JP2003222829A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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JP2003222829A
JP2003222829A JP2001364048A JP2001364048A JP2003222829A JP 2003222829 A JP2003222829 A JP 2003222829A JP 2001364048 A JP2001364048 A JP 2001364048A JP 2001364048 A JP2001364048 A JP 2001364048A JP 2003222829 A JP2003222829 A JP 2003222829A
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Okitoshi Kimura
興利 木村
Hiroshi Fujimura
浩 藤村
Masakatsu Higa
政勝 比嘉
Mayuka Osada
麻由佳 長田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡の発生を抑えると共に、コントラストが
高く、しかも、透明度が高いプラスチック液晶表示素子
を提供する。 【解決手段】 厚み250μm以下のプラスチック基板
で構成される光透過性の表示側基板1とこれに対向する
非表示側基板2とを有すると共に、これらの基板1,2
の間に液晶物質とこれを物理ゲル化するゲル化剤とを含
む液晶性組成物で構成される調光層を有する液晶表示素
子において、前記液晶物質の等方相/液晶相転移温度を
ゾル−ゲル転移温度以上とし、且つ、前記2枚の基板の
表面にそれぞれ配向膜5,6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、対向する2枚の
基板の間に液晶物質とこれを物理ゲル化するゲル化剤と
を含む流動性が消失した調光層を有する液晶表示素子及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、薄型、軽量であり、且
つ、省電力性において優れているので、多くの数分野で
利用されている。現在では、液晶表示素子は、陰極線管
(CRT)にとって代わる勢いで普及してきている。特
に、液晶表示素子は、携帯用電子機器の表示素子として
利用されて、その特徴が活かされている。液晶表示素子
は、一般的には、対向する2枚のガラス基板の間に液晶
組成物からなる調光層を挟みこんだ構成となっている
が、かかるガラス基板をポリマーフィルムにした場合に
は、軽量化や耐衝撃性が向上するために、携帯電子機器
に更に向いたものとなる。
【0003】しかし、ポリマーフィルムを基板として作
製された液晶表示素子は、何らかの外部刺激がきっかけ
となって、液晶素子内に気泡が発生するという問題があ
った。液晶素子内における気泡の発生は、頻度において
は少ないものの、ガラス基板を用いて作製された液晶表
示素子においても見られることがある。このような液晶
素子内において気泡が発生した部分は、液晶組成物が充
填されていない状態になってしまうために、液晶表示素
子として機能しなくなってしまうという問題があった。
【0004】そこで、ネマチック液晶を使用して、高分
子樹脂の網目構造もしくはカプセル構造中に液晶を配置
した高分子分散型液晶デバイスが提案された。このよう
な高分子分散型液晶デバイスは、(1) 偏光板を使用しな
いので明るい画像表示ができること、(2) 視野角が広い
こと、(3) 液晶の配向処理が必要でないので製造が容易
であること、等の長所があるが、(1) 高分子樹脂を硬化
させる際における温度や光強度に高い精度が要求される
こと、(2) 高分子樹脂が硬化してしまうので欠陥の修復
が不可能であること、(3) 電圧印加時にヒステリシスを
生じて中間調の表示が不可能であること、等の問題があ
った。
【0005】これらの問題を改善するために、パーフル
オロアルキル基を有する低分子化合物と液晶物質とを含
有するゲル状態の液晶性組成物を構成要素とする液晶表
示素子が提案された(特開平5−216015号公報及
び特開平8−254688号公報参照)。このゲル状態
の液晶性組成物(以下、「液晶ゲル」という)を表示素
子の製造に用いることにより、ヒステリシスを生じない
表示が可能になり、かつ、TN型液晶セル並の高コント
ラストが実現された。しかも、液晶ゲルの網目の欠陥の
修復をゾル−ゲル相転移温度以上まで加熱してその後冷
却するだけの簡単な操作で行えることは、大きなメリッ
トであった。しかしながら、前記液晶性組成物のゾル−
ゲル相転移温度は、110〜120℃であるので、欠陥
修復のための温度を約130℃として欠陥の修復を繰り
返すと、高温のゾル状態の液晶性組成物への不純物の混
入による表示不良が発生するという問題があり、また、
ゲル状態を示す液晶性組成物は室温条件下でゲル状態を
示すため、セルに注入する操作時には、液晶性組成物及
びセルを液晶性組成物のゾル−ゲル相転移温度以上に加
熱しなければならないという問題もあった。
【0006】そして、前記特開平5−216015号公
報及び特開平8−254688号公報に記載された発明
の実施例においては、液晶性組成物をそのゾル−ゲル相
転移温度よりも高い温度の100〜180℃に加熱して
等方性液体とし、この等方性液体を同温度に加熱した液
晶セルに真空中において注入している。しかしながら、
真空中において、高温の液晶性組成物を高温に保った液
晶セルに注入すると、液晶性組成物の高蒸気圧成分の揮
発による組成の変動や高温下の連続生産による材料劣化
が生じ、また、真空下でのセル加熱等のプロセスではエ
ネルギー効率が悪くなるので、生産性が悪いという問題
があった。
【0007】さらに、液晶物質にゲル化剤を加えると、
それらの組み合わせによっては、液晶物質及びゲル化で
構成される調光層(液晶層)において、光の散乱が発生
するので、調光層における光の透過率が低下することに
なり、そのために、コントラストが高く、しかも、透明
度が高い表示ができなくなるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決することを目的としている。即ち、本発明は、気
泡の発生を抑えると共に、コントラストが高く、しか
も、透明度が高いプラスチック液晶表示素子を提供する
ことを第1の目的とし、そして、気泡の発生を抑えると
共に、コントラストが高く、しかも、透明度が高いプラ
スチック液晶表示素子を効率良く低コストで製造できる
液晶表示素子の製造方法を提供することを第2の目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、上記目的を達成するために、厚み250μm以下
のプラスチック基板で構成される光透過性の表示側基板
とこれに対向する非表示側基板とを有すると共に、これ
らの基板の間に液晶物質とこれを物理ゲル化するゲル化
剤とを含む液晶性組成物で構成される調光層を有する液
晶表示素子において、前記液晶物質の等方相/液晶相転
移温度をゾル−ゲル転移温度以上とし、且つ、前記2枚
の基板の表面にそれぞれ配向膜を形成したことを特徴と
する液晶表示素子である。
【0010】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載された発明において、前記ゲル化剤が、前記液晶物
質に溶解し、かつ、分子間水素結合によって該液晶物質
をゲル化する分子量2000以下、好ましくは、150
〜2000の低分子化合物で構成されていることを特徴
とするものである。
【0011】請求項3に記載された発明は、請求項1又
は2に記載された発明において、前記プラスチック基板
が、ポリカーボネイト又はポリエーテルスルフォンであ
ることを特徴とするものである。
【0012】請求項4に記載された発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載された液晶表示素子の製造方法にお
いて、あらかじめ、液晶物質と接する対向する2枚の基
板の少なくとも一方の基板の表面に該液晶物質を物理ゲ
ル化するゲル化剤を塗布した後、該液晶物質を前記対向
する2枚の基板の間に注入することを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項5に記載された発明は、請求項4に
記載された発明において、前記ゲル化剤が、室温では液
晶物質と混和しない低分子化合物で構成されていること
を特徴とするものである。
【0014】請求項6に記載された発明は、請求項5に
記載された発明において、前記低分子化合物が、前記液
晶物質に溶解し、かつ、分子間水素結合によって該液晶
物質をゲル化する分子量2000以下、好ましくは、1
50〜2000の低分子化合物であることを特徴とする
ものである。
【0015】請求項7に記載された発明は、請求項4〜
6のいずれかに記載された発明において、前記ゲル化剤
をギャップ剤中に溶解又は分散させて塗布することを特
徴とするものである。
【0016】請求項8に記載された発明は、請求項4〜
7のいずれかに記載された発明において、前記ギャップ
剤中に分散させたゲル化剤を乾式散布して塗布すること
を特徴とするものである。
【0017】請求項9に記載された発明は、請求項4〜
8のいずれかに記載された発明において、前記液晶物質
を前記対向する2枚の基板間に注入した後加熱してゲル
化剤を液晶物質に混和させ、続いて、冷却することを特
徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態を
示す液晶表示素子のセルの平面図である。図2は、図1
のA−A断面図である。
【0019】図1において、10は液晶表示素子のセル
である。本発明の液晶表示素子は、厚み250μm以下
のプラスチック基板で構成される光透過性の表示側基板
1とこれに対向する非表示側基板2とを有すると共に、
これらの基板1,2の間に液晶物質とこれを物理ゲル化
するゲル化剤とを含む液晶性組成物で構成される調光層
(図示せず)を有している。そして、前記液晶物質は、
その等方相/液晶相転移温度がゾル−ゲル転移温度以上
とされ、また、前記2枚の基板1,2の表面には、配向
膜5,6がそれぞれ形成されている。図1,2におい
て、3,4は、ITO膜であり、そして、8は、液晶物
質注入口である。
【0020】本発明者は、基本的構成の液晶表示素子に
おいて気泡の発生実験をおこなったところ、気泡発生要
因のひとつとして、押圧による気泡の発生があることが
判った。かかる現象は、表示側基板面を何らかの形で押
して変形させると、気泡が発生することを意味してい
る。同様な気泡発生実験をガラス基板の液晶表示素子に
おいて実施しても気泡は発生しなかった。また、同様な
気泡発生実験を剛性の高い厚いプラスチック基板の液晶
表示素子において実施しても気泡は発生しなかった。こ
れらのことから見ると、気泡の発生には、基板面の変形
が寄与しているものと考えられた。そして、さらに検討
を重ねたところ、押す物体が基板面を押し、その物体が
離れる際に気泡が発生していることが判った。これらの
ことにより、基板がもとの形に修復する際、押圧部内部
が他の部分に比較し負圧になり気泡が発生するものと考
えられる。気泡の発生は、可とう性の基板を使用した場
合には、基本的には避けられない現象である。表示側基
板が250μm以下のプラスチック基板(フイルム基
板)を使用した場合は特に顕著である。
【0021】そこで、本発明者は、厚み250μm以下
のプラスチック基板で構成される光透過性の表示側基板
1とこれに対向する非表示側基板2の間に液晶物質を物
理ゲル化できるゲル化剤を含ませたところ、液晶物質が
ゲル化して、気泡の発生を抑制できることを見出した。
かかる事実によると、前記した2枚の基板1,2の間の
部分に注入された液体状態の液晶性組成物がゲル化した
固体様の調光層になると、押圧により変形した表示側基
板1の回復に調光層が追随するために調光層が負圧にな
ることが抑制され、そのために、気泡の発生が抑制され
るものと考えられる。また、同じ押圧であれば、固体様
となった調光層の方が変形しにくいことも効果をあげる
要因となっているものと考えられる。
【0022】そして、本発明者は、このような液晶表示
素子のコントラストを向上させるために、液晶物質を物
理ゲル化するゲル化剤の量を調光層が可視光に対して透
明である範囲にすることを提案したが、液晶物質とゲル
化剤との組み合わせによっては、作製された液晶ゲルが
散乱性を有してしまい、コントラストを低下させる要因
となた。これを防ぐために、セルの厚みを薄くして実質
的に透明度をあげたり、ゲル化剤の量を減らして散乱を
おさえるようにしたが、前者では、セルの厚みが薄くな
るに従い厚みの制御が難しくなるので、生産性をおとす
要因となりやすく、また、後者では、作製される液晶ゲ
ルの性状がより柔らかいものになりやすいので、気泡発
生の抑制力をおとす要因となっていた。本発明者は、こ
のような不具合を解消するために、液晶ゲルの可視光に
対する透明性を検討したところ、液晶ゲルの等方相/液
晶相転移温度がゾル−ゲル転移温度以上とし、且つ、対
向する2枚の基板の表面にそれぞれ配向膜を形成すれ
ば、コントラストが高く、しかも、より透明度の高い液
晶表示素子が作製できることを見出した。
【0023】その理由は、液晶がゾルであり、しかも、
等方相である完全な等方性状態(高温状態)から、温度
が下がって液晶ゲルとなる過程において、まず、液晶相
が発現することにより系にある程度規則的な構造が付与
され、その後、この規則的構造体の中でゲルの組識化が
おこり、液晶の配向性(規則性)をなるべく維持したま
まゲル化組識ができあがるために、散乱が起きにくくな
ることによる。この逆の関係の場合、即ち、液晶ゲルの
等方相/液晶相転移温度がゾル−ゲル転移温度以下であ
る場合には、完全な等方相状態から、まず、ゲルの組識
がランダムに発生し、その後、その組識の中で液晶相が
発現して、液晶が規則的に配列しようとすることをゲル
組識が阻害するために、できた液晶ゲルが散乱しやすく
なる。
【0024】また、この液晶ゲルができる過程におい
て、基板の表面に配向膜が形成してあることが系の透明
性及び均一性(大面積をむら無く作製すること)を向上
させる上で好ましい。このように、基板の表面に配向膜
が形成してあると、液晶分子をさらに規則的にしようと
する力が発生して、透明性及び均一性を向上させること
となる。基板の表面に配向膜が形成してない場合には、
液晶ゲルの作製時に液晶分子が基板に対してランダムな
向きに配置するので、液晶ゲルが散乱しやすく、均一性
がそこなわれる。特に、大画面の液晶表示素子の作製に
おいては、工業的に再現性良く均一な素子を製造するこ
とは困難であるが、基板に配向膜が形成してあると、均
一な液晶表示素子を提供できる。
【0025】対向する2枚の基板1,2の間に保持され
る液晶ゲルの透明度は、2枚の基板1,2の間に液晶ゲ
ルが保持された状態で、可視光(400nm〜700n
m)の平均透過率で90%以上であることが好ましく、
さらに好ましくは、95%以上であること好ましい。平
均透過率が90%以下である場合には、コントラストが
著しく落ちることとなる。
【0026】液晶ゲルの等方相/液晶相転移温度とゾル
−ゲル転移温度との温度差は、20℃以上離れているこ
とが好ましく、さらに好ましくは40℃以上離れている
ことが好ましい。前記温度差が20℃以下である場合で
も、透明性はあるものの、20℃以上、特に、40℃以
上のものと比較すれば、その透明性は多少劣る傾向にあ
る。本発明によれば、等方相/液晶相転移がまず系内で
発生した後ゾル−ゲル転移が起るので、この温度が離れ
ている場合、液晶のゆらぎが等方相/液晶相転移温度か
ら離れるにしたがい、小さくなり、よりゆらぎの小さい
液晶場でゲル化組識ができあがる。
【0027】本発明における液晶物質を物理ゲル化でき
る化合物は、特に、低分子化合物が好ましい。その理由
は高分子に比較して少ない量で液晶をゲル化できること
に起因する。後述の如くコントラストの高い表示には、
調光層の光学効果を得るために旋光性、複屈折性を使用
したものがあり、液晶の表示モードで示すならば、TN
液晶表示、STN液晶表示、(反)強誘電性液晶表示等が
ある。即ち、液晶の配向性が重要な表示モードであり、
高分子を使用したゲルの様に液晶に対して多量に存在す
る系は液晶の配向性を乱すため使用できない。これに対
して、低分子化合物は、非常に少ない添加によりゲル化
が起るので、液晶の配向性を大きく乱すことなく使用で
きる。高分子分散液晶技術において、ゲル化した液晶を
得るためには、モノマー量を20%程度加えることが一
般的に必要となる。ところが、このようにして作製した
ゲル化した液晶は、散乱性を示すことが多く、表示素子
としての機能もゲル化した液晶層の光散乱を利用する表
示システムとなる。このような表示は、偏光板を必要と
しないので、明るさ、視野角特性に優れる表示となる
が、反面コントラストが低いという欠点を有している。
コントラストの点では、通称TN液晶素子、STN液晶
素子のような調光層(液晶層)の光学効果が旋光性、複
屈折性を有しているので、偏光板を使用する方式が優れ
ている。しかしながら、高分子分散技術では、調光層を
可視光に対して透明にすることが困難であり、たとえで
きたとしても、液晶をゲル化するために液晶に添加する
量が多いために、偏光板を用いる表示方式に必要とされ
る液晶の配向性を正しく制御することは難しい。
【0028】本発明における「ゲル」は、三次元網目構
造に溶剤がとりこまれた状態を意味する。また、本発明
における「物理ゲル」は、ゲル状態から溶液状態(ゾル
状態)への変化が可能なものを意味する。ゲル状態から
溶液状態への変化が可能であれば、三次元網目構造の架
橋部分の構造には限定をうけないが、その架橋構造は一
般的に共有結合以外の二次的結合力によるものの場合が
多い。ここで言う二次的結合力は、水素結合、分子配
向、ヘリックス形成、ラメラ形成等の分子間力結合、及
び、イオン結合によるものである。分子間力結合による
ゲルの溶液への変化(ゾル化)は、一般的に温度を上げ
ることによって引き起こすことができる。イオン結合に
よるゲルの溶液への変化(ゾル化)は、一般的にpHや
イオン強度を変化させることによって引き起こすことが
できる。どちらのタイプにでも使用できる材料として
は、液晶と混和するものがあげられる。
【0029】具体的には、アミド結合や水酸基を2個以
上有する水素結合性の化合物、例えば、アミド結合を有
する化合物(アミノ酸系化合物、尿素系化合物)、ソル
ビトール系化合物、ステロイド系化合物等がある。ま
た、高分子電解質(高分子電解質に多価イオンをふくむ
もの、ポリイオンコンプレックス等)、非対称長鎖アル
キルアンモニウム塩等のイオン成分を有するもの、或い
は、イオン部、水素結合部をもたない材料の構造に起因
するもの、例えば、ファンデルワールス力、π−πスタ
ッキング等によるもの(コレステロール誘導体、ポリフ
ルオロアルキル化合物、長鎖アルコキシアントラセン)
等がある。
【0030】本発明におけるゲル化剤は、低分子化合物
で構成されている。このような低分子化合物をゲル化剤
として用いると、ゲル化剤として高分子化合物を用いる
ものと比較して、液晶物質との相溶性が向上するので、
短時間の内に低いエネルギーで液晶物質をゲル化するこ
とが可能となる。本発明でいう「低分子化合物」とは、
分子量分布をもたない化合物をさす。このような低分子
化合物は、好ましくは、前記液晶物質に溶解し、かつ、
分子間水素結合によって該液晶物質をゲル化する分子量
2000以下、好ましくは、150〜2000の低分子
化合物で構成され、キラル構造を持つものが好ましい。
また、その化合物は液晶物質との相溶性を向上させる構
造を有することが好ましく、具体的には長鎖アルキル構
造(分岐があっても良い)を持つものが好ましい。特
に、好ましくは、炭素数10〜40の長鎖アルキル基を
2個以上有していることが好ましい。具体的には、特開
平5−216015号公報、特開平8−254688号
公報、特開平11−21556号公報、及び、特開平1
1−52341号公報に開示されているものが使用でき
る。液晶を物理ゲル化できる化合物の液晶に対する添加
量としては、液晶が可視光に対して散乱しない範囲、即
ち、透明な範囲であることが必要である。また換言すれ
ば透明な範囲でゲル化できる化合物を選択することが必
要であり、添加量はゲル化できる範囲で極力少なくする
ことが好ましい。具体的数値としては液晶物質に対して
0.5重量%以下、好ましくは、0.2重量%以下、さ
らに好ましくは、0.1重量%以下である。
【0031】本発明の液晶表示素子の表示側基板1に使
用されるプラスチック基板は、液晶表示素子の性格上、
可視光に対して透明なものが好ましく、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、ポリアクリレート系、ポリエーテ
ル系等の汎用の高分子材料を用いることができるが、そ
れらの高分子材料としては、リターデーションが小さ
く、ガス透過性(水分、酸素、窒素)が少なく、可視光
の透過性が高く、線膨張係数が小さく、しかも、耐熱性
が高いものが好ましい。本発明においては、表示側基板
1は、厚み250μm以下のものを使用することが軽量
性、厚み、破砕しない点で特に好ましいが、基板の厚み
が薄くなるに従い、外部圧力に対する変形もし易くなる
ので、気泡の発生の危険性も上昇することとなる。本発
明は、このような薄いプラスチック基板を用いたときに
大きな効果を発揮する。液晶表示素子の基板にプラスチ
ック基板を使用することは、従来から公知であり、前記
特許公報にも、プラスチック基板を使用できることが開
示されているが、厚み250μm以下のプラスチック基
板で構成される光透過性の表示側基板1とこれに対向す
る非表示側基板2とを有すると共に、これらの基板1,
2の間に液晶物質とこれを物理ゲル化するゲル化剤とを
含む液晶性組成物で構成される調光層を有する液晶表示
素子において、前記液晶物質の等方相/液晶相転移温度
をゾル−ゲル転移温度以上とし、且つ、前記2枚の基板
の表面にそれぞれ配向膜を形成して、気泡の発生を抑え
ると共に、コントラストが高く、しかも、透明度が高い
液晶表示素子とする、という技術思想は、開示されてい
ない。
【0032】本発明における表示側基板1に用いられる
プラスチック基板の材料は、好ましくは、ポリカーボネ
イト又はポリエーテルスルフォンである。このような材
質で構成される250μm以下のプラスチック基板は、
リターデーション、可視光の透過性、耐熱性(〜150
℃)、基板の軽量性、厚みの点で優れているので、かか
るプラスチック基板を用いて形成した液晶表示素子は、
表示品質が高く、また、軽量性、可とう性、生産性等の
性質において優れている。
【0033】本発明における液晶表示素子は、あらかじ
め、液晶物質と接する対向する2枚の基板1,2の少な
くとも一方の基板の表面に該液晶物質を物理ゲル化する
ゲル化剤を塗布した後、該液晶物質を前記対向する2枚
の基板1,2の間に注入することにより製造される。
【0034】基板面への調光層の導入は、液晶表示素子
の大部分において両基板間への液晶の減圧注入により行
われているのが現状であり、特に、基板間厚みの精度が
要求されるもの(TN表示,STN表示、(反)強誘電表
示等)については顕著に使用されている方式である。本
発明においては液晶をゲル化させる化合物を液晶に含ま
せることを前提としている。よって、液晶表示素子の使
用温度範囲において液晶はゲル化していることが好まし
い。液晶表示素子の使用温度範囲に常温が含まれること
はいうまでもないことであるから、本発明における調光
層も常温ではゲル化している必要がある。ゲル化してい
る液晶物質をゾル化温度以上にもって行き、液体状態と
することにより減圧注入が可能となるが、この場合に
は、注入が終了するまではゾル状態を保つ必要があるた
め、注入皿、基板等を加熱しておく必要が生じる。この
ような操作はエネルギー的に不利であり、加熱のための
装置等を必要とし、その制御も複雑となり、生産性をさ
げる要因となる。
【0035】本発明によれば、あらかじめ、液晶物質と
接する対向する2枚の基板1,2の少なくとも一方の基
板の表面に該液晶物質を物理ゲル化するゲル化剤を塗布
した後、該液晶物質を前記対向する2枚の基板1,2の
間に注入するので、減圧注入の加熱を必要としないこ
と、従来の装置がそのまま使用できること、煩雑な温度
制御を必要としないこと、等の効果がある。両基板1,
2内に液晶をゲル化できる化合物をあらかじめ存在させ
るには、両基板1,2をシール部7で接着させる以前の
状態、即ち、基板1枚の状態の時に、液晶をゲル化でき
る化合物、即ち、ゲル化剤の溶液(化合物が液体の場合
そのままでも使用可能)をあらかじめ塗布しておく。ゲ
ル化剤は、基板上に塗布された後述のギャップ剤の表面
に塗布しておいてもかまわない。ゲル化剤は、スピン塗
布、デップ塗布、フレクソ印刷等の公知の塗布方法によ
って行うことができるが、シール部7にゲル化剤が着か
ないようにすることが好ましい。
【0036】減圧注入により液晶表示素子を作製してい
るものは、その大部分において、基板間距離を一定にす
るためのギャップ剤を使用している。このギャップ剤
は、両基板を貼り付ける前に基板上に存在させておくも
のである。このギャップ剤の配置方法の一つに湿式散布
法がある。この湿式散布法は、ギャップ剤を含む液体を
基板上に噴霧して降らせる方法である。本発明によれ
ば、ゲル化剤をギャップ剤中に溶解又は分散させて基板
上に噴霧等の手段により塗布する。ギャップ剤中に溶解
又は分散させる溶媒は、ゲル化剤を溶解しないような貧
溶媒を使用する必要がある。このように、ゲル化剤をギ
ャップ剤中に溶解又は分散させて基板上に噴霧等の手段
により塗布すると、一回でギャップ剤及びゲル化剤を基
板上に付与できるので、生産工程を省力化することがで
きる。
【0037】本発明によれば、液晶物質を前記対向する
2枚の基板間に注入した後加熱してゲル化剤を液晶物質
に混和させ、続いて、冷却する。このように、液晶物質
を前記対向する2枚の基板間に注入した後加熱する理由
は、液晶物質を注入する温度では液晶物質とゲル化剤と
が混和しないようにしておき、そして、液晶物質を注入
した後加熱してゲル化剤を液晶物質に混和させ、続い
て、冷却することにより、液晶物質をゲル化させること
にある。液晶物質を注入する温度で液晶物質とゲル化剤
とが混和してしまうと、液晶の注入にしたがいゲル化が
おこり、それ以上の注入ができなくなったり、また、ゲ
ル化が進行が遅いものでも注入時に混和してしまうと、
液晶の注入にしたがい液晶をゲル化できる化合物が注入
口から遠ざかる方向に移動していき、注入口からの距離
により液晶をゲル化する化合物の濃度が異なることにな
る。
【0038】このような状態で作製された液晶表示素子
は、均一な表示ができなくなってしまう。この現象は、
液晶物質を注入する温度では液晶と混和しない化合物を
選択することにより回避可能である。ゲル化剤が液晶物
質と混和しないという意味は、本来注入時間のみ混和が
さけられれば良いので、液晶物質に対するゲル化剤の溶
解性が小さいか、或いは、長い溶解時間が必要であると
いう意味であって、その温度においてまったく混和しな
いという意味ではない。液晶物質の注入後は、混和を促
進するため温度を一旦ゾル化点以上に加熱し、ゲル化点
以下に冷却することにより、短時間で均一表示ができる
表示不良の少ない液晶表示素子を提供することができ
る。また、本発明の液晶表示素子は、高分子分散液晶物
質を用いたものと異なり、液晶表示素子を作製したあと
もゾル化が可能であるので、表示欠陥が生じた場合、そ
の原因にもよるが、再度ゾル化し安定状態とした後、ゲ
ル化することにより表示欠陥を修復することが可能であ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例を示して、本発明を具体的に説
明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものでは
ない。
【0040】(参考例1)等方相/液晶相転移温度が1
07℃の液晶物質に次の式
【化1】 で示される化合物(以下、「化合物A」という)よりな
るゲル化剤を0.5wt%を加え、これを120℃に加
熱した後放冷した。すると、液晶物質はゲル化してみか
け上固体となった。この見かけ上固体となった液晶ゲル
を示差熱測定機で熱量測定したところ、そのゾル−ゲル
転移点は、30℃付近に観測された。
【0041】(参考例2)等方相/液晶相転移温度が1
07℃の液晶物質に前記化合物Aよりなるゲル化剤を1
wt%を加え、これを120℃に加熱した後放冷した。
すると、液晶物質はゲル化してみかけ上固体となった。
この見かけ上固体となった液晶ゲルを示差熱測定機で熱
量測定したところ、そのゾル−ゲル転移点は、42℃付
近に観測された。
【0042】(参考例3)等方相/液晶相転移温度が3
5℃の液晶物質に前記化合物Aよりなるゲル化剤を1w
t%を加え、これを120℃に加熱した後放冷した。す
ると、液晶物質はゲル化してみかけ上固体となった。こ
の見かけ上固体となった液晶ゲルを示差熱測定機で熱量
測定したところ、そのゾル−ゲル転移点は、50℃付近
に観測された。
【0043】(実施例1)ITOを表面に持つポリエー
テルサルフォンシート(PES:住友ベークライト製、
厚み150ミクロン)を8.5cm×5.5cmに切り
出し、中心部に8.5cm×4.5cmのITOを残し
て端の部分をエッチングして取り除いた基板を2枚用意
した。これらの2枚の基板のITO面に配向膜形成液を
スピンコートにより塗布し、塗布した配向膜形成液を1
20℃で乾燥し配向膜を形成した。このようにして得ら
れた配向膜にラビングマシーンで液晶セル作製後のツイ
スト角が240度となるようにラビング処理を施した
後、これらの配向膜を超純水で洗浄し、乾燥して、2枚
の基板の一方を表示側基板とし、他方の基板を非表示側
基板とした。そして、アルコール中にシリカスペーサを
分散させたスペーサ散布液を用意し、このスペーサ散布
液を表示側基板の上にスピンコート機で散布した後、こ
れを80℃で1分間乾燥させた。次に、スクリーン印刷
で表示側基板と非表示側基板とを接着させるためのシー
ル剤を非表示側基板上に印刷形成し、表示側基板と非表
示側基板とを互いのストライプ状のITOが直交するよ
うに張り合わせた。このように張り合わせた表示側基板
及び非表示側基板を加熱してシール剤を硬化させてシー
ル部とすることによりセル(図1参照)とした。得られ
たセルを液晶注入用真空装置に移し、0.002Torrま
で減圧した後、前記参考例1の液晶ゲルを加えた液晶ザ
ラに該セルの液晶注入口を付け、セル外部を常圧にもど
すことにより、液晶ゲルをセル中に導入した。この際、
液晶ゲルの系の温度は65℃に加温しておいた。この液
晶ゲルを導入したセルを真空装置より取り出して注入口
を封止し、これを120℃の恒温層に放置した後、室温
まで冷却した。このようにして得られた液晶表示装置の
透過率を測定したところ、その透過率は、ほぼ100%
であった(液晶のみ入れたセルとの比較)。この液晶表
示装置に上下偏向板を設置し、ブルーモードにて、その
コントラスト比を評価したところ、8:1であった。ま
た、偏向板を設置する前のセルを80度の恒温層で保存
した後、r4mmの先端形状を有するステンレスによ
り、作製した液晶セルの表面を押す試験(押圧試験)を
実施した。押圧試験を実施した場所はシール部内側で桝
目状等間隔にて16個所(縦4×横4)行ったところ、
気泡の発生は起っていなかった。
【0044】(実施例2)参考例2の液晶ゲルを用いる
以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製し
た。このようにして得られた液晶表示装置の透過率を測
定したところ、その透過率は99%であった。そして、
この液晶表示装置のコントラスト比を評価したところ、
そのコントラスト比は、7.5:1であった。また、こ
のようにして得られた液晶表示装置の押圧試験を実施例
1と同様にしたところ、気泡の発生は起こっていなかっ
た。
【0045】(実施例3)実施例1と同様にして2枚の
基板の一方を表示側基板とし、他方の基板を非表示側基
板とした。そして、アルコール中にシリカスペーサを分
散させたスペーサ散布液を用意し、このスペーサ散布液
を表示側基板の上にスピンコート機で散布した後、これ
を80℃で1分間乾燥させた。次に、前記化合物Aを溶
剤に溶かしたゲル化剤を用意し、これを非表示側基板の
上に塗布した。この際、後に、シール剤でシールする部
分、即ち、シール部にゲル化剤が接しないようにした。
続いて、スクリーン印刷により表示側基板と非表示側基
板とを接着させるためのシール部を非表示側基板上に印
刷形成し、表示側基板と非表示側基板とを互いのストラ
イプ状のITOが直交するように張り合わせた。このよ
うに張り合わせた表示側基板及び非表示側基板を加熱し
てシール剤を硬化させてシール部とすることによりセル
(図1参照)とした。得られたセルを液晶注入用真空装
置に移し、0.002Torrまで減圧した後、前記参考例
1の液晶物質を加えた液晶ザラに該セルの液晶注入口を
付け、セル外部を常圧にもどすことにより、液晶物質を
セル中に導入した。この液晶物質を導入したセルを真空
装置より取り出して注入口を封止し、これを120℃の
恒温層に放置した後、室温まで冷却した。この液晶表示
装置に上下偏向板を設置し、ブルーモードにて、そのコ
ントラスト比を評価したところ、8:1であった。ま
た、偏向板を設置する前のセルを80度の恒温層で保存
した後、r4mmの先端形状を有するステンレスによ
り、作製した液晶セルの表面を押す試験(押圧試験)を
実施した。押圧試験を実施した場所はシール部内側で桝
目状等間隔にて16個所(縦4×横4)行ったところ、
気泡の発生は起っていなかった。
【0046】(実施例4)基板にポリカーボネイトで構
成される120μm厚の基板を使用した以外は、実施例
1と同様に、液晶表示装置を作製した。このようにして
得られた液晶表示装置の透過率を測定したところ、その
透過率はほぼ100%であった。そして、この液晶表示
装置のコントラスト比を評価したところ、そのコントラ
スト比は、8:1であった。また、このようにして得ら
れた液晶表示装置の押圧試験を実施例1と同様にしたと
ころ、気泡発生個所は0であった。
【0047】(実施例5)基板にポリカーボネイトで構
成される200μm厚の基板を使用した以外は、実施例
1と同様に、液晶表示装置を作製した。このようにして
得られた液晶表示装置の透過率を測定したところ、その
透過率はほぼ100%であった。そして、この液晶表示
装置のコントラスト比を評価したところ、そのコントラ
スト比は、8:1であった。また、このようにして得ら
れた液晶表示装置の押圧試験を実施例1と同様にしたと
ころ、気泡発生個所は0であった。
【0048】(比較例1)液晶ゲルを参考例3の液晶ゲ
ルを用いる以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装
置を作製した。このようにして得られた液晶表示装置の
透過率を測定したところ、その透過率は46%であっ
た。
【0049】(比較例2)ゲル化剤を使用しない以外
は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
このようにして得られた液晶表示装置の押圧試験を実施
例1と同様にしたところ、気泡発生個所は6個所あっ
た。
【0050】
【発明の効果】(1) 請求項1〜3に記載された発明によ
れば、厚み250μm以下のプラスチック基板で構成さ
れる光透過性の表示側基板とこれに対向する非表示側基
板とを有すると共に、これらの基板の間に液晶物質とこ
れを物理ゲル化するゲル化剤とを含む液晶性組成物で構
成される調光層を有する液晶表示素子において、前記液
晶物質の等方相/液晶相転移温度をゾル−ゲル転移温度
以上とし、且つ、前記2枚の基板の表面にそれぞれ配向
膜を形成したので、気泡の発生を抑えると共に、コント
ラストが高く、しかも、透明度が高いプラスチック液晶
表示素子を提供することができる。
【0051】(2) 請求項4に記載された発明によれば、
請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方
法において、あらかじめ、液晶物質と接する対向する2
枚の基板の少なくとも一方の基板の表面に該液晶物質を
物理ゲル化するゲル化剤を塗布した後、該液晶物質を前
記対向する2枚の基板の間に注入するので、減圧注入の
加熱を必要としないこと、従来の装置がそのまま使用で
きること、煩雑な温度制御を必要としないこと、等のメ
リットがあり、そのために、気泡の発生を抑えると共
に、コントラストが高く、しかも、透明度が高いプラス
チック液晶表示素子を効率良く低コストで製造できる液
晶表示素子の製造方法を提供することができる。
【0052】(3) 請求項5〜6に記載された発明によれ
ば、前記ゲル化剤が、室温では液晶物質と混和しない低
分子化合物で構成されているので、液晶物質との相溶性
が向上し、そのために、短時間の内に低いエネルギーで
液晶物質をゲル化することが可能となる。
【0053】(4) 請求項7〜8に記載された発明によれ
ば、前記ゲル化剤をギャップ剤中に溶解又は分散させて
塗布するので、一回でギャップ剤及びゲル化剤を基板上
に付与できるので、生産工程を省力化することができ
る。
【0054】(5) 請求項9に記載された発明によれば、
前記液晶物質を前記対向する2枚の基板間に注入した後
加熱してゲル化剤を液晶物質に混和させ、続いて、冷却
するので、短時間で均一表示ができる表示不良の少ない
液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す液晶表示素子のセ
ルの平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 表示側基板 2 非表示側基板 3,4 ITO層 5,6 配向膜 7 シール部 8 液晶物質注入口 10 セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 比嘉 政勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 長田 麻由佳 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H088 FA02 HA01 JA05 JA13 JA17 JA20 KA21 KA22 KA23 MA01 MA02 MA06 MA20 2H089 LA06 NA05 QA12 QA16 RA05 RA10 RA13 RA14 SA17 TA01 2H090 JB03 KA05 KA08 KA14 KA15 LA02 4H027 BD20 BD24 BE07 CA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み250μm以下のプラスチック基板
    で構成される光透過性の表示側基板とこれに対向する非
    表示側基板とを有すると共に、これらの基板の間に液晶
    物質とこれを物理ゲル化するゲル化剤とを含む液晶性組
    成物で構成される調光層を有する液晶表示素子におい
    て、前記液晶物質の等方相/液晶相転移温度をゾル−ゲ
    ル転移温度以上とし、且つ、前記2枚の基板の表面にそ
    れぞれ配向膜を形成したことを特徴とする液晶表示素
    子。
  2. 【請求項2】 前記ゲル化剤が、前記液晶物質に溶解
    し、かつ、分子間水素結合によって該液晶物質をゲル化
    する分子量2000以下、好ましくは、150〜200
    0の低分子化合物で構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記プラスチック基板が、ポリカーボネ
    イト又はポリエーテルスルフォンであることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表
    示素子の製造方法において、あらかじめ、液晶物質と接
    する対向する2枚の基板の少なくとも一方の基板の表面
    に該液晶物質を物理ゲル化するゲル化剤を塗布した後、
    該液晶物質を前記対向する2枚の基板の間に注入するこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ゲル化剤が、室温では液晶物質と混
    和しない低分子化合物で構成されていることを特徴とす
    る請求項4に記載の液晶表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記低分子化合物が、前記液晶物質に溶
    解し、かつ、分子間水素結合によって該液晶物質をゲル
    化する分子量2000以下、好ましくは、150〜20
    00の低分子化合物であることを特徴とする請求項5に
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ゲル化剤をギャップ剤中に溶解又は
    分散させて塗布することを特徴とする請求項4〜6のい
    ずれかに記載の液晶表示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ギャップ剤中に分散させたゲル化剤
    を乾式散布して塗布することを特徴とする請求項4〜7
    のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記液晶物質を前記対向する2枚の基板
    間に注入した後加熱してゲル化剤を液晶物質に混和さ
    せ、続いて、冷却することを特徴とする請求項4〜8の
    いずれかに記載の液晶表示素子の製造方法。
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