JP2002372843A - 現像剤取扱い構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック成形品からなる複数の分割構成
体１、２を接合させた状態で組み立てることにより、そ
の内部に現像剤３を存在させる空間４が形成される現像
剤取扱い構造体において、弾性部材５を介在させる接合
部（１ａ，２ａ）からの現像剤の漏れを簡便かつ確実に
防止できるようにする。 【解決手段】 分割構成体１、２の弾性部材５と対向す
る他方の接合部位２ａに、組立て接合時に弾性部材５に
局部的に食い込む突起部６を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に、現像剤から
なる画像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ、
複合機等の画像形成装置に使用される現像剤取扱い構造
体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電子写真、静電記録等の画像形成方式を
利用したプリンタ等の画像形成装置においては、感光体
等の像担持体に形成する静電潜像を現像剤により現像
し、その画像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転
写体を介して転写することにより画像形成が行われる
が、このような画像形成装置にあっては、例えば、その
現像剤を収容して供給するための現像装置が装備されて
いる。

【０００３】このような現像装置は、その筐体（ハウジ
ング）として主にプラスチック成型品からなる筐体が使
用されている。また、その筐体としては、図１０に例示
するように、少なくとも２以上に分割された分割筐体１
１０、１２０を互いに接合させた状態で組み立てること
により、その内部に現像剤１３０を存在させる空間１４
０が形成される構造体であって、その分割筐体１１０、
１２０の互いに接合させる一方の部位１１０ａにそって
弾性部材１５０を突出させた状態で取り付けるとともに
その弾性部材１５０を組立て接合時に対向する他方の接
合部位１２０ａと圧着させる筐体を使用するものが知ら
れている。

【０００４】特に、このような筐体では、分割筐体１１
０、１２０の接合部位１１０ａ、１２０ａが弾性部材１
５０の介在により隙間のない密封性に優れた状態に保た
れ、これにより、その弾性部材１５０を介在させて接合
される接合部位１１０ａ、１２０ａからなる接合部か
ら、その内部空間１４０に存在する粉体状の現像剤１３
０が漏れ出ることを防止している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな筐体を使用する現像装置においては、その現像装置
の運搬時や交換作業時等において加わる振動や衝撃によ
り、前記した弾性部材１５０が介在して接合される接合
部位１１０ａ、１２０ａの間から現像剤１３０が外に漏
れ出るという不具合が発生していた。

【０００６】この現像剤漏れは、その筐体（分割筐体）
の接合部位の寸法精度が悪かったり、あるいは弾性部材
１５０の表面が施工のばらつきにより波打ったような状
態にある等の理由により発生したり、あるいは、その筐
体に振動や衝撃が加わった際に剛性の確保が困難なプラ
スチック成形品の筐体が撓むように変形すると、その弾
性部材１５０とこれと圧着する接合部位１２０ａとの間
に僅かな隙間が形成されることに起因して発生している
ものと考えられる。また、このような現像剤漏れは、そ
の使用時において加わる振動により発生することもあ
り、この場合には、画像形成装置内の機内汚れを招いた
り、漏れ出た現像剤が現像ロールをはじめ、画像形成装
置内における帯電ロール、転写ロール等の回転体の摺動
部（回転軸とベアリングの間など）に入り込んでかじり
等を誘発してしまうことになる。さらに、この現像剤漏
れは、その筐体の分割筐体どうしをスナップフィット等
のような簡易な結合保持手段を採用して組み立てた場合
においては、上記撓み変形による隙間が形成されやすく
なることから、より顕著に発生するようになる。

【０００７】また、このような現像剤漏れの問題は、現
像装置の他にも、現像装置に補給する現像剤を収容する
現像剤収容容器や、その像担持体又は中間転写体に残留
する現像剤をクリーニング装置で除去して回収する現像
剤回収容器や、現像剤を搬送する現像剤搬送パイプ等の
ように現像剤を取り扱う構造体（現像剤取扱い構造体）
においても同様に発生するおそれがある。すなわち、こ
のような現像剤取扱い構造体が、少なくとも２以上に分
割されたプラスチック成型品からなる分割構成体を前記
筐体のように弾性部材を介在させて接合させた状態で組
み立てることにより、その内部に現像剤を存在させる空
間が形成される構造体である場合においては、その弾性
部材が介在する接合部で前記したメカニズムにより隙間
が形成されて現像剤が漏れるおそれがある。

【０００８】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、上述したよう
なプラスチック成形品からなる分割構成体を接合させた
状態で組み立てることにより、その内部に現像剤を存在
させる空間が形成される現像剤取扱い構造体において、
弾性部材を介在させる接合部からの現像剤漏れを簡便か
つ確実に防止することができる現像剤取扱い構造体を提
供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得る本
発明の現像剤取扱い構造体は、図１に例示するように、
少なくとも２以上に分割されたプラスチック成形品から
なる分割構成体１、２を互いに接合させた状態で組み立
てることにより、その内部に静電潜像を現像する又は回
収される現像剤３を存在させる空間４が形成される構造
体であって、前記分割構成体１、２の互いに接合させる
一方の部位１ａにそって弾性部材５を突出させた状態で
取り付けるとともにその弾性部材５を組立て接合時に対
向する他方の接合部位２ａと圧着させる現像剤取扱い構
造体において、前記分割構成体の前記他方の接合部位１
ｂに、組立て接合時に前記弾性部材５に局部的に食い込
む突起部６をその弾性部材５にそって設けることを特徴
とするものである。

【００１０】ここで、上記各分割構成体（１、２）は、
その全体形状や寸法等については特に制約されるもので
はなく、比較的小さく長尺なものであってもよい。その
分割の数や分割場所等についても特定限定されない。ま
た、上記空間４も、その空間形状等については特に制約
されるものではない。弾性部材５としては、発泡ウレタ
ン、ゴム、多孔質体（スポンジなど）等が使用される。
この弾性部材５は、図示するように一方の接合部位１ａ
に凹部１ｂを形成し、その凹部１ｂ内に埋め込むととも
にその一部を接合部位１ａの表面から所定の高さαだけ
突出させた状態で施工することができるが、特にこの取
り付け形式に限定されない。現像剤３は、トナーからな
る一成分現像剤、トナー及びキャリアからなる二成分現
像剤のいずれであってもよい。図１において符号７は、
各分割構成体（１、２）どうしの結合保持手段を示す。
この結合保持手段７としては、図示するような弾性変形
し得る係止突片７ａを対向する接合部位の一部２ｂに係
止させるスナップフィット型の比較的簡易なものを採用
することができるが、これに限定されるものではなく、
ネジ止め等であってもよい。ちなみに、各分割構成体の
接合部（特に弾性部材５と圧着する接合部位との間）
は、通常、接着剤等により接着する必要はないが、必要
であれば接着しても構わない。

【００１１】また、上記突起部６は、組立て接合時に弾
性部材５に局部的に食い込んだときにその弾性部材５と
接合部位２ａとの間における現像剤３の通り抜けを突起
部の存在により困難にさせることができるものであれば
よく、その突出高さｈや断面形状等については特に制約
されない。

【００１２】また、この突起部６は、図２に例示するよ
うに、弾性部材５の異なる部位にそれぞれ局部的に食い
込むように複数設けるようにしてもよい。図示の突起部
は２つの突起部６Ａ，６Ｂを設けた場合について例示し
ているが、これ以上であっても構わない。

【００１３】さらに、この突起部６は、通常、弾性部材
５が接合部位１ａにそって連続した状態で設けられてい
る場合には、その弾性部材５に相応して連続した状態で
接合部位２ａにそって設けられるが、必要によっては、
図３に例示するように、途中で中断した状態で設けても
よい（６ａ，６ｂ，６ｃ）。この場合には、その中断さ
せる間隔Ｌについては小さめにすることが好ましい。

【００１４】このような現像剤取扱い構造体によれば、
分割構成体１、２の組立て接合時において弾性部材５が
対向する接合部位２ａに圧着すると同時に突起部６が局
部的に食い込んだ状態で変形した状態におかれる（図１
ａ、図２ａ、図３ａ）。これにより、プラスチック成形
品からなる分割構成体１、２が振動、衝撃、外圧を受け
て撓むように変形した場合であっても、弾性部材５とこ
れと圧着する接合部位２ａとの間に隙間が形成されるこ
とがなく、内部空間４にある現像剤３が外に漏れ出るこ
とがない。なお、この現像剤取扱い構造体にあっては、
その組立て接合時において分割構成体１、２の各接合部
位１ａ，２ａの間のうちで弾性部材５の周囲となる部位
には隙間Ｓが存在しない方が、その接合部における機密
性を高められる観点から好ましいが、かかる隙間Ｓが存
在していてもよい。そして、この隙間Ｓがあった場合で
も、現像剤の漏れが防止される。

【００１５】また、このような現像剤取扱い構造体は、
通常、その構造体が、現像剤を収容して供給する現像装
置の筐体、現像剤に補給する現像剤を収容する現像剤収
容容器、又は、クリーニング装置等により除去した現像
剤や現像装置内の古い現像剤などを回収する現像剤回収
容器であるが、これ以外のものであってもよい。例え
ば、現像剤搬送パイプや、現像剤搬送部の連結部材等が
挙げられる。また、現像剤収容容器や現像剤回収容器に
おいては、その容器本体が分割されている場合であれ
ば、その分割された分割本体の接合部に上記突起部を形
成するが、通常は、その容器本体と蓋体の接合部に上記
突起部を形成すればよい。

【００１６】

【発明の実施の形態】［実施の形態１］図４〜６は本発
明を適用した現像装置を示すものであり、図４はその斜
視図、図５は図４のＶ−Ｖ線に沿う概略断面図、図６は
その分解斜視図である。

【００１７】この現像装置は、小型化の要請により、そ
の全体形状を扁平形状とした薄型の二成分現像装置であ
り、基本的にハウジング１０と、現像ロール１３と、ロ
ール状の層規制部材１４と、２本のオーガー１５、１６
と、羽根車状のパドルホイール１７とでその主要部が構
成されている。図５中の符号１００は画像情報に応じた
静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム、３
は非磁性トナー（平均粒径６〜１０μｍ）及び磁性キャ
リアからなる二成分現像剤、Ｅは感光ドラム１００上の
現像領域であり、また、矢印は回転する部品の回転方向
を示している。

【００１８】ハウジング１０は、全体が板状に扁平した
細長い箱形状からなるものであって、その上下に２分割
してなるプラスチック成型品（例えばＡＢＳ樹脂、耐衝
撃性ポリスチレン：ＨＩＰＳ）からなる下部ハウジング
２０と上部ハウジング３０とを接合させた状態で組み立
てる構成になっている。また、このハウジング１０は、
下部ハウジング２０と上部ハウジング３０を組み立てた
状態において、感光ドラム１００と対向する端部部位に
ハウジング開口部１１が形成されるとともに、その内部
に現像剤３が存在する空間１２が形成される構成になっ
ている。

【００１９】下部ハウジング２０は、図５〜７に示すよ
うに、そのハウジング開口部１１となる端部とは反対側
の端部にかけての部位に二成分現像剤３を収容する現像
剤収容凹部２１が形成されている。この現像剤収容凹部
２１は、両端部を除く中央部側に設けられた仕切り壁２
１ａにより仕切られるように形成される、平行する２列
の現像剤循環搬送路２１ｂ，２１ｃを有するものであ
る。図７等の符号２１ｄは循環折返し兼受容れ部、２１
ｅは循環折返し部を示す。また、下部ハウジング２０
は、その現像剤収容凹部２１から開口部１１となる端部
にかけての部位に、パドルホイール１７が配置される現
像剤供給下段部２２と、現像ロール１３が配置される現
像剤供給上段部２３とが形成されている。さらに、図６
等の符号２０ａ，２０ｂはオーガー１５、１６の軸受支
持孔、２０ｃはパドルホイール１７の軸受支持孔、２０
ｄは現像ロール１３の軸受支持部である。

【００２０】また、この下部ハウジング２０には、その
ハウジング開口部１１となる部位を除く外周部全体にわ
たって上部ハウジング３０と接合させるための接合面部
２５が形成されている。この接合面部２５の開口部１１
となる部位と対向して並行する端部には、上部ハウジン
グ３０側に形成される後述の係止孔（３６）に組立て接
合時に差し込む複数の係止突片２６ａ、２６ｂ，２６
ｃ，２６ｄ，２６ｅがほぼ水平方向に突出した状態で形
成されている。また、この接合面部２５の開口部１１と
なる部位に近い部位には、上部ハウジング３０側に形成
される後述のスナップフィット用の係止片（３７）が引
っ掛けられるスナップフィット用係止部２７と、位置決
めピン２８が形成されている。

【００２１】一方、上部ハウジング３０は、図５〜６や
図８に示すように、下部ハウジング２０の現像剤収容凹
部２１と組立て接合時に対向してその収容凹部２１の空
間を上方側から塞いで規制する収容凹部蓋部３１と、下
部ハウジング２０の現像剤供給下段部２２と組立て接合
時に対向してその下段部２２の空間を上方側から塞いで
規制する下段部蓋部３２と、下部ハウジング２０の現像
剤供給上段部２３と組立て接合時に対向してその上段部
２３の空間を上方側から塞いで規制する上段部蓋部３３
と、下部ハウジング２０の循環折返し兼受容れ部２１ｄ
と組立て接合時に対向して存在する補給用現像剤の受容
れ部３４とが主に形成されている。図中の符号３４ａ
は、現像剤補給装置（図示省略）の現像剤搬送パイプが
差し込まれる際に開閉する受容れ開閉扉（口）である。

【００２２】また、この上部ハウジング３０には、その
ハウジング開口部１１となる部位を除く外周部全体にわ
たって下部ハウジング２０と接合させるための接合面部
３５が形成されている。この接合面部３５の開口部１１
となる部位と対向して並行する端部には、下部ハウジン
グ２０側の接合面部２５が組立て接合時に内側から差し
込まれる複数の係止孔３６ａ，３６ｂ，３６ｃ，３６
ｄ，３６ｅが形成されている。また、この接合面部３５
の開口部１１となる部位に近い部位には、下部ハウジン
グ２０側にある前記スナップフィット用係止部２７に引
っ掛けるスナップフィット用の係止片３７と、下部ハウ
ジング２０側にある前記位置決めピン２８が差し込まれ
る位置決め孔３８とが形成されている。

【００２３】そして、上部ハウジング３０の接合面部３
５には、図８〜９に示すように、その全域にわたって凹
溝３５ａ（図５、図９参照）を形成したうえで、その凹
溝３５ａに一部を埋め込むとともに一部を接合面から盛
り上がるように突出させた状態で弾性部材３９（斜線を
付した部分）を接合面部３５にそって取り付けている。
この弾性部材３９は、例えば、２液型のポリウレタンを
２液ポリウレタンガスケットフォーム塗布システムによ
り凹溝３５ａにそって充填するように施工することで設
けられる。ちなみに、このポリウレタンからなる弾性部
材３９は、その幅が４ｍｍ程度、その全体の高さ（厚
み）が４ｍｍ程度、その突出高さαが１ｍｍ程度であ
る。

【００２４】これに対応して下部ハウジング２０の接合
面部２５には、図７及び図９に示すように、その全域に
わたって接合面から突出するリブ２９を連続した状態で
形成している。このリブ２９は、その断面形状がほぼ三
角形状からなる突起であり、下部ハウジング２０と上部
ハウジング３０との組立て接合時において上記弾性部材
３６のほぼ中央部に食い込むような位置に形成されてい
る。また、このリブ２９は、その突出高さｈが０．７ｍ
ｍ程度である。

【００２５】また、この現像装置における現像ロール１
３は、下部ハウジング２０の現像剤供給上段部２３に位
置しかつハウジング開口部１１から一部露出するような
状態で回転駆動可能に配置される中空円筒形状からなる
非磁性のスリーブ１３ａと、このスリーブ１３ａの中空
内に固定された状態で配置され、複数の磁極が所定の角
度に適宜配置されたマグネットロール１３ｂとで構成さ
れたものである。ロール状の層規制部材１４は、現像ロ
ール１３（スリーブ１３ａ）の表面に担持される二成分
現像剤３の層厚を所定の厚さに規制するための非磁性ロ
ールからなるもの（非磁性ロールトリマー）であり、そ
のスリーブ１３ａの表面に対して当該層規制の厚さに相
当する間隙をあけた状態で対向配置される。

【００２６】オーガー１５、１６は、回転軸部１５ａ，
１６ａに二成分現像剤３を攪拌搬送するための羽根部１
５ｂ，１６ｂを螺旋状に所定のピッチで巻きつけた状態
に形成した回転部材であり、下部ハウジング２０の現像
剤収容凹部２１における前記２列の現像剤循環搬送路２
１ｂ，２１ｃ内でそれぞれ回転駆動するように配設され
ている。パドルホイール１７は、回転軸部に４枚の羽根
部を形成した回転部材であり、下部ハウジング２０の現
像剤供給下段部２３に位置した状態で回転駆動するよう
に配置される。

【００２７】さらに、この現像装置においては、そのハ
ウジング１０の長手方向における左右両端部にその外側
から嵌め込むように装着する第１及び第２のサイドブラ
ケット４０、５０を備えている。この第１のサイドブラ
ケット４０と第２のサイドブラケット５０はいずれも、
ハウジング１０の左右両端部の側部形状にほぼ相応した
形状の側面部４１、５１と、この側面部４１、５１から
ハウジング１０の左右端部側にむけて突き出すとともに
その左右端部の外周面の所定の部位に当接するような形
状に形成された嵌め込み枠部４２、５２とからなるもの
であり、そのハウジング１０の左右両端部に嵌め込んで
装着することにより、特に嵌め込み枠部４２、５２がハ
ウジング１０を構成する下部ハウジング２０及び上部ハ
ウジング３０をその上下方向等から挟み込んで両ハウジ
ング２０、３０の接合状態を補強するようになってい
る。

【００２８】また、第１のサイドブラケット４０は、そ
の側面部や嵌め込み枠部に、現像ロール１３のスリープ
１３ａを回転させる回転軸１３ｃを通す軸通過孔４３
や、オーガー１５、１６の回転軸部１５ａ，１６ａの端
部に取り付けられる回転伝達ギア１５ｅ，１６ｅの軸を
支持する軸受孔４４、４５や、パドルホイール１７の回
転軸の端部に取り付けられる回転伝達ギア１７ｅを支持
する軸受孔４６が形成されている。一方、第２のサイド
ブラケット５０は、その側面部や嵌め込み枠部に、現像
ロール１３のマグネットロール１３ｂのロール軸１３ｄ
を固定する軸固定部５３や、パドルホイール１７の回転
軸を支持する軸受突起５４が形成されている。なお、図
６中の符号１９は、現像ロール１３の端部における現像
剤漏れを防ぐために取り付けられるシール部材である。

【００２９】このような現像装置は、以下のようにして
組み立てられる。

【００３０】まず、下部ハウジング２０に対し、現像ロ
ール１３、パドルホイール１７、２本のオーガー１５、
１６、ロール状の層規制部材１４を下部ハウジング２０
に形成された前記各軸受孔等に差し入れることにより装
着する。このうち現像ロール１３、パドルホイール１７
及びオーガー１５、１６については、その下部ハイウジ
ング２０の１側面部外側に突出する各回転軸に対して回
転伝達ギア１３ｄ，１５ｄ，１６ｄ，１７ｄをそれぞれ
嵌め込んで取り付ける。また、下部ハウジング２０の現
像ロール１３の両端部に相当する部位に、前記したシー
ル部材１９を取り付ける。

【００３１】次いで、このように現像ロール１３等が装
着された下部ハウジング２０に対し、上部ハウジング２
０を取り付ける。この上部ハウジング２０の取り付け
は、初めに、その接合面部３５における係止孔３６ａ，
３６ｂ，３６ｃ，３６ｄ，３６ｅに下部ハウジング２０
の接合面部２５における係止突片２６ａ、２６ｂ，２６
ｃ，２６ｄ，２６ｅを差し入れた状態にしてから、その
上部ハウジング３０のハウジング開口１１側となる部位
側を下部ハウジング２０と接合させるように押し付け
る。これにより、上部ハウジング３０のスナップフィッ
ト用係止片３７がスナップフィット用係止部２７に引っ
掛けられ、もって下部ハウジング２０と上部ハウジング
３０の接合状態が固定される。またこれと同時に、下部
ハウジング２０側にある位置決めピン２８が上部ハウジ
ング３０側の位置決め孔３８に差し込まれ、もって下部
ハウジング２０と上部ハウジング３０の接合状態が最終
的に位置決めされる。この結果、図４や図５に示すよう
に下部ハウジング２０と上部ハウジング３０とが正確に
接合されて一体化される。

【００３２】続いて、この下部ハウジング２０と上部ハ
ウジング３０とを接合したハウジング１０の左右両端部
に対して、第１及び第２のサイドブラケット４０、５０
を嵌め込んで装着する（図４）。この際、第１のサイド
ブラケット４０は、現像ロール１３のスリープ１３ａの
回転軸１３ｃを軸通過孔４３に貫通させるとともに、各
回転駆動ギア１５ｅ，１６ｅ等を対応する軸受孔４４、
４５に差し込みながら装着される。一方、第２のサイド
ブラケット５０は、現像ロールのマグネットロール１３
ｂのロール軸１３ｄを軸固定部５３に差し込むとととも
にパドルホイール１７の回転軸を軸受突起５４に差し込
みながら装着される。この第１及び第２のサイドブラケ
ット４０、５０の装着により、下部ハウジング２０と上
部ハウジング３０の接合状態が強化される。

【００３３】以上の工程を経て現像装置が組み立てられ
る。その後、この組み立てられた現像装置は、そのハウ
ジング１０の空間１２（特に現像剤収容凹部２１）内に
二成分現像剤３が補給用現像剤の受容れ部３４から所定
量だけ入れられる。これにより現像装置が最終的に完成
することとなる。なお、この現像装置においては、その
使用前にハウジング１０の空間１２内に収容されて存在
する現像剤３が外に漏れ出ることを防ぐためのシール部
材（図示省略）が、ハウジング１０のオーガ１６とパド
ルホイール１７との間となる部位やハウジング開口部１
１等に対して取り外し可能に取り付けられている。ま
た、この組み立てられた現像装置は、現像ロール１３の
回転軸１３ｃのための回転伝達ギア６１などが取り付け
られるようになっている。

【００３４】そして、この現像装置にあっては特に、下
部ハウジング２０と上部ハウジング３０を前述したよう
に接合させることにより、図５に示すように、その上部
ハウジング３０の接合面部３５におけるポリウレタンの
弾性部材３９が下部ハウジング２０の接合面部２５に対
して圧着されると同時に、下部ハウジング２０の接合面
部２５にリブ２９が弾性部材３９の先端側中央部に食い
込んだ状態となる。これにより、このハウジング１０
は、そのハウジング開口部１１を除く接合部（弾性部材
３９が介在して接合される接合面部２５及び接合面部３
５による部位）が密閉性にきわめてすぐれた状態におか
れる。

【００３５】この結果、例えば、この現像装置を運搬し
たり移動させる際に、そのハウジング１０に振動や衝撃
等の外力が加わったり、あるいは、その外力によりハウ
ジング１０が僅かに撓むように変形することがあったと
して、そのハウジング開口部１１を除く接合部が上述し
たように密閉性に優れていることから、ハウジング１０
の内部空間１２にある二成分現像剤３がその接合部を通
して漏れ出ることはない。詳しくは、上部ハウジング３
０の弾性部材３９と下部ハウジング２０の接合面部２５
の間にわずかな隙間が生じて現像剤３が入り込んだとし
ても、その現像剤３は、下部ハウジング２０のリブ２９
とそのリブ２９が食い込んだ状態にある弾性部材３９と
の間においてその通過が確実に阻止される。このよう
に、その接合部からの現像剤の漏れが簡便に、しかも確
実に防止されるようになる。

【００３６】また、その接合部を下方にした状態で現像
装置を運搬したり移動させた場合であっても、その接合
部を通して現像剤３が漏れ出ることもない。さらに、こ
の現像装置を画像形成装置本体に装着して使用する際
に、そのハウジング１０に振動や衝撃等の外力が加わっ
たりすることがあっても、少なくともその接合部からの
現像剤の漏れは発生しない。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の現像剤取
扱い構造体は、プラスチック成形品からなる分割構成体
を、弾性部材を介在させて接合することにより組み立て
られる構造体であるにもかかわらず、その弾性部材が圧
着する分割構成体側の接合部位に前記したような突起部
を設けていることにより、その構造体に振動や衝撃等の
外力が加わったりすることがあっても、その弾性部材を
介在させてなる接合部から現像剤が漏れ出ることはな
い。また、このような現像剤漏れの防止効果は、その分
割構成体どうしをスナップフィット等のような簡易な結
合保持手段により結合させる構成を採用する現像剤取扱
い構造体であっても、確実に得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の現像剤取扱い構造体の要部を示すも
ので、（ａ）はその接合部位を引き離した状態（接合解
除状態）を示す概略断面図、（ｂ）はその接合部位を接
合させた状態（接合状態）を示す概略断面図。

【図２】 現像剤取扱い構造体の接合部位における突起
部の変形例を示すものであり、（ａ）はその突起部のあ
る接合部位の接合解除状態を示す概略断面図、（ｂ）は
その接合部位の接合状態を示す概略断面図。

【図３】 現像剤取扱い構造体の接合部位における突起
部の変形例を示すものであり、（ａ）はその突起部のあ
る接合部位の接合解除状態を示す概略断面図、（ｂ）は
その接合部位の接合状態を示す概略断面図。

【図４】 実施の形態１に係る現像装置を示す斜視図。

【図５】 図４のＶ−Ｖ線に沿う断面図。

【図６】 図４の現像像置の分解斜視図。

【図７】 下部ハウジングを上から見たときの状態を示
す平面図。

【図８】 上部ハウジングを下から見たときの状態を示
す平面図。

【図９】 下部ハウジングと上部ハウジングとの接合を
解除したときの状態を示す概略断面図。

【図１０】 従来の現像剤取扱い構造体における弾性部
材を介在させた接合部位の構成を示すもので、（ａ）は
その接合前（接合解除時）の状態を示す要部断面説明
図、（ｂ）はその接合した状態を示す要部断面説明図。

【符号の説明】

１、２…分割構成体、１ａ…一方の接合部位、２ａ…他
方の接合部位、３…現像剤、４，１２…空間、５，３９
…弾性部材、６…突起部、１０…ハウジング（筐体）、
２０…下部ハウジング、２５…接合面部、２９…リブ
（突起部）、３０…上部ハウジング、３５…接合面部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも２以上に分割されたプラスチ
   ック成形品からなる分割構成体を互いに接合させた状態
   で組み立てることにより、その内部に静電潜像を現像す
   る又は回収される現像剤を存在させる空間が形成される
   構造体であって、前記分割構成体の互いに接合させる一
   方の部位にそって弾性部材を突出させた状態で取り付け
   るとともにその弾性部材を組立て接合時に対向する他方
   の接合部位と圧着させる現像剤取扱い構造体において、 前記分割構成体の前記他方の接合部位に、組立て接合時
   に前記弾性部材に局部的に食い込む突起部をその弾性部
   材にそって設けたことを特徴とする現像剤取扱い構造
   体。
2. 【請求項２】 前記突起部を、前記弾性部材の異なる部
   位にそれぞれ局部的に食い込むように複数設けた請求項
   １に記載の現像剤取扱い構造体。
3. 【請求項３】 前記構造体が、現像装置の筐体、現像剤
   収容容器又は現像剤回収容器である請求項１又は２に記
   載の現像剤取扱い構造体。