JP2002372726A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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JP2002372726A
JP2002372726A JP2001178569A JP2001178569A JP2002372726A JP 2002372726 A JP2002372726 A JP 2002372726A JP 2001178569 A JP2001178569 A JP 2001178569A JP 2001178569 A JP2001178569 A JP 2001178569A JP 2002372726 A JP2002372726 A JP 2002372726A
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gel
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JP2001178569A
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Mayuka Osada
麻由佳 長田
Hiroshi Fujimura
浩 藤村
Masakatsu Higa
政勝 比嘉
Okitoshi Kimura
興利 木村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示部分の面積を減少させること無しに、外
気中の物質やシール剤から漏出する不純物が液晶物質に
混入することを抑制することの可能な液晶表示素子及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の基板101間の、シール剤102
と画像表示部分103との間に、ゲル化剤を含有する液
晶組成物104が存在している。このような構成では、
液晶組成物104が存在することにより、シール剤10
2を透過した微量の外気中分子や、シール剤102その
ものに含まれる物質が、画像表示部分103の液晶物質
中に拡散することが抑制され、液晶表示素子を長期にわ
たり安定に駆動することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示素子としては、ネマティ
ック液晶を使用したTN型やSTN型のものが実用化さ
れ、社会に広く普及している。そこで、液晶表示素子の
劣化を防止し、優れた表示性能を保持できる素子を提供
することは必要不可欠である。液晶素子の劣化による不
具合として、コントラストの低下や、液晶分子の配向不
良が生じることがある。これらの現象は、液晶物質中に
何らかの不純物が混入したために、配向不良が生じたり
電界応答特性が変化して起こる場合が多い。不純物に
は、基板のシール剤として用いた接着剤に含まれる成分
が溶け出したものがある。これを防止するために、液晶
との相溶性の低いシール剤が開発されているが、成分の
溶け出しを完全に阻止することは依然として困難である
のが現状である。また、外気中からシール材を透過して
液晶物質中に混入する酸素,水などの分子も、液晶分子
の挙動に影響を与える。これを防止する手段としては、
シール剤の幅を広くするという対策が考えられるが、シ
ーリングに用いる部分の面積分は画像表示可能な部分が
減少してしまうため、望ましくない。このように、液晶
物質中への不純物混入を抑制することは大きな課題であ
る。この課題を解決する手段として、シール剤と画像表
示部分との間に、不純物の拡散を抑制することのできる
材料を存在させることが考えられる。
【0003】上記の課題を解決できる材料の一例とし
て、高分子中に液晶を分散させた高分子分散型液晶を用
いるということが考えられる。高分子分散型液晶は、構
造が簡易で大型化が容易であり、視野角が広い等の長所
を有する。しかし、一方では、樹脂を硬化させる操作時
の温度や光強度に高い精度が要求され、また、樹脂が硬
化してしまうので欠陥の修復が不可能であり、また、電
圧印加時にヒステリシスを生じて中間調の表示が不可能
であるといった短所を有する。
【0004】高分子分散型液晶の長所を保持し、短所を
補うことが可能な液晶素子として、特開平5−2160
15および特開平8−254688には、パーフルオロ
アルキル基を有する低分子化合物と液晶物質を含有して
ゲル状態を示す混合物を構成要素とする液晶表示素子が
開示されている。このゲル状態の液晶組成物を用いるこ
とによって、ヒステリシスを生じない表示が可能にな
り、かつ、TN型液晶セル並の高コントラストを実現で
きる。
【0005】しかし、ゲル状態を示す液晶組成物は、室
温条件下でゲル状態を示すため、セルに注入する操作時
には、液晶組成物およびセルを液晶組成物のゾルゲル転
移温度以上に加熱しなければならない。前記液晶組成物
のゾルゲル転移温度は、およそ110℃〜120℃であ
り、セルと液晶組成物を高温に保ちながら注入するとい
う操作は、効率が悪く、生産性に欠けるという問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表示部分の
面積を減少させること無しに、外気中の物質やシール剤
から漏出する不純物が液晶物質に混入することを抑制す
ることの可能な液晶表示素子及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、電極を備えた一対の基板間
に液晶物質を封じこめた液晶表示素子において、基板の
シール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と液晶物質
をゲル化する低分子化合物とを含有する液晶組成物が存
在することを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の液晶表示装置において、前記液晶組成物は、低分子
化合物によりネットワーク構造が形成されたゲル状物質
であることを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の液晶表示素子において、低分子化合物によるネット
ワーク構造の形成が、水素結合によるものであることを
特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、室温条
件下で常にゲル状を呈することを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至請求項4のいずれか一項に記載の液晶表示素子におい
て、基板間の液晶物質と、ゲル状の液晶組成物を形成す
る液晶物質とが同一であることを特徴としている。
【0012】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の液晶表示素子において、ゲル状の液晶組成物部分に
も画像表示を可能とする機構を有することを特徴として
いる。
【0013】また、請求項7記載の発明は、電極を備え
た一対の基板間に液晶物質を封じこめた液晶表示素子の
製造方法において、基板のシール剤と画像表示部分との
間に、液晶物質をゲル化する低分子化合物を存在させて
から、液晶物質の注入を行ない、基板のシール剤と画像
表示部分との間に、液晶物質と液晶物質をゲル化する低
分子化合物とを含有する液晶組成物を存在させることを
特徴としている。
【0014】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の液晶表示素子の製造方法において、画像表示部分の
周囲に液晶物質をゲル化する低分子化合物を存在させた
後に、シール剤を用いて基板を貼り合わせることを特徴
としている。
【0015】また、請求項9記載の発明は、請求項7ま
たは請求項8に記載の液晶表示素子の製造方法におい
て、液晶物質をゲル化する低分子化合物を、液晶注入部
分には存在させないことを特徴としている。
【0016】また、請求項10記載の発明は、請求項7
乃至請求項9のいずれか一項に記載の液晶表示素子の製
造方法において、液晶物質を基板間に注入した後に、液
晶物質をゲル化する低分子化合物を注入口に存在させる
ことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0018】本発明は、電極を備えた一対の基板間に液
晶物質を封じこめた液晶表示素子において、基板のシー
ル剤と画像表示部分との間に、液晶物質と液晶物質をゲ
ル化する低分子化合物(以下、ゲル化剤とする)とを含
有する液晶組成物を存在させる。これによって、画像表
示部分の面積を減少させることなく、不純物の混入を抑
制することができる。その結果、長期間使用後も液晶物
質中への不純物の拡散が抑制され、安定な表示機能を保
持した液晶表示装置を得ることができる。
【0019】図1は本発明に係る液晶表示素子の構成例
を示す図である。図1を参照すると、この液晶表示素子
では、一対の基板101間の、シール剤102と画像表
示部分103との間に、ゲル化剤を含有する液晶組成物
104が存在している。
【0020】このような構成では、液晶組成物104が
存在することにより、シール剤102を透過した微量の
外気中分子や、シール剤102そのものに含まれる物質
が、画像表示部分103の液晶物質中に拡散することが
抑制され、液晶表示素子を長期にわたり安定に駆動する
ことが可能となる。
【0021】なお、本発明において、「画像表示部分」
とは、ゲル化剤を含まない液晶物質が存在する部分を指
すものとする。
【0022】また、本発明において、ゲルとは、三次元
ネットワーク構造に溶剤が取り込まれた状態を指し、ゲ
ル状態からゾル(溶液)状態へと可逆的に変化するもの
である。その場合、ゲル状態からゾル状態への変化が可
能であれば、三次元ネットワーク構造の架橋部分の構造
には限定を受けないが、その架橋構造は一般的に共有結
合以外の二次的結合力によるものの場合が多い。本発明
で用いるゲルのネットワーク構造は、分子間力結合(水
素結合)によるものであるとする。分子間力によるゲル
のゾル化は一般的には温度を上げることによって引き起
こすことができる。
【0023】本発明で用いられるゲル化剤は、分子間水
素結合によって物質をゲル化する性質を持ち、かつ、使
用する液晶物質に溶解する低分子化合物である。この低
分子化合物とは、分子量分布を持たない化合物を指し、
分子量としては2000以下、特に1000〜2000
のものが好ましい。分子間水素結合が可能な分子構造上
の条件は、一般的にはアミド基(−NHCO−)、アミ
ノ基(−NH−)とカルボニル基(−CO−)の組み合
わせを有するものが望ましい。これ以外に、カルバメー
ト基、ウレア基、カルボキシル基、アルコキシ基、リン
酸基および水酸基などがあっても良く、これらの数,位
置については限定しない。そのようなゲル化剤の中で
も、特に、分子間水素結合が可能な基およびアルキレン
基を1分子中にそれぞれ2個以上有する化合物が望まし
い。アルキレン基としては、炭素数4以上、好ましくは
6〜20の長鎖構造(分岐があっても良い)を持つ方
が、液晶物質への溶解性が高い。また、ゲル化剤はキラ
ル構造を有することが好ましい。具体的には、特開平5-
216015、特開平8-254688、特開平11-21556、特開平11-5
2341に示されているものなどを使用できる。
【0024】また、本発明において用いられる液晶物質
としては、従来から液晶表示素子に用いられている液晶
分子、具体的には、ネマティックあるいはスメクティッ
ク相を示すビフェニル系,フェニルシクロヘキサン系な
どの各種の液晶分子を用いることができる。
【0025】液晶物質をゲル化させるために必要な前記
ゲル化剤の量は、液晶物質に対して0.05〜10wt
%である。ゲル化剤の量の最適値は液晶物質およびゲル
化剤の種類によって異なるが、液晶が可視光に対して散
乱しない範囲、すなわち透明な範囲であることが好まし
い。換言すれば、透明な範囲でゲル化できる化合物を選
択できることが好ましい。ゲル化剤の添加量は、不純物
の混入を抑制するという目的のためには多いほうが好ま
しく、ゲル状の液晶組成物部分にも画像表示を可能とす
るためには少なくするのが好ましい。具体的な数値とし
ては、ゲル化剤の量は、液晶物質に対して0.5wt%
未満であれば非常に好ましい。液晶物質にゲル化剤を溶
解したものを加熱すると、均一な等方性溶液となる。こ
れを冷却することにより、光学的に異方性のゲル状の液
晶組成物を得ることができる。
【0026】また、ネットワーク構造を持つことにより
(液晶組成物を、低分子化合物によりネットワーク構造
が形成されたゲル状物質とすることにより)、液晶組成
物は長期安定性により優れたものとなる。
【0027】このゲル状の液晶組成物は、水素結合性の
ネットワーク構造を持つので(低分子化合物によるネッ
トワーク構造の形成が、水素結合によるものである場合
には)、熱などの刺激に応じて結合が切れたりネットワ
ークを形成したりするという構造変化を、可逆的に起こ
させることが可能である。すなわち、ゲル状の液晶組成
物を再度加熱することにより等方性溶液に戻り、再度冷
却することで液晶ゲルが得られる。また、本発明で作製
されるゲル状の液晶組成物は、電界の強度の変化に応じ
て配向が変化し、明確な電界応答性を示す。
【0028】また、本発明において使用されるシール剤
102としては、従来から液晶表示素子に用いられてい
る材料、具体的には光硬化性のアクリル系樹脂,エポキ
シ系樹脂などを用いることができる。また、本発明にお
いて使用される基板101としては、従来から液晶表示
素子の基板として用いられている透明な材料を用いるこ
とができる。例えば、ガラス等の剛直な材料、プラステ
ィックフィルム等の柔軟な材料のいずれも用いることが
できる。
【0029】また、本発明に使用される液晶組成物は、
室温(15〜20℃程度)ではゲル状態を保つこと(室
温条件下で常にゲル状を呈すること)が必要である。よ
り好ましくは、液晶素子が使用される環境下(液晶表示
素子の設計による)で常にゲル状態を示すことが必要で
ある。液晶素子がゲル状を呈する温度範囲は広ければ広
いほど良く、−10〜70℃であれば実使用に十分であ
る。本発明では、上に示した液晶物質とゲル化剤の組み
合わせで作製できるゲル状の液晶組成物のうち、この条
件を満たすものを用いる。
【0030】また、基板間の液晶物質とゲル状の液晶組
成物を形成する液晶物質とを同一にすると、素子全体の
製造手順が簡略になる。すなわち、これらの部分に組成
の異なった液晶物質を用いようとすると、画像表示部分
とシール剤の間にゲル状の液晶組成物を存在させてから
画像表示部分に液晶物質を注入するという二段階の手順
が必要になる。これに対し、使用する液晶物質が同一で
あれば、後述のように、液晶物質の注入操作を一回で行
うことができる。
【0031】また、基板間の液晶物質とゲル状の液晶組
成物を形成する液晶物質とが同一である液晶表示素子で
は、ゲル状の液晶組成物部分にも画像表示を可能とする
機構をもたせることができる。図2はゲル状の液晶組成
物部分にも画像表示を可能とする機構を有する液晶表示
素子を説明するための図である。前述したように、本発
明における「画像表示部分」とは、一般的な液晶表示素
子における画素部分203であり、本発明においては、
ゲル化剤を含まない液晶物質が存在している。図2中の
液晶組成物204の部分は、一般的な液晶表示素子にお
いては、画像表示の機能を持たず、従って液晶の駆動機
構も備えない。これに対し、本発明のように、画素部分
203の液晶物質とゲル状の液晶組成物204を形成す
る液晶物質とが同一である場合は、ゲル状の液晶組成物
204の部分にも画像表示を可能とする機構を有するこ
とにより、画像表示が可能な部分の面積を広く確保し、
かつ、ゲル状の液晶組成物204の部分と画像表示20
3の液晶物質の境目に違和感を覚えない表示が可能とな
る。この場合は、シール剤202からの不純物が画像部
分203の液晶物質に混入することを効果的に防ぐこと
ができるように、ゲル状の液晶組成物204の部分は極
力幅を広く取り、シール剤202の近くまで存在させる
ことが好ましい。
【0032】また、本発明の液晶表示素子の製造方法と
して、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物
質をゲル化する低分子化合物を存在させてから、液晶物
質の注入を行ない、基板のシール剤と画像表示部分との
間に、液晶物質と液晶物質をゲル化する低分子化合物と
を含有する液晶組成物を存在させることができる。この
ように、液晶物質の注入前にゲル化剤をシール剤と画像
表示部分の間に存在させることで、常温で液晶物質を注
入するだけでゲル化剤と液晶物質の混合が完了する。一
般に、基板面への液晶物質の導入は、両基板間への減圧
注入が顕著に使用されている方式である。本発明におい
ては、ゲル化剤が液晶組成物中に存在することが前提で
あるため、液晶表示素子の使用温度範囲においては液晶
組成物がゲル化していることが好ましい。従って、本発
明における液晶組成物も常温ではゲル状態を示し、常温
において基板間に液晶組成物を減圧注入することはでき
ない。ゲル化している液晶組成物をゾル化温度以上まで
熱して液体状態とすることにより減圧注入が可能となる
が、この場合には注入が終了するまではゾル状態を保つ
必要があるため、注入皿、基板などを加熱しておく必要
が生じる。このような操作はエネルギー的に不利であ
り、加熱装置等が必要となる上に、その制御も複雑とな
り、生産性を下げる要因となる。本発明の製造方法にお
いては、基板上にあらかじめゲル化剤を存在させておく
ため、減圧注入時の過熱を必要とせず、従来の装置がそ
のまま使用でき、煩雑な温度制御も不要となる。基板上
にゲル化剤をあらかじめ存在させる手法としては、直接
塗布したり、あるいは、溶媒に溶かして塗布・乾燥する
等の方法が考えられる。塗布方法としては、従来公知の
スピン塗布,デップ塗布,フレクソ印刷などが使用でき
る。また、ゲル化剤は、シール剤を印刷する部分(封止
部)にできるだけ近づけて塗布することが望ましいが、
シール部に付着しないように注意することが好ましい。
【0033】また、上述の本発明の液晶表示素子の製造
方法において、画像表示部分の周囲に液晶物質をゲル化
する低分子化合物を存在させた後に、シール剤を用いて
基板を貼り合わせるのが良い。このように、画像表示部
分の周囲にゲル化剤を存在させる作業は、基板にシール
剤を印刷するよりも先に行うのが望ましい。シール剤は
ゲル化剤よりも厚みがあるため、先に印刷をしてしまう
と、ゲル化剤を存在させる作業がしにくくなる上に、シ
ール剤の上にゲル化剤が重ならないよう精度が要求され
る。そこで、先にゲル化剤を存在させてからシール剤を
印刷することで、シール剤の際までゲル化剤を存在させ
ることができ、作業を簡易化することができる。
【0034】また、上述の本発明の液晶表示素子の製造
方法において、液晶物質をゲル化する低分子化合物は、
液晶注入部分には存在しないようにするのが良い。この
ように、ゲル状の液晶組成物が液晶注入部分には存在し
ないことにより、液晶物質の注入時にゲル化剤と液晶物
質が画像表示部分で混ざり合うことを防止することがで
きる。
【0035】また、上述した本発明の液晶表示素子の製
造方法において、液晶物質を基板間に注入した後に、液
晶物質をゲル化する低分子化合物を注入口に存在させる
ようにするのが良い。このように、液晶物質を注入した
後に、注入口にゲル化剤を存在させることによって、最
終的には注入口もゲル状の液晶組成物で塞がれ、不純物
の混入をより確実に抑制することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0037】実施例1 実施例1では、基板として、寸法が30mm×40mm
のガラスにITO電極層を形成し、配向処理膜としてポ
リイミドを積層したものを2枚用意した。2枚の基板の
うちの1枚に、ゲル化剤として、trans−(1R,
2R)−1,2−ビス(ウンデシルカルボニルアミノ)
シクロヘキサンを溶剤に溶かしたものを、画像表示部分
(画素部分)103を取り囲むように、図1に示される
液晶組成物104の部分に塗布して、乾燥させた。ただ
し、後に液晶物質を注入する注入口106の部分を5m
m塗り残した。次に、ゲル化剤を塗布した部分の外側
に、シール剤102としてアミン硬化エポキシ樹脂中に
5μm径のシリカビーズを含有させたものをスクリーン
印刷し、2枚の基板を貼り合わせて固定・硬化して、セ
ルを作製した。
【0038】次に、セルを液晶注入用真空装置に移し、
0.002Torrまで減圧した後に液晶皿にセルの液
晶注入口106を付けてセル外部を常圧に戻し、液晶物
質をセル中に導入した。その後、注入部分(注入口)1
06にゲル化剤を塗布し、その外側を封止剤で塞ぎ硬化
することにより、液晶素子を得た。この液晶素子を10
0℃まで加熱してゲル化剤を液晶物質に溶かした後に、
室温まで冷却することにより、シール剤102と画像表
示部分103との間にゲル状の液晶組成物104が存在
する液晶表示素子を得た。ゲル状の液晶組成物104部
分は、可視光に対して透明であった。
【0039】上記の手順で作製した液晶表示素子に、上
偏光板(高分子二色性偏光子使用)と下偏光板(高分子
二色性偏光子使用)を粘着剤で固定した。液晶セルに6
4Hzの交流電圧を印加したところ、液晶が均一に正常
に作動することが確認できた。
【0040】以上のような手順で作製した液晶表示素子
を24個用意した。80℃条件下で720時間駆動させ
た後に、画像表示部分(画素部分)103とゲル状の液
晶組成物104部分の境目を観察したが、24個とも、
境目の液晶の配向異常は認められす、安定な表示性能が
保たれた。
【0041】比較例1 比較例1として、ゲル化剤を用いないこと以外は実施例
1と同様に作製した液晶セルを24個用意した。比較例
1では、実施例1と同様に、80℃で720時間駆動を
させた後に画素表示部分(画素部分)とゲル状の液晶組
成物部分の境目を観察したところ、24個中21個の液
晶セルにおいて液晶の配向異常が認められ、表示性能に
劣化が生じていた。
【0042】実施例2 実施例2では、実施例1と同様に、ITO電極層を備え
たガラス基板を2枚を用意した。ここでは、画像表示部
分103をシール剤102にできるだけ近いところ、す
なわち図1中の液晶組成物104部分まで存在させた。
ガラス基板の1枚に、trans−(1R,2R)−
1,2−ビス(ウンデシルカルボニルアミノ)シクロヘ
キサンを溶剤に溶かしたものを、封子部と画像表示部分
(画素部分)103の境目に沿って液晶組成物104部
分(画像表示部の上)に注入口106の部分を5mm塗
り残して塗布し、乾燥させた。以下、実施例1と同様に
して液晶セルを作製した。ゲル状の液晶組成物104部
分は可視光に対して透明であった。
【0043】上記の手順で作製した液晶表示素子に、上
偏光板(高分子二色性偏光子使用)と下偏光板(高分子
二色性偏光子使用)を粘着剤で固定した。液晶セルに6
4Hzの交流電圧を印加したところ、液晶が均一に正常
に作動することが確認できた。ゲル状の液晶組成物10
4部分の画素も、他の部分に対して違和感無く画像を表
示した。
【0044】実施例3 実施例3では、ゲル化剤として、 Z−L−PhCH2OCONH−CH(s−Bu)CO
NH(CH217CH3 (ただしPhはフェニル基、s−Buはセカンダリブチ
ルを示す)を用いること以外は実施例1と同様にして液
晶セルを作製した。液晶セルに64Hzの交流電圧を印
加して、液晶が均一に正常に作動することが確認でき
た。また、80℃条件下で720時間駆動させた後に、
画像表示部分(画素部分)103とゲル状の液晶組成物
104部分の境目を観察したが、境目の液晶の配向異常
は認められす、安定な表示性能が保たれてることが確認
された。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を
封じこめた液晶表示素子において、基板のシール剤と画
像表示部分との間に、液晶物質と液晶物質をゲル化する
低分子化合物とを含有する液晶組成物が存在することに
より、外気中の物質やシール材から漏出する不純物が液
晶物質に混入することを抑制することができる。
【0046】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の液晶表示装置において、前記液晶組成物を、
低分子化合物によりネットワーク構造が形成されたゲル
状物質とすることにより、室温条件下で流動性を持たな
い安定な構造を保持する液晶表示素子を提供することが
できる。
【0047】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項2記載の液晶表示素子において、低分子化合物による
ネットワーク構造の形成が、水素結合によるものである
ことにより、分子間の結合が柔らかく動的であり、液晶
の電界応答性が高い液晶表示素子を提供することができ
る。
【0048】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項1記載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、
室温条件下で常にゲル状を呈することにより、液晶組成
物が液状になって液晶物質と混ざることがなく、不純物
の混入を確実に抑制する液晶表示素子を提供することが
できる。
【0049】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液晶表示素子
において、基板間の液晶物質と、ゲル状の液晶組成物を
形成する液晶物質とが同一であることにより、製造法が
簡易な液晶表示素子を提供することができる。
【0050】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項5記載の液晶表示素子において、ゲル状の液晶組成物
部分にも画像表示を可能とする機構を有することによ
り、画像表示部分の面積を減少させること無く、不純物
の混入を抑制する液晶表示素子を提供することができ
る。
【0051】また、請求項7記載の発明によれば、電極
を備えた一対の基板間に液晶物質を封じこめた液晶表示
素子の製造方法において、基板のシール剤と画像表示部
分との間に、液晶物質をゲル化する低分子化合物を存在
させてから、液晶物質の注入を行ない、基板のシール剤
と画像表示部分との間に、液晶物質と液晶物質をゲル化
する低分子化合物とを含有する液晶組成物を存在させる
ようになっているので、液晶物質の注入によって一段階
の工程で低分子化合物と液晶物質を混合することができ
る。
【0052】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項7記載の液晶表示素子の製造方法において、画像表示
部分の周囲に液晶物質をゲル化する低分子化合物を存在
させた後に、シール剤を用いて基板を貼り合わせること
により、簡易で高い精度を要求されずに、液晶表示素子
を製造することができる。
【0053】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項7または請求項8に記載の液晶表示素子の製造方法に
おいて、液晶物質をゲル化する低分子化合物が、液晶注
入部分には存在しないことにより、液晶物質の注入時
に、低分子化合物と液晶物質が画像表示部分で混ざり合
うことを抑制することができる。
【0054】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の液晶表示素
子の製造方法において、液晶物質を基板間に注入した後
に、液晶物質をゲル化する低分子化合物を注入口に存在
させることにより、画像表示部分を囲んでゲル状の液晶
組成物が存在し、不純物の混入をより確実に抑制するこ
とをできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の構成例を示す図で
ある。
【図2】ゲル状の液晶組成物部分にも画像表示を可能と
する機構を説明するための図である。
【符号の説明】
101 基板 102 シール剤 103 画像表示部分 104 液晶組成物 105 電極 106 注入口 201 基板 202 シール剤 203 画像表示部分 204 液晶組成物
フロントページの続き (72)発明者 比嘉 政勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 木村 興利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H088 FA02 FA03 FA04 FA09 FA18 GA01 GA10 HA01 HA18 MA10 MA20 2H089 HA04 KA04 LA07 NA25 NA39 QA01 QA12 QA16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を備えた一対の基板間に液晶物質を
    封じこめた液晶表示素子において、基板のシール剤と画
    像表示部分との間に、液晶物質と液晶物質をゲル化する
    低分子化合物とを含有する液晶組成物が存在することを
    特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶表示装置において、
    前記液晶組成物は、低分子化合物によりネットワーク構
    造が形成されたゲル状物質であることを特徴とする液晶
    表示素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液晶表示素子において、
    低分子化合物によるネットワーク構造の形成が、水素結
    合によるものであることを特徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の液晶表示素子において、
    前記液晶組成物は、室温条件下で常にゲル状を呈するこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の液晶表示素子において、基板間の液晶物質と、ゲ
    ル状の液晶組成物を形成する液晶物質とが同一であるこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の液晶表示素子において、
    ゲル状の液晶組成物部分にも画像表示を可能とする機構
    を有することを特徴とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 電極を備えた一対の基板間に液晶物質を
    封じこめた液晶表示素子の製造方法において、基板のシ
    ール剤と画像表示部分との間に、液晶物質をゲル化する
    低分子化合物を存在させてから、液晶物質の注入を行な
    い、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質
    と液晶物質をゲル化する低分子化合物とを含有する液晶
    組成物を存在させることを特徴とする液晶表示素子の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の液晶表示素子の製造方法
    において、画像表示部分の周囲に液晶物質をゲル化する
    低分子化合物を存在させた後に、シール剤を用いて基板
    を貼り合わせることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の液晶表
    示素子の製造方法において、液晶物質をゲル化する低分
    子化合物を、液晶注入部分には存在させないことを特徴
    とする液晶表示素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至請求項9のいずれか一項
    に記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質を
    基板間に注入した後に、液晶物質をゲル化する低分子化
    合物を注入口に存在させることを特徴とする液晶表示素
    子の製造方法。
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