【発明の詳細な説明】
新規なアミジノ誘導体およびトロンビン阻害剤としてのその使用
発明の分野
本発明は、新規な医薬的に有用な化合物、特にトリプシン様セリンプロテアー
ゼ、殊にトロンビンの競合阻害剤、医薬としてのそれらの使用、それらを含有す
る医薬組成物およびそれらを製造する合成経路に関するものである。
背景
血液凝固は、止血(すなわち、損傷した血管からの血液喪失の阻止)および血
栓症(すなわち、しばしば血管閉塞を招く血管中における血餅の形成)に関連す
る重要な過程である。
凝固は、複合した酵素反応系の結果である。この反応系における最終の過程の
一つは、プロ酵素プロトロンビンの活性な酵素トロンビンへの変換である。
トロンビンは、凝固において中枢的な役割を果たすことが知られている。それ
は、血小板を活性化して血小板凝集を招き、フィブリノーゲンを、自発的にフィ
ブリン重合体に重合するフィブリン単量体に変換し、そしてその重合体を架橋結
合して不溶性フィブリンを形成する第XIII因子を活性化する。さらに、トロン
ビンは、第V因子および第VIII因子を活性化して、プロトロンビンからのトロン
ビン生成の“正のフィードバック”を招く。
それ故に、トロンビンの有効な阻害剤は、血小板の凝集およびフィブリンの形
成および架橋結合を阻害することによって、抗血栓活性を示すことが期待される
。さらに、抗血栓活性は、正のフィードバック機構の有効な阻害によって増強さ
れることが期待される。
従来の技術
低分子量のトロンビン阻害剤の初期の開発は、ClaessonによってBlood.
Coagul.Fibrinol(1994)5,411に記載されている。
Blomback等(J.Clin.Lab.Invest.24,suppl.107,59,(1969)は、フィブ
リノーゲンAα鎖に対する開裂部位付近に位置したアミノ酸配列に基づくトロン
ビン阻害剤を報告している。これらの発表者等は、論じられているアミノ酸配列
のうち、トリペプチド配列Phe-Val-Arg(P9-P2-P1、以下P3-P2-P1配列と呼ぶ)が
もっとも有効な阻害剤であるということを示唆している。
P1−位にα,ω−アミノアルキルグアニジンを有するジペプチジル誘導体に基
づくトロンビン阻害剤が、米国特許第4,346,078号および国際特許出願WO 93/11
152から知られている。同様な構造的に関連したジペプチジル誘導体も、また報
告されている。例えば国際特許出願WO 94/29336号は、例えばP1−位にアミノメ
チルベンズアミジン、環状アミノアルキルアミジンおよび環状アミノアルキルグ
アニジンを有する化合物を開示している。欧州特許出願0 648 780は、例えばP1
−位に環状アミノアルキルグアニジンを有する化合物を開示している。
P1−位に環状アミノアルキルグアニジン(例えば3−または4−アミノメチル
−1−アミジノピペリジン)を有するペプチジル誘導体に基づくトロンビン阻害
剤も、また欧州特許出願0 468 231、0 559 046および0 641 779から知られてい
る。
P1−位にアルギニンアルデヒドを有するトリペプチジル誘導体に基づくトロン
ビン阻害剤が、欧州特許出願0 185 390においてはじめに開示された。
最近、P3−位において変性されたアルギニンアルデヒドに基づくペプチジル誘
導体が報告されている。例えば国際特許出願WO 93/18060は、P3−位におけるヒ
ドロキシ酸を、欧州特許出願0 526 877は、P3−位におけるデス−アミノ酸を、
そして欧州特許出願0 542 525は、P3−位におけるO−メチルマンデル酸を開示
している。
P1−位における求電子ケトンに基づくセリンプロテアーゼ(例えばトロンビン)
の阻害剤も、また知られている。例えば欧州特許出願0 195 212は、ペプチジル
α−ケトエステルおよびアミドを、欧州特許出願0 362 002は、フルオロアルキ
ルアミドケトンを、欧州特許出願0 364 344は、α,β,δ−トリケト化合物をそ
して欧州特許出願0 530 167は、P1−位におけるアルギニンのα−アルコキシケ
トン誘導体を開示している。
アルギニンおよびそのイソチオウロニウム類似体のC−末端ボロン酸誘導体に
基づくトリプシン様セリンプロテアーゼの他の構造的に異なる阻害剤も、欧州特
許出願0 293 881から知られている。
最近、ペプチジル誘導体に基づくトロンビン阻害剤が欧州特許出願0 669 317
および国際特許出願WO 95/35309、WO 95/23609およびWO 96/25426に開示され
ている。
しかしながら、トロンビンのようなトリプシン様セリンプロテアーゼの有効な
阻害剤がなお要求されている。特に経口的に生物学的に利用することができそし
て他のセリンプロテアーゼ以上にトロンビンの阻害において選択的である化合物
が要求されている。トロンビンに対して競合阻害活性を示す化合物は、特に抗凝
固剤としてそしてそれ故に、血栓症および関連した疾患の治療的処置に有用であ
ることが期待される。
発明の開示
本発明によれば、式I
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
上記式において、
R1は、H、C1-4アルキル(場合によっては、シアノ、ハロゲン、OH、C(O)OR1a
またはC(O)N(R1b)R1cから選択された1個または2個以上の置換分によって置換
されていてもよい)またはOR1dを示し;
R1dは、H、C(O)R11、SiR12R13R14またはC1-6アルキル(後者の基は場合によっ
てはOR15また(CH2)qR16から選択された1個または2個以上の置換分によって置
換または終結されていてもよい)を示し;
R12、R13およびR14は、独立してH、フェニルまたはC1-6アルキルを示し;
R16は、C1-4アルキル、フェニル、OH、C(O)OR17またはC(O)N(H)R18を示し;
R18は、H、C1-4アルキルまたはCH2C(O)OR19を示し;
R15およびR17は、独立してH、C1-6アルキルまたはC1-3アルキルフェニルを示
し;
R1a、R1b、R1c、R11およびR19は、独立してHまたはC1-4アルキルを示し;そ
して
qは、0、1または2を示し;
Rxは、式IIa、IIbまたはIIc
〔式中、
点線は、独立して、場合によっては価標を示すことができ;
AおよびBは、独立して、OまたはS、CHまたはCH2(適当なものとして)、
またはNまたはN(R21)(適当なものとして)を示し;
Dは、-CH2-、O、S、N(R22)、-(CH2)2-、-CH=CH-、-CH2N(R22)-、
-N(R22)CH2-、-CH=N-、-N=CH-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2S-または-SCH2-を示し;
X1は、C2-4アルキレン;Zによって中断されたC2-3アルキレン;-C(O)-Z-A1;
-Z-C(O)-A1-;-CH2-C(O)-A1;-Z-C(O)-Z-A2-;-CH2-Z-C(O)-A2-;-Z-CH2-C(O)-A2-;-
Z-CH2-S(O)m-A2-;-CH2-Z-S(O)m-A2-;-C(O)-A3;-Z-A3-または-A3-Z-を示し;
X2は、C2-3アルキレン、-C(O)-A4-または-A4-C(O)を示し;
X3は、CHまたはNを示し;
X4は、単一結合、O、S、C(O)、N(R23)、-CH(R23)-、-CH(R23)-CH(R24)-また
は-C(R23)=C(R24)-を示し;
A1は、単一結合または-C1-2アルキレンを示し;
A2は、単一結合または-CH2-を示し;
A3は、C1-3アルキレンを示し;
A4は、C(O)またはC1-2アルキレンを示し;
Zは、それぞれの場合において、O、S(O)mまたはN(R25)を示し;
mは、それぞれの場合において、0、1または2を示し;
R2およびR4は、場合によっては、独立してC1-4アルキル(後者の基は、場合に
よっては、1個または2個以上のハロゲン置換分によって置換されていてもよい
)、C1-4アルコキシ、メチレンジオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニト
ロ、SO2NH2、C(O)OR26またはN(R27)R28から選択された1個または2個以上の置
換分を示すことができ;
R3は、場合によってはOHまたはC1-4アルコキシから選択された置換分を示すこ
とができ;
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28、独立してHまたはC1-4アルキ
ルを示す〕の構造フラグメントを示し、
Yは、CH2、(CH2)2、CH=CH)(CH2)3、CH2CH=CHまたはCH=CHCH2(後者の3個の
基は、場合によってはC1-4アルキル、メチレン、オキソまたはヒド
ロキシによって置換されていてもよい)を示し;
Ryは、HまたはC1-4アルキルを示し;
nは、0、1、2、3または4を示しそして
Bは、式IIIa、IIIbたはIIIc
〔式中、
X5、X6、X7およびX8は、独立して、CH、NまたはN-Oを示し;
X9およびX10は、独立して単一結合またはCH2を示し;そして
R31は場合によってはハロゲンおよびC1-4アルキルから選択された置換分を示
すことができる〕の構造フラグメントを示す;
但し、
(a) AおよびBは、両方ともにOまたはSを示さない;
(b) BおよびDは、両方ともにOまたはSを示さない;
(c) R1がOR1dを示しそしてX1が-C(O)-Z-A1、-Z-CH2-S(O)m-A2-、-CH2-Z-S(
O)m-A2-または-Z-C(O)-Z-A2を示す場合は、A1またはA2(適当なものとして)は
、単一結合を示さない;そして
(d) X4が-CH(R23)-を示す場合は、R1はOHを示さない。
式Iの化合物は、互変異性を示すことができる。すべての互変異性形態および
これらの混合物が本発明の範囲に包含される。さらに、当該技術に精通せし者に
よって理解されるように、式IIaの構造フラグメントにおいて、随意の二重結合
は、置換分Dのある種の独自性と連結して、A、BおよびDを有する環に芳香族
性を与えることができる。
式Iの化合物は、また、1個または2個以上の不斉炭素原子を含有する
こともできそしてそれ故に光学および(または)ジアステレオ異性を示すことが
できる。慣用の技術、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶化を使用して、
すべてのジアステレオ異性体を分離することができる。慣用の技術、例えば分別
結晶化またはHPLC技術を使用して、化合物のラセミ体または他の混合物を分離す
ることによって、種々の立体異性体を単離することができる。またはこのように
する代わりに、ラセミ化またはエピマー化を起こさない条件下において適当な光
学的に活性な出発物質を反応させることによって、または例えばホモキラル酸に
よる誘導化次いで慣用の手段(例えば、HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー)
によるジアステレオマー誘導体の分離によって、所望の光学異性体を製造するこ
とができる。すべての立体異性体が、本発明の範囲に包含される。
R1、R1a、R1b、R1c、R1d、R2、R4、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18
、R19、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31およびRyが示すことので
きるおよびYが置換されることのできるアルキル基;R15およびR17が示すことの
できるアルキルフェニル基およびR2、R3およびR4が示すことのできるアルコキシ
基のアルキル部分は、十分な数の炭素原子がある場合は、線状または分枝鎖状、
飽和または不飽和、環状または非環状であることができる。X1、X2、A1、A3およ
びA4が示すことのできるアルキレンは、十分な数の炭素原子がある場合は、線状
または分枝鎖状、飽和または不飽和であることができる。
R31が示すことのできるおよびR1、R2およびR4が置換されることのできるハロ
ゲンは、弗素、塩素、臭素および沃素を包含する。
式IIa、IIbおよびIIcの構造フラグメントにおいて、小点は、式Iの化合物
中の-C(O)基およびR1に結合する炭素原子を示す(疑問を避けるために、炭素原子
に結合したH原子は示さない)。
式IIIa、IIIbおよびIIIcのフラグメントにおける結合上の波線は、フラグ
メントの結合位置を意味する。
本発明の他の見地によれば、
RyがHを示し;
R28がHを示し;
X4が-CH(R23)-を示さない
ということを追加的に条件として上述した式Iの化合物が提供される。
本発明の他の見地によれば、
RyがC1-4アルキルを示し;
R28がC1-4アルキルを示し;
X4が-CH(R23)-を示す
ということを追加的に条件として上述した式Iの化合物が提供される。
略号は、本明細書の終わりに挙げる
nが2を示しそしてBが式IIIbの構造フラグメントを示す場合、式Iの好ま
しい化合物は、X9およびX10が両方CH2を示さない化合物を包含する。
式Iの好ましい化合物は、
R1が、OHまたはC1-4アルキル(後者の基は、場合によってはシアノまたはOHに
よって置換されていてもよい)を示し;
Rxが、式IIaの構造フラグメントを示し;
Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合、点線が価標を示し、AおよびBが
両方CHを示しそしてDが-CH=CH-を示し;
Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合、X1がC2-またはC3−アルキレン、-
OCH2-または-O(CH2)2-を示し;
Yが、CH2、(CH2)2または(CH2)3を示し;
Bが式IIIa(式中、X5、X6、X7およびX8はすべてCHを示す)の構造フラグメ
ントを示す化合物を包含する。
本発明のより好ましい化合物は、Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合、
X1がC3−アルキレンまたは-O(CH2)2-を示す化合物を包含する。
Rxが式IIaの構造フラグメントを示しそしてR2が少なくとも1個の置換
分を示す場合、好ましい置換点は、B位の炭素原子の所にある。
Rxが式IIaの構造フラグメントを示し、点線が価標を示し、AおよびBが両方
CHを示しそしてDが-CH=CH-を示し(すなわち、R2を有する環がベンゾ基である)
そしてR2が少なくとも1個の置換分である場合、環は、好ましくは環接合に隣接
している-CH=CH-基(D位)における炭素原子において、またはより好ましくはB
位にある炭素原子においてまたはこれらの位置の両方において置換されている。
例えば、フラグメントIIaがテトラリン−1−イル基を示す(すなわち、点線が
価標を示し、AおよびBが両方CHを示し、Dが-CH=CH-を示しそしてX1が飽和C3
−アルキレンを示す)場合は、好ましい置換位置は、5−または特に7−位、ま
たはこれらの位置の両方にある。同様に、フラグメントIIaがクロマン−4−イ
ル基(すなわち、点線が価標を示し、AおよびBが両方CHを示し、Dが-CH=CH-を
示しそしてX1が-O(CH2)2-を示す)を示す場合は、好ましい置換位置は8−位また
は特に6−位またはこれらの位置の両方にある。
フラグメント
がS−配置にある式Iの化合物が好ましい。上記フラグメントにおける結合上の
波線は、フラグメントの結合位置を意味する。
式Iの好ましい化合物は、以下に記載した実施例の化合物を包含する。
また、本発明によって、例えばカップリング剤(例えば、DMF中の塩化オキサリ
ル、EDC、DCC、HBTU、HATUまたはTBTU)、適当な塩基(例えば、ピリジン、2,4,6
−トリメチルピリジン、DMAP、TEAまたはDIPEA)および適当な有機溶剤(例えば、
ジクロロメタン、アセトニトリルまたはDMF)の存在下において、
(i) 式IV
(式中、R1およびRxは、上述した通りである)の化合物を、式V
(式中、Ry、Y、nおよびBは上述した通りである)の化合物とカップリングさ
せるか、または
(ii) 式VI
(式中、R1、RxおよびYは、上述した通りである)の化合物を、式VII
H(Ry)N-(CH2)n-B VII
(式中、Ry、nおよびBは、上述した通りである)の化合物とカップリングさせ
ることからなる式Iの化合物の製法が提供される。
式IVの化合物は、商業的に入手することができるか、文献において公知である
かまたは既知および(または)標準の技術を使用して入手することができる。
例えば、R1がOHを示す式IVの化合物は、式VIII
Rx=O VIII
(式中、Rxは、上述した通りである)の化合物を、
(a) 例えば水中で酸性亜硫酸ナトリウムの存在下において20℃でKCNと反応
させ、次いで例えば適当な溶剤(例えば、アルコールおよび(また
は)水)の存在下20℃で水性酸(例えばHCl)の存在下において加水分解すること
によって;
(b) 水性塩基(例えば、NaOH)の存在下においてCHCl3と反応させることによ
って;
(c) 例えば適当な有機溶剤(例えばCH2Cl2)の存在下において20℃でTMSCN
と反応させ、次いで例えば20℃で酸(例えばHClまたはH2SO4)の存在下において加
水分解し(例えばBigge等によってJ.Med.Chem.(1993)36,1977に記載されて
いる方法によってまたは該方法と同様にして)、次いでアルカリ性加水分解して
遊離酸を得ることによって製造することができる。
R1がHを示す式IVの化合物は、例えば水の除去次いで当該技術に精通せし者に
よく知られている技術を使用した得られたアルケンの水素添加次いで必要に応じ
て実施される遊離酸を得るための加水分解によって、R1がOH(または酸の低級ア
ルキルエステル)を示す式IVの相当する化合物から製造することができる。
R1がC1-4アルキルを示す式IVの化合物は、例えば当該技術に精通せし者によく
知られている技術を使用して適当なハロゲン化アルキルと反応させ次いで必要に
応じて加水分解して遊離酸を得ることによって、R1がH(または酸の低級アルキ
ルエステル)を示す式IVの相当する化合物から製造することができる。
R1がOR1dを示しそしてR1dがC(O)R11、SiR12R13R14またはC1-6アルキルを示す
式IVの化合物は、当該技術に精通せし者によく知られている条件下でR1がOH(ま
たは酸の低級アルキルエステル)を示す式IVの相当する化合物をアシル化、シリ
ル化またはアルキル化し(適当である場合)、次いで必要に応じて加水分解して遊
離酸を得ることによって製造することができる。
式Vの化合物は、例えば式Iの化合物の合成に対して上述した条件のような条
件下で、式IX
(式中、Yは上述した通りである)の化合物を上述した式VIIの化合物と反応さ
せることによって製造することができる。
RyがC1-4アルキルを示す式VおよびVIIの化合物は、例えば当該技術に精通せ
し者によく知られている条件下で、RyがHを示す式Vまたは式VIIの相当する化
合物を式IXa
RyHal IXa
〔式中、Halはハロゲン(例えばCl、BrまたはI)を示しそしてRyは上述した通り
である〕の化合物と反応させることによって製造することができる。
式VIの化合物は、既知の技術を使用して容易に入手することができる例えば、
式VIの化合物は、式Iの化合物の合成に対して上述した条件のような条件下で、
上述した式IVの化合物を上述した式IXの化合物と反応させることによって製造す
ることができる。
式VIIIの化合物は、商業的に入手することができるか、文献において公知であ
るかまたは既知技術によって製造することができる。例えば、式VIIIの化合物は
、次のようにして製造することができる:
(a) Rxが式IIa〔式中、点線は価標を示し、AおよびBは両方CHを示しそし
てDは-CH=CH-を示し;X1はC2-4アルキレン、-Z-A3-または-C(O)-A3-(式中、A3
は上述した通りである)を示し;そしてR3は存在しない〕の構造フラグメントを
示す式VIIIの化合物は、例えばポリリン酸の存在下で100℃で適当なアシル化剤
を使用してまたは還流下でPCl5次いでAlCl3を使用して式X
(式中、X1aはC2-4アルキレン、-Z-A3-または-C(O)-A3を示しそしてZ、A3およ
びR2は上述した通りである)の化合物を環化することによって製造することがで
きる。X1aがC3−アルキレンまたは-C(O)-A3-(式中、A3はC2−アルキレンを示す
)を示す式Xの化合物は、既知技術によって、例えばコハク酸無水物を相当する
フェニルリチウムと反応させそしてX1aがC3−アルキレンを示す式Xの化合物に
対しては、当業者に公知である条件下で得られたケトンを選択的還元することに
よって製造することができる。X1aが-Z-A3-を示しそしてA3がC2-3アルキレンを
示す式Xの化合物は、以下に記載するようにして製造することができる。
(b) Rxが式IIa〔式中、点線は価標を示し、AおよびBは両方CHを示しそし
てDは-CH=CH-を示し;X1はC2-4アルキレンまたは-C(O)-A3-(式中、A3は上述し
た通りである)を示しそしてR3は存在しない〕の構造フラグメントを示す式VIII
の化合物は、例えば適当な塩基(例えばアルカリ金属のアルコキシド)および適
当な有機溶剤(例えば低級アルキルアルコール)の存在下20℃で式XI
(式中、RはC1-6アルキルを示し、そしてX1aおよびR2は上述した通りである)
の化合物を環化し次いで加水分解および脱カルボキシル化することによって製造
することができる。式XIの化合物は、既知の技術によって製造することができる
。例えばX1aがC3−アルキレンまたは-C(O)-A3-(式中、R3はC2−アルキレンを示
す)を示す式XIの化合物は、コハク酸無水物を式XII
(式中、R'はC1-6アルキルを示しそしてRおよびR2は上述した通りである)の化
合物と反応させそしてX1aがC3−アルキレンを示す式XIの化合物に対しては、当
業者に公知である条件下で得られたケトンを選択的に還元し、次いでエステル基
へのアミドおよび酸の官能基変換を行うことによって製造することができる。
(c) Rxが式IIa〔点線は価標を示し、AおよびBは両方CHを示しそしてDは
-CH=CH-を示し;X1が-Z-A3-(式中、A3はC2−アルキレンを示しそしてZはOまた
はSを示す)を示しそしてR3は存在しない〕の構造フラグメントを示す式VIIIの
化合物は、例えば水性−エタノール性NaOHの存在下20℃で式XIII
(式中、HalおよびR2は上述した通りである)の化合物を環化することによって
製造することができる。X1が-Z-A3-を示しそしてZがS(O)m(式中、mは1または
2である)を示す式VIIIの相当する化合物に対しては、この上述した環化に続い
て、例えばm−クロロ過安息香酸を使用してS原子を含有する環化生成物に対し
て酸化反応を実施しなければならない。
(d) Rxが式IIa〔点線は価標を示し、AおよびBは両方CHを示しそしてDは
-CH=CH-を示し;X1は-Z-A3-(式中、A3はC2−アルキレンを示す)または-Z-C(O)-A1
(式中、A1はC1−アルキレンを示す)を示しそしてR3は存在しない〕の構造フ
ラグメントを示す式VIIIの化合物は、式XIV
(式中、R2およびZは、上述した通りである)の化合物を、
(1) X1が-Z-A3-(式中、A3はC2−アルキレンを示す)を示す式VIIIの化合物
に対しては、例えば適当な塩基(例えば、トリエチルアミンまたはナトリウムエ
トキシド)および適当な有機溶剤(例えば、エタノールまたはDMF)の存在下に
おいて20℃で式XV
H2C=CH-CO2R XV
(式中、Rは上述した通りである)の化合物と反応させ;または
(2) 例えば適当な塩基(例えばトリエチルアミン)および適当な有機溶剤(
例えばTHF)の存在下において20℃で式XVI
L1-G-CH2-CO2R XVI
(式中、L1は適当な脱離基(例えばCl、Br、I、メシレートまたはトシレート)を
示し、GはCH2またはC(O)を示しそしてRは上述した通りである)の化合物と反
応させ;
次いで、適当な条件(例えば上述した条件)下で環化することによって製造す
ることができる。
(e) Rxが式IIa〔式中、A、BおよびDを有する環は、式Iの化合物に関し
て上述したような炭素環式芳香族または複素環式芳香族環であり;X1は-CH2-Z-C1-2
アルキレン−(式中、Zは上述した通りである)を示し;そしてR3は存在しな
い〕の構造フラグメントを示す式VIIIの化合物は、式XVII
(式中、Aa、BaおよびDaを有する環は、式Iの化合物に関して上述したような炭
素環式芳香族または複素環式芳香族環でありそしてZおよびR2は上述した通りで
ある)の化合物を、例えば適当な塩基(例えばナトリウムメトキシド)および適
当な有機溶剤(例えばTHF)の存在下において20℃で、式XVIII
L1-Alk-CO2H XVIII
(式中、AlkはC1-2アルキレンを示しそしてL1は上述した通りである)の化合物
と反応させることによって製造することができる。
(f) Rxが式IIb、IIcまたはIIa〔後者の場合において、A、BおよびDを
有する環は、式Iの化合物に関して上述したような炭素環式芳香族または複素環
式芳香族環であり;そしてRxが式IIaまたはIIbの構造フラグメントを示す場合
においては、R3は存在しない〕の構造フラグメントを示す式XIIIの化合物は、ポ
リリン酸の存在下において例えば100℃で、式XX
Rxa-CO2H XX
〔式中、Rxaは、式XXa、XXbまたはXXc
(式中、XXaにおいて、Aa、BaおよびDaを有する環は、式Iの化合物に関して
上述したような炭素環式芳香族または複素環式芳香族環でありそしてR2、R4、X1
、X2、X3およびX4は上述した通りである)の構造フラグメントを示す〕の化合物
を環化することによって製造することができる。式XXa、XXbおよびXXc
のフラグメント中の炭素原子に隣接した小点は、式XXの化合物のCO2H基に対す
るフラグメントの結合点を意味する。式XXの化合物は、例えば当該技術に精通
せし者によく知られている条件下で、式XXI
Rxa-CO2R XXI
〔RxaおよびRは上述した通りである(そして、Rxaにおける式XXa、XXbお
よびXXcのフラグメント中のCO2HもまたCO2Rによって置換され
ていてもよい)〕の相当する化合物を加水分解することによって製造することが
できる。
(g) Rxが式IIa〔式中、A、BおよびDを有する環は、式Iの化合物に関し
て上述したような炭素環式芳香族または複素環式芳香族環であり;X1は-O-CH2-
を示しそしてR3は存在しない〕の構造フラグメントを示す式VIIIの化合物は、例
えば適当な有機溶剤(例えばジエチルエーテル)の存在下において20℃で、式X
XII
(式中、Aa、BaおよびDaを有する環は、式Iの化合物に関して上述したような炭
素環式芳香族または複素環式芳香族環であり、そしてR2、HalおよびRは上述し
た通りである)の化合物をジアゾメタンと反応させることによって製造すること
ができる。
(h) Rxが式IIa(式中、点線は価標を示し、AおよびBは、両方CHを示しそ
してDは-CH=CH-を示し;X1は-C(O)-O-CH2-を示しそしてR3は存在しない)の構
造フラグメントを示す式VIIIの化合物は、例えば硫酸および適当な有機溶剤(例
えばメタノール)の存在下において−20℃で式XXIII
(式中、R2およびRは、上述した通りである)の化合物を環化することによって
製造することができる。式XXIIIの化合物は、例えば適当な有機溶剤(例えば
ジエチルエーテル)の存在下において20℃で、相当する酸ハライドをジアゾメタ
ンと反応させることによって製造することができる。
(i) Rxが式IIaまたはIIc〔式中、X1はN(R25)を包含しまたはX4はN(R23)を
示し(適当なものとして)そしてR23およびR25(適当なものとして)はC1-4アル
キルを示す〕の構造フラグメントを示す式VIIIの化合物は、例えば当該技術に精
通せし者によく知られている条件下において、式VIII〔式中、X1はNHを包含しま
たはX4はNHを示す(適当なものとして)〕の相当する化合物を式
Ra-Hal XXV
(式中、RaはC1-4アルキルを示しそしてHalは上述した通りである)の化合物と
反応させることによって製造することができる。
(j) Rxが式IIa〔式中、点線は価標を示し、AおよびBは両方CHを示しそし
てDは-CH=CH-を示し;X1は-C(O)-N(H)-CH2-を示し;そしてR3は存在しない〕の
構造フラグメントを示す式VIIIの化合物は、適当な有機溶剤(例えばメタノール)
の存在下において適当な触媒系(例えばPd/C)を使用して、式XXVI(式中、R2は上述した通りである)のヒドロキサム酸を触媒水素添加することに
よって製造することができる。式XXVIの化合物は、例えば発煙HClおよび二塩
化錫の存在下において20℃で、式XXVII
(式中、R2は上述した通りである)の相当する化合物を環化することによって製
造することができる。
(k) 例えば適当な酸化剤(例えばCrO3またはKMnO4)および適当な溶剤
(例えば水)の存在下における式XXX
H-Rx-H XXX
(式中、Rxは上述した通りである)の化合物の選択的酸化。
(l) 例えば適当な有機溶剤(例えばCH2Cl2)中における適当な酸化剤(例え
ばMnO2)の存在下での式XXXI
H-Rx-OH XXXI
(式中、Rxは、上述した通りである)の化合物の選択的酸化。
(m) 例えば酸(例えばHCl)および適当な有機溶剤の存在下において加熱する
ことによる、式XXXII
Rx=N-OH XXXII
(式中、Rxは上述した通りである)のオキシムの加水分解。
(n) Rxが式IIaの構造フラグメントを示しそしてX1が-CH2-CH=CH-を示す式V
IIIの化合物は、適当な反応条件下、例えば水性のエタノール性NaOHまたは過酸
化水素、および適当な有機溶剤(例えばTHF)の存在下における式XXXIII(式中、L2は適当な脱離基(例えばBrまたはSePh)を示しそして点線、A、B、
D、R2およびR3は上述した通りである)の化合物の脱離によって製造することが
できる。
(o) Rxが式IIbの構造フラグメントを示し、X2が-C(O)-A4-を示しそしてA4
が上述した通りである式VIIIの化合物は、例えば上述したようにポリリン酸の存
在下において、またはRbがHalを示す場合においては、例えば20℃のニトロメタ
ン中のAlCl3の存在下において、式XXXIV
(式中、Rbは、H、C1-6アルキルまたはHalを示しそしてR2、R3、A4、X3およびHa
lは上述した通りである)の化合物を環化することによって製造することができる
。
(p) Rxが式IIbの構造フラグメントを示しそしてX2が-A4-C(O)-を示しそし
てA4がC1-2アルキレンを示す式VIIIの化合物は、式XXXV
(式中、A4aはC1-2アルキレンを示しそしてHal、R2、R3およびX3は上述した通り
である)の化合物を環化することによって製造することができる。
式VII、IX、IXa、XII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIII、XXI、XXII、X
XV、XXVII、XXX、XXXI、XXXIII、XXIVおよびXXVの化合物は、
商業的に入手することができるか、文献において公知であるか、または本明細書
に記載した技術と同じまたは同様な技術を包含する既知の技術を使用して入手す
ることができる。
式I、IV、V、VI、VII、VIII、X、XI、XII、XIII、XIV、XVII、XX、X
XI、XXII、XXIII、XXVI、XXVII、XXX、XXXI、XXXII、XXXIII
、XXXIVおよびXXVの化合物における芳香族および(または)非芳香族、炭素
環式および(または)複素環式環上の置換分は、当該技術に精通せし者によく知
られている技術を使用して、相互変換することがで
きる。例えば、ニトロはアミノに還元することができ、ヒドロキシはアルキル化
してアルコキシを得ることができ、アルコキシはヒドロキシに加水分解すること
ができ、アルケンはアルカンに水素添加することができ、ハロゲンはHに水素添
加することができる。
式Iの化合物は、慣用の技術を使用して、反応混合物から単離することができ
る。
当業者によって理解されるように、上述した方法において、中間体化合物の官
能基は、保護基によって保護することが必要である。
保護することが望ましい官能基は、ヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸を包
含する。ヒドロキシに対する適当な保護基は、トリアルキルシリルまたはジアリ
ールアルキルシリル基(例えばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニ
ルシリルまたはトリメチルシリル)およびテトラヒドロピラニルを包含する。カ
ルボン酸に対する適当な保護基は、C1-6アルキルまたはベンジルエステルを包含
する。アミノ、アミジノおよびグアニジノに対する適当な保護基は、t−ブチル
オキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたは2−トリメチルシリルエト
キシカルボニル(Teoc)を包含する。アミジノおよびグアニジノ窒素は、また、
ヒドロキシまたはアルコキシによって保護することもできそしてモノまたはジ保
護することができる。
官能基の保護および脱保護は、上述したスキームにおけるカップリングの前ま
たは後に、または他の反応の前または後に行うことができる。
特に、式Iの化合物は、N−アシル化アミノ酸またはN−保護されたアミノ酸
のカップリングからなる方法によって製造することができる。N−保護されたア
ミノ酸を使用する場合は、アシル基はカップリング後に導入することができる。
窒素原子の脱保護は、標準方法を使用して行うことができる。
保護基は、当該技術に精通せし者によく知られているそして以下に記載
するような技術によって除去することができる。
式Iの化合物を形成するための最終脱保護工程前に製造することのできる式I
の化合物のある種の保護された誘導体(これは、また“中間体”と称することも
できる)は、新規である。
本発明の他の見地によれば、式Ia
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
上記式において、
B1は、式IIId、IIIeまたはIIIf
の構造フラグメントを示し;
D1およびD2は、独立して、H、OH、ORa、OC(O)Rb、OC(O)ORc、C(O)ORd、C(O)Re
を示し;
Raは、フェニル、ベンジル、C1-7アルキル(後者の基は、場合によっては酸素
によって中断されていてもよくまたは場合によってはハロゲンによって置換され
ていてもよい)または-C(Rf)(Rg)-OC(O)Rhを示し;
Rbは、C1-17アルキル(この基は、場合によってはC1-6アルコキシ、C1-6アシル
オキシ、アミノまたはハロゲンによって置換されていてもよい)、C1-6アルコキ
シ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはC1-3ア
ルキルフェニル(後者の5個の基は場合によってはC1-6アルキルまたはハロゲン
によって置換されていてもよい)または-〔C(Ri)(Rj)〕mOC(O)Rkを示し;
Rcは、C1-17アルキル、フェニル、2−ナフチル(後者の3個の基は、場合によ
ってはC1-6アルキル、Si(Raa)(Rab)(Rac)またはハロゲンによって置換されてい
てもよい)、−〔C(Rm)(Rn)〕nOC(O)RP、または-CH2-Ar1を示し;
Rdは、2−ナフチル、フェニル、C1-3アルキルフェニル(後者の3個の基は、
場合によってはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ、Si(Rba)(Rbb)(Rbc)ま
たはハロゲンによって置換されていてもよい)、C1-12アルキル(この基は場合に
よってはC1-6アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換されて
いてもよい)、-〔C(Rq)(Rr)〕pOC(O)Rsまたは-CH2-Ar2を示し;
Reは、フェニル、ベンジル、C1-6アルキル(この後者の基は場合によっては酸
素によって中断されていてもよい)または-〔C(Rt)(Ru)〕rOC(O)Rvを示し;
Raa、Rab、Rac、Rba、RbbおよびRbcは、独立してC1-6アルキルまたはフェニル
を示し;
Rf、Rg、Ri、Rj、Rm、Rn、Rq、Rr、RtおよびRuは、独立してHまたはC1-6アル
キルを示し;
Rh、Rk、Rp、RsおよびRvは、独立してC1-17アルキル(この基は、場合によって
はC1-6アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換されていても
よい)、C1-6アルコキシ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはC1-3
アルキルフェニル(後者の5個の基は場合によってはC1-6アルキルまたはハロゲ
ンによって置換されていてもよい)を示し;
Ar1およびAr2は、独立して構造フラグメント
を示し;
mおよびrは、独立して3または4を示し;
nおよびpは、独立して1、2または3を示し;そして
R1、Rx、Y、Ry、n、X5、X6、X7、X8、X9、X10およびR31は、上述した通りで
あり;但し
D1およびD2は、両者ともにHを示さない。
Ra、Raa、Rab、Rac、Rb、Rba、Rbb、Rbc、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、
Rk、Rm、Rn、Rp、Rq、Rr、Rs、Rt、RuおよびRvが示すことができそしてRb、Rc、
Rd、Rh、Rk、Rp、RsおよびRvが置換されることのできるアルキル基;Rb、Rh、Rk
、Rp、RsおよびRvが示すことのできるシクロアルキル基;Rb、Rd、Rh、Rk、Rp、
RsおよびRvが示すことのできるアルキルフェニルのC1-3アルキル部分;Rb、Rh、
Rk、Rp、RsおよびRvが示すことのできるアルコキシ基およびRb、Rd、Rh、Rk、Rp
、RsおよびRvが置換されることのできるアルコキシおよびアシルオキシ基は、十
分な数の炭素原子がある場合は、線状または分枝鎖状であることができそして飽
和または不飽和であってもよい。
Ra、Rb、Rc、Rd、Rh、Rk、Rp、RsおよびRvが置換されることのできるハロゲン
は、弗素、塩素、臭素および沃素である。
式IIId、IIIeまたはIIIfのフラグメント中における結合上の波線は、フラ
グメントの結合位置を意味する。
式Iaの好ましい化合物は、D1がHを示しそしてD2がOH、OCH3、OC(O)Rbまた
はC(O)ORd(式中、RbおよびRdは上述した通りである)を示す化合物を包含する
。
式Iaの化合物は、また当該技術に精通せし者によく知られている技術
によって、式Iの化合物から直接製造することができる。
例えば、D1またはD2がC(O)ORdを示す式Iaの化合物は、例えば適当な塩基(例
えば、NaOH)および適当な有機溶剤(例えば、THF)の存在下において0℃で、
式Iの相当する化合物を式XXXVa
L3-C(O)ORd XXXVa
(式中、L3は、Halまたはp−ニトロフェノキシのような脱離基を示しそしてHal
およびRdは上述した通りである)の化合物と反応させることによって製造するこ
とができる。
式Iaの化合物は、また、当該技術に精通せし者によく知られている技術によ
って、式Iaの他の化合物から直接製造することもできる。
D1またはD2がOHを示す式Iaの化合物は、例えば適当な塩基(例えばTEA)お
よび適当な有機溶剤(例えばTHF)の存在下において40℃で、式Ia〔式中、D1ま
たはD2(適当なものとして)はCOORdを示しそしてRdは上述した通りである〕の相
当する化合物をヒドロキシルアミン(またはそのハロゲン化水素酸塩)と反応さ
せることによって製造することができる。
D1またはD2がOC(O)ORcを示しそしてRcが上述した通りである式Iaの化合物は
、例えば適当な塩基(例えば、TEA、ピリジンまたはDMAP)および適当な有機溶剤
の存在下において室温で、式Ia〔式中、D1またはD2(適当なものとして)はOH
を示す〕の相当する化合物を式XXXVI
L3C(O)ORc XXXVI
(式中、L3およびRcは上述した通りである)の化合物と反応させることによって
製造することができる。
D1またはD2がOC(O)Rbを示しそしてRbが上述した通りである式Iaの化合物は
、例えば適当な塩基(例えばTEA、ピリジンまたはDMAP)および適当な有機溶剤(
例えば、CH2Cl2の存在下において室温またはそれ以下の温度で、式Ia〔式中、
D1またはD2(適当なものとして)はOHを示す〕の相当する化合物を式XXXVIa
RbC(O)L4 XXXVIa
(式中、L4は、OH、HalまたはRbC(O)Oのような適当な脱離基を示しそしてHalおよ
びRbは上述した通りである)の化合物と反応させることによって製造することが
できる。
B1が式IIId(式中、X5、X6、X7およびX8は、すべてCHを示す)またはIIIf〔両
者の場合において、D1はHを示しそしてD2はOHまたはORa(式中、Raは上述した通
りである)を示す〕の構造フラグメントを示す式Iaの化合物は、また、例えば
適当な塩基(例えばTEA)および適当な有機溶剤(例えばTHF、CH3CN、DMFまたはD
MSO)の存在下において40〜60℃で、式XXXVII
(式中、Baはフェニル−1,4−エンまたはシクロヘキシル−1,4−エンを示しそし
てR1、Rx、Y、Ryおよびnは上述した通りである)の化合物を式XXXVIII
H2NORa1 XXXVIII
(式中、Ra1はHまたはRaを示しそしてRaは上述した通りである)の化合物と反
応させることによって製造することができる。D1またはD2がOHまたはORaを示す
式Iaの化合物は、また、同様なやり方で、式Ia〔式中、D1またはD2(適当な
ものとして)はOC(O)Rbを示しそしてRbは上述した通りである〕の相当する化合物
を上述したような式XXXVIIIの化合物と反応させることによって製造すること
ができる。
式XXXVIIの化合物は、例えば式Iの化合物に対して上述した方法と同様な
やり方でペプチドカップリング技術によって製造することができる。式XXXV
a、XXXVI、XXXVIaおよびXXXVIIIの化合物は、商業的
に入手することができるか、文献において公知であるか、または既知技術を使用
して入手することができる。
本発明の他の見地によれば
RbおよびRcが、独立して、C1-17アルキル、フェニルまたは2−ナフチル(こ
れらの基のすべては、場合によってはC1-6アルキルまたはハロゲンによって置換
されていてもよい)を示し;
Rdが、2−ナフチル、フェニル、C1-3アルキルフェニル(後者の3個の基は場
合によっては、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロまたはハロゲンによって
置換されていてもよい)、CH(Rf)(CH(Rg))pOC(O)Rh〔式中、RfおよびRgは、独立
してHまたはC1-6アルキルを示し、Rhは2−ナフチル、フェニル、C1-6アルコキ
シまたはC1-8アルキル(この後者の基は、場合によってはハロゲン、C1-6アルコ
キシまたはC1-6アシルオキシによって置換されていてもよい)でありそしてpは
0または1を示す〕またはC1-12アルキル(この後者の基は、場合によってはC1- 6
アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換されていてもよい
)を示し;
RaおよびReが、独立して、フェニル、ベンジル、(CH2)2OC(O)CH3またはC1-6ア
ルキル(この後者の基は、場合によっては酸素によって中断されていてもよい)
を示す;
以外は上述した通りである式Iaの化合物またはその医薬的に許容し得る塩が
提供される。
当業者によって理解されるように、代替のそしてある場合においてはより有利
な方法で式Iまたは式Iaの化合物を得るために、上述した個々の方法工程を異
なる順序で遂行しそして(または)個々の反応を全経路中の異なる段階において
遂行することができる(すなわち、特定の反応に関連して上述した中間体とは異
なる中間体に置換分を加えそして(または)化学的変換を遂行することができる
)。これは、保護基の必要を否定するかまたは必要とする。したがって、関係す
る化学の順序および型は、保護基
ならびに合成を達成する順序の必要性および型を規定する。
保護基の使用は、“Protective Groups in Organic Chemistry”,J W F McOm
ie編集,Plenum Press(1973)および“Protective Groups in Organic Synthesis
”,2nd edition,T W Greene & P G M Wutz,Wiley-Interscience(1991)に詳細
に記載されている。
式Iの化合物の保護された誘導体(例えば式Iaの化合物)は、例えば以下に
記載するような標準の脱保護技術(例えば水素添加)を使用して、式Iの化合物
に化学的に変換することができる。
また、当該技術に精通せし者に理解されるように、式Iの化合物のこのような
保護された誘導体(例えば式Iaの化合物)はそれ自体薬理学的活性を有してい
ないけれども、これらの化合物を非経口的または経口的に投与しそしてその後体
内において代謝して薬理学的に活性である式Iの化合物を形成することができる
。それ故に、このような誘導体は、“プロドラッグ”として記載することができ
る。式Iの化合物のプロドラッグは、すべて本発明の範囲に包含される。
プロドラッグとして特に有用である式Iの化合物の保護された誘導体は、式I
aの化合物を包含する。
式Iの化合物、その医薬的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体なら
びにそのプロドラッグ(式Iの化合物のプロドラッグである式Iaの化合物を包
含する)は、以下一緒にして“本発明の化合物”と称する。
医学的および薬学的使用
本発明の化合物は、薬理学的活性を有しているために有用である。それ故に、
これらの化合物は、医薬として使用される。
すなわち、本発明の他の見地によれば、医薬として使用するための本発明の化
合物が提供される。
特に、本発明の化合物は、例えば以下に記載した試験において証明されるよう
に、そのままでまたはプロドラッグの場合においては投与後に、ト
ロンビンの強力な阻害剤である。
すなわち、本発明の化合物は、トロンビンの阻害を必要とする場合の病態に有
用であることが期待される。
すなわち、本発明の化合物は、ヒトを包含する動物の血液および組織における
血栓症および凝固能冗進(hypercoagulability)の治療または予防に使用される
。
凝固能冗進が血栓−塞栓疾患を招くということは知られている。挙げることの
できる凝固能冗進および血栓−塞栓疾患と関連がある病態は、先天性または後天
性の活性化プロテインC抵抗、例えば第V因子−突然変異(第V因子Leiden)、
および抗トロンビンIII、プロテインC、プロテインS、ヘパリン補因子IIにお
ける先天性または後天性欠損を包含する。凝固能冗進および血栓−塞栓疾患と関
連があることが知られている他の病態は、循環抗燐脂質抗体(Lupus抗凝固因子)
、ホモシスティン血症、ヘパリン誘発血小板減少およびフィブリン溶解における
欠損を包含する。すなわち、本発明の化合物は、これらの病態の治療的処置およ
び(または)予防的処置に使用することができる。
さらに、本発明の化合物は、例えばアルツハイマー病のような神経変性疾患に
おける凝固能冗進の徴候なしに望ましくない過剰のトロンビンがある場合の病態
の治療に使用される。
挙げることのできる特定の疾患状態は、静脈血栓症および肺塞栓症、動脈血栓
症(例えば心筋梗塞、不安定狭心症、血栓症に基づく発作および末梢動脈血栓症
における)および普通動脈細動中の心房からのまたは経壁心筋梗塞後の左心室か
らの全身性塞栓症の治療的および(または)予防的処置を包含する。
さらに、本発明の化合物は、血栓崩壊、経皮経管冠動脈拡張術(PTA)および冠
動脈バイパス手術後の再閉塞(すなわち血栓症)の予防;マイクロサージェリー
および一般的な血管手術後の再血栓症の阻止に利用されるこ
とが期待される。
さらに、適応は、細菌、多発性外傷、中毒または他の何れかの機序によって起
こる多発性血管内凝固の治療的および(または)予防的処置;血液が体内の異物
表面、例えば血管移植片、血管ステント、血管カテーテル、機械的および生物学
的人工弁または他の何れかの医療器具と接触する場合の抗凝固処置;および血液
が例えば心臓−肺器械を使用した心臓血管の手術または血液透析における場合に
体外の医療器械と接触する場合の抗凝固処置を包含する。
凝固プロセスに対する作用のほかに、トロンビンは、多数の細胞(例えば好中
球、線維芽細胞、内皮細胞および平滑筋細胞)を活性化することが知られている
。それ故に、本発明の化合物は、また特発性および成人呼吸窮迫症候群、放射線
による処置または化学療法後の肺線維症、敗血症性ショック、敗血症、限定する
ものではないが浮腫を包含する炎症性応答、急性または慢性アテローム性動脈硬
化症、例えば冠動脈疾患、脳動脈疾患、末梢動脈疾患、再灌流損傷、および経皮
経管冠動脈拡張術(PTA)後の再狭窄の治療的および(または)予防的処置に適し
ている。
トリプシンおよび(または)トロンビンを阻害する本発明の化合物は、また膵
炎の治療にも有用である。
本発明の他の見地によれば、トロンビンの阻害を必要とする場合の病態を処置
する方法が提供される。この方法は、本発明の化合物またはその医薬的に許容し
得る塩の有効量を、このような病態にかかっているかまたはこのような病態に敏
感な患者に投与することからなる。
本発明の化合物は、普通、医薬的に許容し得る投与形態の遊離塩基または医薬
的に許容し得る非毒性の有機または無機酸付加塩として活性化合物を含有する医
薬製剤の形態で、経口的に、静脈内的に、皮下的に、口腔的に、直腸的に、皮膚
的に、鼻的に、気管的に、気管支的に、何れかの他の非経口的経路によってまた
は吸入を経て投与することができる。処置され
る疾患および患者および投与の経路によって、組成物は種々の投与量で投与する
ことができる。
本発明の化合物は、また異なる作用機序を有する抗血栓剤、例えば、抗血小板
剤アセチルサリチル酸、チクロピジン、クロピドグレル、トロンボキサン受容体
および(または)シンセターゼ阻害剤、フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト
、プロスタサイクリン模倣物およびホスホジエステラーゼ阻害剤およびADP−受
容体(P2T)アンタゴニストと組み合わせおよび(または)一緒に投与すること
ができる。
さらに、本発明の化合物は、血栓疾患、特に心筋梗塞の処置において、血栓崩
壊剤、例えば組織プラスミノーゲンアクチベーター(天然の、組換えたまたは変
性した)、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、アニソイル
化プラスミノーゲン−ストレプトキナーゼアクチベーター複合体(APSAC)、動物
の唾液腺プラスミノーゲンアクチベーターなどとの組み合わせおよび(または)
一緒に投与することができる。
すなわち、本発明の他の見地によれば、医薬的に許容し得る補助剤、希釈剤ま
たは担体と混合した本発明の化合物を含有する医薬処方が提供される。
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の適当な一日当たりの投与量は、経
口的投与においては体重1kg当たり約0.001〜100mgそして非経口的投与において
は体重1kg当たり約0.001〜50mgである。
本発明の化合物は、従来の技術において知られている化合物よりも、より有効
であり、毒性がより低く、より長く作用し、より広い範囲の活性を有し、より強
力であり、副作用がより少なく、より容易に吸収されまたは従来の技術において
知られている化合物よりもすぐれた他の有用な薬理学的性質を有しているという
利点を有している。
生物学的試験試験A トロンビン凝固時間(TT)の測定
阻害剤溶液(25μl)を、血漿(25μl)と一緒に3分間インキュベートした。
それから、pH7.4の緩衝溶液(25μl)中のヒトのトロンビン(T6769;Sigma Chem C
o)を加えそして凝固時間を自動装置(KC 10;Amelung)において測定した。
凝固時間(秒)を、阻害剤濃度に対してプロットしそしてIC50TTを補間法によ
って測定した。
IC50TTは、ヒトの血漿に対するトロンビン凝固時間を2倍にする試験における
阻害剤の濃度である。試験B 色素形成自動検査によるトロンビン阻害の測定
トロンビン阻害剤の力価は、96−ウェルハーフボリュームマイクロタイタープ
レート(Costar,Cambridge,MA,USA;Cat No3690)を使用して、Plato 3300自
動マイクロプレートプロセッサー(Rosys AG,CH-8634,Hombrechtikon,Switzer
land)において、色素形成基質法により測定した。DMSO中の試験物質の原溶液(7
2μl)(1ミリモル/L)を、DMSOで連続的に希釈〔1:3(24+48μl)〕して10種
の異なる濃度を得、そしてこれらを、検査における試料として分析した。試験試
料2μlを、検査緩衝液124μlで希釈し、検査緩衝液中の色素形成基質溶液(S-2
366,Chromogenix,
(ヒトのα−トロンビン、Sigma Chemical Co.)12μlを加えそして試料を混合
した。最終の検査濃度は、試験物質0.00068−13.3μモル/L、S-2366 0.30ミリ
モル/L、α−トロンビン0.020NIHU/mlであった。37℃における40分のインキ
ュベーション中の線状吸収増加を、阻害剤なしのブランクに比較して、試験試料
の阻害%の計算に使用した。トロンビン活性の50%の阻害を起こす阻害剤濃度に
相当するIC50−自動値を、log使用量対阻害%曲線から計算した。試験C ヒトのトロンビンに対する阻害定数Kiの測定
Ki測定は、Cobas Bio遠心分析器(Roche,Basel,Switzerland)上で37℃で実
施された色素形成基質法を使用して行った。試験化合物の種々の濃度を使用して
ヒトのα−トロンビンをインキュベーションした後の残留酵素活性を、3種の異
なる基質濃度で測定しそして405nmにおける光学吸収の変化として測定した。
試験化合物の溶液(100μl;普通は、BSA 10g/Lを含有する緩衝液または食
塩水中の溶液)を、BSA(10g/L)を含有する検査緩衝液(pH7.4のトリス−HC
l 0.05モル/L、NaClで調節されたイオン強度0.15)中において、ヒトのα−ト
ロンビン(Sigma Chemical Co)200μlと混合しそしてCobas Bioにおいて試料とし
て分析した。水20μlと一緒に試料60μlを、
加えそして吸収変化(△A/分)を、監視した。S-2238の最終濃度は、16、24お
よび50μモル/Lでありそしてトロンビンの最終濃度は、0.125NIHU/mlであっ
た。
定常状態反応速度を使用して、Dixonプロット、すなわち、阻害剤濃度対1/
(△A/分)の図を構成した。可逆的な競合阻害剤に対して、異なる基質濃度に
対するデータ点は、典型的に、x=-Kiにおいて2点間に切りとった直線を形成
する。試験D 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定
APTTは、Stagoによって製造された試薬PTT Automated 5を使用して、プール
した正常なヒトのクエン酸塩添加した血漿において測定した。阻害剤を血漿に加
え(血漿90μlに対して阻害剤溶液10μl)そしてAPTT試薬と一緒に3分間インキ
ュベートし次いで塩化カルシウム溶液(0.025M)100μlを添加しそしてAPTTを
、試薬生産者の使用説明書に従い、凝固分析器
KC 10(Amelung)を使用して混合物中で測定した。凝固時間(秒)を、血漿中の
阻害剤濃度に対してプロットしそしてIC50APTTを、補間法によって測定した。
IC50APTTは、活性化部分トロンボプラスチン時間を2倍にしたヒトの血漿にお
ける阻害剤の濃度として定義される。試験E 生体外のトロンビン時間の測定
エタノール:ソルトールTM:水(5:5:90)に溶解した式IおよびIaの化合
物の経口的または非経口的投与後のトロンビンの阻害を、実験の1日または2日
前に頚動脈から血液試料を採取するためのカテーテルをつけた意識のあるラット
で検査した。実験の日に、血液試料を、化合物の投与後の決められた時間におい
て、クエン酸ナトリウム溶液(1L当たり0.13モル)1部および血液9部を含有
するプラスチック管に取り出した。この管を遠心分離して血小板に乏しい血漿を
得た。この血漿を、以下に記載するようなトロンビン時間の測定に使用した。
クエン酸塩を添加したラットの血漿100μlを、食塩溶液(0.9%)100μlで希釈
しそして血漿凝固を、緩衝溶液(pH7.4)100μl中のヒトのトロンビン(T6769,Si
gma Chem Co,USA)の添加によって開始した。凝固時間は、自動装置(KC 10,A
melumg,Germany)において測定した。
式Iaの化合物を投与した場合、ラットの血漿中における式Iの適当な活性ト
ロンビン阻害剤の濃度は、プールしたクエン酸塩を添加したラットの血漿におけ
るトロンビン時間を食塩水に溶解した相当する“活性”トロンビン阻害剤の既知
濃度と関連させた標準曲線を使用し算出した。
ラットにおける式Iの活性トロンビン阻害剤の算出された血漿濃度(トロンビ
ン時間延長は、上述した化合物によって起こされるということを仮定する)を基
にして、式Iaの相当するプロドラッグの経口的および(または)非経口的投与後
の曲線下の面積(AUCpd)を、台形公式およびデータ
を無限大に外挿して計算した。
式Iaのプロドラッグの経口的または非経口的投与後の式Iの活性トロンビン
阻害剤の生物学的利用能は、以下のようにして計算した。
〔(AUCpd/投与量)/(AUC活性、非経口/投与量)〕×100
上記式において、AUC活性、非経口は、上述したような意識のあるラットに対
する式Iの相当する活性トロンビン阻害剤の非経口的投与後に得られたAUCを示
す。試験F 生体外の尿中におけるトロンビン時間の測定
エタノール:ソルトールTM:水(5:5:90)に溶解した本発明の化合物の経
口的または非経口的投与後に尿中に排出された式Iの活性トロンビン阻害剤の量
を、生体外の尿中におけるトロンビン時間の測定によって算出した(トロンビン
時間延長は、上述した化合物によって起こされると仮定する)。
意識のあるラットを代謝おりに入れて、本発明の化合物の経口的投与後24時間
尿および糞便を別個に集められるようにした。トロンビン時間を、以下のように
集めた尿に対して測定した。
プールした正常なクエン酸塩添加したヒトの血漿(100μl)を、濃縮したラッ
トの尿または食塩水希釈液と一緒に1分インキュベートした。それから、緩衝溶
液(pH7.4;100μl)中のヒトのトロンビン(T6769,Sigma Chem Co)の添加に
よって血漿凝固を開始した。凝固時間は、自動装置(KC 10;Amelung)において
測定した。
ラットの尿中における式Iの活性トロンビン阻害剤の濃度は、プールした正常
なクエン酸塩添加したヒトの血漿におけるトロンビン時間を濃縮したラットの尿
(または食塩水希釈液)に溶解した上述した活性トロンビン阻害剤の既知濃度と
関連させた標準曲線の使用によって算出した。24時間にわたる全体のラットの尿
生産に尿中における上述した活性阻害剤の算出
された平均濃度を掛けることによって、尿中に排出された活性阻害剤の量(AMOU
NTpd)を計算することができた。
プロドラッグの経口的または非経口的投与後の式Iの活性トロンビン阻害剤の
生物学的利用能は、以下のようにして計算した。
〔(AMOUNTpd/投与量)/(AMOUNT活性、非経口/投与量)〕×100
上記式において、AMOUNT活性、非経口は、上述したような意識のあるラットに
対する式Iの相当する活性トロンビン阻害剤の非経口的投与後に尿中に排出され
た量を示す。
さらに、本発明を以下の実施例によって説明する。アミノ酸ProおよびAzeは、
とくにことわらない限り、S−異性体として定義される。実施例の化合物は、と
くにことわらない限り、ジアステレオ異性体として得た。
一般的実験操作
質量スペクトルは、エレクトロスプレーインターフェースを具備したFinnigan
MAT TSQ 700トリプル四重極質量分析計(FAB-MS)およびエレクトロスプレーイ
ンターフェースを具備したVG PlatformII質量分析計(LC-MS)上で記録した。1H N
MRおよび13C NMR測定は、それぞれ300.13、399.96、499.82および599.94MHzの1H
周波数およびそれぞれ75.46、100.58、125.69および150.88MHzの13C周波数で操
作されるBRUKER ACP 300およびVarian UNITY+400、500および600スペクトロメ
ーター上で遂行した。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル(230〜400
メッシュ)上で実施した。分取RPLCは、UV検出器(270〜280nm)を使用して、10
〜50ml/分の流速で逆相カラム(250mm、20または50mm;5〜7μM相クロマシル
C8)上で遂行した。
実施例1
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Pro−Pab
(i) 1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチル
エステル
標記化合物は、7−メトキシテトラロン(1.0g;5.67ミリモル)およびエタノ
ールの代わりにメタノールを使用して、C.F.Bigge等(J.Med.Chem.(1993)3
6,1997)によって記載されている方法によって製造した。収量:1.22g(90%
)。
(ii) 1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸
1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエス
テル(1.16g;4.9ミリモル;上記工程(i)から)と、THF(10ml)に溶解しそし
て水酸化リチウム(0.41g;9.8ミリモル)を、得られた溶液に加え次いで水(4m
l)を加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌し、THFを蒸発しそして水性相を
塩化メチレンで洗浄した。反応混合物をHCl(2M)で酸性にしそしてそれから
、NaCl(S)で飽和した。CH2Cl2で抽出した後、有機相を乾燥しそして濃縮した。
収量:765mg(70%)。
LC-MS(m/z)221(M-1)
(iii) (R)−および(S)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イ
ル−C(O)−Pro−Pab(Z)
DMF(10ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボ
ン酸(222mg;1.0ミリモル;上記工程(ii)から、H−Pro−Pab(Z)(499mg;1.1
ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法によって製造した)
およびTBTU(353mg;1.1ミリモル)の溶液を、0℃に冷却しそしてDIPEA(517mg
;4.0ミリモル)を加えた。反応混合物を、室温で4日間撹拌しそしてそれから、
同量のH−Pro−Pab(Z)、TBTUおよびDIPEAを0℃で加えた。3日後に、反応
混合物を濃縮しそして水:EtOAc(1:1)に溶解した。水性相をEtOAcで抽出し
そして合した有機相を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。生成物を、フラッシュ
クロマトグラフィー(EtOAc:EtOH;100:0〜95:5)を使用して精製した。さ
らに、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;40:60)を使用し精製して、
ジアステレオマー:化合物1A(急速に移動するジアステレオマー;10mg;1.7%
)および化合物1B(緩慢に移動するジアステレオマー;10mg;1.7%)を分離し
た。収量:20mg(3.4%)。
化合物1A:
化合物1B:
(iv) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1
−イル−C(O)−Pro−Pab
Pd/C(5%;10mg)を、EtOH(5ml)およびHOAc(1μl、0.017ミリモル)中
の(R)−または(S)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(
O)−Pro−Pab(Z)(10mg;0.017ミリモル;上記工程(iii)からの化合物1A)の
溶液に加えそして混合物を、室温および大気圧で3時間水素添加した。得られた
混合物をセライトを通して濾過し、溶液を濃縮し、水を加えそして溶液を凍結乾
燥して、白色の粉末として標記化合物10mg(98%;純度92.2%)を得た。
LC-MS(mg/z)451(M+1)+ 実施例2
(R)−または(S)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Pro−Pab
標記化合物は(R)−または(S)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−
1−イル−C(O)−Pro−Pab(Z)(10mg;0.017ミリモル;上記実施例1(iii)からの
化合物1B)から、実施例1(iv)に記載した方法によって製造した。収量:10mg
(98%;純度80.4%)
LC-MS(m/z)451(M+1)+ 実施例3
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Aze−Pab×HOAc
(i) (S)−および(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)−Aze−Pab(Z)
TBTU(0.584g;1.7ミリモル)次いでDIPEA(0.200g;1.55ミリモル)を、DMF(
10ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.
345g;1.55ミリモル;上記の実施例1(ii)参照)の氷冷溶液に加えた。0℃で
15分撹拌した後に、H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.750g;1.7ミリモル;国際特
許出願WO 97/02284に記載されている方法によって製造した)およびDIPEA(0.6
03g;4.65ミリモル)を加えそして混合物をRTで4日間撹拌した。DMFを蒸発し
そして得られた物質を水とEtOAcとの間に分配した。有機層を分離し、水相をEtO
Acで3回抽出しそして合した有機層を、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。白色
の粉末として得られた生成物は、さらに、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニ
ウム;46:44)を使用し精製して、急速に移動するフラクション(化合物3A)1
22mg(28%)および緩慢に移動するフラクション(化合物3B)63mg(14%)を得た。
化合物3A:
LC-MS(m/z)571(M+1)+ (ii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)−Aze−Pab×HOAc
実施例1(iv)に記載した方法によって、EtOH(5ml)中の(S)−または(R)−1
−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(0.05
8g;0.1ミリモル;上記工程(i)からの化合物3)、
HOAc(5.8μl;0.1ミリモル)およびPd/C(5%;50mg)から製造した。収量:
15mg(59%)。
LC-MS(m/z)437(M+1)+ 実施例4
(R)−または(S)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Aze−Pab
(i)4−(アミノ、メトキシイミノメチル)ベンジルアミン(H−Pab(0Me))
酸化白金(200mg)を、エタノール200ml中の4−(アミノ、メトキシイミノメ
チル)ベンジルアジド(10g;0.049モル;WO 94/29336に記載されている方法に
よって製造した)の溶液に加えた。混合物を、大気圧で8時間水素添加し、Hyflo
を通して濾過しそして濃縮した。粗製生成物は、次の工程に直接使用した。
(ii)Boc−Aze−Pab(OMe)
DIPEA(17.5ml;105ミリモル)を、DMF(100ml)中のBoc−Aze−OH(9.7g;48
ミリモル)およびH−Pab(OMe)(9.4g;52ミリモル;上記工程(i)から)およ
びTBTU(18.5g;58ミリモル)の氷冷溶液に加えそして混合物をRTで一夜撹拌し
た。得られた混合物を水(50ml)に注加し、pHを約9に調節しそして混合物をEtOA
cで3回抽出した。合した有機層を、水性NaHCO3、水およびブラインで洗浄し、
乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。粗製生成
物を、フラッシュクロマトグラフィー(Si−ゲル、EtOAc)を使用して精製した。
収量:11.9g(69%)。
(iii) Boc−Aze−Pab(OMe)×2HCl
EtOAc(250ml)中のBoc−Aze−Pab(OMe)(9.4g;26ミリモル;上記工程(ii)
から)の溶液を、HCl(ガス)で飽和した。EtOH(無水;125ml)を得られたエマル
ジョンに加えそして混合物を10分超音波処理した。溶液が濁るまで、EtOAcを加
えそしてその後標記化合物が間もなく析出した。収量:6.7g(77%)。
LC-MS(m/z)263(M+1)+ (iv) 1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(
OMe)
H−Aze−Pab(OMe)(0.587g;1.85ミリモル;上記工程(iii)から)、TBTU
(0.594g;1.85ミリモル)およびDIPEA(0.87g;6.73ミリモル)を、この順序で
、CH3CN中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル一カルボン酸
(0.374g;1.68ミリモル;上記の実施例1(ii)参照)の氷冷溶液に加えた。
得られた混合物を、RTで6日間撹拌した。溶液を濃縮しそして粗製物質を、分配
HPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;25:75)を使用して精製した。この操作
は、ジアステレオマーを分離して、急速に移動するジアステレオマー(化合物4
A)122mg(31.2%)および緩慢
に移動するジアステレオマー(化合物4B)120mg(30.7%)を与えた。
化合物4B:
LC-MS(m/z)466(M+1)+ (v) (R)−または(S)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)−Aze−Pab
標記化合物は、実施例1(iv)に記載した方法によって、EtOH(5ml)中の1
−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(OMe)(20m
g;0.043ミリモル;上記工程(iv)からの化合物4B)、AcOH(3mg:0.05ミリ
モル)およびPd/C(10%;20mg)から製造した。収量:19mg(89%)。
LC-MS(m/z)436(M+1)+ 実施例5
1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i) 1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチル
エステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977)によって記載され
ている方法によって、5−メトキシテトラロン(1.0g;5.67ミリモル)、Me3SiC
N(0.619g;6.24ミリモル)およびZnI2(8mg;触媒)から製造した。収量:1.
11g(83%)。(ii) 1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル一カルボン酸
上記の実施例1(ii)に記載した方法によって、1−ヒドロキシ−5−メトキ
シテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(1.11g;4.7ミリモル;上
記の工程(i)から)およびLiOH・H2O(0.395g;9.4ミリモル)から製造した。収
量:460mg(36%)。
(iii) 1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(
Z)
TBTU(0.528g;1.64ミリモル)を、CH3CN(15ml)中の1−ヒドロキシ−5−
メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.332g;1.49ミリモル;上記の工
程(ii)から)の氷冷溶液に加えた。混合物を0℃で2時間撹拌しそしてH−Aze
−Pab(Z)×2HCl(0.656g;1.49ミリモル)およびDIPEA(0.599g;3.1ミリモル)
を加えた。得られた混合物を、RTで一夜撹拌しそして溶液を濃縮した。粗製生成
物を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;40:60)を使用して精製した
。収量:140mg(16%)。
LC-MS(m/z)571(M+1)+ (iv) 1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×
HOAc
実施例1(iv)に記載した方法によって、EtOH(5ml)中の1−ヒドロキシ−
5−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(47mg;0.082ミリモ
ル;上記工程(iii)から)、AcOH(5mg;0.082ミリモル)およびPd/C(5%
;20mg)から製造した。収量:37mg(100%)。
LC-MS(m/z)437(M+1)+ 実施例6
1−ヒドロキシ−5,7−ジメチルテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i) 1−ヒドロキシ−5,7−ジメチルテトラリン−1−イル−カルボン酸メチ
ルエステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977)によって記載され
ている方法によって、5.7−ジメチルテトラロン(1.0g;5.74ミリモル)、Me3SiC
N(0.626g;6.31mg)およびZnI2(8mg;触媒)から製造した。収量:1.24g(
92%)。
(ii) 1−ヒドロキシ−5,7−ジメチルテトラリン−1−イル−カルボン酸
実施例1(ii)に記載した方法によって、1−ヒドロキシ−5.7−ジメチルテ
トラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(1.24g;5.27ミリモル;上記
工程(i)から)、LiOH・H20(0.443mg;10.6ミリモル)から製造した。収量:0.62
9g(50%)。
LC-MS(m/z)437(M-1)- (iii) 1−ヒドロキシ−5,7−ジメチルテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab
(OMe)
実施例4の(iv)に記載した方法によって、1−ヒドロキシ−5,7−ジメチルテ
トラリン−1−イル−カルボン酸(0.20g:0.91ミリモル;上記工程(ii)から)
、H−Aze−Pab(OMe)×1.5HCl(0.317g;1.0ミリモル;上記の実施例4(iii)参
照)、TBTU(0.321g;1.0ミリモル)およびDIPEA(0.469g:3.63ミリモル)か
ら製造した。溶液を濃縮しそして残留物を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモ
ニウム;30:70)を使用して精製した。関係のあるフラクションを濃縮しそして
それからEtOAcで抽出(×3)した。合した有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮
した。乾燥した生成物を小量の水/CH3CNに溶解しそして凍結乾燥した。収量:4
0mg(9.5%)。
LC-MS(m/z)463(M+1)+ (iv) 1−ヒドロキシ−5,7−ジメチル−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、1−ヒドロキシ−5,7−ジメ
チルテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(OMe)(20mg;0.043ミリモル;上
記の工程(iii)から)、HOAc(2.6mg;0.043ミリモル)およびPd/C(10%;10
mg)から製造した。収量:20mg(94%)
LC-MS(m/z)463(M+1)+ 実施例7
1−ヒドロキシ−7−アミノテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i) 1−ヒドロキシ−7−ニトロテトラリン−1−イル一カルボン酸メチル
エステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem,(1993)36,1997)により標記されて
いる方法によって、7−ニトロテトラロン(2.0g;10.5ミリモル)、
Me3SiCN(1.14g;11.5mg)およびZnI2(8mg;触媒)から製造した。収量:2.87
g(100%)(3工程にわたった)。
(ii) 1−ヒドロキシ−7−ニトロテトラリン−1−イル−カルボン酸
標記化合物は、上記の実施例1(ii)に記載した方法によって、1−ヒドロキ
シ−7−ニトロテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(2.0g;8.3
ミリモル;上記の工程(i)から)およびLiOH・H2O(0.7g;16.6ミリモル)から製
造した。収量:1.72g(88%)。
LC-MS(m/z)236(M+1)+ (iii) 1−ヒドロキシ−7−ニトロテトラリン−1−イル−C(O)−Aze-Pab(Z
)
HATU(0.352g;0.93ミリモル)およびDIPEA(0.200g;1.55ミリモル)を、D
MF(5ml)中の1−ヒドロキシ−7−ニトロテトラリン−1−イル−カルボン酸(
0.200g;0.84ミリモル;上記の工程(ii)から)の氷冷溶液に加えた。0℃で15分
撹拌した後に、DMF5ml中のH−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.408g;0.93ミリモル
)および2,4,6−トリメチルピリジン(0.409g;3.37ミリモル)の溶液を、0℃
で加えそして混合物をRTで一夜撹拌した。DMFを蒸発しそして粗製生成物を、分
取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;40:60)を使用して精製して、標記化合
物214mg(44%)を得た。
LC-MS(m/z)586(M+1)+ (iv) 1−ヒドロキシ−7−アミノテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HO
Ac
標記化合物は、上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、1−ヒドロキ
シ−7−ニトロテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(0.064g;0.11
ミリモル;上記の工程(iii)から)、HOAc(6.3μl;0.11ミリモル)、およびPd
/C(32mg)から製造した。固体の粗製生成物を水に溶解しそして水溶液を凍結乾
燥して40mg(76%)を得た。
LC-MS(m/z)422(M+1)+ 実施例8
1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i) 1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977)によって記載され
ている方法によって、テトラロン(2.0g;13.7ミリモル)、Me3SiCN(1.49g:1
5ミリモル)およびZnI2(8mg;触媒)から製造した。収量:2.5g(88%)。
(ii) 1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−カルボン酸
標記化合物は、上記の実施例1(ii)に記載した方法によって、1−ヒ
ドロキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(2.5g;12.1ミリ
モル;上記の工程(i)から)およびLiOH・H2O(1.02g;242ミリモル)から製造
した。収量:400mg(17%)。
(iii) 1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)
標記化合物は、上記の実施例5(iii)に記載した方法によって、1−ヒドロキ
シテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.284g;1.50ミリモル;上記の工程(i
i)から)、TBTU(0.531g;1.65ミリモル)、H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.660g
;1.50ミリモル)およびDIPEA(0.602g;3.1ミリモル)から製造した。粗製の生
成物を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;40:60)を使用して精製し
た。収量:70mg(8.4%)。
LC-MS(m/z)542(M+1)+ (iv) 1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
標記化合物は、上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、EtOH(5ml)
中の1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(70mg;9.13
ミリモル;上記の工程(iii)から)、AcOH(5mg;0.13ミリ
モル)およびPd/C(5%,35mg)から製造した。収量:61mg(100%)。
LC-MS(m/z)407(M+1)+ 実施例9
7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
(i) 7−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−カルボン酸メチル
エステル
トルエン(5ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−
カルボン酸メチルエステル(0.5g;2.1ミリモル;上記の実施例1(i)参照)
の溶液を、トルエン(10ml)中のp-TsOH(0.6g;3.2ミリモル)の還流溶液に加え
そして得られた混合物を45分還流した。冷却後に、反応混合物をエーテルでうす
め、水および水性NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥しそして濃縮した。収量:392m
g(85%)。
(ii) 7−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−カルボン酸
標記化合物は、上記の実施例1(ii)に載した方法にしたがって、7−メトキ
シ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(0.39g
:1.79ミリモル;上記の工程(i)から)およびLiOH・H2O(0.15g;3.57ミリ
モル)から製造した。収量:148mg(40%)。
LC-MS(m/z)203(M+1)+ (iii) 7−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(
Z)
標記化合物は、上記の実施例3(i)に記載した方法によって、7−メトキシ
−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−カルボン酸(0.145g;0.71ミリモル;
上記の工程(ii)から)、H−Aze−Pab(Z)×2HCl(0.343g;0.78ミリモ
ル)、TBTU(0.251g;0.78ミリモル)およびDIPEA(0.364g;2.84ミリモル)か
ら製造した。粗製生成物を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;54:46
)を使用して精製した。得られた溶液を濃縮しそして水性層をEtOAcで3回抽出
した。合した有機層、を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、121mg(31%)を得た。
LC-MS(m/z)553(M+1)+ (iv) 7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc
標記化合物は、上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、7−メトキシ
−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(88mg;0.16ミリ
モル)、AcOH(9mg;0.16ミリモル)およびPd/c(10%;44mg)から製造した。
収量:56mg(73%)、60:40ジアステレオマー混合物。
LC-MS(m/z)421(M+1)+ 実施例10
(R)−および(S)−7−メトキシ−1−メチルテトラリン−1−イル−C(O)−Az
e−Pab
(i) 7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル
標記化合物は、上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、7−メトキシ
−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(3.3g;15
ミリモル;上記の実施例9(i)参照)およびPd/C(10%;0.5g)から製造し
た。得られた混合物をHyfloを通して濾過しそして濃縮した。粗製の生成物をフ
ラッシュクロマトクラフィー(Si−ゲル;ヘプタン:EtOAc;4:1)を使用し
て精製した。収量2.4g(72%)。
(ii) 7−メトキシ−1−メチルテトラリン−1−イル−カルボンメチルエステ
ル
7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(0.4g;1.8
ミリモル;上記の工程(i)から)およびMeI(0.13ml;2.0ミリモル)を、DMF(
5ml)中のNaH(油中55%;87mg;2.0ミリモル)のスラリーに加えそして混合物を
、RTで一夜撹拌した。得られた混合物を水に注加しそして水混合物をEtOAc:ト
ルエンで3回抽出した。合した有機層を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮
した。フラッシュクロマトクラフィー(Si−ゲル;ヘプタン;EtOAc;4:1)に
よって、標記化合物0.18g(42%)を得た。
(iii)7−メトキシ−1−メチルテトラリン−1−イル−カルボン酸
EtOH:H2O(1:1;50ml)中の7−メトキシ−1−メチルテトラリン−1−イ
ル−カルボン酸メチルエステル(0.67g;2.9ミリモル;上記の(iii)から)および
KOH(4g)混合物を、一夜撹拌した。得られた混合物を水でうすめそしてエーテ
ルで抽出した。水性層を酸性(HCl)にしそしてエーテルで3回抽出した。合した
有機層を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した、収量:0.58g(81%」
(iv) 7−メトキシ−1−メチルテトラリン−イル−C(O)−Aze−pab(Z)
標記化合物は、上記の実施例3(i)に記載した方法によって、7−メトキシ−
1−メチルテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.14g;0.64ミリモル;上記の
工程(iii)から)、TBTU(0.31g;0.97ミリモル)H−Aze−Pab(Z)(0.42g;
0.97ミリモル)およびDIPEA(0.50g;0.67ミリモル)から製造した。粗製生成物は
、フラッシュクロマトクラフィー(Si−ゲル;EtOAc)を使用して精製した。収量
:0.26mg(72%)。
(v) (R)−および(S)−7−メトキシ−1−メチルテトラリン−イル−C(O)−
Aze−Pab(Z)
標記化合物は、上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、EtOH(10ml)中の
7−メトキシ−1−メチルテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(0.10g
;0.18ミリモル;上記の工程(iv)から)およびPd/C(10%)から製造した。粗
製の生成物は、分取RPLC(CH3CN;0.1M酢酸アンモニウム;30:70〜32.5:67.5
)を使用し精製して、2種のジアステレオマーを得た。ジアステレオマーを含有
する個々の溶液を濃縮した。溶液を凍結乾燥して、急速なフラクション(化合物
10A;30mg;69%)および緩慢なフラクション(化合物108;28mg;64%)から得
られた化合物を得た。
化合物10A(以下(R)または(S)として述べる
LC-MS(m/z)435(M+1)+ 化合物10B(以下(S)または(R)として述べる)
LC-MS(m/z)435(M+1)+ 実施例11
4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab×OAc
(i) 4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエ
ステル
標記化合物は、Bigge等(J.MeD.Chem.(1993)36,1977)により記載されてい
る方法によって、6−メトキシクロマン−4−オン(1.29g;7.23ミリモル)、
Me3SiCN(0.79g;8.0ミリモル)およびZnI2(20mg;触媒)から製造した。収量
:1.11g(64%)。
(ii) 4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸
標記化合物は、上記の実施例1(ii)に記載した方法によって、4−ヒドロキ
シ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエステル(1.09g;4.
58ミリモル;上記の工程(i)から)およびLiOH・H2O(0.39g;9.2ミリモル)か
ら製造した。収量:0.71g(69%)。
LC-MS(mg/z)223(M+1)+ (iii) 4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab(Z
)
標記化合物は、上記の実施例3(i)に記載した方法によって、4−ヒドロキ
シ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸(0.104g;0.464ミリモル;
上記の工程(ii)から)、TBTU(0.29g;0.90ミリモル)、DMF(8ml)、DIPEA(80
μl+320μl;0.46ミリモル+1.84ミリモル)およ
びH−Aze−Pab(Z)(0.4g;0.91ミリモル)から製造した。黄色の粘稠な油の
粗製生成物0.27gは、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;40:60)0使
用して精製した。関係のあるフラクシュンを濃縮しそしてEtOAcで抽出した。収
量:0.089g(33%)。
LC-MS(m/z)573(M+1)+
(iv) 4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab×HO
Ac
標記化合物は、上記の実施例1(iv)に記載した方法によって、4−ヒドロキ
シ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(0.089g;0.155ミ
リモル;上記の工程(iii)から)、AcOH(0.25μl;0.44ミリモル)およびPd/
C(5%;0.089g)から製造した。収量:55.5mg(72%)
LC-MS(m/z)439(M+1)+ 実施例12
(S)−および(R)−1−ヒドロキシ−4−メトキシインダン−1−イル−C(O)−
Aze−Pab
(i) 4−メトキシ−1−インダノン
CS2CO3(7g;21.5ミリモル)次いでCH3I(10g;70ミリモル)を、THF(30ml)
中の4−ヒドロキシ−1−インダノン(5.0g;34ミリモル)の溶液に加えそして
混合物をRTで60時間撹拌した。反応混合物を濾過しそして濃縮しそして粗製生成
物を、フラッシュクロマトクラフィー(SiO2;塩化メ
チレン)を使用して精製し、標記物質3.1g(56%)を得た。
(ii) 1−ヒドロキシ−4−メトキシインダン−1−イル−カルボン酸メチルエ
ステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)361977)により記載されている
方法によって、4−メトキシ−1−インダノン(2.2g;13.5ミリモル;上記の工
程(i)から)、Me3SiCN(2.0g;20ミリモル)およびZnI2(200ml;0.62ミリモル
;触媒)から製造した。収量:0.9g(28%)
(iii) 1−ヒドロキシ−4−メトキシインダン−1−イル−カルボン酸
NaOH(19M;1.0ml)を、EtOH(20ml)中の1−ヒドロキシ−4−メトキシインダ
ン−1−イル−カルボン酸エチルエステル(0.90g;3.8ミリモル:上記の工程(i
i)から)の溶液に加え溶液を30分撹拌した。ブライン(40ml)を加えそして混合物
をEtOAcで洗浄し、注意深く酸性(HCl:2M)にしてpH2となしそして水溶液をEt
OAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、
標記物質0.70g(88%)を得た。
(iv)1−ヒドロキシ−4−メトキシインダン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z
)
標記化合物は、実施例4(iv)に記載した方法によって、1−ヒドロキシ−4
−メトキシインダン−1−イル−カルボン酸(350mg;1.68ミリモル;上記の工
程(iii)から)、塩化メチレン(25ml)、H−Aze−Pab(Z)(750mg;1.7ミリモル)T
BTU(600mg;1.8ミリモル)およびDIPEA(770mg;1.8ミリモル)から製造した。混合
物を濃縮しそして残留物を、フラッシ
ュクロマトクラフィー(Si−ゲル;アセトン:EtOAc)を使用して精製し、350mg
(37.5%)を得た。
(v) (S)−および(R)−1−ヒドロキシ−4−メトキシインダン−1−イル−
C(O)−Aze−Pab
ギ酸アンモニウム(1.0g;16ミリモル)およびPd/C(5%;200mg)を、MeOH(
300ml)中の1−ヒドロキシ−4−メトキシインダン−1−イル−C(O)−Aze−Pab
(Z)(340mg;0.61ミリモル;上記の工程(iv)から)の溶液に加えた。ギ酸(2
00mg;4.4ミリモル)を加えそして混合物を30分撹拌した。反応混合物をHyfloを
通して濾過しそして溶液を還流した。粗製生成物は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢
酸アンモニウム;15:85)を使用して精製した。関係するフラクションを集めそ
して濃縮しそして水溶液を凍結乾燥して、急速に移動するフラクション(化合物1
2A;50mg;34%)および緩慢に移動するフラクション(化合物12B;5mg;3.4%)
を得た。
化合物12A(以下、(R)または(S)として述べる)
LC-MS(m/z)423(M+1)+ 化合物12B(以下、(S)または(R)として述べる)
LC-MS(m/z)423(M+1)+ 実施例13
1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(OH)
THF(10ml)中のヒドロキシルアミン×HCl(39mg;0.56ミリモル)およびTEA(0.26
ml;1.86ミリモル)の溶液を、40℃で1時間超音波処理し、その後、小量のTHFに
溶解した1−ヒドロキシ−5−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab
(Z)(53mg;0.093ミリモル;上記の実施例5(iii)参照)を加えそして混合物を
40℃で3日間撹拌した。混合物を濃縮しそして生成物を、分取RPLC(CH3CN:0.1
M酢酸アンモニウム;30:70)を使用して精製した。関係のあるフラクションを
、濃縮しそして残留物を凍結乾燥した。収量:29mg(70%)。
LC-MS(m/z)453(M+1)+ 実施例14
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Aze−Pab(OH)
標記化合物は上記の実施例13に記載した方法によって、ヒドロキシルアミン×
HCl(48mg;0.69ミリモル)、TEA(0.32ml;2.31ミリモル)および(S)−または(R)
−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)(
66mg;0.12ミリモル;上記の実施例3(i)からの化合物3A)から製造した。混
合物を濃縮しそして粗製生成物を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;2
8:72)を使用して精製し、17mg(31%)を得た。純度94.5%。ジアステレオマー比
87:13。
LC-MS(m/z)453(M+1)+ 実施例15
4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab(OH)
標記化合物は上記の実施例13に記載した方法によって、ヒドロキシルアミン×
HCl(74mg;1.06ミリモル)、TEA(0.50ml;3.6ミリモル)および4−ヒドロキシ
−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab(Z)
(92mg;0.16ミリモル;上記の実施例11(iii)参照)から製造した。粗製生成物
は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;28:72)を使用して精製し、55
mg(75%)を得た。ジアステレオマー比53:47。
実施例16
4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)−Aze−Pab(OMe)
標記化合物は上記の実施例3(i)に記載した方法によって、4−ヒドロキシ
−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸(95mg;0.42ミリモル)、上記の実施
例11(ii)参照)、TBTU(0.26g;0.81ミリモル)、DMF(5ml)、H−Aze−Pab(OMe)
×HCl(0.256g;0.81ミリモル;上記の実施例4(iii)参照)およびDIPEA(75+30
0μl;0.42+1.68ミリモル)から製造した。粗製生成物は、分取RPLC(CH3CN:0.
1M酢酸アンモニウム;30:70)を使用して精製した。標記生成物67mg(37%)を
得た。
実施例17
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Aze−Pab(C(O)OCH2CCl3)
NaOH(水性;2M;0.78ml)そしてそれから、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエ
チル(21μl;0.155ミリモル)を、THF(3ml)中の(S)−または(R)−1−ヒドロ
キシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−Pab×HOAc(70mg;0.14
ミリモル;上記の実施例3参照)の氷冷溶液に加えそして混合物を3時間撹拌し
た。反応混合物を水でうすめそして得られた混合物を塩化メチレンで4回抽出し
た。集めた有機相を、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして蒸発した。収量
:79.8mg(92.5%)。
LC-MS(m/z)613(M+1)+ 実施例 18
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Azc−Pab(C(O)OCH2CH3)
標記化合物は、上記の実施例17に記載した方法によって、(S)−または(R)−
1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)−Azc−Pab×HOAc(5
2mg;0.10ミリモル;上記の実施例3参照)、NaOH(水性;2M;0.58ml)およびク
ロロギ酸エチル(9.4μl;0.089ミリモル)から製造した。粗製生成物は、分取RPL
C(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;30:70)を使用して精製した。収量29mg(69%
)。
LS-MS(m/z)509(M+1)+ 実施例 19
7−メトキシ−1−アリルテトラリン−1−イル−C(O)-Azc-Pab×HOAc
(i) 7−メトキシ−1−アリルテトラリン−1−イル−カルボン酸
標記化合物は、上記の実施例10(ii)に記載した方法によって、7−メトキシテ
トラリン−1−イル−カルボン酸メチルエステル(0.80g;3.6ミリモル;上記の
実施例10(i)参照)、NaH(油中55%;0.23mg;5.4ミリモル)および臭化アリル(
0.65g;5.4ミリモル)から製造した。その後、粗製生成物は、上記の実施例10(i
ii)に記載した方法によって、EtOH:H2O(40ml;1:1)中のKOH(3g)で直接加
水分解した。収量0.39g(44%)。
(ii) Boc-Aze-Pab×HCOOH
標記化合物は、上記の実施例12(v)に記載した方法によって、MeO H50ml中の
ギ酸アンモニウム(3.0g;50ミリモル)、Pd/C(5%;1.0g)、Boc-Aze-Pab(Z)(
4.7g;10ミリモル;国際特許出願WO 94/29336参照)およびギ酸(1.0g;22ミリ
モル)から製造した。粗製生成物を、CH2Cl2(50ml)に懸濁し、濾過しそしてさら
にCH2Cl2で洗浄した。固体の物質を乾燥しそしてさらに精製することなしに次の
工程に使用した。
(iii) Boc-Aze-Pab(Teoc)
Teoc-p−ニトロフェニルカーボネート(3.5g;12.3ミリモル)を、THF(100ml)
中のBoc-Aze-Pab×HCOOH(3.7g:10ミリモル;上記の工程(ii)から)の溶液に加
え、その後、水(20ml)中のK2CO3(1.8g;13ミリモル)の溶液を、2分にわたって
加えた。得られた溶液を、3日間撹拌し、濃縮しそして残留物をEtOAc(150ml)お
よびNaOH(水性;0.5M;50ml)にとった。有機層をブライン(2×50ml)で洗浄し
、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。粗製生成物はフラッシュクロマトグラフィー
(Si−ゲル;塩化メチレン:アセトン;4:1)を使用して精製した。収量4.6g(
96%)。
(iv) H-Aze-Pab(Teoc)×HCl
塩化メチレン(150ml)中のBoc-Aze-Pab(Teoc)(4.6g;9.6ミリモル;上記の工
程(iii)から)の溶液を、乾燥HClで飽和させた。溶液を栓をしたフラスコ中でRT
で10分保持し、その後それを濃縮した。収量4.2g(97%)。
(v) 7−メトキシ−1−アリルテトラリン−1−イル−C(O)-Azc-Pab(Teoc)
標記化合物は、上記の実施例3(i)に記載した方法によって、7−メトキシ−
1−アリルテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.30g;1.2ミリモル;上記の工
程(i)から)、TBTU(0.43g;1.3ミリモル)、H-Aze-Pab(Teoc)(0.60g;1.3ミリ
モル;上記の工程(iv)から)およびDIPEA(0.69g;5.4ミリモル)から製造した。
粗製生成物はフラッシュクロマトグラフィー(Si−ゲル;EtOAc)を使用して精製
した。収量0.41mg(56%)。
(vi) 7−メトキシ−1−アリルテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
Bu4NFの溶液(THF中1M;0.66ml)を、THF(40ml)中の7−メトキシ−1−アリ
ルテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(0.36g;0.60ミリモル;上記の
工程(v)から)の溶液に加えそして溶液を60℃で24時間撹拌した。粗製生成物は
、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(50:50))を使用して精製しそして凍
結乾燥した。収量0.22g(71%)。
LS-MS(m/z)459(M-1)-
実施例 20
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−クロロテトラリン−1−イル−C(O)-P
ro-Pab
(i) 7−アミノ−1−テトラロン
ギ酸アンモニウム(2g)、Pd/C(5%;1g)およびギ酸(0.5g;触媒)を、こ
の順序でメタノール(50ml)中の7−ニトロ−1−テトラロン(1.95g;10ミリモ
ル)の溶液に加えそして混合物を30分撹拌した。溶液を濾過しそして濾液を濃縮
した。残留物を塩化メチレン(50+25ml)で浸漬しそし
て混合物を濾過しそして濃縮した。収量1.4g(88%)。(ii) 7−クロロ−1−テトラロン
水(10ml)に溶解したNaNO2(0.7g;10ミリモル)を、撹拌しながら濃HCl(水性)
中の7−アミノ−1−テトラロン(1.4g;88ミリモル;上記工程(i)から)の氷
冷溶液に、5分にわたって加えた。それから得られた冷溶液を、徐々に濃HCl(水
性)中のCuCl(1.5g;15ミリモル)の氷冷溶液に加えた。その後、得られた溶液を
室温で2時間そして60℃で30分撹拌した。スラリーを氷で冷却しそして得られた
沈澱を吸引濾過し、水で洗浄しそして空気乾燥した。収量1.50g(94%)。
(iii) 7−クロロ−1−ヒドロキシテトラリン−1−カルボン酸エチルエステ
ル
J,Med.Chem.(1993)36,1977にC.F.Bigge等により記載されている方法によ
って、7−クロロ−1−テトラロン(1.5g;8.3ミリモル;上記工程(ii)から)、
Me3SiCN(1.0g;10ミリモル)およびZnI2(0.3g)を使用して製造した。収量0.8g
(36%)。
(iv) 7−クロロ−1−ヒドロキシテトラリン−1−カルボン酸
NaOH(10M、1ml)を、DMSO(20ml)中の7−クロロ−1−ヒドロキシテトラリン
−1−カルボン酸エチルエステル(0.8g;3.1ミリモル;上記工程(iii)から)
の溶液に加えそして混合物を100℃で3時間加熱した。得られた混合物を破砕氷(
40g)およびブライン(40ml)でうすめそして混合物を
EtOAcで抽出した。水性層を2M HClで酸性化してpH2となしそしてEtOAc(2×4
0ml)で抽出した。合した有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。収量0.22mg(3
0%)。
(v) 7−クロロ−1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)
HATU(400mg;1.05ミリモル)を、DMF(50ml)中の7−クロロ−1−ヒドロキシテ
トラリン−1−カルボン酸(220mg;約1ミリモル;上記工程(iv)から)の溶液に
加え、そして短時間撹拌した後に、DMF(10ml)中のH-Aze-Pab(Z)×2HCl(450mg;1
.02ミリモル)および2,4,6−トリメチルピリジン(425mg;3.5ミリモル)の溶液を
滴加した。一夜撹拌した後に、得られた混合物をNaClの水溶液(15%;100ml)で
うすめそしてEtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、
乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。残留物はフラッシュクロマトグラフィー(Si−
ゲル;EtOAc)を使用して精製した。収量300mg(52%)。
(vi) 7−クロロ−1−ヒドロキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
アニソール(65mg;0.6ミリモル)およびトリフルオロメタンスルホン酸(400mg
;2.6ミリモル)を、この順序で、塩化メチレン(20ml)中の7−クロロ−1−ヒド
ロキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)(300mg;0.52ミリモル;上記工
程(v)から)の溶液に加えそして溶液をRTで10分撹
拌した。水(20ml)を加えそして有機相を分離しそして除去した。その後、水性相
を飽和水性NaHCO3でpH4〜5に調節した。溶液を部分的に濃縮しそして粗製生成
物を、分取RPLC(CH3CN:水;10:90〜90:10)を使用して精製した。関係のある
フラクションを部分的に濃縮し、数滴のHOAc(濃厚)を加えそして溶液を凍結乾燥
した。収量40mg(15%)。実施例 21
1−n−プロピル−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
小量のPd/C(10%)をEtOH(5ml)中の1−アリル−7−メトキシテトラリン−
1−イル−C(O)-Aze-Pab×HO0Ac(80mg;0.15ミリモル;上記の実施例19参照)の
溶液に加えそして混合物を、周囲温度および圧力下で2時間水素添加した。混合
物をセライトを通して濾過しそして得られた溶液を濃縮した。水から凍結乾燥し
て標記化合物68mg(85%)を得た。
LC-MS(m/z)463(M+1)+
実施例 22
6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-PabxHOAc
(i) 6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチ
ルエステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977ff)により記載されて
いる方法によって、6−クロロクロマノン(2.45g;13.4ミリモル)、Me3SiCN(1.
51g;15.2ミリモル)およびZnI2(40mg;触媒)から製造した。収量0.58g(18%)
。
(ii) 6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸
LiOH・H2O(0.19g;4.6ミリモル)および水(4ml)を、THF(6ml)中の6−クロ
ロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエステル(0.56g;2
.3ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物を、室温で3時間
撹拌し、THFを蒸発しそして水溶液を塩化メチレンで洗浄した。反応混合物をHCl
(2M)で酸性にしそして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして
蒸発して徐々に結晶化する油を得た。収量490mg(93%)。
LC-MS(m/z)228(M-1)-
(iii) 6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)
DMF(5ml)中の6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸(
222mg;1.00ミリモル;上記工程(ii)から)およびHATU(370mg;0.97ミリモル)の
溶液を、0℃で1.5時間撹拌しそしてDMF(5ml)中のH-Aze-Pab(Teoc)×HCl(440mg
;0.98ミリモル;上記実施例19(iv)参照)および2,4,6−トリメチルピリジン(0.4
8g;3.9ミリモル)の混合物を0℃で加えた。0℃で3時間撹拌した後に、反応
混合物を濃縮しそして粗製生成物を分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(55
:45))を使用して精製した。関係のあるフラクションを部分的に濃縮しそして塩
化メチレンで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、ジアステレオ
マー混合
物350mg(67%)を得た。
LC-MS(m/z)588(M+1)+
(iv) 6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
Bu4NF(THF中の1.0M;0.35ml)を、0℃のTHF(20ml)中の6−クロロ−4−ヒド
ロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(190mg;0.32ミリモル;上記工
程(iii)から)の溶液に加えた。溶液を40℃で2日間撹拌した。溶液を濃縮しそし
て粗製物質を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(25:75))を使用して精
製した。収量115mg(71%)。
LC-MS(m/z)444(M+1)+
実施例 23
4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
Pd/C(5%;25mg)を、EtOH(5ml)中の6−クロロ−4−ヒドロキシクロマン
−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc(14.7mg;0.029ミリモル;上記の
実施例22から)の溶液に加えそして混合物を周囲温度および圧力下で1日間水素
添加した。混合物をセライトを通して濾過しそして粗製生成物を分取RPLC(CH3CN
:0.1M酢酸アンモニウム(25:75))を使用して精製した。関係のあるフラクショ
ンを濃縮した。凍結乾燥して標記化合物4mg(30%)を得た。
LC-MS(m/z)409(M+1)+
実施例 24
6,8−ジクロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i) 6,8−ジクロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチル
エステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977ff)により記載され
ている方法によって、6,8−ジクロロクロマノン(1.36g;6.27ミリモル)、Me3Si
CN(0.68g;6.9ミリモル)およびZnI2(20mg;触媒)から製造した。収量0.52g
(30%)。
(ii) 6,8−ジクロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸
LiOH・H2O(0.15g;3.6ミリモル)および水(2ml)を、THF(5ml)中の6,8−ジ
クロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエステル(0.50
g;1.8ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。得られた混合物を室温で
30分撹拌した。THFを蒸発しそして水相を塩化メチレン
で洗浄した。反応混合物をHCl(2M)で酸性にしそして塩化メチレンで抽出した
。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして蒸発して標記化合物を得た。収量390mg(83%)
。
LC-MS(m/z)262(M-1)-
(iii) 6,8−ジクロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Teo
c)
標記化合物は、上記の実施例22(iii)に記載した方法によって、6,8−ジクロロ
−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸(100mg;0.38ミリモル;上記
の工程(ii)から)、HATU(160mg;0.42ミリモル)、H-Aze-Pab(Teoc)×HCl(190mg;
0.42ミリモル;上記の実施例19(iv)参照)および2,4,6−トリメチルピリジン(0.1
9g;1.6ミリモル)から製造した。粗製の生成物は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸
アンモニウム(55:45))を使用して精製した。関係のあるフラクションを部分的
に濃縮しそして塩化メチレンで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮し
て、ジアステレオマ一混合物206mg(87%)を得た。
LC-MS(m/z)623(M+1)+
(iv) 6,8−ジクロロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOA
c
標記化合物は、上記の実施例19(vi)に記載した方法によって、6,8−ジクロロ
−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(150mg;0.24ミリモ
ル;上記の工程(iii)から)およびBu4NF(0.10g;0.32ミリモル)から製造した。
粗製物質は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(30:70))を使用して精製
した。収量45mg(35%)。
LC-MS(m/z)477(M+1)+
実施例 25
6−フルオロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i) 6−フルオロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエ
ステル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977ff)により記載され
ている方法によって、6−フルオロクロマノン(2.53g;15.2ミリモル)、Me3SiC
N(1.66g;16.7ミリモル)およびZnI2(3mg;触媒)から製造した。収量2.51g
(73%)。
(ii) 6−フルオロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸
水(30ml)中のLiOH・H2O(0.95g;22.6ミリモル)の溶液を、THF(10ml)中の6−
フルオロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエステル(2.4
7g;10.9ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物を室温で2
日間撹拌し、THFを蒸発しそして水相をHCl(2M)で酸性にしそして酢酸エチルで
抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして蒸発して標記化合物を得た。収量:1.
41g(61%)。
LC-MS(m/z)211(M-1)-
(iii) 6−フルオロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)
標記化合物は、上記の実施例22(iii)に記載した方法によって、6−フルオロ
−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−カルボン酸(250mg;1.18ミリモル;上記
工程(ii)から)、HATU(500mg;1.32ミリモル)、H-Aze-Pab(Z)×HCl(570mg;1.3ミ
リモル;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方
法によって製造した)および2,4,6−トリメチルピリジン(0.70g;5.3ミリモル)
から製造した。粗製の生成物は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(55:
45))を使用して精製した。関係のあるフラクションを部分的に濃縮しそして塩化
メチレンで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、ジアステレオマ
ー混合物290mg(40%)を得た。
FAB-MS(m/z)561(M+1)+
(iv) 6−フルオロ−4−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
HOAc(80μl)およびPd/C(5%;93mg)を、EtOH(10ml)中の6−フルオロ−4
−ヒドロキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)(140mg;0.25ミリモル;上
記工程(iii)から)の溶液に加えそして混合物を周囲温度および圧力下で4時間水
素添加した。混合物をセライトを通して濾過した。溶液を濃縮しそして粗製物質
を、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(20:80))を使用して精製した。収
量72mg(59%)。
実施例 26
4−ヒドロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i) 4−ヒドロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエス
テル
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977ff)により記載され
ている方法によって、6−メチルクロマノン(3.11g;19.2ミリモル)、Me3SiCN
(2.1g;21.2ミリモル)およびZnI2(20mg;触媒)から製
造した。収量2.80g(62%)。
(ii) 4−ヒドロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−カルボン酸
水(15ml)中のLiOH・H2O(0.78g;18.6ミリモル)の溶液を、THF(10ml)中の4−
ヒドロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−カルボン酸メチルエステル(2.2g
;9.3ミリモル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物を室温で一夜撹
拌した。THFを蒸発しそして水相をエーテルで洗浄した。得られた溶液をHCl(2
M)で酸性にしそしてエーテルで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして蒸発
して標記化合物を得た。収量:1.21mg(62%)。
(iii) 4−ヒドロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)
標記化合物は、上記の実施例22(iii)に記載した方法によって、4−ヒドロキ
シ−6−メチルクロマン−4−イル−カルボン酸(310mg;1.49ミリモル;上記工
程(ii)から)、HATU(620mg;1.63ミリモル)、H-Aze-Pab(Z)(790mg;2.2ミリモル
;国際特許出願WO 97/02284に記載されている方法によって製造した)および2,4
,6−トリメチルピリジン(0.37g;3.0ミリモル)から製造した。粗製の生成物は
、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(45:55))を使用して精製した。関係
のあるフラクションを部分的に濃縮しそして塩化メチレンで抽出した。有機層を
乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、ジアステレオマー混合物675mg(81%)を得た。
LC-MS(m/z)557(M+1)+
(iv) 4−ヒドロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
HOAc(80μl)およびPd/C(5%;150mg)を、EtOH(10ml)に溶解した4−ヒド
ロキシ−6−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)(240mg;0.43ミリモ
ル;上記工程(iii)から)の溶液に加えそして混合物を周囲温度および圧力下で一
夜水素添加した。混合物をセライトを通して濾過した。凍結乾燥して159mg(76%
)の収量で標記化合物を得た。
LC-MS(m/z)423(M+1)+
実施例 27
8−クロロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab
xHOAc
(i) 3−(2−クロロ−4−メトキシフェノキシ)プロピオン酸エチル
ナトリウム(0.055g;2.4ミリモル)およびエタノール(1.5ml)を、2−クロロ
−4−メトキシフェノール(5.20g;32.8ミリモル)の溶融物に加えた。すべての
ナトリウムが溶解した後に、アクリル酸エチル(4.1g;41ミリモル)を加えそし
て混合物を105℃で7日間加熱した。それから、混合物をRTに冷却しそしてエー
テルと水との間に分配した。混合物をHCl(2M;水性)で酸性にしそしてエーテ
ルで3回抽出した。合した有機層をNaOH(2M;水性)で洗浄し、乾燥(CaCl2)し
そして蒸発した。粗製の生成物(2.7g)は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニ
ウム(60:40))を使用して精製した。収量1.90g(22%)。
(ii) 3−(2−クロロ−4−メトキシフェノキシ)プロピオン酸
水(20ml)中のLiOH・H2O(0.67g;16ミリモル)の溶液を、THF(10ml)中の3−(
2−クロロ−4−メトキシフェノキシ)プロピオン酸エチル(1.90g;7.3ミリモ
ル;上記工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物をRTで一夜撹拌し、THFを蒸
発しそして水相をエーテルで洗浄した。得られた溶液をHCl(2M)で酸性にしそ
してエーテルで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして蒸発して標記化合物0.
90g(54%)を得た。
LC-MS(m/z)229(M-1)-
(iii) 8−クロロ−6−メトキシクロマン−4−オン
五塩化燐(1.3g;6.2ミリモル)を、ベンゼン(10ml)中の3−(2−クロロ−4
−メトキシフェノキシ)プロピオン酸(0.85g;3.7ミリモル;上記工程(ii)から)
の懸濁液に加えた。得られた透明な溶液を、急速に加熱沸騰させそしてそれから
氷浴上で冷却した。塩化アルミニウム(1.5g;11ミリモル)を小量ずつ加えそし
て添加完了後に氷水を加えた。エーテルで抽出し、有機層をNaHCO3(水性)および
NaOH(2M;水性)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して標記化合物0.73g(9
3%)を得た。
(iv) 8−クロロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボ
ン酸アミド
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993),36,1977ff)により記載さ
れている方法によって相当するメチルエステルを製造する試みの間に、8−クロ
ロ−6−メトキシクロマノン(0.73g;3.4ミリモル;上記工程(iii)から)、Me3S
iCN(0.94g;7.6ミリモル)およびZnI2(50mg;触媒)から得られた。粗製生成
物は小量の相当するメチルエステルおよび大量のアミドからなる。アミドは分取
RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;30:70〜70:30)によって精製した。収量
0.39g(44%)。
LC-MS(m/z)256(M-1)-
(v) 8−クロロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボ
ン酸
KOH(1.2g;21ミリモル)および水(25ml)を、i-PrOH(25ml)中の4−ヒドロキシ
−8−クロロ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸アミド(0.39g;1
.5ミリモル;上記工程(iv)から)の溶液に加えた。反応混合物を一夜還流し、i-P
rOHを蒸発しそして水溶液をエーテルで洗浄した。反応混合物をHCl(2M)で酸性
にしそして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして蒸発した。収
量:0.38mg(97%)。
LC-MS(m/z)257(M-1)-
(vi) 8−クロロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)-A
ze-Pab(Teoc)
標記化合物は、上記の実施例22(iii)に記載した方法によって、4−ヒドロキ
シ−8−クロロ−6−メトキシクロマン−4−イル−カルボン酸(260mg;1.00ミ
リモル;上記工程(v)から)、HATU(420mg;1.1ミリモル)、H-Aze-Pab(Teoc)×HC
l(490mg;1.1ミリモル;上記実施例19(iv)参照)および2,4,6−トリメチルピリジ
ン(600mg;4.5ミリモル)から製造した。粗製の生成物は分取RPLC(CH3CN:0.1M
酢酸アンモニウム(55:45))を使用して精製した。関係のあるフラクションを部
分的に濃縮しそして塩化メチレンで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃
縮してジアステレオマー混合物340mg(55%)を得た。
LC-MS(m/z)617(M+1)+
(vii) 8−クロロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)-
Aze-Pab×HOAc
標記化合物は、上記の実施例19(vi)に記載した方法によって、4−ヒドロキシ
−8−クロロ−6−メトキシクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(150mg;
0.24ミリモル;上記の工程(vi)から)およびBu4NF(THF中の
1.0M;0.32ml)を使用して製造した。粗製物質は分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸ア
ンモニウム(20:80))を使用して精製した。収量113mg(87%)。LC-MS(m/z)473(M-1)-
実施例 28
6−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab×
HOAc
(i) 3−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸エチル
標記化合物は、上記の実施例27(i)に記載した方法によって、4−クロロ−2
−メチルフェノール(4.99g;35.0ミリモル)、ナトリウム(0.055g;2.4ミリモ
ル)、エタノール(1.5ml)およびアクリル酸エチル(4.1g;41ミリモル)から製造
した。粗製生成物(1.98g;23%)は、さらに精製することなしに次の工程に使用
した。
(ii) 3−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸
水(10ml)中のLiOH・H2O(0.50g;12ミリモル)の溶液を、THF(20ml)中の3−(
4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸エチル(1.98g;8.15ミリモル
;上記の工程(i)から)の溶液に加えた。反応混合物を室温で一夜撹拌し、THFを
蒸発しそして水相をエーテルで洗浄した。得られた溶液をHCl(2M)で酸性にし
、その後固体を沈澱させた。生成物を濾過しそして空気−乾燥して標記化合物0.
62g(35%)を得た。
LC-MS(m/z)213(M-1)-
(iii) 6−クロロ−8−メチルクロマン−4−オン
五塩化燐(0.95g;4.6ミリモル)を、ベンゼン(10ml)中の3−(4−クロロ−2
−メチルフェノキシ)プロピオン酸(0.59g;2.7ミリモル;上記の
工程(ii)から)の懸濁液に加えた。得られた透明な溶液を、急速に加熱沸騰させ
そしてそれから氷浴上で冷却した。塩化アルミニウム(1.0g;7.5ミリモル)を小
量ずつ加えそして添加完了後に氷水を加えた。エーテルで抽出し、有機層を水性
NaHCO3およびNaOH(2M;水性)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して標記化
合物0.27g(50%)を得た。
(iv) 6−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルクロマン−4−イル−カルボン
酸アミド
標記化合物は、Bigge等(J.Med.Chem.(1993)36,1977ff)によって記載さ
れている方法を使用して上記の実施例27(iv)に記載したようにして、6−クロロ
−8−メチルクロマノン(0.27g;1.37ミリモル;上記工程(iii)から)、Me3SiCN
(0.29g;1.52ミリモル)およびZnI2(46mg;触媒)から製造した。粗製生成物
は小量の相当するメチルエステルおよび大量のアミドからなる。アミドは分取RP
LC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;30:70〜70:30)によって精製した。収量0.
17g(50%)。
LC-MS(m/z)240(M-1)-
(v) 6−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルクロマン−4−イル−カルボン
酸
KOH(1.25g;22.3ミリモル)および水(20ml)を、i-PrOH(20ml)中の4−ヒドロ
キシ−6−クロロ−8−メチルクロマン−4−イル−カルボン酸アミド(0.17g
;0.69ミリモル;上記工程(iv)から)の溶液に加えた。反応混合物を一夜還流し
、i-PrOHを蒸発しそして水溶液をエーテルで洗浄した。反応混合物をHCl(2M)
で酸性にしそして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして蒸発し
た。収量0.13g(78%)。
(vi) 6−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze
-Pab(Teoc)
DMF(5ml)中の6−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルクロマン−4−イル
−カルボン酸(130mg;0.54ミリモル;上記工程(v)から)およびHATU(220mg;0.5
9ミリモル)の溶液を、0℃で1.5時間撹拌しそしてDMF(3ml)中のH-Aze-Pab(Teoc
)×HCl(270mg;0.59ミリモル;上記の実施例19(iv)参照)および2,4,6−トリメチ
ルピリジン(320ml;2.4ミリモル)の混合物を0℃で加えた。0℃で3時間撹拌し
た後に、反応混合物を濃縮しそして粗製生成物を分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸ア
ンモニウム(55:45))を使用して精製した。関係のあるフラクションを部分的に
濃縮しそして塩化メチレンで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して
ジアステレオマー混合物79mg(24%)を得た。
LC-MS(m/z)601(M-1)-
(vii) 6−クロロ−4−ヒドロキシ−8−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Az
e-Pab×HOAc
Bu4NF(THF中1.0M;0.20ml)を、0℃のTHF(5ml)中の6−クロロ−4−ヒドロ
キシ−8−メチルクロマン−4−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(79mg;0.13ミリモ
ル;上記工程(vi)から)の溶液に加える。溶液を60℃で一夜撹拌しそしてその後
濃縮した。粗製物質は分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(20:80))を使用
して精製した。収量37mg(54%)。
LC-MS(m/z)473(M-1)-
実施例 29
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(O-C(O)-i-Pr)
2−メチルプロパン酸無水物(7.3mg;4.6μモル)を、塩化メチレン(1ml)中の
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Azc-Pab(OH)(20mg;44μモル;上記実施例14参照)およびEt3N(4.9mg;49μモル
)の氷冷溶液に加えそして混合物をRTで一夜撹拌した。混合物をさらに追加量の
塩化メチレンでうすめ、水で3回そしてブラインで1回洗浄し、乾燥(Na2SO4)し
そして濃縮した。粗製生成物を分取RPLC(CO3CN:0.1M酢酸ナトリウム(40:60))
を使用して精製しそして関係のあるフラクションを濃縮した。凍結乾燥して標記
化合物13mg(56%)を得た。
LC-MS(m/z)523(M+1)+
実施例 30
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(O-C(O)-Et)
プロパン酸無水物(9.5mg;73μモル)を、塩化メチレン(1ml)中の(S)−また
は(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(O
H)(30mg;66μモル;上記の実施例14参照)およびEt3N(7.4mg;73μモル)の氷冷
溶液に加えた。混合物を室温で一夜撹拌した。粗製生成物を分取RPLC(CH3CN:0
.1M酢酸アンモニウム;30:70〜40:60)
を使用して精製しそして関係のあるフラクションを濃縮した。凍結乾燥して標記
化合物19mg(56%)を得た。
LC-MS(m/z)509(M+1)+
実施例 31
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(O-C(O)-Ch)
シクロヘキサンカルボン酸クロライド(7.3mg;46μモル)を、塩化メチレン(1
ml)中の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イ
ル−C(O)-Aze-Pab(OH)(30mg;66μモル;上記の実施例14参照)およびEt3N(7mg
;73μモル)の氷冷溶液に加えた。混合物をRTで一夜撹拌した。混合物をさらに
追加量の塩化メチレンでうすめそして混合物を水で3回そしてブラインで1回洗
浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。粗製生成物を分取RPLC(CH3CN:0.1M酢
酸アンモニウム(40:60))を使用して精製しそして関係のあるフラクションを濃
縮した。凍結乾燥によって標記化合物18mg(50%)を得た。
LC-MS(m/z)563(M+1)+
実施例 32
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(O−アリル)
(i) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)-Aze-Pab(Teoc)
標記化合物は、上記の実施例22(iii)に記載した方法によって、1−ヒドロキ
シ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.44g;2.0ミリモル;上
記実施例1(ii)参照)、HATU(0.80g;2.1ミリモル)、H-Aze-Pab(Teoc)×HCl(1.1
7g;2.6ミリモル;上記実施例19(iv)参照)および2,4,6−トリメチルピリジン(1
.2g;10ミリモル)から製造した。粗製生成物(1.73g)は分取RPLC(CH3CN:0.1
M酢酸アンモニウム;55:45〜45:55)を使用して精製した。関係のあるフラク
ションを部分的に濃縮しそして塩化メチレンで抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)
しそして濃縮して、ジアステレオマー混合物0.32g(28%)を得た。分取RPLC(CH3
CN:0.1M酢酸アンモニウム(46:54))によって、2種のジアステレオマー:化合
物32A(急速に移動するジアステレオマー;0.16g;28%)および化合物32B(緩慢
に移動するジアステレオマー;0.16g;28%)を得た。
化合物32A:
LC-MS(m/z)581(M+1)+
(ii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1
−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(O−アリル)
O−アリルヒドロキシルアミン×HCl(57mg;0.52ミリモル)を、THF(3ml)中の
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(Teoc)(50mg;86μモル;上記工程(i)からの化合物32A)の溶液に加え
そして混合物を60℃で一夜撹拌した。溶液を濃縮しそして粗製生成物を分取RPLC
(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;55:45〜60:40)を使用して精製した。関係
のあるフラクションを濃縮しそして残留混合物を塩化メチレンで抽出した。有機
層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、標記化合物28mg(51%)
を得た。
(iii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イ
ル−C(O)-Aze-Pab(O−アリル)
標記化合物は実施例19(vi)に記載した方法によって、CH3CN(2ml)およびBu4NF
(THF中1M;0.1ml;0.1ミリモル)中の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7
−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(O−アリル)(28mg;44
μモル;上記の工程(ii)から)から製造した。粗製生成物はフラッシュクロマト
グラフィー(Si−ゲル;酢酸エチル)を使用して精製した。収量10mg(46%)。
LC-MS:(m/z)493(M+1)+
実施例 33
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(O-Bzl)
(i) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(O-Bzl)
O−ベンジルヒドロキシルアミン×HCl(82mg;0.52ミリモル)を、THF(3ml)中
の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(
O)-Aze-Pab(Teoc)(50mg;86μモル;上記実施例32(i)参照)の溶液に加えそして
混合物を60℃で一夜撹拌した。溶液を濃縮しそして粗製生成物を分取RPLC(CH3C
N:0.1M酢酸アンモニウム;60:40〜70:30)を使用して精製した。関係のある
フラクションを濃縮しそして残留した混合物を塩化メチレンで抽出した。有機層
をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、標記化合物41mg(70%)を
得た。LC-MS:(m/z)687(M+1)+
(ii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)-Aze-Pab(O-Bzl)
標記化合物は上記の実施例19(vi)に記載した方法によって、(S)−または(R)
−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze
-Pab(Teoc)(O-Bzl)(28mg;44μモル;上記工程(i)から)およびBu4NF(THF中の1
M;0.1ml;0.1ミリモル)から製造した。粗製生成物(21mg)はフラッシュクロマ
トグラフィー(Siゲル;酢酸エチル)を使用して精製した。収量:10mg(35%)。
LC-MS:(m/z)543(M+1)+
実施例 34
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(CO-O−メタリル)
(i) p−ニトロフェニル−メタリルカーボネート
ピリジン(1.21g;15ミリモル)を、塩化メチレン(40ml)中のメタリルアルコー
ル(1.0g;14ミリモル)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(3.07g;15ミリモ
ル)の氷冷溶液に加えそして得られた混合物を室温で1時間撹拌した。その後、
溶液をKHSO4(3×)およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して、
標記化合物2.9g(88%)を得た。
(ii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)-Aze-Pab(CO-O−メタリル)
NaOH(水性;2M;0.35ml;0.7ミリモル)を、THF(3ml)中の(S)−または(R)
−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze
-Pab×HOAc(32mg;64μモル;上記実施例3参照)の氷冷溶液に加えた。その後p
−ニトロフェニル−メタリルカーボネート(17mg;71μモル;上記工程(i)から)
を加えそして溶液をRTで1時間撹拌した。粗製生成物は分取RPLC(CH3CN:0.1M
酢酸アンモニウム(40:60))を使用して精製した。関係のあるフラクションを濃
縮しそして水溶液を塩化メチレンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥
(Na2SO4)しそして濃縮した。生成物をCH3CN/水に溶解しそして凍結乾燥して標
記化合物23mg(67%)を得た。
LC-MS:(m/z)535(M+1)+
実施例 35
1−ヒドロキシ−7−アミノテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(OH)
(i) 1−ヒドロキシ−7−ニトロテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)
標記化合物は上記の実施例22(iii)に記載した方法によって、1−ヒドロキシ
−7−ニトロテトラリン−1−イル−カルボン酸(200mg;0.84ミリモル;上記の
実施例7(ii)参照)、HATU(353mg;0.93ミリモル)、H-Aze-Pab(Teoc)(417mg;0.9
3ミリモル;上記の実施例19(iv)参照)および2,4,6−トリメチルピリジン(409mg
;3.37ミリモル)から製造した。粗製生成物は分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモ
ニウム(50:50))を使用して精製した。関係のあるフラクションを濃縮しそして
凍結乾燥して標記化合物226mg(45%)を得た。
LC-MS:(m/z)596(M+1)+
(ii) 1−ヒドロキシ−7−アミノテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)
1−ヒドロキシ−7−ニトロテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(48m
g;81μモル;上記工程(i)から)、酢酸(5mg;81μモル)およびPd/C(5%;2
4mg)の混合物を、周囲温度および圧力下で3時間水素添加した。得られた混合
物をセライトを通して濾過しそして濃縮して標記化合物37mg(85%)を得た。
LC-MS:(m/z)566(M+1)+
(iii) 1−ヒドロキシ−7−アミノテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(OH)
THF(10ml)中のヒドロキシルアミン×HCl(29mg;41ミリモル)およびTEA(140mg
;1.38ミリモル)の混合物を、40℃で1時間超音波処理した。THF(5ml)中の1−
ヒドロキシ−7−アミノテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(Teoc)(140mg;1.
38ミリモル;上記工程(iii)から)の溶液を加えそして混合物を40℃で3日間撹拌
した。得られた混合物を濃縮しそして粗製生成物を分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸
アンモニウム(30:70))を使用して精製した。溶液を濃縮および凍結乾燥して標
記化合物20mg(65%)を得た。
LC-MS:(m/z)438(M+1)+
実施例 36
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-Pab(O-Val)
(i) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)-Aze-Pab(O-Val(Boc))
EDC×HCl(16mg;83μモル)を、DMF(3ml)中の(S)−または(R)−1−ヒドロ
キシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)-Aze-Pab(OH)(30mg;66μモル
;上記の実施例14参照)、Boc-Val-OH(18mg;83μモル)およびDMAP(24mg;0.20ミ
リモル)の氷冷溶液に加えそして溶液を一夜撹拌した。得られた混合物を水(200m
l)に注加しそして混合物をEtOAcで3回抽出した。合した有機相を稀クエン酸溶
液およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。粗製生成物(41mg)
は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム(40:60))を使用して精製した。収
量13mg(30%)。
LC-MS:(m/z)652(M+1)+
(ii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)-Aze-Pab(O-Val)
HClで飽和したEtOAc(5ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1
−イル−C(O)-Aze-Pab(O-Val(Boc))(12mg;18μモル;上記工程(i)から)の氷冷
溶液を80分撹拌した。その後、溶液を濃縮し、水に溶解しそして一夜凍結乾燥し
て、標記化合物11mg(96%)を得た。
LC-MS:(m/z)552(M+1)+
実施例 37
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
-Aze-(Me)Pab
(i) メチル−4−シアノベンジリデンイミン
トルエン(150ml)中のp−シアノベンズアルデヒド(13.1g;0.1モル)、メチル
アミン(3.1g;0.1モル)およびp-TsOH(50mg;触媒)の溶液を、RTで一夜撹拌した
。その後それを水性NaHCO3(2×)およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそし
て濃縮した。収量14.4g(100%)。
(ii) メチル−4−シアノベンジルアミン
NaBH4(4.54g;0.42モル)を、EtOH中のメチル−4−シアノベンジリデンイミン
(14.4g;0.1モル;上記工程(i)から)の氷冷溶液に小量ずつ加えた。溶液をRT
で一夜撹拌しそして得られた溶液をHCl(2M;水性)でクエンチし、エーテル(2
×)で洗浄し、NaOH(2M;水性)でアルカリ性にしてpH10となしそしてEtOAc(3
×)で抽出した。有機溶液を水およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして
濃縮した。収量11.4g(78%)。
(iii) Boc-Aze-N(Me)-Bzl-4-CN
EDC×HCl(14.5g;76ミリモル)を、CH3CN(500ml)中のメチル−4−シアノベン
ジルアミン(11.4g;78ミリモル)、Boc-Aze(OH)(15.4g;78ミリモル)およびDMA
P(10.5g;82ミリモル)の氷冷溶液に小量ずつ加えた。その後混合物をRTで一夜
撹拌した。得られた混合物をEtOAcと水との間に分配し、水性相をEtOAc(3×100
ml)で抽出し、そして合した有機層をNaHSO4(2×)、水(2×)およびブライン(1
×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそして濃縮した。粗製生成物の収量は23.2g(90%
)であった。小量(6.17g;18.7ミリモル)を、フラッシュクロマトグラフィー(Si
ゲル;EtOAc)を使用して精製した。収量4.0g(65%)。
(iv) Aze-N(Me)-Bzl-4-CN×HCl
EtOAc(HClで飽和;50ml)中のBoc-Aze-N(Me)-Bzl-4-CN(4.0g;12ミリモル;上
記工程(iii)から)の溶液を、15分撹拌しその後溶液を濃縮した。収量3.1g(定量
的)。(v) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−Aze-N(Me)-Bzl-4-CN
DMF(3ml)中のAze-N(Me)-Bzl-4-CN×HCl(0.56g;2.1ミリモル;上記工程(iv)
から)および2,4,6−トリメチルピリジン(0.51g;4.2ミリモル)の溶液を、DMF(3
ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.44
g;2.0ミリモル;上記実施例1(ii)参照)およびHATU(0.80g;2.1ミリモル)の
氷冷溶液に加えそして混合物をRTで一夜撹拌した。得られた混合物を水(0.5l)に
注加しそしてEtOAc(3×)で抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥(Na2S
O4)しそして蒸発した。粗製生成物(1.06g)は分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモ
ニウム(32.5:67.5))を使用して精製して2種のジアステレオ異性体、すなわち
、急速に移動するジアステレオ異性体(化合物37A;収量215mg(50%))および緩慢
に移動するジアステレオ異性体(化合物37B;収量205mg(48%))を得た。
化合物37A
(vi) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−Aze-N(Me)-Bzl-4-C(NH2)NOH
エタノール(無水;3ml)中の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキ
シテトラリン−1−イル−Aze-N(Me)-Bzl-4-CN(0.18g;0.42ミリモル;上記工
程(v)からの化合物37A)、ヒドロキシルアミン×HCl(88mg;1.3ミリモル)および
TEA(0.18ml;1.3ミリモル)の溶液を、RTで36時間撹拌した。その後粗製生成物を
フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール(90:10))を使用して
精製した。関係のある合したフラクションを濃縮した。収量0.18g(91%)。
LS-MS(m/z)467(M+1)+
(vii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イ
ル−Aze-N(Me)-Bzl-4-C(NH2)NH×HOAc
エタノール中の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン
−1−イル−Aze-N(Me)-Bzl-4-C(NH2)NOH(60mg;0.13ミリモル;上記の工程(vi)
から)、HOAc(15mg;0.26ミリモル)およびPd/C(10%;27mg)の混合物を、2日間
クロマトグラフィー処理し、その後混合物をセライトを通して濾過した。得られ
た溶液を濃縮しそして粗製生成物を分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;1
0:90〜20:80)を使用して精製した。関係のあるフラクションを部分的に濃縮し
そして一夜凍結乾燥した。収量18mg(27%)。
LS-MS(m/z)451(M+1)+
実施例 38
9−ヒドロキシフルオレン−9−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
(i) 9−ヒドロキシフルオレン−9−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)
標記化合物は上記の実施例3(i)に記載した方法によって、9−ヒドロキシフ
ルオレン−9−イル−カルボン酸(230mg;1.0ミリモル)、TBTU(350mg;1.1ミリ
モル)、H-Aze-Pab(Z)×HCl(500mg;1.25ミリモル;国際特許出願WO 97/02284に
記載されている方法によって製造した)およびDIPEA(0.52g;4.0ミリモル)から
製造した。粗製生成物は、分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;50:50)を
使用して精製した。関係のあるフラクションを部分的に濃縮しそしてEtOAc(3×
)で抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)しそして濃縮して標記化合物266mg(46%)を
得た。
LS-MS(m/z)575(M+1)+
(ii) 9−ヒドロキシフルオレン−9−イル−C(O)-Aze-Pab×HOAc
Pd/C(5%;100mg)およびHOAc(9μl)を、EtOH(10ml)中の9−ヒドロキシ
フルオレン−9−イル−C(O)-Aze-Pab(Z)(70mg;0.12ミリモル;上記工程(i)か
ら)の混合物に加えた。混合物を周囲温度および圧力下で6
時間水素添加した。混合物をセライトを通して濾過し、濃縮しそして水に溶解し
た。その後水溶液を凍結乾燥した。収量53mg(88%)。
FAB-MS(m/z)441(M+1)+
実施例 39
実施例1〜12、19〜28、37および38の標記化合物(これらはすべて式Iの化合
物である)は、上述した試験Aにおいて試験しそしてすべてが0.3μM以下のIC5 0
TT値を示すことが見出された。
実施例 40
実施例13〜18および29〜36の標記化合物(これらはすべて式Iaの化合物であ
る)は、上述した試験Aにおいて試験しそしてすべてが1μM以下のIC50TT値を
示すことが見出された。
実施例 41
実施例13〜18および29〜36の標記化合物(これらはすべて式Iaの化合物であ
る)は、上述した試験Eにおいて試験しそしてすべてが式Iの相当する活性阻害
剤のように、ラットにおいて経口的および(または)非経口的生物学的利用能を
示すことが見出された。
略号
Ac= アシル
AcOH= 酢酸
Aze= アゼチジン−2−カルボキシレート
AzeOH= アゼチジン−2−カルボン酸
DCC= ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIPEA= ジイソプロピルエチルアミン
DMAP= N,N−ジメチルアミノピリジン
DMF= ジメチルホルムアミド
DMSO= ジメチルスルホキシド
EDC= 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸
塩
Et エチル
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH= エタノール
h= 時間
HATU= O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチ
ルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU= [N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)
ウロニウムヘキサフルオロホスフェート]
HCl(g)= 塩化水素ガス
HOAc= 酢酸
LC= 液体クロマトグラフィー
Me= メチル
MeOH= メタノール
Pab-H= パラ−アミジノベンジルアミノ
H-Pab-H= パラ−アミジノベンジルアミン
QF= テトラブチルアンモニウムフルオライド(Bu4NF)
RPLC= 分取用逆相高性能液体クロマトグラフィー
RT= 室温
TBTU= [N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)
ウロニウムテトラフルオロボレート
TEA= トリエチルアミン
Teoc= 2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル
THF= テトラヒドロフラン
TLC= 薄層クロマトグラフィー
Val= L−バリン
Z= ベンジルオキシカルボニル
接頭辞n、s、iおよびtは、普通の意義、すなわちノルマル、イソ、第2級
および第3級を意味する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年7月7日(1999.7.7)
【補正内容】
(式中、Baはフェニル−1,4−エンまたはシクロヘキシル−1,4−エンを示しそし
てR1、Rx、Y、Ryおよびnは上述した通りである)の化合物を式XXXVIII
H2NORa1 XXXVIII
(式中、Ra1はHまたはRaを示しそしてRaは上述した通りである)の化合物と反
応させることによって製造することができる。D1またはD2がOHまたはORaを示す
式Iaの化合物は、また、同様なやり方で、式Ia〔式中、D1またはD2(適当な
ものとして)はC(O)ORdを示しそしてRdは上述した通りである〕の相当する化合物
を上述したような式XXXVIIIの化合物と反応させることによって製造すること
ができる。
式XXXVIIの化合物は、例えば式Iの化合物に対して上述した方法と同様な
やり方でペプチドカップリング技術によって製造することができる。式XXXV
a、XXX・、XXXVIaおよびXXXVIIIの化合物は、商業的に入手すること
ができるか、文献において公知であるか、または既知技術を使用して入手するこ
とができる。
実施例 20
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−クロロテトラリン−1−イル−C(O)−
Aze−Pab
(i) 7−アミノ−1−テトラロン
ギ酸アンモニウム(2g)、Pd/C(5%;1g)およびギ酸(0.5g;触媒)を、こ
の順序でメタノール(50ml)中の7−ニトロ−1−テトラロン(1.95g;10ミリモ
ル)の溶液に加えそして混合物を30分撹拌した。溶液を濾過しそして濾液を濃縮
した。残留物を塩化メチレン(50+25ml)で浸漬しそして混合物を濾過しそして濃
縮した。収量1.4g(88%)。
(ii) 7−クロロ−1−テトラロン
水(10ml)に溶解したNaNO2(0.7g;10ミリモル)を、撹拌しながら濃HCl(水性)
中の7−アミノ−1−テトラロン(1.4g;88ミリモル;上記工程(i)から)の氷
冷溶液に、5分にわたって加えた。それから得られた冷溶液を、徐々に濃HCl(水
性)中のCuCl(1.5g;15ミリモル)の氷冷溶液に加えた。その後、得られた溶液を
室温で2時間そして60℃で30分撹拌した。スラリーを氷で冷却しそして得られた
沈澱を吸引濾過し、水で洗浄しそして空気乾燥した。収量1.50g(94%)。
(ii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)−Aze−Pab(O-Val)
HClで飽和したEtOAc(5ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1
−イル−C(O)-Aze-Pab(O-Val(Boc))(12mg;18μモル;上記工程(i)から)の氷冷
溶液を80分撹拌した。その後、溶液を濃縮し、水に溶解しそして一夜凍結乾燥し
て、標記化合物11mg(96%)を得た。
LC-MS:(m/z)552(M+1)+
実施例 37
(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−C(O)
−Aze−N(Me)−Bzl−4−C(NH2)NH×HOAc
(i) メチル−4−シアノベンジリデンイミン
トルエン(150ml)中のp−シアノベンズアルデヒド(13.1g;0.1モル)、メチル
アミン(3.1g;0.1モル)およびp-TsOH(50mg;触媒)の溶液を、RTで一夜撹拌した
。その後それを水性NaHCO3(2×)およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)しそし
て濃縮した。収量14.4g(100%)。
(iv) Aze-N(Me)-Bzl-4-CN×HCl
EtOAc(HClで飽和;50ml)中のBoc-Aze-N(Me)-Bzl-4-CN(4.0g;12ミリモル;上
記工程(iii)から)の溶液を、15分撹拌しその後溶液を濃縮した。収量3.1g(定量
的)。
(v) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)−Aze−N(Me)−Bzl−4−CN
DMF(3ml)中のAze-N(Me)-Bzl-4-CN×HCl(0.56g;2.1ミリモル;上記工程(iv)
から)および2,4,6−トリメチルピリジン(0.51g;4.2ミリモル)の溶液を、DMF(
3ml)中の1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル−カルボン酸(0.
44g;2.0ミリモル;上記実施例1(ii)参照)およびHATU(0.80g;2.1ミリモル)
の氷冷溶液に加えそして混合物をRTで一夜撹拌した。得られた混合物を水(0.5l)
に注加しそしてEtOAc(3×)で抽出した。有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥(Na2
SO4)しそして蒸発した。粗製生成物(1.06g)は分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アン
モニウム(32.5:67.5))を使用して精製して2種のジアステレオ異性体、すなわ
ち、急速に移動するジアステレオ異性体(化合物37A;収量215mg(50%))および緩
慢に移動するジアステレオ異性体(化合物37B;収量205mg(48%))を得た。
化合物37A
(vi) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イル
−C(O)−Aze−N(Me)−Bzl−4−C(NH2)NOH
エタノール(無水;3ml)中の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキ
シテトラリン−1−イル−C(O)−Aze−N(Me)−Bzl−4−CN(0.18g;0.42ミリモ
ル;上記工程(v)からの化合物37A)、ヒドロキシルアミン×HCl(88mg;1.3ミリ
モル)およびTEA(0.18ml;1.3ミリモル)の溶液を、RTで36時間撹拌した。その後
粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール(90:10
))を使用して精製した。関係のある合したフラクションを濃縮した。収量0.18g
(91%)。
LS-MS(m/z)467(M+1)+
(vii) (S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン−1−イ
ル−C(O)−Aze−N(Me)−Bzl−4−C(NH2)NH×HOAc
エタノール中の(S)−または(R)−1−ヒドロキシ−7−メトキシテトラリン
−1−イル−C(O)−Aze−N(Me)−Bzl−4−C(NH2)NOH(60mg;0.13ミリモル;上
記の工程(vi)から)、HOAc(15mg;0.26ミリモル)およびPd/C(10%;27mg)の混合
物を、2日間クロマトグラフィー処理し、その後混合物をセライトを通して濾過
した。得られた溶液を濃縮しそして粗製生成
物を分取RPLC(CH3CN:0.1M酢酸アンモニウム;10:90〜20:80)を使用して精製
した。関係のあるフラクションを部分的に濃縮しそして一夜凍結乾燥した。収量
18mg(27%)。
請求の範囲
1.式I
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
上記式において、
R1は、H、C1-4アルキル(場合によっては、シアノ、ハロゲン、OH、C(O)O
R1aまたはC(O)N(R1b)R1cから選択された1個または2個以上の置換分によって置
換されていてもよい)またはOR1dを示し;
R1dは、H、C(O)R11、SiR12R13R14またはC1-6アルキル(後者の基は場合によ
ってはOR15また(CH2)qR16から選択された1個または2個以上の置換分によって
置換または終結されていてもよい)を示し;
R12、R13およびR14は、独立してH、フェニルまたはC1-6アルキルを示し;
R16は、C1-4アルキル、フェニル、OH、C(O)OR17またはC(O)N(H)R18を示し;
R18は、H、C1-4アルキルまたはCH2C(O)OR19を示し;
R15およびR17は、独立してH、C1-6アルキルまたはC1-3アルキルフェニルを
示し;
R1a、R1b、R1c、R11およびR19は、独立してHまたはC1-4アルキルを示し;
そして
qは、0、1または2を示し;
Rxは、式IIa、IIbまたはIIc
〔式中、
点線は、独立して、場合によっては二重結合を示すことができ;
AおよびBは、独立して、OまたはS、CHまたはCH2(適当なものとして)、
またはNまたはN(R21)(適当なものとして)を示し;
Dは、-CH2-、O、S、N(R22)、−(CH2)2-、-CH=CH-、-CH2N(R22)-、-N(R22
)CH2-、-CH=N-、-N=CH-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2S-または-SCH2-を示し;
X1は、C2-4アルキレン;Zによって中断されたC2-3アルキレン;-C(O)-Z-A1
;-Z-C(O)-A1-;-CH2-C(O)-A1;-Z-C(O)-Z-A2-;-CH2-Z-C(O)-A2-;-Z-CH2-C(O)-A2-
;-Z-CH2-S(O)m-A2-;-CH2-Z-S(O)m-A2-;-C(O)-A3;-Z-A3-または-A3-Z-を示し;
X2は、C2-3アルキレン、-C(O)-A4-または-A4-C(O)を示し;
X3は、CHまたはNを示し;
X4は、単一結合、O、S、C(O)、N(R23)、-CH(R23)-、-CH(R23)-CH(R24)-ま
たは-C(R23)=C(R24)-を示し;
A1は、単一結合または-C1-2アルキレンを示し;
A2は、単一結合または-CH2-を示し;
A3は、C1-3アルキレンを示し;
A4は、C(O)またはC1-2アルキレンを示し;
Zは、それぞれの場合において、O、S(O)mまたはN(R25)を示し;
mは、それぞれの場合において、0、1または2を示し;
R2およびR4は、場合によっては、独立してC1-4アルキル(後者の基は、
場合によっては、1個または2個以上のハロゲン置換分によって置換されていて
もよい)、C1-4アルコキシ、メチレンジオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ
、ニトロ、SO2NH2、C(O)OR26またはN(R27)R28から選択された1個または2個以
上の置換分を示すことができ;
R3は、場合によってはOHまたはC1-4アルコキシから選択された置換分を示す
ことができ;
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、独立してHまたはC1-4ア
ルキルを示す〕の構造フラグメントを示し、
Yは、CH2、(CH2)2、CH=CH、(CH2)3、CH2CH=CHまたはCH=CHCH2(後者の3個
の基は、場合によってはC1-4アルキル、メチレン、オキソまたはヒドロキシによ
って置換されていてもよい)を示し;
Ryは、HまたはC1-4アルキルを示し;
nは、0、1、2、3または4を示しそして
Bは、式IIIaまたはIIIc
〔式中、
X5、X6、X7およびX8は、独立して、CH、NまたはN-Oを示し;
R31は場合によってはハロゲンおよびC1-4アルキルから選択された置換分を
示すことができる〕の構造フラグメントを示す;
但し、
(a) AおよびBは、両方ともにOまたはSを示さない;
(b) BおよびDは、両方ともにOまたはSを示さない;
(c) R1がOR1dを示しそしてX1が-C(O)-Z-A1、-Z-CH2-S(O)m-A2-、
-CH2-Z-S(O)m-A2-または-Z-C(O)-Z-A2を示す場合は、A1またはA2(適当なものと
して)は、単一結合を示さない;そして
(d) X4が-CH(R23)-を示す場合は、R1はOHを示さない。
2.R1がOHまたはC1-4アルキル(後者の基は、場合によってはシアノまたはOHに
よって置換されていてもよい)を示す請求項1記載の式Iの化合物。
3.Rxが式IIaの構造フラグメントを示す上記請求項各項の何れかの項記載の式
Iの化合物。
4.Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合は、点線は価標を示し、Aおよび
Bは両方CHを示しそしてDは-CH=CH-を示す上記請求項各項の何れかの項記載の
式Iの化合物。
5.Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合は、X1はC2-またはC3−アルキレ
ン、-O(CH2)-または-O(CH2)2-を示す上記請求項各項の何れかの項記載の式Iの
化合物。
6.X1がC3−アルキレンまたは-O(CH2)2-を示す請求項5記載の式Iの化合物。
7.YがCH2(CH2)2または(CH2)3を示す上記請求項各項の何れかの項記載の式I
の化合物。
8.Bが式IIIaの構造フラグメントを示す場合は、X5、X6、X7およびX8はすべ
てCHを示す上記請求項各項の何れかの項記載の式Iの化合物。
9.Rxが式IIaの構造フラグメントを示しそしてR2が少なくとも1個の置換分を
示す場合は、置換点はB位の所にある炭素原子にある上記請求項各項の何れかの
項記載の式Iの化合物。
10.Rxが式IIaの構造フラグメントを示し、点線が価標を示し、AおよびBが両
方CHを示し、Dが-CH=CH-を示しそしてR2が少なくとも1個の置換分を示す場合
は、環は、環接合に隣接している-CH=CH基(D位)における炭素原子またはB位
の所にある炭素原子またはこれらの位置の両方
において置換されている上記請求項各項の何れかの項記載の式Iの化合物。
11.フラグメント
がS−配置にある上記請求項各項の何れかの項記載の式Iの化合物。
12.医薬的に許容し得る補助剤、希釈剤または担体と混合された請求項1〜11の
何れかの項記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含有する医薬処方物
。
13.医薬として使用するための請求項1〜11の何れかの項記載の化合物またはそ
の医薬的に許容し得る塩。
14.トロンビンの阻害を必要とする病態の治療に使用するための請求項1〜11の
何れかの項記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
15.血栓症の治療に使用するための請求項1〜11の何れかの項記載の化合物また
はその医薬的に許容し得る塩。
16.抗凝固剤として使用するための請求項1〜11の何れかの項記載の化合物また
はその医薬的に許容し得る塩。
17.トロンビンの阻害を必要とする病態を治療する医薬の製造における活性成分
としての請求項1〜11の何れかの項記載の化合物またはその医薬的に許容し得る
塩の使用。
18.病態が血栓症である請求項17記載の使用。
19.抗凝固剤の製造における活性成分としての請求項1〜11の何れかの項記載の
化合物またはその医薬的に許容し得る塩の使用。
20.請求項1〜11の何れかの項記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩の
治療的に有効な量を、病態にかかっているかまたは病態に感受性
である患者に投与することからトロンビンの阻害を必要とする病態の治療方法。
21.病態が血栓症である請求項20記載の方法
22.病態が血液および組織における凝固性冗進である請求項20記載の方法。
23.(a)(i)式IV
(式中、R1およびRxは、請求項1において定義した通りである)の化合物を、
式V
(式中、Ry、Y、nおよびBは請求項1において定義した通りである)の化合
物とカップリングさせるか、または
(ii) 式VI
(式中、R1、RxおよびYは請求項1において定義した通りである)の化合物を
式VII
H(Ry)N-(CH2)n-B VII
(式中、Ry、nおよびBは請求項において定義した通りである)の化合物とカ
ップリングさせるか、または
(b) 請求項24で定義した式Iaの化合物を脱保護することからなる
式Iの化合物の製法。
24.式Ia の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
上記式において、
B1は、式IIIdまたはIIIf
の構造フラグメントを示し;
D1およびD2は、独立して、H、OH、ORa、OC(O)Rb、OC(O)ORc、C(O)ORd、C(O
)Reを示し;
Raは、フェニル、ベンジル、C1-7アルキル(後者の基は、場合によっては酸
素によって中断されていてもよくまたは場合によってはハロゲンによって置換さ
れていてもよい)または-C(Rf)(Rg)-OC(O)Rhを示し;
Rbは、C1-17アルキル(この基は、場合によってはC1-6アルコキシ、C1-6ア
シルオキシ、アミノまたはハロゲンによって置換されていてもよい)、C1-6アル
コキシ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはC1-3アルキルフェニル
(後者の5個の基は場合によってはC1-6アルキルまたはハロゲンによって置換さ
れていてもよい)または-〔C(Ri)(Rj)〕mOC(O)Rkを示し;
Rcは、C1-17アルキル、フェニル、2−ナフチル(後者の3個の基は、場合
によってはC1-6アルキル、Si(Raa)(Rab)(Rac)またはハロゲンによって置換され
ていてもよい)、-〔C(Rm)(Rn)〕nOC(O)Rp、または-CH2-Ar1を示し;
Rdは、2−ナフチル、フェニル、C1-3アルキルフェニル(後者の3個の基は
、場合によってはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ、Si(Rba)(Rbb)(Rbc)
またはハロゲンによって置換されていてもよい)、C1-12アルキル(この基は場合
によってはC1-6アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換され
ていてもよい)、-〔C(Rq)(Rr)〕pOC(O)Rsまたは-CH2-Ar2を示し;
Reは、フェニル、ベンジル、C1-6アルキル(この後者の基は場合によっては
酸素によって中断されていてもよい)または-〔C(Rt)(Ru)〕rOC(O)Rvを示し;
Raa、Rab、Rac、Rba、RbbおよびRbcは、独立してC1-6アルキルまたはフェニ
ルを示し;
Rf、Rg、Ri、Rj、Rm、Rn、Rq、Rr、RtおよびRuは、独立してHまたはC1-6ア
ルキルを示し;
Rh、Rk、Rp、RsおよびRvは、独立してC1-17アルキル(この基は、場合によっ
てはC1-6アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換されていて
もよい)、C1-6アルコキシ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはC1- 3
アルキルフェニル(後者の5個の基は場合によってはC1-6アルキルまたはハロ
ゲンによって置換されていてもよい)を示し;
Ar1およびAr2は、独立して構造フラグメント
を示し;
mおよびrは、独立して3または4を示し;
nおよびpは、独立して1、2または3を示し;そして
R1、Rx、Y、Ry、n、X5、X6、X7、X8およびR31は、上述した通りで あり
;但し
D1およびD2は、両者ともにHを示さない。
25.D1がHを示しそしてD2がOH、OCH3、OC(O)RbまたはC(O)ORd(式中、Rbおよび
Rdは請求項24において定義した通りである)を示す請求項24記載の式Iaの化合
物。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月2日(2001.3.2)
【補正内容】
請求の範囲
1.式I
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
上記式において、
R1は、H、C1-4アルキル(場合によっては、シアノ、ハロゲン、OH、C(O)OR1a
またはC(O)N(R1b)R1cから選択された1個または2個以上の置換分によって置
換されていてもよい)またはOR1dを示し;
R1dは、H、C(O)R11、SiR12R13R14またはC1-6アルキル(後者の基は場合によ
ってはOR15また(CH2)qR16から選択された1個または2個以上の置換分によって
置換または終結されていてもよい)を示し;
R12、R13およびR14は、独立してH、フェニルまたはC1-6アルキルを示し;
R16は、C1-4アルキル、フェニル、OH、C(O)OR17またはC(O)N(H)R18を示し;
R18は、H、C1-4アルキルまたはCH2C(O)OR19を示し;
R15およびR17は、独立してH、C1-6アルキルまたはC1-3アルキルフェニルを
示し;
R1a、R1b、R1c、R11およびR19は、独立してHまたはC1-4アルキルを示し;
そして
qは、0、1または2を示し;
Rxは、式IIa、IIbまたはIIc 〔式中、
点線は、独立して、場合によっては結合を示すことができ;
AおよびBは、独立して、OまたはS、CHまたはCH2(適当な場合には)、
またはNまたはN(R21)(適当な場合には)を示し;
Dは、-CH2-、O、S、N(R22)、-(CH2)2-、-CH=CH-、-CH2N(R22)-、-N(R22)
CH2-、-CH=N-、-N=CH-、-CH2O-、-OCH2-、-CH2S-または-SCH2-を示し;
X1は、C2-4アルキレン;Zによって中断されたC2-3アルキレン;-C(O)-Z-A1
;-Z-C(O)-A1-;-CH2-C(O)-A1;-Z-C(O)-Z-A2-;-CH2-Z-C(O)-A2-;-Z-CH2-C(O)-A2-
;-Z-CH2-S(O)m-A2-;-CH2-Z-S(O)m-A2-;-C(O)-A3;-Z-A3-または-A3-Z-を示し;
X2は、C2-3アルキレン、-C(O)-A4−または-A4-C(O)を示し;
X3は、CHまたはNを示し;
X4は、単一結合、O、S、C(O)、N(R23)、-CH(R23)-、-CH(R23)-CH(R24)-ま
たは-C(R23)=C(R24)-を示し;
A1は、単一結合または-C1-2アルキレンを示し;
A2は、単一結合または-CH2-を示し;
A3は、C1-3アルキレンを示し;
A4は、C(O)またはC1-2アルキレンを示し;
Zは、それぞれの場合において、O、S(O)mまたはN(R25)を示し;
mは、それぞれの場合において、0、1または2を示し;
R2およびR4は、場合によっては、独立してC1-4アルキル(この基は、
場合によっては、1個または2個以上のハロゲン置換分によって置換されていて
もよい)、C1-4アルコキシ、メチレンジオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ
、ニトロ、SO2NH2、C(O)OR26またはN(R27)R28から選択された1個または2個以
上の置換分を示すことができ;
R3は、場合によってはOHまたはC1-4アルコキシから選択された置換分を示す
ことができ;
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、独立してHまたはC1-4ア
ルキルを示す〕の構造フラグメントを示し、
Yは、CH2、(CH2)2、CH=CH、(CH2)3、CH2CH=CHまたはCH=CHCH2(後者の3個
の基は、場合によってはC1-4アルキル、メチレン、オキソまたはヒドロキシによ
って置換されていてもよい)を示し;
Ryは、HまたはC1-4アルキルを示し;
nは、0、1、2、3または4を示しそして
Bは、式IIIaまたはIIIc
〔式中、
X5、X6、X7およびX8は、独立して、CH、NまたはN-Oを示し;
R31は場合によってはハロゲンおよびC1-4アルキルから選択された置換分を
示すことができる〕の構造フラグメントを示す;
但し、
(a) AおよびBは、両方ともにOまたはSを示さない;
(b) BおよびDは、両方ともにOまたはSを示さない;
(c) R1がOR1dを示しそしてX1が-C(O)-Z-A1、-Z-CH2-S(O)m-A2-、
-CH2-Z-S(O)m-A2-または-Z-C(O)-Z-A2を示す場合は、A1またはA2(適当な場合に
は)は、単一結合を示さない;そして
(d) X4が-CH(R23)-を示す場合は、R1はOHを示さない。
2.R1がOHまたはC1-4アルキル(後者の基は、場合によってはシアノまたはOHに
よって置換されていてもよい)を示す請求項1記載の式Iの化合物。
3.Rxが式IIaの構造フラグメントを示す請求項1または2記載の式Iの化合物
。
4.Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合は、点線は価標を示し、Aおよび
Bは両方CHを示しそしてDは-CH=CH-を示す請求項1〜3の何れかの項記載の式
Iの化合物。
5.Rxが式IIaの構造フラグメントを示す場合は、X1はC2-またはC3−アルキレ
ン、-O(CH2)-または-O(CH2)2-を示す請求項1〜4の何れかの項記載の式Iの化
合物。
6.X1がC3−アルキレンまたは-O(CH2)2-を示す請求項5記載の式Iの化合物。
7.YがCH2、(CH2)2または(CH2)3を示す請求項1〜6の何れかの項記載の式I
の化合物。
8.Bが式IIIaの構造フラグメントを示す場合は、X5、X6、X7およびX8はすべ
てCHを示す請求項1〜7の何れかの項記載の式Iの化合物。
9.Rxが式IIaの構造フラグメントを示しそしてR2が少なくとも1個の置換分を
示す場合は、置換点はB位の所にある炭素原子にある請求項1〜8の何れかの項
記載の式Iの化合物。
10.Rxが式IIaの構造フラグメントを示し、点線が価標を示し、AおよびBが両
方CHを示し、Dが-CH=CH-を示しそしてR2が少なくとも1個の置換分を示す場合
は、環は、環接合に隣接している-CH=CH基(D位)における炭素原子またはB位
の所にある炭素原子またはこれらの位置の両方
において置換されている請求項1〜10の何れかの項記載の式Iの化合物。
11.フラグメント
がS−配置にある請求項1〜10の何れかの項記載の式Iの化合物。
12.医薬的に許容し得る補助剤、希釈剤または担体と混合された請求項1〜11の
何れかの項記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を含有する医薬処方物
。
13.請求項1〜11の何れかの項記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を
含有する、トロンビンの阻害を必要とする病態の治療の医薬処方物。
14.病態が血栓症である請求項13記載の処方物。
15.病態が血液および組織における凝固性冗進である請求項13記載の処方物。
16.(a)(i)式IV
(式中、R1およびRxは、請求項1において定義した通りである)の化合物を、
式V
(式中、Ry、Y、nおよびBは請求項1において定義した通りである)
の化合物とカップリングさせるか、もしくは
(ii) 式VI
(式中、R1、RxおよびYは請求項1において定義した通りである)の化合物を
式VII
H(Ry)N-(CH2)n-B VII
(式中、Ry、nおよびBは請求項1において定義した通りである)の化合物と
カップリングさせるか、または
(b) 後記請求項17で定義する式Iaの化合物を脱保護することからなる請
求項1記載の式Iの化合物の製法。
17.式Ia
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
上記式において、
B1は、式IIIdまたはIIIf
の構造フラグメントを示し;
D1およびD2は、独立して、H、OH、ORa、OC(O)Rb、OC(O)ORc、C(O)ORd、C(O
)Reを示し;
Raは、フェニル、ベンジル、C1-7アルキル(後者の基は、場合によっては酸
素によって中断されていてもよくまたは場合によってはハロゲンによって置換さ
れていてもよい)または-C(Rf)(Rg)-OC(O)Rhを示し;
Rbは、C1-17アルキル(この基は、場合によってはC1-6アルコキシ、C1-6ア
シルオキシ、アミノまたはハロゲンによって置換されていてもよい)、C1-6アル
コキシ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはC1-3アルキルフェニル
(後者の5個の基は場合によってはC1-6アルキルまたはハロゲンによって置換さ
れていてもよい)または-〔C(Ri)(Rj)〕mOC(O)Rkを示し;
Rcは、C1-17アルキル、フェニル、2−ナフチル(後者の3個の基は、場合
によってはC1-6アルキル、Si(Raa)(Rab)(Rac)またはハロゲンによって置換され
ていてもよい)、-〔C(Rm)(Rn)〕nOC(O)Rp、または-CH2-Ar1を示し;
Rdは、2−ナフチル、フェニル、C1-3アルキルフェニル(後者の3個の基は
、場合によってはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ、Si(Rba)(Rbb)(Rbc)
またはハロゲンによって置換されていてもよい)、C1-12アルキル(この基は場合
によってはC1-6アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換され
ていてもよい)、-〔C(Rq)(Rr)〕pOC(O)Rsまたは-CH2-Ar2を示し;
Reは、フェニル、ベンジル、C1-6アルキル(この後者の基は場合によっては
酸素によって中断されていてもよい)または-〔C(Rt)(Ru)〕rOC(O)Rvを示し;
Raa、Rab、Rac、Rba、RbbおよびRbcは、独立してC1-6アルキルまたはフェニ
ルを示し;
Rf、Rg、Ri、Rj、Rm、Rn、Rq、Rr、RtおよびRuは、独立してHまたはC1-6ア
ルキルを示し;
Rh、Rk、Rp、RsおよびRvは、独立してC1-17アルキル(この基は、場合によっ
てはC1-6アルコキシ、C1-6アシルオキシまたはハロゲンによって置換されていて
もよい)、C1-6アルコキシ、C3-7シクロアルキル、フェニル、ナフチルまたはC1 -3
アルキルフェニル(後者の5個の基は場合によってはC1-6アルキルまたはハロ
ゲンによって置換されていてもよい)を示し;
Ar1およびAr2は、独立して構造フラグメント
を示し;
mおよびrは、独立して3または4を示し;
nおよびpは、独立して1、2または3を示し;そして
R1、Rx、Y、Ry、n、X5、X6、X7、X8およびR31は、請求項1において定義
した通りであり;但し
D1およびD2は、両者ともにHを示さない。
18.D1がHを示しそしてD2がOH、OCH3、OC(O)RbまたはC(O)ORd(式中、Rbおよび
Rdは請求項17において定義した通りである)を示す請求項17記載の式Iaの化合
物。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 207/16 C07D 207/16
405/06 405/06
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ
,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,
NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L
S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ
,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL
,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,
BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E
E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU
,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U
Z,VN,YU,ZW
(72)発明者 ニイストレム,ヤン−エリク
スウエーデン国 エス―431 83 メルン
ダール.アストラ・ヘッスレ・アクチエボ
ラーグ