JP2004191613A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物の混入を抑制する効果に優れた液晶表示素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示素子では、一対の基板101間の、シール剤102と画像表示部分103との間に、高分子ゲル化剤を含有する液晶組成物104が存在している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示素子としては、ネマティック液晶を使用したTN型やSTN型のものが実用化され、社会に広く普及している。そこで、液晶表示素子の劣化を防止し、優れた表示性能を保持できる素子を提供することは必要不可欠である。液晶素子の劣化による不具合として、コントラストの低下や、液晶分子の配向不良が生じることがある。これらの現象は、液晶物質中に何らかの不純物が混入したために、配向不良が生じたり電界応答特性が変化して起こる場合が多い。不純物には、基板のシール剤として用いた接着剤に含まれる成分が溶け出したものがある。これを防止するために、液晶との相溶性の低いシール剤が開発されているが、成分の溶け出しを完全に阻止することは依然として困難であるのが現状である。また、外気中からシール材を透過して液晶物質中に混入する酸素,水などの分子も、液晶分子の挙動に影響を与える。これを防止する手段としては、シール材の幅を広くするという対策が考えられるが、シーリングに用いる部分の面積分は画像表示可能な部分が減少してしまうため、望ましくない。このように、液晶物質中への不純物混入を抑制することは大きな課題である。この課題を解決する手段として、シール剤と画像表示部分との間に、不純物の拡散を抑制することのできる材料を存在させることが考えられる。
【0003】
上記の課題を解決できる材料の一例として、高分子中に液晶を分散させた高分子分散型液晶を用いるということが考えられる。高分子分散型液晶は、構造が簡易で大型化が容易であり、視野角が広い等の長所を有する。しかし、一方では、樹脂を硬化させる操作時の温度や光強度に高い精度が要求され、また、樹脂が硬化してしまうので欠陥の修復が不可能であり、また、電圧印加時にヒステリシスを生じて中間調の表示が不可能であるといった短所を有する。
【0004】
高分子分散型液晶の長所を保持し、短所を補うことが可能な液晶素子として、特許文献1および特許文献2には、パーフルオロアルキル基を有する低分子化合物と液晶物質を含有してゲル状態を示す混合物を構成要素とする液晶表示素子が開示されている。このゲル状態の液晶組成物を用いることによって、ヒステリシスを生じない表示が可能になり、かつ、TN型液晶セル並の高コントラストを実現できる。
【0005】
しかし、ゲル状態を示す液晶組成物は室温条件下でゲル状態を示すため、セルに注入する操作時には、液晶組成物およびセルを液晶組成物のゾルゲル転移温度以上に加熱しなければならない。前記液晶組成物のゾルゲル転移温度は、およそ110℃〜120℃であり、セルと液晶組成物を高温に保ちながら注入するという操作は、効率が悪く、生産性に欠けるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−216015号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平8−254688号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願の発明者は、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と液晶物質をゲル化する低分子化合物とを含む液晶組成物を存在させることにより、シール剤や素子の外側からの不純物が液晶物質中に混入,拡散することを防止することを案出した。本願の発明者が使用した液晶をゲル化する低分子化合物のゾルゲル転移温度はおよそ60℃〜90℃であり、特許文献1および特許文献2に示されている化合物のゾルゲル転移温度よりも低いので、効率良く素子を作成することが可能となる。
【0009】
しかし、これらの低分子化合物は、液晶物質との相溶性に優れず、液晶に溶解させるために少なくとも120℃前後までの加熱が必要であった。さらに、これらの低分子化合物と液晶物質から形成されるゲル状態の液晶組成物は、時間の経過とともに安定性を徐々に失い、低分子化合物によるネットワーク構造から液晶物質が染み出すという現象が起こることがあった。そこで、より液晶物質との相溶性に優れ、かつ、形成される非流動性の液晶組成物が安定性に優れるような材料を開発することが課題となっていた。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決し、不純物の混入を抑制する効果に優れた液晶表示素子およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在することを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、高分子ゲル化剤の水素結合により形成されたネットワーク構造中に液晶物質が取り込まれたものであることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、室温条件下で流動性を持たないことを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、前記高分子ゲル化剤は、水素結合性部位を少なくとも1箇所以上有するオルガノシロキサンであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の液晶表示素子において、前記水素結合性部位は、光学活性部位を有する化1に示す部分構造を有することを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の液晶表示素子において、前記水素結合性オルガノシロキサンは、化2の構造を持つとともに、n/(m+n)が0.3以上であることを特徴とする液晶表示素子。但し、化2において、R1〜R5およびX,Y,Zは同一あるいは異なる一価の有機基を表し、X,Y,Zのうちの少なくとも1つは、光学活性を有し水素結合性部位を少なくとも1箇所以上有する一価の有機基を示す。また、n,m,lは自然数であることを特徴としている。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、前記水素結合性オルガノシロキサンは、分子量が2000以上であることを特徴としている。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、基板間の液晶物質と、基板のシール剤と画像表示部分との間に存在する高分子ゲル化剤を含む液晶組成物を形成する液晶物質とが同一であることを特徴としている。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、画像表示部分に透明な調光層を有するとともに、シール剤と画像表示部分との間に存在する液晶組成物中の高分子ゲル化剤が液晶物質の液晶相においてゲル化することを特徴としている。
【0020】
また、請求項10記載の発明は、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在する液晶表示素子の製造方法であって、前記液晶表示素子の製造時に、基板のシール剤と画像表示部分との間に、高分子ゲル化剤を存在させてから、液晶の注入を行うことを特徴としている。
【0021】
また、請求項11記載の発明は、請求項10記載の液晶表示素子の製造方法において、画像表示部分の周囲に高分子ゲル化剤を存在させた後に、シール剤を用いて基板を貼り合わせることを特徴としている。
【0022】
また、請求項12記載の発明は、請求項10または請求項11記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質の注入時に、液晶物質の注入口には高分子ゲル化剤を存在させないことを特徴としている。
【0023】
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質を基板間に注入した後に、注入口に高分子ゲル化剤を存在させることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
上述した目的を達成するため、本発明の液晶表示素子は、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在することを特徴としている。
【0026】
このように、基板のシール材と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含有する液晶組成物を存在させることによって、画像表示部分の面積を減少させることなく、不純物の混入を抑制する効果に優れた液晶表示素子が可能となる。その結果、長期間使用後も液晶物質中への不純物の拡散が抑制され、安定な表示機能を保持した液晶表示装置を得ることができる。
【0027】
次に、具体的な構成を示しながら、本発明を詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明に係る液晶表示素子の構成例を示す図である。図1を参照すると、この液晶表示素子では、一対の基板101間の、シール剤102と画像表示部分103との間に、高分子ゲル化剤を含有する液晶組成物104が存在している。
【0029】
このような構成では、液晶組成物104が存在することにより、シール剤102を透過した微量の外気中分子や、シール剤102そのものに含まれる物質が、画像表示部分103の液晶物質中に拡散することが抑制され、液晶表示素子を長期にわたり安定に駆動することが可能となる。
【0030】
なお、本発明において、「画像表示部分」とは、高分子ゲル化剤を含まない液晶物質が存在する部分を示すものとする。
【0031】
また、本発明において、ゲルとは、三次元ネットワーク構造に溶剤が取り込まれた状態を指し、ゲル状態からゾル(溶液)状態へと可逆的に変化するものである。その場合、ゲル状態からゾル状態への変化が可能であれば、三次元ネットワーク構造の架橋部分の構造には限定を受けないが、その架橋構造は一般的に共有結合以外の二次的結合力によるものの場合が多い。本発明で用いるゲルのネットワーク構造は、分子間力結合(水素結合)によるものであるとする。分子間力によるゲルのゾル化は一般的には温度を上げることによって引き起こすことができる。
【0032】
本発明で用いられる高分子ゲル化剤は、分子量分布を持ち、分子間水素結合によって物質をゲル化する性質を持ち、かつ、使用する液晶物質に溶解する化合物である。具体的には、水素結合性部位を有する有機基を少なくとも1個以上有するとともに、分子中に2元素以上よりなる繰り返し単位構造を3単位以上有する化合物である。分子量としては1000以上のもの、特に2000〜7000のものが好ましい。分子間水素結合が可能な分子構造上の条件は、一般的にはアミド基(−NHCO−)、アミノ基(−NH−)とカルボニル基(−CO−)の組み合わせを有するものが望ましい。これ以外に、カルバメート基、ウレア基、カルボキシル基、アルコキシ基、リン酸基および水酸基などがあっても良く、これらの数,位置については限定しない。そのようなゲル化剤の中でも、特に、分子間水素結合が可能な基およびアルキレン基を1分子中にそれぞれ2個以上有する化合物が望ましい。アルキレン基としては、炭素数4以上、好ましくは6〜20の長鎖構造(分岐があっても良い)を持つ方が、液晶物質への溶解性が高い。また、ゲル化剤はキラル構造を有することが好ましい。
【0033】
また、本発明において用いられる液晶物質としては、従来から液晶表示素子に用いられている液晶分子、具体的には、ネマティックあるいはスメクティック相を示すビフェニル系,フェニルシクロヘキサン系などの各種液晶分子を用いることができる。
【0034】
液晶物質をゲル化させるために必要な前記ゲル化剤の量は、液晶物質に対して0.05〜10wt%である。ゲル化剤の量の最適値は液晶物質およびゲル化剤の種類によって異なるが、液晶が可視光に対して散乱しない範囲、すなわち透明な範囲であることが好ましい。換言すれば、透明な範囲でゲル化できる化合物を選択できることが好ましい。ゲル化剤の添加量は、不純物の混入を抑制するという目的のためには多い方が好ましく、ゲル状の液晶組成物部分にも画像表示を可能とするためには少なくするのが好ましい。具体的な数値としては、液晶物質に対して0.5wt%未満であれば非常に好ましい。液晶物質にゲル化剤を溶解したものを加熱すると、均一な等方性溶液となる。これを冷却することにより、光学的に異方性のゲル状の液晶組成物を得ることができる。
【0035】
また、ネットワーク構造を持つことにより、液晶組成物は長期安定性により優れたものとなる。
【0036】
このゲル状の液晶組成物は、水素結合性のネットワーク構造を持つので、熱などの刺激に応じて結合が切れたりネットワークを形成したりするという構造変化を、可逆的に起こさせることが可能である。すなわち、ゲル状の液晶組成物を再度加熱することにより等方性溶液に戻り、再度冷却することで液晶ゲルが得られる。また、本発明で作製されるゲル状の液晶組成物は、電界の強度の変化に応じて配向が変化し、明確な電界応答性を示す。
【0037】
また、本発明において使用されるシール剤102としては、従来から液晶表示素子に用いられている材料、具体的には光硬化性のアクリル系樹脂,エポキシ系樹脂などを用いることができる。また、本発明において使用される基板101としては、従来から液晶表示素子の基板として用いられている透明な材料を用いることができる。例えば、ガラス等の剛直な材料、プラスティックフィルム等の柔軟な材料のいずれも用いることができる。
【0038】
また、本発明に使用される液晶組成物は、室温では流動性を持たないゲル状態を保つことが必要である。なお、ここで言う室温は、本発明の液体表示素子が使用される可能性のある温度範囲であるので、0〜60℃程度を想定しているが、−10〜70℃であれば実使用に十分である。本発明におけるゲル状態とは、分子間会合によるゲルは勿論、ゲル化剤の添加によって粘度の上昇した状態も含むものとし、ゲル状態となって流動性が消失することで、不純物の拡散を抑える効果が発現する。したがって、液晶素子が使用される環境下(液晶表示素子の設計による)で常にゲル状態を示すことがより好ましい。本発明では、上に示した液晶物質とゲル化剤の組み合わせで作製できるゲル状の液晶組成物のうち、この条件を満たすものを用いる。
【0039】
また、高分子ゲル化剤として、水素結合性部位を少なくとも1箇所以上有するオルガノシロキサンを用いることにより、安定な構造を保持し、製造時に高温加熱が不要な液晶表示素子を得ることができる。
【0040】
すなわち、従来のゲル化剤を用いた液晶組成物では、そのゲル組織がある程度の長さを持つ繊維状の構造であることが知られている。そのため、ゲル化した当初はその長いゲル組織が組み合わさったネットワーク構造に液晶物質が取りこまれて流動性が消失しているが、時間の経過にともないネットワーク構造に取りこまれた液晶物質が徐々に染み出してくる。液晶物質の染み出しは、液晶組成物の透過率や屈折率のムラ,応答性のムラの原因となり、表示品質を落とす要因となっていた。
【0041】
そこで、本願の発明者らは、ゲル化剤として、水素結合性部位を有するオルガノシロキサンを用いることにより、ゲル組織の微細化に成功した。ゲル組織を微細にすることによって、ゲル化剤と液晶物質の接触面積の合計が大きくなり、液晶物質がゲル化剤から十分な相互作用が得られるために、ゲル化剤のネットワーク構造から液晶物質が染み出しにくくなり、経時的安定性が向上したものと考えられる。
【0042】
また、液晶組成物の製造過程においては、高分子ゲル化剤を液晶物質と混和させるために加熱が必要であるが、従来のゲル化剤は液晶物質との相溶性にあまり優れず、液晶物質に完全に混和させるためには120℃前後までの加熱が必要となり、エネルギー的に不利であった。これに対し、本発明の会合性部位を有するオルガノシロキサンは液晶への溶解性が高く、液晶物質の種類にもよるがおおむね100℃程度未満で液晶物質と混和する。したがって、液晶組成物の製造時の加熱温度が低くて済み、エネルギー的に効率良く製造ができる液晶組成物を備えた光変調素子を提供することができる。
【0043】
また、上記本発明の液晶表示素子において、前記水素結合性部位は、例えば、光学活性部位を有する化3に示す部分構造を有している。
【0044】
【化3】
−NH−CH(R)−CO− あるいは −CH(R)NHCO− ;Rは一価の有機基
【0045】
本発明で用いられる水素結合性のオルガノシロキサンが、化3に示す部分構造を有する場合には、分子間の結合が柔らかく動的で液晶物質の電界応答性を下げない液晶組成物を備えた光変調素子を提供することができる。
【0046】
分子間水素結合が可能な分子構造上の条件は、一般的には、アミド基(−NHCO−)、アミノ基(−NH−)とカルボニル基(−CO−)の組み合わせを有するものが望ましい。これ以外に、カルバメート基、ウレア基、カルボキシル基、アルコキシ基、リン酸基および水酸基などがあっても良く、これらの数,位置については限定しない。そのような水素結合性部位の中でも、特に、化3のようなアミノ基、カルボニル基及びアルキル基を有するものが望ましい。
【0047】
より具体的には、文献「高分子論文集,Vol.52,No12,P773(1995)「オイルゲル化剤の開発とゲル化機構の解明」」や文献「高分子加工,45巻1号,P21(1996)「オイルゲル化剤」」に記載されている光学活性を有するゲル化剤の構造を有することが好ましい。
【0048】
さらに具体的には、以下の構造(化4,化5,化6,化7のいずれか)のものが好ましい。
【0049】
【化4】
−(CH−CONHCH(s−C)CONHR
n;2から18の整数、R;炭素数4〜24のアルキル基
【0050】
【化5】
−(CH−CONHCH(i−C)CONHCH(i−C)CONHR
n;2から18の整数、R;炭素数4〜24のアルキル基
【0051】
【化6】
Figure 2004191613
【0052】
【化7】
Figure 2004191613
【0053】
化6,化7において、n,n;2から18の整数、n,n;1から9の整数である。
【0054】
上記の会合性部位を持つ有機基は、高分子鎖に対してメチレン鎖(−CH)n−で結合されることが好ましく、その単位数は高分子鎖の運動を妨げない面や会合体構築を妨げない面からn≧4であることが好ましい。
【0055】
また、上述した本発明の液晶表示素子において、前記水素結合性オルガノシロキサンは、例えば、化8の構造を持つとともに、n/(m+n)が0.3以上である。但し、化8において、R1〜R5およびX,Y,Zは同一あるいは異なる一価の有機基を表し、X,Y,Zのうちの少なくとも一つは、光学活性を有し水素結合性部位を少なくとも1箇所以上有する一価の有機基を示す。また、n,m,lは自然数である。
【化8】
Figure 2004191613
【0056】
上記のように、水素結合性オルガノシロキサンが化8の構造を持つとともに、n/(m+n)が0.3以上であることにより、より一層効果的に水素結合によるネットワーク構造が形成された液晶組成物を備えた光変調素子を提供することができる。
【0057】
本発明で用いられる光学活性を有し水素結合性部位を有するオルガノシロキサンは、化8で表される構造を持ち、水素結合性部位は化8中のX,Y,Zで表される部位の少なくとも1箇所以上に存在する。好ましくは、水素結合性部位は、光学活性部位を有する化3に示す部分構造を有するものであるのが良い。水素結合性部位は、シロキサン結合の側鎖あるいは末端に導入されていても良いし、側鎖と末端の両方に導入されていても良い。水素結合性部位がX,Y,Zのうちの複数箇所に存在する場合は、それらが等しい構造であることが望ましい。また、mおよびnは、側鎖にR1とR4をもつ単位構造と側鎖にR2とZを持つ単位構造との分子中での存在比率を表すものであり、分子中での結合の順番はそれぞれ連続して重合(ブロック共重合)していても良いし、ランダムに重合していても良い。
【0058】
さらに好ましくは、R1〜R5及びX,Y,Zのうち水素結合性部位でないものは、同一でも異なっていても良く、Hあるいは炭素数が1〜4のアルキル基、フェニル基である。
【0059】
シロキサン結合中のSiに付く有機基のうち、水素結合性部位が側鎖としてのみ存在する場合(X,Y,ZのうちZのみが水素結合性である場合)に水素結合性部位Zの割合が低い時には、液晶組成物中の水素結合性オルガノシロキサンの濃度を高くして会合させることになるが、高濃度の会合性化合物は、液晶組成物の透過率及び応答性を下げる要因となりやすい。そのため、好ましくは会合性部位Zの割合であるn/(m+n)を0.3以上とすることで、少量の会合性化合物の添加により液晶物質を取り込むのに充分な会合構造を形成することができる。より好ましくは、n/(m+n)を0.5以上とすることで、より効果的に本発明の目的を達成することができる。また、X,Y,Zのうちの2箇所以上が水素結合性部位を持つ有機基である場合には、それらが同一の基であれば、より好ましい。
【0060】
また、上述した本発明の液晶表示素子において、前記水素結合性オルガノシロキサンは、分子量が2000以上であるのが良い。
【0061】
このように、水素結合性オルガノシロキサンの分子量が2000以上であることにより、より一層安定な会合構造が形成された液晶組成物を備えた光変調素子を提供することができる。会合性化合物の分子量が小さい場合には、高分子鎖部の非晶質性を失いやすく、また、形成される会合体組織も粗いものになりやすく、会合構造の安定性も損なわれやすい。しかし、分子量が2000以上であることにより、会合体組織が安定なることに加え、製造過程においてエネルギー的に有利になるとともに工業的にも扱いやすい。従って、水素結合性オルガノシロキサンの分子量は2000以上であるのが好ましい。また、オルガノシロキサンの分子鎖の繰り返し単位数{化8中の記号で表すと、(m+n)×l}は5以上であることが好ましく、10以上であればより一層好ましい。
【0062】
また、上述した本発明の液晶表示素子において、基板間の液晶物質と、基板のシール剤と画像表示部分との間に存在する高分子ゲル化剤を含む液晶組成物を形成する液晶物質とは、同一のものにすることができる。
【0063】
このように、基板間の液晶物質と、シール剤と画像表示部分の間に存在する高分子ゲル化剤を含む液晶組成物を形成する液晶物質とを同一のものにすると、素子全体の製造手順が簡略になる。すなわち、これらの部分に組成の異なった液晶物質を用いようとすると、画像表示部分とシール剤の間にゲル状の液晶組成物を存在させてから画像表示部分に液晶物質を注入するという2段階の手順をふまなければならないが、使用する液晶物質が同一であれば、後述する方法を用いて、液晶物質の注入操作を1回で行うことができる。
【0064】
また、上述した本発明の液晶表示素子において、画像表示部分に透明な調光層を有するとともに、シール剤と画像表示部分との間に存在する液晶組成物中の高分子ゲル化剤を液晶物質の液晶相においてゲル化するものにすることができる。
【0065】
このように、画像表示部分に透明な調光層を有する液晶表示素子において、高分子ゲル化剤が液晶物質の液晶相においてゲル化することにより、液晶組成物をより透明性に優れたものとすることができる。画像表示部分に透明な調光層を有する、すなわち調光層として透明な液晶物質を備えた透過型液晶表示素子においては、高分子ゲル化剤を含む液晶組成物も透明であることが望ましい。不純物の拡散を防ぐという目的のためには、シール剤を画像表示部分の間に存在する液晶組成物部分ができるだけ幅広いことが望ましく、その場合に、液晶表示素子の使用環境によっては、ゲル状の液晶組成物が画像表示部分にまではみ出す可能性も否めない。その場合に、液晶組成物が光を散乱するものであると、画像表示部分にはみ出た液晶組成物によって表示品質,コントラストが低下するとともに、液晶物質からなる本来の画像表示部分との境目に違和感を生じさせてしまう。そこで、本願の発明者は、より透明な、すなわち光透過率の高い液晶組成物ができる材料の検討を重ねたところ、ゲル化剤のゲル化が液晶物質の液晶相において起こることによって、より透明(高透過率)な液晶組成物が得られることを見出した。この理由は明確ではないが、液晶相を呈する液晶物質中で水素結合性物質がゲル化するため、ゲル組織が液晶分子の影響である程度の規則性を持つものと推測される。
【0066】
また、発明者は、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在する上述した液晶表示素子の製造時に、基板のシール剤と画像表示部分との間に、高分子ゲル化剤を存在させてから、液晶の注入を行うことによって、液晶表示素子を製造することができる。
【0067】
このように、液晶物質の注入前に高分子ゲル化剤をシール剤と画像表示部分の間に存在させることで、常温で液晶物質を注入するだけでゲル化剤と液晶物質の混合が完了する。一般に、基板面への液晶の導入は、両基板間への減圧注入が顕著に使用されている方式である。本発明においては、ゲル化剤が液晶組成物中に存在することが前提であるため、液晶表示素子の使用温度範囲においては液晶組成物がゲル化していることが好ましい。したがって、本発明における液晶組成物も常温では非流動性(ゲル状態)を示し、常温において基板間に液晶組成物を減圧注入することはできない。ゲル化している液晶組成物をゾル化温度以上まで熱して液体状態とすることにより減圧注入が可能となるが、この場合には注入が終了するまではゾル状態を保つ必要があるため、注入皿,基板などを加熱しておく必要が生じる。このような操作はエネルギー的に不利であり、加熱装置等が必要となる上に、その制御も複雑となり、生産性を下げる要因となる。本発明の手順においては、基板上にあらかじめゲル化剤を存在させておくため、減圧注入時の過熱を必要とせず、従来の装置がそのまま使用でき、煩雑な温度制御も不要となる。基板上にゲル化剤をあらかじめ存在させる手法としては、直接塗布する方法、溶媒に溶かして塗布・乾燥する方法等の方法が考えられる。塗布方法としては、従来公知のスピン塗布,デップ塗布,フレクソ印刷などが使用できる。ゲル化剤は、シール剤を印刷する部分(封止部)にできるだけ近づけて塗布することが望ましいが、シール部に付着しないように注意することが好ましい。
【0068】
上述した本発明の液晶表示素子の製造方法において、画像表示部分の周囲に高分子ゲル化剤を存在させた後に、シール剤を用いて基板を貼り合わせるのが好ましい。
【0069】
このように、画像表示部分の周囲にゲル化剤を存在させる作業は、基板にシール剤を印刷するよりも先に行うのが望ましい。シール剤はゲル化剤よりも厚みがあるため、先に印刷をしてしまうと、ゲル化剤を存在させる作業がしにくくなる上に、シール剤の上にゲル化剤が重ならないよう精度が要求される。そこで、先にゲル化剤を存在させてからシール剤を印刷することで、シール剤の際までゲル化剤を存在させることができ、作業を簡易化することができる。
【0070】
また、上述した本発明の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質の注入時に、液晶物質の注入口には高分子ゲル化剤を存在させないのが好ましい。
【0071】
このように、ゲル状の液晶組成物が液晶注入部分には存在しないことにより、液晶物質の注入時にゲル化剤と液晶物質が画像表示部分で混ざり合うことを防止することができる。
【0072】
また、上述した本発明の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質を基板間に注入した後に、注入口に高分子ゲル化剤を存在させるのが好ましい。
【0073】
このように、液晶物質を注入した後に注入口にゲル化剤を存在させることによって、最終的には注入口もゲル状の液晶組成物で塞がれ、不純物の混入をより確実に抑制することができる。
【0074】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0075】
(実施例1)
実施例1では、基板として、寸法が30mm×40mmのガラスにITO電極層を形成したものを2枚用意した。配向処理膜としてポリイミドをフレキソ印刷法により積層し、ナイロンを巻きつけた円筒状ロールを用いて基板を動かしながらローラーを回転させることにより、ラビング処理を施した。
【0076】
ゲル化剤として、化9の構造を持つオルガノシロキサン(分子量約6000)を用意し、液晶として、等方相/液晶相転移点が45℃のものを用意した。
【0077】
【化9】
Figure 2004191613
【0078】
化9の化合物による、この液晶のゲル化開始温度はおおむね68℃である。
【0079】
2枚の基板101のうちの1枚に、ゲル化剤をシクロヘキサンに溶かしたものを、画素部分を取り囲むように、図1に示される液晶組成物104の部分に塗布して、乾燥させた。ただし、後に液晶物質を注入する注入口106の部分を5mm塗り残した。次に、ゲル化剤を塗布した部分の外側に、シール剤102として、アミン硬化エポキシ樹脂中に5μm径のシリカビーズを含有させたものをスクリーン印刷し、2枚の基板101を貼り合わせて固定・硬化して、セルを作製した。次に、セルを液晶注入用真空装置に移し、0.002Torrまで減圧した後に液晶皿にセルの液晶注入口106をつけてセル外部を常圧に戻し、液晶をセル中に導入した。その後、注入部分にゲル化剤を塗布し、その外側を封止剤で塞ぎ硬化することにより、液晶素子を得た。この液晶素子を100℃まで加熱してゲル化剤を液晶物質に溶かした後に、室温まで冷却することにより、シール剤と画像表示部分との間にゲル状の液晶組成物が存在する液晶表示素子を得た。ゲル状の液晶物質部分は、可視光に対しておおむね透明であった。可視光透過率を測定したところ、75%であった。
【0080】
上記の手順で作製した液晶表示素子に、互いに直交する2枚の偏光板を設置して、TN型の液晶表示素子を得た。液晶セルに64Hzの交流電圧を印加したところ、液晶が均一に正常に作動することが確認できた。
【0081】
以上のような手順で作製した液晶表示素子を30個用意した。40℃条件下で2400時間駆動させた後に、画素部分とゲル状の液晶物質部分の境目を観察したが、30個とも、境目の液晶の配向異常は認められす、安定な表示性能が保たれた。
【0082】
(比較例1)
比較例1では、ゲル化剤として、化10の構造を持つ低分子ゲル化剤(分子量493)を用い、ゲル化剤を液晶に溶解させる為に120℃まで加熱すること以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを30個用意した。
【0083】
【化10】
Figure 2004191613
【0084】
実施例1と同様に、40℃で2400時間駆動をさせた後に画素部分とゲル状の液晶組成物部分の境目を観察したところ、30個中、23個の液晶セルにおいて液晶の配向異常が認められ、表示性能に劣化が生じていた。
【0085】
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に、2枚の基板を用意してラビング処理を施した。ゲル化剤として実施例1と同様の化9のオルガノシロキサンを用意し、液晶としては、等方相/液晶相転移点が83℃であるMJ011211(メルク製)を用意した。化9の化合物によるこの液晶のゲル化開始温度は、おおむね68℃である。
【0086】
以上の材料を用いて、実施例1と同様の方法にて液晶素子を作製した。ゲル化剤を含む液晶組成物部分は可視光に対しておおむね透明であった。液晶組成物部分の可視光透過率は87%であり、実施例1の液晶を用いたときよりも透明性の向上が確認できた。
【0087】
2400時間の連続駆動試験では、配向異常は認められず、表示性能は安定であった。
【0088】
(実施例3)
実施例3では、実施例1と同様に、2枚の基板を用意してラビング処理を施した。ゲル化剤としては、化9の構造を持つオルガノシロキサンで分子量が約6700のものを用意した。液晶としては、実施例2と同様のMJ011211を用意した。
【0089】
実施例3でも、実施例1と同様の方法で基板にゲル化剤を存在させ、シール剤を塗布して2枚の基板を貼り合わせて固定・硬化してセルを作製した。次に、セルを100℃に熱したホットプレートに載せた状態で、液晶注入口より液晶を注入した。その後、注入部分にもゲル化剤を塗布し、その外側を封止剤で塞いで硬化することによって液晶表示素子を得た。ゲル状の液晶物質は可視光に対しておおむね透明であり、可視光透過率は77%であった。
【0090】
この液晶表示素子の作動性能および液晶組成物部分の安定性は、実施例1の素子と同様に良好であった。
【0091】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項9記載の発明によれば、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在するようにしており、画像表示部分の周囲に液晶物質と高分子ゲル化剤を含有する液晶組成物が存在することにより、外気中の物質やシール材から漏出する不純物が液晶物質に混入することを抑制する効果に優れた液晶表示素子を提供することができる。
【0092】
特に、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、室温条件下で流動性を持たないので、不純物の混入をより確実に抑制する液晶表示素子を提供することができる。
【0093】
また、請求項4乃至請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、前記高分子ゲル化剤は、水素結合性部位を少なくとも1か所以上有するオルガノシロキサンであるので、安定性および液晶物質との相溶性に優れる、水素結合性部位を有するオルガノシロキサンと液晶物質とを含む液晶組成物を備えた液晶表示素子を提供することができる。
【0094】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、基板間の液晶物質と、基板のシール剤と画像表示部分との間に存在する高分子ゲル化剤を含む液晶組成物を形成する液晶物質とが同一であるので、製造方法を簡易なものにすることができる。
【0095】
また、請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、画像表示部分に透明な調光層を有するとともに、シール剤と画像表示部分との間に存在する液晶組成物中の高分子ゲル化剤が液晶物質の液晶相においてゲル化するので、より透明性に優れる液晶組成物を備えた液晶表示素子を提供することができる。
【0096】
また、請求項10乃至請求項13記載の発明によれば、電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在する液晶表示素子の製造方法であって、前記液晶表示素子の製造時に、基板のシール剤と画像表示部分との間に、高分子ゲル化剤を存在させてから液晶の注入を行うので、液晶の注入によって1段階で高分子ゲル化剤と液晶物質とを混合することができる。
【0097】
特に、請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の液晶表示素子の製造方法において、画像表示部分の周囲に高分子ゲル化剤を存在させた後に、シール剤を用いて基板を貼り合わせるので、簡易で高い精度が要求されない、液晶表示素子の製造方法を提供することができる。
【0098】
また、請求項12記載の発明によれば、請求項10または請求項11記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質の注入時に、液晶物質の注入口には、高分子ゲル化剤を存在させないので、液晶物質の注入時に、液晶物質と高分子ゲル化剤とが画像表示部分で混ざり合うことを防止できる。
【0099】
また、請求項13記載の発明によれば、請求項12記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質を基板間に注入した後に、注入口に、高分子ゲル化剤を存在させるので、画像表示部分を囲んで液晶組成物を存在させて、不純物の混入をより確実に抑制する液晶表示素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の構成例を示す図である。
【符号の説明】
101 一対の基板
102 シール剤
103 画像表示部分
104 液晶組成物

Claims (13)

  1. 電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 請求項1記載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、高分子ゲル化剤の水素結合により形成されたネットワーク構造中に液晶物質が取り込まれたものであることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 請求項1または請求項2記載の液晶表示素子において、前記液晶組成物は、室温条件下で流動性を持たないことを特徴とする液晶表示素子。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、前記高分子ゲル化剤は、水素結合性部位を少なくとも1箇所以上有するオルガノシロキサンであることを特徴とする液晶表示素子。
  5. 請求項4記載の液晶表示素子において、前記水素結合性部位は、光学活性部位を有する化1に示す部分構造を有することを特徴とする液晶表示素子。
    Figure 2004191613
  6. 請求項4または請求項5記載の液晶表示素子において、前記水素結合性オルガノシロキサンは、化2の構造を持つとともに、n/(m+n)が0.3以上であることを特徴とする液晶表示素子。但し、化2において、R1〜R5およびX,Y,Zは同一あるいは異なる一価の有機基を表し、X,Y,Zのうちの少なくとも1つは、光学活性を有し水素結合性部位を少なくとも1箇所以上有する一価の有機基を示す。また、n,m,lは自然数である。
    Figure 2004191613
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、前記水素結合性オルガノシロキサンは、分子量が2000以上であることを特徴とする液晶表示素子。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、基板間の液晶物質と、基板のシール剤と画像表示部分との間に存在する高分子ゲル化剤を含む液晶組成物を形成する液晶物質とが同一であることを特徴とする液晶表示素子。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液晶表示素子において、画像表示部分に透明な調光層を有するとともに、シール剤と画像表示部分との間に存在する液晶組成物中の高分子ゲル化剤が液晶物質の液晶相においてゲル化することを特徴とする液晶表示素子。
  10. 電極を備えた一対の基板間に液晶物質を有し、基板のシール剤と画像表示部分との間に、液晶物質と高分子ゲル化剤とを含む液晶組成物が存在する液晶表示素子の製造方法であって、前記液晶表示素子の製造時に、基板のシール剤と画像表示部分との間に、高分子ゲル化剤を存在させてから、液晶の注入を行うことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  11. 請求項10記載の液晶表示素子の製造方法において、画像表示部分の周囲に高分子ゲル化剤を存在させた後に、シール剤を用いて基板を貼り合わせることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  12. 請求項10または請求項11記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質の注入時に、液晶物質の注入口には高分子ゲル化剤を存在させないことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  13. 請求項12記載の液晶表示素子の製造方法において、液晶物質を基板間に注入した後に、注入口に高分子ゲル化剤を存在させることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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