解浴ではスクラップ材料の溶解によって銅濃度が再び通常の値に 増加し、また 過剰な酸を消費する銅スクラップのこの溶解によって酸濃度は減少する傾向にあ る。従って、全体のプロセスは釣り合いがとられている。 本発明の装置は、上述の特定の添加剤(抑制剤)の組み合わせの水溶液の供給 装置を具備している。この溶液、例えば1リットル当たり5gの抑制剤を含む溶 液は、別の容器41で調製し、ヘッドタンク40において電解質と混合し、そし てその後、装置に新しい電解質を供給する計量ポンプによって導入する。これら の添加剤はメッキエ程において消費される。添加速度は、単位時間当たりにメッ キ装置に添加される乾燥重量に関して通常は表され、これは例えばミリグラム/ 分(mg/分)単位である。それらの使用量を表す他の方法は、必要とされる物 理的及び結合性を持つ所定量の箔を製造するのに必要とされる乾燥調粒剤の量( 重量)を測定することによる。本発明においては、1メートルトン(1000k g)の良い銅箔を製造するために、約1kgの抑制剤を典型的に使用する。 調粒剤又は抑制剤とも呼ばれ、伝統的に銅メッキ及び銅箔の製造で使用される 添加剤は、非常に凹凸が小さく、結合性が高い本発明の銅箔の製造のための原料 としては十分に「強力」であるとは言えない。これらの伝統的な添加剤(ゼラチ ン、動物性ニカワ等)は、箔の粒度(従って、箔の凹凸)を減少させる能力が限 られている。 伝統的な添加剤を使用して製造した箔のつやけし面を図2に示している。 理解されるように、この箔の微細表面構造は、比較的少数の高い突端からなっ ている。このため、伝統的な添加剤は「強力」ではないと考えることができる。 これとは明らかに対照的に、本発明で使用する添加剤の配合は、図5で示され るように非常に強力な抑制能力を持つ。この図5では 、図2に示される箔と比較して、突端の数が数倍増加し、個々の突端の高さはか なり低くなっている。 従って、電解質の大きい流速と適当な電流密度による良好な物質移動条件の、 箔の「芯」の電着のための第1の電着領域では、拡散層の厚さは非常に薄く、電 解質のバルクの銅濃度と液−固界面の銅濃度との差は非常に小さい。そのような 条件で、更に添加剤の存在下においてメッキさせた銅は、微細粒子状で密に充填 された底面方位の結晶からなる微細構造を持つ。そのような微細構造の結果とし て、箔の芯は、プリント回路産業において必要不可欠な優れた機械的及び金属的 性質を具備している。「芯」の外側表面は、密で円錐状の微細突端及び微細溝を 有している。 本発明によれば、第2の分配管37を通して後ろ側の第2の電着領域に追加の 新しい電解質を導入し、この追加の電解質は第1の領域に導入される電解質と同 じものであり、第2の領域における電流密度は、第1の領域における電流密度の 約3倍であり、従って第2の領域での物質移動は比較的劣っている。従って、そ のような条件では、先の(第1の)電着領域において製造された「芯」堆積物の 表面の微細突端上に密に堆積するフィールド方位微細構造の電着が促進される。 また更に、添加剤が存在するそのような条件下では、銅の電着物は、先の(第1 の)電極配置領域において製造された「芯」堆積物の表面の微細突端上に密に分 配されている密な球形の微細突部からなっている。この球形の微細突部のコーテ ィングは、ポリマー材料との結合に利用できる表面積をかなり大きくするので、 箔のつやけし面の「結合処理物」を構成している。言い換えると、第2の電着領 域は箔のつやけし側に、銅箔とポリマー基材との結合にとって最良の粗さ因子( 視覚的な面積に対する実際の面積の比)によって特徴付けられる堆積物をもたら す。ようするに、2つの電 着領域において、それぞれの領域における物質移動条件、特に電流密度を調節し て維持することによって、2つの異なる機能を有する2つの非常に異なる電着物 の成長が達成されるということができる。上述の差及び特定の調粒剤の存在によ って、上述の両方の領域の電解質が同じであるにもかかわらず、それぞれの領域 において非常に異なる堆積物の微細構造を得ることができる。 最も重要な点は、プロセスの電流密度に依存している微細構造、従って電着物 の性質及び機能的な用途に調粒剤が与える影響に関して、これらの調粒剤が特異 な振る舞いをすることも本発明の利点である。 第1の電着領域における優れた物質移動条件(J/Jdlの比によって表され る)と組み合わせた本発明の調粒剤の組み合わせは、堆積物の粒度を最小化して 、底面方位の微細粒子の緻密な電着物を作るのに役立つ。つまり、箔の「芯」( 第1の電着領域で作られたもの)の性質及び機能が非常に良好であることを確実 にする構造の電着物を作るのに役立つ。他方で、第2の電着領域でのように、劣 った物質移動条件と組み合わされた調粒剤は、個々の粒子が箔の表面から外側に 突きだしており微細な球形状であるフィールド方位微細塊状堆積物を作るのに役 立つ。そのような球形の微細堆積物は、銅箔とポリマー基材の間の「結合処理物 」として、良好に機能する。 図6においては、第1出口アノード31の終端部分は、第2アノード35(上 部アノード)と空間を隔てられており且つ電気的に絶縁されている。図7は、こ の装置のこの部分、第2の電着領域を詳細に示している。電解質に含まれる4種 の添加剤の配合を伴うヘッドタンクからの新しい追加の電解質は、供給管又は分 配器37を使用して隙間38に導入する。この供給管又は分配器37は、出口側 主アノードの上端部分と、第2アノードの底部部分との間に配置されている。例 えば、この分配器は、適当なプラスチック、例えばポリプロピレンの、穴の開い たブロック36に配置された穿孔管で作られている。 第2の電着領域において、追加の新しい電解質の体積供給流量は銅イオンを供 給して、電着によって「失われた」銅イオンを補給し、それによって、所望の銅 濃度を維持する。追加の新しい電解質の流れは、同様にメッキ工程において消費 される添加剤も供給する。 つまり本発明は、銅メッキ電解質に添加された上述の特定の添加剤の配合を使 用し、また第1の電着領域において穏やかな電流密度、及び第2の電着領域にお いて電流密度はかなり大きいが同じ添加剤を伴う同じ銅メッキ電解質を使用する 。 従って、箔(芯)のバルクは良い物質移動条件(薄い拡散層)で堆積させる。 それらの能力によって選択した添加剤の存在によって、電着物の粒度がかなり小 さくなり、第1の電着領域において堆積した箔の芯は、小さく且つかなり密に充 填された粒子からなっており、またその外側表面は、高さが150マイクロイン チ(3.8μm)を超えない微細突端を伴う非常に整って密に充填された多数の 微細突端及び微細溝からなっている。 第2の電着領域(上部アノードの向かい側)において堆積した銅の構造は、こ の領域における物質移動条件が第1の領域と比べるとかなり劣っているという事 実のために、第1の領域の構造とは異なっている。第2の領域の電流密度が第1 の領域のそれに比べて約3倍である場合、第2の領域における拡散層は第1の領 域のそれに比べてかなり厚くなる。これは、フィールド方位堆積物の形成を促進 する。従って、第2の電着領域で作られたつやけし面は、結合処理物の特徴、す なわち、ポリマー基材との結合に利用することができ る実際の表面積をかなり大きくする密な微細突部を有する表面の特徴を持つ。 本発明の典型的な未処理箔の剥離強さは、約10ポンド/インチ(約69kP a)であり、つやけし面の粗さ(Rz)は200マイクロインチ(5μm)を超 えない。 上述の様式で電着させた未処理箔はその後、単純で小さい処理装置によって、 好ましくは例えば図8で示されるような1工程の経済的な方法で処理することが できる。 図8において説明しているように、本発明に従って製造した箔40は、接触ロ ーラーによってカソードにされたドラム30から直接に、蛇行させてバリアー層 タンク41、汚染防止タンク42、そして適当なすすぎ箇所に通す。それぞれの タンクは、適当なバリアー層電解質、汚染防止電解質、及びその直流電源の、そ れ自身の供給源をそれぞれ有している。 この操作の目的は、米国特許第3857681号明細書において記載されてい る様な亜鉛のバリアー層を未処理箔のつやけし面に堆積させることである。この 特許特許明細書はここで参照して本発明の明細書の記載に含める。あるいは、亜 鉛−アンチモン−ニッケルバリアーを、米国特許第4572768号明細書に記 載のように堆積させることができる。この特許特許明細書はここで参照して本発 明の明細書の記載に含める。 この亜鉛又は亜鉛−アンチモン−ニッケルの堆積の後で、例えば米国特許第3 625844号明細書に記載されているように、クロム塩の水溶液中においても たらされる汚染防止層を、このバリアー層上に電解適用する。この特許特許明細 書はここで参照して本発明の明細書の記載に含める。 米国特許第5447619号明細書に記載されているように、ク ロム及び亜鉛の塩の溶液中で行われる電気的な汚染防止も使用することができる 。この特許特許明細書はここで参照して本発明の明細書の記載に含める。 汚染防止剤の適用及び続く水による洗浄の後で、この箔に(結合又はつやけし 面に)付着促進剤の水溶液を噴霧44する。この水溶液は洗い落とさずに乾燥し て、乾燥トンネル45における水の蒸発の後の残留物を箔の結合面に残し、結合 させる表面の微細粗さに依存している機械的な付着性とは異なる付着の化学的な 面を促進することによって、その剥離強さを強化させる。明らかに、粗い表面は なめらかな表面よりも潜在的に大きい結合面積を持つので、箔のつやけし面の結 合処理は、表面に微細粗さをもたらし、機械的な手段(機械的な相互固着)によ ってその「結合性」を促進する1つの例である。 化学的な付着の機構を説明する多くの理論が存在するが、吸着理論は、プリン ト回路基板のための銅被覆積層体の技術に最も適用可能であると考えられる。こ こでは、「密接な分子の接触が界面で達成されるとすると、これらの物質らは原 子間及び分子間力によって付着し、これらの力は、接着剤及び基材の表面の原子 及び分子の間で達成される。」とされている。しかしながら、そのような界面の 結合は機械的な付着に依存している。 銅箔産業において、様々な付着促進剤が知られており、最も頻繁に使用されて いるものは、シランに基づくプライマー、特に通常はエポキシシランと呼ばれる グリシドキシシランである。他の有機金属プライマー(有機チタン酸、有機ジル コン酸)、並びに2−メルカプトイミダゾールに基づくプライマー及びベンゾト リアゾールプライマー、及びクロム錯体を使用することもでき、従って界面化学 成分が重要要素である。 本発明の典型的な箔に、バリアー層、汚染防止剤、及び付着促進剤の適用から なる表面処理をすると、10ポンド/インチ(69kPa)の初期の剥離強さは 12ポンド/インチ(83kPa)に増加する。 図8で説明されるような処理装置に基礎箔を通すことによって行われるこれら 全ての工程は、付着の化学的な面に貢献し、これらの工程のいずれもが、箔の結 合面の微細粗さを変化させない。 本発明によれば、伝統的な処理装置に箔を通すことによって達成される結合処 理微細粗さ工程は、図6で示されるような回転ドラム装置で基礎箔を製造し、ま た銅メッキ電解質中に上述のある種の添加剤の混合物を導入することによって有 利に置き換えることができる。 そのような様式で製造した銅箔は、微細粗さによって特徴付けられるつやけし 面(結合面)を持ち、これは実際に、伝統的な処理装置の微細粗さ処理箇所によ って提供される微細粗さと同程度又はそれよりも優れている。 結果として、本発明に従って製造された基礎箔は、バリアー層、汚染防止剤、 及び付着促進剤の適用のみを必要とする。これらの単純な工程は、図8で示すよ うな非常に短く高価ではない処理装置によって提供する。 本発明の実施において得られる改良された結果は、以下のように説明すること ができる。 第1の電着領域における穏やかな電流密度と組み合わされた特定の添加剤の配 合の使用は、外側(つやけし)表面が微細突端と微細溝を有する箔の芯を作る。 単位表面積当たりの微細突端の数は、伝統的な添加剤を伴って製造した箔の単位 表面積当たりの突端の数の数倍である。 この特別な添加剤の補助を得て製造した個々の突端の高さは、伝統的な方法か ら得られる突端の高さの約1/2の高さである。 そのような微細突部を第2の電着領域において高電流の条件にさらすと、この 領域において作られた堆積物の形状は、第1の電着領域において製造された多数 の小さい突端上に非常に均一に分散した球形の微細突部状である。 良好な結合性は、(伝統的な方法でのように)過剰な高さの比較的少数の微細 突部によってではなく、多数の比較的低い微細突部によって達成され、それによ って、良い結合性及び小さい凹凸の組み合わせが達成される(図2、図5及び図 3の(A)〜(D)を比較)。 本発明の実施において、上述のような特定の抑制剤の使用と適用する電流密度 の独自の組み合わせは、優れた結合処理物を有し約200マイクロインチ(約5 μm)を超えない高さの、小さい凹凸のつやけし部分を持つ芯箔の製造のための 条件をもたらす。 別々に使用した場合、上述の要素はこの様な結果を達成しない。例えば、上述 の添加剤が銅メッキ電解質に存在するだけの場合、結合能力が小さいなめらかな つやけし面を作ることに貢献し、また箔の製造工程の終端部の第2の領域におけ る大きい電流密度だけで、特定の異なる種類の十分な数及び濃度の添加剤の添加 を行わない場合、過剰に顕著なつやけし部分の高さがもたらされる。 伝統的な箔の製造及び処理プロセスの工程を除去できる明らかな経済的利点の 他に、本発明は品質的な利点も提供する。小さい凹凸、及び塊又は微細突部の破 損又は移動がないことによって、上述のドラム処理は、伝統的な処理よりも優れ ている。 箔の結合側の実際の微細表面構造高さは、典型的に200μmよりも低く、望 ましくない箔をエッチングで除去してプリント回路基 板上において所望の回路の形状を作るのに実際に必要な時間は、標準の箔と比べ るとかなり短く、また回路板の誘電性の性質は改良される。 本発明の小さい凹凸の箔は、微細な回路配線の長方形に比較的近い所望の断面 を提供する。また、これは、比較的良く配線を画定し、多層プリント回路板の製 造において層間誘電体の厚さを改良し、そして基板の寸法的な安定性を比較的良 好にする。 上述の技術は、プレプレグに積層したときに、金属とプレプレグのポリマーと の付着の化学的な促進作用を箔とプレプレグとの間の相互固着に組み合わせるこ とによって、改良された剥離強さを得る。これは全ての剥離強さが機械的相互固 着によって達成されている従来の状況とは異なる。 伝統的な結合処理物は、エポキシシランのような化学付着促進剤の適用によっ てほとんど又は全く利益を受けない。これは、基礎箔の突端の過剰の密集のため に、うまく行われた伝統的な結合処理物でさえも機械的にはもろいためである。 処理物の個々の粒子の形状は非常に複雑であり、従って機械的な完全性の程度は 高くないことを図3は示している。銅被覆積層体を製造すると結合処理物はポリ マー基材との界面の一部となるので、結合処理の後にエポキシシランの層を適用 した過剰に複雑な微細粗さは、界面で弱い層を作り、これが化学的手段によって 剥離強さを増加させる機会に好ましくない影響を与える。 伝統的な処理と反対に、本発明の方法によって製造された箔の結合側は、機械 的に緻密であり且つ弾性がある。結果として、付着促進剤の結合処理材への適用 は、界面において弱い層を作らず、従って付着の機械的及び化学的面を組み合わ せて、剥離強さが増加する。 実験によれば、下記の電解質、調粒剤、及びメッキパラメータを使用する本発 明の方法を行うことが好ましい。 電解質:硫酸銅/硫酸 最も好ましい値 好ましい範囲 Cu(金属として) 90g/リットル 60〜110 g/リットル 濃度 H2SO4 100g/リットル 40〜150 g/リットル 温度 150°F(66℃) 100〜180°F (38〜82℃) 添加剤貯蔵溶液の好ましい範囲 ヒドロキシエチルセルロース 5.0〜10.0g/リットル ポリエチレンイミン 0.1〜2.0g/リットル ポリ(エチレングリコール)エーテル(平均分子量2000) 0.25〜3.0g/リットル 2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム塩 0.1〜0.4g/リットル 最も好ましい添加剤貯蔵溶液 ヒドロキシエチルセルロース 5.0g/リットル ポリエチレンイミン 0.5g/リットル ポリ(エチレングリコール)エーテル(平均分子量2000) 0.5g/リットル 2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム塩 0.25g/リットル 添加速度は、最も好ましくは600mg/分(乾燥重量)、好ましくは200 〜1000mg/分の範囲である。 メッキパラメータ 新しい電解質の供給速度 1.ドラムと主アノードの間の隙間に 最も好ましくは120リットル/分 好ましくは50〜200リットル/分 2.ドラムと第2アノードの間の隙間に 最も好ましくは40リットル/分 好ましくは20〜100リットル/分 3.主アノードの電流密度(直流) 最も好ましくは50アンペア/dm2 好ましくは20〜100アンペア/dm2 4.第2アノードの電流密度(直流) 最も好ましくは200アンペア/dm2 好ましくは100〜300アンペア/dm2 上述の最も好ましいメッキパラメーター、添加剤、及び電解質を使用して、「 上部−アノード」ドラムメッキ装置で本発明に従って、1オンス銅箔を製造した 。 その後、箔にバリアー層、汚染防止剤を提供し、グリシドキシシランを噴霧し た。 図5は光学顕微鏡写真(1000倍)であり、45°の入射角で取ったもので ある。これは、得られた箔のつやけし(結合)表面を示している。その後、得ら れた箔をエポキシ/ガラス繊維プレプレグに積層して剥離強さを測定すると、剥 離強さは12ポンド/インチ(82kPa)であることが分かった。 本発明の好ましい態様に関して説明してきたが、当業者は、本発明の範囲内に おいて本発明に変更及び修飾を行うことができ、また本発明の範囲は添付の請求 の範囲及び等価物によって決定されるこ とを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォルスキー,アダム エム. アメリカ合衆国,ニュージャージー 07020,エッジウォーター パーク,アー バー グリーン 47―ビー 【要約の続き】 れたカソードに電解質を通して電流を流しつつ、この第 2の電着領域に新しい電解質の追加の流れを導入して、 つやけし表面の銅の微細な塊への電着を行う、ことを含 む銅箔を製造する電気分解方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ポリマー基材に結合させたときに大きい剥離強さを示し、表面の凹凸が小 さい銅箔を製造する電気分解方法であって、 (a)硫酸銅−硫酸溶液を含有する電解質を調製し、ここでこの溶液は少量の 、低分子量水溶性セルロースエーテル、低分子量水溶性ポリアルキレングリコー ルエーテル、低分子量水溶性ポリエチレンイミン、及び水溶性スルホン化有機硫 黄化合物を添加されており、 (b)第1の電流密度を含む第1の物質移動条件の第1の電着領域において、 主アノードから、この主アノードと離して配置されたカソードに前記電解質を通 して電流を流して、前記カソード上において、約150マイクロインチ(約3. 8μm)以下の高さの微細突端を持つつやけし表面及び微細粒子の微細構造を持 つ基礎銅箔を電着させ、 (c)前記基礎箔及び電解質を、前記第1の電着領域から第2の電着領域に通 し、そして (d)前記第1の電流密度よりも大きい第2の電流密度を含む第2の物質移動 条件の、前記第1の電着領域よりも物質移動が劣る第2の電着領域において、第 2のアノードから、この第2の電極と離して配置された前記カソードに前記電解 質を通して電流を流しつつ、前記第2の電着領域に追加の電解質の流れを導入し て、つやけし表面の微細な塊への銅の電着を行い、それによって、最終的なつや けし部分の高さが約200マイクロインチ(約5μm)以下の銅箔を作る、 ことを含む、銅箔を製造する電気分解方法。 2.前記カソードが前記電解質中に浸漬した回転ドラムであり、 前記電解質を前記カソードの下から供給して前記カソードと前記主アノードの間 の第1の隙間に導入し、前記第2のアノードを前記カソードから隔てて前記主ア ノードの終端部の上側に配置し、前記追加の電解質を、前記主アノードの上側端 と前記第2のアノードの下側端との間の第2の隙間に導入する請求項1に記載の 方法。 3.前記電解質が、 60〜110g/リットルの銅(金属として)、 40〜150g/リットルのH2SO4、 2〜10g/リットルのセルロースエーテル、 0.2〜1.0g/リットルのポリアルキレングリコールエーテル、 0.2〜1.0g/リットルのポリエチレンイミン、及び 0.1〜0.5g/リットルのスルホン化有機硫黄化合物、 を含有している請求項1に記載の方法。 4.前記第1の隙間への前記電解質の供給速度が、約50〜200リットル/ 分であり、前記第2の隙間への前記追加の電解質の供給速度が、約20〜100 リットル/分である請求項2に記載の方法。 5.前記第1の電流密度(直流)が、20〜100アンペア/dm2であり、 前記第2の電流密度(直流)が、100〜300アンペア/dm2である請求項 4に記載の方法。 6.水性硫酸銅−硫酸溶液に水性添加剤貯蔵溶液を加えることによって、前記 新しい電解質を作る方法であって、前記水性添加剤貯蔵溶液が、2〜10g/リ ットルのヒドロキシエチルセルロース、0.2〜1g/リットルのポリエチレン アミン、0.1〜1g/リットルのポリエチレングリコールエーテル、及び0. 1〜0.5g/リットルの2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム塩、を含 有しており、これらの添加剤を前記硫酸銅−硫酸溶液に、200〜1000mg /分(乾燥基準)の添加速度で加える請求項5に記載の方法。 7.前記セルロースエーテルがヒドロキシエチルセルロースエーテルであり、 ポリアルキレングリコールエーテルが、ポリエチレングリコールのモノエチル及 びジメチルエーテルからなる群より選択され、前記ポリエチレンイミンが分子量 が約250〜1800のポリエチレンイミン類からなる群より選択され、そして 前記スルホン化有機硫黄化合物が、平均分子量が約100〜600の脂肪族及び 芳香族の化合物からなる群より選択される請求項1に記載の方法。 8.前記第1の隙間の前記電解質を、前記電解質から発生する酸素によって撹 拌する請求項2に記載の方法。 9.製造された前記箔に、亜鉛含有バリアー層及びクロム含有汚染防止層を少 なくとも適用することを更に含む請求項1に記載の方法。 10.製造された前記箔を前記第2の電着領域から直接、連続的にバリアー層 の適用箇所及び汚染防止剤の適用箇所に少なくとも通す請求項9に記載の方法。 11.請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の方法で製造した銅箔。 12.ポリマー基材に積層された請求項4に記載の銅箔を有する銅被覆積層体 。 13.カソードから隔てて配置されたアノードから、前記カソードの電着銅箔 に電流を通すことを含む銅箔を製造する電気分解方法であって、前記電解質が硫 酸銅−硫酸溶液を含み、この溶液に少量の、低分子量水溶性セルロースエーテル 、低分子量水溶性ポリエチレングリコールエーテル、低分子量水溶性ポリエチレ ンイミン、及 び水溶性スルホン化有機硫黄化合物が添加されている、銅箔を製造する電気分解 方法。
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