JP7247505B2 - 粉体通路部品及びこれを用いた粉体処理装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、サイドシールの外側にトナーが漏れるのを抑制するために、トナーが収容される現像室が形成された筐体と、筐体に回転可能に設けられる現像ローラと、筐体と左右方向における端部との間に設けられ、基材と、基材上に設けられ、現像ローラと接触するメッシュ状の接触部材とを有するサイドシールと、を備え、基材には、接触部材と現像室を繋ぐ第1通路および第2通路を形成した現像装置が開示されている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る粉体通路部品において、前記凹溝及び前記退避溝の延びる方向に交差する幅方向断面積は、前記液状ガスケットの塗布量に対する断面積公差の上限値以下であることを特徴とする粉体通路部品である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る粉体通路部品において、前記退避溝は、前記凹溝の底部に対し更に段付きの深掘り溝であることを特徴とする粉体通路部品である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る粉体通路部品において、前記退避溝は、前記凹溝の延びる方向に交差する幅方向の少なくとも前記通路空間に面する側に形成されていることを特徴とする粉体通路部品である。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに係る粉体通路部品において、前記退避溝は、前記凹溝の延びる方向に交差する幅方向両側に形成されていることを特徴とする粉体通路部品である。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかに係る粉体通路部品において、前記凹溝は前記接続開口の周縁に沿って形成され、当該凹溝のうち前記接続開口の一隅部に対応する箇所には前記凹溝から外方に張り出して形成される張出溝が付加され、当該張出溝は前記液状ガスケットの塗布開始点及び塗布終了点として使用されることを特徴とする粉体通路部品である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかに係る粉体通路部品を含み、前記粉体通路部品に通過する粉体を用いて処理する粉体処理装置である。
請求項2に係る発明によれば、凹溝に対する液状ガスケットの塗布量にばらつきがあるとしても、液状ガスケットによる封止性能を維持することができる。
請求項3に係る発明によれば、凹溝に対する液状ガスケットの塗布量にばらつきがあるとしても、液状ガスケットが凹溝から溢れる事態を抑制することができる。
請求項4に係る発明によれば、封止後に再開放したとしても、凹溝内に塗布された液状ガスケットを貼り付いた状態に維持することができる。
請求項5に係る発明によれば、封止後に凹溝に塗布された液状ガスケットが粉体通路に面した箇所で溢れる事態を効果的に抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、封止後に凹溝に塗布された液状ガスケットが凹溝の幅方向両側から溢れる事態を効果的に抑制することができる。
請求項7に係る発明によれば、凹溝の幅方向両側に退避溝を設ける態様においては、接続開口の隅部に対応する箇所では幅方向内側に退避溝を形成するだけで、液状ガスケットが凹溝の幅方向両側から溢れる事態を効果的に抑制することができる。
請求項8に係る発明によれば、凹溝に液状ガスケットを塗布するに当たり、塗布開始時及び塗布終了時に液状ガスケットの塗布量が不安定であるとしても、凹溝内に対する液状ガスケットの塗布量が大幅にばらつく事態を抑制することができる。
請求項9に係る発明によれば、粉体通路の接続部を非発泡性の液状ガスケットで封止するに当たり、接続開口の周縁に沿って形成された凹溝内に塗布された液状ガスケットが粉体通路に溢れることを抑制することが可能な粉体通路部品を含む粉体処理装置を公知することができる。
一般に、粉体処理装置は、粉体が通過可能な通路空間を有する粉体通路部品を含み、当該粉体通路部品に通過する粉体を用いて処理するようになっている。
本実施の形態では、粉体処理装置のうち特に粉体通路部品に技術的特徴を有している。
つまり、本例では、粉体通路部品は、図1(a)に示すように、少なくとも一部に開口を有し、粉体が通過可能な通路空間1aを区画する第1の通路区画手段1と、第1の通路区画手段1の開口に接続され、粉体が通過可能な通路空間2aを区画する第2の通路区画手段2と、第1及び第2の通路区画手段1,2の接続開口3の周縁を封止する封止手段4と、を備え、封止手段4は、図1(b)(c)に示すように、例えば第1の通路区画手段1の接続開口3の周縁に沿って形成される凹溝5と、凹溝5内に塗布され、凹溝5に対向した例えば第2の通路区画手段2の接続開口3の周縁に弾性変形して接触する非発泡性の液状ガスケット6と、凹溝5の底部に沿って設けられ、液状ガスケット6が凹溝5の少なくとも通路空間に面した側からはみ出さないように当該液状ガスケット6の弾性変形部分の一部を退避させる退避溝7と、を備え、凹溝5に対向した第2の通路区画手段2の接続開口3の周縁は凹溝5の開口領域に対し非突出状態に配置されており、凹溝5の退避溝7以外の領域は、対向する通路区画手段2の接続開口3の周縁に対し同じ深さを有するものである。
尚、図1(a)~(c)では、凹溝5は第1の通路区画手段1側に形成されているが、第2の通路区画手段2の接続開口3の周縁に沿って形成され、当該凹溝5内に塗布された液状ガスケット6が第1の通路区画手段1の接続開口3の周縁に弾接変形して接触するようにしても差し支えない。また、図1(a)~(c)では、退避溝7は凹溝5の底部に沿って設けられているが、これに限られるものではなく、凹溝5に対向した通路区画手段(本例では2)の接続開口3の周縁に沿って設けるようにしても差し支えない。
ここで、粉体通路部品としては、粉体を収容する部品に限らず、粉体を搬送する部品など広く含む。
また、粉体区画部品は、第1の通路区画手段1(開口を具備)と、第2の通路区画手段1とを接続し、その接続開口3の周縁を封止手段4で封止する構成であれば適宜選定して差し支えない。
更に、凹溝5は第1又は第2の通路区画手段1又は2のいずれか一方に設けられる態様が好ましい。ここで、凹溝5が第1及び第2の通路区画手段の両方に設けられる態様も考えられるが、液状ガスケット6による封止作用が損なわれる虞れがあることからすれば、いずれか一方の態様がよい。
更に、退避溝7は凹溝5の底部に設けられる態様に限らず、前述したように、凹溝5に対向する通路区画手段に設ける態様も含む。
ここで、退避溝7を設ける理由は、「液状ガスケット6が少なくとも通路空間に面した側からはみ出さないようにすること」であるが、これは液状ガスケット6に含まれるオイル成分が粉体(トナー等)に接触すると、粉体凝集体が発生してしまい、粉体が変質する懸念があることによる。よって、本願は、液状ガスケット6が粉体通路に面していない箇所では凹溝5から溢れているものも含む。
更にまた、退避溝7の断面形状は容量を確保するという観点からすれば略矩形状であることがよいが、これに限られず任意の形状を含む。
また、退避溝7は凹溝5の底部又は凹溝5に対向する通路区画手段の周縁に沿って設けられることを要するが、ここでいう「周縁」は全周縁であることが好ましいものの、全周縁ではない態様も含む。つまり、例えば隅部を有する接続開口3の隅部において凹溝5の幅方向寸法が隅部以外の部位に比べて広くなる態様では、隅部に対応する位置の凹溝5に退避溝7を設けなくても、液状ガスケット6が隅部に位置する凹溝5内から溢れずに収容されることは可能であることから、退避溝7が周縁の一部で不連続である態様も含む。
先ず、凹溝5の代表的態様としては、凹溝5の退避溝7以外の底部までの深さは、液状ガスケット6の塗布量に対する高さ寸法公差の下限値未満である態様が挙げられる。本例は、凹溝5に対する液状ガスケット6の塗布量にばらつきがあるとしても、液状ガスケット6による封止性能を維持する上で凹溝5の退避溝7以外の深さ寸法に必要な構成例である。
また、凹溝5の別の代表的態様としては、凹溝5及び退避溝7の延びる方向に交差する幅方向断面積は、液状ガスケット6の塗布量に対する断面積公差の上限値以下である態様が挙げられる。本例は、凹溝5に対する液状ガスケット6の塗布量にばらつきがあるとしても、液状ガスケット6が凹溝5から溢れないようにする上で退避溝7を含む凹溝5の幅方向断面積に必要な構成例である。
更にまた、退避溝7の代表的態様としては、凹溝5の延びる方向に交差する幅方向の少なくとも通路空間1a,2aに面する側に形成されている態様が挙げられる。本例では、封止後に凹溝5に塗布された液状ガスケット6は通路空間1a,2a側の退避溝7に退避する。このため、通路空間側に液状ガスケット6が溢れ難い。
ここで、退避溝7の好ましい態様として、凹溝5の延びる方向に交差する幅方向両側に形成されている態様が挙げられる。本例は凹溝5の幅方向両側に退避溝7を形成し、封止後に凹溝5周辺から液状ガスケット6が溢れることがないように当該液状ガスケット6を退避溝7に退避させるものである。
更に、凹溝5は、接続開口3の周縁に沿って形成されていればよいが、凹溝5の一部に張出溝を別途設けるようにしても差し支えない。例えば凹溝5は接続開口3の周縁に沿って形成され、当該凹溝5のうち接続開口3の一隅部に対応する箇所には凹溝5から外方に張り出して形成される張出溝(図1では図示せず)が付加され、当該張出溝は液状ガスケット6の塗布開始点及び塗布終了点として使用される態様がある。本例は、液状ガスケット6を塗布する際に、塗布開始点及び塗布終了点の作業スペースを確保した態様である。
◎実施の形態1
図2は実施の形態1に係る粉体処理装置としての画像形成装置の全体構成を示す。
-画像形成装置の全体構成-
同図において、画像形成装置20は、画像形成装置筐体21内に各色成分画像が作製可能な作像エンジン30を搭載し、画像形成装置筐体21内の作像エンジン30の下方に記録媒体としての用紙Sを供給する用紙供給装置50を設置し、画像形成装置筐体21の一側面(本例では図2中左側に相当)に用紙供給装置50から供給された用紙Sを略鉛直方向に向けて搬送する搬送経路55を形成し、搬送経路55のうち作像エンジン30に対向する部位には作像エンジン30で作製した画像を用紙Sに転写する転写装置60を設置すると共に、搬送経路55のうち転写装置60よりも用紙Sの搬送方向下流側には用紙Sに転写された画像を定着する定着装置70を設置するようにしたものである。
本実施の形態において、作像エンジン30は、例えば電子写真方式にて複数の色成分画像(本例ではイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つ)を作製する複数の作像部31(具体的には31a~31d)と、各作像部31にて作製された各色成分画像を用紙Sに転写する前に一次的に転写して保持する例えばベルト状の中間転写体40とを備えている。
本例では、作像部31(31a~31d)は、感光体32と、感光体32を帯電する帯電装置(本例では帯電ロールを使用)33と、帯電された感光体上に静電潜像を書き込む画像書込装置(本例ではLED書込ヘッドを使用)34と、感光体32上に形成された潜像をトナー現像する現像装置35と、感光体32上に残留したトナー等の残留物を清掃する清掃装置36と、を備えている。
そして、本例では、各作像部31は中間転写体40の下方において中間転写体40の回転方向に沿う略水平方向に並設されており、各作像部31の感光体32に対向した中間転写体40の裏面には一次転写装置(本例では転写ロールを使用)46が設置され、各感光体32上の作製された各色成分画像を中間転写体40に順次静電転写するようになっている。
尚、本例では、中間転写体40の張架ロール42に対向した部位に転写装置(本例では中間転写体40から用紙Sに画像を二次転写する二次転写装置に相当)60が設置され、また、張架ロール41に対向した部位には中間転写体40上のトナー、紙粉等の残留物を清掃する中間転写体清掃装置47が設置され、また、張架ロール43は中間転写体40の張力を調整する張力調整ロールとしても利用されている。
本実施の形態において、二次転写装置60の基本的構成は、中間転写体40の張架ロール42に対向して転写ロール61を設置し、例えば転写ロール61を接地すると共に張架ロール42には図示外の転写電源からの転写電圧を印加し、中間転写体と転写ロール61との間の転写域に転写電界を形成することで、転写域を通過する用紙に中間転写体40上の画像を二次転写するようにしたものである。
-定着装置-
また、本実施の形態において、定着装置70は、加熱源としてのヒータにより表面温度が予め決められた温度に加熱される回転可能な加熱定着部材(本例では加熱定着ロールを使用)71と、加熱定着部材71の軸方向に沿って所定の接触圧で接触転動する加圧定着部材(本例では加圧定着ロールを使用)72とを備え、両定着部材71,72の接触域に未定着画像が保持された用紙Sを通過させることで未定着画像を定着するようにしたものである。
本実施の形態では、用紙搬送系は、用紙供給装置50のフィーダ部51から搬送経路55に用紙Sを送出し、搬送経路55の二次転写装置60の二次転写域よりも用紙Sの搬送方向上流側に設置された位置整合ロール56にて用紙Sの位置を整合した後に二次転写装置60による転写処理を行い、更に、定着装置70による定着処理を経た用紙を、画像形成装置筐体21の頂部に形成された用紙収容受け58に向けて排出ロール57にて排出するようにしたものである。尚、搬送経路55には必要に応じて適宜数の搬送部材(搬送ロール等)を設けてもよいことは勿論である。また、両面作像モードを実施する場合には図示外の両面搬送ユニットを付加し、片面記録済の用紙を図示外の両面搬送経路を介して搬送経路55のうち位置整合ロール56前に用紙の表裏面を反転させて戻し、片面作像済みの用紙の他の片面に対する作像処理を実施するようにすればよい。
本実施の形態において、画像形成装置筐体21には、図2及び図3(a)(b)に示すように、各作像部31(31a~31d)の各現像装置35に対して各色成分(イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の現像剤(本例ではトナー)を供給する現像剤供給装置80が設けられている。
本例では、現像剤供給装置80は、各色成分トナーが収容される各トナーカートリッジ37(本例では37a~37d)を有している。各トナーカートリッジ37は内部にトナー搬送部材371を有し、開閉可能なシャッタ372(図3(b)では省略、図4参照)開口を開放することでトナーを補給するようにしたものある。そして、現像剤供給装置80は、各トナーカートリッジ37を対応するカートリッジ受部81に保持し、カートリッジ受部81の一部には各トナーカートリッジ37のシャッタ372開口からトナー(現像剤)が落下可能な略矩形状の供給口(接続開口に相当)811を形成し、この供給口811の下方にはトナーを定量供給するためのディスペンス配管82を交差するように配設し、このディスペンス配管82の出口側に略鉛直方向に延びる鉛直配管83を垂下するように配設し、この鉛直配管83の下端付近に現像装置34との接続部84を設けるようにしたものである。
ここで、ディスペンス配管82には、図3(b)に示すように、回転軸826の周囲に螺旋状羽根827が設けられた定量搬送部材825が配設されており、また、鉛直配管83には螺旋状の金属コイルからなるアジテータ(図示せず)が設けられている。
そして、この現像剤供給装置80の接続部84には、現像装置35の現像容器351の長手方向の奥側に設けられた被接続部(図示せず)が接続され、現像剤供給装置80の現像剤(本例ではトナー)が現像装置35の現像容器351に供給されるようになっている。
本実施の形態では、ディスペンス配管82は、図4及び図5に示すように、粉体としてのトナーが通過する通路空間を区画する機能部材であって、カートリッジ受部81の略矩形状の供給口811に対向する略矩形状の接続開口821を有し、この接続開口821の周囲にはカートリッジ受部81の供給口811の周縁部に接触するフランジ部822を有している。
また、カートリッジ受部81は、前述したように、トナーカートリッジ37が保持される機能部材であるが、供給口811に面した箇所にはトナーカートリッジ37のシャッタ372が配置されるようになっており、シャッタ372開放時には供給口811を介してトナーカートリッジ37と連通してトナーが通過可能な通路空間を区画する機能部材である。
そして、本例では、ディスペンス配管82のフランジ部822とカートリッジ受部81との接続部位には封止構造が設けられている。また、ディスペンス配管82のフランジ部822の周囲には止め具140(図4参照)の取付孔823が適宜数(本例では4つ)設けられている。
本例において採用されている封止構造は、図4及び図5に示すように、ディスペンス配管82のフランジ部822のうち略矩形状の接続開口821の周縁に沿って略矩形状の凹溝90を備えている。本例では、凹溝90は、四つの隅部91(具体的には91a~91d)と各隅部91を結ぶ直線部92とからなる略矩形状の軌跡をもって接続開口821の周囲を囲むように配置されており、凹溝90の断面形状は略矩形状に形成されている。尚、本例では、凹溝90の四つの隅部91はいずれも外側が略90度の隅角部911として形成され、内側(本例では接続開口821側に相当)が円弧状の曲面部912として形成されている。
更に、本例では、凹溝90の底部には更に段付きの深掘り溝からなる退避溝100が一周に亘って形成されている。特に、本例では、退避溝100は、凹溝90の隅部91と直線部92とで異なった構成になっている。
凹溝90の隅部91では、凹溝90の延びる方向に交差する幅方向の少なくとも内側(接続開口821側に相当)にのみ退避溝100が形成されている。
これに対し、凹溝90の直線部92では、凹溝90の延びる方向に交差する幅方向両側に退避溝100が一対形成されている。
本例では、液状ガスケット120は非発泡性のもの(例えばホットメルト接着剤)が用いられる。
本実施の形態では、液状ガスケット120は、図6(a)(b)に示すように、ガスケット塗布具130によって塗布されるようになっている。本例では、ガスケット塗布具130は、例えば液状ガスケット120が塗布される凹溝90の軌跡に沿って予め配置される案内レール131を用意しておき、当該案内レール131に沿って所定の速度vで移動すると共に、凹溝90の退避溝100を除く底部95をめがけてガスケット収容器132に収容されている液状ガスケット120を予め決められた塗布量をもって塗布するようになっている。
ここで、ガスケット塗布具130の移動経路としては、例えば図6(c)に示すように、凹溝90の隅部91aの張出溝111を液状ガスケット120の塗布開始点STとし、経路Iの直線部92から隅部91bを経て経路IIの直線部92から隅部91cに至り、更に、経路IIIの直線部92から隅部81dへと至り、最後に経路IVの直線部92を経由して隅部91aに戻り、張出部112を塗布終了点EDとするものが挙げられる。
次に、ディスペンス配管の接続部における封止性能について検証する。
今、図6(a)~(c)に示すように、ディスペンス配管82のフランジ部822の凹溝90に液状ガスケット120を塗布した後、図4、図5及び図7(a)(b)に示すように、ディスペンス配管82のフランジ部822に対してカートリッジ受部81を止め具140で締め付け固定するようにすればよい。
このとき、液状ガスケット120の塗布量としては、図7(a)に示すように、凹溝90の退避溝100以外の底部95までの深さh1は、液状ガスケット120の塗布量に対する高さ寸法公差の下限値未満であることが好ましい。尚、図7(a)中、退避溝100の底部までの深さh2はh2>h1である。
本例では、液状ガスケット120は、ガスケット塗布具130によって凹溝90の退避溝100を除く底部95に塗布されることから、凹溝90に対する液状ガスケット120の塗布量にばらつきがあるとしても、液状ガスケット120の塗布量に対する高さ寸法公差の下限値がh1よりも大きければ、ディスペンス配管82のフランジ部822をカートリッジ受部81で塞ぐ際に液状ガスケット120がカートリッジ受部81に弾性変形しながら確実に接触することから、液状ガスケット120による封止性能は良好に保たれる。
本例では、凹溝90及び退避溝100の幅方向断面積Aは、液状ガスケット120の塗布量に対する断面積公差の上限値には至らないことから、凹溝90に対する液状ガスケット120の塗布量にばらつきがあるとしても、封止部材としてのカートリッジ受部81で凹溝90内の液状ガスケット120が押しつぶされた場合には、液状ガスケット120の一部は、図7(b)に示すように、弾性変形しながら退避溝100に入り込むことから、ディスペンス配管82のフランジ部822の周辺から液状ガスケット120が溢れることは抑制される。
このため、仮に、ディスペンス配管82の接続部を再開放するに当たって、カートリッジ受部81とディスペンス配管82との間の止め具140を外し、ディスペンス配管82の接続開口821を再開放したとしても、液状ガスケット120はディスペンス配管82の凹溝90及び退避溝100内に貼り付いたまま保持される。よって、ディスペンス配管82の接続部からカートリッジ受部81を離したとしても、カートリッジ受部81側に液状ガスケット120がくっついて剥がれる懸念はない。
図8(a)(b)は比較の形態1に係るディスペンス配管の接続部構造の要部を示す。
同図において、ディスペンス配管82のフランジ部822の接続開口821の周縁には液状ガスケット120を塗布するための凹溝90’が設けられている。この凹溝90’は例えば断面略矩形状に形成されているが、実施の形態1に示すような退避溝100は備えていない。
本比較の形態によれば、液状ガスケット120の封止性能を良好に保つには、凹溝90’の底部に至る深さhとして、液状ガスケット120の塗布量に対する高さ寸法公差の下限値未満とすること、また、凹溝90’の幅方向断面積Aを液状ガスケット120の塗布量に対する断面積公差の上限値以下であることが必要になる。
このようにして、液状ガスケット120の塗布量を選定したとしても、凹溝90’に対する液状ガスケット120の塗布量がばらついた場合には、図8(b)に示すように、液状ガスケット120が凹溝90’の幅方向断面積Aを超えてしまう懸念があり、このような状態では、液状ガスケット120の一部120aが凹溝90’からはみ出す懸念がある。
図9(a)(b)は変形の形態1-1に係るディスペンス配管の接続部構造の要部を示す。
同図において、ディスペンス配管82の接続部構造の基本的構成は、実施の形態1と同様に、ディスペンス配管82のフランジ部822に凹溝90を形成したものであるが、実施の形態1と異なり、凹溝90の隅部91、直線部92(図5参照)のいずれも凹溝90底部の幅方向内側(ディスペンス配管82の通路空間側に相当)にのみ更に深掘りした深掘り溝からなる退避溝100を形成したものである。
本例にあっては、凹溝90の幅方向内側(ディスペンス配管82の通路空間側に相当)にのみ退避溝100が形成された態様であるが、凹溝90内の液状ガスケット120が封止部材としてのカートリッジ受部81で押しつぶされた場合には、少なくとも液状ガスケット120は凹溝90の幅方向内側に位置する退避溝100には弾性変形して入り込むため、ディスペンス配管82の通路空間側に液状ガスケット120がはみ出す懸念はない。
これに対し、凹溝90の幅方向外側(ディスペンス配管82の非通路空間側に相当)には退避溝100が形成されていないため、凹溝90内の液状ガスケット120がディスペンス配管82の非通路空間側にはみ出す懸念はあるが、液状ガスケット120が粉体としてのトナーに接触し、トナーが凝集するなどの事態は生じない。尚、本例でも、凹溝90の幅方向内側の退避溝100を広く確保するようにすれば、凹溝90の幅方向外側からの液状ガスケット120のはみ出しも有効に抑制することが可能である。
図10(a)(b)は変形の形態1-2に係るディスペンス配管の接続部構造の要部を示す。
同図において、ディスペンス配管82の接続部構造の基本的構成は、実施の形態1と同様に、ディスペンス配管82のフランジ部822に凹溝90を形成したものであるが、実施の形態1と異なり、凹溝90に対向したカートリッジ受部81の供給口(接続開口に相当)811の周縁に沿って退避溝100を形成したものである。
本例では、退避溝100は凹溝90の幅方向両側に一対設けられており、凹溝90の開口に面して形成されている。
従って、本例では、図10(a)に示すように、ディスペンス配管82のフランジ部822の凹溝90内に液状ガスケット120を塗布した後、ディスペンス配管82のフランジ部822を封止部材としてのカートリッジ受部81で封止すると、凹溝90内の液状ガスケット120の一部は弾性変形してカートリッジ受部81側の退避溝100に入り込むことから、凹溝90内の液状ガスケット120が凹溝90の幅方向両側からはみ出す懸念はない。
尚、本例においては、退避溝100は凹溝90の幅方向両側に設けられているが、これに限られるものではなく、例えば凹溝90の幅方向内側(ディスペンス配管82の通路空間側に相当)にのみ対応して退避溝100を設けるようにしてもよい。
Claims (9)
- 少なくとも一部に開口を有し、粉体が通過可能な通路空間を区画する第1の通路区画手段と、
前記第1の通路区画手段の開口に接続され、粉体が通過可能な通路空間を区画する第2の通路区画手段と、
前記第1及び第2の通路区画手段の接続開口の周縁を封止する封止手段と、を備え、
前記封止手段は、前記第1又は第2の通路区画手段の接続開口の周縁に沿って形成される凹溝と、
前記凹溝内に塗布され、前記凹溝に対向した前記通路区画手段の接続開口の周縁に弾性変形して接触する非発泡性の液状ガスケットと、
前記凹溝の底部又は前記凹溝に対向した前記通路区画手段の接続開口の周縁に沿って設けられ、前記液状ガスケットが前記凹溝の少なくとも前記通路空間に面した側からはみ出さないように当該液状ガスケットの弾性変形部分の一部を退避させる退避溝と、
を備え、
前記凹溝に対向した前記通路区画手段の接続開口の周縁は前記凹溝の開口領域に対し非突出状態に配置されており、
前記凹溝の前記退避溝以外の領域は、対向する前記通路区画手段の接続開口の周縁に対し同じ深さを有することを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1に記載の粉体通路部品において、
前記凹溝の前記退避溝以外の底部までの深さは、前記液状ガスケットの塗布量に対する高さ寸法公差の下限値未満であることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1又は2に記載の粉体通路部品において、
前記凹溝及び前記退避溝の延びる方向に交差する幅方向断面積は、前記液状ガスケットの塗布量に対する断面積公差の上限値以下であることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体通路部品において、
前記退避溝は、前記凹溝の底部に対し更に段付きの深掘り溝であることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の粉体通路部品において、
前記退避溝は、前記凹溝の延びる方向に交差する幅方向の少なくとも前記通路空間に面する側に形成されていることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の粉体通路部品において、
前記退避溝は、前記凹溝の延びる方向に交差する幅方向両側に形成されていることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1乃至5いずれかに記載の粉体通路部品において、
前記退避溝は、前記接続開口の隅部を除く直線部に沿う箇所では前記凹溝の延びる方向に交差する幅方向両側に形成され、前記隅部に対応する箇所では前記幅方向内側のみに形成されていることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載粉体通路部品において、
前記凹溝は前記接続開口の周縁に沿って形成され、当該凹溝のうち前記接続開口の一隅部に対応する箇所には前記凹溝から外方に張り出して形成される張出溝が付加され、当該張出溝は前記液状ガスケットの塗布開始点及び塗布終了点として使用されることを特徴とする粉体通路部品。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の粉体通路部品を含み、前記粉体通路部品に通過する粉体を用いて処理する粉体処理装置。
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